JP2004050434A - 印刷装置および印刷方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷タクトが短く且つ印刷位置合わせの容易な印刷装置および印刷方法を提供する。
【解決手段】水平移動装置40によってスクリーン22の直下の第1相対位置とその直下から外れた第2相対位置との間で載置面82を相対的に移動させることができると共に、その第1相対位置では、昇降装置62によって印刷テーブル20が上端位置と下端位置との間で昇降させられる。そのため、スクリーンと基板との位置合わせの際には、載置面82を第2相対位置に位置させることによって、スクリーン製版24に視界を妨げられることなく容易に位置合わせをすることができる一方、その位置合わせの後に多数の基板に順次にスクリーン印刷を施すに際しては、スクリーン22下において上下移動させられる載置面82に順次に基板を載せることで効率よく印刷を実施できる。
【選択図】 図3
【解決手段】水平移動装置40によってスクリーン22の直下の第1相対位置とその直下から外れた第2相対位置との間で載置面82を相対的に移動させることができると共に、その第1相対位置では、昇降装置62によって印刷テーブル20が上端位置と下端位置との間で昇降させられる。そのため、スクリーンと基板との位置合わせの際には、載置面82を第2相対位置に位置させることによって、スクリーン製版24に視界を妨げられることなく容易に位置合わせをすることができる一方、その位置合わせの後に多数の基板に順次にスクリーン印刷を施すに際しては、スクリーン22下において上下移動させられる載置面82に順次に基板を載せることで効率よく印刷を実施できる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷台の載置面に供給された被印刷物にスクリーン印刷を施す形式の印刷装置および印刷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、厚膜回路基板製造のための厚膜スクリーン印刷装置において、水平な載置面を有する印刷台と、その載置面に平行なスクリーンを有する印刷用製版等とを備え、その載置面が上下方向の移動可能に構成されると共に、その上下移動の下端側すなわち載置面と印刷用製版との間隔が広げられた状態で、コンベアで搬送された基板がその載置面に載せられるようになったものが提案されている。この印刷装置を用いて被印刷物である基板に回路パターン形成のための厚膜スクリーン印刷を施すに際しては、載置面に基板が載せられた後、予め定められた版間隔となるまでその載置面を上昇させ、スキージでスクリーンを基板に向かって押し付けつつそのスキージを一方向に沿って摺動させる。これにより、そのスクリーン上に供給された厚膜印刷ペーストがスクリーンに設けられた開口から押し出されて基板に塗布される。印刷された基板は例えばコンベアで載置面から降ろされて次工程に送られ、その載置面には次の基板が載せられる。すなわち、基板が間歇的に搬送される。そのため、載置位置と印刷位置との間で水平方向に印刷台が往復移動する形式の印刷装置に比較して、印刷タクト(周期)が短くなる利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の印刷装置は、載置面が上下方向のみに移動可能であるため、印刷用製版と載置面との水平方向の相対位置が略固定され、載置面が印刷用製版の直下に常時位置する。このような位置関係のままスクリーンと被印刷物との位置合わせのために印刷されたパターンを載置面上で確認しようとしても、印刷用製版に視界を妨げられるため位置合わせは困難である。したがって、位置合わせの際には、印刷用製版をその一辺に平行な軸回りに回動させて跳ね上げることが行われていたが、スクリーンが傾斜状態とされるため、厚膜印刷ペーストがその上で流動して印刷膜厚のばらつき原因となっていた。
【0004】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであって、その目的は、印刷タクトが短く且つ印刷位置合わせの容易な印刷装置および印刷方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための第1の手段】
斯かる目的を達成するため、第1発明の要旨とするところは、水平な載置面を有する印刷台と、その載置面に平行なスクリーンを有する印刷用製版とを備え、そのスクリーンの直下に位置させられたその載置面に順次に載せられる多数の被印刷物にスクリーン印刷を施す形式の印刷装置であって、(a)前記載置面が前記スクリーンの直下に位置する第1相対位置においてその載置面および前記印刷用製版の相互間隔を、前記被印刷物にスクリーン印刷を施すための第1間隔とその被印刷物をその載置面に載せるための第2間隔との間でそれらの平行を保ったまま変更するための間隔変更装置と、(b)前記第1相対位置と前記載置面が前記スクリーンの直下から外れた第2相対位置との間でその載置面および前記印刷用製版を水平方向に相対移動させるための水平移動装置とを、含むことにある。
【0006】
【第1発明の効果】
このようにすれば、水平移動装置によってスクリーンの直下の第1相対位置とその直下から外れた第2相対位置との間で載置面を相対的に移動させることができると共に、その第1相対位置では、間隔変更装置によって載置面と印刷用製版との相互間隔を第1間隔と第2間隔との間で変更することができる。そのため、スクリーンと被印刷物との位置合わせの際には、載置面を第2相対位置に位置させることによって、印刷用製版に視界を妨げられることなく容易に位置合わせをすることができる一方、その位置合わせの後に多数の被印刷物に順次にスクリーン印刷を施すに際しては、スクリーンの直下において上下移動させられる載置面に順次に被印刷物を載せることで効率よく印刷を実施できる。したがって、印刷タクトが短く且つ印刷位置合わせの容易な印刷装置が得られる。
【0007】
なお、前記第1相対位置に位置させられた前記載置面に前記被印刷物を載せ或いはそこから送り出すための装置は、例えば間歇運転させられるベルト・コンベア等で容易に構成することができる。
【0008】
【第1発明の他の態様】
ここで、好適には、前記印刷装置は、前記載置面および前記スクリーンが前記第2相対位置にあるときに、その載置面上の前記被印刷物をその上方から観察するための撮像装置を備えたものである。このようにすれば、スクリーンが載置面の直上に位置しない位置関係にあるときに、その載置面上の被印刷物に形成された印刷パターンを撮像装置で観察して位置合わせをすることができる。
【0009】
【課題を解決するための第2の手段】
また、前記目的を達成するための第2発明の要旨とするところは、印刷台の水平な載置面に載せられた被印刷物に、その載置面に平行なスクリーンを有する印刷用製版を用いて印刷ペーストを塗布してスクリーンと被印刷物の載置位置との位置合わせを行う位置合わせ工程と、多数の被印刷物をその載置面に順次に載せて前記印刷用製版を用いて印刷ペーストを塗布する印刷工程とを含む印刷方法であって、前記位置合わせ工程は、(a)前記被印刷物に前記印刷ペーストが塗布された後、その被印刷物が載せられた前記載置面を前記スクリーンに対して水平方向に相対移動させることにより、その載置面がそのスクリーンの直下に位置する第1相対位置からその直下より外れた第2相対位置に退避させる退避工程と、(b)前記第2相対位置において、前記位置合わせを行うために前記載置面上の被印刷物に塗布された印刷パターンを検査する検査工程と、(c)前記第2相対位置から前記第1相対位置に前記載置面を相対移動させる復帰工程とを含み、前記印刷工程は、(d)前記第1相対位置において、前記載置面に前記被印刷物を載せ且つその載置面と前記印刷用製版とをそれらの相互間隔が印刷のための所定の第1間隔になるまで接近させる接近工程と、(e)スキージで前記被印刷物に向かって前記スクリーンを押下げつつ一方向に沿ってそのスキージを摺動させることにより、前記印刷ペーストをそのスクリーンを通してその被印刷物上に塗布する塗布工程と、(f)その塗布工程の後に前記載置面と前記印刷用製版とを所定の第2間隔になるまで離隔させ且つ前記被印刷物をその載置面から次工程へ送り出す送出工程とを、順次に繰り返して実施することにある。
【0010】
【第2発明の効果】
このようにすれば、位置合わせ工程を実施する際には、退避工程において載置面がスクリーンに対して相対移動させられることによりスクリーンの直下から外れた第2相対位置に位置させられ、検査工程において塗布された印刷パターンが検査された後、復帰工程において、その載置面が第1相対位置に相対移動させられる。そのため、位置合わせの際には載置面の上方に印刷用製版が位置しないため、これに視界を妨げられること無くその載置面上の被印刷物に塗布された印刷ペーストを容易に検査できる。一方、印刷工程においては、接近工程において被印刷物が載せられた載置面が印刷用製版に第1間隔となるまで接近させられ、塗布工程において印刷ペーストがその被印刷物に塗布された後、送出工程において載置面と印刷用製版との間隔が第2間隔まで離隔させられると共に被印刷物が次工程に送り出される。そのため、印刷工程の実施中は載置面が水平方向には相対移動させられず、印刷用製版との間隔を変更するための上下方向だけに相対移動させられるため、被印刷物を載せる際に載置面が水平移動させられる場合に比較して効率よく印刷を実施できる。したがって、印刷タクトが短く且つ印刷位置合わせが容易になる利点がある。
【0011】
【第2発明の他の態様】
ここで、好適には、前記印刷工程は、前記被印刷物をコンベアで前記載置面上に順次に搬送して載せる載置工程を含むものである。また、好適には、前記送出工程は、その載置面上の被印刷物をコンベアで送り出すものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1、図2は、それぞれ本発明の一実施例の印刷方法が適用される印刷装置10の全体構成を説明するための正面図および平面図である。図において、印刷装置10は、基板12にスクリーン印刷を施すための印刷部14,その印刷部14を通る経路で基板12を搬送するための基板搬送部16,基板12上への印刷位置を既に印刷済のパターン等と合わせるための位置合わせ部18、および印刷時等において基板12が載せられる印刷テーブル20等から構成されている。
【0014】
上記の印刷部14は、所定の印刷パターンが形成されたスクリーン22を有するスクリーン製版24と、その上で図における左右方向に移動させられるスキージ26およびスコップ28等とを備えたものである。スクリーン製版24は、例えば金属製の版枠がその四隅において4本の支柱30に保持されることによって一定の高さ位置に固定されている。また、スキージ26およびスコップ28は、図1における上下方向に移動可能な支持装置32に取り付けられており、スクリーン製版24に対して接近および離隔が可能となっている。その支持装置32は、移動装置34に取り付けられており、図1における左右方向においてスクリーン製版24の略全長に亘る範囲で移動可能である。この移動装置34は、例えばボールねじやエアシリンダ等で構成される。また、スキージ26は支持装置32に対して昇降可能に構成されており、スコップ28との相対的な高さ位置も変更し得る。
【0015】
そのため、それらスキージ26およびスコップ28は、所望の何れか一方がスクリーン22に押し付けられつつ図の左右方向に移動させられることにより、そのスクリーン22上に供給された厚膜印刷ペーストを基板12上に塗布し、或いは余剰のペーストを掬い取ってスキージング開始位置まで送ること(ペースト返し)が可能となっている。なお、印刷部14の構成の詳細については本実施例の理解に必要ではないので省略する。
【0016】
また、基板搬送部16は、図2における左右方向に沿って伸びる一対のレール36,36と、そのレール36に取り付けられた図示しないプーリに巻き掛けられたベルトを駆動するためのモータ38等とを備えたものである。モータ38は、断続的な回転が可能なサーボ・モータやステッピング・モータであって、図示しない制御装置の指令に従ってその回転軸が回転駆動させられる。基板12は、例えばそのモータ38が間歇的に駆動されることによって図における右方から1枚ずつ順次に印刷部14のスクリーン製版24の下方に送られ、そこで厚膜印刷ペーストが塗布された後、モータ38が再び間歇駆動させられることで図におけるその左方に送り出される。なお、基板搬送部16の前後には図示しないロボット等がそれぞれ備えられており、前工程で処理された基板12がそのロボットによってレール36上に載せられると共に、印刷を施された基板12がそのロボットによってレール36上から取り上げられて次工程に送られるようになっている。
【0017】
また、前記の印刷テーブル20は、水平移動装置40で支持されることによって図における左右方向すなわち図示の位置とスクリーン製版20の下方の位置との間で移動可能に構成されたものである。水平移動装置40にはX方向調節装置42およびθ(傾き角度)調節装置46が備えられており、その水平移動装置40に対する印刷テーブル20のX方向(後述するガイドレール54に垂直な方向)およびθ方向(鉛直軸回りの回転角度=傾き)における位置の微調節が可能となっている。これらX方向の位置およびθ方向の傾き角度は、何れも例えばロックナット等の固定機構でその調節された位置に固定されるようになっている。なお、Y方向(ガイドレール54に沿った方向すなわちX方向と直交する方向)は、例えばスクリーン製版24のY方向位置を変化させることで微調節される。但し、印刷テーブル20にY方向調節機構を設けてそれを用いても差し支えない。
【0018】
また、前記の位置合わせ部18は、一対のモニタ48,48と、基板12上の所望の位置を撮影するためのX,Y2方向に移動可能なカメラ50,50等とを備え、スクリーン製版20と印刷テーブル20上の所定位置に位置決めされる基板12との相対位置を、所定の印刷精度が得られるように修正するためのものである。この位置合わせ部18では、基板12に印刷された位置合わせマーク(例えば十字状の「トンボ」と称されるもの)をカメラ50で撮影してモニタ48に拡大して映し出すことによって、前工程で形成された位置合わせマークと今回の工程で形成された位置合わせマークとの相対的なずれの大きさを確認し、前記の調節装置42および46を用いてそのずれの大きさに応じた量だけ、印刷テーブル20のX、θ方向の位置を調節する。また、そのずれの大きさに応じた量だけスクリーン製版20のY方向位置が調節される。すなわち、基板12とスクリーン製版20との相対位置は、X,θ方向においては印刷テーブル20の位置を調節することで補正され、Y方向においてはスクリーン製版20の位置を調節することで補正される。
【0019】
図3は、上記の印刷テーブル20の水平移動装置40による支持構造等を詳細に説明するための正面図であり、図4は、そのIV−IV視断面図である。印刷装置10の架台52上には、一対のガイド・レール54,54が取り付けられており、水平移動装置40は、そのレール54上を図3に示す位置と左端に一点鎖線で印刷テーブル20を示す位置の2位置間で滑動させられる基台56を備えている。基台56上には、複数個のガイド58で相対移動可能に支持される調節台60が載せられているが、そのX,θ方向における相対位置は前記調節装置42、46で調節される。なお、説明の便宜上、図3においては調節装置42を省略した。
【0020】
また、上記の調節台60には、印刷テーブル20を上下に移動させるための昇降装置62が取り付けられている。図5は、調節台60および昇降装置62を平面視にて示す図である。図3および図5において、昇降装置62は、調節台60から下方に吊り下げられた一対の支持板64,64と、その支持板64の内側にそれぞれ固着された複数個のガイド66と、そのガイド66で案内される一対のレール68をそれぞれ備えた一対の昇降板70,70と、その昇降板70,70を下端部において相互に連結する連結板72と、支持板64,64をその下端部において相互に連結する連結板74の下面に取り付けられ且つ連結板72にピストンロッド76の先端部が取り付けられたシリンダ78等とを備えている。
【0021】
そのため、シリンダ78からそのロッド76が突き出させられると、連結板72を介して昇降板70,70が押し上げられ、それによって支持されている印刷テーブル20が上昇させられてスクリーン製版24に接近させられる。反対にロッド76が引き込まれると、連結板72を介して昇降板70,70が引き下げられ、延いては印刷テーブル20が下降させられてスクリーン製版24から離隔させられる。したがって、本実施例においては、昇降装置62が間隔変更装置に相当する。ロッド76が最も引き込まれたときには連結板72が図3に一点鎖線で示す位置まで下降させられ、印刷テーブル20は、実線で示す位置よりも下方において一点鎖線で示す位置すなわちレール36の上面よりも僅かに下側の位置まで下降させられる。なお、図3、図4から明らかなように、印刷テーブル20の下端に備えられている底板80は、最も上昇させられた状態(上端位置)においてもレール36より下側に位置させられており、それらが相互に干渉することはない。本実施例では、印刷テーブル20の上端位置においてその上に載せられた基板12へのペースト塗布が行われ、下端位置においてレール36上を基板12が搬送されるようになっている。
【0022】
また、昇降板70,70の上端部は、前記の印刷テーブル20の下端部に取り付けられていることから、基台56がレール54上を移動させられる際には、昇降装置62および印刷テーブル20全体が一体となって水平方向に移動させられる。このように、印刷テーブル20は、図3における上下(昇降)方向および左右(水平)方向の両方向への移動が可能に構成されている。
【0023】
なお、図3において左端部に一点鎖線で示す印刷テーブル20は、前記の位置合わせ部18で印刷位置合わせを実施する際のテーブル位置である。この場合は、図に矢印Aで示すように、印刷テーブル20を中間の高さ位置まで下降させた後、図における左方に移動させる。
【0024】
ところで、上述したように、印刷テーブル20がその上端位置においてレール36と干渉することはないが、前記の図3に示したように下端位置では印刷テーブル20の上面がレール36の上面よりも下側に位置する。そのため、その状態では印刷テーブル20とレール36との相互干渉が生じ得るが、印刷テーブル20はその基板載置面82がシャッタ方式に構成されることによってその相互干渉を回避している。以下、印刷テーブル20の詳細な構成を図6乃至図8を参照して説明する。
【0025】
図6は印刷テーブル20の平面図であり、図7は図6における右側面図、図8は正面図である。印刷テーブル20は、図6において中段に位置する中央部ユニット84と、その上下に位置する一対のシャッタ・ユニット86,86とを備えており、それら3つのユニットは何れも平面視において長方形を成している。載置面82は、これら各ユニット84,86の載置面82a、82bで構成されているが、載置面82a、82bは何れも略平坦であって相互に同様な高さ位置に備えられていることから、載置面82全体も略平坦である。
【0026】
上記の中央部ユニット84は、その長手方向における中央部に基板12が載せられるものであって、その基板12の大きさよりも僅かに大きい外周縁形状を備え且つ例えば0.8(mm)程度の僅かな深さ寸法だけ載置面82よりも低くされた凹所88を有するものである。この凹所88は、基板12をそこに載せた際に載置面82からの突出し量が小さくなるように、すなわち基板12が載せられた状態で載置面82上に凹凸が十分に小さくなるように設けられている。また、その凹所88の内側には、それよりも十分に深い6つの矩形の吸引室90が備えられている。この吸引室90は、図示しない吸引装置にその内部空間が接続されており、凹所88に載せられた基板12を吸引して固定し、或いはその基板12に設けられているスルーホールから吸引するためのものである。例えばそのスルーホールが設けられた範囲よりも十分に広い大きさとされている。すなわち、図6において一点鎖線で示す基板12の輪郭と吸引室90との間の部分は、印刷ペーストが塗布されない基板12のマージンに相当する。
【0027】
また、上記の凹所88の図6における右端部の一辺には、一対の固定ピン92,92が突設されており、その反対側の一辺の中央部には図における左右方向が長手方向に一致する長孔94が凹所88とその周囲の部分との境界部分に備えられている。中央部ユニット84の載置面82aの裏側にはリニアガイド96が備えられており、その可動ブロック(スライダ)の一端に取り付けられた可動ピン98がこの長孔94内において図における左右方向に移動させられるようになっている。リニアガイド96は例えば空気圧や油圧等で作動させられ、可動ピン98を図における右方向に移動させて、凹所88内に載せられた基板12を固定ピン92,92に向かって押圧するためのものである。
【0028】
一方、シャッタ・ユニット86,86は、載置面82の中央を通る法線回りにおいて略点対称に構成され、相互に略同一の構造を備えたものである。図7の側面図に示すように、前述した底板80の上面には、一対の支持板100,100が立設されており、それら支持板100の上面に一対のエア・シリンダ102,102が取り付けられている。図8に示すように、支持板100はシャッタ・ユニット86よりもやや小さい幅寸法を有しているが、エア・シリンダ102は、その一端(図8における右端)に配置されており、左端にはそのエア・シリンダ102と平行な向きでガイド104が取り付けられている。シャッタ・ユニット86,86の裏面にはそれらシリンダ102のガイド内およびガイド104内を摺動させられるそれぞれ一対のレール106および108,106および108が取り付けられている。そのため、エア・シリンダ102が作動させられると、シャッタ・ユニット86は、ガイド104等に案内されつつ図7における左右方向に移動させられることとなる。
【0029】
このため、印刷テーブル20の載置面82は、中央部ユニット84上の部分82aとシャッタ・ユニット86,86上の部分82b,82bが相互に離隔し得るように構成されている。エア・シリンダ102の作動によってそれらが相互に密接させられる図示の状態では、一体となって一つの載置面82を構成する一方、それらが相互に離隔させられた状態では、載置面82aと載置面82b,82bとの間に大きな空隙が生じる。この離隔状態では、図7における左側のユニット86について一点鎖線で位置を示すように、シャッタ・ユニット86の中央部ユニット84側の端面が支持板100の略内壁面上すなわちレール36よりも外側に位置し、そのレール36上が障害物の何ら存在しない開放状態とされる。そのため、このシャッタ開放状態で印刷テーブル20を昇降させることにより、レール36と載置面82とを接触させることなく図3に実線で示す上端位置とその下方に一点鎖線で示す下端位置との間で印刷テーブル20を昇降させ得るのである。また、シャッタ・ユニット86のシャッタ開閉に係る可動部分は、図7に示されるように印刷テーブル20が上端位置にあるときにはレール36よりも十分に上方に位置するので、その開閉時にもレール36との干渉は生じない。なお、シャッタ・ユニット86の載置面82bの載置面82a側の端部には、凹所88と同じ深さ寸法の凹所88bが備えられており、載置面82a,82bの密接状態では、凹所88と一体となって平面視において矩形をなす凹所を構成する。但し、シャッタ・ユニット86内には吸引室90は設けられていない。
【0030】
また、支持板100,100の上面中央部すなわちエア・シリンダ102とガイド104との間の位置には、前記リニアガイド96と同様に構成されたリニアガイド110,110がそれぞれ取り付けられている。図8の正面図に示すように、リニアガイド110は、レール112およびスライダ114を備えたものであるが、そのスライダ114上には可動ピン116が備えられている。この可動ピン116は、可動ピン98と同様に、シャッタ・ユニット86に設けられた長孔118内をその長手方向に沿って移動させられるものである。なお、固定ピン92,可動ピン98,116等は、載置面82よりも上に突き出さないようにその高さ位置が設定されている。すなわち、印刷テーブル20には、載置面82より上に凸になった部分は存在せず、載置面82よりも凹になった部分も、凹所88,吸引室90,可動ピン98,116の移動させられる長孔94,118だけで有って、全体として略平坦になっている。
【0031】
また、上記のリニアガイド110,110は、何れもリニアガイド96と同様に油圧或いは空気圧で作動させられるものであるが、その圧力媒体流路120,122は、切換弁124を介して高圧側(PH)流路126および低圧側(PL)流路128に接続されている。この切換弁124は、例えば印刷装置10に備えられた制御装置130からの指令に従って作動させられる電磁弁であり、図示しない操作パネルに設けられた切換えスイッチを操作することによって、流路120が高圧側126に、流路122が低圧側128にそれぞれ接続された第1状態と、流路120が低圧側128に、流路122が高圧側126にそれぞれ接続された第2状態とを容易且つ瞬時に切換え得る。なお、上記高圧側流路126は、例えば図示しない圧力発生装置の元圧である0.5(MPa)程度に設定され、低圧側流路128は、例えばそれよりも十分に低い0.2(MPa)程度に設定されている。
【0032】
以上のように構成された印刷装置10は、例えば、図9(a)〜(c)に示されるような例えば0.3〜1(mm)程度の厚さ寸法を有するアルミナ等のセラミック製基板12の一面(被印刷面)132,134に回路パターン136を形成して厚膜回路基板を製造するに際して、その回路パターン136を構成する配線138、抵抗体140やそれらを適宜覆う厚膜絶縁層等を形成するための厚膜印刷ペーストを厚膜スクリーン印刷法を用いてそれら一面132,134に塗布するために用いられる。
【0033】
なお、上記の配線138は、例えば銅を導体成分として含む厚膜導体であって、例えば厚さ寸法が5〜数十(μm)程度で幅寸法が数十(μm)〜1(mm)程度の厚膜導体により形成されたものである。また、抵抗体140は、酸化錫等を含む厚膜抵抗体であって、所望の特性値が得られるように適宜の寸法、例えば数十(μm)程度の厚さ寸法で一辺が1〜2(mm)程度の大きさに形成されたものである。これらは、何れも厚膜印刷ペーストを所定のパターンで塗布した後、そのペーストの種類に応じた所定の焼成温度で加熱処理を施すことによって設けられる。また、配線138の各々の端部や中間部には、電子部品の端子等を固着し、或いは上記の抵抗体140を設けるための円形或いは矩形のランド142や、表面132および裏面134にそれぞれ設けられた配線138を相互に接続するためのスルーホール・ランド144等が備えられている。このスルーホール・ランド144は、(b)に拡大して示すように、表面132および裏面134間に貫通し開口形状が円形のスルーホール146の周囲に円環状に設けられたものである。なお、スルーホール146の内径は、例えば0.4(mm)程度である。
【0034】
上記のスルーホール146は、(c)に示すように、その内壁面148に例えば配線138と同様な厚膜導体から成る貫通導体150が表面132から裏面134に貫通して設けられている。この貫通導体150は、例えば厚膜スクリーン印刷法を用いてスルーホール146上に厚膜銅ペーストを塗布して焼成することによって形成されたものである。貫通導体150の内壁面148上における厚さ寸法は、例えば20〜40(μm)程度であり、その軸心方向における両端すなわち表面132および裏面134の各々においてスルーホール・ランド144に重なる。これにより、基板両面132、134にそれぞれ設けられている配線138が貫通導体150を介して相互に接続されている。
【0035】
上記のようなスルーホール146を備えた基板12を製造する際の前記印刷装置10の作動を、印刷工程の要部を表す工程流れ図(図10)および工程の各段階における印刷テーブル20等の作動を模式的に表した図11〜図13、図15および図16等を参照して以下に説明する。
【0036】
図10に示す基板送込工程152においては、例えばレール36の図1等における右端部に載せられた基板12が印刷部14に間歇的に送り込まれる。図11(a)は、この段階を示している。このとき、同図に示すように、印刷テーブル20は、レール36よりも下方に位置させられている。そのため、この基板12の送込み過程で基板12と印刷テーブル20とが接触することはない。本実施例では、この段階におけるスクリーン製版24と印刷テーブル20の載置面82との間隔が第2間隔に対応する。なお、前記の図3に示したように、印刷テーブル20は最も下降させられた状態でその載置面82がレール36の上面よりもやや下方に位置するように構成されているが、図11以下の図においては説明の便宜上レール36よりも下側に位置するように描いている。また、印刷テーブル20が昇降させられる際には、中央部ユニット84およびシャッタ・ユニット86,86が一体となって動くが、図11および後述する図16では便宜上レール36の外側に位置するシャッタ・ユニット86を省略した。
【0037】
次いで、テーブル上昇行程154においては、図11(b)に示すように、基板12が印刷テーブル20の真上の位置で停止させられた状態でその印刷テーブル20が前記の上端位置に向かって上昇させられる。このとき、印刷テーブル20のシャッタ・ユニット86は中央部ユニット84から離隔させられた開放状態にあるため、その上昇過程においてレール36に接触することは無い。この上昇過程において、基板12が中央部ユニット84に突き上げられ、その載置面82に載せられることとなる。本実施例においては、このテーブル上昇工程154が接近工程に対応する。
【0038】
印刷テーブル20の上昇が完了すると、シャッタ閉工程156において、シャッタ・ユニット86が中央部ユニット84に向かって接近させられ、シャッタが閉じられて載置面82a、82bが一体となって一つの載置面82を構成する。図12(a)〜(c)は、このシャッタ閉作動を説明する模式図である。(a)に示されるように基板12が印刷テーブル20上まで移動させられると、シャッタ・ユニット86,86が開いたまま印刷テーブル20が上昇させられる。中央部ユニット84で基板12を突き上げつつ印刷テーブル20が上端位置まで上昇すると、(b)に示されるようにシャッタ・ユニット86、86が中央部ユニット84に向かって移動させられる。印刷テーブル20の上昇時においては、基板12はその端縁(図における上下端)が中央部ユニット84の載置面82aからはみ出しているが、このようにしてシャッタが閉じられて載置面82a,82bが密接させられることにより、(c)に示すように平坦な載置面82が形成され、基板12の全体が載置面82に載せられる。すなわち、本実施例では、印刷テーブル20がシャッタ方式とされているので、レール36上を基板12が間歇的に送られるように構成されているにも拘わらず、図6に示されるような基板12を載せるための凹所88および位置決めのための長孔94,118が備えられている他は実質的に平坦な載置面82の中央部に基板12が載せられた状態となる。
【0039】
図10に戻って、基板位置決め工程158では、基板12を載置面82の所定の位置に位置決めする。この位置決めは、図13(a)に示すように、載置面82に基板12が載せられた後、可動ピン98を固定ピン92,92に向かって、可動ピン116,116を互いに接近する方向に、それぞれ長孔94,118内で移動させることによって行われる。前記の図6に示されるシリンダ96を作動させることにより、可動ピン98を移動させると、その可動ピン98に押圧されることによって基板12が固定ピン92,92に向かって移動させられ、その固定ピン92,92に基板12の一辺が押し付けられる。
【0040】
一方、シリンダ110,110を作動させることによって可動ピン116,116を移動させると、基板12はそれらによって両側(図13(a)における上下)から押圧されるが、前述したように、これらシリンダ110,110には高圧側流路126および低圧側流路128が択一的に接続されるようになっているので、押圧力は相互に異なる。図においては、その押圧力の相違を矢印の大きさで表した。そのため、相対的に高圧を印加された一方の可動ピン116は、低圧を印加された他方の可動ピン116を基板12を介して押し戻しつつ、その低圧側に向かって移動させられる。本実施例においては、高圧側は0.5(MPa)程度、低圧側は0.2(MPa)程度に設定されているので、図において下側に位置する高圧側の可動ピン116は、長孔118の先端部まで移動してその位置で停止することとなる。そして、低圧側の可動ピン116は、基板12をその高圧側の可動ピン116に押し付ける位置まで移動させられる。この結果、基板12は、全体として矢印で示すように右上に向かって移動させられ或いは押し付けられ、図13(b)に示される位置に位置決めされることとなる。
【0041】
なお、本実施例では、一対の可動ピン116,116のうち高圧側の一方の移動量が大きくなるが、その位置は基板12の大きさに拘わらず長孔118の先端部に固定されて一定である。他方、低圧側の可動ピン116は、基板12の大きさに応じて、その一辺が高圧側の可動ピン116に押し付けられるまでの範囲で移動させられることとなる。したがって、本実施例においては、高圧側の可動ピン116に押し付けられる一辺は基板の大きさに拘わらず図13(b)に示される一定の位置に位置することとなるので、その高圧側の可動ピン116が位置決めの基準側(固定ピン92に相当)に、低圧側の可動ピン116が位置決めの押圧側(可動ピン98に相当)になる。すなわち、図13の上下方向において基板12を位置決めするための固定ピンは設けられていないが、2本の可動ピン116のうちの一方が固定ピンとして機能するので、位置決めに何ら支障はない。
【0042】
上記の基準側(高圧側)と押圧側(低圧側)の設定は、基板12の位置決めの基準となる辺が図13における上下何れに位置するかに応じて定められる。一般に、基板12に厚膜スクリーン印刷を施すに際しては、互いに直交する2辺が位置決めの基準辺に設定される。本実施例において、図の左右方向では右側に固定ピン92すなわち基準ピンが固定的に位置するので、2つの基準辺のうちの一方は常に図における右側に位置しなければならない。ところが、スルーホール146を備えた本実施例の印刷対象となる基板12では、その両面132,134の何れにもペーストが印刷されることから、被印刷面132が上側となる向きおよび被印刷面134が上側となる向きの2態様で載置面82に載せられる。このように基板12を裏返して載せる場合に、図における右側に一方の基準辺が常に位置するようにその向きを設定すると、残る一方の基準辺は、一方の面が上側に位置するときには下側に位置し、他方の面が上側に位置するときには上側に位置する。
【0043】
このとき、本実施例では、前述したように切換弁124で切り換えることでリニアガイド110の高圧側と低圧側とを入れ換えて、可動ピン116の基準側と押圧側とを変更できるため、一方の面132に印刷する際に、例えば図6および図13における下側に位置する可動ピン116を基準側とした場合には、他方の面134に印刷する際に切換弁124を操作して上側に位置する可動ピン116を基準側とすれば、印刷テーブル20の交換等を何ら伴うことなく基板12の両面に印刷することができる。
【0044】
因みに、図14に示されるような従来の印刷用セッタ160では、基板12の基準辺に対応する2辺にそれぞれ固定ピン162,164が備えられると共に、それらに対向する他の2辺にそれぞれ長孔166,168内で移動させられる可動ピン170,172が備えられていた。そのため、基板12の基準辺が常に右側および下側に位置する必要があることから、基準辺の位置関係が異なる表面および裏面への印刷時にそれぞれ位置決めをするために、表面用および裏面用の2つの印刷セッタを用意し、印刷面に応じて印刷テーブル上のセッタを取り替えていたので、その取り替え作業が印刷効率を低下させていた。
【0045】
上記のようにして基板12を載置面82の所定位置に位置決めした後、ペースト塗布工程174では、図11(c)に示すように、スキージ26でスクリーン製版24のスクリーン22を押下げつつそのスキージ26を図の矢印方向に摺動させる。これにより、前記の回路パターン136の構成要素のうち何れかを形成するための厚膜印刷ペーストが基板12の被印刷面132(或いは134)に塗布される。本実施例では、このように印刷テーブル20が上端位置まで上昇させられた印刷時におけるスクリーン製版24と載置面82との相互間隔が第1間隔に対応する。
【0046】
図15は、上記のペースト塗布(印刷)中のスキージ26の動きを説明するためのスクリーン製版24の平面図である。スクリーン製版24は、例えばその版枠が印刷テーブル20の載置面82よりも十分に大きく構成されている。基板12は、印刷テーブル20の中央部に載せられているが、図の矢印方向に摺動させられるスキージ26は、基板12の印刷範囲全体に可及的に一様な条件でペーストを塗布すべく、その基板12の端縁よりも十分に外側までの広い範囲に亘ってそのスクリーン22を押圧しつつ移動させられる。そのため、基板12よりも外側の範囲では、スクリーン22は載置面82に押し付けられることなるが、このように印刷が施される際には、前述したように中央部ユニット84に密接するようにシャッタ・ユニット86が閉じられることによって載置面82は実質的に平坦で凹凸無く構成されている。したがって、本実施例の印刷装置10では、載置面82に押し付けられることに起因するスクリーン22の損傷は殆ど生じ得ない。
【0047】
因みに、前記の図14に示される従来の印刷セッタ160は、スクリーン製版24の下側において一定の高さ位置に常時位置させられるものであって、基板12を間歇搬送するためのレール36上に跨るように配置されていた。基板12は、レール36上に設けられた図示しない爪で送られるようになっており、印刷セッタ160には、その爪が基板12の載置位置まで進むことができるように切り込み176が設けられている。そのため、図14および図15を対比すれば明らかなように、この切り込み176は、スキージ26が摺動させられる範囲内まで設けられていることから、そのスキージ26で基板12に向かって押圧されたスクリーン22がその切り込み176内に押し込まれることにより、その稜部で損傷させられ易い問題があった。しかも、切り込み176が存在する部分には真空吸引のための吸引室90を設けることができない不都合もあったのである。
【0048】
図10に戻って、基板12が印刷部14に順次に送り込まれる量産時においては、シャッタ開工程178において前述したシャッタ閉工程156とは反対の動作でシャッタ・ユニット86が中央部ユニット84から離隔させられ、レール36上が開放される。次いで、テーブル下降工程180において、印刷テーブル20が下端位置まで下降させられ、更に、基板送出工程182において、ペーストを塗布された基板12が印刷部14から送り出される。送り出された基板12は、例えば図示しないロボット等によって乾燥工程に送られる。図11(d)は、印刷テーブル20が下端まで下降させられた段階を示しており、右方には続いて送り込まれる基板12が待機させられている。なお、レール36は位置合わせ部18に向かって伸びるように設けられているので、印刷を終えた基板12はその位置合わせ部18に向かって送られることとなる。しかしながら、その際には印刷テーブル20が印刷部14にあって位置合わせ部18ではレール36が露出させられた状態にあるので、ロボットが乾燥工程に送る際の作動には何ら支障はない。しかも、このように位置合わせ部18と基板12の送出先が空間的に共通の位置に設けられている結果、印刷装置10全体は比較的小さくまとめられている。本実施例においては、基板送込工程152乃至ペースト塗布工程174,および量産時のステップであるシャッタ開工程178乃至基板送出工程182が印刷工程に相当する。
【0049】
一方、載置面82上で位置決めされた基板12とスクリーン製版24との相対位置を所定の印刷精度が得られるように調節する位置合わせ時においては、前記の図11(c)に示されるようにペーストが塗布された後、テーブル下降A工程184において、印刷テーブル20がスクリーン製版24とレール36との中間の高さ位置まで下降させられる。図16(d)はこの段階を示している。本実施例においては、この図に示されるスクリーン製版24と印刷テーブル20との位置関係が第1相対位置に対応する。このとき、印刷テーブル20のシャッタ・ユニット86は閉じられたまま、すなわち中央部ユニット84に密接させられたままであるが、その状態においても、レール36とシャッタ・ユニット86との相対位置が前記の図7にレール36を一点鎖線で示す位置関係となるまでは相互の接触(干渉)は生じ得ない。図16(d)に示される印刷テーブル20はそのような高さ位置にある。
【0050】
次いで、テーブル退避工程186においては、印刷テーブル20が位置合わせ部16まで退避すなわち水平移動させられる。図16(e)は退避完了後の位置を示しており、印刷テーブル20の上方にスクリーン製版24が位置しない状態となっている。本実施例においては、この図に示すスクリーン製版24と印刷テーブル20との位置関係が第2相対位置に対応する。検査・位置調節工程188においては、上記図16(e)に示される位置において、印刷テーブル20の上方に位置させられているカメラ50,50をX方向およびY方向、すなわち互いに直交する2方向に移動させて基板12上の所定の位置の印刷パターンを撮影し、モニタ48,48に表示させる。これにより、基板12上に塗布形成された図示しないトンボの相対位置に基づいて、印刷部14におけるスクリーン製版24と基板12との本来の相対位置からのずれの大きさを検査し、そのずれの大きさに応じて所定の相対位置精度が得られるように、前記の調節装置42,46等で印刷テーブル20の基台56に対する相対位置等を調節する。
【0051】
上記のようにして位置調節が終了した後、テーブル復帰工程190では、図16(d)に示される方向とは反対方向に印刷テーブル20を移動させて、スクリーン製版24の直下の位置に復帰させる。図16(f)は、その復帰後の状態を示している。その後、シャッタ開工程192においてシャッタ・ユニット86を中央部ユニット84から離隔する方向に後退させてシャッタを開放し、テーブル下降B工程194において印刷テーブル20を下端位置まで下降させることで、位置合わせ時の各機構の作動が完了する。本実施例においては、基板送込み工程152乃至ペースト塗布工程174、および位置合わせ時のステップであるテーブル下降A工程184乃至テーブル下降B工程194が位置合わせ工程に対応する。
【0052】
このように、本実施例においては、印刷テーブル20は、量産時と位置合わせ時とで異なる動作をするように構成されており、量産時には昇降動作だけをさせられ、位置合わせ時には水平方向に移動させられる。なお、位置合わせに用いられた基板12は、量産時と同様に印刷部14から送り出しても良く、或いは、位置合わせ作業者の手作業で印刷部14から除去してもよい。前述した量産時の印刷装置10の作動は、実際にはこのような位置合わせを行った後に実施される。また、上記位置合わせ時の作動は、印刷精度の確認のために量産中に随時行っても良い。
【0053】
要するに、本実施例においては、水平移動装置40によってスクリーン22の直下の第1相対位置とその直下から外れた第2相対位置との間で載置面82を相対的に移動させることができると共に、その第1相対位置では、昇降装置62によって印刷テーブル20を上端位置と下端位置との間で昇降させることにより、載置面82とスクリーン製版24との相互間隔を第1間隔と第2間隔との間で変更することができる。そのため、スクリーン22と基板12との位置合わせの際には、載置面82を第2相対位置に位置させることによって、スクリーン製版24に視界を妨げられることなく容易に位置合わせをすることができる一方、その位置合わせの後に多数の基板12に順次にスクリーン印刷を施すに際しては、スクリーン22の直下において上下移動させられる載置面82に順次に基板12を載せることで効率よく印刷を実施できる。したがって、印刷タクトが短く且つ印刷位置合わせの容易な印刷装置10が得られる。
【0054】
しかも、位置合わせのためにスクリーン製版24を一辺を回転軸として跳ね上げて傾斜させる必要が無いので、傾斜したスクリーン22上で印刷ペーストがだれて基板12上への塗布量にばらつきが生じる不都合も無い。
【0055】
また、本実施例においては、印刷テーブル20がスクリーン製版24の直下から外れた第2相対位置にあるときに、その載置面82上の基板12をその上方から観察するためのカメラ50が備えられているため、スクリーン製版24に妨げられることなく基板12上に塗布されたパターンを容易に観察して位置合わせをすることができる。
【0056】
また、本実施例においては、前記印刷装置は、前記第1相対位置に位置させられた前記載置面に向かって前記被印刷物を送ってその載置面に載せるための搬入コンベアと、その第1相対位置に位置させられたその載置面からその被印刷物を送り出すための搬出コンベアとを備えたものである。このようにすれば、載置面への被印刷物の積み降ろしは、これら搬入コンベアおよび搬出コンベアで効率よく行われることになる。
【0057】
また、本実施例においては、位置合わせ工程を実施する際には、テーブル退避工程186において載置面82(印刷テーブル20)が水平移動させられることによりスクリーン22(スクリーン製版24)の直下から外れた第2相対位置に位置させられ、検査・位置調節工程188において塗布された印刷パターンが検査された後、テーブル復帰工程190において、その載置面82が第1相対位置に水平移動させられる。そのため、位置合わせの際には載置面82の上方にスクリーン製版24が位置しないため、これに視界を妨げられること無くその載置面82上の基板12に塗布された印刷ペーストを容易に検査できる。一方、印刷工程においては、テーブル上昇工程154において基板12が載せられた載置面82がスクリーン製版24に第1間隔となるまで接近させられ、ペースト塗布工程174において印刷ペーストがその基板12に塗布された後、基板送出工程182において載置面82とスクリーン製版24との間隔が第2間隔まで離隔させられると共に基板12が次工程に送り出される。そのため、印刷工程の実施中は載置面82が水平方向には移動させられず、スクリーン製版24との間隔を変更するための昇降作動だけさせられるため、基板12を載せる際に載置面82が水平移動させられる場合に比較して効率よく印刷を実施できる。したがって、印刷タクトが短く且つ印刷位置合わせが容易になる利点がある。
【0058】
以上、本発明を図面を参照して詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施できる。
【0059】
例えば、実施例においては、基板12が載せられた印刷テーブル20が昇降させられることによってスクリーン製版24との相互間隔が変更されていたが、例えば、レール36およびスクリーン製版24が下降させられることによってそれらの相互間隔が変更されても差し支えない。或いは、両者が共に昇降させられても良い。
【0060】
また、実施例においては、印刷テーブル20が水平移動させられることによってスクリーン製版24との水平方向における相対移動が為されていたが、反対にスクリーン製版24を水平方向に移動させても差し支えない。或いは、印刷テーブル20およびスクリーン製版24が共に水平方向に移動することで相対移動が為されてもよい。
【0061】
また、実施例においては、昇降装置62を含む印刷テーブル20周辺の機構全体が水平移動させられていたが、少なくとも載置面82がスクリーン製版24の直下から外れた位置に退避すれば足りるので、例えば、印刷テーブル20のみ或いは載置面82の近傍のみが水平移動させられても良い。
【0062】
また、実施例においては、位置合わせ部18において印刷位置のずれの大きさを検査すると共に印刷テーブル20の位置調節が為されていたが、これらはそれぞれ別のステージで為されても差し支えない。例えば、位置調節は、スクリーン製版24の直下で行うように構成することもできる。
【0063】
また、実施例においては、シャッタ・ユニット86が閉じたまま中間の高さ位置まで下降させられた状態で印刷テーブル20が位置合わせ部18に移動させられていたが、スクリーン製版24との接触のおそれが無い場合には、上端位置のまま水平移動させてもよい。また、位置合わせ操作に支障が無ければ、シャッタ・ユニット86を開いて下端位置まで下降させた状態で水平移動させても良い。
【0064】
また、実施例においては、印刷テーブル20の水平移動方向が基板12の搬送方向と一致させられていたが、互いに直交する方向等の別々の方向に設定されても差し支えない。
【0065】
また、実施例においては、可動側と基準側とを切換可能な位置決め機構を備えた印刷テーブル20を有する印刷装置10に本発明が適用された場合について説明したが、本発明は、図14に示される従来の印刷セッタ160を備えた印刷装置にも同様に適用される。
【0066】
また、実施例においては、印刷テーブル20が中央部ユニット84および一対のシャッタ・ユニット86、86からなる場合について説明したが、載置面82のうち基板12の端縁を支持する部分が必要でなければ、印刷テーブル20が中央部ユニット84に相当する部分のみから構成されていても差し支えない。
【0067】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の印刷装置を示す正面図である。
【図2】図1の印刷装置の平面図である。
【図3】図1の印刷装置の印刷テーブル駆動機構を説明するための正面図である。
【図4】図3におけるIV−IV視断面を示す図である。
【図5】図3のテーブル駆動機構の平面図である。
【図6】図1の印刷装置に備えられている印刷テーブルの構成を詳細に説明する平面図である。
【図7】図6の印刷テーブルの右側面図である。
【図8】図6の印刷テーブルの正面図である。
【図9】(a)は図1の印刷装置で配線等が形成されたスルーホール基板の一例を示す斜視図であり、(b)はその基板に備えられているスルーホールを拡大して示す図であり、(c)は(b)におけるc−c視断面図である。
【図10】図9の基板に印刷を施す際の工程流れ図の一例である。
【図11】(a)〜(d)は図1の印刷装置を用いて多数の基板に順次に印刷処理を施す際の作動を説明するための模式図である。
【図12】(a)〜(c)は図11に示される印刷処理を施す際の印刷テーブルの作動を説明するための模式図である。
【図13】(a)、(b)は図11に示される印刷処理を施す際の印刷テーブル上における基板の位置決め作動を説明するための模式図である。
【図14】従来の印刷テーブルの一例の構造を説明する平面図である。
【図15】図11に示される印刷処理におけるスキージの動きを説明する模式図である。
【図16】(d)〜(f)は印刷位置合わせをする場合において図11(c)に示す段階に続く印刷テーブルの作動を説明するための模式図である。
【符号の説明】
10:印刷装置
12:基板(被印刷物)
20:印刷テーブル
22:スクリーン
24:スクリーン製版
40:水平動装置
62:昇降装置(間隔変更装置)
82:載置面
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷台の載置面に供給された被印刷物にスクリーン印刷を施す形式の印刷装置および印刷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、厚膜回路基板製造のための厚膜スクリーン印刷装置において、水平な載置面を有する印刷台と、その載置面に平行なスクリーンを有する印刷用製版等とを備え、その載置面が上下方向の移動可能に構成されると共に、その上下移動の下端側すなわち載置面と印刷用製版との間隔が広げられた状態で、コンベアで搬送された基板がその載置面に載せられるようになったものが提案されている。この印刷装置を用いて被印刷物である基板に回路パターン形成のための厚膜スクリーン印刷を施すに際しては、載置面に基板が載せられた後、予め定められた版間隔となるまでその載置面を上昇させ、スキージでスクリーンを基板に向かって押し付けつつそのスキージを一方向に沿って摺動させる。これにより、そのスクリーン上に供給された厚膜印刷ペーストがスクリーンに設けられた開口から押し出されて基板に塗布される。印刷された基板は例えばコンベアで載置面から降ろされて次工程に送られ、その載置面には次の基板が載せられる。すなわち、基板が間歇的に搬送される。そのため、載置位置と印刷位置との間で水平方向に印刷台が往復移動する形式の印刷装置に比較して、印刷タクト(周期)が短くなる利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の印刷装置は、載置面が上下方向のみに移動可能であるため、印刷用製版と載置面との水平方向の相対位置が略固定され、載置面が印刷用製版の直下に常時位置する。このような位置関係のままスクリーンと被印刷物との位置合わせのために印刷されたパターンを載置面上で確認しようとしても、印刷用製版に視界を妨げられるため位置合わせは困難である。したがって、位置合わせの際には、印刷用製版をその一辺に平行な軸回りに回動させて跳ね上げることが行われていたが、スクリーンが傾斜状態とされるため、厚膜印刷ペーストがその上で流動して印刷膜厚のばらつき原因となっていた。
【0004】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであって、その目的は、印刷タクトが短く且つ印刷位置合わせの容易な印刷装置および印刷方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための第1の手段】
斯かる目的を達成するため、第1発明の要旨とするところは、水平な載置面を有する印刷台と、その載置面に平行なスクリーンを有する印刷用製版とを備え、そのスクリーンの直下に位置させられたその載置面に順次に載せられる多数の被印刷物にスクリーン印刷を施す形式の印刷装置であって、(a)前記載置面が前記スクリーンの直下に位置する第1相対位置においてその載置面および前記印刷用製版の相互間隔を、前記被印刷物にスクリーン印刷を施すための第1間隔とその被印刷物をその載置面に載せるための第2間隔との間でそれらの平行を保ったまま変更するための間隔変更装置と、(b)前記第1相対位置と前記載置面が前記スクリーンの直下から外れた第2相対位置との間でその載置面および前記印刷用製版を水平方向に相対移動させるための水平移動装置とを、含むことにある。
【0006】
【第1発明の効果】
このようにすれば、水平移動装置によってスクリーンの直下の第1相対位置とその直下から外れた第2相対位置との間で載置面を相対的に移動させることができると共に、その第1相対位置では、間隔変更装置によって載置面と印刷用製版との相互間隔を第1間隔と第2間隔との間で変更することができる。そのため、スクリーンと被印刷物との位置合わせの際には、載置面を第2相対位置に位置させることによって、印刷用製版に視界を妨げられることなく容易に位置合わせをすることができる一方、その位置合わせの後に多数の被印刷物に順次にスクリーン印刷を施すに際しては、スクリーンの直下において上下移動させられる載置面に順次に被印刷物を載せることで効率よく印刷を実施できる。したがって、印刷タクトが短く且つ印刷位置合わせの容易な印刷装置が得られる。
【0007】
なお、前記第1相対位置に位置させられた前記載置面に前記被印刷物を載せ或いはそこから送り出すための装置は、例えば間歇運転させられるベルト・コンベア等で容易に構成することができる。
【0008】
【第1発明の他の態様】
ここで、好適には、前記印刷装置は、前記載置面および前記スクリーンが前記第2相対位置にあるときに、その載置面上の前記被印刷物をその上方から観察するための撮像装置を備えたものである。このようにすれば、スクリーンが載置面の直上に位置しない位置関係にあるときに、その載置面上の被印刷物に形成された印刷パターンを撮像装置で観察して位置合わせをすることができる。
【0009】
【課題を解決するための第2の手段】
また、前記目的を達成するための第2発明の要旨とするところは、印刷台の水平な載置面に載せられた被印刷物に、その載置面に平行なスクリーンを有する印刷用製版を用いて印刷ペーストを塗布してスクリーンと被印刷物の載置位置との位置合わせを行う位置合わせ工程と、多数の被印刷物をその載置面に順次に載せて前記印刷用製版を用いて印刷ペーストを塗布する印刷工程とを含む印刷方法であって、前記位置合わせ工程は、(a)前記被印刷物に前記印刷ペーストが塗布された後、その被印刷物が載せられた前記載置面を前記スクリーンに対して水平方向に相対移動させることにより、その載置面がそのスクリーンの直下に位置する第1相対位置からその直下より外れた第2相対位置に退避させる退避工程と、(b)前記第2相対位置において、前記位置合わせを行うために前記載置面上の被印刷物に塗布された印刷パターンを検査する検査工程と、(c)前記第2相対位置から前記第1相対位置に前記載置面を相対移動させる復帰工程とを含み、前記印刷工程は、(d)前記第1相対位置において、前記載置面に前記被印刷物を載せ且つその載置面と前記印刷用製版とをそれらの相互間隔が印刷のための所定の第1間隔になるまで接近させる接近工程と、(e)スキージで前記被印刷物に向かって前記スクリーンを押下げつつ一方向に沿ってそのスキージを摺動させることにより、前記印刷ペーストをそのスクリーンを通してその被印刷物上に塗布する塗布工程と、(f)その塗布工程の後に前記載置面と前記印刷用製版とを所定の第2間隔になるまで離隔させ且つ前記被印刷物をその載置面から次工程へ送り出す送出工程とを、順次に繰り返して実施することにある。
【0010】
【第2発明の効果】
このようにすれば、位置合わせ工程を実施する際には、退避工程において載置面がスクリーンに対して相対移動させられることによりスクリーンの直下から外れた第2相対位置に位置させられ、検査工程において塗布された印刷パターンが検査された後、復帰工程において、その載置面が第1相対位置に相対移動させられる。そのため、位置合わせの際には載置面の上方に印刷用製版が位置しないため、これに視界を妨げられること無くその載置面上の被印刷物に塗布された印刷ペーストを容易に検査できる。一方、印刷工程においては、接近工程において被印刷物が載せられた載置面が印刷用製版に第1間隔となるまで接近させられ、塗布工程において印刷ペーストがその被印刷物に塗布された後、送出工程において載置面と印刷用製版との間隔が第2間隔まで離隔させられると共に被印刷物が次工程に送り出される。そのため、印刷工程の実施中は載置面が水平方向には相対移動させられず、印刷用製版との間隔を変更するための上下方向だけに相対移動させられるため、被印刷物を載せる際に載置面が水平移動させられる場合に比較して効率よく印刷を実施できる。したがって、印刷タクトが短く且つ印刷位置合わせが容易になる利点がある。
【0011】
【第2発明の他の態様】
ここで、好適には、前記印刷工程は、前記被印刷物をコンベアで前記載置面上に順次に搬送して載せる載置工程を含むものである。また、好適には、前記送出工程は、その載置面上の被印刷物をコンベアで送り出すものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1、図2は、それぞれ本発明の一実施例の印刷方法が適用される印刷装置10の全体構成を説明するための正面図および平面図である。図において、印刷装置10は、基板12にスクリーン印刷を施すための印刷部14,その印刷部14を通る経路で基板12を搬送するための基板搬送部16,基板12上への印刷位置を既に印刷済のパターン等と合わせるための位置合わせ部18、および印刷時等において基板12が載せられる印刷テーブル20等から構成されている。
【0014】
上記の印刷部14は、所定の印刷パターンが形成されたスクリーン22を有するスクリーン製版24と、その上で図における左右方向に移動させられるスキージ26およびスコップ28等とを備えたものである。スクリーン製版24は、例えば金属製の版枠がその四隅において4本の支柱30に保持されることによって一定の高さ位置に固定されている。また、スキージ26およびスコップ28は、図1における上下方向に移動可能な支持装置32に取り付けられており、スクリーン製版24に対して接近および離隔が可能となっている。その支持装置32は、移動装置34に取り付けられており、図1における左右方向においてスクリーン製版24の略全長に亘る範囲で移動可能である。この移動装置34は、例えばボールねじやエアシリンダ等で構成される。また、スキージ26は支持装置32に対して昇降可能に構成されており、スコップ28との相対的な高さ位置も変更し得る。
【0015】
そのため、それらスキージ26およびスコップ28は、所望の何れか一方がスクリーン22に押し付けられつつ図の左右方向に移動させられることにより、そのスクリーン22上に供給された厚膜印刷ペーストを基板12上に塗布し、或いは余剰のペーストを掬い取ってスキージング開始位置まで送ること(ペースト返し)が可能となっている。なお、印刷部14の構成の詳細については本実施例の理解に必要ではないので省略する。
【0016】
また、基板搬送部16は、図2における左右方向に沿って伸びる一対のレール36,36と、そのレール36に取り付けられた図示しないプーリに巻き掛けられたベルトを駆動するためのモータ38等とを備えたものである。モータ38は、断続的な回転が可能なサーボ・モータやステッピング・モータであって、図示しない制御装置の指令に従ってその回転軸が回転駆動させられる。基板12は、例えばそのモータ38が間歇的に駆動されることによって図における右方から1枚ずつ順次に印刷部14のスクリーン製版24の下方に送られ、そこで厚膜印刷ペーストが塗布された後、モータ38が再び間歇駆動させられることで図におけるその左方に送り出される。なお、基板搬送部16の前後には図示しないロボット等がそれぞれ備えられており、前工程で処理された基板12がそのロボットによってレール36上に載せられると共に、印刷を施された基板12がそのロボットによってレール36上から取り上げられて次工程に送られるようになっている。
【0017】
また、前記の印刷テーブル20は、水平移動装置40で支持されることによって図における左右方向すなわち図示の位置とスクリーン製版20の下方の位置との間で移動可能に構成されたものである。水平移動装置40にはX方向調節装置42およびθ(傾き角度)調節装置46が備えられており、その水平移動装置40に対する印刷テーブル20のX方向(後述するガイドレール54に垂直な方向)およびθ方向(鉛直軸回りの回転角度=傾き)における位置の微調節が可能となっている。これらX方向の位置およびθ方向の傾き角度は、何れも例えばロックナット等の固定機構でその調節された位置に固定されるようになっている。なお、Y方向(ガイドレール54に沿った方向すなわちX方向と直交する方向)は、例えばスクリーン製版24のY方向位置を変化させることで微調節される。但し、印刷テーブル20にY方向調節機構を設けてそれを用いても差し支えない。
【0018】
また、前記の位置合わせ部18は、一対のモニタ48,48と、基板12上の所望の位置を撮影するためのX,Y2方向に移動可能なカメラ50,50等とを備え、スクリーン製版20と印刷テーブル20上の所定位置に位置決めされる基板12との相対位置を、所定の印刷精度が得られるように修正するためのものである。この位置合わせ部18では、基板12に印刷された位置合わせマーク(例えば十字状の「トンボ」と称されるもの)をカメラ50で撮影してモニタ48に拡大して映し出すことによって、前工程で形成された位置合わせマークと今回の工程で形成された位置合わせマークとの相対的なずれの大きさを確認し、前記の調節装置42および46を用いてそのずれの大きさに応じた量だけ、印刷テーブル20のX、θ方向の位置を調節する。また、そのずれの大きさに応じた量だけスクリーン製版20のY方向位置が調節される。すなわち、基板12とスクリーン製版20との相対位置は、X,θ方向においては印刷テーブル20の位置を調節することで補正され、Y方向においてはスクリーン製版20の位置を調節することで補正される。
【0019】
図3は、上記の印刷テーブル20の水平移動装置40による支持構造等を詳細に説明するための正面図であり、図4は、そのIV−IV視断面図である。印刷装置10の架台52上には、一対のガイド・レール54,54が取り付けられており、水平移動装置40は、そのレール54上を図3に示す位置と左端に一点鎖線で印刷テーブル20を示す位置の2位置間で滑動させられる基台56を備えている。基台56上には、複数個のガイド58で相対移動可能に支持される調節台60が載せられているが、そのX,θ方向における相対位置は前記調節装置42、46で調節される。なお、説明の便宜上、図3においては調節装置42を省略した。
【0020】
また、上記の調節台60には、印刷テーブル20を上下に移動させるための昇降装置62が取り付けられている。図5は、調節台60および昇降装置62を平面視にて示す図である。図3および図5において、昇降装置62は、調節台60から下方に吊り下げられた一対の支持板64,64と、その支持板64の内側にそれぞれ固着された複数個のガイド66と、そのガイド66で案内される一対のレール68をそれぞれ備えた一対の昇降板70,70と、その昇降板70,70を下端部において相互に連結する連結板72と、支持板64,64をその下端部において相互に連結する連結板74の下面に取り付けられ且つ連結板72にピストンロッド76の先端部が取り付けられたシリンダ78等とを備えている。
【0021】
そのため、シリンダ78からそのロッド76が突き出させられると、連結板72を介して昇降板70,70が押し上げられ、それによって支持されている印刷テーブル20が上昇させられてスクリーン製版24に接近させられる。反対にロッド76が引き込まれると、連結板72を介して昇降板70,70が引き下げられ、延いては印刷テーブル20が下降させられてスクリーン製版24から離隔させられる。したがって、本実施例においては、昇降装置62が間隔変更装置に相当する。ロッド76が最も引き込まれたときには連結板72が図3に一点鎖線で示す位置まで下降させられ、印刷テーブル20は、実線で示す位置よりも下方において一点鎖線で示す位置すなわちレール36の上面よりも僅かに下側の位置まで下降させられる。なお、図3、図4から明らかなように、印刷テーブル20の下端に備えられている底板80は、最も上昇させられた状態(上端位置)においてもレール36より下側に位置させられており、それらが相互に干渉することはない。本実施例では、印刷テーブル20の上端位置においてその上に載せられた基板12へのペースト塗布が行われ、下端位置においてレール36上を基板12が搬送されるようになっている。
【0022】
また、昇降板70,70の上端部は、前記の印刷テーブル20の下端部に取り付けられていることから、基台56がレール54上を移動させられる際には、昇降装置62および印刷テーブル20全体が一体となって水平方向に移動させられる。このように、印刷テーブル20は、図3における上下(昇降)方向および左右(水平)方向の両方向への移動が可能に構成されている。
【0023】
なお、図3において左端部に一点鎖線で示す印刷テーブル20は、前記の位置合わせ部18で印刷位置合わせを実施する際のテーブル位置である。この場合は、図に矢印Aで示すように、印刷テーブル20を中間の高さ位置まで下降させた後、図における左方に移動させる。
【0024】
ところで、上述したように、印刷テーブル20がその上端位置においてレール36と干渉することはないが、前記の図3に示したように下端位置では印刷テーブル20の上面がレール36の上面よりも下側に位置する。そのため、その状態では印刷テーブル20とレール36との相互干渉が生じ得るが、印刷テーブル20はその基板載置面82がシャッタ方式に構成されることによってその相互干渉を回避している。以下、印刷テーブル20の詳細な構成を図6乃至図8を参照して説明する。
【0025】
図6は印刷テーブル20の平面図であり、図7は図6における右側面図、図8は正面図である。印刷テーブル20は、図6において中段に位置する中央部ユニット84と、その上下に位置する一対のシャッタ・ユニット86,86とを備えており、それら3つのユニットは何れも平面視において長方形を成している。載置面82は、これら各ユニット84,86の載置面82a、82bで構成されているが、載置面82a、82bは何れも略平坦であって相互に同様な高さ位置に備えられていることから、載置面82全体も略平坦である。
【0026】
上記の中央部ユニット84は、その長手方向における中央部に基板12が載せられるものであって、その基板12の大きさよりも僅かに大きい外周縁形状を備え且つ例えば0.8(mm)程度の僅かな深さ寸法だけ載置面82よりも低くされた凹所88を有するものである。この凹所88は、基板12をそこに載せた際に載置面82からの突出し量が小さくなるように、すなわち基板12が載せられた状態で載置面82上に凹凸が十分に小さくなるように設けられている。また、その凹所88の内側には、それよりも十分に深い6つの矩形の吸引室90が備えられている。この吸引室90は、図示しない吸引装置にその内部空間が接続されており、凹所88に載せられた基板12を吸引して固定し、或いはその基板12に設けられているスルーホールから吸引するためのものである。例えばそのスルーホールが設けられた範囲よりも十分に広い大きさとされている。すなわち、図6において一点鎖線で示す基板12の輪郭と吸引室90との間の部分は、印刷ペーストが塗布されない基板12のマージンに相当する。
【0027】
また、上記の凹所88の図6における右端部の一辺には、一対の固定ピン92,92が突設されており、その反対側の一辺の中央部には図における左右方向が長手方向に一致する長孔94が凹所88とその周囲の部分との境界部分に備えられている。中央部ユニット84の載置面82aの裏側にはリニアガイド96が備えられており、その可動ブロック(スライダ)の一端に取り付けられた可動ピン98がこの長孔94内において図における左右方向に移動させられるようになっている。リニアガイド96は例えば空気圧や油圧等で作動させられ、可動ピン98を図における右方向に移動させて、凹所88内に載せられた基板12を固定ピン92,92に向かって押圧するためのものである。
【0028】
一方、シャッタ・ユニット86,86は、載置面82の中央を通る法線回りにおいて略点対称に構成され、相互に略同一の構造を備えたものである。図7の側面図に示すように、前述した底板80の上面には、一対の支持板100,100が立設されており、それら支持板100の上面に一対のエア・シリンダ102,102が取り付けられている。図8に示すように、支持板100はシャッタ・ユニット86よりもやや小さい幅寸法を有しているが、エア・シリンダ102は、その一端(図8における右端)に配置されており、左端にはそのエア・シリンダ102と平行な向きでガイド104が取り付けられている。シャッタ・ユニット86,86の裏面にはそれらシリンダ102のガイド内およびガイド104内を摺動させられるそれぞれ一対のレール106および108,106および108が取り付けられている。そのため、エア・シリンダ102が作動させられると、シャッタ・ユニット86は、ガイド104等に案内されつつ図7における左右方向に移動させられることとなる。
【0029】
このため、印刷テーブル20の載置面82は、中央部ユニット84上の部分82aとシャッタ・ユニット86,86上の部分82b,82bが相互に離隔し得るように構成されている。エア・シリンダ102の作動によってそれらが相互に密接させられる図示の状態では、一体となって一つの載置面82を構成する一方、それらが相互に離隔させられた状態では、載置面82aと載置面82b,82bとの間に大きな空隙が生じる。この離隔状態では、図7における左側のユニット86について一点鎖線で位置を示すように、シャッタ・ユニット86の中央部ユニット84側の端面が支持板100の略内壁面上すなわちレール36よりも外側に位置し、そのレール36上が障害物の何ら存在しない開放状態とされる。そのため、このシャッタ開放状態で印刷テーブル20を昇降させることにより、レール36と載置面82とを接触させることなく図3に実線で示す上端位置とその下方に一点鎖線で示す下端位置との間で印刷テーブル20を昇降させ得るのである。また、シャッタ・ユニット86のシャッタ開閉に係る可動部分は、図7に示されるように印刷テーブル20が上端位置にあるときにはレール36よりも十分に上方に位置するので、その開閉時にもレール36との干渉は生じない。なお、シャッタ・ユニット86の載置面82bの載置面82a側の端部には、凹所88と同じ深さ寸法の凹所88bが備えられており、載置面82a,82bの密接状態では、凹所88と一体となって平面視において矩形をなす凹所を構成する。但し、シャッタ・ユニット86内には吸引室90は設けられていない。
【0030】
また、支持板100,100の上面中央部すなわちエア・シリンダ102とガイド104との間の位置には、前記リニアガイド96と同様に構成されたリニアガイド110,110がそれぞれ取り付けられている。図8の正面図に示すように、リニアガイド110は、レール112およびスライダ114を備えたものであるが、そのスライダ114上には可動ピン116が備えられている。この可動ピン116は、可動ピン98と同様に、シャッタ・ユニット86に設けられた長孔118内をその長手方向に沿って移動させられるものである。なお、固定ピン92,可動ピン98,116等は、載置面82よりも上に突き出さないようにその高さ位置が設定されている。すなわち、印刷テーブル20には、載置面82より上に凸になった部分は存在せず、載置面82よりも凹になった部分も、凹所88,吸引室90,可動ピン98,116の移動させられる長孔94,118だけで有って、全体として略平坦になっている。
【0031】
また、上記のリニアガイド110,110は、何れもリニアガイド96と同様に油圧或いは空気圧で作動させられるものであるが、その圧力媒体流路120,122は、切換弁124を介して高圧側(PH)流路126および低圧側(PL)流路128に接続されている。この切換弁124は、例えば印刷装置10に備えられた制御装置130からの指令に従って作動させられる電磁弁であり、図示しない操作パネルに設けられた切換えスイッチを操作することによって、流路120が高圧側126に、流路122が低圧側128にそれぞれ接続された第1状態と、流路120が低圧側128に、流路122が高圧側126にそれぞれ接続された第2状態とを容易且つ瞬時に切換え得る。なお、上記高圧側流路126は、例えば図示しない圧力発生装置の元圧である0.5(MPa)程度に設定され、低圧側流路128は、例えばそれよりも十分に低い0.2(MPa)程度に設定されている。
【0032】
以上のように構成された印刷装置10は、例えば、図9(a)〜(c)に示されるような例えば0.3〜1(mm)程度の厚さ寸法を有するアルミナ等のセラミック製基板12の一面(被印刷面)132,134に回路パターン136を形成して厚膜回路基板を製造するに際して、その回路パターン136を構成する配線138、抵抗体140やそれらを適宜覆う厚膜絶縁層等を形成するための厚膜印刷ペーストを厚膜スクリーン印刷法を用いてそれら一面132,134に塗布するために用いられる。
【0033】
なお、上記の配線138は、例えば銅を導体成分として含む厚膜導体であって、例えば厚さ寸法が5〜数十(μm)程度で幅寸法が数十(μm)〜1(mm)程度の厚膜導体により形成されたものである。また、抵抗体140は、酸化錫等を含む厚膜抵抗体であって、所望の特性値が得られるように適宜の寸法、例えば数十(μm)程度の厚さ寸法で一辺が1〜2(mm)程度の大きさに形成されたものである。これらは、何れも厚膜印刷ペーストを所定のパターンで塗布した後、そのペーストの種類に応じた所定の焼成温度で加熱処理を施すことによって設けられる。また、配線138の各々の端部や中間部には、電子部品の端子等を固着し、或いは上記の抵抗体140を設けるための円形或いは矩形のランド142や、表面132および裏面134にそれぞれ設けられた配線138を相互に接続するためのスルーホール・ランド144等が備えられている。このスルーホール・ランド144は、(b)に拡大して示すように、表面132および裏面134間に貫通し開口形状が円形のスルーホール146の周囲に円環状に設けられたものである。なお、スルーホール146の内径は、例えば0.4(mm)程度である。
【0034】
上記のスルーホール146は、(c)に示すように、その内壁面148に例えば配線138と同様な厚膜導体から成る貫通導体150が表面132から裏面134に貫通して設けられている。この貫通導体150は、例えば厚膜スクリーン印刷法を用いてスルーホール146上に厚膜銅ペーストを塗布して焼成することによって形成されたものである。貫通導体150の内壁面148上における厚さ寸法は、例えば20〜40(μm)程度であり、その軸心方向における両端すなわち表面132および裏面134の各々においてスルーホール・ランド144に重なる。これにより、基板両面132、134にそれぞれ設けられている配線138が貫通導体150を介して相互に接続されている。
【0035】
上記のようなスルーホール146を備えた基板12を製造する際の前記印刷装置10の作動を、印刷工程の要部を表す工程流れ図(図10)および工程の各段階における印刷テーブル20等の作動を模式的に表した図11〜図13、図15および図16等を参照して以下に説明する。
【0036】
図10に示す基板送込工程152においては、例えばレール36の図1等における右端部に載せられた基板12が印刷部14に間歇的に送り込まれる。図11(a)は、この段階を示している。このとき、同図に示すように、印刷テーブル20は、レール36よりも下方に位置させられている。そのため、この基板12の送込み過程で基板12と印刷テーブル20とが接触することはない。本実施例では、この段階におけるスクリーン製版24と印刷テーブル20の載置面82との間隔が第2間隔に対応する。なお、前記の図3に示したように、印刷テーブル20は最も下降させられた状態でその載置面82がレール36の上面よりもやや下方に位置するように構成されているが、図11以下の図においては説明の便宜上レール36よりも下側に位置するように描いている。また、印刷テーブル20が昇降させられる際には、中央部ユニット84およびシャッタ・ユニット86,86が一体となって動くが、図11および後述する図16では便宜上レール36の外側に位置するシャッタ・ユニット86を省略した。
【0037】
次いで、テーブル上昇行程154においては、図11(b)に示すように、基板12が印刷テーブル20の真上の位置で停止させられた状態でその印刷テーブル20が前記の上端位置に向かって上昇させられる。このとき、印刷テーブル20のシャッタ・ユニット86は中央部ユニット84から離隔させられた開放状態にあるため、その上昇過程においてレール36に接触することは無い。この上昇過程において、基板12が中央部ユニット84に突き上げられ、その載置面82に載せられることとなる。本実施例においては、このテーブル上昇工程154が接近工程に対応する。
【0038】
印刷テーブル20の上昇が完了すると、シャッタ閉工程156において、シャッタ・ユニット86が中央部ユニット84に向かって接近させられ、シャッタが閉じられて載置面82a、82bが一体となって一つの載置面82を構成する。図12(a)〜(c)は、このシャッタ閉作動を説明する模式図である。(a)に示されるように基板12が印刷テーブル20上まで移動させられると、シャッタ・ユニット86,86が開いたまま印刷テーブル20が上昇させられる。中央部ユニット84で基板12を突き上げつつ印刷テーブル20が上端位置まで上昇すると、(b)に示されるようにシャッタ・ユニット86、86が中央部ユニット84に向かって移動させられる。印刷テーブル20の上昇時においては、基板12はその端縁(図における上下端)が中央部ユニット84の載置面82aからはみ出しているが、このようにしてシャッタが閉じられて載置面82a,82bが密接させられることにより、(c)に示すように平坦な載置面82が形成され、基板12の全体が載置面82に載せられる。すなわち、本実施例では、印刷テーブル20がシャッタ方式とされているので、レール36上を基板12が間歇的に送られるように構成されているにも拘わらず、図6に示されるような基板12を載せるための凹所88および位置決めのための長孔94,118が備えられている他は実質的に平坦な載置面82の中央部に基板12が載せられた状態となる。
【0039】
図10に戻って、基板位置決め工程158では、基板12を載置面82の所定の位置に位置決めする。この位置決めは、図13(a)に示すように、載置面82に基板12が載せられた後、可動ピン98を固定ピン92,92に向かって、可動ピン116,116を互いに接近する方向に、それぞれ長孔94,118内で移動させることによって行われる。前記の図6に示されるシリンダ96を作動させることにより、可動ピン98を移動させると、その可動ピン98に押圧されることによって基板12が固定ピン92,92に向かって移動させられ、その固定ピン92,92に基板12の一辺が押し付けられる。
【0040】
一方、シリンダ110,110を作動させることによって可動ピン116,116を移動させると、基板12はそれらによって両側(図13(a)における上下)から押圧されるが、前述したように、これらシリンダ110,110には高圧側流路126および低圧側流路128が択一的に接続されるようになっているので、押圧力は相互に異なる。図においては、その押圧力の相違を矢印の大きさで表した。そのため、相対的に高圧を印加された一方の可動ピン116は、低圧を印加された他方の可動ピン116を基板12を介して押し戻しつつ、その低圧側に向かって移動させられる。本実施例においては、高圧側は0.5(MPa)程度、低圧側は0.2(MPa)程度に設定されているので、図において下側に位置する高圧側の可動ピン116は、長孔118の先端部まで移動してその位置で停止することとなる。そして、低圧側の可動ピン116は、基板12をその高圧側の可動ピン116に押し付ける位置まで移動させられる。この結果、基板12は、全体として矢印で示すように右上に向かって移動させられ或いは押し付けられ、図13(b)に示される位置に位置決めされることとなる。
【0041】
なお、本実施例では、一対の可動ピン116,116のうち高圧側の一方の移動量が大きくなるが、その位置は基板12の大きさに拘わらず長孔118の先端部に固定されて一定である。他方、低圧側の可動ピン116は、基板12の大きさに応じて、その一辺が高圧側の可動ピン116に押し付けられるまでの範囲で移動させられることとなる。したがって、本実施例においては、高圧側の可動ピン116に押し付けられる一辺は基板の大きさに拘わらず図13(b)に示される一定の位置に位置することとなるので、その高圧側の可動ピン116が位置決めの基準側(固定ピン92に相当)に、低圧側の可動ピン116が位置決めの押圧側(可動ピン98に相当)になる。すなわち、図13の上下方向において基板12を位置決めするための固定ピンは設けられていないが、2本の可動ピン116のうちの一方が固定ピンとして機能するので、位置決めに何ら支障はない。
【0042】
上記の基準側(高圧側)と押圧側(低圧側)の設定は、基板12の位置決めの基準となる辺が図13における上下何れに位置するかに応じて定められる。一般に、基板12に厚膜スクリーン印刷を施すに際しては、互いに直交する2辺が位置決めの基準辺に設定される。本実施例において、図の左右方向では右側に固定ピン92すなわち基準ピンが固定的に位置するので、2つの基準辺のうちの一方は常に図における右側に位置しなければならない。ところが、スルーホール146を備えた本実施例の印刷対象となる基板12では、その両面132,134の何れにもペーストが印刷されることから、被印刷面132が上側となる向きおよび被印刷面134が上側となる向きの2態様で載置面82に載せられる。このように基板12を裏返して載せる場合に、図における右側に一方の基準辺が常に位置するようにその向きを設定すると、残る一方の基準辺は、一方の面が上側に位置するときには下側に位置し、他方の面が上側に位置するときには上側に位置する。
【0043】
このとき、本実施例では、前述したように切換弁124で切り換えることでリニアガイド110の高圧側と低圧側とを入れ換えて、可動ピン116の基準側と押圧側とを変更できるため、一方の面132に印刷する際に、例えば図6および図13における下側に位置する可動ピン116を基準側とした場合には、他方の面134に印刷する際に切換弁124を操作して上側に位置する可動ピン116を基準側とすれば、印刷テーブル20の交換等を何ら伴うことなく基板12の両面に印刷することができる。
【0044】
因みに、図14に示されるような従来の印刷用セッタ160では、基板12の基準辺に対応する2辺にそれぞれ固定ピン162,164が備えられると共に、それらに対向する他の2辺にそれぞれ長孔166,168内で移動させられる可動ピン170,172が備えられていた。そのため、基板12の基準辺が常に右側および下側に位置する必要があることから、基準辺の位置関係が異なる表面および裏面への印刷時にそれぞれ位置決めをするために、表面用および裏面用の2つの印刷セッタを用意し、印刷面に応じて印刷テーブル上のセッタを取り替えていたので、その取り替え作業が印刷効率を低下させていた。
【0045】
上記のようにして基板12を載置面82の所定位置に位置決めした後、ペースト塗布工程174では、図11(c)に示すように、スキージ26でスクリーン製版24のスクリーン22を押下げつつそのスキージ26を図の矢印方向に摺動させる。これにより、前記の回路パターン136の構成要素のうち何れかを形成するための厚膜印刷ペーストが基板12の被印刷面132(或いは134)に塗布される。本実施例では、このように印刷テーブル20が上端位置まで上昇させられた印刷時におけるスクリーン製版24と載置面82との相互間隔が第1間隔に対応する。
【0046】
図15は、上記のペースト塗布(印刷)中のスキージ26の動きを説明するためのスクリーン製版24の平面図である。スクリーン製版24は、例えばその版枠が印刷テーブル20の載置面82よりも十分に大きく構成されている。基板12は、印刷テーブル20の中央部に載せられているが、図の矢印方向に摺動させられるスキージ26は、基板12の印刷範囲全体に可及的に一様な条件でペーストを塗布すべく、その基板12の端縁よりも十分に外側までの広い範囲に亘ってそのスクリーン22を押圧しつつ移動させられる。そのため、基板12よりも外側の範囲では、スクリーン22は載置面82に押し付けられることなるが、このように印刷が施される際には、前述したように中央部ユニット84に密接するようにシャッタ・ユニット86が閉じられることによって載置面82は実質的に平坦で凹凸無く構成されている。したがって、本実施例の印刷装置10では、載置面82に押し付けられることに起因するスクリーン22の損傷は殆ど生じ得ない。
【0047】
因みに、前記の図14に示される従来の印刷セッタ160は、スクリーン製版24の下側において一定の高さ位置に常時位置させられるものであって、基板12を間歇搬送するためのレール36上に跨るように配置されていた。基板12は、レール36上に設けられた図示しない爪で送られるようになっており、印刷セッタ160には、その爪が基板12の載置位置まで進むことができるように切り込み176が設けられている。そのため、図14および図15を対比すれば明らかなように、この切り込み176は、スキージ26が摺動させられる範囲内まで設けられていることから、そのスキージ26で基板12に向かって押圧されたスクリーン22がその切り込み176内に押し込まれることにより、その稜部で損傷させられ易い問題があった。しかも、切り込み176が存在する部分には真空吸引のための吸引室90を設けることができない不都合もあったのである。
【0048】
図10に戻って、基板12が印刷部14に順次に送り込まれる量産時においては、シャッタ開工程178において前述したシャッタ閉工程156とは反対の動作でシャッタ・ユニット86が中央部ユニット84から離隔させられ、レール36上が開放される。次いで、テーブル下降工程180において、印刷テーブル20が下端位置まで下降させられ、更に、基板送出工程182において、ペーストを塗布された基板12が印刷部14から送り出される。送り出された基板12は、例えば図示しないロボット等によって乾燥工程に送られる。図11(d)は、印刷テーブル20が下端まで下降させられた段階を示しており、右方には続いて送り込まれる基板12が待機させられている。なお、レール36は位置合わせ部18に向かって伸びるように設けられているので、印刷を終えた基板12はその位置合わせ部18に向かって送られることとなる。しかしながら、その際には印刷テーブル20が印刷部14にあって位置合わせ部18ではレール36が露出させられた状態にあるので、ロボットが乾燥工程に送る際の作動には何ら支障はない。しかも、このように位置合わせ部18と基板12の送出先が空間的に共通の位置に設けられている結果、印刷装置10全体は比較的小さくまとめられている。本実施例においては、基板送込工程152乃至ペースト塗布工程174,および量産時のステップであるシャッタ開工程178乃至基板送出工程182が印刷工程に相当する。
【0049】
一方、載置面82上で位置決めされた基板12とスクリーン製版24との相対位置を所定の印刷精度が得られるように調節する位置合わせ時においては、前記の図11(c)に示されるようにペーストが塗布された後、テーブル下降A工程184において、印刷テーブル20がスクリーン製版24とレール36との中間の高さ位置まで下降させられる。図16(d)はこの段階を示している。本実施例においては、この図に示されるスクリーン製版24と印刷テーブル20との位置関係が第1相対位置に対応する。このとき、印刷テーブル20のシャッタ・ユニット86は閉じられたまま、すなわち中央部ユニット84に密接させられたままであるが、その状態においても、レール36とシャッタ・ユニット86との相対位置が前記の図7にレール36を一点鎖線で示す位置関係となるまでは相互の接触(干渉)は生じ得ない。図16(d)に示される印刷テーブル20はそのような高さ位置にある。
【0050】
次いで、テーブル退避工程186においては、印刷テーブル20が位置合わせ部16まで退避すなわち水平移動させられる。図16(e)は退避完了後の位置を示しており、印刷テーブル20の上方にスクリーン製版24が位置しない状態となっている。本実施例においては、この図に示すスクリーン製版24と印刷テーブル20との位置関係が第2相対位置に対応する。検査・位置調節工程188においては、上記図16(e)に示される位置において、印刷テーブル20の上方に位置させられているカメラ50,50をX方向およびY方向、すなわち互いに直交する2方向に移動させて基板12上の所定の位置の印刷パターンを撮影し、モニタ48,48に表示させる。これにより、基板12上に塗布形成された図示しないトンボの相対位置に基づいて、印刷部14におけるスクリーン製版24と基板12との本来の相対位置からのずれの大きさを検査し、そのずれの大きさに応じて所定の相対位置精度が得られるように、前記の調節装置42,46等で印刷テーブル20の基台56に対する相対位置等を調節する。
【0051】
上記のようにして位置調節が終了した後、テーブル復帰工程190では、図16(d)に示される方向とは反対方向に印刷テーブル20を移動させて、スクリーン製版24の直下の位置に復帰させる。図16(f)は、その復帰後の状態を示している。その後、シャッタ開工程192においてシャッタ・ユニット86を中央部ユニット84から離隔する方向に後退させてシャッタを開放し、テーブル下降B工程194において印刷テーブル20を下端位置まで下降させることで、位置合わせ時の各機構の作動が完了する。本実施例においては、基板送込み工程152乃至ペースト塗布工程174、および位置合わせ時のステップであるテーブル下降A工程184乃至テーブル下降B工程194が位置合わせ工程に対応する。
【0052】
このように、本実施例においては、印刷テーブル20は、量産時と位置合わせ時とで異なる動作をするように構成されており、量産時には昇降動作だけをさせられ、位置合わせ時には水平方向に移動させられる。なお、位置合わせに用いられた基板12は、量産時と同様に印刷部14から送り出しても良く、或いは、位置合わせ作業者の手作業で印刷部14から除去してもよい。前述した量産時の印刷装置10の作動は、実際にはこのような位置合わせを行った後に実施される。また、上記位置合わせ時の作動は、印刷精度の確認のために量産中に随時行っても良い。
【0053】
要するに、本実施例においては、水平移動装置40によってスクリーン22の直下の第1相対位置とその直下から外れた第2相対位置との間で載置面82を相対的に移動させることができると共に、その第1相対位置では、昇降装置62によって印刷テーブル20を上端位置と下端位置との間で昇降させることにより、載置面82とスクリーン製版24との相互間隔を第1間隔と第2間隔との間で変更することができる。そのため、スクリーン22と基板12との位置合わせの際には、載置面82を第2相対位置に位置させることによって、スクリーン製版24に視界を妨げられることなく容易に位置合わせをすることができる一方、その位置合わせの後に多数の基板12に順次にスクリーン印刷を施すに際しては、スクリーン22の直下において上下移動させられる載置面82に順次に基板12を載せることで効率よく印刷を実施できる。したがって、印刷タクトが短く且つ印刷位置合わせの容易な印刷装置10が得られる。
【0054】
しかも、位置合わせのためにスクリーン製版24を一辺を回転軸として跳ね上げて傾斜させる必要が無いので、傾斜したスクリーン22上で印刷ペーストがだれて基板12上への塗布量にばらつきが生じる不都合も無い。
【0055】
また、本実施例においては、印刷テーブル20がスクリーン製版24の直下から外れた第2相対位置にあるときに、その載置面82上の基板12をその上方から観察するためのカメラ50が備えられているため、スクリーン製版24に妨げられることなく基板12上に塗布されたパターンを容易に観察して位置合わせをすることができる。
【0056】
また、本実施例においては、前記印刷装置は、前記第1相対位置に位置させられた前記載置面に向かって前記被印刷物を送ってその載置面に載せるための搬入コンベアと、その第1相対位置に位置させられたその載置面からその被印刷物を送り出すための搬出コンベアとを備えたものである。このようにすれば、載置面への被印刷物の積み降ろしは、これら搬入コンベアおよび搬出コンベアで効率よく行われることになる。
【0057】
また、本実施例においては、位置合わせ工程を実施する際には、テーブル退避工程186において載置面82(印刷テーブル20)が水平移動させられることによりスクリーン22(スクリーン製版24)の直下から外れた第2相対位置に位置させられ、検査・位置調節工程188において塗布された印刷パターンが検査された後、テーブル復帰工程190において、その載置面82が第1相対位置に水平移動させられる。そのため、位置合わせの際には載置面82の上方にスクリーン製版24が位置しないため、これに視界を妨げられること無くその載置面82上の基板12に塗布された印刷ペーストを容易に検査できる。一方、印刷工程においては、テーブル上昇工程154において基板12が載せられた載置面82がスクリーン製版24に第1間隔となるまで接近させられ、ペースト塗布工程174において印刷ペーストがその基板12に塗布された後、基板送出工程182において載置面82とスクリーン製版24との間隔が第2間隔まで離隔させられると共に基板12が次工程に送り出される。そのため、印刷工程の実施中は載置面82が水平方向には移動させられず、スクリーン製版24との間隔を変更するための昇降作動だけさせられるため、基板12を載せる際に載置面82が水平移動させられる場合に比較して効率よく印刷を実施できる。したがって、印刷タクトが短く且つ印刷位置合わせが容易になる利点がある。
【0058】
以上、本発明を図面を参照して詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施できる。
【0059】
例えば、実施例においては、基板12が載せられた印刷テーブル20が昇降させられることによってスクリーン製版24との相互間隔が変更されていたが、例えば、レール36およびスクリーン製版24が下降させられることによってそれらの相互間隔が変更されても差し支えない。或いは、両者が共に昇降させられても良い。
【0060】
また、実施例においては、印刷テーブル20が水平移動させられることによってスクリーン製版24との水平方向における相対移動が為されていたが、反対にスクリーン製版24を水平方向に移動させても差し支えない。或いは、印刷テーブル20およびスクリーン製版24が共に水平方向に移動することで相対移動が為されてもよい。
【0061】
また、実施例においては、昇降装置62を含む印刷テーブル20周辺の機構全体が水平移動させられていたが、少なくとも載置面82がスクリーン製版24の直下から外れた位置に退避すれば足りるので、例えば、印刷テーブル20のみ或いは載置面82の近傍のみが水平移動させられても良い。
【0062】
また、実施例においては、位置合わせ部18において印刷位置のずれの大きさを検査すると共に印刷テーブル20の位置調節が為されていたが、これらはそれぞれ別のステージで為されても差し支えない。例えば、位置調節は、スクリーン製版24の直下で行うように構成することもできる。
【0063】
また、実施例においては、シャッタ・ユニット86が閉じたまま中間の高さ位置まで下降させられた状態で印刷テーブル20が位置合わせ部18に移動させられていたが、スクリーン製版24との接触のおそれが無い場合には、上端位置のまま水平移動させてもよい。また、位置合わせ操作に支障が無ければ、シャッタ・ユニット86を開いて下端位置まで下降させた状態で水平移動させても良い。
【0064】
また、実施例においては、印刷テーブル20の水平移動方向が基板12の搬送方向と一致させられていたが、互いに直交する方向等の別々の方向に設定されても差し支えない。
【0065】
また、実施例においては、可動側と基準側とを切換可能な位置決め機構を備えた印刷テーブル20を有する印刷装置10に本発明が適用された場合について説明したが、本発明は、図14に示される従来の印刷セッタ160を備えた印刷装置にも同様に適用される。
【0066】
また、実施例においては、印刷テーブル20が中央部ユニット84および一対のシャッタ・ユニット86、86からなる場合について説明したが、載置面82のうち基板12の端縁を支持する部分が必要でなければ、印刷テーブル20が中央部ユニット84に相当する部分のみから構成されていても差し支えない。
【0067】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の印刷装置を示す正面図である。
【図2】図1の印刷装置の平面図である。
【図3】図1の印刷装置の印刷テーブル駆動機構を説明するための正面図である。
【図4】図3におけるIV−IV視断面を示す図である。
【図5】図3のテーブル駆動機構の平面図である。
【図6】図1の印刷装置に備えられている印刷テーブルの構成を詳細に説明する平面図である。
【図7】図6の印刷テーブルの右側面図である。
【図8】図6の印刷テーブルの正面図である。
【図9】(a)は図1の印刷装置で配線等が形成されたスルーホール基板の一例を示す斜視図であり、(b)はその基板に備えられているスルーホールを拡大して示す図であり、(c)は(b)におけるc−c視断面図である。
【図10】図9の基板に印刷を施す際の工程流れ図の一例である。
【図11】(a)〜(d)は図1の印刷装置を用いて多数の基板に順次に印刷処理を施す際の作動を説明するための模式図である。
【図12】(a)〜(c)は図11に示される印刷処理を施す際の印刷テーブルの作動を説明するための模式図である。
【図13】(a)、(b)は図11に示される印刷処理を施す際の印刷テーブル上における基板の位置決め作動を説明するための模式図である。
【図14】従来の印刷テーブルの一例の構造を説明する平面図である。
【図15】図11に示される印刷処理におけるスキージの動きを説明する模式図である。
【図16】(d)〜(f)は印刷位置合わせをする場合において図11(c)に示す段階に続く印刷テーブルの作動を説明するための模式図である。
【符号の説明】
10:印刷装置
12:基板(被印刷物)
20:印刷テーブル
22:スクリーン
24:スクリーン製版
40:水平動装置
62:昇降装置(間隔変更装置)
82:載置面
Claims (3)
- 水平な載置面を有する印刷台と、その載置面に平行なスクリーンを有する印刷用製版とを備え、そのスクリーンの直下に位置させられたその載置面に順次に載せられる多数の被印刷物にスクリーン印刷を施す形式の印刷装置であって、
前記載置面が前記スクリーンの直下に位置する第1相対位置においてその載置面および前記印刷用製版の相互間隔を、前記被印刷物にスクリーン印刷を施すための第1間隔とその被印刷物をその載置面に載せるための第2間隔との間でそれらの平行を保ったまま変更するための間隔変更装置と、
前記第1相対位置と前記載置面が前記スクリーンの直下から外れた第2相対位置との間でその載置面および前記印刷用製版を水平方向に相対移動させるための水平移動装置と
を、含むことを特徴とする印刷装置。 - 前記載置面および前記スクリーンが前記第2相対位置にあるときに、その載置面上の前記被印刷物をその上方から観察するための撮像装置を備えたものである請求項1の印刷装置。
- 印刷台の水平な載置面に載せられた被印刷物に、その載置面に平行なスクリーンを有する印刷用製版を用いて印刷ペーストを塗布してスクリーンと被印刷物の載置位置との位置合わせを行う位置合わせ工程と、多数の被印刷物をその載置面に順次に載せて前記印刷用製版を用いて印刷ペーストを塗布する印刷工程とを含む印刷方法であって、
前記位置合わせ工程は、
前記被印刷物に前記印刷ペーストが塗布された後、その被印刷物が載せられた前記載置面を前記スクリーンに対して水平方向に相対移動させることにより、その載置面がそのスクリーンの直下に位置する第1相対位置からその直下より外れた第2相対位置に退避させる退避工程と、
前記第2相対位置において、前記位置合わせを行うために前記載置面上の被印刷物に塗布された印刷パターンを検査する検査工程と、
前記第2相対位置から前記第1相対位置に前記載置面を相対移動させる復帰工程とを含み、
前記印刷工程は、
前記第1相対位置において、前記載置面に前記被印刷物を載せ且つその載置面と前記印刷用製版とをそれらの相互間隔が印刷のための所定の第1間隔になるまで接近させる接近工程と、
スキージで前記被印刷物に向かって前記スクリーンを押下げつつ一方向に沿ってそのスキージを摺動させることにより、前記印刷ペーストをそのスクリーンを通してその被印刷物上に塗布する塗布工程と、
その塗布工程の後に前記載置面と前記印刷用製版とを所定の第2間隔になるまで離隔させ且つ前記被印刷物をその載置面から次工程へ送り出す送出工程と
を、順次に繰り返して実施することを特徴とする印刷方法。
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- 2002-07-16 JP JP2002207089A patent/JP2004050434A/ja active Pending
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