JP2004050870A - バンパーステイ部材の取付方法および位置決め治具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】位置決め治具10は、一対の緩衝性を有する樹脂製材料からなるパッド部12a、12bと、前記パッド部12a、12bの略中央部を互いに連結する円柱状の連結シャフト14と、前記連結シャフト14をパッド部12a、12bに連結する一対のボルト16a、16bと、前記パッド部12a、12bの側面から突出した突起部18の上面に下方に向かって所定角度傾斜した傾斜面20と、前記突起部18の下面に前記一側面に対して略直交する押え面28とから形成される。前記位置決め治具10の突起部18をヘッドライトとバンパーステイとの間に装着して、仮止め状態のバンパーステイの位置を調整してから固定し、前記バンパーステイの上部にバンパーを取り付ける。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、自動車のヘッドライトとバンパーとが非接触に設けられる車両において、バンパーが装着されるバンパーステイ部材を所望の位置に固定し、前記バンパーとヘッドライトとの間のクリアランスを一定間隔に保持することが可能なバンパーステイ部材の取付方法および位置決め治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動車のフロントとリアには、衝突時における車両本体へのダメージを軽減するために樹脂製材料からなるバンパーが装着されている。
【0003】
バンパーを車両のフロント側に取り付ける際において、一般的には、バンパーは車両のフロント側の略中央部のバンパービームの上面を取付基準として装着され、前記バンパーの上方を車両の左右に一対となって設けられるヘッドライトに当接させて位置決めされている。なお、バンパーの取付基準は車種毎に異なっている。
【0004】
ここで、バンパービーム1の上面を取付基準としてバンパーを装着する方法について図9に基づいて説明する。バンパービーム1から車両の左右方向に向かって延在するようにバンパーステイ2が装着され、前記バンパーステイ2は、断面コ字状で長尺に形成されている。そして、前記バンパーステイ2の一端部に形成される取付部3が、前記バンパービーム1と略直交して車両の後方に延在するフロントサイドフレーム4の取付孔5に複数の固定ボルト6を介して固定されている。バンパーステイ2の図示しない他端部は、図示しないサイドメンバに固定されている。
【0005】
バンパーステイ2はフロントサイドフレーム4に固定される際、略長方形状の位置決め治具7によってその高さ位置が位置決めされている。前記位置決め治具7は上面が平面状に形成されるとともに、一側面からは所定長だけ突出したピン部8を備える。
【0006】
そして、フロントサイドフレーム4の取付孔5の下方には治具孔9が形成され、該治具孔9に前記ピン部8を挿入して前記位置決め治具7の上面を略水平な状態とする。
【0007】
そして、位置決め治具7の上面にバンパーステイ2の取付部3の下面を載置することにより、前記バンパービーム1の上面とバンパーステイ2の上面との高さ位置が一致した状態となる。なお、前記位置決め治具7は、前記ピン部8を治具孔9に挿入してバンパーステイ2をその上面に載置した際、予めバンパービーム1の上面とバンパーステイ2の上面の高さ位置が一致するようにその上面位置が設定されている。
【0008】
最後に、前記位置決め治具7の上面に載置され、バンパービーム1およびバンパーステイ2の上面の位置が一致した状態で、バンパーステイ2の取付孔5の前記固定ボルト6を締め付けて、バンパーステイ2をフロントサイドフレーム4に固定している。
【0009】
そして、前記バンパービーム1およびバンパーステイ2の上面に図示しないバンパーを載置して一体的に固定するとともに、前記バンパーの上方を図示しないヘッドライトの下方に当接させた状態とすることにより、前記バンパーが所望の位置に位置決めされる。なお、固定されたバンパーステイ2の両端部には、車両の左右方向に装着される図示しないフェンダーボディの先端部が連結されている。
【0010】
すなわち、前記バンパーは、前記位置決め治具7によって高さ方向の位置が決められたバンパーステイ2と、前記ヘッドライトとによって所望の位置に位置決めされている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来技術に係るバンパーステイ2の取付方法においては、前記位置決め治具7によって図示しないバンパーが載置されるバンパーステイ2の高さ位置を位置決めし、その上面の高さ位置とバンパービーム1の上面の高さ位置とを一致させるようにしている。しかしながら、車両のデザイン上の要請などから図示しないヘッドライトとバンパーとを非接触な状態で取り付けている車種においては、前記バンパーの取付け位置を決める際、ヘッドライトに当接させて行うことができない。そのため、前記ヘッドライトとバンパーとが接触することがないようにバンパーステイ2の高さ位置のみでなく、車両の略水平方向に対する位置決めを行う必要がある。
【0012】
その際、前記位置決め治具7ではバンパーステイ2を車両の略水平方向に沿った所望の位置に合わせることができないため、バンパーステイ2の車両の略水平方向に沿った取付位置がばらついてしまう。そのため、前記バンパーステイ2に対して前記バンパーを取り付けた際、前記バンパーとヘッドライトとの間に生じるクリアランスが不均一となり易く、一定間隔に保持することは困難なものとなっている。
【0013】
そこで、現在では、前記ヘッドライトとバンパーとの間に生じるクリアランスの不均一を解決するために、バンパーを取り付けた後に熟練した作業者が該当する車種の1台毎に手作業で前記クリアランスが一定間隔となるように調整作業を行っている。しかしながら、前記クリアランスの調整作業が煩雑であるため、多くの時間を要し、作業効率が低下するという問題がある。
【0014】
また、前記調整作業は、該当車種の1台毎に前記クリアランスの状況が変化するため、熟練した作業者による経験に基づいた調整作業を要する。そのため、前記調整作業を行うことのできる作業者が限定され、前記調整作業を標準化することが困難であるという問題がある。
【0015】
本発明は、前記の問題を考慮してなされたものであり、ヘッドライトとバンパーとの間のクリアランスを簡便に一定間隔として組み付けることが可能なバンパーステイ部材の取付方法および位置決め治具を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、自動車のヘッドライトとバンパーとを非接触に設け、前記ヘッドライトを取付基準としてボディにバンパーステイ部材を取り付けるための方法であって、
前記ヘッドライトを取り付けた後、前記ボディに前記バンパーステイ部材を仮止めする工程と、
前記ヘッドライトに対して相似形状からなる2つの側面が形成され、該ヘッドライトに当接する第1保持部と、前記バンパーステイ部材に対して他の2つの側面が当接する第2保持部とを有する位置決め治具を介して前記ヘッドライトに前記第1保持部を当接させて保持する工程と、
前記ヘッドライトに当接した状態を保持しながら前記位置決め治具の第2保持部に対し、前記バンパーステイ部材を変位させて当接させる工程と、
前記位置決め治具のヘッドライトおよびバンパーステイ部材との隙間をなくして、仮止めされていた前記バンパーステイ部材を前記ボディに固定する工程と、
を有することを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、自動車のヘッドライトとバンパーと非接触に設けられる場合において、位置決め治具の第1保持部の2つの側面をヘッドライトに当接させた状態で保持し、ボディに仮止めされたバンパーステイ部材を変位させて第2保持部の他の2つの側面に当接させる。そして、位置決め治具がヘッドライトとバンパーステイ部材とに当接した状態で、仮止めされていた前記バンパーステイ部材をボディに固定する。従って、前記ヘッドライトによって位置決めされた位置決め治具に対してバンパーステイ部材が当接されているため、ヘッドライトに対するバンパーステイ部材の位置が常に所望の位置に位置決めされる。その結果、バンパーステイ部材の上面に載置されるバンパーとヘッドライトとの間のクリアランスが常に一定間隔となり、前記クリアランスの煩雑な調整作業が不要となる。そのため、作業者が簡便にかつ高精度にバンパーを装着することができるため、取付作業の標準化を図ることができる。
【0018】
また、本発明は、自動車のヘッドライトとバンパーとを非接触に設け、前記ヘッドライトを基準としてボディにバンパーステイ部材を位置決めするための位置決め治具であって、
前記位置決め治具は、前記バンパーステイ部材の長手方向に沿って形成されるパッド部を備え、前記パッド部には、前記ヘッドライトの断面形状に対応した隣接する2つの側面からなる第1保持部が形成されるとともに、前記第1保持部の反対側に前記バンパーステイ部材の断面形状に対応した隣接する他の2つの側面からなる第2保持部が形成されることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、パッド部にヘッドライトの断面形状に沿った2つの側面を有する第1保持部と、バンパーステイ部材の断面形状に沿った他の2つの側面を有する第2保持部とが形成されている。このように、前記パッド部をヘッドライトとバンパーステイ部材との間に装着することにより、前記パッド部を前記ヘッドライトに当接させて確実に保持することができるとともに、第2保持部に当接させるバンパーステイ部材を所望の位置に確実に位置決めすることができる。
【0020】
さらに、前記パッド部が所定間隔離間する一対のパッド部からなり、前記一対のパッド部をシャフト部材を介して略平行に連結することにより、位置決め治具の全体を長尺状とすることができる。そのため、前記取付治具をヘッドライトとバンパーステイとの間に装着した際に好適にクリアランスを一定間隔に保持することができる。
【0021】
さらにまた、前記パッド部を緩衝性材料から形成することにより、前記位置決め治具をヘッドライトとバンパーステイ部材との間に装着した際にヘッドライトおよびバンパーステイ部材が損傷することがなく、外観の品質を保持することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明に係るバンパーステイの取付方法および位置決め治具について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0023】
図1において、参照符号10は、本発明の実施の形態に係るバンパーステイの取付方法に用いられる位置決め治具を示す。
【0024】
この位置決め治具10は、一対のパッド部12a、12bと、前記パッド部12a、12bの略中央部を互いに連結する円柱状の連結シャフト14と、前記連結シャフト14をパッド部12a、12bに連結する一対のボルト16a、16bとからなる。
【0025】
前記パッド部12a、12bは、緩衝性を有する樹脂製材料(例えば、硬質ウレタン)より所定の厚さに形成され、一側面より所定長だけ突出した突起部18がそれぞれ形成されている。前記突起部18は、略同一形状に形成されている。
【0026】
前記突起部18の上面には、図2に示されるように、その一側面の途中から下方に向かって所定角度傾斜した傾斜面20が形成され、バンパーステイ22を装着する際に前記傾斜面20が自動車のヘッドライト24(図6参照)の所定角度傾斜した下面に当接する。すなわち、前記傾斜面20の傾斜角度は、前記ヘッドライト24の下面形状に対応するように設定される。
【0027】
また、パッド部12a、12bの上方に向かって延在する前記一側面には、バンパーステイ22を装着する際にヘッドライト24の前面に当接して保持する第1保持面26が形成され、前記傾斜面20と第1保持面26の2つの側面によってヘッドライト24が保持される第1保持部27として機能する。
【0028】
前記突起部18の下面には、前記第1保持面26に対して略直交する平面からなる押え面28が形成され、自動車のバンパー50(図7参照)を組み付ける際に前記バンパー50が載置されるバンパーステイ22(図6参照)の上面が当接する。
【0029】
また、パッド部12a、12bの下方に向かって延在する前記一側面には、バンパーステイ22を装着する際に該バンパーステイ22の側面に当接して保持する第2保持面30が形成され、相互に直交する前記押え面28と第2保持面30の2つの側面によってバンパーステイ22が保持される第2保持部31として機能する。
【0030】
換言すると、図6および図7に示されるように、前記バンパーステイ22は断面略コ字状に形成されているため、略直交するように形成された押え面28と第2保持面30とをバンパーステイ22の上面と側面に当接させることができる。
【0031】
図1に示されるように、連結シャフト14の両端部には、その端部から図示しないねじ孔がそれぞれ内部に形成されている。そして、パッド部12a、12bの略中央部に形成される貫通孔32a、32bを介してボルト16a、16bがそれぞれ前記ねじ孔に螺合されることにより、パッド部12aとパッド部12bとが連結シャフト14を介して一体的に連結される。
【0032】
また、前記パッド部12a、12bは互いに略同一形状に形成されるとともに、その下面が平面状に形成されているため、位置決め治具10を使用しない場合には、図示しない基台等の上面に安定した状態で載置しておくことができる。
【0033】
本発明の実施の形態に係るバンパーステイの取付方法に用いられる位置決め治具10は基本的には以上のように構成されるものであり、次に、前記位置決め治具10を用いてバンパーステイ22を位置決めして取り付ける工程について、図3に示すフローチャート並びに図4〜図7を参照して説明する。
【0034】
なお、図4は、本発明の実施の形態に係るバンパーステイの取付方法におけるフロントサイドフレームにバンパーステイを装着した状態の側面図であり、図5は、ヘッドライトとバンパーステイとの間に位置決め治具を装着した状態の側面図、図6は、ヘッドライトとバンパーステイとの間に位置決め治具を装着した状態の一部省略縦断面図、図7は、バンパーステイの上面にバンパーを装着した状態の一部省略縦断面図である。
【0035】
自動車のボディ34の左右前方にはヘッドライト24が取り付けられ(ステップS1)、かつボディ34の前方略中央部には、直線状のバンパービーム36が溶接等によって装着されて前記バンパービーム36と略直交して車両の後方へ向かって延在するようにフロントサイドフレーム38が設けられている。前記フロントサイドフレーム38の側面には2箇所の取付孔40が形成され、前記取付孔40のフロントサイドフレーム38の壁面を介した反対側の側面には、図示しないナット部材が固着されている。
【0036】
前記取付孔40に装着されるバンパーステイ22は断面コ字状で長尺に形成され、その両端部には軸線と略直交する平面状の取付部42a、42bがそれぞれ形成されている。前記取付部42a、42bには複数の孔部44が形成され、前記孔部44はバンパーステイ22の軸線方向に沿って長軸が形成される長円状に形成されている。
【0037】
まず、図4に示されるように、フロントサイドフレーム38の取付孔40にバンパーステイ22の一端部側の取付部42aの孔部44を合わせ、図5に示されるように、取付ボルト46を前記孔部44に挿通させて前記取付孔40の前記ナット部材に螺合する。前記取付ボルト46の締付けを完全に締め付けられた状態の途中までとすることにより、前記バンパーステイ22の一端部がフロントサイドフレーム38に対して仮止めされた状態となる(ステップS2)。すなわち、バンパーステイ22が長円状の孔部44を介して取付ボルト46に軸支されている状態となるため、バンパーステイ22が長円状の孔部44に沿って車両の前後方向(図8中の矢印A方向)に僅かに変位自在な状態にある。
【0038】
同様に、図4に示されるように、車両の側部に設けられるサイドメンバ48には2箇所の取付孔40が形成され、前記取付孔40のサイドメンバ48の壁面を介した反対側の側面には、図示しないナット部材が固着されている。
【0039】
そして、前記取付孔40にバンパーステイ22の他端部側の取付部42bの孔部44を合わせ、図5に示されるように、取付ボルト46を前記孔部44に挿通させて前記取付孔40の前記ナット部材に螺合する。前記取付ボルト46の締付けを途中までとすることにより、前記バンパーステイ22の他端部がサイドメンバ48に対して仮止めされた状態となる(ステップS2)。
【0040】
すなわち、バンパーステイ22は両端の取付部42a、42bに形成される長円状の孔部44に挿通された取付ボルト46を介してフロントサイドフレーム38およびサイドメンバ48に仮止めされている状態となるため、バンパーステイ22の全体が長円状の孔部44に沿って車両の前後方向(図8中の矢印AおよびB方向)に僅かに変位自在な状態にある。
【0041】
次に、図5および図6に示されるように、位置決め治具10の突起部18をヘッドライト24と前記バンパーステイ22との間に車両の前方より挿入する。そして、前記突起部18の傾斜面20をそれぞれヘッドライト24の下面に当接させるとともに、一側面をヘッドライト24の前面に当接させた状態で保持する。
【0042】
次に、ヘッドライト24の下面に当接した状態の前記位置決め治具10の押え面28に、バンパーステイ22の上面が当接し、かつバンパーステイ22の位置決め治具10側の側面が前記位置決め治具10の第2保持面30に当接するようにバンパーステイ22を変位させる。なお、その際、位置決め治具10とヘッドライト24、バンパーステイ22との間に隙間が生じないように位置決め治具10を当接させた状態とする。
【0043】
また、この際、バンパーステイ22はフロントサイドフレーム38およびサイドメンバ48に対して仮止めされて僅かに変位自在な状態にあるため、作業者は前記バンパーステイ22を容易に変位させることができる。
【0044】
すなわち、位置決め治具10の押え面28にバンパーステイ22の上面を当接させることにより、前記バンパーステイ22の上面の高さ位置をバンパービーム36の上面の高さ位置と一致させることができる(図5参照)。また、位置決め治具10の第2保持面30にバンパーステイ22の側面を当接させることにより、前記バンパーステイ22の車両の前後方向に沿った位置を所望の位置に確実に決めることができる(ステップS3)。
【0045】
最後に、前記位置決め治具10の押え面28および第2保持面30にバンパーステイ22の上面および側面を当接させた状態において、フロントサイドフレーム38およびサイドメンバ48に仮止めされていた複数の取付ボルト46を螺回して締め付ける。その結果、バンパーステイ22がフロントサイドフレーム38とサイドメンバ48との間に強固に固定された状態となる(ステップS4)。
【0046】
すなわち、位置決め治具10によって前記バンパーステイ22の上面の高さ位置がバンパービーム36の上面の位置と一致し、かつバンパーステイ22の車両の前後方向に沿った所望の位置に位置決めされた状態で固定される。
【0047】
そして、図7に示されるように、前記位置決め治具10をヘッドライト24とバンパーステイ22との間から取り外し、固定された前記バンパーステイ22の上面に樹脂製材料からなるバンパー50が載置され、図示しないねじ部材を介してバンパーステイ22と一体的に固定される(ステップS5)。
【0048】
その際、前記位置決め治具10によってバンパーステイ22の高さ方向の位置および車両前後方向の位置が所望の位置に固定されているため、図6に示されるように前記バンパーステイ22とヘッドライト24との間のクリアランスC1が一定間隔に保持され、図7に示されるように、バンパーステイ22の上面に固定されるバンパー50とヘッドライト24との間のクリアランスC2も同様に一定間隔に保持された状態となる。
【0049】
以上のように、本実施の形態では、フロントサイドフレーム38およびサイドフレームにバンパーステイ22を固定する際、位置決め治具10の傾斜面20をヘッドライト24の下面に当接させるとともに、位置決め治具10の押え面28にバンパーステイ22の上面を当接させることによりヘッドライト24に対するバンパーステイ22の位置を常に略同一位置とすることができる。その結果、バンパー50とヘッドライト24とを非接触な状態とする車両において、前記バンパーステイ22の上部に一体的に固定されるバンパー50とヘッドライト24との間のクリアランスC2を常に一定間隔に保持することができるため、バンパー50を装着した後に行われる前記クリアランス量を調整するための煩雑な作業が不要となる。
【0050】
また、前記位置決め治具10によってヘッドライト24に対するバンパーステイ22の取付位置を簡便に決めることができるため、作業者によってバンパーステイ22の取付位置がばらつくことがなく、誰でも簡便にヘッドライト24とバンパー50との間のクリアランス量を高精度に略同一に保持することができる。すなわち、作業者の熟練度に影響されることなく、取付作業を標準化することができる。
【0051】
さらに、前記位置決め治具10の突起部18の形状、すなわち、傾斜面20および押え面28の位置または形状を変えることにより、別個の車種にも簡便に対応させることができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0053】
すなわち、ヘッドライトとバンパーとが非接触に設けられる場合において、前記位置決め治具の第1保持部をヘッドライトに当接させ、第2保持部にバンパーステイを当接させることにより、バンパーステイの上面に載置されるバンパーとヘッドライトとの間のクリアランスを常に一定間隔に保持することができ、前記クリアランスの煩雑な調整作業が不要となる。
【0054】
従って、本発明では、作業者が簡便にかつ高精度にバンパーを装着することができるため、取付作業の標準化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るバンパーステイの取付方法に用いられる位置決め治具の斜視図である。
【図2】図1に示す位置決め治具の側面図である。
【図3】前記取付方法におけるバンパーの組み付け工程を示すフローチャートである。
【図4】前記取付方法におけるフロントサイドフレームにバンパーステイを装着した状態を示す側面図である。
【図5】前記取付方法におけるヘッドライトとバンパーステイとの間に位置決め治具を装着した状態を示す側面図である。
【図6】前記取付方法におけるヘッドライトとバンパーステイとの間に位置決め治具を装着した状態の一部を示す省略縦断面図である。
【図7】前記取付方法におけるバンパーステイの上面にバンパーを装着した状態を示す一部省略縦断面図である。
【図8】前記取付方法におけるフロントサイドフレームとサイドメンバとの間にバンパーステイを装着した状態を示す一部省略平面図である。
【図9】従来技術に係るバンパーステイの取付方法におけるフロントサイドフレームに位置決め治具を取り付けてバンパーステイを装着した状態を示す一部省略斜視図である。
【符号の説明】
10…位置決め治具 12a、12b…パッド部
14…連結シャフト 16a、16b…ボルト
18…突起部 20…傾斜面
22…バンパーステイ 24…ヘッドライト
26…第1保持面 28…押え面
30…第2保持面 32a、32b…貫通孔
34…ボディ 36…バンパービーム
38…フロントサイドフレーム 40…取付孔
42a、42b…取付部 44…孔部
46…取付ボルト 48…サイドメンバ
50…バンパー
Claims (4)
- 自動車のヘッドライトとバンパーとを非接触に設け、前記ヘッドライトを取付基準としてボディにバンパーステイ部材を取り付けるための方法であって、
前記ヘッドライトを取り付けた後、前記ボディに前記バンパーステイ部材を仮止めする工程と、
前記ヘッドライトに対して相似形状からなる2つの側面が形成され、該ヘッドライトに当接する第1保持部と、前記バンパーステイ部材に対して他の2つの側面が当接する第2保持部とを有する位置決め治具を介して前記ヘッドライトに前記第1保持部を当接させて保持する工程と、
前記ヘッドライトに当接した状態を保持しながら前記位置決め治具の第2保持部に対し、前記バンパーステイ部材を変位させて当接させる工程と、
前記位置決め治具のヘッドライトおよびバンパーステイ部材との隙間をなくして、仮止めされていた前記バンパーステイ部材を前記ボディに固定する工程と、
を有することを特徴とするバンパーステイ部材の取付方法。 - 自動車のヘッドライトとバンパーとを非接触に設け、前記ヘッドライトを基準としてボディにバンパーステイ部材を位置決めするための位置決め治具であって、
前記位置決め治具は、前記バンパーステイ部材の長手方向に沿って形成されるパッド部を備え、前記パッド部には、前記ヘッドライトの断面形状に対応した隣接する2つの側面からなる第1保持部が形成されるとともに、前記第1保持部の反対側に前記バンパーステイ部材の断面形状に対応した隣接する他の2つの側面からなる第2保持部が形成されることを特徴とするバンパーステイ部材の位置決め治具。 - 請求項2記載の位置決め治具において、
前記パッド部は、所定間隔離間する一対のパッド部からなり、前記一対のパッド部は、シャフト部材を介して略平行に連結されることを特徴とするバンパーステイ部材の位置決め治具。 - 請求項2記載の位置決め治具において、
前記パッド部は、緩衝性材料によって形成されることを特徴とするバンパーステイ部材の位置決め治具。
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