JP2004050440A - 容器成形用フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】成形加工性および耐衝撃性に優れた包装容器に好適な容器成形用ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】ポリマーAとポリマーBが交互に積層され、積層数が少なくとも5層以上の積層フィルムからなることを特徴とする容器成形用フィルム。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器成形用フィルムに関するものである。詳しくは、本発明のフィルム単独もしくは、金属板やプラスチックや紙などの基材に貼り合せて、容器に容易に成形することができるだけでなく、さらには味特性、耐衝撃性に優れた容器成形用フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
包装用容器に使用される熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニルなどを挙げることができる。これら熱可塑性樹脂が単独で用いられる場合、通常金型へ樹脂を流し込んで成型物を得るか、もしくは無延伸のシートを成形することで容器を得ている。しかしながら、無延伸シートを用いた成形では、耐衝撃性を付与することは困難であり、また非晶性樹脂の場合耐熱性が悪く、逆に結晶性樹脂の場合成形時に白化するという課題があった。
【0003】
また、樹脂をフィルム化し金属板などの基材に貼り合せた後に容器に成形する場合にはフィルムには次のような特性が要求される。
【0004】
(1)金属板へのラミネート性に優れていること、
(2)金属板との密着性に優れていること、
(3)成形性に優れ、成形後にピンホールなどの欠陥を生じないこと、
(4)金属缶に対する衝撃によって、ポリエステルフィルムが剥離したり、クラック、ピンホールが発生したりしないこと、
(5)缶の内容物の香り成分がフィルムに吸着したり、フィルムからの溶出物によって内容物の風味がそこなわれないこと(以下、味特性と記載する)。
【0005】
これらの要求を解決するために多くの提案がなされている。例えば、特開平9−194604号公報には、特定の極限粘度を有するポリエステルをブレンドしたフィルムが開示され、また例えば特開2000−313755号公報には特定の昇温結晶化温度を有するフィルムが開示されている。さらには、特許第2851468号公報、特許第2908160号公報、特許第2908191号公報、特許第2908192号公報、特許第2908195号公報、特許第2908196号公報、特許第3016936号公報、特許第3016943号公報、特許第3048725号公報などでは、245℃以下の融点を有する共重合ポリエステルとポリブチレンテレフタレートのブレンドフィルムまたは該フィルムに共重合ポリエステルを積層した積層フィルムが開示されている。しかしながら、これらの提案は、上述のような多岐にわたる要求特性を必ずしも総合的に満足できるものではなく、特に優れた成形性が要求される用途での、味特性、耐衝撃性を両立することは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記した従来技術の問題点を解消することにあり、成形加工性、味特性および耐衝撃性に優れた包装用容器に好適な容器成形用フィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明の容器成形用フィルムは、主として次の構成を有する。すなわち、
ポリマーAとポリマーBが交互に積層され、積層数が少なくとも5層以上の積層フィルムからなることを特徴とする容器成形用フィルムである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のポリマーAおよびポリマーBは有機分子、無機高分子に限定されるものではないが、好ましいポリマーとしてはポリオレフィン類、ポリアミド類、ポリエーテル類、ポリエステル類、ポリカーボネート類やポリスチレン、ポリシロキサン類を挙げることができる。ポリオレフィン類としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、ポリメチル−4−ペンテン−1などを好ましく挙げることができる。ポリアミド類としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン12、ナイロンMXD6などを好ましいポリマーとして挙げることができる。ポリエステル類としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等の芳香族ポリエステルおよびその共重合物、特にイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートやイソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート、ポリアルキレングリコールブロック共重合ポリエステル(ポリエーテルエステル)さらにはポリ乳酸などの脂肪族ポリエステルを好ましいポリマーとして挙げることができる。
【0009】
これらのポリマーの中でも、ポリエステル類を使用することが、耐熱性、耐衝撃性、成形性等が最もバランス良く良好であることから、最も好ましい。
【0010】
また、ポリマーAとポリマーBは層間界面での親和性の観点から相溶であることが好ましい。例えば、ポリエステル同士であるポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートをポリマーAとポリマーBとすることは極めて好ましい態様である。ポリマーAとBが非相溶の場合、積層界面ではく離し、極薄の単層フィルムとなってしまう場合がある。
【0011】
さらに本発明の容器成形用フィルムに用いるポリマーAとポリマーBのガラス転移点の差が20〜200℃、さらには30〜150℃であるのが好ましい。ガラス転移点の差がかかる好ましい範囲であると、フィルム中の非晶域の熱運動性の層間差が十分で、耐衝撃性が向上し、一方、非晶領域の運動性の層間差が大きすぎて製膜が困難になることもない。
【0012】
本発明の容器成形用フィルムは耐衝撃性の観点からポリマーAとポリマーBを交互に配置してなる積層フィルムであって、5層以上の積層フィルムであることが必要である。4層以下では耐衝撃性に劣ってしまう。同一厚みのフィルムおいて、積層数を多くすると言うことは1層当りの厚さを薄くするということであり、1層当りの厚みが薄くなればポリマーに対する自由体積を少なくすることができ、かつ界面を多くすることで界面間でのエネルギー吸収が起こるために耐衝撃性が良好となるものと考えられる。耐衝撃性の観点からは積層数は100層以上であればより好ましい。
【0013】
また、1層当たりの平均厚みは1nm〜1μmであることが耐衝撃性向上の観点から好ましく、1〜500nmであるとさらに好ましい。1〜50nmであれば、耐衝撃性が著しく向上するので特に好ましい。
【0014】
本発明の容器成形用フィルムは本フィルム単独で使用する場合にはフィルム厚さは1000〜50μmであることが好ましく、250〜100μmであればより好ましい。一方、金属板などの基材に貼り合わせてから成形する用途に使用する場合には38〜5μmであることが好ましく、25〜10μmであればより好ましい。
【0015】
本発明のフィルムは耐熱性の観点から融点が205〜270℃であることが好ましい。かかる好ましい範囲であると、容器として使用する際に使用制限を設ける必要がない。より好ましくはフィルムの融点は220〜270℃である。
【0016】
本発明のフィルムには、取り扱い性、加工性を向上させるために、平均粒子径0.01〜10μmの公知の内部粒子、無機粒子および/または有機粒子を0.01〜3重量%含有することが好ましい。粒子濃度が0.05〜3重量%であるとさらに好ましく、0.1〜3重量%であるとより好ましく、0.3〜3重量%であるとより一層好ましい。内部粒子の析出方法としては公知の技術を用いることができるが、例えば、特開昭48−61556号公報、特開昭51−12860号公報、特開昭53−41355号公報、および特開昭54−90397号公報などに記載の技術を採用することができる。さらに、特公昭55−20496号公報や特開昭59−204617号公報などに記載の他の粒子を併用することもできる。平均粒子径を上記好ましい範囲とすると、フィルムに欠陥が生じることもない。
【0017】
かかる無機粒子としては、例えば、湿式および乾式シリカ、コロイダルシリカ、ケイ酸アルミ、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミ、マイカ、カオリン、クレーなど、有機粒子としてはスチレン、シリコーン、アクリル酸類、メタクリル酸類、ポリエステル類、ジビニル化合物などを構成成分とする粒子を使用することができる。なかでも、湿式および乾式シリカ、アルミナなどの無機粒子およびスチレン、シリコーン、アクリル酸、メタクリル酸、ポリエステル、ジビニルベンゼンなどを構成成分とする粒子を使用することが好ましい。さらに、これらの内部粒子、無機粒子および有機粒子は二種以上を併用してもよい。
【0018】
本発明における容器成形用フィルムは5層以上の積層フィルムであることが必要であるが、その製造方法はポリマーAとポリマーBを交互に配置する必要があることから、2台以上の溶融押出機を用いて、各々の押出機にポリマーを供給し、溶融押出を行い、Tダイ上部に設置したフィードブロックやスタティックミキサー、マルチマニホールドなどを用いて積層する方法を好ましく用いることができる。特に好ましい方法としては、ポリマーAおよびポリマーBをフィードブロックにて3層以上に積層した後、スタティックミキサーを用いて積層数を増加させ、Tダイからシート状に吐出し未延伸シートを得る方法が挙げられる。
【0019】
次に本発明の容器成形用フィルムの製造方法について、ポリマーAにポリエチレンテレフタレート、ポリマーBにポリブチレンテレフタレートを使用する場合について好ましい製造方法を具体的に記述する。
【0020】
ポリマーAとして使用するポリエチレンテレフタレートの調製方法としては、例えば以下のように行えばよい。テレフタル酸ジメチル100重量%、エチレングリコール60重量%の混合物に、テレフタル酸ジメチル量に対して酢酸マグネシウム0.09重量%、三酸化アンチモン0.03重量%を添加して、常法により加熱昇温してエステル交換反応を行う。次いで、該エステル交換反応生成物に、テレフタル酸ジメチル量に対して、リン酸85%水溶液0.020重量%を添加した後、重縮合反応層に移行する。さらに、加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して1mmHgの減圧下、290℃で常法により重縮合反応を行い、所望の極限粘度のポリエチレンテレフタレート樹脂を得る。
【0021】
また、ポリマーBとして使用するポリブチレンテレフタレートの製造方法としては例えば以下のように行えばよい。テレフタル酸100重量%、1,4−ブタンジオール110重量%の混合物を窒素雰囲気下で140℃まで昇温して均一溶液とした後、テレフタル酸に対してオルトチタン酸テトラ−n−ブチル0.054重量%、モノヒドロキシブチルスズオキサイド0.054重量%を添加し、常法によりエステル化反応を行う。次いで、オルトチタン酸テトラ−n−ブチル0.066重量%を添加して、減圧下で重縮合反応を行い、所望の極限粘度のポリブチレンテレフタレート樹脂を得る。
【0022】
なお、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートともに必要に応じて固相重合を行ってもよい。
【0023】
上記のようにして得たポリエステルを各々窒素雰囲気、真空雰囲気などで例えば150℃5時間などの乾燥を行い、その後個別の押出機に供給し溶融する。次いで別々の経路にてフィルターやギヤポンプを通じて、異物の除去、押出量の均整化を行い、フィードブロックにて積層する。ついでスタティックミキサーを用いて積層数を所望の数に増加させた後、Tダイより冷却ドラム上にシート状に吐出する。その際、例えば、ワイヤー状電極もしくはテープ状電極を使用して静電印加する方法、キャスティングドラムと押出したポリマーシート間に水膜を設けたキャスト法、キャスティングドラム温度をポリエステルのガラス転移点〜(ガラス転移点−20℃)にして押出したポリマーを粘着させる方法、もしくはこれらの方法を複数組み合わせた方法によりシート状ポリマーをキャスティングドラムに密着させ冷却固化し未延伸フィルムを得る。これらのキャスト法の中でも、ポリエステルを使用する場合は生産性平面性の観点から静電印加する方法が好ましく使用される。また、ポリオレフィンを使用する場合には圧空により冷却ドラムに押しつけるエアナイフ法が好ましい。かかる未延伸フィルムを用いて長手方向に延伸した後、幅方向に延伸する、あるいは幅方向に延伸した後、長手方向に延伸する逐次二軸延伸方法、フィルムの長手方向、幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸方法などにより延伸を行なう。
【0024】
かかる延伸方法において、採用される延伸倍率としては、それぞれの方向に好ましくは1.6〜4.2倍、さらに好ましくは1.7〜4.0倍である。また、延伸速度は1,000〜200,000%/分であることが望ましく、延伸温度はポリエステルの場合、ガラス転移点〜(ガラス転移点+100℃)の温度範囲であれば任意の温度とすることができるが、好ましくは、80〜140℃、特に好ましくは長手方向の延伸温度を90〜125℃、幅方向の延伸温度を80〜130℃とするのがよい。また、延伸は各方向に対して複数回行なってもよい。
【0025】
さらに二軸延伸の後にフィルムの熱処理を行なうが、この熱処理はオーブン中、加熱されたロール上など従来公知の任意の方法により行なうことができる。熱処理温度は120℃以上ポリエステルの融点以下の任意の温度とすることができるが、成形加工性、耐衝撃性の点から120〜230℃の熱処理温度であることが好ましい。かかる好ましい温度であれば、耐衝撃性が良好で、一方、成形加工性が悪化することもない。成形後の耐衝撃性の点からは150〜220℃であればさらに好ましく、170〜210℃の範囲であればよりいっそう好ましい。また、熱処理時間は他の特性を悪化させない範囲において任意とすることができるが、通常1〜60秒間行うのが好ましい。さらに、熱処理はフィルムを長手方向および/または幅方向に弛緩させて行ってもよい。
【0026】
本発明の容器成形用フィルムは、優れた成形加工性、味特性を有するだけでなく、極めて耐衝撃性に優れたフィルムであることから、フィルム単体で容器として使用できるだけでなく、紙や他のプラスチックに貼り合せた後に容器に成形する用途や、鋼板やアルミニウム板等の金属板に貼り合せた後に絞り成形やしごき成形によって製造する金属容器にも好ましく使用することができる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を詳細に説明する。なお、特性は以下の方法により測定、評価した。
(1)融点およびガラス転移点
ポリマーもしくはフィルムを約10mg精秤し、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製 DSC2型)にて、20℃/分の昇温速度で測定し、DSC曲線の変曲点からガラス転移点を融解に伴う吸熱ピークのピーク位置から融点を求めた。なお、測定は必要に応じて液体窒素を使うなどして低温から行った。
(2)積層層数および平均層厚み
積層層数は以下に述べる実施例、比較例に記載の通り、Tダイ上部に設置したフィードブロックおよびスタティックミキサーにより決定した。実際に設定通りの積層層数になっているかの確認はフィルム任意の場所の断面を透過型電子顕微鏡で観察することで確認を行った。また、その際に一層当りの平均層厚みを決定した。
(3)成形性
220℃に加熱したアルミニウム板(厚さ0.2mm)にフィルムを30m/分で貼り合せた後、40℃の水槽で急冷した。その後、該フィルムラミネート鋼板をフィルムの融点+15℃で熱処理後、再度水槽で急冷した。このようにして得たラミネート鋼板を、絞り成形機で成形(成形比(最大厚み/最小厚み)=2.0))し、缶を得た。得られた缶内に1%の塩化ナトリウム水溶液を入れ1日放置後、塩化ナトリウム水溶液中の電極と金属缶に6Vの電圧をかけて3秒後の電流値を読みとり、10缶測定後の平均値を下記の基準で評価した。
【0028】
A級:0.0001mA未満
B級:0.0001〜0.001mA
C級:0.001〜0.01mA
D級:0.01mA以上
(4)耐衝撃性
上記アルミニウム缶に水を満たし、5℃に冷却後、高さ1.3mから塩化ビニル製タイル床面に落下させた。その後その後水中の電極とアルミニウム缶に6Vの電圧をかけ3秒後の電流値を読みとり、10缶測定し平均値を下記の基準で評価した。
【0029】
A級:0.001mA未満
B級:0.001〜0.005mA
C級:0.005〜0.01mA
D級:0.01mA以上
(5)耐ピンホール性
ASTM  F−392に準じて、297×210mmの大きさに切り出したフィルムをゲルボテスターを使用し0℃の温度で、500回の繰り返し屈曲試験を実施した。試験を10回行い、ピンホール個数を計測し平均値を算出した。
(実施例1)
ポリマーAとしてポリエチレンテレフタレート、ポリマーBとしてポリブチレンテレフタレートを使用した。それぞれのポリマーの調製方法は次の通りである。
[ポリマーAの調製方法]
酸成分としてテレフタル酸ジメチル100重量%に、グリコール成分としてエチレングリコール67重量%を添加し、それにエステル交換触媒として酢酸マンガン0.04重量%を加え、常法によりエステル交換反応を行った。次いで、リン酸85%水溶液0.025重量%、二酸化ゲルマニウム0.02重量%を添加し、徐々に昇温、減圧し、最終的に290℃、0.5mmHgまで昇温、減圧し重縮合反応を行い、極限粘度0.68、融点253℃のポリエチレンテレフタレートを得た。
[ポリマーBの調製方法]
テレフタル酸100重量%、1,4−ブタンジオール110重量%の混合物を窒素雰囲気下で140℃まで昇温して均一溶液とした後、テレフタル酸に対してオルトチタン酸テトラ−n−ブチル0.054重量%、モノヒドロキシブチルスズオキサイド0.054重量%を添加し、常法によりエステル化反応を行った。次いで、オルトチタン酸テトラ−n−ブチル0.066重量%を添加して、減圧下で重縮合反応を行い、極限粘度0.88のポリブチレンテレフタレート樹脂を得た。その後、140℃、窒素雰囲気下で結晶化を行い、次いで窒素雰囲気下で200℃、6時間の固相重合を行い、極限粘度1.2のポリブチレンテレフタレート樹脂を得た。
【0030】
上記のようにして得たポリマーAとBを別々に180℃で3時間真空乾燥した後、別々の45mm単軸押出機(L/D=28)に供給し280℃で溶融押出し、Tダイ上部に設置したフィードブロック内でA/B/Aの3層積層し、次にスタティックミキサーの1種であるスクエアーミキサーにてA/B/A/B/・・・/A/B/Aの129層の積層状態とした。これをTダイから20℃に冷却した冷却ドラム状に静電印加しながら押出し未延伸シートを得た。
【0031】
次いで、85℃に加熱してフィルム長手方向に3.5倍延伸し、一旦冷却後テンター式延伸機に導入して100℃で3.5倍に幅方向延伸し、そのまま幅方向に5%のリラックスを掛けながら190℃で熱処理を行い、室温まで徐冷後ロール上に巻取りフィルムを得た。得たフィルムの厚みは25μmであり、ポリマーA層の1層当りの平均厚みは250nm、ポリマーB層の1層当りの平均厚みは130nmであった。
(実施例2)
ポリマーAとして三井化学(株)製PET樹脂“J120”を使用した。またポリマーBとして東レ(株)製PBT樹脂“トレコン”(登録商標)1200S95重量%に東レ・デュポン(株)製エラストマー“ハイトレル”(登録商標)7277を5重量%混合して使用した。
【0032】
フィードブロックでの積層数をA/B/A/・・/B/Aで9層として、その後スクエアーミキサーで513層まで積層を行った以外は実施例1と同様にして25μmの二軸配向フィルムを得た。
(実施例3)
スクエアーミキサーを使用しないこと以外は実施例2と同様に製膜を行い、9層積層二軸配向フィルムを得た。
(実施例4)
ポリマーAとしてイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート、ポリマーBとしてシクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレートであるイーストマンケミカル社製“イースター”(登録商標)6763を使用した。ポリマーAの調製方法は次の通りである。
[ポリマーAの調製方法]
酸成分としてテレフタル酸ジメチル82重量%とイソフタル酸ジメチル18重量%の混合物に、グリコール成分としてエチレングリコール67重量%を添加し、それにエステル交換触媒として酢酸マンガン0.04重量%を加え、常法によりエステル交換反応を行った。次いで、リン酸85%水溶液0.025重量%、三酸化アンチモン0.03重量%を添加し、徐々に昇温、減圧し、最終的に290℃、0.5mmHgまで昇温、減圧し重縮合反応を行い、極限粘度0.70、融点220℃のイソフタル酸18モル%共重合ポリエチレンテレフタレートを得た。
【0033】
上記のとおり調製したポリマーA(イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート)を170℃で3.5時間真空乾燥し、ポリマーBを80℃で5時間乾燥した後、別々の45mm単軸押出機(L/D=28)に供給し280℃で溶融押出し、Tダイ上部に設置したフィードブロック内でA/B/Aの3層積層し、次にスタティックミキサーの1種であるスクエアーミキサーにてA/B/A/B/・・・/A/B/Aの65層の積層状態とした。これをTダイから20℃に冷却した冷却ドラム状に静電印加しながら押出し未延伸シートを得た。
【0034】
次いで、80℃に加熱してフィルム長手方向に3.4倍延伸し、一旦冷却後テンター式延伸機に導入して100℃で3.6倍に幅方向延伸し、そのまま幅方向に4%のリラックスを掛けながら200℃で熱処理を行い、室温まで徐冷後ロール上に巻取り、厚さ25μmの2軸配向フィルムを得た。
(比較例1)
三井化学(株)製PET樹脂“J120”のみを用いて単層シートをTダイから押出、実施例1と同じ延伸条件で製膜を行った。
(比較例2)
スクエアーミキサーを使用しないこと以外は実施例2と同様に製膜を行い、3層積層二軸配向フィルムを得た。
(比較例3)
実施例1で使用したポリマーAとポリマーBを重量比で7:3となるようにブレンドして45mm単軸押出機(L/D=28)に供給し、Tダイから押出し、20℃に冷却した冷却ドラム状に静電印加しながら押出し単層未延伸シートを得た。
【0035】
次いで、80℃に加熱してフィルム長手方向に3.2倍延伸し、一旦冷却後テンター式延伸機に導入して100℃で3.0倍に幅方向延伸し、そのまま幅方向に3%のリラックスを掛けながら210℃で熱処理を行い、室温まで徐冷後ロール上に巻取り、厚さ20μmの2軸配向フィルムを得た。
【0036】
【表1】
Figure 2004050440
表中の略号は次の通り。
【0037】
PET:ポリエチレンテレフタレート
PBT:ポリブチレンテレフタレート
変性PBT:東レ・デュポン(株)製エラストマー“ハイトレル”(登録商標)7277
PET/I18:イソフタル酸18モル%共重合ポリエチレンテレフタレート
PET−G:イーストマンケミカル社製“イースター”(登録商標)6763
表1の評価結果から、実施例では本発明のポリマーAとポリマーBを交互に配置してなる積層フィルムにおいて、少なくとも5層以上の積層フィルムを満足していることから、優れた特性を有していた。また、実施例3では積層数が9層と少なく、1層当りの平均厚みも厚いため、実用上は問題ないものの特性が若干低下した。さらに実施例4ではポリマーAとポリマーBのガラス転移点の差が小さいために、実用上は問題ないものの特性が若干低下した。
【0038】
一方、本発明の要件を満足していない比較例では、耐衝撃性が大幅に低下し、実際に商品として使用できないレベルであった。
【0039】
【発明の効果】
フィルム単独でもしくは金属板などの基材にラミネートした後、容器に成形する際に割れが発生することなく容易に成形可能であり、さらに成形後に落下などの衝撃が加わった際にもクラックが入ったりせず、耐衝撃性に優れた容器成形用フィルムを提供できる。

Claims (7)

  1. ポリマーAとポリマーBが交互に積層され、積層数が少なくとも5層以上の積層フィルムからなることを特徴とする容器成形用フィルム。
  2. 1層当たりの平均厚みが1nm〜1μmであることを特徴とする請求項1に記載の容器成形用フィルム。
  3. ポリマーAとポリマーBが相溶であることを特徴とする請求項1または2に記載の容器成形用フィルム。
  4. ポリマーAおよび/またはポリマーBがポリエステルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の容器成形用フィルム。
  5. フィルムの融点が205〜270℃であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の容器成形用フィルム。
  6. ポリマーAとポリマーBのガラス転移点が20〜200℃異なることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の容器成形用フィルム。
  7. 積層数が100層以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の容器成形用フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004262479A (ja) * 2003-02-28 2004-09-24 Takeuchi Sangyo Kk 食品容器及び食品容器の製造方法
JP2008062410A (ja) * 2006-09-05 2008-03-21 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 多層乳酸系軟質フィルム
JP2016168821A (ja) * 2015-03-16 2016-09-23 東洋紡株式会社 熱可塑性樹脂シートの製造方法、熱可塑性樹脂シート、およびそれを加熱成型して得られた成形品
WO2018180858A1 (ja) * 2017-03-30 2018-10-04 住友ベークライト株式会社 多層フィルム及び包装体

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