JP2004050577A - 成形機 - Google Patents

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Abstract

【課題】型締装置内へ、大小様々な固定金型および可動金型を載置可能なスライド装置を収納して、型締装置の省スペース化を図ると共に、型締装置外部に製品突き出し装置を固定して、スライド装置の軽量化を図って型開閉装置の負荷を軽減し、かつ型締装置全体を真空室化して、気泡不良の発生しない成形品を成形できる、真空室を備えた成形機を提供することを課題とする。
【解決手段】後方の型締位置から前方の製品突き出し位置までスライドプレート21を往復移動させるスライド装置20のアクチュエータの後部端部を、可動盤12の後部端部へ固着して、型締装置10内へ収納すると共に、エジェクタ装置50をスライド装置20と分離して、型締装置10下部に固着して、型締装置10を真空室に形成した成形機1を構成する。また、前記型締装置10上部へ射出装置を装置して、竪型の真空射出成形機80を構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形機やプレス成形機に好適に採用される型締装置に係り、型締装置の省スペース化を図ると共に、型締装置全体を真空室内に形成して成形品に発生する気泡不良を防止する、スライド装置を備えた成形機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
型締装置の一部に真空室を形成し、スライド装置を備えた成形機に関しては、例えば、実公平6−5857号公報に「ゴムの真空プレス成形機」として開示されている。この開示例は、上部フレームから垂下させた支持部材の下端に上熱盤を固定すると共に、これに対向する金型が定着される下熱盤を、加圧用のラムで昇降自在でかつ外部で金型へのゴム生地の充填や分解等の操作可能に引き出し機構を有するテーブルの上面に固設し、更に、上部フレームには上熱盤の外側を囲む真空ケースを、支持部材をガイドとして上部フレームに固設されるシリンダにより昇降自在に取付けた成形機であって、この真空ケースが下降して真空ケースの下端が、テーブル上面に固設された下熱盤から離れた位置に下熱盤を囲むように突設された環状部材の上端面のシール部と当接して真空室を形成し、気泡不良等の製品欠陥をなくすようにこの真空室内部を真空に減圧し、ラムによりテーブルを上昇させて、金型を上熱盤の下面に押圧して金型内のゴムを加熱すると同時にプレス成形するように構成される、スライド装置を備えたゴムの真空プレス成形機に関するものである。
【0003】
更に、特公平7−61664号公報の「射出成形機」においては、クランプ板の下部に内部真空ボックスを固定し、該内部真空ボックスの内部では、クランプ板に複数の昇降溝が形成され、その内部を昇降すると共に昇降溝内部で衝止する頭部を有し、クランプ板を貫通して設けられた支持棒によって吊設された上部加熱板をクランプ板に載置する一方、下型を上型から分離させた状態で、下型が下部加熱板と共にガイドレールに沿って引き出させるように形成されると共に製品突き出し装置を外部に固設したガイドレールに、上型を下型に載置してこの下型を固設した下部加熱板を挿設し、更にこのガイドレールを、クランプ板に固定されたタイバーに昇降可能に配設された可動板に装着し、この可動板を上昇させて上型を上部加熱板に衝止させると共に固設してから、可動板を更に上昇させて、上部加熱板をクランプ板に衝止させると共にクランプ板の上部から2本のボルトで上部加熱板をクランプ板に固設して上型の装着が完了して、上型と下型とを型開閉可能な型締装置が形成される。更に、この型締装置の内部真空ボックスの外側には、タイバーに沿って昇降する外部真空ボックスを設置し、下型と製品突き出し装置が装着された可動板が上昇し型閉する僅か手前で静止すると同時に、外部真空ボックスが下降して下部加熱板のパッキンと当接して真空室を形成すると、クランプ上部から複数の支持棒の内の1本と上部加熱板の外周部まで連通して設けた吸気孔の外部より真空室内を吸引して真空にしてから、上型と下型とを型閉圧締めして射出成形する、製品取り出し装置とスライド装置を備えた射出装置が開示されている。
【0004】
また、金型のキャビティ内を真空引き可能とするコールドランナータイプの射出成形装置に関しては、例えば、特開平5−269807号公報に「射出成形装置」として開示されている。ここにおいて、上側の金型は、ゴム材料を加硫するためのカートリッジヒ−タを設けた上型と、その上面に配置した断熱材と、更に一側に取付けた冷却口から供給させる冷却液を循環させる冷却パイプを有する下ランナーブロックと、上型を貫通してコアの複数のゲートとランナーとを連絡するスプルを形成したスプルブッシュを固設した上ランナーブロックと、ロケートリングを固設した上型取付板とを順次上方へ積み重ねて一体にボルトとにより共締め固定して形成される。そして、上側の金型内を未加硫のゴム材料で、真空引きした際にノズル部から流入する外気をシールドするように、上側の金型内にコールドランナー部を形成する。更に、下側の金型は、下型であるカートリッジヒ−タを設けた可動型と、その可動型の両サイドにガイドレールを固着してこれらのガイドレールに嵌挿すると共に可動型に載置してなる複数のインサート部材を収納するスライドコアと、可動型とその下面に断熱材を介して可動型にボルトで固設した下型取付板と、可動型と下型取付板との空間部に内設され可動型を貫通して設けたエジェクタピンを装着したエジェクタ装置とで構成される。更に、上型外周部にボルトで固設され可動型側の下面よりも下方へ突設した環状壁と、可動型外周部にボルトで固設されたシートブロックにリテーナを介してボルトで固定され環状壁に内接するパッキンとで隔成されて形成される真空室が、環状壁に設けたバキューム口より真空引きされるように構成されている。以上の構成により、下ランナーブロックの冷却機構により、スプル下流のゴム材料の流通路内には、ゴム材料が未加硫のまま残留してコールドランナーを形成して、真空用シールドが施されると共に、上型の環状壁と可動型のシートブロックに固定されたパッキンとで真空室が形成され、上型と可動型とを型締する直前に真空室を真空引きすることにより、上型と可動型との合わせ面間を通してキャビティが完全に真空引きされ、その後、上型と可動型を型閉圧締めして、キャビティ内にゴム材料を射出充填して成形品を成形することができる真空式の射出成形装置が構成され開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術のうち、実公平6−5857号公報の真空プレス成形機にあっては、テーブルの横移動の際にテーブル位置を抑制するガイドがないため、金型から成形品を取り出した後、金型へ成形材料を供給し、型締装置内部に金型を移動する度に、金型位置が成形可能な正確な位置にあるかどうかを目視チェックする必要があるという問題を有していると共に、テーブル引き出し装置(スライド装置)が型締装置外部に有り、省スペースが要求される近年の成形機には沿ぐわないという問題をも有している。
【0006】
また、特公平7−61664号公報の射出成形機にあっては、型締装置内部に形成された真空室を吸引して真空状態を形成後、射出して成形することが開示されているが、射出成形時のノズル開口部のシールド方法が開示されていないために、実際に射出成形ができないという問題を有している。更に、上記実公平6−5857号公報の如く下部加熱板を往復移動させるシリンダ(スライド装置)が型締装置外部に有り、省スペースの要求が満たされないという問題をも有している。更にまた、製品突き出し装置が、型開閉装置と一緒に昇降するため、省エネルギー化が促進される近年の成形機にはそのような機構はそぐわなくなっている。
【0007】
特開平5−269807号公報の射出成形装置の如く、金型のキャビティ内を真空引き可能とするコールドランナータイプの真空式の射出成形装置にあっては、金型ごとに真空室およびコールドランナーを形成する下ランナーブロックの冷却機構を設ける必要があり、金型の製作コストが高いという欠点を有している。
【0008】
そこで本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、型締装置内へスライド装置を収納することにより型締装置の省スペース化を図ると共に、型締装置外部に製品突き出し装置を固定して、スライド装置と共に製品突き出し装置が昇降することがない省エネルギー化を図ったスライド装置を備えた成形機を提供することを目的とすると共に、型締装置全体が真空室化されるために、固定金型および可動金型を大小様々な金型で構成でき、気泡不良の発生しない成形品を成形できる真空室を備えた成形機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、可動金型をスライドプレートを介して取付けた可動盤を、固定金型を取付けた固定盤に近接および離隔させると共に可動金型と固定金型を型合わせし型締する型締装置と、可動金型を載置したスライドプレートを型締装置の外方へ移動可能にするスライド装置を備えた成形機において、スライド装置のアクチュエータの端部は、スライドプレートの外方への移動方向に反する方向の可動盤の端部に、スライドプレートの外方への移動方向に固着されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明のうち請求項2に記載の発明は、アクチュエータが油圧シリンダであることを特徴とする。
【0011】
以上、請求項1と請求項2のように構成することで、型締装置内へスライド装置を収納することが可能となり、型締装置の省スペース化が図れる、スライド装置を備えた成形機を提供することを目的としている。
【0012】
また、本発明のうち請求項3に記載の発明は、型締装置を真空室に形成したことを特徴とする。
【0013】
このように構成することで、大小様々な金型を型締装置内へ取り付けることが可能となると共に、気泡不良の発生しない成形品を成形できる、真空式の成形機を提供することを目的としている。
【0014】
また、本発明のうち請求項4に記載の発明は、スライドプレートの外方への移動方向で、かつ型締装置の外側面に、製品突き出し装置を固設したことを特徴とする。
【0015】
このように構成することで、スライド装置と製品突き出し装置とを分離し、型締装置外部に製品突き出し装置を固定したために、可動盤に掛かる重量が軽減される、即ち可動金型とスライド装置を備えた可動盤を昇降させるための駆動装置の負荷が、軽減されることとなるために、省エネルギー化が図れるスライド装置を備えた、成形機を提供することを目的としている。
【0016】
また、本発明のうち請求項5に記載の発明は、射出装置のノズルを貫通可能な貫通孔を有すると共に、可動盤と対向する面上でかつ金型の固定金型との当接面にシール部材を設けた固定盤と、シール部材を介して、固定盤に取付られる固定金型と、固定金型が取付られる固定盤の面と反対側の面上に装着される射出装置とから構成されることを特徴とする。
【0017】
また、本発明のうち請求項6に記載の発明は、真空室内に外気が流入しないように、射出装置のノズル部から固定金型へ樹脂材料が流入する樹脂流動路内へ、樹脂粘性を利用して封止する樹脂を備えたことを特徴とする。
【0018】
以上、請求項5および請求項6のように構成することで、スライド装置を備えた竪型の真空射出成形機を提供することを目的としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第一の実施の形態と第二の実施の形態について、図に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の第一の実施の形態を説明するための成形機1の右側面図である。図2は、スライド扉32が閉じて型締装置10全体が真空チャンバー30として形成された時の図1の外観を正面から見たときの図である。図3は、スライド扉32が開いた時の図1の外観を正面から見たときの図である。図4は、図1の外観を真上から見たときの図である。図5は、図1の断面A−Aから見たときの断面図で、スライド装置20の配置が分かる図である。図6は、スライド装置20を側面から見たときの図と、型締装置10の外方向即ち製品突き出し位置までスライド装置20を移動(二点鎖線で図示)した時の側面から見たときの図および型締装置10にエジェクタ装置50を取付けた時の側面から見たときの図である。図7は、図1のスライド装置20の取付状態と、スライドプレート21の位置決めするための位置決めプレート26の取付状態を示すための背面から見たときの図である。図8は、図1のエジェクタ装置50の取付状態を示すための正面から見たときの図である。図9は、スライド扉32に油圧で作動するスライド扉シリンダ36aのロッド36bが取付けられた時の図である。図10は、スライド扉32がスライド扉シリンダ36aのロッド36bでパッキン38aを押圧して、外気を封止した状態を示す図である。図11は、第二の実施の形態を示す図で、第一の実施の形態の第一の固定盤18を第二の固定盤81に取り換えた図で、第一の実施の形態の型締装置10上面に図示しない射出装置を搭載して、真空射出成形機80を構成した時の第二の固定盤81,ノズル82,上型83および下型84の部分断面を示した図である。尚、図において同一符号は同一の部材であることを示す。また、( )で示された番号は、破線で示された部材を示す。
【0020】
まず最初に、本発明の第一の実施の形態について、図1から図10までの図に基づいて詳細に説明する。
【0021】
第一に、本発明の第一の実施の形態についての成形機1の全体像について説明する。成形機1は、図1に示す如く、竪型の型締装置10と、この型締装置10を密室化した真空チャンバー30と、型締装置10内部に収納可能に型締装置10の可動盤12に装着し、型締装置10の外方(以下、前方と呼ぶ)に移動するスライド装置20(図6)と、型締装置10の真空チャンバー30を形成しない下部の位置に、かつスライド装置20の移動方向で製品取り出し可能に固着されたエジェクタ装置50(図6,図8)とから構成される。
【0022】
第二に、本発明の第一の実施の形態に装置される型締装置10について、図1と図7に基づいて詳細に説明する。型締装置10は、型締シリンダ7と、グランド9と、型締ラム11と、可動盤12と、4本のタイバー14と、型開閉装置15と、第一の固定盤18とから構成される。
【0023】
詳細に説明すると、型締シリンダ7は、基台2に4本のボルト8aで垂設され、型締シリンダ7の下部には、作動油供給・排出路13が設けられると共に、型締シリンダ7の中央凹部には、円柱状の型締ラム11が型締シリンダ7内を上下に摺動可能に嵌挿される。
【0024】
更に、型締シリンダ7の外周部4ヶ所に設けられた貫通孔には、4本のタイバー14が挿通され、これらのタイバー14の下方部でかつ貫通孔の上面に位置してタイバー14に形成される図示しない下環状溝部へ、二分割された4組の円形状の下部ストップリング6を係着すると共に、タイバー14の下端部のネジ部に4個のタイバーナット19を螺着して、4組の下部ストップリング6の下面とタイバー14の下環状溝部の下面および貫通孔の上面とが、更には4個のタイバーナット19の接合面と図示しない外気を封止するためのOリングを装着した貫通孔の下面とが密着して、4個のタイバー14が型締シリンダ7に垂設されるのである。
【0025】
その上、これらのタイバー14の上方部に位置してタイバー14に形成される図示しない上環状溝部へ、二分割された図示しない4組の円形状の上部ストップリングを係着すると共に、第一の固定盤18の図示しない4ヶ所に設けられた4個の挿通孔に、4本のタイバー14を挿通した後、タイバー14の上端部のネジ部に4個のタイバーナット19を螺着して、4組の上部ストップリングの上面とタイバー14の上環状溝部の上面および挿通孔の下面とが、更には4個のタイバーナット19の接合面と図示しない外気を封止するためのOリングを装着した挿通孔の上面とが密着して、第一の固定盤18がタイバー14に狭着されて固設されるのである。
【0026】
ところで、可動盤12が、複数本のボルト8cでこの型締ラム11の上面に固設されると共に、型締シリンダ7に垂設された4本のタイバー14を、可動盤12の外周部に穿設された挿通孔が、上下に摺動可能に配設される。
【0027】
また、円形状のグランド9は、型締シリンダ7と型締ラム11との間に位置すると共に、型締シリンダ7の内方向へ円形状の凸部を有し、型締シリンダ7との接合面に対向するこの凸部の外側面に環状溝部を設けて、外気が型締装置10内部へ流入しないように、型締シリンダ7と密接して環状溝部に図示しないOリングを配設する。更に、型締ラム11との接合面に対向するグランド9の側面部にも環状溝部を設けて、型締ラム11が上下に摺動した際に、型締シリンダ7に供給される作動油が型締装置10内部へ流入しないように、型締ラム11と密接して環状溝部に図示しないオイルシールを配設する。そして、円形状のグランド9は、複数のボルト8bで型締シリンダ7へ固設されるのである。
【0028】
更にまた、型締シリンダ7の両側の端部に位置し、型締シリンダ7の上面に外気を型締装置内部へ流入させないための図示しないパッキンを挟み、各4本のボルト8dで共締めされた油圧で作動する型開閉シリンダ16a,16aが、型締ラム11に取付られると共に、型開閉シリンダ16aのロッド16bの先端部を円形状の取付板16cの中心に螺着したこの取付板16c,16cを、可動盤12の下面に各4本のボルト8eで固設して、型開閉シリンダ16a,16aのロッド16b,16bの移動に伴なって、可動盤12を上下動させる型開閉装置15が形成される。
【0029】
第三に、本発明の第一の実施の形態に装置される型締装置10内に収納可能なスライド装置20について、図6と図7に基づいて詳細に説明する。スライド装置20は、スライドプレート21と、ロッド22b,22bを有し油圧で作動するスライドシリンダ22a,22aと、スライドシリンダ22a,22aを取付ける後部ブラケット23,23と、スライドプレート21の移動に際して左右の振れを防止するための第一のガイドプレート25a,25aと、スライドプレート21をスライドシリンダ22a,22aの駆動と共に連動して移動させるための連結プレート28,28と、固定金型4と可動金型5の型合わせができるようにスライドプレート21の位置調整ができる、位置決めプレート26,26とアジャストボルト29a,29aおよびアジャストナット29b,29bとから構成される。
【0030】
詳細に説明すると、後部ブラケット23,23は、スライドシリンダ22a,22aが、タイバー14の内周面と型締ラム11の外周面間を通って、前方に向かう中心線上から左右対称に配置されると共に、型締装置10の前方の方向とは反対方向(以下、後方と呼ぶ)に位置する可動盤12の端面に、各4本のボルト27aで固設される。そして、スライドシリンダ22a,22aは、スライドシリンダ22a,22aのロッド22b,22bが前方に向かって移動可能に、後部ブラケット23,23の下面と可動盤12の前方先端部付近の下面に、各2本のボルト27bで固設される。
【0031】
また、連結プレート28,28は、スライドシリンダ22a,22aのロッド22b,22bの先端部を螺着してスライドシリンダ22a,22aへ固設される。更に、可動盤12の上面と接触するように、下面3ヶ所に3枚のプレートライナー24が固設されると共に断面凹部を両側に設けたスライドプレート21の、前方の端面の上下部に、連結プレート28,28が、各2本のボルト27cで固設される。その結果、製品突き出し位置と可動盤12との間をスライドプレート21が、連結プレート28,28を介して、スライドシリンダ22a,22aのロッド22b,22bの往復移動に伴なって往復移動するのである。
【0032】
更に、後方に向かって左右対称に配置される断面鉤状の第一のガイドプレート25a,25aは、スライドプレート21の両側の断面凹部内部の下面と接触して設けた第一の下部ライナー25b,25bと、断面凹部の下部の側部と接触して設けた第一の側部ライナー25c,25cとを固設すると共に、スライドプレート21の移動に際して、スライドプレート21の左右の振れを防止するように、スライドプレート21の両側の断面凹部に嵌合されて、複数のボルト27dで可動盤12に固設される。
【0033】
ところで、スライドプレート21が型締装置10内へ収納された際に、スライドプレート21上に固設される可動金型5と、第一の固定盤18に固設される固定金型4が、金型の大小に応じて型合わせができるように、スライドプレート21の後方の端面を押圧して位置調整ができるアジャストボルト29a,29aと、アジャストボルト29a,29aの位置を固定するアジャストナット29b,29bが、後部ブラケット23,23の垂直上方に位置し、かつ可動盤12の上面よりも上方に突設して、可動盤12の後端部上部へ各2本のボルト27eで固設された位置決めプレート26,26の中央部に取付けられるのである。
【0034】
第四に、本発明の第一の実施の形態に装置される真空チャンバー30について、図1〜図5,図9,図10に基づいて詳細に説明する。真空チャンバー30は、スライド扉32を昇降させるスライド扉装置31(図1〜図3)と、後方に向かって左右対称に位置し型締シリンダ7と第一の固定盤18にパッキン38i,38j(図5)と38f,38g(図4)を挟んで固設されると共に、型締シリンダ7と第一の固定盤18の後方へ突出部を有し、更に側面に左右フック42b,42b,42a,42a(図1〜図5)を固設すると共に、この両側面にメンテナンス用開口部を設けて、その開口部周囲を覆うようにパッキン38c、38d(図2〜図4)が貼着された右フレーム40aおよび左フレーム40b(図4,図5)と、右フレーム40aおよび左フレーム40bの上部突出部と第一の固定盤18にパッキン38f,38g,38h(図4)を挟んで固設される上カバー43a(図4)と、右フレーム40aおよび左フレーム40bの下部突出部と型締シリンダ7にパッキン38i,38j,38k(図5)を挟んで固設される下カバー43b(図5)と、型締シリンダ7と第一の固定盤18および左右フレーム40b,40aの前面にパッキン38b(図1,図4,図5)を挟んで固設される真空チャンバー30の外部で製品取り出すための開口部を設けた前面カバー44a(図1〜図4)と、左右フレーム40b,40aと上下カバー43a,43bの後面にパッキン38e(図4、図5)を挟んで固設される後面カバー44b(図1,図4,図5)と、左右ハンドル41b,41b,41a,41a(図1〜図5)を有し、更に後方に複数の蝶番45(図1〜図5)の一方を固設すると共に、他方を後面カバー44bに固設した左右扉39b,39a(図1〜図5)と、真空チャンバー30の空気を吸引して排気するための空気の吸引排気路48(図1,図4)と、真空チャンバー30へ空気を供給するための空気の大気開放路49(図4)とから構成される。
【0035】
そして、スライド扉32を昇降させるスライド扉装置31は、図1〜図4,図9,図10に示されるように、前面カバー44aの両側の端部に前面カバー44aの上方へ突設して配置される断面凹部状に形成された上カム34a,34aと下カム34b,34b(図10)を内設するレール33,33と、レール33,33間に配置され両側面に図示しない複数のカムフォーロアを有するスライド扉32と、スライド扉32を上下に移動させるロッド36bを有するスライド扉シリンダ36aと、レール33,33の上部に位置してレール33,33間に横設されると共に、中心にスライド扉シリンダ36aが回動可能に装置されるビーム35と、スライド扉32とロッド36bとを連結させる連結部66(図9)とから構成される。
【0036】
連結部66は、図9に示す如くスライド扉シリンダ36aのロッド36bの先端部に螺着されたジョイント37aと、ジョイント37aを挟んでスライド扉32に固設される2個のブロック37cと、ジョイント37aがロッド36b部と共にブロック37c,37cに対して回動可能に設けられるジョイント37aおよびブロック37c,37cを挿通するピン37bと、ピン37bを挿通方向に移動しないようにピン37b両端部付近に設けた図示しない溝部に、ブロック37c,37cの外側面に接するように取付けた2個のストップリング37dとから構成される。
【0037】
また、図10に示す如く、スライド扉シリンダ36aのロッド36bの下降移動に伴なって、上部に位置したスライド扉32が、レール33,33内に複数のボルト47で固設された上カム34aをスライドしながら下降する。そして、スライド扉32の下部に設けられた断面が半円形のパイプ46が、ボルト47で固設された下カム34bの傾斜面に到達した後、下カム34bの傾斜面に沿って下降すると共に、スライド扉シリンダ36aのロッド36bに螺着されたジョイント37aを有する連結部66を介して、スライド扉32が後方に移動させられると共に、前面カバー44aに設けられた開口部周囲に貼着されたパッキン38aを密着して押圧して、外気を封止するように作動されるのである。この時、スライド扉シリンダ36aがビーム35に回動可能に取付けてあることと、ジョイント37aがピン37bを中心に回動するように取付けてあることから、スライド扉32が後方に移動した際に、スライド扉シリンダ36aとロッド36bおよびジョイント37aが、常に一直線上になるように構成されているのである。
【0038】
第五に、本発明の第一の実施の形態に装置されるエジェクタ装置50について、図1,図3〜図6,図8に基づいて詳細に説明する。エジェクタ装置50は、スライドプレート21を製品突き出し位置まで移動した際に、スライドプレート21を載置するための、第一の右上板54a,第二の右上板54b,右突出部材53aおよび右取付部材63aを溶着した右ブラケット52aと、第一の左上板55a,第二の左上板55b,左突出部材53bおよび左取付部材63bを溶着した左ブラケット52bが、後方に向かって左右対称に配置されると共に、右ブロック62aと左ブロック62bを介して、それぞれ真空チャンバー30を形成しない部分に位置する型締シリンダ7の下部前面部に、各4のボルト61aで固設される。
【0039】
そして、エジェクタプレート57と第二の右上板54bとで円形状のエジェクタ取付部材56を、更にエジェクタプレート57と第二の左上板55bとでエジェクタ取付部材56を、各々、ボルト61bとボルト61cとで狭着保持する。このエジェクタプレート57に油圧で作動するエジェクタシリンダ60aを4本のボルト61eで固設すると共に、エジェクタシリンダ60aのロッド60bの先端部にエジェクタバー59を固着する。
【0040】
更に、エジェクタバー59には、3本のエジェクタピン58が螺着される。そして、製品突き出しや、エジェクタピン58の収納に際し、ロッド60bの上下動に伴なって、エジェクタバー59が、エジェクタ取付部材56,56を嵌挿して摺動するように形成されるのである。このため、左右のエジェクタ取付部材56,56は、エジェクタプレート57を吊着するだけでなく、エジェクタバー59の左右の振れ防止をするための役目も果たしているのである。
【0041】
更にまた、製品突き出しの際に、スライドプレート21が左右振れなくエジェクタ装置50上に到達するように、スライドプレート21をガイドする第二の下部ライナー51b,51bと第二の側部ライナー51c,51cを固設する断面鉤状の第二のガイドプレート51a,51aが、後方に向かって左右対称に、第一の右上板54aと第一の左上板55aに、複数のボルト61dで固着される。ここで、断面鉤状の第二のガイドプレート51a,51aは、スライドプレート21の両側面の断面凹部に嵌合すると共に、第二の下部ライナー51b,51bが断面凹部の内部上面と、第二の側部ライナー51c,51cが断面凹部の側面と接触してガイドするようになっている。その結果、エジェクタシリンダ60aを駆動して、製品突き出しをした際に、スライドプレート21が堅固に固定されており、安定した製品取り出しができるのである。尚、第二の右上板54bと第二の左上板55bは、スライドプレート21の両端部下面に固設されたプレートライナー24,24を密接してスライド可能に配設されているのである。
【0042】
ところで、スライドプレート21が、型締位置から製品突き出し位置まで往復移動するため、作業者の安全を確保するために、第一の右上板54aと第一の左上板55aの外側へ右安全カバー64aと左安全カバー64bが設けられる。更に、第一の右上板54aの前方付近で右安全カバー64aのフレームに、作盤取付ブラケット65が固設され、その上に操作盤3が取付られる。
【0043】
以上のように構成された、本発明の第一の実施の形態の作動機構について詳述する。真空チャンバー30のスライド扉32を、スライド扉シリンダ36aを作動させて上昇さて(図3)、真空チャンバー30の前面部に、製品取り出しのための開口部を形成する。その後、スライドプレート21を作動させて、型締装置10の前方に位置する製品突き出し位置まで移動させる(図6)。次いで、固定金型4を載置した可動金型5を、スライドプレート21に固設した後、型締装置10の型開閉位置までスライドプレート21を後退させる(図6)。
【0044】
そして、型開閉装置15の型開閉シリンダ16aを作動させて、固定金型4と可動金型5およびスライド装置20を載置した可動盤12を、第一の固定盤18に近接するように上昇させて、固定金型4が第一の固定盤18に接触するほんの僅かな手前で型開閉シリンダ16aの作動を止める。そこで、可動盤12の後方に突設して固着した位置決めプレート26,26の中央に配設されたアジャストボルト29a,29aを移動させると共に、スライドシリンダ22aを作動させて、スライドプレート21に載置された固定金型4と可動金型5の適切な取付位置を決定する。位置が決定されると、アジャストナット29b,29bでアジャストボルト29a,29aが固定される。そして、再度型開閉シリンダ16aを作動させて、固定金型4を第一の固定盤18に衝止させて、固定金型4を第一の固定盤18に固設するのである。その後、可動金型5とスライド装置20を載置した可動盤12を、最下降位置まで下降させる。以上のように構成することで、成形毎に、スライドプレート21の後部端面が、アジャストボルト29a,29aの先端面に衝止して、固定金型4と可動金型5との型合わせ位置が、一定の位置にて行われることになるために、固定金型4と可動金型5とのかじりが発生しないのである。
【0045】
一方、可動盤12が最下降地点に位置する状態から、スライドプレート21のスライドシリンダ22aを作動させて、型締装置10の前方に位置する製品突き出し位置まで、スライドプレート21を移動させる(図6)。次いで、可動金型5のキャビティに成形材料を載置した後、スライドプレート21を後退させて、可動盤12上の型開閉位置に停止すると、スライド扉シリンダ36aが作動して、スライド扉32が下降し始める。その動作と連動するように、型開閉シリンダ16aが作動して、可動盤12を第一の固定盤18に向かって上昇して行き型閉する。この時、可動盤12と共に型締ラム11も上昇するのであるが、型締ラム11の上昇によって形成される型締シリンダ7の空間には、プリフィル弁等によって、自動的に作動油が供給されるように構成されている。そして、スライド扉32が、開口部周囲に貼着されたパッキン38aを押圧して、真空チャンバー30が形成されると、吸引排気路48を通して、真空チャンバー30内の空気が、図示しない真空ポンプによって排気され、型締装置10内が真空状態となるのである。この時に大気開放路49は、図示しない電磁弁によって封止状態にあることは勿論のことである。
【0046】
そして、この真空チャンバー30内が真空状態になると、作動油供給・排出路13へ作動油が、図示しない電磁弁と油圧ポンプとによって型締シリンダ7内に供給されて、型締ラム11を介して可動金型5と固定金型4とを型締する。そして、可動金型5と固定金型4の温度と型締圧が、適正に調節されることによって、成形品が成形されるのである。
【0047】
成形品が成形されると、真空チャンバー30内と真空ポンプとの間に配設された吸引排気路48を、遮断するように図示しない電磁弁を切り換えて、真空ポンプを停止すると共に、大気開放路49に配設した図示しない電磁弁を大気開放に切換えることによって、真空チャンバー30内を大気状態にする。そして、スライド扉シリンダ36aを作動させて、スライド扉32を上昇させると同時に、型開閉シリンダ16aを作動させて、可動盤12を最下降地点まで移動する。この時、可動盤12の下降に伴なう型締ラム11の下降に際して、型締シリンダ7の空間に供給された作動油は、プリフィル弁等によって自動的に排出されるように構成されている。
【0048】
スライド扉32が完全に上昇すると、スライドプレート21が、製品突き出し位置まで前進し、製品をエジェクタ装置50のエジェクタシリンダ60aを作動させて、3本のエジェクタピン58によって成形品を突き出してから、成形品を取り出して、1サイクルが終了するのである。
【0049】
次に、本発明の第二の実施の形態について、図11に基づいて詳細に説明する。本発明の第二の実施の形態は、本発明の第一の実施の形態において、第一の固定盤18を、第二の固定盤81に置き換えたもので、型締装置78を形成する。第二の固定盤81は、射出装置のノズル82を貫通する貫通孔85を有し、固定金型である上型83との当接面には、貫通孔の近傍にシール部材であるOリング86bを配設可能な環状溝部86aを設けると共に、その内部にOリング86bを配設して形成される。この第二の実施例は、第二の固定盤81に通常の竪型の射出装置が搭載されるので、ノズル82以外の構成部品については図示しない。その他の構成部品は、第一の実施の形態で使用された構成部品をそのまま使用する。更に、タイバー14への第二の固定盤81の取付方法も、第一の固定盤18の取付方法と全く同一であるので、説明は省略する。ところで、本実施例で使用する金型は、成形品2個取り用金型を採用するために、エジェクタ装置50の中央のエジェクタピンを、エジェクタバー59から取外して使用するものとする。
【0050】
第一に、第二の実施の形態で使用する2個取成形用金型について述べる。固定金型である上型83は、温調媒体を流動させるためあるいは棒状のヒーターを埋設させるための複数の孔97を有する固定型88aと、断熱板88bと、冷却水や温調媒体を流動させるための複数の孔98を有するランナーブロック88cとが、下から順に、最上位に位置する円形状に形成された凸部を中央に有する上型取付板87に向かって載置されると共に、図示しない複数本のボルトで、上型取付板87に固設されて形成される。可動金型である下型84は、下型取付板90の上に、断熱板91bと、温調媒体を流動させるためのあるいは棒状のヒーターを埋設させるための複数の孔99を有する可動型91aとが、下型取付板90に順次に載置されると共に、下型取付板90と断熱板91bとの間に空間93が設けられ、図示しない複数本のボルトで、下型取付板90に固設されて形成される。
【0051】
下型取付板90と断熱板91bとの間に形成された空間93には、細長の小円部と幅広の大円部とからなるピン94a,94aが配設され、ピン94a,94aの細長の小円部が、可動型91aを貫通して設けた貫通孔92,92を挿通して、配置される。そして、スプリング94b,94bは、内部にピン94a,94aの小円部を遊嵌すると共に、断熱板91bとピン94a,94aの大円部と小円部との段部とで狭着されて、ピン94a,94aを下型取付板90に付勢して装着される。また、ピン94a,94aの小円部の先端部が、上型83と下型84とで型閉した際に形成されるキャビティ96,96の可動型91aの下鏡面と、面一となるように形成されると共に、ピン94a,94aの小円部の外周部が、可動型91aの貫通孔92,92の内周部との間に20μm程度の隙間を持って形成される。
【0052】
更に、ピン94a,94aの下面部に、ピン94a,94aの大円形部より小さくて、エジェクタピン58,58を挿通する挿通孔95,95が、ピン94a,94aと同一中心上に、下型取付板90とスライドプレート21に穿設される。そして、製品突き出し時に、エジェクタピン58,58の突き出しと共に、エジェクタピン58,58で、ピン94a,94aが突き出されて、製品が取り出されるのである。
【0053】
第二に、第二の固定盤81と上型83およびノズル82と上型83の外気封止方法について述べる。
【0054】
まず、第二の固定盤81と上型83の外気封止方法について述べる。第二の固定盤81の中央部に形成されたノズル82を挿通する貫通孔85の近傍に、環状溝部86aを設けて、その内部にOリング86bを配設する。そして、上型83の上型取付板87に円形状に形成された凸部が、第二の固定盤81の貫通孔85に嵌合すると共に、上型取付板87が、第二の固定盤81に配設されたOリング86bに密接するように、環状溝部86aの外周方向にあって、図示しない複数のボルトで固設される。その結果、Oリング86bと上型取付板87が密接して外気を封止することになる。そのため、真空チャンバー79内に第二の固定盤81と上型取付板87の隙間から、外気が流入することはないのである。
【0055】
次に、ノズル82と上型83の外気封止方法について述べる。本実施例は、ノズル82を上型取付板87の凸部に設けたスプル89aに当接して、ノズル82から成形材料を、スプル89aとランナー89b,89bおよびスプルブッシュ89c,89cを介して、上型83と下型84とを型合わせして形成されるキャビティ96,96に射出充填して、2個の成形品を同時に成形する真空射出成形機80に関するものである。そして、この成形機は、上型取付板87の下部にランナーブロック88cが配設され、ランナーブロック88cに設けられた複数の孔98に冷却水を流入してランナー89b,89bを冷却し、ランナー89b,89b内で、熱硬化性樹脂にあっては半溶融な状態を、熱可塑性樹脂にあっては強粘性な状態を、即ち外気封止手段であるコールドランナーを作って、外気を封止するのである。ところで、この時の成形時に必要な真空力は、真空圧力とスプルブッシュの内径との関係から決定されるため、その真空力以上の粘性力を、ランナーブロック88c内の樹脂に発生させる必要がある。そのような理由から、樹脂粘性で外気を封止すると共に、真空チャンバー79内を吸引排気して真空射出成形機80が構成されるのである。
【0056】
以上、上記説明から、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂の真空射出成形方法について述べる。
【0057】
熱硬化性樹脂にあっては、ランナーブロック88cに設けられた複数の孔98に冷却水をそのまま流動させて、半溶融な状態のコールドランナーを形成したまま、ノズル82から樹脂材料を、スプル89aとコールドなランナー89b,89bおよびスプルブッシュ89c,89cを介して、真空なキャビティ96,96へ射出充填して、固定型88aの複数の孔97と可動型91aの複数の孔99に流動される温調媒体や埋設された棒状のヒーターによって、熱硬化させて成形品を成形する。その後、真空チャンバー79内の大気開放工程、型開工程およびスライド扉32の上昇工程、スライドプレート21の突き出し工程、エジェクタ装置50による製品取り出し工程、スライドプレート21の後退工程、スライド扉32の下降工程および型閉工程、真空チャンバー79内の排気工程、型締工程、(射出充填工程)を経て1サイクルの成形工程が完了する。
【0058】
熱可塑性樹脂にあっても熱硬化性樹脂と同様に、ランナーブロック88cに設けられた複数の孔98に冷却水を流動させて、真空力以上の粘性力を有する溶融状態のコールドランナーを形成して、外気封止した状態から、ノズル82内の樹脂材料を、スプル89aとコールドなランナー89b,89bおよびスプルブッシュ89c,89cを介して、真空なキャビティ96,96へ射出充填して成形品を成形する。その後、上記熱硬化性樹脂と同一な成形工程、即ち真空チャンバー79内の大気開放工程〜型閉工程、排気工程、型締工程、(射出充填工程)を経て1サイクルの成形工程が完了する。尚、ランナー89b,89b内の樹脂を、外気を封止するように半固化状態に形成し、ランナーブロック88cに設けられた図示しない複数のヒーターを発熱させて、半固化状態から溶融状態に変態させると同時に、ノズル82から溶融樹脂を、スプル89aとランナー89b,89bおよびスプルブッシュ89c,89cを介して、真空なキャビティ96,96へ射出充填して成形品を成形することも可能である。
【0059】
ところで、上記コールドランナー方式での樹脂による外気封止方法にあっては、上記で説明したように真空力と樹脂粘性力とのバランスから真空圧力が決定されるため、高真空を得ることが困難なことは容易に理解でき得る。そこで、図示しない他の実施例として、ランナー89b,89b部の中心部に合わせて、上型83の左右や上方に外気封止手段である図示しない油圧シリンダやエアシリンダ等のアクチュエータを配設し、これらのロッド部を移動させて、ランナー89b,89b部に20μm程度の隙間を設けることによって、ランナー89b,89b内の樹脂材料をシール材として、ランナー89b,89b内で機械的に外気を封止する方法や、直接スプル89aの下部に図示しない油圧シリンダやエアシリンダを配設し、これらのロッド部を移動させて、スプル89a内の樹脂材料をシール材として、直接スプル89a内で機械的に外気を封止する方法も構成できる。その結果、それらの封止方式を用いると、コールドランナー方式の外気封止方法よりも高真空を達成できるため、高真空の真空射出成形機80を提供できるのである。
【0060】
尚、本発明の態様乃至技術的特徴は、型締装置10の可動盤12の後端部にアクチュエータ(油圧式スライドシリンダ22a)が、スライドプレート21の前方の移動方向に向けて固着され、更には、スライド装置20を収納可能な型締装置10が、真空チャンバー30に形成されると共に、型開閉に際して可動盤と共に移動しないように、真空チャンバー30外で型締装置10の下部にエジェクタ装置50を固設した成形機を提供することにある。また、コールドランナー方式やアクチュエータを用い樹脂をシール材とした方式の外気封止方法を採用した型締装置78,真空チャンバー79,スライド装置20およびエジェクタ装置50を有する竪型の真空射出成形機80も提供することにある。しかしながら、竪型の真空射出成形機80を横置きして横型の真空射出装置を構成する等、種々の形態へ変更可能である。よって、一々列挙はしないが、上記記載のものに限定されることなく、明細書全体及び図面に記載され、或はそれらの記載から当業者が把握することの出来る発想思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきものである。
【0061】
【発明の効果】
以上図示し説明してきたように、本発明によれば、型締装置の可動盤の後端部にアクチュエータ、特に油圧式スライドシリンダが、スライドプレートの前方の移動方向に向けて固着されるために、型締装置内部へ収納可能となり、省スペース化が図れることが可能となる。
【0062】
更に、型締装置全体を真空室に形成したために、固定金型および可動金型を大小様々な金型で構成できると共に、気泡不良の発生しない高品質な成形品を成形することが可能となる。
【0063】
更にまた、外気封止手段であるコールドランナー方式による外気封止方法により、真空射出成形機を構成することが可能となる。また、外気封止手段である油圧シリンダやエアシリンダ等のロッド先端部を移動させて、ロッド先端部でランナー内やスプル内を、樹脂材料をシール材として外気を封止することによって、高真空を達成できる真空射出成形機を構成することも可能となる。
【0064】
その上、スライド装置と製品突き出し装置とを分離し、型締装置外方向へ向けて製品突き出し装置を、型締装置の真空チャンバー下部に固着したために、可動盤に掛かる重量が軽減されたので、可動盤を昇降させるための駆動装置の負荷が軽減され、省エネルギー化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態における、成形機を示す右側面図である。
【図2】図1の正面図で、スライド扉が閉じて型締装置全体が真空チャンバーとして形成された時の図である。
【図3】図1の正面図で、スライド扉が開いた時の図である。
【図4】図1の平面図である。
【図5】図1の断面A−Aの断面図で、スライド装置の配置が分かる図である。
【図6】スライド装置の側面図と、製品突き出し位置まで移動(二点鎖線で図示)した時の側面図、および型締装置にエジェクタ装置を取付けた時の側面図である。
【図7】図1のスライド装置の取付状態と、スライドプレートを位置決めするための位置決めプレートの取付状態を示すための、背面図である。
【図8】図1のエジェクタ装置の正面図である。
【図9】スライド扉にスライド扉シリンダのロッドが、取付けられた時の図である。
【図10】スライド扉が、真空チャンバー開口部を閉鎖して、外気を封止した状態を示す図である。
【図11】第二の実施の形態を示す図で、真空射出成形機を構成する部分断面を示す図である。
【符号の説明】
1 ‥‥‥ 成形機
2 ‥‥‥ 基台
4 ‥‥‥ 固定金型
5 ‥‥‥ 可動金型
7 ‥‥‥ 型締シリンダ
10,78 ‥‥‥ 型締装置
11 ‥‥‥ 型締ラム
12 ‥‥‥ 可動盤
14 ‥‥‥ タイバー
15 ‥‥‥ 型開閉装置
16a ‥‥‥ 型開閉シリンダ
18 ‥‥‥ 第一の固定盤
20 ‥‥‥ スライド装置
21 ‥‥‥ スライドプレート
22a ‥‥‥ スライドシリンダ
26 ‥‥‥ 位置決めプレート
28 ‥‥‥ 連結プレート
29a ‥‥‥ アジャストボルト
29b ‥‥‥ アジャストナット
30,79 ‥‥‥ 真空チャンバー
31 ‥‥‥ スライド扉装置
32 ‥‥‥ スライド扉
36a ‥‥‥ スライド扉シリンダ
50 ‥‥‥ エジェクタ装置
60a ‥‥‥ エジェクタシリンダ
80 ‥‥‥ 真空射出成形機
81 ‥‥‥ 第二の固定盤
82 ‥‥‥ ノズル
83 ‥‥‥ 上型
84 ‥‥‥ 下型
87 ‥‥‥ 上型取付板
88a ‥‥‥ 固定型
88b,91b ‥‥‥ 断熱板
88c ‥‥‥ ランナーブロック
90 ‥‥‥ 下型取付板
91a ‥‥‥ 可動型
96 ‥‥‥ キャビティ

Claims (6)

  1. 可動金型をスライドプレートを介して取付けた可動盤を、固定金型を取付けた固定盤に近接および離隔させると共に可動金型と固定金型を型合わせし型締する型締装置と、前記可動金型を載置した前記スライドプレートを前記型締装置の外方へ移動可能にするスライド装置を備えた成形機において、
    前記スライド装置のアクチュエータの端部は、前記スライドプレートの外方への移動方向に反する方向の可動盤の端部に、前記スライドプレートの外方への移動方向に固着されることを特徴とするスライド装置を備えた成形機。
  2. 前記アクチュエータが油圧シリンダであることを特徴とする請求項1に記載のスライド装置を備えた成形機。
  3. 前記型締装置を真空室に形成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスライド装置を備えた成形機。
  4. 前記スライドプレートの外方への移動方向で、かつ前記型締装置の外側面に、製品突き出し装置を固設したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかの請求項に記載のスライド装置を備えた成形機。
  5. 射出装置のノズルを貫通可能な貫通孔を有すると共に、前記可動盤と対向する面上でかつ金型の固定金型との当接面にシール部材を設けた固定盤と、
    前記シール部材を介して、該固定盤に取付られる該固定金型と、
    該固定金型が取付られる該固定盤の面と反対側の面上に装着される射出装置と
    から構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかの請求項に記載のスライド装置を備えた成形機。
  6. 前記真空室内に外気が流入しないように、前記射出装置のノズル部から固定金型へ樹脂材料が流入する樹脂流動路内へ、樹脂粘性を利用して封止する樹脂を備えたことを特徴とする請求項5に記載のスライド装置を備えた成形機。
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