JP2004053686A - カメラ及び合焦装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】マルチAFに於いて起こりがちな意図せぬ被写体へのピント合わせを迅速に解除して、撮影者が狙った被写体に対してより高速なピント制御を可能としたカメラ及び合焦装置の制御方法を提供することである。
【解決手段】本発明のカメラは、ファーストレリーズスイッチ25aにより画面内の複数ポイントのうち第1の候補ポイントが決定され、セカンドレリーズスイッチ25bによって上記複数ポイントのうち、上記第1の候補ポイントとは異なる第2の候補ポイントが決定される。また、切替スイッチ31により撮影者の所定スイッチの操作が検出され、上記切替スイッチ31の検出状態によって上記第1の候補ポイント若しくは第2の候補ポイントがBCPU22によって選択切替えされる。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明のカメラは、ファーストレリーズスイッチ25aにより画面内の複数ポイントのうち第1の候補ポイントが決定され、セカンドレリーズスイッチ25bによって上記複数ポイントのうち、上記第1の候補ポイントとは異なる第2の候補ポイントが決定される。また、切替スイッチ31により撮影者の所定スイッチの操作が検出され、上記切替スイッチ31の検出状態によって上記第1の候補ポイント若しくは第2の候補ポイントがBCPU22によって選択切替えされる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラの自動焦点調節(AF;オートフォーカス)の技術の改良に関し、より詳細には、画面内に複数の測距ポイントを有する、いわゆる多点(マルチ)AFの改良技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、画面中央だけでなく画面内に複数の測距ポイントを有すると、画面内の主被写体の位置に関わらず、ピント合わせができるというメリットがある代わりに、撮影者が意図しないものに誤ってピントが合ってしまうという副作用が発生することがあった。
【0003】
これを対策するために、例えば、米国特許第6,118,943号等では、手動スイッチによって測距ポイントを選択する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この米国特許第6,118,943号では、測距ポイントが増加すると操作性が悪くなってしまうものであった。
【0005】
また、近年、より細かいピント位置制御で写真撮影を楽しむ撮影者も増加している。これは、単に1つのポイントのピント合わせを自動化に任せるのではなく、複数の被写体のバランスを考えたり、故意にピントをはずす等、マニュアル動作してピント合わせをしながら撮影する状況が増えている。
【0006】
こうした構成のカメラでは、マニュアル操作用の特別な操作部材を有している場合も多く、こうした操作部材を有効に兼用することによって、操作の煩雑さを抑え、コストを抑えて付加価値の高い商品を提供することができる。
【0007】
したがって本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、マルチAFに於いて起こりがちな意図せぬ被写体へのピント合わせを迅速に解除して、撮影者が狙った被写体に対してより高速なピント制御を可能としたカメラ及び合焦装置の制御方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、画面内の複数ポイントに対応した測距ポイントを有するオートフォーカス手段を有するカメラに於いて、上記オートフォーカス手段は、上記複数ポイントのうち第1の候補ポイントを決定する第1決定手段と、上記複数ポイントのうち、上記第1の候補ポイントとは異なる第2の候補ポイントを決定する第2決定手段と、を有し、更に、撮影者の所定スイッチの操作を検出するスイッチ検出手段と、上記スイッチ検出手段の検出状態によって上記第1の候補ポイント若しくは第2の候補ポイントを選択切替えする選択手段と、を具備することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、複数の測距ポイントのうち、少なくとも1つの測距ポイントを所定のアルゴリズムで選択表示する選択表示制御手段を有する多点オートフォーカスカメラに於いて、マニュアルフォーカスモードを選択するスイッチと、上記選択表示制御手段の制御時には、上記スイッチの操作に従って上記選択表示ポイントを切替えるポイント切替制御手段と、を具備することを特徴とする。
【0010】
更に本発明は、合焦に係る指示を行う操作手段と、画面内の合焦ポイント位置に基いて合焦を行う自動合焦手段と、画面内の合焦ポイント位置を切替える切替手段と、上記操作手段の指示を上記切替手段への切替指示とするか、若しくは上記切替以外他の合焦に係る特定の動作指示とするかを制御する制御手段と、を具備することを特徴とする。
【0011】
本発明は、画面内に於ける自動合焦用の合焦ポイント位置の切替えが可能な合焦装置の制御方法に於いて、合焦に係る指示を行うための特定の操作手段による操作指示を、自動合焦開始後の所定期間内には上記合焦ポイント位置の切替指示であるよう制御し、上記所定期間外には当該合焦ポイント位置切替以外の他の合焦に係る特定の指示であるように制御することを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、画面内の複数ポイントに対応した測距ポイントを有するオートフォーカス手段を有するカメラに於いて、上記オートフォーカス手段の第1の決定手段により上記複数ポイントのうち第1の候補ポイントが決定され、第2決定手段によって上記複数ポイントのうち、上記第1の候補ポイントとは異なる第2の候補ポイントが決定される。また、スイッチ検出手段により撮影者の所定スイッチの操作が検出され、上記スイッチ検出手段の検出状態によって上記第1の候補ポイント若しくは第2の候補ポイントが選択手段によって選択切替えされる。
【0013】
また、本発明のカメラにあっては、複数の測距ポイントのうち、少なくとも1つの測距ポイントが、選択表示制御手段によって所定のアルゴリズムで選択表示される多点オートフォーカスカメラであって、マニュアルフォーカスモードを選択するスイッチを備えている。そして、上記選択表示制御手段の制御時には、ポイント切替制御手段により、上記スイッチの操作に従って上記選択表示ポイントが切替えられる。
【0014】
更に、本発明のカメラにあっては、操作手段によって合焦に係る指示が行われ、画面内の合焦ポイント位置に基いて、自動合焦手段により合焦が行われる。画面内の合焦ポイント位置は切替手段により切替えられ、上記操作手段の指示が上記切替手段への切替指示とされるか、若しくは上記切替以外他の合焦に係る特定の動作指示とされるかが、制御手段によって制御される。
【0015】
本発明の合焦装置の制御方法にあっては、画面内に於ける自動合焦用の合焦ポイント位置の切替えが可能である。そして、合焦に係る指示を行うための特定の操作手段による操作指示に於いて、自動合焦開始後の所定期間内には、上記合焦ポイント位置の切替指示であるよう制御される。また、上記所定期間外には、当該合焦ポイント位置切替以外の他の合焦に係る特定の指示であるように制御される。
【0016】
このように、測距ポイントが増加しても、カメラの自動ポイント選択の結果を有効利用するため、操作が煩雑になることはない。
【0017】
したがって、カメラが自動で選択したピント合わせポイントが意に添わずとも、ユーザは簡単な操作で他のポイントに対してピント合わせを行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
図1は、本発明の第1の実施の形態によるカメラの構成を示すもので、(a)は内部の構成示すブロック図、(b)はカメラの外観を示した斜視図である。
【0020】
本実施の形態のカメラは、カメラ本体1と、レンズ鏡胴部2の部分から成っている。そして、上記カメラ本体1にはレリーズ用のスイッチ25が設けられている。一方、レンズ鏡胴部2には、ピント合わせ用のフォーカシング回転環3が回動可能なように設けられている。更には、このフォーカシング回転環3に、切替スイッチ31が配置されている。切替スイッチ31は、通常はAF(オートフォーカス)モードとMF(マニュアルフォーカス)モードとを切替え、後述するようにAFモードでは候補ポイントを切替える。
【0021】
レンズ鏡胴部2内のピント合わせレンズ11を介して入射された撮影光束は、カメラ本体1内のメインミラー(クイックリターンミラー)12で反射された後、フォーカシングスクリーン13上に結像される。更に、このフォーカシングスクリーン13を通過した光束は、ペンタプリズム14、ファインダの接眼レンズ15を介して撮影者の眼に導かれる。
【0022】
上記メインミラー12は、その光の一部を透過可能なハーフミラーで構成されている。レンズ鏡胴部2より導かれた撮影光束の一部は、メインミラー12を透過して2つのミラー17及び18等の光学系によってAFセンサ19に導かれる。AFセンサ19に導かれた撮影光束はここで像信号に光電変換され、更にA/D変換器20によってデジタル信号に変換された後、ボディ用演算制御回路(BCPU)22に供給される。
【0023】
このBCPU22は、ワンチップマイクロコンピュータ等から成るもので、レンズ鏡胴部2内のレンズ用演算制御回路(LCPU)30と通信しながらピント合わせ制御を行うようになっている。また、BCPU22には、フォーカシングスクリーン13上にLCDやLED時によって合焦マークを表示させる表示制御部(DISP)23と、レリーズスイッチ25に対応したファーストレリーズスイッチ25a及びセカンドレリーズスイッチ25bと、レンズ用CPU(LCPU)30が接続されている。
【0024】
また、ピント合わせレンズ11を介して導かれる撮影光束は、撮影時にメインミラー12等が光路より退避されて、メインミラー12の後方(図1(a)に於いて右側)に配置された、エリアセンサ等の撮像素子26に導かれて結像される。上記メインミラー12等の光路よりの退避は、セカンドレリーズスイッチ25bのオンによって、図示されない機構により行われる。
【0025】
LCPU30には、切替スイッチ31と、フォーカシング回転環3の動きを検出するためのエンコーダ32と、ピント合わせレンズ11の動きを検出するためのエンコーダ33と、該ピント合わせレンズ11を移動させるためのレンズ駆動用のモータ35を駆動するモータードライバ(MD)34が接続されている。
【0026】
このように構成されたカメラに於いて、カメラ本体1のレリーズスイッチ25が操作されると、本体内部に設けられたピント検出手段であるエンコーダ33、モータドライバ34、モータ35によってピント合わせ位置が決定される。これに従って、レンズ鏡胴部2内のピント合わせレンズ3が制御されて、オートフォーカス機能が実現される。
【0027】
ここで、ユーザが手動でピント合わせを楽しみたい場合には、切替スイッチ31が押下されればAF機能が解除され、フォーカシング回転環3の操作に応じてこの方向や回転量が検出されて、上記撮ピント合わせレンズ11を制御することができるようになる。
【0028】
つまり、カメラ本体1内では、ピント合わせレンズ11を介して得られた像信号が、メインミラー12や2つのミラー17、18等の光学系によってAFセンサ19に導かれ、A/D変換器20によってデジタル信号となる。したがって、BCPU22は、これを用いてピント合わせレンズ11の合焦位置を算出し、その結果をLCPU30に伝える。
【0029】
LCPU30は、レンズの有する部品誤差等を考慮して補正する形で、モータードライバ34を介してレンズ駆動用のモータ35を制御する。ピント合わせレンズ11が動くと、その動きはエンコーダ33によって検出され、その位置がLCPU30によってフィードバック制御される。
【0030】
また、切替スイッチ31が操作された場合には、LCPU30はこれを検出し、上述したように、BCPU22からのAF信号にかかわらず、操作されたフォーカシング回転環3の動きを検出するエンコーダ32によって検出し、これに従ったピント合わせレンズ11の制御を行う。このとき、撮影者は、ファインダ接眼レンズ15を覗いて、ペンタプリズ14を介してメインミラー12によってフォーカシングスクリーン13に結像された被写体像を見ながらピント合わせを行うようにする。
【0031】
オートフォーカス(AF)用の光学系は、図2(a)に示されるような構成となっている。
【0032】
ピント合わせレンズ11を通った光は、その一部がハーフミラーで像を透過するメインミラー12及びサブミラー17を介して、画面内のピント合わせ位置を決める視野マスク40に導かれる。こうして、画面内の所定ポイントの光がコンデンサレンズ41及び折り返しミラー18を介して、再結像レンズ42に導かれる。この再結像レンズ42によって、AFセンサ19の受光面19a上に所定の視差を持って得られた一対の被写体像が結像し、その位置関係が所定の関係になった時、ピント合わせレンズ11が合焦状態となるので、BCPU22は、この一対の被写体像の一致度を調べて位置差を検出する。
【0033】
視野マスク40から分割され、対応してセンサが設けられていることから明らかなように、図2(b)に示されるように、画面45内の46L、46C、46Rで表される3ポイントのピント合わせが可能である。ポイント46Lにピント合わせする時には、図2(c)に示されるように、上述した表示制御によってその位置の測距枠のみを表示するようにすれば、撮影者はどこにピントが合ったかをすぐに判定することができる。
【0034】
次に、このような構成のカメラの撮影動作について説明する。このフローチャートは、BCPU22が制御するものであるが、時にLCPU30が直接的な制御を行う部分も記述したものとなっている。
【0035】
このカメラは、レリーズ釦の押し込み時に、半押し状態でオンするファーストレリーズスイッチ25aと、押し込み状態でオンするセカンドレリーズスイッチ25bを有しており、ファーストレリーズスイッチ25aのオンによってオートフォーカスの動作が行われることを前提とした構成となっている。そして、その結果を、撮影者はファインダ内で確認し、適切な場合はレリーズボタンを押し込んで撮影が行われるようになっている。
【0036】
ファーストレリーズスイッチ25aのオン時に、AFセンサ19によるピント位置検出、ピント合わせ用のレンズドライブ制御がなされるので、ファインダ内で正しくピントが合っているか否かを確認することができる。また、上述した表示制御によって、どのポイントがピント合わせされたかが、即座に判断可能となっている。
【0037】
上述した3つのポイントの何れのポイントを優先するかについては、古くから、種々の方法が検討されており、最もカメラから近いものにピント合わせする方法が一般的となっている。
【0038】
しかし、この方法では、例えば、図2(b)に示されるような構図で、ポイント46Rの位置に後ろ向きの人物が入ってしまった場合、ポイント46Lの位置の主被写体にはピントが合わないという副作用があった。このような状況を想定し、速やかにポイント46Lの位置の人物にピントを合わせるようにした動作が、図3のフローチャートに示される。一言でいえば、最も近い距離の次の距離の被写体を第2候補として選択しておき、切替スイッチ31が操作されると、この第2候補を選択するようにするものである。
【0039】
以下、図3のフローチャートを参照して、第1の実施の形態に於けるカメラの撮影動作について説明する。
【0040】
先ず、ステップS1に於いてファーストレリーズスイッチ(1RSW)25aの状態が検出される。ここで、ファーストレリーズスイッチ25aがオンされていない場合はステップS2へ、オンされている場合はステップS6へ、それぞれ移行して、マニュアルフォーカス設定(MF設定)の状態が検出される。このマニュアルフォーカス設定のオン/オフは、フォーカシング回転環3に設けられた切替スイッチ31の状態によって検出される。
【0041】
ステップS2にて、マニュアルフォーカス設定がオンされている場合は、ステップS3〜S5のマニュアルフォーカスモードの操作が実行される。すなわち、マニュアルフォーカスは、上述したように、撮影者がレンズ鏡胴部2に設けられたフォーカシング回転環3を回して操作するものである。したがって、切替スイッチ31が押されていれば、LCPU30によってこれが検出され、BCPU22に対して通信が行われて、ステップS3のオートフォーカス動作の禁止が実行される。
【0042】
次いで、ステップS4にて、フォーカシング回転環3の作動を検出するエンコーダ32が検出される。更に、ステップS5では、検出された操作に基いたピント制御が行われる。その後、上記ステップS1に移行する。
【0043】
また、上記ステップS2にてマニュアルフォーカス設定がオンでなければ、上記ステップS1に移行する。
【0044】
一方、ステップS6にて、マニュアルフォーカス設定がオンされている場合はステップS12に移行し、オンされていない場合は、オートフォーカスモードとなってステップS7に移行する。
【0045】
このステップS7では、3点のピント検出動作が行われる。このピント検出動作によって、3ポイントの被写体の遠近関係がわかる。したがって、続くステップS8及びS9では、最も近い距離を示すポイントを第1候補、次に近い距離を示すポイントを第2候補として順番付けが行われる。次いで、ステップS10及びS11にて、上記第1候補に対するフォーカシングスクリーン13上のポイント表示及びピント合わせが行われる。
【0046】
図2(b)に示される画面に於いて、ポイント46Rからポイント46Lの位置の被写体にピント合わせを行いたい場合に、従来のカメラではマニュアルフォーカスに切替えるしか方法がなかった。しかしながら、本実施の形態に於いては、図2(b)に示されるようなシーンでは、先ず、ポイント46Rが第1候補、次いでポイント46Lが第2候補となり、46Rの枠表示が点灯し、この位置の被写体がピント合わせされてファインダ内ではっきりと見えるようになる。ユーザはこれを見て、ピント合わせOKと思う時は、更にレリーズ釦を押し下げて、撮影に入ればよい。
【0047】
また、上記ステップS12に於けるセカンドレリーズスイッチ25bの状態検出にて、オンであれば、ステップS22に移行して第1候補にピントのあった露出制御が行われる。
【0048】
上記ステップS12に於いて、セカンドレリーズスイッチ25bがオンでなければ、ステップS13に移行して、ファーストレリーズスイッチ25aの状態検出が行われる。そして、ファーストレリーズスイッチ25aがオンでなければ本ルーチンが終了し、オンされていればステップS14に移行する。
【0049】
このステップS14では、オートフォーカスモードであるか否か、状態の判断が行われる。その結果、オートフォーカスモードの場合はステップS15へ移行し、オートフォーカスモードでない場合はステップS18へ移行する。
【0050】
オートフォーカスモードであった場合、ステップS15にて切替スイッチ31が操作されたか否かが判断される。ここでは、切替スイッチ31はポイントの切替え指示として機能する。すなわち、切替スイッチ31が操作されている場合は、ステップS16へ移行して次候補のポイントがフォーカシングスクリーン13上に表示される。次いで、ステップS17にて、上記次候補のポイントに対してピント合わせが行われる。その後、上記ステップS12へ移行する。
【0051】
一方、上記ステップS15にて操作スイッチ31が操作されていない場合は、ステップS16、S17をスキップして上記ステップS12へ移行する。
【0052】
また、オートフォーカスモードでない、つまりマニュアルモードである場合、ステップS18にて、切替スイッチ31が操作されたか否かが判断される。ここでは、切替スイッチ31は、マニュアルフォーカスからオートフォーカスへの切替え指示として機能する。これは、ファーストレリーズスイッチ25aがオンされた後は、マニュアルフォーカスモードであっても、切替スイッチ31が操作されると、オートフォーカスモードへの切替えとして機能するからである。
【0053】
マニュアルフォーカス設定がオンに維持されている場合は、ステップS19に移行してオートフォーカス動作の禁止が実行される。次いで、ステップS20にて、フォーカシング回転環3の作動を検出するエンコーダ32が検出され、ステップS21にて、検出された操作に基いたピント制御が行われる。その後、上記ステップS12に移行する。このように、上記ステップS3〜S5と同様、撮影者が操作するフォーカシング回転環3に基いてレンズ制御が行われる。
【0054】
また、上記ステップS18にてマニュアルフォーカス設定がオフされた場合は、オートフォーカスモードになって上記ステップS12に移行する。
【0055】
第1の実施の形態によれば、希望被写体が被写体距離の順番に関連して存在することが多いので、少ない切替回数で効率的に希望するポイント位置を探すことができる。
【0056】
このように、第1の実施の形態によれば、自動で合焦するオートフォーカス制御に対し、撮影者が意志を入れたい場合には、同一のスイッチ(切替スイッチ31)を操作することによって、合焦ポイントや合焦制御を変更することができる。AFによる合焦ポイント表示等には合焦ポイントを変更し、AF動作に入る前のMFモード時にはフォーカシング回転環によるピントの制御を許可して、状況に応じて最適なピント合わせ切替えを迅速に行うことができる。
【0057】
尚、ここでは3点のマルチAFを想定して説明をしたが、AFポイント数が増加すればする程、本発明の効果は顕著なものとなる。
【0058】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0059】
図4は、第2の実施の形態に於けるカメラの撮影動作について説明するフローチャートである。
【0060】
この第2の実施の形態は、上述した第1の実施の形態に対し、最も近い距離を選択する方式に加え、画面内中央を優先する方式や高コントラストを優先する方式、更には、所定距離に近いものを選択する方式等を組み合わせて、より種々のシーンに対応できるマルチAF機能付きカメラを提供するものである。
【0061】
尚、本第2の実施の形態に於いて、上述した第1の実施の形態と異なるのは動作についてであり、カメラの構成については同じであるので説明は省略する。
【0062】
先ず、ステップS31にて、候補ポイントの選択方式として最も近い距離を優先する方式がセットされる。次いで、ステップS32に於いて、ファーストレリーズスイッチ25aの状態が検出される。ここで、ファーストレリーズスイッチ25aがオンされるとステップS36へ、オンされないとステップS33へ、それぞれ移行する。
【0063】
ステップS33にて、マニュアルフォーカス設定がオンされている場合は、ステップS34に移行して、フォーカシング回転環3の作動を検出するエンコーダ32が検出される。更に、ステップS35にて、検出された操作に基いたピント制御が行われた後、上記ステップS32に移行する。
【0064】
また、上記ステップS33にてマニュアルフォーカス設定がオンでなければ、上記ステップS32に移行する。
【0065】
一方、ステップS36にて、マニュアルフォーカス設定がオンされている場合はステップS40に移行し、オンされていない場合は、オートフォーカスモードとなってステップS37に移行する。
【0066】
ステップS37では、上述した第1の実施の形態と同様に、3点の焦点検出が行われる。そして、ステップS38にてそのポイントに対する表示が行われて、続くステップS39にて同ポイントにピント合わせが行われる。更に、ステップS40に於いて、セカンドレリーズスイッチ25bがオンされれば、ステップS53に移行してそのまま露出制御が行われて、撮影が終了する。
【0067】
上記ステップS40に於いて、セカンドレリーズスイッチ25bがオンされない場合は、ステップS41に移行してファーストレリーズスイッチ25aの状態が検出される。ここで、ファーストレリーズスイッチ25aもオフであれば上記ステップS32へ移行する。一方、ファーストレリーズスイッチ25aがオン状態であれば、ステップS42に移行してオートフォーカスモードであるか否かが判断される。
【0068】
ここで、ステップS42にてオートフォーカスモードではない場合はステップS43へ移行し、オートフォーカスモードの場合はステップS46へ移行する。
【0069】
オートフォーカスモードでない、つまりマニュアルモードである場合、ステップS43に於いて、操作スイッチ31が操作されたか否かが判断される。ここでは、上述した第1の実施の形態と同様に、切替スイッチ31は、マニュアルフォーカスからオートフォーカスへの切替え指示として機能する。
【0070】
マニュアルフォーカス設定が維持されている場合は、ステップS44にて、フォーカシング回転環3の作動を検出するエンコーダ32が検出される。続いて、ステップS45にて、検出された操作に基いたピント制御が行われる。その後、上記ステップS40に移行する。
【0071】
また、操作スイッチ31の操作によって、上記ステップS43にてマニュアルフォーカス設定がオフされた場合は、上記ステップS40に移行する。
【0072】
一方、上記ステップS42にてオートフォーカスモードである場合は、ステップS46に移行して、操作スイッチ31が操作されたか否かが判断される。その結果、操作スイッチ31が操作されていない場合は、上記ステップS40に移行する。
【0073】
ところで、オートフォーカス時にファーストレリーズスイッチ25aの操作によってピント合わせがなされた結果が撮影者の意図と異なる場合には、撮影者が切替スイッチ31を操作すればよい。この時、ステップS47以下の処理動作に於いてオートフォーカスポイントの優先方法を切替えてゆく。
【0074】
つまり、上記ステップS31でセットされた近距離優先の選択では、撮影者により、自身の思いどおりのピントの撮影ができないと判断してピントのマニュアル操作に切替える前に、選択方式を変えてみるために切替スイッチ31を操作すれば、ステップS47からステップS48へ移行して、選択方式が、近距離優先から中央の測距点重視の測距ポイント選択へ変更される。
【0075】
これによって、画面中央のものを候補ポイントにしての測距モードに切替わり、上述したように、上記ステップS38及びS39にて新しい候補ポイントの表示、ピント合わせが行われる。
【0076】
また、すでに中央選択がなされていたのに、切替スイッチ31が操作された時には、この方式もユーザは不満なので、ステップS49からステップS50に移行して、また異なった選択方式である高コントラストのものを優先したオートフォーカスポイント選択を行う。この方式が不満である時も、ユーザは切替スイッチ31を操作すればよく、この時はステップS51からステップS52に移行して、所定距離に近い距離を示すポイントを優先した測距ポイント選択を行う。
【0077】
このように選択方式を切替えて表示ピント合わせを繰り返していくので、基本は最も一般的な近距離優先の選択で高速のピント合わせを行いながら、ユーザは状況に応じて、自分の目的に最も近い選択方式を選んで撮影を継続することができる。
【0078】
撮影終了後、次の撮影に入っても、ステップS31は通らずに、候補ポイントの選択方式は記憶されているので、同様のシーンであれば、実績のある選択方式にて撮影を楽しむことができる。
【0079】
図5は、これらの各選択モードが有効なシーンの例を示した図である。
【0080】
図5(a)に示されるように、風景を前にした一般的な記念写真では、最も近い距離を優先すればよく、中央の1点しかピント合わせできないカメラに比べ、マルチAFによって構図に制御がなくなるというメリットがある。
【0081】
図5(b)に示されるようなシーンでは、比較的に遠距離の中央の人物が主被写体である。この場合、最近距離選択では、周辺の人物にピントが合ってしまい好ましくない。
【0082】
また、図5(c)に示されるような、スポットライトに照射された人物は、コントラストが高いので、コントラスト優先のポイント選択が好ましい。
【0083】
更に、図5(d)に示されるような、全体的にコントラストの低い風景のシーンでは、どこでも良いのでコントラストの高い部分で正しい測距がなされることが好ましい。コントラストが低いと、誤ったピント判断により、誤った距離が出力されてそれを選択してしまうことがある。高コントラスト優先では、そうした誤判断を避けて、正しいピント合わせが可能となる。
【0084】
また、図5(e)に示されるように、雑然としたシーンでは、所定の距離にいるものを優先したピント合わせが好ましいケースがある。
【0085】
このように、第2の実施の形態によれば、希望被写体がコントラストの順番や画面内の位置に関連して存在することが多いので、少ない切替回数で効率的に希望するポイント位置を探すことができる。
【0086】
また、選択ルールを変えるので、効率的に希望するポイント位置を探すことができる。
【0087】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、上述したシーンで続けて写真を撮りたい場合に、そのシーンに最も適切なピント合わせポイント選択がなされるので、撮影者の意図どおりのピント制御にて写真撮影が楽しめるカメラを提供することができる。
【0088】
尚、上述した実施の形態に於いては、合焦ポイントを切替える切替手段として、マニュアルフォーカススイッチを用いて説明したが、これに限られずに、フォーカスシング回転環を使用してもよい。これは、フォーカシング回転環は、AFモードでは、使用していない操作手段であるから、ポイント切替えの手段として利用できるからである。
【0089】
更に、上述した実施の形態に於いては、本発明をデジタルカメラに適用した例で説明しているが、これに限られるものではなく、例えば銀塩カメラや、デジタルムービ、カメラ付き携帯電話等への適用も可能である。
【0090】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、画面内のどこに被写体が存在しても、自動でピント合わせができる構成でありながら、主被写体位置の判断が誤った場合であっても、迅速に正しいポイントにピント合わせが可能な多点AF機能付のカメラ及び合焦装置の制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるカメラの構成を示すもので、(a)は内部の構成示すブロック図、(b)はカメラの外観を示した斜視図である。
【図2】(a)はオートフォーカス(AF)用の光学系の構成例を示した図、(b)は画面45内のピント合わせが可能な3ポイントの測距枠の表示例を示した図、(c)は(b)の3ポイントのうちピントが合った状態のポイントの測距枠の表示例を示した図である。
【図3】第1の実施の形態に於けるカメラの撮影動作について説明するフローチャートである。
【図4】第2の実施の形態に於けるカメラの撮影動作について説明するフローチャートである。
【図5】第2の実施の形態に於ける、各選択モードが有効なシーンの例を示した図である。
【符号の説明】
1 カメラ本体、
2 レンズ鏡胴部、
3 フォーカシング回転環、
11 ピント合わせレンズ、
12 メインミラー(クイックリターンミラー)、
13 フォーカシングスクリーン、
14 ペンタプリズム、
15 接眼レンズ、
19 AFセンサ、
20 A/D変換器、
22 ボディ用演算制御回路(BCPU)、
23 表示制御部(DISP)、
25 レリーズスイッチ、
25a ファーストレリーズスイッチ、
25b セカンドレリーズスイッチ、
26 撮像素子、
30 レンズ用演算制御回路(LCPU)、
31 切替スイッチ、
32、33 エンコーダ、
34 モータードライバ(MD)、
35 モータ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラの自動焦点調節(AF;オートフォーカス)の技術の改良に関し、より詳細には、画面内に複数の測距ポイントを有する、いわゆる多点(マルチ)AFの改良技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、画面中央だけでなく画面内に複数の測距ポイントを有すると、画面内の主被写体の位置に関わらず、ピント合わせができるというメリットがある代わりに、撮影者が意図しないものに誤ってピントが合ってしまうという副作用が発生することがあった。
【0003】
これを対策するために、例えば、米国特許第6,118,943号等では、手動スイッチによって測距ポイントを選択する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この米国特許第6,118,943号では、測距ポイントが増加すると操作性が悪くなってしまうものであった。
【0005】
また、近年、より細かいピント位置制御で写真撮影を楽しむ撮影者も増加している。これは、単に1つのポイントのピント合わせを自動化に任せるのではなく、複数の被写体のバランスを考えたり、故意にピントをはずす等、マニュアル動作してピント合わせをしながら撮影する状況が増えている。
【0006】
こうした構成のカメラでは、マニュアル操作用の特別な操作部材を有している場合も多く、こうした操作部材を有効に兼用することによって、操作の煩雑さを抑え、コストを抑えて付加価値の高い商品を提供することができる。
【0007】
したがって本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、マルチAFに於いて起こりがちな意図せぬ被写体へのピント合わせを迅速に解除して、撮影者が狙った被写体に対してより高速なピント制御を可能としたカメラ及び合焦装置の制御方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、画面内の複数ポイントに対応した測距ポイントを有するオートフォーカス手段を有するカメラに於いて、上記オートフォーカス手段は、上記複数ポイントのうち第1の候補ポイントを決定する第1決定手段と、上記複数ポイントのうち、上記第1の候補ポイントとは異なる第2の候補ポイントを決定する第2決定手段と、を有し、更に、撮影者の所定スイッチの操作を検出するスイッチ検出手段と、上記スイッチ検出手段の検出状態によって上記第1の候補ポイント若しくは第2の候補ポイントを選択切替えする選択手段と、を具備することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、複数の測距ポイントのうち、少なくとも1つの測距ポイントを所定のアルゴリズムで選択表示する選択表示制御手段を有する多点オートフォーカスカメラに於いて、マニュアルフォーカスモードを選択するスイッチと、上記選択表示制御手段の制御時には、上記スイッチの操作に従って上記選択表示ポイントを切替えるポイント切替制御手段と、を具備することを特徴とする。
【0010】
更に本発明は、合焦に係る指示を行う操作手段と、画面内の合焦ポイント位置に基いて合焦を行う自動合焦手段と、画面内の合焦ポイント位置を切替える切替手段と、上記操作手段の指示を上記切替手段への切替指示とするか、若しくは上記切替以外他の合焦に係る特定の動作指示とするかを制御する制御手段と、を具備することを特徴とする。
【0011】
本発明は、画面内に於ける自動合焦用の合焦ポイント位置の切替えが可能な合焦装置の制御方法に於いて、合焦に係る指示を行うための特定の操作手段による操作指示を、自動合焦開始後の所定期間内には上記合焦ポイント位置の切替指示であるよう制御し、上記所定期間外には当該合焦ポイント位置切替以外の他の合焦に係る特定の指示であるように制御することを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、画面内の複数ポイントに対応した測距ポイントを有するオートフォーカス手段を有するカメラに於いて、上記オートフォーカス手段の第1の決定手段により上記複数ポイントのうち第1の候補ポイントが決定され、第2決定手段によって上記複数ポイントのうち、上記第1の候補ポイントとは異なる第2の候補ポイントが決定される。また、スイッチ検出手段により撮影者の所定スイッチの操作が検出され、上記スイッチ検出手段の検出状態によって上記第1の候補ポイント若しくは第2の候補ポイントが選択手段によって選択切替えされる。
【0013】
また、本発明のカメラにあっては、複数の測距ポイントのうち、少なくとも1つの測距ポイントが、選択表示制御手段によって所定のアルゴリズムで選択表示される多点オートフォーカスカメラであって、マニュアルフォーカスモードを選択するスイッチを備えている。そして、上記選択表示制御手段の制御時には、ポイント切替制御手段により、上記スイッチの操作に従って上記選択表示ポイントが切替えられる。
【0014】
更に、本発明のカメラにあっては、操作手段によって合焦に係る指示が行われ、画面内の合焦ポイント位置に基いて、自動合焦手段により合焦が行われる。画面内の合焦ポイント位置は切替手段により切替えられ、上記操作手段の指示が上記切替手段への切替指示とされるか、若しくは上記切替以外他の合焦に係る特定の動作指示とされるかが、制御手段によって制御される。
【0015】
本発明の合焦装置の制御方法にあっては、画面内に於ける自動合焦用の合焦ポイント位置の切替えが可能である。そして、合焦に係る指示を行うための特定の操作手段による操作指示に於いて、自動合焦開始後の所定期間内には、上記合焦ポイント位置の切替指示であるよう制御される。また、上記所定期間外には、当該合焦ポイント位置切替以外の他の合焦に係る特定の指示であるように制御される。
【0016】
このように、測距ポイントが増加しても、カメラの自動ポイント選択の結果を有効利用するため、操作が煩雑になることはない。
【0017】
したがって、カメラが自動で選択したピント合わせポイントが意に添わずとも、ユーザは簡単な操作で他のポイントに対してピント合わせを行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
図1は、本発明の第1の実施の形態によるカメラの構成を示すもので、(a)は内部の構成示すブロック図、(b)はカメラの外観を示した斜視図である。
【0020】
本実施の形態のカメラは、カメラ本体1と、レンズ鏡胴部2の部分から成っている。そして、上記カメラ本体1にはレリーズ用のスイッチ25が設けられている。一方、レンズ鏡胴部2には、ピント合わせ用のフォーカシング回転環3が回動可能なように設けられている。更には、このフォーカシング回転環3に、切替スイッチ31が配置されている。切替スイッチ31は、通常はAF(オートフォーカス)モードとMF(マニュアルフォーカス)モードとを切替え、後述するようにAFモードでは候補ポイントを切替える。
【0021】
レンズ鏡胴部2内のピント合わせレンズ11を介して入射された撮影光束は、カメラ本体1内のメインミラー(クイックリターンミラー)12で反射された後、フォーカシングスクリーン13上に結像される。更に、このフォーカシングスクリーン13を通過した光束は、ペンタプリズム14、ファインダの接眼レンズ15を介して撮影者の眼に導かれる。
【0022】
上記メインミラー12は、その光の一部を透過可能なハーフミラーで構成されている。レンズ鏡胴部2より導かれた撮影光束の一部は、メインミラー12を透過して2つのミラー17及び18等の光学系によってAFセンサ19に導かれる。AFセンサ19に導かれた撮影光束はここで像信号に光電変換され、更にA/D変換器20によってデジタル信号に変換された後、ボディ用演算制御回路(BCPU)22に供給される。
【0023】
このBCPU22は、ワンチップマイクロコンピュータ等から成るもので、レンズ鏡胴部2内のレンズ用演算制御回路(LCPU)30と通信しながらピント合わせ制御を行うようになっている。また、BCPU22には、フォーカシングスクリーン13上にLCDやLED時によって合焦マークを表示させる表示制御部(DISP)23と、レリーズスイッチ25に対応したファーストレリーズスイッチ25a及びセカンドレリーズスイッチ25bと、レンズ用CPU(LCPU)30が接続されている。
【0024】
また、ピント合わせレンズ11を介して導かれる撮影光束は、撮影時にメインミラー12等が光路より退避されて、メインミラー12の後方(図1(a)に於いて右側)に配置された、エリアセンサ等の撮像素子26に導かれて結像される。上記メインミラー12等の光路よりの退避は、セカンドレリーズスイッチ25bのオンによって、図示されない機構により行われる。
【0025】
LCPU30には、切替スイッチ31と、フォーカシング回転環3の動きを検出するためのエンコーダ32と、ピント合わせレンズ11の動きを検出するためのエンコーダ33と、該ピント合わせレンズ11を移動させるためのレンズ駆動用のモータ35を駆動するモータードライバ(MD)34が接続されている。
【0026】
このように構成されたカメラに於いて、カメラ本体1のレリーズスイッチ25が操作されると、本体内部に設けられたピント検出手段であるエンコーダ33、モータドライバ34、モータ35によってピント合わせ位置が決定される。これに従って、レンズ鏡胴部2内のピント合わせレンズ3が制御されて、オートフォーカス機能が実現される。
【0027】
ここで、ユーザが手動でピント合わせを楽しみたい場合には、切替スイッチ31が押下されればAF機能が解除され、フォーカシング回転環3の操作に応じてこの方向や回転量が検出されて、上記撮ピント合わせレンズ11を制御することができるようになる。
【0028】
つまり、カメラ本体1内では、ピント合わせレンズ11を介して得られた像信号が、メインミラー12や2つのミラー17、18等の光学系によってAFセンサ19に導かれ、A/D変換器20によってデジタル信号となる。したがって、BCPU22は、これを用いてピント合わせレンズ11の合焦位置を算出し、その結果をLCPU30に伝える。
【0029】
LCPU30は、レンズの有する部品誤差等を考慮して補正する形で、モータードライバ34を介してレンズ駆動用のモータ35を制御する。ピント合わせレンズ11が動くと、その動きはエンコーダ33によって検出され、その位置がLCPU30によってフィードバック制御される。
【0030】
また、切替スイッチ31が操作された場合には、LCPU30はこれを検出し、上述したように、BCPU22からのAF信号にかかわらず、操作されたフォーカシング回転環3の動きを検出するエンコーダ32によって検出し、これに従ったピント合わせレンズ11の制御を行う。このとき、撮影者は、ファインダ接眼レンズ15を覗いて、ペンタプリズ14を介してメインミラー12によってフォーカシングスクリーン13に結像された被写体像を見ながらピント合わせを行うようにする。
【0031】
オートフォーカス(AF)用の光学系は、図2(a)に示されるような構成となっている。
【0032】
ピント合わせレンズ11を通った光は、その一部がハーフミラーで像を透過するメインミラー12及びサブミラー17を介して、画面内のピント合わせ位置を決める視野マスク40に導かれる。こうして、画面内の所定ポイントの光がコンデンサレンズ41及び折り返しミラー18を介して、再結像レンズ42に導かれる。この再結像レンズ42によって、AFセンサ19の受光面19a上に所定の視差を持って得られた一対の被写体像が結像し、その位置関係が所定の関係になった時、ピント合わせレンズ11が合焦状態となるので、BCPU22は、この一対の被写体像の一致度を調べて位置差を検出する。
【0033】
視野マスク40から分割され、対応してセンサが設けられていることから明らかなように、図2(b)に示されるように、画面45内の46L、46C、46Rで表される3ポイントのピント合わせが可能である。ポイント46Lにピント合わせする時には、図2(c)に示されるように、上述した表示制御によってその位置の測距枠のみを表示するようにすれば、撮影者はどこにピントが合ったかをすぐに判定することができる。
【0034】
次に、このような構成のカメラの撮影動作について説明する。このフローチャートは、BCPU22が制御するものであるが、時にLCPU30が直接的な制御を行う部分も記述したものとなっている。
【0035】
このカメラは、レリーズ釦の押し込み時に、半押し状態でオンするファーストレリーズスイッチ25aと、押し込み状態でオンするセカンドレリーズスイッチ25bを有しており、ファーストレリーズスイッチ25aのオンによってオートフォーカスの動作が行われることを前提とした構成となっている。そして、その結果を、撮影者はファインダ内で確認し、適切な場合はレリーズボタンを押し込んで撮影が行われるようになっている。
【0036】
ファーストレリーズスイッチ25aのオン時に、AFセンサ19によるピント位置検出、ピント合わせ用のレンズドライブ制御がなされるので、ファインダ内で正しくピントが合っているか否かを確認することができる。また、上述した表示制御によって、どのポイントがピント合わせされたかが、即座に判断可能となっている。
【0037】
上述した3つのポイントの何れのポイントを優先するかについては、古くから、種々の方法が検討されており、最もカメラから近いものにピント合わせする方法が一般的となっている。
【0038】
しかし、この方法では、例えば、図2(b)に示されるような構図で、ポイント46Rの位置に後ろ向きの人物が入ってしまった場合、ポイント46Lの位置の主被写体にはピントが合わないという副作用があった。このような状況を想定し、速やかにポイント46Lの位置の人物にピントを合わせるようにした動作が、図3のフローチャートに示される。一言でいえば、最も近い距離の次の距離の被写体を第2候補として選択しておき、切替スイッチ31が操作されると、この第2候補を選択するようにするものである。
【0039】
以下、図3のフローチャートを参照して、第1の実施の形態に於けるカメラの撮影動作について説明する。
【0040】
先ず、ステップS1に於いてファーストレリーズスイッチ(1RSW)25aの状態が検出される。ここで、ファーストレリーズスイッチ25aがオンされていない場合はステップS2へ、オンされている場合はステップS6へ、それぞれ移行して、マニュアルフォーカス設定(MF設定)の状態が検出される。このマニュアルフォーカス設定のオン/オフは、フォーカシング回転環3に設けられた切替スイッチ31の状態によって検出される。
【0041】
ステップS2にて、マニュアルフォーカス設定がオンされている場合は、ステップS3〜S5のマニュアルフォーカスモードの操作が実行される。すなわち、マニュアルフォーカスは、上述したように、撮影者がレンズ鏡胴部2に設けられたフォーカシング回転環3を回して操作するものである。したがって、切替スイッチ31が押されていれば、LCPU30によってこれが検出され、BCPU22に対して通信が行われて、ステップS3のオートフォーカス動作の禁止が実行される。
【0042】
次いで、ステップS4にて、フォーカシング回転環3の作動を検出するエンコーダ32が検出される。更に、ステップS5では、検出された操作に基いたピント制御が行われる。その後、上記ステップS1に移行する。
【0043】
また、上記ステップS2にてマニュアルフォーカス設定がオンでなければ、上記ステップS1に移行する。
【0044】
一方、ステップS6にて、マニュアルフォーカス設定がオンされている場合はステップS12に移行し、オンされていない場合は、オートフォーカスモードとなってステップS7に移行する。
【0045】
このステップS7では、3点のピント検出動作が行われる。このピント検出動作によって、3ポイントの被写体の遠近関係がわかる。したがって、続くステップS8及びS9では、最も近い距離を示すポイントを第1候補、次に近い距離を示すポイントを第2候補として順番付けが行われる。次いで、ステップS10及びS11にて、上記第1候補に対するフォーカシングスクリーン13上のポイント表示及びピント合わせが行われる。
【0046】
図2(b)に示される画面に於いて、ポイント46Rからポイント46Lの位置の被写体にピント合わせを行いたい場合に、従来のカメラではマニュアルフォーカスに切替えるしか方法がなかった。しかしながら、本実施の形態に於いては、図2(b)に示されるようなシーンでは、先ず、ポイント46Rが第1候補、次いでポイント46Lが第2候補となり、46Rの枠表示が点灯し、この位置の被写体がピント合わせされてファインダ内ではっきりと見えるようになる。ユーザはこれを見て、ピント合わせOKと思う時は、更にレリーズ釦を押し下げて、撮影に入ればよい。
【0047】
また、上記ステップS12に於けるセカンドレリーズスイッチ25bの状態検出にて、オンであれば、ステップS22に移行して第1候補にピントのあった露出制御が行われる。
【0048】
上記ステップS12に於いて、セカンドレリーズスイッチ25bがオンでなければ、ステップS13に移行して、ファーストレリーズスイッチ25aの状態検出が行われる。そして、ファーストレリーズスイッチ25aがオンでなければ本ルーチンが終了し、オンされていればステップS14に移行する。
【0049】
このステップS14では、オートフォーカスモードであるか否か、状態の判断が行われる。その結果、オートフォーカスモードの場合はステップS15へ移行し、オートフォーカスモードでない場合はステップS18へ移行する。
【0050】
オートフォーカスモードであった場合、ステップS15にて切替スイッチ31が操作されたか否かが判断される。ここでは、切替スイッチ31はポイントの切替え指示として機能する。すなわち、切替スイッチ31が操作されている場合は、ステップS16へ移行して次候補のポイントがフォーカシングスクリーン13上に表示される。次いで、ステップS17にて、上記次候補のポイントに対してピント合わせが行われる。その後、上記ステップS12へ移行する。
【0051】
一方、上記ステップS15にて操作スイッチ31が操作されていない場合は、ステップS16、S17をスキップして上記ステップS12へ移行する。
【0052】
また、オートフォーカスモードでない、つまりマニュアルモードである場合、ステップS18にて、切替スイッチ31が操作されたか否かが判断される。ここでは、切替スイッチ31は、マニュアルフォーカスからオートフォーカスへの切替え指示として機能する。これは、ファーストレリーズスイッチ25aがオンされた後は、マニュアルフォーカスモードであっても、切替スイッチ31が操作されると、オートフォーカスモードへの切替えとして機能するからである。
【0053】
マニュアルフォーカス設定がオンに維持されている場合は、ステップS19に移行してオートフォーカス動作の禁止が実行される。次いで、ステップS20にて、フォーカシング回転環3の作動を検出するエンコーダ32が検出され、ステップS21にて、検出された操作に基いたピント制御が行われる。その後、上記ステップS12に移行する。このように、上記ステップS3〜S5と同様、撮影者が操作するフォーカシング回転環3に基いてレンズ制御が行われる。
【0054】
また、上記ステップS18にてマニュアルフォーカス設定がオフされた場合は、オートフォーカスモードになって上記ステップS12に移行する。
【0055】
第1の実施の形態によれば、希望被写体が被写体距離の順番に関連して存在することが多いので、少ない切替回数で効率的に希望するポイント位置を探すことができる。
【0056】
このように、第1の実施の形態によれば、自動で合焦するオートフォーカス制御に対し、撮影者が意志を入れたい場合には、同一のスイッチ(切替スイッチ31)を操作することによって、合焦ポイントや合焦制御を変更することができる。AFによる合焦ポイント表示等には合焦ポイントを変更し、AF動作に入る前のMFモード時にはフォーカシング回転環によるピントの制御を許可して、状況に応じて最適なピント合わせ切替えを迅速に行うことができる。
【0057】
尚、ここでは3点のマルチAFを想定して説明をしたが、AFポイント数が増加すればする程、本発明の効果は顕著なものとなる。
【0058】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0059】
図4は、第2の実施の形態に於けるカメラの撮影動作について説明するフローチャートである。
【0060】
この第2の実施の形態は、上述した第1の実施の形態に対し、最も近い距離を選択する方式に加え、画面内中央を優先する方式や高コントラストを優先する方式、更には、所定距離に近いものを選択する方式等を組み合わせて、より種々のシーンに対応できるマルチAF機能付きカメラを提供するものである。
【0061】
尚、本第2の実施の形態に於いて、上述した第1の実施の形態と異なるのは動作についてであり、カメラの構成については同じであるので説明は省略する。
【0062】
先ず、ステップS31にて、候補ポイントの選択方式として最も近い距離を優先する方式がセットされる。次いで、ステップS32に於いて、ファーストレリーズスイッチ25aの状態が検出される。ここで、ファーストレリーズスイッチ25aがオンされるとステップS36へ、オンされないとステップS33へ、それぞれ移行する。
【0063】
ステップS33にて、マニュアルフォーカス設定がオンされている場合は、ステップS34に移行して、フォーカシング回転環3の作動を検出するエンコーダ32が検出される。更に、ステップS35にて、検出された操作に基いたピント制御が行われた後、上記ステップS32に移行する。
【0064】
また、上記ステップS33にてマニュアルフォーカス設定がオンでなければ、上記ステップS32に移行する。
【0065】
一方、ステップS36にて、マニュアルフォーカス設定がオンされている場合はステップS40に移行し、オンされていない場合は、オートフォーカスモードとなってステップS37に移行する。
【0066】
ステップS37では、上述した第1の実施の形態と同様に、3点の焦点検出が行われる。そして、ステップS38にてそのポイントに対する表示が行われて、続くステップS39にて同ポイントにピント合わせが行われる。更に、ステップS40に於いて、セカンドレリーズスイッチ25bがオンされれば、ステップS53に移行してそのまま露出制御が行われて、撮影が終了する。
【0067】
上記ステップS40に於いて、セカンドレリーズスイッチ25bがオンされない場合は、ステップS41に移行してファーストレリーズスイッチ25aの状態が検出される。ここで、ファーストレリーズスイッチ25aもオフであれば上記ステップS32へ移行する。一方、ファーストレリーズスイッチ25aがオン状態であれば、ステップS42に移行してオートフォーカスモードであるか否かが判断される。
【0068】
ここで、ステップS42にてオートフォーカスモードではない場合はステップS43へ移行し、オートフォーカスモードの場合はステップS46へ移行する。
【0069】
オートフォーカスモードでない、つまりマニュアルモードである場合、ステップS43に於いて、操作スイッチ31が操作されたか否かが判断される。ここでは、上述した第1の実施の形態と同様に、切替スイッチ31は、マニュアルフォーカスからオートフォーカスへの切替え指示として機能する。
【0070】
マニュアルフォーカス設定が維持されている場合は、ステップS44にて、フォーカシング回転環3の作動を検出するエンコーダ32が検出される。続いて、ステップS45にて、検出された操作に基いたピント制御が行われる。その後、上記ステップS40に移行する。
【0071】
また、操作スイッチ31の操作によって、上記ステップS43にてマニュアルフォーカス設定がオフされた場合は、上記ステップS40に移行する。
【0072】
一方、上記ステップS42にてオートフォーカスモードである場合は、ステップS46に移行して、操作スイッチ31が操作されたか否かが判断される。その結果、操作スイッチ31が操作されていない場合は、上記ステップS40に移行する。
【0073】
ところで、オートフォーカス時にファーストレリーズスイッチ25aの操作によってピント合わせがなされた結果が撮影者の意図と異なる場合には、撮影者が切替スイッチ31を操作すればよい。この時、ステップS47以下の処理動作に於いてオートフォーカスポイントの優先方法を切替えてゆく。
【0074】
つまり、上記ステップS31でセットされた近距離優先の選択では、撮影者により、自身の思いどおりのピントの撮影ができないと判断してピントのマニュアル操作に切替える前に、選択方式を変えてみるために切替スイッチ31を操作すれば、ステップS47からステップS48へ移行して、選択方式が、近距離優先から中央の測距点重視の測距ポイント選択へ変更される。
【0075】
これによって、画面中央のものを候補ポイントにしての測距モードに切替わり、上述したように、上記ステップS38及びS39にて新しい候補ポイントの表示、ピント合わせが行われる。
【0076】
また、すでに中央選択がなされていたのに、切替スイッチ31が操作された時には、この方式もユーザは不満なので、ステップS49からステップS50に移行して、また異なった選択方式である高コントラストのものを優先したオートフォーカスポイント選択を行う。この方式が不満である時も、ユーザは切替スイッチ31を操作すればよく、この時はステップS51からステップS52に移行して、所定距離に近い距離を示すポイントを優先した測距ポイント選択を行う。
【0077】
このように選択方式を切替えて表示ピント合わせを繰り返していくので、基本は最も一般的な近距離優先の選択で高速のピント合わせを行いながら、ユーザは状況に応じて、自分の目的に最も近い選択方式を選んで撮影を継続することができる。
【0078】
撮影終了後、次の撮影に入っても、ステップS31は通らずに、候補ポイントの選択方式は記憶されているので、同様のシーンであれば、実績のある選択方式にて撮影を楽しむことができる。
【0079】
図5は、これらの各選択モードが有効なシーンの例を示した図である。
【0080】
図5(a)に示されるように、風景を前にした一般的な記念写真では、最も近い距離を優先すればよく、中央の1点しかピント合わせできないカメラに比べ、マルチAFによって構図に制御がなくなるというメリットがある。
【0081】
図5(b)に示されるようなシーンでは、比較的に遠距離の中央の人物が主被写体である。この場合、最近距離選択では、周辺の人物にピントが合ってしまい好ましくない。
【0082】
また、図5(c)に示されるような、スポットライトに照射された人物は、コントラストが高いので、コントラスト優先のポイント選択が好ましい。
【0083】
更に、図5(d)に示されるような、全体的にコントラストの低い風景のシーンでは、どこでも良いのでコントラストの高い部分で正しい測距がなされることが好ましい。コントラストが低いと、誤ったピント判断により、誤った距離が出力されてそれを選択してしまうことがある。高コントラスト優先では、そうした誤判断を避けて、正しいピント合わせが可能となる。
【0084】
また、図5(e)に示されるように、雑然としたシーンでは、所定の距離にいるものを優先したピント合わせが好ましいケースがある。
【0085】
このように、第2の実施の形態によれば、希望被写体がコントラストの順番や画面内の位置に関連して存在することが多いので、少ない切替回数で効率的に希望するポイント位置を探すことができる。
【0086】
また、選択ルールを変えるので、効率的に希望するポイント位置を探すことができる。
【0087】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、上述したシーンで続けて写真を撮りたい場合に、そのシーンに最も適切なピント合わせポイント選択がなされるので、撮影者の意図どおりのピント制御にて写真撮影が楽しめるカメラを提供することができる。
【0088】
尚、上述した実施の形態に於いては、合焦ポイントを切替える切替手段として、マニュアルフォーカススイッチを用いて説明したが、これに限られずに、フォーカスシング回転環を使用してもよい。これは、フォーカシング回転環は、AFモードでは、使用していない操作手段であるから、ポイント切替えの手段として利用できるからである。
【0089】
更に、上述した実施の形態に於いては、本発明をデジタルカメラに適用した例で説明しているが、これに限られるものではなく、例えば銀塩カメラや、デジタルムービ、カメラ付き携帯電話等への適用も可能である。
【0090】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、画面内のどこに被写体が存在しても、自動でピント合わせができる構成でありながら、主被写体位置の判断が誤った場合であっても、迅速に正しいポイントにピント合わせが可能な多点AF機能付のカメラ及び合焦装置の制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるカメラの構成を示すもので、(a)は内部の構成示すブロック図、(b)はカメラの外観を示した斜視図である。
【図2】(a)はオートフォーカス(AF)用の光学系の構成例を示した図、(b)は画面45内のピント合わせが可能な3ポイントの測距枠の表示例を示した図、(c)は(b)の3ポイントのうちピントが合った状態のポイントの測距枠の表示例を示した図である。
【図3】第1の実施の形態に於けるカメラの撮影動作について説明するフローチャートである。
【図4】第2の実施の形態に於けるカメラの撮影動作について説明するフローチャートである。
【図5】第2の実施の形態に於ける、各選択モードが有効なシーンの例を示した図である。
【符号の説明】
1 カメラ本体、
2 レンズ鏡胴部、
3 フォーカシング回転環、
11 ピント合わせレンズ、
12 メインミラー(クイックリターンミラー)、
13 フォーカシングスクリーン、
14 ペンタプリズム、
15 接眼レンズ、
19 AFセンサ、
20 A/D変換器、
22 ボディ用演算制御回路(BCPU)、
23 表示制御部(DISP)、
25 レリーズスイッチ、
25a ファーストレリーズスイッチ、
25b セカンドレリーズスイッチ、
26 撮像素子、
30 レンズ用演算制御回路(LCPU)、
31 切替スイッチ、
32、33 エンコーダ、
34 モータードライバ(MD)、
35 モータ。
Claims (19)
- 画面内の複数ポイントに対応した測距ポイントを有するオートフォーカス手段を有するカメラに於いて、
上記オートフォーカス手段は、上記複数ポイントのうち第1の候補ポイントを決定する第1決定手段と、上記複数ポイントのうち、上記第1の候補ポイントとは異なる第2の候補ポイントを決定する第2決定手段と、を有し、
更に、撮影者の所定スイッチの操作を検出するスイッチ検出手段と、
上記スイッチ検出手段の検出状態によって上記第1の候補ポイント若しくは第2の候補ポイントを選択切替えする選択手段と、
を具備することを特徴とするカメラ。 - 上記選択手段は、上記スイッチ検出手段がスイッチの操作を検出していない時には上記第1の候補ポイントを、上記スイッチ手段がスイッチの操作を検出した時には上記第2の候補ポイントを選択することを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
- 上記第1決定手段、第2決定手段は、各々距離の近い順番、所定距離に近い順番、画面中心に近い順番、若しくはコントラストの高い順番の、何れかの順番に応じて候補ポイントを決定することを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
- 上記第1決定手段は、上記第1の候補ポイントとして最も近距離を示す測距ポイントを決定し、上記第2決定手段は、上記第2の候補ポイントとして、2番目に近距離を示すポイントを決定することを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
- 更に、上記複数の候補ポイントの画面での対応する位置を表示する表示手段を具備し、
上記選択手段は、上記表示手段の表示動作中に、上記スイッチ検出がなされた時に、ポイント切替動作を行うことを特徴とする請求項1に記載のカメラ。 - 上記所定スイッチは、撮影レンズに設けられ、オートフォーカスとマニュアルフォーカスを切替える切替スイッチであることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
- 複数の測距ポイントのうち、少なくとも1つの測距ポイントを所定のアルゴリズムで選択表示する選択表示制御手段を有する多点オートフォーカスカメラに於いて、
マニュアルフォーカスモードを選択するスイッチと、
上記選択表示制御手段の制御時には、上記スイッチの操作に従って上記選択表示ポイントを切替えるポイント切替制御手段と、
を具備することを特徴とするカメラ。 - 合焦に係る指示を行う操作手段と、
画面内の合焦ポイント位置に基いて合焦を行う自動合焦手段と、
画面内の合焦ポイント位置を切替える切替手段と、
上記操作手段の指示を上記切替手段への切替指示とするか、若しくは上記切替以外他の合焦に係る特定の動作指示とするかを制御する制御手段と、
を具備することを特徴とするカメラ。 - 上記切替手段は、所定のルールに従って上記合焦ポイント位置の切替えを行うことを特徴とする請求項8記載に記載のカメラ。
- 上記所定のルールは、各合焦ポイント位置に於ける被写体距離に基き、被写体距離の順番に従って上記合焦ポイント位置を切替えていくルールであることを特徴とする請求項9に記載のカメラ。
- 上記所定のルールは、各合焦ポイント位置に於けるコントラスト値の順番に従って上記合焦ポイント位置を切替えていくルールであることを特徴とする請求項9に記載のカメラ。
- 上記所定のルールは、予め定められた上記合焦ポイント位置の切替順番に従って上記合焦ポイント位置を切替えていくルールであることを特徴とする請求項9に記載のカメラ。
- 上記所定のルールは、複数の合焦ポイント位置から1の合焦ポイント位置を選択するための条件を順番に変更して、変更された選択条件で選択された1の合焦ポイント位置を切替えていくようなルールであることを特徴とする請求項9に記載のカメラ。
- 上記条件として、各合焦ポイント位置に於ける被写体距離に応じて選択する条件、各合焦ポイント位置に於ける被写体のコントラストに応じて選択する条件、予め定められた上記合焦ポイント位置の切替順番に応じて選択する条件、の中の少なくとも2つの条件が用意されていることを特徴とする請求項13に記載のカメラ。
- 上記自動合焦手段は、上記操作手段によって動作指示時による最初に適用される条件として、上記条件の中の直近の撮影に使用された条件を適用することを特徴とする請求項13、14に記載のカメラ。
- 上記特定の動作指示は、手動合焦モードと自動合焦モードとの切替指示であることを特徴とする請求項8乃至15の何れかに記載のカメラ。
- 上記特定の動作指示は、合焦用レンズへの移動指示であることを特徴とする請求項8乃至15に記載のカメラ。
- 上記制御手段は、上記自動合焦手段の動作が開始された後は、上記操作手段の指示を上記切替手段への切替指示とすることを特徴とする請求項8乃至16に記載のカメラ。
- 画面内に於ける自動合焦用の合焦ポイント位置の切替えが可能な合焦装置の制御方法に於いて、
合焦に係る指示を行うための特定の操作手段による操作指示を、自動合焦開始後の所定期間内には上記合焦ポイント位置の切替指示であるよう制御し、上記所定期間外には当該合焦ポイント位置切替以外の他の合焦に係る特定の指示であるように制御することを特徴とする合焦装置の制御方法。
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