JP2004049073A - ケーキ類の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】品質の高いケーキ類、特に、しっとり感と口どけ感の双方が共に向上したケーキ類を低コストに製造する。
【解決手段】ケーキ類の製造方法が、主材料として用いる穀粉類の10〜50重量%を熱処理バッター調製用とし、該熱処理バッター調製用穀粉類100重量部と水150〜400重量部からなるバッターを該熱処理バッター調製用穀粉類中の澱粉のα化温度以上に熱処理して熱処理バッターを得るか、あるいは熱処理バッター調製用穀粉類100重量部と、該熱処理バッター調製用穀粉類のα化温度以上の湯水150〜400重量部を混合撹拌して熱処理バッターを得、得られた熱処理バッターと残余の主材料成分とを混合してケーキ生地を調製し、焼成することからなる。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケーキ類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ケーキ類の食感を向上させることを目的として、α化澱粉が用いられている(特開平9−224550号公報、特開平9−224551号公報)。α化澱粉は、澱粉に水を加えて加熱、糊化した後、急速に脱水乾燥して得る加工澱粉であり、その保湿性の高さから、ケーキ類に柔らかさとしっとり感を付与することができる。しかしながら、α化澱粉を用いると、ケーキ類にねとつきが生じ、口どけ感が低下するという問題が生じる。
【0003】
口どけ感を向上させるため、ヒドロキシプロピル化澱粉あるいはアセチル化澱粉といった加工澱粉により小麦粉の一部を置換する技術も検討されているが(特開平8−242752号公報)、これらの加工澱粉は小麦粉に比べ、約1.5〜3倍も価格が高く、効果が発現する量の置換を行おうとすれば、コストにおいてデメリットが生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、品質の高いケーキ類、特に、しっとり感と口どけ感の双方が共に向上したケーキ類を低コストに製造できるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ケーキ類の主材料として従来のα化澱粉を使用した場合のねとつきや口どけ感の低下は、α化澱粉製造時の熱処理工程と脱水乾燥工程において澱粉粒が崩壊することが要因と考え、ケーキ類の主材料とする穀粉類の一部を熱処理バッターとしてケーキ生地の混合時に添加すること、この場合、熱処理バッターは、(i)ケーキ類の主材料とする穀粉類の一部と特定量の水とを混合して得たバッターをα化温度以上に熱処理した後、脱水乾燥させることなく冷却するか、あるいは、(ii)ケーキ類の主材料とする穀粉類の一部と、α化温度以上の湯水の特定量とを混合撹拌した後、脱水乾燥させることなく冷却することにより得たものとすること、によりケーキ類の品質、特に食感が著しく向上することを見出した。
【0006】
即ち、本発明は、主材料として用いる穀粉類の10〜50重量%を熱処理バッター調製用とし、該熱処理バッター調製用穀粉類100重量部と水150〜400重量部からなるバッターを該熱処理バッター調製用穀粉類中の澱粉のα化温度以上に熱処理して熱処理バッターを得、該熱処理バッターと残余の主材料成分とを混合してケーキ生地を調製し、焼成するケーキ類の製造方法を提供する。
【0007】
また、本発明は、主材料として用いる穀粉類の10〜50重量%を熱処理バッター調製用とし、該熱処理バッター調製用穀粉類100重量部と、該熱処理バッター調製用穀粉類中の澱粉のα化温度以上の湯水150〜400重量部とを混合撹拌して熱処理バッターを得、該熱処理バッターと残余の主材料成分とを混合してケーキ生地を調製し、焼成するケーキ類の製造方法を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明をオールインミックス法に適用したケーキ類の製造方法の一実施例の工程図であり、図6は、従来のオールインミックス法によるケーキ類の製造方法の工程図である。
【0009】
図6に示した従来のオールインミックス法では、主材料成分の全てを混合することによりケーキ生地を調製し、それを焼成することによりケーキ類を製造するのに対し、図1に示した本発明の一実施例のケーキ類の製造方法では、予め、主材料とする穀粉類(小麦粉等)の一部と水から熱処理バッターを調製し、その熱処理バッターを、全主材料成分の混合時に添加することによりケーキ生地を調製する点が特徴となっている。
【0010】
なお、本発明において、ケーキ類とは、スポンジケーキ、バターケーキ、シフォンケーキ、ロールケーキ、スイスロール、ブッセ、バウムクーヘン、パウンドケーキ、チーズケーキ、スナックケーキ、蒸しケーキ等をいう。また、本発明の方法は生地に焼成等の加熱工程を施すことにより得られる饅頭、ドーナッツ、どら焼き、今川焼き等の菓子類にも適用することができ、本発明におけるケーキ類はこれらも包含する。
【0011】
また、主材料成分とは、(a)小麦粉、澱粉、加工澱粉等の穀粉類、(b)砂糖、水飴、麦芽糖、ブドウ糖、異性化糖、乳糖、オリゴ糖、果糖、ソルビット等の糖類、(c)卵、(d)必要に応じて添加される、ベーキングパウダー、水、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン、レシチン誘導体等)、油脂等をいう。
【0012】
ここで、穀粉類としては、従来のα化澱粉からなる加工澱粉は使用しないことが好ましい。
【0013】
また、乳化剤は、ケーキ生地調製時における起泡性の向上を一つの目的として添加されるものである。乳化剤による起泡効果をより効果的に発現させるためには、乳化剤の分散性も向上させることが好ましい。そこで、乳化剤は、糖類、油脂等と乳化形態で用いることが好ましい。乳化剤と糖類と油脂を乳化形態としたものは、一般に起泡性製剤あるいは起泡性油脂と称され、用いられている。この起泡性油脂の組成としては、乳化剤5〜30重量%、糖類5〜40重量%、油脂5〜30重量%、水5〜40重量%が好ましい。
【0014】
副材料成分としては、ココア、コーヒー、アーモンド粉末、コンクジュース、フルーツソース、加工澱粉、乳製品、食塩、保存料、ビタミン、カルシウム等の強化剤、蛋白質、アミノ酸、化学膨張剤、pH調整剤、色素、香料等をあげることができる。
【0015】
本発明において、熱処理バッターは、ケーキ生地の保湿性と水分の分散性を高め、ケーキ類の食感を向上させるために使用する。この熱処理バッターは、主材料として用いる穀粉類の一部を熱処理バッター用とし、その熱処理バッター用穀粉類と水を分散させることによりバッターを得、そのバッターを熱処理バッター用穀粉類中の澱粉のα化温度以上に熱処理してその澱粉をα化状態とし、それを脱水乾燥することなく、冷却することにより得るか、あるいは、熱処理バッター用穀粉類とその熱処理バッター用穀粉類中の澱粉のα化温度以上の湯水とを撹拌混合して熱処理バッター用穀粉類中の澱粉をα化状態とし、それを脱水乾燥することなく、冷却することにより得たものである。従来のα化澱粉のように、澱粉を加熱処理によりα化状態とした後、脱水乾燥すると、澱粉粒が破壊され、ケーキ類のねとつきや口どけ感の低下がもたらされるので好ましくない。
【0016】
熱処理バッターの調製に使用する穀粉類の量は、主材料として用いる穀粉類の10〜50重量%、好ましくは15〜30重量%とする。熱処理バッターの調製に使用する穀粉類の量が、主材料として用いる穀粉類の10重量%未満であると、熱処理バッターをケーキ生地の混合時に添加する本発明の効果が十分に現れず、反対に50重量%を超えるとケーキ類全体の配合として過度の加水状態となり、得られるケーキ類の体積が著しく減少し、品質が低下するので好ましくない。
【0017】
また、バッター又は熱処理バッターの調製に使用する水または湯水の量は、熱処理バッターに適度な分散性を付与する点から、バッターの調製に使用する穀粉類100重量部に対して150〜400重量部、好ましくは200〜300重量部とする。150重量部未満であると熱処理バッターの分散性が低下し、400重量部を超えると穀粉類中の澱粉のα化が過度に進みやすくなるか、またはケーキ類全体の配合として過度の加水状態となるため品質が低下するので好ましくない。
【0018】
この他、バッターあるいは熱処理バッターの調製に際しては、穀粉類と水または湯水に加えて、砂糖、食塩、乳製品等の、一般にケーキに使用されるその他の材料を加えてもよく、さらに、乳化剤を添加してもよい。乳化剤を添加すると、(1)熱処理バッター調製時の熱処理による澱粉粒の崩壊を抑制し、(2)熱処理バッターの冷却、保存時における老化、具体的には熱処理バッターの硬さの増加、を抑制することができるので好ましい。
【0019】
乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン、レシチン誘導体等の1種もしくは2種の混合系を用いることができる。
【0020】
ここでグリセリン脂肪酸エステルとは、グリセリンと脂肪酸のエステル又はその誘導体であり、グリセリン脂肪酸モノエステル(通常モノグリセリド)、グリセリン脂肪酸ジエステル、グリセリン有機酸脂肪酸モノエステル、ポリグリセリン脂肪酸モノエステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル等をいう。特に好ましいのは、グリセリン有機酸脂肪酸モノエステルである。
【0021】
上記脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等に由来する飽和脂肪酸もしくは不飽和脂肪酸が挙げられ、特に飽和脂肪酸が好適である。更に炭素数が14〜22の飽和脂肪酸が好ましい。これら、脂肪酸は単一種で構成されていても良いが、2種以上の混合系で構成されていても良い。
【0022】
グリセリン有機酸脂肪酸モノエステルとは、グリセリン脂肪酸モノエステルの3位のOH基を有機酸でエステル化した化合物である。有機酸としては酢酸、プロピオン酸、酪酸等の低級脂肪酸で構成される脂肪族モノカルボン酸、シュウ酸、コハク酸等の脂肪族飽和ジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、ジアセチル酒石酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸、及びグリシン、アスパラギン酸等のアミノ酸が例示される。特に、クエン酸、コハク酸、酒石酸、ジアセチル酒石酸が好適である。また、市販のグリセリン有機酸脂肪酸モノエステルは、未反応の有機酸やグリセリン脂肪酸モノエステルを一部含むが、この様な市販のグリセリン有機酸脂肪酸モノエステルを本発明に使用しても差し支えない。
【0023】
ポリグリセリン脂肪酸モノエステルを構成するポリグリセリンの具体例としては、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、ヘプタグリセリン、オクタグリセリン、ノナグリセリン、デカグリセリンなどからなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物が挙げられる。特にグリセロールの重合度が1〜9のものが好ましい。
【0024】
ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルは、ポリグリセリンと縮合リシノレイン酸とのエステルであり、通常グリセリン重合度2〜3のポリグリセリンとリシノール酸の3〜5の縮合リシノレイン酸とのモノもしくはジエステルの混合物が用いられる。
【0025】
また、ショ糖脂肪酸エステルとは、ショ糖と脂肪酸のモノ、ジ、トリ及びポリエステルを含む。その構成脂肪酸としては、炭素数12〜24の脂肪酸の単一種又は2種以上の混合系が好ましい。又、HLBは5〜15のものが好適である。
【0026】
ソルビタン脂肪酸エステルとは、ソルビタンと脂肪酸のエステルであり、その構成脂肪酸としては、炭素数12〜24の脂肪酸の単一種又は2種以上の混合系が好ましい。ソルビタン脂肪酸エステルにはモノエステル型とトリエステル型があるが、本発明ではモノエステル型が好適である。
【0027】
プロピレングリコール脂肪酸エステルとは、プロピレングリコールと脂肪酸とのエステルであり、モノエステル型、ジエステル型のものが用いられる。その構成脂肪酸としては、炭素数12〜24の脂肪酸の単一種もしくは2種以上の混合系が好ましい。
【0028】
レシチンはフォスファチジルコリン、フォスファチジルエタノールアミン、フォスファチジルイノシトール、フォスファチジン酸等よりなるリン脂質混合物であって、大豆或いは卵黄等から得られるレシチンが代表的である。また、レシチン誘導体としては、リゾレシチン、リゾフォスファチジン酸等が挙げられる。
【0029】
本発明において、乳化剤の添加形態は、乳化剤単体、乳化剤を水分散性素材に担持させた形態、乳化油脂組成物の形態等とすることができる。
【0030】
乳化剤単体とする場合、常温で固体状態にある乳化剤については、乳化剤の分散性を高めるため、細かく粉砕し、粉末もしくは微粉末の形態で添加することが好ましい。
【0031】
乳化剤を水分散性素材に担持させた形態は、乳化剤の分散性を向上させることができる。ここで、水分散性素材としては、糖類、デキストリン、多糖類、澱粉分解物、蛋白質、蛋白質分解物等が挙げられる。乳化剤を水分散性素材に担持させる方法としては、水の存在下、加熱状態で乳化剤と水分散性素材を混合攪拌した後、スプレードライ等の方法により乾燥する方法が挙げられる。
【0032】
乳化油脂組成物の形態も、乳化剤の分散性を向上させることができる。乳化油脂組成物の形態については特に限定されず、油中水型、水中油型、二重乳化型等とすることができ、特に、乳化油脂組成物中の乳化剤が液晶状態もしくはα結晶ゲルの状態が好ましい。
【0033】
乳化剤を乳化油脂組成物の形態で添加する場合、乳化剤と共に、糖類、油脂類、水が添加される。また、乳化油脂組成物には、必要に応じて、保存料、pH調整剤、色素、香料等を添加してもよい。
【0034】
ここで、糖類としては、グルコース、フルクトース、ガラクトース等の単糖類、マルトース、ショ糖、麦芽糖、水飴、異性化糖、転化糖、サイクロデキストリン、分岐サイクロデキストリン、デキストリン等の多糖類、ソルビトール、マルチトール、キシリトール等の糖アルコール類、澱粉加水分解物などの還元糖等から選ばれる1種又は2種以上の混合系が好ましい。
【0035】
また、油脂類としては、大豆油、ナタネ油、ヒマワリ油、オリーブ油、サフラワー油、カボック油、パーム油、コーン油、綿実油、ヤシ油、パーム核油等の植物油脂類、牛脂、ラード、魚油、鯨油、乳脂等の動物油脂類のいずれも使用することができ、またこれらを水添処理したもの、及びエステル交換したものも使用できる。また、これらの油脂は、単独もしくは2種類以上の混合系で使用することができる。
【0036】
乳化油脂組成物における、乳化剤、糖類、油脂類及び水の配合割合は、乳化安定性の点から、乳化剤1〜60重量%、特に2〜20重量%、糖類0.2〜60重量%、特に15〜50重量%、油脂類5〜50重量%、水10〜90重量%とすることが好ましい。
【0037】
熱処理バッターに添加する乳化剤の量は、乳化剤の添加形態が、乳化剤単体、乳化剤を水分散性素材に担持させた形態、乳化油脂組成物の形態のいずれであっても、熱処理バッターに使用する穀粉類100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、0.5〜3重量部がより好ましい。乳化剤の添加量が、バッターに使用する穀粉類に対して0.1重量部未満であると、穀粉類中の澱粉に作用する乳化剤量が充分では無いので乳化剤の添加効果を得られず、反対に10重量部を超えると得られるケーキ類の食感が低下する。
【0038】
熱処理バッターは、バッターを熱処理することにより得るか、あるいは穀粉類と湯水との撹拌混合により得る。バッターの熱処理温度あるいは湯水の温度は、少なくとも使用する穀粉類中の澱粉のα化温度以上とすることが必要である。例えば穀粉類として小麦粉を用いる際には小麦粉澱粉のα化温度が52〜63℃(中村道徳,“澱粉化学ハンドブック”,p36,朝倉書店(1977))であることから、52℃以上の温度で処理することが望ましい。一方、α化が過度に進み過ぎると穀粉類中の澱粉粒の崩壊が生じ、得られるケーキ類にねとつきが生じ、食感が大きく損なわれる。更に、崩壊した澱粉は冷却、放置時に澱粉のβ化(老化)が進みやすく、結果として熱処理バッターの硬さが増加し、ケーキ生地への分散が困難となる。よって、過度のα化を防止するために、バッターの熱処理温度、あるいは穀粉類と撹拌混合する湯水の温度は、95℃以下とすることが好ましい。
【0039】
バッターの熱処理の程度は、α化による保湿性や水分散性の向上と、過度のα化によるねとつきや口どけ感の低下とのバランスの点から、熱処理バッター中の穀粉類のα化度が30〜90%となるようにすることが好ましく、40〜80%とすることがより好ましい。α化度が30%未満であると目標とする食感が得られにくく、90%を超えると得られたケーキがねとつき、食感が低下し易い。
【0040】
なお、本発明においてα化度の測定は次のようにして測定した数値である。即ち、熱処理後に所定温度に冷却した直後の熱処理バッターを液体窒素により凍結し、凍結した生地を凍結乾燥法により乾燥後、粉状にしたものを試料として、β−アミラーゼ・プルラナーゼ法によりα化度を測定する(中村道徳、貝沼圭二編、「生物化学実験法19 澱粉・関連糖質実験法」、学会出版センター(1986))。
【0041】
熱処理バッターの加熱処理後の冷却方法は、澱粉のβ化を抑制するため、また、冷却時間を短縮するため、0℃以下の雰囲気に置くことが好ましい。熱処理バッターを冷却することなく、主材料成分の混合時に添加すると、主材料成分である穀粉類中の澱粉が熱処理バッターとの接触部分で糊化し、ケーキ生地が不均一になるおそれがあるが、熱処理バッターを冷却後に混合することにより、これを防止できる。
【0042】
また、加熱処理後の冷却は脱水乾燥することなく行うことが好ましい。脱水乾燥してから行うと、澱粉粒が破壊され、ケーキ類のねとつきや口どけ感の低下がもたらされる。
【0043】
熱処理バッターを大量生産を前提とした連続生産ラインで使用する場合、熱処理バッターは大量に作り置きをして保存する必要が生じるが、その場合、熱処理バッターは、α化度が30〜90%に維持される条件で保存することが好ましく、具体的には、保存中の澱粉の老化(β化)を最小限に抑えるため、熱処理バッターの保存温度を0℃以下とすることが好ましい。
【0044】
図1に示した製造工程において、主材料成分の混合時に添加する熱処理バッターの形態は、当該熱処理バッターの水分量及び加熱条件等によって異なり、液状からペースト状までの形態を取ることができる。
【0045】
通常、ケーキ類の製造方法においては、ケーキ生地の材料成分をミキサー、プレッシャーミキサー、コンテニアスミキサー等により混合し、所定の生地比重までホイップすることによりケーキ生地を調製するが、本発明においては最終的なケーキ生地において、所定の生地比重を得ると共に熱処理バッターを均一に分散させる必要がある。一方、熱処理バッターが液状ではなくペースト状であり、その硬さが硬過ぎると熱処理バッターをケーキ生地に均一に分散させることが困難となる。そこで、熱処理バッターがペースト状である場合、好ましい硬さの尺度として、針入度を定めることができる。
【0046】
ここで、針入度とは、ASTM−D217([ASTM針入度の測定方法]Annual Book of Standards 1994.Section 5,Volume 05.01内のD217)に記載された針入度の測定方法に準じて次のように測定される値である。即ち、内径6.5cm、深さ5.5cmの半円筒状容器に熱処理バッターを詰め、表面を平らにする。これを測定温度に1時間放置した後、15gの円錐形の荷重を装着した針(Penetrometer Cone)を表面に接して静置し、5秒後の進入距離を0.1mm単位で表示する。ここで、針入度は一般に数値が小さいほど、測定試料が硬いことを表す。
【0047】
本発明においては熱処理バッターをケーキ生地に均一に分散させるため、ケーキ生地に分散させる熱処理バッターの20℃における針入度を75以上、特に、100以上とすることが好ましい。また、熱処理バッターは、調製後20℃に24時間おいた後においても、針入度が75以上となるように調製することが好ましい。
【0048】
図1に示したケーキ類の製造方法において、熱処理バッターを得た後は、その熱処理バッターと、全主材料成分とを混合することによりケーキ生地を調製する。
【0049】
なお、図1に示したケーキ類の製造方法においては、主材料成分をなす穀粉類の一部を熱処理バッターとして添加する以外、従来のオールインミックス法と同様に、主材料成分、及び必要に応じて副材料成分を混合してケーキ生地を調製し、焼成することができる。したがって、例えば、スポンジケーキを製造する場合の主材料成分の配合は、小麦粉100重量部に対して、全卵50〜300重量部、砂糖50〜250重量部、起泡性油脂0.1〜30重量部、ベーキングパウダー0.1〜20重量部、水0〜200重量部とする。なお、熱処理バッターとして配合する以外の水の配合量は、熱処理バッターを使用しない従前の主材料成分における水の配合量から熱処理バッターの調製に用いた水の使用量を適宜差し引いて定める。
【0050】
また、ケーキ生地の焼成温度は120〜300℃とする。
【0051】
以上、オールインミックス法に本発明の製造方法を適用する場合について説明したが、本発明の製造方法は後粉法、共立て法、別立て法等の他のケーキ類の製造方法にも適用することができる。
【0052】
例えば、後粉法の場合、熱処理バッターを得た後は、図2に示すように、熱処理バッターと、穀粉類を除く主材料成分とを混合し、次いで残余の穀粉類を混合することによりケーキ生地を製造する。一般に、穀粉類の添加により、ケーキ生地が保持していた気泡が消泡するので、こうして、熱処理バッターに使用した穀粉類を除き、穀粉類をケーキ生地の調製の最後の段階で添加することにより、ケーキ生地に多くの気泡をいだかせ、焼成によりケーキ生地を十分に膨らませることができる。さらに、穀粉類の混合時間を短縮できることから、混合によるグルテンの形成が抑制され、ケーキ品質、特に口どけ感が向上する。
【0053】
共立て法の場合、図3に示すように、全卵と砂糖の混合時に、主材料とする小麦粉の一部を熱処理バッターとして添加する。
【0054】
また、別立て法の場合、図4又は図5に示すように、卵黄と砂糖の混合時に、主材料とする小麦粉の一部を熱処理バッターとして添加する。
【0055】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
【0056】
参考例1(乳化物1の製造)
バッターに添加する乳化剤の添加形態として、次のように水中油型乳化組成物(乳化物1)を調製した。
【0057】
まず、ナタネ白絞油18重量部、グリセリンオレイン酸ジエステル8重量部を加熱溶解し、これにグリセリンコハク酸脂肪酸モノエステル(商品名 ステップSS、花王(株))15重量部、大豆レシチン0.5重量部を添加して加熱融解し油相部とした。
【0058】
次にショ糖エステル(HLB11)2重量部を35重量%濃度のソルビトール水溶液56.5重量部に分散し、これを加熱し水相部とした。
【0059】
ホモミキサーを用い、攪拌しながら油相部に水相部を加え乳化混合し、水中油型乳化組成物を得た。
【0060】
参考例2(粉末乳化剤1の製造)
バッターに添加する乳化剤の添加形態として、次のように乳化剤を水分散性素材に担持させた形態(粉末乳化剤1)を調製した。
【0061】
グリセリン脂肪酸モノエステル(商品名 エキセルT−95、花王(株))90重量部を加熱溶融し、これにカゼインナトリウム5重量部、デキストリン(DE=10)5重量部を添加し、スプレーにより室温下に散布、冷却し、粉末乳化剤1を得た。
【0062】
実施例1〜5、比較例1〜3
表1に示す配合と熱処理条件で実施例1〜5、比較例1〜2の熱処理バッターを調製し、さらに表2に示す配合でオールインミックス法により実施例1〜5、比較例1〜3のケーキ生地を調製し、焼成した。この場合、熱処理バッターの調製、ケーキ生地の調製、ケーキ生地の焼成はそれぞれ次のように行った。
【0063】
(1)熱処理バッターの調製
縦型ミキサー(関東ミキサー、10コート)、フックを用い、小麦粉、水及び乳化剤をミキサーに入れ、攪拌を行い、均一なバッターとした。このバッターを金属製バット(縦40cm×横29cm×深さ6cm)に入れ、蒸し器(三浦工業株式会社製)を用いて表1に示す条件で加熱処理した。加熱処理したバッターを室温にて40℃まで冷却し、熱処理バッターとした。
【0064】
(2)ケーキ生地の調製
縦型ミキサー(関東ミキサー 20コート)とワイヤーを用い、小麦粉以外の材料をミキサーに入れ、低速0.5分、中速3分で混捏することにより生地に気泡を含有させた。その後、小麦粉を加えて、低速0.5分、高速1〜3分攪拌することにより、生地比重が0.4のケーキ生地を得た。
【0065】
(3)ケーキ生地の焼成
得られたケーキ生地140gを円筒形状(直径12cm、深さ6cm)のケーキ焼型に計り取り、180℃のオーブンにて30分焼成した。焼成後、20℃において30分間冷却後、ビニール袋に入れ、密封し、更に20℃において24時間保存し、ケーキサンプルとした。
【0066】
【表1】
Figure 2004049073
【0067】
【表2】
Figure 2004049073
【0068】
(4)評価
各実施例及び比較例で用いた熱処理バッターと、各実施例及び比較例得られたケーキサンプルを、以下のように評価した。結果を表3に示す。
【0069】
(i)熱処理バッターの評価
(i−a)外観評価
○:目視において均一な状態
△:バッター中に若干ダマが生じている
×:バッター中にダマが大量に存在し、不均一な状態
(i−b)熱処理バッターの硬さ
熱処理バッターを調製後、室温にて6時間及び24時間放置後の針入度を測定した。測定は20℃下で実施し、3回の測定値の平均値をとった。
【0070】
(ii)ケーキ評価
しっとり感、柔らかさ、口どけ感のそれぞれについて、10名のパネラーにより、以下の基準でモナディック評価を行なった。
◎:10名中8名以上が良好であると判断した
○:10名中5〜7名が良好であると判断した
△:10名中3〜4名が良好であると判断した
×:10名中8名以上が良好ではないと判断した
【0071】
【表3】
Figure 2004049073
【0072】
表3から、主材料成分をなす小麦粉の一部を熱処理バッターとしてケーキ生地に添加することにより、ケーキの品質、特に口どけ感等の食感が向上することがわかる。
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、品質の高いケーキ類、特に、しっとり感と口どけ感の双方が共に向上したケーキ類を低コストに製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したオールインミックス法によるケーキ類の製造方法の工程図である。
【図2】本発明を適用した後粉法によるケーキ類の製造方法の工程図である。
【図3】本発明を適用した共立て法によるケーキ類の製造方法の工程図である。
【図4】本発明を適用した別立て法によるケーキ類の製造方法の工程図である。
【図5】本発明を適用した別立て法によるケーキ類の製造方法の工程図である。
【図6】従来のオールインミックス法によるケーキ類の製造方法の工程図である。

Claims (7)

  1. 主材料として用いる穀粉類の10〜50重量%を熱処理バッター調製用とし、該熱処理バッター調製用穀粉類100重量部と水150〜400重量部からなるバッターを該熱処理バッター調製用穀粉類中の澱粉のα化温度以上に熱処理して熱処理バッターを得、該熱処理バッターと残余の主材料成分とを混合してケーキ生地を調製し、焼成するケーキ類の製造方法。
  2. 主材料として用いる穀粉類の10〜50重量%を熱処理バッター調製用とし、該熱処理バッター調製用穀粉類100重量部と、該熱処理バッター調製用穀粉類中の澱粉のα化温度以上の湯水150〜400重量部とを混合撹拌して熱処理バッターを得、該熱処理バッターと残余の主材料成分とを混合してケーキ生地を調製し、焼成するケーキ類の製造方法。
  3. 主材料として穀粉類、卵、砂糖及びベーキングパウダーを使用する請求項1又は2記載のケーキ類の製造方法。
  4. 熱処理バッターと、穀粉類を除く主材料成分とを混合し、次いで残余の穀粉類を混合することによりケーキ生地を調製する請求項1又は2記載のケーキ類の製造方法。
  5. 熱処理バッターが乳化剤を含有する請求項1又は2記載のケーキ類の製造方法。
  6. 熱処理バッターが、熱処理バッター調製用穀粉類100重量部に対して乳化剤0.1〜10.0重量部を含有する請求項5記載のケーキ類の製造方法。
  7. 熱処理バッターの20℃におけるASTM針入度が75以上である請求項1又は2記載のケーキ類の製造方法。
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