JP2004051034A - ドアインパクトバーの取付け構造 - Google Patents

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JP2004051034A JP2002213612A JP2002213612A JP2004051034A JP 2004051034 A JP2004051034 A JP 2004051034A JP 2002213612 A JP2002213612 A JP 2002213612A JP 2002213612 A JP2002213612 A JP 2002213612A JP 2004051034 A JP2004051034 A JP 2004051034A
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Toru Kamata
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Abstract

【課題】本発明は、材料費や製造コストの削減と組み付け工数の削減とを図るとともに重量の低減を促進しながら、十分な衝撃吸収効果を確実に得ることができるようにする。
【解決手段】車両のドア部材の5一部を成して外面側からドアヒンジ部材16が取付けられるヒンジパネル部材7aと、ヒンジパネル部材7aの内面のドアヒンジ部材16と対向する位置に配設されて、ヒンジパネル部材7aと協働してドアヒンジ部材16を支持する支持部2cを有するブラケット部材2と、ブラケット部材2における支持部2の一部がヒンジパネル部材7aから離間して形成された隆起部2bと、隆起部2bに穿設された取付け用孔部2aと、ドア部材5の内部に長手方向に延設されるとともに、その一端が取付け用孔部2aに挿入されて、一端が取付け用孔部2aからヒンジパネル部材7a側へ突出するようブラケット部材2に固定されるインパクトバー部材1とをそなえて構成する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両における側面ドアを補強するドアインパクトバーの取付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車等の車両において種々の衝突対策が施されるようになっており、車両のドア内にドアインパクトバー(以下、単にインパクトバーともいう)を装備して、車両への衝突に対して乗員を保護しようとする技術が開発されている。図7および図8は自動車のドア内に装備される従来のインパクトバーのドアヒンジ側の端部近傍における取付け構造を示すもので、図7はその斜視図、図8は図7のC−C矢視断面図である。
【0003】
図7および図8に示すように、自動車のドア113の一端(通常は前端)には、ヒンジパネル112がそなえられ、このヒンジパネル112にはヒンジプレート114がスポット溶接等によって固設されている。ヒンジプレート114には、2つのウェルドナット115がそなえられ、ドア113はこのウェルドナット115に螺合する図示しない取付けボルトによってドアヒンジ116に結合され、車体117に取付けられる。なお、ドアヒンジ116は車体側部材116aとドア側部材116bとが互いに枢着されて構成される。
【0004】
インパクトバー118はパイプ状のものであり、ヒンジプレート114と同様にドア113の内側に配設される。このインパクトバー118の一端は、ヒンジプレート114の近傍に配設すべき場合が多く、このような場合、ヒンジプレート114に干渉しないように、インパクトバーブラケット(以下、単にブラケットという)119を介してインパクトバー118を取付けるようにしている。
【0005】
このブラケット119は、基端部119aをヒンジパネル112の車体側面外向きの面112aにスポット溶接等により固定され、一方、先端部119bの車体側面外向きの面(これを取付け面という)119cにインパクトバー118の一端118aがアーク溶接等によって結合される。なお、ブラケット119の先端部119bの取付け面119cは、パイプ状のインパクトバー118に合わせて半円筒状凹面に形成されている。
【0006】
ヒンジパネル112の車体側面外向きの面112aは、ドア113内部において、アウタパネル120の内面120aに近い位置にあり、一方、インパクトバー118はある程度の直径(例えば40mm程度)を有するパイプ状のものなので、インパクトバー118をアウタパネル120の内側に収容するためには、ブラケット119は、基端部119aに対して先端部119bの車体側面外向きの取付け面119cをインパクトバー118の直径程度は車内側(図8中、上方)に偏倚させる必要がある。このため、ブラケット119の中間部119dは、取付け面119cが基端部119aに対して所要量だけ車内側に偏倚するように屈曲変形されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のように、従来のインパクトバーの取付け構造では、インパクトバー118の一端118aは、ヒンジプレート114との干渉を回避するようにブラケット119を介して取付けられており、この取付け構造上、ヒンジパネル112に対してインパクトバー118の一端118aが図8に符号dで示すように大きく離隔してしまう。
【0008】
なお、この距離dはブラケット119の中間部119dを極端に屈曲変形させれば短くなるが、ブラケット119の成形にはプレス加工を用いるのがコスト上最も有利であり、プレス加工の場合、中間部119dを極端に屈曲変形させるのは極めて困難である。したがって、ヒンジパネル112とインパクトバー118の一端118aとの距離dはどうしても大きくなってしまう。
【0009】
このため、車両の側面衝突時に、インパクトバー118で受ける衝撃をヒンジパネル112および車体17側に伝達して吸収するためには、インパクトバー118とヒンジパネル112との間のブラケット119に十分な強度をもたせることが必要となり、そのため、一般的には、ブラケット119に板厚の大きい板金を用いることによって、ブラケット119を大型化している。
【0010】
しかしながら、ヒンジパネル112とインパクトバー118の一端118aとの距離dが大きいほど、インパクトバー118が衝撃を受けた際にブラケット119に極めて大きな負荷(力,モーメント)が加わるため、ブラケット119を板厚が厚い大型のものにしても、ブラケット119に延びや変形等が生じてその衝撃を受け止め、車体後方へ伝達させることが困難となる課題がある。
【0011】
また、ブラケット119の板厚を厚くして大型のものにすると、材料費が増加し重量が大きくなるため、車両の製造コスト増やドアの重量増を招いてしまう。特に、ドアの重量増はドア下がりの原因になるほか車両重量の増大を招くため好ましくない。
さらに、ヒンジプレート114とブラケット119とを別体にしているので、従来からのインパクトバーを設けない場合におけるヒンジプレートをそのまま使用することができるものの、二種類の部品を製造することになるため、部品の製造コストの増加や組み付け工数の増加を招くので好ましくない。
【0012】
ところで、特開平9−164841号公報には、ドアのヒンジリテーナ(ヒンジプレート)にインパクトバーブラケットを溶着する構造が提案されている。しかし、この構造は、インパクトバーブラケットをヒンジパネルに直付けする代わりにヒンジプレートに固着させたものであり、ヒンジパネルとインパクトバーの一端との距離dは依然として大きく衝撃吸収効果の向上は何ら図られていない。また、材料費や製造コストや組み付け工数の各面においても十分な改善は図られていない。
【0013】
また、特開平9−52522号公報には、ドアのヒンジブレース(ヒンジプレート)に直接インパクトビームを溶着する構造が提案されている。この構造では、インパクトビームの一端がヒンジパネルに接近しているものの、インパクトビームのヒンジブレースへの結合ポイントは、ヒンジパネルから離隔しており、ヒンジパネルとインパクトバーの一端との実質的な距離dは依然として大きく衝撃吸収効果の向上は図られていない。
【0014】
そこで、このヒンジパネルとインパクトバー端との距離dを縮める為、本願出願人は図4〜図6に示すような構造を案出した。
図4は本発明に至る途中において創案されたインパクトバーの取付け構造が適用されたドア内部を示す模式的な側面図、図5はその要部を示す模式的な斜視図、図6は図5におけるB−B矢視断面を示す模式図である。
【0015】
図4に示すように、インパクトバー101は、ドア105の下部に取付けられる。また、インパクトバー101の前端101aはドア105の前縁のヒンジパネル107a下部に設けられたドアヒンジ(図4では図示略)近傍に第1のブラケット部材(以下、単にブラケットという)102を介して取付けられる。また、インパクトバー101の後端101bはドア105の後縁のパネル部材(以下、後縁パネルという)107bの下部に第2のブラケット部材109を介して取付けられる。
【0016】
このブラケット102とインパクトバー101とはインパクトバー101の前端101a近傍において、溶接によって固設され、また、第2ブラケット109とインパクトバー101とはインパクトバー101の後端101b近傍において溶接によって固設されている。なお、符号106および符号110で示される部分はいずれも溶接ビードである。
【0017】
そして、本発明を創案する過程において考えられたドアインパクトバーの取付け構造は、図4中、ブラケット102を用いてヒンジパネル107aに取付けられるインパクトバー101の前端101a近傍の取付け構造に相当する。
ヒンジパネル107aに取付けられるブラケット102は、図5および図6に示すように、ヒンジパネル107aの内面に沿うようドアヒンジ123と対向する位置に配設されて、ヒンジパネル107aと協働してドアヒンジ123を支持する。ブラケット102は、このように、インパクトバー101の前端101aを支持するとともにドアヒンジ123を支持しており、従来技術のヒンジプレート112の機能とインパクトバーブラケット119の機能とを併せ持っている。
【0018】
ブラケット102は、互いに略90度屈曲して形成された第1面121と第2面122とをそなえている。第1面121はヒンジパネル107aの内面に接合してドアヒンジ123およびインパクトバー101を支持している(このため、第1面121を支持面ともいう)。第2面122はヒンジパネル107の車両外向きに形成された外向き面に接合する。
【0019】
なお、支持面121と第2面122との屈曲形成にはベンドビーム等を用いた曲げ加工を利用することが出来る。また、支持面121および第2面122は図5に×で示す箇所がスポット溶接されてヒンジパネル107aと接合されている。
支持面121には、インパクトバー101を固定するために、取付け用孔部102aが穿設されるとともに取付け用突起部102bが設けられ、また、ドアヒンジ123を固定するために、2つのウェルドナット103が溶着されている。また、支持面121の各ウェルドナット溶着部には、ウェルドナット103に螺合するボルトが挿入される孔部(図示略)がそれぞれ設けられている。
【0020】
この取付け用孔部102aは、円筒パイプ状のインパクトバー101の前端101aがタイトに挿入しうるように、インパクトバー102bの外径よりも微小に大きい内径に設定され、打抜プレス加工を用いて形成することが出来る。また、取付け用突起部102bは、取付け用孔部102aの周囲に円弧状に形成されており、バーリング加工を用いて形成することが出来る。
【0021】
2つのウェルドナット103は、取付け用孔部102aの上下にそれぞれ溶着されており、このウェルドナット103に螺合する図示しない取付けボルトによってヒンジパネル107aがドアヒンジ123のドア側部材123bに結合される。また、ドアヒンジ123の車体側部材123aが車体117に取付けられ、これにより、ドアヒンジ123を介してドア105が車体117に取付けられる。
【0022】
さらに、取付け用孔部102aの一部から支持面121と第2の面122との屈曲部を含むように切欠部124が形成されている。この切欠部124は、支持面121と第2面122との折曲加工を容易にするとともに、この折曲加工によって支持面121や第2の面122の平面性が低下しないようにするためのものである。つまり、取付け用孔部102aの近くを折曲加工すると、取付け用孔部102aの縁部と折曲線とが平行に近くなるので折曲加工が難くなり、折曲加工できた場合にも取付け用孔部102aの周囲の平面性が低下し易くなる。また、取付け用孔部102aの周囲にバーリング加工等によって取付け用突起部102bを突設するとこの加工部周辺が加工硬化するため、いっそう折曲加工がし難くなり、折曲加工できた場合にも平面性が低下し易くなる。そこで、支持面102aと第2面122との折曲加工部の近くに取付け用孔部102aや取付け用突起部102bが近接することがないように、切欠き部124を形成しているのである。なお、この切欠き部124の縁部は、折曲線と直交または略直交する向きに向けられているので、折曲加工は容易であり、折曲加工後の平面性も確保し易い。
【0023】
しかしながら、上述のように考えられたインパクトバーの取付け構造においては、小径インパクトバー(例えば、外径25.4〜31.8mm)を取付けるのが困難であるという課題があった。
これは、取付け用突起部102bがバーリング加工によって形成されていることに起因する。つまり、バーリング加工においては、パンチングで下穴を抜いて、その後、その下穴の内径よりも若干大きめの外径を有するパンチチップを前記下穴に強く圧接してフランジ(図5および図6においては、取付け用突起部102bがフランジに相当する)を形成するが、フランジ形成後の穴の内径を比較的小径にしたい場合においては、バーリング加工を行うことが困難なためである。
【0024】
一方、インパクトバーは必要な強度を得ることが出来るのであれば、出来るだけ軽い素材を用いて作成されることが車両の軽量化の観点からは好ましく、また、ドア内スペースの有効利用性の観点からは、出来るだけ外径の小さい材料を用いて作成されることが好ましい。
従って、インパクトバーの外径は従来よりも小さくなる傾向にあり、このような小径インパクトバーを確実にドア内部に取付けることが出来る構造が望まれている。
【0025】
また、上述のインパクトバーの取付け構造においては、車両前方で衝撃が生じた場合、その衝撃はドアヒンジ123からドアインパクトバー101の前端101aに対して車両後方へ向けて入力される。このような場合、取付け用突起部102bと溶接ビード106との間では引っ張り荷重が作用するため溶接ビード106が剥がれやすいという課題もある。
【0026】
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、材料費や製造コストの削減と組み付け工数の削減とを図るとともに重量の低減を促進しながら、十分な衝撃吸収効果を確実に得ることが出来るようにした、ドアインパクトバーの取付け構造を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明のドアインパクトバーの取付け構造は、車両のドア部材の一部を成して外面側からドアヒンジ部材が取付けられるヒンジパネル部材と、該ヒンジパネル部材の内面の該ドアヒンジ部材と対向する位置に配設されて、該ヒンジパネル部材と協働して該ドアヒンジ部材を支持する支持部を有するブラケット部材と、該ブラケット部材における該支持部の一部が該ヒンジパネル部材から離間して形成された隆起部と、該隆起部に穿設された取付け用孔部と、該ドア部材の内部に該ドア部材の長手方向に延設されるとともに、その一端が該取付け用孔部に挿入されて、該一端が該取付け用孔部から該ヒンジパネル部材側へ突出するよう該ブラケット部材に固定されるドアインパクトバー部材とを有することを特徴としている。
【0028】
このため、ドアインパクトバーの一端(前端)は、ドアヒンジ部材を有するヒンジパネル部材と接合したブラケット部材と結合されることとなるので、ドアヒンジ部材よりも車両前方において生じた衝撃をドアインパクトバーが車体の骨格部材に伝達させ、その衝撃を分散させることが可能となり、ドアの強度向上に効果的に寄与することが出来るので、安全性向上の促進に寄与することが出来る。また、ブラケット部材に対してバーリング加工が不要となり、小径のインパクトバーを取付けることが可能となる。
【0029】
また、請求項2記載の本発明のドアインパクトバーの取付け構造は、上記請求項1記載の構成において、該インパクトバー部材は、該取付け用孔部から突出する該一端側の周囲と該取付け用孔部の周囲とが溶着されて、該ブラケット部材に固定されていることを特徴としている。
このため、ドアヒンジ部材よりも車両前方において生じた衝撃がドアインパクトバーに入力されても、ドアインパクトバーとブラケット部材との溶着金属(溶接ビード)に加えられる荷重が引張荷重ではなく圧縮荷重となるので溶着金属が剥離しにくくなり、その結果、ドアの強度が更に向上する。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態にかかるドアインパクトバーの取付け構造について、図1〜図3を用いて説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかるドアインパクトバーの取付け構造を模式的に示す側面図、図2はその要部を示す模式的な斜視図、図3はその水平断面を模式的に示す図であって、図2のA−A矢視断面図である。
【0031】
以下、本発明のドアインパクトバーの取付け構造を、図1中、ブラケット2を用いてヒンジパネル7aに取付けられるインパクトバー1の前端1a近傍の取付け構造に適用した場合について説明する。
図1に示すように、インパクトバー1は内部が中空である円筒パイプ形状をしており、ドア5の内部下方に取付けられ、また、インパクトバー1の前端1aはドア5のドアインナパネル7における前縁側部材であるヒンジパネル7aの下部に設けられたドアヒンジ(図1では図示略)近傍に、第1ブラケット部材(以後、単に「ブラケット」という)2を介して取付けられている。また、インパクトバー1の後端1bはドア5のドアインナパネル7におけるの後縁側部材である後縁パネル7bの下部に第2のブラケット部材9を介して取付けられる。このインパクトバー1の前端1aはブラケット2に対して溶接によって固設され、また、インパクトバー1の後端1bは第2ブラケット9に対して溶着によって固設されている。なお、図中の符号10で示す部分は溶接ビードである。また、本実施形態においては、ドアヒンジがドア5よりも車体前方側に位置している。
【0032】
ヒンジパネル7aに取付けられるブラケット2は、図2に示すように、ヒンジパネル7a内面に沿う形状をしており、×印で示す箇所がスポット溶接されてヒンジパネル7aに対して固設されている。また、その固設位置は、図3に示すように、ヒンジパネル7aの車体前方側の面に設けられたドアヒンジ16とヒンジパネル7aを挟んで対向する位置に配設されるようになっており、ヒンジパネル7aと協働してドアヒンジ16を支持するようになっている。
【0033】
つまり、ブラケット2は、インパクトバー1の前端1aを支持するとともにドアヒンジ16を支持しており、従来技術におけるヒンジプレートの機能とインパクトバーを支持するための専用ブラケットの機能とを併せ持っている。なお、このヒンジプレートは一般的にヒンジリンフォースという名称で呼ばれる場合もある。また、ブラケット2とインパクトバー1とは溶接によって固設されており、インパクトバー1とブラケット2とはブラケット2の車両前側で溶接されている。具体的には、取付け用孔部2aからヒンジパネル7aに対して挿入されたインパクトバー1の前端1a近傍とブラケット2における隆起部2bのヒンジパネル7aと対向する面との間で溶着されている。
【0034】
また、このブラケット2は、大別して2つの面から構成されている。第1の面2cはヒンジパネル7aの車体後方側の内面に接合してドアヒンジ16およびインパクトバー1を指示する(このため、第1面2cを「支持面」ともいうことがあり、また、単に「第1面」ということもある)。そして、第2の面(以後、「第2面」という)2dはヒンジパネル7aの車両外側に形成された外面であるドアアウタパネル8に対向している。なお、支持面2cと第2面2dとの屈曲形成にはベンドビーム等を用いた曲げ加工を利用することが出来る。
【0035】
また、支持面2cの一部分がヒンジパネル7aから離間してドア5の内部へ隆起して隆起部2bを形成しており、また、この隆起部2bには、インパクトバー1が挿入されるための開口である取付け用孔部2aが穿設されている。また、この隆起部2bの外形寸法は取付け用孔部2aに挿入されるインパクトバー1の外径よりも若干大きめに形成され、また、ヒンジパネル7aに対する溶接箇所(図2において×印で示す箇所)に影響しない範囲で、支持面2cからプレス加工などにより隆起させることによって形成される。
【0036】
また、隆起部2bに穿設された取付け用孔部2aは、円筒パイプ状のインパクトバー1の前端1aがタイトに挿入しうるように、インパクトバー1の外径よりも微小に大きい内径を有するように形成されている。
更に、図2に示すように、ブラケット2の支持面2c上には、ドアヒンジ16を固定するため2つのウェルドナット3が隆起部2bの上下にそれぞれ溶着され、また、各ウェルドナット3が溶着された支持面2cの部分には、ドアヒンジ16のドア側部材16bにおける孔部(図示略)に挿入され、ウェルドナット3に螺合されるボルト(図示略)が挿入するための孔部(図示略)がそれぞれ設けられている。また、ドアヒンジ16の車体側部材16aは車体17に取付けられるとともに、ドア側部材16bに回動可能に軸支されており、これにより、ドアヒンジ16を介してドア5が車体17に対して開閉可能に固定されるようになっている。
【0037】
なお、図3に示すように、インパクトバー1の前端1aは、ヒンジパネル7aに極めて接近した状態で設けられており、インパクトバー1の前端1aとヒンジパネル7aとの距離(図8に示す距離dを参照)が微小なものになっている。
以上のように、本発明は車両用ドア5内部におけるインパクトバー1の取付け構造であって、このインパクトバー1の取付け構造は、ドア5の強度を高めるためのインパクトバー1と、ドア5とインパクトバー1との間に介装され、ドア5の内面に溶着されるとともにインパクトバー1に溶着されてインパクトバー1をドア5内部に固設するブラケット部材2とから構成され、このブラケット2は、ブラケット部材2における一部分がドア5内面から離隔して形成された隆起部2bと、この隆起部に設けられた開口であってインパクトバー1が挿入される取付け用孔部2aとから構成されている。更に、インパクトバー1とブラケット部材2とは、取付け用穴部2a周縁近傍におけるドア5内面と対向する面と、取付け用穴部2aに挿入されたインパクトバー1の周面とで溶着されている。
【0038】
本発明の一実施形態としてのドアインパクトバーの取付け構造は上述のように構成されるので、以下のような作用・効果が得られる。
インパクトバー1の一端(前端)1aは、ブラケット2における支持面2cに形成された取付け用孔部2aの周囲にビーム溶接等によって溶接されている。また、この溶接箇所には溶接ビード(溶着金属)6が形成される。
【0039】
これにより、車両の前突時などのように車両の前方から後方に対して衝撃が加わると、まず、この衝撃はドアヒンジ16からヒンジパネル7a、およびブラケット2を介してインパクトバー1へと伝達される。その際、インパクトバー1の前端1aとヒンジパネル7aとの距離(図8に示す距離dを参照)だけ、ヒンジパネル7aおよびブラケット2に変形が生じ、ヒンジパネル7aとインパクトバー1の前端1aが当接し、衝撃がインパクトバー1へ伝達される。インパクトバー1に伝達された衝撃は、インパクトバー後端1bから第2ブラケット9およびドアインナパネル後縁7bへと伝達され、ドアインナパネル後縁7bよりも後方の車体17における骨格部材(図示略)へ伝達された後に分散される。
【0040】
つまり、ドアインパクトバー1は、ドアヒンジ部材16が固定されたヒンジパネル7aと接合したブラケット2により、前端(一端)1aとヒンジパネル7aとの間にほとんど隙間が無いように配設されているので、ドアヒンジ16よりも車体前方において生じて車体前方から車体後方に生じる衝撃をドアインパクトバー1によって確実に伝達することが出来る。その際、ドアインパクトバー1の前端(一端)1aとヒンジパネル7aとの間にほとんど隙間が無いことから、インパクトバー1に加わる衝撃に対するブラケット2の衝撃負荷が大きく軽減され、ブラケット2の板厚を薄くして小型化することが可能となり、材料費や製造コストの削減、組み付け工数の削減、重量低減等に寄与する効果がある。
【0041】
さらに、ブラケット2がドアヒンジ16を支持する機能と、インパクトバー1の前端(一端)1aを支持する機能とを併せ持つため、この点からも、従来に比べて部品点数が削減され、低コスト化や組み付け工数の削減、重量低減を促進出来る。
なお、ドアヒンジ16よりも車体前方において生じて車体前方から車体後方に生じる衝撃がドアインパクトバー1に伝達される際、インパクトバー1とブラケット2との間の溶接ビード(溶着金属)6に加えられる荷重が、引張荷重ではなく圧縮荷重として溶接ビード(溶着金属)6に作用するので、溶接ビード(溶着金属)が剥離し難くなり、その結果、衝突に対するインパクトバー1とブラケット2との結合強度が向上してドア強度向上に寄与し、安全性の向上が促進されるという効果もある。
【0042】
更に、ブラケット部材においてバーリング加工が不要となるので、小径のインパクトバーを取付けることが可能となるとともに、図1を用いて説明した切欠き部124の形成も必要としない。
つまり、図6に示す取付け用突起部102bをバーリング処理によって形成する場合においては、取付け用孔部102aの一部から支持面121と第2の面122との屈曲部を含むように切欠き部124を形成して、支持面121と第2面122との折曲加工を容易にするとともに、この折曲加工によって支持面121や第2の面122の平面性が低下しないようにする必要があった。これは、取付け用孔部102aの周囲にバーリング加工等によって取付け用突起部102bを突設するとこの加工部周辺が加工硬化するため、折曲加工がし難くなり、折曲加工できた場合にも平面性が低下し易くなるので、支持面102aと第2面122との折曲加工部の近くに取付け用孔部102aが近接することがないように、切欠き部124を形成して折曲加工後の平面性を確保するという理由からである。
【0043】
また、取付け用孔部102aの近くを折曲加工すると、取付け用孔部102aの縁部と折曲線とが平行に近くなるので折曲加工が難くなり、折曲加工できた場合にも取付け用孔部102aの周囲の平面性が低下し易くなるという理由もあった。
しかし、本発明においては、図2に示すように、支持面2cと第2面2dとの折曲加工部分から取付け用孔部2aが離れており、また、バーリング加工等によって取付け用突起部102bを設ける必要が無いため、切欠き部124を形成する必要もない。
【0044】
なお、本発明は上述した実施態様およびその変形例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することが出来る。
例えば、上述の実施形態においては、隆起部2bにおけるヒンジパネル7aと対向する面における取付け用孔部2a周縁とインパクトバー1の全周とを溶接しているが、強度が充分に得られるならば、インパクトバー1の全周を溶接せず部分的に適当な箇所(例えば、インパクトバー1の上部、左部、右部および下部の合計4箇所)を溶接しても良い。
【0045】
また、上述の実施形態においては、図3に示すように、隆起部2bにおけるヒンジパネル7aと対向する面における取付け用孔部2a周縁とインパクトバー1の全周とを溶接しているが、これに加えて、隆起部2bにおけるドア5内部側の面(図3においては車体後方側の面)の取付け用孔部2a周縁とインパクトバー1とを溶接してもよい。この場合、ドア強度の向上が更に向上する。
【0046】
また、上述の実施形態においては、図1に示すように、ドアインナパネル7における車両前方側のパネル部材であるドアヒンジパネル7aに対してブラケット2を設けた場合について説明したが、当然に第2ブラケット9を上述のブラケット2に示す形状および構造としても構わない。
【0047】
また、上述の実施形態においては、図1に示すように、インパクトバー後端1bをドア5の下方に固定しているが、ストライカ(図示略)とラッチ(図示略)によって構成されるドアラッチ機構(図示略)のラッチ近傍に固定しても良い。この場合、車体前方からインパクトバー1に対して入力された衝撃がドアラッチ機構を通じて車体17の骨格部材へ効率的に伝達されるため、ドア強度が更に向上し、安全性向上の促進に寄与することが出来る。
【0048】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のドアインパクトバーの取付け構造によれば、ドアインパクトバーの一端(前端)は、ドアヒンジ部材を有するヒンジパネル部材と接合したブラケット部材と結合されることとなるので、ドアヒンジ部材よりも車両前方において生じた衝撃をドアインパクトバーが車体の骨格部材に伝達することが可能となり、ドアの強度向上に効果的に寄与することが出来るので、安全性向上の促進に寄与することが出来る。また、ブラケット部材に対してバーリング加工が不要となり、小径のインパクトバーを取付けることが可能となるという利点がある(請求項1)。
【0049】
また、衝撃がドアインパクトバーに対してその一端(前端)から入力されても、ドアインパクトバーとブラケット部材との溶着金属に加えられる荷重は引張荷重ではなく圧縮荷重となるので溶着金属が剥離しにくくなり、その結果、ドアの強度が更に向上するという利点がある(請求項2)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るドアインパクトバーの取付け構造を示す模式的な側面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るドアインパクトバーの取付け構造の要部を示す模式的な斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るドアインパクトバーの取付け構造の要部を示す模式的な図であって、図2のA−A矢視断面図である。
【図4】本発明を創案する過程において考えられたドアインパクトバーの取付け構造を示す模式的な側面図である。
【図5】本発明を創案する過程において考えられたドアインパクトバーの取付け構造の要部を示す模式的な斜視図である。
【図6】本発明を創案する過程において考えられたドアインパクトバーの取付け構造の要部を示す模式的な図であって、図5のB−B矢視断面図である。
【図7】従来のドアインパクトバーの取付け構造の要部を示す模式的な斜視図である。
【図8】従来のドアインパクトバーの取付け構造の要部を示す模式的な図であって、図7におけるC−C矢視断面図である。
【符号の説明】
1 ドアインパクトバー(インパクトバー)
2 ブラケット部材(ブラケット,ヒンジリンフォース)
2a 取付け用孔部
2b 隆起部
5 ドア部材
7a ヒンジパネル部材(ヒンジパネル)
16 ヒンジ

Claims (2)

  1. 車両のドア部材の一部を成して外面側からドアヒンジ部材が取付けられるヒンジパネル部材と、
    該ヒンジパネル部材の内面の該ドアヒンジ部材と対向する位置に配設されて、該ヒンジパネル部材と協働して該ドアヒンジ部材を支持する支持部を有するブラケット部材と、
    該ブラケット部材における該支持部の一部が該ヒンジパネル部材から離間して形成された隆起部と、
    該隆起部に穿設された取付け用孔部と、
    該ドア部材の内部に該ドア部材の長手方向に延設されるとともに、その一端が該取付け用孔部に挿入されて、該一端が該取付け用孔部から該ヒンジパネル部材側へ突出するよう該ブラケット部材に固定されるインパクトバー部材とを有することを特徴とする、ドアインパクトバーの取付け構造。
  2. 該インパクトバー部材は、該取付け用孔部から突出する該一端側の周囲と該取付け用孔部の周囲とが溶着されて、該ブラケット部材に固定されている
    ことを特徴とする、ドアインパクトバーの取付け構造
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009018768A (ja) * 2007-07-13 2009-01-29 Mazda Motor Corp 自動車のドア構造
JP2018094991A (ja) * 2016-12-09 2018-06-21 トヨタ紡織株式会社 乗物用シート
JP2019111926A (ja) * 2017-12-22 2019-07-11 トヨタ自動車株式会社 車両用ドア構造

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