JP2004057688A - 折り畳み式物干し - Google Patents

Abstract

【課題】平面コ字状やＷ字状に展開して使用中に不用意に転倒し難い安定した折り畳み式物干しを提供する。
【解決手段】複数の枠体を屏風状に連結して折り畳み可能に構成した折り畳み式物干しにおいて、枠体２，３ａ、３ｂを平面コ字状やＷ字状に展開したときに枠体３ａ、３ｂの上端にこれらの枠体３ａ、３ｂ間に掛け渡される物干し竿５を挿通する複数のリング状の竿保持部材４を垂直方向を軸として回転可能に設ける。
【選択図】　　図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、折り畳んで収納できると共に、展開して使用することができる折り畳み式物干しに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、パイプ等を継手で略矩形状に組んだ枠体をヒンジ等で屏風状に相互に回転可能に連結した折り畳み式物干しが知られている。この折り畳み式物干しは、主に室内用として用いられ、使用時には平面コ字状や平面Ｗ字状に展開し、枠体に物干し竿を掛け渡して、この物干し竿や設けられているタオルハンガー等に洗濯物を掛けて干す用途に用いられる。使用後は、枠体を折り畳んでコンパクトにして収納することができる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の折り畳み式物干しは、平面コ字状やＷ字状に展開して使用中に、枠体に体が触れたりすると、コ字状やＷ字状を構成する枠体が回転し、バランスが崩れて倒れるおそれがある。その一方で、例えば枠体の回転を固定する固定具を用いると、組立や折り畳みが煩雑になるという問題がある。
【０００４】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、平面コ字状やＷ字状に展開して使用中に不用意に転倒し難い安定した折り畳み式物干しを提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項１記載の本発明の折り畳み式物干しは、複数の枠体を屏風状に連結して折り畳み可能に構成した折り畳み式物干しにおいて、前記枠体を平面コ字状に展開したときに対向する前記枠体それぞれにこれらの枠体間に掛け渡される物干し竿を挿通するリング状の竿保持部材を前記物干し竿と直交する方向の軸を中心として回転可能に設けた構成としている。
【０００６】
このような構造の折り畳み式物干しは、屏風状に連結されている枠体を平面コ字状に展開し、対向する枠体に設けられているリング状の竿保持部材に物干し竿を通して使用する。竿保持部材はリング状であるため、通した物干し竿が竿保持部材より外れることがない。従って、コ字状に展開した枠体の場合、枠体に回転させるような力を加えても、竿保持部材に通されている物干し竿が両側の対向する枠体間を接続しているような状態で両側の枠体に掛け渡されているため、両側の枠体の回転を物干し竿が抑制するように機能し、不用意に転倒することを防止することができる。この場合、竿保持部材が物干し竿と直交する方向の軸を中心として回転可能になっているため、両側の枠体の回転に対応して竿保持部材も物干し竿を保持したままある程度回転でき、竿保持部材に歪みが生じ難く、構造上丈夫である。
【０００７】
請求項２記載の折り畳み式物干しは、複数の枠体を屏風状に連結して折り畳み可能に構成した折り畳み式物干しにおいて、前記枠体に前記枠体を平面Ｗ字状に展開したときにこれらの枠体間に掛け渡される物干し竿を挿通する複数のリング状の竿保持部材を前記物干し竿と直交する方向の軸を中心として回転可能に設けた構成としている。
【０００８】
このような構造の折り畳み式物干しは、屏風状に連結されている枠体を平面Ｗ字状に展開し、枠体に設けられているリング状の竿保持部材に物干し竿を通して使用する。この展開状態では、竿保持部材が物干し竿と直交する方向の軸を中心として回転可能になっているため、枠体間の交差角度を変更しても物干し竿を竿保持部材に通すことができる。また、枠体相互の交差角度の変更を物干し竿と竿保持部材との摩擦で規制できるため、枠体の展開状態を物干し竿で維持でき、その結果、転倒し難くすることができる。
【０００９】
請求項３記載の折り畳み式物干しは、請求項１又は２記載の折り畳み式物干しにおいて、前記竿保持部材が、前記枠体を構成するパイプを接続する継手に装着されている。
【００１０】
枠体を構成するパイプの継手がない部分に竿保持部材を設けるには、パイプ外周面を回転しないようなビス止め等が必要となるため、パイプを接続する継手に装着することにより、構成を簡易とすることができる。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の折り畳み式物干しの実施の形態について図面を参照しながら説明する。図１は、本発明の第１実施形態の折り畳み式物干しを平面コ字状に展開し、物干し竿を掛け渡した状態を示す斜視図である。
【００１２】
第１実施形態の折り畳み式物干し１は、上下方向に長い矩形状の中央枠体２に上下方向に長い矩形状の左側枠体（左右は図１における左右方向をいい、前方、後方も図１に従う。以下、同様）３ａと右側枠体３ｂがそれぞれ垂直方向の軸で回転可能に連結されている構造である。
【００１３】
中央枠体２は、上下方向の２本の縦パイプ２１，２２に横パイプ２３，２４が接続されている。具体的には、２本の縦パイプ２１，２２の上端部と下端部に嵌め込まれている９０度エルボ継手２５〜２８にそれぞれ横パイプ２３，２４の両端部が圧入又はネジ止めされて接続されている。両縦パイプ２１，２２は、中央部のやや下方で上下に分割され、これらの分割パイプを直線的に接続するＴ字継手６１，６２によって一本の縦パイプ２１，２２に構成されている。このＴ字継手６１，６２に横パイプ２９の両端が圧入又はネジ止めされて接続され、中央枠体２は、日の字の形状に組み立てられている。右側のＴ字継手６２には、縦パイプ２２を挿通し、縦パイプ２２を軸として回転可能な円筒型のジョイント７１が一体に設けられている。
【００１４】
側枠体３ａ、３ｂは、それぞれ上下方向の縦パイプ３１，３２の上端部にそれぞれＴ字継手５１，５２が圧入又はネジ止めで装着され、下端部にはそれぞれ９０度エルボ継手５３，５４が圧入又はネジ止めで装着され、これらのＴ字継手５１，５２及び９０度エルボ継手５３，５４にそれぞれ横パイプ３３〜３６の一端部が圧入又はネジ止めで接続されている。上端部の横パイプ３３，３５の他方の端部は、中央枠体２の縦パイプ２１，２２の外面に内面が摺動して縦パイプ２１，２２を回転軸として回転可能に装着され、９０度エルボ継手２５，２６と一体になっているジョイント５５，５６に圧入又はネジ止めで接続されている。下端部の横パイプ３４，３６の他方の端部は、中央枠体２の縦パイプ２１，２２の外面に内面が摺動して縦パイプ２１，２２を回転軸として回転可能に装着されているジョイント５７，５８に圧入又はネジ止めで接続されている。これによって、中央枠体２の両側に側枠体３ａ、３ｂが中央枠体２に対して縦パイプ２１，２２を回転軸として回転可能に連結されている。側枠体３ａ、３ｂの縦パイプ３１，３２は、上下方向の中央よりやや下方で上下に分割されている縦パイプを相互に直線的に接続する継手６３，６４により一本に形成されている。
【００１５】
また、タオルハンガー７を装着できる台座付パイプ７２が、中央枠体２の右側の縦パイプ２２に回転可能に通されているジョイント７１と一体に接続されていると共に、右側枠体３ｂの縦パイプ３２の継手６４にも一体に接続されている。図１では、この台座付パイプ７２に複数のタオルハンガー７が台座付パイプ７２の軸を中心として水平方向と上向きの垂直方向との間で回転可能に装着されている状態を示している。
【００１６】
また、中央枠体２の左右の縦パイプ２１，２２の中央部の継手６１，６２の上には、図２に示すように、縦パイプ２１，２２を通したハンガー用ジョイント８１が嵌め込まれている。ハンガー用ジョイント８１は後方へ突き出した台座の上に設けられているハンガー軸受け孔８２と相互の縦パイプ２１，２２に向かって突き出しているハンガー受け８３とを備える。図１に示すワイヤーハンガー８の両側に設けられている外方に向かって突き出した軸棒の先端をそれぞれハンガー用ジョイント８１の軸受け孔８２に挿入することによって、ワイヤーハンガー８が、ハンガー受け８３に保持された状態で前方側へ棚の如く配置された状態と、上向きに立った状態、更に台座に保持された状態で後方側へ棚の如く配置された状態との間で回転自在に設けられている。
【００１７】
更に、本発明の折り畳み式物干し１では、左右の側枠体３ａ、３ｂのそれぞれの縦パイプ３１，３２の上端に装着されているＴ字継手５１，５２の上側の円筒部それぞれに竿保持部材４が垂直方向の軸を中心として回転可能に装着されている。
【００１８】
この竿保持部材４は、図３に示すように、Ｔ字継手５１，５２の上下方向の円筒部５１ａ、５２ａに挿入される円筒部４１と、円筒部４１の上端を閉塞して設けられている円筒部４１より直径の大きな円盤状のフランジ部４２と、フランジ部４２と一体の円筒部４１と直交する方向を軸とする短軸円筒状の竿受け４３とを備える一体成形体の部材である。竿受け４３の内周面の軸方向中央部には、周方向に沿ったリング状のリブ４４が設けられている。
【００１９】
竿保持部材４は、Ｔ字継手５１，５２の上下方向の円筒部５１ａ、５２ａに円筒部４１を挿入し、フランジ部４２がＴ字継手５１，５２の円筒部５１ａ、５２ａの上端縁に当接することによって、Ｔ字継手５１，５２に垂直方向の軸を中心として回転可能に装着される。竿保持部材４が回転するときに、フランジ部４２がＴ字継手５１，５２の円筒部５１ａ、５２ａの上端縁を摺動する。竿保持部材４にかかる荷重はフランジ部４２とＴ字継手５１，５２の円筒部５１ａ、５２ａの当接で受けるため、荷重に対して丈夫である。
【００２０】
本発明の折り畳み式物干し１は、例えば図４に示すように、左側枠体３ａと中央枠体２とをほぼ９０度の交差角度で展開し、右側枠体３ｂを左側枠体３ａと反対側方向へ中央枠体２とほぼ９０度の交差角度で展開して屏風状として使用することができる。ワイヤーハンガー８は後方側へ突き出す棚のようにして用いることができる。
【００２１】
また、図１に示すように、中央枠体２の左右に側枠体３ａ、３ｂを中央枠体２に対してほぼ９０度の交差角度で対向配置して平面コ字状に展開し、竿保持部材４のリング状の竿受け４３に物干し竿５を通し、物干し竿５が左右の両側枠体３ａ、３ｂの竿保持部材４に掛け渡されている状態にして使用することができる。
【００２２】
使用後は、図５に示すように、ワイヤーハンガー８とタオルハンガー７とを上向きの垂直方向に立て、中央枠体２の上に左右の側枠体３ａ、３ｂを重ねるようにして折り畳む。折り畳むことによりコンパクトになり、収納に便利になる。
【００２３】
従来の折り畳み式物干しは、図１に示したように、平面コ字状に展開して使用するときに、左右の側枠体３ａ、３ｂは中央枠体２に対して回転可能に連結されているため、左右の側枠体３ａ、３ｂに対して先端部に力が加わると回転し、中央枠体２に対する交差角度が９０度より広くなったり狭くなったりする。これにより、バランスが崩れ、転倒する可能性が生じる。
【００２４】
本発明の折り畳み式物干し１では、物干し竿５を竿保持部材４に通して使用することによって、物干し竿５が竿保持部材４に掛け渡され、しかも竿受け４３がリング状であるため、物干し竿５が竿受け４３から外れることがない。そのため、左右の側枠体３ａ、３ｂの回転が物干し竿５によって妨げられ、物干し竿５によって補強されて倒れ難い構造となり、安定性に優れる。この場合、竿保持部材４が、垂直方向の軸に回転可能であるため、左右の側枠体３ａ、３ｂを広げたり狭めたりする力が加わったときに、物干し竿５と側枠体３ａ、３ｂとの交差角度が変化しても、物干し竿５と共に回転できるので、竿保持部材４に無理な力が加わることを防止でき、竿保持部材４や物干し竿５の損傷を回避することが可能である。
【００２５】
次に、図６を参照しながら、本発明の折り畳み式物干しの第２実施形態について説明する。図６は、第２実施形態の折り畳み式物干しを上側から見た平面図である。
【００２６】
この折り畳み式物干し１ｂは、縦に長い矩形状の４つの枠体３ｃ、３ｄ、３ｅ、３ｆを屏風状に相互に垂直方向の軸を中心として回転可能に連結したものである。枠体３ｃ、３ｄ、３ｅ、３ｆの構造は図１に示したものと同様であるので、その詳細な説明は省略する。この折り畳み式物干し１ｂの両端の縦パイプの上端部のそれぞれの継手と中央の縦パイプの上端部の継手には、図３に示した３つの竿保持部材４がそれぞれ垂直方向の軸を中心として回転可能に装着されている。
【００２７】
この折り畳み式物干し１ｂは、図６に示すように、平面Ｗ字状に展開し、各竿保持部材４に物干し竿５を通して使用する。この展開状態では、竿保持部材４が回転可能であるため、枠体３ｃ〜３ｆの交差角度を変更しても物干し竿５を竿保持部材４に挿通することができる。また、物干し竿５と竿保持部材４との摩擦抵抗によって物干し竿５と竿保持部材４との相互の位置が保たれる結果、物干し竿５によって、平面Ｗ字状の展開状態は維持される。そのため、この折り畳み式物干し１ｂは、物干し竿５を竿保持部材４に通して物干し竿５を枠体３ｃ〜３ｆ間に掛け渡して用いることによって、倒れ難い構造となり、安定性に優れる。
【００２８】
本発明の折り畳み式物干しは、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記説明では竿保持部材は垂直方向の軸を中心として回転可能に構成されている例を示したが、物干し竿と直交する方向を回転軸とすればよく、図７に示すように、縦パイプ３１から水平方向に突き出し、水平方向の回転軸を有する竿保持部材４ｂ、４ｃ、あるいは横パイプ３３から吊り下げられるような垂直方向の回転軸を有する竿保持部材４ｄ等としてもよい。また、竿保持部材は、側枠体の先端の一箇所に設けているが、横パイプの任意の箇所にビス止め等で固定して設けることができる。また、側枠体の上側パイプを分割してＴ字継手で接続するようにして中間部のそのＴ字継手に竿保持部材を設けるようにしてもよい。また、竿保持部材は、上記説明では継手に装着されていたが、縦パイプに装着するようにしてもよい。また、竿保持部材の形状は例えば断面円形のリング状でもよく、リング状であれば制限はない。更に、枠体の数に制限はない。
【００２９】
【発明の効果】
本発明の折り畳み式物干しは、物干し竿を竿保持部材に掛け渡すことによって展開状態を安定して保ち、倒れ難く、安定性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の折り畳み式物干しの第１実施形態を平面コ字状に展開した状態を示す斜視図である。
【図２】本発明の折り畳み式物干しに用いるワイヤーハンガーを取り付けるハンガー用ジョイントの一例を示す斜視図である。
【図３】本発明の折り畳み式物干しに用いる竿保持部材の一例を示す斜視図である。
【図４】第１実施形態の折り畳み式物干しを別の展開状態で使用する状態を示す斜視図である。
【図５】第１実施形態の折り畳み式物干しを折り畳んだ状態を示す斜視図である。
【図６】本発明の折り畳み式物干しの第２実施形態を平面Ｗ字状に展開して用いる状態を示す平面図である。
【図７】枠体に対する竿保持部材の装着状況を説明する説明図である。
【符号の説明】
１　　　　　　　　　　　折り畳み式物干し
２　　　　　　　　　　　中央枠体
２１　　　　　　　　　　縦パイプ
２３，２４，２９　　　　横パイプ
２５〜２８　　　　　　　９０度エルボ継手
３ａ　　　　　　　　　　左側枠体
３ｂ　　　　　　　　　　右側枠体
３１，３２　　　　　　　縦パイプ
３３〜３６　　　　　　　横パイプ
５５〜５８　　　　　　　ジョイント
４　　　　　　　　　　　竿保持部材
５　　　　　　　　　　　物干し竿
７　　　　　　　　　　　タオルハンガー
８　　　　　　　　　　　ワイヤーハンガー

Claims (3)

1. 複数の枠体を屏風状に連結して折り畳み可能に構成した折り畳み式物干しにおいて、
   前記枠体を平面コ字状に展開したときに対向する前記枠体それぞれにこれらの枠体間に掛け渡される物干し竿を挿通するリング状の竿保持部材を前記物干し竿と直交する方向の軸を中心として回転可能に設けたことを特徴とする折り畳み式物干し。
2. 複数の枠体を屏風状に連結して折り畳み可能に構成した折り畳み式物干しにおいて、
   前記枠体に前記枠体を平面Ｗ字状に展開したときにこれらの枠体間に掛け渡される物干し竿を挿通する複数のリング状の竿保持部材を前記物干し竿と直交する方向の軸を中心として回転可能に設けたことを特徴とする折り畳み式物干し。
3. 請求項１又は２記載の折り畳み式物干しにおいて、
   前記竿保持部材が、前記枠体を構成するパイプを接続する継手に装着されていることを特徴とする折り畳み式物干し。

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