JP2002331543A

JP2002331543A - インサート射出成形品の射出成形方法、及びその装置

Info

Publication number: JP2002331543A
Application number: JP2001140098A
Authority: JP
Inventors: Nobuhiro Niwa; 伸広丹羽
Original assignee: ALPHA- KK; Alpha Corp
Current assignee: ALPHA- KK; Alpha Corp
Priority date: 2001-05-10
Filing date: 2001-05-10
Publication date: 2002-11-19

Abstract

(57)【要約】【課題】インサート射出成形品の成形において、射出成
形機の稼動率を高めることにより、その成形品の生産性
を高めることである。【解決手段】固定型と可動型とから成る射出成形型のキ
ャビティにウェザーストリップ単体（インサート材）Ｗ
₁〜Ｗ₃を予めセットした状態で、該ウェザーストリッ
プ単体Ｗ₁〜Ｗ₃と一体化したウェザーストリップ（イ
ンサート射出成形品）Ｗを成形する方法であって、射出
成形機Ｍの型締クランプ位置Ｐ₀に対して複数の射出成
形型Ａ，Ｂが、その周囲の型開閉位置Ｐ₁,Ｐ₂までスラ
イド可能に配置されていて、前記複数の射出成形型Ａ，
Ｂのうち特定の一つが、前記型締クランプ位置Ｐ₀に配
置されて射出成形を行っている間においては、前記型開
閉位置Ｐ₁,Ｐ₂において、他の射出成形型Ａ，Ｂの少な
くとも一つに対する前記ウェザーストリップＷの取出
し、及びインサート材のセットを行い、前記特定の射出
成形型Ａ（Ｂ）に対する射出成形後において、当該他の
射出成形型Ｂ（Ａ）を前記型締クランプ位置Ｐ₀までス
ライドさせて、射出成形を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、予め成形されたイ
ンサート材を射出成形型内にセットした状態で、このイ
ンサート材と一体化したインサート射出成形品を成形す
る方法、及びその装置に関するものである。なお、本明
細書において、「インサート射出成形品」とは、予め成
形されたインサート材に対して新規部分を射出成形によ
り一体成形されたものをいう。

【０００２】

【従来の技術】例えば、車両用のウェザーストリップの
成形方法として、ゴム、或いは樹脂で長尺状に押出成形
されたウェザーストリップ単体（製品としてのウェザー
ストリップの成形途中の「中間品」のことをいう）に、
射出成形により別部分を一体成形したり、或いは二本の
ウェザーストリップ単体の軸線を交差させ、かつ各端末
を近接させた状態で成形型内に配置して、両端末部が配
置されたキャビティに樹脂を射出させて、その接続部を
射出成形することにより、前記二本のウェザーストリッ
プ単体を一体に接続する方法が実施されている。

【０００３】上記成形方法は、（１）射出成形型を開い
て、そのキャビティにウェザーストリップ単体（インサ
ート材）をインサートしてセットする工程と、（２）型
締めしてクランプする工程と、（３）型締めした射出成
形型内に樹脂を射出する工程と、（４）型を閉じたまま
冷却させる工程と、（５）型を開いてウェザーストリッ
プ（インサート射出成形品）を取り出す工程とを必要と
する。

【０００４】上記した成形方法では、射出成形型が所定
温度まで冷却されて、この型が開いて、インサート射出
成形品を取り出して、次の成形のために、型のキャビテ
ィにインサート材をセットする作業の間は、射出成形機
は作動せずに、停止したままであるので、射出成形機の
稼動率が低くて、生産能率が極めて低かった。特に、イ
ンサート材、或いはインサート射出成形品の新規成形部
の形状が複雑な場合には、これに伴って、型構造自体も
複雑となるために、型に対するインサート材のセット、
及び型からのインサート射出成形品の取出しに時間を要
するために、総時間に対する射出成形機の停止時間の割
合が大きくなって、射出成形機の稼動率は、一層低下す
ることになる。

【０００５】また、射出成形機を複数台併置して、特定
の成形機の作動中に、残りの成形機において、その成形
型からの成形品の取出し、及びインサート材のセットを
行えば、全体としての生産量は増して、生産性は向上し
たように見える。しかし、複数台の射出成形機を使用す
る上記方法は、１台の射出成形機の生産量に関して見れ
ば、それ程の生産性の向上はなく、しかも成形機の使用
台数の増加にほぼ比例して、設置スペースも増加するた
めに、生産性向上のための本質的な解決にはならない。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、インサート
射出成形品の成形において、射出成形機の稼動率を高め
ることにより、その成形品の生産性を高めることを課題
としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の請求項１の発明は、固定型と可動型とから成る射出成
形型のキャビティにインサート材を予めセットした状態
で、該インサート材と一体化したインサート射出成形品
を成形する方法であって、射出成形機の型締クランプ位
置に対して複数の射出成形型が、その周囲の型開閉位置
までスライド可能に配置されていて、前記複数の射出成
形型のうち特定の一つが、前記型締クランプ位置に配置
されて射出成形を行っている間においては、前記型開閉
位置において、他の射出成形型の少なくとも一つに対す
る前記インサート射出成形品の取出し、及びインサート
材のセットを行い、前記特定の射出成形型に対する射出
成形後において、当該他の射出成形型を前記型締クラン
プ位置までスライドさせて、射出成形を行うことを特徴
としている。

【０００８】請求項１の発明は、１台の射出成形機に対
して複数の射出成形型が用意されていて、特定の一つの
射出成形型を使用した射出成形中においては、他の射出
成形型の少なくとも一つは、その型開閉位置において、
インサート射出成形品の取出し、及びインサート材のセ
ットを行って、前記特定の射出成形型に対する射出成形
を終えた直後に、当該他の射出成形型を型締クランプ位
置までスライドさせて、射出成形を行う構成であるの
で、射出成形機の休止時間が大幅に短縮されて、インサ
ート射出成形品の生産性が大幅に向上する。

【０００９】また、請求項２の発明は、請求項１の発明
を前提として、複数の射出成形型は、そのキャビティ形
状が異なっていて、特定の射出成形型が型締クランプ位
置にスライドされたことを検出して、その検出信号を制
御装置に送り、該信号に基づいて、成形に供される射出
成形型を認識して、射出成形機に予め定められた射出条
件を指令して、該条件に基づいて前記キャビティ内に樹
脂を射出することを特徴としている。

【００１０】請求項２の発明によれば、各射出成形型
は、個々のインサート射出成形品に対応して、そのキャ
ビティの形状、容積等が異なっているが、型締クランプ
位置までスライドされた射出成形型を認識して、これに
対応した条件で射出成形を行うために、個々のインサー
ト射出成形品に対応した射出成形が可能となるという独
自の作用効果が奏される。

【００１１】また、請求項３の発明は、請求項１又は２
の発明を前提として、前記インサート材は、車両用の長
尺状のウェザーストリップ単体であって、型開き状態に
おいて、少なくとも二本のウェザーストリップ単体を、
その軸線が交差し、しかも端末どうしを近接させて前記
射出成形型の固定型にセットし、当該射出成形型を前記
型締クランプ位置までスライドさせて、型締めした状態
で、前記ウェザーストリップ単体の各端末の間に形成さ
れるキャビティに溶融樹脂を射出させて、前記各ウェザ
ーストリップ単体を接続すると同時に、ウェザーストリ
ップとしてのコーナー部を成形することを特徴としてい
る。

【００１２】請求項３の発明によれば、車両用のウェザ
ーストリップは、アンダーカット部を有する複雑な断面
形状を有していて、長尺押出成形品である直線状の二本
のウェザーストリップ単体の各端末を近接させた状態で
交差させ、前記各端末が存在するコーナー部は、射出成
形で接続するのであるが、インサート材の断面形状が複
雑なことが原因となって、インサート材のセット、及び
射出成形品の取出しに時間を要し、通常の射出成形機で
は停止時間が長くなるが、この停止時間を短くできる。

【００１３】請求項４の発明は、請求項３の発明を前提
として、前記ウェザーストリップは、車両のドアフレー
ムの内側に取付けられて、ドアガラスの周縁部を密封す
るガラスランであることを特徴としている。このガラス
ランは、多数のリップを有する複雑な形状であって、そ
のインサート射出成形品（ガラスラン）の取出し、及び
インサート材であるガラスラン単体のセットに時間を要
するが、特定の射出成形型が型締クランプ位置において
射出成形を行っている間に、他の射出成形型に対する前
記取出し、及び前記セットを行えるために、射出成形機
の実質的な停止時間は短くなる。

【００１４】また、請求項５の発明は、固定型と可動型
とから成る射出成形型のキャビティにインサート材を予
めセットした状態で、該インサート材と一体化したイン
サート射出成形品を成形する装置であって、射出成形機
の型締クランプ位置と、その側方に設けられた各型開閉
位置との間を、スライドガイド体にガイドされてスライ
ド可能に配置された型載せ台と；前記型載せ台に載せら
れて、前記型締クランプ位置と、その側方に設けられた
各型開閉位置との間をスライドする複数の射出成形型
と；前記複数の射出成形型を開閉するために、それらの
型開閉位置にそれぞれ設けられた各型開閉装置と；前記
型締クランプ位置と、各射出成形型に対応した各型開閉
位置との間において、各射出成形型をスライドさせるた
めに、これを載せている型載せ台をスライドさせるため
の駆動手段と；前記射出成形機、前記型開閉装置及び前
記駆動手段を予め定められたプログラムで作動させるた
めの制御装置と；を備えていることを特徴としている。

【００１５】請求項５の発明によれば、キャビティにイ
ンサート材がセットされて「型閉じ」された射出成形型
は、駆動手段によりスライドガイド体にガイドされて、
型締クランプ位置までスライドさせられて型締めされ、
この状態で、そのキャビティ内に樹脂が射出されて、イ
ンサート射出成形品が成形される。一方、上記のように
して、特定の射出成形型に対して射出成形が行われてい
る間において、その側方の型開閉位置において、他の射
出成形型の少なくとも一つは、これに対するインサート
射出成形品の取出し、及びインサート材のセットが行わ
れた後に、「型閉じ」されて、前記特定の射出成形型の
成形が終了するまで待機している。そして、前記特定の
射出成形型の成形終了後には、該特定の射出成形型が、
型締クランプ位置から型開閉位置までスライドすると共
に、インサート材のセットを終えて待機中の前記他の射
出成形型は、駆動手段により、型開閉位置から型締クラ
ンプ位置までスライドされた後に、型締めされて射出成
形が行われる。このため、射出成形機の休止時間が大幅
に短縮されて、インサート射出成形品の生産性が大幅に
向上する。

【００１６】また、請求項６の発明は、請求項５の発明
を前提として、特定の射出成形型が型締クランプ位置ま
でスライドしたことを検出するセンサを備え、該センサ
から射出成形型を特定する信号を前記制御装置に入力す
る構成になっていることを特徴としている。

【００１７】請求項６の発明によれば、射出成形機に備
え付けのセンサによって、型締クランプ位置までスライ
ドされた射出成形型の種類が認識されるために、複数の
射出成形型のキャビティの形状、容積等が異なっていて
も、制御装置により、射出成形型の種類に応じた最適な
射出条件が選択されて、射出成形機等を作動可能となる
ので、キャビティの形状等が異なる複数の射出成形型に
対しても、支障なく射出成形できる。

【００１８】また、請求項７の発明は、請求項５又は６
の発明を前提として、前記スライドガイド体にガイドさ
れてスライドする型載せ台は、該型載せ台を上方に付勢
する圧縮弾性体を介して前記スライドガイド体にフロー
ティング状態で支持されていることを特徴としている。

【００１９】請求項７の発明によれば、型締クランプ位
置においては、前記圧縮弾性体が圧縮されることにより
下がって、射出成形型は、正規のノズルタッチ位置に達
すると共に、型締クランプ位置以外の位置においては、
前記圧縮弾性体が原形状に復元して、射出成形型は、フ
ローティング状態となる。

【００２０】また、請求項８の発明は、請求項５ないし
７のいずれかの発明を前提として、前記型載せ台の裏面
には、射出成形の型締クランプ時において、そのクラン
プ力が前記スライドガイド体に伝達するのを防止するた
めの荷重受ブロック体が設けられていることを特徴とし
ている。

【００２１】請求項８の発明によれば、型締プレス装置
による型締クランプ時には、垂直下方のクランプ力は、
前記荷重受ブロック体に作用して、前記スライドガイド
体には、作用しない構成であるので、スライドガイド体
の破損等が防止される。

【００２２】また、請求項９の発明は、請求項５ないし
８のいずれかの発明を前提として、前記各射出成形型の
ノズルタッチ位置は、型締クランプ位置で型締めされた
状態において、同一高さ位置に設けられていることを特
徴としている。このため、射出成形機のノズルの位置を
各射出成形型に合わせて調節する必要がなくなって、装
置の構成が簡単となる。

【００２３】

【発明の実施の形態】以下、実施形態を挙げて、本発明
を更に詳細に説明する。図１は、本発明に係る射出成形
装置の正面図であり、図２は、同じく平面図であり、図
３は、同じく右側面図である。図１ないし図３におい
て、ベース１の上面には、一対のレール２が敷設されて
いて、該一対のレール２には、リニアガイド体３を介し
て２台の型載せ台Ｔ₁,Ｔ₂が前記レール２に沿ってスラ
イド可能に載架されている。各型載せ台Ｔ₁,Ｔ₂には、
それぞれ異なる射出成形型Ａ，Ｂが載せられる。また、
前記各型載せ台Ｔ₁,Ｔ₂と前記リニアガイド体３との間
には、圧縮バネ４が介装されて、各型載せ台Ｔ₁,Ｔ
₂は、レール２に対してフローティング状態で支持され
ている。

【００２４】前記各射出成形型Ａ，Ｂは、いずれも前記
型載せ台Ｔ₁,Ｔ₂に固定される固定型Ａ₁,Ｂ₁と、該固
定型Ａ₁,Ｂ₁に対して開閉可能となっている可動型Ａ₂,
Ｂ₂とから成り、図６及び図７に示されるように、固定
型Ａ₁,Ｂ₁及び可動型Ａ₂,Ｂ ₂によって形成されるキャ
ビティ（成形空間）Ｆ₁,Ｆ₂の形状は、ウェザーストリ
ップＷの異なるコーナー部Ｎ₁,Ｎ₂（いずれも図８参
照）を射出成形するために、その形状、容積等は、異な
っている。各固定型Ａ₁,Ｂ₁は、その型板部１０の部分
が、それぞれ固定ブロック５を介して各型載せ台Ｔ₁,Ｔ
₂に固定されている。また、各型載せ台Ｔ₁,Ｔ₂は、そ
の対向側面の部分において連結板６を介して連結され
て、前記レール２に沿って一体となってスライドする構
成になっている。また、各型載せ台Ｔ₁,Ｔ₂の手前側に
は、これと平行で、しかも水平となって駆動シリンダ７
が配設されて、そのシリンダ本体７ａの基端部は、連結
ピン８を介して固定ブラケット９に回動可能に連結され
ていると共に、そのロッド７ｂの先端のナックル１１
は、一方の型載せ台Ｔ₁の側方に取付けられた連結ブラ
ケット１２に連結ピン１３を介して連結されている。よ
って、駆動シリンダ７のロッド７ｂの出入りによって、
２台の型載せ台Ｔ₁,Ｔ₂は、一対のレール２に案内され
て、一体となってスライドする。

【００２５】また、図１及び図２において、レール２の
長手方向の中央部は、２台の射出成形型Ａ，Ｂのいずれ
か一方が配置されて、射出成形を行うための型締クラン
プ位置Ｐ₀となっており、該型締クランプ位置Ｐ₀の両
側には、それぞれ各射出成形型Ａ，Ｂを開閉して、イン
サート射出成形品の取出しと、インサート材であるウェ
ザーストリップ単体Ｗ₁〜Ｗ₃のセットを行うための型
開閉位置Ｐ₁,Ｐ₂となっている。

【００２６】そして、図１及び図２に示されるように、
前記駆動シリンダ７のロッド７ｂの後退端では、型載せ
台Ｔ₁に載せられている一方の射出成形型Ａが前記型締
クランプ位置Ｐ₀に位置すると共に、型載せ台Ｔ₂に載
せられている他方の射出成形型Ｂは、その型開閉位置Ｐ
₂に位置する。また、前記駆動シリンダ７のロッド７ｂ
の前進端では、型載せ台Ｔ₂に載せられている射出成形
型Ｂが前記型締クランプ位置Ｐ₀に位置すると共に、型
載せ台Ｔ₁に載せられている他方の射出成形型Ａは、そ
の型開閉位置Ｐ₁に位置する。また、前記駆動シリンダ
７は、そのシリンダ本体７ａの前後端部にそれぞれセン
サＳ₁,Ｓ₂が取付けられていて、そのピストン７ｃの位
置を検出可能にしてある。よって、図１及び図２に示さ
れる状態では、シリンダ本体７ａの後端部に設けられた
センサＳ₁によって、ピストン７ｃの後退端の位置が検
出されて、型締クランプ位置Ｐ₀には、射出成形型Ａが
セットされていることが認識されると共に、前記ロッド
７ｂの突出により、シリンダ本体７ａの前端部に設けら
れたセンサＳ₂によって、ピストン７ｃの前進端の位置
が検出されると、型締クランプ位置Ｐ₀には、他方の射
出成形型Ｂがセットされていることが認識される。

【００２７】また、図１ないし図３に示されるように、
前記型締クランプ位置Ｐ₀には、射出成形機Ｍが配設さ
れて、該型締クランプ位置Ｐ₀までスライドされて、型
締めされた射出成形型Ａ（Ｂ）の背面側には、射出ノズ
ル２１が、前記射出成形型Ａ（Ｂ）に対して進退可能に
配置されていると共に、前記射出成形型Ａ（Ｂ）の直上
には、型締プレス装置Ｄのクランプ体２２が昇降可能に
配置されている。また、前記各型載せ台Ｔ₁,Ｔ₂の下面
には、射出成形機Ｍによる型締クランプ時において、そ
のクランプ力が前記レール２に伝達するのを防止する荷
重受ブロック体１４が一体に取付けられている。即ち、
図３に示されるように、型締クランプ時においては、圧
縮バネ４によりレール２に対して浮上してフローティン
グ状態となっている型載せ台Ｔ₁(Ｔ₂)及びこれに載せら
れている射出成形型Ａ（Ｂ）は、前記クランプ体２２に
より下方に押し付けられて、型載せ台Ｔ₁(Ｔ₂)の下面
と、その直下のリニアガイド体３との間に所定の隙間１
５（図５参照）が形成された状態で、前記荷重受ブロッ
ク体１４がベース１に圧接することにより、前記クラン
プ体２２のクランプ力の反力は、ベース１に作用して、
レール２には作用しない構成となっている。これによ
り、射出成形型Ａ（Ｂ）の型締クランプ時において、レ
ール２の損傷が防止される。また、型締クランプ位置Ｐ
₀において、射出成形型Ａ（Ｂ）が型締めされた状態
で、その背面側のノズルタッチ孔５６に射出ノズル２１
が嵌め込まれて射出成形する際に、前記射出ノズル２１
の押圧力によって、型載せ台Ｔ₁(Ｔ₂)に対して前記射出
成形型Ａ（Ｂ）が移動させられるのを防止するためのス
トッパーブロック６１が、前記型載せ台Ｔ₁(Ｔ₂)の前面
側に固定されている。

【００２８】また、各射出成形型Ａ，Ｂの型開閉位置Ｐ
₁,Ｐ₂には、その可動型Ａ₂,Ｂ₂を固定型Ａ₁,Ｂ₁に対
して昇降させて、各射出成形型Ａ，Ｂの開閉を行うため
の型開閉装置Ｅ₁,Ｅ₂がそれぞれ配設されている。即
ち、型開閉装置Ｅ₁(Ｅ₂)は、前記各可動型Ａ₂(Ｂ₂)の型
板部１６の周縁部を下方から保持して、持ち上げるため
の型持上げ具Ｌ₁(Ｌ₂)と、該型持上げ具Ｌ₁(Ｌ₂)を昇降
させるシリンダ３１とを備えている。各型持上げ具Ｌ₁,
Ｌ₂は、垂直配置されたシリンダ３１のロッド３１ａの
下端に一体に連結されていて、該ロッド３１ａの出入り
により、待機位置（Ｑ₁)〔図４（イ）参照〕と持上げ位
置（Ｑ₂)〔図４（ロ）参照〕との間を昇降する構成にな
っている。前記型持上げ具Ｌ₁,Ｌ₂は、奥行方向に沿っ
て射出成形型Ａ，Ｂの奥行寸法に対応した間隔をおいて
配置されたＬ字状の一対の持上げ板３２の上端が連結板
３３で一体連結された構成であって、前記各持上げ板３
２の水平板部３２ａの上面には、前記可動型Ａ₂(Ｂ₂)の
型板部１６の位置決め孔３４に嵌合される位置決ピン３
５がそれぞれ設けられている。

【００２９】このため、射出成形を終えた射出成形型Ａ
（Ｂ）が、型締クランプ位置Ｐ₀から型開閉位置Ｐ₁(Ｐ
₂)まで移動されると、図４（イ）に示されるように、待
機位置（Ｑ₁)で待機中の型開閉装置Ｅ₁(Ｅ₂)の型持上げ
具Ｌ₁(Ｌ₂)の間に、射出成形型Ａ（Ｂ）の可動型Ａ₂(Ｂ
₂)の型板部１６が挿入される。この状態で、シリンダ３
１のロッド３１ａが引っ込んで、型持上げ具Ｌ₁(Ｌ₂)が
上昇すると、図４（ロ）に示されるように、その位置決
ピン３５が、前記型板部１６の位置決め孔３４に挿入嵌
合されて、型持上げ具Ｌ₁(Ｌ₂)に対して可動型Ａ₂(Ｂ₂)
が位置決めされた状態で、持上げ位置（Ｑ₂)まで持ち上
げられる。なお、図３及び図４に示されるように、射出
成形型Ａ，Ｂを構成する固定型Ａ₁,Ｂ₁と可動型Ａ₂,Ｂ
₂とは、それぞれに設けられた位置決め孔１７と位置決
めピン１８との嵌合によって、互いに位置決めされた状
態で「型閉じ（固定型Ａ₁,Ｂ₁と可動型Ａ₂,Ｂ₂とがク
ランプされずに、単に閉じられている状態をいう）」さ
れる。なお、図１及び図２において、１９は、型載せ台
Ｔ₁,Ｔ₂のスライド端を規制するストッパーであり、２
０は、該ストッパー１９の部分に設けられたショックア
ブソーバーである。

【００３０】また、駆動シリンダ７に取付けられた各セ
ンサＳ₁,Ｓ₂によって、該駆動シリンダ７のピストン７
ｃの位置が検出されることにより、型締クランプ位置Ｐ
₀に配置されている射出成形型Ａ（Ｂ）の種類が認識さ
れ、図９に示されるように、制御装置Ｇは、前記検出信
号に基づいて、前記射出成形機Ｍ、型締プレス装置Ｄ、
型開閉装置Ｅ₁,Ｅ₂等を制御する。

【００３１】引き続いて、上記した射出成形装置を使用
して、車両のドアフレームの内側に取付けられて、ドア
ガラスの周縁部を密閉するための「ガラスラン」と称さ
れるウェザーストリップＷの成形方法について説明す
る。このウェザーストリップＷは、図８に示されるよう
に、直線状に押出成形された３つのウェザーストリップ
単体Ｗ₁〜Ｗ₃の各端末を近接させ、しかもその軸線を
交差させた状態で配置して、それらの各コーナー部Ｎ₁,
Ｎ₂を射出成形して、全体を一体化させたものである。
このウェザーストリップＷは、図６及び図７において、
その断面形状が二点鎖線で示されているように、非使用
状態（成形状態）では、その開口側が大きく開いた「略
コの字形」をしていて、両側板部４１の先端には、その
内外にそれぞれリップ４２が設けられた複雑な形状をし
ている。

【００３２】また、前記射出成形型Ａは、二本のウェザ
ーストリップ単体Ｗ₁,Ｗ₂のコーナー部分を成形して、
これらを接続させるためのコーナー部Ｎ₁を成形するた
めの型であり、前記射出成形型Ｂは、二本のウェザース
トリップ単体Ｗ₂,Ｗ₃のコーナー部分を成形して、これ
らを接続させるためのコーナー部Ｎ₂を成形するための
型である。図６及び図７は、それぞれ射出成形型Ａ，Ｂ
を構成する固定型Ａ₁,Ｂ₁の平面図であって、固定型Ａ
₁に設けられた各挿入セット溝５１，５２に、それぞれ
ウェザーストリップ単体Ｗ₁,Ｗ₂の軸線を交差させ、し
かも成形側の端末を近接させた状態で挿入セットした状
態において、各ウェザーストリップ単体Ｗ₁,Ｗ₂の端末
の間には、前記各ウェザーストリップ単体Ｗ₁,Ｗ₂の端
末を接続するコーナー部Ｎ₁を成形するためのキャビテ
ィＦ₁が形成されている。全く同様にして、固定型Ａ₂
に設けられた各挿入セット溝５３，５４に、それぞれウ
ェザーストリップ単体Ｗ₂,Ｗ₃の軸線を交差させ、しか
も成形側の端末を近接させた状態で挿入セットした状態
において、各ウェザーストリップ単体Ｗ₂,Ｗ₃の端末の
間には、前記各ウェザーストリップ単体Ｗ₂,Ｗ₃の端末
を接続するコーナー部Ｎ₂を成形するためのキャビティ
Ｆ₂が形成されている。また、各キャビティＦ₁,Ｆ₂の
中央部には、該キャビティＦ₁,Ｆ₂に溶融樹脂を射出さ
せるためのスプルー５５が形成されていると共に、該ス
プルー５５における型端面に臨む部分には、射出成形機
Ｍの射出ノズル２１の先端を挿入するノズルタッチ孔５
６が形成されている。そして、型締クランプ時におい
て、各射出成形型Ａ，Ｂのノズルタッチ孔５６のベース
１からの高さ（Ｈ）は、等しくなっていて、各射出成形
型Ａ，Ｂのノズルタッチ孔５６に対して射出成形機Ｍの
射出ノズル２１が嵌まり込む構成になっている。なお、
図６及び図７において、５７は、冷却水流路を示す。

【００３３】また、図１０（イ）〜（ニ）は、２台の射
出成形型Ａ，Ｂを使用して、前記ウェザーストリップＷ
を成形する順序を示す図であり、図１１は、射出成形機
Ｍ及び型締プレス装置Ｄの各作動と、前記各射出成形型
Ａ，Ｂの開閉状態を示す作用模式図である。図１０
（イ）は、型締クランプ位置Ｐ₀において、射出成形型
Ａに対して射出成形が行われていると共に、型開閉位置
Ｐ₂において、射出成形型Ｂに対するインサート射出成
形品（ウェザーストリップＷ）の取出し、及びインサー
ト材（ウェザーストリップ単体Ｗ₂,Ｗ₃）のセットを行
っている状態である。この状態では、駆動シリンダ７に
取付けられたセンサＳ₁によって、型締クランプ位置Ｐ
₀には、射出成形型Ａが位置していることが認識され、
図５に示されるように、型締プレス装置Ｄが作動して、
そのクランプ体２２によって、型載せ台Ｔ₁に載せられ
た射出成形型Ａは、下方に向けて押圧クランプされ、前
記型載せ台Ｔ₁の下面の荷重受ブロック体１４がベース
１に圧接して、前記クランプ荷重は、該荷重受ブロック
体１４に作用して、リニアガイド体３と型載せ台Ｔ₁と
の間には、僅かの隙間１５が形成されている。また、射
出成形機Ｍの射出ノズル２１が前進して、射出成形型Ａ
を構成する固定型Ａ₁及び可動型Ａ₂の境界部に、両型
Ａ₁,Ａ₂にわたって形成されたノズルタッチ孔５６に前
記射出ノズル２１の先端部が嵌まり込んでいる。

【００３４】図６に示されるように、上記の状態におい
て、射出成形機Ｍの射出ノズル２１から溶融樹脂が射出
されると、該溶融樹脂は、射出成形型Ａのスプルー５５
を経てキャビティＦ₁内に充填され、この充填後におい
ては、射出成形型Ａは、そのままの状態で所定時間だけ
冷却される。これにより、ウェザーストリップＷのコー
ナー部Ｎ₁が射出成形されて、ウェザーストリップ単体
Ｗ₁と同Ｗ₂とが、射出成形されたコーナー部Ｎ₁を介
して接続される。一方、射出成形型Ａに対して溶融樹脂
が射出されて、該成形型Ａが冷却されている間には、他
方の射出成形型Ｂに対して射出する溶融樹脂の計量が行
われる。

【００３５】また、上記のようにして、型締クランプ位
置Ｐ₀において、一方の射出成形型Ａに対して溶融樹脂
が射出されて、該成形型Ａが冷却されている間には、そ
の側方の型開閉位置Ｐ₁においては、他方の射出成形型
Ｂの可動型Ｂ₂は、型開閉装置Ｅ₂を構成する型持上げ
具Ｌ₂によって、固定型Ｂ₁の直上に持ち上げられるこ
とにより「型開き」されて、他方の射出成形型Ｂに対す
るインサート射出成形品（ウェザーストリップＷ）の取
出し、及びインサート材（ウェザーストリップ単体Ｗ₂,
Ｗ₃）のセットが行われる。

【００３６】そして、射出成形型ＡのキャビティＦ₁内
に射出された溶融樹脂が冷却された後には、型締プレス
装置Ｄが作動して、そのクランプ体２２が上昇すると共
に、射出成形機Ｍの射出ノズル２１が後退する。その後
に、図１０（ロ）に示されるように、型開閉装置Ｅ₂が
作動して、これを構成する型持上げ具Ｌ₂が下降して、
射出成形型Ｂは、インサート材（ウェザーストリップ単
体Ｗ₂,Ｗ₃）がセットされた状態で「型閉じ」されると
共に、型締プレス装置Ｄが作動して、そのクランプ体２
２が上昇する。その後に、駆動シリンダ７のロッド７ａ
が突出して、２台の射出成形型Ａ，Ｂは、一体となっ
て、図１０で左方にスライドされて、成形を終了した射
出成形型Ａが型開閉位置Ｐ₁に達すると共に、インサー
ト材がセットされた射出成形型Ｂは、型締クランプ位置
Ｐ₀に達する。２台の射出成形型Ａ，Ｂが一体となって
スライドする際には、図４（イ）に示されるように、各
型開閉装置Ｅ₁,Ｅ₂を構成する型持上げ具Ｌ₁,Ｌ₂は、
いずれも待機位置Ｑ₁に位置していて、前記圧縮バネ４
の作用によって、型載せ台Ｔ₁,Ｔ₂及びこれに載せられ
ている射出成形型Ａ，Ｂは、いずれもフローティング状
態となっていて、型持上げ具Ｌ₁,Ｌ₂の持上げ板３２に
取付けられた位置決めピン３５は、各可動型Ａ ₂,Ｂ₂の
位置決め孔３４から脱出している。よって、各射出成形
型Ａ，Ｂは、その可動型Ａ₂,Ｂ₂の型板部１６と前記位
置決めピン３５とが干渉することなく、スライド可能と
なる。

【００３７】次に、図１０（ハ）に示されるように、型
締クランプ位置Ｐ₀においては、型締プレス装置Ｄが作
動して、そのクランプ体２２により射出成形型Ｂが下方
に押圧クランプされると共に、射出成形機Ｍの射出ノズ
ル２１が前進して、射出成形型ＢのキャビティＦ₂に対
して溶融樹脂が射出されて、ウェザーストリップＷのコ
ーナー部Ｎ₂が成形されて、ウェザーストリップ単体Ｗ
₂と同Ｗ₃とが、射出成形された前記コーナー部Ｎ₂を
介して接続される。

【００３８】上記のようにして、型締クランプ位置Ｐ₀
において、射出成形型Ｂによって、ウェザーストリップ
Ｗのコーナー部Ｎ₂が射出成形されている間において、
その側方の型開閉位置Ｐ₁においては、型開閉装置Ｅ₂
の作動により、射出成形型Ａの可動型Ａ₂が持上げ位置
Ｑ₂まで持ち上げられることにより、「型開き」して、
インサート射出成形品（ウェザーストリップＷ）の取出
し、及びインサート材（ウェザーストリップ単体Ｗ₁,Ｗ
₂)のセットが行われる。

【００３９】そして、射出成形型Ａに対する射出成形の
終了後には、上記したように、型締クランプ位置Ｐ₀に
おいては、型締プレス装置Ｄの作動により、そのクラン
プ体２２が上昇すると共に、射出成形機Ｍの射出ノズル
２１が後退する。一方、型開閉位置Ｐ₁においては、型
開閉装置Ｅ₁の型持上げ具Ｌ₁が待機位置Ｑ₁まで下降
して、その可動型Ａ₂と、型載せ台Ｔ₁に載せられてい
る固定型Ａ₁とが「型閉じ」される。この状態で、駆動
シリンダ７が作動して、そのロッド７ａが引っ込むと、
図１０（ニ）に示されるように、インサート材がセット
された射出成形型Ａは、再度、型締クランプ位置Ｐ₀に
達すると共に、射出成形を終了した射出成形型Ｂは、型
開閉位置Ｐ₂に達する。上記した各操作が成形の１サイ
クルであって、以後は、このサイクルが反復される。

【００４０】また、上記実施形態は、１台の射出成形機
Ｍに対して２台の射出成形型Ａ，Ｂを備えた構成である
が、１台の射出成形機Ｍに対して３台以上の射出成形型
を備える構成にすることもできる。図１２は、１台の射
出成形機Ｍに対して３台の射出成形型Ａ，Ｂ，Ｃを使用
して、前記ウェザーストリップＷを成形する順序を示す
図である。３台の射出成形型Ａ，Ｂ，Ｃを使用する場合
には、型締クランプ位置Ｐ₀の両側に、それぞれ型開閉
位置Ｐ₁,Ｐ₂を設ける構成は、前記実施形態と同一であ
るが、更に、各型開閉位置Ｐ₁,Ｐ₂の外側に、それぞれ
両側に配置された各射出成形型Ａ，Ｃの型待機位置Ｐ₃,
Ｐ₄を設ける必要がある。なお、射出成形型Ｃは、型載
せ台Ｔ₃に載せられ、３台の射出成形型Ａ，Ｂ，Ｃは、
連結板６により互いに連結されて、一体となってスライ
ドする。

【００４１】図１２（イ）は、型締クランプ位置Ｐ₀に
おいて、中央の射出成形型Ａに対して射出成形を行って
いると共に、その両側の型開閉位置Ｐ₁,Ｐ₂において、
それぞれ射出成形型Ａ，Ｂに対するインサート射出成形
品の取出し、及びインサート材のセットを行っている状
態である。図１２（ロ）は、直前の状態において、３台
の射出成形型Ａ，Ｂ，Ｃを左方にスライドさせて、右側
の射出成形型Ｃを型締クランプ位置Ｐ₀に位置させて射
出成形を行っていると共に、中央の射出成形型Ｂを型開
閉位置Ｐ₁に位置させて、インサート射出成形品の取出
し、及びインサート材のセットを行っており、更に、イ
ンサート材をセット済の左側の射出成形型Ａは、型待機
位置Ｐ₃に位置している状態である。図１２（ハ）は、
直前の状態において、３台の射出成形型Ａ，Ｂ，Ｃを右
方にスライドさせて、中央の射出成形型Ｂを型締クラン
プ位置Ｐ₀に位置させて射出成形を行っていると共に、
射出成形を終えた右側の射出成形型Ｃを型開閉位置Ｐ₂
に位置させて、インサート射出成形品の取出し、及びイ
ンサート材のセットを行っており、更に、インサート材
をセット済の左側の射出成形型Ａを型開閉位置Ｐ₁に位
置させた状態である。更に、図１２（ニ）は、直前の状
態において、３台の射出成形型Ａ，Ｂ，Ｃを更に右方に
スライドさせて、左側の射出成形型Ａを型締クランプ位
置Ｐ₀に位置させて射出成形を行っていると共に、射出
成形を終えた中央の射出成形型Ｂを型開閉位置Ｐ₂に位
置させて、インサート射出成形品の取出し、及びインサ
ート材のセットを行っており、更に、インサート材をセ
ット済の右側の射出成形型Ａを型待機位置Ｐ₄に位置さ
せた状態である。なお、図１２において、Ｃ₁,Ｃ₂は、
それぞれ射出成形型Ｃを構成する固定型及び可動型を示
す。

【００４２】このように、３台の射出成形型Ａ，Ｂ，Ｃ
を使用した場合には、４回の射出成形を行う成形の１サ
イクルにおいて、中央の射出成形型Ｂのみは、射出成形
を２回行うことになる。

【００４３】また、最初の実施形態は、２台の射出成形
型Ａ，Ｂにより、それぞれ異なる形状のコーナー部Ｎ₁,
Ｎ₂を成形する例であって、本発明は、このような場合
に効果があるが、複数台の射出成形型により、同一の成
形部を成形することも可能である。

【００４４】また、本発明に係る射出成形装置による成
形品は、上記「ガラスラン」と称されるウェザーストリ
ップに限られず、車両のボディフレーム、又はドアフレ
ームの周縁部に気密を保持するために取付けられる他の
ウェザーストリップの接合成形も可能である。

【００４５】

【発明の効果】本発明は、１台の射出成形機に対して複
数の射出成形型が用意されていて、特定の一つの射出成
形型を使用した射出成形中においては、他の射出成形型
の少なくとも一つは、その型開閉位置において、インサ
ート射出成形品の取出し、及びインサート材のセットを
行って、前記特定の射出成形型に対する射出成形を終え
た直後に、当該他の射出成形型を型締クランプ位置まで
スライドさせて、射出成形を行う構成であるので、射出
成形機の休止時間が大幅に短縮されて、インサート射出
成形品の生産性が大幅に向上すると共に、成形品の生産
量に対する射出成形装置の設置面積も少なくて済む。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る射出成形装置の正面図である。

【図２】同じく平面図である。

【図３】同じく右側面図である。

【図４】（イ),（ロ）は、それぞれ型開閉装置Ｅ₁,Ｅ₂
の型持上げ具Ｌ₁,Ｌ₂が待機位置Ｑ₁及び持上げ位置Ｑ
₂に位置している状態の側面図である。

【図５】図１のＸ矢視図である。

【図６】射出成形型Ａの固定型Ａ₁の平面図である。

【図７】射出成形型Ｂの固定型Ｂ₁の平面図である。

【図８】インサート射出成形品であるウェザーストリッ
プＷの部分正面図である。

【図９】本発明に係る射出成形装置の制御系統を示すブ
ロック線図である。

【図１０】（イ）〜（ニ）は、２台の射出成形型Ａ，Ｂ
を使用して、前記ウェザーストリップＷを成形する順序
を示す図である。

【図１１】射出成形機Ｍ及び型締プレス装置Ｄの各作動
と、前記各射出成形型Ａ，Ｂの開閉状態を示す作用模式
図である。

【図１２】（イ）〜（ニ）は、３台の射出成形型Ａ，
Ｂ，Ｃを使用して、インサート射出成形品を成形する順
序を示す図である。

【符号の説明】

Ａ，Ｂ，Ｃ：射出成形型Ａ₁,Ｂ₁,Ｃ₁：固定型Ａ₂,Ｂ₂,Ｃ₂：可動型Ｄ：型締プレス装置Ｅ₁,Ｅ₂：型開閉装置Ｆ₁,Ｆ₂：射出成形型のキャビティＧ：制御装置Ｍ：射出成形機Ｎ₁,Ｎ₂：ウェザーストリップのコーナー部Ｐ₀：型締クランプ位置Ｐ₁,Ｐ₂：型開閉位置Ｓ₁,Ｓ₂：センサＴ₁,Ｔ₂：型載せ台２：レール（スライドガイド体）４：圧縮バネ（圧縮弾性体）７：駆動シリンダ（駆動手段）１４：荷重受ブロック体５６：射出成形型のノズルタッチ孔

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】固定型と可動型とから成る射出成形型の
キャビティにインサート材を予めセットした状態で、該
インサート材と一体化したインサート射出成形品を成形
する方法であって、射出成形機の型締クランプ位置に対して複数の射出成形
型が、その周囲の型開閉位置までスライド可能に配置さ
れていて、前記複数の射出成形型のうち特定の一つが、前記型締ク
ランプ位置に配置されて射出成形を行っている間におい
ては、前記型開閉位置において、他の射出成形型の少な
くとも一つに対する前記インサート射出成形品の取出
し、及びインサート材のセットを行い、前記特定の射出成形型に対する射出成形後において、当
該他の射出成形型を前記型締クランプ位置までスライド
させて、射出成形を行うことを特徴とするインサート射
出成形品の射出成形方法。
【請求項２】複数の射出成形型は、そのキャビティ形
状が異なっていて、特定の射出成形型が型締クランプ位
置にスライドしてセットされた状態を検出して、その検
出信号を制御装置に送り、該信号に基づいて、成形に供
される射出成形型を認識して、射出成形機に予め定めら
れた射出条件を指令して、該条件に基づいて前記キャビ
ティ内に樹脂を射出することを特徴とするインサート射
出成形品の射出成形方法。
【請求項３】前記インサート材は、車両用の長尺状の
ウェザーストリップ単体であって、型開き状態におい
て、少なくとも二本のウェザーストリップ単体を、その
軸線が交差し、しかも端末どうしを近接させて前記射出
成形型の固定型にセットし、当該射出成形型を前記型締クランプ位置までスライドさ
せて、型締めした状態で、前記ウェザーストリップ単体
の各端末の間に形成されるキャビティに溶融樹脂を射出
させて、前記各ウェザーストリップ単体を接続すると同
時に、ウェザーストリップとしてのコーナー部を成形す
ることを特徴とする請求項１又は２に記載のインサート
射出成形品の射出成形方法。
【請求項４】前記ウェザーストリップは、車両のドア
フレームに取付けられて、ドアガラスの周縁部を密封す
るガラスランであることを特徴とする請求項３に記載の
インサート射出成形品の射出成形方法。
【請求項５】固定型と可動型とから成る射出成形型の
キャビティにインサート材を予めセットした状態で、該
インサート材と一体化したインサート射出成形品を成形
する装置であって、射出成形機の型締クランプ位置と、その側方に設けられ
た各型開閉位置との間を、スライドガイド体にガイドさ
れてスライド可能に配置された型載せ台と、前記型載せ台に載せられて、前記型締クランプ位置と、
その側方に設けられた各型開閉位置との間をスライドす
る複数の射出成形型と、前記複数の射出成形型を開閉するために、それらの型開
閉位置にそれぞれ設けられた各型開閉装置と、前記型締クランプ位置と、各射出成形型に対応した各型
開閉位置との間において、各射出成形型を移動させるた
めに、これを載せている型載せ台をスライドさせるため
の駆動手段と、前記射出成形機、前記型開閉装置及び前記駆動手段を予
め定められたプログラムで作動させるための制御装置
と、を備えていることを特徴とするインサート射出成形品の
射出成形装置。
【請求項６】特定の射出成形型が型締クランプ位置ま
でスライドされたことを検出するセンサを備え、該セン
サから射出成形型を特定する信号を前記制御装置に入力
する構成になっていることを特徴とする請求項５に記載
のインサート射出成形品の射出成形装置。
【請求項７】前記スライドガイド体にガイドされてス
ライドする型載せ台は、該型載せ台を上方に付勢する圧
縮弾性体を介して前記スライドガイド体にフローティン
グ状態で支持されていることを特徴とする請求項５又は
６に記載のインサート射出成形品の射出成形装置。
【請求項８】前記型載せ台の裏面には、射出成形の型
締クランプ時において、そのクランプ力が前記スライド
ガイド体に伝達するのを防止するための荷重受ブロック
体が設けられていることを特徴とする請求項５ないし７
のいずれかに記載のインサート射出成形品の射出成形装
置。
【請求項９】前記各射出成形型のノズルタッチ位置
は、型締クランプ位置で型締めされた状態において、同
一高さ位置に設けられていることを特徴とする請求項５
ないし８のいずれかに記載のインサート射出成形品の射
出成形装置。