JP2004051873A - キノフタロン化合物の製造方法 - Google Patents

キノフタロン化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】キノフタロン化合物を高い収率で得るための製造方法を提供すること。
【解決手段】炭化水素溶媒中で一般式(1)
【化1】
Figure 2004051873

〔式中、R1、R2はそれぞれ独立に、水素原子、置換されてもよいアルキル基、−CONR3R4、または−COOR5(R3〜R5はそれぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基または置換されてもよいアリール基を表す)を表す。〕で表されるキノフタロン化合物をハロゲン化剤で処理した後に、第1級アミン類または第2級アミン類で処理する一般式(2)
【化2】
Figure 2004051873

〔式中、R1、R2は上記一般式(1)と同じであり、R6、R7はそれぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基を表す〕で表されるキノフタロン化合物の製造方法。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録用色素または昇華転写記録用色素として有用なキノフタロン化合物の製造方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、下記式(3)および式(4)で表されるキノフタロン化合物がインクジェット記録用色素として有用であることが報告されている(特開2001−131454号公報)。この公開公報には、これらのキノフタロン化合物の製造方法として、o−ジクロロベンゼン中で下記式(5)で表される化合物を塩化チオニルで処理した後、ジ(2−エチルヘキシル)アミンまたはジn−ブチルアミンで処理する方法が記載されている。
【0003】
【化3】
Figure 2004051873
【0004】
しかしながら、上記の製造方法においては、最終目的物の収率が低いという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、キノフタロン化合物を高い収率で得るための製造方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、上記の式(5)で表される化合物の塩化チオニルによる処理を炭化水素溶媒中で行うことで目的とするキノフタロン化合物が高収率で得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、
(1)炭化水素溶媒中で一般式(1)
【0008】
【化4】
Figure 2004051873
【0009】
〔式中、R1、R2はそれぞれ独立に、水素原子、置換されてもよいアルキル基、−CONR3R4、または−COOR5(R3〜R5はそれぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、または置換されてもよいアリール基を表す)を表す。〕で表されるキノフタロン化合物をハロゲン化剤で処理した後に、第1級アミン類または第2級アミン類で処理する一般式(2)
【0010】
【化5】
Figure 2004051873
【0011】
〔式中、R1、R2は上記一般式(1)と同じであり、R6、R7はそれぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基を表す〕で表されるキノフタロン化合物の製造方法であり、
(2)炭化水素溶媒が、トルエン、キシレン、キュメン、ベンゼン、シクロヘキサン、C5〜C10の直鎖状あるいは分岐状飽和炭化水素からなる群から選択される少なくとも1種以上の化合物である前記(1)に記載の製造方法であり、
(3)ハロゲン化剤が、塩化チオニルおよび/またはホスゲンである前記(1)または(2)のいずれかに記載の一般式(2)で表されるキノフタロン化合物の製造方法であり、
(4)炭化水素溶媒1重量部に対して0.01〜0.0001重量部のN,N−ジメチルホルムアミドを添加する前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の一般式(2)で表されるキノフタロン化合物の製造方法であり、
(5)一般式(2)で表される化合物において、R1が水素原子または総炭素数5以下の置換されてもよいアルキル基、R2が水素原子、R6,R7がそれぞれ独立に炭素数4以上の置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基である前記(2)乃至(4)のいずれかに記載の製造方法であり、
(6)一般式(2)で表される化合物において、R1が総炭素数2以上5以下の置換されてもよいアルキル基、R2が水素原子、R6,R7がそれぞれ独立に炭素数4以上の置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基であることを特徴とする前記(2)乃至(4)のいずれかに記載の製造方法であり、
(7)一般式(2)で表される化合物において、R1がイソプロピル基、R2が水素原子、R6,R7がそれぞれ独立に炭素数4以上8以下の置換されていてもよいアルキル基である前記(2)乃至(4)のいずれかに記載の製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明で用いることができる一般式(1)で表される化合物において、R1、R2はそれぞれ独立に、水素原子、置換されてもよいアルキル基、−CONR3R4、または−COOR5(R3〜R5はそれぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基または置換されてもよいアリール基を表す)を表す。
【0013】
なお、一般式(1)において、置換されていてもよいアルキル基としては特に限定されるものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、sec−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、シクロヘキシル基、メチルシクロペンチル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1,1−ジメチルペンチル基、1,2−ジメチルペンチル基、1,3−ジメチルペンチル基、1,4−ジメチルペンチル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、3,4−ジメチルペンチル基、1−エチルペンチル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、1,1,2−トリメチルブチル基、1,1,3−トリメチルブチル基、1,2,3−トリメチルブチル基、1,2,2−トリメチルブチル基、1,3,3−トリメチルブチル基、2,3,3−トリメチルブチル基、1−エチル−1−メチルブチル基、1−エチル−2−メチルブチル基、1−エチル−3−メチルブチル基、2−エチル−1−メチルブチル基、2−エチル−3−メチルブチル基、1−n−プロピルブチル基、1−iso−プロピルブチル基,1−iso−プロピル−2−メチルプロピル基、メチルシクロヘキシル基、n−オクチル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、6−メチルヘプチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1,2−ジメチルヘキシル基、1,3−ジメチルヘキシル基、1,4−ジメチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、2,2−ジメチルヘキシル基、2,3−ジメチルヘキシル基、2,4−ジメチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、3,3−ジメチルヘキシル基、3,4−ジメチルヘキシル基、3,5−ジメチルヘキシル基、4,4−ジメチルヘキシル基、4,5−ジメチルヘキシル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基,4−エチルヘキシル基、1−n−プロピルペンチル基、2−n−プロピルペンチル基、1−iso−プロピルペンチル基、2−iso−プロピルペンチル基、1−エチル−1−メチルペンチル基、1−エチル−2−メチルペンチル基、1−エチル−3−メチルペンチル基、1−エチル−4−メチルペンチル基、2−エチル−1−メチルペンチル基、2−エチル−2−メチルペンチル基、2−エチル−3−メチルペンチル基、2−エチル−4−メチルペンチル基、3−エチル−1−メチルペンチル基、3−エチル−2−メチルペンチル基、3−エチル−3−メチルペンチル基、3−エチル−4−メチルペンチル基、1,1,2−トリメチルペンチル基、1,1,3−トリメチルペンチル基、1,1,4−トリメチルペンチル基、1,2,2−トリメチルペンチル基、1,2,3−トリメチルペンチル基、1,2,4−トリメチルペンチル基、1,3,4−トリメチルペンチル基、2,2,3−トリメチルペンチル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、2,3,4−トリメチルペンチル基、1,3,3−トリメチルペンチル基、2,3,3−トリメチルペンチル基、3,3,4−トリメチルペンチル基、1,4,4−トリメチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、3,4,4−トリメチルペンチル基、1−n−ブチルブチル基、1−iso−ブチルブチル基、1−sec−ブチルブチル基、1−tert−ブチルブチル基、2−tert−ブチルブチル基、1−n−プロピル−1−メチルブチル基、1−n−プロピル−2−メチルブチル基、1−n−プロピル−3−メチルブチル基、1−iso−プロピル−1−メチルブチル基、1−iso−プロピル−2−メチルブチル基、1−iso−プロピル−3−メチルブチル基、1,1−ジエチルブチル基、1,2−ジエチルブチル基、1−エチル−1,2−ジメチルブチル基、1−エチル−1,3−ジメチルブチル基、1−エチル−2,3−ジメチルブチル基、2−エチル−1,1−ジメチルブチル基、2−エチル−1,2−ジメチルブチル基、2−エチル−1,3−ジメチルブチル基、2−エチル−2,3−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルシクロヘキシル基、1,3−ジメチルシクロヘキシル基、1,4−ジメチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、n−ノニル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基等の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、
フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、フルオロエチル基、クロロエチル基、ブロモエチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、テトラクロロエチル基、ヘキサフルオロイソプロピル基等がのハロゲン原子が1個以上置換した直鎖状、分岐状又は環状のハロゲノアルキル基、
メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、ペントキシメチル基、ヘキシルオキシメチル基、シクロヘキシルオキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチル基、ブトキシエチル基、ペントキシエチル基、ヘキシルオキシエチル基、シクロヘキシルオキシエチル基、メトキシエトキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、プロポキシプロピル基、ブトキシプロピル基、ペントキシプロピル基、ヘキシルオキシプロピル基、シクロヘキシルオキシプロピル基、メトキシエトキシプロピル基等の直鎖、分岐又は環状のアルコキシアルキル基、
メチルチオメチル基、エチルチオメチル基、プロピルチオメチル基、ブチルチオメチル基、ペンチルチオメチル基、ヘキシルチオメチル基、シクロヘキシルチオメチル基、メチルチオエチル基、エチルチオエチル基、プロピルチオエチル基、ブチルチオエチル基、ペンチルチオエチル基、ヘキシルチオエチル基、シクロヘキシルチオエチル基、メトキシエチルチオエチル基、メチルチオプロピル基、エチルチオプロピル基、プロピルチオプロピル基、ブチルチオプロピル基、ペンチルチオプロピル基、ヘキシルチオプロピル基、シクロヘキシルチオプロピル基、メトキシエチルチオプロピル基等の直鎖状、分岐状又は環状のアルキルチオアルキル基、
N−メチルアミノメチル基、N,N−ジメチルアミノメチル基、N−エチルアミノメチル基、N,N−ジエチルアミノメチル基、N−プロピルアミノメチル基、N,N−ジプロピルアミノメチル基、N−メチル−N−エチルアミノメチル基、N−メチルアミノエチル基、N,N−ジメチルアミノエチル基、N−エチルアミノエチル基、N,N−ジエチルアミノエチル基、N−プロピルアミノエチル基、N,N−ジプロピルアミノエチル基、N−メチル−N−エチルアミノエチル基、N−メチルアミノプロピル基、N,N−ジメチルアミノプロピル基、N−エチルアミノプロピル基、N,N−ジエチルアミノプロピル基、N−プロピルアミノプロピル基、N,N−ジプロピルアミノプロピル基、N−エチル−N−ブチルアミノプロピル基等のアルキルアミノアルキル基又はジアルキルアミノアルキル基、
ヒドロキシエチル基等のヒドロキシアルキル基、メチルカルボニルオキシエチル基等のアルキルカルボニルオキシアルキル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、プロポキシカルボニルメチル基、ブトキシカルボニルメチル基、ペンチルオキシカルボニルメチル基、ヘキシルオキシカルボニルメチル基等のアルコキシカルボニルアルキル基、フェノキシカルボニルメチル基等のアリールオキシカルボニルアルキル基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基が挙げられる。
【0014】
また、一般式(1)において、置換されていてもよいアリール基としては特に限定されるものではないが、例えば、フェニル基、ナフチル基、アンスラニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3,6−ジメチルフェニル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,5−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2−エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、シクロヘキシルフェニル基、オクチルフェニル基、2−メチル−1−ナフチル基、3−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、5−メチル−1−ナフチル基、6−メチル−1−ナフチル基、7−メチル−1−ナフチル基、8−メチル−1−ナフチル基、1−メチル−2−ナフチル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−2−ナフチル基、5−メチル−2−ナフチル基、6−メチル−2−ナフチル基、7−メチル−2−ナフチル基、8−メチル−2−ナフチル基、2−エチル−1−ナフチル基等の直鎖、分岐又は環状のアルキル基が置換したアリール基、
3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2,3−ジメトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、2,5−ジメトキシフェニル基、2,6−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、3,6−ジメトキシフェニル基、2,3,4−トリメトキシフェニル基、2,3,5−トリメトキシフェニル基、2,3,6−トリメトキシフェニル基、2,4,5−トリメトキシフェニル基、2,4,6−トリメトキシフェニル基、3,4,5−トリメトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、プロポキシフェニル基、ブトキシフェニル基、ヘキシルオキシフェニル基、シクロヘキシルオキシフェニル基、オクチルオキシフェニル基、2−メトキシ−1−ナフチル基、3−メトキシ−1−ナフチル基、4−メトキシ−1−ナフチル基、5−メトキシ−1−ナフチル基、6−メトキシ−1−ナフチル基、7−メトキシ−1−ナフチル基、8−メトキシ−1−ナフチル基、1−メトキシ−2−ナフチル基、3−メトキシ−2−ナフチル基、4−メトキシ−2−ナフチル基、5−メトキシ−2−ナフチル基、6−メトキシ−2−ナフチル基、7−メトキシ−2−ナフチル基、8−メトキシ−2−ナフチル基、2−エトキシ−1−ナフチル基等の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基が置換したアリール基、
クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、トリクロロフェニル基、ブロモフェニル基、ジブロモフェニル基、ヨードフェニル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基等のハロゲン原子が置換したアリール基、トリフルオロメチルフェニル基等のハロゲン化アルキル基が置換したアリール基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、N−フェニル−N−メチルアミノフェニル基、N−トリル−N−エチルアミノフェニル基、N−クロロフェニル−N−シクロヘキシルアミノフェニル基、N,N−ジトリルアミノフェニル基等のN−モノ置換アミノ置換アリール基、N,N−ジ置換アミノアリール基が挙げられ、他にメチルチオフェニル基、エチルチオフェニル基、メチルチオナフチル基、フェニルチオフェニル基等のアルキルチオアリール基、アリールチオアリール基等が挙げられる。
【0015】
一般式(1)で表される化合物の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、特開平5−39269号公報および特開平7−292264号公報に記載の方法に準じて製造することができる。
【0016】
例えば、下記一般式(6)で表される3−ヒドロキシ−2−メチル−4−シンコニン酸誘導体と一般式(7)で表される無水フタル酸誘導体とを、ニトロベンゼン、スルホラン、ジクロロベンゼン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどの高沸点溶媒中、150〜230℃で1〜20時間反応させることにより、一般式(1)で表される化合物を得ることができる。
【0017】
【化6】
Figure 2004051873
【0018】
本発明においては、炭化水素溶媒中で一般式(1)で表される化合物をハロゲン化剤で処理する。
【0019】
炭化水素溶媒は特に限定されるものではないが、炭化水素溶媒としては、例えば、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン、エチルベンゼン、o−ジエチルベンゼン、m−ジエチルベンゼン、p−ジエチルベンゼン、キュメン、o−ジイソプロピルベンゼン、m−ジイソプロピルベンゼン、p−ジイソプロピルベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、炭素数5〜18の直鎖状または分岐状の脂肪族飽和炭化水素が挙げられる。
【0020】
炭素数5〜18の直鎖状あるいは分岐状の飽和炭化水素としては、例えば、n−ペンタン、iso−ペンタン、neo−ペンタン、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,3−ジメチルブタン、n−ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、3−エチルペンタン、n−オクタン、2−メチルヘプタン、3−メチルヘプタン、4−メチルヘプタン、2,3−ジメチルヘキサン、2,4−ジメチルヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン、3,4−ジメチルヘキサン、2−エチルヘキサン、3−エチルヘキサン、3−エチル−2−メチルペンタン、2,3,4−トリメチルペンタン、2,2,4−トリメチルペンタン、2,2,3−トリメチルペンタン、n−ノナン、2−メチルオクタン、3−メチルオクタン、3−エチルヘプタン、4−エチルヘプタン、2,3−ジメチルヘプタン、2,4−ジメチルヘプタン、2,5−ジメチルヘプタン、2,6−ジメチルヘプタン、2,3,4−トリメチルヘキサン、2,3,5−トリメチルヘキサン、3−エチル−2−メチルヘキサン、3−エチル−3−メチルヘキサン、3−エチル−4−メチルヘキサン、3−エチル−5−メチルヘキサン、n−デカン、2−メチルノナン、3−メチルノナン、4−メチルノナン、5−メチルノナン、3−エチルオクタン、4−エチルオクタン、5−エチルオクタン、2,3−ジメチルオクタン、2,4−ジメチルオクタン、2,5−ジメチルオクタン、2,6−ジメチルオクタン、2,7−ジメチルオクタン、2,2−ジメチルオクタン、3,3−ジメチルオクタン、3,4−ジメチルオクタン、3,5−ジメチルオクタン、4,4−ジメチルオクタン、4,5−ジメチルオクタン、5,5−ジメチルオクタン、2,3,4−トリメチルヘプタン、2,3,5−トリメチルヘプタン、2,3,6−トリメチルヘプタン、2,2,3−トリメチルヘプタン、2,2,4−トリメチルヘプタン、2,2,5−トリメチルヘプタン、2,2,6−トリメチルヘプタン、3,3,4−トリメチルヘプタン、3,3,5−トリメチルヘプタン、3,3,6−トリメチルヘプタン、2,4,5−トリメチルヘプタン、2,4,6−トリメチルヘプタン、2,5,6−トリメチルヘプタン、3−エチル−3−メチルヘプタン、3−エチル−4−メチルヘプタン、3−エチル−5−メチルヘプタン、3−エチル−6−メチルヘプタン、4−エチル−4−メチルヘプタン、4−エチル−5−メチルヘプタン、3−n−プロピルヘプタン、3−iso−プロピルヘプタン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン等が挙げられる。
【0021】
これらのなかで、トルエン、キシレン、キュメン、ベンゼン、シクロヘキサン、炭素数5〜10の直鎖上あるいは分岐状の脂肪族飽和炭化水素は好ましく、特にトルエンは好ましい。これらは単独で用いることができるが、2種以上を混合して用いることもできる。
【0022】
炭化水素溶媒の使用量は、一般式(1)で表される化合物1重量部に対して通常1〜100部を用いることができるが、好ましくは3〜20重量部である。
【0023】
ハロゲン化剤としては、一般式(1)で表される化合物に存在するカルボキシル基と反応して一般式(1)で表される化合物を酸ハロゲン化物に変換することができる化合物であれば特に限定されないが、例えば、塩化チオニル、ホスゲン、オキサリルクロライド、塩化ホスホリル、五塩化リン、三塩化リンが挙げられる。これらのなかでも塩化チオニル、ホスゲンは反応後の除去が容易である点で好ましい。
【0024】
ハロゲン化剤の使用量は、一般式(1)で表される化合物に存在するカルボキシル基1当量に対して、通常0.05〜20当量が用いられるが、好ましくは0.5〜5当量である。
【0025】
ハロゲン化剤で処理するに際して、N,N−ジメチルホルムアミドを添加して反応してもよい。添加量は炭化水素溶媒1重量部に対して0.1〜0.00001重量部であり、好ましくは0.01〜0.0001重量部である。添加方法は処理前に装入しておいてもよいし、処理途中で装入してもよい。N,N−ジメチルホルムアミドは酸ハロゲン化物の生成を促進させる効果があり、反応時間を短縮することができる。
【0026】
ハロゲン化剤で処理する際の温度は、−30℃〜150℃が好ましく、さらに好ましくは10℃〜100℃である。ハロゲン化剤で処理する温度は反応の進行具合で決定するのが好ましい。反応の進行が遅すぎる場合は反応温度を高めに設定し、早すぎて制御しにくい場合は低めに設定するのが好ましい。
【0027】
ハロゲン化剤で処理する際の圧力はハロゲン化剤が気化しない程度の圧力が好ましい。具体的には0.001気圧〜10気圧が好ましい。さらに好ましくは0.1気圧〜2気圧である。ハロゲン化剤での処理が終わった後は、減圧してハロゲン化剤を気化させて余剰のハロゲン化剤を除去することができる。
【0028】
一般式(1)で表される化合物をハロゲン化剤で処理した後、第1級アミン類または第2級アミン類で処理することにより一般式(2)で表される化合物を得ることができる。
【0029】
第1級アミン類としては特に限定されないが、第1級アミン類としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、1−プロピルアミン、2−プロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、iso−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、sec−ペンチルアミン、neo−ペンチルアミン、3−ペンチルアミン、2−メチル−1−ブチルアミン、1−ヘキシルアミン、2−ヘキシルアミン、3−ヘキシルアミン、4−メチル−1−ペンチルアミン、4−メチル−2−ペンチルアミン、2−メチル−3−ペンチルアミン、2−エチル−1−ブチルアミン、2−エチル−2−ブチルアミン、3−エチル−2−ブチルアミン、3−エチル−2−ブチルアミン、n−ヘプチルアミン、2−メチル−1−ヘキシルアミン、3−メチル−1−ヘキシルアミン、4−メチル−1−ヘキシルアミン、5−メチル−1−ヘキシルアミン、2−エチル−1−ペンチルアミン、3−エチル−1−ペンチルアミン、4−エチル−1−ペンチルアミン、n−オクチルアミン、2−メチル−1−ヘプチルアミン、3−メチル−1−ヘプチルアミン、4−メチル−1−ヘプチルアミン、5−メチル−1−ヘプチルアミン、6−メチル−1−ヘプチルアミン、2−エチル−1−ヘキシルアミン、3−エチル−1−ヘキシルアミン、4−エチル−1−ヘキシルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン等が挙げられる。
【0030】
第2級アミン類としては特に限定されないが、第2級アミン類としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ(n−プロピル)アミン、ジ(イソプロピル)アミン、ジ(n−ブチル)アミン、ジ(イソブチル)アミン、ジ(sec−ブチル)アミン、ジ(tert−ブチル)アミン、ジ(n−ペンチル)アミン、ジ(イソペンチル)アミン、ジ(n−ヘキシル)アミン、ジ(イソヘキシル)アミン、ジ(n−ヘプチル)アミン、ジ(n−オクチル)アミン、ジ(イソオクチル)アミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジウンデシルアミン、ジドデシルアミン、ジトリデシルアミンが挙げられる。
【0031】
第1級アミン類または第2級アミン類で処理するに際して、ピリジン、トリエチルアミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ化合物の存在下で反応することもできる。これらアルカリ化合物はアミド化反応を促進させる効果があり、反応時間の短縮に有利である。
【0032】
アルカリ化合物の添加量は炭化水素溶媒1重量部に対して0.5〜0.0001重量部であり、好ましくは0.1〜0.0005重量部である。添加方法はアミン処理の前に装入しておいてもよいし、アミン処理の途中で装入してもよい。
【0033】
第1級アミン類または第2級アミン類で処理する時の温度は−30℃〜150℃が好ましく、さらに好ましくは10℃〜100℃である。アミン類で処理する際に上記のアルカリ化合物を用いた場合、比較的低温で反応が進行するので10℃〜50℃が好適である。
【0034】
第1級アミン類または第2級アミン類で処理する際の圧力は0.001気圧〜10気圧が好ましい。さらに好ましくは0.1気圧〜2気圧である。
【0035】
一般式(1)で表される化合物のハロゲン化剤での処理を炭化水素溶媒中で行うことにより、ハロゲン化剤での処理をo−ジクロロベンゼン中で行う従来の方法に比べて最終目的物生成時に同時に生成する副生物の生成量が少なく、最終目的物である一般式(2)で表される化合物の収率が向上することが判明した。
【0036】
o−ジクロロベンゼンを用いて一般式(1)で表される化合物のハロゲン化剤での処理を行った場合、一般式(1)で表される化合物および生成する該化合物の酸ハロゲン化物のo−ジクロロベンゼンに対する溶解度が大きいために反応マス中にこれら化合物の結晶が析出することはないが、炭化水素溶媒を用いて該処理を行った場合には、一般式(1)で表される化合物および生成する該化合物の酸ハロゲン化物の炭化水素溶媒に対する溶解度が小さいため、これら化合物の結晶が完全に溶解せずに反応マスがスラリー状態となることが判った。また、o−ジクロロベンゼンを用いて一般式(1)で表される化合物のハロゲン化剤での処理を行った場合、炭化水素溶媒を用いた場合に比べて副生物の生成量が多いことも判った。この理由は明らかでないが、恐らく一般式(1)で表される化合物とと酸ハロゲン化物、または酸ハロゲン化物同士が接触する確率が低くなるために、副生物の生成が抑制されるためと推測される。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0038】
なお、実施例および比較例中の部は重量部を示し、%は重量%を示す。キノフタロン化合物の収率および副生物生成量は液体クロマトグラフィー分析に依った。液体クロマトグラフィー分析の条件は以下のとおりである。
【0039】
カラム:株式会社ワイエムシイのODS−A A−312
検出器:島津製作所株式会社のSPD−6AV
測定温度:40℃
検出波長:254nm
溶離液:メタノール/0.02モルりん酸水(容積比)=95/5
【0040】
副生物量の推定方法
得られたキノフタロン化合物を含む蒸留残分15mgを1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン20mlに溶解し、2μl注入してHPLC分析した。HPLC分析の結果、キノフタロン化合物と1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンピーク以外のピークを不純物のピークとして、下記式にて不純物含有量を算出した。
【式1】
Figure 2004051873
【0041】
合成例1
式(3)の化合物の合成
スルホラン285部にトリメリット酸無水物21.1部を加え、185℃に加熱し、更に3−ヒドロキシ−2−メチル−6−イソプロピルキノリン−4−カルボン酸24.6部を加えて、200℃で1時間反応させ、目的物の前駆体である式(3)の化合物37.2部を得た。
【0042】
実施例1
式(4)の化合物の合成
トルエン600部に式(3)の化合物50部、DMF0.6部、塩化チオニル17.5部を加えて50℃で20時間反応させた。次に25℃に冷却し、ピリジン48部、ジ(2−エチルヘキシル)アミン32部を加えて3時間反応させた。次いで、反応マスを水で洗浄し、トルエン層を硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。硫酸ナトリウムを濾過して除去した濾液からトルエンを留去して蒸留残分として式(4)の化合物75部を得た。式(4)の化合物の一部をHPLCにより分析した結果、化合物(3)に対する式(4)の化合物の収率は93%、不純物は0.1%であった。化合物(4)の極大吸収波長(λmax)は452nmであり、452nmにおけるグラム吸光係数(εg)は92200ml/g・cmだった。蒸留残分を元素分析した結果を下記に示した。
分析値  C:76.3%     H:8.4%     N:4.6%
計算値  C:76.2%     H:8.4%     N:4.7%
【0043】
実施例2
式(5)の化合物の合成
トルエン600部に式(3)の化合物50部、DMF0.6部、塩化チオニル17.5部を加えて50℃で20時間反応させた。次に25℃に冷却し、ピリジン48部、ジn−ブチルアミン17部を加えて3時間反応させた。次いで、反応マスを水を用いて分液洗浄し、トルエン層を硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。硫酸ナトリウムを濾過して除去した濾液からトルエンを留去して蒸留残分として式(5)の化合物60部を得た。式(5)の化合物の一部をHPLC分析した結果、化合物(3)に対する式(5)の化合物の収率は92%、不純物は0.2%であった。化合物(5)の極大吸収波長(λmax)は450nmであり、450nmにおけるグラム吸光係数(εg)は110400ml/g・cmだった。蒸留残分を元素分析した結果を下記に示した。
分析値  C:85.3%     H:8.1%     N:6.6%
計算値  C:85.2%     H:8.1%     N:6.7%
【0044】
実施例3
式(9)の化合物の合成
トルエン600部に下記式(8)の化合物50部、DMF0.6部、塩化チオニル17.5部を加えて50℃で20時間反応させた。次に25℃に冷却し、ピリジン48部、ジn−ブチルアミン16部を加えて3時間反応させた。反応マスを水を用いて分液洗浄し、トルエン層を硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。硫酸ナトリウムを濾過して除去した濾液からトルエンを留去して蒸留残分として式(9)の化合物化合物90部を得た。式(9)の化合物の一部をHPLC分析した結果、化合物(8)に対する式(9)の化合物の収率は97%、不純物は0.2%だった。化合物(9)の極大吸収波長(λmax)は451nmであり、451nmにおけるグラム吸光係数(εg)は88300ml/g・cmだった。蒸留残分を元素分析した結果を下記に示した。
【0045】
【化7】
Figure 2004051873
【0046】
【化8】
Figure 2004051873
分析値  C:85.2%     H:7.7%     N:7.1%
計算値  C:85.3%     H:7.7%     N:7.0%
【0047】
比較例1
o−ジクロロベンゼン600部に式(3)の化合物50部、塩化チオニル17.5部を加えて100℃で2.5時間反応させた。次に25℃に冷却し、ジ(2−エチルヘキシル)アミン32部を加えて2時間反応させた。反応マスを水を用いて分液洗浄し、o−ジクロロベンゼン層を硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。硫酸ナトリウムを濾過して除去した濾液からo−ジクロロベンゼンを留去して蒸留残分として式(4)の化合物70部を得た。式(4)の化合物の一部をHPLC分析した結果、化合物(3)に対する式(4)の化合物の収率は86%、不純物は12.2%であった。
【0048】
比較例2
o−ジクロロベンゼン600部に式(3)の化合物50部、塩化チオニル17.5部を加えて100℃で2.5時間反応させた。次に25℃に冷却し、ジn−ブチルアミン17部を加えて2時間反応させた。反応マスを水を用いて分液洗浄し、o−ジクロロベンゼン層を硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。硫酸ナトリウムを濾過して除去した濾液からo−ジクロロベンゼンを留去して蒸留残分として式(5)の化合物53部を得た。式(5)の化合物の一部をHPLC分析した結果、化合物(3)に対する式(5)の化合物の収率は81%、不純物は10.9%であった。
【0049】
比較例3
o−ジクロロベンゼン600部に式(8)の化合物50部、塩化チオニル17.3部を加えて100℃で2.5時間反応させた。次に25℃に冷却し、ジn−ブチルアミン17部を加えて2時間反応させた。反応マスを水を用いて分液洗浄し、o−ジクロロベンゼン層を硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。硫酸ナトリウムを濾過で除去した濾液からo−ジクロロベンゼンを留去して蒸留残分として式(9)の化合物50部を得た。式(9)の化合物の一部をHPLC分析した結果、化合物(8)に対する式(9)の化合物の収率は81%、不純物は13.4%だった。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の方法に比べて副生物の生成が少なく、かつ、高い収率で高純度のキノフタロン化合物を容易に製造することができる。

Claims (7)

  1. 炭化水素溶媒中で一般式(1)
    Figure 2004051873
    〔式中、R1、R2はそれぞれ独立に、水素原子、置換されてもよいアルキル基、−CONR3R4、または−COOR5(R3〜R5はそれぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基または置換されてもよいアリール基を表す)を表す。〕で表されるキノフタロン化合物をハロゲン化剤で処理した後に、第1級アミン類または第2級アミン類で処理する一般式(2)
    Figure 2004051873
    〔式中、R1、R2は上記一般式(1)と同じであり、R6、R7はそれぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基を表す〕で表されるキノフタロン化合物の製造方法。
  2. 炭化水素溶媒が、トルエン、キシレン、キュメン、ベンゼン、シクロヘキサン、C5〜C10の直鎖状あるいは分岐状飽和炭化水素からなる群から選択される少なくとも1種以上の化合物である請求項1に記載の製造方法。
  3. ハロゲン化剤が、塩化チオニルおよび/またはホスゲンである請求項1または請求項2のいずれかに記載の一般式(2)で表されるキノフタロン化合物の製造方法。
  4. 炭化水素溶媒1重量部に対して0.01〜0.0001重量部のN,N−ジメチルホルムアミドを添加する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の一般式(2)で表されるキノフタロン化合物の製造方法。
  5. 一般式(2)で表される化合物において、R1が水素原子または総炭素数5以下の置換されてもよいアルキル基、R2が水素原子、R6,R7がそれぞれ独立に炭素数4以上の置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基である請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 一般式(2)で表される化合物において、R1が総炭素数2以上5以下の置換されてもよいアルキル基、R2が水素原子、R6,R7がそれぞれ独立に炭素数4以上の置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいアリール基であることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の製造方法。
  7. 一般式(2)で表される化合物において、R1がイソプロピル基、R2が水素原子、R6,R7がそれぞれ独立に炭素数4以上8以下の置換されていてもよいアルキル基である請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の製造方法。
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