JP2004051401A - 金属化層を有する窒化アルミニウム焼結体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】窒化アルミニウムを主成分とするセラミックスグリーンシートに導体高融点金属を含むペーストを塗布した後、全体を同時に焼結して金属化層を有する窒化アルミニウム焼結体を製造するに際して、ペーストの温度を室温以上に保ったまま、スルーホールに充填する。これにより、ペースト中の溶剤量を変更することなく粘度を低下させることができるため、室温でスルーホールにペーストを充填したときより、W粉末の充填率を高くすることができる。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体やIC用の基板、パッケージ材料として有用な、金属化層を有する窒化アルミニウム焼結体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
窒化アルミニウム焼結体は熱伝導率が高いため放熱性に優れると共に、電気絶縁性や機械的強度にも優れているため、発熱量の大きな半導体やICを搭載する基板、パッケージ材料として用いられることが多い。
【0003】
窒化アルミニウム焼結体を基板やパッケージとして用いる場合には、この窒化アルミニウム焼結体の表面及び/又は内部に金属化層(メタライズ層)を形成することが必要となる。
ところが、窒化アルミニウムは金属との濡れ性に劣るため、金属化が困難である。そこで、従来から、濡れ性を改善し、金属化した時の金属化層と窒化アルミニウム焼結体との接着強度を確保するために、金属化層を形成する材料に様々な無機物を添加することが検討されてきた。
【0004】
一方で、近年金属化層の低抵抗化が強く要求されている。また、近年パッケージ材料として窒化アルミニウムを用いることが多くなったが、この場合、多層配線基板構造への要求が高く、層間の導通を確保するために導通孔(ビア)を形成する必要がある。従来ビア径は焼成前で0.2〜0.25mmであった。焼結後は一般的に0.15〜0.2mmとなる。ところが、ビアに対しても低抵抗化への要求が強く、近年0.3〜0.45mm、焼結後で0.25〜0.4mmというビア径が求められることが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来採られていた方策によれば、金属化層と窒化アルミニウムとの接合強度は向上するものの、径の大きなスルーホールに金属化層を充填しようとすると、金属の内部にクラックが生じることがあることが判った。すなわち、通常のビア径である焼結前の0.15〜0.2mm程度の径では、接合強度は問題なく強く、金属化層内にクラック等の不具合は全く発生していないが、ビア径が焼結後0.25〜0.4mmと厚くなると金属化層内にクラックが生じ、金属化層自体の強度が小さくなり、ひどい場合には金属化層が破壊するという問題が発生した。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、ビア径が大きくなった場合でも金属化層内に生じるクラックを防ぎ、窒化アルミニウムとの接合強度も高めることができる、金属化層を有する窒化アルミニウム焼結体の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の金属化層を有する窒化アルミニウムの製造方法は、次の構成を有する。
【0008】
(1)窒化アルミニウムを主成分とするセラミックスグリーンシートにスルーホールを穿孔し、該スルーホール内部に導体高融点金属を含むペーストを充填した後、全体を同時に焼結することにより、金属化層を有する窒化アルミニウム焼結体を製造する方法において、前記ペーストの温度を室温以上に保ったまま、スルーホールに充填することを特徴とする金属化層を有する窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
(2)前記ペーストの温度を40℃以上、60℃以下とすることを特徴とする上記(1)記載の金属化層を有する窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
【0009】
(3)前記ペーストに含まれる導体高融点金属がWであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の金属化層を有する窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
(4)前記ペーストの粘度を室温で10000P以上、1000000P以下とすることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の金属化層を有する窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
(5)前記ペーストの粘度を室温で30000P以上、500000P以下とすることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の金属化層を有する窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の金属化層を有する窒化アルミニウム焼結体を構成する窒化アルミニウム基体は、窒化アルミニウム粉末を主成分とし、これに焼結助剤として広く知られているイットリウム、希土類金属、アルカリ土類金属等の化合物の粉末を0.1〜10wt%程度添加した焼結用粉末を成形し、焼結して得られる。
【0011】
成形方法としては、窒化アルミニウム粉末と焼結助剤粉末にポリビニルブチラール(PVB)等の樹脂結合剤及びジブチルフタレート(DBP)等の可塑剤を混合し、これを造粒した後、プレス等で成形を行っても良いし、混合後、ドクターブレード法でグリーンシートを作製しても良い。また、押し出し法等も適用することができる。
【0012】
ただし、多層構造とするためには、窒化アルミニウムと金属化層とを焼結前に積層して同時焼成する必要がある。この場合、プレス成形では困難であるためグリーンシートを用いることが多い。また、ビア用のスルーホールを形成する場合もプレス成形では困難であるので、グリーンシートを用いて、同時焼成を行うのが一般的である。以下では、主にグリーンシートを用いた同時焼成による作製方法について説明する。
【0013】
グリーンシートには必要に応じて、パンチ等を用いてスルーホールを形成する。このスルーホールには後述する組成のペーストが充填される。充填する方法としては、スクリーン印刷など周知の方法を適用することができる。更に、必要に応じて回路配線等を同様に後述する組成のペーストを塗布して形成する。塗布方法としては、スクリーン印刷、刷毛塗り、スピンローラー塗りなど周知の方法を適用することができる。
【0014】
本発明においてビア及び回路配線形成に用いるペーストは、導体粉末、樹脂結合剤、溶剤からなる。通常用いる接着増強用の無機物は混合しない。本発明では前記導体粉末としてWを用いる。本発明においては、グリーンシートは窒化アルミニウムと導体形成用組成物とを同時に焼結する必要があるが、窒化アルミニウム粉末とW粉末とは焼結温度を近くすることができ、さらに熱膨張率も近いため、導体粉末としてWを用いることが好ましいのである。
【0015】
従来、窒化アルミニウムは金属との濡れ性に劣るため、金属化が困難と考えられてきた。そこで、濡れ性を改善し、金属化した時の窒化アルミニウムとの接着強度を確保するために、接着増強用成分としてペーストに無機物を混合することが検討されてきた。しかしながら、窒化アルミニウムと金属との接合メカニズムから見直した結果、窒化アルミニウムと金属との接合は、接着増強用成分が介在することによる接合メカニズムと、窒化アルミニウム粒子とW粒子とが機械的に噛み合うインターロックによる接合メカニズムとがあることが判った。さらに、窒化アルミニウムと金属との接合強度に対して、粒子同士のインターロックメカニズムの寄与度が大きいことが判った。
【0016】
すなわち、印刷膜厚の増加、スルーホール径の増大に伴って生じる金属化層のクラックを無くすためには、接着増強用無機物の添加ではなく、むしろインターロックによる接合メカニズムを有効に機能させることが最も重要であることが判った。そのためには、グリーンシートやペーストの状態を厳密に制御しなければならないが、以下では、その詳細について、主にグリーンシートに設けたスルーホールにペーストを充填した後に同時焼成によって金属化する方法を例としてあげて説明する。
【0017】
窒化アルミニウムを焼結する際には、グリーンシート及びWペーストがそれぞれ収縮するが、スルーホールに種々のWペーストを充填する実験を繰り返した結果、インターロックによる接合メカニズムを有効に機能させるには、グリーンシートの収縮率の値とスルーホールに充填されたWペーストの収縮率の値とを近づける必要があることが判った。両者の収縮率の値が大きく異なる場合、例えばグリーンシートの収縮率がスルーホールに充填されたWペーストの収縮率より小さい場合、Wペーストの方が大きく収縮するために、Wペーストおよびその周辺部にクラックが生じることになり、一方、グリーンシートの収縮率の方が大きい場合、グリーンシートの方が大きく収縮するために、Wペースト部分が突っ張りグリーンシートにクラックが生じることとなる。
【0018】
この収縮率はグリーンシートの相対密度(窒化アルミニウムの焼結密度に対するグリーンシートの生密度の相対値)及びWペーストの充填率と大きな関係がある。一般的に、グリーンシートの相対密度は次の計算式で表され、通常は70%前後の値である。
グリーンシートの相対密度(%)=(グリーンシートの生密度/窒化アルミニウムの焼結後の密度)×100
【0019】
これに対して、スルーホールに充填されているWの相対密度に相当する充填率は30%〜50%程度である。基本的にはW粉末の充填率も70%に近づけた方が、両者の収縮率が近づくはずで、クラック等を避けることができると考えられる。しかしながら、実際には他の要因も考慮する必要がある。すなわち、ビアホールへ充填したW粉末は焼結の際に、平面方向、厚み方向とも均等に収縮するのに対して、グリーンシートはドクターブレード等でシートを作製する際の残留応力を有しているため、平面方向と厚み方向とで収縮率が異なり、平面方向より厚み方向の収縮率が大きくなる。さらには平面方向内でも収縮率が異なる。また、Wは窒化アルミニウムの焼結温度では完全に緻密には焼結しないため、焼結後の密度が純Wより低い。
【0020】
これらの因子を考慮して、スルーホール内のWペーストの充填率を増加させ、焼結時の収縮率を窒化アルミニウム母材に近づける必要がある。実験的にはW粉末の充填率を約55〜60%以上とすることで、クラック等を防げることが判った。
【0021】
Wペーストをスクリーン印刷によってスルーホール内に充填する場合、充填率を増加させる方法として、ペーストの粘度を高くする方法が考えられる。粘度が高いペーストは溶剤量が少なく、乾燥によって溶剤が除去された後に形成される隙間を少なくすることができるため、結果的にW粉末の充填率を増加させることができる。しかし、一方ではペーストの粘度が高くなると印刷性が劣化するため、スルーホールに均一にペーストを充填することが困難になる。すなわち、印刷性を劣化させないで、W粉末の充填率を増加させるためには、少ない溶剤量でも粘度を低下させる手法が必要となる。そのような手法を各種検討した結果、一般的に粘度は温度が上昇すると低下するという現象を利用し、ペースト温度を室温より高くする方法が、最も簡便に利用できることが判った。
【0022】
すなわち、ペースト温度を室温より高くすることによって、ペースト中の溶剤量を変更することなく粘度を低下させることができるため、室温でスルーホールにペーストを充填したときよりもW粉末の充填率を高くすることができる。このため、焼結後のビアのクラック等を少なくすることができる。
【0023】
また、ペーストの温度は40℃以上、60℃以下であることが好ましい。ペーストの温度が40℃より小さくても、前述のように室温より高ければ、室温でスルーホールにペーストを充填したときより、充填率を上げることはできる。しかしながら、ペーストの粘度の低下効果は40℃以上で、より顕著に現れる。すなわち、ペーストの温度を40℃以上にすることによって、室温時の充填率より、大幅に増加させることができる。さらには、ペースト温度が40℃以上あれば、一年間を通して室温よりペースト温度が高いことになる。すなわち、ペースト温度を一年中一定温度にすることができるため、一定条件でスルーホールに充填することができる。
【0024】
一方、ペースト温度を60℃より高くすると、ペースト粘度の低下の観点からは問題はないが、印刷に用いるスクリーン印刷機のペーストを押し込むためのスキージ等のゴムでできている部品が軟化するという問題がある。例えばスキージが軟化すると印刷時に圧力(印圧)を充分与えることができず、スルーホールにペーストを充填することが困難になるため好ましくない。また、60℃より高いとペースト中の溶剤が印刷中に乾燥し、粘度が変化するため好ましくない。
【0025】
一方、Wペーストの粘度も非常に重要である。Wペーストの粘度は室温で10000P以上、1000000P以下であることが望ましい。ちなみに粘度の値は、測定機器により若干の差が認められるが、本明細書ではブルックフィールド社製の5×HBDV−I+を使用した粘度値を記している。粘度が10000Pより小さいと、ペースト温度を高くした時に粘度が低下しすぎるために好ましくない。具体的には、ペーストを充填した後、グリーンシートを印刷機から取り出す時に、ペーストがスルーホールから流れ出してスルーホール中心部のペーストが無くなったりするという問題が生じる。一方、Wペーストの粘度が1000000Pより大きくなると、ペースト中にほとんど溶剤が無い状態になり、このため、ペースト温度を高くしても、粘度があまり低下せず、スルーホールに均一にペーストを充填することが困難になる。
【0026】
Wペーストの粘度は、更に好ましくは30000P以上、500000P以下であることが望ましい。Wペーストの粘度が30000Pより小さい時は、前述のように粘度が10000P以上であるためスルーホールへの充填後のペーストの流れ出しはなくなるものの、ペースト温度を高くした時の粘度が、まだ低いためにスルーホールへの充填後のペースト表面が陥没することがあり、このため、30000P以上の方が好ましい。
【0027】
一方、Wペーストの粘度が前述のように1000000P以下であれば、ペースト温度を高くすれば粘度を充分に低下させることができるために、スルーホールへのW粉末の充填率向上の効果は期待できる。しかしながら、粘度が500000Pより大きいと、ペースト作製中に粉末、樹脂結合剤、溶剤の混合が充分に行われない場合がある。混合が充分に行われない場合、ペースト中に粉末のダマ等が存在することになり、スルーホールに均一にペーストを充填できなくなり、これは焼結後のビアクラックの発生に直結する。
【0028】
このようにビアホールにWペーストを充填した後、回路印刷を行い、必要に応じてグリーンシートを積層する。積層はシートをモールド中にセットした後に、プレス機により50℃〜80℃程度に熱しながら、5〜10MPa程度の圧力を10〜20分程度かけることにより、熱圧着することによって行う。シート間には必要に応じて溶剤や接着剤を塗布してもよい。
【0029】
積層したシートは、任意の形に切断された後に焼結される。焼結に先立ち、窒化アルミニウムのグリーンシートの樹脂結合剤、可塑剤及びペーストの媒体を除去するために、例えば300〜800℃程度の温度で脱脂処理をしてもよい。
焼結は非酸化性雰囲気中で行うが、窒素雰囲気中で行うのが好ましい。焼結温度、焼結時間は、焼結後の窒化アルミニウム焼結体が熱伝導率等の特性が所望の値となるように設定される。一般的に焼結温度は1600〜2000℃であり、焼結時間は1〜5時間程度に設定される。
【0030】
前記のごとく、本発明の金属化層を有する窒化アルミニウム基板の製造方法によれば、スルーホール径が大きくなった場合でも、スルーホール内の金属化層にクラックが生じるのを防ぎ、窒化アルミニウムと金属化層との接合強度を高めることができる。
【0031】
【実施例】
[実施例1]
97重量部の窒化アルミニウム粉末と3重量部のY203粉末とを混合し、これに樹脂結合剤としてポリビニルブチラールを、また、可塑剤としてジブチルフタレートを、それぞれ10重量部及び5重量部混合して、ドクターブレード法にて0.5mm厚のグリーンシートを成形した。これを金型を使用して100mm×100mmに打ち抜いた後、パンチャーにてφ0.4mmのスルーホールを形成した。なお、一枚のグリーンシートにスルーホールを500個形成した。
【0032】
このスルーホールにWペーストを充填した。平均粒径が2.0μmのW粉末を100重量部として、5重量部の樹脂結合剤であるエチルセルロースと、5重量部の溶媒であるブチルカルビトールに分散させてペーストを作製した。混合にはポットミルと三本ロールを用いた。Wペーストの粘度をブルックフィールド社製の5×HBDV−I+を使用して測定した結果、100000Pであった。このペーストを色々な温度に保ったオーブンに30分間投入し、ペースト温度とビアのクラックの関係を調査できるようにした。その後ペーストをスクリーン印刷機にてスルーホールに充填した。ペースト充填時の室温は25℃であった。
【0033】
次に、印刷後のシートを2枚重ねて積層した。積層はモールドにシートを2枚重ねてセットし、プレス機にて50℃に熱しつつ、10MPaの圧力で2分間熱圧着することで行った。その後、窒素雰囲気中で600℃にて脱脂を行い、窒素雰囲気中で1800℃、3時間の条件で焼結を行った。
【0034】
焼結後、ビア部分にはφ0.35mmのスルーホールに金属化層が形成されていた。次に、ビア部分におけるクラックの発生の有無を確認するために、焼結した窒化アルミニウム基板の表面を研磨し、電子顕微鏡にてクラックの有無を1000倍にて確認した。これらの評価結果をペースト配合内容と同様に表1に示す。なお、同じ条件で作製した基板を10枚用意しこれらについてビアクラックが発生した基板の発生確率を評価した。表中の「ビアクラックが生じた基板の発生確率」は、一枚の基板中にある500個のビアに一つでもクラックが生じていた基板の発生確率を示している。
【0035】
ペースト温度を室温以上にすることで、ビアクラックが発生しない基板を作製することができた。さらに、ペースト温度を40℃以上、60℃以下にすることにより、ビアクラック発生確率を0%にすることができた。
なお、ペースト温度が70℃である試料7では、スルーホールにペーストを充填した後、スクリーン印刷のスキージを観察すると、激しく変形しており、次の実験を行うためには、スキージを交換しなければならなかった。また、この試料7では、印刷を重ねる度にペースト状態が変化し、印刷毎に印刷条件を変更する必要があった。
【0036】
【表1】
【0037】
[実施例2]
使用するWペーストの粘度を変更し、ペースト粘度によってビアクラックがどのような影響を受けるかを調べた。実験方法は実施例1と同様にし、ペースト温度は45℃になるようにした。Wペーストの粘度はペースト作成後、室温にてブルックフィールド社製の5×HBDV−I+を使用して測定した。ペースト粘度測定時、ペースト充填時の室温は25℃であった。
【0038】
ペーストの粘度を10000P以上、1000000P以下とすることによりビアクラックが発生しない基板を作製することができた。さらに、ペーストの粘度を30000P以上、500000P以下とすることにより、ビアクラック発生確率を0%にすることができた。なお、ペースト粘度が10000Pより小さい試料8では、窒化アルミニウム基板を研磨する前に、既にスルーホール中央部に穴が空いていた。また、ペースト粘度が10000Pの試料9では、試料8とは異なり、研磨前にスルーホールに穴は空いていなかったが、スルーホール中央部が陥没気味であった。
一方、ペースト粘度が1000000Pより大きな試料14では、スルーホールにペーストが完全には充填されていなかった。
なお、表中のビアクラックの発生確率には、上述のビア陥没や、完全に充填されていないビアも便宜上ビアクラックとしてカウントした。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、窒化アルミニウムのスルーホールに形成する主に導体高融点金属からなる金属化層において、導体高融点金属として窒化アルミニウムと熱膨張率の近いWを選択した場合、ペーストを室温以上、好ましくは40℃以上、60℃以下にすることによって、ビア径が0.3mm以上と大きくなった場合でも、金属化層を形成する際に、クラックの発生を防ぎ、窒化アルミニウムと金属化層との密着強度を高くすることが出来る。このため、窒化アルミニウムをIC用の基板、パッケージとして好適に用いることができる。
Claims (5)
- 窒化アルミニウムを主成分とするセラミックスグリーンシートにスルーホールを穿孔し、該スルーホール内部に導体高融点金属を含むペーストを充填した後、全体を同時に焼結することにより、金属化層を有する窒化アルミニウム焼結体を製造する方法において、前記ペーストの温度を室温以上に保ったまま、スルーホールに充填することを特徴とする金属化層を有する窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
- 前記ペーストの温度を40℃以上、60℃以下とすることを特徴とする請求項1記載の金属化層を有する窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
- 前記ペーストに含まれる導体高融点金属がWであることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属化層を有する窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
- 前記ペーストの粘度を室温で10000P以上、1000000P以下とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属化層を有する窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
- 前記ペーストの粘度を室温で30000P以上、500000P以下とすることを特徴とする請求項1〜3記載の金属化層を有する窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
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JP2002209293A JP2004051401A (ja) | 2002-07-18 | 2002-07-18 | 金属化層を有する窒化アルミニウム焼結体の製造方法 |
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Cited By (1)
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CN108323003A (zh) * | 2018-01-24 | 2018-07-24 | 深圳市牧泰莱电路技术有限公司 | 一种带金属化通孔的陶瓷线路板及其制造方法 |
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2002
- 2002-07-18 JP JP2002209293A patent/JP2004051401A/ja active Pending
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