JP2004056014A - 光電変換装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストで高い光電変換効率を有する光電変換装置を提供することを目的とする。
【解決手段】一方の電極となる基板1上に一導電型を呈する粒状結晶半導体2を多数配設して基板1と接合し、この粒状結晶半導体2間に絶縁体3を充填してこの粒状結晶半導体2上に逆導電型を呈する半導体層4を設けるとともに、逆導電型を呈する半導体層4に他方の電極を接続して設ける光電変換装置の製造方法であって、上記粒状結晶半導体2上のみに選択的に撥液性を有する皮膜を形成し、この粒状結晶半導体2上に絶縁材料の溶液または分散液を塗布して熱処理して上記粒状結晶半導体2間に絶縁体3を充填する。
【選択図】 図1
【解決手段】一方の電極となる基板1上に一導電型を呈する粒状結晶半導体2を多数配設して基板1と接合し、この粒状結晶半導体2間に絶縁体3を充填してこの粒状結晶半導体2上に逆導電型を呈する半導体層4を設けるとともに、逆導電型を呈する半導体層4に他方の電極を接続して設ける光電変換装置の製造方法であって、上記粒状結晶半導体2上のみに選択的に撥液性を有する皮膜を形成し、この粒状結晶半導体2上に絶縁材料の溶液または分散液を塗布して熱処理して上記粒状結晶半導体2間に絶縁体3を充填する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は太陽光発電などに使用される光電変換装置の製造方法に関し、特に粒状結晶半導体を用いた光電変換装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の粒状結晶半導体を用いた光電変換装置を図4〜6に示す。例えば図4に示すように、第1導電型の粒状半導体2を導電性の基板1上に接着した後、熱可塑性透明柔軟樹脂粉末を振りかけて熱処理することで粒状結晶半導体2間に絶縁性樹脂3を充填し、粒状半導体2の表面に第2導電型の半導体層4を形成し、その上に透明な電極部材5を堆積する光電変換装置が開示されている(例えば特開2001−230429号公報参照)。
【0003】
また、図5に示すように、表面に第2導電型の半導体層4を有する第1導電型粒状半導体2を熱可塑性樹脂3に略半分埋没させた後に露出している部分をエッチングし、粒状半導体3内部の第1導電型半導体領域2を露出させ、その露出部に金属膜11を形成した後に熱可塑性樹脂3から開放し、導電ペースト12を塗布した導電性基板1上に載置してリフローすることで、金属膜11部で導電ペースト12を介して導電性基板1と接合し、熱可塑性樹脂粉末を振りかけて熱処理したり、液状の樹脂をポッティングして絶縁層3を形成し、その上から透明電極部材5を堆積する光電変換装置が開示されている(例えば特開2001−308357号公報参照)。
【0004】
また、図6に示すように、第1導電型粒状半導体12を絶縁材料となるガラスペースト3と混合し、第2導電型を形成するためのドーピング材層14を含む基板1に接触させ、加熱によって基板1と合金化することで半導体粒子2内にpn接合13を形成した後、さらに温度を上げてガラスフリット3を溶融して基板1を被覆し、その後、粒状半導体2表面を研磨し、その上から透明電極部材5を堆積する光電変換装置が開示されている(例えば特許2522024号公報参照)。なお、図6において、15は拡散防止層である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4に示す光電変換装置の製造方法によれば、導電性の基板1上に接着した第1導電型の粒状半導体2上から、熱可塑性透明柔軟樹脂粉末を振りかけて熱処理して絶縁性樹脂3を充填するため、粒状半導体2間の狭い部分には熱可塑性透明柔軟樹脂粉末を十分に充填できずに絶縁不良を起こすことから、すべての粒状半導体2間は一定以上の間隔を保つ必要があり、工程上コスト高になるといった問題があった。また、振りかけた熱可塑性透明柔軟樹脂粉末が第1導電型の粒状半導体3上に残存し、後工程のpn接合形成を阻害するため、光電変換率を低下させる問題があった。
【0006】
また、図5に示すような光電変換装置の製造方法のうち、液状の樹脂をポッティングすることで絶縁層3を形成する方法では、第1導電型の粒状半導体2間の狭い部分にも十分に充填できるが、液状の樹脂3が粒状半導体2上に残存し、後工程のpn接合の形成を阻害するため、光電変換率を低下させる問題があった。
【0007】
また、図6に示すような光電変換装置の製造方法によれば、粒状半導体2全面がガラスペースト3で一旦で覆われてしまうため、粒状半導体2の表面を研磨した部分のみが上部透明電極部材5と接触することから、十分な接触面積を確保できず、またガラスフリットを溶融する温度が粒状半導体2と導電性基板1とを合金化する温度よりも高いため、粒状半導体2が導電性基板1から離脱してしまい、発電電流を取り出せなくなる問題があった。
【0008】
本発明は上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、低コストで高性能な信頼性の高い光電変換装置の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る光電変換装置の製造方法は、一方の電極となる基板上に一導電型を呈する粒状結晶半導体を多数配設して基板と接合し、この粒状結晶半導体間に絶縁体を充填してこの粒状結晶半導体上に逆導電型を呈する半導体層を設けるとともに、この逆導電型を呈する半導体層に他方の電極を接続して設ける光電変換装置の製造方法において、前記粒状結晶半導体上のみに選択的に撥液性を有する皮膜を形成し、この粒状結晶半導体上に絶縁材料の溶液または分散液を塗布して熱処理して前記粒状結晶半導体間に絶縁体を充填することを特徴とする。
【0010】
上記光電変換装置の製造方法では、前記絶縁材料がガラス粉体、耐熱性高分子材料、耐熱性高分子材料と無機フィラーとの混合体、Siを含有する有機無機複合材料、またはSiを含有する有機無機複合材料と無機フィラーとの混合体のいずれかであることが望ましい。
【0011】
また、上記光電変換装置の製造方法では、前記粒状結晶半導体上のみに選択的に撥液性を有する皮膜を形成する工程において、前記粒状結晶半導体上および基板上の両方に撥液性を有する皮膜を一旦形成した後、前記基板上の撥液性を有する皮膜のみを優先的に除去する工程を含むことが望ましい。
【0012】
また、上記光電変換装置の製造方法では、前記粒状結晶半導体上のみに選択的に撥液性を有する皮膜を形成する工程において、前記粒状結晶半導体の略半分以下の高さまで液体で満たし、その液体より比重が小さくかつ非混和性の液体に溶解させた撥液剤の溶液を前記粒状結晶半導体が浸るまでその上から塗布した後、両者の液体を除去する工程を含むことが望ましい。
【0013】
本発明の光電変換装置の製造方法によれば、粒状結晶半導体上のみに選択的に撥液性を有する皮膜を形成して粒状結晶半導体間に絶縁体を充填することから、絶縁体の厚みを容易に制御でき、その結果絶縁体におけるクラックの発生を防止し、かつ粒状結晶半導体上に絶縁材料を残存させることなく絶縁体を形成できることから、従来の光電変換装置と比較して光電変換効率が高く、かつ製造マージンが大きく、低コストの製造が可能となる。つまり、粒状結晶半導体をより低い粒径精度で製造すればよく、絶縁体によって正電極と負電極の分離を確実に行うことができ、pn接合面積を確保できるため、その結果低コストで高い光電変換効率を有する光電変換装置の製造が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は、請求項1に係る光電変換装置の製造方法によって得られる光電変換装置の一実施形態を示す図である。図1において、1は基板、2は粒状結晶半導体、3は絶縁体、4は粒状結晶半導体2とは逆の導電型を呈する半導体層、5は導電層、6は基板1と粒状結晶半導体2との合金層である。
【0015】
図1において、基板1はアルミニウムまたはアルミニウムを表層とする複合材料である。複合材料の下地基板としては、アルミニウムの融点以上の融点を有する金属やセラミックであればよく、例えば鉄、ステンレス、インバー、Fe−Co−Ni系低熱膨張率合金等の鉄合金、ニッケル、アルミナ等のセラミックが用いられる。
【0016】
基板1上には、第一導電型の結晶半導体粒子2を多数配設する。この結晶半導体粒子2は、例えばSiにp型を呈するB、Al、Ga等、又はn型を呈するP、As等が微量元素含まれているものである。結晶半導体粒子2の形状としては多角形を持つもの、曲面を持つもの等があり、粒径分布としては均一、不均一を問わないが、均一の場合は粒径を揃えるための工程が必要になるため、より安価にするためには不均一な方が有利である。さらに凸曲面を持つことによって光の光線角度の依存性も小さい。
【0017】
結晶半導体粒子2の粒径としては、0.2〜1.0mmがよく、1.0mmを越えると切削部も含めた従来の結晶板型の光電変換装置のシリコン使用量と変わらなくなり、結晶半導体粒子2を用いるメリットがなくなる。また、0.2mmよりも小さいと基板1へのアッセンブルがしにくくなるという別の問題が発生する。より好適にはシリコン使用量の関係から0.2〜0.6mmがよい。
【0018】
絶縁体3は、正極と負極の分離を行うための絶縁材料であり、ガラス粉体または耐熱性高分子材料または耐熱性高分子材料と無機フィラーとの混合体またはSiを含有する有機無機複合材料またはSiを含有する有機無機複合材料と無機フィラーとの混合体からなる。
【0019】
半導体層4は例えばSiから成り、気相成長法等で例えばシラン化合物の気相にn型を呈するリン系化合物の気相、又はp型を呈するホウ素系化合物の気相を微量導入して形成する。膜質としては結晶質、非晶質、結晶質と非晶質とが混在するのどちらでもよいが、光線透過率を考慮すると結晶質又は結晶質と非晶質とが混在するものがよく、光線透過率については、粒状結晶半導体2がない部分で入射光の一部が半導体層4を透過し、下部の基板1で反射して粒状結晶半導体2に照射されることで、光電変換装置全体に照射される光エネルギーを効率よく粒状結晶半導体2に照射することが可能となる。
【0020】
さらに、半導体層4は粒状結晶半導体2の表面に沿って形成し、粒状結晶半導体2の凸曲面に沿って形成することが望ましい。粒状結晶半導体2の凸曲面に沿って形成することによってpn接合の面積を広く稼ぐことができ、粒状結晶半導体2の内部で生成したキャリアを効率よく収集することが可能となる。なお、その外郭にn型を呈するP、As等、又はp型を呈するB、Al、Ga等が微量含まれている粒状結晶半導体2を用いる場合には、半導体層4はなくてもよく、その上に導電層5を形成してもよい。
【0021】
導電層5はスパッタリング法や気相成長法等の成膜方法あるいは塗布焼成等によって形成し、SnO2、In2O3、ITO、ZnO、TiO2等から選ばれる1種又は複数の酸化物系膜、又はTi、Pt、Au等から選ばれる1種又は複数の金属系膜を形成する。なお、このような導電層5は透明であることが必要であり、粒状結晶半導体2がない部分で入射光の一部が導電層5を透過し、下部の基板1で反射して粒状結晶半導体2に照射されることで、光電変換装置全体に照射される光エネルギーを効率よく粒状結晶半導体2に照射することが可能となる。
【0022】
透明導電層5は膜厚を選べば反射防止膜としての効果も期待できる。さらに、導電層5は半導体層4あるいは粒状結晶半導体2の表面に沿って形成し、粒状結晶半導体2の凸曲面に沿って形成することが望ましい。粒状結晶半導体2の凸曲面に沿って形成することによってpn接合の面積を広く稼ぐことができ、粒状結晶半導体2の内部で生成したキャリアを効率よく収集することが可能となる。
【0023】
半導体層4あるいは導電層5上に保護層(不図示)を形成してもよい。このような保護層としては透明誘電体の特性を持つものがよく、CVD法やPVD法等で例えば酸化珪素、酸化セシウム、酸化アルミニウム、窒化珪素、酸化チタン、SiO2−TiO2、酸化タンタル、酸化イットリウム等を単一組成又は複数組成で単層又は組み合わせて半導体層4又は導電層5上に形成する。保護層は、光の入射面に接しているために、透明性が必要であり、また半導体層4又は導電層5と外部との間のリークを防止するために、誘電体であることが必要である。なお、保護層の膜厚を最適化すれば反射防止膜としての機能も期待できる。
【0024】
また、直列抵抗値を低くするために、半導体層4又は導電層5の上に一定間隔のフィンガーやバスバーといったパターン電極(不図示)を設けて直接的又は間接的に半導体層4と接続し、変換効率を向上させることも可能である。
【0025】
図2は、請求項1および請求項7に係る光電変換装置の製造方法の一実施形態を示す図である。図2において、7は撥液性を有する皮膜である。また、(a)は一旦粒状結晶半導体2上および基板1上の両方に撥液性を有する皮膜7を形成した図、(b)は基板1上の撥液性のみを優先的に除去した図、(c)はその上から絶縁体3を形成した図である。
【0026】
図2において、撥液性を有する皮膜7としては長鎖のアルキル基やパーフルオロアルキル基を有する化合物が有効であり、特にフッ素系シランカップリング剤、パーフルオロシリコーン、パーフルオロポリシラザン等が用いられる。撥液剤はその化学式および変性方法で種々の撥液性の強さを有し、また種々の溶媒を用いた溶液からなるが、粒状結晶半導体2の粒径、粒状結晶半導体2同士の間隔、塗布性や乾燥性等の作業性に応じて適宜選択することができる。
【0027】
図2(a)において、粒状結晶半導体2上および基板1上の両方に撥液性を有する皮膜7を一旦形成する方法としては、粒状結晶半導体2を接合した基板1上に例えば撥液剤を含有する溶液を一定量塗布した後、溶剤を乾燥させる方法が用いられる。また、溶液を塗布する際、粒状結晶半導体2間に溶液を浸透させるため減圧下で行ってもよい。また、溶剤を乾燥した後、所望の撥液性を発現させるため、所定の温度で所定時間加熱したり、所定の溶剤で洗浄する工程を加えてもよい。
【0028】
図2(b)において、基板1上の撥液性のみを優先的に除去する方法としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の強塩基水溶液、弗酸または弗酸−硝酸のエッチング溶液等で処理する方法が用いられる。前記強塩基水溶液の濃度は0.1〜10%であることが望ましく、好適には0.5〜5%がよい。また、弗酸または弗酸−硝酸のエッチング溶液の濃度は0.05〜5%であることが望ましく、好適には0.3〜3%がよい。また、処理時間は用いた溶液の種類や濃度によって異なるが、数秒から数分でよく、また処理温度も作業性の観点から80℃以下、好適には室温で行うのがよい。また、前記溶液で処理する際、粒状結晶半導体2間に溶液を浸透させるため、減圧下で行ってもよい。
【0029】
また、基板1上の撥液性のみを優先的に除去する他の方法として、例えばTiO2微粒子を基板1上に散布し、UV照射して基板1上の撥液性を有する皮膜7を分解する方法を用いてもよい。TiO2微粒子を基板1上に散布する方法としては、TiO2微粒子粉体を直接基板1上から散布してもよく、TiO2微粒子を所定の溶剤に分散した懸濁液あるいはTiO2コロイド溶液を基板1上から塗布してもよい。また、加熱または加水分解によってTiO2微粒子を発生させる溶液を基板1上から塗布した後、300℃以下で加熱してもよい。加熱または加水分解によってTiO2微粒子を発生させる溶液としては、TiアルコキシドまたはTiアルコキシドを部分加水分解したオリゴマー等が用いられる。TiO2微粒子の散布または溶液を塗布し加熱乾燥した後、UV照射する際は、照射光が有効に当たるように照射方向または基板1の向きを適宜変更させてもよい。
【0030】
基板1上の撥液性のみを優先的に除去する処理を行った後は、処理に用いた溶液または微粒子の除去のため、水洗またはアルコール洗浄を行う。その際粒状結晶半導体2間に洗浄液を浸透させるため減圧下で行ってもよく、超音波洗浄を併用してもよい。
【0031】
図2(c)において、絶縁体3を形成する方法としては、ガラス粉体または耐熱性高分子材料または耐熱性高分子材料と無機フィラーとの混合体またはSiを含有する有機無機複合材料またはSiを含有する有機無機複合材料と無機フィラーとの混合体からなる溶液または分散液を塗布し、乾燥後、所定の温度で熱処理する方法が用いられる。また、溶液または分散液を塗布する際、粒状結晶半導体2間に溶液を浸透させるため減圧下で行ってもよい。また、乾燥後、所定の溶剤で洗浄する工程を加えてもよい。
【0032】
いずれの絶縁材料を用いた場合も、熱処理温度は577℃以下にすることが望ましい。加熱温度が577℃を越えると、アルミニウムとシリコンとの合金層6が溶融し始めるため、基板1と粒状結晶半導体2との接合が不安定となり、場合によっては粒状結晶半導体2が基板1から離脱してしまい、発電電流を取り出せなくなる。
【0033】
絶縁材料がガラスの場合、ガラス組成に特に制限はないが、ガラス転移点は515℃以下であることが望ましい。ガラス転移点が515℃よりも高い場合には、577℃近辺の温度において材料が溶けずに粒状結晶半導体間を埋めることができなくなり、絶縁体3としての機能が果たせなくなるからである。ガラス粉体を分散させる溶剤としてはポリビニルアルコール、フタル酸ジ−n−ブチル、α−テレピネオール等が用いられ、スラリー濃度は20〜40重量%が望ましい。
【0034】
絶縁材料が耐熱性高分子材料または耐熱性高分子材料と無機フィラーとの混合体の場合、耐熱性高分子材料としては例えばポリイミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリアミドイミド等を用いることができ、無機フィラーとしてはガラス、SiO2等を用いることができ、その場合の溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が用いられ、濃度は10〜40重量%が望ましい。
【0035】
絶縁材料がSiを含有する有機無機複合材料またはSiを含有する有機無機複合材料と無機フィラーとの混合体からなる場合、Siを含有する有機無機複合材料としては例えばポリシロキサンまたはポリシロキサンとポリカルボシランの混合物を主な成分とする熱硬化性の透明有機無機複合体を用いることができ、無機フィラーとしてはガラス、SiO2等を用いることができる。また、その場合有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、へキサン、テトラヒドロフラン等が用いられ、濃度は10〜50重量%が望ましい。
【0036】
図3は、請求項1および請求項8に係る光電変換装置の製造方法の一実施形態を示す図である。図3において、8は基板を覆うための比重の大きい液体を、9はその液体より比重が小さくかつ非混和性の液体に溶解させた撥液剤の溶液である。また、(a)は粒状結晶半導体2の略半分以下の高さまで液体8を満たし、その液体8より比重が小さくかつ非混和性の液体に溶解させた撥液剤の溶液9を粒状結晶半導体2が十分浸るまでその上から塗布した図、(b)はその後、両者の液体を除去し、粒状結晶半導体2上に撥液性を有する皮膜7を形成した図、(c)はその上から絶縁体3を形成した図である。
【0037】
図3において、基板1を覆うための比重の大きい液体8とその液体より比重が小さくかつ非混和性の液体に溶解させた撥液剤の溶液9の組み合わせとしては、例えば水と石油エーテル溶液、水とキシレン溶液、水とトルエン溶液、四塩化炭素と水溶液等が用いられる。
【0038】
図3(a)において、粒状結晶半導体2の略半分以下の高さまで液体8を満たす方法とては、スピンコート法、ディスペンサーによる方法、ディッピング法等が用いられる。ディッピング法においては粒状結晶半導体2間に洗浄液を浸透させるため減圧処理を併用してもよい。また、撥液剤の溶液9を粒状結晶半導体が十分浸るまでその上から塗布する方法としては、ディスペンサーによる方法が用いられる。液体8と撥液剤の溶液9の二層構造を形成した後は、数秒〜数分間静置すればよく、撥液剤の溶液9の溶媒の一部または全部を揮発させてもよい。
【0039】
図3(b)において、両者の液体を除去する方法としては、基板1を水平に保ったまま、比重の大きい液体8に浸漬する方法が用いられる。その際超音波処理を併用してもよい。その後、液体8またはアルコールにて洗浄を行って乾燥させる方法が用いられる。
【0040】
図3(c)において、絶縁体3を形成する方法としては、図2(c)と同様の方法を用いることができる。
【0041】
【実施例】
次に、本発明の光電変換装置の製造方法の実施例を説明する。
〔実施例1〕
ステンレス基材上にアルミニウム合金を50μmの厚みで冷間圧着させた基板1に、接合助層としてブチラール樹脂を有機溶媒で溶解させた溶液を、ドクターブレードを用いて50μmの厚みに塗布した。その上に直径0.3〜0.5mmのp型シリコン粒子2を数回散布して接合助層にp型シリコン粒子2を十分に接着させ、その後、基板1を傾けて余分なp型シリコン粒子2を取り除いた。その後、p型シリコン粒子2が動かないように一定の荷重をかけて押し付けた状態で、大気中の630℃で10分間加熱処理してp型シリコン粒子2をアルミニウム合金に接合させた。
【0042】
その上にパーフルオロアルキルシランカップリング剤の0.5%キシレン溶液を塗布して室温で乾燥した。基板1上の撥液性を除去するため、室温で1%水酸化ナトリウム水溶液に3分間浸漬した後、水およびイソプロピルアルコールで洗浄し、60℃で10分間乾燥した。B2O3、ZnO、SiO2、Al2O3、Li2O、SnO2を成分とする平均粒径2.2μm、ガラス転移点505℃の低温焼成用ガラス粉末をフタル酸ジ−n−ブチルに30重量%分散した分散液を塗布し、150℃で10分間乾燥した後、少量のα−テレピネオールで洗浄した。その後、570℃で30分間焼成し、透明なガラス絶縁体3を形成した。
【0043】
p型シリコン粒子2の上部表面をクリーニングするために、前述のp型シリコン粒子2間をガラスから成る絶縁体3で充填した基板1を弗酸硝酸混合液(HF:HNO3=1:20)に1分間浸漬して純水で十分洗浄した。
【0044】
次に、シランガスと微量のP化合物からなる混合ガスを用いたプラズマCVD法で、p型シリコン粒子2上に厚み50nmのn型結晶質シリコンと非晶質シリコンとの混晶の半導体層4を成膜し、その上にスパッタリング法によって厚み100nmのITO膜5を作製した。絶縁体3にクラック、剥がれ等はなく、p型シリコン粒子2上のpn接合面の割合すなわち開口率は85%であった。
【0045】
フィンガーおよびバスバーからなるパターン電極を設けた後、光電変換率を測定したところ、9.3%と比較的高い値が得られた。
〔実施例2〕
実施例1と同様にしてp型シリコン粒子2を接合したアルミニウム合金基板1にパーフルオロシリコーン0.1%イソプロピルアルコール溶液を塗布して室温で乾燥した。基板1上の撥液性を除去するため、室温で0.5%弗酸水溶液に2分間浸漬した後、水およびイソプロピルアルコールで洗浄し、60℃で10分間乾燥した。その上からポリイミドの25%N−メチルピロリドン溶液を塗布し、150℃で10分間乾燥した。その後、350℃で20分間焼成し、淡褐色の耐熱性高分子絶縁体3を形成した。実施例1と同様にして弗酸硝酸混合液で処理した後、半導体層4およびITO膜5を作製した。絶縁体3にクラック、剥がれ等はなく、p型シリコン粒子2上のpn接合面の割合すなわち開口率は90%であった。
【0046】
フィンガーおよびバスバーからなるパターン電極を設けた後、光電変換率を測定したところ、9.6%と比較的高い値が得られた。
〔実施例3〕
実施例1と同様にしてp型シリコン粒子2を接合したアルミニウム合金基板1にパーフルオロポリシラザン3%トルエン溶液を塗布して室温で乾燥した。基板1上の撥液性を除去するため、Ti(O−i−Pr)4:i−PrOH:H2O:HCl=1:80:10:0.05のモル比で作製したTiO2ゾルを塗布した後、200℃で1時間熱処理し、基板1上にTiO2乾燥ゲルをコートした。メタハライドランプのUV照射装置にて出力3kW−15秒間UV照射した後、0.1%塩酸で洗浄しTiO2乾燥ゲルを除去した後、水およびイソプロピルアルコールで洗浄し、60℃で10分間乾燥した。その上からフェニル基を有するポリシロキサンの30%キシレン溶液を塗布し、80℃で10分間乾燥した後、300℃で20分間焼成し、透明の有機無機複合材料の絶縁体3を形成した。実施例1と同様にして弗酸硝酸混合液で処理した後、半導体層4およびITO膜5を作製した。絶縁体3にクラック、剥がれ等はなく、p型シリコン粒子2上のpn接合面の割合すなわち開口率は90%であった。
【0047】
フィンガーおよびバスバーからなるパターン電極を設けた後、光電変換率を測定したところ、9.5%と比較的高い値が得られた。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に係る光電変換装置の製造方法によれば、絶縁体の充填方法が、粒状結晶半導体上のみに選択的に撥液性を有する皮膜を形成し、この粒状結晶半導体上に絶縁材料の溶液または分散液を塗布して熱処理して前記粒状結晶半導体間に絶縁体を充填することから、絶縁体の厚みを容易に制御できその結果絶縁体におけるクラック発生を防止し、かつ粒状結晶半導体上に絶縁材料を残存させることなく絶縁体を形成できる。よって低コストで高い光電変換効率を有する光電変換装置を提供することができる。
【0049】
また、請求項7に係る光電変換装置の製造方法によれば、粒状結晶半導体上のみに選択的に撥液性を有する皮膜を形成する工程において、前記粒状結晶半導体上および基板上の両方に撥液性を有する皮膜を一旦形成した後、前記基板上の撥液性を有する皮膜のみを優先的に除去する工程を含むことから、低コストで高い光電変換効率を有する光電変換装置を提供することができる。
【0050】
また、請求項8に係る光電変換装置の製造方法によれば、粒状結晶半導体上のみに選択的に撥液性を有する皮膜を形成する工程において、前記粒状結晶半導体の略半分以下の高さまで液体で満たし、その液体より比重が小さくかつ非混和性の液体に溶解させた撥液剤の溶液を前記粒状結晶半導体が浸るまでその上から塗布した後、両者の液体を除去する工程を含むことから、低コストで高い光電変換効率を有する光電変換装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法によって得られる光電変換装置を示す断面図である。
【図2】本発明の光電変換装置の製造方法の一実施形態を示す断面図であり、(a)は粒状結晶半導体と基板上に撥液性を有する皮膜を形成した図、(b)は基板上の撥液性のみを優先的に除去した図、(c)は絶縁体を形成した図である。
【図3】本発明の光電変換装置の製造方法の他の実施形態を示す断面図であり、(a)は撥液剤の溶液を粒状結晶半導体が浸るまで塗布した図、(b)は粒状結晶半導体上に撥液性を有する皮膜を形成した図、(c)は絶縁体を形成した図である。
【図4】従来例1の光電変換装置を示す断面図である。
【図5】従来例2の光電変換装置を示す断面図である。
【図6】従来例3の光電変換装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・・基板
2・・・・第一導電型の粒状結晶半導体
3・・・・絶縁体
4・・・・逆導電型の半導体層
5・・・・導電層
6・・・・基板のアルミニウムと粒状結晶半導体のシリコンとの合金層
7・・・・撥液性を有する皮膜
8・・・・基板を覆うための比重の大きい液体
9・・・・比重が小さくかつ非混和性の液体に溶解させた撥液剤の溶液
10・・・粒状半導体と基板との接合部
11・・・導電性ぺースト
12・・・pn接合部
【発明の属する技術分野】
本発明は太陽光発電などに使用される光電変換装置の製造方法に関し、特に粒状結晶半導体を用いた光電変換装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の粒状結晶半導体を用いた光電変換装置を図4〜6に示す。例えば図4に示すように、第1導電型の粒状半導体2を導電性の基板1上に接着した後、熱可塑性透明柔軟樹脂粉末を振りかけて熱処理することで粒状結晶半導体2間に絶縁性樹脂3を充填し、粒状半導体2の表面に第2導電型の半導体層4を形成し、その上に透明な電極部材5を堆積する光電変換装置が開示されている(例えば特開2001−230429号公報参照)。
【0003】
また、図5に示すように、表面に第2導電型の半導体層4を有する第1導電型粒状半導体2を熱可塑性樹脂3に略半分埋没させた後に露出している部分をエッチングし、粒状半導体3内部の第1導電型半導体領域2を露出させ、その露出部に金属膜11を形成した後に熱可塑性樹脂3から開放し、導電ペースト12を塗布した導電性基板1上に載置してリフローすることで、金属膜11部で導電ペースト12を介して導電性基板1と接合し、熱可塑性樹脂粉末を振りかけて熱処理したり、液状の樹脂をポッティングして絶縁層3を形成し、その上から透明電極部材5を堆積する光電変換装置が開示されている(例えば特開2001−308357号公報参照)。
【0004】
また、図6に示すように、第1導電型粒状半導体12を絶縁材料となるガラスペースト3と混合し、第2導電型を形成するためのドーピング材層14を含む基板1に接触させ、加熱によって基板1と合金化することで半導体粒子2内にpn接合13を形成した後、さらに温度を上げてガラスフリット3を溶融して基板1を被覆し、その後、粒状半導体2表面を研磨し、その上から透明電極部材5を堆積する光電変換装置が開示されている(例えば特許2522024号公報参照)。なお、図6において、15は拡散防止層である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4に示す光電変換装置の製造方法によれば、導電性の基板1上に接着した第1導電型の粒状半導体2上から、熱可塑性透明柔軟樹脂粉末を振りかけて熱処理して絶縁性樹脂3を充填するため、粒状半導体2間の狭い部分には熱可塑性透明柔軟樹脂粉末を十分に充填できずに絶縁不良を起こすことから、すべての粒状半導体2間は一定以上の間隔を保つ必要があり、工程上コスト高になるといった問題があった。また、振りかけた熱可塑性透明柔軟樹脂粉末が第1導電型の粒状半導体3上に残存し、後工程のpn接合形成を阻害するため、光電変換率を低下させる問題があった。
【0006】
また、図5に示すような光電変換装置の製造方法のうち、液状の樹脂をポッティングすることで絶縁層3を形成する方法では、第1導電型の粒状半導体2間の狭い部分にも十分に充填できるが、液状の樹脂3が粒状半導体2上に残存し、後工程のpn接合の形成を阻害するため、光電変換率を低下させる問題があった。
【0007】
また、図6に示すような光電変換装置の製造方法によれば、粒状半導体2全面がガラスペースト3で一旦で覆われてしまうため、粒状半導体2の表面を研磨した部分のみが上部透明電極部材5と接触することから、十分な接触面積を確保できず、またガラスフリットを溶融する温度が粒状半導体2と導電性基板1とを合金化する温度よりも高いため、粒状半導体2が導電性基板1から離脱してしまい、発電電流を取り出せなくなる問題があった。
【0008】
本発明は上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、低コストで高性能な信頼性の高い光電変換装置の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る光電変換装置の製造方法は、一方の電極となる基板上に一導電型を呈する粒状結晶半導体を多数配設して基板と接合し、この粒状結晶半導体間に絶縁体を充填してこの粒状結晶半導体上に逆導電型を呈する半導体層を設けるとともに、この逆導電型を呈する半導体層に他方の電極を接続して設ける光電変換装置の製造方法において、前記粒状結晶半導体上のみに選択的に撥液性を有する皮膜を形成し、この粒状結晶半導体上に絶縁材料の溶液または分散液を塗布して熱処理して前記粒状結晶半導体間に絶縁体を充填することを特徴とする。
【0010】
上記光電変換装置の製造方法では、前記絶縁材料がガラス粉体、耐熱性高分子材料、耐熱性高分子材料と無機フィラーとの混合体、Siを含有する有機無機複合材料、またはSiを含有する有機無機複合材料と無機フィラーとの混合体のいずれかであることが望ましい。
【0011】
また、上記光電変換装置の製造方法では、前記粒状結晶半導体上のみに選択的に撥液性を有する皮膜を形成する工程において、前記粒状結晶半導体上および基板上の両方に撥液性を有する皮膜を一旦形成した後、前記基板上の撥液性を有する皮膜のみを優先的に除去する工程を含むことが望ましい。
【0012】
また、上記光電変換装置の製造方法では、前記粒状結晶半導体上のみに選択的に撥液性を有する皮膜を形成する工程において、前記粒状結晶半導体の略半分以下の高さまで液体で満たし、その液体より比重が小さくかつ非混和性の液体に溶解させた撥液剤の溶液を前記粒状結晶半導体が浸るまでその上から塗布した後、両者の液体を除去する工程を含むことが望ましい。
【0013】
本発明の光電変換装置の製造方法によれば、粒状結晶半導体上のみに選択的に撥液性を有する皮膜を形成して粒状結晶半導体間に絶縁体を充填することから、絶縁体の厚みを容易に制御でき、その結果絶縁体におけるクラックの発生を防止し、かつ粒状結晶半導体上に絶縁材料を残存させることなく絶縁体を形成できることから、従来の光電変換装置と比較して光電変換効率が高く、かつ製造マージンが大きく、低コストの製造が可能となる。つまり、粒状結晶半導体をより低い粒径精度で製造すればよく、絶縁体によって正電極と負電極の分離を確実に行うことができ、pn接合面積を確保できるため、その結果低コストで高い光電変換効率を有する光電変換装置の製造が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は、請求項1に係る光電変換装置の製造方法によって得られる光電変換装置の一実施形態を示す図である。図1において、1は基板、2は粒状結晶半導体、3は絶縁体、4は粒状結晶半導体2とは逆の導電型を呈する半導体層、5は導電層、6は基板1と粒状結晶半導体2との合金層である。
【0015】
図1において、基板1はアルミニウムまたはアルミニウムを表層とする複合材料である。複合材料の下地基板としては、アルミニウムの融点以上の融点を有する金属やセラミックであればよく、例えば鉄、ステンレス、インバー、Fe−Co−Ni系低熱膨張率合金等の鉄合金、ニッケル、アルミナ等のセラミックが用いられる。
【0016】
基板1上には、第一導電型の結晶半導体粒子2を多数配設する。この結晶半導体粒子2は、例えばSiにp型を呈するB、Al、Ga等、又はn型を呈するP、As等が微量元素含まれているものである。結晶半導体粒子2の形状としては多角形を持つもの、曲面を持つもの等があり、粒径分布としては均一、不均一を問わないが、均一の場合は粒径を揃えるための工程が必要になるため、より安価にするためには不均一な方が有利である。さらに凸曲面を持つことによって光の光線角度の依存性も小さい。
【0017】
結晶半導体粒子2の粒径としては、0.2〜1.0mmがよく、1.0mmを越えると切削部も含めた従来の結晶板型の光電変換装置のシリコン使用量と変わらなくなり、結晶半導体粒子2を用いるメリットがなくなる。また、0.2mmよりも小さいと基板1へのアッセンブルがしにくくなるという別の問題が発生する。より好適にはシリコン使用量の関係から0.2〜0.6mmがよい。
【0018】
絶縁体3は、正極と負極の分離を行うための絶縁材料であり、ガラス粉体または耐熱性高分子材料または耐熱性高分子材料と無機フィラーとの混合体またはSiを含有する有機無機複合材料またはSiを含有する有機無機複合材料と無機フィラーとの混合体からなる。
【0019】
半導体層4は例えばSiから成り、気相成長法等で例えばシラン化合物の気相にn型を呈するリン系化合物の気相、又はp型を呈するホウ素系化合物の気相を微量導入して形成する。膜質としては結晶質、非晶質、結晶質と非晶質とが混在するのどちらでもよいが、光線透過率を考慮すると結晶質又は結晶質と非晶質とが混在するものがよく、光線透過率については、粒状結晶半導体2がない部分で入射光の一部が半導体層4を透過し、下部の基板1で反射して粒状結晶半導体2に照射されることで、光電変換装置全体に照射される光エネルギーを効率よく粒状結晶半導体2に照射することが可能となる。
【0020】
さらに、半導体層4は粒状結晶半導体2の表面に沿って形成し、粒状結晶半導体2の凸曲面に沿って形成することが望ましい。粒状結晶半導体2の凸曲面に沿って形成することによってpn接合の面積を広く稼ぐことができ、粒状結晶半導体2の内部で生成したキャリアを効率よく収集することが可能となる。なお、その外郭にn型を呈するP、As等、又はp型を呈するB、Al、Ga等が微量含まれている粒状結晶半導体2を用いる場合には、半導体層4はなくてもよく、その上に導電層5を形成してもよい。
【0021】
導電層5はスパッタリング法や気相成長法等の成膜方法あるいは塗布焼成等によって形成し、SnO2、In2O3、ITO、ZnO、TiO2等から選ばれる1種又は複数の酸化物系膜、又はTi、Pt、Au等から選ばれる1種又は複数の金属系膜を形成する。なお、このような導電層5は透明であることが必要であり、粒状結晶半導体2がない部分で入射光の一部が導電層5を透過し、下部の基板1で反射して粒状結晶半導体2に照射されることで、光電変換装置全体に照射される光エネルギーを効率よく粒状結晶半導体2に照射することが可能となる。
【0022】
透明導電層5は膜厚を選べば反射防止膜としての効果も期待できる。さらに、導電層5は半導体層4あるいは粒状結晶半導体2の表面に沿って形成し、粒状結晶半導体2の凸曲面に沿って形成することが望ましい。粒状結晶半導体2の凸曲面に沿って形成することによってpn接合の面積を広く稼ぐことができ、粒状結晶半導体2の内部で生成したキャリアを効率よく収集することが可能となる。
【0023】
半導体層4あるいは導電層5上に保護層(不図示)を形成してもよい。このような保護層としては透明誘電体の特性を持つものがよく、CVD法やPVD法等で例えば酸化珪素、酸化セシウム、酸化アルミニウム、窒化珪素、酸化チタン、SiO2−TiO2、酸化タンタル、酸化イットリウム等を単一組成又は複数組成で単層又は組み合わせて半導体層4又は導電層5上に形成する。保護層は、光の入射面に接しているために、透明性が必要であり、また半導体層4又は導電層5と外部との間のリークを防止するために、誘電体であることが必要である。なお、保護層の膜厚を最適化すれば反射防止膜としての機能も期待できる。
【0024】
また、直列抵抗値を低くするために、半導体層4又は導電層5の上に一定間隔のフィンガーやバスバーといったパターン電極(不図示)を設けて直接的又は間接的に半導体層4と接続し、変換効率を向上させることも可能である。
【0025】
図2は、請求項1および請求項7に係る光電変換装置の製造方法の一実施形態を示す図である。図2において、7は撥液性を有する皮膜である。また、(a)は一旦粒状結晶半導体2上および基板1上の両方に撥液性を有する皮膜7を形成した図、(b)は基板1上の撥液性のみを優先的に除去した図、(c)はその上から絶縁体3を形成した図である。
【0026】
図2において、撥液性を有する皮膜7としては長鎖のアルキル基やパーフルオロアルキル基を有する化合物が有効であり、特にフッ素系シランカップリング剤、パーフルオロシリコーン、パーフルオロポリシラザン等が用いられる。撥液剤はその化学式および変性方法で種々の撥液性の強さを有し、また種々の溶媒を用いた溶液からなるが、粒状結晶半導体2の粒径、粒状結晶半導体2同士の間隔、塗布性や乾燥性等の作業性に応じて適宜選択することができる。
【0027】
図2(a)において、粒状結晶半導体2上および基板1上の両方に撥液性を有する皮膜7を一旦形成する方法としては、粒状結晶半導体2を接合した基板1上に例えば撥液剤を含有する溶液を一定量塗布した後、溶剤を乾燥させる方法が用いられる。また、溶液を塗布する際、粒状結晶半導体2間に溶液を浸透させるため減圧下で行ってもよい。また、溶剤を乾燥した後、所望の撥液性を発現させるため、所定の温度で所定時間加熱したり、所定の溶剤で洗浄する工程を加えてもよい。
【0028】
図2(b)において、基板1上の撥液性のみを優先的に除去する方法としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の強塩基水溶液、弗酸または弗酸−硝酸のエッチング溶液等で処理する方法が用いられる。前記強塩基水溶液の濃度は0.1〜10%であることが望ましく、好適には0.5〜5%がよい。また、弗酸または弗酸−硝酸のエッチング溶液の濃度は0.05〜5%であることが望ましく、好適には0.3〜3%がよい。また、処理時間は用いた溶液の種類や濃度によって異なるが、数秒から数分でよく、また処理温度も作業性の観点から80℃以下、好適には室温で行うのがよい。また、前記溶液で処理する際、粒状結晶半導体2間に溶液を浸透させるため、減圧下で行ってもよい。
【0029】
また、基板1上の撥液性のみを優先的に除去する他の方法として、例えばTiO2微粒子を基板1上に散布し、UV照射して基板1上の撥液性を有する皮膜7を分解する方法を用いてもよい。TiO2微粒子を基板1上に散布する方法としては、TiO2微粒子粉体を直接基板1上から散布してもよく、TiO2微粒子を所定の溶剤に分散した懸濁液あるいはTiO2コロイド溶液を基板1上から塗布してもよい。また、加熱または加水分解によってTiO2微粒子を発生させる溶液を基板1上から塗布した後、300℃以下で加熱してもよい。加熱または加水分解によってTiO2微粒子を発生させる溶液としては、TiアルコキシドまたはTiアルコキシドを部分加水分解したオリゴマー等が用いられる。TiO2微粒子の散布または溶液を塗布し加熱乾燥した後、UV照射する際は、照射光が有効に当たるように照射方向または基板1の向きを適宜変更させてもよい。
【0030】
基板1上の撥液性のみを優先的に除去する処理を行った後は、処理に用いた溶液または微粒子の除去のため、水洗またはアルコール洗浄を行う。その際粒状結晶半導体2間に洗浄液を浸透させるため減圧下で行ってもよく、超音波洗浄を併用してもよい。
【0031】
図2(c)において、絶縁体3を形成する方法としては、ガラス粉体または耐熱性高分子材料または耐熱性高分子材料と無機フィラーとの混合体またはSiを含有する有機無機複合材料またはSiを含有する有機無機複合材料と無機フィラーとの混合体からなる溶液または分散液を塗布し、乾燥後、所定の温度で熱処理する方法が用いられる。また、溶液または分散液を塗布する際、粒状結晶半導体2間に溶液を浸透させるため減圧下で行ってもよい。また、乾燥後、所定の溶剤で洗浄する工程を加えてもよい。
【0032】
いずれの絶縁材料を用いた場合も、熱処理温度は577℃以下にすることが望ましい。加熱温度が577℃を越えると、アルミニウムとシリコンとの合金層6が溶融し始めるため、基板1と粒状結晶半導体2との接合が不安定となり、場合によっては粒状結晶半導体2が基板1から離脱してしまい、発電電流を取り出せなくなる。
【0033】
絶縁材料がガラスの場合、ガラス組成に特に制限はないが、ガラス転移点は515℃以下であることが望ましい。ガラス転移点が515℃よりも高い場合には、577℃近辺の温度において材料が溶けずに粒状結晶半導体間を埋めることができなくなり、絶縁体3としての機能が果たせなくなるからである。ガラス粉体を分散させる溶剤としてはポリビニルアルコール、フタル酸ジ−n−ブチル、α−テレピネオール等が用いられ、スラリー濃度は20〜40重量%が望ましい。
【0034】
絶縁材料が耐熱性高分子材料または耐熱性高分子材料と無機フィラーとの混合体の場合、耐熱性高分子材料としては例えばポリイミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリアミドイミド等を用いることができ、無機フィラーとしてはガラス、SiO2等を用いることができ、その場合の溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が用いられ、濃度は10〜40重量%が望ましい。
【0035】
絶縁材料がSiを含有する有機無機複合材料またはSiを含有する有機無機複合材料と無機フィラーとの混合体からなる場合、Siを含有する有機無機複合材料としては例えばポリシロキサンまたはポリシロキサンとポリカルボシランの混合物を主な成分とする熱硬化性の透明有機無機複合体を用いることができ、無機フィラーとしてはガラス、SiO2等を用いることができる。また、その場合有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、へキサン、テトラヒドロフラン等が用いられ、濃度は10〜50重量%が望ましい。
【0036】
図3は、請求項1および請求項8に係る光電変換装置の製造方法の一実施形態を示す図である。図3において、8は基板を覆うための比重の大きい液体を、9はその液体より比重が小さくかつ非混和性の液体に溶解させた撥液剤の溶液である。また、(a)は粒状結晶半導体2の略半分以下の高さまで液体8を満たし、その液体8より比重が小さくかつ非混和性の液体に溶解させた撥液剤の溶液9を粒状結晶半導体2が十分浸るまでその上から塗布した図、(b)はその後、両者の液体を除去し、粒状結晶半導体2上に撥液性を有する皮膜7を形成した図、(c)はその上から絶縁体3を形成した図である。
【0037】
図3において、基板1を覆うための比重の大きい液体8とその液体より比重が小さくかつ非混和性の液体に溶解させた撥液剤の溶液9の組み合わせとしては、例えば水と石油エーテル溶液、水とキシレン溶液、水とトルエン溶液、四塩化炭素と水溶液等が用いられる。
【0038】
図3(a)において、粒状結晶半導体2の略半分以下の高さまで液体8を満たす方法とては、スピンコート法、ディスペンサーによる方法、ディッピング法等が用いられる。ディッピング法においては粒状結晶半導体2間に洗浄液を浸透させるため減圧処理を併用してもよい。また、撥液剤の溶液9を粒状結晶半導体が十分浸るまでその上から塗布する方法としては、ディスペンサーによる方法が用いられる。液体8と撥液剤の溶液9の二層構造を形成した後は、数秒〜数分間静置すればよく、撥液剤の溶液9の溶媒の一部または全部を揮発させてもよい。
【0039】
図3(b)において、両者の液体を除去する方法としては、基板1を水平に保ったまま、比重の大きい液体8に浸漬する方法が用いられる。その際超音波処理を併用してもよい。その後、液体8またはアルコールにて洗浄を行って乾燥させる方法が用いられる。
【0040】
図3(c)において、絶縁体3を形成する方法としては、図2(c)と同様の方法を用いることができる。
【0041】
【実施例】
次に、本発明の光電変換装置の製造方法の実施例を説明する。
〔実施例1〕
ステンレス基材上にアルミニウム合金を50μmの厚みで冷間圧着させた基板1に、接合助層としてブチラール樹脂を有機溶媒で溶解させた溶液を、ドクターブレードを用いて50μmの厚みに塗布した。その上に直径0.3〜0.5mmのp型シリコン粒子2を数回散布して接合助層にp型シリコン粒子2を十分に接着させ、その後、基板1を傾けて余分なp型シリコン粒子2を取り除いた。その後、p型シリコン粒子2が動かないように一定の荷重をかけて押し付けた状態で、大気中の630℃で10分間加熱処理してp型シリコン粒子2をアルミニウム合金に接合させた。
【0042】
その上にパーフルオロアルキルシランカップリング剤の0.5%キシレン溶液を塗布して室温で乾燥した。基板1上の撥液性を除去するため、室温で1%水酸化ナトリウム水溶液に3分間浸漬した後、水およびイソプロピルアルコールで洗浄し、60℃で10分間乾燥した。B2O3、ZnO、SiO2、Al2O3、Li2O、SnO2を成分とする平均粒径2.2μm、ガラス転移点505℃の低温焼成用ガラス粉末をフタル酸ジ−n−ブチルに30重量%分散した分散液を塗布し、150℃で10分間乾燥した後、少量のα−テレピネオールで洗浄した。その後、570℃で30分間焼成し、透明なガラス絶縁体3を形成した。
【0043】
p型シリコン粒子2の上部表面をクリーニングするために、前述のp型シリコン粒子2間をガラスから成る絶縁体3で充填した基板1を弗酸硝酸混合液(HF:HNO3=1:20)に1分間浸漬して純水で十分洗浄した。
【0044】
次に、シランガスと微量のP化合物からなる混合ガスを用いたプラズマCVD法で、p型シリコン粒子2上に厚み50nmのn型結晶質シリコンと非晶質シリコンとの混晶の半導体層4を成膜し、その上にスパッタリング法によって厚み100nmのITO膜5を作製した。絶縁体3にクラック、剥がれ等はなく、p型シリコン粒子2上のpn接合面の割合すなわち開口率は85%であった。
【0045】
フィンガーおよびバスバーからなるパターン電極を設けた後、光電変換率を測定したところ、9.3%と比較的高い値が得られた。
〔実施例2〕
実施例1と同様にしてp型シリコン粒子2を接合したアルミニウム合金基板1にパーフルオロシリコーン0.1%イソプロピルアルコール溶液を塗布して室温で乾燥した。基板1上の撥液性を除去するため、室温で0.5%弗酸水溶液に2分間浸漬した後、水およびイソプロピルアルコールで洗浄し、60℃で10分間乾燥した。その上からポリイミドの25%N−メチルピロリドン溶液を塗布し、150℃で10分間乾燥した。その後、350℃で20分間焼成し、淡褐色の耐熱性高分子絶縁体3を形成した。実施例1と同様にして弗酸硝酸混合液で処理した後、半導体層4およびITO膜5を作製した。絶縁体3にクラック、剥がれ等はなく、p型シリコン粒子2上のpn接合面の割合すなわち開口率は90%であった。
【0046】
フィンガーおよびバスバーからなるパターン電極を設けた後、光電変換率を測定したところ、9.6%と比較的高い値が得られた。
〔実施例3〕
実施例1と同様にしてp型シリコン粒子2を接合したアルミニウム合金基板1にパーフルオロポリシラザン3%トルエン溶液を塗布して室温で乾燥した。基板1上の撥液性を除去するため、Ti(O−i−Pr)4:i−PrOH:H2O:HCl=1:80:10:0.05のモル比で作製したTiO2ゾルを塗布した後、200℃で1時間熱処理し、基板1上にTiO2乾燥ゲルをコートした。メタハライドランプのUV照射装置にて出力3kW−15秒間UV照射した後、0.1%塩酸で洗浄しTiO2乾燥ゲルを除去した後、水およびイソプロピルアルコールで洗浄し、60℃で10分間乾燥した。その上からフェニル基を有するポリシロキサンの30%キシレン溶液を塗布し、80℃で10分間乾燥した後、300℃で20分間焼成し、透明の有機無機複合材料の絶縁体3を形成した。実施例1と同様にして弗酸硝酸混合液で処理した後、半導体層4およびITO膜5を作製した。絶縁体3にクラック、剥がれ等はなく、p型シリコン粒子2上のpn接合面の割合すなわち開口率は90%であった。
【0047】
フィンガーおよびバスバーからなるパターン電極を設けた後、光電変換率を測定したところ、9.5%と比較的高い値が得られた。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に係る光電変換装置の製造方法によれば、絶縁体の充填方法が、粒状結晶半導体上のみに選択的に撥液性を有する皮膜を形成し、この粒状結晶半導体上に絶縁材料の溶液または分散液を塗布して熱処理して前記粒状結晶半導体間に絶縁体を充填することから、絶縁体の厚みを容易に制御できその結果絶縁体におけるクラック発生を防止し、かつ粒状結晶半導体上に絶縁材料を残存させることなく絶縁体を形成できる。よって低コストで高い光電変換効率を有する光電変換装置を提供することができる。
【0049】
また、請求項7に係る光電変換装置の製造方法によれば、粒状結晶半導体上のみに選択的に撥液性を有する皮膜を形成する工程において、前記粒状結晶半導体上および基板上の両方に撥液性を有する皮膜を一旦形成した後、前記基板上の撥液性を有する皮膜のみを優先的に除去する工程を含むことから、低コストで高い光電変換効率を有する光電変換装置を提供することができる。
【0050】
また、請求項8に係る光電変換装置の製造方法によれば、粒状結晶半導体上のみに選択的に撥液性を有する皮膜を形成する工程において、前記粒状結晶半導体の略半分以下の高さまで液体で満たし、その液体より比重が小さくかつ非混和性の液体に溶解させた撥液剤の溶液を前記粒状結晶半導体が浸るまでその上から塗布した後、両者の液体を除去する工程を含むことから、低コストで高い光電変換効率を有する光電変換装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法によって得られる光電変換装置を示す断面図である。
【図2】本発明の光電変換装置の製造方法の一実施形態を示す断面図であり、(a)は粒状結晶半導体と基板上に撥液性を有する皮膜を形成した図、(b)は基板上の撥液性のみを優先的に除去した図、(c)は絶縁体を形成した図である。
【図3】本発明の光電変換装置の製造方法の他の実施形態を示す断面図であり、(a)は撥液剤の溶液を粒状結晶半導体が浸るまで塗布した図、(b)は粒状結晶半導体上に撥液性を有する皮膜を形成した図、(c)は絶縁体を形成した図である。
【図4】従来例1の光電変換装置を示す断面図である。
【図5】従来例2の光電変換装置を示す断面図である。
【図6】従来例3の光電変換装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・・基板
2・・・・第一導電型の粒状結晶半導体
3・・・・絶縁体
4・・・・逆導電型の半導体層
5・・・・導電層
6・・・・基板のアルミニウムと粒状結晶半導体のシリコンとの合金層
7・・・・撥液性を有する皮膜
8・・・・基板を覆うための比重の大きい液体
9・・・・比重が小さくかつ非混和性の液体に溶解させた撥液剤の溶液
10・・・粒状半導体と基板との接合部
11・・・導電性ぺースト
12・・・pn接合部
Claims (8)
- 一方の電極となる基板上に一導電型を呈する粒状結晶半導体を多数配設して基板と接合し、この粒状結晶半導体間に絶縁体を充填してこの粒状結晶半導体上に逆導電型を呈する半導体層を設けるとともに、この逆導電型を呈する半導体層に他方の電極を接続して設ける光電変換装置の製造方法において、前記粒状結晶半導体上のみに選択的に撥液性を有する皮膜を形成し、この粒状結晶半導体上に絶縁材料の溶液または分散液を塗布して熱処理して前記粒状結晶半導体間に絶縁体を充填することを特徴とする光電変換装置の製造方法。
- 前記絶縁材料がガラス粉体であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
- 前記絶縁材料が耐熱性高分子材料であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
- 前記絶縁材料が耐熱性高分子材料と無機フィラーとの混合体であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
- 前記絶縁材料がSiを含有する有機無機複合材料であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
- 前記絶縁材料がSiを含有する有機無機複合材料と無機フィラーとの混合体であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
- 前記粒状結晶半導体上のみに選択的に撥液性を有する皮膜を形成する工程において、前記粒状結晶半導体上および基板上の両方に撥液性を有する皮膜を一旦形成した後、前記基板上の撥液性を有する皮膜のみを優先的に除去する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
- 前記粒状結晶半導体上のみに選択的に撥液性を有する皮膜を形成する工程において、前記粒状結晶半導体の略半分以下の高さまで液体で満たし、その液体より比重が小さくかつ非混和性の液体に溶解させた撥液剤の溶液を前記粒状結晶半導体が浸るまでその上から塗布した後、両者の液体を除去する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
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