JP2004056678A - 音響装置並びに車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】音響装置と、同一空間にある他の音響装置との同時再生による有効活用を可能とする。
【解決手段】音響装置101は制御部104aと通信部105aと音源部106aと音源選択部107aとイコライザ部108aを有する。
音源同時利用要求命令112a,112bが音響装置102の命令入力部103に入力され、通信部105bを介して送信されると、音響装置101は通信部105aを介して前記命令を受信する。音源選択部107a,107bは前記命令に応じてそれぞれ使用する音源部を選択するとともに、イコライザ部108a,108bは選択された音響信号を予め設定された音響信号利得に対応させて、増幅器109a,109b、スピーカ110a,110bを介して同時に出力することにより、他の音響装置と同一の音源部を異なる音響信号利得で同時に再生するものである。
【選択図】 図1
【解決手段】音響装置101は制御部104aと通信部105aと音源部106aと音源選択部107aとイコライザ部108aを有する。
音源同時利用要求命令112a,112bが音響装置102の命令入力部103に入力され、通信部105bを介して送信されると、音響装置101は通信部105aを介して前記命令を受信する。音源選択部107a,107bは前記命令に応じてそれぞれ使用する音源部を選択するとともに、イコライザ部108a,108bは選択された音響信号を予め設定された音響信号利得に対応させて、増幅器109a,109b、スピーカ110a,110bを介して同時に出力することにより、他の音響装置と同一の音源部を異なる音響信号利得で同時に再生するものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は音響装置及び車両に関する。詳しくは、同一空間内における他の音響装置と有効な同時活用を図る音響装置、並びに前記共有空間の実現を図る車両に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数の音響装置において、各々の音響装置が有する音源部や音声出力部はその音響装置自身だけで用いられていた。それが近年、通信技術の発達などにより、他の音響装置と音源部を共有することができる音響装置が見られるようになってきた。その一例として、特開2002−171217号公報に開示された発明がある。
【0003】
この特開2002−171217号公報に開示された発明は、図8に示すように、車載用電子装置Aと車載用電子装置Bからなり、各車載用電子装置A,Bはそれぞれ音源部1と制御部2と通信部3とを備えており、いずれも前記制御部2に対して、前記音源部1と、かかる音源部1に対して送受信可能な通信部3が接続されている関係にある。
【0004】
そして、各車載用電子装置A,Bは、通信網4を介して情報の授受が可能なものであって相互に音源部1を共有して利用することができるようになっている。すなわち、車載用電子装置Aは音源部1aだけでなく音源部1bも利用でき、他方、車載用電子装置Bも音源部1bだけでなく音源部1aも利用できるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した車載用電子装置A、Bでは、相互に音源部1に格納された音源の情報を共有することは可能だが、これらは別個の空間にあるものとして個別に利用されるにとどまり、複数の装置を同一空間で同時に有効利用するということまでは考慮されていないという問題があった。
【0006】
本発明はかかる問題点の低減を図ることを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1に係る発明は、音源部と、音源選択部と、通信部と、イコライザ部と、制御部とを具備する音響装置を提供することにより上記課題を解決するものである。
【0008】
ここで、前記音源選択部は複数の音源部を切り換えるとともに、他の装置から前記通信部を介して音源同時利用要求命令を受けたときに制御部により前記当する音源部を選択させられるように作用する。
【0009】
また、前記イコライザ部は所定の周波数帯域毎に音源からの音響信号の利得を設定できるとともに、他の装置から前記通信部を介して音源同時利用要求命令を受けたときに制御部により周波数帯域毎の音響信号利得設定を選択された音源に対応させられるように作用する。
【0010】
請求項2に係る発明は、音源部と、音源選択部と、通信部と、イコライザ部と、制御部とを具備する音響装置を提供することにより上記課題を解決するものである。
【0011】
ここで、前記通信部は他の装置と通信できるとともに、他の装置からの音源同時利用要求命令を受け、かつ、その命令が前記音響装置内の音源部の利用を要求するものであるとき、前記音響装置内の音源部の情報を送出するように作用する。また、前記制御部は前記音響選択部と前記イコライザ部を制御するように作用する。
【0012】
請求項3に係る発明は、音源部と、音源選択部と、通信部と、イコライザ部と、制御部とを具備する音響装置を提供することにより上記課題を解決するものである。
【0013】
ここで、前記通信部は他の装置と通信できるとともに、他の装置からの音源同時利用要求命令を受け、かつ、その命令が他の装置の音源部の利用を要求するものであるとき、前記他の装置の音源部の情報を受信するように作用する。また、前記制御部は前記音響選択部と前記イコライザ部を制御するように作用する。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項1の音響装置とそれを有する車両とを提供することにより、上記課題を解決するものである。
【0015】
ここで、車両は、その車内空間と家屋の内部空間とを連接するとともに、音響装置を有するそれぞれの空間をして同一空間を形成せしめるように作用する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態につき、図1及至図7を用いて説明する。
【0017】
先に、本実施形態に係る音響装置101についての基本構成を説明すると、音響信号が記録された音源部106aと、複数の音源部から一の音源部を選択する音源選択部107aと、他の装置から命令を受ける通信部105aと、所定の周波数帯域毎に音響信号の利得を設定できるイコライザ部108aと、少なくとも前記音源選択部107aと前記イコライザ部108aとに接続され、これらを制御するようになっている制御部104aとを具備することを必須要件とする。
【0018】
さらに、音響装置101は音響信号を増幅させる増幅部としての増幅器109aと、増幅された音響信号を音声として出力する出力部としてのスピーカ110aとを備えてなるものである。
【0019】
本実施形態では、音響装置101と、これとは別個の他の装置とで同一空間内で作用し合うことにより音源の共有が可能で、かつ、同時再生が可能な音響装置システムとして機能するものであり、かかる他の装置が複数あってこれらとの組み合わせにより実現させてもよいが、本実施形態においては、説明の便宜上、他の装置は音響装置102の1つのみとして以下説明する。
【0020】
これら音響装置101と音響装置102は、同一空間内において音響の同時再生がなされればよいことから、少なくともその出力部であるスピーカ110a、110bが同一空間内に配設されていればよいものとする。
【0021】
尚、音響装置101及び音響装置102はいずれも独立して機能することも可能である。
【0022】
次に各構成要素の詳細な説明を図1を用いて説明する。
【0023】
音源部106aは、例えばハードディスクのような磁気記録装置であって、音響信号111aが記録されているものである。前記音源部106aは、制御部104aと音源選択部107aに接続され、制御部104aにより音源選択部107aに対して音響信号111aを読み出されるようになっている。
【0024】
尚、前記音源部106aは、記録されている音響信号の読み出しができればよく、光記録再生ディスクや磁気記録再生ディスクなどの記録媒体であってもよい。これらを用いることで記録媒体の持ち運びが可能になり、交換も容易になるという利点がある。
【0025】
音源選択部107aは、共有可能な音源部106a、106bのいずれか一方の選択されたものに切り換えるスイッチ機構を備えていればよく、音源部106a、イコライザ部108a、通信部105a、制御部104aにそれぞれ接続されている。前記音源選択部107aは、制御部104aにより、音源部106aに由来する音響信号111a、又は通信部105aを介して受信する音源部106bに由来する音響信号111bのいずれかをイコライザ部108aに出力させられるようになっている。
【0026】
イコライザ部108aは、例えば周波数帯域毎に音響信号の利得を予め何通りかのパターンで設定できるイコライザ装置であって、音源選択部107a、制御部104a、増幅器109aにそれぞれ接続され、制御部104aにより音響信号の周波数特性を補正・変更させられるようになっている。
【0027】
また、音源選択部107aを介して入力された、音源部106aに由来する音響信号111a又は音源部106bに由来する音響信号111bを、増幅器109aへ出力するようになっている。
【0028】
通信部105aは、他の装置である音響装置102からの音源同時利用要求命令112a,112bの受信をするとともに、音響装置102との音響信号111a,111bの送受信を可能にするインターフェイスとして機能するものである。前記通信部105aは音源選択部107aと制御部104aに接続され、音源選択部107aとは音響信号111a,111bの送受信をし、制御部104aには音源同時利用要求命令112a,112bの受信の有無を伝達できるようになっている。
【0029】
なお、前記通信部105aは他の装置と前記音響信号111a,111bの送受信や前記音源同時利用要求命令112a,112bの受信ができればよく、無線LAN(Local Area Network)や赤外線通信などの通信手段であってもよい。また、複数の装置とのネットワークを考慮すれば、WAN(Wide Area Network)やインターネット等の公衆回線に接続するようなものでもよい。
【0030】
増幅器109aは、例えばオーディオ用アンプであって、イコライザ部108aとスピーカ110aにそれぞれ接続され、前記イコライザ部108aから出力された音響信号111a、111bを増幅し、スピーカ110aに出力するようになっている。
【0031】
スピーカ110aは、例えばオーディオ用スピーカであって、増幅器109aに接続され、この増幅器109aから出力された音響信号111a、111bを音声として出力するようになっている。
【0032】
制御部104aは、例えばCPU(Central Processing Unit)であって、ROM(Read Only Memory)に記録されているプログラムやRAM(Random Access Memory)にロードされたプログラムにしたがって各所の処理、計算、条件判断、各デバイスへの制御などを行うものである。前記制御部104aは、通信部105a、音源部106a、音源選択部107a、イコライザ部108aにそれぞれ接続され、それらを適宜制御するようになっている。
【0033】
尚、音響装置101は、例えばパーソナル・コンピュータのように音楽再生可能な情報処理装置であってもよく、その場合には前記音源選択部107a、前記イコライザ部108a、前記増幅器109aはそれぞれと同等の効果を得るソフトウェアで代用してもよい。これにより各機能のアップグレードが容易になるという利点がある。
【0034】
一方、他の装置である音響装置102の基本構成については、前記音響装置101と同様であるが、制御部104bに対して作用する命令入力部103をさらに備える点で異なる。
【0035】
命令入力部103は、制御部104bに接続され、入力された命令を制御部104bに入力するようになっている。ここで、前記命令入力部103は、音響装置101の利用を要求する命令を入力できればよく、音響装置102の操作パネル、持ち運び容易なリモートコントローラ、前記命令を入力できる機能を有するパーソナル・コンピュータ、又はサーバであってもかまわない。すなわち、前記命令入力部103は音響装置102内にある必要はない。
【0036】
なお、説明の便宜上、本実施形態では音響装置101及び音響装置102の各部の接続は有線であることを前提として説明しているが、無線の場合があってもよい。
【0037】
次に、前記同一空間内において音源共有可能な音響装置システムの動作について、図2及至図4を用いて説明する。
【0038】
まず、同一空間内において音源共有可能な音響装置101,102からなる音響装置システムで音源部106aを同時に利用する際の動作図を図2に示す。
【0039】
命令入力部103から制御部104bへ音源部106aの音源同時利用要求命令112aが入力される(ステップS210)。それにより制御部104bは通信部105bから音響装置101の通信部105aへ音源部106aの前記音源同時利用要求命令112aを送信する(ステップS220)。
【0040】
前記音源同時利用要求命令112aを通信部105aが受信する(ステップS230)ことにより、制御部104aは音源選択部107aに音源部106aを選択させる(ステップS240)とともに、通信部105aを介して音源部106aに由来する音響信号111aを音響装置102へ送出させる(ステップS260)。
【0041】
音響装置102において、音源部106aの前記音源同時利用要求命令112aを送信した後(ステップS220)、制御部104bは音源選択部107bに音源部106aを選択させる(ステップS250)とともに、通信部105aから送信された前記音響信号111aを通信部105bで受信させる(ステップS270)。
【0042】
そして、音響装置101において選択された音源部106aに由来する音響信号111aをイコライザ部108aにて周波数帯域毎の音響信号利得を予め定められた設定に変更した後対応させ(ステップS280)、音響装置101、102のそれぞれで増幅器109a、109b、及びスピーカ110a、110bを経て音声として再生させられる(ステップS290、295)。
【0043】
また、音響装置101、102からなる音響装置システムで音源部106bを同時に利用する際の動作図を図3に示す。
【0044】
命令入力部103から制御部104bへ音源部106bの音源同時利用要求命令112bが入力される(ステップS110)。それにより制御部104bは通信部105bから音響装置101の通信部105aへ音源部106bの前記音源同時利用要求命令112bを送信する(ステップS120)。
【0045】
前記音源同時利用要求命令112bを通信部105aが受信する(ステップS130)ことにより、制御部104aは音源選択部107aに音源部106bを選択させる(ステップS140)。音響装置102において、音源部106bの前記音源同時利用要求命令112bを送信後、制御部104bは音源選択部107bに音源部106bを選択させ (ステップS150)、通信部105bを介して、音源部106bに由来する音響信号111bを音響装置102へ送出させる(ステップS160)。
【0046】
音響装置101の通信部105aは前記音響信号111bを受信(ステップS170)し、選択された音源部106bに由来する音響信号111bをイコライザ部108aにて周波数帯域毎の音響信号利得を予め定められた設定に変更した後対応させ(ステップS180)、音響装置101、102のそれぞれで増幅器109a、109b、及びスピーカ110a、110bを経て音声として再生させる(ステップS190、200)。
【0047】
さらに、図4に音響装置101の動作に主眼をおいたフローチャートを示す。
【0048】
まず、命令入力部103又は音響装置の操作パネルなどから、音響装置101の利用を要求する命令が入力される(ステップS310)と、音響装置101の電源が入っているかを確認するための処理(ステップS320)が行われ、もしも電源が入っていなければ自動的に電源が入る(ステップS330)。
【0049】
そして、音響装置101に入力された前記命令が音響装置102からの音源同時利用要求命令112a又は112bであるかの確認処理(ステップS340)が行われ、音源同時利用要求命令112a又は112bである場合は、それが音源部106aの利用を要求するかの確認処理(ステップS350)を行う。それ以降は、音源部106aが利用要求された場合は図2、音源部106bが利用要求された場合は図3に示した動作図のように処理される。
【0050】
ここでもし音源同時利用要求命令112a、又は112bが入力されておらず、音響装置101を単独の音響装置として利用するための命令が入力された場合、音源選択部107aは音源部106aを選択させられ(ステップS360)、その後増幅器109a、スピーカ110aを経て音声として再生させられる(ステップS370)。
【0051】
尚、設計変更により、音響装置101における音源選択部107aの設定を、音源同時利用がされないときは常に音源部106aを選択することができるため、上述の音源選択部107aに音源部106aを選択させる処理(ステップS360)を省略することも可能である。
【0052】
また、音源同時利用要求命令112aが入力された場合に、音響装置101のイコライザ部108aの設定を変更して対応させる処理(ステップS280)は、通信部105aを介して前記音源同時利用要求命令112aを受信する処理(ステップS230)の後、スピーカ110aにて音源部106aに由来する音響信号111aが再生させられる処理(ステップS290)の前までの間ならいつ行ってもよい。
【0053】
同様に、音源同時利用要求命令112bが入力された場合に、イコライザ部108aの設定を変更して対応させる処理(ステップS180)についても、音響装置101が前記音源同時利用要求命令112bを受信(ステップS130)した後、スピーカ110aにて音源部106bに由来する音響信号111bが再生させられる処理(ステップS190)の前までの間ならいつ行ってもよい。
【0054】
ここで、イコライザ部108aでの予め定められた周波数帯域毎の音響信号利得設定とは、同一空間内において音響装置101、102の配設された場所によって変わる音響効果について、望ましいものを得られるよう予め定めておくだけではなく、例えば音響装置101が持ち運び容易な装置であった場合には前記音源同時利用要求命令112a、112bを受けた際に音響装置101の位置を検出し、新しい設定を定めることもできる。
【0055】
また、上記の動作説明では音源部106a、106bに由来する音響信号111a、111bを送受信する際に、リアルタイム処理によって同時再生することを前提としているが、例えばある程度の再生時間分だけの音響信号を常にメモリに保存しつつ、音源部106aに由来する音響信号111aの送受信をする処理(ステップS260、S270)、または音源部106bに由来する音響信号111bの送受信をする処理(ステップ S160、S170)の後に、同時再生開始命令を音響装置101と音響装置102の間で送受信させて同時再生の同期を図るようにしたものであってもよい。
【0056】
次に、本発明の第2実施形態としての車両につき、図5及び図6を用いて説明する。
【0057】
上述のように、音響装置101は、音響装置102とともに同一空間で作用し合うようになしたものであるが、かかる同一空間は、異なる2つ以上の空間を一つに組み合わせることにより共有空間とするものであってもよく、かかる共有空間の適用例として、この第2実施形態では、車両501の車内空間と家屋502の室内空間を連結させるものである。
【0058】
ここで、音響装置101は車両501に配設されており、車両501には連絡口504aが設けられている。他方、音響装置102は家屋502に配設されており、家屋502には連絡口504bが設けられている。そして、車両501と家屋502は連絡部503を介して連接されるものとする。
【0059】
この連絡部503は、例えばゴムのような弾性体であって、車両501と家屋502のそれぞれの内部空間を連絡口504a、505bを介して連接するものである。なお、連絡部503は、前記車両501との接触部分を弾性体にしておけば、車両501の外表面に傷をつけにくく、かつ、連接後完了後に形成された共有空間内の気密性を高めることができる。
【0060】
なお、連絡部503は、種々の変形例が考えられ、例えば、接触部分のみならず接触部分から他端部分にかけての中間部位に弾性体を配設したようなものでもよく、この場合には車両501との連接時の緩衝作用が得られる。あるいは、車両501が家屋502の連絡口505bと離れた位置に駐車してしまった場合を考慮して、伸縮自在な蛇腹状の筒状通路のごときものでもよい。
【0061】
家屋502は、音響装置102を設置した部屋と隣接する位置に車両501を駐車させるための駐車スペース506を設け、前記駐車スペース506の床部に停止した車両501を適宜搬送するための移送装置505が設けられている。
【0062】
移送装置505は、例えば金属製のテーブルであって、その上で停止した車両501を、連絡部503に対して連絡可能位置まで移送させる機構を備えてなる。かかる移送機構は、例えば、XYテーブルにより前後左右に可動させ、ターンテーブルにより回動させ、ジャッキ機構により上下動させる機構などが挙げられ、これらのいずれか、または適宜な組み合わせが考えられる。
【0063】
なお、前記移送装置505は、溝や突起などにより前記車両501の車輪の動きを制限して前記連絡部503との連接が可能な所定の駐車位置へ車両501を誘導するガイドのような簡単な構成からなるものであってもよい。
【0064】
車両501と家屋502が連絡部503を介して連接され、かつ、連絡口504a、504bを開けることにより車両501と家屋502のそれぞれの内部空間がつなげられ、音響装置101,102が同一空間内に配されることになる。
【0065】
なお、前記命令入力部103は、連絡部503に車両501が連接されたことによって音響装置102に対して音源同時利用要求命令112a、112bを入力することが可能なものとすることが考えられる。
【0066】
すなわち、前記命令入力部103は、車両501が家屋502に連結され共有空間を形成することを検知してから情報の授受が可能となるような構成とすることが考えられる。例えば、車両501の駐車と連結動作が完了したことを検知する検知センサを設け、かかる検知センサからの信号により前記命令入力部103が前期制御部104bに命令入力することを可能にするなどのごときものである。
【0067】
なお、共有空間となった状態にならなければ、信号が届かないような仕組みとするものでもよく、例えば、信号の送信手段として赤外線を採用するという程度の簡易なものでもよい。
【0068】
この第2実施形態によれば、家屋502内で音響装置102を使用する際、車両501と家屋502の内部空間をつなげることで、従来では乗車時以外では使用しなかった車両501に備えられた音響装置101を有効に活用することができる。すなわち、音響装置101、102が共有空間において再生させるべく選択した音源を使い、同時に再生することができるのである。
【0069】
しかも、イコライザ部108aにおいて設定される周波数帯域毎の音響信号利得を、例えば車両501の音響装置101から出力される音声の低音部を強調するようにすれば、家屋502内で人が再生された音声を聴いている場合に、かかる家屋502内にいる者に対して音響効果が比較的指向性のない低音域の周波数を強調させ、他方、家屋502内の音響装置102から出力される音声は通常のまま、あるいは高音域の周波数を強調させるようにすれば、全体としての音響効果を高めることができる。
【0070】
次に、本発明の第3実施形態としての家屋につき、図7を用いて説明する。
【0071】
この第3実施形態では、前記共有空間の適用例として、家屋502内の相隣接する第一の部屋701と第二の部屋702を連結させるものである。
【0072】
音響装置102は第一の部屋701に配設され、他方、音響装置101は第二の部屋702に配設されているものとする。
【0073】
そして、第一の部屋701と第二の部屋702は出入り口703を介してつながっている。すなわち、出入り口703を開放することにより、音響装置102、101がそれぞれ配設された第一の部屋701と第二の部屋702が共有空間となる。
【0074】
この第3実施形態では、第一の部屋701で音響装置102を使用する際、従来では第二の部屋702でしか使用されなかった音響装置101をも同時に活用することができるという利点がある。
【0075】
ここで、イコライザ部108aにおいて設定される周波数帯域毎の音響信号利得は、例えば低音部を強調するようにすることで、第一の部屋701において、音響装置102のスピーカ110bから出力される音声の低音部が出入り口703から聴こえ、あたかも出入り口703が低音部専用のスピーカの役割を果たすことになる。
【0076】
したがって、共有空間において、選択した音源からの音響信号を音響装置101,102で同時に再生することができ、かつ、人が再生された音声を聴いている第一の部屋701にいる者に対して音響装置101は音響効果が比較的指向性のない低音域の周波数を強調させ、他方、第二の部屋702内の音響装置102では通常のまま、あるいは高音域の周波数を強調させるようにすれば、全体としての音響効果を高めることもできる。
【0077】
【発明の効果】
以上本発明によれば、音源部と、音源選択部と、通信部と、イコライザ部と、制御部とを具備する音響装置は、他の装置からの命令に応じて音源部の選択と音響信号の周波数帯域毎の利得設定の変更がなされることにより、同一空間内において他の装置と同一の音源部を異なる音響信号利得で同時に再生し、さらにはその同一空間を形成するために家屋と連接可能な車両に前記音響装置を設けることにより、他の音響装置との有効活用を実現するようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る音響装置を適用させた音響装置システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る音響装置を適用させた音響装置システムの動作図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る音響装置を適用させた音響装置システムの動作図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る音響装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係る車両を適用させた音響システムを示す正面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る車両を適用させた音響装置システムを示す平面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る家屋を適用させた音響装置システムを示す斜視図である。
【図8】従来の車載用電子装置システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
101,102・・・音響装置
103・・・命令入力部
104a,104b・・・制御部
105a,105b・・・通信部
106a,106b・・・音源部
107a,107b・・・音源選択部
108a,108b・・・イコライザ部
109a,109b・・・増幅器
110a,110b・・・スピーカ
111a,111b・・・音響信号
112a,112b・・・音源同時利用要求命令
501・・・車両
502・・・家屋
503・・・連絡部
504a,504b・・・連絡口
505・・・移送装置
506・・・駐車スペース
701・・・第一の部屋
702・・・第二の部屋
703・・・出入り口
800a・・・車載用電子装置A
802b・・・車載用電子装置B
801,801a,801b・・・音源部
802,802a,802b・・・制御部
803,803a,803b・・・通信部
804・・・通信網
【発明の属する技術分野】
本発明は音響装置及び車両に関する。詳しくは、同一空間内における他の音響装置と有効な同時活用を図る音響装置、並びに前記共有空間の実現を図る車両に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数の音響装置において、各々の音響装置が有する音源部や音声出力部はその音響装置自身だけで用いられていた。それが近年、通信技術の発達などにより、他の音響装置と音源部を共有することができる音響装置が見られるようになってきた。その一例として、特開2002−171217号公報に開示された発明がある。
【0003】
この特開2002−171217号公報に開示された発明は、図8に示すように、車載用電子装置Aと車載用電子装置Bからなり、各車載用電子装置A,Bはそれぞれ音源部1と制御部2と通信部3とを備えており、いずれも前記制御部2に対して、前記音源部1と、かかる音源部1に対して送受信可能な通信部3が接続されている関係にある。
【0004】
そして、各車載用電子装置A,Bは、通信網4を介して情報の授受が可能なものであって相互に音源部1を共有して利用することができるようになっている。すなわち、車載用電子装置Aは音源部1aだけでなく音源部1bも利用でき、他方、車載用電子装置Bも音源部1bだけでなく音源部1aも利用できるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した車載用電子装置A、Bでは、相互に音源部1に格納された音源の情報を共有することは可能だが、これらは別個の空間にあるものとして個別に利用されるにとどまり、複数の装置を同一空間で同時に有効利用するということまでは考慮されていないという問題があった。
【0006】
本発明はかかる問題点の低減を図ることを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1に係る発明は、音源部と、音源選択部と、通信部と、イコライザ部と、制御部とを具備する音響装置を提供することにより上記課題を解決するものである。
【0008】
ここで、前記音源選択部は複数の音源部を切り換えるとともに、他の装置から前記通信部を介して音源同時利用要求命令を受けたときに制御部により前記当する音源部を選択させられるように作用する。
【0009】
また、前記イコライザ部は所定の周波数帯域毎に音源からの音響信号の利得を設定できるとともに、他の装置から前記通信部を介して音源同時利用要求命令を受けたときに制御部により周波数帯域毎の音響信号利得設定を選択された音源に対応させられるように作用する。
【0010】
請求項2に係る発明は、音源部と、音源選択部と、通信部と、イコライザ部と、制御部とを具備する音響装置を提供することにより上記課題を解決するものである。
【0011】
ここで、前記通信部は他の装置と通信できるとともに、他の装置からの音源同時利用要求命令を受け、かつ、その命令が前記音響装置内の音源部の利用を要求するものであるとき、前記音響装置内の音源部の情報を送出するように作用する。また、前記制御部は前記音響選択部と前記イコライザ部を制御するように作用する。
【0012】
請求項3に係る発明は、音源部と、音源選択部と、通信部と、イコライザ部と、制御部とを具備する音響装置を提供することにより上記課題を解決するものである。
【0013】
ここで、前記通信部は他の装置と通信できるとともに、他の装置からの音源同時利用要求命令を受け、かつ、その命令が他の装置の音源部の利用を要求するものであるとき、前記他の装置の音源部の情報を受信するように作用する。また、前記制御部は前記音響選択部と前記イコライザ部を制御するように作用する。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項1の音響装置とそれを有する車両とを提供することにより、上記課題を解決するものである。
【0015】
ここで、車両は、その車内空間と家屋の内部空間とを連接するとともに、音響装置を有するそれぞれの空間をして同一空間を形成せしめるように作用する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態につき、図1及至図7を用いて説明する。
【0017】
先に、本実施形態に係る音響装置101についての基本構成を説明すると、音響信号が記録された音源部106aと、複数の音源部から一の音源部を選択する音源選択部107aと、他の装置から命令を受ける通信部105aと、所定の周波数帯域毎に音響信号の利得を設定できるイコライザ部108aと、少なくとも前記音源選択部107aと前記イコライザ部108aとに接続され、これらを制御するようになっている制御部104aとを具備することを必須要件とする。
【0018】
さらに、音響装置101は音響信号を増幅させる増幅部としての増幅器109aと、増幅された音響信号を音声として出力する出力部としてのスピーカ110aとを備えてなるものである。
【0019】
本実施形態では、音響装置101と、これとは別個の他の装置とで同一空間内で作用し合うことにより音源の共有が可能で、かつ、同時再生が可能な音響装置システムとして機能するものであり、かかる他の装置が複数あってこれらとの組み合わせにより実現させてもよいが、本実施形態においては、説明の便宜上、他の装置は音響装置102の1つのみとして以下説明する。
【0020】
これら音響装置101と音響装置102は、同一空間内において音響の同時再生がなされればよいことから、少なくともその出力部であるスピーカ110a、110bが同一空間内に配設されていればよいものとする。
【0021】
尚、音響装置101及び音響装置102はいずれも独立して機能することも可能である。
【0022】
次に各構成要素の詳細な説明を図1を用いて説明する。
【0023】
音源部106aは、例えばハードディスクのような磁気記録装置であって、音響信号111aが記録されているものである。前記音源部106aは、制御部104aと音源選択部107aに接続され、制御部104aにより音源選択部107aに対して音響信号111aを読み出されるようになっている。
【0024】
尚、前記音源部106aは、記録されている音響信号の読み出しができればよく、光記録再生ディスクや磁気記録再生ディスクなどの記録媒体であってもよい。これらを用いることで記録媒体の持ち運びが可能になり、交換も容易になるという利点がある。
【0025】
音源選択部107aは、共有可能な音源部106a、106bのいずれか一方の選択されたものに切り換えるスイッチ機構を備えていればよく、音源部106a、イコライザ部108a、通信部105a、制御部104aにそれぞれ接続されている。前記音源選択部107aは、制御部104aにより、音源部106aに由来する音響信号111a、又は通信部105aを介して受信する音源部106bに由来する音響信号111bのいずれかをイコライザ部108aに出力させられるようになっている。
【0026】
イコライザ部108aは、例えば周波数帯域毎に音響信号の利得を予め何通りかのパターンで設定できるイコライザ装置であって、音源選択部107a、制御部104a、増幅器109aにそれぞれ接続され、制御部104aにより音響信号の周波数特性を補正・変更させられるようになっている。
【0027】
また、音源選択部107aを介して入力された、音源部106aに由来する音響信号111a又は音源部106bに由来する音響信号111bを、増幅器109aへ出力するようになっている。
【0028】
通信部105aは、他の装置である音響装置102からの音源同時利用要求命令112a,112bの受信をするとともに、音響装置102との音響信号111a,111bの送受信を可能にするインターフェイスとして機能するものである。前記通信部105aは音源選択部107aと制御部104aに接続され、音源選択部107aとは音響信号111a,111bの送受信をし、制御部104aには音源同時利用要求命令112a,112bの受信の有無を伝達できるようになっている。
【0029】
なお、前記通信部105aは他の装置と前記音響信号111a,111bの送受信や前記音源同時利用要求命令112a,112bの受信ができればよく、無線LAN(Local Area Network)や赤外線通信などの通信手段であってもよい。また、複数の装置とのネットワークを考慮すれば、WAN(Wide Area Network)やインターネット等の公衆回線に接続するようなものでもよい。
【0030】
増幅器109aは、例えばオーディオ用アンプであって、イコライザ部108aとスピーカ110aにそれぞれ接続され、前記イコライザ部108aから出力された音響信号111a、111bを増幅し、スピーカ110aに出力するようになっている。
【0031】
スピーカ110aは、例えばオーディオ用スピーカであって、増幅器109aに接続され、この増幅器109aから出力された音響信号111a、111bを音声として出力するようになっている。
【0032】
制御部104aは、例えばCPU(Central Processing Unit)であって、ROM(Read Only Memory)に記録されているプログラムやRAM(Random Access Memory)にロードされたプログラムにしたがって各所の処理、計算、条件判断、各デバイスへの制御などを行うものである。前記制御部104aは、通信部105a、音源部106a、音源選択部107a、イコライザ部108aにそれぞれ接続され、それらを適宜制御するようになっている。
【0033】
尚、音響装置101は、例えばパーソナル・コンピュータのように音楽再生可能な情報処理装置であってもよく、その場合には前記音源選択部107a、前記イコライザ部108a、前記増幅器109aはそれぞれと同等の効果を得るソフトウェアで代用してもよい。これにより各機能のアップグレードが容易になるという利点がある。
【0034】
一方、他の装置である音響装置102の基本構成については、前記音響装置101と同様であるが、制御部104bに対して作用する命令入力部103をさらに備える点で異なる。
【0035】
命令入力部103は、制御部104bに接続され、入力された命令を制御部104bに入力するようになっている。ここで、前記命令入力部103は、音響装置101の利用を要求する命令を入力できればよく、音響装置102の操作パネル、持ち運び容易なリモートコントローラ、前記命令を入力できる機能を有するパーソナル・コンピュータ、又はサーバであってもかまわない。すなわち、前記命令入力部103は音響装置102内にある必要はない。
【0036】
なお、説明の便宜上、本実施形態では音響装置101及び音響装置102の各部の接続は有線であることを前提として説明しているが、無線の場合があってもよい。
【0037】
次に、前記同一空間内において音源共有可能な音響装置システムの動作について、図2及至図4を用いて説明する。
【0038】
まず、同一空間内において音源共有可能な音響装置101,102からなる音響装置システムで音源部106aを同時に利用する際の動作図を図2に示す。
【0039】
命令入力部103から制御部104bへ音源部106aの音源同時利用要求命令112aが入力される(ステップS210)。それにより制御部104bは通信部105bから音響装置101の通信部105aへ音源部106aの前記音源同時利用要求命令112aを送信する(ステップS220)。
【0040】
前記音源同時利用要求命令112aを通信部105aが受信する(ステップS230)ことにより、制御部104aは音源選択部107aに音源部106aを選択させる(ステップS240)とともに、通信部105aを介して音源部106aに由来する音響信号111aを音響装置102へ送出させる(ステップS260)。
【0041】
音響装置102において、音源部106aの前記音源同時利用要求命令112aを送信した後(ステップS220)、制御部104bは音源選択部107bに音源部106aを選択させる(ステップS250)とともに、通信部105aから送信された前記音響信号111aを通信部105bで受信させる(ステップS270)。
【0042】
そして、音響装置101において選択された音源部106aに由来する音響信号111aをイコライザ部108aにて周波数帯域毎の音響信号利得を予め定められた設定に変更した後対応させ(ステップS280)、音響装置101、102のそれぞれで増幅器109a、109b、及びスピーカ110a、110bを経て音声として再生させられる(ステップS290、295)。
【0043】
また、音響装置101、102からなる音響装置システムで音源部106bを同時に利用する際の動作図を図3に示す。
【0044】
命令入力部103から制御部104bへ音源部106bの音源同時利用要求命令112bが入力される(ステップS110)。それにより制御部104bは通信部105bから音響装置101の通信部105aへ音源部106bの前記音源同時利用要求命令112bを送信する(ステップS120)。
【0045】
前記音源同時利用要求命令112bを通信部105aが受信する(ステップS130)ことにより、制御部104aは音源選択部107aに音源部106bを選択させる(ステップS140)。音響装置102において、音源部106bの前記音源同時利用要求命令112bを送信後、制御部104bは音源選択部107bに音源部106bを選択させ (ステップS150)、通信部105bを介して、音源部106bに由来する音響信号111bを音響装置102へ送出させる(ステップS160)。
【0046】
音響装置101の通信部105aは前記音響信号111bを受信(ステップS170)し、選択された音源部106bに由来する音響信号111bをイコライザ部108aにて周波数帯域毎の音響信号利得を予め定められた設定に変更した後対応させ(ステップS180)、音響装置101、102のそれぞれで増幅器109a、109b、及びスピーカ110a、110bを経て音声として再生させる(ステップS190、200)。
【0047】
さらに、図4に音響装置101の動作に主眼をおいたフローチャートを示す。
【0048】
まず、命令入力部103又は音響装置の操作パネルなどから、音響装置101の利用を要求する命令が入力される(ステップS310)と、音響装置101の電源が入っているかを確認するための処理(ステップS320)が行われ、もしも電源が入っていなければ自動的に電源が入る(ステップS330)。
【0049】
そして、音響装置101に入力された前記命令が音響装置102からの音源同時利用要求命令112a又は112bであるかの確認処理(ステップS340)が行われ、音源同時利用要求命令112a又は112bである場合は、それが音源部106aの利用を要求するかの確認処理(ステップS350)を行う。それ以降は、音源部106aが利用要求された場合は図2、音源部106bが利用要求された場合は図3に示した動作図のように処理される。
【0050】
ここでもし音源同時利用要求命令112a、又は112bが入力されておらず、音響装置101を単独の音響装置として利用するための命令が入力された場合、音源選択部107aは音源部106aを選択させられ(ステップS360)、その後増幅器109a、スピーカ110aを経て音声として再生させられる(ステップS370)。
【0051】
尚、設計変更により、音響装置101における音源選択部107aの設定を、音源同時利用がされないときは常に音源部106aを選択することができるため、上述の音源選択部107aに音源部106aを選択させる処理(ステップS360)を省略することも可能である。
【0052】
また、音源同時利用要求命令112aが入力された場合に、音響装置101のイコライザ部108aの設定を変更して対応させる処理(ステップS280)は、通信部105aを介して前記音源同時利用要求命令112aを受信する処理(ステップS230)の後、スピーカ110aにて音源部106aに由来する音響信号111aが再生させられる処理(ステップS290)の前までの間ならいつ行ってもよい。
【0053】
同様に、音源同時利用要求命令112bが入力された場合に、イコライザ部108aの設定を変更して対応させる処理(ステップS180)についても、音響装置101が前記音源同時利用要求命令112bを受信(ステップS130)した後、スピーカ110aにて音源部106bに由来する音響信号111bが再生させられる処理(ステップS190)の前までの間ならいつ行ってもよい。
【0054】
ここで、イコライザ部108aでの予め定められた周波数帯域毎の音響信号利得設定とは、同一空間内において音響装置101、102の配設された場所によって変わる音響効果について、望ましいものを得られるよう予め定めておくだけではなく、例えば音響装置101が持ち運び容易な装置であった場合には前記音源同時利用要求命令112a、112bを受けた際に音響装置101の位置を検出し、新しい設定を定めることもできる。
【0055】
また、上記の動作説明では音源部106a、106bに由来する音響信号111a、111bを送受信する際に、リアルタイム処理によって同時再生することを前提としているが、例えばある程度の再生時間分だけの音響信号を常にメモリに保存しつつ、音源部106aに由来する音響信号111aの送受信をする処理(ステップS260、S270)、または音源部106bに由来する音響信号111bの送受信をする処理(ステップ S160、S170)の後に、同時再生開始命令を音響装置101と音響装置102の間で送受信させて同時再生の同期を図るようにしたものであってもよい。
【0056】
次に、本発明の第2実施形態としての車両につき、図5及び図6を用いて説明する。
【0057】
上述のように、音響装置101は、音響装置102とともに同一空間で作用し合うようになしたものであるが、かかる同一空間は、異なる2つ以上の空間を一つに組み合わせることにより共有空間とするものであってもよく、かかる共有空間の適用例として、この第2実施形態では、車両501の車内空間と家屋502の室内空間を連結させるものである。
【0058】
ここで、音響装置101は車両501に配設されており、車両501には連絡口504aが設けられている。他方、音響装置102は家屋502に配設されており、家屋502には連絡口504bが設けられている。そして、車両501と家屋502は連絡部503を介して連接されるものとする。
【0059】
この連絡部503は、例えばゴムのような弾性体であって、車両501と家屋502のそれぞれの内部空間を連絡口504a、505bを介して連接するものである。なお、連絡部503は、前記車両501との接触部分を弾性体にしておけば、車両501の外表面に傷をつけにくく、かつ、連接後完了後に形成された共有空間内の気密性を高めることができる。
【0060】
なお、連絡部503は、種々の変形例が考えられ、例えば、接触部分のみならず接触部分から他端部分にかけての中間部位に弾性体を配設したようなものでもよく、この場合には車両501との連接時の緩衝作用が得られる。あるいは、車両501が家屋502の連絡口505bと離れた位置に駐車してしまった場合を考慮して、伸縮自在な蛇腹状の筒状通路のごときものでもよい。
【0061】
家屋502は、音響装置102を設置した部屋と隣接する位置に車両501を駐車させるための駐車スペース506を設け、前記駐車スペース506の床部に停止した車両501を適宜搬送するための移送装置505が設けられている。
【0062】
移送装置505は、例えば金属製のテーブルであって、その上で停止した車両501を、連絡部503に対して連絡可能位置まで移送させる機構を備えてなる。かかる移送機構は、例えば、XYテーブルにより前後左右に可動させ、ターンテーブルにより回動させ、ジャッキ機構により上下動させる機構などが挙げられ、これらのいずれか、または適宜な組み合わせが考えられる。
【0063】
なお、前記移送装置505は、溝や突起などにより前記車両501の車輪の動きを制限して前記連絡部503との連接が可能な所定の駐車位置へ車両501を誘導するガイドのような簡単な構成からなるものであってもよい。
【0064】
車両501と家屋502が連絡部503を介して連接され、かつ、連絡口504a、504bを開けることにより車両501と家屋502のそれぞれの内部空間がつなげられ、音響装置101,102が同一空間内に配されることになる。
【0065】
なお、前記命令入力部103は、連絡部503に車両501が連接されたことによって音響装置102に対して音源同時利用要求命令112a、112bを入力することが可能なものとすることが考えられる。
【0066】
すなわち、前記命令入力部103は、車両501が家屋502に連結され共有空間を形成することを検知してから情報の授受が可能となるような構成とすることが考えられる。例えば、車両501の駐車と連結動作が完了したことを検知する検知センサを設け、かかる検知センサからの信号により前記命令入力部103が前期制御部104bに命令入力することを可能にするなどのごときものである。
【0067】
なお、共有空間となった状態にならなければ、信号が届かないような仕組みとするものでもよく、例えば、信号の送信手段として赤外線を採用するという程度の簡易なものでもよい。
【0068】
この第2実施形態によれば、家屋502内で音響装置102を使用する際、車両501と家屋502の内部空間をつなげることで、従来では乗車時以外では使用しなかった車両501に備えられた音響装置101を有効に活用することができる。すなわち、音響装置101、102が共有空間において再生させるべく選択した音源を使い、同時に再生することができるのである。
【0069】
しかも、イコライザ部108aにおいて設定される周波数帯域毎の音響信号利得を、例えば車両501の音響装置101から出力される音声の低音部を強調するようにすれば、家屋502内で人が再生された音声を聴いている場合に、かかる家屋502内にいる者に対して音響効果が比較的指向性のない低音域の周波数を強調させ、他方、家屋502内の音響装置102から出力される音声は通常のまま、あるいは高音域の周波数を強調させるようにすれば、全体としての音響効果を高めることができる。
【0070】
次に、本発明の第3実施形態としての家屋につき、図7を用いて説明する。
【0071】
この第3実施形態では、前記共有空間の適用例として、家屋502内の相隣接する第一の部屋701と第二の部屋702を連結させるものである。
【0072】
音響装置102は第一の部屋701に配設され、他方、音響装置101は第二の部屋702に配設されているものとする。
【0073】
そして、第一の部屋701と第二の部屋702は出入り口703を介してつながっている。すなわち、出入り口703を開放することにより、音響装置102、101がそれぞれ配設された第一の部屋701と第二の部屋702が共有空間となる。
【0074】
この第3実施形態では、第一の部屋701で音響装置102を使用する際、従来では第二の部屋702でしか使用されなかった音響装置101をも同時に活用することができるという利点がある。
【0075】
ここで、イコライザ部108aにおいて設定される周波数帯域毎の音響信号利得は、例えば低音部を強調するようにすることで、第一の部屋701において、音響装置102のスピーカ110bから出力される音声の低音部が出入り口703から聴こえ、あたかも出入り口703が低音部専用のスピーカの役割を果たすことになる。
【0076】
したがって、共有空間において、選択した音源からの音響信号を音響装置101,102で同時に再生することができ、かつ、人が再生された音声を聴いている第一の部屋701にいる者に対して音響装置101は音響効果が比較的指向性のない低音域の周波数を強調させ、他方、第二の部屋702内の音響装置102では通常のまま、あるいは高音域の周波数を強調させるようにすれば、全体としての音響効果を高めることもできる。
【0077】
【発明の効果】
以上本発明によれば、音源部と、音源選択部と、通信部と、イコライザ部と、制御部とを具備する音響装置は、他の装置からの命令に応じて音源部の選択と音響信号の周波数帯域毎の利得設定の変更がなされることにより、同一空間内において他の装置と同一の音源部を異なる音響信号利得で同時に再生し、さらにはその同一空間を形成するために家屋と連接可能な車両に前記音響装置を設けることにより、他の音響装置との有効活用を実現するようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る音響装置を適用させた音響装置システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る音響装置を適用させた音響装置システムの動作図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る音響装置を適用させた音響装置システムの動作図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る音響装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係る車両を適用させた音響システムを示す正面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る車両を適用させた音響装置システムを示す平面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る家屋を適用させた音響装置システムを示す斜視図である。
【図8】従来の車載用電子装置システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
101,102・・・音響装置
103・・・命令入力部
104a,104b・・・制御部
105a,105b・・・通信部
106a,106b・・・音源部
107a,107b・・・音源選択部
108a,108b・・・イコライザ部
109a,109b・・・増幅器
110a,110b・・・スピーカ
111a,111b・・・音響信号
112a,112b・・・音源同時利用要求命令
501・・・車両
502・・・家屋
503・・・連絡部
504a,504b・・・連絡口
505・・・移送装置
506・・・駐車スペース
701・・・第一の部屋
702・・・第二の部屋
703・・・出入り口
800a・・・車載用電子装置A
802b・・・車載用電子装置B
801,801a,801b・・・音源部
802,802a,802b・・・制御部
803,803a,803b・・・通信部
804・・・通信網
Claims (4)
- 音源部と
前記音源部と他の装置の音源部のうち、一の音源部を選択する音源選択部と
他の装置から命令を受ける通信部と
所定の周波数帯域毎に音響信号の利得を設定できるイコライザ部と
少なくとも前記音源選択部と前記イコライザ部とを制御する制御部と
を具備する音響装置において、
前記制御部は、前記通信部が前記命令として音源同時利用要求命令を受けたとき、前記音源選択部に前記音源同時利用要求命令が利用を要求する音源部を選択させるとともに、前記イコライザ部に周波数帯域毎の音響信号利得を予め定められた設定に対応させること
を特徴とする音響装置。 - 前記音源同時利用要求命令が前記音響装置の有する音源部の利用を要求するものであるとき、
前記通信部は、前記音響装置の音源部からの音響信号を前記他の装置に送出するとともに、
前記制御部は、前記音源選択部に前記音源部を選択させるように制御することを特徴とする請求項1に記載の音響装置。 - 前記音源同時利用要求命令が前記他の装置の音源部の利用を要求するものであるとき、
前記通信部は、前記他の装置の音源部からの音響信号を受けるとともに、
前記制御部は、前記音源選択部に前記通信部が受けた前記音源部からの音響信号を音源として選択させるように制御することを特徴とする請求項1に記載の音響装置。 - 請求項1に記載の音響装置を具備した車両であって、
前記車両の車内空間が、音響装置を具備した家屋の空間と連接可能となることを特徴とする車両。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002214429A JP2004056678A (ja) | 2002-07-23 | 2002-07-23 | 音響装置並びに車両 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002214429A JP2004056678A (ja) | 2002-07-23 | 2002-07-23 | 音響装置並びに車両 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004056678A true JP2004056678A (ja) | 2004-02-19 |
Family
ID=31936756
Family Applications (1)
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JP2002214429A Pending JP2004056678A (ja) | 2002-07-23 | 2002-07-23 | 音響装置並びに車両 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004056678A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015082686A (ja) * | 2013-10-21 | 2015-04-27 | アルパイン株式会社 | 音響システム、音響機器および音質調整方法 |
-
2002
- 2002-07-23 JP JP2002214429A patent/JP2004056678A/ja active Pending
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