JP2004057882A - 圧損調整機能を有するフィルターおよびそれを用いた電気掃除機用集塵袋 - Google Patents

圧損調整機能を有するフィルターおよびそれを用いた電気掃除機用集塵袋 Download PDF

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Abstract

【課題】捕集性能と寿命を高次元で両立させた電気掃除機用集塵袋を提供すること。
【解決手段】熱可塑性エラストマー樹脂を主成分する繊維不織布からなるフィルターであって、該繊維不織布が下記(1)〜(4)を満たすことを特徴とするフィルター。
(1)該繊維不織布を構成する繊維の平均繊維径が10μm以下であること、
(2)繊維本数の15〜80%が2本以上の束状に融着した繊維からなること、
(3)100%以上の破断伸度を有すると共に、50%伸張回復率が60%以上であること、
(4)少なくとも1方向に50%伸張した時の通気度が未伸張時の通気度の2倍以下であること。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルターに関するものであり、より詳細には特定の繊維不織布からなり、目詰まりの程度に応じて目空き開度が調整され自己圧損調整機能を有するフィルターに関する。本発明のフィルターは、目詰まりを防ぎ、長い寿命を有する電気掃除機用集塵袋のプレフィルターとして有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来、フィルター素材は、一般的にポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン等の非伸縮性繊維からなるものが殆どであった。一方、エラストマー繊維からなる素材は形状が安定せず、そしてより緻密なフィルターを構成するための細い繊維径を確保することが困難であったため、このような素材はこれまでフィルターとして用いられていなかった。
【0003】
フィルターの性能向上に関しては、高い捕集効率を有するメルトブロー不織布を用いたり、エレクトレット加工により捕集効率を向上させた、高性能な掃除機用集塵袋が開発されている。(例えば特開2000−195号、特許第2883089号)
しかしながらこれらの集塵袋は、初期圧損の低下、捕集効率アップは実現可能であるが、捕集効率がアップした分、フィルター部の目詰まりが生じやすく寿命が短くなってしまう問題が生じる。
【0004】
また、使い捨て用として、木材パルプ、マニラ麻、合成繊維、ポリビニルアルコール系バインダー繊維等を配合し、湿式抄紙法で製造された抄き合わせ紙を用いた電気掃除機用集塵袋が提案されているが、黴や花粉などの微細塵を捕捉するためには紙の目付を増やす必要があり、その結果圧力損失が増加してしまうという課題を有していた。このような課題を解決するために、例えば、メルトブロー不織布からなるフィルター層と補強層とが積層された複合されたシートを電気掃除機用の集塵袋に使用する技術も提案され(特開平1−107821号)、ある程度は圧力損失と集塵効率のバランスが改善されているが、低圧力損失、高集塵効率という点では、必ずしも満足できるものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の課題を解決するものであり、その目的は捕集性能と寿命を高次元で両立させた電気掃除機用集塵袋を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、熱可塑性エラストマー樹脂を主成分する繊維不織布からなるフィルターであって、該繊維不織布が下記(1)〜(4)を満たすことを特徴とするフィルターである。
(1)該繊維不織布を構成する繊維の平均繊維径が10μm以下であること、
(2)繊維本数の15〜80%が2本以上の束状に融着した繊維からなること、
(3)100%以上の破断伸度を有すると共に、50%伸張回復率が60%以上であること、
(4)少なくとも1方向に50%伸張した時の通気度が未伸張時の通気度の2倍以下であること。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のフィルターに用いる繊維不織布を構成する熱可塑性エラストマー樹脂は、本発明の目的を達成しうる限りいかなるものでもよく、熱可塑性ポリウレタン、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、アクリル系エラストマー等が挙げられる。中でも、その伸縮特性、ヒートシール加工性、コストの面から熱可塑性ポリウレタンあるいはポリスチレン系エラストマーを用いることが好ましい。
【0008】
本発明に好適に用いられるポリウレタン樹脂としては、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系のものが好ましい。
【0009】
本発明にポリウレタンを用いる場合、該ポリウレタンを構成するポリオール成分は、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、またはこれらの共縮合物などが挙げられ、特に限定されないが、その汎用性、コスト、性能の観点から、ポリエステルポリオールまたはポリエーテルポリオールを用いることが好ましい。
上記ポリエステルポリオールとしてはエチレングルコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチルプロパンジオールなどの炭素数2〜10のアルカンのポリオールまたはこれらの混合物とグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の炭素数4〜12の脂肪族もしくは芳香族ジカルボン酸またはこれらの混合物とから得られる飽和ポリエステルポリオールである、あるいはポリカプロラクトングリコール、ポリバレロラクトングリコール等のポリラクトンジオールが好ましく使用される。これらは、単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0010】
一方、ポリエーテルポリオールとしては、環状エーテルのプロピレンオキシドやテトラヒドロフランを開環重合して得られるポリプロピレンポリオール(PPG)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)等を好ましく用いることができる。
【0011】
また、本発明においては所望により適当な鎖伸張剤を使用してもよく、該鎖伸張剤としては、ポリウレタンにおける常用の連鎖成長剤、すなわち、イソシアネートと反応しうる水素原子を少なくとも2個有する分子量400以下の低分子化合物、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、キシリレングリコール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ネオペンチルグリコール、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、イソホロンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ヒドラジン、ジヒドラジドトリメチロールプロパン、グリセリン、2−メチルプロパンジオール等が挙げられる。これらの中でも1,4−ブタンジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、3−メチル−1,5−ペンタンジオールあるいはこれらの混合物が最も有効に使用できる。また場合によっては、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンジオール、ポリカプロラクトンジオール等のポリマージオールを成形性を損なわない範囲で使用できる。
【0012】
また、熱可塑性ポリウレタン樹脂を製造するために使用される適当な有機ジイソシアネートとしてはイソシアネート基を分子中に2個以上含有する公知の脂肪族、脂環族、芳香族有機ジイソシアネート、特に、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、2,2’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−または1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの芳香族、脂肪族または脂環族ジイソシアネートが挙げられる。これらの有機ジイソシアネートは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。これら有機ジイソシアネートの中で最も好ましいのは4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートである。
【0013】
特に本発明においてポリウレタン樹脂を用いる場合は、その固有粘度は0.40dl/g以上が好ましく、より好ましくは0.50〜1.50dl/gである。固有粘度が0.40未満の場合は、樹脂の分子量が低すぎて、繊維状になりにくく安定に繊維化することが困難であるばかりか、仮に繊維状になったとしても強度が低く、フィルターとして用いた際に簡単に破断してしまう場合がある。一方、固有粘度が1.50を超えると樹脂の溶融粘度が高いため、10μm以下の繊維径を有する繊維不織布を製造することが難しくなる場合がある。
【0014】
また、該繊維不織布に用いることのできるポリスチレン系エラストマー樹脂は、スチレンを他のコモノマーと共重合したエラストマーを広く包含する。コモノマーとしては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン化合物、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン等のオレフィン、(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸エステルなどのスチレンと共重合しうるモノマーを用いることができる。これらの中ではハードセグメントとソフトセグメントのブロックから構成されるブロック共重合体型のものが好ましい。特に、スチレン−オレフィンブロック共重合体が、本発明の目的とする束状繊維の形成をコントロールしやすいため好ましい。スチレン−オレフィンブロック共重合体とは、1分子の両末端にポリスチレンブロック相をもち、中間相にオレフィン系エラストマー相を導入したものである。すなわち、中間相がポリブタジエン系であるスチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、中間相がポリイソプレン系であるスチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、中間相が水素添加型のポリオレフィンであるスチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)等が挙げられる。また、上記の如きスチレン−ポリオレフィン−スチレンのトリブロック共重合体の他に、スチレン−エチレン・プロピレンのジブロック構造の共重合体(SEP)や水添ブタジエンラバー(HSBR)なども本発明の範囲に含まれる。
【0015】
ポリエステル系エラストマーとしては、ハードセグメントにポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリテトラメチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリヘキサメチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート等を用い、そしてソフトセグメントとして、炭素/酸素の比率が1.8/1〜4.5/1の脂肪族ポリエーテル類(例えばポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール)、あるいは、例えばアジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸の如き炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸と例えばエチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコールの如き炭素数2〜12の脂肪族グリコールとのポリエステル類(例えばε−オキシカプロン酸の如き炭素数4〜12の脂肪族オキシカプロン酸の自己縮合したポリエステル類)などを挙げることができる。
【0016】
また、ポリオレフィン系エラストマーとしては、ポリプロピレンにエチレン系エラストマー(EPDMまたはEPM)をブレンドしたものや、そのゴム弾性を向上させるために部分架橋を行ったもの、エチレン−α−オレフィン共重合体などがある。中でも本発明においては、エチレン−α−オレフィン共重合体が好ましく用いられる。
このうちエチレンと共重合されるα−オレフィンとしては、一般に炭素数3〜10のα−オレフィン、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンあるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。このうち最も好ましいのは1−ブテンである。
【0017】
また、ポリアミド系エラストマーについては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6,12、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミドからなるハードセグメントを有し、ポリエステル系エラストマーの場合と同様に、脂肪族ポリエーテル類やポリエステル類からなるソフトセグメントを有するものが好ましく用いられる。
【0018】
本発明のフィルターに用いる繊維不織布は、上記した熱可塑性エラストマーを主成分とするものであるが、該繊維不織布を構成する樹脂の80%以上が熱可塑性エラストマーであることが好ましく、より好ましくは90%以上である。エラストマー樹脂の含有率が80%未満であると伸縮性が低下してしまい、フィルターとした際に伸張回復率の低下および伸張時におけるピンホール発生の原因となってしまう場合がある。
【0019】
また、該繊維不織布は、フィルターとしての良好な埃バリア性を確保するためにその構成繊維は平均繊維径10μm以下であることが肝要である。平均繊維径が10μmを超えると風合いが硬くなり、掃除機が稼動しているときにかかる圧力損失に伴う伸張応力に応じてウェブが伸び難くなったり、地合が粗くなるため本発明の目的とするフィルターの役目を果たさない。また、部分的に強度の弱いところが破壊されたり、極端に伸びてしまい、本発明の目的とする伸張時の捕集性能が確保できなくなる。
一方、平均繊維径が1μm未満の場合は、繊維不織布の強度が確保できなくなり、吸引時の圧損により繊維不織布が容易に破断してしまう、あるいは不織布の圧損が高くなり、十分な吸引の妨げとなる場合がある。さらに、このようなシートは形態安定性も悪く、加工時の取扱が難しく操業性が低下するという問題が発生する場合もある。これらの観点から、平均繊維径は1〜10μmが好ましい。
【0020】
また該繊維不織布は、強度と伸張時の塵埃捕捉性能を両立させるために、構成する繊維本数の15〜80%が束状に融着している点に特徴を有する。すなわち、構成繊維本数の15〜80%が2本以上の束状繊維を形成し、不織布内で補強材として働くことにより強度と塵埃捕捉性能の両方を維持するのである。また、かかる束状繊維の存在により、ウェブの均一性を維持した上で、さらに強度を付与するのである。つまり、フィルターとして使用した場合、良好な捕集性能を維持しつつ、この束状繊維が極細繊維の空隙を部分的に広げて一部の空隙が集中的に広がることのないように作用し、伸張した状態でも塵埃捕捉性能が保持されるのである。束状繊維の割合が15%未満の場合には、耐久性のない繊維不織布になり、強度が確保できず掃除機が吸引したときに、部分的に空隙が広がり、捕捉性能が極端に低下し、場合によってはウェブが破断してしまう。これを回避するために目付を上げると、圧損が高くなってしまう、あるいは製品のコストアップにつながるという問題点が生じる。一方、束状繊維の割合が80%を超えると、強度は確保できるものの、太い繊維からなる不織布と同様に地合が粗くなり部分的に塵埃が通過しやすい部分ができてしまうため、良好な塵埃捕捉性能が確保できなくなるという問題が発生する。本発明のフィルターとした際に、より良好な捕捉性能、不織布強度を確保するためには、束状繊維の割合は、20〜60%が好ましい。すなわち、このような束状繊維の存在により、優れた機械的特性および伸縮性と同時に伸張時の塵埃捕捉性能を同時に達成することが可能になるのである。
【0021】
該繊維不織布は、通気度1〜200cc/cm/秒という良好な通気性を有し、平均ポアサイズが1μm〜100μmであるような密な構造を有する繊維不織布とすることがより好ましい。通気度が200cc/cm/秒を超える場合、あるいは平均ポアサイズが100μmを超えるような繊維不織布は地合が粗くなるため、フィルターとした場合に品質の安定性、形態安定性に欠けるという問題点が発生する場合がある。逆に、通気度が1cc/cm/秒未満の場合、あるいは平均ポアサイズが1μm未満の場合においては、シートとしては均一なものであり外観上は好ましいものの、フィルターとしての強度を確保できなくなる場合がある。さらに該繊維不織布は、少なくとも1方向に50%伸張した時の通気度が未伸張時の通気度の2倍以下である。
【0022】
繊維不織布の目付としては目付10〜50g/m程度のものが好ましく用いられる。目付が10g/m未満の場合、その製造に関しては何ら問題ないが、薄く弱いためフィルターとしての取扱性が悪いものとなってしまう。また、目付50g/mを超えるものはそれ自体が嵩高のものとなり、また過剰品質ともなり、好ましくない。
【0023】
このような繊維不織布は、フィルターとして使用したときに、堆積した塵埃により圧損が上昇した場合に、その圧損により不織布が伸張し、繊維空隙が広がることで圧損を調整する機能を有するのである。したがって、該繊維不織布は、少なくとも1方向に伸縮性が必要であり、100%以上の破断伸度を有し、かつ50%伸張回復率が60%以上であることが肝要であり、75%以上が好ましく、さらに好ましくは85%以上である。
例えば、少なくとも1方向に100%以上の破断伸度を有しない場合、捕集した塵埃により目詰まりが生じ圧損が上昇したとき、伸度が低いことに起因してフィルターに大きな空隙が生じてしまい、プレフィルターとしての役割を果たさなくなってしまう可能性が高い。すなわち、伸張による圧損調整ができなくなる可能性が高いので好ましくない。また、50%伸張回復率が60%未満では、吸引のため圧損がかかった後の回復が少なく、掃除機を停止した時に不織布が収縮しないため、不織布表面からの塵埃の脱落が生じにくく、塵埃脱落による次回始動時の機能回復が期待できなくなってしまう。
【0024】
該繊維不織布を製造する方法としては、スパンボンド法やメルトブロー法、フラッシュ紡糸法などの直接法や短繊維からカードウェブを得、これを水流絡合、エンボスあるいはニードルパンチなどの繊維固定方法により複合する方法等、特に限定されないが、中でも特にメルトブロー法が好ましい。この方法は、樹脂のもつ曳糸性をあまり強く要求しないので、特に紡糸し難いエラストマー樹脂からなる、極めて細い繊維径を有する繊維不織布の製造には極めて有用な製法である。
【0025】
メルトブロー法で得られる極細繊維からなる不織布は、フィルター用途をはじめ多くの用途が開発されてきており、メルトブロー法による重合体の紡糸方法については、インダストリアル・アンド・エンジニアリング・ケミストリー(Industrial and Engineering Chemistry)48巻、第8号(p1342〜1346)、1956年に基本的な装置および方法が開示されている。本発明においても、基本的に同様の手法で不織布製造が可能である。
【0026】
とりわけ、該繊維不織布をメルトブロー法にて製造する場合、良好なシート形態を保ちかつ良好な触感と柔軟性、通気性および伸縮性を有するようにするために必要な2本以上の束状繊維を15〜80%確保するためには、いくつかの条件をバランスさせることが肝要である。すなわち、熱可塑性エラストマー樹脂を220℃以上の温度で溶融押出し、樹脂溶融温度+0℃〜20℃かつ、圧力1〜30kPaの噴射気流で加速することで細化紡糸し、次いでこれをシート状に捕集する際、ノズル近傍雰囲気温度を5℃〜40℃の範囲でコントロールし、溶融温度、熱風温度、圧力とのバランス点を見いだすことで、束状繊維の割合を調整するのである。この場合の各温度や圧力は紡糸条件や樹脂の特性に依存するため、それぞれ個別に設定する必要がある。ここで、ノズル近傍温度とは、ダイ幅方向中央において、ノズル先端吐出部からブローン繊維流に平行に捕集面側へ5cm、かつウェブ走行方向下流側へブローン繊維流に対して垂直に10cm離れたところの温度をいう。ノズル近傍温度をコントロールすることで、束状繊維の割合をコントロール可能になるのである。ノズル部近傍の温度を低く保ち、ノズルからの樹脂や熱風の温度や吐出量を低く抑えることで、繊維同士の融着は抑えられ、束状繊維の少ない繊維不織布が得られ、逆にこれらを高くすることで繊維同士の融着が多くなる。そして、これらの温度バランスを調整することで、不織布内の束状繊維の比率を任意に調整するのである。一方、このノズル下の温度の調節は、好ましくはノズル周辺の部屋の温度を調節することで行うが、この場合、比較的大がかりな温調設備が必要となる。しかしながら、この温調設備およびその運転コストを抑える場合には、ノズル直下に温調空気を吹き込む方法を採ることも可能であり、必要に応じて選択できるが、この場合吹き込む空気の量、速度は、ブローン繊維の乱れを生じないようできるだけ少量、低速であることが肝要である。
【0027】
そして、ウェブの均一性を確保するために、紡糸ノズルとコンベアネット間の距離を10〜50cmに設定するのがよい。そして、紡糸ノズルとコンベアネット間の距離は、これが50cm以上大きく離れるとシート形態を保つことが困難となる場合がある。また、10cmより小さくなると、繊維同士の膠着が激しく、フィルターとした際に良好な触感が損なわれる場合がある。
【0028】
さらに、この時に使用するノズルについて、極細繊維を形成するためには、0.1〜0.5mmφの孔径であることが好ましく、また本発明の束状繊維を発生させやすくするために孔ピッチを0.5mm〜1.5mmに設定することが好ましい。孔径が0.1mmφ以下では、樹脂圧が高くなりすぎて運転性に支障をきたすことになり、また、0.5mmφ以上では細い繊維が確保できない場合がある。
また、孔ピッチについては、0.5mmφ未満では束状繊維が発生しすぎて不織布の地合が低下してしまうため、捕集効率が確保できない場合がある。一方、1.5mmφを超えると、束状繊維の比率が減ってしまい、ウェブ内でのテンションメンバーとしての働きが期待できなくなってしまう。
【0029】
特に本発明において、より容易に本発明の束状繊維を確保するためには、原料となる熱可塑性エラストマー樹脂に重量平均分子量5,000以下のポリエチレン樹脂とポリオレフィン系樹脂をブレンドすることで目的とする繊維不織布をより容易に製造できる。より良好な埃バリア性および平滑性を発現させるには、熱可塑性エラストマー樹脂を80〜99%、重量平均分子量が5,000以下のポリエチレン樹脂を1〜0.001%およびポリオレフィン樹脂を20%未満の比率でブレンドした樹脂を用いることが好ましく、より好ましくは、熱可塑性エラストマー樹脂を85〜95%、重量平均分子量が5,000以下のポリエチレン樹脂を1〜0.001%およびポリオレフィン樹脂を15%未満の比率でブレンドした樹脂を用いることが好ましい。なお本発明に適用されるポリオレフィン系樹脂としては、特に限定はなく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリペンテン等およびこれらの改質ポリマーあるいは混合物であってもよいが、中でもポリプロピレンを用いることが好ましい。
【0030】
これらの樹脂のブレンドは、二軸押出機等で押出しながら、各成分を添加してもよいし、また、マスターバッチを用いてチップブレンドの後、押し出してもよい。これらをブレンドする際、例えば、ポリオレフィンとしてポリプロピレンを添加する場合等は、ポリプロピレン樹脂に分子量5,000以下のポリエチレン樹脂を練り込んだマスターバッチを原料とするエラストマー樹脂に0.1〜20%ブレンドすることで、より容易に本発明のフィルターに適した繊維不織布を得ることができる。
なお、該繊維不織布の柔軟性、伸縮性等に影響を与えない程度に光安定剤、顔料、その他の添加物を添加することは可能である。
【0031】
さらに、このポリオレフィン混合により、本発明のフィルターを構成する熱可塑性エラストマー樹脂あるいはポリオレフィンとのヒートシールが可能となる。したがって、本発明のフィルターをプレフィルターとして使用する場合、シール相手となるメインフィルターや骨材等をより一般的で安価なポリオレフィン系樹脂から選択可能となり、本発明のフィルターに合わせて他の素材を特別なものにする必要が無いためコスト的にも有利である。このことは、特に後述するように本発明のフィルターを電気掃除機集塵袋に加工するときに極めて有利に作用するのである。
【0032】
特にスチレン系エラストマー樹脂に関しては、ポリオレフィンを添加した場合、束状繊維の比率コントロールが容易になるとともに不織布の膠着性も改善することができる。
【0033】
さらに、該繊維不織布を製造するに当たって繊維同士の膠着が激しくなるような場合には、ブロッキング防止剤を使用することで繊維の膠着を防ぎ、良好な肌触り、十分な柔軟性や伸縮性を確保することができる。かかるブロッキング防止剤としては、有機物、無機物あるいはその混合物等、ブロッキング防止効果を発揮する物であれば特に限定は無い。しかしながら、ポリウレタン樹脂に練混んで使用する場合には、熱可塑性であることが好ましく、高級脂肪酸ビスアミドやモンタン酸エステル、あるいはモンタン酸エステルとモンタン酸金属塩との混合物が好適である。このブロッキング防止剤は、用いる熱可塑性エラストマー樹脂に対して0.1〜5.0質量%使用することで、所望の効果を得ることができる。
【0034】
本発明のフィルターは、フィルターにかかる圧損により、フィルターの目空きがコントロールされることに大きな特徴を有するため、集塵機用フィルターのように、フィルター下流側に空間を保つことのできる形状のフィルターと組み合わせて使用することで大きな効果を発揮するものであり、特に電気掃除機用集塵袋に好適に用いることができる。
【0035】
以下、本発明の電気掃除機用集塵袋について説明する。
本発明の集塵袋は、内袋と外袋とからなり、このうちの内袋が掃除機の稼動時に生じる圧力損失に応じて伸張し、調圧弁およびプレフィルターの役割を果たし、そして外袋がメインフィルターとして働く構造を有するものである。このうちプレフィルターとなる内袋は、上述の繊維不織布を使用することで、ある程度大きな粒子を捕捉し、細かい塵埃のみをメインフィルターとなる外袋へ通過させることができる。しかも熱可塑性エラストマーからなるため、ある程度塵埃を捕集した状態で圧損が大きくなると、圧損に応じてウェブが伸び、空隙が広がることで少しずつ塵埃を下流のメインフィルター側へ洩らしていくという働きをすることができる。すなわち、本発明のフィルターを内袋として使用することで、自身の目詰まりを適度にリークして圧損上昇を適度に抑え、なおかつメインフィルターへ塵埃が流れることを極力少なく抑える働きをするのである。
【0036】
また、本発明の集塵袋のプレフィルターとなる繊維不織布は、50%伸張時の通気度が、未伸張時の場合の2倍以下であるため、掃除機によって吸引された塵埃が、伸張によりできた空隙からすべて通過してしまうというような問題を生じることがない。
【0037】
さらに該繊維不織布は、吸引時にフィルターに捕捉された塵埃が容易に脱落できるように表面が平滑性を有していることが好ましい。
【0038】
本発明にいう平滑性は、表面粗さを示す値として、「中心線平均粗さ(Ra)」という値を用いて表現できる。本発明の電気掃除機集塵袋に用いる繊維不織布は、この数値が15μm以下であることが好ましく、より好ましくは10μm以下であり、さらに好ましくは4.5〜10μmである。
中心線平均粗さ(Ra)が15μmを超えると、繊維不織布に平滑性が無いため、運転停止した時に、フィルター上に堆積した塵埃が脱落しにくく、次回運転開始時にフィルターがより伸張した状態からスタートすることになる。したがって、運転に伴う塵埃の堆積による伸張が早く始まり、細かい塵埃がフィルターを通過しやすくなるため、掃除機集塵袋の寿命が短くなる。なお、本発明に規定する中心線平均粗さ(Ra)は後述する方法により求めることができる。
【0039】
本発明のフィルターとなる繊維不織布はその補強および伸張限界を設ける意味で、他のシートと重ねて使用してもよい。
複合するシートは、該繊維不織布の支持材としての機能を果たすものであるが、かかるシートとしては、機械方向(MD)あるいは幅方向(CD)のいずれか一方に伸張可能であれば、他のもう一方へ伸張不能であってもかまわない。したがって、複合するシートとしては、スパンレース不織布、熱可塑性フィルムを一方向にスプリットした網状布、スパンボンド不織布を一方向に延伸しその直交方向に伸縮性を付与したスパンボンド不織布、トウ状繊維群をその単繊維間で互いに部分的に接着してなるトウ状布、さらには少なくともMD又はCD方向に伸張可能な編み物等も使用可能であるが、製造上およびコスト上の総合的な点でスパンレース不織布の使用が好ましい。
【0040】
一方、本発明の電気掃除機用集塵袋に用いる外袋は、従来公知の電気掃除機集塵袋として使用されている素材が使用でき、特に限定はない。例えば、パルプを主体とした紙やより捕集性能を向上させるためにエレクトレット加工を施したメルトブロー不織布をこの紙に積層したものあるいは、該メルトブロー不織布をスパンボンド不織布や乾式不織布、湿式不織布、ネット等で補強したものが使用できる。
【0041】
本発明の電気掃除機集塵用袋は、内袋と外袋少なくとも両者の開口部周縁において一体化されており、かつ内袋はフリーの状態において外袋の容積の90%以下であり好ましくは80%以下である。また、内袋および外袋は開口部周縁以外の部分において実質的に一体化されていない構造がより好ましい。
また、上述した電気掃除機用集塵袋には、各種の菌、カビ、ダニなどが捕集されるので内袋、外袋の少なくとも1つあるいは全てに抗菌加工および/または防ダニ加工を施すことが好ましい。特にダストが多量に付着する内袋に対して加工することが好ましい。これら抗菌、防ダニ加工の方法、およびこれらの加工に用いる抗菌剤、防ダニ剤は従来公知のものがいずれも使用可能である。
【0042】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。本実施例における各物性値は、以下の方法により測定した。
【0043】
1.熱可塑性ポリウレタン固有粘度
樹脂をN,N’−メチルホルムアミドに溶解し、毛細管粘度計を用いて温度30℃で測定し、固有粘度[η]を式1により求めた。
【数1】
Figure 2004057882
【0044】
2.平均繊維径
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、不織布の表面を1000倍に拡大した写真を撮影し、この写真に2本の対角線を引き、この対角線と交わった繊維の太さを倍率換算した値を用いた。そしてこれら繊維の100本の平均値を平均繊維径として用いた。
ただし、2本以上が束状に融着している繊維、あるいは、異常な形態の繊維については、その1本1本の太さを測定できないため、測定対象から除外した。
【0045】
3.目付・厚さ
JIS L1906「一般長繊維不織布試験方法」に準拠して測定した。
【0046】
4.強度・伸度
JIS L1906「一般長繊維不織布試験方法」に準拠して測定した。
【0047】
5.通気度
JIS L1906「一般長繊維不織布試験方法」のフラジール形法に準拠して測定した。
【0048】
6.50%伸張時通気度
サンプルを1方向に50%伸張した状態で測定器に取付け、JIS L1906「一般長繊維不織布試験方法」のフラジール形法に準拠して測定した。
【0049】
7.平均ポアサイズ
Porous Materials,Inc社製Automated Perm Porometerを用いてバブルポイント法により測定した。
【0050】
8.伸張回復率
JIS L1096「一般織物試験方法」に準拠して測定した。ただし、本発明における評価は、一律、伸度50%での回復率とし、また、50%伸張後、クロスヘッドを伸張時と同じ速さで元の位置に戻し、待ち時間無しに再度伸張した。
【0051】
9.束状繊維の割合
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、不織布の表面を1000倍に拡大した写真を撮影し、この写真に2本の対角線を引き、この対角線と交わった繊維について、繊維束状態の繊維と単繊維状態の繊維とに分けて数え、単繊維数100本以上になる枚数の写真を撮影し、そこに写っている繊維全数について数えて、次式により算出した。なお束状繊維は、2本以上の繊維が100μm以上の長さにわたって2本以上の繊維が融着した形態になっているものとした。1つの束を1本とカウントした。
束状繊維の割合=繊維束状態の繊維本数/(繊維束状態の繊維本数+単繊維状態の繊維本数)×100(%)
【0052】
10.表面粗さ
JIS B0601「表面粗さの定義と表示」に準拠し、(株)ミツトヨ社製「サーフテスト501」にて測定した。
本発明における表面粗さは、不織布の長さ方向(RaMD)と幅方向の中心線平均粗さの値(RaCD)の平均値とした。
表面粗さ(Ra)=(RaMD+RaCD)/2
この時、カットオフ値=0.8mm、測定長さ=2.4mmで測定した。
なお本測定は、繊維不織布の両面について測定を行い、繊維不織布製造時の捕集成形面と接する側を捕集面、ブローノズル側をブローン面とした。
【0053】
実施例1
3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸とからなる平均分子量1500のポリエステルジオールと分子量500未満の1、4−ブタンジオールおよび4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートからなる、ポリマー中の窒素含有量が3.8%のポリウレタン樹脂を得た。得られたポリウレタン樹脂の固有粘度は0.70dl/gであった。
得られたポリウレタン樹脂を260℃にて溶融混練しながら押出し、該溶融ポリマー流をダイヘッドに導き、ギヤポンプで計量し、直径0.3mmφの孔を1.0mmピッチで一列に並べたメルトブローンノズルから吐出させ、同時にこの樹脂に260℃の熱風を噴射して吐出した繊維を成形コンベア上に捕集し、目付25.3g/mの繊維不織布からなるフィルターを得た。この時の樹脂の単孔吐出量は0.5g/分/孔であり、熱風圧力は22kPa、ノズルと捕集コンベア間の距離は15cmであった。結果を表1に示す。
【0054】
得られたフィルターを市販の電気掃除機集塵袋(小泉成器社製:「電気掃除機用紙パック」KCP5008)の吸引部に袋が2重になるように接着剤で取り付けることで電気掃除機集塵袋とした。この時、繊維不織布からなるフィルターは、この集塵袋の1/3の容量になるような大きさのものを取り付けた。この集塵袋を電気掃除機(ナショナル製MC−K1VF)に装着し、実際に吸引することで試験に供した。試験は、小鳥向けのエサ((株)スマック製「ひよこのエサ トットチャン(ヒナ用)」)を塵埃と想定し、このフィルターを装着した掃除機で実際に吸引し、フィルターが目詰まりを起こし吸引不可能になるまでの吸引重量を測定した。結果を表2に示す。
【0055】
実施例2
スチレン系エラストマーとしてSEPS(クラレ社製「セプトン」)ペレット80%と230℃、2160gでのMFRが200のポリプロピレン(PP)樹脂を20%混合し、混合ペレットとした。得られたペレットを用いてダイ温度を300℃、熱風温度を310℃としたこと以外は、実施例1と同様の方法で繊維不織布を製造し、得られた繊維不織布を用いて実施例1と同様の方法により実用評価した。(表1、2)
【0056】
実施例3
硬度38D(ASTM D2240)、結晶融点172℃、MFR10(190℃ ASTM D1238)のポリエステル系エラストマー樹脂(東洋紡績社製「ペルプレンP40H」)を用いて、ダイ温度を300℃、熱風温度を310℃としたこと以外は、実施例1と同様の方法で繊維不織布を製造し、得られた繊維不織布を用いて実施例1と同様の方法により実用評価した。(表1、2)
【0057】
実施例4
硬度35D(ASTM D2240)、結晶融点152℃、MFR7(ASTM D1238準拠;235℃、1kg荷重)のポリアミド系エラストマー樹脂(東レ社製「ペバックス3533SD01」)を用いて、ダイ温度を300℃、熱風温度を310℃とし、さらに熱風圧力を20kPaとしたこと以外は実施例1と同様の方法で繊維不織布を製造し、得られた繊維不織布を用いて実施例1と同様の方法により実用評価した。(表1、2)
【0058】
実施例5
MFR100(JIS K 6758に準拠;230℃、2.16kg荷重)のポリプロピレン樹脂と重量平均分子量1700のポリエチレン(PE)を二軸押出機にて溶融混練した後、ダイスより押出し、ポリエチレンが10%混練されたポリプロピレンマスターバッチを得た。
実施例1で用いたポリウレタン樹脂にこのマスターバッチを5%ブレンドし、実施例1と同様の方法で繊維不織布を製造し、得られた繊維不織布を用いて実施例1と同様の方法により実用評価した。(表1、2)
【0059】
比較例1
市販の電気掃除機集塵袋(小泉成器社製:「電気掃除機用紙パック」KCP5008)を実施例1と同様の方法により実用評価した。(表1、2)
【0060】
【表1】
Figure 2004057882
【0061】
【表2】
Figure 2004057882
【0062】
これらの実用評価の結果、表2に示すように、本発明のフィルターを集塵袋として用いることにより、掃除機の集塵能力が向上した。
【0063】
【発明の効果】
本発明により、自己圧損を調整する機能を有するフィルターを得ることができ、該フィルターを電気掃除機集塵袋として用いることで、塵埃の吸引過程におけるフィルター目詰まりを防ぐことができ、集塵能力が向上する。

Claims (7)

  1. 熱可塑性エラストマー樹脂を主成分する繊維不織布からなるフィルターであって、該繊維不織布が下記(1)〜(4)を満たすことを特徴とするフィルター。
    (1)該繊維不織布を構成する繊維の平均繊維径が10μm以下であること、
    (2)繊維本数の15〜80%が2本以上の束状に融着した繊維からなること、
    (3)100%以上の破断伸度を有すると共に、50%伸張回復率が60%以上であること、
    (4)少なくとも1方向に50%伸張した時の通気度が未伸張時の通気度の2倍以下であること。
  2. 熱可塑性エラストマー樹脂が、ポリウレタン、ポリエステル系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマーまたはアクリル系エラストマーから選ばれる少なくとも1種の熱可塑性エラストマー樹脂である請求項1記載のフィルター。
  3. 該繊維不織布の通気度が200cc/cm/秒以下である請求項1または2に記載のフィルター。
  4. 該繊維不織布の少なくとも1方向における50%伸張応力が5N/5cm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィルター。
  5. 該繊維不織布が平滑性を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルター。
  6. 該繊維不織布を構成する樹脂が熱可塑性エラストマー樹脂を80〜99%、重量平均分子量が5,000以下のポリエチレン樹脂を1〜0.001%、ポリオレフィン系樹脂を20%未満の比率でブレンドした樹脂からなる請求項1〜5のいずれか1項に記載のフィルター。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のフィルターを用いてなる内袋と、外袋からなる電気掃除機用集塵袋であって、内袋と外袋は少なくとも両者の開口部周縁において一体化され、内袋はフリーの状態において外袋の容積の90%以下であることを特徴とする電気掃除機集塵袋。
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