JP2004051600A - 造血器型プロスタグランジンd2合成酵素阻害剤 - Google Patents

造血器型プロスタグランジンd2合成酵素阻害剤 Download PDF

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Abstract

【課題】造血器型プロスタグランジンD2合成酵素に対する阻害作用を有し、アレルギー疾患などの治療に有用な医薬を提供する。
【解決手段】下記の式(Xは単結合、又はC〜Cのアルキレン基、C〜Cのアルケニレン基、C〜Cのアルキレン−アミノ基、及びC〜Cのアルキレン−アミノ−アルキレン基からなる群より選択される連結基を表し、Rは、C〜C10のアリール基を表し、Rは水素原子、C〜Cのアルキル基、又はC〜C10のアリール基を表し、Rはアシル基又は4〜10員の環式基(R及びRが水素原子である場合にはRがテトラゾリル基である場合を除く)を表し、R及びRは水素原子を表すか、又はRとRが一緒になってC〜Cのアルキレン基を表す)で表される化合物を有効成分として含み、造血器型プロスタグランジンD2合成酵素に対する阻害作用を有する医薬。
【化1】

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、造血器型プロスタグランジンD2合成酵素に対する阻害作用を有し、抗アレルギー、抗炎症、又は抗喘息等の作用を有する医薬に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プロスタグランジンD2(PGD2)はアラキドン酸カスケード中のシクロオキシゲナーゼ経路によりプロスタグランジンH2(PGH2)を中間体として合成されるアラキドン酸代謝物の一種で、このような生合成経路からはPGD2の他にプロスタグランジンF2α(PGF2α)、プロスタグランジンE2(PGE2)、プロスタグランジンI2(PGI2)及びトロンボキサンA2(TXA2)が合成されることが知られている。喘息やアレルギー性鼻炎などのアレルギー性炎症疾患では、アレルギー反応の中心的役割を担っていると思われる抗原と免疫グロブリンE(IgE)の複合体が結合して活性化されたマスト細胞において、アラキドン酸代謝カスケードが活性化されてアラキドン酸に由来する種々の炎症性メディエーターが放出され、アレルギー症状の惹起に重要な役割をはたしているものと考えられる。
【0003】
そのなかでもPGD2は最も多量に産生、放出される炎症性メディエーターであり、喘息患者の気管支肺胞洗浄液中に高濃度で検出されている(J. Immumol., 129, 1267−1631(1982); N. Engl. J. Med., 315, 800−804 (1986))。実際にPGD2は強力な気道収縮作用を示すだけではなく、炎症に深く関与する好酸球を活性化する作用や気道過敏性を誘発する作用を有することから、アレルギー性炎症疾患の中でもアレルギー性喘息の病態に深く関わっているものと考えられる(J. Immunol., 129, 1627−1631(1982); N. Engl. J. Med., 315, 800−804(1986); N. Engl. J. Med., 311, 209−213(1984); J. Immunol., 148, 3536−3542(1992); Science, 287, 2013−2017(2000))。
【0004】
PGH2よりPGD2を合成する合成酵素には造血器型酵素(H−PGDS)とリポカリン型酵素の2種類が知られている。リポカリン型酵素は主に脳内に分布し、PGD2が睡眠誘発物質であることから、睡眠の誘発、その他体温低下、黄体ホルモン分泌抑制、痛みや匂いの応答調節作用に関与していることが知られており(Vitam Horm, 58, 89−120(2000); J. Biol. Chem., 260, 2140−2145(1985); Biochimica Biophysica Acta, 1482, 259−271(2000))、特に睡眠調節作用との関わりについては注目されている。一方、造血器型酵素は主に胎盤、肺、マスト細胞、抗原提示細胞に分布していることから、アレルギー性炎症疾患には造血器型酵素が主に関与しているものと考えられる(J Immunol., 143, 2982−2989(1989); J. Biol. Chem.,265, 371−375(1990); J. Biol. Chem., 270, 3239−3246(1995))。これまでに、造血器型酵素の阻害剤として、テトラゾール骨格を有するベンズヒドリルオキシ誘導体であるHQL−79(4−ベンズヒドリルオキシ−1−{3−(1H−テトラゾール−5−イル)−プロピル}ピリジン)が知られており、HQL‐79が喘息病態モデルにおいて気道への好酸球浸潤および遅発性喘息反応といった気道炎症病態を抑制することが報告されているが(Jpn. J. Pharmacol., 78, 1−10(1998)、Jpn. J. Pharmacol., 78, 11−22(1998))、その活性は十分とは言えない。
【0005】
現在、アレルギー性の疾患にはケトチフェン、テルフェナジン等の抗アレルギー剤、マレイン酸クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン剤及び抗炎症性ステロイド剤が使用されているが、従来の抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤では薬効が十分でなかったり、遅発的アレルギー反応を十分に抑制することがあり、また、眠気、鎮静症状等の中枢性副作用の問題がある。遅発的アレルギー反応の抑制には抗炎症性ステロイドが有効であるが、免疫抑制等の副作用の問題もあり、使いやすい薬剤とは言えない。従って、選択的で強力な造血器型酵素の阻害剤は、従来の薬剤と比べて副作用の少ないアレルギー性炎症疾患、特にアレルギー性喘息の有力な治療薬となることが期待できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、造血器型PGD2合成酵素の選択的阻害剤を開発し、副作用が少なく安全性の高い医薬を提供することにある。より具体的には、本発明の課題は、アレルギー性鼻炎等のアレルギー性炎症疾患、特にアレルギー性喘息治療のための医薬及び脳損傷の憎悪抑制薬、性周期調節剤、睡眠調節剤、体温調節剤、鎮痛剤、又は嗅覚調節剤としての作用を有する医薬を提供することにある。
【0007】
【問題を解決するための手段】
造血器型PGD2合成酵素はGlutathione S−transferase(GST)のサブタイプでσクラスGSTに分類されるGlutathione要求性の酵素である。近年、X線結晶構造解析によりその3次元構造が解明され(Cell, 90, 1085−1095(1997))、この酵素が他のGSTと比較して短い4番目のαへリックスを持つこと、及び広く深い特異的なCleft構造を持つことが報告された。本発明者らは、解析された3次元構造に基づいてコンピューターを用いた分子設計の手法を用い、造血器型PGD2合成酵素のCleft構造部分に結合可能と思われる低分子有機化合物を設計及び合成した。そして、所望の酵素阻害活性が見出された化合物群についてさらに分子設計より導かれた方針に従って誘導化することにより、下記の一般式(I)で表される化合物が造血器型PGD2合成酵素(H−PGDS)に対して極めて優れた阻害作用を有することを見出した。本発明を上記の知見を基にして完成されたものである。
【0008】
すなわち、本発明は、下記一般式(I):
【化7】
Figure 2004051600
(式中、
Xは、単結合又は下記連結基群α−1:
〜Cのアルキレン基、C〜Cのアルケニレン基、C〜Cのアルキレン−アミノ基、及びC〜Cのアルキレン−アミノ−アルキレン基
より選択される基(該基は置換基を有していてもよい)を表し、
は、置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基を表し、
は、水素原子、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基、又は置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基を表し、
は、置換基を有していてもよいアシル基、又は置換基を有していてもよい4〜10員の環式基(ただし、R及びRが水素原子である場合には、Rがテトラゾリル基である場合を除く)を表し、
及びRは、水素原子を表すか、又はRとRが一緒になってC〜Cのアルキレン基を表す)
で表される化合物及び薬理学的に許容されるその塩、並びにそれらの水和物及び溶媒和物からなる群から選ばれる物質を有効成分として含み、造血器型プロスタグランジンD2合成酵素に対する阻害作用を有する医薬を提供するものである。
【0009】
本発明の好ましい態様によれば、Xが、単結合又は下記連結基群α−2:
【化8】
Figure 2004051600
(ただし、左側の結合手がピペリジン環の窒素原子に結合し、右側の結合手がRに結合する)
より選択される基(該基はC〜Cのアルコキシ基、又はアシル基で置換されていてもよい)である上記の医薬;
が、フェニル基、ハロゲン原子で置換されたフェニル基、又はナフチル基である上記の医薬;
が、水素原子、C〜Cのアルキル基、又はフェニル基である上記の医薬;Rが、下記アシル基群β:
カルボキシ基、C〜Cのアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、C〜Cのアルカノイル基、及びベンゾイル基、(フラン−2−イル)カルボニル基
より選択される基(該基は置換基を有していてもよい)、又は下記環式基群γ−1:
【化9】
Figure 2004051600
より選択される基(該基は置換基を有していてもよい)である上記の医薬(ただし、R及びRが水素原子である場合には、Rがテトラゾリル基である場合を除く);
が、下記環式基群γ−2:
【化10】
Figure 2004051600
より選択される基(該基は置換基を有していてもよい)である上記の医薬;及びR及びRが、水素原子である上記の医薬が提供される。
【0010】
さらに好ましい態様によれば、抗アレルギー作用、抗アレルギー性炎症、及び抗喘息作用からなる群から選ばれる1以上の作用を有する上記の医薬;脳損傷の憎悪の予防作用、及び/又は脳損傷の予後の改善作用を有する上記の医薬;脳保護作用を有する上記の医薬;性周期調節作用、睡眠調節作用、体温調節作用、鎮痛作用、及び嗅覚調節作用からなる群から選ばれる1以上の作用を有する上記の医薬が提供される。
【0011】
別の観点からは、本発明により、上記の医薬の製造のための上記一般式(I)で表される化合物及び薬理学的に許容されるその塩、並びにそれらの水和物及び溶媒和物からなる群から選ばれる物質の使用が提供される。
【0012】
さらに別の観点からは、本発明により、ヒトを含む哺乳類動物において造血器型PGD2合成酵素を阻害する方法であって、上記一般式(I)で表される化合物及び薬理学的に許容されるその塩、並びにそれらの水和物及び溶媒和物からなる群から選ばれる物質の有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法;アレルギー疾患、アレルギー性炎症疾患、及び喘息からなる群から選ばれる1以上の疾患を予防及び/又は治療する方法であって、上記一般式(I)で表される化合物及び薬理学的に許容されるその塩、並びにそれらの水和物及び溶媒和物からなる群から選ばれる物質の予防及び/又は治療有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法;脳損傷の憎悪を予防する方法であって、上記一般式(I)で表される化合物及び薬理学的に許容されるその塩、並びにそれらの水和物及び溶媒和物からなる群から選ばれる物質の有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法;脳損傷の予後を改善する方法であって、上記一般式(I)で表される化合物及び薬理学的に許容されるその塩、並びにそれらの水和物及び溶媒和物からなる群から選ばれる物質の有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法;脳の保護方法であって、上記一般式(I)で表される化合物及び薬理学的に許容されるその塩、並びにそれらの水和物及び溶媒和物からなる群から選ばれる物質の有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法;性周期、睡眠、体温、痛覚、及び嗅覚からなる群から選ばれる生体作用の調節方法であって、上記一般式(I)で表される化合物及び薬理学的に許容されるその塩、並びにそれらの水和物及び溶媒和物からなる群から選ばれる物質の有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法が提供される。
【0013】
また、本発明により、下記一般式(I−1):
【化11】
Figure 2004051600
〔式中、
X’は、単結合又は下記連結基群α’−1:
〜Cのアルキレン基、C〜Cのアルケニレン基、C〜Cのアルキレン−アミノ基、及びC〜Cのアルキレン−アミノ−アルキレン基
より選択される基(該基は置換基を有していてもよい)を表し、
’は、置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基を表し、
’は、水素原子、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基、又は置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基を表し、
’は、置換基を有していてもよいアシル基、又は置換基を有していてもよい4〜10員の環式基(ただし、R’及びR’が水素原子である場合には、R’がテトラゾリル基である場合を除く)を表し、
’及びR’は、水素原子を表すか、又はR’とR’が一緒になってC〜Cのアルキレン基を表す。
ただし、下記一般式(I−2):
【化12】
Figure 2004051600
(式中、
102’はC〜Cのアルキレン基を表し、
302’はカルボキシ基を表す)で表される化合物を除く〕で表される化合物若しくは薬理学的に許容されるその塩、又はそれらの水和物若しくはそれらの溶媒和物が新規物質として提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本明細書において用いられる用語の意味は以下の通りである。
「ハロゲン原子」としては、特に言及する場合を除き、弗素原子、塩素原子、臭素原子、又は沃素原子のいずれを用いてもよい。
「C〜Cのアルキル基」としては、直鎖状、分枝鎖状、環状、及びそれらの組み合わせのいずれでもよい。より具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、シクロプロピルメチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、又は4−メチルペンチル基などを挙げることができる。アルキル部分を含む他の置換基のアルキル部分についても同様である。
「C〜C10のアリール基」としては、単環又は縮合環のいずれでもよく、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などを挙げることができる。「C〜Cのアルコキシ基」としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、又はtert−ブトキシ基などを挙げることができる。
【0015】
「C〜Cのアルコキシカルボニル基」としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、又はtert−ブトキシカルボニル基などを挙げることができる。
「C〜Cのアルキレン基」としては、直鎖状、分枝鎖状、環状、及びそれらの組み合わせのいずれでもよい。より具体的には、メチレン基、エチレン基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、シクロプロパン−1,2−ジイル基、シクロブタン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、又はシクロヘキサン−1,3−ジイル基などを挙げることができる。アルキレン部分を含む他の置換基のアルキレン部分についても同様である。
「C〜Cのアルケニレン基」としては、直鎖状、分枝鎖状、環状、及びそれらの組み合わせのいずれでもよい。より具体的には、エテン−1,2−ジイル基、エテン−1,1−ジイル基、プロペン−1,3−ジイル基、プロペン−1,2−ジイル基、シクロプロペン−1,2−ジイル基、シクロブテン−1,2−ジイル基などを挙げることができる。
【0016】
「4〜10員の環式基」としては、4〜10員単環又は二環以上の不飽和、部分飽和又は完全飽和の環状炭化水素基(具体例:シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキサジエニル基、フェニル基、ナフチル基、インダニル基、インデニル基、テトラヒドロナフチル基など)、或いは、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する4〜10員単環又は二環以上の不飽和、部分飽和又は完全飽和の複素環基(具体例:チエニル基、フリル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾフラニル基、イソベンゾチオフェニル基、イソベンゾフラニル基、インドリル基、イソインドリル基、インドリジニル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、1,2,3−チアジアゾリル基、1,2,4−チアジアゾリル基、1,3,4−チアジアゾリル基、1,3,4−オキサジアゾリル基、1,2,3−トリアゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基、テトラゾリル基、クロメニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、キノリジニル基、キノリル基、イソキノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、1,2,4−トリアジニル基、クロマニル基、イソクロマニル基、アゼチジニル基、2−オキソアゼチジニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、チアゾリジニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリノ基、モルホリニル基、チオモリホリノ基、チオモルホリニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、1,2,3,4−テトラヒドロキノリル基、キヌクリジニル基など)などを挙げることができる。
【0017】
「アシル基」としては、カルボキシ基、スルホ基、ホスホノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、ホルミル基、チオホルミル基、グリオキシロイル基、C〜Cのアルカノイル基(具体例:アセチル基、プロピオニル基、n−ブチリル基、ピバロイル基など)、C〜C10のアロイル基(具体例:ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基など)、C〜Cのアルキルスルホニル基(具体例:メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、プロパンスルホニル基など)、C〜C10のアリールスルホニル基(具体例:ベンゼンスルホニル基、1−ナフタレンスルホニル基、2−ナフタレンスルホニル基など)、C〜Cのアルコキシカルボニル基、C〜C10のアリールオキシカルボニル基(具体例:フェノキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基など)、C〜C12のアラルキルオキシカルボニル基(具体例:ベンジルオキシカルボニル基、(1−ナフチルメチル)オキシカルボニル基、(2−ナフチルメチル)オキシカルボニル基など)、C〜Cのジアルキルホスホノ基(具体例:ジエチルホスホノ基など)、C〜C10のジアリールホスホノ基(具体例:ジフェニルホスホノ基など)、C〜C12のジアラルキルホスホノ基(具体例:ジベンジルホスホノ基など)、複素環−カルボニル基(具体例:フロイル基、テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、(キノリン−3−イル)カルボニル基、(インドール−2−イル)カルボニル基、ピペリジノカルボニル基、モルホリノカルボニル基など)、或いは複素環−スルホニル基(具体例:(ピリジン−3−イル)スルホニル基、(キノリン−3−イル)スルホニル基、ピペリジノスルホニル基、モルホリノスルホニル基など)などを挙げることができる。
【0018】
本明細書において、ある官能基について「置換基を有していてもよい」という場合には、官能基上の化学的に可能な位置に1個又は2個以上の「置換基」を有する場合があることを意味する。官能基に存在する置換基の種類、置換基の個数、及び置換位置は特に限定されず、2個以上の置換基が存在する場合には、それらは同一であっても異なっていてもよい。官能基に存在する「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子、オキソ基、チオキソ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、チオシアナト基、イソシアナト基、イソチオシアナト基、ヒドロキシ基、スルファニル基、カルボキシ基、スルファニルカルボニル基、オキサロ基、メソオキサロ基、チオカルボキシ基、ジチオカルボキシ基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、スルホ基、スルファモイル基、スルフィノ基、スルフィナモイル基、スルフェノ基、スルフェナモイル基、ホスホノ基、ヒドロキシホスホニル基、C〜Cのアルキル基、C〜Cのアルケニル基(具体例:ビニル基、アリル基、1−プロペニル基など)、C〜Cのアルキニル基(具体例:エチニル基、1−プロピニル基など)、C〜C10のアリール基、C〜C12のアラルキル基(具体例:ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基など)、C〜Cのアルコキシ基、C〜C10のアリールオキシ基(具体例:フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基など)、C〜C12のアラルキルオキシ基(具体例:ベンジルオキシ基、(1−ナフチルメチル)オキシ基、(2−ナフチルメチル)オキシ基など)、C〜Cのアルキルスルファニル基(具体例:メチルスルファニル基、エチルスルファニル基など)、C〜C10のアリールスルファニル基(具体例:フェニルスルファニル基、1−ナフチルスルファニル基、2−ナフチルスルファニル基など)、C〜C12のアラルキルスルファニル基(具体例:ベンジルスルファニル基、(1−ナフチルメチル)スルファニル基、(2−ナフチルメチル)スルファニル基など)、C〜Cのアルカノイル基、C〜C10のアロイル基、C〜Cのアルキルスルホニル基、C〜C10のアリールスルホニル基、C〜Cのアルコキシカルボニル基、アミノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、ジアゼニル基、ウレイド基、チオウレイド基、グアニジノ基、カルバモイミドイル基(アミジノ基)、アジド基、イミノ基、ヒドロキシアミノ基、ヒドロキシイミノ基、アミノオキシ基、ジアゾ基、セミカルバジノ基、セミカルバゾノ基、アロファニル基、ヒダントイル基、ホスファノ基、ホスホロソ基、ホスホ基、ボリル基、シリル基、スタニル基、セラニル基、オキシド基、或いは、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する4〜10員単環又は二環以上の不飽和、部分飽和又は完全飽和の複素環基などを挙げることができる。
【0019】
これらの置換基は、さらに置換基により置換されていてもよい。そのような例として、例えば、C〜Cのハロゲン化アルキル基(具体例:クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基など)、C〜Cのハロゲン化アルコキシ基(具体例:トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基など)、C〜Cのカルボキシ置換アルキル基(具体例:カルボキシメチル基、カルボキシエチル基など)、C〜Cのアルキル置換アミノ基(メチルアミノ基、エチルアミノ基など)などを挙げることができる。また、上記の置換基のうち2つ以上の置換基がそれらが結合している原子(炭素原子、窒素原子、ホウ素原子など)と一緒になって環を形成してもよい。このような環には、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子からなる群から選ばれる1以上のヘテロ原子が環構成原子として含有されていてもよく、環上には1以上の置換基が存在していてもよい。環は単環又は縮合環のいずれでもよく、不飽和、部分飽和又は完全飽和のいずれであってもよい。
【0020】
以下、上記一般式(I)及び(I−1)で表される化合物について具体的に説明する。
上記一般式(I)において、Xの定義における「該基は置換基を有していてもよい」の「置換基」としては、上記「置換基を有していてもよい」の「置換基」と同様の基が挙げられ、好適には、C〜Cのアルコキシ基、及びアシル基である。
Xとしては、単結合、C〜Cのアルキレン基、C〜Cのアルケニレン基、C〜Cのアルキレン−アミノ基、及びC〜Cのアルキレン−アミノ−アルキレン基を挙げることができ、好適には、下記連結基群α−2より選択される基である。
[連結基群α−2]
【化13】
Figure 2004051600
【0021】
の定義における「置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基」の「置換基」としては、上記「置換基を有していてもよい」の「置換基」と同様の基が挙げられる。
としては、置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基が挙げられ、好適には、フェニル基、ハロゲン原子で置換されたフェニル基、及びナフチル基である。
の定義における「置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基」及び「置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基」の「置換基」としては、上記「置換基を有していてもよい」の「置換基」と同様の基が挙げられる。
としては、水素原子、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基、及び置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基が挙げられ、好適には、水素原子、C〜Cのアルキル基、及びフェニル基である。
【0022】
の定義における「置換基を有していてもよいアシル基」、「置換基を有していてもよい4〜10員の環式基」及び「該基は置換基を有していてもよい」の「置換基」としては、上記「置換基を有していてもよい」の「置換基」と同様の基が挙げられる。
としては、置換基を有していてもよいアシル基、及び置換基を有していてもよい4〜10員の環式基(ただし、R及びRが水素原子である場合、テトラゾリル基は除く)が挙げられ、好適には、下記アシル基群βより選択される基(該基は置換基を有していてもよい)、又は下記環式基群γ−1より選択される基(該基は置換基を有していてもよい)であり(ただし、R及びRが水素原子である場合、テトラゾリル基は除く)、さらに好適には、下記環式基群γ−2より選択される基(該基は置換基を有していてもよい)である。
[アシル基群β]カルボキシ基、C〜Cのアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、C〜Cのアルカノイル基、ベンゾイル基、(フラン−2−イル)カルボニル基
【0023】
[環式基群γ−1]
【化14】
Figure 2004051600
[環式基群γ−2]
【化15】
Figure 2004051600
【0024】
及びRの定義における、「RとRが一緒になってC〜Cのアルキレン基を表す」の「C〜Cのアルキレン基」としては、上記「C〜Cのアルキレン基」のうち、メチレン基、エチレン基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、シクロプロパン−1,2−ジイル基、及びシクロブタン−1,2−ジイル基などの炭素数1〜4のアルキレン基が挙げられる。
及びRとしては、水素原子、及びRとRが一緒になった場合、C〜Cのアルキレン基が挙げられ、好適には、R及びRは水素原子である。
上記一般式(I−1)において、X’の定義における「置換基を有していてもよいC〜Cのアルキレン−アミノ基」の「置換基」としては、上記「置換基を有していてもよい」の「置換基」と同様の基が挙げられ、好適には、C〜Cのアルコキシ基、及びアシル基である。
X’としては、単結合、C〜Cのアルキレン基、C〜Cのアルケニレン基、C〜Cのアルキレン−アミノ基、及びC〜Cのアルキレン−アミノ−アルキレン基を挙げることができ、好適には、下記連結基群α’−2より選択される基である。
【0025】
【化16】
Figure 2004051600
[連結基群α’−2]
【0026】
’の定義における「置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基」の「置換基」としては、上記「置換基を有していてもよい」の「置換基」と同様の基が挙げられる。
’としては、置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基が挙げられ、好適には、フェニル基、ハロゲン原子で置換されたフェニル基、及びナフチル基である。
’の定義における「置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基」及び「置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基」の「置換基」としては、上記「置換基を有していてもよい」の「置換基」と同様の基が挙げられる。
’としては、水素原子、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基、及び置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基が挙げられ、好適には、水素原子、C〜Cのアルキル基、及びフェニル基である。
【0027】
’の定義における「置換基を有していてもよいアシル基」、「置換基を有していてもよい4〜10員の環式基」及び「該基は置換基を有していてもよい」の「置換基」としては、上記「置換基を有していてもよい」の「置換基」と同様の基が挙げられる。
’としては、置換基を有していてもよいアシル基、及び置換基を有していてもよい4〜10員の環式基(ただし、R’及びR’が水素原子である場合、テトラゾリル基は除く)が挙げられ、好適には、下記アシル基群β’より選択される基(該基は置換基を有していてもよい)、又は下記環式基群γ’−1より選択される基(該基は置換基を有していてもよい)であり(ただし、R及びRが水素原子である場合、テトラゾリル基は除く)、さらに好適には、下記環式基群γ’−2より選択される基(該基は置換基を有していてもよい)である。
[アシル基群β’]カルボキシ基、C〜Cのアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、C〜Cのアルカノイル基、ベンゾイル基、(フラン−2−イル)カルボニル基
【0028】
[環式基群γ’−1]
【化17】
Figure 2004051600
【化18】
Figure 2004051600
[環式基群γ’−2]
【0029】
’及びR’の定義における、「R’とR’が一緒になってC〜Cのアルキレン基を表す」の「C〜Cのアルキレン基」としては、上記「C〜Cのアルキレン基」のうち、メチレン基、エチレン基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、シクロプロパン−1,2−ジイル基、及びシクロブタン−1,2−ジイル基などの炭素数1〜4のアルキレン基が挙げられる。
’及びR’としては、水素原子、及びR’とR’が一緒になった場合、C〜Cのアルキレン基が挙げられ、好適には、R’及びR’は水素原子である。
上記一般式(I−1)で表される化合物として、下記一般式(I−2):
【化19】
Figure 2004051600
(式中、
102’はC〜Cのアルキレン基を表し、
302’はカルボキシ基を表す)
で表される化合物は除く。
【0030】
上記一般式(I−1)で定義される化合物若しくは薬理学的に許容されるその塩、又はそれらの水和物若しくはそれらの溶媒和物はいずれも新規化合物であり、本物質発明に基づく化合物の用途に関しては特に限定されない。
上記一般式(I)及び(I−1)で表される化合物は塩を形成することができる。薬理学的に許容される塩としては、酸性基が存在する場合には、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等の金属塩、又はアンモニウム塩、メチルアンモニウム塩、ジメチルアンモニウム塩、トリメチルアンモニウム塩、ジシクロヘキシルアンモニウム塩等のアンモニウム塩をあげることができ、塩基性基が存在する場合には、例えば、塩酸塩、臭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の鉱酸塩、あるいはメタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩、フマール酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、マンデル酸塩、ケイ皮酸塩、乳酸塩等の有機酸塩をあげることができる。グリシンなどのアミノ酸と塩を形成する場合もある。本発明の医薬の有効成分としては、薬学的に許容される塩も好適に用いることができる。
【0031】
上記一般式(I)及び(I−1)で表される化合物又はその塩は、水和物又は溶媒和物として存在する場合もある。本発明の医薬の有効成分としては、上記のいずれの物質を用いてもよい。さらに一般式(I)及び(I−1)で表される化合物は1以上の不斉炭素を有する場合があり、光学活性体やジアステレオマーなどの立体異性体として存在する場合がある。本発明の医薬の有効成分としては、純粋な形態の立体異性体、光学対掌体又はジアステレオマーの任意の混合物、ラセミ体などを用いてもよい。
また、一般式(I)及び(I−1)で表される化合物において、例えば、R又はR’が4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1H−ピラゾール−3−イル基である場合、ピラゾロン構造として存在する場合のほかに、その互変異性体(tautomer)であるヒドロキシピラゾール構造(5−ヒドロキシ−1H−ピラゾール−3−イル基)として存在する場合がある。本発明の医薬の有効成分としては、純粋な形態の互変異性体又はそれらの混合物を用いてもよい。また、一般式(I)及び(I−1)で表される化合物がオレフィン、イミン、アゾなどの二重結合を有する場合には、その配置はZ配置又はE配置のいずれでもよく、本発明の医薬の有効成分としてはいずれかの配置の幾何異性体又はそれらの混合物を用いてもよい。
【0032】
本発明の医薬の有効成分として一般式(I)及び(I−1)に包含される化合物を以下に例示するが、本発明の医薬の有効成分は下記の化合物に限定されることはない。
なお、下記表において用いられる略語の意味は下記の通りである。
Me:メチル基、Et:エチル基、t−Bu:tert−ブチル基、Ph:フェニル基。
【0033】
【表1】
Figure 2004051600
【0034】
【表2】
Figure 2004051600
【0035】
【表3】
Figure 2004051600
【0036】
【表4】
Figure 2004051600
【0037】
【表5】
Figure 2004051600
【0038】
【表6】
Figure 2004051600
【0039】
【表7】
Figure 2004051600
【0040】
一般式(I)及び(I−1)で表される化合物は、例えば、以下に示す方法によって製造することができる。
[方法1]
一般式(I)及び(I−1)で表される化合物は、例えば、以下の反応工程式1に示す方法によって製造することができる。
反応工程式1
【化20】
Figure 2004051600
(式中、R、R、R、R、R及びXは、一般式(I)における定義と同意義であり、W101は、ハロゲン原子などの脱離基を表す)
【0041】
例えば、ピペリジン誘導体(1)と(2)を反応させることにより、目的物である化合物(3)を製造することができる。この反応は、塩基の存在又は非存在下、無溶媒又は溶媒中、−80℃〜溶媒の還流温度の反応温度で行われる。塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩基;ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジエチルアニリンなどの有機塩基などが挙げられる。溶媒としては、反応を阻害するものでなければよく、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン系溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、モノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、キシレンなどの芳香族系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリルなどの二トリル系溶媒などが挙げられる。溶媒は、単独で用いても2種類以上の混合溶媒を用いてもよい。
化合物(3)において、Rが置換基を有していてもよいC〜Cのアルコキシカルボニル基である場合、公知の方法を用いて加水分解反応を行うことにより、Rがカルボキシ基である化合物を製造することができる。
化合物(3)において、式:−X−Rがβ−ケトエステル構造を有する場合、ヒドラジン誘導体と反応させることにより、式:−X−Rにピラゾロン骨格を有する化合物を製造することができる
なお、原料であるピペリジン誘導体(1)は、例えば、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー,第26巻,69−78頁,1991年刊(Eur. J. Med. Chem., 1991, 26, 69−78.)などに記載された公知の方法を参照して製造することができる。
【0042】
[方法2]
一般式(I)及び(I−1)で表される化合物は、例えば、以下の反応工程式2に示す方法によっても製造することができる。
反応工程式2
【化21】
Figure 2004051600
(式中、R、R、R、R、R及びXは、一般式(I)における定義と同意義であり、X201は、Xよりメチレン鎖が1個少ない基を表す)
【0043】
例えば、ピペリジン誘導体(1)とアルデヒド(4)を反応させることにより、目的物である化合物(3)を製造することができる。この反応は、還元剤の存在下、溶媒中、0℃〜溶媒の還流温度の反応温度で行われる。還元剤としては、シアノ水素化ホウ素ナトリウムなどが挙げられる。溶媒としては、反応を阻害するものでなければよく、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールなどのアルコール系溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、モノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、キシレンなどの芳香族系溶媒などが挙げられる。溶媒は、単独で用いても2種類以上の混合溶媒を用いてもよい。
【0044】
[方法3]
一般式(I)及び(I−1)で表される化合物は、例えば、以下の反応工程式3に示す方法によっても製造することができる。
反応工程式3
【化22】
Figure 2004051600
(式中、R、R、R、R、R及びXは、一般式(I)における定義と同意義であり、X301は、Xよりメチレン鎖が1個少ない基を表す)
【0045】
例えば、ピペリジン誘導体(1)とカルボン酸(4)を反応させることにより、目的物である化合物(3)を製造することができる。この反応は、還元剤及び反応促進剤の存在下、溶媒中、0℃〜溶媒の還流温度の反応温度で行われる。還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウムなどが挙げられる。反応促進剤としては、2−クロロピリジンなどを挙げることができる。溶媒としては、反応を阻害するものでなければよく、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、モノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、キシレンなどの芳香族系溶媒などが挙げられる。溶媒は、単独で用いても2種類以上の混合溶媒を用いてもよい。
【0046】
[方法4]
一般式(I)及び(I−1)で表される化合物は、例えば、以下の反応工程式4に示す方法によっても製造することができる。
反応工程式4
【化23】
Figure 2004051600
(式中、R、R、R、R及びRは、一般式(I)における定義と同意義であり、X401は、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキレン基を表し、X402は、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキレン基を表し、W401、W402及びW403は、それぞれハロゲン原子、アルコキシ基などの脱離基を表す)
【0047】
例えば、ピペリジン誘導体(6)とニトリル(7)又は(8)を反応させることにより、4−ヒドロキシピペリジン誘導体(9)を製造することができる。この反応は、塩基の存在又は非存在下、無溶媒又は溶媒中、0℃〜溶媒の還流温度の反応温度で行われる。塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩基;ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジエチルアニリンなどの有機塩基などが挙げられる。溶媒としては、反応を阻害するものでなければよく、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン系溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、モノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、キシレンなどの芳香族系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリルなどの二トリル系溶媒などが挙げられる。溶媒は、単独で用いても2種類以上の混合溶媒を用いてもよい。
【0048】
得られた4−ヒドロキシピペリジン誘導体(9)と(10)を反応させることにより、ニトリル(11)を製造することができる。この反応は、塩基の存在又は非存在下、無溶媒又は溶媒中、0℃〜溶媒の還流温度の反応温度で行われる。塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩基;ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジエチルアニリンなどの有機塩基などが挙げられる。溶媒としては、反応を阻害するものでなければよく、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン系溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、モノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、キシレンなどの芳香族系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリルなどの二トリル系溶媒などが挙げられる。溶媒は、単独で用いても2種類以上の混合溶媒を用いてもよい。得られたニトリル(11)を還元することによりアミン(12)を製造することができる。この反応は、還元剤の存在下、溶媒中、0℃〜溶媒の還流温度の反応温度で行われる。還元剤としては、水素化アルミニウムリチウムなどが挙げられる。溶媒としては、反応を阻害するものでなければよく、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、モノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、キシレンなどの芳香族系溶媒などが挙げられる。溶媒は、単独で用いても2種類以上の混合溶媒を用いてもよい。なお、本反応において、副生成物として、ピペリジン環の窒素とX402が開裂したピペリジン誘導体が得られる場合がある。このピペリジン誘導体も次の反応に用いることが可能である。
【0049】
最後に、アミン(12)と(13)を反応させることにより、目的物である化合物(14)を製造することができる。この反応は、塩基の存在又は非存在下、無溶媒又は溶媒中、−80℃〜溶媒の還流温度の反応温度で行われる。塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩基;ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジエチルアニリンなどの有機塩基などが挙げられる。溶媒としては、反応を阻害するものでなければよく、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン系溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、モノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、キシレンなどの芳香族系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリルなどの二トリル系溶媒などが挙げられる。溶媒は、単独で用いても2種類以上の混合溶媒を用いてもよい。
【0050】
[方法5]
一般式(I)及び(I−1)で表される化合物は、例えば、以下の反応工程式5に示す方法によっても製造することができる。
反応工程式5
【化24】
Figure 2004051600
(式中、R、R、R及びRは、一般式(I)における定義と同意義であり、X501は、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキレン基を表し、X501は、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキレン基を表し、R501及びR502は一緒になって、結合している式:−(CO)−O−(CO)−、又は式:−(CO)−N−(CO)−とともに環式基を表す)
【0051】
例えば、アミン(12)と環状酸無水物(15)を反応させることにより、目的物である化合物(16)を製造することができる。この反応は、塩基の存在又は非存在下、無溶媒又は溶媒中、0℃〜溶媒の還流温度の反応温度で行われる。塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩基;ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジエチルアニリンなどの有機塩基などが挙げられる。溶媒としては、反応を阻害するものでなければよく、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン系溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、モノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、キシレンなどの芳香族系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリルなどの二トリル系溶媒などが挙げられる。溶媒は、単独で用いても2種類以上の混合溶媒を用いてもよい。
【0052】
[方法6]
一般式(I)及び(I−1)で表される化合物は、例えば、以下の反応工程式6に示す方法によっても製造することができる。
反応工程式6
【化25】
Figure 2004051600
(式中、R、R、R及びRは、一般式(I)における定義と同意義であり、W601は、ハロゲン原子などの脱離基を表し、X601は、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキレン基などを表し、R601及びR602は一緒になって、結合している式:−(CO)−N−(CO)−とともに環式基を表す)
【0053】
例えば、ピペリジン誘導体(1)とアルコール誘導体(17)を反応させることにより、ピペリジンアルコール誘導体(18)を製造することができる。この反応は、塩基の存在又は非存在下、無溶媒又は溶媒中、0℃〜溶媒の還流温度の反応温度で行われる。塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩基;ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジエチルアニリンなどの有機塩基などが挙げられる。溶媒としては、反応を阻害するものでなければよく、メタノール、エタノール、2−プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールなどのアルコール系溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン系溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン、モノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、キシレンなどの芳香族系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリルなどの二トリル系溶媒などが挙げられる。溶媒は、単独で用いても2種類以上の混合溶媒を用いてもよい。
得られたピペリジンアルコール誘導体(18)と環状イミド誘導体(19)を反応させることにより、目的物である化合物(20)を製造することができる。この反応は、「光延反応(Mitsunobu Reaction)」と呼ばれる公知の反応であり、例えば、シンセシス,1頁,1981年刊(Synthesis, 1981, 1.)などに記載された公知の方法を参照して製造することができる。
【0054】
以上のような方法で製造された一般式(I)及び(I−1)で表される化合物は当業者に周知の方法、例えば、抽出、沈殿、分画クロマトグラフィー、分別結晶化、懸濁洗浄、再結晶などにより、単離、精製することができる。また、本発明化合物の薬理学的に許容される塩、並びにそれらの水和物及び溶媒和物も、それぞれ当業者に周知の方法で製造することができる。
本明細書の実施例には、一般式(I)及び(I−1)に包含される代表的化合物の製造方法が具体的に説明されている。従って、当業者は、上記の一般的な製造方法の説明及び実施例の具体的製造方法の説明を参照しつつ、適宜の反応原料、反応試薬、反応条件を選択し、必要に応じてこれらの方法に適宜の修飾ないし改変を加えることによって、一般式(I)及び(I−1)に包含される化合物をいずれも製造可能である。
【0055】
一般式(I)及び(I−1)で示される化合物は造血器型プロスタグランジンD2(PGD2)合成酵素に対する阻害作用を有しており、アレルギー性炎症抑制剤として好適に用いることができる。上記の医薬は、アレルギー反応に起因する炎症疾患の予防及び/又は治療のための医薬の有効成分として有用である。より具体的には、本発明の医薬は、次に示すようなアレルギー性炎症反応が関与していると考えられる疾患、例えば接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、湿疹、花粉症、喘息、気管支炎、血管炎、鼻炎、間質性肺炎、関節炎、眼炎、結膜炎、神経炎、中耳炎、脳脊髄炎、膀胱炎、喉頭炎、食物アレルギー、昆虫アレルギー、薬物アレルギー、アナフェラキシーショックなどのアレルギー性疾患の予防及び/又は治療薬として有用である。
【0056】
また、最近の研究(特願2002−204725号明細書)から、脳血管障害、脳変性疾患、脱髄疾患等の疾患による脳損傷部位では、ミクログリア細胞やマクロファージにおいて造血器型プロスタグランジンD2合成酵素(H−PGDS)の発現が増加し、損傷部位で顕著な活性化が認められるアストログリア細胞ではプロスタグランジンD受容体(DP受容体)が誘導されることが確認された。脳損傷モデル動物にHQL−79の様なH−PDGS阻害剤またはDP受容体の拮抗剤を投与するとアストログリア細胞の活性化が抑制され、H−PGDS大量発現トランスジェニックマウスでの脳損傷モデルでは損傷が憎悪されることから、PGD2が脳損傷の憎悪に関係していることは明らかである。従って、H−PGDSの強力な阻害剤は、脳損傷の憎悪の予防及び/又は脳損傷の予後の改善に有用な薬剤として有用であり、本発明の医薬もこの目的に使用できる。本発明の医薬の適用対象となる脳損傷は特に限定されず、例えば、交通事故等による外傷性のもの、脳梗塞や脳出血等の脳血管障害によるもの、脳変性疾患、脱髄疾患等によるものなどを例示することができるが、これらに限定されることはない。
【0057】
さらに、プロスタグランジンD2が、睡眠の誘発、体温低下、黄体ホルモン分泌抑制、痛みや匂いの応答調節作用に関与していることが知られていることから(Vitam Horm, 58, 89−120(2000); J. Biol. Chem., 260, 2140−2145(1985); Biochimica Biophysica Acta, 1482, 259−271(2000))、本発明の医薬は、性周期調節作用、睡眠調節作用、体温調節作用、鎮痛作用、及び嗅覚調節作用からなる群から選ばれる1以上の作用を有する医薬として有用である。
【0058】
本発明の医薬の有効成分としては、一般式(I)及び(I−1)で表される化合物及び薬理学的に許容されるそれらの塩、並びにそれらの水和物及びそれらの溶媒和物からなる群から選ばれる物質の1種又は2種以上を用いることができる。本発明の医薬としては上記の物質自体を用いてもよいが、好適には、本発明の医薬は有効成分である上記の物質と1又は2以上の薬学的に許容される製剤用添加物とを含む医薬組成物の形態で提供される。上記医薬組成物において、製剤用添加物に対する有効成分の割合は、1重量%から90重量%程度である。
【0059】
本発明の医薬は、例えば、顆粒剤、細粒剤、散剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤、又は液剤などの経口投与用の医薬組成物として投与してもよいし、静脈内投与、筋肉内投与、若しくは皮下投与用の注射剤、点滴剤、坐剤、経皮吸収剤、経粘膜吸収剤、点鼻剤、点耳剤、点眼剤、吸入剤などの非経口投与用の医薬組成物として投与することもできる。粉末の形態の医薬組成物として調製された製剤を用時に溶解して注射剤又は点滴剤として使用してもよい。
【0060】
医薬用組成物の製造には、固体又は液体の製剤用添加物を用いることができる。製剤用添加物は有機又は無機のいずれであってもよい。すなわち、経口用固形製剤を製造する場合は、主薬に賦形剤、さらに必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤などを加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤などの形態の製剤を調製することができる。用いられる賦形剤としては、例えば、乳糖、蔗糖、白糖、ブドウ糖、コーンスターチ、デンプン、タルク、ソルビット、結晶セルロース、デキストリン、カオリン、炭酸カルシウム、二酸化ケイ素などを挙げることができる。結合剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、エチルセルロース、メチルセルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、シェラック、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、クエン酸カルシウム、デキストリン、ペクチンなどを挙げることができる。滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ、硬化直物油などを挙げることができる。着色剤としては、通常医薬品に添加することが許可されているものであればいずれも使用することができる。矯味矯臭剤としては、ココア末、ハッカ脳、芳香酸、ハッカ油、龍脳、桂皮末などを使用することができる。これらの錠剤、顆粒剤には、糖衣、ゼラチン衣、その他必要により適宜コーティングを付することができる。また、必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤等を添加することができる。
【0061】
経口投与のための液体製剤、例えば、乳剤、シロップ剤、懸濁剤、液剤の製造には、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば水又は植物油を用いることができる。この製剤には、不活性な希釈剤以外に、補助剤、例えば湿潤剤、懸濁補助剤、甘味剤、芳香剤、着色剤又は保存剤を配合することができる。液体製剤を調製した後、ゼラチンのような吸収されうる物質のカプセル中に充填してもよい。非経口投与用の製剤、例えば注射剤又は坐剤等の製造に用いられる溶剤又は懸濁剤としては、例えば、水、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ベンジルアルコール、オレイン酸エチル、レシチンを挙げることができる。坐剤の製造に用いられる基剤としては、例えば、カカオ脂、乳化カカオ脂、ラウリン脂、ウィテップゾールを挙げることができる。製剤の調製方法は特に限定されず、当業界で汎用されている方法はいずれも利用可能である。
【0062】
注射剤の形態にする場合には、担体として、例えば、水、エチルアルコール、マクロゴール、プロピレングリコール、クエン酸、酢酸、リン酸、乳酸、乳酸ナトリウム、硫酸及び水酸化ナトリウム等の希釈剤;クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム及びリン酸ナトリウム等のpH 調整剤及び緩衝剤;ピロ亜硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸、チオグリコール酸及びチオ乳酸等の安定化剤等が使用できる。なお、この場合、等張性の溶液を調製するために十分な量の食塩、ブドウ糖、マンニトール又はグリセリンを製剤中に配合してもよく、通常の溶解補助剤、無痛化剤又は局所麻酔剤等を使用することもできる。
【0063】
軟膏剤、例えば、ペースト、クリーム及びゲルの形態にする場合には、通常使用される基剤、安定剤、湿潤剤及び保存剤等を必要に応じて配合することができ、常法により成分を混合して製剤化することができる。基剤としては、例えば、白色ワセリン、ポリエチレン、パラフィン、グリセリン、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン及びベントナイト等を使用することができる。保存剤としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル等を使用することができる。貼付剤の形態にする場合には、通常の支持体に上記軟膏、クリーム、ゲル又はペースト等を常法により塗布することができる。支持体としては、綿、スフ及び化学繊維からなる織布又は不織布;軟質塩化ビニル、ポリエチレン及びポリウレタン等のフィルム又は発泡体シートを好適に使用できる。
【0064】
本発明の医薬の投与量は特に限定されないが、経口投与の場合には、成人一日あたり本発明化合物の重量として通常0.01〜5,000mgである。この投与量を患者の年令、病態、症状に応じて適宜増減することが好ましい。前記一日量は一日に一回、又は適当な間隔をおいて一日に2〜3回に分けて投与してもよいし、数日おきに間歇投与してもよい。注射剤として用いる場合には、成人一日あたり本発明化合物重量として0.001〜100mg程度である。
【0065】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。実施例中の化合物番号は上記の表中に示した化合物の番号と対応させてある。
例1:化合物番号1の化合物の製造
4−ジフェニルメトキシピペリジン(276mg,1.0mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)溶液に、4−ブロモ酪酸エチル(160μL,1.1mmol)及び炭酸カリウム(415mg,3.0mmol)を加え、1時間加熱還流した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製して、標題化合物の無色油状物(317mg,91%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.25(3H, t, J=7.1Hz), 1.65−1.90(6H, m), 2.10(2H, m), 2.31(4H, dd, J=7.7, 8.1Hz), 2.73(2H, m), 3.42(1H, m), 4.11(2H, q, J=7.1Hz), 5.51(1H, s), 7.30(10H, m).
【0066】
例2:化合物番号2の化合物の製造
4−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]酪酸エチル(化合物番号1;316mg,0.8mmol)のメタノール/水(4mL+2mL)混合溶液に、水酸化ナトリウム(800mg,20mmol)を加え、1時間加熱還流した。反応混合物に2N塩酸を加え、減圧濃縮し、クロロホルムで抽出した。有機層を水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣に4M塩酸/酢酸エチル溶液を加え、溶媒を減圧留去して、標題化合物の淡黄色油状物(98mg,33%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 2.06(4H, m), 2.10(2H, m), 2.27(2H, m), 2.55(2H, m), 2.97(2H, m), 3.11(2H, m), 3.80(1H, m), 5.54(1H, s), 7.30(10H, m).
【0067】
例3:化合物番号3の化合物の製造
4−ジフェニルメトキシピペリジン(910mg,3.4mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)溶液に、5−ブロモ吉草酸エチル(540μL,3.4mmol)及び炭酸カリウム(415mg,3.0mmol)を加え、1時間加熱還流した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製して、標題化合物の無色油状物(711mg,53%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.25(3H, t, J=7.1Hz), 1.42−1.78(4H, m), 1.88(2H, m), 2.09(2H, m), 2.31(4H, m), 2.73(2H, m), 3.43(1H, m), 4.11(2H, q, J=7.1Hz), 5.52(1H, s), 7.20−7.35(10H, m).
【0068】
例4:化合物番号4の化合物の製造
5−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]吉草酸エチル(化合物番号3;700mg,1.9mmol)のメタノール/水(4mL+2mL)混合溶液に、水酸化ナトリウム(800mg,20.0mmol)を加え、1時間加熱還流した。反応混合物に2N塩酸を加え、減圧濃縮し、クロロホルムで抽出した。有機層を水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣に4M塩酸/酢酸エチル溶液を加え、溶媒を減圧留去して、標題化合物の白色固体(680mg,97%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.70(2H, m), 1.95−2.44(8H, m), 2.95(2H, m), 3.08(2H, m), 3.39(2H, m), 3.86(1H, m), 5.43(1H, s), 7.22−7.42(10H, m), 11.68(1H,
s).
【0069】
例5:化合物番号5の化合物の製造
4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
4−ヒドロキシピペリジン(7.45g,73.7mmol)のトリエシルアミン(4.4mL,31.7mmol)溶液に、二炭酸tert−ブチル(17.70g,80.9mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製して、標題化合物の淡黄色油状物(15g,100%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.46(9H, s), 1.71(2H, m), 1.85(2H, m), 3.03(2H, ddd, J=3.6, 9.8, 17.0Hz), 3.85(3H, m).
【0070】
(2)4−ベンジルオキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(2.01g,10.0mmol)のトルエン(5mL)溶液に、ベンジルブロミド(1.43mL,12.0mmol)及び粉末水酸化カリウム(673mg,12.0mmol)を加え、1.5時間加熱還流した。反応混合物を水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製して、標題化合物の無色油状物(1.77g,61%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.46(9H, s), 1.85(2H, m), 3.10(2H, m), 3.56(1H, m), 3.77(2H, m), 4.56(2H, s), 7.25−7.37(5H, m).
【0071】
(3)4−ベンジルオキシピペリジン
4−ベンジルオキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(822mg,2.8mmol)のジエチルエーテル(5mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(240μL,3.1mmol)を加え、室温で0.5時間攪拌した。次いで、ジエチルエーテルを留去し、90℃で1時間攪拌した。反応混合物に水を加えて濾過し、濾液を減圧留去して、標題化合物の淡黄色油状物(673mg,100%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.50(2H, m), 1.86(1H, s), 1.96(3H, s), 2.60(2H, m), 3.10(2H, m), 3.47(1H, m), 4.56(2H, s), 7.34(5H, m).
【0072】
(4)3−(4−ベンジルオキシピペリジン−1−イル)プロピオン酸tert−ブチル(化合物番号5)
4−ベンジルオキシピペリジン(158mg,0.8mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液に、アクリル酸tert−ブチル(120μL,0.8mmol)を加え、45℃で1時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して、標題化合物の無色油状物(211mg,80%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.44(9H, s), 1.67(2H, m), 1.91(2H, m), 2.16(2H, m), 2.40(2H, m), 2.64(2H, m), 2.77(2H, m), 3.41(1H, m), 4.54(2H, s), 7.25−7.35(5H, m).
【0073】
例6:化合物番号6の化合物の製造
3−(4−ベンジルオキシピペリジン−1−イル)プロピオン酸tert−ブチル(化合物番号5;312mg,1.0mmol)のジクロロメタン(2mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(200μL,2.6mmol)を加え、室温で2時間攪拌、次いで4時間加熱還流した。反応混合物をクロロホルムで希釈し、水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣に4M塩酸/酢酸エチル溶液を加え、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を酢酸エチルで結晶化して、標題化合物の白色固体(247mg,84%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 2.07(4H, m), 2.88(2H, m), 3.08−3.50(6H, m), 3.82(1H, m), 4.52(2H, s), 7.24−7.35(5H, m), 10.40(1H, brs).
【0074】
例7:化合物番号7の化合物の製造
4−ベンジルオキシピペリジン(例5(3)の化合物;380mg,2.0mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)溶液に、4−ブロモ酪酸エチル(320μL,2.2mmol)及び炭酸カリウム(415mg,3.0mmol)を加え、1時間加熱還流した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製して、標題化合物の無色油状物(374mg,61%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.25(3H, t, J=7.1Hz), 1.60−1.94(6H, m), 2.11(2H, m), 2.33(4H, m), 2.76(2H, m), 3.41(1H, m), 4.12(2H, q, J=7.1Hz), 4.54(2H, s), 7.33(5H, m).
【0075】
例8:化合物番号8の化合物の製造
4−(4−ベンジルオキシピペリジン−1−イル)酪酸エチル(化合物番号7;370mg,1.2mmol)のメタノール/水(4mL+2mL)混合溶液に、水酸化ナトリウム(400mg,10.0mmol)を加え、1時間加熱還流した。反応混合物に2N塩酸を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣に4M塩酸/酢酸エチル溶液を加え、溶媒を減圧留去して、標題化合物の淡黄色固体(74mg,22%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 2.07(2H, m), 2.20(2H, m), 2.51(4H, m), 3.05(4H, m), 3.37(2H, m), 3.84(1H, m), 4.52(2H, s), 7.32(5H, m).
【0076】
例9:化合物番号9の化合物の製造
4−ベンジルオキシピペリジン(例5(3)の化合物;380mg,2.0mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)溶液に、5−ブロモ吉草酸エチル(540μL,3.4mmol)及び炭酸カリウム(415mg,3.0mmol)を加え、1時間加熱還流した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製して、標題化合物の無色油状物(282mg,44%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.25(3H, t, J=7.1Hz), 1.53(2H, m), 1.64(4H, m), 1.93(2H, m), 2.10(2H, m), 2.32(4H, dd, J=7.1, 8.2Hz), 2.76(2H, m), 3.41(1H, m), 4.12(2H, q, J=7.1Hz), 4.54(2H, s), 7.25−7.35(5H, m).
【0077】
例10:化合物番号10の化合物の製造
5−(4−ベンジルオキシピペリジン−1−イル)吉草酸エチル(化合物番号9;282mg,0.9mmol)のメタノール/水(3mL+1mL)混合溶液に、水酸化ナトリウム(300mg,7.5mmol)を加え、1時間加熱還流した。反応混合物に2N塩酸を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して、標題化合物の白色固体(100mg,39%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.30(6H, m), 2.42(4H, m), 3.00(4H, m), 3.34(2H, m), 3.85(1H, s), 4.51(2H, s), 7.20(5H, m).
【0078】
例11:化合物番号11の化合物の製造
4−ジフェニルメトキシピペリジン(276mg,1.0mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)溶液に、2−(3−クロロプロピル)マロン酸ジエチル(1mL,4.7mmol)及び炭酸カリウム(250mg,1.8mmol)を加え、2時間加熱還流した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、濾過した。濾液を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=50:1)で精製して、標題化合物の無色油状物(303mg,65%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.26(6H, t, J=7.3Hz), 1.51(2H, m), 1.72(2H, m), 1.88(4H, m), 2.10(2H, m), 2.32(2H, m), 2.71(2H, m), 3.35(1H, t, J=7.4Hz), 3.43(1H, m), 4.16(4H, q, J=7.3Hz), 5.51(1H, s), 7.20−7.35(10H, m).
EI−MS m/z: 467[M].
【0079】
例12:化合物番号12の化合物の製造
2−{3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピル}マロン酸ジエチル(化合物番号11;300mg,0.6mmol)のメタノール/水(4mL+2mL)混合溶液に、水酸化ナトリウム(400mg,10mmol)を加え、1時間加熱還流した。反応混合物に2N塩酸を加え、減圧濃縮した。得られた残渣をクロロホルムで希釈し、水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して、標題化合物の白色固体(145mg,55%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.70(2H, m), 2.01(6H, m), 2.88(2H, m), 3.04(2H, m), 3.16(1H, m), 3.47(2H, m), 3.82(1H, m), 5.42(1H, s), 7.22−7.37(10H, m), 12.25(1H, brs).
FAB−MS m/z: 412[M+H]
【0080】
例13:化合物番号13の化合物の製造
4−ジフェニルメトキシピペリジン(276mg,1.0mmol)のアセトニトリル(5mL)溶液に、4−クロロ−2−メチル酪酸メチル(300μL,2.2mmol)及び炭酸カリウム(138mg,1.0mmol)を加え、12時間加熱還流した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の無色油状物(238mg,62%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.15(3H, d, J=6.9Hz), 1.52−1.76(2H, m), 1.81−1.95(4H, m), 2.10(2H, m), 2.30(2H, m), 2.47(1H, m), 2.72(2H, m), 3.42(1H, m), 3.66(3H, s), 5.51(1H, s), 7.20−7.33(10H, m).
FAB−MS m/z: 382[M+H]
【0081】
例14:化合物番号14の化合物の製造
4−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]−2−メチル酪酸メチル(化合物番号13;171mg,0.4mmol)のメタノール(2mL)溶液に、2N水酸化ナトリウム水溶液(1mL,2mmol)を加え、室温で18時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の白色固体(162mg,93%)を得た。
H−NMR(DMSO−d):δ 1.04(3H, d, J=6.9Hz), 1.57(2H, m), 1.81(2H, m), 2.10(2H, m), 2.51(4H, m), 2.69(2H, m), 3.36(1H, m), 4.03(1H, q, J=6.9Hz), 5.63(1H, s), 7.19−7.38(10H, m).
FAB−MS m/z: 368[M+H]
【0082】
例15:化合物番号15の化合物の製造
4−ジフェニルメトキシピペリジン(276mg,1.0mmol)のアセトニトリル(5mL)溶液に、(E)−4−クロロ−3−メトキシ−2−ブテン酸メチル(170mg,1.0mmol)及び炭酸カリウム(138mg,1.0mmol)を加え、2時間加熱還流した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の無色油状物(301mg,76%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.76(2H, m), 1.87(2H, m), 2.26(2H, m), 2.83(2H, m), 3.44(1H, m), 3.66(3H, s), 3.67(3H, s), 3.69(2H, s), 5.13(1H, s), 5.50(1H, s), 7.20−7.35(10H, m).
EI−MS m/z: 395[M].
【0083】
例16:化合物番号16の化合物の製造
(E)−4−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]−3−メトキシ−2−ブテン酸メチル(化合物番号15;117mg,0.3mmol)のメタノール(2mL)溶液に、2N水酸化ナトリウム水溶液(2mL,4mmol)を加え、1時間加熱還流した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の白色固体(77mg,64%)を得た。
H−NMR(CDOD):δ 1.90−2.10(4H, m), 3.09(2H, m), 3.25(2H, m), 3.64(3H, s), 3.74(1H, m), 3.85(2H, s), 5.38(1H, s), 5.60(1H, s), 7.20−7.38(10H, m).
FAB−MS m/z: 382[M+H]
【0084】
例17:化合物番号17の化合物の製造
4−ジフェニルメトキシピペリジン(276mg,1.0mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液に、コハク酸モノエチルクロリド(200μL,1.4mmol)を加え、室温で18時間攪拌した。反応混合物を水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の無色油状物(348mg,88%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.22(3H, t, J=7.3Hz), 1.93−2.07(4H, m), 2.57(4H, m), 3.19(2H, m), 3.34(2H, m), 3.75(1H, m), 4.10(2H, q, J=7.3Hz), 5.43(1H, s), 7.21−7.31(10H, m).
EI−MS m/z: 395[M].
【0085】
例18:化合物番号18の化合物の製造
4−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]−4−オキソ酪酸エチル(化合物番号17;204mg,0.5mmol)のメタノール(2mL)溶液に、2N水酸化ナトリウム水溶液(1mL,2mmol)を加え、室温で18時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の白色固体(157mg,78%)を得た。
H−NMR(CDOD):δ 1.64−1.98(4H, m), 2.55−2.64(4H, m), 3.30(2H, m), 3.69−3.78(3H, m), 5.61(1H, s), 7.22−7.37(10H, m).
FAB−MS m/z: 390[M+H]
【0086】
例19:化合物番号19の化合物の製造
4−ジフェニルメトキシピペリジン(276mg,1.0mmol)のアセトニトリル(5mL)溶液に、4−クロロアセト酢酸エチル(150μL,1.1mmol)及び炭酸カリウム(138mg,1.0mmol)を加え、3時間加熱還流した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の淡黄色油状物(351mg,89%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.27(3H, t, J=7.3Hz), 1.77(2H, m), 1.88(2H, m), 2.26(2H, m), 2.72(2H, m), 3.21(2H, s), 3.45(1H, m), 3.49(2H, s), 4.18(2H, q, J=7.3Hz), 5.50(1H, s), 7.20−7.64(10H, m).
EI−MS m/z: 395[M].
【0087】
例20:化合物番号20の化合物の製造
4−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]−3−オキソ酪酸エチル(化合物番号19;70mg,0.2mmol)のメタノール(2mL)溶液に、2N水酸化ナトリウム水溶液(1mL,2mmol)を加え、1時間加熱還流した。溶媒を減圧留去して得られた残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の白色固体(14mg,20%)を得た。
H−NMR(CDOD):δ 1.74(2H, m), 1.85(2H, m), 2.08(2H, m), 2.22(2H, m), 2.74(2H, m), 3.22(2H, m), 3.45(1H, m), 5.56(1H, s), 7.17−7.36(10H, m).例21:化合物番号21の化合物の製造
(1)3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)プロピオニトリル
4−ヒドロキシピペリジン(5.0g,49.4mmol)のアセトニトリル(5mL)溶液に、アクリロニトリル(3.3mL,50.4mmol)を加え、室温で18時間攪拌した。溶媒を減圧留去して、標題化合物の淡黄色油状物(7.7g,100%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.60(2H, m), 1.90(2H, m), 2.26(2H, m), 2.50(2H, dd, J=6.6, 7.3Hz), 2.67−2.81(4H, m), 3.72(1H, m).
EI−MS m/z: 154[M].
【0088】
(2)3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピオニトリル
3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)プロピオニトリル(15.4g,100mmol)のアセトニトリル(10mL)溶液に、ベンズヒドリルクロリド(20.0mL,112.5mmol)及び粉末状水酸化カリウム(6.0g,106.9mmol)を加え、40分間加熱還流した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製して、標題化合物の淡黄色油状物(18.4g,57%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.74(2H, m), 1.84(2H, m), 2.24(2H, m), 2.47(2H, ddd, J=0.7, 6.6, 7.3Hz), 2.67(2H, ddd, J=0.7, 6.6, 7.3Hz), 2.73(2H, m), 3.45(1H, m), 5.50(1H, s), 7.17−7.42(10H, m).
【0089】
(3)3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピルアミン
水素化リチウムアルミニウム(760mg,20.0mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピオニトリル(6.8g,21.2mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液を加え、室温で1時間攪拌した。反応混合物に水及び2N水酸化ナトリウム水溶液を加え、セライト濾過した。濾液を減圧留去して、標題化合物の淡黄色油状物(6.12g,89%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.68−1.93(4H, m), 2.19(2H, m), 2.44(2H, t, J=6.8Hz), 2.76(2H, m), 2.87(2H, m), 3.46(1H, m), 3.75(2H, m), 5.50(1H, s), 7.14−7.42(10H, m).
【0090】
(4){3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピル}尿素(化合物番号21)
3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピルアミン(420mg,1.28mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液に、トリメチルシリルイソシアネート(220mg,1.92mmol)を加え、50℃で2時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精製して、標題化合物の白色粉末(450mg,96%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.42−1.58(4H, m), 1.76−2.05(4H, m), 2.21(2H, t, J=6.9Hz), 2.62−2.66(2H, m), 2.94(2H, q, J=6.3Hz), 3.32(1H, m), 5.38(2H, brs), 5.62(1H, s), 5.89(1H, brt, J=5.7Hz), 7.08−7.51(10H, m).
【0091】
例22:化合物番号22の化合物の製造
(1)3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロパン−1−オール
4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン(500mg,1.87mmol)及び3−ブロモプロパノール(456mg,2.99mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液に、炭酸カリウム(567mg,3.74mmol)を加え、3時間加熱還流した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の淡黄色油状物(436mg,71.6%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.70−1.89(4H, m), 1.90−2.05(2H, m), 2.40−2.64(2H, m), 2.71(2H, t, J=5.9Hz), 2.79−2.99(2H, m), 3.57(1H, s), 3.80(2H, t, J=5.3Hz), 3.90(1H, brs), 5.49(1H, s), 7.18−7.41(10H, m).
【0092】
(2){3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピルアミノ}酢酸メチル
3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロパン−1−オール(410mg,1.26mmol)及びトリエチルアミン(0.35mL,2.52mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、氷冷下、メタンスルホニルクロリド(173mg,1.51mmol)を加え、10分間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、2N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)に溶解し、グリシンメチルエステル塩酸塩(475mg,3.80mmol)及び炭酸カリウム(833mg,6.30mmol)を加え、90℃で3時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=1:1)で精製して、標題化合物の淡黄色油状物(398mg,80%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.61−1.96(8H, m), 2.10−2.20(2H, m), 2.25−2.40(3H, m), 2.63(2H, t, J=6.9Hz), 2.73(1H, m), 3.40(3H, s), 3.72(2H, s), 5.51(1H,s), 7.19−7.38(10H, m).
【0093】
(3)(1−{3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピルアミノ}ウレイド)酢酸メチル(化合物番号22)
{3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピルアミノ}酢酸メチル(100mg,0.252mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液に、トリメチルシリルイソシアネート(291mg,2.52mmol)を加え、50℃で2時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製して、標題化合物の白色粉末(10.6mg,9.6%)を得た。
H−NMR(DMSO−d):δ 1.41−1.63(4H, m), 1.78−1.89(2H, m), 1.90−2.21(2H, m), 2.20(2H, t, J=6.9Hz), 2.62−2.66(2H, m), 2.90−2.97(2H, m), 3.26(1H, m), 3.32(3H, s), 3.64(2H, s), 5.32−5.42(2H, brs), 5.62(1H, s), 7.18−7.38(10H, m).
【0094】
例23:化合物番号23の化合物の製造
3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピルアミン(例21(3)の化合物;648mg,2.0mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液に、アセトキシアセチルクロリド(215μL,2.0mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=50:1)で精製して、標題化合物の淡黄色油状物(301mg,35%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.90−2.30(6H, m), 2.24(3H, s), 2.90(2H, m), 3.05(2H, m), 3.45(4H, m), 3.78(1H, s), 4.55(2H, s), 5.44(1H, s), 7.27−7.36(10H, m).
EI−MS m/z: 424[M].
【0095】
例24:化合物番号24の化合物の製造
酢酸{3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピルカルバモイル}メチルエステル(化合物番号23;250mg,0.6mmol)のアセトニトリル(2mL)溶液に、2N水酸化ナトリウム水溶液(2mL,4mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の白色固体(200mg,88%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.80−2.10(6H, m), 2.80−3.00(4H, m), 3.30−3.50(4H, m), 3.70(1H, m), 4.08(2H, s), 5.45(1H, s), 7.26−7.32(10H, m).
EI−MS m/z: 383[M].
【0096】
例25:化合物番号25の化合物の製造
3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピルアミン(例21(3)の化合物;324mg,1.0mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液に、フラン−2−カルボニルクロリド(100μL,1.0mmol)を加え、室温で18時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=100:1)で精製して、標題化合物の淡黄色油状物(151mg,36%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 2.20(4H, m), 2.30(2H, m), 2.80−3.10(6H, m), 3.57(2H, m), 3.75(1H, m), 5.45(1H, s), 6.46(1H, m), 7.14(1H, m), 7.26−7.31(10H, m), 7.45(1H, m).
EI−MS m/z: 418[M].
【0097】
例26:化合物番号26の化合物の製造
4−ジフェニルメトキシピペリジン(276mg,1.0mmol)のアセトニトリル(5mL)溶液に、(3−クロロフェノキシ)酢酸(192mg,1.0mmol)及び炭酸カリウム(223mg,1.6mmol)を加え、3時間加熱還流した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の淡黄色油状物(72mg,17%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.74−1.93(4H, m), 2.86(2H, m), 3.14(2H, m), 3.58(1H, m), 4.39(2H, s), 5.43(1H, s), 6.75(1H, m), 6.83(1H, m), 7.01(1H, dd, J=7.9, 8.3Hz), 7.22−7.37(10H, m).
【0098】
例27:化合物番号27の化合物の製造
4−ジフェニルメトキシピペリジン(165mg,0.6mmol)のアセトニトリル(5mL)溶液に、テレフタル酸モノメチルクロリド(180mg,0.9mmol)を加え、室温で4時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製して、標題化合物の無色油状物(240mg,93%)を得た。H−NMR(CDCl):δ 1.72−1.91(4H, m), 3.18(2H, m), 3.60(2H, m), 3.72(1H, m), 3.93(3H, s), 5.52(1H, s), 7.20−7.34(10H, m), 7.44(2H, d, J=8.3Hz), 8.04(2H, d, J=8.3Hz).
EI−MS m/z: 429[M].
【0099】
例28:化合物番号28の化合物の製造
4−{[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]カルボニル}安息香酸メチル(化合物番号27;180mg,0.4mmol)のメタノール(2mL)溶液に、2N水酸化ナトリウム水溶液(1mL,2mmol)を加え、室温で18時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をメタノールで懸濁洗浄して、標題化合物の白色固体(116mg,70%)を得た。
H−NMR(Acetone−d):δ 1.82(2H, m), 2.00(2H, m), 2.88(2H, m), 3.23(2H, m), 3.65(1H, m), 5.67(1H, s), 7.20−7.42(12H, m), 7.92(2H, d, J=8.3Hz). FAB−MS m/z: 438[M+Na]
【0100】
例29:化合物番号29の化合物の製造
4−ジフェニルメトキシピペリジン(276mg,1.0mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、トリメリット酸無水物クロリド(216mg,1.0mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。反応混合物を水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の白色固体(291mg,66%)を得た。
H−NMR(CDOD):δ 1.70−2.00(4H, m), 3.29(2H, m), 3.61(2H, m), 3.75(1H, m), 5.62(1H, s), 7.22−7.38(10H, m), 7.58(1H, dd, J=1.7, 7.9Hz), 7.88(1H, d, J=1.7Hz), 7.93(1H, d, J=7.9Hz).EI−MS m/z: 441[M].
【0101】
例30:化合物番号30の化合物の製造
(1)(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)アセトニトリル
4−ヒドロキシピペリジン(10.11g,100.0mmol)のアセトニトリル(50mL)溶液に、ブロモアセトニトリル(6.7mL,100.5mmol)及び炭酸カリウム(13.82g,100.0mmol)を加え、室温で18時間攪拌した。反応混合物を濾過、濾液を減圧留去して、標題化合物の淡黄色固体(13.11g,94%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.64(2H, m), 1.95(2H, m), 2.45(2H, m), 2.78(2H, m), 3.53(2H, s), 3.75(1H, m).
【0102】
(2)[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]アセトニトリル(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)アセトニトリル(6.10g,43.5mmol)のアセトニトリル(5mL)溶液に、ベンズヒドリルクロリド(8.5mL,47.8mmol)及び粉末状水酸化カリウム(2.70g,48.1mmol)を加え、40分加熱還流した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄、希塩酸で抽出した。希塩酸層を炭酸水素ナトリウムで中和し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をアセトニトリルから再結晶して、標題化合物の白色結晶(736mg,6%)を得た。
FAB−MS m/z: 307[M+H]
【0103】
(3)2−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]エチルアミン水素化リチウムアルミニウム(76mg,2.0mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]アセトニトリル(612mg,2.0mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液を加え、室温で18時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲル固相抽出カラム(洗浄:酢酸エチル、溶出:メタノール)で精製して、標題化合物を4−ジフェニルメトキシピペリジンとの分離困難な混合物(243mg,黄色油状物)として得た。
FAB−MS m/z: 311[M+H], 268[M+H]
【0104】
(4)3−{2−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]エチルアミノ}−4−エトキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン(化合物番号30)
上記(3)で得られた、2−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]エチルアミン及び4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジンの混合物(219mg)のエタノール(2mL)溶液に、3,4−ジエトキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン(105μL,0.7mmol)を加え、室温で18時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をヘキサン/メタノールで分配した。メタノール層を減圧留去して得られた残渣をシリカゲル固相抽出カラム(洗浄:ヘキサン→酢酸エチル、溶出:ジクロロメタン/メタノール=9/1)で精製して、標題化合物の無色油状物(164mg,54%)を得た。
H−NMR(CDOD):δ 1.44(3H, t, J=7.0Hz), 1.71(2H, m), 1.90(2H, m), 2.25(2H, m), 2.56(2H, t, J=6.5Hz), 2.81(2H, m), 3.50(2H, m), 3.71(1H, m), 4.72(2H, m), 5.58(1H, s), 7.19−7.36(10H, m).
FAB−MS m/z: 435[M+H]
例31:化合物番号31の化合物の製造
例30(4)のシリカゲル固相抽出カラムによる精製の副生成物として、標題化合物の無色油状物(36mg,13%)を得た。
H−NMR(CDOD):δ 1.43(3H, t, J=7.1Hz), 1.80(2H, m), 1.92(2H, m), 3.40(1H, m), 3.74(3H, m), 4.03(1H, m), 4.70(2H, q, J=7.1Hz), 5.61(1H, s), 7.19−7.39(10H, m).
FAB−MS m/z: 392[M+H]
【0105】
例32:化合物番号32の化合物の製造
3−{2−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]エチルアミノ}−4−エトキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン(化合物番号30;72mg,0.2mmol)のエタノール(1mL)溶液に、28%アンモニア水(20μL)を加え、室温で18時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲル固相抽出カラム(洗浄:ジクロロメタン→酢酸エチル、溶出:メタノール)で精製して、標題化合物の白色固体(39mg,58%)を得た。
H−NMR(CDOD):δ 1.71(2H, m), 1.92(2H, m), 2.23(2H, m), 2.57(2H, m), 2.82(2H, m), 3.47(1H, m), 3.72(2H, m), 5.58(1H, s), 7.19−7.36(10H, m).
FAB−MS m/z: 406[M+H]
【0106】
例33:化合物番号33の化合物の製造
(1)3−[4−(4−クロロフェニル−フェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピオニトリル
3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)プロピオニトリル(例21(1)の化合物;1.54g,10.0mmol)のアセトニトリル(10mL)溶液に、4−クロロベンズヒドリルクロリド(2.1mL,11.0mmol)及び粉末状水酸化カリウム(560mg,10.0mmol)を加え、6時間加熱還流した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製して、標題化合物の淡黄色油状物(1.13g,32%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.74(2H, m), 1.84(2H, m), 2.24(2H, m), 2.48(2H, t, J=6.6Hz), 2.67(2H, t, J=6.6Hz), 2.72(2H, m), 3.43(1H, m), 5.47(1H, s), 7.15−7.35(9H, m).
FAB−MS m/z: 355[M+H]
【0107】
(2)4−(4−クロロフェニル−フェニルメトキシ)ピペリジン
水素化リチウムアルミニウム(118mg,3.1mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、3−[4−(4−クロロフェニル−フェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピオニトリル(1.10g,3.1mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液を加え、室温で1時間攪拌した。反応混合物に水及び2N水酸化ナトリウム水溶液を加え、セライト濾過した。濾液を減圧留去して得られた残渣をシリカゲル固相抽出カラム(洗浄:酢酸エチル、溶出:メタノール)で精製して、標題化合物の淡黄色油状物(463mg,43%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.54(2H, m), 1.80−1.89(2H, m), 2.52(2H, m), 3.00(2H, m), 3.50(1H, m), 5.60(1H, s), 7.23−7.35(9H, m).
FAB−MS m/z: 359[M+H]
【0108】
(3)3−[4−(4−クロロフェニル−フェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]−4−エトキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン(化合物番号33)
4−(4−クロロフェニル−フェニルメトキシ)ピペリジン(206mg,0.7mmol)のエタノール(2mL)溶液に、3,4−ジエトキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン(100μL,0.7mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製して、標題化合物の淡黄色油状物(184mg,63%)を得た。
H−NMR(CDOD):δ 1.44(3H, t, J=7.1Hz), 1.78−1.94(4H, m), 3.46−3.54(1H, m), 3.69−3.89(3H, m), 3.98−4.08(1H, m), 4.75(2H, q, J=7.1Hz), 5.48(1H, s), 7.15−7.36(9H, m).
FAB−MS m/z: 426[M+H]
【0109】
例34:化合物番号34の化合物の製造
3−[4−(4−クロロフェニル−フェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]−4−エトキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン(化合物番号33;78mg,0.2mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液に、28%アンモニア水(0.1mL)を加え、室温で18時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の淡黄色油状物(67mg,92%)を得た。
H−NMR(CDOD):δ 1.79(2H, m), 1.97(2H, m), 3.60(2H, m), 3.73(1H, m), 3.95(2H, m), 5.65(1H, s), 7.22−7.40(9H, m).
FAB−MS m/z: 397[M+H]
【0110】
例35:化合物番号35の化合物の製造
(1)3−[4−(1−フェニルエトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピオニトリル
3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)プロピオニトリル(例21(1)の化合物;1.54g,10.0mmol)のアセトニトリル(10mL)溶液に、(1−ブロモエチル)ベンゼン(1.4mL,10.3mmol)及び粉末状水酸化カリウム(560mg,10.0mmol)を加え、6時間加熱還流した。溶媒を減圧留去して得られた残渣を酢酸エチルに溶解した。酢酸エチル溶液を水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製して、標題化合物の淡黄色油状物(540mg,21%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.41(3H, d, J=6.6Hz), 1.57−1.76(4H, m), 2.15(2H, m), 2.47(2H, dd, J=6.3, 6.9Hz), 2.63−2.79(4H, m), 3.25(1H, m), 4.55(1H, q, J=6.6Hz), 7.23−7.37(5H, m).
FAB−MS m/z: 259[M+H]
【0111】
(2)3−[4−(1−フェニルエトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピルアミン
水素化リチウムアルミニウム(76mg,2.0mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、3−[4−(1−フェニルエトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピオニトリル(520mg,2.0mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液を加え、室温で1時間攪拌した。反応混合物に水及び2N水酸化ナトリウム水溶液を加え、セライト濾過した。濾液を減圧留去して得られた残渣をシリカゲル固相抽出カラム(洗浄:酢酸エチル、溶出:メタノール)で精製して、標題化合物を4−(1−フェニルエトキシ)ピペリジンとの分離困難な混合物(251mg,淡黄色油状物)として得た。
FAB−MS m/z: 263[M+H], 206[M+H]
【0112】
(3)3−{3−[4−(1−フェニルエトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピルアミノ}−4−エトキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン(化合物番号35)
上記(2)で得られた、3−[4−(1−フェニルエトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピルアミン及び4−(1−フェニルエトキシ)ピペリジンの混合物(240mg)のエタノール(2mL)溶液に、3,4−ジエトキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン(173μL,1.2mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲル固相抽出カラム(洗浄:酢酸エチル、溶出:メタノール)で精製して、標題化合物の淡黄色油状物(106mg,30%)を得た。
H−NMR(CDOD):δ 1.37(3H, d, J=6.5Hz), 1.45(3H, t, J=7.1Hz), 1.58−1.84(5H, m), 1.96(1H, m), 2.14(2H, m), 2.42(2H, m), 2.80(2H, m), 3.38(1H, m), 3.45(1H, m), 3.63(1H, m), 4.62(1H, q, J=6.5Hz), 4.72(2H, m), 7.22−7.33(5H, m).
FAB−MS m/z: 358[M+H]
例36:化合物番号36の化合物の製造
例35(3)のシリカゲル固相抽出カラムによる精製の副生成物として、標題化合物の無色油状物(165mg,56%)を得た。
H−NMR(CDOD):δ 1.41(3H, d, J=6.5Hz), 1.44(3H, t, J=7.1Hz), 1.63(1H, m), 1.79(2H, m), 1.98(1H, m), 3.50(2H, m), 3.76(2H, m), 4.07(1H, m), 4.65(1H, q, J=6.5Hz), 4.72(2H, m), 7.23−7.37(5H, m).
FAB−MS m/z: 330[M+H]
【0113】
例37:化合物番号37の化合物の製造
3−{3−[4−(1−フェニルエトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピルアミノ}−4−エトキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン(化合物番号35;79.8mg,0.2mmol)のエタノール(2mL)溶液に、28%アンモニア水(0.1mL)を加え、室温で18時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の白色固体(18mg,45%)を得た。
H−NMR(CDOD):δ 1.37(3H, d, J=6.6Hz), 1.53−1.97(8H, m), 2.24(2H, m), 2.51(2H, m), 2.86(2H, m), 3.62(1H, m), 4.61(1H, q, J=6.6Hz), 7.21−7.33(5H, m).
FAB−MS m/z: 358[M+H]
【0114】
例38:化合物番号38の化合物の製造
3−[4−(1−フェニルエトキシ)ピペリジン−1−イル]−4−エトキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン(化合物番号36;62.7mg,0.2mmol)のエタノール(2mL)溶液に、28%アンモニア水(0.1mL)を加え、室温で18時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲル固相抽出カラム(洗浄:ヘキサン/酢酸エチル=1/1→酢酸エチル、溶出:ジクロロメタン/メタノール=4/1)で精製して、標題化合物の白色固体(42mg,73%)を得た。
H−NMR(CDOD):δ 1.41(3H, d, J=6.6Hz), 1.62(1H, m), 1.77(2H, m), 1.99(1H, m), 3.56(3H, m), 3.97(2H, m), 4.65(1H, q, J=6.6Hz), 7.23−7.37(5H, m).
FAB−MS m/z: 301[M+H]
【0115】
例39:化合物番号39の化合物の製造
(1)3−[4−(2−ナフチルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピオニトリル
3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)プロピオニトリル(例21(1)の化合物;1.54g,10.0mmol)のアセトニトリル(10mL)溶液に、2−(ブロモメチル)ナフタレン(2.43g,11.0mmol)及び粉末状水酸化カリウム(560mg,10.0mmol)を加え、6時間加熱還流した。溶媒を減圧留去して得られた残渣を酢酸エチルに溶解した。酢酸エチル溶液を水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製して、標題化合物の淡黄色油状物(611mg,21%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.74(2H, m), 1.92(2H, m), 2.26(2H, m), 2.49(2H, dd, J=6.6, 7.6Hz), 2.69(2H, dd, J=6.6, 7.6Hz), 2.76(2H, m), 3.49(1H, m), 4.70(2H, s), 7.43−7.50(3H, m), 7.72−7.82(4H, m).
FAB−MS m/z: 295[M+H]
【0116】
(2)3−[4−(2−ナフチルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピルアミン
水素化リチウムアルミニウム(76mg,2.0mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、3−[4−(2−ナフチルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピオニトリル(600mg,2.0mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液を加え、室温で1時間攪拌した。反応混合物に水及び2N水酸化ナトリウム水溶液を加え、セライト濾過した。濾液を減圧留去して得られた残渣をODSカラムクロマオグラフィー(50−100%メタノール)で精製して、標題化合物を4−(2−ナフチルメトキシ)ピペリジンとの分離困難な混合物(200mg,淡黄色油状物)として得た。
FAB−MS m/z: 299[M+H], 242[M+H]
【0117】
(3)3−{3−[4−(2−ナフチルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピルアミノ}−4−エトキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン(化合物番号39)
上記(2)で得られた、3−[4−(2−ナフチルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピルアミン及び4−(2−ナフチルメトキシ)ピペリジンの混合物(50mg)のエタノール(2mL)溶液に、3,4−ジエトキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン(26μL,0.2mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製して、標題化合物の無色油状物(38mg,53%)を得た。
H−NMR(CDOD):δ 1.44(3H, t, J=7.1Hz), 1.72(2H, m), 1.81(2H, m), 1.98(2H, m), 2.23(2H, m), 2.43(2H, m), 2.81(2H, m), 3.46(1H, t, J=6.9Hz), 3.54(1H, m), 3.64(1H, t, J=6.9Hz), 4.71(2H, s), 4.73(2H, q, J=7.1Hz), 7.43−7.49(3H, m), 7.80−7.85(4H, m).
FAB−MS m/z: 423[M+H]
【0118】
例40:化合物番号40の化合物の製造
例39(3)の分取用薄層クロマトグラフィーによる精製の副生成物として、標題化合物の無色油状物(5mg,8%)を得た。
H−NMR(CDOD):δ1.45(3H, t, J=7.1Hz), 1.83(2H, m), 2.02(2H, m), 3.55(1H, m), 3.70−3.90(3H, m), 4.11(1H, m), 4.73(2H, q, J=7.1Hz), 4.75(2H, s),7.52−7.45(3H, m), 7.86−7.83(4H, m).
FAB−MS m/z: 366[M+H]
【0119】
例41:化合物番号41の化合物の製造
3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピルアミン(例21(3)の化合物;648mg,2.0mmol)のエタノール(2mL)溶液に、3,4−ジエトキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン(400μL,2.7mmol)を加え、室温で4時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の淡黄色油状物(257mg,57%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.43(3H, m), 1.74−1.89(6H, m), 2.23(2H, m), 2.43(2H, m), 2.79(2H, m), 3.45(2H, m), 3.63(1H, m), 4.72(2H, m), 5.57(1H, s), 7.19−7.36(10H, m).
EI−MS m/z: 448[M].
【0120】
例42:化合物番号42の化合物の製造
3−{3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピルアミノ}−4−エトキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン(化合物番号41;173mg,0.4mmol)のテトラヒドロフラン(3mL)溶液に、28%アンモニア水(20μL)を加え、室温で6時間攪拌した。反応混合物をセライト濾過、濾液を減圧留去して、標題化合物の白色固体(146mg,89%)を得た。
H−NMR(CDOD):δ 1.76−1.90(6H, m), 2.20(2H, m), 2.43(2H, m), 2.76(2H, m), 3.63(1H, m), 3.72(2H, m), 5.58(1H, s), 7.21−7.35(10H, m).
EI−MS m/z: 419[M].
【0121】
例43:化合物番号43の化合物の製造
3−{3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピルアミノ}−4−エトキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン(化合物番号41;70mg,0.2mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液に、2N塩酸(50μL)を加え、室温で18時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=5:1)で精製して、標題化合物の白色固体(23mg,36%)を得た。
H−NMR(CDOD):δ 2.04(6H, m), 3.19(4H, m), 3.35(2H, m), 3.62(2H, m), 3.76(1H, m), 5.60(1H, s), 7.20−7.39(10H, m).FAB−MS m/z: 421[M+H]
【0122】
例44:化合物番号44の化合物の製造
3−{3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピルアミノ}−4−エトキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン(化合物番号41;35mg,0.1mmol)のエタノール(1mL)溶液に、35%メチルアミン水溶液(100μL)を加え、室温で18時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をイソプロパノールで懸濁洗浄して、標題化合物の淡黄色固体(19mg,56%)を得た。
H−NMR(CDOD):δ 1.62−1.97(6H, m), 2.16(2H, m), 2.41(2H, m), 2.76(2H, m), 3.23(3H, s), 3.46(1H, m), 3.59(2H, m), 5.57(1H, s), 7.18−7.36(10H, m).
FAB−MS m/z: 434[M+H]
【0123】
例45:化合物番号45の化合物の製造
3−{3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピルアミノ}−4−エトキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン(化合物番号41;50mg,0.1mmol)のエタノール(1mL)溶液に、アニリン(10μL,0.1mmol)及び2N水酸化ナトリウム水溶液(0.1mL)を加え、室温で18時間攪拌した。反応混合物を濾過、イソプロパノールで洗浄して、標題化合物の淡黄色固体(14mg,26%)を得た。
H−NMR(CDOD):δ 1.71(2H, m), 1.87(4H, m), 2.21(2H, m), 2.44(2H, m), 2.78(2H, m), 3.46(1H, m), 3.70(2H, t, J=6.6Hz), 5.57(1H, s), 6.97−7.35(15H, m).
FAB−MS m/z: 496[M+H]
【0124】
例46:化合物番号46の化合物の製造
3−{3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピルアミノ}−4−エトキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン(化合物番号41;150mg,0.3mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液に、2−(2−アミノエトキシ)エタノール(50μL,0.5mmol)を加え、室温で4時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の淡黄色油状物(116mg,69%)を得た。
H−NMR(CDOD):δ 1.72−1.91(6H, m), 2.29(2H, m), 2.50(2H, m), 2.84(2H, m), 3.50−3.68(10H, m), 3.77(1H, m), 5.58(1H, s), 7.19−7.36(10H, m).
FAB−MS m/z: 507[M+H]
【0125】
例47:化合物番号47の化合物の製造
カリウム tert−ブトキシド(22mg,0.2mmol)のテトラヒドロフラン(0.5mL)溶液に、3−{3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピルアミノ}−4−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ]シクロブタ−3−エン−1,2−ジオン(化合物番号46;100mg,0.2mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液を加え、室温で30分間攪拌した。次いで、ペンタ(エチレングリコール)ジ−p−トルエンスルホネート(217μL,0.5mmol)を加え、室温で18時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の淡黄色油状物(42mg,35%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.60−2.00(12H, m), 2.18(4H, m), 2.46(4H, m), 2.78(4H,m), 3.30−3.90(42H, m), 5.50(2H, s), 7.10−7.40(20H, m).
FAB−MS m/z: 1217[M+H]
【0126】
例48:化合物番号48の化合物の製造
(1)4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)ブチロニトリル
4−ヒドロキシピペリジン(1.01g,9.99mmol)のアセトニトリル(10mL)溶液に、4−ブロモブチロニトリル(1.2mL,11.9mmol)及び炭酸カリウム(1.38g,10.0mmol)を加え、2時間加熱還流した。反応混合物を濾過、濾液を減圧留去して、標題化合物の淡黄色油状物(2.73g,100%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.61(2H, m), 1.87(2H, m), 2.21(2H, m), 2.41−2.61(4H, m), 2.77(2H, m), 3.52(2H, t, J=6.3Hz), 3.75(1H, m).
【0127】
(2)4−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]ブチロニトリル
4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)ブチロニトリル(2.73g,10.0mmol)のアセトニトリル(10mL)溶液に、ベンズヒドリルブロミド(2.47g,10.0mmol)及び粉末状水酸化カリウム(560mg,10.0mmol)を加え、1時間加熱還流した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=100:1)で精製して、標題化合物の淡黄色油状物(1.17g,35%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.65−1.86(6H, m), 2.16(2H, m), 2.41(4H, m), 2.72(2H, m), 3.45(1H, m), 5.51(1H, s), 7.17−7.33(10H, m).
【0128】
(3)4−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]ブチルアミン水素化リチウムアルミニウム(133mg,3.5mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、4−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]ブチロニトリル(1.17g,3.5mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液を加え、室温で18時間攪拌した。反応混合物に水及び2N水酸化ナトリウム水溶液を加え、セライト濾過した。濾液を減圧留去して、標題化合物の淡黄色油状物(950mg,80%)を得た。
H−NMR(CDOD):δ 1.58−1.79(4H, m), 1.90(2H, m), 2.24(2H, m), 2.38(2H, m), 2.73−2.89(4H, m), 3.50(1H, m), 5.58(1H, s), 7.15−7.42(10H, m).
FAB−MS m/z: 339[M+H]
【0129】
(4)3−{4−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]ブチルアミノ}−4−エトキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン(化合物番号48)
4−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]ブチルアミン(220mg,0.6mmol)のエタノール(2mL)溶液に、3,4−ジエトキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン(144μL,1.0mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の淡黄色油状物(247mg,82%)を得た。
H−NMR(CDOD):δ 1.43(3H, t, J=6.9Hz), 1.61(4H, m), 1.81(2H, m), 1.92(2H, m), 2.51(4H, m), 2.92(2H, m), 3.44(1H, m), 3.59(2H, m), 4.71(2H, m), 5.58(1H, s), 7.19−7.37(10H, m).
FAB−MS m/z: 463 [M+H]
【0130】
例49:化合物番号49の化合物の製造
3−{4−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]ブチルアミノ}−4−エトキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン(化合物番号48;110mg,0.2mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液に、28%アンモニア水(1mL)を加え、室温で18時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の白色固体(76mg,74%)を得た。
H−NMR(DMSO−d):δ 1.63(4H, m), 1.79(2H, m), 1.92(2H, m), 2.41(2H, m),2.54(2H, m), 2.91(2H, m), 3.53(1H, m), 3.62(2H, m), 5.58(1H, s), 7.18−7.37(10H, m).
FAB−MS m/z: 434[M+H]
【0131】
例50:化合物番号50の化合物の製造
3−{4−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]ブチルアミノ}−4−エトキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン(化合物番号48;100mg,0.2mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液に、2N塩酸(100μL)を加え、室温で18時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=50:1)で精製して、標題化合物の無色油状物(17mg,18%)を得た。
H−NMR(CDOD):δ 1.58(2H, m), 1.71(2H, m), 1.94(4H, m), 3.02(2H, m), 3.21(4H, m), 3.52(2H, m), 3.68(1H, m), 5.52(1H, s), 7.14−7.27(10H, m).
FAB−MS m/z: 435[M+H]
【0132】
例51:化合物番号51の化合物の製造
(1)5−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)バレロニトリル
4−ヒドロキシピペリジン(5.00g,49.4mmol)のアセトニトリル(10mL)溶液に、5−ブロモバレロニトリル(8.10g,50.0mmol)及び炭酸カリウム(7.0g,50.6mmol)を加え、1時間加熱還流した。反応混合物をセライト濾過、濾液を減圧留去して、標題化合物の淡黄色油状物(2.91g,32%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.51−1.76(6H, m), 1.90(2H, m), 2.12(2H, m), 2.37(4H, m), 2.75(2H, m), 3.70(1H, m).
FAB−MS m/z: 183[M+H]
【0133】
(2)5−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]バレロニトリル
5−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)バレロニトリル(2.70g,14.8mmol)のアセトニトリル(15mL)溶液に、ベンズヒドリルクロリド(2.7mL,15.2mmol)及び粉末状水酸化カリウム(840mg,15.0mmol)を加え、1時間加熱還流した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄、希塩酸で抽出した。希塩酸層を炭酸水素ナトリウムで中和し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して、標題化合物の淡黄色固体(396mg,8%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.78(2H, m), 2.05(2H, m), 2.38−2.52(6H, m), 2.94(2H, m), 3.10(2H, m), 3.33(2H, m), 3.87(1H, m), 5.43(1H, s), 7.26−7.34(10H, m).
FAB−MS m/z: 349[M+H]
【0134】
(3)5−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]バレリルアミン
水素化リチウムアルミニウム(26mg,0.7mmol)のテトラヒドロフラン(0.5mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、5−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]バレロニトリル(240g,0.7mmol)のテトラヒドロフラン(4mL)溶液を加え、室温で18時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をODS固相抽出カラム(メタノール/水)で精製して、標題化合物の淡黄色油状物(228mg,94%)を得た。
H−NMR(CDOD):δ 1.32(4H, m), 1.51(2H, m), 1.63(2H, m), 1.72(2H, m), 1.90(2H, m), 2.18(2H, m), 2.33(2H, m), 2.46(1H, m), 2.63(1H, t, J=7.1Hz), 2.77(2H, m), 3.47(1H, m), 5.58(1H, s), 7.18−7.37(10H, m).
FAB−MS m/z: 353[M+H]
【0135】
(4)3−{5−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]バレリルアミノ}−4−エトキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン(化合物番号51)
5−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]バレリルアミン(217mg,0.6mmol)のエタノール(2mL)溶液に、3,4−ジエトキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン(92μL,0.6mmol)を加え、室温で18時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲル固相抽出カラム(洗浄:ヘキサン/酢酸エチル=1/1→酢酸エチル、溶出:ジクロロメタン/メタノール=9/1)で精製して、標題化合物の淡黄色油状物(177mg,62%)を得た。
H−NMR(CDOD):δ 1.39(2H, m), 1.44(3H, t, J=7.1Hz), 1.64(4H, m), 1.84(2H, m), 1.93(2H, m), 2.62(4H, m), 3.00(2H, m), 3.42(1H, m), 3.60(2H, m), 4.72(2H, m), 5.59(1H, s), 7.20−7.37(10H, m).
FAB−MS m/z: 477 [M+H]
【0136】
例52:化合物番号52の化合物の製造
3−{5−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]バレリルアミノ}−4−エトキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン(化合物番号51;152.9mg,0.3mmol)のエタノール(2mL)溶液に、28%アンモニア水(1mL)を加え、室温で18時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の白色固体(85mg,59%)を得た。
H−NMR(CDOD):δ 1.38(2H, m), 1.50−1.77(6H, m), 1.89(2H, m), 2.20(2H, m), 2.35(2H, m), 2.78(2H, m), 3.47(1H, m), 3.60(2H, m), 5.57(1H, s), 7.19−7.36(10H, m).
FAB−MS m/z: 448[M+H]
【0137】
例53:化合物番号53の化合物の製造
4−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]−3−オキソ酪酸エチル(化合物番号19;200mg,0.5mmol)のトルエン(2mL)溶液に、フェニルヒドラジン(54μL,0.5mmol)を加え、2時間加熱還流した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の淡黄色固体(90mg,41%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.40−1.90(4H, m), 2.21(2H, m), 2.73(2H, m), 3.32(2H, s), 3.51(3H, m), 5.51(1H, s), 7.10−7.40(14H, m), 7.86(1H, m).FAB−MS m/z: 440[M+H]
【0138】
例54:化合物番号54の化合物の製造
(1)4−(5−ヒドロキシ−1H−ピラゾール−3−イル)酪酸エチル
3−オキソピメリン酸ジエチル(2.0mL,9.3mmol)のエタノール(5mL)溶液に、ヒドラジン一水和物(452μL,9.3mmol)を加え、1時間加熱還流した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=100:1)で精製して、標題化合物の淡黄色油状物(1.56g,84%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.25(3H, t, J=7.1Hz), 1.95(2H, m), 2.35(2H, m), 2.61(2H, m), 4.13(2H, q, J=7.1Hz), 5.39(1H, s).
【0139】
(2)4−(5−ヒドロキシ−1H−ピラゾール−3−イル)酪酸
4−(5−ヒドロキシ−1H−ピラゾール−3−イル)酪酸エチル(500mg,2.5mmol)のメタノール(5mL)溶液に、2N水酸化ナトリウム水溶液(5mL)を加え、室温で1時間攪拌した。反応混合物に2N塩酸(5mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して、標題化合物の白色固体(174mg,41%)を得た。
H−NMR(DMSO−d):δ 1.74(2H, m), 2.21(2H, t, J=7.3Hz), 2.45(2H, m), 5.23(1H, s), 10.94(1H, brs).
【0140】
(3)5−{4−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]ブチル}−3−ヒドロキシ−2H−ピラゾール(化合物番号54)
4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン(276mg,1.0mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液に、4−(5−ヒドロキシ−1H−ピラゾール−3−イル)酪酸(514mg,3.0mmol)及び水素化ホウ素ナトリウム(76mg,2.0mmol)を加え、室温で18時間攪拌した。反応混合物を濾過、濾液を減圧留去した。得られた残渣を酢酸エチルに溶解し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の淡黄色油状物(21mg,5%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.24−1.76(4H, m), 1.92(2H, m), 2.33(2H, m), 2.59(2H, m), 3.20(1H, m), 3.40(1H, m), 3.64(2H, m), 3.84(1H, m), 5.37(1H, s), 5.50(1H, s), 7.26−7.32(10H, m).
【0141】
例55:化合物番号55の化合物の製造
(1)3−(1−メチル−2,5−ジオキソシクロペンタ−1−イル)プロピオンアルデヒド
2−メチル−1,3−シクロペンタジオン(1.12g,10.0mmol)の水(8mL)溶液に、アクロレイン(740μL,11.1mmol)を加え、50℃で4時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して、標題化合物の無色油状物(670mg,40%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.14(3H, s), 1.94(2H, t, J=7.3Hz), 2.49(2H, dt, J=1.0,7.3Hz), 2.81(4H, s), 9.08(1H, s).
【0142】
(2)2−{3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピル}−2−メチルシクロペンタン−1,3−ジオン(化合物番号55)
4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン(108mg,0.4mmol)のメタノール(1mL)溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(30mg,0.5mmol)及び3−(1−メチル−2,5−ジオキソシクロペンタ−1−イル)プロピオンアルデヒド(84mg,0.5mmol)を加え、室温で18時間攪拌した。反応混合物に2N塩酸をpHが2になるまで加え、次いで水酸化カリウム水溶液をpHが11になるまで加えた。この溶液を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の無色油状物(27mg,16%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.00(3H, s), 1.70−1.95(4H, m), 1.96−2.18(2H, m), 2.42(2H, m), 2.63(2H, m), 2.99(2H, m), 3.35(2H, m), 3.60(1H, m), 5.49(1H, s), 7.24−7.32(10H, m).
【0143】
例56:化合物番号56の化合物の製造
4−ベンジルオキシピペリジン(例5(3)の化合物;191mg,1.0mmol)のメタノール(5mL)溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(320mg,5.1mmol)及び3−(1−メチル−2,5−ジオキソシクロペンタ−1−イル)プロピオンアルデヒド(例55(1)の化合物;170mg,1.0mmol)を加え、室温で18時間攪拌した。反応混合物に2N塩酸をpHが2になるまで加え、次いで水酸化カリウム水溶液をpHが11になるまで加えた。この溶液を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の無色油状物(129mg,37%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 0.92(3H, s), 1.65(2H, m), 1.70−2.00(4H, m), 2.00−2.20(4H, m), 2.26−2.92(7H, m), 3.60(1H, m), 4.09(1H, m), 4.51(2H, s), 7.27−7.38(5H, m).
【0144】
例57:化合物番号57の化合物の製造
3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピルアミン(例21(3)の化合物;324mg,1.0mmol)のエタノール(2mL)溶液に、無水マレイン酸(100mg,1.0mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=25:1)で精製して、標題化合物の淡黄色油状物(212mg,52%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.90−2.10(6H, m), 2.98(2H, m), 3.12(2H, m), 3.35(2H, m), 3.48(2H, m), 3.73(1H, m), 5.44(1H, s), 6.01(1H, d, J=13.2Hz), 6.23(1H, d, J=13.2Hz), 7.26−7.33(10H, m).
EI−MS m/z: 404[M].
【0145】
例58:化合物番号58の化合物の製造
4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン(267mg,1.0mmol)のジオキサン(5mL)溶液に、ヒダントイン−5−酢酸(3.1g,19.6mmol)、水素化ホウ素ナトリウム(189mg,5.0mmol)、及び2−クロロピリジン(1.87mL,19.9mmol)を加え、室温で18時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧留去した。得られた残渣を酢酸エチルに溶解し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の白色固体(20mg,5%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.74(2H, m), 1.89−2.07(4H, m), 2.56−2.67(4H, m), 2.85(2H, m), 3.49(1H, m), 4.09(1H, dd, J=3.8, 9.0Hz), 5.50(1H, s), 7.20−7.33(10H, m).
【0146】
例59:化合物番号59の化合物の製造
(1)3−(3−ブロモプロピル)イミダゾリジン−2,4−ジオン
ヒダントイン(500mg,4.99mmol)、3−ブロモプロパノール(764mg,4.99mmol)、及びトリフェニルホスフィン(1.57g,6.00mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液に、氷冷、アルゴン雰囲気下、40%アゾジカルボン酸ジエチル/トルエン溶液(2.61mL,6.00mmol)を加え、0℃で30分間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製して、標題化合物の無色油状物(220mg,20%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 2.20(2H, quint., J=6.9Hz), 3.39(2H, t, J=6.9Hz), 3.65(2H, t, J=6.9Hz), 3.91(2H, s), 6.89(1H, brs).
【0147】
(2)3−{3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピル}イミダゾリジン−2,4−ジオン(化合物番号59)
4−ジフェニルメトキシピペリジン(100mg,0.37mmol)及び3−(3−ブロモプロピル)イミダゾリジン−2,4−ジオン(220mg,1.0mmol)のアセトニトリル(5mL)溶液に、炭酸カリウム(103mg,0.75mmol)を加え、60℃で2時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精製して、標題化合物の淡黄色アモルファス(156mg,31%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.61−1.94(6H, m), 2.00−2.13(2H, m), 2.35(2H, t, J=6.9Hz), 2.69−2.82(2H, m), 3.41(1H, m), 3.55(2H, t, J=6.9Hz), 3.89(2H, s),5.51(1H, s), 6.21(1H, brs), 7.12−7.43(10H, m).
【0148】
例60:化合物番号60の化合物の製造
4−ジフェニルメトキシピペリジン(124mg,0.5mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)溶液に、5−(4−クロロブチル)ヒダントイン(95mg,0.5mmol)及び炭酸カリウム(69mg,0.5mmol)を加え、100℃で3時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の淡黄色油状物(27mg,13%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.42−2.00(10H, m), 2.47(4H, m), 2.83(2H, m), 3.55(1H,m), 4.05(1H, dd, J=4.4, 7.7Hz), 5.49(1H, s), 7.21−7.32(10H, m).
EI−MS m/z: 421[M].
【0149】
例61:化合物番号61の化合物の製造
4−ベンジルオキシピペリジン(191mg,1.0mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)溶液に、5−(4−クロロブチル)ヒダントイン(190mg,1.0mmol)及び炭酸カリウム(138mg,1.0mmol)を加え、2時間加熱還流した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の淡黄色油状物(22mg,6%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.30−2.00(6H, m), 2.00−2.20(2H, m), 2.50−2.97(6H, m), 3.63(2H, m), 4.08(1H, m), 4.21(1H, m), 4.52(2H, s), 7.27−7.56(5H, m).
【0150】
例62:化合物番号62の化合物の製造
(1)3−(3−ブロモプロピル)チアゾリジン−2,4−ジオン
2,4−チアゾリジンジオン(500mg,4.26mmol)、3−ブロモプロパノール(653mg,4.70mmol)、及びトリフェニルホスフィン(1.34g,5.12mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液に、氷冷、アルゴン雰囲気下、40%アゾジカルボン酸ジエチル/トルエン溶液(2.33mL,5.12mmol)を加え、0℃で30分間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製して、標題化合物の無色油状物(351mg,35%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 2.19(2H, quint., J=6.6Hz), 3.39(2H, t, J=6.6Hz), 3.79(2H, t, J=6.6Hz), 3.97(2H, s).
【0151】
(2)3−{3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピル}チアゾリジン−2,4−ジオン(化合物番号62)
4−ジフェニルメトキシピペリジン(80mg,0.29mmol)及び3−(3−ブロモプロピル)チアゾリジン−2,4−ジオン(142mg,0.60mmol)のアセトニトリル(2mL)溶液に、炭酸カリウム(83mg,0.60mmol)を加え、60℃で2時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精製して、標題化合物の淡黄色油状物(39mg,31%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.52−1.93(6H, m), 1.95−2.13(2H, m), 2.33(2H, t, J=6.9Hz), 2.66−2.81(2H, m), 3.42(1H, m), 3.67(2H, t, J=6.9Hz), 3.89(2H, s),5.50(1H, s), 7.15−7.46(10H, m).
【0152】
例63:化合物番号63の化合物の製造
2−{3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピル}マロン酸ジエチル(化合物番号11;264mg,0.6mmol)のエタノール(2mL)溶液に、ヒドラジン一水和物(50μL,1.0mmol)及びナトリウムエトキシド(38mg,0.6mmol)を加え、室温で18時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧留去した。得られた残渣をSephadex LH−20を用いたカラムクロマトグラフィー(メタノール)で精製して、標題化合物の淡黄色油状物(210mg,91%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.70−1.90(6H, m), 2.22(2H, m), 2.65(4H, m), 2.90(1H, m), 3.14(1H, m), 3.40(2H, m), 5.46(1H, s), 7.26−7.33(10H, m).
FAB−MS m/z: 408[M+H]
【0153】
例64:化合物番号64の化合物の製造
3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピルアミン(例21(3)の化合物;429.6mg,1.3mmol)のエタノール(2mL)溶液に、無水フタル酸(200mg,1.4mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=100:1)で精製して、標題化合物の白色固体(172mg,38%)を得た。
H−NMR(DMSO−d):δ 1.71(4H, m), 1.94(2H, m), 2.50(2H, m), 2.60(2H, m),2.91(2H, m), 3.17(2H, m), 3.45(1H, m), 5.65(1H, s), 7.21−7.43(12H, m),7.65(1H, m), 7.84(1H, m).
EI−MS m/z: 454[M].
【0154】
例65:化合物番号65の化合物の製造
3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピルアミン(例21(3)の化合物;162mg,0.5mmol)のエタノール(1mL)溶液に、トリメリット酸無水物(96mg,0.5mmol)を加え、室温で18時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=50:1)で精製して、標題化合物の白色固体(88mg,35%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.60−2.20(6H, m), 3.05(2H, m), 3.42(2H, m), 3.60−3.80(4H, m), 3.95(1H, m), 5.49(1H, s), 7.20−7.40(10H, m), 7.72(1H, m), 8.22(1H, m), 8.54(1H, brs).
FAB−MS m/z: 499[M+H]
【0155】
例66:化合物番号66の化合物の製造
3−[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]プロピルアミン(例21(3)の化合物;162mg,0.5mmol)のエタノール(1mL)溶液に、4−クロロ無水フタル酸(92mg,0.5mmol)を加え、室温で18時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=100:1)で精製して、標題化合物の白色固体(85mg,35%)を得た。
H−NMR(CDOD):δ 1.50−2.00(6H, m), 3.02(2H, m), 3.30−3.68(6H, m), 3.96(1H, m), 5.59(1H, s), 7.20−7.32(10H, m), 7.50−7.68(2H, m), 8.00(1H, m).
【0156】
例67:化合物番号67の化合物の製造
(1)クロロ酢酸(5−ヒドロキシ−4−オキソ−4H−ピラン−2−イル)メチルエステル
コウジ酸(1.42mg,10.0mmol)のキシレン(10mL)溶液に、クロロアセチルクロリド(800μL,10.0mmol)を加え、2時間加熱還流した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=100:1)で精製して、標題化合物の淡黄色固体(1.15g,54%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 4.15(2H, s), 5.04(2H, s), 6.36(1H, brs), 6.53(1H, s), 7.92(1H, s).
【0157】
(2)[4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン−1−イル]酢酸(5−ヒドロキシ−4−オキソ−4H−ピラン−2−イル)メチルエステル(化合物番号67)
4−(ジフェニルメトキシ)ピペリジン(276mg,1.0mmol)のアセトニトリル(2mL)溶液に、クロロ酢酸(5−ヒドロキシ−4−オキソ−4H−ピラン−2−イル)メチルエステル(268mg,1.2mmol)及び炭酸カリウム(138mg,1.0mmol)を加え、2時間加熱還流した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をクロロホルムに溶解した。クロロホルム溶液を水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の白色固体(227mg,51%)を得た。H−NMR(CDCl):δ 1.73−1.94(4H, m), 2.42(2H, m), 2.81(2H, m), 3.31(2H, s), 3.48(1H, m), 4.95(2H, s), 5.50(1H, s), 6.47(1H, s), 7.20−7.36(10H, m), 7.81(1H, s).
EI−MS m/z: 449[M].
【0158】
例68:化合物番号68の化合物の製造
(1)3−(3−ヒドロキシ−8−アザビシクロ[3,2,1]オクタン−8−イル)プロピオニトリル
ノルトロピン(1.27g,10.0mmol)のアセトニトリル(5mL)溶液に、アクリロニトリル(656μL,10.0mmol)を加え、室温で18時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の無色油状物(1.20g,66%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.68(2H, m), 2.03−2.15(4H, m), 2.47(2H, m), 2.61(2H, m), 3.17(2H, m), 4.03(1H, t, J=5.2Hz).
FAB−MS m/z: 181[M+H]
【0159】
(2)3−(3−ジフェニルメトキシ−8−アザビシクロ[3,2,1]オクタン−8−イル)プロピオニトリル
3−(3−ヒドロキシ−8−アザビシクロ[3,2,1]オクタン−8−イル)プロピオニトリル(1.19g,6.6mmol)のアセトニトリル(5mL)溶液に、ベンズヒドリルクロリド(1.17mL,6.6mmol)及び粉末状水酸化カリウム(370mg,6.6mmol)を加え、1時間加熱還流した。溶媒を減圧留去して得られた残渣を酢酸エチルに溶解した。酢酸エチル溶液を水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製して、標題化合物の淡黄色油状物(391mg,17%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.82−1.90(6H, m), 2.18(2H, m), 2.45(2H, m), 2.60(2H, m), 3.16(2H, m), 3.57(1H, m), 5.40(1H, s), 7.19−7.35(9H, m).
FAB−MS m/z: 347[M+H]
【0160】
(3)3−(3−ジフェニルメトキシ−8−アザビシクロ[3,2,1]オクタン−8−イル)プロピルアミン及び3−ジフェニルメトキシ−8−アザビシクロ[3,2,1]オクタン
水素化リチウムアルミニウム(42mg,1.1mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、3−(3−ジフェニルメトキシ−8−アザビシクロ[3,2,1]オクタン−8−イル)プロピオニトリル(380mg,1.1mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液を加え、室温で1時間攪拌した。反応混合物に水及び2N水酸化ナトリウム水溶液を加え、セライト濾過した。濾液を減圧留去して得られた残渣をシリカゲル固相抽出カラム(洗浄:酢酸エチル、溶出:メタノール)で精製して、3−(3−ジフェニルメトキシ−8−アザビシクロ[3,2,1]オクタン−8−イル)プロピルアミンの淡黄色油状物(128mg,40%)及び3−ジフェニルメトキシ−8−アザビシクロ[3,2,1]オクタンの淡黄色油状物(176mg,46%)を得た。
3−(3−ジフェニルメトキシ−8−アザビシクロ[3,2,1]オクタン−8−イル)プロピルアミン;
H−NMR(CDOD):δ 1.80−1.95(4H, m), 2.02(2H, m), 2.30(2H, m), 3.57(2H, m), 3.64(1H, m), 5.50(1H, s), 7.16−7.44(10H, m).
FAB−MS m/z: 351[M+H]
3−ジフェニルメトキシ−8−アザビシクロ[3,2,1]オクタン;
H−NMR(CDOD):δ 1.56−1.97(6H, m), 2.09−2.26(4H, m), 2.41(2H, m), 2.64(2H, t, J=7.0Hz), 3.21(2H, m), 3.57(1H, m), 5.48(1H, s), 7.17−7.37(10H, m).
FAB−MS m/z: 294[M+H]
【0161】
(4)3−{3−(3−ジフェニルメトキシ−8−アザビシクロ[3,2,1]オクタン−8−イル)プロピルアミノ}−4−エトキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン
3−(3−ジフェニルメトキシ−8−アザビシクロ[3,2,1]オクタン−8−イル)プロピルアミン(166mg,0.5mmol)のエタノール(2mL)溶液に、3,4−ジエトキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン(84μL,0.6mmol)を加え、室温で18時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の無色油状物(92mg,41%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.37(3H, t, J=7.1Hz), 1.95−2.20(6H, m), 2.20−2.52(4H, m), 3.02(2H, m), 3.56(1H, m), 3.70−3.80(3H, m), 4.63(2H, q, J=7.1Hz),4.70(1H, m), 5.40(1H, s), 7.20−7.37(10H, m).
FAB−MS m/z: 475 [M+H]
【0162】
例69:化合物番号69の化合物の製造
3−ジフェニルメトキシ−8−アザビシクロ[3,2,1]オクタン(例68(3)の化合物;118mg,0.4mmol)のエタノール(2mL)溶液に、3,4−ジエトキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン(60μL,0.4mmol)を加え、室温で18時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の淡黄色油状物(116mg,69%)を得た。
H−NMR(CDOD):δ 1.48(3H, t, J=7.1Hz), 1.93−2.12(6H, m), 2.40(2H, m), 3.71(1H, m), 4.32(1H, s), 4.74(2H, q, J=7.1Hz), 4.81(1H, m), 5.42(1H, s), 7.19−7.39(10H, m).
【0163】
例70:化合物番号70の化合物の製造
3−(3−ジフェニルメトキシ−8−アザビシクロ[3,2,1]オクタン−8−イル)−4−エトキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン(化合物番号69;105mg,0.3mmol)のメタノール(2mL)溶液に、28%アンモニア水(0.1mL)を加え、室温で18時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の白色固体(91mg,93%)を得た。
H−NMR(DMSO−d):δ 1.83−2.01(6H, m), 2.20(2H, m), 3.32(2H, s), 3.62(1H, s), 5.60(1H, s), 7.20−7.41(9H, m), 7.69(2H, s).
FAB−MS m/z: 389[M+H]
【0164】
例71:化合物番号71の化合物の製造
(1)4−(3−ヒドロキシ−8−アザビシクロ[3,2,1]オクタン−8−イル)ブチロニトリル
ノルトロピン(1.30g,10.2mmol)のアセトニトリル(10mL)溶液に、4−ブロモブチロニトリル(1.1mL,10.9mmol)及び炭酸カリウム(138mg,1.0mmol)を加え、2時間加熱還流した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧留去して、標題化合物の白色固体(1.90g,98%)を得た。
H−NMR(DMSO−d):δ 1.88(2H, m), 1.98−2.08(4H, m), 2.24−2.36(4H, m), 2.63(2H, m), 2.98(2H, m), 3.89(1H, s), 3.97(2H, s), 9.20(1H, brs).
【0165】
(2)4−(3−ジフェニルメトキシ−8−アザビシクロ[3,2,1]オクタン−8−イル)ブチロニトリル
4−(3−ヒドロキシ−8−アザビシクロ[3,2,1]オクタン−8−イル)ブチロニトリル(777mg,4.0mmol)のアセトニトリル(10mL)溶液に、ベンズヒドリルクロリド(720μL,4.0mmol)及び粉末状水酸化カリウム(230mg,4.1mmol)を加え、3時間加熱還流した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=9:1)で精製して、標題化合物の白色固体(359mg,25%)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 2.01−2.12(4H, m), 2.25(2H, m), 2.45−2.63(4H, m), 2.87(2H, m), 3.66(2H, brs), 3.77(1H, t, J=4.5Hz), 5.41(1H, s), 7.22−7.37(10H, m).
FAB−MS m/z: 361[M+H]
【0166】
(3)3−ジフェニルメトキシ−8−[3−(2H−テトラゾール−5−イル)プロピル]−8−アザビシクロ[3,2,1]オクタン(化合物番号71)
4−(3−ジフェニルメトキシ−8−アザビシクロ[3,2,1]オクタン−8−イル)ブチロニトリル(118mg,0.3mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)溶液に、アジ化ナトリウム(65mg,1.0mmol)及び塩化アンモニウム(54mg,1.0mmol)を加え、90℃で12時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残渣を酢酸エチルに溶解し、濾過した。濾液を減圧留去して得られた残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製して、標題化合物の白色固体(14mg,11%)を得た。
H−NMR(CDOD):δ 2.10−2.30(8H, m), 2.50(2H, m), 3.00(2H, m), 3.10(2H, m), 3.78(1H, m), 3.96(2H, s), 5.50(1H, s), 7.20−7.41(10H, m).
FAB−MS m/z: 404[M+H]
【0167】
試験例1:脾臓型プロスタグランジンD2合成酵素阻害活性の測定
グルタチオン(0.1mM)とヒト造血器型プロスタグランジンD2合成酵素(適量)を含む100mM Tris(hydroxymethyl)aminomethane/HCl緩衝液(pH8.0)の緩衝液を被験化合物存在又は非存在下、25℃で5分間プレインキュベーションし、14CラベルしたプロスタグランジンH2([14C]PGH2)(10μM)を加え、さらに25℃で1分間インキュベーションした。反応液にエーテル、メタノール、クエン酸の混合物を添加し、エーテル層をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)にて展開し(展開溶媒=エーテル:メタノール:酢酸=90:2:1)、イメージングプレートに露光することにより生成したPGD2を定量した。被験化合物の酵素阻害率は、被験化合物非存在下でのPGD2生成量を100%として計算した。 結果を以下に示す。
【0168】
【表8】
Figure 2004051600
【0169】
試験例2:遺伝性脱髄疾患における造血器型プロスタグランジンD合成酵素とDP受容体の誘導
Galactosylceramidase欠損症であるヒトKrabbe病のモデルマウスTwitcher(Brain Res., 202:479−483(1980)、Brain, 103:695−710(1980)、J. Neurochem., 66:1118−1124(1996)、J. Neuropathol. Exp. Neurol., 58:644−653(1999))を用いて、遺伝性の脱髄による脳損傷に伴うH−PGDSとDP受容体のmRNAの変化を定量的RT−PCR法により定量した。
その結果H−PGDSとDP受容体のmRNAの発現量は共に、脱髄による脳損傷に伴い増加した。免疫組織染色法により、H−PGDSはミクログリア細胞と脱髄の進んだ組織局所に集積するAmeboid細胞やマクロファージ細胞に発現し、DP受容体は、脱髄の進んだ組織の周辺に分布する活性化されたアストログリア細胞に発現することを同定した。
【0170】
試験例3:自己免疫性脱髄疾患における造血器型プロスタグランジンD合成酵素とDP受容体の誘導
ヒト多発性硬化症のモデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎マウス(Cell Immunol., 191:97−104(1999)、Nature Review Neuroscience, 3:291−301(2002))においても、定量的RT−PCR法により測定したH−PGDSとDP受容体のmRNAの発現量を測定した。その結果H−PGDSとDP受容体のmRNAの発現量は、共に、脱髄による脳損傷と相関した増加を示した。免疫組織染色法による観察では、H−PGDSはミクログリア細胞と脱髄の進んだ組織局所に集積するAmeboid細胞やマクロファージ細胞に発現した。
【0171】
試験例4:外傷刺激における造血器型プロスタグランジンD合成酵素とDP受容体の誘導
外傷性大脳皮質障害(Stab wound)モデル(Brain Res., 888:87−97(2000)、J.Neurochem., 73:812−820(1999))を用いて、脳損傷におけるH−PGDSとDP受容体のmRNAの発現を調べた。その結果、H−PGDSは損傷後2日目に最大値をとり、DP受容体は2日目から8日目にかけて持続的に増加した。損傷後24時間後から障害部位周囲に集積するミクログリア細胞とマクロファージ細胞でH−PGDSの誘導がおこり、障害部位周辺のアストログリア細胞ではGFAPとDP受容体の発現が増強し、これらの現象は8日後まで持続した。
【0172】
試験例5:ヒト造血器型プロスタグランジンD合成酵素大量発現による外傷性脳損傷の増悪
ヒトH−PGDS大量発現トランスジェニックマウス(WO 01/24607)を用いたStab woundモデルでは、損傷部位でのマクロファージの集積および抗GFAP抗体を用いて免疫組織化学的に調べたアストログリア細胞の活性化が、野生型マウスに比べて顕著であり、治癒は遅延した。
【0173】
試験例6:造血器型プロスタグランジンD合成酵素阻害剤投与による遺伝性脱髄疾患におけるアストログリア細胞の活性化の抑制
Twitcherマウスに、H−PGDS阻害剤であるHQL−79を30mg/kg/dayの用量で、14日間皮下投与した。その結果、アストログリア細胞の活性化が抑制され、同時にアストログリア細胞でのDP受容体の発現が低下した。
【0174】
試験例7:造血器型プロスタグランジンD合成酵素阻害剤投与による外傷性脳損傷におけるDP受容体の誘導の抑制と脳損傷の回復促進
H−PGDS阻害剤であるHQL−79をStab woundモデルマウスに30mg/kg/dayの用量で、4日間経口投与した。その結果、組織損傷領域でのDP受容体mRNAは低下し、脳損傷の回復促進が認められた。
【0175】
【発明の効果】
本発明の医薬は、造血器型PGD2合成酵素に対して強力な阻害作用を有することから、アレルギー、アレルギー性炎症、及び喘息薬などの疾患の予防及び/又は治療のための医薬として有用である。また、脳損傷の憎悪の予防及び/又は予後の改善、性周期調節、睡眠調節、体温調節、鎮痛、又は嗅覚調節などの作用を有する医薬としても有用である。

Claims (11)

  1. 下記一般式(I):
    Figure 2004051600
    (式中、
    Xは、単結合又は下記連結基群α−1:
    〜Cのアルキレン基、C〜Cのアルケニレン基、C〜Cのアルキレン−アミノ基、及びC〜Cのアルキレン−アミノ−アルキレン基
    より選択される基(該基は置換基を有していてもよい)を表し、
    は、置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基を表し、
    は、水素原子、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基、又は置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基を表し、
    は、置換基を有していてもよいアシル基、又は置換基を有していてもよい4〜10員の環式基(ただし、R及びRが水素原子である場合には、Rがテトラゾリル基である場合を除く)を表し、
    及びRは、水素原子を表すか、又はRとRが一緒になってC〜Cのアルキレン基を表す)
    で表される化合物及び薬理学的に許容されるその塩、並びにそれらの水和物及び溶媒和物からなる群から選ばれる物質を有効成分として含み、造血器型プロスタグランジンD2合成酵素に対する阻害作用を有する医薬。
  2. Xが、単結合又は下記連結基群α−2:
    Figure 2004051600
    (ただし、左側の結合手がピペリジン環の窒素原子に結合し、右側の結合手がRに結合する)
    より選択される基(該基はC〜Cのアルコキシ基、又はアシル基で置換されていてもよい)である請求項1に記載の医薬。
  3. が、フェニル基、ハロゲン原子で置換されたフェニル基、又はナフチル基である請求項1又は2に記載の医薬。
  4. が、水素原子、C〜Cのアルキル基、又はフェニル基である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の医薬。
  5. が、下記アシル基群β:
    カルボキシ基、C〜Cのアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、C〜Cのアルカノイル基、及びベンゾイル基、(フラン−2−イル)カルボニル基
    より選択される基(該基は置換基を有していてもよい)、又は下記環式基群γ−1:
    Figure 2004051600
    より選択される基(該基は置換基を有していてもよい)である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の医薬(ただし、R及びRが水素原子である場合には、Rがテトラゾリル基である場合を除く)。
  6. が、下記環式基群γ−2:
    Figure 2004051600
    より選択される基(該基は置換基を有していてもよい)である請求項5に記載の医薬。
  7. 及びRが、水素原子である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の医薬。
  8. 抗アレルギー作用、抗アレルギー性炎症、及び抗喘息作用からなる群から選ばれる1以上の作用を有する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の医薬。
  9. 脳損傷の憎悪の予防作用、及び/又は脳損傷の予後の改善作用を有する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の医薬。
  10. 性周期調節作用、睡眠調節作用、体温調節作用、鎮痛作用、及び嗅覚調節作用からなる群から選ばれる1以上の作用を有する請求項1ないし7いずれか1項に記載の医薬。
  11. 下記一般式(I−1):
    Figure 2004051600
    〔式中、
    X’は、単結合又は下記連結基群α’−1:
    〜Cのアルキレン基、C〜Cのアルケニレン基、C〜Cのアルキレン−アミノ基、及びC〜Cのアルキレン−アミノ−アルキレン基
    より選択される基(該基は置換基を有していてもよい)を表し、
    ’は、置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基を表し、
    ’は、水素原子、置換基を有していてもよいC〜Cのアルキル基、又は置換基を有していてもよいC〜C10のアリール基を表し、
    ’は、置換基を有していてもよいアシル基、又は置換基を有していてもよい4〜10員の環式基(ただし、R’及びR’が水素原子である場合には、R’がテトラゾリル基である場合を除く)を表し、
    ’及びR’は、水素原子を表すか、又はR’とR’が一緒になってC〜Cのアルキレン基を表す。
    ただし、下記一般式(I−2):
    Figure 2004051600
    (式中、
    102’はC〜Cのアルキレン基を表し、
    302’はカルボキシ基を表す)で表される化合物を除く〕で表される化合物若しくは薬理学的に許容されるその塩、又はそれらの水和物若しくはそれらの溶媒和物。
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