JP2004056203A - アレーアンテナの空間相関係数の計算方法及び無線局の置局設計方法 - Google Patents

アレーアンテナの空間相関係数の計算方法及び無線局の置局設計方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エスパアンテナを用いて所望波と干渉波との間の空間相関係数を計算することをができ、それを利用して無線局の置局設計を行う。
【解決手段】エスパアンテナ装置であるアレーアンテナの互いに異なる指向特性を有する複数の放射パターンを用いて所望波の無線信号をそれぞれ受信し、各受信信号を要素とする所望波の受信信号ベクトルrを求め、アレーアンテナの複数の放射パターンを用いて干渉波の無線信号をそれぞれ受信し、受信した各受信信号を要素とする干渉波の受信信号ベクトルrを求め、所望波の受信信号ベクトルrと干渉波の受信信号ベクトルrとに基づいて、所望波と干渉波との間の空間相関係数を計算する。さらに、計算した空間相関係数に基づいて、所望波の無線信号を送信する無線局の位置と、干渉波の無線信号を送信する無線局の位置とを決定することにより置局設計を行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナ装置の指向特性を変化させることができるアレーアンテナの空間相関係数の計算方法及び無線局の置局設計方法に関し、特に、電子制御導波器アレーアンテナ装置(Electronically Steerable Passive Array Radiator (ESPAR) Antenna;以下、エスパアンテナという。)の指向特性を適応的に変化させることができるアレーアンテナにおける所望波と干渉波との間の空間相関係数を計算するためのアレーアンテナの空間相関係数の計算方法と、それを利用した無線局の置局設計方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術のエスパアンテナは、例えば、従来技術文献1「T. Ohira et al., ”Electronically steerable passive array radiator antennas for low−cost analog adaptive beamforming,” 2000 IEEE International Conference on PhasedArray System & Technology pp. 101−104, Dana point, California, May 21−25, 2000」や特開2001−24431号公報において提案されている。このエスパアンテナは、無線信号が給電される励振素子と、この励振素子から所定の間隔だけ離れて設けられ、無線信号が給電されない少なくとも1個の非励振素子と、この非励振素子に接続された可変リアクタンス素子とから成るアレーアンテナを備え、上記可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化させることにより、上記アレーアンテナの指向特性を変化させることができる。
【0003】
このエスパアンテナを受信側で適応制御する方法として、一般的に、以下の方法が用いられている。すなわち、送信側で各無線パケットデータの先頭部分に学習シーケンス信号を予め含ませておき、当該学習シーケンス信号と同一の信号を受信側でも発生させ、受信側において、受信された学習シーケンス信号と、上記発生された学習シーケンス信号との相互相関が最大となることを規範として、上記可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化させてその指向特性を変化させる。これにより、エスパアンテナの指向性を最適パターンとし、すなわち所望波の方向に主ビームを向けかつ干渉波の方向にヌルを形成するパターンとなる。
【0004】
このエスパアンテナ装置において、可変リアクタンス素子は安価なバラクタダイオード等により構成でき、移相器等を必要とせず、1つの給電系で構成できるため、小型、軽量、低コスト、低消費電力のアダプティブアンテナを実現可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一方で受信系統が1系統に限られるため従来のDBF(Digital Beam Forming)アダプティブアレー装置と同様の手法では空間相関を求めることができない(例えば、従来技術文献2「細矢良雄(監修),電波伝搬ハンドブック,第2部,第15章,リアライズ社,1999年」など参照。)。空間相関は干渉波抑圧可能であることの判断基準となるため、エスパアンテナを用いた無線通信では空間相関と同じ機能を果たすエスパアンテナの判断基準が必要であるという問題点があった。
【0006】
本発明の目的は以上の問題点を解決し、エスパアンテナを用いて所望波と干渉波との間の空間相関係数を計算することをができるアレーアンテナの空間相関係数の計算方法と、それを利用した無線局の置局設計方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るアレーアンテナの空間相関係数の計算方法は、無線信号を送受信するための励振素子と、
上記励振素子から所定の間隔だけ離れて設けられた複数の非励振素子と、
上記複数の非励振素子にそれぞれ接続された複数の可変リアクタンス素子とを備え、
上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化させることにより、上記複数の非励振素子をそれぞれ導波器又は反射器として動作させ、アレーアンテナの指向特性を変化させるアレーアンテナにおいて、
上記アレーアンテナの互いに異なる指向特性を有する複数の放射パターンを用いて所望波の無線信号をそれぞれ受信し、当該受信した各受信信号を要素とする所望波の受信信号ベクトルrを求めるステップと、
上記アレーアンテナの複数の放射パターンを用いて干渉波の無線信号をそれぞれ受信し、当該受信した各受信信号を要素とする干渉波の受信信号ベクトルrを求めるステップと、
上記所望波の受信信号ベクトルrと、上記干渉波の受信信号ベクトルrとに基づいて、所望波と干渉波との間の空間相関係数を計算するステップとを含むことを特徴とする。
【0008】
上記アレーアンテナの空間相関係数の計算方法において、上記複数の放射パターンは、好ましくは、無指向特性であるオムニパターンと、所定のビーム幅を有し互いに異なるビーム方向を有する複数のセクタパターンとを含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る無線局の置局設計方法は、所定の空間において、所望波の無線信号を送信する無線局の位置と、干渉波の無線信号を送信する無線局の位置とを変化させながら、上記アレーアンテナを用いて無線信号を受信することにより、上記アレーアンテナの空間相関係数の計算方法を用いて所望波と干渉波との間の空間相関係数を計算するステップと、
上記計算された空間相関係数に基づいて、所望波の無線信号を送信する無線局の位置と、干渉波の無線信号を送信する無線局の位置とを決定することにより置局設計を行うステップとを含むことを特徴とする。
【0010】
上記無線局の置局設計方法において、上記置局設計を行うステップは、好ましくは、上記計算された空間相関係数を所定のしきい値と比較し、上記しきい値未満であるときの、所望波の無線信号を送信する無線局の位置と、干渉波の無線信号を送信する無線局の位置とを決定することにより置局設計を行うことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態について説明する。
【0012】
図1は本発明に係る実施形態であるアレーアンテナの制御装置の構成を示すブロック図である。上述の従来技術の問題点を解決するために、本実施形態では、オムニパターン及び6方位のセクタパターンを使用して7種の受信信号系列を所望波及び干渉波についてそれぞれ取得し、それら受信信号系列の相互相関を求めて図1のエスパアンテナ装置100の空間相関係数として定義して計算することを特徴としている。以下の説明においては、空間相関係数の式を導出した後、DBFアダプティブアレー装置における空間相関係数と比較して、それらの間に類似の推移傾向があることを示す。また、平均ビット誤り率と出力SINR(信号対干渉雑音電力比)の関係から干渉波抑圧可否の判断基準となるエスパアンテナ装置の空間相関係数のしきい値を見出し、これを用いた無線局の置局方法を提案する。
【0013】
この実施形態のアレーアンテナの制御装置は、図1に示すように、1つの励振素子A0と、可変リアクタンス素子12−1乃至12−6がそれぞれ装荷された6個の非励振素子A1乃至A6と、接地導体11とを備えてなるエスパアンテナ装置100と、適応制御型コントローラ20と、学習シーケンス信号発生器21とを備えて構成される。
【0014】
ここで、適応制御型コントローラ20は、例えばコンピュータなどのディジタル計算機で構成され、受信時において、復調器4による無線通信を開始する前に、相手先の送信機から送信される無線信号に含まれる学習シーケンス信号を上記エスパアンテナ装置100の励振素子A0により受信したときの受信信号y(t)と、上記学習シーケンス信号と同一の信号パターンを有して学習シーケンス信号発生器21で発生された学習シーケンス信号r(t)とに基づいて、最急勾配法による適応制御処理を実行することにより上記エスパアンテナ装置100の主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための、各可変リアクタンス素子12−1乃至12−6に印加されるバイアス電圧値V(m=1,2,…,6)を探索して制御電圧信号を用いて設定する。具体的には、適応制御型コントローラ20は、各可変リアクタンス素子12−1乃至12−6のリアクタンス値を、順次所定の差分幅だけ摂動させ、各リアクタンス値に対して所定の評価関数値(例えば、受信信号の電力)を計算し、上記計算された評価関数値に基づいて、最急勾配法を用いて、当該評価関数値が最大となるように、各リアクタンス値を反復して計算することにより、当該エスパアンテナ装置100の主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス素子12−1乃至12−6のリアクタンス値を計算して設定するように制御する。これにより、当該評価関数値が実質的に最大となるように、上記エスパアンテナ装置100の主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス素子12−1乃至12−6のバイアス電圧値Vを探索し、探索の結果発見された各バイアス電圧値Vを有する制御電圧信号を各可変リアクタンス素子12−1乃至12−6に出力して設定する。
【0015】
図1において、エスパアンテナ装置100は、接地導体11上に設けられた励振素子A0及び非励振素子A1乃至A6から構成され、励振素子A0は、半径raの円周上に設けられた6本の非励振素子A1乃至A6によって囲まれるように配置されている。好ましくは、各非励振素子A1乃至A6は上記半径raの円周上に互いに等間隔を保って設けられる。各励振素子A0及び非励振素子A1乃至A6は、例えば、所望波の波長λに対して約λ/4の長さのモノポール素子になるように構成され、また、上記半径raはλ/4になるように構成される。励振素子A0の給電点は、同軸ケーブル5及びサーキュレータ6を介して低雑音増幅器(LNA)1に接続され、また、非励振素子A1乃至A6はそれぞれ可変リアクタンス素子12−1乃至12−6に接続され、これら可変リアクタンス素子12−1乃至12−6は、適応制御型コントローラ20からの制御電圧信号を設定されることによって、そのリアクタンス値を変化させる。
【0016】
図2は、エスパアンテナ装置100の縦断面図である。励振素子A0は接地導体11と電気的に絶縁され、各非励振素子A1乃至A6は、可変リアクタンス素子12−1乃至12−6を介して、接地導体11に対して高周波的に接地される。可変リアクタンス素子12−1乃至12−6の動作を説明すると、例えば励振素子A0と非励振素子A1乃至A6の長手方向の長さが実質的に同一であるとき、例えば、可変リアクタンス素子12−1がインダクタンス性(L性)を有するときは、可変リアクタンス素子12−1は延長コイルとなり、非励振素子A1の電気長が励振素子A0に比較して長くなり、反射器として働く。一方、例えば、可変リアクタンス素子12−1がキャパシタンス性(C性)を有するときは、可変リアクタンス素子12−1は短縮コンデンサとなり、非励振素子A1の電気長が励振素子A0に比較して短くなり、導波器として働く。また、他の可変リアクタンス素子12−2乃至12−6に接続された非励振素子A2乃至A6についても同様に動作する。
【0017】
従って、図1のエスパアンテナ装置100において、各非励振素子A1乃至A6に接続された可変リアクタンス素子12−1乃至12−6に印加するバイアス電圧値を変化させて、その接合容量値であるリアクタンス値を変化させることにより、エスパアンテナ装置100の平面指向性特性を変化させることができる。
【0018】
図1のアレーアンテナの制御装置において、エスパアンテナ装置100は無線信号を受信し、上記受信された信号は、給電用同軸ケーブル5及びサーキュレータ6を介して低雑音増幅器(LNA)1に入力されて増幅され、次いで、ダウンコンバータ(D/C)2は増幅された信号を所定の中間周波数の信号(IF信号)に低域変換する。さらに、A/D変換器3は低域変換されたアナログ信号をディジタル信号にA/D変換し、そのディジタル信号を適応制御型コントローラ20及び復調器4に出力する。次いで、適応制御型コントローラ20は、入力される受信信号y(t)と学習シーケンス信号r(t)とに基づいて、各可変リアクタンス素子12−1乃至12−6のリアクタンス値を、順次所定の差分幅だけ摂動させ、各リアクタンス値に対して所定の評価関数値(例えば、受信信号の電力)を計算し、上記計算された評価関数値に基づいて、最急勾配法を用いて、当該評価関数値が最大となるように、各リアクタンス値を反復して計算することにより、当該エスパアンテナ装置100の主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス素子12−1乃至12−6のリアクタンス値を計算して設定するように制御する。これにより、当該評価関数値が最大となるように、上記エスパアンテナ装置100の主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス素子12−1乃至12−6のバイアス電圧値Vを探索し、探索の結果発見された各バイアス電圧値Vを有する制御電圧信号を各可変リアクタンス素子12−1乃至12−6に出力して設定する。
【0019】
また、送信時においては、無線送信機7は入力される送信ベースバンド信号に基づいて無線搬送波を所定の変調方式で変調し、変調された無線搬送波である無線信号をサーキュレータ6、給電用同軸ケーブル5を介してエスパアンテナ装置100の励振素子A0に出力され、これにより当該エスパアンテナ装置100から無線信号が放射される。なお、送信時において、受信時に設定された各可変リアクタンス素子12−1乃至12−6のリアクタンス値を用いる。
【0020】
アレーアンテナ100で受信される無線信号を送信する送信局は、学習シーケンス信号発生器21で発生される所定の学習シーケンス信号と同一の信号パターンを有する学習シーケンス信号を含む所定のシンボルレートのディジタルデータ信号に従って、無線周波数の搬送波信号を、例えばBPSK、QPSKなどのディジタル変調法を用いて変調し、当該変調信号を電力増幅して受信局のエスパアンテナ装置100に向けて送信する。本実施形態においては、データ通信を行う前に、送信局から受信局に向けて学習シーケンス信号を含む無線信号が送信され、受信局では、適応制御型コントローラ20による適応制御処理が実行される。
【0021】
ところで、エスパアンテナ装置100のバラクタ制御では等価ウエイトベクトル表現が便利であり、DBFアダプティブアレーのウエイトベクトル(例えば、従来技術文献4「菊間,”アレーアンテナによる適応信号処理”,pp.157−172,ISBN4−87653−054−8,科学技術出版,1998年」参照。)と等価な役割を果たす式がリアクタンス値の関数として導出されている(例えば、従来技術文献5「大平孝,”エスパアンテナの等価ウエイトベクトルとその勾配に関する基本的定式化”,電子情報通信学会技術報告,AP2001−16,SAT2001−3,pp.15−20,2001年5月」など参照。)。この表現方法において等価ウエイトベクトルwは、素子間結合を含めたインピーダンス行列Zを用いて、次式で表される。
【0022】
【数1】
w=2z(Z+Xm)−1
【0023】
ここで、Xmは送信機の出力インピーダンスz及び各素子のリアクタンス値を対角成分にもつ行列
【数2】
Xm=diag[z,jx,jx,jx,jx,jx,jx
であり、Zは素子間結合を含めたインピーダンス行列である。また、uは単位ベクトル
【数3】
=[1,0,0,0,0,0,0,]
であり、vは送信機の内部電圧(開放電圧)である。
【0024】
上記数2において各可変リアクタンス素子12−1乃至12−6のリアクタンス値を要素としてもつベクトルはリアクタンスベクトルXと呼ばれ、次式のように表す。
【数4】
X=[x,x,x,x,x,x
【0025】
本実施形態において、各可変リアクタンス素子12−1乃至12−6のバラクタダイオードに印加するバイアス電圧値Vは適応制御型コントローラ20からの制御電圧信号としてデジタル値−2048から2047として入力して設定する。この数値を以下、「デジタル制御電圧V」と表す。使用するバラクタダイオードのカタログデータにより、デジタル制御電圧VとバラクタダイオードのインピーダンスZの関係を次式で表すことにする。
【0026】
【数5】
=−j(0.0217V+49.21)
【0027】
エスパアンテナであるエスパアンテナ装置100の指向性はその電流ベクトルiから計算することができる(例えば、従来技術文献3「大平孝,”エスパアンテナの等価ウェイトベクトルとアレーファクタ表現”,電子情報通信学会技術報告,AP2000−44,SAT2000−41,MW2000−44,pp.7−12,2000年7月」など参照。)。
【0028】
エスパアンテナ装置100は、このリアクタンス値の組(jx,jx,…,jx)を制御してオムニビーム、セクタビーム及びアダプティブビームを形成することができ、通信フェーズに応じて切り替えて使用することが提案されている。
【0029】
次いで、指向性ビームによる受信信号系列の相互相関について説明する。エスパアンテナ装置100の受信系は1系統のみであるために空間相関の観測に独自の手法を要する。そこで、図3に示すように、無指向特性を有するオムニパターンと、所定のビーム幅を有する6種のセクタパターンを形成するリアクタンス値の組を用意し、それぞれの放射パターンにて受信した受信信号系列の相互相関をエスパアンテナの空間相関として定義することを提案する。図3の最大値及び最小値は装荷された可変リアクタンス素子12−1乃至12−6の可動範囲の最高値及び最低値を意味する。
【0030】
図3のm番目パターン(m=0,1,…,6)にて受信した受信信号y(t)は、エスパアンテナ装置100のステアリングベクトルをa(θ)、伝搬路特性h、送信信号をu(t)及び熱雑音成分をn(t)とすると、次式で表される。
【0031】
【数6】
Figure 2004056203
【0032】
ここで、hは送受信アンテナの指向性利得G及びGrm、波数k、伝搬経路長dを用いて、次式で表されるインパルス応答の複素振幅である(例えば、従来技術文献6「細矢良雄(監修),電波伝搬ハンドブック,第2部,第24章,リアライズ社,1999年」参照。)。
【0033】
【数7】
Figure 2004056203
【0034】
ここで、受信信号系列y(t)と送信信号u(t)の複素共役の積を取り、その期待値rを次式を用いて求めて、次式の受信信号ベクトルrを取得する。
【0035】
【数8】
=E[y(t)u(t)
【数9】
r=[r,r,…,r
【0036】
所望波と干渉波の受信信号ベクトルをそれぞれr,rとし、相互相関係数を次式から計算して、これをエスパアンテナ装置100の空間相関とする。
【0037】
【数10】
Figure 2004056203
【0038】
ここで、所望波及び干渉波のステアリングベクトルをそれぞれa及びaと表記している。H及び*はそれぞれエルミート転置及び複素共役を表す。上記数10から、エスパアンテナ装置100の空間相関はステアリングベクトル及びバラクタ値の関数となることが分かる。上記数10の空間相関係数は規格化し、絶対値を取っているため、伝搬路特性hは空間相関に現れない。
【0039】
次いで、計算機シミュレーションの条件について以下に説明する。図4に計算機シミュレーションにおける送受信点の配置図を示す。座標原点に受信機のエスパアンテナ装置100を配置し、(2.0m,0.0m)に所望波源を配置した。干渉波源は(2.0m,0.0m)から半径2.0mで1度おきに180度移動させた。指向性ビーム形成におけるリアクタンス値の最大値及び最小値は、試作したエスパアンテナ装置100に採用した可変リアクタンス素子12−1乃至12−6の一例である可変容量ダイオードのカタログ値から、それぞれリアクタンス値の最大値=0Ω及び最小値=−j90Ωとした。送信アンテナは水平面内無指向性とし、使用周波数は2.484GHzとした。
【0040】
さらに、DBFアダプティブアレー装置の空間相関について説明する。上記で提案したエスパアンテナ装置100の空間相関の特性を検証するために、DBFアダプティブアレー装置における空間相関との比較を行った。ここで比較するDBFアダプティブアレー装置は、図5に示すように、7素子円形配列のエスパアンテナ装置100と同じ形状のアレーアンテナを用いた。各受信系統で観測される受信電圧ベクトルvは、素子間隔がλ/4であるため素子間結合を含めた形で次式で表される(例えば、従来技術文献7「R. Janaswamy, Radiowave Propagation and Smart Antennas for Wireless Communications, pp.185−217, ISBN0−7923−7241−7, Kluwer Academic Publishers, 2001」など参照。)。
【0041】
【数11】
v=Z(Z+Z−1oc
【0042】
ここで、vocは各素子上の誘起電圧ベクトル、Zは受信機の入力インピーダンスzを要素とする対角行列、Zはエスパアンテナと同一のインピーダンス行列である。所望波及び干渉波に対する受信電圧ベクトルをそれぞれv及びvとすると、所望波と干渉波の空間相関は次式で表される(例えば、従来技術文献8「H−G. Lin, ”Spatial Correlations in Adaptive Arrays”, IEEE Transaction on Antennas Propagation, Vol. AP−30, No. 2, pp. 212−223, March 1982」、従来技術文献9「T. Ohgane et al., ”A study on a Channel Allocation Scheme with an Adaptive Array in SDMA”, Proceeding of. VTC ’97, Vol. 2, pp. 725−729, May 1997」など参照。)。
【0043】
【数12】
Figure 2004056203
【0044】
次いで、空間相関曲線の推移について説明する。図6には上記数10によるエスパアンテナ装置100の空間相関係数と、上記数12から求めたDBFアダプティブアレー装置の空間相関係数を、横軸を所望波と干渉波の到来角度差として示した。また、DBFアダプティブアレー装置において素子間結合を含めない場合の空間相関係数も同時に表示した。
【0045】
エスパアンテナ装置100の空間相関曲線は、素子間結合を含めた場合のDBFアダプティブアレー装置の空間相関曲線と類似しており、提案したエスパアンテナ装置の空間相関係数が干渉波抑圧可否の判断基準になり得ると考えられる。一方、素子間結合を含めない場合の空間相関とは大きく異なっており、上記数11からも分かるように、エスパアンテナ装置100の空間相関係数には素子間結合の影響が見受けられる。
【0046】
エスパアンテナの空間相関係数はリアクタンス値によって変化するため、図7では、図3の最小値を−j30Ω、−j60Ω、−j90Ω、−j120Ωと変化させた場合について、空間相関の推移傾向を示した。なお、リアクタンス値の最大値は0Ωに固定した。
【0047】
図7から明らかなように、それぞれの空間相関曲線は同様の推移傾向を示しているが、その絶対レベルは異なっている。よって、エスパアンテナ装置100の空間相関係数を干渉波抑圧可否の判断基準とする場合には、最小値の値に対応したしきい値を特定しなければならないと言える。
【0048】
さらに、干渉波抑圧可能な空間相関しきい値の導出について説明する。まず、平均ビット誤り率の理論式と計算値について述べる。図8に平均ビット誤り率の理論式と計算機シミュレーションによる計算値を示す。変調方式はQPSK、復調方式は同期検波とする。QPSKの平均ビット誤り率はCNR及びE/NをそれぞれγCNR及びγEb/N0とすると、次式で表される(例えば、従来技術文献10「斉藤洋一,ディジタル通信の変復調,pp.28,電子情報通信学会.1996年」参照。)。
【0049】
【数13】
Figure 2004056203
【0050】
QPSKではCNRとSNRは等しく、適応制御後の干渉波成分がガウス雑音的に振舞うとして、図8の横軸は出力SINRによって表示した。計算値データは送信した10000シンボルのうち受信側で誤ったビット数を計数することによって取得した。計算値のほとんどは上記数13から求めた理論曲線上に分布しており、計算機シミュレーションにおいてもビット誤り率10−3を満足するためには10dB以上の出力SINRが必要であることを確認した。
【0051】
次に、空間相関係数と出力SINRの関係を、入力SIR(信号対干渉波電力比)が6dB(図9)、0dB(図10)、−6dB(図11)の場合についてそれぞれ示す。入力SNR(信号対雑音電力比)をパラメータとする。横軸は図2の位置関係にて干渉波源を移動させたときの到来方位角度差である。図8から所望の出力SINRを10dBとすると、例えば図10(入力SIR=0dB)において入力SNRが30dB及び20dBの場合には、空間相関のしきい値はそれぞれ0.99及び0.9と定められる。入力SNR10dBの場合にはエスパアンテナの適応制御後の出力SINRは10dBを超えておらず、空間相関のしきい値は定められない。
【0052】
方位角30°を越える地点での出力SINRの不規則な推移はエスパアンテナ装置100の適応制御が最適解を追求しきれていないことが原因と考えられる。適応制御には初期パターン選択後に最急勾配法(例えば、従来技術文献11「J.Cheng et al., ”Adaptive Beamforming of ESPAR Antenna Based on Steepest Gradient Algorithm”, IEICE Transaction on Communications., Vol. E84−B, No. 7, pp.1790−1800, July 2001」参照。)を用いた。図9乃至図11から明らかなように、入力SNRが高い場合には出力SINR10dBを満たす空間相関係数の差が僅少であるのに対して、入力SNRが低い場合には空間相関係数の差が顕著に現れてくることが分かる。
【0053】
次いで、入力SINRと、空間相関係数のしきい値の関係について説明する。図12横軸が入力SNRであり、縦軸が平均誤り率10−3を満たす空間相関しきい値の関係を示す。図9乃至図11から分かるように、平均ビット誤り率10−3を満たす空間相関の値は入力SIRによって異なる。よって入力SIRをパラメータとして入力SIR=6dB、0dB及び−6dBの場合について表示した。受信信号系列を取得するビームパターンは、図3において、リアクタンス値の最大値=0Ω、最小値=−j90Ωにより形成している。
【0054】
図12から明らかなように、リアクタンス値の最大値=0Ω、最小値=−j90Ω、入力SIR=0dBの条件で、入力SNR20dBでは空間相関0.9がしきい値として要求されることが分かる。入力SNR15dBでは、入力SIRによって空間相関値0.25を中心として0.4程度の幅を有するしきい値が必要であると言える。
【0055】
図13は、図1のエスパアンテナ装置100を中心に設置したときに、ランダムに存在するユーザ局の平面の位置関係を示す平面図である。図13において、所望波の無線信号を送信するユーザ局(図13において○印で示す。)をX軸上に配置したときに、空間相関係数が0.9未満である低い空間相関係数を有する干渉波のユーザ局(図13において□で示す。)と、空間相関係数が0.9以上である高い空間相関係数を有する干渉波のユーザ局(図13において■で示す。)とを示している。すなわち、所望波のユーザ局を固定したときに、例えばある平面空間において、干渉波のユーザ局の位置を変化させて、上記数10を用いて空間相関係数を計算して、計算した空間相関係数が0.9未満である干渉波のユーザ局の位置は許容できて置局可能であるが、計算した空間相関係数が0.9以上である干渉波のユーザ局の位置は許容できず置局できない。これにより、無線局の置局設計を実行することができる。
【0056】
一方、干渉波のユーザ局を固定したときに、例えばある平面空間において、所望波のユーザ局の位置を変化させて、上記数10を用いて空間相関係数を計算して、計算した空間相関係数が0.9未満である所望波のユーザ局の位置は許容できて置局可能であるが、計算した空間相関係数が0.9以上である所望波のユーザ局の位置は許容できず置局できない。これにより、無線局の置局設計を実行することができる。
【0057】
以上の実施例においては、所望波のユーザ局又は干渉波のユーザ局を固定しているが、ともにそれらの位置を変化させて置局設計するようにしてもよい。
【0058】
この置局設計方法によれば、例えば平面などの所定の空間において、所望波の無線信号を送信する無線局の位置と、干渉波の無線信号を送信する無線局の位置とを変化させながら、上記エスパアンテナ装置100を用いて無線信号を受信することにより、上記数10を用いたアレーアンテナの空間相関係数の計算方法を用いて所望波と干渉波との間の空間相関係数を計算し、上記計算された空間相関係数を例えば0.9など所定のしきい値と比較することにより、所望波の無線信号を送信する無線局の位置と、干渉波の無線信号を送信する無線局の位置とを決定することにより置局設計を行うことができる。従って、無線局を実際に配置する前に、容易にかつ確実に通信可能な無線局の位置を決定することにより置局設計できる。
【0059】
以上説明したように、エスパアンテナ装置100は受信系統が1系統のみであり従来のDBFアダプティブアレー装置における空間相関は観測できない。そこでリアクタンス値を制御して指向性ビームパターンにて受信信号系列を用意し、所望波及び干渉波の受信信号系列の相互相関係数を計算することによって、エスパアンテナ装置100で観測できる空間相関とすることを提案した。この空間相関は信号到来方向及びリアクタンス値の関数となる。従来のDBFアダプティブアレー装置における空間相関と類似の推移傾向があり、干渉波抑圧可否の判断基準として使用できることを示した。このエスパアンテナ空間相関によって干渉波抑圧可否判定のしきい値を設定するために、入力SNRをパラメータとして到来方位角による出力SINRと空間相関の関係を求めた。また入力SNRに対する平均ビット誤り率10−3以下を満たす空間相関しきい値の関係を示した。その結果、例えば入力SIR0dBかつ入力SNRが20dBの場合に必要なエスパアンテナ空間相関は0.9未満であるというしきい値を導いた。
【0060】
以上の置局設計の実施例においては、QPSKで同期検波の場合を例にとり説明しているが、本発明はこれに限らず、他の変調方式で他の復調方式であってもよい。なお、空間相関係数の計算や置局設計の計算については、例えば、計算処理用のメモリを備えたデジタル計算機を用いて実行することができる。
【0061】
<変形例>
以上の実施形態においては、6本の非励振素子A1乃至A6を用いているが、その本数は少なくとも複数本あれば、当該アレーアンテナ装置の指向特性を電子的に制御することができる。それに代わって、6個よりも多くの非励振素子を備えてもよい。また、非励振素子A1乃至A6の配置形状も上記の実施形態に限定されず、励振素子A0から所定の距離だけ離れていればよい。すなわち、各非励振素子A1乃至A6に対する間隔は一定でなくてもよい。また、素子長も均一でなくてもよい。
【0062】
以上の実施形態においては、学習シーケンス信号r(t)を用いた適応制御処理は実際の通信の開始前に実行しているが、本発明はこれに限らず、通信の最初に行っても、ある時間周期毎に行ってもよい。
【0063】
以上の実施形態においては、例えば、評価関数値を最大となるように改善させるべく適応制御しているが、評価関数をその逆数にしたときは、それを最小となるように改善させるべく適応制御してもよい。
【0064】
以上の実施形態においては、最急勾配法を用いて適応制御処理を行っているが、本発明はこれに限らず、適応制御方法として、純粋ランダム探索法、最急勾配法、高次元二分法、順次ランダム法、回帰ステップ法、ハミルトン力学による方法などの非線形計画法における反復的な数値解法を用いてもよい。
【0065】
以上の実施形態においては、評価関数として高周波出力電力Pを用いているが、出力SINR又はその度合いを示す他の種々の評価関数を用いてもよい。また、以上の実施形態においては、学習シーケンス信号r(t)を用いて評価関数を計算しているが、本発明はこれに限らず、学習シーケンス信号r(t)を用いない種々の評価関数を用いてもよい。例えば、従来技術文献12「大平孝,”モーメント規範に基づくエスパアンテナの定振幅ブラインド適応ビーム形成”,電子情報通信学会技術報告,ED2001−155,MW2001−115,pp.23−28,2001年11月」において開示されているように、励振素子によって受信された受信信号に基づいて、例えば最急勾配法などの非線形計画法における反復的な数値解法を用いて、上記受信信号のみで表された目的関数の値が最大又は最小となるように、上記アレーアンテナの主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を計算して設定するステップを含み、上記目的関数は、所定の期間における、上記受信信号の絶対値の時間平均値の二乗値を、上記受信信号の絶対値の二乗値の時間平均値で除算した関数であるように構成してもよい。
【0066】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明に係るアレーアンテナの空間相関係数の計算方法によれば、エスパアンテナ装置であるアレーアンテナの互いに異なる指向特性を有する複数の放射パターンを用いて所望波の無線信号をそれぞれ受信し、当該受信した各受信信号を要素とする所望波の受信信号ベクトルrを求め、上記アレーアンテナの複数の放射パターンを用いて干渉波の無線信号をそれぞれ受信し、当該受信した各受信信号を要素とする干渉波の受信信号ベクトルrを求め、上記所望波の受信信号ベクトルrと、上記干渉波の受信信号ベクトルrとに基づいて、所望波と干渉波との間の空間相関係数を計算する。ここで、上記複数の放射パターンは、好ましくは、無指向特性であるオムニパターンと、所定のビーム幅を有し互いに異なるビーム方向を有する複数のセクタパターンとを含む。従って、エスパアンテナ装置を用いて所望波と干渉波との間の空間相関係数を、容易にかつ確実に計算することをができ、干渉波抑圧可能であることの判断基準を提供することができる。
【0067】
また、本発明に係る無線局の置局設計方法によれば、所定の空間において、所望波の無線信号を送信する無線局の位置と、干渉波の無線信号を送信する無線局の位置とを変化させながら、上記アレーアンテナを用いて無線信号を受信することにより、上記アレーアンテナの空間相関係数の計算方法を用いて所望波と干渉波との間の空間相関係数を計算し、上記計算された空間相関係数に基づいて、所望波の無線信号を送信する無線局の位置と、干渉波の無線信号を送信する無線局の位置とを決定することにより置局設計を行う。ここで、好ましくは、上記計算された空間相関係数を所定のしきい値と比較し、上記しきい値未満であるときの、所望波の無線信号を送信する無線局の位置と、干渉波の無線信号を送信する無線局の位置とを決定することにより置局設計を行う。従って、上記アレーアンテナの空間相関係数の計算方法を利用して、無線局を実際に配置する前に、容易にかつ確実に通信可能な無線局の位置を決定することにより置局設計できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態であるアレーアンテナの制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1のエスパアンテナ装置100の詳細な構成を示す断面図である。
【図3】図1の実施形態において指向性ビームを形成するリアクタンス値テーブルを示す図である。
【図4】所望波を放射するユーザ局と、干渉波を放射するユーザ局と、図1のエスパアンテナ装置100を備えた受信局との平面配置を示す図である。
【図5】図1のエスパアンテナ装置100と同形状のアレーアンテナに接続されたDBF回路を備えたDBFアダプティブアレー装置の構成を示すブロック図である。
【図6】図1のエスパアンテナ装置と、図5のDBFアダプティブアレー装置とにおける、アジマス角に対する空間相関係数を示すグラフである。
【図7】図1のエスパアンテナ装置においてリアクタンス値の最小値を変化したとき、及び、図5のDBFアダプティブアレー装置における、アジマス角に対する空間相関係数を示すグラフである。
【図8】変調方式がQPSKであって復調方式が同期検波であるときの出力SINRに対する平均ビット誤り率における理論値と計算値を示すグラフである。
【図9】図1のエスパアンテナ装置において入力SIR=6dBのときに入力SNRを変化したときのアジマス角に対する空間相関係数ρ及び出力SINRを示すグラフである。
【図10】図1のエスパアンテナ装置において入力SIR=0dBのときに入力SNRを変化したときのアジマス角に対する空間相関係数ρ及び出力SINRを示すグラフである。
【図11】図1のエスパアンテナ装置において入力SIR=−6dBのときに入力SNRを変化したときのアジマス角に対する空間相関係数ρ及び出力SINRを示すグラフである。
【図12】図1のエスパアンテナ装置においてビット誤り率が0.001のとき入力SIRを変化したときの入力SNRに対する空間相関係数ρを示すグラフである。
【図13】図1のエスパアンテナ装置100を中心に設置したときに、ランダムに存在するユーザ局の平面の位置関係を示す平面図である。
【符号の説明】
A0…励振素子、
A1乃至A6…非励振素子、
1…低雑音増幅器(LNA)、
2…ダウンコンバータ、
3…A/D変換器、
4…復調器、
5…給電用同軸ケーブル、
6…サーキュレータ、
7…無線送信機、
11…接地導体、
12−1乃至12−6…可変リアクタンス素子、
20…適応制御型コントローラ、
21…学習シーケンス信号発生器、
100…エスパアンテナ装置。

Claims (4)

  1. 無線信号を送受信するための励振素子と、
    上記励振素子から所定の間隔だけ離れて設けられた複数の非励振素子と、
    上記複数の非励振素子にそれぞれ接続された複数の可変リアクタンス素子とを備え、
    上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化させることにより、上記複数の非励振素子をそれぞれ導波器又は反射器として動作させ、アレーアンテナの指向特性を変化させるアレーアンテナにおいて、
    上記アレーアンテナの互いに異なる指向特性を有する複数の放射パターンを用いて所望波の無線信号をそれぞれ受信し、当該受信した各受信信号を要素とする所望波の受信信号ベクトルrを求めるステップと、
    上記アレーアンテナの複数の放射パターンを用いて干渉波の無線信号をそれぞれ受信し、当該受信した各受信信号を要素とする干渉波の受信信号ベクトルrを求めるステップと、
    上記所望波の受信信号ベクトルrと、上記干渉波の受信信号ベクトルrとに基づいて、所望波と干渉波との間の空間相関係数を計算するステップとを含むことを特徴とするアレーアンテナの空間相関係数の計算方法。
  2. 上記複数の放射パターンは、無指向特性であるオムニパターンと、所定のビーム幅を有し互いに異なるビーム方向を有する複数のセクタパターンとを含むことを特徴とする請求項1記載のアレーアンテナの空間相関係数の計算方法。
  3. 所定の空間において、所望波の無線信号を送信する無線局の位置と、干渉波の無線信号を送信する無線局の位置とを変化させながら、請求項1又は2記載のアレーアンテナを用いて無線信号を受信することにより、請求項1又は2記載のアレーアンテナの空間相関係数の計算方法を用いて所望波と干渉波との間の空間相関係数を計算するステップと、
    上記計算された空間相関係数に基づいて、所望波の無線信号を送信する無線局の位置と、干渉波の無線信号を送信する無線局の位置とを決定することにより置局設計を行うステップとを含むことを特徴とする無線局の置局設計方法。
  4. 上記置局設計を行うステップは、上記計算された空間相関係数を所定のしきい値と比較し、上記しきい値未満であるときの、所望波の無線信号を送信する無線局の位置と、干渉波の無線信号を送信する無線局の位置とを決定することにより置局設計を行うことを特徴とする請求項3記載の無線局の置局設計方法。
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