JP2004052408A - トンネル掘削方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】超大断面トンネルを掘削する場合でも、特別な重量鋼材を使用する必要がなく、また支保工形成の作業性を向上させたトンネル掘削方法を提供する。
【解決手段】トンネル側部に相当する導坑を掘削し(S21)、その外側及び内側に地山支持用の支保工及び中壁支保工を形成し、その間に導坑を上下に二分する水平支保工を形成する(S22〜S24)。次に導坑内の地山支持用支保工上に覆工コンクリートを形成し(S25)、導坑内空間の下半分に土を埋め戻し(S26)、両導坑間の地山の上半分を掘削して、両導坑間の空間の上面と底面に地山支持用の支保工と水平支保工を形成する(S27)。次に中壁支保工の露出部分を一部分ずつ撤去しながら、地山支持用の支保工上にコンクリートを打設して覆工コンクリートを一部分ずつ形成する(S28)。次に水平支保工より下側の地山及び埋め戻した土を掘削し(S29)、中壁支保工の残部及び水平支保工を撤去する(S30)。
【選択図】 図1
【解決手段】トンネル側部に相当する導坑を掘削し(S21)、その外側及び内側に地山支持用の支保工及び中壁支保工を形成し、その間に導坑を上下に二分する水平支保工を形成する(S22〜S24)。次に導坑内の地山支持用支保工上に覆工コンクリートを形成し(S25)、導坑内空間の下半分に土を埋め戻し(S26)、両導坑間の地山の上半分を掘削して、両導坑間の空間の上面と底面に地山支持用の支保工と水平支保工を形成する(S27)。次に中壁支保工の露出部分を一部分ずつ撤去しながら、地山支持用の支保工上にコンクリートを打設して覆工コンクリートを一部分ずつ形成する(S28)。次に水平支保工より下側の地山及び埋め戻した土を掘削し(S29)、中壁支保工の残部及び水平支保工を撤去する(S30)。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超大断面トンネルの構築に好適なトンネル掘削方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
都市部においては、交通量を確保するため超大断面トンネルの掘削が必要になっている。
【0003】
従来、このような超大断面トンネルを掘削する場合には、トンネルを一定の長さずつ掘削し、その都度トンネル内面に鋼製支保工を取り付けると共に、この鋼製支保工上にコンクリートを吹き付けて、地山荷重を支える。
【0004】
そして、トンネル全長に亘って掘削及び鋼製支保工の取り付けがなされた後、鋼製支保工上にコンクリートを打設して覆工コンクリートを形成していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のトンネル掘削方法では、掘削断面にかかる地山荷重を鋼製支保工と吹付コンクリートによって保持していたので、超大断面トンネルを掘削する場合には、鋼製支保工にかかる地山荷重が大きくなることから、鋼製支保工に用いるH形鋼などの鋼材を大型にする必要があり、このような重量鋼材は運搬や設置が著しく困難になるという問題があった。
【0006】
また、通常の鋼材を使用する場合には、鋼製支保工の剛性を高くする必要性から、鋼材を重ねて使用するなどの工夫が必要であり、支保工形成作業が面倒になるという問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、超大断面トンネルを掘削する場合でも、支保工として特別な重量鋼材を使用する必要がなく、支保工形成の作業性を向上させたトンネル掘削方法を提供することを技術的課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明はトンネル掘削方法であり、上記技術的課題を解決するため以下のように構成されている。
【0009】
すなわち、トンネル内空間の少なくとも上面及び側面が覆工コンクリートで覆われたトンネルの掘削方法であって、掘削すべき前記トンネル内空間の両側部分に相当する導坑を掘削し、前記導坑の外側に地山支持用の支保工を形成すると共に、内側に補強用の中壁支保工を形成し、前記地山支持用の支保工と前記中壁支保工との間に、前記導坑内空間を上下に2分する補強用の水平支保工を形成し、前記地山支持用の支保工における前記水平支保工より下側部分にコンクリートを打設して、前記覆工コンクリートの一部を形成し、前記導坑の前記水平支保工より下側の部分に土を埋め戻し、前記両導坑間における前記水平支保工より上側の地山を掘削し、前記両導坑間に形成された空間の上面及び底面に、地山支持用の支保工び補強用の水平支保工を形成し、前記水平支保工より上側の露出された前記中壁支保工を一部分ずつ撤去しながら、露出された前記地山支持用の支保工上にコンクリートを打設して、前記覆工コンクリートを一部分ずつ形成し、前記覆工コンクリートがトンネル全長に亘って形成された後、前記水平支保工より下側の前記地山及び前記埋め戻した土を掘削し、前記中壁支保工の残部及び前記水平支保工を撤去することを特徴とする。
【0010】
地山支持用の支保工、中壁支保工及び水平支保工は、通常の鋼材、例えばH形鋼、I形鋼、L形鋼などを使用できる。
【0011】
本発明は、まずトンネルの両側部に相当する導坑を所定長ずつ、又はトンネル全長に亘って掘削し、その外内側に地山支持用の支保工及び補強用の中壁支保工を所定長ずつ又は全長に亘って形成した後、両導坑間の地山を掘削するので、両導坑間の地山掘削時における支保工全体の耐荷重は従来より増大している。
【0012】
また、水平支保工より上側における覆工コンクリートの打設は、中壁支保工を一部分ずつ撤去しながら行うので、コンクリート打設場所周辺の地山荷重を、地山支持用の支保工と、コンクリート打設場所の後方に形成された覆工コンクリートと、コンクリート打設場所の前方における中壁支保工の未撤去部分とで支持するので、従来より大きな地山荷重を保持できる。
【0013】
従って、超大断面トンネルを掘削する場合でも、従来に比べて各支保工に要求される強度及び剛性を小さく抑えることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るトンネル掘削方法の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
本発明に係るトンネル掘削方法は、図11に示すように、トンネル内空間10の少なくとも上面及び側面が、覆工コンクリート11で覆われているトンネル1の構築に適用される。なお、ここではトンネル1の底面もインバートコンクリート13で覆われている。
【0016】
次に、図1のフローチャート及び図2〜図8の施工図を参照して、超大断面トンネル1の掘削方法を説明する。この場合は、図1に示すように、まず掘削すべきトンネル内空間10の両側部分に相当する導坑40,40(図2参照)を、例えば1m程度の所定長だけ掘削する(ステップ21)。これらの導坑40,40の形状及び断面積は、超大断面トンネル1の形状、大きさ、施工条件などに応じて適宜設定する。
【0017】
次に、これらの導坑40,40の外側に、地山45を支持するべく地山支持用の支保工41,41を形成すると共に、内側に補強用の中壁支保工42,42を形成する(ステップ22)。
【0018】
上記地山支持用の支保工41,41及び中壁支保工42,42、並びにこれ以降の説明で使用する各支保工は、通常の大きさのトンネル掘削で使用されている鋼材を使用する。この鋼材としては、H形鋼、I形鋼、L形鋼などが使用されている。
【0019】
次に、地山支持用の支保工41,41と中壁支保工42,42との間に、導坑40,40を上下に2分する補強用の水平支保工44,44を形成する(ステップ23)。
【0020】
この後、上記導坑40,40の所定長の掘削(ステップ21)、地山支持用の支保工41,41及び中壁支保工42,42の形成(ステップ22)、水平支保工44,44の形成(ステップ23)を繰り返し行い、トンネル全長に亘って各支保工41,42,44を形成する(ステップ24)。
【0021】
次に、上記で形成した地山支持用の支保工41,41のうち、水平支保工44,44より下側部分41a,41aにコンクリートを打設して(図3参照)、覆工コンクリート11の一部11a,11aを形成する(ステップ24)。
【0022】
次に、導坑40,40の水平支保工44,44より下側部分に土46,46(図4参照)を埋め戻す(ステップ25)。これによって、水平支保工44,44の耐荷重が増大する。
【0023】
次に、両導坑40,40間における地山45のうち、略上半分、すなわち、水平支保工44,44より上側の部分を掘削し(図5及び図6参照)、掘削により形成された両導坑40,40間の空間47における上面と底面に、地山支持用の支保工48と補強用の水平支保工49とを形成すると共に、地山支持用の支保工48と水平支保工49間に、補強用の中壁支保工50を形成する(ステップ26)。この中壁支保工50は、トンネル断面積に応じて1又は2以上設けることができるが、場合によっては設けなくてもよい。
【0024】
次に、導坑40,40内における中壁支保工42,42のうち、水平支保工44,44より上側の露出された部分42a,42a(図7参照)、及び導坑40,40間の中壁支保工50を、掘削方向に対する後側から一部分ずつ、例えば1m程度の所定長さLずつ撤去しながら(図8参照)、水平支保工49,49より上側の露出された地山支持用の支保工41,48上にコンクリートを打設して(図9参照)、覆工コンクリート11を一部分ずつ、ここでは所定長さLずつ形成する(ステップ27)。
【0025】
この作業を繰り返して、覆工コンクリート11をトンネル全長に亘って形成する。なお、中壁支保工42a,50の一部撤去は、その前行程で形成した覆工コンクリート11の強度発現後に行う。
【0026】
次に、水平支保工44,49より下側の地山45、及び埋め戻した土46,46を掘削する(図9参照)(ステップ28)。続いて、中壁支保工42,42の残部分42b,42b、及び水平支保工44,49を完全に撤去する(ステップ29)。これにより、トンネル内空間10が全体的に形成される(図10参照)。
【0027】
本実施形態では、次に、上記形成されたトンネル内空間10の底面にコンクリートを打設して、インバートコンクリート13を形成する(図11参照)(ステップ30)。これにより、超大断面トンネル1の構築が完成する。
【0028】
このように、本発明のトンネル掘削方法によれば、まずトンネルの両側部に相当する導坑40,40を1m程度の所定長掘削し、その外内側に地山支持用の支保工41及び補強用の中壁支保工42,50を形成した後、両導坑40,40間の地山45を掘削するので、従来に比べて掘削時における支保工全体の耐荷重が増大する。
【0029】
また、覆工コンクリート11のコンクリート打設作業は、中壁支保工42,50を一部分ずつ撤去しながら行うので、コンクリート打設場所周辺の地山荷重を、コンクリート打設近傍の地山支持用の支保工41,48と、コンクリート打設場所より後方における既設の覆工コンクリート11と、コンクリート打設場所より前方における中壁支保工42,50の未撤去部分とで支持するので、従来より大きな地山荷重を保持できる。
【0030】
従って、横幅20m程度以上、高さ10m程度以上、総掘削断面積200m2程度以上の超大断面トンネルを掘削する場合でも、従来に比べて各支保工に要求される強度及び剛性を小さく抑えることができる。
【0031】
そのため、支保工として特別な重量鋼材を使用する必要がなく、通常の鋼材を使用できるので、支保工用鋼材の運搬及び設置が容易になると共に、鋼材を重ねて使用するなどの工夫が不要になるので、支保工形成作業が容易になり、コストダウンが可能になる。
【0032】
なお、上記実施形態では、導坑40,40を所定長ずつ掘削して、その都度地山支持用の支保工41及び中壁支保工42を形成する場合について説明したが、場合によっては導坑40,40をトンネル全長に亘って掘削した後、地山支持用の支保工41及び中壁支保工42を形成することもできる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、まずトンネルの両側部に相当する導坑を掘削し、その外内側に地山支持用の支保工及び補強用の中壁支保工を形成した後、両導坑間の地山を掘削するので、支保工全体の耐荷重が増大する。
【0034】
また、覆工コンクリートのコンクリート打設は、中壁支保工を一部分ずつ撤去しながら行うので、コンクリート打設場所周辺の地山荷重を、その周辺の地山支持用の支保工と、コンクリート打設場所の後方における既設の覆工コンクリートと、コンクリート打設場所の前方における中壁支保工の未撤去部分とで支持するので、大きな地山荷重を保持できる。
【0035】
従って、超大断面トンネルを掘削する場合でも、従来に比べて各支保工に要求される強度及び剛性を小さく抑えることができるので、支保工用鋼材として特別な重量鋼材を使用する必要がなく、通常の鋼材を使用できる。
【0036】
これにより、支保工用鋼材の運搬及び設置が容易になると共に、各支保工の施工に際して鋼材を重ねて使用するなどの工夫が不要になるので、支保工形成の作業性を向上させることができ、コストダウンが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトンネル掘削方法を説明するフローチャートである。
【図2】本発明に係るトンネル掘削方法の作業工程を示す図である。
【図3】本発明に係るトンネル掘削方法の作業工程を示す図である。
【図4】本発明に係るトンネル掘削方法の作業工程を示す図である。
【図5】本発明に係るトンネル掘削方法の作業工程を示す図である。
【図6】本発明に係るトンネル掘削方法の作業工程を示す図である。
【図7】本発明に係るトンネル掘削方法の作業工程を示す図である。
【図8】図7のA−A断面図である。
【図9】本発明に係るトンネル掘削方法の作業工程を示す図である。
【図10】本発明に係るトンネル掘削方法の作業工程を示す図である。
【図11】本発明に係るトンネル掘削方法を適用した超大断面トンネルを示す断面図である。
【符号の説明】
1 超大断面トンネル
10 トンネル内空間
11 覆工コンクリート
40 導坑
41,48 地山支持用の支保工
42,50 中壁支保工
44,49 水平支保工
45 地山
46 埋め戻した土
【発明の属する技術分野】
本発明は、超大断面トンネルの構築に好適なトンネル掘削方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
都市部においては、交通量を確保するため超大断面トンネルの掘削が必要になっている。
【0003】
従来、このような超大断面トンネルを掘削する場合には、トンネルを一定の長さずつ掘削し、その都度トンネル内面に鋼製支保工を取り付けると共に、この鋼製支保工上にコンクリートを吹き付けて、地山荷重を支える。
【0004】
そして、トンネル全長に亘って掘削及び鋼製支保工の取り付けがなされた後、鋼製支保工上にコンクリートを打設して覆工コンクリートを形成していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のトンネル掘削方法では、掘削断面にかかる地山荷重を鋼製支保工と吹付コンクリートによって保持していたので、超大断面トンネルを掘削する場合には、鋼製支保工にかかる地山荷重が大きくなることから、鋼製支保工に用いるH形鋼などの鋼材を大型にする必要があり、このような重量鋼材は運搬や設置が著しく困難になるという問題があった。
【0006】
また、通常の鋼材を使用する場合には、鋼製支保工の剛性を高くする必要性から、鋼材を重ねて使用するなどの工夫が必要であり、支保工形成作業が面倒になるという問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、超大断面トンネルを掘削する場合でも、支保工として特別な重量鋼材を使用する必要がなく、支保工形成の作業性を向上させたトンネル掘削方法を提供することを技術的課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明はトンネル掘削方法であり、上記技術的課題を解決するため以下のように構成されている。
【0009】
すなわち、トンネル内空間の少なくとも上面及び側面が覆工コンクリートで覆われたトンネルの掘削方法であって、掘削すべき前記トンネル内空間の両側部分に相当する導坑を掘削し、前記導坑の外側に地山支持用の支保工を形成すると共に、内側に補強用の中壁支保工を形成し、前記地山支持用の支保工と前記中壁支保工との間に、前記導坑内空間を上下に2分する補強用の水平支保工を形成し、前記地山支持用の支保工における前記水平支保工より下側部分にコンクリートを打設して、前記覆工コンクリートの一部を形成し、前記導坑の前記水平支保工より下側の部分に土を埋め戻し、前記両導坑間における前記水平支保工より上側の地山を掘削し、前記両導坑間に形成された空間の上面及び底面に、地山支持用の支保工び補強用の水平支保工を形成し、前記水平支保工より上側の露出された前記中壁支保工を一部分ずつ撤去しながら、露出された前記地山支持用の支保工上にコンクリートを打設して、前記覆工コンクリートを一部分ずつ形成し、前記覆工コンクリートがトンネル全長に亘って形成された後、前記水平支保工より下側の前記地山及び前記埋め戻した土を掘削し、前記中壁支保工の残部及び前記水平支保工を撤去することを特徴とする。
【0010】
地山支持用の支保工、中壁支保工及び水平支保工は、通常の鋼材、例えばH形鋼、I形鋼、L形鋼などを使用できる。
【0011】
本発明は、まずトンネルの両側部に相当する導坑を所定長ずつ、又はトンネル全長に亘って掘削し、その外内側に地山支持用の支保工及び補強用の中壁支保工を所定長ずつ又は全長に亘って形成した後、両導坑間の地山を掘削するので、両導坑間の地山掘削時における支保工全体の耐荷重は従来より増大している。
【0012】
また、水平支保工より上側における覆工コンクリートの打設は、中壁支保工を一部分ずつ撤去しながら行うので、コンクリート打設場所周辺の地山荷重を、地山支持用の支保工と、コンクリート打設場所の後方に形成された覆工コンクリートと、コンクリート打設場所の前方における中壁支保工の未撤去部分とで支持するので、従来より大きな地山荷重を保持できる。
【0013】
従って、超大断面トンネルを掘削する場合でも、従来に比べて各支保工に要求される強度及び剛性を小さく抑えることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るトンネル掘削方法の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
本発明に係るトンネル掘削方法は、図11に示すように、トンネル内空間10の少なくとも上面及び側面が、覆工コンクリート11で覆われているトンネル1の構築に適用される。なお、ここではトンネル1の底面もインバートコンクリート13で覆われている。
【0016】
次に、図1のフローチャート及び図2〜図8の施工図を参照して、超大断面トンネル1の掘削方法を説明する。この場合は、図1に示すように、まず掘削すべきトンネル内空間10の両側部分に相当する導坑40,40(図2参照)を、例えば1m程度の所定長だけ掘削する(ステップ21)。これらの導坑40,40の形状及び断面積は、超大断面トンネル1の形状、大きさ、施工条件などに応じて適宜設定する。
【0017】
次に、これらの導坑40,40の外側に、地山45を支持するべく地山支持用の支保工41,41を形成すると共に、内側に補強用の中壁支保工42,42を形成する(ステップ22)。
【0018】
上記地山支持用の支保工41,41及び中壁支保工42,42、並びにこれ以降の説明で使用する各支保工は、通常の大きさのトンネル掘削で使用されている鋼材を使用する。この鋼材としては、H形鋼、I形鋼、L形鋼などが使用されている。
【0019】
次に、地山支持用の支保工41,41と中壁支保工42,42との間に、導坑40,40を上下に2分する補強用の水平支保工44,44を形成する(ステップ23)。
【0020】
この後、上記導坑40,40の所定長の掘削(ステップ21)、地山支持用の支保工41,41及び中壁支保工42,42の形成(ステップ22)、水平支保工44,44の形成(ステップ23)を繰り返し行い、トンネル全長に亘って各支保工41,42,44を形成する(ステップ24)。
【0021】
次に、上記で形成した地山支持用の支保工41,41のうち、水平支保工44,44より下側部分41a,41aにコンクリートを打設して(図3参照)、覆工コンクリート11の一部11a,11aを形成する(ステップ24)。
【0022】
次に、導坑40,40の水平支保工44,44より下側部分に土46,46(図4参照)を埋め戻す(ステップ25)。これによって、水平支保工44,44の耐荷重が増大する。
【0023】
次に、両導坑40,40間における地山45のうち、略上半分、すなわち、水平支保工44,44より上側の部分を掘削し(図5及び図6参照)、掘削により形成された両導坑40,40間の空間47における上面と底面に、地山支持用の支保工48と補強用の水平支保工49とを形成すると共に、地山支持用の支保工48と水平支保工49間に、補強用の中壁支保工50を形成する(ステップ26)。この中壁支保工50は、トンネル断面積に応じて1又は2以上設けることができるが、場合によっては設けなくてもよい。
【0024】
次に、導坑40,40内における中壁支保工42,42のうち、水平支保工44,44より上側の露出された部分42a,42a(図7参照)、及び導坑40,40間の中壁支保工50を、掘削方向に対する後側から一部分ずつ、例えば1m程度の所定長さLずつ撤去しながら(図8参照)、水平支保工49,49より上側の露出された地山支持用の支保工41,48上にコンクリートを打設して(図9参照)、覆工コンクリート11を一部分ずつ、ここでは所定長さLずつ形成する(ステップ27)。
【0025】
この作業を繰り返して、覆工コンクリート11をトンネル全長に亘って形成する。なお、中壁支保工42a,50の一部撤去は、その前行程で形成した覆工コンクリート11の強度発現後に行う。
【0026】
次に、水平支保工44,49より下側の地山45、及び埋め戻した土46,46を掘削する(図9参照)(ステップ28)。続いて、中壁支保工42,42の残部分42b,42b、及び水平支保工44,49を完全に撤去する(ステップ29)。これにより、トンネル内空間10が全体的に形成される(図10参照)。
【0027】
本実施形態では、次に、上記形成されたトンネル内空間10の底面にコンクリートを打設して、インバートコンクリート13を形成する(図11参照)(ステップ30)。これにより、超大断面トンネル1の構築が完成する。
【0028】
このように、本発明のトンネル掘削方法によれば、まずトンネルの両側部に相当する導坑40,40を1m程度の所定長掘削し、その外内側に地山支持用の支保工41及び補強用の中壁支保工42,50を形成した後、両導坑40,40間の地山45を掘削するので、従来に比べて掘削時における支保工全体の耐荷重が増大する。
【0029】
また、覆工コンクリート11のコンクリート打設作業は、中壁支保工42,50を一部分ずつ撤去しながら行うので、コンクリート打設場所周辺の地山荷重を、コンクリート打設近傍の地山支持用の支保工41,48と、コンクリート打設場所より後方における既設の覆工コンクリート11と、コンクリート打設場所より前方における中壁支保工42,50の未撤去部分とで支持するので、従来より大きな地山荷重を保持できる。
【0030】
従って、横幅20m程度以上、高さ10m程度以上、総掘削断面積200m2程度以上の超大断面トンネルを掘削する場合でも、従来に比べて各支保工に要求される強度及び剛性を小さく抑えることができる。
【0031】
そのため、支保工として特別な重量鋼材を使用する必要がなく、通常の鋼材を使用できるので、支保工用鋼材の運搬及び設置が容易になると共に、鋼材を重ねて使用するなどの工夫が不要になるので、支保工形成作業が容易になり、コストダウンが可能になる。
【0032】
なお、上記実施形態では、導坑40,40を所定長ずつ掘削して、その都度地山支持用の支保工41及び中壁支保工42を形成する場合について説明したが、場合によっては導坑40,40をトンネル全長に亘って掘削した後、地山支持用の支保工41及び中壁支保工42を形成することもできる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、まずトンネルの両側部に相当する導坑を掘削し、その外内側に地山支持用の支保工及び補強用の中壁支保工を形成した後、両導坑間の地山を掘削するので、支保工全体の耐荷重が増大する。
【0034】
また、覆工コンクリートのコンクリート打設は、中壁支保工を一部分ずつ撤去しながら行うので、コンクリート打設場所周辺の地山荷重を、その周辺の地山支持用の支保工と、コンクリート打設場所の後方における既設の覆工コンクリートと、コンクリート打設場所の前方における中壁支保工の未撤去部分とで支持するので、大きな地山荷重を保持できる。
【0035】
従って、超大断面トンネルを掘削する場合でも、従来に比べて各支保工に要求される強度及び剛性を小さく抑えることができるので、支保工用鋼材として特別な重量鋼材を使用する必要がなく、通常の鋼材を使用できる。
【0036】
これにより、支保工用鋼材の運搬及び設置が容易になると共に、各支保工の施工に際して鋼材を重ねて使用するなどの工夫が不要になるので、支保工形成の作業性を向上させることができ、コストダウンが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトンネル掘削方法を説明するフローチャートである。
【図2】本発明に係るトンネル掘削方法の作業工程を示す図である。
【図3】本発明に係るトンネル掘削方法の作業工程を示す図である。
【図4】本発明に係るトンネル掘削方法の作業工程を示す図である。
【図5】本発明に係るトンネル掘削方法の作業工程を示す図である。
【図6】本発明に係るトンネル掘削方法の作業工程を示す図である。
【図7】本発明に係るトンネル掘削方法の作業工程を示す図である。
【図8】図7のA−A断面図である。
【図9】本発明に係るトンネル掘削方法の作業工程を示す図である。
【図10】本発明に係るトンネル掘削方法の作業工程を示す図である。
【図11】本発明に係るトンネル掘削方法を適用した超大断面トンネルを示す断面図である。
【符号の説明】
1 超大断面トンネル
10 トンネル内空間
11 覆工コンクリート
40 導坑
41,48 地山支持用の支保工
42,50 中壁支保工
44,49 水平支保工
45 地山
46 埋め戻した土
Claims (2)
- トンネル内空間の少なくとも上面及び側面が覆工コンクリートで覆われたトンネルの掘削方法であって、
掘削すべき前記トンネル内空間の両側部分に相当する導坑を掘削し、
前記導坑の外側に地山支持用の支保工を形成すると共に、内側に補強用の中壁支保工を形成し、
前記地山支持用の支保工と前記中壁支保工との間に、前記導坑内空間を上下に2分する補強用の水平支保工を形成し、
前記地山支持用の支保工における前記水平支保工より下側部分にコンクリートを打設して、前記覆工コンクリートの一部を形成し、
前記導坑の前記水平支保工より下側の部分に土を埋め戻し、
前記両導坑間における前記水平支保工より上側の地山を掘削し、
前記両導坑間に形成された空間の上面及び底面に、地山支持用の支保工び補強用の水平支保工を形成し、
前記水平支保工より上側の露出された前記中壁支保工を一部分ずつ撤去しながら、露出された前記地山支持用の支保工上にコンクリートを打設して、前記覆工コンクリートを一部分ずつ形成し、
前記覆工コンクリートがトンネル全長に亘って形成された後、前記水平支保工より下側の前記地山及び前記埋め戻した土を掘削し、
前記中壁支保工の残部及び前記水平支保工を撤去することを特徴とするトンネル掘削方法。 - 前記両導坑間における前記水平支保工より上側の地山を掘削する際に、前記両中壁支保工間に別の中壁支保工を形成し、
これらの中壁支保工における前記水平支保工より上側の露出された部分を一部分ずつ撤去しながら、前記覆工コンクリートを一部分ずつ形成することを特徴とする請求項1に記載のトンネル掘削方法。
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---|---|---|---|
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101227679B1 (ko) * | 2010-09-27 | 2013-02-07 | 이승수 | 부분 굴착 및 되메움의 반복에 의한 터널 또는 구조물 시공방법 |
CN108843338A (zh) * | 2018-06-27 | 2018-11-20 | 北京市政路桥股份有限公司 | 一种竖井施工通道转换大断面隧道的一体开挖施工法 |
SE543647C2 (en) * | 2014-12-15 | 2021-05-18 | Cn Railway Siyuan Survey & Des | Method for constructing extra-large variable cross section tunnel |
CN115233734A (zh) * | 2022-09-20 | 2022-10-25 | 山西路桥市政工程有限公司 | 一种市政隧道施工方法 |
-
2002
- 2002-07-22 JP JP2002212447A patent/JP2004052408A/ja active Pending
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