JP2013183736A - 生体分子標識用の新規蛍光物質 - Google Patents

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Abstract

【課題】エキシトンプライマー等の合成工程の短縮化に寄与する新規蛍光色素を提供する。
【解決手段】下式(1)で示される蛍光色素が2つ結合した構造を有する化合物。
Figure 2013183736

ここでAは、CR、N、P、PO、BもしくはSiR(Rは、水素原子、アルキル基または任意の置換基)である。B、BおよびBは、リンカー、CおよびCは、エキシトン効果を示す蛍光性原子団。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体分子標識用の新規蛍光物質、それを用いて製造された標識物質およびそれらを用いた検出方法に関する。
細胞レベルでの生命現象の解析や、病気の分子レベルでの診断には特定のたんぱく質や核酸配列を検出する必要があり、その検出には、蛍光が広く利用されている。具体的には、ターゲットたんぱく質への結合、および標的核酸配列の増加に共役して、蛍光強度が増大するような蛍光物質を用いる方法が知られている。前記蛍光物質としては、例えば、フォレスター共鳴エネルギー・トランスファー(FRET)を利用する方法や二重らせん構造にインターカレーションし、励起光の照射により蛍光を発する物質が代表的である。
しかしながら、従来の蛍光物質は、例えば、ターゲットの物質に結合していない場合でも、蛍光を発するおそれがある。また、蛍光物質を標識した抗体や核酸配列のみの蛍光を消光する目的では、FRETを利用する方法が有効であるが(非特許文献1〜4等)、FRETを与えるために、例えば、2種類の蛍光色素やユニークな配列の導入、さらには蛍光色素を結合させる位置の精密なデザインが必要となり、配列の制約や製造コスト等の問題がある。
そこで、前記課題の解決のために1種類の色素のみでの蛍光検出系が提案されており、その一つが、2つ以上の色素分子が並行に集合するために生じるエキシトン効果によって蛍光発光を示さないが、それらの分子が核酸にインターカレーションまたはグルーブバインディング(溝結合)するときには、前記集合状態が解けることにより蛍光発光が生じる2つ以上の色素分子の化学構造を同一分子内に有することを特徴的化学構造とする複合体標識物質である(特許文献3)。この標識物質をオリゴヌクレオチドに導入したプライマーまたはプローブ(エキシトンオリゴマー等)として標的核酸の増幅や検出に使用することが開示されている(特許文献4)。このエキシトンオリゴマー等は、ハイブリダイゼーション前後の蛍光のスイッチングを一種類の色素で可能にするものであり、また、増幅反応のリアルタイムモニタリングに利用する場合、配列特有の蛍光シグナルを与えることができるので、従来のSYBRグリーンIを用いたときに非特異的増幅も検出されてしまうという問題を克服することができる。さらに、蛍光団をdTまたはdCに導入できるので、配列の制約をほとんど無視することができる。
しかし、このようなエキシトンオリゴマー等を合成する際には、2つの蛍光色素を導入するために用いる特殊なアミダイト(DNA合成試薬)を自ら合成して利用する必要があり、色素自体にも、DNAオリゴマーに結合させるための特殊な修飾が必要であった。しかしこれらはいずれも人手を必要とする作業であるため、コスト改善を図る上ではこの作業の短縮化が求められていた。また、色素とDNAオリゴマーとをDNA合成機中で反応させることができないため、合成したDNAオリゴマーを精製した後に色素と結合させ、さらに精製工程が必要となるなど、作業が煩雑であった(特許文献4、非特許文献1)。
さらに色素を導入する塩基に応じて特定のDNA合成試薬を準備する必要があるが、いずれも市販されていない。T(チミン)、C(シトシン)は合成法が知られているが、A(アデニン)、G(グアニン)は合成法すら未だ知られていない。したがってエキシトンオリゴマー等の開発にあたっては、TまたはCにしか修飾できないという制限があった(特許文献3、特許文献4、非特許文献9、非特許文献10、非特許文献11、非特許文献12、非特許文献13)。さらに現状ではDNAに限定されており、RNAやペプチドと2つの蛍光色素を結合させるモノマーは合成法すら知られていない。
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本発明は、1種類2個の蛍光色素で標識された核酸配列やペプチド配列の合成工程の短縮化に寄与する新規蛍光色素の提供を目的とする。また、本発明による蛍光色素は、結合する活性部位の種類によってさまざまな用途に利用することができる。
エキシトンオリゴマーは2個の蛍光色素(チアゾールオレンジやその類似物)が導入されたDNAオリゴマーであり、1本鎖の場合は蛍光をほとんど発しない。しかしターゲットDNAとハイブリダイズさせるとエキシトン制御によって大きく蛍光を発する。エキシトンオリゴマーを合成するにあたっては、色素を導入するために市販されていない特殊なDNA合成試薬を利用しており、この試薬の合成が必須となる。また色素もDNAオリゴマーに結合させるために特殊な誘導体として合成する必要がある。
本発明者は、エキシトンオリゴマー合成の改良法について種々検討を重ねた結果、市販のDNA合成試薬を利用してもエキシトンオリゴマーの合成が可能な新規蛍光色素を開発した。この色素を用いることによって、DNA合成機の中で色素を結合させることが可能となり、精製工程の大幅な短縮化を達成することができた。また、本発明による蛍光色素は、結合する活性部位の種類によって、DNA合成試薬のみならずRNA合成試薬として利用でき、合成オリゴペプチドやたんぱく質へラベル化することもできる。
前記課題を解決するために、本発明者は活性エステルが導入された部位への結合できる、かつエキシトン制御機構をもつ新規蛍光色素を設計し合成した。すなわち、本発明による蛍光色素は、下式(1)で表されるように蛍光色素が2つ結合した構造を有する化合物、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩であることを特徴とする。
Figure 2013183736
式(1)中、
Aは、CR、N、P、PO、BもしくはSiRであり、Rは、水素原子、アルキル基または任意の置換基である。
、BおよびBは、リンカー(架橋原子または原子団)であり、主鎖長は任意である。主鎖中にC、N、O、P、B、Si、Sを含んでいてもいなくても良く、単結合、二重結合、三重結合、アミド結合、エステル結合、ジスルフィド結合、イミノ基、エーテル結合、チオエーテル結合、およびチオエステル結合をそれぞれ含んでいてもいなくても良い。B、BおよびBはそれぞれ同一でも異なっていても良い。
およびCは、エキシトン効果を示す蛍光性原子団であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい、下式(2)または下式(3)で表される原子団である。Eは、O、S、Seであり、nは、0または正の整数である。RおよびRのうち一方は、式(1)中のBまたはBに結合する連結基であり、他方は、水素原子または低級アルキル基である。R〜R12は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、アミノ基、シリル基、ボリル基である。ARは、任意の芳香環であり、あってもなくても良い。式(2)または(3)中においてRが複数存在する場合は、同一でも異なっていてもよく、式(2)または(3)中においてRが複数存在する場合は、同一でも異なっていてもよい。
中のE、AR、nおよびR〜R12と、C中のE、AR、nおよびR〜R12とは、互いに同一でも異なっていてもよい。
Figure 2013183736
Figure 2013183736
Dは、DNAオリゴマー、RNAオリゴマー、たんぱく質、オリゴペプチド、抗体または糖類に結合する部位であり、アミノ基、活性エステル基、チオール基またはビオチン誘導体である。結合させる物質は生体由来のもの、または化学合成品である。
本発明の標識物質は、上記の化合物、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩を用いて製造された標識物質であり、具体的には、DNA、RNA、PNA(ペプチド核酸)やLNA(ロックト核酸)のような人工核酸、たんぱく質、ペプチド、抗体または糖類などであるが、より具体的には、標識モノヌクレオチド、標識オリゴヌクレオチド、標識核酸または標識核酸誘導体が例示できる。
本発明の検出方法は、上記の標識物質、すなわちエキシトン制御機構を有する標識物質を用いた方法であり、例えば、標識物質が標識核酸である場合、核酸プローブや核酸プライマーの形態で核酸検出や増幅確認に好適に用いることができる。遺伝子の増幅方法を用いて目的物質を検出する場合、従来公知の種々の核酸増幅方法が適用でき、その反応形式は何ら制限されない。前記核酸増幅方法としては、例えば、等温増幅方法やポリメラーゼチェーンリアクション(PCR)法等があげられる。前記等温増幅法とは、一般に、等温で核酸増幅反応を行う方法である。このような方法としては、例えば、特公平7−114718号公報等に開示される鎖置換型増幅(SDA;strand displacement amplification)法、米国特許第5824517号明細書、国際公開第99/09211号パンフレットまたは国際公開第95/25180号パンフレット等に開示されている改良SDA法、日本国特許第2650159号公報等に開示されている核酸配列増幅(NASBA;nucleic acid sequence based amplification)法、日本国特許第3313358号およびNucleic Acids Research,2000,Vol.28,No.12,e63に開示されているランプ(LAMP;Loop−Mediated Isothermal Amplification)法、国際公開第02/16639号パンフレット等に開示されているICAN法(Isothermal and Chimeric primer−initiated Amplification of Nucleic acids)、自立複製(3SR;self−sustainedsequence replication)法、TMA(transcription−mediated amplification)法、日本国特許第2710159号公報に開示されているQベータレプリカーゼ法、日本国特許第3897805号およびNATURE METHODS,Vol.4,No.3,March 2007,pp.257−262に開示されているSmartAmp法、Invader法、RCA(rolling cycle amplification)法等があげられる。
この蛍光色素はターゲットとのハイブリダイゼーションに依存した蛍光のスイッチングが可能である。これをDNAオリゴマーの合成時に、市販されているDNA合成試薬(NHS−Carboxy−dT)を導入した位置にDNA合成機中で結合させることが可能である。これによって従来必要であった特殊なDNA合成試薬の合成、および蛍光色素によるラベル化の前の精製が必要なくなり工程の大幅な短縮が可能となった。また、この新規蛍光色素には容易に他の種類の結合部位の導入が可能である。これによってアミノ基やチオール基をもつ合成DNAやRNA、抗体やたんぱく質、合成オリゴペプチドへの導入へ発展できる。さらにエキシトン制御による蛍光スイッチングを行うことにより生体物質間の相互作用のリアルタイム検出も可能になると期待される。さらに、生体物質間の相互作用の検出には、それぞれの物質に異なる色素を2つ導入する必要があるなど調製が難しいが、この色素は1つ導入するだけで相互作用の検出が可能である。また相互作用した場合のみ発色することが期待されることから、過剰の色素の洗浄工程も不必要になる。
図1は、本発明の蛍光色素の例としてTO−diamideの合成スキームを示す図である。 図2は、本発明の蛍光色素の使用例として、エキシトンプライマーの合成スキームを示す図である。
次に、本発明の実施形態についてさらに具体的に説明する。
本発明の蛍光色素は、前述のように、下式(1)で表されるように蛍光色素が2つ結合した構造を有する化合物であることを特徴とする。また、これらの互変異性体若しくは立体異性体、またはそれらの塩も、本発明における蛍光色素に含まれる。
Figure 2013183736
式(1)中、
Aは、CR、N、P、PO、BもしくはSiRであり、Rは、水素原子、アルキル基または任意の置換基である。
、BおよびBは、リンカー(架橋原子または原子団)であり、主鎖長は任意である。主鎖中にC、N、O、P、B、Si、Sを含んでいてもいなくても良く、単結合、二重結合、三重結合、アミド結合、エステル結合、ジスルフィド結合、イミノ基、エーテル結合、チオエーテル結合、およびチオエステル結合をそれぞれ含んでいてもいなくても良い。B、BおよびBはそれぞれの同一でも異なっていても良い。
およびCは、エキシトン効果を示す蛍光性原子団であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい、下式(2)または下式(3)で表される原子団である。Eは、O、S、Seであり、nは、0または正の整数である。RおよびRのうち一方は、式(1)中のBまたはBに結合する連結基であり、他方は、水素原子または低級アルキル基である。R〜R12は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、アミノ基、シリル基、ボリル基である。ARは、任意の芳香環であり、あってもなくても良い。式(2)または(3)中においてRが複数存在する場合は、同一でも異なっていてもよく、式(2)または(3)中においてRが複数存在する場合は、同一でも異なっていてもよい。
中のE、AR、nおよびR〜R12と、C中のE、AR、nおよびR〜R12とは、互いに同一でも異なっていてもよい。
Figure 2013183736
Figure 2013183736
Dは、DNAオリゴマー、RNAオリゴマー、たんぱく質、オリゴペプチド、抗体または糖類に結合する部位であり、アミノ基、活性エステル基、チオール基またはビオチン誘導体である。結合させる物質は生体由来のもの、または化学合成品である。
前記式(1)中、B、BおよびBの主鎖長(主鎖原子数)は、それぞれ2以上の整数であることが好ましく、上限は特に制限されないが、例えば100以下であり、より好ましくは30以下であり、特に好ましくは10以下である。
およびCは、エキシトン効果を示す蛍光性原子団であることが好ましい。これにより、ターゲット分子と結合したときの環境変化における蛍光の増大が大きく、例えばDNAの二重らせん構造をいっそう効果的に検出することができる。CおよびCは、蛍光性を有する原子団であればよく、前記蛍光性を有する原子団は、特に制限されない。CおよびCは、例えば、それぞれ独立に、チアゾールオレンジ、オキサゾールイエロー、シアニン、ヘミシアニン、その他のシアニン色素、メチルレッド、アゾ色素またはそれらの誘導体から誘導される基であることがより好ましい。また、その他の公知の色素から誘導される基も、適宜用いることができる。核酸やペプチドに結合することによって蛍光強度を変化させる蛍光色素は、数多く報告されている。典型的な例では、エチジウムブロミドがDNAの二重らせん構造にインターカレーションして強い蛍光を示すことが知られており、DNA検出に多用されている。また、ピレンカルボキシアミドやプロダンのような微視的極性に応じて蛍光強度を制御できる蛍光色素も知られている。また、前記チアゾールオレンジは、ベンゾチアゾール環とキノリン環をメチン基で連結した蛍光色素であり、通常微弱な蛍光を示すが、二重らせん構造をもつDNAにインターカレーションすることによって強い蛍光発光を与えるようになる。その他、例えば、フルオレセインやCy3等の色素も挙げられる。
およびCは、それぞれ独立に、下式(4)または(5)で表される原子団であることがより好ましい。
Figure 2013183736
Figure 2013183736
式(4)または(5)中、
Eは、SまたはOであり、nは、0または正の整数である。
およびRのうち一方は、式(1)中のBまたはBに結合する連結基であり、他方は、水素原子または低級アルキル基である。R〜R12は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、アミノ基、シリル基、ボリル基である。ARは、任意の芳香環であり、あってもなくても良い。式(4)または(5)中においてRが複数存在する場合は、同一でも異なっていてもよく、式(4)または(5)中においてRが複数存在する場合は、同一でも異なっていてもよい。
中のE、AR、nおよびR〜R12と、C中のE、AR、nおよびR〜R12とは、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記式(4)または(5)中、R〜R12において、前記低級アルキル基が、炭素数1〜6の直鎖または分枝アルキル基であり、前記低級アルコキシ基が、炭素数1〜6の直鎖または分枝アルコキシ基であることがさらに好ましい。
前記式(4)または(5)中、RおよびRにおいて、前記連結基が、炭素数2以上のポリメチレンカルボニル基であり、カルボニル基部分で前記式(1)中のBもしくはBに結合することがさらに好ましい。前記ポリメチレンカルボニル基の炭素数は、その上限は特に制限されないが、例えば100以下、好ましくは50以下、より好ましくは30以下、特に好ましくは10以下である。
およびCは、前記式(4)または(5)で表される場合は、例えば、それぞれ独立に、前記式(4)で示される基であることがさらにより好ましい。
本発明の蛍光色素は、蛍光性を有する原子団(色素)を1分子当たり1個のみ有していても良いが、2個以上有することが好ましい。これにより、例えば、前記蛍光性を有する原子団(色素)がエキシトン効果を有することになる。エキシトン効果によれば、例えば、本発明の蛍光色素を核酸に結合させた場合、一本鎖状態での蛍光強度を抑え、二重らせん構造を一層効果的に検出可能である。なお、エキシトン効果(exciton coupling)とは、例えば、複数の色素が並行に集合し、H会合体(H−aggregate)を形成することにより、ほとんど蛍光発光を示さなくなる効果である。この効果は、色素の励起状態が、Davydov splittingにより2つのエネルギーレベルに分裂し、上位エネルギーレベルへの励起→下位エネルギーレベルへの内部変換(internal conversion)→発光が熱的に禁制、という理由で生じると考えられる。ただし、これらの説明は、本発明を何ら制限しない。エキシトン効果が起こりうることは、H会合体を形成した色素の吸収バンドが単一の色素の吸収バンドより短い波長に現れることで確認できる。このような効果を示す色素としては、例えば、前述したチアゾールオレンジとその誘導体、オキサゾールイエローとその誘導体、シアニンとその誘導体、ヘミシアニンとその誘導体、メチルレッドとその誘導体、ほか一般的にシアニン色素、アゾ色素と呼ばれる色素群が挙げられる。
[蛍光性原子団の調製]
本発明化合物における蛍光性原子団は、活性エステルなどの容易に結合をつくる置換基が導入されていればよい。例えばGEヘルスケア社などからアミンと反応する活性エステルが導入されたCy3−NHSやCy5−NHSなど蛍光原子団が入手可能である。
また、前記式(4)において、CおよびCが蛍光性を示す原子団である化合物は、2分子の蛍光性分子、例えば、チアゾールオレンジ誘導体又はオキサゾールイエロー誘導体で修飾した化合物である。例えば一本鎖核酸にこの色素が導入されると、エキシトンカップリングによる消光が引き起こされることにより、一本鎖核酸のみの状態では蛍光は極めて弱いが、DNA又はRNAとハイブリダイズすることにより強い蛍光発光を示す。すなわち、例えば、チアゾールオレンジ誘導体又はオキサゾールイエロー誘導体の蛍光は、そのひずんだ構造により強く抑制されているが、チアゾールオレンジ誘導体又はオキサゾールイエロー誘導体は、DNAに結合することにより、構造のひずみが解消・固定化され、強い蛍光を示すようになる。蛍光は、例えば、488nm、514nmのArレーザーを使用して励起することにより検出できる。
なお、本発明の化合物に互変異性体または立体異性体(例:幾何異性体、配座異性体および光学異性体)等の異性体が存在する場合は、いずれの異性体も本発明に用いることができる。また、前記化合物または核酸の塩は、酸付加塩でも良いが、塩基付加塩でも良い。さらに、前記酸付加塩を形成する酸は無機酸でも有機酸でも良く、前記塩基付加塩を形成する塩基は無機塩基でも有機塩基でも良い。前記無機酸としては、特に限定されないが、例えば、硫酸、リン酸、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、次亜フッ素酸、次亜塩素酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸、亜フッ素酸、亜塩素酸、亜臭素酸、亜ヨウ素酸、フッ素酸、塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、過フッ素酸、過塩素酸、過臭素酸、および過ヨウ素酸等があげられる。前記有機酸も特に限定されないが、例えば、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、p−ブロモベンゼンスルホン酸、炭酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸および酢酸等があげられる。前記無機塩基としては、特に限定されないが、例えば、水酸化アンモニウム、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩等があげられ、より具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カルシウムおよび炭酸カルシウム等があげられる。前記有機塩基も特に限定されないが、例えば、エタノールアミン、トリエチルアミンおよびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン等があげられる。これらの塩の製造方法も特に限定されず、例えば、前記電子供与体・受容体連結分子に、前記のような酸や塩基を公知の方法により適宜付加させる等の方法で製造することができる。また、置換基等に異性体が存在する場合はどの異性体でも良く、例えば、「ナフチル基」という場合は、1−ナフチル基でも2−ナフチル基でも良い。
また、本発明において、アルキル基としては、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基およびtert−ブチル基等が挙げられ、アルキル基を構造中に含む基(アルキルアミノ基、アルコキシ基等)においても同様である。また、ペルフルオロアルキル基としては、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基およびtert−ブチル基等から誘導されるペルフルオロアルキル基が挙げられ、ペルフルオロアルキル基を構造中に含む基(ペルフルオロアルキルスルホニル基、ペルフルオロアシル基等)においても同様である。本発明において、アシル基としては、特に限定されないが、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサノイル基、ベンゾイル基、エトキシカルボニル基、等が挙げられ、アシル基を構造中に含む基(アシルオキシ基、アルカノイルオキシ基等)においても同様である。また、本発明において、アシル基の炭素数にはカルボニル炭素を含み、例えば、炭素数1のアルカノイル基(アシル基)とはホルミル基を指すものとする。さらに、本発明において、「ハロゲン」とは、任意のハロゲン元素を指すが、例えば、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられる。また、本発明において、アミノ基の保護基としては、特に制限されないが、例えば、トリフルオロアセチル基、ホルミル基、C1−6アルキル−カルボニル基(例えばアセチル、エチルカルボニル等)、C1−6アルキル−スルホニル基、tert−ブチルオキシカルボニル基(以下、Bocとも称する)、ベンジルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、フルオレニルメチルオキシカルボニル基、アリールカルボニル基(例えばフェニルカルボニル、ナフチルカルボニル等)、アリールスルホニル基(例えばフェニルスルホニル、ナフチルスルホニル等)、C1−6アルキルオキシ−カルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等)、C7−10アラルキル−カルボニル基(例えばベンジルカルボニル等)、メチル基、アラルキル基(例えばベンジル、ジフェニルメチル、トリチル基等)、等が用いられる。これらの基は1ないし3個のハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素等)、ニトロ基等で置換されていてもよく、その具体例としては、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基、p−クロロベンジルオキシカルボニル基、m−クロロベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基などが挙げられる。また、本発明において、水酸基の保護基(酸で脱保護することが可能なものを含む)としては、特に制限されないが、例えば、ジメトキシトリチル基、モノメトキシトリチル基、ピクシル基などが挙げられる。
次に、本発明化合物が有する蛍光性原子団について説明する。
すなわち、前記蛍光性原子団は、
(i)一つの分子内の二つの平面化学構造が同一平面内ではなく、ある一定の角度をもって存在するが、その分子が核酸にインターカレーションまたはグルーヴバインディング(溝結合)するときには二つの平面化学構造が同一平面内に並ぶように配置することによって蛍光発光が生じるものであるか、
(ii)2つ以上の色素分子が並行に集合するために生じるエキシトン効果によって蛍光発光を示さないが、それらの分子がターゲット分子、たとえば核酸にインターカレーションまたはグルーヴバインディング(溝結合)するときには、前記集合状態が解けることにより蛍光発光が生じる2つ以上の色素分子群からなるものであるか、または、
(iii)2つ以上の色素分子が並行に集合するために生じるエキシトン効果によって蛍光発光を示さないが、それらの分子がターゲット分子、たとえば核酸にインターカレーションまたはグルーヴバインディング(溝結合)するときには、前記集合状態が解けることにより蛍光発光が生じる2つ以上の色素分子の化学構造を同一分子内に有することを特徴とするものである。
前記(ii)または(iii)の場合において、前記色素分子が、前記(i)記載の分子であることが好ましい。
本発明の化合物において、CおよびCが、エキシトン効果を示す原子団であることにより、ターゲット分子と結合したときの蛍光色素周りの環境変化、例えばDNAがの2本鎖形成となったときの蛍光の増大が大きくなり、いっそう効果的に検出することができる。ただし、本発明の化合物においては、CおよびCが、エキシトン効果を示す原子団でなくても、また、蛍光性を示す原子団(色素)が1分子中に1個のみ導入されていても、核酸やペプチド等の標識物質として使用可能であり、二重らせん構造を効果的に検出することもできる。
[化合物の製造方法]
本発明の化合物の製造方法は、特に制限されず、公知の合成方法(製造方法)を適宜用いることができる。
本発明の化合物を核酸に結合させる方法としては、例えば、以下の方法がある。すなわち、まず、DNAの簡便なラベル化法として、DNA中の活性なアミノ基とラベル化剤中の活性化されたカルボキシル基とを緩衝溶液中で反応させる方法が広く用いられている。この方法は、本発明の化合物または核酸のいずれの製造にも応用可能であり、特に、リンカーまたは色素の導入に応用できる。アミノ基の導入法としては、GLEN RESEARCH社が販売しているAmino modifierホスホロアミダイトを利用する方法などがある。
前記原子団CおよびCは、例えば、保護基から水素原子に変換し(保護基を外し)、さらに、水素原子から、蛍光性を有する原子団(色素)で置換することができる。保護基を外す方法は特に制限されず、公知の方法を適宜用いることができる。蛍光性を有する原子団(色素)で置換する方法も特に制限されず、例えば、CおよびCの部分が水素原子である化合物と、蛍光性分子(色素)とを適宜反応させればよい。例えば、CおよびCの部分の少なくとも一方が活性アミノ基であると、蛍光性分子(色素)と反応しやすいため好ましく、CおよびCの部分の両方が活性アミノ基であることがより好ましい。蛍光性分子(色素)も特に制限されないが、例えば、前記式(2)、(3)のいずれかで表される化合物(ただし、R11およびR12のいずれもが、水素原子もしくは低級アルキル基、またはカルボキシポリメチレン基である)であっても良い。
色素としては、前述の通り、特に制限されず、あらゆる色素が使用可能であるが、例えば、シアニン色素が好ましく、チアゾールオレンジが特に好ましい。シアニン色素は、例えば、ヘテロ原子を有する2つの複素環がメチンリンカーで結ばれた化学構造をしている。複素環の種類やメチンリンカーの長さを変えること、または複素環への置換基導入などにより、さまざまな励起・発光波長の蛍光色素を合成することが可能である。また、DNA導入のためのリンカー導入も比較的容易である。なお、チアゾールオレンジは水中でほとんど蛍光を出さないが、DNAまたはRNAと相互作用することにより強い蛍光を発する。核酸との相互作用により、色素分子間の相互作用が抑制されること、そして色素分子の2つの複素環の間のメチンリンカー周りの回転が抑制されることが蛍光強度の増加につながると考えられている。なお、チアゾールオレンジ色素の使用方法については、良く知られているが、例えば、H.S.Rye,M.A.Quesada,K.Peck,R.A.Mathies and A.N.Glazer,High−sensitivity two−color detection of double−stranded DNA with a confocal fluorescence gel scanner using ethidium homodimer and thiazole orange,Nucleic Acids Res.,1991,19,327−33;及びL.G.Lee,C.H.Chen and L.A.Chiu,Thiazole orange:a new dye for reticulocyte analysis,Cytometry,1986,7,508−17を参照して用いることができる。
以下の実施例では、本発明の蛍光色素の合成例を示し、参考例として、本発明の稽古色素のエキシトンオリゴマーへの利用例を示す。ただし、本発明は、以下の実施例により、なんら制限および限定されない。
原料となるMono−N−Boc−DiamineとTOは既に報告されているため、これらを参照して合成を行った。DNA合成機はH−8 DNA合成機(日本テクノサービス)、HPLCはLC−20シリーズ(島津製作所)、MALDI−TOF−MASSはmicroflex(ブルカーダルトニクス)を用いた。
Mono−N−Boc−TO−diamideの合成
50mlナスフラスコにTO(0.763g,1.62mmol)、DMFを7.0ml、HOBt(0.243g,1.80mmol)、HBTU(0.521g,1.62mmol)を入れ窒素置換をしたのち25分間室温で撹拌した。この溶液にMono−N−Boc−Diamine(0.186g,0.755mmol)の3mlのDMF溶液を加え95分間室温で撹拌した。この溶液を100mlのエーテルに滴下し、生じた沈殿を遠心分離により回収した。この沈殿を逆相(RP−18)のフラッシュクロマトグラフィー(溶出液、MeOH:0.1%TFA=50:50−60:40、グラジエント)で精製し、溶媒を減圧留去することにより赤橙色の固体を得た(0.584g、収率67%)。
H NMR(270MHz,DMSO−d)d8.67(d,J=8.1Hz,2H),8.56(d,J=8.1Hz,2H),8.2−7.91(m,10H),7.74−7.65(m,4H),7.55(t,J=8.1Hz,2H),7.37(t,J=8.1Hz,2H),7.31(d,J=8.1Hz,2H),6.84(s,2H),4.61−4.51(m,4H),4.14(s,6H),3.23−3.13(m,4H),2.35−2.24(m,4H),1.85−1.64(m,8H),1.33(s,9H);
MS(ESI)m/z496(M2+),446(M2+−Boc)
TO−diamideの合成
30mlナスフラスコにMono−N−Boc−TO−diamide(0.220g,191μmol)、アセトニトリルを3.0ml、トリフルオロ酢酸を3.0mlを入れ30分間室温で撹拌した。溶媒を減圧留去した後、トリエチルアミン2mlを加え、さらにこれを減圧留去した。残渣を逆相(RP−18)のフラッシュクロマトグラフィー(溶出液、MeOH:0.1% TFA=40:60−60:40、グラジエント)で精製し、溶媒を減圧留去することにより赤橙色の固体を得た(0.139g、収率69%)。
H NMR(270MHz,DMSO−d)d8.67(d,J=8.1Hz,2H),8.53(d,J=8.1Hz,2H),8.0−7.80(m,10H),7.72−7.63(m,4H),7.53(t,J=8.1Hz,2H),7.36(t,J=8.1Hz,2H),7.27(d,J=8.1Hz,2H),6.81(s,2H),4.55−4.48(m,4H),4.12(s,6H),3.10−2.95(m,4H),2.35−2.24(m,4H),2.23−2.15(br,2H)1.83−1.66(m,8H);MS(ESI)m/z446(M2+
Figure 2013183736
Exciton Oligomerの合成
TO−diamideが導入されたExciton Oligomerの合成は従来通りのアミダイト法により合成を行った。TO−diamideの導入は、目的の位置にNHS−Carboxy−dTを導入した直後にTO−diamideを反応させ、その後の配列は従来通りの方法で合成を行った。CPGからの切り出しおよび脱保護は28%アンモニア水中、55℃で4時間かけて行った。精製は逆相(RP−18)カラムを装備したHPLCで行った。目的配列の確認はMALDI−TOF MASSで行った。測定結果は以下の通りである。
5’−GAGTGCCTZGACGATAC−3’,Calcd.6139.3,Obs.6144.6
Figure 2013183736

Claims (8)

  1. 下式で表されることを特徴とする化合物、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
    Figure 2013183736
    式(1)中、
    Aは、CR、N、P、PO、BもしくはSiRであり、Rは、水素原子、アルキル基または任意の置換基である。
    、BおよびBは、リンカー(架橋原子または原子団)であり、主鎖長は任意である。主鎖中にC、N、O、P、B、Si、Sを含んでいてもいなくても良く、単結合、二重結合、三重結合、アミド結合、エステル結合、ジスルフィド結合、イミノ基、エーテル結合、チオエーテル結合、およびチオエステル結合をそれぞれ含んでいてもいなくても良い。B、BおよびBはそれぞれ同一でも異なっていても良い。
    およびCは、エキシトン効果を示す蛍光性原子団であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい、下式(2)または下式(3)で表される原子団である。Eは、O、S、Seであり、nは、0または正の整数である。RおよびRのうち一方は、式(1)中のBまたはBに結合する連結基であり、他方は、水素原子または低級アルキル基である。R〜R12は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、アミノ基、シリル基、ボリル基である。ARは、任意の芳香環であり、あってもなくても良い。式(2)または(3)中においてRが複数存在する場合は、同一でも異なっていてもよく、式(2)または(3)中においてRが複数存在する場合は、同一でも異なっていてもよい。
    中のE、AR、nおよびR〜R12と、C中のE、AR、nおよびR〜R12とは、互いに同一でも異なっていてもよい。
    Figure 2013183736
    Dは、DNAオリゴマー、RNAオリゴマー、たんぱく質、オリゴペプチド、抗体または糖類に結合する部位であり、アミノ基、活性エステル基、チオール基またはビオチン誘導体である。
  2. 請求項1に記載の化合物、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩を用いて製造された標識物質。
  3. 標識物質が標識モノヌクレオチド、標識オリゴヌクレオチド、標識核酸または標識核酸誘導体である請求項2に記載の標識物質。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の標識物質を用いる目的物質の検出方法。
  5. 遺伝子の増幅方法を用いた検出方法であり、前記増幅方法のプライマーが、請求項1に記載の物質により標識されている検出方法。
  6. 遺伝子の増幅方法を用いた検出方法であり、前記検出が、プローブを用いた検出であり、前記プローブが、請求項1に記載の物質により標識されている検出方法。
  7. 前記遺伝子の増幅方法が、PCR法である請求項5または6に記載の検出方法。
  8. 前記遺伝子の増幅方法が、等温増幅方法である請求項5または6に記載の方法。
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