JP2004051750A - インクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】マゼンタ色インクを用いて、鮮明で、淡色部及び淡色の混色部の耐光性や耐室温退色性が改良された画像を形成する。
【解決手段】色素濃度の異なる2種以上のマゼンタインクを用いるインクジェット記録方法において、色素濃度の低い淡色のマゼンタインクとして、遊離酸の型が下記一般式(1)で表される化合物と、Cu、Co又はNiの塩とから形成される含金属アゾ色素の一種以上を含有するものを用い、色素濃度の高い濃色のマゼンタインクとして、他の特定の色素を含有するものを用いる。
【化25】
【解決手段】色素濃度の異なる2種以上のマゼンタインクを用いるインクジェット記録方法において、色素濃度の低い淡色のマゼンタインクとして、遊離酸の型が下記一般式(1)で表される化合物と、Cu、Co又はNiの塩とから形成される含金属アゾ色素の一種以上を含有するものを用い、色素濃度の高い濃色のマゼンタインクとして、他の特定の色素を含有するものを用いる。
【化25】
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録方法に関する。特に、フルカラー画像を形成する際に、淡色部及び淡色の混色部の耐光性を著しく改良することができるインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方法は、染料や酸性染料等の水溶性色素を含む記録液の液滴を微小な吐出オリフィスから直接飛翔させて記録を行う方法であり、高速記録、多色カラー画像記録が可能な記録方法である。記録液としては、電子写真用紙のPPC(プレイン ペーパー コピア)用紙、ファンホールド紙(コンピューター等の連続用紙)等の一般事務用に汎用される記録紙に対する定着が速く、しかも印字物の印字品位が良好であること、即ち、印字に滲みがなく輪郭がはっきりしていることが要求されると共に、記録液としての保存時の安定性も優れていることが必要であり、従って、使用できる溶剤が著しく制限される。また、記録液用の染料に関しては、上記のような限られた溶剤に対して十分な溶解性を有すると共に、記録液として長期間保存した場合にも安定でありまた印字された画像の彩度及び濃度が高く、しかも耐水性、耐光性、耐室温退色性に優れていること等が要求されている。
【0003】
一方、インクジェット記録方法において、フルカラー画像を形成するには、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3原色、或いはこれにブラック(Bk)を加えた4色のインクを使用し、各々のインクの吐出量を制御することにより、被記録材上で、これらの色が混色されて画像を形成する。更に、フルカラー画像の形成に際しては、色の違いだけでなく、色の濃淡も表現する必要がある。濃淡部は、通常、色素濃度の異なる2種以上のインクを用いて形成される。
【0004】
従来、このようなインクジェット記録方法に用いられるマゼンタ色のインクに関しては、光照射による画像の退色、即ち耐光性が乏しいことが問題となっており、とりわけ、色素濃度の低いマゼンタ色のインクを用いる淡色部の耐光性が低いことが問題であった。また、淡色の混色部は、色素同志の相互作用により一層退色が促進される傾向があった。
【0005】
このような問題を解決する方法として、特開平2−127482号には、染料が異なる少なくとも2種のマゼンタインクを用いる方法が提案されている。この方法は、マゼンタ色の濃色部は鮮明な色調の染料を含むインクを用いて形成し、淡色部や淡色の混色部は他の染料によって退色が促進されず耐光性に優れた染料を含むインクを使用することによって、全体的な耐光性及び鮮明性の向上を図るものである。そして、濃色インク用のマゼンタ染料としては、C.I.アシッドレッド35、37、42、106、186、C.I.リアクティブレッド180が、また淡色インク用のマゼンタ染料としては、C.I.アシッドレッド214、C.I.ダイレクトレッド81、C.I.リアクティブレッド120の使用が提案されている。
【0006】
また、特開2000−265099号には同様にカラー画像の耐光性及び鮮明性を向上させることを目的として、異なる色素を含有する2種以上のマゼンタインクを用いるインクジェット記録方法において、少なくとも1種の該マゼンタインクとして、特定の含金属アゾ系色素を用いることが提案されている。
しかしながら、この方法によっても、未だ耐光性、耐室温退色性は十分ではなく、更なる改良が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、マゼンタ色インクを用いて、鮮明で、淡色部及び淡色の混色部の耐光性や耐室温退色性が改良された画像を形成することができるインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェット記録方法は、色素濃度の異なる2種以上のマゼンタインクを用いるインクジェット記録方法において、該色素濃度の低い淡色のマゼンタインクは、遊離酸の型が下記一般式(1)で表される化合物と、Cu、Co又はNiの塩とから形成される含金属アゾ色素(以下、「本発明に係る淡色用色素」と称す場合がある。)の一種以上を含有し、該色素濃度の高い濃色のマゼンタインクは、遊離酸の型が下記一般式(2)で表される色素及び遊離酸の型が下記一般式(3)で表される色素からなる群から選択される色素(以下、「本発明に係る濃色用色素」と称す場合がある。)の一種以上を含有することを特徴とする。
【0009】
【化9】
(式中、Zは置換基を有していても良い、ベンゼン環又はナフタレン環形成原子群を表し、Rはスルホ基又は置換されていても良いアミノ基を表す。)
【0010】
【化10】
【0011】
(式中、QはN、C−Cl、C−CN又はC−NO2を表し、
R1は水素原子又は置換されていても良いアルキル基を表し、
R2は水素原子又はアルキル基を表し、
Y1は−O−、−S−、又は−NRY(RYは水素原子又は置換されていても良いアルキル基を表す。)を表し、
各々のR3は独立に−CO2H又は−SO3Hを表し、
各々のR4は独立に置換されていても良いアミノ基又は置換されていても良いアミノ基によって置換された基を表し、
各々のR5は独立にR3とR4で定義した以外の置換基を表す。
m,n及びpは各々独立に0〜3の整数を表し、
(m+n+p)は0〜5である。)
【0012】
【化11】
【0013】
(式中、Y2は下記(4)式又は(5)式に示す基である。
【化12】
R6は炭素数1〜18の脂肪族基、又は下記(6)式に示す基である。
【化13】
(式中、R6Aは水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、−NO2、−CN、又は−COOHを表し、R6Bは水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル基、ハロゲン原子、又は−COOHを表す。)
ただし、上記(3)式中、アミノナフトール基上の−SO3H基の一方は−NH−基に対してメタ又はパラの位置にあり、他方の−SO3H基は−OH基に対してメタの位置にある。)
【0014】
即ち、本発明者等は、マゼンタインクとして、色素濃度が異なる少なくとも2種のマゼンタインクを用いる記録方法につき検討を重ね、使用する色素の選択により、淡色部及び淡色の混色部の耐光性、耐室温退色性が著しく向上し得ることを見出し、本発明を達成した。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のインクジェット記録方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0016】
本発明のインクジェット記録方法では、マゼンタインクとして、色素濃度の異なる少なくとも2種のインク、即ち、色素濃度の高い濃色インクとこれより色素濃度の低い淡色インクを用いる。この濃色インクはフルカラー画像を形成する際の高濃度領域を、淡色インクは淡色領域又は混色領域を形成する。
【0017】
濃色インクに用いるマゼンタ色素としては色調が鮮明であり、かつ濃色部の耐光性、耐室温退色性に優れていることを主眼として選択し、一方、淡色インクに用いるマゼンタ色素としては、淡色部における耐光性、耐室温退色性や混色した際の他の色素への影響を主眼として選択する。特に、淡色インク用のマゼンタ色素としては淡色領域であっても耐光性や耐室温退色性が優れかつ混色した際にも他の色素の光退色を促進させないことが重要である。
【0018】
本発明においては、この色素濃度の低い淡色のマゼンタインクとして、遊離酸の型が下記一般式(1)、好ましくは下記一般式(1−A)で表される化合物と、Cu、Co又はNiの塩とから形成される含金属アゾ色素の一種以上を含有するものを用いる。
【0019】
【化14】
(式中、Zは置換基を有していても良い、ベンゼン環又はナフタレン環形成原子群を表し、Rはスルホ基又は置換されていても良いアミノ基を表す。)
【0020】
【化15】
(式中、RA1は水素原子、−SO3H、−COOH、ハロゲン原子、又はニトロ基を表し、RA2は−SO3H、アシルアミノ基を表す。)
【0021】
上記一般式(1)、好ましくは上記一般式(1−A)で表される化合物と、Cu、Co又はNiとの塩とからなる含金属アゾ色素としては、特に制限はないが、好ましい具体例としては下記のような化合物と金属塩とで形成されるものが挙げられる。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
淡色のマゼンタインクは、このような含金属アゾ色素の1種以上を含むものであれば良く、他の色素を含んでいても良い。
【0026】
一方、色素濃度の高い濃色のマゼンタインクとしては、遊離酸の型が下記一般式(2)で表される色素及び遊離酸の型が下記一般式(3)で表される色素からなる群から選択される色素の一種以上を含有するものを用いる。
【0027】
【化16】
【0028】
(式中、QはN、C−Cl、C−CN又はC−NO2を表し、
R1は水素原子又は置換されていても良いアルキル基を表し、
R2は水素原子又はアルキル基を表し、
Y1は−O−、−S−、又は−NRY(RYは水素原子又は置換されていても良いアルキル基を表す。)を表し、
各々のR3は独立に−CO2H又は−SO3Hを表し、
各々のR4は独立に置換されていても良いアミノ基又は置換されていても良いアミノ基によって置換された基を表し、
各々のR5は独立にR3とR4で定義した以外の置換基を表す。
m,n及びpは各々独立に0〜3の整数を表し、
(m+n+p)は0〜5である。)
【0029】
【化17】
【0030】
(式中、Y2は下記(4)式又は(5)式に示す基である。
【化18】
R6は炭素数1〜18の脂肪族基、又は下記(6)式に示す基である。
【化19】
(式中、R6Aは水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル基、低級アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4の低級アルコキシ基)、ハロゲン原子、−NO2、−CN、又は−COOHを表し、R6Bは水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル基、ハロゲン原子、又は−COOHを表す。)
ただし、上記(3)式中、アミノナフトール基上の−SO3H基の一方は−NH−基に対してメタ又はパラの位置にあり、他方の−SO3H基は−OH基に対してメタの位置にある。)
【0031】
前記一般式(2)において、R5としては各々独立にハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、−SR10、−COR10、−COOR10、−SO3R10、−SO2R1 0又は−SOR10(R10は、置換されていても良い炭素数1〜4のアルキル基(ここで、置換基はカルボキシル基、スルホ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基及びハロゲン原子から選択される基である。))が挙げられる。
【0032】
また、R4としては、−NR11R12、又は−NR11R12によって置換された基(ここで、R11及びR12は各々独立に水素原子又は置換されていても良いアルキル基を表すが、R11とR12は結合される窒素原子と共に5員又は6員環を形成していても良い。)が挙げられ、特に、前記一般式(2)において、QがNであり、mが0、1又は2であり、nが0又は1であり、pが0又は1であり、R4が−NR11R12(ここで、R11及びR12は各々独立に水素原子又は置換されていても良いアルキル基を表すが、R11とR12は結合される窒素原子と共に5員又は6員環を形成していても良い。)であり、R5がハロゲン原子、水酸基、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、−SR10、−COR10、−COOR10、−SO3R10、−SO2R10又は−SOR10(R10は、置換されていても良い炭素数1〜4のアルキル基(ここで、置換基はカルボキシル基、スルホ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基及びハロゲン原子から選択される基である。))であることが好ましい。
【0033】
遊離酸の型が一般式(2)で表される色素は、特に遊離酸の型が下記一般式(2−A)で表されることが好ましい。
【0034】
【化20】
【0035】
(式中、R2Aは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、
Y1Aは−O−、−S−、又は−NRYA(RYAは水素原子、或いは水酸基、カルボキシル基、スルホ基、又はシアノ基で置換されていても良い炭素数1〜4のアルキル基を表す。)を表し、
各々のR3Aは独立に−CO2H又は−SO3Hを表し、
各々のR4Aは独立に−NR11R12、−SO2NR11R12、−SO2−R13−R11R12、又は−NR11R12で置換された炭素数1〜6のアルキル基(ここで、R11及びR12は各々独立に水素原子又は置換されていても良いアルキル基を表すが、R11とR12は結合される窒素原子と共に5員又は6員環を形成していても良い。R13は炭素数1〜10のアルキレン基を表す。)を表し、
各々のR5Aは独立に塩素原子、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、或いは水酸基、カルボキシル基又はスルホ基で置換されていても良い炭素数1〜10のアルキル基を表し、
m,n及びpは各々独立に0又は1を表し、
(m+n+p)は1、2又は3であり、mが0のときnは1である。)
【0036】
前記一般式(2)において、−NR11R12は、下記一般式(2−B)で表される基を有するものであっても良い。
【0037】
【化21】
(式中、Y10はアルキレン鎖を表し、
R11A及びR12Aは各々独立に水素原子、或いは、水酸基、カルボキシル基、スルホ基、アミノ基又は炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されていても良い炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
【0038】
遊離酸の型が前記一般式(2)、好ましくは前記一般式(2−A)で表される色素としては具体的に次のようなものが挙げられる。
【0039】
【化22】
【0040】
【化23】
【0041】
このような、遊離酸の型が前記一般式(2)で表される色素はWO99/01510号にマゼンタ色インク用として好適な色素であることが開示されている。
【0042】
一方、遊離酸の型が前記一般式(3)で表される色素としては具体的に次のようなものが挙げられる。
【0043】
【化24】
【0044】
このような遊離酸の型が前記一般式(3)で表される色素は特開平6−228447号にマゼンタ色インク用として好適な色素であることが開示されている。
【0045】
濃色のマゼンタインクは、遊離酸の型が前記一般式(2),(3)で表される色素の1種以上を含むものであれば良く、他の色素を含んでいても良い。
【0046】
本発明で使用される色素は遊離酸型のまま使用しても良いが製造時、塩型で得られた場合はそのまま使用しても良いし、所望の塩型に変換しても良い。また、酸基の一部が塩型のものであっても良く、塩型の色素と遊離酸型の色素が混在していても良い。このような塩型の例としてNa、Li、K等のアルカリ金属の塩、アルキル基もしくはヒドロキシアルキル基で置換されていても良いアンモニウムの塩、又は有機アミンの塩が挙げられる。有機アミンの例として、低級アルキルアミン、ヒドロキシ置換低級アルキルアミン、カルボキシ置換低級アルキルアミン及び炭素数2〜4のアルキレンイミン単位を2〜10個有するポリアミン等が挙げられる。これらの塩型の場合、その種類は1種類に限られず複数種混在していても良い。
【0047】
また、本発明で使用する色素の構造において、その1分子中に酸基が複数個含まれる場合は、その複数の酸基は塩基或いは酸型であり、互いに異なるものであっても良い。
【0048】
本発明においては、遊離酸の型が前記一般式(2)及び/又は一般式(3)で表される色素の1種以上を含むマゼンタインクを色素濃度の高い濃色インクとして用い、遊離酸の型が一般式(1)で示される化合物と、Cu、Co又はNiの塩とから形成される含金属アゾ系色素の1種以上を含むマゼンタインクを色素濃度の低い淡色インクとして用いるが、この濃色インクの全色素濃度は、通常、インク全量に対して0.5〜5重量%程度であり、淡色インクの全色素濃度は、通常、インク全量に対して0.1〜2重量%程度であることが好ましく、濃色インクと淡色インクとの色素濃度差は0.4〜4.9重量%程度であることが好ましい。なお、中間濃度のインクとして、全色素濃度が通常インク全量に対して0.3〜3重量%程度のものも併用しても良い。中間濃度のインクは、画像の濃淡部及び中間色部の形成に好適である。
【0049】
濃色のマゼンタインクとして、本発明に係る濃色用色素以外の色素を併用する場合、濃色インク中の全色素に対する本発明に係る濃色用色素の割合は、10重量%以上であることが好ましい。また、淡色のマゼンタインクとして、本発明に係る淡色用色素以外の色素を併用する場合、淡色インク中の全色素に対する本発明に係る淡色用色素の割合は、10重量%以上であることが好ましい。
【0050】
これらの色素を含むインクは、一般にインクジェット記録方法に使用されるインクの製法に従って製造される。
【0051】
インクに用いられる水性媒体としては、水及び水溶性有機溶剤の混合媒体が好ましい。水溶性有機溶剤として、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール(重量平均分子量約190〜400)、グリセリン、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、チオジエタノール、ジメチルスルホキシド、エチレングリコールモノアリルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、2−ピロリドン、スルホラン、エチルアルコール、イソプロパノール等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、通常、インクの全量に対して1〜50重量%の範囲で使用される。一方、水はインクの全量に対して45〜95重量%の範囲で使用される。
【0052】
更に、インクには、その全量に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%の尿素、チオ尿素、ビウレット、セミカルバジドから選ばれる化合物を添加したり、0.001〜5.0重量%の界面活性剤を添加することによって、印字後の速乾性及び印字品位をより一層改良することができる。
【0053】
本発明のインクジェット記録方式は、マゼンタ、イエロー及びシアン或いはマゼンタ、イエロー、シアン及びブラックの水性インクを用いるフルカラー画像の形成に有効に適用することができるが、フルカラー画像を形成する際に用いられるマゼンタインク以外のインクの色素には特に制限はなく、従来より一般的に用いられている色素を用いることができる。
【0054】
【実施例】
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的にに説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、何ら以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「部」は特記しない限り「重量部」を示す。
【0055】
実施例1
ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル及び水からなる混合溶媒に色素を加え、水酸化ナトリウム水溶液でpHを9に調整して全量を100部とし、十分に混合して色素を溶解させた後、孔径1μmのテフロン(登録商標)フィルターで加圧濾過し、次いで、真空ポンプ及び超音波洗浄機で脱気処理して、それぞれイエロー(Y)、シアン(C)、ブラック(Bk)及びマゼンタ(M)の水性インクを調製した。インクの組成は表4に示す通りであり、また、使用した各色素及びその使用量は表5に示す通りである。なお、マゼンタ色素のNo.は前掲の化合物No.に対応するものである。
【0056】
【表4】
【0057】
【表5】
【0058】
得られたインクを使用してインクジェットプリンター(商品名PM−750C、セイコーエプソン社製品)を用いて、電子写真用紙(商品名4024紙、ゼロックス社製品)、スーパーファイン専用紙(セイコーエプソン社製品)、スーパーファイン専用光沢紙(セイコーエプソン社製品)に各々インクジェット記録を行い、濃色部から淡色部までの階調を有するフルカラー画像印画物を得た。これらの印画物について下記(a)〜(e)の方法による諸評価を行った。
【0059】
(a)記録画像の色調:
得られた印字物の色調の鮮明性の判定を目視により実施した。
その結果、鮮明な色調であった。
【0060】
(b)記録画像の耐光性:
キセノンフェードメーター(アトラス社製品)を用い、記録紙に80時間照射した。
その結果、照射後の変退色は小さく、濃色部、淡色部及び混色部における耐光性も良好であった。
【0061】
(c)記録画像の耐室内変退色性
遮光されたオゾン濃度3ppmの槽内に印字物を2時間放置した後の印字物の変退色を観察した。
その結果、オゾン暴露後の変退色は小さく、濃色部、淡色部及び混色部における耐室内変退色性も良好であった。
【0062】
(d)記録画像の耐水性:(電子写真用紙のみ実施)
水道水中に記録画像を5分間浸漬した後、目視にて画像の滲みを調べた。
その結果、画像の滲みは僅かであった。
【0063】
(e)記録液の保存安定性:(マゼンタインク(濃色)及びマゼンタインク(淡色)で実施)
インクをテフロン(登録商標)製容器に密閉し、5℃及び60℃で1ケ月間保存した後の変化を調べた。
その結果、不溶物の析出は認められなかった。
【0064】
実施例2〜9
実施例1において用いた色素の代わりに、各々下記表6〜13に記載した色素を用いたこと以外は、実施例1と同様にして各インクを調製し、同様にインクジェット記録を行い、得られた記録物に対して実施例1と同様に評価試験を実施した。その結果、表15,16に示す通り良好な結果が得られた。
【0065】
【表6】
【0066】
【表7】
【0067】
【表8】
【0068】
【表9】
【0069】
【表10】
【0070】
【表11】
【0071】
【表12】
【0072】
【表13】
【0073】
比較例1
M(淡色)のインクの色素として2−8の色素を0.6部使用したこと以外は実施例1と同様にして各インクを調製し、同様にインクジェット記録を行い、得られた記録物に対して実施例1と同様に評価試験を実施し、結果を表17に示した。
【0074】
比較例2
M(濃色)のインクの色素として1−3の色素を2.5部使用したこと以外は実施例1と同様にして各インクを調製し、同様にインクジェット記録を行い、得られた記録物に対して実施例1と同様に評価試験を実施し、結果を表17に示した。
【0075】
比較例3
M(濃色)、M(淡色)のインクの色素としてC.I.リアクティブレッド180を各々2.5部、0.6部使用したこと以外は実施例1と同様にして各インクを調製し、同様にインクジェット記録を行い、得られた記録物に対して実施例1と同様に評価試験を実施し、結果を表17に示した。
【0076】
比較例4
M(濃色)、M(淡色)インクの色素としてC.I.アシッドレッド37を各々、3.0部、0.7部使用したこと以外は実施例1と同様にして各インクを調製し、同様にインクジェット記録を行い、得られた記録物に対して実施例1と同様に評価試験を実施し、結果を表17に示した。
【0077】
比較例5
実施例1において用いた色素の代わりに下記表14に記載した色素を用いたこと以外は実施例1と同様にして各インクを調製し、同様にインクジェット記録を行い、得られた記録物に対して実施例1と同様に評価試験を実施し、結果を表17に示した。
【0078】
【表14】
【0079】
【表15】
【0080】
【表16】
【0081】
【表17】
【0082】
上記表15〜17中、色調の評価は目視で観察して、○は画像の彩度が高く鮮明である状態、△はやや彩度が低い状態、×は彩度が低く不鮮明であり実用レベルでない状態を示す。
【0083】
耐光性は、目視で観察し、○は変退色は殆ど認められない、△は変退色がやや認められる、×は変退色が著しく実用レベルでない状態を示す。
【0084】
耐室内変退色性は、目視で観察し、○は変退色は殆ど認められない、△は変退色がやや認められる、×は変退色が著しく実用レベルでない状態を示す。
【0085】
耐水性の滲みは、目視で観察し、○は滲みが殆ど認められない状態から、僅かに認められるが画像の輪郭がややぼけているだけで、画像の濃度の低下は殆ど認められない、△は滲みが認められるが、滲みの範囲は小さく、画像の濃度の低下は小さい、×は滲みが著しく、滲みの範囲も大きく、元の画像部分の識別が困難であり実用レベルでない状態を示す。
【0086】
保存安定性は、記録液を試験管にとり目視で観察して、○は不溶分が全く認められない状態を表し、△は不溶分が少量認められる状態を表し、×は不溶分が目立ち実用レベルでない状態を示す。
【0087】
【発明の効果】
以上の結果からも明らかな通り、本発明のインクジェット記録方法によれば、画像全体が鮮明で、かつ淡色部や淡色の混色部の耐光性、耐室温退色性も改良されたフルカラー画像を記録することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録方法に関する。特に、フルカラー画像を形成する際に、淡色部及び淡色の混色部の耐光性を著しく改良することができるインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方法は、染料や酸性染料等の水溶性色素を含む記録液の液滴を微小な吐出オリフィスから直接飛翔させて記録を行う方法であり、高速記録、多色カラー画像記録が可能な記録方法である。記録液としては、電子写真用紙のPPC(プレイン ペーパー コピア)用紙、ファンホールド紙(コンピューター等の連続用紙)等の一般事務用に汎用される記録紙に対する定着が速く、しかも印字物の印字品位が良好であること、即ち、印字に滲みがなく輪郭がはっきりしていることが要求されると共に、記録液としての保存時の安定性も優れていることが必要であり、従って、使用できる溶剤が著しく制限される。また、記録液用の染料に関しては、上記のような限られた溶剤に対して十分な溶解性を有すると共に、記録液として長期間保存した場合にも安定でありまた印字された画像の彩度及び濃度が高く、しかも耐水性、耐光性、耐室温退色性に優れていること等が要求されている。
【0003】
一方、インクジェット記録方法において、フルカラー画像を形成するには、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3原色、或いはこれにブラック(Bk)を加えた4色のインクを使用し、各々のインクの吐出量を制御することにより、被記録材上で、これらの色が混色されて画像を形成する。更に、フルカラー画像の形成に際しては、色の違いだけでなく、色の濃淡も表現する必要がある。濃淡部は、通常、色素濃度の異なる2種以上のインクを用いて形成される。
【0004】
従来、このようなインクジェット記録方法に用いられるマゼンタ色のインクに関しては、光照射による画像の退色、即ち耐光性が乏しいことが問題となっており、とりわけ、色素濃度の低いマゼンタ色のインクを用いる淡色部の耐光性が低いことが問題であった。また、淡色の混色部は、色素同志の相互作用により一層退色が促進される傾向があった。
【0005】
このような問題を解決する方法として、特開平2−127482号には、染料が異なる少なくとも2種のマゼンタインクを用いる方法が提案されている。この方法は、マゼンタ色の濃色部は鮮明な色調の染料を含むインクを用いて形成し、淡色部や淡色の混色部は他の染料によって退色が促進されず耐光性に優れた染料を含むインクを使用することによって、全体的な耐光性及び鮮明性の向上を図るものである。そして、濃色インク用のマゼンタ染料としては、C.I.アシッドレッド35、37、42、106、186、C.I.リアクティブレッド180が、また淡色インク用のマゼンタ染料としては、C.I.アシッドレッド214、C.I.ダイレクトレッド81、C.I.リアクティブレッド120の使用が提案されている。
【0006】
また、特開2000−265099号には同様にカラー画像の耐光性及び鮮明性を向上させることを目的として、異なる色素を含有する2種以上のマゼンタインクを用いるインクジェット記録方法において、少なくとも1種の該マゼンタインクとして、特定の含金属アゾ系色素を用いることが提案されている。
しかしながら、この方法によっても、未だ耐光性、耐室温退色性は十分ではなく、更なる改良が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、マゼンタ色インクを用いて、鮮明で、淡色部及び淡色の混色部の耐光性や耐室温退色性が改良された画像を形成することができるインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェット記録方法は、色素濃度の異なる2種以上のマゼンタインクを用いるインクジェット記録方法において、該色素濃度の低い淡色のマゼンタインクは、遊離酸の型が下記一般式(1)で表される化合物と、Cu、Co又はNiの塩とから形成される含金属アゾ色素(以下、「本発明に係る淡色用色素」と称す場合がある。)の一種以上を含有し、該色素濃度の高い濃色のマゼンタインクは、遊離酸の型が下記一般式(2)で表される色素及び遊離酸の型が下記一般式(3)で表される色素からなる群から選択される色素(以下、「本発明に係る濃色用色素」と称す場合がある。)の一種以上を含有することを特徴とする。
【0009】
【化9】
(式中、Zは置換基を有していても良い、ベンゼン環又はナフタレン環形成原子群を表し、Rはスルホ基又は置換されていても良いアミノ基を表す。)
【0010】
【化10】
【0011】
(式中、QはN、C−Cl、C−CN又はC−NO2を表し、
R1は水素原子又は置換されていても良いアルキル基を表し、
R2は水素原子又はアルキル基を表し、
Y1は−O−、−S−、又は−NRY(RYは水素原子又は置換されていても良いアルキル基を表す。)を表し、
各々のR3は独立に−CO2H又は−SO3Hを表し、
各々のR4は独立に置換されていても良いアミノ基又は置換されていても良いアミノ基によって置換された基を表し、
各々のR5は独立にR3とR4で定義した以外の置換基を表す。
m,n及びpは各々独立に0〜3の整数を表し、
(m+n+p)は0〜5である。)
【0012】
【化11】
【0013】
(式中、Y2は下記(4)式又は(5)式に示す基である。
【化12】
R6は炭素数1〜18の脂肪族基、又は下記(6)式に示す基である。
【化13】
(式中、R6Aは水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、−NO2、−CN、又は−COOHを表し、R6Bは水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル基、ハロゲン原子、又は−COOHを表す。)
ただし、上記(3)式中、アミノナフトール基上の−SO3H基の一方は−NH−基に対してメタ又はパラの位置にあり、他方の−SO3H基は−OH基に対してメタの位置にある。)
【0014】
即ち、本発明者等は、マゼンタインクとして、色素濃度が異なる少なくとも2種のマゼンタインクを用いる記録方法につき検討を重ね、使用する色素の選択により、淡色部及び淡色の混色部の耐光性、耐室温退色性が著しく向上し得ることを見出し、本発明を達成した。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のインクジェット記録方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0016】
本発明のインクジェット記録方法では、マゼンタインクとして、色素濃度の異なる少なくとも2種のインク、即ち、色素濃度の高い濃色インクとこれより色素濃度の低い淡色インクを用いる。この濃色インクはフルカラー画像を形成する際の高濃度領域を、淡色インクは淡色領域又は混色領域を形成する。
【0017】
濃色インクに用いるマゼンタ色素としては色調が鮮明であり、かつ濃色部の耐光性、耐室温退色性に優れていることを主眼として選択し、一方、淡色インクに用いるマゼンタ色素としては、淡色部における耐光性、耐室温退色性や混色した際の他の色素への影響を主眼として選択する。特に、淡色インク用のマゼンタ色素としては淡色領域であっても耐光性や耐室温退色性が優れかつ混色した際にも他の色素の光退色を促進させないことが重要である。
【0018】
本発明においては、この色素濃度の低い淡色のマゼンタインクとして、遊離酸の型が下記一般式(1)、好ましくは下記一般式(1−A)で表される化合物と、Cu、Co又はNiの塩とから形成される含金属アゾ色素の一種以上を含有するものを用いる。
【0019】
【化14】
(式中、Zは置換基を有していても良い、ベンゼン環又はナフタレン環形成原子群を表し、Rはスルホ基又は置換されていても良いアミノ基を表す。)
【0020】
【化15】
(式中、RA1は水素原子、−SO3H、−COOH、ハロゲン原子、又はニトロ基を表し、RA2は−SO3H、アシルアミノ基を表す。)
【0021】
上記一般式(1)、好ましくは上記一般式(1−A)で表される化合物と、Cu、Co又はNiとの塩とからなる含金属アゾ色素としては、特に制限はないが、好ましい具体例としては下記のような化合物と金属塩とで形成されるものが挙げられる。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
淡色のマゼンタインクは、このような含金属アゾ色素の1種以上を含むものであれば良く、他の色素を含んでいても良い。
【0026】
一方、色素濃度の高い濃色のマゼンタインクとしては、遊離酸の型が下記一般式(2)で表される色素及び遊離酸の型が下記一般式(3)で表される色素からなる群から選択される色素の一種以上を含有するものを用いる。
【0027】
【化16】
【0028】
(式中、QはN、C−Cl、C−CN又はC−NO2を表し、
R1は水素原子又は置換されていても良いアルキル基を表し、
R2は水素原子又はアルキル基を表し、
Y1は−O−、−S−、又は−NRY(RYは水素原子又は置換されていても良いアルキル基を表す。)を表し、
各々のR3は独立に−CO2H又は−SO3Hを表し、
各々のR4は独立に置換されていても良いアミノ基又は置換されていても良いアミノ基によって置換された基を表し、
各々のR5は独立にR3とR4で定義した以外の置換基を表す。
m,n及びpは各々独立に0〜3の整数を表し、
(m+n+p)は0〜5である。)
【0029】
【化17】
【0030】
(式中、Y2は下記(4)式又は(5)式に示す基である。
【化18】
R6は炭素数1〜18の脂肪族基、又は下記(6)式に示す基である。
【化19】
(式中、R6Aは水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル基、低級アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4の低級アルコキシ基)、ハロゲン原子、−NO2、−CN、又は−COOHを表し、R6Bは水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル基、ハロゲン原子、又は−COOHを表す。)
ただし、上記(3)式中、アミノナフトール基上の−SO3H基の一方は−NH−基に対してメタ又はパラの位置にあり、他方の−SO3H基は−OH基に対してメタの位置にある。)
【0031】
前記一般式(2)において、R5としては各々独立にハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、−SR10、−COR10、−COOR10、−SO3R10、−SO2R1 0又は−SOR10(R10は、置換されていても良い炭素数1〜4のアルキル基(ここで、置換基はカルボキシル基、スルホ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基及びハロゲン原子から選択される基である。))が挙げられる。
【0032】
また、R4としては、−NR11R12、又は−NR11R12によって置換された基(ここで、R11及びR12は各々独立に水素原子又は置換されていても良いアルキル基を表すが、R11とR12は結合される窒素原子と共に5員又は6員環を形成していても良い。)が挙げられ、特に、前記一般式(2)において、QがNであり、mが0、1又は2であり、nが0又は1であり、pが0又は1であり、R4が−NR11R12(ここで、R11及びR12は各々独立に水素原子又は置換されていても良いアルキル基を表すが、R11とR12は結合される窒素原子と共に5員又は6員環を形成していても良い。)であり、R5がハロゲン原子、水酸基、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、−SR10、−COR10、−COOR10、−SO3R10、−SO2R10又は−SOR10(R10は、置換されていても良い炭素数1〜4のアルキル基(ここで、置換基はカルボキシル基、スルホ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基及びハロゲン原子から選択される基である。))であることが好ましい。
【0033】
遊離酸の型が一般式(2)で表される色素は、特に遊離酸の型が下記一般式(2−A)で表されることが好ましい。
【0034】
【化20】
【0035】
(式中、R2Aは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、
Y1Aは−O−、−S−、又は−NRYA(RYAは水素原子、或いは水酸基、カルボキシル基、スルホ基、又はシアノ基で置換されていても良い炭素数1〜4のアルキル基を表す。)を表し、
各々のR3Aは独立に−CO2H又は−SO3Hを表し、
各々のR4Aは独立に−NR11R12、−SO2NR11R12、−SO2−R13−R11R12、又は−NR11R12で置換された炭素数1〜6のアルキル基(ここで、R11及びR12は各々独立に水素原子又は置換されていても良いアルキル基を表すが、R11とR12は結合される窒素原子と共に5員又は6員環を形成していても良い。R13は炭素数1〜10のアルキレン基を表す。)を表し、
各々のR5Aは独立に塩素原子、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、或いは水酸基、カルボキシル基又はスルホ基で置換されていても良い炭素数1〜10のアルキル基を表し、
m,n及びpは各々独立に0又は1を表し、
(m+n+p)は1、2又は3であり、mが0のときnは1である。)
【0036】
前記一般式(2)において、−NR11R12は、下記一般式(2−B)で表される基を有するものであっても良い。
【0037】
【化21】
(式中、Y10はアルキレン鎖を表し、
R11A及びR12Aは各々独立に水素原子、或いは、水酸基、カルボキシル基、スルホ基、アミノ基又は炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されていても良い炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
【0038】
遊離酸の型が前記一般式(2)、好ましくは前記一般式(2−A)で表される色素としては具体的に次のようなものが挙げられる。
【0039】
【化22】
【0040】
【化23】
【0041】
このような、遊離酸の型が前記一般式(2)で表される色素はWO99/01510号にマゼンタ色インク用として好適な色素であることが開示されている。
【0042】
一方、遊離酸の型が前記一般式(3)で表される色素としては具体的に次のようなものが挙げられる。
【0043】
【化24】
【0044】
このような遊離酸の型が前記一般式(3)で表される色素は特開平6−228447号にマゼンタ色インク用として好適な色素であることが開示されている。
【0045】
濃色のマゼンタインクは、遊離酸の型が前記一般式(2),(3)で表される色素の1種以上を含むものであれば良く、他の色素を含んでいても良い。
【0046】
本発明で使用される色素は遊離酸型のまま使用しても良いが製造時、塩型で得られた場合はそのまま使用しても良いし、所望の塩型に変換しても良い。また、酸基の一部が塩型のものであっても良く、塩型の色素と遊離酸型の色素が混在していても良い。このような塩型の例としてNa、Li、K等のアルカリ金属の塩、アルキル基もしくはヒドロキシアルキル基で置換されていても良いアンモニウムの塩、又は有機アミンの塩が挙げられる。有機アミンの例として、低級アルキルアミン、ヒドロキシ置換低級アルキルアミン、カルボキシ置換低級アルキルアミン及び炭素数2〜4のアルキレンイミン単位を2〜10個有するポリアミン等が挙げられる。これらの塩型の場合、その種類は1種類に限られず複数種混在していても良い。
【0047】
また、本発明で使用する色素の構造において、その1分子中に酸基が複数個含まれる場合は、その複数の酸基は塩基或いは酸型であり、互いに異なるものであっても良い。
【0048】
本発明においては、遊離酸の型が前記一般式(2)及び/又は一般式(3)で表される色素の1種以上を含むマゼンタインクを色素濃度の高い濃色インクとして用い、遊離酸の型が一般式(1)で示される化合物と、Cu、Co又はNiの塩とから形成される含金属アゾ系色素の1種以上を含むマゼンタインクを色素濃度の低い淡色インクとして用いるが、この濃色インクの全色素濃度は、通常、インク全量に対して0.5〜5重量%程度であり、淡色インクの全色素濃度は、通常、インク全量に対して0.1〜2重量%程度であることが好ましく、濃色インクと淡色インクとの色素濃度差は0.4〜4.9重量%程度であることが好ましい。なお、中間濃度のインクとして、全色素濃度が通常インク全量に対して0.3〜3重量%程度のものも併用しても良い。中間濃度のインクは、画像の濃淡部及び中間色部の形成に好適である。
【0049】
濃色のマゼンタインクとして、本発明に係る濃色用色素以外の色素を併用する場合、濃色インク中の全色素に対する本発明に係る濃色用色素の割合は、10重量%以上であることが好ましい。また、淡色のマゼンタインクとして、本発明に係る淡色用色素以外の色素を併用する場合、淡色インク中の全色素に対する本発明に係る淡色用色素の割合は、10重量%以上であることが好ましい。
【0050】
これらの色素を含むインクは、一般にインクジェット記録方法に使用されるインクの製法に従って製造される。
【0051】
インクに用いられる水性媒体としては、水及び水溶性有機溶剤の混合媒体が好ましい。水溶性有機溶剤として、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール(重量平均分子量約190〜400)、グリセリン、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、チオジエタノール、ジメチルスルホキシド、エチレングリコールモノアリルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、2−ピロリドン、スルホラン、エチルアルコール、イソプロパノール等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、通常、インクの全量に対して1〜50重量%の範囲で使用される。一方、水はインクの全量に対して45〜95重量%の範囲で使用される。
【0052】
更に、インクには、その全量に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%の尿素、チオ尿素、ビウレット、セミカルバジドから選ばれる化合物を添加したり、0.001〜5.0重量%の界面活性剤を添加することによって、印字後の速乾性及び印字品位をより一層改良することができる。
【0053】
本発明のインクジェット記録方式は、マゼンタ、イエロー及びシアン或いはマゼンタ、イエロー、シアン及びブラックの水性インクを用いるフルカラー画像の形成に有効に適用することができるが、フルカラー画像を形成する際に用いられるマゼンタインク以外のインクの色素には特に制限はなく、従来より一般的に用いられている色素を用いることができる。
【0054】
【実施例】
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的にに説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、何ら以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「部」は特記しない限り「重量部」を示す。
【0055】
実施例1
ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル及び水からなる混合溶媒に色素を加え、水酸化ナトリウム水溶液でpHを9に調整して全量を100部とし、十分に混合して色素を溶解させた後、孔径1μmのテフロン(登録商標)フィルターで加圧濾過し、次いで、真空ポンプ及び超音波洗浄機で脱気処理して、それぞれイエロー(Y)、シアン(C)、ブラック(Bk)及びマゼンタ(M)の水性インクを調製した。インクの組成は表4に示す通りであり、また、使用した各色素及びその使用量は表5に示す通りである。なお、マゼンタ色素のNo.は前掲の化合物No.に対応するものである。
【0056】
【表4】
【0057】
【表5】
【0058】
得られたインクを使用してインクジェットプリンター(商品名PM−750C、セイコーエプソン社製品)を用いて、電子写真用紙(商品名4024紙、ゼロックス社製品)、スーパーファイン専用紙(セイコーエプソン社製品)、スーパーファイン専用光沢紙(セイコーエプソン社製品)に各々インクジェット記録を行い、濃色部から淡色部までの階調を有するフルカラー画像印画物を得た。これらの印画物について下記(a)〜(e)の方法による諸評価を行った。
【0059】
(a)記録画像の色調:
得られた印字物の色調の鮮明性の判定を目視により実施した。
その結果、鮮明な色調であった。
【0060】
(b)記録画像の耐光性:
キセノンフェードメーター(アトラス社製品)を用い、記録紙に80時間照射した。
その結果、照射後の変退色は小さく、濃色部、淡色部及び混色部における耐光性も良好であった。
【0061】
(c)記録画像の耐室内変退色性
遮光されたオゾン濃度3ppmの槽内に印字物を2時間放置した後の印字物の変退色を観察した。
その結果、オゾン暴露後の変退色は小さく、濃色部、淡色部及び混色部における耐室内変退色性も良好であった。
【0062】
(d)記録画像の耐水性:(電子写真用紙のみ実施)
水道水中に記録画像を5分間浸漬した後、目視にて画像の滲みを調べた。
その結果、画像の滲みは僅かであった。
【0063】
(e)記録液の保存安定性:(マゼンタインク(濃色)及びマゼンタインク(淡色)で実施)
インクをテフロン(登録商標)製容器に密閉し、5℃及び60℃で1ケ月間保存した後の変化を調べた。
その結果、不溶物の析出は認められなかった。
【0064】
実施例2〜9
実施例1において用いた色素の代わりに、各々下記表6〜13に記載した色素を用いたこと以外は、実施例1と同様にして各インクを調製し、同様にインクジェット記録を行い、得られた記録物に対して実施例1と同様に評価試験を実施した。その結果、表15,16に示す通り良好な結果が得られた。
【0065】
【表6】
【0066】
【表7】
【0067】
【表8】
【0068】
【表9】
【0069】
【表10】
【0070】
【表11】
【0071】
【表12】
【0072】
【表13】
【0073】
比較例1
M(淡色)のインクの色素として2−8の色素を0.6部使用したこと以外は実施例1と同様にして各インクを調製し、同様にインクジェット記録を行い、得られた記録物に対して実施例1と同様に評価試験を実施し、結果を表17に示した。
【0074】
比較例2
M(濃色)のインクの色素として1−3の色素を2.5部使用したこと以外は実施例1と同様にして各インクを調製し、同様にインクジェット記録を行い、得られた記録物に対して実施例1と同様に評価試験を実施し、結果を表17に示した。
【0075】
比較例3
M(濃色)、M(淡色)のインクの色素としてC.I.リアクティブレッド180を各々2.5部、0.6部使用したこと以外は実施例1と同様にして各インクを調製し、同様にインクジェット記録を行い、得られた記録物に対して実施例1と同様に評価試験を実施し、結果を表17に示した。
【0076】
比較例4
M(濃色)、M(淡色)インクの色素としてC.I.アシッドレッド37を各々、3.0部、0.7部使用したこと以外は実施例1と同様にして各インクを調製し、同様にインクジェット記録を行い、得られた記録物に対して実施例1と同様に評価試験を実施し、結果を表17に示した。
【0077】
比較例5
実施例1において用いた色素の代わりに下記表14に記載した色素を用いたこと以外は実施例1と同様にして各インクを調製し、同様にインクジェット記録を行い、得られた記録物に対して実施例1と同様に評価試験を実施し、結果を表17に示した。
【0078】
【表14】
【0079】
【表15】
【0080】
【表16】
【0081】
【表17】
【0082】
上記表15〜17中、色調の評価は目視で観察して、○は画像の彩度が高く鮮明である状態、△はやや彩度が低い状態、×は彩度が低く不鮮明であり実用レベルでない状態を示す。
【0083】
耐光性は、目視で観察し、○は変退色は殆ど認められない、△は変退色がやや認められる、×は変退色が著しく実用レベルでない状態を示す。
【0084】
耐室内変退色性は、目視で観察し、○は変退色は殆ど認められない、△は変退色がやや認められる、×は変退色が著しく実用レベルでない状態を示す。
【0085】
耐水性の滲みは、目視で観察し、○は滲みが殆ど認められない状態から、僅かに認められるが画像の輪郭がややぼけているだけで、画像の濃度の低下は殆ど認められない、△は滲みが認められるが、滲みの範囲は小さく、画像の濃度の低下は小さい、×は滲みが著しく、滲みの範囲も大きく、元の画像部分の識別が困難であり実用レベルでない状態を示す。
【0086】
保存安定性は、記録液を試験管にとり目視で観察して、○は不溶分が全く認められない状態を表し、△は不溶分が少量認められる状態を表し、×は不溶分が目立ち実用レベルでない状態を示す。
【0087】
【発明の効果】
以上の結果からも明らかな通り、本発明のインクジェット記録方法によれば、画像全体が鮮明で、かつ淡色部や淡色の混色部の耐光性、耐室温退色性も改良されたフルカラー画像を記録することができる。
Claims (8)
- 色素濃度の異なる2種以上のマゼンタインクを用いるインクジェット記録方法において、
該色素濃度の低い淡色のマゼンタインクは、遊離酸の型が下記一般式(1)で表される化合物と、Cu、Co又はNiの塩とから形成される含金属アゾ色素の一種以上を含有し、
該色素濃度の高い濃色のマゼンタインクは、遊離酸の型が下記一般式(2)で表される色素及び遊離酸の型が下記一般式(3)で表される色素からなる群から選択される色素の一種以上を含有することを特徴とするインクジェット記録方法。
R1は水素原子又は置換されていても良いアルキル基を表し、
R2は水素原子又はアルキル基を表し、
Y1は−O−、−S−、又は−NRY(RYは水素原子又は置換されていても良いアルキル基を表す。)を表し、
各々のR3は独立に−CO2H又は−SO3Hを表し、
各々のR4は独立に置換されていても良いアミノ基又は置換されていても良いアミノ基によって置換された基を表し、
各々のR5は独立にR3とR4で定義した以外の置換基を表す。
m,n及びpは各々独立に0〜3の整数を表し、
(m+n+p)は0〜5である。)
ただし、上記(3)式中、アミノナフトール基上の−SO3H基の一方は−NH−基に対してメタ又はパラの位置にあり、他方の−SO3H基は−OH基に対してメタの位置にある。) - 前記一般式(2)において、各々のR5が独立にハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、−SR10、−COR10、−COOR10、−SO3R10、−SO2R10又は−SOR10(R10は、置換されていても良い炭素数1〜4のアルキル基(ここで、置換基はカルボキシル基、スルホ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基及びハロゲン原子から選択される基である。))であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
- 前記一般式(2)において、R4の定義で言及された置換されていても良いアミノ基が、−NR11R12(ここで、R11及びR12は各々独立に水素原子又は置換されていても良いアルキル基を表すが、R11とR12は結合される窒素原子と共に5員又は6員環を形成していても良い。)であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記一般式(2)において、
QはNを表し、
mは0、1又は2を表し、
nは0又は1を表し、
pは0又は1を表し、
R4は−NR11R12又は−NR11R12基によって置換された基(ここで、R11及びR12は各々独立に水素原子又は置換されていても良いアルキル基を表すが、R11とR12は結合される窒素原子と共に5員又は6員環を形成していても良い。)を表し、
R5はハロゲン原子、水酸基、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、−SR10、−COR10、−COOR10、−SO3R10、−SO2R10又は−SOR10(R10は、置換されていても良い炭素数1〜4のアルキル基(ここで、置換基はカルボキシル基、スルホ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基及びハロゲン原子から選択される基である。))であることを特徴とする請求項3又は4に記載のインクジェット記録方法。 - 遊離酸の型が前記一般式(2)で表される色素が、遊離酸の型が下記一般式(2−A)で表される色素であることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録方法。
Y1Aは−O−、−S−、又は−NRYA(RYAは水素原子、或いは水酸基、カルボキシル基、スルホ基、又はシアノ基で置換されていても良い炭素数1〜4のアルキル基を表す。)を表し、
各々のR3Aは独立に−CO2H又は−SO3Hを表し、
各々のR4Aは独立に−NR11R12、−SO2NR11R12、−SO2−R13−R11R12、又は−NR11R12で置換された炭素数1〜6のアルキル基(ここで、R11及びR12は各々独立に水素原子又は置換されていても良いアルキル基を表すが、R11とR12は結合される窒素原子と共に5員又は6員環を形成していても良い。R13は炭素数1〜10のアルキレン基を表す。)を表し、
各々のR5Aは独立に塩素原子、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、或いは水酸基、カルボキシル基又はスルホ基で置換されていても良い炭素数1〜10のアルキル基を表し、
m,n及びpは各々独立に0又は1を表し、
(m+n+p)は1、2又は3であり、mが0のときnは1である。) - 濃色のマゼンタインクの色素濃度が0.5〜5重量%で、淡色のマゼンタインクの色素濃度が0.1〜2重量%であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
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