JP2004054031A - 偏光層形成基板、偏光層の製造方法、液晶表示装置、液晶表示装置の製造方法、電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便にパターン化した構成を得ることが可能な偏光層を提供する。
【解決手段】偏光層1は、ガラス基板等の基材5上に形成され、その面内において、水溶性且つ偏光性を示す二色性染料を含んで構成された水溶性領域20と、該二色性染料を不溶化した不溶性偏光成分を含んで構成された非水溶性領域10とを、所定のパターンで含んでおり、非水溶性領域10は個々に矩形状にパターン形成され、水溶性領域20は非水溶性領域10の境界領域としてパターン形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】偏光層1は、ガラス基板等の基材5上に形成され、その面内において、水溶性且つ偏光性を示す二色性染料を含んで構成された水溶性領域20と、該二色性染料を不溶化した不溶性偏光成分を含んで構成された非水溶性領域10とを、所定のパターンで含んでおり、非水溶性領域10は個々に矩形状にパターン形成され、水溶性領域20は非水溶性領域10の境界領域としてパターン形成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、偏光層形成基板、偏光層の製造方法、液晶表示装置、液晶表示装置の製造方法、並びに電子機器に係り、特に耐久性に優れ且つ利便性に優れた偏光層形成基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、透明電極を表面に具備する一対の基板間に液晶層を挟持させた構成の液晶表示装置が知られており、例えば透明電極間における電圧印加状態に基づいて液晶の配向状態を変化させ、光を変調し、階調表示を可能にしている。このような液晶表示装置においては、一定方向の偏光面を有する光のみを通す偏光層が設けられ、液晶の配向変化を可視化する役割を担っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような偏光層としては、例えば二色性染料等の偏光素子を含む高分子フィルムを主体としてなるものが知られているが、例えば1枚の基板母材から複数個の液晶セル用の基板を切り出す場合には、偏光層は、所定パターンの形状のものを基材上に複数形成し、これを各々分割して切り離して使用に供している。ここで偏光層を構成する二色性染料は水溶性の高いものが多いため、所定パターン形状の偏光層を、例えばフォトリソグラフィ法により基材上にパターン形成する際に、例えばウェットエッチングを行う場合には、当該偏光層が溶解したり、レジストとの密着性の低さ等から層が破壊したりする場合がある。特にレジストの現像工程では、酸性溶液若しくはアルカリ性溶液が一般に用いられ、これらの溶液は二色性染料からなる偏光層に激しく損害を与える場合がある。一方、ドライエッチングを行う場合にも、加熱により基材ないし偏光層に損害が生じる惧れがあり、フォトリソグラフィ工程は偏光層の信頼性確保の観点からも最も好ましい工程ではなかった。また、このようなフォトリソグラフィ工程は工程数が多く、ある程度の時間がかかり、パターン化するための工程を簡易化することが望まれている。
【0004】
本発明の課題は、簡便にパターン化した構成を得ることが可能な偏光層形成基板と、その製造方法、並びに該偏光層を備えた信頼性の高い液晶表示装置と、その製造方法、さらには該液晶表示装置を備えた電子機器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の偏光層形成基板は、所定基材上に偏光層が形成された偏光層形成基板であって、偏光層の面内において、水溶性且つ偏光性を示す水溶性偏光成分を含んで構成される水溶性領域と、前記水溶性偏光成分を不溶化した不溶性偏光成分を含んで構成される非水溶性領域とが、所定のパターンで基板上に形成されていることを特徴とする。
【0006】
このような本発明の偏光層形成基板では、例えば偏光層を基材ごと水に浸す、若しくは少なくとも偏光層を水に浸す、若しくは偏光層を水洗浄(リンス)することにより、水溶性領域部分が溶出し、所定のパターンの非水溶性領域のみが基材上に残ることとなる。したがって、本発明の偏光層形成基板によると、フォトリソグラフィ法等の場合に比して、水に浸す等するのみで簡便に所定のパターンを有する偏光層(この場合、非水溶性領域からなるパターン化偏光層)を得ることが可能となる。また、このパターニングの際、偏光層へのダメージも殆どなく信頼性の高い偏光層となり、さらに、このようにして得たパターン化偏光層は耐水性が高く、耐久性に優れたものとなる。
【0007】
また、特に本発明の構成では、以下に述べるように水溶性領域と非水溶性領域とを非常に簡便な方法で形成することが可能である。すなわち、本発明の偏光層の製造方法は、基材上に、水溶性且つ偏光性を示す水溶性偏光成分を含む層を形成する工程と、形成した水溶性偏光成分を含む層に対して、所定の領域毎に不溶化処理剤を反応させる工程とを含むことを特徴とする。このような製造方法によると、水溶性偏光成分を含む層を基材上にベタ状に形成した後に、該形成層に対して不溶化処理剤を所定の領域毎に反応させるのみで、面内に所定パターンの水溶性領域と非水溶性領域とを含む偏光層を得ることができる。そして、この偏光層を上述のように水に浸す等することで偏光性の非水溶性領域のみを基材上に残すことが可能で、これを使用時には、所定パターン毎に分割して切り離して使用に供することができる。
【0008】
なお、不溶化処理剤を反応させる工程は、水溶性偏光成分を水に不溶化若しくは難溶化する不溶化処理剤を、該水溶性偏光成分を含む層に反応させることにより、その不溶化処理剤の構成成分と水溶性偏光成分との間で、水に対して不溶若しくは難溶の結合を形成する処理である。このような反応は、加熱等を必要とせず、また酸・アルカリ処理を伴わないため、温和な条件の反応となり、しかも迅速且つ確実に反応が進行する。そして、本発明では、これら反応を所定領域毎に選択的に生じせしめるべく、例えば不溶性処理剤をフレキソ印刷法、インクジェット法等により所定の領域にのみ選択的に付与ないし滴下すれば、簡便且つ正確に選択的反応を行うことができる。
【0009】
次に、本発明の偏光層形成基板においては水溶性領域と非水溶性領域とを面内で所定パターンに形成することを特徴としているが、そのパターン形状としては、非水溶性領域が個々に平面視矩形状に形成され、水溶性領域が非水溶性領域の境界領域として形成されているものとすることができる。このようなパターン形状では、水溶性領域を水洗後、矩形状にパターン化された非水溶性領域をパターン化偏光層として用いることが可能となり、使用に際し更に利便性が高くなり得る。
【0010】
また、上記水溶性偏光成分としては解離基を備えてなるものを例示することができ、この場合、非水溶性領域において不溶性偏光成分としては、解離基が対イオン成分との間で水に対して不溶若しくは難溶の結合を形成してなるものとすることができる。このような結合を形成してなる不溶化反応は、反応自体が進み易く、しかも対イオンを形成した成分は水に対する溶解性が非常に低いため、当該非水溶性領域からなる偏光層(パターン化偏光層)は、耐湿性に優れ耐久性の高い偏光層となる。なお、本発明に言う水溶性偏光成分は、例えば下記に示す化学式(1)〜(10)で示される化合物を含むものとすることができる。
【0011】
【化1】
【0012】
【化2】
【0013】
【化3】
【0014】
具体的に上記水溶性偏光成分としては解離基を有する二色性染料(二色性色素)を例示することができ、さらに具体的には酸性染料を例示することができる。このような解離基を有する二色性染料は水溶性を示すが、本発明ではこの水溶性偏光成分を備える水溶性領域の一部を不溶化して非水溶性領域を形成し、最終的には水洗等を行い、この非水溶性領域を偏光層として用いるため、耐湿性および耐久性に優れた偏光層を提供可能となる。
【0015】
また、これら水溶性偏光成分に対する対イオン成分としては、各種カチオン成分、例えばアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属等を例示することができ、具体的に2価のバリウム(Ba2+)を用いた場合、該バリウムと1価のスルホン基(SO3 −)との間の結合により例えば分子間架橋が形成され、非水溶性領域が形成されている。
【0016】
次に、本発明の液晶表示装置は上記偏光層形成基板を用いたことを特徴とし、この場合、本発明の偏光層形成基板を水洗等するのみで耐湿性の高いパターン化偏光層を得ることができ、このパターン化偏光層を液晶表示装置の偏光層として適用することで、耐湿性ないし耐久性に優れた信頼性の高い液晶表示装置を非常に簡便に提供可能となる。また、上記偏光層は、以下のような態様で液晶表示装置に具備させることもできる。すなわち、本発明の液晶表示装置は、互いに対向する上基板と下基板との間に液晶層が挟持され、透過表示領域と反射表示領域とを含む液晶表示装置であって、上基板の外面側に上偏光層が設けられるとともに、下基板の外面側に下偏光層が設けられ、該下基板の外面側から透過表示用光源光が入射する構成とされる一方、下基板と液晶層との間に、透光部を備えた反射層と、内面偏光層とが該下基板側から設けられ、内面偏光層が上記本発明の偏光層から得られる非水溶性領域にて構成されていることを特徴とする。この場合も、本発明の偏光層を水洗等するのみで耐湿性の高いパターン化偏光層を得ることができ、このパターン化偏光層を液晶表示装置の偏光層(この場合、内面偏光層)として適用することで、耐湿性ないし耐久性に優れた信頼性の高い液晶表示装置を非常に簡便に提供可能となる。
【0017】
また、本発明の液晶表示装置の製造方法は、互いに対向する上基板と下基板との間に液晶層が挟持され、透過表示領域と反射表示領域とを含む液晶表示装置の製造方法であって、基材上に、水溶性且つ偏光性を示す水溶性偏光成分を含む層を形成する工程と、形成した水溶性偏光成分を含む層に対して、所定の領域毎に不溶化処理剤を反応させる工程とを含む内面偏光層形成工程を具備することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の液晶表示装置の製造方法は、その異なる態様として、互いに対向する上基板と下基板との間に液晶層が挟持され、透過表示領域と反射表示領域とを含む液晶表示装置の製造方法であって、基材上に、水溶性且つ偏光性を示す水溶性偏光成分を含む層を形成する工程と、形成した水溶性偏光成分を含む層に対して、所定の領域毎に不溶化処理剤を反応させる工程と、前記不溶化処理剤を反応させた後に、少なくとも形成された層を水に浸す若しくは水洗浄する工程とを含む内面偏光層形成工程とを具備することを特徴とする。
【0019】
このような液晶表示装置の製造方法によると、水溶性偏光成分を含む層を基材上に形成した後に、該形成層に対して不溶化処理剤を所定の領域毎に反応させるのみで、面内に所定パターンの水溶性領域と非水溶性領域とを含む偏光層を得ることができる。そして、この偏光層を上述のように水に浸す等することで偏光性の非水溶性領域のみを基材上に残すことが可能で、これを使用時には、所定パターン毎に液晶セルとして分割して切り離し使用に供することができる。
【0020】
なお、不溶化処理剤を反応させる工程は、水溶性偏光成分を水に不溶化若しくは難溶化する不溶化処理剤を、該水溶性偏光成分を含む層に反応させることにより、その不溶化処理剤の構成成分と水溶性偏光成分との間で、水に対して不溶若しくは難溶の結合を形成する処理である。このような反応は、加熱等を必要とせず、また酸・アルカリ処理を伴わないため、温和な条件の反応となり、しかも迅速且つ確実に反応が進行する。
【0021】
また、上記液晶表示装置の製造方法において、前記基材上に透光部を備えた反射層を形成した後に、該反射層上に前記内面偏光層を形成するとともに、該内面偏光層を形成した基板を下基板とし、該下基板の前記内面偏光層と異なる側に下偏光層を形成する工程と、異なる基材上に上偏光層を形成する工程と、これら上偏光層及び下偏光層をそれぞれ外面側として各基板間に液晶を封入する工程とを含むものとすることができる。そして、このようにして得られた液晶セルを上述した所定パターン毎に切り離し、液晶表示装置を提供することが可能となる。
【0022】
さらに、本発明の電子機器は、上記液晶表示装置を備えたことを特徴とし、このような電子機器は、耐湿性の高い表示部を備えた構成となり、その信頼性が極めて高いものとなる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施の形態においては、各図において各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0024】
(偏光層及び偏光層の製造方法)
図1は、本実施形態の偏光層の製造工程及び使用処理工程を示す平面模式図であって、特に図1(b)は本発明の偏光層形成基板の一実施形態を示す平面模式図である。具体的に、図1(a)に示したプレ基材に所定の処理を行うことで、本実施形態に係る図1(b)に示す偏光層が得られ、これに対し更に所定の使用処理を行うことで、図1(c)に示す使用に供する偏光層付き基板が得られるのである。以下、更に詳細に偏光層の構成、及び製造工程について説明する。
【0025】
図1(b)に示した偏光層1は、ガラス基板等の基材5上に形成され、その面内(主面々内)において、水溶性で、且つ偏光性を示す二色性染料(水溶性偏光成分)を含んで構成された水溶性領域20と、該二色性染料を不溶化した不溶性偏光成分を含んで構成された非水溶性領域10とを、所定のパターンで含んでいる。具体的には、非水溶性領域10は個々に矩形状にパターン形成され、水溶性領域20は非水溶性領域10の境界領域としてパターン形成されている。なお、非水溶性領域10は、水溶性領域20の表層のみを不溶化処理した構成であって、基板5側から水溶性層と非水溶性層とが積層された構成となっている。
【0026】
具体的に、水溶性領域20を構成する二色性染料は、下記化学式(1)〜(10)の中から選択される1種若しくは2種以上の酸性染料を主体として構成されるとともに、アニオン性の解離基を含んで構成され、リオトロピック液晶性を示すものとされている。
【0027】
【化4】
【0028】
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】
一方、非水溶性領域20は、二色性染料を不溶化処理してなるものである。この場合、不溶化処理は、二色性染料に含まれるアニオン性解離基の対イオンたるカチオン性解離基の成分を処理するものであって、非水溶性領域20においてはアニオン性解離基とカチオン性解離基の結合が生じ、水に対して不溶性若しくは難溶性を示すこととなる。カチオン性解離基としては例えばアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属等を例示することができる。
【0031】
このような偏光層1を使用するに際しては、偏光層1を備える基材5ごと水に浸し、水溶性領域20のみを溶出させ、選択的に非水溶性領域10のみを基材5上に残存させる。この場合、少なくとも偏光層1に対して水洗浄を行えばよく、表面のみを水に浸す、若しくは表面を水でリンスする等により、非水溶性領域10のみを基材5上に選択的に残存させることも可能である。
【0032】
このような選択的溶出工程により、偏光層1を図1(c)に示すようなパターン化した非水溶性領域10のみからなるパターン化偏光層11とすることができる。なお、得られたパターン化偏光層11は、例えば所定パターン毎に分割して切り離して使用に供することができ、このようなパターン化偏光層11は、当該パターン化偏光層11に入射する光に対し、一定方向の偏光面の光だけを通す性質を具備し、耐湿性に優れ、且つ欠陥の少ない信頼性の高い偏光層となる。
【0033】
次に、図1(b)に示す偏光層1の製造方法について説明する。
まず、図1(a)に示すように、基材5上に二色性染料から構成される水溶性層21を基材面内にベタ状に塗布形成する。この場合、具体的には、上記化学式(1)〜(10)に示した化合物を含む原料を、水等の溶媒に溶解若しくは分散させ、この溶液若しくは分散液をドクターブレード法等にて塗布形成することができる。
【0034】
続いて、得られた水溶性層21の所定領域に不溶化処理を行って、図1(b)に示す所定パターンの非水溶性領域10及び水溶性領域20を形成する。この場合の不溶化処理は、濃度14wt%の塩化バリウム水溶液を、図1(a)に示した水溶性層21上に、インクジェットプリンター等に用いられるインクジェット方式により、所定領域のみに選択的に滴下することで行っている。
【0035】
インクジェット方式では、図2及び図3に示すようなインクジェットノズル300を用いることにより、吐出される液滴の吐出位置及び吐出回数を任意に設定可能となり、図1(a)に示した水溶性層21上の所定位置に所定量の塩化バリウム水溶液を吐出可能となる。図2及び図3は、それぞれインクジェットノズル300の斜視図及び断面図を示しており、インクジェットノズル300は、図2に示すように、例えばステンレス製のノズルプレート310と振動板320とを備え、両者は仕切部材(リザーバプレート)330を介して接合されている。ノズルプレート310と振動板320との間には、仕切部材330によって複数の空間340と液溜まり350とが形成されている。各空間340と液溜まり350の内部は上述の塩化バリウム水溶液が満たされており、各空間340と液溜まり350とは供給口360を介して連通している。さらに、ノズルプレート310には、空間340から塩化バリウム水溶液を噴射するためのノズル孔370が設けられている。一方、振動板320には液溜まり350に塩化バリウム水溶液を供給するための孔380が形成されている。
【0036】
また、図3に示すように、振動板320の空間340に対向する面と反対側の面上には圧電素子390が接合されている。この圧電素子390は一対の電極400の間に位置し、通電すると圧電素子390が外側に突出するように撓曲し、同時に圧電素子390が接合されている振動板320も一体となって外側に撓曲する。これによって空間340の容積が増大する。したがって、空間340内に増大した容積分に相当する塩化バリウム水溶液が液溜まり350から供給口360を介して流入する。次に、圧電素子390への通電を解除すると、圧電素子390と振動板320はともに元の形状に戻る。これにより、空間340も元の容積に戻るため、空間340内部の塩化バリウム水溶液の圧力が上昇し、ノズル孔370から基板に向けて塩化バリウム水溶液の液滴410が吐出される。このようなインクジェット方式を用いた不溶化処理剤の滴下により、不溶化処理反応を生じさせる領域を任意に制御することが可能となる。
【0037】
なお、不溶化処理反応において、本実施形態の二色性染料に含まれるスルホン基のように1価の解離基に対して2価の解離基を用いて不溶化処理を行うと、分子間架橋が形成され、水に対する溶解性が一層低いものとなり得る。このような2価の解離基を有する成分としては、例えばアルカリ土類金属等を例示することができる。また、この場合、非水溶性領域10は、水溶性領域20の表層のみを不溶化処理したものも含み、その構成は基板5側から水溶性層と非水溶性層とが積層されたものとなる。
【0038】
以上のようなインクジェット方式を採用した選択的不溶化処理により、面内に非水溶性領域10及び水溶性領域20を含む偏光層1が得られ、この偏光層1を水洗等することにより使用に供するパターン化偏光層11が得られる。この場合、いずれの工程においても処理は簡便であり、しかも反応に際して熱処理、酸・アルカリ処理等を伴わないため、形成する偏光層1ないしパターン化偏光層11は信頼性の高いものとなる。なお、選択的反応のために本実施形態ではインクジェット法を適用したが、その他にもフレキソ印刷法等により、所定領域に塩化バリウム溶液を選択的に反応させることも可能である。
【0039】
(液晶表示装置)
次に、上記実施形態の偏光層1から得られるパターン化偏光層11を用いた液晶表示装置について、その一実施形態を図4を参照しつつ説明する。図4に示した本実施形態の液晶表示装置200は、反射表示モードと透過表示モードとを兼備する半透過反射型の液晶表示装置であって、図示上側から反射表示用の照明光又は太陽光等の外光が入射し、図示下側から透過表示用の光源光が入射するものとされている。なお、本実施形態においては、各図において各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0040】
液晶表示装置200は、対向して配置された上基板101と下基板102との間に液晶層104を挟持してなり、該液晶層104をシール材105で封止した液晶パネル100と、この液晶パネル100の背面側(図示下側)に配設されたバックライト(照明装置)130とを備えて構成されている。液晶パネル100の上基板101の内面側(液晶層104側)には、カラーフィルタ層111と、平坦化膜112と、平面視ストライプ状に配列された複数の電極113と、配向膜115とが形成されており、上基板101の外面側(図示上面側)には、前方散乱板117と、位相差板118と、偏光層119とがこの順で積層されている。
【0041】
一方、液晶パネル100の下基板102の内面側(液晶層104側)には、反射層120と、図1(c)に示した構成のパターン化偏光層11から得られた内面偏光層121と、平坦化膜122と、平面視ストライプ状に配列された複数の電極123と、配向膜125とが備えられている。また、下基板102の外面側には、偏光層129が設けられており、この下基板102の電極123の延在方向は、上記上基板101の電極113の延在方向と互いに直交するように配置されている。そして、反射層120には、部分的に透孔110が設けられており、この透孔110を介してバックライト130の光を液晶層104に入射させるようになっている。
【0042】
図5は、上記構成を備えた液晶表示装置200の表示原理を説明するための説明図であり、図4に示した液晶表示装置200の要部のみが図示されている。また、図示左側は反射表示モードにおける動作を示し、図示右側は透過表示モードにおける動作を示している。本実施形態の液晶表示装置200では、図5に示すように、液晶層104に電圧を印加した状態(オン状態)とすると、反射モード、透過モードのいずれにおいても、そのドットは暗表示され、電圧を印加しない状態(オフ状態)では、そのドットは明表示されるようになっている。
【0043】
まず、反射表示モードでは、図5左側に示すように、液晶パネル100に入射した外光は、紙面に平行な透過軸を有する偏光層119により紙面に平行な直線偏光に変換されて液晶層104に入射する。ここで、液晶層104がオン状態の場合には、この入射光は、紙面に平行な直線偏光のまま内面偏光層121に入射し、紙面に垂直な透過軸を有する内面偏光層121により吸収されるので、ドットが暗表示される。一方、液晶層104がオフ状態の場合には、液晶層104の作用により紙面に垂直な直線偏光に変換されて内面偏光層121へ入射し、この内面偏光層121を透過した後、反射層120により反射され、再び内面偏光層121を透過して液晶層104に入射する。そして、液晶層104の作用により紙面に平行な直線偏光に変換され、偏光層119を透過して上基板101の外側へ出射される。このようにして、ドットが明表示される。
【0044】
次に、透過表示モードでは、図5右側に示すように、バックライト130から出射された光は、偏光層129により紙面に垂直な直線偏光に変換された後、反射層120に設けられた透孔110を通過して内面偏光層121に入射し、紙面に垂直な透過軸を有する内面偏光層121を透過して液晶層104に入射する。ここで、液晶層104がオン状態の場合には、この入射光は液晶層104による作用を受けずに、紙面に垂直な直線偏光のまま上基板101の偏光層119に入射し、紙面に平行な透過軸を有するこの偏光層119に吸収され、ドットが暗表示される。一方、液晶層104がオフ状態の場合には、入射光は液晶層104の作用により紙面に平行な直線偏光に変換されて偏光層119に入射する。そして、偏光層119を透過して外側へ出射され、ドットが明表示される。
【0045】
このように、図4に示す内面偏光層121を基板102の内側に備えた液晶表示装置200においては、透過表示モードの明表示時に液晶層104から偏光層119に入射する光が直線偏光とされていることで、偏光層119による光の吸収がほとんど無く、透過表示モードにおいても明るい表示を得ることができる。また、下基板102と液晶層104との間に設ける内面偏光層121として図1(c)に示したパターン化偏光層11を適用したため、当該内面偏光層121は耐湿性ないし耐久性の高いものとなり、液晶表示装置200の耐久性も向上し、信頼性の高い装置を提供することができるようになる。この場合、図1(c)に示したパターン化偏光層11を、そのパターンに沿って切り離したものを適用することができ、実質的には非水溶性領域10を含む領域が内面偏光層121の偏光性付与の主体をなすこととなる。本実施形態の場合、具体的には反射層120を基板上に予め形成しておき、その反射層付き基板(これを図1における基板5とする)上にパターン化偏光層11が形成されてなるものを、パターン毎に切り離して上記内面偏光層付きの基板として用意し、これに電極等を積層して液晶装置用基板として用いることができる。
【0046】
また、パターン化偏光層11を切り離して用いる場合、非水溶性領域10の周縁の溝部に切り目を入れて切り離しを行うわけであるが、その切り離しの際に非水溶性領域10が形成されていない部分(代部分)を、該非水溶性領域10の外縁に意図的に残し、この代部分にシール材105を形成することとしている。したがって、図4に示すように内面偏光層121の外縁は、シール材151の内側に配設されることとなり、内面偏光層121において、非水溶性領域10の下層に形成され得る水溶性領域20に水が染み込む等の不具合が生じ難くなる。なお、本実施形態では内面偏光層121に上記実施形態のパターン化偏光層11の構成を適用したが、外面側の偏光層119,129にこれらパターン化偏光層11の構成を適用することも可能である。
【0047】
(電子機器)
次に、上記実施の形態の液晶表示装置200を備えた電子機器の例について説明する。図6(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図6(a)において、符号500は携帯電話本体を示し、符号501は上記の液晶表示装置200を用いた液晶表示部を示している。
【0048】
図6(b)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図6(b)において、符号600は情報処理装置、符号601はキーボードなどの入力部、符号603は情報処理装置本体、符号602は上記の液晶表示装置200を用いた液晶表示部を示している。
【0049】
図6(c)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図6(c)において、符号700は時計本体を示し、符号701は上記の液晶表示装置200を用いた液晶表示部を示している。
【0050】
このように図6に示す電子機器は、上記実施の形態の液晶表示装置200を用いた液晶表示部を備えているので、耐湿性ないし耐久性に優れた表示部を有する電子機器を実現することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の偏光層によると、当該偏光層を水洗浄等するのみで、水溶性領域部分が溶出し、所定のパターンの非水溶性領域が基材上に形成されることとなる。したがって、簡便に所定のパターンを有するパターン化偏光層を得ることが可能となり、このパターニングの際、水洗浄であるため、当該偏光層へのダメージも殆どなく信頼性が高いものとなり、さらに、このようにして得たパターン化偏光層は耐水性が高く、耐久性に優れたものとなる。
【0052】
また、本発明の偏光層にあっては、水溶性領域と非水溶性領域とを非常に簡便な方法で形成することが可能で、具体的には水溶性偏光成分を含む層を基材上にベタ状に形成した後に、該形成層に対して不溶化処理剤を所定の領域毎に反応させるのみで、面内に所定パターンの水溶性領域と非水溶性領域とを含む偏光層を得ることができる。したがって、従来のようなフォトリソグラフィ法によるパターン化に比して製造コストの低減に繋がるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本実施形態の偏光層の製造工程及び使用処理工程を示す平面模式図である。
【図2】図2は、インクジェットノズルの一例を示す概略斜視図である。
【図3】図3は、図2のインクジェットノズルについての概略断面図である。
【図4】図4は、基板の内面側に偏光層を備えた液晶表示装置の一例を示す部分断面図である。
【図5】図5は、図4に示す液晶表示装置の動作原理を説明するための説明図である。
【図6】図6は、本発明に係る電子機器の構成例を示す斜視構成図である。
【符号の説明】
1 偏光層
5 基材
10 非水溶性領域
11 パターン化偏光層
20 水溶性領域
200 液晶表示装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、偏光層形成基板、偏光層の製造方法、液晶表示装置、液晶表示装置の製造方法、並びに電子機器に係り、特に耐久性に優れ且つ利便性に優れた偏光層形成基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、透明電極を表面に具備する一対の基板間に液晶層を挟持させた構成の液晶表示装置が知られており、例えば透明電極間における電圧印加状態に基づいて液晶の配向状態を変化させ、光を変調し、階調表示を可能にしている。このような液晶表示装置においては、一定方向の偏光面を有する光のみを通す偏光層が設けられ、液晶の配向変化を可視化する役割を担っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような偏光層としては、例えば二色性染料等の偏光素子を含む高分子フィルムを主体としてなるものが知られているが、例えば1枚の基板母材から複数個の液晶セル用の基板を切り出す場合には、偏光層は、所定パターンの形状のものを基材上に複数形成し、これを各々分割して切り離して使用に供している。ここで偏光層を構成する二色性染料は水溶性の高いものが多いため、所定パターン形状の偏光層を、例えばフォトリソグラフィ法により基材上にパターン形成する際に、例えばウェットエッチングを行う場合には、当該偏光層が溶解したり、レジストとの密着性の低さ等から層が破壊したりする場合がある。特にレジストの現像工程では、酸性溶液若しくはアルカリ性溶液が一般に用いられ、これらの溶液は二色性染料からなる偏光層に激しく損害を与える場合がある。一方、ドライエッチングを行う場合にも、加熱により基材ないし偏光層に損害が生じる惧れがあり、フォトリソグラフィ工程は偏光層の信頼性確保の観点からも最も好ましい工程ではなかった。また、このようなフォトリソグラフィ工程は工程数が多く、ある程度の時間がかかり、パターン化するための工程を簡易化することが望まれている。
【0004】
本発明の課題は、簡便にパターン化した構成を得ることが可能な偏光層形成基板と、その製造方法、並びに該偏光層を備えた信頼性の高い液晶表示装置と、その製造方法、さらには該液晶表示装置を備えた電子機器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の偏光層形成基板は、所定基材上に偏光層が形成された偏光層形成基板であって、偏光層の面内において、水溶性且つ偏光性を示す水溶性偏光成分を含んで構成される水溶性領域と、前記水溶性偏光成分を不溶化した不溶性偏光成分を含んで構成される非水溶性領域とが、所定のパターンで基板上に形成されていることを特徴とする。
【0006】
このような本発明の偏光層形成基板では、例えば偏光層を基材ごと水に浸す、若しくは少なくとも偏光層を水に浸す、若しくは偏光層を水洗浄(リンス)することにより、水溶性領域部分が溶出し、所定のパターンの非水溶性領域のみが基材上に残ることとなる。したがって、本発明の偏光層形成基板によると、フォトリソグラフィ法等の場合に比して、水に浸す等するのみで簡便に所定のパターンを有する偏光層(この場合、非水溶性領域からなるパターン化偏光層)を得ることが可能となる。また、このパターニングの際、偏光層へのダメージも殆どなく信頼性の高い偏光層となり、さらに、このようにして得たパターン化偏光層は耐水性が高く、耐久性に優れたものとなる。
【0007】
また、特に本発明の構成では、以下に述べるように水溶性領域と非水溶性領域とを非常に簡便な方法で形成することが可能である。すなわち、本発明の偏光層の製造方法は、基材上に、水溶性且つ偏光性を示す水溶性偏光成分を含む層を形成する工程と、形成した水溶性偏光成分を含む層に対して、所定の領域毎に不溶化処理剤を反応させる工程とを含むことを特徴とする。このような製造方法によると、水溶性偏光成分を含む層を基材上にベタ状に形成した後に、該形成層に対して不溶化処理剤を所定の領域毎に反応させるのみで、面内に所定パターンの水溶性領域と非水溶性領域とを含む偏光層を得ることができる。そして、この偏光層を上述のように水に浸す等することで偏光性の非水溶性領域のみを基材上に残すことが可能で、これを使用時には、所定パターン毎に分割して切り離して使用に供することができる。
【0008】
なお、不溶化処理剤を反応させる工程は、水溶性偏光成分を水に不溶化若しくは難溶化する不溶化処理剤を、該水溶性偏光成分を含む層に反応させることにより、その不溶化処理剤の構成成分と水溶性偏光成分との間で、水に対して不溶若しくは難溶の結合を形成する処理である。このような反応は、加熱等を必要とせず、また酸・アルカリ処理を伴わないため、温和な条件の反応となり、しかも迅速且つ確実に反応が進行する。そして、本発明では、これら反応を所定領域毎に選択的に生じせしめるべく、例えば不溶性処理剤をフレキソ印刷法、インクジェット法等により所定の領域にのみ選択的に付与ないし滴下すれば、簡便且つ正確に選択的反応を行うことができる。
【0009】
次に、本発明の偏光層形成基板においては水溶性領域と非水溶性領域とを面内で所定パターンに形成することを特徴としているが、そのパターン形状としては、非水溶性領域が個々に平面視矩形状に形成され、水溶性領域が非水溶性領域の境界領域として形成されているものとすることができる。このようなパターン形状では、水溶性領域を水洗後、矩形状にパターン化された非水溶性領域をパターン化偏光層として用いることが可能となり、使用に際し更に利便性が高くなり得る。
【0010】
また、上記水溶性偏光成分としては解離基を備えてなるものを例示することができ、この場合、非水溶性領域において不溶性偏光成分としては、解離基が対イオン成分との間で水に対して不溶若しくは難溶の結合を形成してなるものとすることができる。このような結合を形成してなる不溶化反応は、反応自体が進み易く、しかも対イオンを形成した成分は水に対する溶解性が非常に低いため、当該非水溶性領域からなる偏光層(パターン化偏光層)は、耐湿性に優れ耐久性の高い偏光層となる。なお、本発明に言う水溶性偏光成分は、例えば下記に示す化学式(1)〜(10)で示される化合物を含むものとすることができる。
【0011】
【化1】
【0012】
【化2】
【0013】
【化3】
【0014】
具体的に上記水溶性偏光成分としては解離基を有する二色性染料(二色性色素)を例示することができ、さらに具体的には酸性染料を例示することができる。このような解離基を有する二色性染料は水溶性を示すが、本発明ではこの水溶性偏光成分を備える水溶性領域の一部を不溶化して非水溶性領域を形成し、最終的には水洗等を行い、この非水溶性領域を偏光層として用いるため、耐湿性および耐久性に優れた偏光層を提供可能となる。
【0015】
また、これら水溶性偏光成分に対する対イオン成分としては、各種カチオン成分、例えばアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属等を例示することができ、具体的に2価のバリウム(Ba2+)を用いた場合、該バリウムと1価のスルホン基(SO3 −)との間の結合により例えば分子間架橋が形成され、非水溶性領域が形成されている。
【0016】
次に、本発明の液晶表示装置は上記偏光層形成基板を用いたことを特徴とし、この場合、本発明の偏光層形成基板を水洗等するのみで耐湿性の高いパターン化偏光層を得ることができ、このパターン化偏光層を液晶表示装置の偏光層として適用することで、耐湿性ないし耐久性に優れた信頼性の高い液晶表示装置を非常に簡便に提供可能となる。また、上記偏光層は、以下のような態様で液晶表示装置に具備させることもできる。すなわち、本発明の液晶表示装置は、互いに対向する上基板と下基板との間に液晶層が挟持され、透過表示領域と反射表示領域とを含む液晶表示装置であって、上基板の外面側に上偏光層が設けられるとともに、下基板の外面側に下偏光層が設けられ、該下基板の外面側から透過表示用光源光が入射する構成とされる一方、下基板と液晶層との間に、透光部を備えた反射層と、内面偏光層とが該下基板側から設けられ、内面偏光層が上記本発明の偏光層から得られる非水溶性領域にて構成されていることを特徴とする。この場合も、本発明の偏光層を水洗等するのみで耐湿性の高いパターン化偏光層を得ることができ、このパターン化偏光層を液晶表示装置の偏光層(この場合、内面偏光層)として適用することで、耐湿性ないし耐久性に優れた信頼性の高い液晶表示装置を非常に簡便に提供可能となる。
【0017】
また、本発明の液晶表示装置の製造方法は、互いに対向する上基板と下基板との間に液晶層が挟持され、透過表示領域と反射表示領域とを含む液晶表示装置の製造方法であって、基材上に、水溶性且つ偏光性を示す水溶性偏光成分を含む層を形成する工程と、形成した水溶性偏光成分を含む層に対して、所定の領域毎に不溶化処理剤を反応させる工程とを含む内面偏光層形成工程を具備することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の液晶表示装置の製造方法は、その異なる態様として、互いに対向する上基板と下基板との間に液晶層が挟持され、透過表示領域と反射表示領域とを含む液晶表示装置の製造方法であって、基材上に、水溶性且つ偏光性を示す水溶性偏光成分を含む層を形成する工程と、形成した水溶性偏光成分を含む層に対して、所定の領域毎に不溶化処理剤を反応させる工程と、前記不溶化処理剤を反応させた後に、少なくとも形成された層を水に浸す若しくは水洗浄する工程とを含む内面偏光層形成工程とを具備することを特徴とする。
【0019】
このような液晶表示装置の製造方法によると、水溶性偏光成分を含む層を基材上に形成した後に、該形成層に対して不溶化処理剤を所定の領域毎に反応させるのみで、面内に所定パターンの水溶性領域と非水溶性領域とを含む偏光層を得ることができる。そして、この偏光層を上述のように水に浸す等することで偏光性の非水溶性領域のみを基材上に残すことが可能で、これを使用時には、所定パターン毎に液晶セルとして分割して切り離し使用に供することができる。
【0020】
なお、不溶化処理剤を反応させる工程は、水溶性偏光成分を水に不溶化若しくは難溶化する不溶化処理剤を、該水溶性偏光成分を含む層に反応させることにより、その不溶化処理剤の構成成分と水溶性偏光成分との間で、水に対して不溶若しくは難溶の結合を形成する処理である。このような反応は、加熱等を必要とせず、また酸・アルカリ処理を伴わないため、温和な条件の反応となり、しかも迅速且つ確実に反応が進行する。
【0021】
また、上記液晶表示装置の製造方法において、前記基材上に透光部を備えた反射層を形成した後に、該反射層上に前記内面偏光層を形成するとともに、該内面偏光層を形成した基板を下基板とし、該下基板の前記内面偏光層と異なる側に下偏光層を形成する工程と、異なる基材上に上偏光層を形成する工程と、これら上偏光層及び下偏光層をそれぞれ外面側として各基板間に液晶を封入する工程とを含むものとすることができる。そして、このようにして得られた液晶セルを上述した所定パターン毎に切り離し、液晶表示装置を提供することが可能となる。
【0022】
さらに、本発明の電子機器は、上記液晶表示装置を備えたことを特徴とし、このような電子機器は、耐湿性の高い表示部を備えた構成となり、その信頼性が極めて高いものとなる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施の形態においては、各図において各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0024】
(偏光層及び偏光層の製造方法)
図1は、本実施形態の偏光層の製造工程及び使用処理工程を示す平面模式図であって、特に図1(b)は本発明の偏光層形成基板の一実施形態を示す平面模式図である。具体的に、図1(a)に示したプレ基材に所定の処理を行うことで、本実施形態に係る図1(b)に示す偏光層が得られ、これに対し更に所定の使用処理を行うことで、図1(c)に示す使用に供する偏光層付き基板が得られるのである。以下、更に詳細に偏光層の構成、及び製造工程について説明する。
【0025】
図1(b)に示した偏光層1は、ガラス基板等の基材5上に形成され、その面内(主面々内)において、水溶性で、且つ偏光性を示す二色性染料(水溶性偏光成分)を含んで構成された水溶性領域20と、該二色性染料を不溶化した不溶性偏光成分を含んで構成された非水溶性領域10とを、所定のパターンで含んでいる。具体的には、非水溶性領域10は個々に矩形状にパターン形成され、水溶性領域20は非水溶性領域10の境界領域としてパターン形成されている。なお、非水溶性領域10は、水溶性領域20の表層のみを不溶化処理した構成であって、基板5側から水溶性層と非水溶性層とが積層された構成となっている。
【0026】
具体的に、水溶性領域20を構成する二色性染料は、下記化学式(1)〜(10)の中から選択される1種若しくは2種以上の酸性染料を主体として構成されるとともに、アニオン性の解離基を含んで構成され、リオトロピック液晶性を示すものとされている。
【0027】
【化4】
【0028】
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】
一方、非水溶性領域20は、二色性染料を不溶化処理してなるものである。この場合、不溶化処理は、二色性染料に含まれるアニオン性解離基の対イオンたるカチオン性解離基の成分を処理するものであって、非水溶性領域20においてはアニオン性解離基とカチオン性解離基の結合が生じ、水に対して不溶性若しくは難溶性を示すこととなる。カチオン性解離基としては例えばアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属等を例示することができる。
【0031】
このような偏光層1を使用するに際しては、偏光層1を備える基材5ごと水に浸し、水溶性領域20のみを溶出させ、選択的に非水溶性領域10のみを基材5上に残存させる。この場合、少なくとも偏光層1に対して水洗浄を行えばよく、表面のみを水に浸す、若しくは表面を水でリンスする等により、非水溶性領域10のみを基材5上に選択的に残存させることも可能である。
【0032】
このような選択的溶出工程により、偏光層1を図1(c)に示すようなパターン化した非水溶性領域10のみからなるパターン化偏光層11とすることができる。なお、得られたパターン化偏光層11は、例えば所定パターン毎に分割して切り離して使用に供することができ、このようなパターン化偏光層11は、当該パターン化偏光層11に入射する光に対し、一定方向の偏光面の光だけを通す性質を具備し、耐湿性に優れ、且つ欠陥の少ない信頼性の高い偏光層となる。
【0033】
次に、図1(b)に示す偏光層1の製造方法について説明する。
まず、図1(a)に示すように、基材5上に二色性染料から構成される水溶性層21を基材面内にベタ状に塗布形成する。この場合、具体的には、上記化学式(1)〜(10)に示した化合物を含む原料を、水等の溶媒に溶解若しくは分散させ、この溶液若しくは分散液をドクターブレード法等にて塗布形成することができる。
【0034】
続いて、得られた水溶性層21の所定領域に不溶化処理を行って、図1(b)に示す所定パターンの非水溶性領域10及び水溶性領域20を形成する。この場合の不溶化処理は、濃度14wt%の塩化バリウム水溶液を、図1(a)に示した水溶性層21上に、インクジェットプリンター等に用いられるインクジェット方式により、所定領域のみに選択的に滴下することで行っている。
【0035】
インクジェット方式では、図2及び図3に示すようなインクジェットノズル300を用いることにより、吐出される液滴の吐出位置及び吐出回数を任意に設定可能となり、図1(a)に示した水溶性層21上の所定位置に所定量の塩化バリウム水溶液を吐出可能となる。図2及び図3は、それぞれインクジェットノズル300の斜視図及び断面図を示しており、インクジェットノズル300は、図2に示すように、例えばステンレス製のノズルプレート310と振動板320とを備え、両者は仕切部材(リザーバプレート)330を介して接合されている。ノズルプレート310と振動板320との間には、仕切部材330によって複数の空間340と液溜まり350とが形成されている。各空間340と液溜まり350の内部は上述の塩化バリウム水溶液が満たされており、各空間340と液溜まり350とは供給口360を介して連通している。さらに、ノズルプレート310には、空間340から塩化バリウム水溶液を噴射するためのノズル孔370が設けられている。一方、振動板320には液溜まり350に塩化バリウム水溶液を供給するための孔380が形成されている。
【0036】
また、図3に示すように、振動板320の空間340に対向する面と反対側の面上には圧電素子390が接合されている。この圧電素子390は一対の電極400の間に位置し、通電すると圧電素子390が外側に突出するように撓曲し、同時に圧電素子390が接合されている振動板320も一体となって外側に撓曲する。これによって空間340の容積が増大する。したがって、空間340内に増大した容積分に相当する塩化バリウム水溶液が液溜まり350から供給口360を介して流入する。次に、圧電素子390への通電を解除すると、圧電素子390と振動板320はともに元の形状に戻る。これにより、空間340も元の容積に戻るため、空間340内部の塩化バリウム水溶液の圧力が上昇し、ノズル孔370から基板に向けて塩化バリウム水溶液の液滴410が吐出される。このようなインクジェット方式を用いた不溶化処理剤の滴下により、不溶化処理反応を生じさせる領域を任意に制御することが可能となる。
【0037】
なお、不溶化処理反応において、本実施形態の二色性染料に含まれるスルホン基のように1価の解離基に対して2価の解離基を用いて不溶化処理を行うと、分子間架橋が形成され、水に対する溶解性が一層低いものとなり得る。このような2価の解離基を有する成分としては、例えばアルカリ土類金属等を例示することができる。また、この場合、非水溶性領域10は、水溶性領域20の表層のみを不溶化処理したものも含み、その構成は基板5側から水溶性層と非水溶性層とが積層されたものとなる。
【0038】
以上のようなインクジェット方式を採用した選択的不溶化処理により、面内に非水溶性領域10及び水溶性領域20を含む偏光層1が得られ、この偏光層1を水洗等することにより使用に供するパターン化偏光層11が得られる。この場合、いずれの工程においても処理は簡便であり、しかも反応に際して熱処理、酸・アルカリ処理等を伴わないため、形成する偏光層1ないしパターン化偏光層11は信頼性の高いものとなる。なお、選択的反応のために本実施形態ではインクジェット法を適用したが、その他にもフレキソ印刷法等により、所定領域に塩化バリウム溶液を選択的に反応させることも可能である。
【0039】
(液晶表示装置)
次に、上記実施形態の偏光層1から得られるパターン化偏光層11を用いた液晶表示装置について、その一実施形態を図4を参照しつつ説明する。図4に示した本実施形態の液晶表示装置200は、反射表示モードと透過表示モードとを兼備する半透過反射型の液晶表示装置であって、図示上側から反射表示用の照明光又は太陽光等の外光が入射し、図示下側から透過表示用の光源光が入射するものとされている。なお、本実施形態においては、各図において各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0040】
液晶表示装置200は、対向して配置された上基板101と下基板102との間に液晶層104を挟持してなり、該液晶層104をシール材105で封止した液晶パネル100と、この液晶パネル100の背面側(図示下側)に配設されたバックライト(照明装置)130とを備えて構成されている。液晶パネル100の上基板101の内面側(液晶層104側)には、カラーフィルタ層111と、平坦化膜112と、平面視ストライプ状に配列された複数の電極113と、配向膜115とが形成されており、上基板101の外面側(図示上面側)には、前方散乱板117と、位相差板118と、偏光層119とがこの順で積層されている。
【0041】
一方、液晶パネル100の下基板102の内面側(液晶層104側)には、反射層120と、図1(c)に示した構成のパターン化偏光層11から得られた内面偏光層121と、平坦化膜122と、平面視ストライプ状に配列された複数の電極123と、配向膜125とが備えられている。また、下基板102の外面側には、偏光層129が設けられており、この下基板102の電極123の延在方向は、上記上基板101の電極113の延在方向と互いに直交するように配置されている。そして、反射層120には、部分的に透孔110が設けられており、この透孔110を介してバックライト130の光を液晶層104に入射させるようになっている。
【0042】
図5は、上記構成を備えた液晶表示装置200の表示原理を説明するための説明図であり、図4に示した液晶表示装置200の要部のみが図示されている。また、図示左側は反射表示モードにおける動作を示し、図示右側は透過表示モードにおける動作を示している。本実施形態の液晶表示装置200では、図5に示すように、液晶層104に電圧を印加した状態(オン状態)とすると、反射モード、透過モードのいずれにおいても、そのドットは暗表示され、電圧を印加しない状態(オフ状態)では、そのドットは明表示されるようになっている。
【0043】
まず、反射表示モードでは、図5左側に示すように、液晶パネル100に入射した外光は、紙面に平行な透過軸を有する偏光層119により紙面に平行な直線偏光に変換されて液晶層104に入射する。ここで、液晶層104がオン状態の場合には、この入射光は、紙面に平行な直線偏光のまま内面偏光層121に入射し、紙面に垂直な透過軸を有する内面偏光層121により吸収されるので、ドットが暗表示される。一方、液晶層104がオフ状態の場合には、液晶層104の作用により紙面に垂直な直線偏光に変換されて内面偏光層121へ入射し、この内面偏光層121を透過した後、反射層120により反射され、再び内面偏光層121を透過して液晶層104に入射する。そして、液晶層104の作用により紙面に平行な直線偏光に変換され、偏光層119を透過して上基板101の外側へ出射される。このようにして、ドットが明表示される。
【0044】
次に、透過表示モードでは、図5右側に示すように、バックライト130から出射された光は、偏光層129により紙面に垂直な直線偏光に変換された後、反射層120に設けられた透孔110を通過して内面偏光層121に入射し、紙面に垂直な透過軸を有する内面偏光層121を透過して液晶層104に入射する。ここで、液晶層104がオン状態の場合には、この入射光は液晶層104による作用を受けずに、紙面に垂直な直線偏光のまま上基板101の偏光層119に入射し、紙面に平行な透過軸を有するこの偏光層119に吸収され、ドットが暗表示される。一方、液晶層104がオフ状態の場合には、入射光は液晶層104の作用により紙面に平行な直線偏光に変換されて偏光層119に入射する。そして、偏光層119を透過して外側へ出射され、ドットが明表示される。
【0045】
このように、図4に示す内面偏光層121を基板102の内側に備えた液晶表示装置200においては、透過表示モードの明表示時に液晶層104から偏光層119に入射する光が直線偏光とされていることで、偏光層119による光の吸収がほとんど無く、透過表示モードにおいても明るい表示を得ることができる。また、下基板102と液晶層104との間に設ける内面偏光層121として図1(c)に示したパターン化偏光層11を適用したため、当該内面偏光層121は耐湿性ないし耐久性の高いものとなり、液晶表示装置200の耐久性も向上し、信頼性の高い装置を提供することができるようになる。この場合、図1(c)に示したパターン化偏光層11を、そのパターンに沿って切り離したものを適用することができ、実質的には非水溶性領域10を含む領域が内面偏光層121の偏光性付与の主体をなすこととなる。本実施形態の場合、具体的には反射層120を基板上に予め形成しておき、その反射層付き基板(これを図1における基板5とする)上にパターン化偏光層11が形成されてなるものを、パターン毎に切り離して上記内面偏光層付きの基板として用意し、これに電極等を積層して液晶装置用基板として用いることができる。
【0046】
また、パターン化偏光層11を切り離して用いる場合、非水溶性領域10の周縁の溝部に切り目を入れて切り離しを行うわけであるが、その切り離しの際に非水溶性領域10が形成されていない部分(代部分)を、該非水溶性領域10の外縁に意図的に残し、この代部分にシール材105を形成することとしている。したがって、図4に示すように内面偏光層121の外縁は、シール材151の内側に配設されることとなり、内面偏光層121において、非水溶性領域10の下層に形成され得る水溶性領域20に水が染み込む等の不具合が生じ難くなる。なお、本実施形態では内面偏光層121に上記実施形態のパターン化偏光層11の構成を適用したが、外面側の偏光層119,129にこれらパターン化偏光層11の構成を適用することも可能である。
【0047】
(電子機器)
次に、上記実施の形態の液晶表示装置200を備えた電子機器の例について説明する。図6(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図6(a)において、符号500は携帯電話本体を示し、符号501は上記の液晶表示装置200を用いた液晶表示部を示している。
【0048】
図6(b)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図6(b)において、符号600は情報処理装置、符号601はキーボードなどの入力部、符号603は情報処理装置本体、符号602は上記の液晶表示装置200を用いた液晶表示部を示している。
【0049】
図6(c)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図6(c)において、符号700は時計本体を示し、符号701は上記の液晶表示装置200を用いた液晶表示部を示している。
【0050】
このように図6に示す電子機器は、上記実施の形態の液晶表示装置200を用いた液晶表示部を備えているので、耐湿性ないし耐久性に優れた表示部を有する電子機器を実現することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の偏光層によると、当該偏光層を水洗浄等するのみで、水溶性領域部分が溶出し、所定のパターンの非水溶性領域が基材上に形成されることとなる。したがって、簡便に所定のパターンを有するパターン化偏光層を得ることが可能となり、このパターニングの際、水洗浄であるため、当該偏光層へのダメージも殆どなく信頼性が高いものとなり、さらに、このようにして得たパターン化偏光層は耐水性が高く、耐久性に優れたものとなる。
【0052】
また、本発明の偏光層にあっては、水溶性領域と非水溶性領域とを非常に簡便な方法で形成することが可能で、具体的には水溶性偏光成分を含む層を基材上にベタ状に形成した後に、該形成層に対して不溶化処理剤を所定の領域毎に反応させるのみで、面内に所定パターンの水溶性領域と非水溶性領域とを含む偏光層を得ることができる。したがって、従来のようなフォトリソグラフィ法によるパターン化に比して製造コストの低減に繋がるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本実施形態の偏光層の製造工程及び使用処理工程を示す平面模式図である。
【図2】図2は、インクジェットノズルの一例を示す概略斜視図である。
【図3】図3は、図2のインクジェットノズルについての概略断面図である。
【図4】図4は、基板の内面側に偏光層を備えた液晶表示装置の一例を示す部分断面図である。
【図5】図5は、図4に示す液晶表示装置の動作原理を説明するための説明図である。
【図6】図6は、本発明に係る電子機器の構成例を示す斜視構成図である。
【符号の説明】
1 偏光層
5 基材
10 非水溶性領域
11 パターン化偏光層
20 水溶性領域
200 液晶表示装置
Claims (14)
- 所定基材上に偏光層が形成された偏光層形成基板であって、前記偏光層の面内において、水溶性且つ偏光性を示す水溶性偏光成分を含んで構成される水溶性領域と、前記水溶性偏光成分を不溶化した不溶性偏光成分を含んで構成される非水溶性領域とが、所定のパターンで基板上に形成されていることを特徴とする偏光層形成基板。
- 前記非水溶性領域が個々に平面視矩形状に形成され、前記水溶性領域が前記非水溶性領域の境界領域として形成されていることを特徴とする請求項1に記載の偏光層形成基板。
- 前記水溶性偏光成分が解離基を備えてなり、前記非水溶性領域において、前記解離基が対イオン成分との間で水に対して不溶若しくは難溶の結合を形成してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の偏光層形成基板。
- 前記水溶性偏光成分が解離基を有する二色性染料であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の偏光層形成基板。
- 基材上に、水溶性且つ偏光性を示す水溶性偏光成分を含む層を形成する工程と、
形成した水溶性偏光成分を含む層に対して、所定の領域毎に不溶化処理剤を反応させる工程と、
を含むことを特徴とする偏光層の製造方法。 - 基材上に、水溶性且つ偏光性を示す水溶性偏光成分を含む層を形成する工程と、
形成した水溶性偏光成分を含む層に対して、所定の領域毎に不溶化処理剤を反応させる工程と、
前記不溶化処理剤を反応させた後に、少なくとも形成された層を水に浸す若しくは水洗浄する工程と、
を含むことを特徴とする偏光層の製造方法。 - 前記不溶化処理剤を反応させる工程は、前記水溶性偏光成分を水に不溶化若しくは難溶化する不溶化処理剤を、該水溶性偏光成分を含む層に反応させることにより、その不溶化処理剤の構成成分と前記水溶性偏光成分との間で、水に対して不溶若しくは難溶の結合を形成する処理であることを特徴とする請求項5又は6に記載の偏光層の製造方法。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の偏光層を用いたことを特徴とする液晶表示装置。
- 互いに対向する上基板と下基板との間に液晶層が挟持され、透過表示領域と反射表示領域とを含む液晶表示装置であって、
前記上基板の外面側に上偏光層が設けられるとともに、前記下基板の外面側に下偏光層が設けられ、該下基板の外面側から透過表示用光源光が入射する構成とされる一方、前記下基板と前記液晶層との間に、透光部を備えた反射層と、内面偏光層とが該下基板側から設けられ、前記内面偏光層が請求項1ないし4のいずれか1項に記載の偏光層から得られる非水溶性領域にて構成されていることを特徴とする液晶表示装置。 - 互いに対向する上基板と下基板との間に液晶層が挟持され、透過表示領域と反射表示領域とを含む液晶表示装置の製造方法であって、
基材上に、水溶性且つ偏光性を示す水溶性偏光成分を含む層を形成する工程と、形成した水溶性偏光成分を含む層に対して、所定の領域毎に不溶化処理剤を反応させる工程とを含む内面偏光層形成工程を具備することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。 - 互いに対向する上基板と下基板との間に液晶層が挟持され、透過表示領域と反射表示領域とを含む液晶表示装置の製造方法であって、
基材上に、水溶性且つ偏光性を示す水溶性偏光成分を含む層を形成する工程と、形成した水溶性偏光成分を含む層に対して、所定の領域毎に不溶化処理剤を反応させる工程と、前記不溶化処理剤を反応させた後に、少なくとも形成された層を水に浸す若しくは水洗浄する工程とを含む内面偏光層形成工程とを具備することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。 - 前記不溶化処理剤を反応させる工程は、前記水溶性偏光成分を水に不溶化若しくは難溶化する不溶化処理剤を、該水溶性偏光成分を含む層に反応させることにより、その不溶化処理剤の構成成分と前記水溶性偏光成分との間で、水に対して不溶若しくは難溶の結合を形成する処理であることを特徴とする請求項10又は11に記載の液晶表示装置の製造方法。
- 前記基材上に透光部を備えた反射層を形成した後に、該反射層上に前記内面偏光層を形成するとともに、該内面偏光層を形成した基板を下基板とし、該下基板の前記内面偏光層と異なる側に下偏光層を形成する工程と、異なる基材上に上偏光層を形成する工程と、これら上偏光層及び下偏光層をそれぞれ外面側として各基板間に液晶を封入する工程とを含むことを特徴とする請求項10ないし12のいずれか1項に記載の液晶表示装置の製造方法。
- 請求項8又は9に記載の液晶表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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- 2002-07-22 JP JP2002212760A patent/JP2004054031A/ja not_active Withdrawn
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