JP2004051743A - 非汚染性シリコーンゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するジオルガノポリシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、ヒドロシリル化触媒を含有する付加硬化型シリコーンゴム組成物において、硬化物中にアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンに起因する炭素数2以上の置換基が存在すると共に硬化物の硬さ(ショアA)が10以上であることを特徴とする非汚染性シリコーンゴム組成物。
【効果】本発明の非汚染性シリコーンゴム組成物は、硬化した後の非汚染性に優れ、しかもシール性が良好であり、このためコーティング、目地に充填施工、もしくは固形ガスケットとして使用した場合、建物、目地、及び目地周辺の汚染を起こさず、ゴム自体も汚染されにくく、また耐候性に優れるものである。
【選択図】 なし
【効果】本発明の非汚染性シリコーンゴム組成物は、硬化した後の非汚染性に優れ、しかもシール性が良好であり、このためコーティング、目地に充填施工、もしくは固形ガスケットとして使用した場合、建物、目地、及び目地周辺の汚染を起こさず、ゴム自体も汚染されにくく、また耐候性に優れるものである。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築用シーリング材、コーティング材、ガスケット等の建築用ゴム部材に好適に使用される非汚染性シリコーンゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
各種建造物におけるコンクリート、サッシなどのジョイント部、ガラス回りなどは、現在、合成ゴムなどのシーリング材で充填施工する方法が一般的であり、このシーリング材としては、シリコーン系、ポリサルファイド系、ポリウレタン系、アクリル系、SBR系、ブチル系など、各種のものが知られているが、接着性、耐熱耐候性、耐久性という面からは縮合硬化型のシリコーン系シーリング材が広く使用されている。また、固形ガスケットにおいては有機過酸化物加硫型シリコーン系のガスケットが使用されることが多い。更に近年では、有機過酸化物加硫型シリコーン系のガスケット上に紫外線硬化型のシリコーン系コーティング材をオーバーコートする手法や、ガラス上に型枠を設置して白金付加加硫型シリコーンゴム組成物を注型、硬化、接着させ、ガラス一体型ガスケットを作製する手法も提案されている。
【0003】
しかし、従来より外壁目地に使用されているシリコーン系のシーリング材、ガスケットには、目地周辺に汚れが広がるという問題が発生している。この現象は建物の立地条件(外部環境、方位)、目地設計(形状、接着体)等に大きく依存し、一般に建物周辺の大気汚染度、降雨の流れ具合、降雨後の乾燥度と著しく相関があることが判明している。この対策として、落とし目地や孫目地等の降雨が直接目地に触れないような目地への設計変更、硬化後のシーラントもしくはガスケットの表面に塗布剤による障壁を作り、汚染を防止する方法等があるが、前者は設計仕様の変更を伴うため建物の意匠上の問題が残り、後者は塗布という工程の増加が総合工賃のアップにつながるため、一般的なものとはなっていない。
【0004】
本発明者らは、上記の問題を解決するため、酸化チタン、酸化亜鉛等の光触媒活性を有する粒子が分散、含有された硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物によりシーリング材、コーティング材、ガスケットなどの建築用ゴム部材を製造した場合、これに紫外線が照射されることで表面が改質されて親水化され、非汚染性が付与されることを先に提案している(特開平9−227779号公報)。この方法によって、従来のシリコーンシーラントに比して汚染性は大幅に改良されたものの、更なる非汚染性の向上が求められている。
【0005】
また、シリコーンゲルは、硬化後にビニル基等のアルケニル基が残存するように硬化させるが、ゲルは作業性等が著しく劣るものであり、ゴミ等を吸着し易く非汚染性にも劣るものである。
【0006】
本発明は、上記要望に応えるためになされたもので、非汚染性に優れたシリコーンゴム組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するジオルガノポリシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、ヒドロシリル化触媒を含有する付加硬化型シリコーンゴム組成物において、硬化物中にアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンに起因する炭素数2以上の置換基が存在すると共に硬化物の硬さ(ショアA)が10以上であるものを用いることにより、著しい非汚染性向上を達成できることを知見し、本発明をなすに至った。
【0008】
従って、本発明は、分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、ヒドロシリル化触媒を含有する付加硬化型シリコーンゴム組成物において、硬化物中にアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンに起因する炭素数2以上の置換基が存在すると共に硬化物の硬さ(ショアA)が10以上であり、好ましくは、アルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合する全置換基の10モル%以上が炭素数2以上の置換もしくは非置換のアルケニル基である場合は、アルケニル基に対してオルガノハイドロジェンポリシロキサンのケイ素原子に直接結合した水素原子のモル比が1未満であること、及びアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合する全置換基の10モル%以上が炭素数2以上の置換もしくは非置換の一価飽和炭化水素基である場合は、アルケニル基に対してオルガノハイドロジェンポリシロキサンの有するケイ素原子に直接結合した水素原子のモル比が0.5〜5である非汚染性シリコーンゴム組成物を提供する。
【0009】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明にかかる非汚染性シリコーンゴム組成物は、分子中に少なくとも2個のアルケニル基を含有するジオルガノポリシロキサン、ジオルガノポリシロキサンを主成分(ベースポリマー)とするものであり、その硬化方式としては、付加硬化型が用いられる。
【0010】
本発明で使用されるベースポリマーのジオルガノポリシロキサンとしては、付加反応で硬化するため、分子中に少なくとも2個のケイ素原子に直結したアルケニル基を有し、全ケイ素原子に結合した置換基の好ましくは10モル%以上が炭素数2以上の置換もしくは非置換の一価炭化水素基を有するものである。
【0011】
従来使用されている付加硬化型シリコーンゴム(RTVゴム)組成物のベースポリマーにおいて、付加反応に関与するアルケニル基以外の置換基は、殆どがメチル基であるが、本発明においては、硬化後において、硬化反応に寄与したアルケニル基を除いて、硬化物中にケイ素原子に結合する置換基として炭素数2以上の置換もしくは非置換の一価炭化水素基を特定量含有するようにしたもので、これにより、著しく非汚染性が向上するものである。
【0012】
このジオルガノポリシロキサンは実質的に直鎖状であるが、ゲル化を起こさない、あるいはゴム弾性を損なわない範囲において分岐していてもよい。分岐量は、通常10モル%以下、好ましくは5モル%以下である。
【0013】
具体的には、下記一般式(1)又は(2)で表されるジオルガノポリシロキサンが好ましい。
【0014】
【化1】
(式中、Rは置換又は非置換の一価炭化水素基であるが、ケイ素原子に結合した全置換基(即ち、CH2=CH基及びRの総計)の10モル%以上、特に15モル%以上が炭素数2以上の脂肪族不飽和炭化水素基(アルケニル基)又は飽和炭化水素基である。Xは−O−又は炭素数1〜6のアルキレン基である。nは正数、mは0又は正数であって、n,mはこのジオルガノポリシロキサンの25℃における粘度を100〜1,000,000csとする数である。但し、式(2)において、Rがアルケニル基でない場合、m≧2である。)
【0015】
ここで、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルブチル基、オクチル基などのアルキル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基などのシクロアルキル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘプテニル基、ヘキセニル基、アリル基などのアルケニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ジフェニル基などのアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基などのアラルキル基、あるいはこれらの基の炭素原子に結合している水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基などで置換したクロロメチル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基などから選択される同一又は異種の置換もしくは非置換の好ましくは炭素数1〜12、特に1〜10の一価炭化水素基である。
【0016】
また、ケイ素原子に結合する全置換基(即ち、CH2=CH基及びRの総計)の好ましくは10モル%以上、より好ましくは15モル%以上が炭素数2以上の置換もしくは非置換の脂肪族不飽和炭化水素基(アルケニル基)又は脂肪族飽和炭化水素基であることが必要である。上限としては、特に制限されないが、製造のし易さからすると50モル%以下である。
【0017】
炭素数2以上の一価炭化水素基としては、上記したRの例示の中で、メチル基以外のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基が挙げられ、特にアルキル基としてはエチル基、プロピル基が好ましく、アルケニル基としてはビニル基、アリル基が好ましく、特にビニル基が好ましい。
【0018】
また、上記Rにおいて、炭素数2以上の一価炭化水素基以外の置換基としては、メチル基が好ましい。
【0019】
n,mはジオルガノポリシロキサンの25℃における粘度を100〜1,000,000cs、好ましくは500〜500,000csとする数である。
【0020】
このようなジオルガノポリシロキサンは、各種オルガノポリシロキサンの単量体である環状シロキサンもしくは線状オリゴマーを酸もしくは塩基触媒による平衡反応によって得る等の公知の方法により製造することができる。
【0021】
また、このジオルガノポリシロキサンに分岐構造を導入する場合は、上記平衡化重合中にRSiO3/2単位及び/又はSiO4/2単位を含むシランもしくはシロキサンをジオルガノポリシロキサンがゲル化しないレベルで添加するのが常法である。更に、このジオルガノポリシロキサンは、ストリップや洗浄等により低分子シロキサンを除去しておくことが望ましい。このようなオルガノシロキサンを用いた場合、初期の汚れを低減することができる。
【0022】
本発明の組成物には、架橋剤が使用される。架橋剤としては、ケイ素原子に直接結合した水素原子を1分子中に2個以上、好ましくは3個以上有するシラン、あるいはシロキサンが使用され、直鎖状、分岐状、環状、或いは三次元網状構造の樹脂状物のいずれでもよい。このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンの代表例としては、例えば、下記平均組成式(3)
HaR’bSiO(4−a−b)/2 (3)
(式中、R’は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の一価炭化水素基であり、a及びbは、0<a<2、0.8≦b≦2かつ0.8<a+b≦3となる数であり、好ましくは0.05≦a≦1、1.5≦b≦2かつ1.8≦a+b≦2.7となる数である。)
で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。
【0023】
式中、R’の脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の一価炭化水素基としては、前記一般式(1),(2)のRとして例示したもののうち、アルケニル基以外のものと同様のものが挙げられ、代表的なものは炭素原子数が1〜10、特に炭素原子数が1〜7のものであり、好ましくはメチル基等の炭素原子数1〜3の低級アルキル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基であり、特に好ましくはメチル基である。
【0024】
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンの例としては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルテトラシクロシロキサン、1,3,5,7,8−ペンタメチルペンタシクロシロキサン等のシロキサンオリゴマー;分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体等;R’2(H)SiO1/2単位とSiO4/2単位からなり、任意にR’3SiO1/2単位、R’2SiO2/2単位、R’(H)SiO2/2単位、(H)SiO3/2単位又はR’SiO3/2単位を含み得るシリコーンレジン(但し、式中、R’は前記のR’として例示した非置換又は置換の一価炭化水素基と同様のものである)などが挙げられ、更には下記式等で表されるものが挙げられる。
【0025】
【化2】
(但し、pは0〜200、好ましくは0〜100の整数、qは2〜200、好ましくは2〜100の整数であり、p+qは2〜400、好ましくは2〜200の整数である。)
【0026】
本発明の組成物に用いるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、公知の方法で得ることができ、例えば、一般式:R’SiHCl2及びR’2SiHCl(式中、R’は前記と同じである)から選ばれる少なくとも1種のクロロシランを共加水分解し、或いは該クロロシランと下記一般式:R’3SiCl及びR’2SiCl2(式中、R’は前記と同じである)から選ばれる少なくとも1種のクロロシランを組み合わせて共加水分解して得ることができる。また、オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、このように共加水分解して得られたポリシロキサンを平衡化したものでもよい。
【0027】
架橋剤の配合量は、ベースポリマーであるアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合する全置換基の10モル%以上が炭素数2以上の置換もしくは非置換の脂肪族一価不飽和炭化水素基である場合は、ベースポリマーの有するアルケニル基に対してオルガノハイドロジェンポリシロキサンのケイ素原子に直接結合した水素原子のモル比が1未満、好ましくは0.8以下とすることが望ましい。なお、その下限は0.1以上、特に0.3以上とすることが好ましい。また、ベースポリマーであるアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合する全置換基の10モル%以上が炭素数2以上の置換もしくは非置換の一価飽和炭化水素基である場合は、ベースポリマーの有するアルケニル基に対して架橋剤の有するケイ素原子に直接結合した水素原子のモル比が0.5〜5、好ましくは1〜3とすることが望ましい。この場合、アルケニル基は、分子中に少なくとも2個有することが必要であるが、ケイ素原子に結合する全置換基の10〜100モル%、特に25〜50モル%が脂肪族不飽和炭化水素基であることが好ましい。
【0028】
また、ヒドロシリル化触媒は、ベースポリマーの脂肪族不飽和炭化水素基と架橋剤のケイ素原子に直接結合した水素原子との付加反応を促進するための触媒であり、ヒドロシリル化反応に用いられる触媒として周知の触媒が挙げられる。その具体例としては、例えば、白金(白金黒を含む)、ロジウム、パラジウム等の白金族金属単体;H2PtCl4・nH2O、H2PtCl6・nH2O、NaHPtCl6・nH2O、KHPtCl6・nH2O、Na2PtCl6・nH2O、K2PtCl4・nH2O、PtCl4・nH2O、PtCl2、Na2HPtCl4・nH2O(但し、式中、nは0〜6の整数であり、好ましくは0又は6である)等の塩化白金、塩化白金酸及び塩化白金酸塩;アルコール変性塩化白金酸(米国特許第3,220,972号明細書参照);塩化白金酸とオレフィンとのコンプレックス(米国特許第3,159,601号明細書、同第3,159,662号明細書、同第3,775,452号明細書参照);白金黒、パラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させたもの;ロジウム−オレフィンコンプレックス;クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒);塩化白金、塩化白金酸又は塩化白金酸塩とビニル基含有シロキサン、特にビニル基含有環状シロキサンとのコンプレックスなどが挙げられる。
【0029】
硬化触媒の使用量は、所謂触媒量でよく、通常、ベースポリマー及び架橋剤の合計量に対する白金族金属の重量換算で、0.1〜1,000ppm、特には0.5〜500ppm程度でよい。
【0030】
また、本発明のシリコーンゴム組成物には、上記成分以外に補強等の目的で1種以上の充填剤を用いることが好ましい。このような充填剤としては、例えば、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、これらのシリカ表面を有機ケイ素化合物で疎水化処理したシリカ、石英粉末、カーボンブラック、タルク、ゼオライト及びベントナイト等の補強剤、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維及び有機繊維などの繊維質充填剤、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、セライト等の塩基性充填剤、酸化チタンなどの光触媒活性を有する充填剤等が例示される。これらの充填剤のうち、シリカ、炭酸カルシウム、ゼオライト等が好ましく、特に表面を疎水化処理した煙霧質シリカ、炭酸カルシウムが好ましい。
【0031】
上記充填剤の配合量は、目的や充填剤の種類により選択すればよいが、ベースポリマーのジオルガノポリシロキサン成分100重量部に対して1〜500重量部、特に5〜100重量部であることが好ましい。
【0032】
更に、本発明のシリコーンゴム組成物には、非汚染性を阻害しない範囲において種々の化合物を添加することは任意であり、例えばポリエチレングリコール又はその誘導体からなるチクソトロピー性付与剤、ベンガラ及び酸化セリウムなどの耐熱性向上剤、耐寒性向上剤、脱水剤、防錆剤、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどの接着性向上剤、トリオルガノシロキシ単位及びSiO2単位及び/又はモノオルガノシロキシ単位よりなる網状ポリシロキサンなどの液状補強剤などを必要に応じてその所定量を添加することができる。
【0033】
また、非汚染性向上の目的で、従来から使用されている光硬化性物質(例えばアクリル基等の不飽和基含有オリゴマー及びポリマーなど)、光崩壊性物質(例えば桐油、亜麻仁油など)等を本発明の目的を損なわない範囲で更に添加してもよい。
【0034】
本発明の非汚染性シリコーンゴム組成物は、上記成分の所定量をニーダーミキサー、プラネタリーミキサー、品川ミキサー等の混練り機で混合することにより、得ることができる。
【0035】
本発明の非汚染性シリコーンゴム組成物は、建築用ゴム部材として使用することが好適であり、特にシーリング材、コーティング材、ガスケットなどに好適に使用される。
【0036】
上記非汚染性シリコーンゴム組成物は、室温で放置することにより硬化するが、その成形方法、硬化条件などは、組成物の種類に応じた公知の方法、条件を採用することができる。このようにして得られる非汚染性シリコーンゴム組成物の硬化物は、その硬さがショアA硬度で10以上、好ましくは20〜90、より好ましくは30〜70である。硬さが10未満であると、作業性に劣り、また、非汚染性に劣るものとなる。
【0037】
【発明の効果】
本発明の非汚染性シリコーンゴム組成物は、硬化した後の非汚染性に優れ、しかもシール性が良好であり、このためコーティング、目地に充填施工、もしくは固形ガスケットとして使用した場合、建物、目地、及び目地周辺の汚染を起こさず、ゴム自体も汚染されにくく、また耐候性に優れるものである。
【0038】
【実施例】
以下、合成例及び実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、粘度は25℃での測定値を示したものである。また、下記例で部は重量部を示す。
【0039】
[合成例1]
ポリマーAの製造
温度計、撹拌機、冷却器を備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン2,752g、1,3−ビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン17g、水酸化カリウム0.08gを仕込み、150℃で5時間反応させた。反応後80℃まで冷却してエチレンクロロヒドリン4.0gを加え、更に80℃で3時間反応させた後、減圧加熱により低揮発分を留去して、粘度80,000mPa・s、不揮発分94.9%の無色透明液体(両末端ビニル基封鎖ポリメチルビニルシロキサン、ケイ素原子に結合した全置換基に対する炭素数2以上の置換基の割合:50モル%)を2,100g得た。
【0040】
[合成例2]
ポリマーBの製造
合成例1の2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン2,752gの代わりに、2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン1,376g、オクタメチルシクロテトラシロキサン1,184gを用いた以外は合成例1と同様にして、粘度77,000mPa・s、不揮発分97.1%の無色透明液体(両末端ビニル基封鎖ポリメチルビニルシロキサン、ケイ素原子に結合した全置換基に対する炭素数2以上の置換基の割合:25モル%)を2,150g得た。
【0041】
[合成例3]
ポリマーCの製造
合成例1の2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン2,752gの代わりに、2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン550g、オクタメチルシクロテトラシロキサン1,894gを用いた以外は合成例1と同様にして、粘度78,000mPa・s、不揮発分97.3%の無色透明液体(両末端ビニル基封鎖ポリメチルビニルシロキサン、ケイ素原子に結合した全置換基に対する炭素数2以上の置換基の割合:10モル%)を2,060g得た。
【0042】
[合成例4]
ポリマーDの製造
合成例1の1,3−ビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン17gの代わりに、ヘキサメチルジシロキサン16gを用いた以外は合成例1と同様にして、粘度77,000mPa・s、不揮発分98.2%の無色透明液体(両末端トリメチルシロキシ基封鎖ポリメチルビニルシロキサン、ケイ素原子に結合した全置換基に対する炭素数2以上の置換基の割合:50モル%)を2,210g得た。
【0043】
[合成例5]
ポリマーEの製造
合成例2の1,3−ビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン17gの代わりに、ヘキサメチルジシロキサン16gを用いた以外は合成例1と同様にして、粘度78,000mPa・s、不揮発分97.5%の無色透明液体(両末端トリメチルシロキシ基封鎖ポリメチルビニルシロキサン、ケイ素原子に結合した全置換基に対する炭素数2以上の置換基の割合:25モル%)を2,100g得た。
【0044】
[合成例6]
ポリマーFの合成
合成例1の2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン2,752gの代わりに、オクタメチルシクロテトラシロキサン2,368gを用いた以外は合成例1と同様にして、粘度77,000mPa・s、不揮発分98.1%の無色透明液体(両末端ビニル基封鎖ポリメチルビニルシロキサン、ケイ素原子に結合した全置換基に対する炭素数2以上の置換基の割合:0.3モル%)を2,030g得た。
【0045】
[合成例7]
ポリマーGの合成
合成例1の2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン2,752gの代わりに、2,4,6,8−テトラプロピル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン3,267gを用いた以外は合成例1と同様にして、粘度82,000mPa・s、不揮発分97.2%の無色透明液体(両末端ビニル基封鎖ポリメチルプロピルシロキサン、ケイ素原子に結合した全置換基に対する炭素数2以上の置換基の割合:50モル%)を2,750g得た。
【0046】
[実施例1]
ポリマーAを100部と比表面積200m2/gの表面処理フュームドシリカ10部を均一に混合し、下記平均組成式(I)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサン35部、白金触媒として白金原子の重量で2%濃度の塩化白金酸エタノール溶液0.4部を混合して、25℃での粘度が200Pa・sの混合物を得た[SiH/Si−CH=CH2=0.5]。
【0047】
【化3】
【0048】
[実施例2]
ポリマーBを100部と比表面積200m2/gの表面処理フュームドシリカ10部を均一に混合し、下記平均組成式(II)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサン35部、白金触媒として白金原子の重量で2%濃度の塩化白金酸エタノール溶液0.4部を混合して、25℃での粘度が180Pa・sの混合物を得た[SiH/Si−CH=CH2=0.3]。
【化4】
【0049】
[実施例3]
ポリマーCを100部と比表面積200m2/gの表面処理フュームドシリカ10部を均一に混合し、下記平均組成式(III)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサン20部、白金触媒として白金原子の重量で2%濃度の塩化白金酸エタノール溶液0.4部を混合して、25℃での粘度が180Pa・sの混合物を得た[SiH/Si−CH=CH2=0.8]。
【化5】
【0050】
[実施例4]
実施例1において、ポリマーAの代わりにポリマーDを用いた以外は実施例1と同様にして、粘度190Pa・sの混合物を得た[SiH/Si−CH=CH2=0.5]。
【0051】
[実施例5]
実施例2において、ポリマーBの代わりにポリマーEを用いた以外は実施例2と同様にして、粘度220Pa・sの混合物を得た[SiH/Si−CH=CH2=0.3]。
【0052】
[実施例6]
ポリマーGを100部、比表面積200m2/gの表面処理フュームドシリカ10部を均一に混合し、平均組成式(III)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサン1.4部、白金触媒として白金原子の重量で2%濃度の塩化白金酸エタノール溶液0.4部を混合して、粘度230Pa・sの混合物を得た[SiH/Si−CH=CH2=4.7]。
【0053】
[比較例1]
ポリマーFを100部、比表面積200m2/gの表面処理フュームドシリカ10部を均一に混合し、平均組成式(III)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサン0.7部、白金触媒として白金原子の重量で2%濃度の塩化白金酸エタノール溶液0.4部を混合して、粘度230Pa・sの混合物を得た[SiH/Si−CH=CH2=1.5]。
【0054】
[比較例2]
実施例3において、平均組成式(III)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサン60部を入れる以外は同様にして、粘度160Pa・sの混合物を得た[SiH/Si−CH=CH2=2.5]。
【0055】
これらの混合物を白ガラス板上に30×30×2mm厚に塗布し、室温下に24時間放置して硬化した。これを2年間屋外暴露したところ、表1に示した結果が得られた。得られた硬化物はいずれもショアA硬度が20〜40の良好なゴム弾性を示した。
【0056】
【表1】
○:汚染なし ×:汚染あり
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築用シーリング材、コーティング材、ガスケット等の建築用ゴム部材に好適に使用される非汚染性シリコーンゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
各種建造物におけるコンクリート、サッシなどのジョイント部、ガラス回りなどは、現在、合成ゴムなどのシーリング材で充填施工する方法が一般的であり、このシーリング材としては、シリコーン系、ポリサルファイド系、ポリウレタン系、アクリル系、SBR系、ブチル系など、各種のものが知られているが、接着性、耐熱耐候性、耐久性という面からは縮合硬化型のシリコーン系シーリング材が広く使用されている。また、固形ガスケットにおいては有機過酸化物加硫型シリコーン系のガスケットが使用されることが多い。更に近年では、有機過酸化物加硫型シリコーン系のガスケット上に紫外線硬化型のシリコーン系コーティング材をオーバーコートする手法や、ガラス上に型枠を設置して白金付加加硫型シリコーンゴム組成物を注型、硬化、接着させ、ガラス一体型ガスケットを作製する手法も提案されている。
【0003】
しかし、従来より外壁目地に使用されているシリコーン系のシーリング材、ガスケットには、目地周辺に汚れが広がるという問題が発生している。この現象は建物の立地条件(外部環境、方位)、目地設計(形状、接着体)等に大きく依存し、一般に建物周辺の大気汚染度、降雨の流れ具合、降雨後の乾燥度と著しく相関があることが判明している。この対策として、落とし目地や孫目地等の降雨が直接目地に触れないような目地への設計変更、硬化後のシーラントもしくはガスケットの表面に塗布剤による障壁を作り、汚染を防止する方法等があるが、前者は設計仕様の変更を伴うため建物の意匠上の問題が残り、後者は塗布という工程の増加が総合工賃のアップにつながるため、一般的なものとはなっていない。
【0004】
本発明者らは、上記の問題を解決するため、酸化チタン、酸化亜鉛等の光触媒活性を有する粒子が分散、含有された硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物によりシーリング材、コーティング材、ガスケットなどの建築用ゴム部材を製造した場合、これに紫外線が照射されることで表面が改質されて親水化され、非汚染性が付与されることを先に提案している(特開平9−227779号公報)。この方法によって、従来のシリコーンシーラントに比して汚染性は大幅に改良されたものの、更なる非汚染性の向上が求められている。
【0005】
また、シリコーンゲルは、硬化後にビニル基等のアルケニル基が残存するように硬化させるが、ゲルは作業性等が著しく劣るものであり、ゴミ等を吸着し易く非汚染性にも劣るものである。
【0006】
本発明は、上記要望に応えるためになされたもので、非汚染性に優れたシリコーンゴム組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するジオルガノポリシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、ヒドロシリル化触媒を含有する付加硬化型シリコーンゴム組成物において、硬化物中にアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンに起因する炭素数2以上の置換基が存在すると共に硬化物の硬さ(ショアA)が10以上であるものを用いることにより、著しい非汚染性向上を達成できることを知見し、本発明をなすに至った。
【0008】
従って、本発明は、分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、ヒドロシリル化触媒を含有する付加硬化型シリコーンゴム組成物において、硬化物中にアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンに起因する炭素数2以上の置換基が存在すると共に硬化物の硬さ(ショアA)が10以上であり、好ましくは、アルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合する全置換基の10モル%以上が炭素数2以上の置換もしくは非置換のアルケニル基である場合は、アルケニル基に対してオルガノハイドロジェンポリシロキサンのケイ素原子に直接結合した水素原子のモル比が1未満であること、及びアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合する全置換基の10モル%以上が炭素数2以上の置換もしくは非置換の一価飽和炭化水素基である場合は、アルケニル基に対してオルガノハイドロジェンポリシロキサンの有するケイ素原子に直接結合した水素原子のモル比が0.5〜5である非汚染性シリコーンゴム組成物を提供する。
【0009】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明にかかる非汚染性シリコーンゴム組成物は、分子中に少なくとも2個のアルケニル基を含有するジオルガノポリシロキサン、ジオルガノポリシロキサンを主成分(ベースポリマー)とするものであり、その硬化方式としては、付加硬化型が用いられる。
【0010】
本発明で使用されるベースポリマーのジオルガノポリシロキサンとしては、付加反応で硬化するため、分子中に少なくとも2個のケイ素原子に直結したアルケニル基を有し、全ケイ素原子に結合した置換基の好ましくは10モル%以上が炭素数2以上の置換もしくは非置換の一価炭化水素基を有するものである。
【0011】
従来使用されている付加硬化型シリコーンゴム(RTVゴム)組成物のベースポリマーにおいて、付加反応に関与するアルケニル基以外の置換基は、殆どがメチル基であるが、本発明においては、硬化後において、硬化反応に寄与したアルケニル基を除いて、硬化物中にケイ素原子に結合する置換基として炭素数2以上の置換もしくは非置換の一価炭化水素基を特定量含有するようにしたもので、これにより、著しく非汚染性が向上するものである。
【0012】
このジオルガノポリシロキサンは実質的に直鎖状であるが、ゲル化を起こさない、あるいはゴム弾性を損なわない範囲において分岐していてもよい。分岐量は、通常10モル%以下、好ましくは5モル%以下である。
【0013】
具体的には、下記一般式(1)又は(2)で表されるジオルガノポリシロキサンが好ましい。
【0014】
【化1】
(式中、Rは置換又は非置換の一価炭化水素基であるが、ケイ素原子に結合した全置換基(即ち、CH2=CH基及びRの総計)の10モル%以上、特に15モル%以上が炭素数2以上の脂肪族不飽和炭化水素基(アルケニル基)又は飽和炭化水素基である。Xは−O−又は炭素数1〜6のアルキレン基である。nは正数、mは0又は正数であって、n,mはこのジオルガノポリシロキサンの25℃における粘度を100〜1,000,000csとする数である。但し、式(2)において、Rがアルケニル基でない場合、m≧2である。)
【0015】
ここで、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルブチル基、オクチル基などのアルキル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基などのシクロアルキル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘプテニル基、ヘキセニル基、アリル基などのアルケニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ジフェニル基などのアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基などのアラルキル基、あるいはこれらの基の炭素原子に結合している水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基などで置換したクロロメチル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基などから選択される同一又は異種の置換もしくは非置換の好ましくは炭素数1〜12、特に1〜10の一価炭化水素基である。
【0016】
また、ケイ素原子に結合する全置換基(即ち、CH2=CH基及びRの総計)の好ましくは10モル%以上、より好ましくは15モル%以上が炭素数2以上の置換もしくは非置換の脂肪族不飽和炭化水素基(アルケニル基)又は脂肪族飽和炭化水素基であることが必要である。上限としては、特に制限されないが、製造のし易さからすると50モル%以下である。
【0017】
炭素数2以上の一価炭化水素基としては、上記したRの例示の中で、メチル基以外のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基が挙げられ、特にアルキル基としてはエチル基、プロピル基が好ましく、アルケニル基としてはビニル基、アリル基が好ましく、特にビニル基が好ましい。
【0018】
また、上記Rにおいて、炭素数2以上の一価炭化水素基以外の置換基としては、メチル基が好ましい。
【0019】
n,mはジオルガノポリシロキサンの25℃における粘度を100〜1,000,000cs、好ましくは500〜500,000csとする数である。
【0020】
このようなジオルガノポリシロキサンは、各種オルガノポリシロキサンの単量体である環状シロキサンもしくは線状オリゴマーを酸もしくは塩基触媒による平衡反応によって得る等の公知の方法により製造することができる。
【0021】
また、このジオルガノポリシロキサンに分岐構造を導入する場合は、上記平衡化重合中にRSiO3/2単位及び/又はSiO4/2単位を含むシランもしくはシロキサンをジオルガノポリシロキサンがゲル化しないレベルで添加するのが常法である。更に、このジオルガノポリシロキサンは、ストリップや洗浄等により低分子シロキサンを除去しておくことが望ましい。このようなオルガノシロキサンを用いた場合、初期の汚れを低減することができる。
【0022】
本発明の組成物には、架橋剤が使用される。架橋剤としては、ケイ素原子に直接結合した水素原子を1分子中に2個以上、好ましくは3個以上有するシラン、あるいはシロキサンが使用され、直鎖状、分岐状、環状、或いは三次元網状構造の樹脂状物のいずれでもよい。このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンの代表例としては、例えば、下記平均組成式(3)
HaR’bSiO(4−a−b)/2 (3)
(式中、R’は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の一価炭化水素基であり、a及びbは、0<a<2、0.8≦b≦2かつ0.8<a+b≦3となる数であり、好ましくは0.05≦a≦1、1.5≦b≦2かつ1.8≦a+b≦2.7となる数である。)
で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。
【0023】
式中、R’の脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の一価炭化水素基としては、前記一般式(1),(2)のRとして例示したもののうち、アルケニル基以外のものと同様のものが挙げられ、代表的なものは炭素原子数が1〜10、特に炭素原子数が1〜7のものであり、好ましくはメチル基等の炭素原子数1〜3の低級アルキル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基であり、特に好ましくはメチル基である。
【0024】
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンの例としては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルテトラシクロシロキサン、1,3,5,7,8−ペンタメチルペンタシクロシロキサン等のシロキサンオリゴマー;分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体等;R’2(H)SiO1/2単位とSiO4/2単位からなり、任意にR’3SiO1/2単位、R’2SiO2/2単位、R’(H)SiO2/2単位、(H)SiO3/2単位又はR’SiO3/2単位を含み得るシリコーンレジン(但し、式中、R’は前記のR’として例示した非置換又は置換の一価炭化水素基と同様のものである)などが挙げられ、更には下記式等で表されるものが挙げられる。
【0025】
【化2】
(但し、pは0〜200、好ましくは0〜100の整数、qは2〜200、好ましくは2〜100の整数であり、p+qは2〜400、好ましくは2〜200の整数である。)
【0026】
本発明の組成物に用いるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、公知の方法で得ることができ、例えば、一般式:R’SiHCl2及びR’2SiHCl(式中、R’は前記と同じである)から選ばれる少なくとも1種のクロロシランを共加水分解し、或いは該クロロシランと下記一般式:R’3SiCl及びR’2SiCl2(式中、R’は前記と同じである)から選ばれる少なくとも1種のクロロシランを組み合わせて共加水分解して得ることができる。また、オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、このように共加水分解して得られたポリシロキサンを平衡化したものでもよい。
【0027】
架橋剤の配合量は、ベースポリマーであるアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合する全置換基の10モル%以上が炭素数2以上の置換もしくは非置換の脂肪族一価不飽和炭化水素基である場合は、ベースポリマーの有するアルケニル基に対してオルガノハイドロジェンポリシロキサンのケイ素原子に直接結合した水素原子のモル比が1未満、好ましくは0.8以下とすることが望ましい。なお、その下限は0.1以上、特に0.3以上とすることが好ましい。また、ベースポリマーであるアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合する全置換基の10モル%以上が炭素数2以上の置換もしくは非置換の一価飽和炭化水素基である場合は、ベースポリマーの有するアルケニル基に対して架橋剤の有するケイ素原子に直接結合した水素原子のモル比が0.5〜5、好ましくは1〜3とすることが望ましい。この場合、アルケニル基は、分子中に少なくとも2個有することが必要であるが、ケイ素原子に結合する全置換基の10〜100モル%、特に25〜50モル%が脂肪族不飽和炭化水素基であることが好ましい。
【0028】
また、ヒドロシリル化触媒は、ベースポリマーの脂肪族不飽和炭化水素基と架橋剤のケイ素原子に直接結合した水素原子との付加反応を促進するための触媒であり、ヒドロシリル化反応に用いられる触媒として周知の触媒が挙げられる。その具体例としては、例えば、白金(白金黒を含む)、ロジウム、パラジウム等の白金族金属単体;H2PtCl4・nH2O、H2PtCl6・nH2O、NaHPtCl6・nH2O、KHPtCl6・nH2O、Na2PtCl6・nH2O、K2PtCl4・nH2O、PtCl4・nH2O、PtCl2、Na2HPtCl4・nH2O(但し、式中、nは0〜6の整数であり、好ましくは0又は6である)等の塩化白金、塩化白金酸及び塩化白金酸塩;アルコール変性塩化白金酸(米国特許第3,220,972号明細書参照);塩化白金酸とオレフィンとのコンプレックス(米国特許第3,159,601号明細書、同第3,159,662号明細書、同第3,775,452号明細書参照);白金黒、パラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させたもの;ロジウム−オレフィンコンプレックス;クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒);塩化白金、塩化白金酸又は塩化白金酸塩とビニル基含有シロキサン、特にビニル基含有環状シロキサンとのコンプレックスなどが挙げられる。
【0029】
硬化触媒の使用量は、所謂触媒量でよく、通常、ベースポリマー及び架橋剤の合計量に対する白金族金属の重量換算で、0.1〜1,000ppm、特には0.5〜500ppm程度でよい。
【0030】
また、本発明のシリコーンゴム組成物には、上記成分以外に補強等の目的で1種以上の充填剤を用いることが好ましい。このような充填剤としては、例えば、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、これらのシリカ表面を有機ケイ素化合物で疎水化処理したシリカ、石英粉末、カーボンブラック、タルク、ゼオライト及びベントナイト等の補強剤、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維及び有機繊維などの繊維質充填剤、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、セライト等の塩基性充填剤、酸化チタンなどの光触媒活性を有する充填剤等が例示される。これらの充填剤のうち、シリカ、炭酸カルシウム、ゼオライト等が好ましく、特に表面を疎水化処理した煙霧質シリカ、炭酸カルシウムが好ましい。
【0031】
上記充填剤の配合量は、目的や充填剤の種類により選択すればよいが、ベースポリマーのジオルガノポリシロキサン成分100重量部に対して1〜500重量部、特に5〜100重量部であることが好ましい。
【0032】
更に、本発明のシリコーンゴム組成物には、非汚染性を阻害しない範囲において種々の化合物を添加することは任意であり、例えばポリエチレングリコール又はその誘導体からなるチクソトロピー性付与剤、ベンガラ及び酸化セリウムなどの耐熱性向上剤、耐寒性向上剤、脱水剤、防錆剤、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどの接着性向上剤、トリオルガノシロキシ単位及びSiO2単位及び/又はモノオルガノシロキシ単位よりなる網状ポリシロキサンなどの液状補強剤などを必要に応じてその所定量を添加することができる。
【0033】
また、非汚染性向上の目的で、従来から使用されている光硬化性物質(例えばアクリル基等の不飽和基含有オリゴマー及びポリマーなど)、光崩壊性物質(例えば桐油、亜麻仁油など)等を本発明の目的を損なわない範囲で更に添加してもよい。
【0034】
本発明の非汚染性シリコーンゴム組成物は、上記成分の所定量をニーダーミキサー、プラネタリーミキサー、品川ミキサー等の混練り機で混合することにより、得ることができる。
【0035】
本発明の非汚染性シリコーンゴム組成物は、建築用ゴム部材として使用することが好適であり、特にシーリング材、コーティング材、ガスケットなどに好適に使用される。
【0036】
上記非汚染性シリコーンゴム組成物は、室温で放置することにより硬化するが、その成形方法、硬化条件などは、組成物の種類に応じた公知の方法、条件を採用することができる。このようにして得られる非汚染性シリコーンゴム組成物の硬化物は、その硬さがショアA硬度で10以上、好ましくは20〜90、より好ましくは30〜70である。硬さが10未満であると、作業性に劣り、また、非汚染性に劣るものとなる。
【0037】
【発明の効果】
本発明の非汚染性シリコーンゴム組成物は、硬化した後の非汚染性に優れ、しかもシール性が良好であり、このためコーティング、目地に充填施工、もしくは固形ガスケットとして使用した場合、建物、目地、及び目地周辺の汚染を起こさず、ゴム自体も汚染されにくく、また耐候性に優れるものである。
【0038】
【実施例】
以下、合成例及び実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、粘度は25℃での測定値を示したものである。また、下記例で部は重量部を示す。
【0039】
[合成例1]
ポリマーAの製造
温度計、撹拌機、冷却器を備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン2,752g、1,3−ビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン17g、水酸化カリウム0.08gを仕込み、150℃で5時間反応させた。反応後80℃まで冷却してエチレンクロロヒドリン4.0gを加え、更に80℃で3時間反応させた後、減圧加熱により低揮発分を留去して、粘度80,000mPa・s、不揮発分94.9%の無色透明液体(両末端ビニル基封鎖ポリメチルビニルシロキサン、ケイ素原子に結合した全置換基に対する炭素数2以上の置換基の割合:50モル%)を2,100g得た。
【0040】
[合成例2]
ポリマーBの製造
合成例1の2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン2,752gの代わりに、2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン1,376g、オクタメチルシクロテトラシロキサン1,184gを用いた以外は合成例1と同様にして、粘度77,000mPa・s、不揮発分97.1%の無色透明液体(両末端ビニル基封鎖ポリメチルビニルシロキサン、ケイ素原子に結合した全置換基に対する炭素数2以上の置換基の割合:25モル%)を2,150g得た。
【0041】
[合成例3]
ポリマーCの製造
合成例1の2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン2,752gの代わりに、2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン550g、オクタメチルシクロテトラシロキサン1,894gを用いた以外は合成例1と同様にして、粘度78,000mPa・s、不揮発分97.3%の無色透明液体(両末端ビニル基封鎖ポリメチルビニルシロキサン、ケイ素原子に結合した全置換基に対する炭素数2以上の置換基の割合:10モル%)を2,060g得た。
【0042】
[合成例4]
ポリマーDの製造
合成例1の1,3−ビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン17gの代わりに、ヘキサメチルジシロキサン16gを用いた以外は合成例1と同様にして、粘度77,000mPa・s、不揮発分98.2%の無色透明液体(両末端トリメチルシロキシ基封鎖ポリメチルビニルシロキサン、ケイ素原子に結合した全置換基に対する炭素数2以上の置換基の割合:50モル%)を2,210g得た。
【0043】
[合成例5]
ポリマーEの製造
合成例2の1,3−ビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン17gの代わりに、ヘキサメチルジシロキサン16gを用いた以外は合成例1と同様にして、粘度78,000mPa・s、不揮発分97.5%の無色透明液体(両末端トリメチルシロキシ基封鎖ポリメチルビニルシロキサン、ケイ素原子に結合した全置換基に対する炭素数2以上の置換基の割合:25モル%)を2,100g得た。
【0044】
[合成例6]
ポリマーFの合成
合成例1の2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン2,752gの代わりに、オクタメチルシクロテトラシロキサン2,368gを用いた以外は合成例1と同様にして、粘度77,000mPa・s、不揮発分98.1%の無色透明液体(両末端ビニル基封鎖ポリメチルビニルシロキサン、ケイ素原子に結合した全置換基に対する炭素数2以上の置換基の割合:0.3モル%)を2,030g得た。
【0045】
[合成例7]
ポリマーGの合成
合成例1の2,4,6,8−テトラビニル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン2,752gの代わりに、2,4,6,8−テトラプロピル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン3,267gを用いた以外は合成例1と同様にして、粘度82,000mPa・s、不揮発分97.2%の無色透明液体(両末端ビニル基封鎖ポリメチルプロピルシロキサン、ケイ素原子に結合した全置換基に対する炭素数2以上の置換基の割合:50モル%)を2,750g得た。
【0046】
[実施例1]
ポリマーAを100部と比表面積200m2/gの表面処理フュームドシリカ10部を均一に混合し、下記平均組成式(I)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサン35部、白金触媒として白金原子の重量で2%濃度の塩化白金酸エタノール溶液0.4部を混合して、25℃での粘度が200Pa・sの混合物を得た[SiH/Si−CH=CH2=0.5]。
【0047】
【化3】
【0048】
[実施例2]
ポリマーBを100部と比表面積200m2/gの表面処理フュームドシリカ10部を均一に混合し、下記平均組成式(II)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサン35部、白金触媒として白金原子の重量で2%濃度の塩化白金酸エタノール溶液0.4部を混合して、25℃での粘度が180Pa・sの混合物を得た[SiH/Si−CH=CH2=0.3]。
【化4】
【0049】
[実施例3]
ポリマーCを100部と比表面積200m2/gの表面処理フュームドシリカ10部を均一に混合し、下記平均組成式(III)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサン20部、白金触媒として白金原子の重量で2%濃度の塩化白金酸エタノール溶液0.4部を混合して、25℃での粘度が180Pa・sの混合物を得た[SiH/Si−CH=CH2=0.8]。
【化5】
【0050】
[実施例4]
実施例1において、ポリマーAの代わりにポリマーDを用いた以外は実施例1と同様にして、粘度190Pa・sの混合物を得た[SiH/Si−CH=CH2=0.5]。
【0051】
[実施例5]
実施例2において、ポリマーBの代わりにポリマーEを用いた以外は実施例2と同様にして、粘度220Pa・sの混合物を得た[SiH/Si−CH=CH2=0.3]。
【0052】
[実施例6]
ポリマーGを100部、比表面積200m2/gの表面処理フュームドシリカ10部を均一に混合し、平均組成式(III)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサン1.4部、白金触媒として白金原子の重量で2%濃度の塩化白金酸エタノール溶液0.4部を混合して、粘度230Pa・sの混合物を得た[SiH/Si−CH=CH2=4.7]。
【0053】
[比較例1]
ポリマーFを100部、比表面積200m2/gの表面処理フュームドシリカ10部を均一に混合し、平均組成式(III)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサン0.7部、白金触媒として白金原子の重量で2%濃度の塩化白金酸エタノール溶液0.4部を混合して、粘度230Pa・sの混合物を得た[SiH/Si−CH=CH2=1.5]。
【0054】
[比較例2]
実施例3において、平均組成式(III)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサン60部を入れる以外は同様にして、粘度160Pa・sの混合物を得た[SiH/Si−CH=CH2=2.5]。
【0055】
これらの混合物を白ガラス板上に30×30×2mm厚に塗布し、室温下に24時間放置して硬化した。これを2年間屋外暴露したところ、表1に示した結果が得られた。得られた硬化物はいずれもショアA硬度が20〜40の良好なゴム弾性を示した。
【0056】
【表1】
○:汚染なし ×:汚染あり
Claims (7)
- 分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するジオルガノポリシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、ヒドロシリル化触媒を含有する付加硬化型シリコーンゴム組成物において、硬化物中にアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンに起因する炭素数2以上の置換基が存在すると共に硬化物の硬さ(ショアA)が10以上であることを特徴とする非汚染性シリコーンゴム組成物。
- 硬化物中に存在するアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンに起因する炭素数2以上の置換基が、ビニル基、アリル基、エチル基、プロピル基から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項1記載の非汚染性シリコーンゴム組成物。
- アルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合する全置換基の10モル%以上が炭素数2以上の置換もしくは非置換のアルケニル基であり、アルケニル基に対してオルガノハイドロジェンポリシロキサンのケイ素原子に直接結合した水素原子のモル比が1未満であることを特徴とする請求項1記載の非汚染性シリコーンゴム組成物。
- アルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合する全置換基の10モル%以上が炭素数2以上の置換もしくは非置換の一価飽和炭化水素基であり、アルケニル基に対してオルガノハイドロジェンポリシロキサンのケイ素原子に直接結合した水素原子のモル比が0.5〜5であることを特徴とする請求項1記載の非汚染性シリコーンゴム組成物。
- 更に、充填剤として、炭酸カルシウム又は表面を疎水化処理したシリカを含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の非汚染性シリコーンゴム組成物。
- 建築ゴム部材用である請求項1乃至5のいずれか1項記載の非汚染性シリコーンゴム組成物。
- シーリング材、コーティング材又はガスケット用であることを特徴とする請求項6記載の非汚染性シリコーンゴム組成物。
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-
2002
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