JP2004049185A - 細胞培養装置および細胞培養方法 - Google Patents

細胞培養装置および細胞培養方法 Download PDF

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Abstract

【課題】in vitro培養系における細胞の培養環境、特に心臓血管領域における細胞の培養環境を、最適な培養条件で、しかも簡便で高性能な細胞培養手法を提供することを課題とする。この様な手法はティッシュエンジニアリングまたは組織工学的手法を用いる組織再生システムの開発を主眼とするものである。
【解決手段】本発明に係る細胞培養装置は、動物の心臓血管領域を形成しうる細胞または組織を収容する培養槽と、ポンプから機械弁を介して緩衝槽へ培養液が供給されるのに連動して、培養液を前記緩衝槽から前記培養槽に供給するための緩衝手段と、前記培養槽から排出される培養液を導管を通して貯蔵槽に流入させて、該培養液を、大気圧下で貯蔵槽に一時的に貯蔵するための回収貯蔵手段と、前記ポンプにより、前記貯蔵槽から機械弁を介してポンプに培養液を吸引させるとともに、該吸引に連動して前記緩衝槽に培養液を加圧して間欠的に供給するための加圧手段とを備えることを特徴としている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、細胞培養装置および細胞培養方法に関する。さらに詳しくは、生体外において心臓血管領域の細胞または組織に間欠的にストレスを与え、かつ好適な培養条件下で細胞を培養する細胞培養装置および細胞培養方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、医療あるいはその関連分野においては、生体から分離した細胞あるいは組織を生体外(in vitro)で培養し、その細胞あるいは組織の再生を図る研究が盛んになってきている。特に近年、ティッシュエンジニアリングあるいは組織工学の分野においては、生きた細胞と、細胞が生育する足場と、細胞増殖因子などの生理活性物質との組み合わせによって、人工的に臓器、組織を作り出す技術の開発が進展している。
【0003】
この種の細胞培養を効率よく行うためには、細胞の培養環境を、最適な培養条件に設定して培養することが不可欠である。
【0004】
たとえば、心臓弁、血管(心臓血管を含む)などを含む心臓血管領域においても、再生医療の研究が各種試みられている。心臓血管領域の組織再生における生体内環境においては、血行力学的な知見が細胞増殖あるいは細胞外マトリクスの構築に影響を与えていると言われている。特に、心臓血管領域の組織再生においては、心拍によるストレス負荷の影響が大きいことが示唆されており、このような心臓血管領域を再生するのに適した環境を如何に設定するかが、心臓血管領域の組織再生研究において大きな課題である。
【0005】
特に心臓血管領域では、たとえば血管壁には血流に起因するシェアストレス(血液の流れ(血流)により生じるズリ応力で、血管壁の内面を覆っている内皮に働き、内皮細胞を血流の方向に歪ませるものである。)と、血圧に基づく法線応力(細胞を円周方向に引っ張る力)、貫壁性圧力(細胞を押しつぶす力)などの血行力学的応力とが作用すると言われている。
【0006】
しかし、この様な心臓血管領域の細胞または組織を生体外において再生させる場合の、拍動によるストレス負荷などについての詳細条件についてはこれまで報告がなく、たとえば心臓血管領域の生体条件として、血圧に対応する、収縮期圧(最大血圧)、拡張期圧(最小血圧)に対する昇圧、降圧条件などを、生体外におけるこれら細胞あるいは組織の再生においてどのように設定すべきかなどについても明らかになっていない。
【0007】
また、心臓血管領域の細胞培養においては、流れにより生じるシェアストレスにより血管の再構築現象が生じると考えられているが、生体外で組織再生する場合の培養液等の流れに関する条件も明らかではない。
【0008】
従来、たとえば、特開2001−238663号公報には、細胞に圧力を周期的あるいは非周期的に与えて、圧力刺激を受けながら細胞を増殖させる細胞培養装置が記載されている。しかしながら該装置は、装置の構成、たとえば加圧方法などが複雑であり、また、加圧刺激を与える細胞培養が一般的に記載されているが、心臓血管領域を形成しうる細胞または組織を特に意図したものではなく、心臓血管領域の方法としては十分ではない。
【0009】
すなわち、簡便で、しかも心臓血管領域の組織再生に適合した有効な細胞培養手法はこれまで存在していなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このため、in vitro培養系における細胞の培養環境、特に心臓血管領域を形成するのに適した培養環境を与える、より簡便、低コストで高性能な細胞培養装置(バイオリアクター)および細胞培養方法の提供が望まれていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究し、培養槽と、緩衝槽と、貯蔵槽と、ポンプとからなる細胞培養装置が、簡便な構成かつ低コストで、心臓血管領域を形成しうる細胞等の再生に好適な環境を創出することが可能であり、心臓血管領域の有効な再生手段となることを見出し、本件発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、下記のとおりである。
【0013】
本発明にかかる細胞培養装置は、動物の心臓血管領域を形成しうる細胞または組織を収容する培養槽と、
ポンプから機械弁を介して緩衝槽へ培養液が供給されるのに連動して、前記緩衝槽から前記培養槽に培養液を供給するための緩衝手段と、
前記培養槽から排出される培養液を導入管を通して貯蔵槽に流入させて、該培養液を、大気圧下で貯蔵槽に一時的に貯蔵するための回収貯蔵手段と、
前記ポンプにより、前記貯蔵槽から機械弁を介してポンプに培養液を吸引させるとともに、該吸引に連動して前記緩衝槽に培養液を加圧して間欠的に供給するための加圧手段とを備えることを特徴としている。
【0014】
このように培養槽と、緩衝槽と、貯蔵槽と、ポンプとから構成されている本発明装置を使用することにより、細胞等が、心臓血管領域を形成するのに好適な環境を簡便に設定することができる。
なお、本明細書において、動物とは、一般的に定義される動物と同じであり、たとえば哺乳類を含む。哺乳類としては、たとえば、ヒト、イヌ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウシなどが挙げられる。
【0015】
本発明では、ポンプと培養槽との間に緩衝槽が設けられており、培養槽にかかる圧および流量の急激な変化を緩衝することができる。
【0016】
また、本発明と異なりポンプと培養槽の間に緩衝槽を有さない装置の場合、ポンプから培養液を流出させる弁の開閉時、特に弁が閉じる際に、培養液にかかる圧力が急激に陰圧に傾くことに起因して、弁付近で、いわゆるウォーターハンマー現象が発生し、さらに培養液に小さな泡状のキャビテーションが発生することがある。このようなウォーターハンマー現象は、急激な圧変化を与えるため細胞の細胞固定床等への接着あるいは増殖に悪影響を与える場合があり、またキャビテーションは、細胞と培養液の接触面積を減らし、また、培養環境を不均一とするため好ましくない。しかし、ポンプと培養槽との間に、緩衝槽を設けることにより、急激な圧力変化を緩和し、キャビテーションの発生を抑制することができる。
【0017】
なお、本明細書において、ポンプから機械弁を介して緩衝槽へ培養液が供給されるのに「連動」するとは、ポンプから流入する培養液の圧、流量を緩衝槽で緩和させつつ、圧、流量を伝播して、緩衝槽から培養槽に培養液を供給することを意味している。
【0018】
また、貯蔵槽内は大気圧下にあるため、培養槽から流出される培養液に対する過度の逆圧を防止することができる。
【0019】
さらに、ポンプの流出部すなわちポンプと緩衝槽の間、ポンプの流入部すなわちポンプと貯蔵槽の間には機械弁が接合されており、培養液の流れる方向を一定方向にして、培養液の逆流を防止することができるとともに、ポンプにより加圧された培養液を、緩衝槽に培養液自体の流圧により、加圧状態が維持された状態でタイミングよく流出させることができる。なお、貯蔵槽とポンプとの間の機械弁は、一方向弁であり、貯蔵槽からポンプへの培養液の流出を可能とする機械弁であり、ポンプと緩衝槽の間の機械弁も同様、一方向弁であり、ポンプから緩衝槽への培養液の流出を可能とする機械弁である。
【0020】
このような緩衝槽、貯蔵槽、機械弁を有する構成を採用することにより、心臓の心拍、加圧環境に類似した、心臓血管領域の形成に好適な環境を設定することができる。
【0021】
なお、本明細書において動物の心臓血管領域は、血管、心臓弁、心筋などの心臓の心拍によるストレスを血液の拍動により直接的に受けうる領域を意味し、好ましくは心臓血管、心臓弁、心筋を意味している。
【0022】
このような動物の心臓血管領域を形成しうる細胞または組織としては、たとえば、心臓血管、心臓弁などの細胞あるいは組織などの心臓血管領域に由来する細胞または組織;血液あるいは骨髄中の幹細胞など心臓血管領域に由来しない細胞または組織が挙げられる。また、これらの細胞または組織を生体外でいったん増殖させた細胞または組織であってもよい。
【0023】
前記細胞培養装置は、少なくとも、前記培養槽と、前記緩衝手段と、前記回収貯蔵手段と、前記ポンプとが、COインキュベーター内に備えられていることが好ましい。COインキュベーターとは、内部の温度を一定に保つとともに、二酸化炭素濃度を一定に保つことができるインキュベーターを意味する。
【0024】
このようなCOインキュベーター内では、二酸化炭素濃度、温度、湿度を、所望の条件に一定に保つことができるので、たとえば、保温装置あるいは二酸化炭素注入装置などを併設する必要がなく、装置をコンパクト化、低コスト化することができる。
【0025】
本発明では、前記緩衝槽内には、培養液と培養液面上部に接する弾性空間とが存在し、該緩衝槽の内表面の上部表面と該緩衝槽内の培養液上面とは実質的に接触することがないことが好ましい。
【0026】
このように緩衝槽中に、培養液と弾性空間とを並存させることにより、緩衝槽への培養液の流入による昇圧をより緩衝させながら、適度な圧力で培養槽に培養液を供給させることができる。このため、心臓血管領域を形成するのに好適な環境を得ることができる。
【0027】
また、本発明では、前記貯蔵槽に挿入される前記導管の出口面が、前記貯蔵槽に貯蔵される培養液の上部液面より、下方に位置することが好ましい。
【0028】
このような構成とすることにより、サイフォンの原理により導管の出口面における泡の発生を防止することができる。また、培養槽から貯蔵槽へ流入する培養液に対して、出口面から貯蔵される培養液の上部液面の差に相当する逆圧をかけることができる。このため、培養槽からの培養液の流出による急激な降圧による後負荷をより緩和させることができる。
【0029】
また、前記ポンプとしては、具体的には、たとえば、バルーンポンプ、ローラーポンプ、空気ポンプなどを採用できる。これらのうちでは、バルーンポンプを用いることが好ましい。バルーンポンプは、バルーンの膨張、収縮により、貯蔵槽から該ポンプへ培養液を吸引しつつ、吸引された培養液を加圧して前記培養槽に培養液を間欠的に供給するポンプである。なお、本発明で用いられる好ましいバルーンポンプは、硬い外装を有する容器(モック)内に、弾力性を有するバルーンを有するもので、バルーン内への空気の出し入れによって、バルーンとモックとの間に流入させた培養液に、拍動流すなわち、流れと圧を発生させるものである。
【0030】
このようなバルーンポンプを採用することにより、心臓の心拍、ストレスにより近似した培養液の流れを作り出すことができるので、生体外における心臓血管領域の形成に有効である。
【0031】
前記培養槽においては、細胞または組織が接着して増殖可能な3次元の細胞固定床を有することが好ましい。
【0032】
3次元の細胞固定床において細胞または組織を増殖させることにより、生体環境に、より近似させることができるとともに、再生組織の再生医療現場への適用において有効である。
【0033】
本発明は、培養槽にかかる圧力を制御する圧制御手段を備えていることが好ましい。このような制御手段としては、たとえば、ポンプの作動を制御するための駆動装置、または前記培養槽と前記貯蔵槽とを介する制御弁が挙げられる。ポンプの作動を制御するための駆動装置としては、たとえば、IABP(Intra−Aortic Balloon Pump)が挙げられる。
【0034】
また、本発明は、培養槽を流れる培養液の流れを制御しうる流れ制御手段を備えていることが好ましい。このような流れ制御手段としては、前記緩衝槽と前記培養槽とを介する調整弁が挙げられる。流れの制御としては、流量、流量の変動などが挙げられる。
【0035】
このような制御手段を備えることにより、培養槽へ供給される培養液の圧力あるいは培養槽から排出される培養液の圧力、加圧間隔などを心臓血管領域の形成に適した環境になるように制御することができる。
【0036】
具体的には、培養槽と貯蔵槽との間の制御弁により、培養槽から培養液が流出した後の培養槽にかかる後負荷を調節することができる。これにより、最高圧力(収縮期圧)および最低圧力(拡張期圧)を微妙に調節することが可能である。なお、本明細書中、収縮期圧、拡張期圧は、心周期における期圧を意味している。
【0037】
また、緩衝槽と培養槽との間の調整弁により、培養槽に流入する培養液の圧、さらには流量の伝播をより適切に調節することが可能であり、必要に応じ、層流に近い圧および流量を形成させることができる。特に、この調整弁を用いることにより、培養液の流れに関し、所望の流量の大きさおよび流量変化に調整することができる。したがって、該調整弁によって、培養液の流れにより生じる、細胞へのシェアストレス(ズリ応力)を調整することができる。
【0038】
本発明に係る細胞培養方法は、動物の心臓血管領域を形成しうる細胞または組織を収容する培養槽に、加圧された培養液を間欠的に供給して、該細胞または組織を培養する方法であって、
前記培養液は、ポンプから機械弁を介して緩衝槽へ培養液が供給されるのに連動して、該緩衝槽から前記培養槽に供給され、
前記培養槽から排出される培養液は、導管を通して、貯蔵槽に流入させて大気圧下で一時的に貯蔵され、
前記ポンプにより、前記貯蔵槽から機械弁を介して該ポンプに培養液を吸引させるとともに、該吸引に連動して前記緩衝槽に培養液を加圧して間欠的に供給することを特徴としている。
【0039】
前記細胞または組織が、該細胞または組織が接着して増殖可能な3次元の細胞固定床に載置されていることが好ましい。
【0040】
前記培養液にかかる圧力(P)の加圧時において、時間に対する圧力変化の最大値(max dP/dt(mmHg/msec.))は、3.5以下であることが好ましい。
【0041】
前記培養槽を流れる培養液の流量変化の1周期における変動割合(平均)は、平均流量の±50%以内であることが好ましい。
【0042】
本発明に係る組織は、前記細胞培養装置または前記細胞培養方法により得られることを特徴としている。
【0043】
本発明に係る増殖した細胞または組織が3次元細胞固定床内に含有された3次元細胞培養物は、前記細胞培養装置または前記細胞培養方法により得られることを特徴としている。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図1を用いて説明する。
【0045】
本発明に係る細胞培養装置1は、図1にも示すように、培養槽2、ポンプ3、緩衝槽4および貯蔵槽5を備えている。またこれらは、COインキュベーター6内に備えられていることが好ましい。
【0046】
培養槽2は、緩衝槽4と導管で接続されている。該導管は調整弁22を有していてもよい。調整弁22は、流量、流量変化の調節に主に用いることができる。このような培養槽2には、培養液が緩衝槽4から流入するが、その圧力は、たとえば、培養槽2に圧力計16を取り付けて計測することができ、また、流量は、たとえば、培養槽2に接合する導管17に流量計15を取り付けて計測することができる。流量計15の取り付け位置は特に限定されないが、導管17の培養槽の出口近傍であればよい。
【0047】
培養槽2の材質は特に限定されないが、たとえば、アクリルなどの透明の基材を用いることが好ましい。このような透明の基材を用いることにより、サンプルの様子を観察することができる。
【0048】
また、培養槽2は、細胞または組織を培養するための細胞固定床20を含むことができ、この細胞固定床20は3次元の細胞固定床であることが好ましい。なお、3次元とは、立体的に細胞を接着できる物理的な空間を意味している。
【0049】
このような細胞固定床20としては、細胞または組織が接着および増殖可能であって、培養液との間欠的な接触に対しても、その形態を維持することが可能であれば、その材質は特に限定されない。
【0050】
このような細胞固定床としては、たとえば、キチン、キトサン、グリコサミノグリカン、コラーゲン、フィブリンなどの天然高分子;ポリウレタン(PUR)、ポリグリコール酸(Polyglycolic Acid:PGA)、ポリ乳酸(Polylactic Acid:PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(Polyhydroxyalkanoate:PHA)、ポリヒドロキシオクタノエート(Polyhydroxyoctanoate:PHO)、ポリヒドロキシブチレート(Polyhydroxybutyrate:P4HB)、ポリカプロラクトン(Polycaprolacton:PCL)などの合成高分子;非細胞性マトリックス管などの生物的材料などが挙げられる。
【0051】
またさらに、生体組織から細胞だけを取り除いて得られる無細胞化生体組織(acellularized matrix)も好適に用いることができる。
【0052】
これらのうちでは、天然高分子、合成高分子を好ましく用いることができ、天然高分子をより好ましく用いることができる。天然高分子を用いることにより、生体環境をより有効に模倣することができる。これらは1種単独で、または複数を組み合わせて用いることができる。
【0053】
細胞固定床20の形状は限定されず、ブロック状、粒子状、膜状、管腔状などの形状をとることができる。3次元構造とする場合には、ブロック状、管腔状の形状であることが好ましい。
【0054】
このような培養槽2は、ポンプ3と貯蔵槽5との間に、所望により、1つまたは2つ以上備えることができる。2つ以上備える場合は、培養槽2は、直列または並列のいずれの結合方式でも採用できる。たとえば、図2は、培養槽2が複数(3つ)、並列に備えられた、培養槽部分の具体的形態を表した概略図であるが、培養環境の均一化の観点からは、並列に備えることが好ましい。
【0055】
ポンプ3は、緩衝槽4および貯蔵槽5と、それぞれ機械弁7、機械弁8を介して繋がっている。ポンプ3の収縮、膨張に連動して、貯蔵槽5から培養液がポンプ3中に流入し、ポンプ3から緩衝槽4に培養液が流出する。この場合、機械弁8は、貯蔵槽5からポンプ3への流入のみを可能とする機械弁であり、心臓の弁のごとく培養液が実質的にその逆に流れることがないように作動する。また、機械弁7は、ポンプ3から緩衝槽4への流入のみを可能とする機械弁であり、心臓の弁のごとく培養液が実質的にその逆に流れることがないように作動する。ポンプ3は、内部に駆動装置を有していてもよいし、COインキュベーター6の外部に駆動装置21を有していてもよい。
【0056】
このようなポンプ3は上記機能を果たせばその種類は特に制限されないが、たとえば、バルーンポンプを好ましく用いることができる。前述のとおり、バルーンポンプとは、バルーン25とモックを有し、モック内にあるバルーンの膨張、収縮動作により、バルーンポンプからの液体の供給、およびバルーンポンプへの液体の吸引を連動させながら、吸引された液体を加圧して、液体を間欠的に供給するポンプである。バルーンポンプは、間欠的な動作が心臓の収縮、拡張運動に類似するものであり、心臓血管領域の生体環境の再現に優れる。
【0057】
緩衝槽4は、ポンプ3からの機械弁7、培養槽2への導管に接合している。緩衝槽4に対して、ポンプ3から培養液が供給されるが、この場合、緩衝槽4中には、培養液10と、弾性空間9とが並存していることが好ましい。弾性空間と培養液との体積比は特に限定はなく、緩衝槽4の内表面の上部表面11と培養液10の上面12とは実質的に接触することはないように、培養液の流入量または弾性空間中の媒体量を調節する。
【0058】
このような弾性空間を占める媒体としては、培養液と反応するなどにより本発明の目的を害するものでなければ特に限定はない。弾性空間を占める媒体としては、たとえば、アルゴンなどの不活性ガス、窒素、酸素、空気などが挙げられる。このうちでは、空気を用いることが好ましい。弾性空間の形成はこのようなガスを緩衝槽4に注入すればよく、ガスの注入量に応じて、簡便に緩衝の程度を調整することが可能である。
【0059】
ガスの注入方法は特に限定されないが、たとえば、緩衝槽4に、ガス穴13を設け、該ガス穴13から調節フィルター部14を介して、たとえば、注射器等によりガスを注入することができる。ガスの注入量を調節することにより、所望の緩衝効果を得ることができる。調節フィルター部14は、弾性空間9が弾性力を発揮しうるよう空間内を密閉させる構造を有している。
【0060】
貯蔵槽5は、培養槽2から排出される培養液を通す導管17と接合するとともに、ポンプ3に通じる機械弁8を有している。また、貯蔵槽5は空気フィルター24を有し、貯蔵槽5の外部と貫通した構造となっているため、培養液の上部液面19は大気圧下に空気と接している。この場合、導管17の出口面18は、該貯蔵槽5に存在する培養液の上部液面19より下方に位置していることが望ましい。
【0061】
導管17の出口面18と、前記培養液の上部液面19との差は、培養槽2、貯蔵槽5、ポンプ3の性能などにより決定され特に限定されず、本発明の目的を害さない範囲で任意に調節することが可能である。
【0062】
導管17は、制御弁23を有しており、該制御弁23により培養槽2から貯蔵槽5への培養液の後負荷の制御が可能である。
【0063】
次に、このように構成されている細胞培養装置を用いて行われる本発明に係る細胞培養方法について説明する。
【0064】
まず、細胞固定床に、心臓血管領域の細胞または組織を培養槽に収容して、ポンプにより加圧された培養液を間欠的に供給する。この場合、培養液は、ポンプから機械弁を介して緩衝槽へ培養液を供給するのに連動して、該緩衝槽から前記培養槽に供給されるようにする。
【0065】
本発明の細胞培養方法では、少なくとも前記培養槽と、前記緩衝槽、前記貯蔵槽と、前記ポンプとが、COインキュベーター内に備えられていることが好ましい。通常、COインキュベーター内の二酸化炭素濃度は、5〜10体積%程度であることが好ましい。また、COインキュベーター内の温度は、通常、常温〜40℃、好ましくは生体の温度に近い36〜38℃とすることが好ましい。
【0066】
また、該緩衝槽内に、培養液と培養液面上部に接する弾性空間とが存在するように培養液の量を調節することが好ましい。すなわち、該緩衝槽の内表面の上部表面と該緩衝槽内の培養液上面とは実質的に接触することがないようにすることが好ましい。さらに、前記培養槽から排出される培養液は、導管を通して、貯蔵槽に流入させて大気圧下で一時的に貯蔵されるようにする。前記ポンプにより、前記貯蔵槽から機械弁を介して該ポンプに培養液を吸引するとともに、該吸引に連動して前記緩衝槽に培養液を加圧して間欠的に供給する。
【0067】
前記本発明の細胞培養装置に関して説明したとおり、前記貯蔵槽に挿入される前記導入管の出口面は、前記貯蔵槽に貯蔵される培養液の上部液面より、下方に位置することが好ましく、前記ポンプは、バルーンの膨張、収縮により、該ポンプから培養槽への培養液の供給、および貯蔵槽から該ポンプへの培養液の吸引を連動させながら、貯蔵槽から吸引された培養液を加圧して前記培養槽に培養液を間欠的に供給するバルーンポンプであることが好ましい。また、前記培養槽は、細胞または組織が接着して増殖可能な3次元の細胞固定床を有することが好ましい。
【0068】
本発明においては、培養液の流量および圧力(ポンプ圧)は、本発明の目的を害さなければ特に限定されない。
【0069】
たとえば、流量は、装置の大きさ、ポンプの容量、導管の太さなどにより、ゼロを超えて、任意に設定することができる。具体的には、たとえば、流量(平均流量(mean flow))については、好ましくは10mL〜3000mL/min.、より好ましくは10mL〜1000mL/min.程度の範囲にあればよい。
【0070】
このような流量の範囲にあると、適当なシェアストレスを細胞等に付与することができ、細胞増殖に好適である。
【0071】
また、流量は、ポンプの加圧周期に対応して、周期的に変動しうるが、平均流量からの変動幅が小さいことが好ましい。具体的には、変動幅(変動の最大値の平均)は、平均流量をXmL/min.とすると、Xに対して、好ましくは±0.5X(変動幅50%)、さらに好ましくは±0.4X(変動幅40%)、特に好ましくは±0.3X(変動幅30%)の範囲内であることが望ましい。
【0072】
ポンプの加圧周期に対応して変動する流量変動が上記範囲にあると、培養している細胞に働くシェアストレスの変動を小さく抑えることができ、細胞増殖を有効に行うことができる。
【0073】
また、本発明の細胞培養装置の収縮期圧(最大圧力の平均)は、好ましくは10〜200mmHg、さらに好ましくは10〜100mmHg、特に好ましくは30〜50mmHgの範囲にあることが望ましい。
【0074】
本発明の細胞培養装置の拡張期圧(最小圧力の平均)は、好ましくはゼロを超え、さらに好ましくは5〜100mmHg、より好ましくは5〜50mmHgの範囲にあることが望ましい。拡張期圧がゼロ以下であると、細胞増殖が有効に進行しない場合がある。
【0075】
ポンプの平均加圧周期は、流量、圧力等により異なり、限定されないが、たとえば、好ましくは10〜200bpm、より好ましくは20〜180bpm、特に好ましくは20〜160bpmの範囲にあることが望ましい。
【0076】
また、前記圧、流量、周期は、培養の初期から、終了まで、上記範囲の中で、徐々にその負荷を増加させることが好ましい。負荷を増加させることにより、細胞増殖に係る刺激の慢性化を防止し、増殖速度を高めることができる。また、培養細胞によって、負荷に対する感受性が異なるため、培養開始直後は上記範囲内で低い値で上記圧、流量、周期を設定し、徐々に上昇させることにより、培養の対象となる細胞または組織のそれぞれに対して、好適な培養条件を与えることができ、培養効率を高めることができると考えられる。また、本発明の細胞培養装置または細胞培養方法では、上記の各パラメーターに関し、好ましい設定値を調節することが可能であるが、徐々に圧や流量を上げたり、下げたりすることができること、すなわち可変であることにより、好適条件を与えることが可能となる。
【0077】
本発明に係る培養手法では、培養槽に対する加圧・降圧を緩やかに行うことが可能であるが、このような緩和された加圧・降圧により培養効率を高めることができる。すなわち、たとえば、図4(上段)に示すように、加圧・降圧状態を示す波形(横軸時間、縦軸圧力)において、時間毎の圧力変化を示す連続する波形のそれぞれの波形(1周期)が概ねなみ型の波形である場合、換言すると緩い山型の曲線状の波形である場合、さらに圧力変化の波形の傾きの変化が概ね連続的である場合には、細胞培養を有効に行うことができる。一方、図5(上段)に示すように、圧力変化を示す連続する波形のそれぞれの波形(1周期)が概ねのこぎりの歯型(のこぎり歯型)の波形、換言すると急激な鋭角状の曲線の場合、さらに前記圧力の経時変化を示す波形の傾きの変化が不連続点を有するような場合、細胞培養が有効に進行しない場合がある。
【0078】
なお、本明細書においてなみ型波形とは、緩い山型の曲線状の波形であり、急激な鋭角状の曲線の波形を含まない。
【0079】
このような加圧の緩和は、たとえば、時間(T)に対する圧力(P)の圧力傾斜により表すことができる。
【0080】
図3に示すように、横軸をt、縦軸をPとした場合、加圧時の圧力変化(傾き)の最大値max dP/dt{(mmHg)/msec.}が、好ましくは3.5以下、さらに好ましくは3.2以下、特に好ましくは3.0以下であることが望ましい。下限値は特に限定されないが、たとえば、好ましくは0.5以上、さらに好ましくは1.0以上であることが望ましい。このような値であると、細胞培養を有効に行うことができる。
【0081】
また、拍動流における流量波形についても、細胞培養を有効に行うに当たって至適な波形が存在する。たとえば、図4(下段)に示すように、流量の変動を示す波形(横軸時間、縦軸流量)において、流量変化を示す連続する波形のそれぞれの波形(1周期)が概ねなみ型の波形である場合、換言すると緩い山型の曲線状の波形である場合、さらに流量変化の波形の傾きの変化が概ね連続的である場合には、細胞培養を有効に行うことができる。一方、図5(下段)に示すように、流量変化を示す連続する波形のそれぞれの波形(1周期)が概ねのこぎりの歯型(のこぎり歯型)の波形、換言すると急激な鋭角状の曲線の場合、さらに前記圧力の経時変化を示す波形の傾きの変化に不連続点を有するような場合、細胞培養が有効に進行しない場合がある。
【0082】
また、横軸をt、縦軸を流量とした場合、加圧時の流量変化(傾き)の最大値max dF/dt(mL/min./msec)が、好ましくは30以下、さらに好ましくは25以下、特に好ましくは20以下であることが望ましい。下限値は特に限定されないが、たとえば、好ましくは0.5以上、さらに好ましくは1.0以上であることが望ましい。このような値であると、細胞培養を有効に行うことができる。
【0083】
培養液の温度は、通常、常温〜40℃とすることができるが、好ましくは生体の温度に近い36〜38℃とすることが望ましい。
【0084】
培養液としては、たとえば、公知の人工培養液を好ましく用いることができる。
【0085】
このような、本発明に係る細胞培養装置、または細胞培養方法によれば、所望の組織を簡便に増殖させて得ることができる。
【0086】
このようにして得られる組織は、組織自体の強度が優れている。
【0087】
また、このような、本発明に係る細胞培養装置、または細胞培養方法によれば、増殖した細胞または組織が3次元細胞固定床内に含有された3次元細胞培養物を簡便に得ることができる。なお、3次元細胞培養物とは、本発明に係る細胞培養装置または細胞培養方法により、前記3次元細胞固定床内で細胞または組織を増殖して得られる、細胞または組織含有構造物であり、基材として初めに用いた上記3次元細胞固定床と実質的に同一の材料で構成され、かつ同一の構造を有する。
【0088】
このようにして得られる、増殖した細胞または組織が3次元細胞固定床内に含有された3次元細胞培養物は、細胞外基質(extracellular matrix)が多く生成するため機械的強度に優れたものとすることができる。
【0089】
このような本発明に係る細胞培養装置および細胞培養方法は、動物の心臓血管領域の再生に好適な培養条件を簡便かつ低コストで提供するものであるとともに、より優れた細胞培養条件の設定研究ツールとしても有用である。特にこのような細胞培養装置、細胞培養方法は、ティッシュエンジニアリングあるいは組織工学の分野におけるツールとして極めて有用である。
【0090】
【実施例】
以下本発明の実施例により説明するが、本発明は、これらの実施例により何ら制限されるものではない。
【0091】
【実施例1】細胞組織として、約2〜3mm四方の立方体の破片に切断した犬の動脈壁を、DMEM(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium:Sigma社製)と10%FBS(Fetal Bovine Serum:JRH Biosciences社製)と1%抗生物質(10,000units/ml penicillinG sodium, 10,000μg/ml streptomycin sulfate, 25μg/ml amphotericinB(Gibco社製)とからなる人工培養液(A)により培養して細胞群を得た。細胞固定床として、ポリ乳酸からなる不織布(テラマック(商品名)使用製品中のテラマック不織布、ユニチカ株式会社製)を用いて、直径25mm、長さ80mmのポリ乳酸の管腔状構造体を作成し、これらの細胞群を7日間にわたって1日1回播種した。1回の播種量は、3.42±1.79×10(個/回)とした。
【0092】
培養装置としては、図1に記載のシステムと同様のシステムを採用した。培養液として前記人工培養液(A)を用い、培養槽は透明のアクリル製の容器を用いた。ポンプとしては、バルーンポンプ(バルーン:30ccバルーン(株)東海メディカルプロダクツ社製)を用い、その駆動装置としてDatascope System 90T(データスコープ社製)を用いた。緩衝槽、貯蔵槽は、ともに、直径約8cm、高さ約10cmの円筒状容器を用いた。緩衝槽における培養液と弾性空間(空気)の体積割合(培養液:弾性空間)は、50:50〜40:60であり、貯蔵槽に導入された導管出口は、貯蔵槽中の培養液面より上部に設定し、貯蔵槽に貯蔵された培養液は2〜6cmの高さであった。COインキュベーター内の温度は、37℃、二酸化炭素濃度は、約5体積%に設定した。
【0093】
培養液の流量を500ml/min.、収縮期圧を50mmHgとし、加圧周期を120bpmとした。加圧時の圧力傾斜max dP/dtを2.869(mmHg/msec.)、流量変化に係る流量傾斜(流量増加時)maxdF/dtを18.3(mL/min./msec)となるようにして、図4に示すような緩衝効果の高い、圧力変化、流量変化が連続的ななみ形の波形により加圧条件および流れを設定した。また、加圧に伴う流量変動幅の平均も±50%以内(+29%、−25%)とした。このような条件下で1週間培養を行った。
【0094】
その結果、細胞数は26.5±3.4×10/mg dry weightであり、総タンパク質含量は33.2±7.8μg/mg dry weightであり、PG−GAG含量は1.49±0.37μg/mg dry weightであった。
【0095】
なお、細胞数は、公知の細胞増殖測定用試薬キット(Cell Counting Kit−8(商品名)、(株)同仁化学研究所製)により、その説明書に従って測定した。総タンパク質含量は、公知のタンパク質アッセイキット(BCAプロテインアッセイキット:製品説明番号23225、PIERCE社製)により、その説明書に従って測定した。PG−GAGは、公知のPG−GAGアッセイキット(Blyscan Assay(キット番号B−1000):Biocolor社(フナコシ(株)販売))により、その説明書に従って測定した。
【0096】
以上の結果を表1に示す。
【0097】
【比較例1】実施例1において、培養液の流量を0L/min.、ポンプの圧力を0mmHgとした以外は、実施例1と同様の条件で培養実験を行った。その結果、細胞数は19.4±5.7×10/mg dry weightであり、総タンパク質含量は10.0±3.4μg/mg dry weightであり、PG−GAGは0.49±0.17μg/mg dry weightであった。
【0098】
なお、実施例1と比較例1との間での細胞数、総タンパク質含量、PG−GAG含量においてt−検定を行ったところ、それぞれにおいて有意水準5%以下で有意差が認められた(p<0.05)。
【0099】
以上の結果を表1に示す。
【0100】
表1に示すように、静的な条件下の細胞培養と比較して、本発明に係る細胞培養装置を用いると、細胞の増殖能が高く、心臓血管領域の再生に極めて有効な方法であることが確認できた。
【0101】
【参考例1】実施例1において、加圧時の圧力傾斜max dP/dtを3.66(mmHg/msec.)、流量傾斜max dF/dt(mL/min./msec)が45.8となるように、図5に示すような、圧力、流量が急昇・急降し、圧力変化、流量変化が非連続的な点を有する、のこぎり歯波形にし、流量の変動割合が大きい条件(+120%、−87%)により培養を行い、細胞数、総タンパク質含量、PG−GAGを測定した。その結果、細胞数は1.9±0.3×10/mg dry weightであり、総タンパク質含量は2.7±0.2μg/mg dry weightであり、PG−GAGは0.32±0.02μg/mg dry weightであった。
【0102】
なお、実施例1と参考例1との間での細胞数、総タンパク質含量、PG−GAG含量においてt−検定を行ったところ、それぞれにおいて有意水準5%以下で有意差が認められた(p<0.05)。
【0103】
以上の結果を表1に示す。
【0104】
表1に示すように、緩衝効果が小さい細胞培養装置と比較して、緩衝効果が適度に与えられた培養条件を有する本発明の細胞培養方法では、細胞の増殖能、タンパク質生産能等が格段に高いことが確認できた。これは、図5に示すような圧力変化、流量変化が急激な、のこぎり歯型の波形の条件で培養液を培養槽に供給すると、培養液が細胞固定床に増殖に有為な時間接触することができなくなるためと推測される。
【表1】
Figure 2004049185
【0105】
【発明の効果】
本発明によれば、in vitro培養系において、心臓血管領域を形成しうる細胞の培養を、簡便な方法により、低コストで有効に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る細胞培養装置の一例を模式的に表した概略図である。
【図2】図2は、本発明に係る細胞培養装置の培養槽の部分に関し、培養槽が複数、並列に備えられた一例を模式的に表した概略図である。
【図3】図3は、圧力と加圧時間との関係式max dP/dtを模式的に説明するための図である。
【図4】図4は、圧力と加圧時間との関係(上段)、流量と時間との関係(下段)(なみ型)の一例を示すチャートである。
【図5】図5は、圧力と加圧時間との関係(上段)、流量と時間との関係(下段)(のこぎり歯型)の一例を示すチャートである。
【符号の説明】
1 細胞培養装置
2 培養槽
3 ポンプ
4 緩衝槽
5 貯蔵槽
6 COインキュベーター
7 機械弁
8 機械弁
9 弾性空間
10 培養液
11 緩衝槽の内表面の上部表面
12 培養液上面
13 ガス穴
14 調節フィルター部
15 流量計
16 圧力計
17 導管
18 導管の出口面
19 培養液の上部液面
20 細胞固定床
21 駆動装置
22 調整弁
23 制御弁
24 空気フィルター
25 バルーン

Claims (14)

  1. 動物の心臓血管領域を形成しうる細胞または組織を収容する培養槽と、
    ポンプから機械弁を介して緩衝槽へ培養液が供給されるのに連動して、前記緩衝槽から前記培養槽に培養液を供給するための緩衝手段と、
    前記培養槽から排出される培養液を導管を通して貯蔵槽に流入させて、該培養液を、大気圧下で貯蔵槽に一時的に貯蔵するための回収貯蔵手段と、
    前記ポンプにより、前記貯蔵槽から機械弁を介してポンプに培養液を吸引させるとともに、該吸引に連動して前記緩衝槽に培養液を加圧して間欠的に供給するための加圧手段とを備えることを特徴とする細胞培養装置。
  2. 少なくとも、前記培養槽と、前記緩衝手段と、前記回収貯蔵手段と、前記ポンプとが、COインキュベーター内に備えられていることを特徴とする請求項1に記載の細胞培養装置。
  3. 前記緩衝槽内に、培養液と培養液面上部に接する弾性空間とが存在し、該緩衝槽の内表面の上部表面と該緩衝槽内の培養液上面とは実質的に接触することがないことを特徴とする請求項1または2に記載の細胞培養装置。
  4. 前記貯蔵槽に導入される前記導管の出口面が、前記貯蔵槽に貯蔵される培養液の上部液面より下方に位置することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の細胞培養装置。
  5. 前記ポンプが、バルーンの膨張、収縮により、貯蔵槽から該ポンプへ培養液を吸引するとともに、吸引された培養液を加圧して前記培養槽に培養液を間欠的に供給するバルーンポンプであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の細胞培養装置。
  6. 前記培養槽が、細胞または組織が接着して増殖可能な3次元の細胞固定床を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の細胞培養装置。
  7. 前記培養槽にかかる圧力を制御する圧制御手段を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の細胞培養装置。
  8. 前記培養槽を流れる培養液の流れを制御する流れ制御手段を備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の細胞培養装置。
  9. 動物の心臓血管領域を形成しうる細胞または組織を収容する培養槽に、加圧された培養液を間欠的に供給して、該細胞または組織を培養する方法であって、
    前記培養液は、ポンプから機械弁を介して緩衝槽へ培養液が供給されるのに連動して、該緩衝槽から前記培養槽に供給され、
    前記培養槽から排出される培養液は、導管を通して、貯蔵槽に流入させて大気圧下で一時的に貯蔵され、
    前記ポンプにより、前記貯蔵槽から機械弁を介して該ポンプに培養液を吸引させるとともに、該吸引に連動して前記緩衝槽に培養液を加圧して間欠的に供給することを特徴とする細胞培養方法。
  10. 前記細胞または組織が、該細胞または組織が接着して増殖可能な3次元の細胞固定床に載置されていることを特徴とする請求項9に記載の細胞培養方法。
  11. 前記培養液にかかる圧力(P)の加圧時において、時間に対する圧力変化の最大値(max dP/dt(mmHg/msec.))が、3.5以下であることを特徴とする請求項9または10に記載の細胞培養方法。
  12. 前記培養槽を流れる培養液の流量変化の1周期における変動割合(平均)が、平均流量の±50%以内であることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の細胞培養方法。
  13. 請求項1〜8のいずれかに記載の装置、または請求項9〜12のいずれかに記載の方法により得られる、組織。
  14. 請求項1〜8のいずれかに記載の装置、または請求項9〜12のいずれかに記載の方法により得られる、増殖した細胞または組織が3次元細胞固定床内に含有された3次元細胞培養物。
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