JP2004050037A - 排ガス処理装置 - Google Patents
排ガス処理装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004050037A JP2004050037A JP2002210726A JP2002210726A JP2004050037A JP 2004050037 A JP2004050037 A JP 2004050037A JP 2002210726 A JP2002210726 A JP 2002210726A JP 2002210726 A JP2002210726 A JP 2002210726A JP 2004050037 A JP2004050037 A JP 2004050037A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- exhaust gas
- filter
- gas treatment
- catalyst
- catalyst layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Filtering Materials (AREA)
- Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)
- Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
Abstract
【課題】触媒閉塞を防止するとともに上流機器の異常を検知可能とした排ガス処理装置を提供する。
【解決手段】排ガス流路内に排ガス中に含まれる有害物質を除去するための触媒層を有する排ガス処理装置において、前記触媒層の上流側に、排ガス中に含まれる固形物質を捕集するフィルタを設けるとともに、該フィルタの上流側と下流側の排ガス流路内の圧力差を表示する差圧表示手段を設けたことを特徴とする排ガス処理装置。
【選択図】 図1
【解決手段】排ガス流路内に排ガス中に含まれる有害物質を除去するための触媒層を有する排ガス処理装置において、前記触媒層の上流側に、排ガス中に含まれる固形物質を捕集するフィルタを設けるとともに、該フィルタの上流側と下流側の排ガス流路内の圧力差を表示する差圧表示手段を設けたことを特徴とする排ガス処理装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排ガス処理装置に関し、詳しくは焼却炉等から排出される排ガス中に含まれる有害物質を安定して除去し得るようにした排ガス処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ごみ焼却炉から排出される排ガスはバグフィルタ(ろ過式集塵器)でダスト等が除去(場合によってはその後に湿式洗煙装置)された後、触媒反応塔で触媒層と接触しNOxやダイオキシンなどの有害物質が除去される。通常、排ガス処理装置内の触媒としては、ハニカム触媒や粒状触媒が使われる。しかし、例えば、ハニカム触媒では脱NOxや脱ダイオキシンの効率を上げるために目数を大きく、すなわち1つのセルの開口面積を小さくする為、ダスト、塩、繊維等の固形物質による閉塞を生じやすい等、いずれの触媒層もダスト、塩、繊維等の固形物質による閉塞を生じやすい。
【0003】
また、触媒反応塔前の上流機器で異常(例えば、バグフィルタのろ布破損)があった場合でも、触媒反応塔の運転に支障がなければ、上流機器の異常には気づかずに触媒反応塔の運転は継続される。そのため、その後、例えばダストにより触媒の性能が劣化したり、触媒反応塔内で触媒層が閉塞したり、さらには触媒反応塔の異常操業を招くことになる。そして上記のような触媒反応塔に運転支障が出た段階になって初めて上流機器の異常に気が付き、触媒反応塔を含めた全炉停止を余儀なくされる。結果として、その段階ではすでに上流機器のトラブルは大きくなっているためその後の機器のメンテナンスに日数を要したりと手間が非常にかかることになる。また、上記触媒反応塔の触媒劣化、触媒層の閉塞や異常操業は湿式洗煙から出される塩、エキスパンションから出される繊維等によっても起こる。
【0004】
上記問題点に対し、特開2001−187320号公報には、電気集塵器またはサイクロンの下流側にセラミックフィルタ−を設けて除塵効率を高め、排ガス中のダストを充分に除去した後に排ガスを触媒層に導入することにより排ガス中のダイオキシン類を除去する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2001−187320号公報では、例えば、実際にバグフィルタのろ布が破損していた場合でも、上流機器(バグフィルタ)の運転状況の把握はできないため、わずかな上流機器のトラブルの段階では見逃してしまう。そして、触媒反応塔の触媒が閉塞したり、異常運転になったり等、触媒反応塔にトラブルが起こって初めて上流機器のトラブルに気が付くことになり、結果として、上記同様、その段階ではすでに上流機器のトラブルは大きくなっているためその後の機器のメンテナンスに日数を要したりと手間が非常にかかることになる。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、触媒閉塞を防止するとともに上流機器の異常を検知可能とした排ガス処理装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下のような知見を得た。
触媒層の上流側にフィルタを設け、排ガス中に含まれる固形物質を除去するとともに、フィルタの上流側と下流側の排ガス流路内の圧力差を利用して、上流機器の異常を検知することにより、触媒層が閉塞する前に上流機器のごく僅かな異常でも検知することが可能となる。と同時に測定した圧力差の大きさに応じて、トラブルの状況を把握することができる。
【0008】
本発明は上記のような知見に基づいてなされたものであり、以下のような構成を有する。
[1]排ガス流路内に排ガス中に含まれる有害物質を除去するための触媒層を有する排ガス処理装置において、前記触媒層の上流側に、排ガス中に含まれる固形物質を捕集するフィルタを設けるとともに、該フィルタの上流側と下流側の排ガス流路内の圧力差を表示する差圧表示手段を設けたことを特徴とする排ガス処理装置。
[2] 上記[1]において、前記圧力差が所定値を超えた場合に、警報を発する警報手段をさらに備えたことを特徴とする排ガス処理装置。
【0009】
[3] 上記[1]または[2]において、フィルタの材質がガラス繊維、ポリテトラフルオロチレン、セラミックフッ素繊維、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイトの中から選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする排ガス処理装置。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の排ガス処理装置の一実施形態を示すものである。
【0011】
この実施形態では、排ガス処理装置は触媒反応塔1により構成されている。この触媒反応塔1は角型で構成されており、触媒反応塔1の上端には排ガス流入口2が、下端には排ガス流出口3が形成されるとともに、触媒反応塔の内部には第一触媒層4aと第二触媒層4bの二段の触媒層が設けられている。
【0012】
以上のような構造において、排ガス流入口2と第一触媒層4aとの間のガス流路内には排ガス中に含まれる固形物質を捕集するためのフィルタ5が設けられている。さらに、この装置には、前記フィルタ5の上流側と下流側のガス流路内の圧力を測定するための圧力測定計6a、6bと、この両圧力測定計6a、6bにより測定された圧力の差を求める差圧計11とを有し、この圧力差が所定値を超えた場合に、警報を発する警報手段12が設けられており、これらによって、上流側機器の異常を検知することができる。
【0013】
ここで、上流機器とは例えばごみ焼却炉等から排出された排ガスが触媒反応塔に至るまでの間に通過してくる機器および機器につながっている配管、ダクトのことであり、例えば、バグフィルタ(ろ過式集塵器)、湿式洗煙装置、エキスパンションなどがある。
【0014】
図2は本発明の排ガス処理装置の他の実施形態を示すものである。
【0015】
この実施形態では、排ガス処理装置は触媒反応塔1と入口ダクト7により構成されている。そして、排ガス中に含まれる固形物質を捕集するためのフィルタ5は入口ダクト7内に設けられ、このフィルタ5に対して、図1と同様の差圧表示手段と警報手段が設けられている。なお、その他の構造は図1と同様であるので、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0016】
図3は本発明の排ガス処理装置の他の実施形態を示すものである。
【0017】
この実施形態では2つの触媒反応塔1x、1yを並列的に設け、両触媒反応塔1x、1yを切り替えて使用できるようにしたものである。このため、触媒反応塔1x、1yの排ガス流入口2に接続された入り口ダクト7x、7yにそれぞれ切替ダンパ10x、10yが設けられ、これら切替ダンパ10x、10yの開閉により触媒反応塔1x、1yを選択的に使用できるようにしてある。
【0018】
各触媒反応塔1x、1yは、図1の実施形態と同様の触媒層4a、4bを有するとともに、フィルタ5と圧力測定計6a、6b、差圧計11及び警報手段12を備えている。
【0019】
このように、複数の並列的な触媒反応塔を有することにより、使用している触媒反応塔内のフィルタが閉塞した場合、切り替えダンパ10x、10yを使用して、予備の触媒反応塔に運転を切り替え、その間に閉塞したフィルタの交換を行うことにより、炉停止を行わず連続運転が可能となる。
【0020】
本発明に用いるフィルタ5としては耐熱性、耐酸性、耐アルカリ性などの理由からポリテトラフルオロチレン(PTFE)、セラミックフッ素繊維、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイト(PPS)から選ばれる少なくとも1種からなることが好ましい。
【0021】
フィルタの設置場所としては、ガス流路における触媒層4の上流側であればよく、触媒反応塔内部、触媒反応塔入り口ダクトなどに設けることができる。
【0022】
フィルタは、例えば、触媒反応塔内に設置する場合、支持枠にはめ込むだけでフィルタの交換が容易にできるような構造とすることが好ましい。また、フィルタはパッケ−ジタイプが好ましい。フィルタの大きさは触媒反応塔に合わせ、フィルタを分割するなどして使用することができる。
【0023】
図4は、フィルタ5の好ましい取付構造の一例を示すもので、フィルタ5はガス流路を横切るフィルタ部材5a、5bで構成され、これらフィルタ部材5a、5bは触媒反応塔1の側部に設けられた出入り口からガス流路内に出し入れ可能となっている。また、この出し入れを行うため、各フィルタ部材5a、5bの端部には搬出入用ハンドル8が設けられている。
【0024】
図5は、フィルタ5の好ましい取付構造の他の例を示すもので、フィルタ5はガス流路を横切るフィルタ部材5a、5bで構成され、フィルタ部材5a、5bは触媒反応塔1内に固定支持されている。また、このフィルタ部材5a、5bを固定支持するため、各フィルタ部材5a、5bの端部には支持枠9が設けられている。
【0025】
次に、図1の装置を例に、本発明の排ガス処理装置による排ガス処理操業について説明する。
【0026】
排ガスは排ガス流入口2を通じて触媒反応塔1内に導入され、触媒反応塔1を下方に流れる過程でフィルタ5と接触した後、触媒層4と接触し、排ガス流出口3から塔外へ排出される。排ガスとフィルタ5が接触することで、排ガス中に含まれる固形物質(ダスト、塩、繊維等)が捕集除去される。固形物質が除去された排ガスは次いで触媒層と接触することで、NOxやダイオキシンといった有害物質が除去される。排ガスの温度はフィルタの性能劣化を防ぐため220℃以上が好ましい。また、圧力測定計6a、6bの測定値から差圧計11によって圧力差を表示するとともに、警報手段12は、その値を常時監視し、それが所定値を超えた場合には、警報を発し、上流機器の異常を報知する。異常が報知された場合、ごみ焼却炉を速やかに停止し、上流機器の以上を確認する。
【0027】
また、図4、図5に示すように、フィルタをいくつかに分割して設けることにより、交換するフィルタの数を適宜変えることが可能となり、経済的な操業を行うことができる。
【0028】
本発明の排ガス処理装置において、処理対象となる排ガスは、NOx、ダイオキシン等の有害物質をガス中に含み、これら有害物質を除去対象とする排ガスである。具体的には、ごみ焼却炉から排出される排ガス、製錬プロセス排ガス、一般・産業廃棄物処理プロセス排ガス、発電所から排出される排ガス等である。
【0029】
フィルタ5と接触することにより、捕集除去される固形物質は、ダスト(主としてバグフィルタから出される)、塩(主として湿式洗煙装置から出される)、繊維(主としてエキスパンションから出される)、錆(全ての上流機器から出される)、塗装片(図辺手の上流機器から出される)等であり、これらフィルタ5で捕集されることにより触媒層の閉塞等が適切に防止される。
次に本発明の排ガス処理装置を用いて行った操業例について説明する。
【0030】
図3に示す装置を用いて、排ガス中の固形物質、有害物質の除去を行った。結果を以下に示す。
【0031】
装置全体の高さは6m、長さ3m、幅は3mである。排ガスとしては通常ごみ焼却炉から排出される排ガスを用い、ガス中にNOxやダイオキシンを含むものであった。約220℃の排ガスを排ガス流入口2よりガス流量25000m3/h(標準状態)の割合で排ガス流入口2から入口ダクト7を通じて、切替ダンパ8によりいずれか一方の触媒反応塔1内に導入した。排ガス流出口3から排出される排ガス中のNOx、ダイオキシンはいずれも基準値(NOx:50ppm(O212%換算)、ダイオキシン:0.1ng−TEQ/Nm3)以下であった。また、差圧計6a、6bより、1回目の差圧は0.1kPa、2回目の差圧は1.0kPaであった。また、上記実験中、触媒の劣化および閉塞は一切なかった。2回目の差圧が1.0kPaと高いのはダストがフィルタにかなり捕集され詰まっていることを表し、この結果を受けて、上流機器バグフィルタを点検したところ、バグフィルタのろ布が破損しているのがわかった。
【0032】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、触媒層の上流側でフィルタを用いて固形物質を捕集することにより、触媒層の閉塞を未然に防止することができるとともに、このフィルタの上流側と下流側の排ガス流路内の圧力差を監視し、上流機器の異常を早期に検知することができる。そして、このように触媒層の閉塞を未然に防止することができ、しかも、上流機器のわずかなトラブル・異常でも検知するため、上流機器のトラブルが大きくならず小さい段階で工事、修理が行えるので、工事、修理等にかかる費用、日数を最小限に抑えられ、安定して操業すること可能となり産業上極めて有益である。さらに、触媒層の触媒性能が劣化することが少ないので、ごみ焼却炉から排出される排ガスの処理装置として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排ガス処理装置の一実施形態を示す説明図。
【図2】本発明の排ガス処理装置の他の実施形態を示す説明図。
【図3】本発明の排ガス処理装置の他の実施形態を示す説明図。
【図4】フィルタの取付構造の一実施形態を示す説明図。
【図5】フィルタの取付構造の他の実施形態を示す説明図。
【符号の説明】
1 触媒反応塔
2 排ガス流入口
3 排ガス流出口
4 触媒層
5 フィルタ
6a 6b 圧力測定計
7 入口ダクト
8 搬出入用ハンドル
9 支持枠
10 切替ダンパ
11 差圧計
12 警報手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、排ガス処理装置に関し、詳しくは焼却炉等から排出される排ガス中に含まれる有害物質を安定して除去し得るようにした排ガス処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ごみ焼却炉から排出される排ガスはバグフィルタ(ろ過式集塵器)でダスト等が除去(場合によってはその後に湿式洗煙装置)された後、触媒反応塔で触媒層と接触しNOxやダイオキシンなどの有害物質が除去される。通常、排ガス処理装置内の触媒としては、ハニカム触媒や粒状触媒が使われる。しかし、例えば、ハニカム触媒では脱NOxや脱ダイオキシンの効率を上げるために目数を大きく、すなわち1つのセルの開口面積を小さくする為、ダスト、塩、繊維等の固形物質による閉塞を生じやすい等、いずれの触媒層もダスト、塩、繊維等の固形物質による閉塞を生じやすい。
【0003】
また、触媒反応塔前の上流機器で異常(例えば、バグフィルタのろ布破損)があった場合でも、触媒反応塔の運転に支障がなければ、上流機器の異常には気づかずに触媒反応塔の運転は継続される。そのため、その後、例えばダストにより触媒の性能が劣化したり、触媒反応塔内で触媒層が閉塞したり、さらには触媒反応塔の異常操業を招くことになる。そして上記のような触媒反応塔に運転支障が出た段階になって初めて上流機器の異常に気が付き、触媒反応塔を含めた全炉停止を余儀なくされる。結果として、その段階ではすでに上流機器のトラブルは大きくなっているためその後の機器のメンテナンスに日数を要したりと手間が非常にかかることになる。また、上記触媒反応塔の触媒劣化、触媒層の閉塞や異常操業は湿式洗煙から出される塩、エキスパンションから出される繊維等によっても起こる。
【0004】
上記問題点に対し、特開2001−187320号公報には、電気集塵器またはサイクロンの下流側にセラミックフィルタ−を設けて除塵効率を高め、排ガス中のダストを充分に除去した後に排ガスを触媒層に導入することにより排ガス中のダイオキシン類を除去する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2001−187320号公報では、例えば、実際にバグフィルタのろ布が破損していた場合でも、上流機器(バグフィルタ)の運転状況の把握はできないため、わずかな上流機器のトラブルの段階では見逃してしまう。そして、触媒反応塔の触媒が閉塞したり、異常運転になったり等、触媒反応塔にトラブルが起こって初めて上流機器のトラブルに気が付くことになり、結果として、上記同様、その段階ではすでに上流機器のトラブルは大きくなっているためその後の機器のメンテナンスに日数を要したりと手間が非常にかかることになる。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、触媒閉塞を防止するとともに上流機器の異常を検知可能とした排ガス処理装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下のような知見を得た。
触媒層の上流側にフィルタを設け、排ガス中に含まれる固形物質を除去するとともに、フィルタの上流側と下流側の排ガス流路内の圧力差を利用して、上流機器の異常を検知することにより、触媒層が閉塞する前に上流機器のごく僅かな異常でも検知することが可能となる。と同時に測定した圧力差の大きさに応じて、トラブルの状況を把握することができる。
【0008】
本発明は上記のような知見に基づいてなされたものであり、以下のような構成を有する。
[1]排ガス流路内に排ガス中に含まれる有害物質を除去するための触媒層を有する排ガス処理装置において、前記触媒層の上流側に、排ガス中に含まれる固形物質を捕集するフィルタを設けるとともに、該フィルタの上流側と下流側の排ガス流路内の圧力差を表示する差圧表示手段を設けたことを特徴とする排ガス処理装置。
[2] 上記[1]において、前記圧力差が所定値を超えた場合に、警報を発する警報手段をさらに備えたことを特徴とする排ガス処理装置。
【0009】
[3] 上記[1]または[2]において、フィルタの材質がガラス繊維、ポリテトラフルオロチレン、セラミックフッ素繊維、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイトの中から選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする排ガス処理装置。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の排ガス処理装置の一実施形態を示すものである。
【0011】
この実施形態では、排ガス処理装置は触媒反応塔1により構成されている。この触媒反応塔1は角型で構成されており、触媒反応塔1の上端には排ガス流入口2が、下端には排ガス流出口3が形成されるとともに、触媒反応塔の内部には第一触媒層4aと第二触媒層4bの二段の触媒層が設けられている。
【0012】
以上のような構造において、排ガス流入口2と第一触媒層4aとの間のガス流路内には排ガス中に含まれる固形物質を捕集するためのフィルタ5が設けられている。さらに、この装置には、前記フィルタ5の上流側と下流側のガス流路内の圧力を測定するための圧力測定計6a、6bと、この両圧力測定計6a、6bにより測定された圧力の差を求める差圧計11とを有し、この圧力差が所定値を超えた場合に、警報を発する警報手段12が設けられており、これらによって、上流側機器の異常を検知することができる。
【0013】
ここで、上流機器とは例えばごみ焼却炉等から排出された排ガスが触媒反応塔に至るまでの間に通過してくる機器および機器につながっている配管、ダクトのことであり、例えば、バグフィルタ(ろ過式集塵器)、湿式洗煙装置、エキスパンションなどがある。
【0014】
図2は本発明の排ガス処理装置の他の実施形態を示すものである。
【0015】
この実施形態では、排ガス処理装置は触媒反応塔1と入口ダクト7により構成されている。そして、排ガス中に含まれる固形物質を捕集するためのフィルタ5は入口ダクト7内に設けられ、このフィルタ5に対して、図1と同様の差圧表示手段と警報手段が設けられている。なお、その他の構造は図1と同様であるので、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0016】
図3は本発明の排ガス処理装置の他の実施形態を示すものである。
【0017】
この実施形態では2つの触媒反応塔1x、1yを並列的に設け、両触媒反応塔1x、1yを切り替えて使用できるようにしたものである。このため、触媒反応塔1x、1yの排ガス流入口2に接続された入り口ダクト7x、7yにそれぞれ切替ダンパ10x、10yが設けられ、これら切替ダンパ10x、10yの開閉により触媒反応塔1x、1yを選択的に使用できるようにしてある。
【0018】
各触媒反応塔1x、1yは、図1の実施形態と同様の触媒層4a、4bを有するとともに、フィルタ5と圧力測定計6a、6b、差圧計11及び警報手段12を備えている。
【0019】
このように、複数の並列的な触媒反応塔を有することにより、使用している触媒反応塔内のフィルタが閉塞した場合、切り替えダンパ10x、10yを使用して、予備の触媒反応塔に運転を切り替え、その間に閉塞したフィルタの交換を行うことにより、炉停止を行わず連続運転が可能となる。
【0020】
本発明に用いるフィルタ5としては耐熱性、耐酸性、耐アルカリ性などの理由からポリテトラフルオロチレン(PTFE)、セラミックフッ素繊維、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイト(PPS)から選ばれる少なくとも1種からなることが好ましい。
【0021】
フィルタの設置場所としては、ガス流路における触媒層4の上流側であればよく、触媒反応塔内部、触媒反応塔入り口ダクトなどに設けることができる。
【0022】
フィルタは、例えば、触媒反応塔内に設置する場合、支持枠にはめ込むだけでフィルタの交換が容易にできるような構造とすることが好ましい。また、フィルタはパッケ−ジタイプが好ましい。フィルタの大きさは触媒反応塔に合わせ、フィルタを分割するなどして使用することができる。
【0023】
図4は、フィルタ5の好ましい取付構造の一例を示すもので、フィルタ5はガス流路を横切るフィルタ部材5a、5bで構成され、これらフィルタ部材5a、5bは触媒反応塔1の側部に設けられた出入り口からガス流路内に出し入れ可能となっている。また、この出し入れを行うため、各フィルタ部材5a、5bの端部には搬出入用ハンドル8が設けられている。
【0024】
図5は、フィルタ5の好ましい取付構造の他の例を示すもので、フィルタ5はガス流路を横切るフィルタ部材5a、5bで構成され、フィルタ部材5a、5bは触媒反応塔1内に固定支持されている。また、このフィルタ部材5a、5bを固定支持するため、各フィルタ部材5a、5bの端部には支持枠9が設けられている。
【0025】
次に、図1の装置を例に、本発明の排ガス処理装置による排ガス処理操業について説明する。
【0026】
排ガスは排ガス流入口2を通じて触媒反応塔1内に導入され、触媒反応塔1を下方に流れる過程でフィルタ5と接触した後、触媒層4と接触し、排ガス流出口3から塔外へ排出される。排ガスとフィルタ5が接触することで、排ガス中に含まれる固形物質(ダスト、塩、繊維等)が捕集除去される。固形物質が除去された排ガスは次いで触媒層と接触することで、NOxやダイオキシンといった有害物質が除去される。排ガスの温度はフィルタの性能劣化を防ぐため220℃以上が好ましい。また、圧力測定計6a、6bの測定値から差圧計11によって圧力差を表示するとともに、警報手段12は、その値を常時監視し、それが所定値を超えた場合には、警報を発し、上流機器の異常を報知する。異常が報知された場合、ごみ焼却炉を速やかに停止し、上流機器の以上を確認する。
【0027】
また、図4、図5に示すように、フィルタをいくつかに分割して設けることにより、交換するフィルタの数を適宜変えることが可能となり、経済的な操業を行うことができる。
【0028】
本発明の排ガス処理装置において、処理対象となる排ガスは、NOx、ダイオキシン等の有害物質をガス中に含み、これら有害物質を除去対象とする排ガスである。具体的には、ごみ焼却炉から排出される排ガス、製錬プロセス排ガス、一般・産業廃棄物処理プロセス排ガス、発電所から排出される排ガス等である。
【0029】
フィルタ5と接触することにより、捕集除去される固形物質は、ダスト(主としてバグフィルタから出される)、塩(主として湿式洗煙装置から出される)、繊維(主としてエキスパンションから出される)、錆(全ての上流機器から出される)、塗装片(図辺手の上流機器から出される)等であり、これらフィルタ5で捕集されることにより触媒層の閉塞等が適切に防止される。
次に本発明の排ガス処理装置を用いて行った操業例について説明する。
【0030】
図3に示す装置を用いて、排ガス中の固形物質、有害物質の除去を行った。結果を以下に示す。
【0031】
装置全体の高さは6m、長さ3m、幅は3mである。排ガスとしては通常ごみ焼却炉から排出される排ガスを用い、ガス中にNOxやダイオキシンを含むものであった。約220℃の排ガスを排ガス流入口2よりガス流量25000m3/h(標準状態)の割合で排ガス流入口2から入口ダクト7を通じて、切替ダンパ8によりいずれか一方の触媒反応塔1内に導入した。排ガス流出口3から排出される排ガス中のNOx、ダイオキシンはいずれも基準値(NOx:50ppm(O212%換算)、ダイオキシン:0.1ng−TEQ/Nm3)以下であった。また、差圧計6a、6bより、1回目の差圧は0.1kPa、2回目の差圧は1.0kPaであった。また、上記実験中、触媒の劣化および閉塞は一切なかった。2回目の差圧が1.0kPaと高いのはダストがフィルタにかなり捕集され詰まっていることを表し、この結果を受けて、上流機器バグフィルタを点検したところ、バグフィルタのろ布が破損しているのがわかった。
【0032】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、触媒層の上流側でフィルタを用いて固形物質を捕集することにより、触媒層の閉塞を未然に防止することができるとともに、このフィルタの上流側と下流側の排ガス流路内の圧力差を監視し、上流機器の異常を早期に検知することができる。そして、このように触媒層の閉塞を未然に防止することができ、しかも、上流機器のわずかなトラブル・異常でも検知するため、上流機器のトラブルが大きくならず小さい段階で工事、修理が行えるので、工事、修理等にかかる費用、日数を最小限に抑えられ、安定して操業すること可能となり産業上極めて有益である。さらに、触媒層の触媒性能が劣化することが少ないので、ごみ焼却炉から排出される排ガスの処理装置として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排ガス処理装置の一実施形態を示す説明図。
【図2】本発明の排ガス処理装置の他の実施形態を示す説明図。
【図3】本発明の排ガス処理装置の他の実施形態を示す説明図。
【図4】フィルタの取付構造の一実施形態を示す説明図。
【図5】フィルタの取付構造の他の実施形態を示す説明図。
【符号の説明】
1 触媒反応塔
2 排ガス流入口
3 排ガス流出口
4 触媒層
5 フィルタ
6a 6b 圧力測定計
7 入口ダクト
8 搬出入用ハンドル
9 支持枠
10 切替ダンパ
11 差圧計
12 警報手段
Claims (3)
- 排ガス流路内に排ガス中に含まれる有害物質を除去するための触媒層を有する排ガス処理装置において、前記触媒層の上流側に、排ガス中に含まれる固形物質を捕集するフィルタを設けるとともに、該フィルタの上流側と下流側の排ガス流路内の圧力差を表示する差圧表示手段を設けたことを特徴とする排ガス処理装置。
- 前記圧力差が所定値を超えた場合に、警報を発する警報手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の排ガス処理装置。
- フィルタの材質がガラス繊維、ポリテトラフルオロチレン、セラミックフッ素繊維、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイトの中から選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1または2に記載の排ガス処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002210726A JP2004050037A (ja) | 2002-07-19 | 2002-07-19 | 排ガス処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002210726A JP2004050037A (ja) | 2002-07-19 | 2002-07-19 | 排ガス処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004050037A true JP2004050037A (ja) | 2004-02-19 |
Family
ID=31934155
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002210726A Pending JP2004050037A (ja) | 2002-07-19 | 2002-07-19 | 排ガス処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004050037A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014018709A (ja) * | 2012-07-13 | 2014-02-03 | Ricoh Co Ltd | 流体浄化装置 |
CN116637447A (zh) * | 2023-04-24 | 2023-08-25 | 福建省石狮热电有限责任公司 | 一种具有保护装置的过滤控制系统 |
-
2002
- 2002-07-19 JP JP2002210726A patent/JP2004050037A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014018709A (ja) * | 2012-07-13 | 2014-02-03 | Ricoh Co Ltd | 流体浄化装置 |
CN116637447A (zh) * | 2023-04-24 | 2023-08-25 | 福建省石狮热电有限责任公司 | 一种具有保护装置的过滤控制系统 |
CN116637447B (zh) * | 2023-04-24 | 2024-02-13 | 福建省石狮热电有限责任公司 | 一种具有保护装置的过滤控制系统 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN103301743B (zh) | 一种烟气一体化干法脱废系统和烟气脱废和反冲洗方法 | |
US20050119109A1 (en) | Method of cleaning and/or regenerating wholly or partially de-activated catalysts of stack-gas nitrogen scrubbing | |
JP6567463B2 (ja) | 排ガス処理方法 | |
WO2012073873A1 (ja) | 排ガス処理装置 | |
CN201329230Y (zh) | 一种新型过滤装置 | |
CN110523215A (zh) | 一种活性炭烟气净化再生一体化装置 | |
JPH05329316A (ja) | 排ガス処理装置 | |
KR20040029401A (ko) | 배기가스내의 생성물을 트래핑하기 위한 장치 및 방법 | |
JP2004050037A (ja) | 排ガス処理装置 | |
KR101598528B1 (ko) | 매연저감장치 및 이를 포함하는 매연저감 감지시스템 | |
JP4117566B2 (ja) | バグフィルタ及びその運転方法 | |
KR200178881Y1 (ko) | 폐가스 처리 장치 | |
JP3415730B2 (ja) | ガス状不純物処理システム及び粒子除去フィルタ | |
KR20220124003A (ko) | 여과 집진기 필터교체주기 예측 방법 | |
CN113413696A (zh) | 用于同时处理粉尘和VOCs的复合式工艺及新型过滤器 | |
CN204429021U (zh) | 一种沥青烟气处理系统 | |
CN211170731U (zh) | 煤气压力检测取压防堵结构 | |
CN203291711U (zh) | 一种烟气一体化干法脱废系统 | |
TWI469822B (zh) | 觸媒過濾設備及使用觸媒過濾設備之廢氣處理方法 | |
JP3719698B2 (ja) | 粉体・水分捕集装置 | |
CN207755923U (zh) | 烟气除雾净化联合系统 | |
CN219482154U (zh) | 一种除湿过滤器 | |
CN216498388U (zh) | 一种可更换滤芯的废气处理设备 | |
CN218924230U (zh) | 一种VOCs活性炭吸附装置 | |
CN219264276U (zh) | 一种可拆卸等离子体流化床净化燃煤烟气装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040921 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060221 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060328 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060822 |