JP2004053439A - スリット検査装置 - Google Patents

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Tatsuya Hattori
服部 達也
Hajime Seto
瀬戸 肇
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Abstract

【課題】品質を損なうことなく、スリットの広間隔不良と狭間隔不良のそれぞれを検出することができるスリット検査装置を提供すること。
【解決手段】スリット検査装置は、ベース21と、このベース21と上下方向へ相対変位可能な検出ピン25を備えている。ベース21が検査ポジションとされると、検出ピン25の検出端部25cがワークDに設けられたスリットへ上方から導入され、スリットの基準位置で下方への移動を規制される。そのため、検出ピン25は、ベース21に対する上方へ相対的に移動して、その上端部がレバー24を押し上げ、レバー24の前端部が揺動される。このレバー24の前端部の揺動を光電センサ29によって検出することにより、スリットの良否判定を行なう。
【選択図】   図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スリットの開き間隔を検査するためのスリット検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にワイヤーハーネスは、複数の被覆電線によって所定の回路網が形成された電気配線システムである。この種のワイヤーハーネスには、その回路へ過電流が流れた際に当該回路を遮断するためのフューズがフューズボックスやフューズケース等の電気接続箱を介して複数接続されている。
【0003】
図11は、電気接続箱2の一部を省略して示す斜視図である。
【0004】
図11を参照して、フューズ1は、一対の板状端子1aを備えている。これらの板状端子1aは、加熱によって溶断される溶断部(図示無し)によって電気的に連結されており、この溶断部が樹脂ケース1bに内包されている。上記各板状端子1aの先端には、それぞれ先窄まりのテーパー部1cが設けられている。フューズ1は、これらのテーパー部1c側から電気接続箱2へ挿入される。
【0005】
上記電機接続箱2内には、予め設定された回路を構成するバスバー4が設けられている(図では、その一端部のみを記している)。このバスバー4は、導電性を有する金属板であり、その一端部が折り返されることによって、一対の接続タブ4aが形成されている。これらの接続タブ4aには、それぞれ中継端子3が電気的に接続されている。この中継端子3は、導電性金属板で形成されている。中継端子3の基端部には、その両端部が内側へ折り返されることによって挟圧部3aが形成されている。この挟圧部3aは、その折り返された金属板の間に上記接続タブ4aを所定の接圧力をもって挟圧固定するようになっており、この挟圧固定によって、中継端子3が上記バスバー4へ電気的に接続された状態で固定されるようになっている。
【0006】
一方、上記中継端子3の先端部には、上記板状端子1aを挟持して固定するためのスリット3bが設けられている。このスリット3bは、互いに対向する金属板が内側に折り返されることによって形成され、当該各金属板の間隔が上記板状端子1aの挿入方向へ向けて次第に狭くなるように形成された溝である。このようなスリット3b内に上記板状端子1aが挿入されることにより、各板状端子1aは、その板厚方向に所定の接圧力で挟持されて固定されるとともに、圧着端子3と電気的に接続されるようになっている。
【0007】
以上のように板状端子1aが挿入されるスリット3bには、何らかの理由により各金属板が正規の間隔よりも広く開いてしまった不良品(以下広間隔不良品という)がある。このようなスリット3bへ板状端子1aが挿入されると、当該板状端子1aは、スリット3bによる有効な接圧力を得ることができないため、不安定な挟圧状態となり、当該スリット3bとの電気的な接続状態が維持できないという不具合があった。
【0008】
この不具合を未然に防止するために、従来では、特開平8−22882号公報に記されるようなコンタクトプローブを使用して、上記挿入作業前に上記スリット3bの間隔を検査するようにしていた。上記コンタクトプローブは、スリット3bへ挿入される接触ピンと、この接触ピンの基端部を相対変位可能に収容するケーシングを備えている。上記接触ピンとケーシングとの間には、ばねが縮設され、このばねによって当該接触ピンは、その先端部がケーシングに収容される方向へ付勢されるとともに、その基端部が当該方向の所定位置でケーシングに位置決めされている。また、上記ケーシングには、接触ピンが上記変位方向でばねを縮める方向に移動した場合(すなわち、接触ピンの先端部がケーシングから離間する方向に移動した場合)に、起動されるスイッチ部が設けられている。
【0009】
このようなコンタクトプローブの接触ピンの先端部を正規の間隔に形成されたスリット3bへ挿入すると、当該スリット3bの接圧力によって接触ピンが挟持される。この状態で上記コンタクトプローブをスリット3bから離間する方向へ移動すると、スリット3bの接圧力によって接触ピンの先端部が当該スリット3bへ挟持されているため、ケーシングのみがスリット3bから離間し、その結果上記ばねが縮められる。このように、接触ピンの先端部がケーシングから離間する方向へ相対変位すると、上記スイッチ部が起動され、この起動によって当該スリットが良品であることを検出する。
【0010】
一方、上記接触ピンの先端部を上述のような広間隔不良品のスリット3bへ挿入すると、当該接触ピンは、スリット3bによりばねを縮めるだけの有効な接圧力が得られないため、コンタクトプローブをスリット3bから離間させる際に、ケーシングと共に移動してしまう。そのため、上記スイッチ部が起動することがない。
【0011】
以上のように、コンタクトプローブは、検査対象となるスリット3bが適切な間隔で形成されている場合には、ばねを縮める方向へ接触ピンとケーシングが相対変位するため、スイッチ部が起動し、スイッチ部の起動によって当該スリット3bが良品であることが検出されるようになっている。一方、コンタクトプローブは、検査対象となるスリット3bが広間隔不良である場合には、当該スリット3bの接圧力がばねを縮めるに至らないため、スイッチ部が非起動状態に保持されることによって、当該スリット3bが不良品であることが検出されるようになっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記コンタクトプローブを利用して中継端子3のスリット3bを検査する場合、上述のようにスリット3bの広間隔不良品を検出できるという利点を有する一方、以下の理由により、当該検査によって、中継端子3の品質を低下させるおそれがあった。
【0013】
すなわち、従来の検査では、接触ピンを一旦スリット3bにおける板状端子1aの装着位置(深さ位置)まで挿入しなければならないため、当該接触ピンを強い力でスリット3bへ挿入していた。このように接触ピンが強い力で挿入されると、検査前に正規の間隔で形成されたスリット3bであっても、例えば、接触ピンが当該スリット3bへ位置ずれした状態で挿入された場合、上記各金属板が折り曲げられてスリット3bが必要以上に押し広げられてしまう。そのため、当該検査によってスリット3bの間隔が広がってしまい、中継端子3の品質が低下してしまうおそれがあった。
【0014】
また、スリット3bには、何らかの理由により各金属板が正規の間隔よりも狭くなってしまった不良品(以下狭間隔不良品という)がある。
【0015】
このような狭間隔不良品の端子を上述のコンタクトプローブを使用して検査する場合でも、上述のように接触ピンはスリット3bへ強い力で挿入されていた。そのため、接触ピンは、当該スリットへ無理に挿入され、当該スリットの強力な接圧力によって挟持される。この状態でコンタクトプローブをスリット3bから離間する方向へ移動させると、ケーシングのみがスリット3bから離間して、その結果スイッチ部が起動してしまう。すなわち、従来のコンタクトプローブによる検査では、狭間隔不良品を良品と誤認してしまうおそれがあった。
【0016】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、品質を損なうことなく、スリットの広間隔不良と狭間隔不良のそれぞれを検出することができるスリット検査装置を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、板状端子を挿入するために被装着部に設けられ、当該板状端子の挿入方向へ向けて徐々に狭くなるように一対の傾斜部が配置されることで構成されたスリットの開き間隔を検査するためのスリット検査装置であって、
良品の被装着部における各傾斜部の基準間隔に対応した厚みで形成されるとともに、スリットへ導入される検出端部を一端部に有する検出ピンと、
この検出ピンをその長手方向へ相対変位可能に保持するベースと、
このベースに設けられ、上記検出ピンの他端部と当接可能に配置されたレバーと、
このレバーを揺動可能に支持して、上記検出ピンとレバーとの当接によって、レバーを揺動するようにベースに設けられたレバー軸と、
上記検出端部をスリットへ導入可能な状態で被装着部を保持する保持部と、
上記ベースを駆動することにより検出端部をスリットへ導入させた検査ポジションと、被装着部から離間させた離間ポジションとの間で変位させる駆動手段と、
ベースが離間ポジションから検査ポジションへ駆動される過程において、検出端部のスリットに対する導入深さに応じて変化するレバーの駆動位置を検出する検出部と、
この検出部の検出結果に基づいて、スリットの開き間隔の良否判定を行なう判定部とを備え、
上記駆動手段により検査ポジションまで駆動されたベースに、上記検出端部を良品の被装着部の基準間隔に対する導入深さ位置において両傾斜部へ当接させるのに必要な保持力で検出ピンを保持させたことを特徴とするスリット検査装置である。
【0018】
この発明によれば、検出ピンの検出端部は、その厚みが良品の被装着部における各傾斜部の基準間隔に対応して形成されている。ここで、「基準間隔」とは、最小でも正規の間隔で形成されたスリットにおける各傾斜部の最も狭い間隔であり、これより若干広い間隔が好ましく、検出端部は、これらの間隔の両傾斜部へそれぞれ当接可能な寸法で形成されている。このように形成された検出ピンは、スリットの基準間隔に対する導入深さ位置において両傾斜部へ当接するのに必要な保持力でベースへ相対変位可能に保持されている。
【0019】
正規の間隔で開いたスリットへ導入された検出端部は、検査ポジションへ駆動される過程において、スリットの「基準間隔」に対応した導入深さ位置において両傾斜部へ当接することでその移動が規制され、ベースに対して相対的に移動する。すなわち、検出ピンの移動が規制されつつ、駆動手段によってベースがスリットに近接する方向に駆動されるため、当該導入深さで移動を規制された検出ピンに対してベースが相対的に移動する。ベースに対して相対的に移動した検出ピンの他端部は、当該ベースに設けられたレバーと当接することにより、レバー軸を中心としてレバーを揺動変位させる。
【0020】
ベースが離間ポジションから検査ポジションへ駆動される過程において、レバーの揺動位置が検出部によって検出され、この揺動位置に基づいて判定部がスリットの開き間隔の良否判定をおこなう。上述のように、正規の間隔で開いたスリットの場合には、検出端部の移動が基準間隔に対応した導入深さ(以下正規の導入深さという)で規制されているため、この検出ピンの位置に応じて、レバーが揺動変位されることとなる。
【0021】
一方、上述のような狭間隔不良のスリットへ検出端部を導入した場合には、当該スリットの基準間隔に対応する導入深さが「正規の導入深さ」よりも手前(浅い位置)に位置するため、当該「正規の導入深さ」より手前でその移動を規制され、検出ピンとベースの相対変位の移動距離が大きくなる。そのため、正規の間隔で開いたスリットよりも大きくレバーを揺動変位させる。
【0022】
さらに、上述した広間隔不良のスリットへ検出端部を導入した場合には、当該スリットの基準間隔に対応する導入深さが「正規の導入深さ」よりも深い位置となるため、当該検出端部が「正規の導入深さ」を超えてさらにスリットへ挿入され、検出ピンとベースの相対変位の移動距離が小さくなる。そのため、当該検出ピンは、正規の間隔で開いたスリットへ導入された検出ピンよりも小さくレバーを揺動変位させる。このように、検出ピンのスリットに対する導入深さに応じたレバーの揺動位置に基づいて、スリットの良否判定を行なうようになっている。
【0023】
以上のように、本発明のスリット検査装置は、検出端部が適正間隔のスリットを構成する各傾斜部の基準間隔に対応して形成されるとともに、検出ピンが基準間隔に対する導入深さにおいて両傾斜部へ当接するのに必要な保持力でベースに対して相対変位可能に保持されているため、検出ピンが当該保持力よりも強い力でスリットへ導入されるのを防止することができる。そのため、仮に検出端部が位置ずれした状態でスリットへ導入されても、当該スリットを必要以上に押し広げることはなく、被装着部の品質低下を防止することができる。
【0024】
また、スリット検査装置は、検出端部がスリットへ導入され、その導入深さに応じたレバーの揺動位置に基づいてスリットの良否判定を行なうため、広間隔不良の場合にはレバーの揺動が小さく、狭間隔不良の場合にはレバーの揺動が大きくなり、各不良品をそれぞれ検出することができる。
【0025】
したがって、本発明のスリット検査装置は、品質を損なうことなく、スリットの広間隔不良と狭間隔不良のそれぞれを検出することができる。
【0026】
本発明の別の態様は、上記スリット検査装置において、上記レバー軸は、検出部により検出されるレバーの被検出位置よりも検出ピンが当接するレバーの当接位置に近接した個所に設けられていることを特徴とするものである。
【0027】
この態様によれば、レバー軸がレバーにおける検出部の被検出位置よりも検出ピンとの当接位置に近接した個所に設けられているため、検出ピンのスリットに対する微小な導入深さの違いを多大な揺動距離へ変換することができる。したがって、より精緻にスリットの良否を検出することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、本発明の好ましい実施形態について説明する。
【0029】
図1は、本発明の実施形態に係るスリット検査装置10の一部を省略して示す正面図である。
【0030】
図1を参照して、スリット検査装置10は、その外郭を構成するフレーム12を含んでいる。このフレーム12は、上端部を構成する天板12aと、下端部を構成する図略の底板とが、4本の支柱12b(図では2本)によって連結された枠体である。フレーム12の底板には、ワークDを保持する保持部としてのテーブル13が設けられている。このワークDは、フューズ1を挿入するためのスリット3b(図11参照)が多数設けられた、例えば電気接続箱であり、スリット3bが上方へ向いた状態で上記テーブル13へ保持されるようになっている。また、ワークDには、図略の導電性金属板(すなわち、被装着部)により所定の回路が形成されており、この導電性金属板へ各スリット3bが設けられている。また、テーブル13は、上記フレーム12へ設けられた図略のテーブル送りモータ13a及びボールねじ等の手段によって、水平方向へ移動可能に構成されている。それとともに、上記フレーム12には、テーブル13上のワークDが当該フレーム12の所定位置まで到着したか否かを検出するための到着検知センサ13b(図示無し)が設けられている。
【0031】
上記フレーム12の天板12a上には、エアシリンダ14が設けられている。このエアシリンダ14は、天板12aに固定されたシリンダ本体14aと、このシリンダ本体14aに対して上下方向へ移動可能な駆動軸14bを備えている。シリンダ本体14aには、当該シリンダ本体14aに対する駆動軸14bの上下位置を検出可能な上限センサ14c及び、下限センサ14dが設けられている(以下上限センサ14c及び、下限センサ14dが駆動軸14bを検出した状態をONの状態と示す)。これらの上限センサ14c及び、下限センサ14dは、それぞれONとされると、その検出結果を図略の電線を介して電気的に出力可能に構成されている。
【0032】
上記駆動軸14bの上端部は、駆動板15の下面の略中央部に固定されている。この駆動板15は、上記天板12aより小寸法に設定された略正方形の板部材であり、その四隅にそれぞれガイド軸15aの一端部が固定されている(図では2本)。各ガイド軸15aは、それぞれ途中部が天板12aに設けられたリニアブッシュ15bに対して上下方向へ摺動可能に挿通しているとともに、下端部には、検査ユニット20が固定されている。
【0033】
以上のように、スリット検査装置10は、ワークDがテーブル送りモータ13aによって水平方向へ移動可能に構成されるとともに、到着検知センサ13bによって検査ユニット20の下方位置へワークDが移動したか否かを検出するようになっている。また、スリット検査装置10は、エアシリンダ14によって検査ユニット20を上下方向へ移動させ、ワークDに対して検査ユニット20を接離させるように構成されている。
【0034】
図2は、図1の検査ユニット20を示す正面一部略図であり、図3は、図2の検査ユニット20の右側面一部略図であり、図4は、図2の検査ユニット20の平面一部略図である。なお、図2における左右方向を仮に左右方向とし、図3における検査ユニット20の正面側を仮に前方として、以下説明する。
【0035】
各図を参照して、検査ユニット20は、上記ガイド軸15aが固定されるベース21を含んでいる。このベース21は、金属等で形成された略正方形の板状部材である。ベース21の左右端には、一対の支持部22が設けられている(図3では、右側の支持部22の一部を切り欠いて省略している)。これらの支持部22は、それぞれ固定板22aを備え、これら固定板22aがボルト22bによって上記ベース21上へ固定されている。各固定板22aの内側には、それぞれ支持板22cが立設されている。これらの支持板22cは、上記各固定板22aと同一の前後方向の寸法を有する略長方形の板状部材である。また、各支持板22cの前端部は、上方へ延びて延設支持板22dを構成している。
【0036】
上記各支持板22cの後端部は、左右方向へ延びるレバー軸23の両端部をそれぞれ支持している。このレバー軸23の途中部には、8つのレバー24が当該レバー軸23を中心として揺動可能に支持されている。これらのレバー24は、それぞれ側面視で略長方形板状のレバー本体24aを備え、これらのレバー本体24aの側面視略中央位置で上記レバー軸23により支持されている。また、各レバー本体24aの上端部は、前方へ延びてレバー検出片24bを構成している。すなわち、上記レバー軸23は、レバー検出片24bよりもレバー24の後端部に近接した位置でレバー24を支持している。また、上記各レバー検出片24bは、短冊状の板状部材であり、その板厚寸法が上記レバー本体24aよりも小さく設定されている。
【0037】
上記各レバー本体24aの後端部の下面には、それぞれ検出ピン25の上端部が当接している。これらの検出ピン25は、金属等で形成された円柱状部材である。各検出ピン25の途中部は、それぞれベース21に設けられたベアリングガイド21bに対して上下方向へ摺動可能に挿通するとともに、ガイド部26によって支持されている。このガイド部26は、左右方向へ延びる固定片26aを含み、この固定片26aがボルト26bによって上記ベース21の下面に固定されている。上記固定片26aの前端部には、下方へ延びるガイド板26cが立設されている。このガイド板26c前面の上端部及び、下端部には、左右方向へ延びる一対のガイド片26dがボルト26eによって固定されている。これらのガイド片26dによって、上記各検出ピン25がそれぞれ支持されている。
【0038】
図5は、図2及び、図3のガイド片26dの一部を省略して示す斜視図である。
【0039】
図5を参照して、ガイド片26dの各検出ピン25に対応する位置には、上方へ開くとともに、左右方向へ延びる収容穴26fが設けられている。この収容穴26fの底面には、当該検出ピン25が摺動可能に挿通される挿通孔26gが設けられている。一方、上記各検出ピン25の途中部には、当該検出ピン25よりも若干大径寸法に設定された大径部25aが設けられている。この大径部25aの前後には、一対のカット面25bが設けられることにより、大径部25aは、上記収容穴26の前後側面間の距離と略同一の幅寸法とされている。このようなガイド片26dへ上方から検出ピン25が挿入されることによって、大径部25aが収容穴26fへ収容されている。そのため、検出ピン25は、ガイド片26dに対して上下方向へ摺動可能に支持されるとともに、大径部25aの下面と収容穴26fの底面とが当接することによって、当該検出ピン25の下方への移動が規制されている。また、大径部25aの各カット面25bが収容穴26fの前後側面間へ収容されることにより、検出ピン25は、その長手方向を中心とした回転が規制された状態でガイド片26dに支持されている。
【0040】
また、上記固定片26aには、図2及び図3に示すようなワーク支持部36が設けられている。このワーク支持部36は、上記ガイド板26cの後方で固定板26aの下面に固定される連結板36aを含んでいる。この連結板36aは、上記固定片26aと略同一の左右幅寸法を有しており、上記検出ピン25の先端部(下端部)より若干上方の下方位置まで延設されている。また、連結板36aの下端部には、支持板36bが前方へ向けて立設されている。この支持板36bには、上記検出ピン25が挿通するための挿通孔36cが設けられており、この挿通孔36cへ挿通した検出ピン25は、その先端部が当該支持板36bの下面から突出するようになっている。このようなワーク支持部36は、後述するように検査ユニット20が検査ポジションへ駆動された際に、支持板36bが検査対象となるワークDの上面と当接することによって、当該ワークDの上下位置を位置決めするようになっている。すなわち、ワーク支持部36は、上記テーブル13に予め設定された下方位置へワークDを位置決めするようになっている。
【0041】
図2〜図4を参照して、上記各検出ピン25の先端部には、それぞれワークDのスリット3bへ導入される検出端部25cが形成されている。これらの検出端部25cは、正面視で薄肉とされた短冊状に形成されており、図11で説明した板状端子1aと同様に、スリット3bを構成する各金属板の間に導入されるようになっている(図2参照)。また、各検出端部25cの板厚寸法は、詳しくは後述するが、適正間隔に形成されたスリット3bの最も狭い間隔より若干広い間隔(以下基準間隔と示す)における当該スリット3bの金属板の間隔に対応して設定されている。
【0042】
一方、上記両延設支持板22dの上端部は、左右方向へ延びるガイドピン27の両端部をそれぞれ支持している。このガイドピン27の左右方向で上記8つのレバー24に対応した位置には、それぞれフック28の基端部が当該ガイドピン27を中心として揺動可能に支持されている。これらのフック28の先端部は、それぞれ引張りばね28aの基端部と連結されている。これらの引張りばね28aは、詳しくは後述するが、レバー24の前端部を上方に付勢するとともに、上記検出ピン25の検出端部25cが適正間隔のスリット3bの基準間隔を超えて(すなわち、基準間隔よりも下方へ)挿入されるのを防止し得るように付勢力が設定されている。また、各引張りばね28aの先端部は、当該引張りばね28aが若干引張られた状態で上記各レバー検出片24bの上端部とそれぞれ連結されている。すなわち、上記各レバー24は、引張りばね28aにより上記各レバー軸23を中心として図3の時計回り方向へ回転する方向へ力を受けている一方、その後端部には、検出ピン25が当接し、この検出ピン25がガイド部26によって下方への移動を規制されているため、当該レバー24は、図3に示すように略水平な状態で支持部22に支持されている。また、この状態で各レバー検出片24bの前端部は、それぞれ検出部としての光電センサ29へ臨んでいる。
【0043】
上記各光電センサ29は、それぞれ載置板30上の後端部にボルト30aにより固定され、これらの載置板30の前端部は、ベース21上の前端部で左右方向に延びて立設された連結固定板31の後面へボルト31aにより固定されている。また、各光電センサ29は、その右端部及び、左端部がそれぞれ後方へ延設された一対の投受光部29aを備え、これらの投受光部29aによって検出スリット29bが区画されている(図4参照)。このような光電センサ29は、各投受光部29a間でレーザー光線等の投受光が行なわれることにより、検出スリット29bへ異物が挿入されたか否か、すなわち光線の投受光が遮断されたか否かを検出可能に構成されている(以下光線が遮断された光電センサ29の状態をONと、光線が投受光されている状態をOFFと示す)。上記各レバー検出片24bは、通常時にそれぞれ光線を遮断する位置の若干上方で各検出スリット29bへ臨んでいる。
【0044】
さらに上記ベース21には、レバー24がレバー軸23を中心として下方へ揺動した際にレバー検出片24bがベース21と干渉するのを防止するために上下方向へ貫通する逃げ孔21aが設けられている。
【0045】
このように構成された検査ユニット20は、図4に示すように8本の検出ピン25がベース21の前後方向の中心線C上に配置される一方、この中心線C上の各検出ピン25間には、さらに8本の検出ピン25が配置されている。これらの検出ピン25の設置部には、上述の逃げ孔21a、支持部22、レバー軸23、レバー24、ガイド部26、ガイドピン27、フック28、光電センサ29、載置板30及び、連結固定板31が、ベース21上で中心線Cに対する線対称の位置へ配置されている。すなわち、検査ユニット20は、16本の検出ピン25が中心線C上へ配置され、これらに対応して設けられたレバー24が交互に前後方向へ向かっている。それとともに、ベース21の前後方向の各端部には、各レバー24に対応して光電センサ29が設けられている。
【0046】
以上のように、スリット検査装置10は、テーブル送りモータ13aによって検出ピン25の下方へ移動されたワークDのスリット3bが適正間隔であるか否かを検査するようになっている。本実施形態では、検査ユニット20は、16本の検出ピン25を備えているため、ワークD上の左右方向で一列に配置された最大16個のスリット3bを一回で検査するとともに、図3に示すように、テーブル送りモータ13aによりスリット3bの設置位置に応じてワークDを移動させることによって、当該ワークDに設けられたスリット3bの列を順次検査するようになっている。
【0047】
また、スリット検査装置10には、スリット3bを検査するために上述の各構成要素を制御するための制御部32が設けられている。
【0048】
図6は、スリット検査装置10の制御部32を示すブロック図である。
【0049】
図6を参照して、制御部32は、各種演算処理を行なうためのCPU32aと、このCPU32aと接続され、各種情報を記憶するための記憶手段32bとを含んでいる。このような制御部32には、上述したテーブル送りモータ13a、到着検知センサ13b、エアシリンダ14を含む駆動手段36、エアシリンダ14の上限センサ14c及び、下限センサ14d、光電センサ29が接続されている。また、制御手段32には、これら各構成要素の駆動順序等の情報を入力して、上記記憶手段32bへ記憶させるための入力手段33と、これらの情報を視認するための表示部34が設けられている。以上のような制御部32は、本実施形態では、後述するステップによって、判定部として機能し、スリット3bの間隔について良否判定を行なうようになっている。この判定によって当該スリット3bの間隔が不良であると判定された場合に作業者へ報知するためのブザー35からなる報知手段がさらに制御部32に接続されている。
【0050】
以上のように構成された制御部32による制御によって、スリット検査装置10は、以下に示すステップを行い、スリット3bの間隔について検査を行なうようになっている。
【0051】
図7は、図6の制御部32のメインルーチンを示すフローチャートである。
【0052】
図7を参照して、作業者によって、テーブル13へワークDが装着されるとともに、上記入力手段33による開始指示が入力されることにより制御部32の処理が開始される。制御部32は、まず当該検査対象となるワークDの情報を上記記憶手段32bから読み出す(ステップS1)。ここで「ワークDの情報」とは、例えば検査対象となるワークDに設けられたスリット3bの配置に関する情報が含まれる。この情報によって、検査対象となるワークDの列(左右方向)から検出ピン25までの移動距離が特定される。この移動距離に基づいてテーブル送りモータ13aを駆動させ、検査ユニット20の下方位置までワークDを移動させる(ステップS2)。次いで、到着検知センサ13bによって、検査ユニット20の検査位置(すなわち下方位置)までワークDのスリット3bが到着したか否かを判別する(ステップS3)。ここで、ワークDが到着していないと判別した場合には、ステップS3の判別を繰り返し行なう。一方、ワークDが到着したと判別した場合には、エアシリンダ14の駆動軸14bを縮長させ(ステップS4)、当該ワークDの各スリット3bに対する判定処理Pを実行する。
【0053】
図8は、図7の判定処理Pを示すフローチャートである。
【0054】
図9は、スリット3bと検査ユニット20の状態を模式的に示す略図であり、(A)は判定処理Pの開始前の状態、(B)はスリット3bに対して検出ピン25が途中まで導入された状態、(C)は適正間隔のスリット3bに対して検出ピン25が導入された状態をそれぞれ示している。
【0055】
図10は、検査ユニット20が下限位置まで下降した状態における検出ピン25とスリット3bの状態を模式的に示す略図であり、(A)は広間隔のスリット3bに対して検出ピン25が導入された状態、(B)は狭間隔のスリット3bに対して検出ピン25が導入された状態をそれぞれ示している。
【0056】
なお、図9、図10では、説明の便宜上、検出ピン25の検出端部25c及び、スリット3bを正面図で示し、その他の部分を右側面図で示している。
【0057】
図9の(A)を参照して、上記判定処理Pを実行する前の検査ユニット20は、検出ピン25がスリット3bから上方へ離間した図示の状態(すなわち、離間ポジション)から、上記ステップS4でエアシリンダ14(図示無し)の駆動によって、矢印Y1で示すように下方へ移動され、後述するように下限センサ14dがONとされる検査ポジションの状態となる。
【0058】
図8を参照して、判定処理Pは、各検出ピン25のそれぞれに対して実行され、まず各光電センサ29がONとされたか否かを判別する(ステップP1)。
【0059】
すなわち、図9の(B)に示すように、検査ユニット20の下降により検出ピン25の検出端部25cがスリット3bの各金属板へ当接し、下方への移動を規制された状態で、ベース21がさらに下方へ移動することにより、検出ピン25の上端部が、ベース21に対して相対的に上方へ移動し、ベース21に設けられたレバー24の後端部が検出ピン25により上方へ持ち上げられ、レバー24が引張りばね28aの付勢力に抗して反時計回りに揺動したか否かを、光電センサ29の検出信号に応じて判別する。
【0060】
上記ステップP1で光電センサがONであると判別されると、エアシリンダ14の下限センサ14dがONとされたか否かを判別する(ステップP2)。すなわち、エアシリンダ14の予め設定されたストロークの下限位置(すなわち、検査ポジション)まで検査ユニット20が下降したか否かを判別し、下降されたと判別されるまでこの判別を繰り返し実行する。下限センサ14dがONとされたと判別すると、この状態で各光電センサ29がONであるか否かを判別する(ステップP3)。
【0061】
このステップP3で、各光電センサ29がONとされた場合には、当該検査におけるスリット3bが適正間隔である旨を記憶手段32bへ記録する(ステップP4)。
【0062】
すなわち、スリット3bが適正間隔である場合には、図9の(B)から図9の(C)の状態までの間、光電センサ29はONの状態を維持するように、下限センサ14d、検出ピン25、レバー24、光電センサ29の配置と、引張りばね28aの付勢力が設定されているため、検査ユニット20が下限センサ14dに規定された位置まで下降した時点で、検出ピン25は、適正間隔のスリット3bの基準間隔に対応した導入深さに位置を係止され、ベース21と相対的に移動することにより、光電センサ29がONとなる。したがって、上記下限センサ14dがONとなった時点で、光電センサ29がON状態である場合には、スリット3bが適正間隔であると判定して、これを記録する。
【0063】
次いで、エアシリンダ14の駆動軸14bを伸長させ(ステップP5)、上限センサ14cがONとされたか否かを判別する(ステップP6)。上限センサ14cがONと判別されない場合には、繰り返しステップP6を実行する一方、上限センサ14cがONと判別されると、図7に示すメインルーチンのステップS5の処理を実行する。
【0064】
一方、ステップP1で光電センサ29がOFFであると判別すると、下限センサ14dがONであるか否かを判別して(ステップP7)、OFFであると判別する場合には、ステップP1を実行する。
【0065】
ここで、各下限センサ14dがONとされるのは、検査ユニット20が図10の(A)に示すような状態となる場合である。すなわち、上述したように検出ピン25の検出端部25cが適正間隔のスリット3bの基準間隔に対応して設定されているため、検査対象となるスリット3bが正規の間隔よりも開いてしまった広間隔不良品である場合には、図示するように検出端部25cがスリット3bと当接することなく導入されてしまう。このような場合、検出ピン25によってレバー24が揺動されることなく、検査ユニット20が下限位置まで下降して下限センサ14dをONとする。
【0066】
また、図10の(A)に示すスリット3bの間隔よりも若干広い間隔に構成された広間隔不良のスリット3bであっても、検査ユニット20が下限位置まで下降した際の検出ピン25の下端部とスリット3bの金属板との当接位置(すなわち、検出ピン25の導入深さ)が図9の(C)よりもスリット3bに対して下方に位置することとなる。そのため、検出ピン25とベース21との相対変位量が少なくなり、検出ピン25によるレバー24の揺動範囲が小さくなるため、光電センサ29をONとすることなく、検査ユニット20が下限位置まで下降して下限センサ14dをONとする。
【0067】
さらに、ワークD上に本来設けられているはずのスリット3bが当該ワークDに設けられていない場合にも、光電センサ29をONとすることなく、下限センサ14dをONとする。
【0068】
したがって、上記ステップP1で光電センサ29がOFFであると判別されるとともに、ステップP7で下限センサ14dがONとされると、当該スリット3bが開き過ぎである又は、スリット3bが存在していない旨を記憶手段32bへ記録した後(ステップP8)、上記ステップP5へ移行する。
【0069】
一方、上記ステップP3で光電センサ29がOFFとされるのは、検査ユニット20が図10の(B)の状態となる場合である。すなわち、上述したように検出ピン25の検出端部25cが適正間隔のスリット3bの基準間隔に対応して設定されているため、検査対象となるスリット3bが正規の間隔よりも狭くなってしまった狭間隔不良である場合には、図示するように検出ピン25が図9の(C)よりもスリット3bに対する上方で当該スリット3bの金属板に当接することとなる。そのため、検出ピン25とベース21との相対変位量が大きくなり、検出ピン25によるレバー24の揺動範囲が大きくなるため、当該レバー24のレバー検出片24bが検出スリット29bを超えた下方位置まで揺動され、光電センサ29がOFFとされる。すなわち、狭間隔に構成されたスリット3bの間隔を検査すると、図9の(B)の状態から本図の検査ポジションまでベース21が駆動される過程において、一旦光電センサ29がONとされ(ステップP1でYES)、ベース21が検査ポジションとされると光電センサ29がOFFとされるため、上述したように図9の(B)から検査ポジションまで光電センサ29をONとする適性間隔のスリット3bと異なり、当該スリット3bが狭間隔であることが判別される。
【0070】
ステップP3で光電センサ29がOFFであると判別された場合には、当該スリット3bが閉じ過ぎである旨を記憶手段32bへ記録して(ステップP9)、上記ステップP5を実行する。
【0071】
再び図7を参照して、上述の判定処理Pを終了すると、当該ワークDに設けられた全てのスリット3bについて検査が終了したか否かを判別する(ステップS5)。この判別で、未検査のスリット3bがあると判別されると、上記ステップS1〜判定処理Pまでを繰り返し実行する一方、全てのスリット3bの検査が収容したと判別されると、記憶手段32bからスリット情報の読み出しを実行する(ステップS6)。ここで、「スリット情報」とは、上述の判定処理PにおけるステップP4、P8、P9のようにスリット3bの検査結果及び、ワークDに対するスリット3bの配置を含む情報である。次いで、このスリット情報に基づいて、当該ワークDの各スリット3bの中に不良があるか否かを判別する(ステップS7)。なお、ここで上記ステップP7で下限センサがONと判別されたスリット3bについて、上記スリット情報と比較して、当該検査個所がワークDに予め設定されたスリット3bの非設置個所であるのか否かについても判別され、当該個所に元からスリット3bが非設置であるのか、スリット3bが開き過ぎであるのか判別される。このようなステップS7の判別で、不良があると判別すると、各スリット3bの不良内容及び、ワークDに対する位置を上記表示部34へ表示するとともに、ブザー35によって作業者へ報知して(ステップS8)、処理を終了する。一方、不良がないと判別されると、当該ワークDが良品である旨を表示部34へ表示して(ステップS9)処理を終了する。
【0072】
以上説明したようにスリット検査装置10は、検出ピン25の検出端部25cが適正間隔のスリット3bの基準間隔に対応して設定されているとともに、適正間隔のスリット3bの基準間隔を超えて検出ピン25が挿入されるのを防止し得るように上記引張りばね28aの付勢力が設定されているため、エアシリンダ14によって検査ユニット20が下降される過程で、検出ピン25がスリット3bの基準間隔における各金属板に当接した状態で検出ピン25の上下移動が規制される。この状態で、さらに検査ユニット20が下降すると、検出ピン25がさらにスリット3bへ押し付けられるため、ベース21と検出ピン25とが相対的に変位して、検出ピン25の上端部が引張りばね28aの付勢力に抗して、レバー24を揺動させる。
【0073】
ここで、検査対象となるスリット3bが適正間隔である場合には、検査ユニット20が下限位置まで下降した際に、検出ピン25がスリット3bの基準間隔に対応した導入深さまで導入されることにより、この導入深さ応じてレバー24が揺動するとともに、ベース21が図9の(B)の状態から検査ポジションへ駆動された過程で光電センサ29がON状態を維持されるため、この光電センサ29の出力信号に応じて当該スリット3bが良品であると判別することができる。
【0074】
また、検査対象となるスリット3bが狭間隔不良である場合には、適正間隔のスリット3bと比較して基準間隔が上方に位置するため、検査ユニット20が検査ポジションへ駆動される際に、検出ピン25が良品検査時よりスリット3bに対する上方の位置までしか導入されない。そのため、図9の(B)から検査ポジションまでベース21が駆動される過程で一旦光電センサ29がONとされるものの、ベース21が検査ポジションへ駆動されると、良品検査時よりも大きくレバー24を揺動することによって光電センサ29がOFFとされるため、この光電センサ29の出力信号に応じて当該スリット3bが狭間隔不良であると判別することができる。
【0075】
一方、検査対象となるスリット3bが広間隔不良である場合には、良品のスリット3bと比較して基準間隔が下方に位置するため、検査ユニット20が下限位置まで下降した際に、検出ピン25が良品検査時より下方の位置まで導入されてしまい、レバー24を殆ど揺動させない。その結果、光電センサ29をONとさせることなく、下限センサ14dをONとするため、これら下限センサ14d及び、光電センサ29の出力信号に応じて当該スリット3bが広間隔不良であると判別することができる。
【0076】
そして、上記のようにスリット3bの基準間隔を超えて検出ピン25がスリット3b内に深く挿入されるのを防止した状態で、上記スリット検査装置10により、スリット3bの間隔の適否を判別することができるため、従来装置のように、検査時にスリット3bの間隔が広げられて、品質が損なわれるという事態の発生を防止することができる。
【0077】
また、上記実施形態では、レバー軸23をレバー24における検出部の被検出位置よりも検出ピン25との当接位置に近接した個所に設けたため、検出ピン25のスリット3bに対する微小な導入深さの違いを多大な揺動距離へ変換することができる。したがって、レバー24の揺動変位に応じてスリット3bの良否を精緻に検出することができる。
【0078】
なお、ワークDの全てのスリット3bを検査した後に不良スリット3bについて報知するような制御に代えて、一回の検査毎(すなわち、16個のスリット検査毎)に各不良スリット3bについて報知するようにしてもよい。
【0079】
また、上記実施形態においては、ベース21に設けられた引張りばね28aの付勢力によって、所定の保持力をもって検出ピン25がベース21へ保持されているが、この構成に代えて、検出ピン25が所定の摺動抵抗をもってベース21に挿通することによって、所定の保持力でベース21に保持されるようにしてもよい。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、検出ピンの検出端部が適正間隔のスリットを構成する各傾斜部の基準間隔に対応して形成されているとともに、基準間隔に対する導入深さにおいて両傾斜部へ当接するのに必要な保持力でベースに対して保持されている。そのため、検出ピンが当該保持力よりも強い力でスリットへ導入されるのを防止し、当該スリットを必要以上に押し広げることなく、スリットの良否判定を行なうことができる。
【0081】
また、検出ピンのスリットに対する導入深さに応じたレバーの揺動位置に基づいてスリットの良否判定を行なうため、スリットの広間隔不良及び、狭間隔不良のそれぞれを検出することができる。
【0082】
したがって、本発明のスリット検査装置は、品質を損なうことなく、スリットの広間隔不良と狭間隔不良のそれぞれを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るスリット検査装置の一部を省略して示す正面図である。
【図2】図1の検査ユニットを示す正面一部略図である。
【図3】図2の検査ユニットの右側面一部略図である。
【図4】図2の検査ユニットの平面一部略図である。
【図5】図2及び、図3のガイド片の一部を省略して示す斜視図である。
【図6】スリット検査装置の制御部を示すブロック図である。
【図7】図6の制御部のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図8】図7の判定処理を示すフローチャートである。
【図9】スリットと検査ユニットの状態を模式的に示す略図であり、(A)は判定処理の開始前の状態、(B)はスリットに対して検出ピンが途中まで導入された状態、(C)は適正間隔のスリットに対して検出ピンが導入された状態をそれぞれ示している。
【図10】検査ユニットが下限位置まで下降した状態における検出ピンとスリットの状態を模式的に示す略図であり、(A)は広間隔不良のスリットに対して検出ピンが導入された状態、(B)は狭間隔不良のスリットに対して検出ピンが導入された状態をそれぞれ示している。
【図11】電気接続箱の一部を省略して示す斜視図である。
【符号の説明】
1a 板状端子
3b スリット
10 スリット検査装置
13 テーブル
14 エアシリンダ
20 検査ユニット
21 ベース
23 レバー軸
24 レバー
25 検出ピン
25c 検出端部
29 光電センサ
32 制御手段

Claims (2)

  1. 板状端子を挿入するために被装着部に設けられ、当該板状端子の挿入方向へ向けて徐々に狭くなるように一対の傾斜部が配置されることで構成されたスリットの開き間隔を検査するためのスリット検査装置であって、
    良品の被装着部における各傾斜部の基準間隔に対応した厚みで形成されるとともに、スリットへ導入される検出端部を一端部に有する検出ピンと、
    この検出ピンをその長手方向へ相対変位可能に保持するベースと、
    このベースに設けられ、上記検出ピンの他端部と当接可能に配置されたレバーと、
    このレバーを揺動可能に支持して、上記検出ピンとレバーとの当接によって、レバーを揺動するようにベースに設けられたレバー軸と、
    上記検出端部をスリットへ導入可能な状態で被装着部を保持する保持部と、
    上記ベースを駆動することにより検出端部をスリットへ導入させた検査ポジションと、被装着部から離間させた離間ポジションとの間で変位させる駆動手段と、
    ベースが離間ポジションから検査ポジションへ駆動される過程において、検出端部のスリットに対する導入深さに応じて変化するレバーの駆動位置を検出する検出部と、
    この検出部の検出結果に基づいて、スリットの開き間隔の良否判定を行なう判定部とを備え、
    上記駆動手段により検査ポジションまで駆動されたベースに、上記検出端部を良品の被装着部の基準間隔に対する導入深さ位置において両傾斜部へ当接させるのに必要な保持力で検出ピンを保持させたことを特徴とするスリット検査装置。
  2. 請求項1に記載のスリット検査装置において、上記レバー軸は、検出部により検出されるレバーの被検出位置よりも検出ピンが当接するレバーの当接位置に近接した個所に設けられていることを特徴とするスリット検査装置。
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