JP2004054000A - 転写ベルト装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】中間転写体等の像担持体から記録媒体にトナー像を転写する際に用いられる転写ベルト装置において、騒音が発生することなくしかも部品点数を少なくしてコストダウンを実現する。
【解決手段】転写ベルト装置は所定の間隔をおいて配置された一対のローラ22及び23と、一対のローラを回転可能に支持する軸受け部材25及び26を有しており、一対のローラには転写分離ベルト24がかけ渡されている。一対のローラ及び軸受け部材は導電性であり、軸受け部材にはコイルバネ32が装着され、ローラの一方を支点として軸受け部材を所定の方向に回動して転写分離ベルトを像担持体6に押圧接触させる。この際、バネ部材を介して転写分離ベルトにバイアス電圧が印加される。さらに、バネ部材の押圧力に抗して、軸受け部材をローラの他方を支点として所定の方向と逆方向に回動させて転写分離ベルトを像担持体から退避させる退避機構を備えるようにしてもよい。
【選択図】 図2
【解決手段】転写ベルト装置は所定の間隔をおいて配置された一対のローラ22及び23と、一対のローラを回転可能に支持する軸受け部材25及び26を有しており、一対のローラには転写分離ベルト24がかけ渡されている。一対のローラ及び軸受け部材は導電性であり、軸受け部材にはコイルバネ32が装着され、ローラの一方を支点として軸受け部材を所定の方向に回動して転写分離ベルトを像担持体6に押圧接触させる。この際、バネ部材を介して転写分離ベルトにバイアス電圧が印加される。さらに、バネ部材の押圧力に抗して、軸受け部材をローラの他方を支点として所定の方向と逆方向に回動させて転写分離ベルトを像担持体から退避させる退避機構を備えるようにしてもよい。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に用いられ、記録紙等の記録媒体に像担持体上のトナー像を転写して、記録媒体を搬送するための転写ベルト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、レーザプリンタ、PPC複写機、及びファクシミリ等の画像形成装置において、像担持体である感光体上のトナー像を記録紙等の記録媒体に転写するための転写ベルト装置が備えられているものがある。例えば、感光体ドラム(又は中間転写ドラム)と転写ニップ部で当接して、転写ベルトが配置され、この転写ベルトは少なくとも二つのローラにかけ渡されている。そして、これらローラによって転写ベルトは感光体ドラムに同期して駆動される。転写ベルトはその表面が半導体層又は誘電体層で形成されており、ローラを介して転写ベルトにはバイアス電圧が印加される。具体的には、転写ベルトは、例えば、駆動ローラと従動ローラとの間に掛け渡され、転写バイアスローラによって転写ベルトにバイアス電圧が印加される。そして、このバイアス電圧によって、転写ベルトにトナーとは逆極性の電荷を付与している。
【0003】
上述のような転写ベルト装置を用いた画像形成装置においては、レジストローラによって、感光体ドラムに形成されたトナー像と同期して、前述のニップ部に記録紙が送り込まれる。そして、転写ベルトによって感光体ドラム上のトナー像が記録紙に転写されると同時に記録紙が感光体ドラムから分離される。転写像が転写された記録紙は転写ベルトに吸着されて下流側(定着器側)に搬送され、定着器によって転写像が記録紙に定着される。
【0004】
ところで、上述のような転写ベルト装置として、例えば、特開2000−122446公報に記載されたものが知られている(以下単に従来例と呼ぶ)。従来例では、転写バイアスローラは滑り軸受けで回転支持されており、転写バイアスローラの軸が、高圧電源に接続された板ばねからなる印加端子と当接している。これによって、バイアス電圧を転写バイアスローラに印加している。この際、転写バイアスローラと印加端子との接触を確実にするため、滑り軸受けにスプリングを設けて、このスプリングによって転写バイアスローラの軸を印加端子に圧接している(なお、転写バイアスローラを設けることなく、駆動ローラ等にバイアス電圧を印加する場合もある。この際においても、前述の板ばねによる印加端子及びスプリングが用いられる)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、転写ベルト装置にはトナー像の転写及び記録紙の分離のために、転写ベルトを駆動支持するローラ等にバイアス電圧を印加する必要があり、バイアス電圧を印加する際には、画像形成装置の電源部を板ばね等を用いた接点端子に接続して、当該接点端子をローラ等に接触させ、ローラから転写ベルトにバイアス電圧を印加するようにしている。ところが、このような接点端子を用いて転写ベルトにバイアス電圧を印加しようとすると、ローラと接点端子との接触を保つことが難しい。そして、接触性を良好にしようとすると、不可避的に接点端子の形状が複雑となってしまうか又は接点端子を構成する接点部材を複数用いる必要があり、コストアップとなってしまうという課題がある。
【0006】
加えて、ローラの軸端部に接点端子を配置して、バイアス電圧を印加しようとすると、騒音等の異音が発生してしまうという課題もある。
【0007】
本発明の目的は騒音が発生することなく、しかも安価な転写ベルト装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、トナー像が形成された像担持体から該トナー像を記録媒体に転写する際に用いられ、所定の間隔をおいて配置された一対のローラと、前記一対のローラを回転可能に支持する軸受け部材と、前記一対のローラにかけ渡された転写分離ベルトとを備え、前記転写分離ベルトによって前記トナー像を前記記録媒体に転写するとともに前記記録媒体を前記像担持体から分離する転写ベルト装置であって、前記一対のローラ及び前記軸受け部材は導電性であり、前記軸受け部材に装着され前記ローラの一方を支点として前記軸受け部材を所定の方向に回動して前記転写分離ベルトを前記像担持体に押圧接触させるバネ部材とを有し、前記バネ部材を介して前記転写分離ベルトにバイアス電圧が印加されることを特徴とする転写ベルト装置が得られる。
【0009】
このようにして、転写分離ベルトを像担持体に押圧接触させるためのバネ部材を軸受け部材に備えて、バネ部材を介して転写分離ベルトにバイアス電圧を印加するようにしたから、バイアス電圧印加のための部品点数が少なくなり、転写ベルト装置自体を安価にできる。さらに、バネ部材は軸受け部材に装着されているから、回転運動が加わることがなく、騒音等が発生することもない。例えば、前記バネ部材はコイルバネであり、その一端が前記バイアス電圧が供給される接続部材に当接している。
【0010】
さらに、本発明では、前記バネ部材の押圧力に抗して、前記軸受け部材を前記ローラの他方を支点として前記所定の方向と逆方向に回動させて前記転写分離ベルトを前記像担持体から退避させる退避機構が備えられており、例えば、前記軸受け部材にはレバー部が備えられ、前記退避機構は前記レバー部に当接するカム部材を有し、前記カム部材を回転駆動して前記軸受け部材を前記所定の方向及び前記所定の方向と逆方向に選択的に回動させる。
【0011】
このような退避機構を設ければ、転写分離ベルトを選択的に像担持体に押圧接触でき、しかも単にカム部材を配置して、軸受け部材を回動させればよいから、簡単な構成で転写分離ベルトを選択的に像担持体に押圧接触できることになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明についてその実施の形態を図面を参照して説明する。ただし、この実施の形態に記載された構成部品の寸法、材質、形状、及びその相対的配置等は特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく説明例にすぎない。
【0013】
図1を参照して、本発明による転写搬送装置の一例が備えられた画像形成装置について、レーザビームプリンタを例に挙げて説明する。図示のレーザビームプリンタは、例えば、合成樹脂によって成形された略直方体形状の筐体(ハウジング)2を有している。ハウジング2内には、前後方向(図1において紙面に垂直な方向)に所定の間隔をおいて金属製の前側側板及び後側側板(ともに図示せず)が配置されて、これによって、ハウジング2内空間が分割されている。ハウジング2の略中央部(前側側板及び後側側板の間)には、トナー像担持体である感光体ドラム3が回転自在に配置されている。この感光体ドラム3は、歯車伝達装置(図示せず)によって図中実線矢印で示す方向に回転され、帯電域、静電潜像形成域、現像域、画像転写域、及びクリーニング域を順に通過する。
【0014】
感光体ドラム3の周囲には、帯電用コロナ放電器4、現像装置5、中間転写体(中間転写ドラム)6、及びクリーニング機構7が配置されている。図示の例では、現像装置5はイエロートナー用現像ユニット(Y現像ユニット)5a、マゼンタトナー用現像ユニット(M現像ユニット)5b、シアントナー用現像ユニット(C現像ユニット)5c、及びブラックトナー用現像ユニット(B現像ユニット)5dを備えている。また、ハウジング2内の上部にはレーザユニット9が配置されている。
【0015】
前述の中間転写ドラム6は感光体ドラム3と画像転写域で当接(接触)しており、感光体ドラム3と同様に前側側板及び後側側板の間に回転自在に配置されている。そして、中間転写ドラム6は歯車伝達装置(図示せず)によって、図中実線矢印で示す方向に回転駆動される。なお、中間転写ドラム6の周囲にはクリーニング機構8が配置され、このクリーニング機構8によって中間転写ドラム6がクリーニングされる。
【0016】
感光体ドラム3は前述の帯電域において帯電用コロナ放電器4によって帯電され、レーザユニット9は制御装置(コンピュータ:図示せず)から送出される画像データ(画像情報)に基づいてレーザ光を前述の静電潜像形成領域において感光体ドラム3に照射して、感光体ドラム3上に各色毎に静電潜像を形成する。その後、現像域において、現像装置5によって各色毎に静電潜像が現像されて、感光体ドラム3上にトナー像が形成される。その後、各色毎のトナー像が中間転写ドラム6に順次転写されて、中間転写ドラム6上に一次転写像(トナー像)が形成される。
【0017】
ハウジング2内の下部において、中間転写ドラム6の下側には、後述する転写ベルト装置20が配置されており、この転写ベルト装置20の下流側には順次搬送ベルト11及び定着ユニット12が配置されている。そして、後述するようにして、中間転写ドラム6上の一次転写像が転写ベルト装置20によって記録媒体(記録紙)に2次転写像(転写像)として2次転写される。そして、2次転写像が転写された記録媒体は搬送ベルト11によって定着ユニット12に送られ、ここで2次転写像が記録媒体P上に定着されることになる。
【0018】
図2を参照して、上述した転写ベルト装置20について説明すると、転写ベルト装置20はケース21を有しており、ケース21内には、ケース21の長手方向に直交する方向において互いに平行に所定の間隔をおいて、長手方向に延びる駆動側ローラ22及び従動側ローラ23が配置されている。そして、駆動側ローラ22及び従動側ローラ23の間には転写分離ベルト24がかけ渡されている(捲回されている)。なお、ケース21は、例えば、合成樹脂製であり、その上部が開放された略箱状に形成されている。そして、開放上部から前述の転写分離ベルト24が露出している。
【0019】
転写分離ベルト24は、例えば、導電性ゴムで成形されており、その抵抗値は1×109.5〜1×1010.5Ωである。そして、その表面はフッ素系樹脂コートで表面処理されている。また、駆動側ローラ22には鉄系切削部材が用いられ、その外径はφ16mmである。従動側ローラ23には導電性ゴムが用いられ、その外径はφ20mmであり、抵抗値は1×106Ω以下、硬度60度(JIS−A)である。
【0020】
駆動側ローラ22及び従動側ローラ23の一端部には軸受け部材25が配置され、駆動側ローラ22及び従動側ローラ23の他端部には軸受け部材26が配置されており、駆動側ローラ22及び従動側ローラ23は軸受け部材25及び26によって回転可能に支持されている。軸受け部材25は、駆動側ローラ22及び従動側ローラ23の一端部をかけ渡すようにして、駆動側ローラ22及び従動側ローラ23の一端部を支持しており、同様に、軸受け部材26は、駆動側ローラ22及び従動側ローラ23の他端部をかけ渡すようにして、駆動側ローラ22及び従動側ローラ23の他端部を支持している。
【0021】
図示の例では、軸受け部材26は導電性樹脂で成形されており、後述するように、軸受け部材26は転写分離ベルト24にバイアス電圧(転写分離バイアス)を印加する経路の一部を形成する。なお、転写分離ベルト24に与えられるテンションは、駆動側ローラ22と従動側ローラ23との軸間距離によって決定される。つまり、軸受け部材25及び26の軸受け寸法によって、転写分離ベルト24に与えられるテンションが決定される。
【0022】
ここで、図3を参照して、図3は、上述の転写ベルト装置20において、軸受け部材26が配置された(存在する)側面を拡大して示す図であり、駆動側ローラ22及び従動側ローラ23の他端部は軸受け部材26によって回転可能に支持されている。ケース21の側面には図中下方に延びる接点部材31が装着されており、この接点部材31は板状のステンレス製のバネ部材であり、その下端部には接点部材31の延在方向に対して直交する方向に折り曲げられたバネ性接点部31aが形成されている。さらに、接点部材31の上端部側には接点31bが備えられている。
【0023】
軸受け部材26にはコイルバネ32が装着されており、従動側ローラ23の軸を支点として、コイルバネ32は軸受け部材26を中間転写ドラム6の方向(所定の方向)に押圧され、駆動側ローラ22が中間転写ドラム6(図1)の方向に押圧される。そして、コイルバネ32の押圧力によって駆動側ローラ22が中間転写ドラム6の方向に押圧される結果、転写分離ベルト24は中間転写ドラム6に押圧接触することになる。図示のようにコイルバネ32の一端部はケース2の長手方向に直交する方向に延在しており、このコイルバネ32の一端部が前述の接点部材31の接点31bに押圧接触している(つまり、コイルバネ32のバネ性によってコイルバネ32の一端部は接点部材31の接点31bに押圧接触することになる)。
【0024】
ここで、図4も参照すると、図4は、上述の転写ベルト装置20において、軸受け部材25が配置された(存在する)側面側からみた図であり、駆動側ローラ22及び従動側ローラ23の他端部は軸受け部材25によって回転可能に支持されている。軸受け部材25の延在端25aの下側にはカム部材51が配置されており、このカム部材51の回転運動に応じて延在端(レバー部)25aが図中上方向に押圧されて、延在端25aが駆動側ローラ22の軸を支点としてコイルバネ32の押圧力に抗して上方向に移動する。
【0025】
同様にして、軸受け部材26の延在端26aの下側にはカム部材51が配置されており、このカム部材51の回転運動に応じて延在端26aが図中上方向に押圧されて、延在端26aが駆動側ローラ22の軸を支点としてコイルバネ32の押圧力に抗して上方向に移動する。この結果、延在端25a及び26aの他端側は下側に移動することなり(つまり、軸受け部材25及び26は駆動側ローラ22を支点として中間転写ドラム6から離れる方向(所定の方向と逆の方向)に回動することになり)、これによって、従動側ローラ23が中間転写ドラム6から離れることになる。その結果、転写分離ベルト24が中間転写ドラム6から退避する。
【0026】
さらに、カム部材51が回転すると、延在端25a及び26を上方向に押す力が解除されて(なくなり)、今度は軸受け部材25及び26がコイルバネ32の押圧力によって従動側ローラ23の軸を支点として軸受け部材25及び26が中間転写ドラム6の方向に押圧され、駆動側ローラ22が中間転写ドラム6の方向に押圧される。そして、転写分離ベルト24は中間転写ドラム6に押圧接触することになる。このようにして、カム部材51の回転運動に応じて、転写分離ベルト24が中間転写ドラム6に対して押圧接触と退避とを繰り返すことになる(つまり、カム部材51の回転に応じて転写分離ベルト24が選択的に中間転写ドラム6に対して押圧接触及び退避されることになる)。
【0027】
ここで、図5を参照して、いま、レーザビームプリンタに上述転写ベルト装置を取り付けると、レーザビームプリンタに備えられた本体端子(図示せず)に前述の接点部材31が接続される。この際、接点部材31の下端部にはバネ性接点部31aが形成されているから、接点部材31と本体端子との接続圧力は安定することになる。このようにして、本体端子と接点部材31とを接続すると、レーザビームプリンタに備えられた電源部から本体端子(S1)を介して接点部材31にバイアス電圧(転写分離電圧)が供給される(S2)。
【0028】
そして、このバイアス電圧は接点31bを介してコイルバネ32に与えられ(S3)、導電樹脂性の軸受け部材26に至る(S4)。そして、駆動側ローラ22及び従動側ローラ23は軸受け部材26に支持されているから、軸受け部材26から駆動側ローラ22及び従動側ローラ23にバイアス電圧が加えられ(S5及びS6)、これによって、駆動側ローラ22及び従動側ローラ23から転写分離ベルト24にバイアス電圧が印加される(S7及びS8)。
【0029】
なお、転写分離ベルト24にバイアス電圧を印加する際には、例えば、記録紙の先端部(非画像領域)5mmのみ、−30mA〜−40mAでバイアスを印加した後、画像領域においては、−20mA〜−30mAでバイアスを印加する。そして、記録紙間においては逆バイアスを印加することが望ましい。つまり、記録紙の先端部ではマイナス側に大きくバイアスを印加すると、記録紙が中間転写ドラムから容易に分離できるようにする(つまり、分離性を強化する)。一方、記録紙間で逆バイアスを印加すると、転写分離ベルトが徐電されることになって、記録紙搬送性能が向上することになる。
【0030】
ところで、図1に示すレーザビームプリンタにおいては、Y現像器5a、M現像器5b、C現像器5c、及びB現像器5dの各々によって現像された各色トナー像が順次感光体ドラム3から中間転写ドラム6に一次転写されて、各色トナー像が重ね合わされて、一次転写像(カラー一次転写像)が中間転写ドラム6上に形成される。そして、中間転写ドラム6に各色トナー像を重ね合わせて一次転写像を形成する際には、転写分離ベルト24と中間転写ドラム6との押圧接触を回避する。つまり、転写分離ベルト24は中間転写ドラム6に対してその押圧が退避されて、中間転写ドラム6に一次転写像が形成された後、転写分離ベルト24を中間転写ドラム6に対して押圧接触させる。
【0031】
転写分離ベルト24を中間転写ドラム6から退避させる際には、図4で説明したように、カム部材51の回転運動に応じて転写分離ベルト24を中間転写ドラム6から退避させることになる。つまり、一次転写像の形成に同期してカム部材51が回転駆動されて、中間転写ドラム6に一次転写像を形成する際には、転写分離ベルト24を中間転写ドラム6から退避させ、中間転写ドラム6に一次転写像が形成されると(転写されると)、転写分離ベルト24を中間転写ドラム6に押圧接触させ、中間転写ドラム6と転写分離ベルト24との間に記録紙が搬送されるタイミングで、前述のようにして転写分離ベルト24にバイアス電圧が印加される。
【0032】
これによって、中間転写ドラム6上の一次転写像が記録紙に転写されるとともに、記録紙が転写分離ベルト24に吸着されて、中間転写ドラム6から分離する。その後、記録紙は搬送ベルト11を介して定着ユニット12に送られることになる。上述の説明から明らかなようにカム部材51が退避機構を構成することになる。
【0033】
このようにして、転写分離ベルトを中間転写ドラムに押圧するためのコイルバネを用いて、軸受け部材を介して駆動側ローラ及び従動側ローラから転写分離ベルトにバイアス電圧を印加するようにしたので、簡単な構成で転写分離ベルトにバイアス電圧を印加でき、その結果、コストの低減を行うことができることになる。さらに、駆動側ローラ及び従動側ローラ等の回転部材に接点部材が備えられていないから、騒音が発生することもない。
【0034】
なお、上述の例では、カラー画像を形成する場合について説明したが、つまり、感光体ドラム3及び中間転写ドラム(中間転写体)6を備える画像形成装置について説明したが、モノクロ画像形成の場合のように、感光体ドラムに形成されたトナー像を直接記録紙に転写するような画像成形装置においても、上述の転写ベルト装置20を用いることができる。つまり、像担持体である感光体ドラム又は中間転写体から記録紙にトナー像を転写する際に、上述の転写ベルト装置20を用いることができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、転写分離ベルトがかけ渡される一対のローラ及びこれらローラを回転可能に支持する軸受け部材を導電性として、軸受け部材にバネ部材を装着して、ローラの一方を支点として軸受け部材を所定の方向に回動して転写分離ベルトを像担持体に押圧接触させ、バネ部材を介して転写分離ベルトにバイアス電圧が印加するようにしたので、バイアス電圧印加のための部品点数が少なくなり、転写ベルト装置自体を安価にできるという効果がある。さらに、バネ部材は軸受け部材に装着されているから、回転運動が加わることがなく、騒音等が発生するがないという効果がある。そして、バネ部材としてコイルバネを用いて、その一端をバイアス電圧が供給される接続部材に当接するようにすれば、容易にバイアス電圧を転写分離ベルトに印加することができる。
【0036】
本発明では、バネ部材の押圧力に抗して、軸受け部材をローラの他方を支点として所定の方向と逆方向に回動させて転写分離ベルトを像担持体から退避させる退避機構を備えるようにしたから、選択的に転写分離ベルトを像担持体に押圧接触できるという効果がある。
【0037】
本発明では、軸受け部材にレバー部を備えて、退避機構がレバー部に当接するカム部材を有し、カム部材を回転駆動して軸受け部材を所定の方向及び所定の方向と逆方向に選択的に回動させるようにしたから、簡単な構成で転写分離ベルトを選択的に像担持体に押圧接触できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による転写ベルト装置の一例が用いられたレーザビームプリンタの一例を破断して示す図である。
【図2】図1に示す転写ベルト装置の外観を示す斜視図である。
【図3】図2に示す転写ベルト装置を一側面側から示す図である。
【図4】図2に示す転写ベルト装置を他側面側から中間転写体である中間転写ドラムとともに示す図である。
【図5】図1に示す転写ベルト装置に備えられた転写分離ベルトへバイアス電圧を印加する際の印加経路を説明するための図である。
【符号の説明】
2 筐体(ハウジング)
3 感光体ドラム
4 帯電用コロナ放電器
5 現像装置
6 中間転写体
7,8 クリーニング機構
11 搬送ベルト
12 定着ユニット
20 転写ベルト装置
21 ケース
22 駆動側ローラ
23 従動側ローラ
24 転写分離ベルト
25,26 軸受け部材
31 接点部材
32 コイルバネ
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に用いられ、記録紙等の記録媒体に像担持体上のトナー像を転写して、記録媒体を搬送するための転写ベルト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、レーザプリンタ、PPC複写機、及びファクシミリ等の画像形成装置において、像担持体である感光体上のトナー像を記録紙等の記録媒体に転写するための転写ベルト装置が備えられているものがある。例えば、感光体ドラム(又は中間転写ドラム)と転写ニップ部で当接して、転写ベルトが配置され、この転写ベルトは少なくとも二つのローラにかけ渡されている。そして、これらローラによって転写ベルトは感光体ドラムに同期して駆動される。転写ベルトはその表面が半導体層又は誘電体層で形成されており、ローラを介して転写ベルトにはバイアス電圧が印加される。具体的には、転写ベルトは、例えば、駆動ローラと従動ローラとの間に掛け渡され、転写バイアスローラによって転写ベルトにバイアス電圧が印加される。そして、このバイアス電圧によって、転写ベルトにトナーとは逆極性の電荷を付与している。
【0003】
上述のような転写ベルト装置を用いた画像形成装置においては、レジストローラによって、感光体ドラムに形成されたトナー像と同期して、前述のニップ部に記録紙が送り込まれる。そして、転写ベルトによって感光体ドラム上のトナー像が記録紙に転写されると同時に記録紙が感光体ドラムから分離される。転写像が転写された記録紙は転写ベルトに吸着されて下流側(定着器側)に搬送され、定着器によって転写像が記録紙に定着される。
【0004】
ところで、上述のような転写ベルト装置として、例えば、特開2000−122446公報に記載されたものが知られている(以下単に従来例と呼ぶ)。従来例では、転写バイアスローラは滑り軸受けで回転支持されており、転写バイアスローラの軸が、高圧電源に接続された板ばねからなる印加端子と当接している。これによって、バイアス電圧を転写バイアスローラに印加している。この際、転写バイアスローラと印加端子との接触を確実にするため、滑り軸受けにスプリングを設けて、このスプリングによって転写バイアスローラの軸を印加端子に圧接している(なお、転写バイアスローラを設けることなく、駆動ローラ等にバイアス電圧を印加する場合もある。この際においても、前述の板ばねによる印加端子及びスプリングが用いられる)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、転写ベルト装置にはトナー像の転写及び記録紙の分離のために、転写ベルトを駆動支持するローラ等にバイアス電圧を印加する必要があり、バイアス電圧を印加する際には、画像形成装置の電源部を板ばね等を用いた接点端子に接続して、当該接点端子をローラ等に接触させ、ローラから転写ベルトにバイアス電圧を印加するようにしている。ところが、このような接点端子を用いて転写ベルトにバイアス電圧を印加しようとすると、ローラと接点端子との接触を保つことが難しい。そして、接触性を良好にしようとすると、不可避的に接点端子の形状が複雑となってしまうか又は接点端子を構成する接点部材を複数用いる必要があり、コストアップとなってしまうという課題がある。
【0006】
加えて、ローラの軸端部に接点端子を配置して、バイアス電圧を印加しようとすると、騒音等の異音が発生してしまうという課題もある。
【0007】
本発明の目的は騒音が発生することなく、しかも安価な転写ベルト装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、トナー像が形成された像担持体から該トナー像を記録媒体に転写する際に用いられ、所定の間隔をおいて配置された一対のローラと、前記一対のローラを回転可能に支持する軸受け部材と、前記一対のローラにかけ渡された転写分離ベルトとを備え、前記転写分離ベルトによって前記トナー像を前記記録媒体に転写するとともに前記記録媒体を前記像担持体から分離する転写ベルト装置であって、前記一対のローラ及び前記軸受け部材は導電性であり、前記軸受け部材に装着され前記ローラの一方を支点として前記軸受け部材を所定の方向に回動して前記転写分離ベルトを前記像担持体に押圧接触させるバネ部材とを有し、前記バネ部材を介して前記転写分離ベルトにバイアス電圧が印加されることを特徴とする転写ベルト装置が得られる。
【0009】
このようにして、転写分離ベルトを像担持体に押圧接触させるためのバネ部材を軸受け部材に備えて、バネ部材を介して転写分離ベルトにバイアス電圧を印加するようにしたから、バイアス電圧印加のための部品点数が少なくなり、転写ベルト装置自体を安価にできる。さらに、バネ部材は軸受け部材に装着されているから、回転運動が加わることがなく、騒音等が発生することもない。例えば、前記バネ部材はコイルバネであり、その一端が前記バイアス電圧が供給される接続部材に当接している。
【0010】
さらに、本発明では、前記バネ部材の押圧力に抗して、前記軸受け部材を前記ローラの他方を支点として前記所定の方向と逆方向に回動させて前記転写分離ベルトを前記像担持体から退避させる退避機構が備えられており、例えば、前記軸受け部材にはレバー部が備えられ、前記退避機構は前記レバー部に当接するカム部材を有し、前記カム部材を回転駆動して前記軸受け部材を前記所定の方向及び前記所定の方向と逆方向に選択的に回動させる。
【0011】
このような退避機構を設ければ、転写分離ベルトを選択的に像担持体に押圧接触でき、しかも単にカム部材を配置して、軸受け部材を回動させればよいから、簡単な構成で転写分離ベルトを選択的に像担持体に押圧接触できることになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明についてその実施の形態を図面を参照して説明する。ただし、この実施の形態に記載された構成部品の寸法、材質、形状、及びその相対的配置等は特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく説明例にすぎない。
【0013】
図1を参照して、本発明による転写搬送装置の一例が備えられた画像形成装置について、レーザビームプリンタを例に挙げて説明する。図示のレーザビームプリンタは、例えば、合成樹脂によって成形された略直方体形状の筐体(ハウジング)2を有している。ハウジング2内には、前後方向(図1において紙面に垂直な方向)に所定の間隔をおいて金属製の前側側板及び後側側板(ともに図示せず)が配置されて、これによって、ハウジング2内空間が分割されている。ハウジング2の略中央部(前側側板及び後側側板の間)には、トナー像担持体である感光体ドラム3が回転自在に配置されている。この感光体ドラム3は、歯車伝達装置(図示せず)によって図中実線矢印で示す方向に回転され、帯電域、静電潜像形成域、現像域、画像転写域、及びクリーニング域を順に通過する。
【0014】
感光体ドラム3の周囲には、帯電用コロナ放電器4、現像装置5、中間転写体(中間転写ドラム)6、及びクリーニング機構7が配置されている。図示の例では、現像装置5はイエロートナー用現像ユニット(Y現像ユニット)5a、マゼンタトナー用現像ユニット(M現像ユニット)5b、シアントナー用現像ユニット(C現像ユニット)5c、及びブラックトナー用現像ユニット(B現像ユニット)5dを備えている。また、ハウジング2内の上部にはレーザユニット9が配置されている。
【0015】
前述の中間転写ドラム6は感光体ドラム3と画像転写域で当接(接触)しており、感光体ドラム3と同様に前側側板及び後側側板の間に回転自在に配置されている。そして、中間転写ドラム6は歯車伝達装置(図示せず)によって、図中実線矢印で示す方向に回転駆動される。なお、中間転写ドラム6の周囲にはクリーニング機構8が配置され、このクリーニング機構8によって中間転写ドラム6がクリーニングされる。
【0016】
感光体ドラム3は前述の帯電域において帯電用コロナ放電器4によって帯電され、レーザユニット9は制御装置(コンピュータ:図示せず)から送出される画像データ(画像情報)に基づいてレーザ光を前述の静電潜像形成領域において感光体ドラム3に照射して、感光体ドラム3上に各色毎に静電潜像を形成する。その後、現像域において、現像装置5によって各色毎に静電潜像が現像されて、感光体ドラム3上にトナー像が形成される。その後、各色毎のトナー像が中間転写ドラム6に順次転写されて、中間転写ドラム6上に一次転写像(トナー像)が形成される。
【0017】
ハウジング2内の下部において、中間転写ドラム6の下側には、後述する転写ベルト装置20が配置されており、この転写ベルト装置20の下流側には順次搬送ベルト11及び定着ユニット12が配置されている。そして、後述するようにして、中間転写ドラム6上の一次転写像が転写ベルト装置20によって記録媒体(記録紙)に2次転写像(転写像)として2次転写される。そして、2次転写像が転写された記録媒体は搬送ベルト11によって定着ユニット12に送られ、ここで2次転写像が記録媒体P上に定着されることになる。
【0018】
図2を参照して、上述した転写ベルト装置20について説明すると、転写ベルト装置20はケース21を有しており、ケース21内には、ケース21の長手方向に直交する方向において互いに平行に所定の間隔をおいて、長手方向に延びる駆動側ローラ22及び従動側ローラ23が配置されている。そして、駆動側ローラ22及び従動側ローラ23の間には転写分離ベルト24がかけ渡されている(捲回されている)。なお、ケース21は、例えば、合成樹脂製であり、その上部が開放された略箱状に形成されている。そして、開放上部から前述の転写分離ベルト24が露出している。
【0019】
転写分離ベルト24は、例えば、導電性ゴムで成形されており、その抵抗値は1×109.5〜1×1010.5Ωである。そして、その表面はフッ素系樹脂コートで表面処理されている。また、駆動側ローラ22には鉄系切削部材が用いられ、その外径はφ16mmである。従動側ローラ23には導電性ゴムが用いられ、その外径はφ20mmであり、抵抗値は1×106Ω以下、硬度60度(JIS−A)である。
【0020】
駆動側ローラ22及び従動側ローラ23の一端部には軸受け部材25が配置され、駆動側ローラ22及び従動側ローラ23の他端部には軸受け部材26が配置されており、駆動側ローラ22及び従動側ローラ23は軸受け部材25及び26によって回転可能に支持されている。軸受け部材25は、駆動側ローラ22及び従動側ローラ23の一端部をかけ渡すようにして、駆動側ローラ22及び従動側ローラ23の一端部を支持しており、同様に、軸受け部材26は、駆動側ローラ22及び従動側ローラ23の他端部をかけ渡すようにして、駆動側ローラ22及び従動側ローラ23の他端部を支持している。
【0021】
図示の例では、軸受け部材26は導電性樹脂で成形されており、後述するように、軸受け部材26は転写分離ベルト24にバイアス電圧(転写分離バイアス)を印加する経路の一部を形成する。なお、転写分離ベルト24に与えられるテンションは、駆動側ローラ22と従動側ローラ23との軸間距離によって決定される。つまり、軸受け部材25及び26の軸受け寸法によって、転写分離ベルト24に与えられるテンションが決定される。
【0022】
ここで、図3を参照して、図3は、上述の転写ベルト装置20において、軸受け部材26が配置された(存在する)側面を拡大して示す図であり、駆動側ローラ22及び従動側ローラ23の他端部は軸受け部材26によって回転可能に支持されている。ケース21の側面には図中下方に延びる接点部材31が装着されており、この接点部材31は板状のステンレス製のバネ部材であり、その下端部には接点部材31の延在方向に対して直交する方向に折り曲げられたバネ性接点部31aが形成されている。さらに、接点部材31の上端部側には接点31bが備えられている。
【0023】
軸受け部材26にはコイルバネ32が装着されており、従動側ローラ23の軸を支点として、コイルバネ32は軸受け部材26を中間転写ドラム6の方向(所定の方向)に押圧され、駆動側ローラ22が中間転写ドラム6(図1)の方向に押圧される。そして、コイルバネ32の押圧力によって駆動側ローラ22が中間転写ドラム6の方向に押圧される結果、転写分離ベルト24は中間転写ドラム6に押圧接触することになる。図示のようにコイルバネ32の一端部はケース2の長手方向に直交する方向に延在しており、このコイルバネ32の一端部が前述の接点部材31の接点31bに押圧接触している(つまり、コイルバネ32のバネ性によってコイルバネ32の一端部は接点部材31の接点31bに押圧接触することになる)。
【0024】
ここで、図4も参照すると、図4は、上述の転写ベルト装置20において、軸受け部材25が配置された(存在する)側面側からみた図であり、駆動側ローラ22及び従動側ローラ23の他端部は軸受け部材25によって回転可能に支持されている。軸受け部材25の延在端25aの下側にはカム部材51が配置されており、このカム部材51の回転運動に応じて延在端(レバー部)25aが図中上方向に押圧されて、延在端25aが駆動側ローラ22の軸を支点としてコイルバネ32の押圧力に抗して上方向に移動する。
【0025】
同様にして、軸受け部材26の延在端26aの下側にはカム部材51が配置されており、このカム部材51の回転運動に応じて延在端26aが図中上方向に押圧されて、延在端26aが駆動側ローラ22の軸を支点としてコイルバネ32の押圧力に抗して上方向に移動する。この結果、延在端25a及び26aの他端側は下側に移動することなり(つまり、軸受け部材25及び26は駆動側ローラ22を支点として中間転写ドラム6から離れる方向(所定の方向と逆の方向)に回動することになり)、これによって、従動側ローラ23が中間転写ドラム6から離れることになる。その結果、転写分離ベルト24が中間転写ドラム6から退避する。
【0026】
さらに、カム部材51が回転すると、延在端25a及び26を上方向に押す力が解除されて(なくなり)、今度は軸受け部材25及び26がコイルバネ32の押圧力によって従動側ローラ23の軸を支点として軸受け部材25及び26が中間転写ドラム6の方向に押圧され、駆動側ローラ22が中間転写ドラム6の方向に押圧される。そして、転写分離ベルト24は中間転写ドラム6に押圧接触することになる。このようにして、カム部材51の回転運動に応じて、転写分離ベルト24が中間転写ドラム6に対して押圧接触と退避とを繰り返すことになる(つまり、カム部材51の回転に応じて転写分離ベルト24が選択的に中間転写ドラム6に対して押圧接触及び退避されることになる)。
【0027】
ここで、図5を参照して、いま、レーザビームプリンタに上述転写ベルト装置を取り付けると、レーザビームプリンタに備えられた本体端子(図示せず)に前述の接点部材31が接続される。この際、接点部材31の下端部にはバネ性接点部31aが形成されているから、接点部材31と本体端子との接続圧力は安定することになる。このようにして、本体端子と接点部材31とを接続すると、レーザビームプリンタに備えられた電源部から本体端子(S1)を介して接点部材31にバイアス電圧(転写分離電圧)が供給される(S2)。
【0028】
そして、このバイアス電圧は接点31bを介してコイルバネ32に与えられ(S3)、導電樹脂性の軸受け部材26に至る(S4)。そして、駆動側ローラ22及び従動側ローラ23は軸受け部材26に支持されているから、軸受け部材26から駆動側ローラ22及び従動側ローラ23にバイアス電圧が加えられ(S5及びS6)、これによって、駆動側ローラ22及び従動側ローラ23から転写分離ベルト24にバイアス電圧が印加される(S7及びS8)。
【0029】
なお、転写分離ベルト24にバイアス電圧を印加する際には、例えば、記録紙の先端部(非画像領域)5mmのみ、−30mA〜−40mAでバイアスを印加した後、画像領域においては、−20mA〜−30mAでバイアスを印加する。そして、記録紙間においては逆バイアスを印加することが望ましい。つまり、記録紙の先端部ではマイナス側に大きくバイアスを印加すると、記録紙が中間転写ドラムから容易に分離できるようにする(つまり、分離性を強化する)。一方、記録紙間で逆バイアスを印加すると、転写分離ベルトが徐電されることになって、記録紙搬送性能が向上することになる。
【0030】
ところで、図1に示すレーザビームプリンタにおいては、Y現像器5a、M現像器5b、C現像器5c、及びB現像器5dの各々によって現像された各色トナー像が順次感光体ドラム3から中間転写ドラム6に一次転写されて、各色トナー像が重ね合わされて、一次転写像(カラー一次転写像)が中間転写ドラム6上に形成される。そして、中間転写ドラム6に各色トナー像を重ね合わせて一次転写像を形成する際には、転写分離ベルト24と中間転写ドラム6との押圧接触を回避する。つまり、転写分離ベルト24は中間転写ドラム6に対してその押圧が退避されて、中間転写ドラム6に一次転写像が形成された後、転写分離ベルト24を中間転写ドラム6に対して押圧接触させる。
【0031】
転写分離ベルト24を中間転写ドラム6から退避させる際には、図4で説明したように、カム部材51の回転運動に応じて転写分離ベルト24を中間転写ドラム6から退避させることになる。つまり、一次転写像の形成に同期してカム部材51が回転駆動されて、中間転写ドラム6に一次転写像を形成する際には、転写分離ベルト24を中間転写ドラム6から退避させ、中間転写ドラム6に一次転写像が形成されると(転写されると)、転写分離ベルト24を中間転写ドラム6に押圧接触させ、中間転写ドラム6と転写分離ベルト24との間に記録紙が搬送されるタイミングで、前述のようにして転写分離ベルト24にバイアス電圧が印加される。
【0032】
これによって、中間転写ドラム6上の一次転写像が記録紙に転写されるとともに、記録紙が転写分離ベルト24に吸着されて、中間転写ドラム6から分離する。その後、記録紙は搬送ベルト11を介して定着ユニット12に送られることになる。上述の説明から明らかなようにカム部材51が退避機構を構成することになる。
【0033】
このようにして、転写分離ベルトを中間転写ドラムに押圧するためのコイルバネを用いて、軸受け部材を介して駆動側ローラ及び従動側ローラから転写分離ベルトにバイアス電圧を印加するようにしたので、簡単な構成で転写分離ベルトにバイアス電圧を印加でき、その結果、コストの低減を行うことができることになる。さらに、駆動側ローラ及び従動側ローラ等の回転部材に接点部材が備えられていないから、騒音が発生することもない。
【0034】
なお、上述の例では、カラー画像を形成する場合について説明したが、つまり、感光体ドラム3及び中間転写ドラム(中間転写体)6を備える画像形成装置について説明したが、モノクロ画像形成の場合のように、感光体ドラムに形成されたトナー像を直接記録紙に転写するような画像成形装置においても、上述の転写ベルト装置20を用いることができる。つまり、像担持体である感光体ドラム又は中間転写体から記録紙にトナー像を転写する際に、上述の転写ベルト装置20を用いることができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、転写分離ベルトがかけ渡される一対のローラ及びこれらローラを回転可能に支持する軸受け部材を導電性として、軸受け部材にバネ部材を装着して、ローラの一方を支点として軸受け部材を所定の方向に回動して転写分離ベルトを像担持体に押圧接触させ、バネ部材を介して転写分離ベルトにバイアス電圧が印加するようにしたので、バイアス電圧印加のための部品点数が少なくなり、転写ベルト装置自体を安価にできるという効果がある。さらに、バネ部材は軸受け部材に装着されているから、回転運動が加わることがなく、騒音等が発生するがないという効果がある。そして、バネ部材としてコイルバネを用いて、その一端をバイアス電圧が供給される接続部材に当接するようにすれば、容易にバイアス電圧を転写分離ベルトに印加することができる。
【0036】
本発明では、バネ部材の押圧力に抗して、軸受け部材をローラの他方を支点として所定の方向と逆方向に回動させて転写分離ベルトを像担持体から退避させる退避機構を備えるようにしたから、選択的に転写分離ベルトを像担持体に押圧接触できるという効果がある。
【0037】
本発明では、軸受け部材にレバー部を備えて、退避機構がレバー部に当接するカム部材を有し、カム部材を回転駆動して軸受け部材を所定の方向及び所定の方向と逆方向に選択的に回動させるようにしたから、簡単な構成で転写分離ベルトを選択的に像担持体に押圧接触できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による転写ベルト装置の一例が用いられたレーザビームプリンタの一例を破断して示す図である。
【図2】図1に示す転写ベルト装置の外観を示す斜視図である。
【図3】図2に示す転写ベルト装置を一側面側から示す図である。
【図4】図2に示す転写ベルト装置を他側面側から中間転写体である中間転写ドラムとともに示す図である。
【図5】図1に示す転写ベルト装置に備えられた転写分離ベルトへバイアス電圧を印加する際の印加経路を説明するための図である。
【符号の説明】
2 筐体(ハウジング)
3 感光体ドラム
4 帯電用コロナ放電器
5 現像装置
6 中間転写体
7,8 クリーニング機構
11 搬送ベルト
12 定着ユニット
20 転写ベルト装置
21 ケース
22 駆動側ローラ
23 従動側ローラ
24 転写分離ベルト
25,26 軸受け部材
31 接点部材
32 コイルバネ
Claims (4)
- トナー像が形成された像担持体から該トナー像を記録媒体に転写する際に用いられ、所定の間隔をおいて配置された一対のローラと、前記一対のローラを回転可能に支持する軸受け部材と、前記一対のローラにかけ渡された転写分離ベルトとを備え、前記転写分離ベルトによって前記トナー像を前記記録媒体に転写するとともに前記記録媒体を前記像担持体から分離する転写ベルト装置であって、前記一対のローラ及び前記軸受け部材は導電性であり、前記軸受け部材に装着され前記ローラの一方を支点として前記軸受け部材を所定の方向に回動して前記転写分離ベルトを前記像担持体に押圧接触させるバネ部材とを有し、前記バネ部材を介して前記転写分離ベルトにバイアス電圧が印加されることを特徴とする転写ベルト装置。
- 前記バネ部材はコイルバネであり、その一端が前記バイアス電圧が供給される接続部材に当接していることを特徴とする請求項1に記載の転写ベルト装置。
- 前記バネ部材の押圧力に抗して、前記軸受け部材を前記ローラの他方を支点として前記所定の方向と逆方向に回動させて前記転写分離ベルトを前記像担持体から退避させる退避機構が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の転写ベルト装置。
- 前記軸受け部材にはレバー部が備えられ、前記退避機構は前記レバー部に当接するカム部材を有し、前記カム部材を回転駆動して前記軸受け部材を前記所定の方向及び前記所定の方向と逆方向に選択的に回動させるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の転写ベルト装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002212272A JP2004054000A (ja) | 2002-07-22 | 2002-07-22 | 転写ベルト装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002212272A JP2004054000A (ja) | 2002-07-22 | 2002-07-22 | 転写ベルト装置 |
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JP2004054000A true JP2004054000A (ja) | 2004-02-19 |
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JP2002212272A Pending JP2004054000A (ja) | 2002-07-22 | 2002-07-22 | 転写ベルト装置 |
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JP (1) | JP2004054000A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006059842A (ja) * | 2004-08-17 | 2006-03-02 | Sony Corp | 半導体装置及びその製造方法 |
JP2006349702A (ja) * | 2005-06-13 | 2006-12-28 | Kyocera Mita Corp | 画像形成装置 |
JP2007305172A (ja) * | 2006-05-08 | 2007-11-22 | Alpine Electronics Inc | ディスクプレーヤ |
-
2002
- 2002-07-22 JP JP2002212272A patent/JP2004054000A/ja active Pending
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JP2006349702A (ja) * | 2005-06-13 | 2006-12-28 | Kyocera Mita Corp | 画像形成装置 |
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