JP2004048206A - 映像再生方法および映像再生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】再生対象の映像を、その映像の再生時には、フレームメモリが少ない場合にも、精度よく確実にシームレス接続することができ、常に、正常な映像再生状態を確保することができる映像再生方法および映像再生装置を提供する。
【解決手段】デコード制御部107により、映像の再生時に、接続しようとする映像信号のフレームのGOPに対して、時分割にデコード処理させることにより、従来のように、1GOP分のフレームメモリを確保することなく、最大4フレーム分のフレームメモリを用いるだけで、精度の良い確実なシームレス接続を可能にする。
【選択図】 図1
【解決手段】デコード制御部107により、映像の再生時に、接続しようとする映像信号のフレームのGOPに対して、時分割にデコード処理させることにより、従来のように、1GOP分のフレームメモリを確保することなく、最大4フレーム分のフレームメモリを用いるだけで、精度の良い確実なシームレス接続を可能にする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像信号をそのMPEG符号化データを基にフレーム再生する映像再生方法および映像再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータシステムやデジタル方式の撮像装置等の画像処理における圧縮符号化方式として広く利用されているMPEG符号化方式では、映像信号に対するフレーム内符号化(Iピクチャ)、前方向予測符号化(Pピクチャ)、両方向予測符号化(Bピクチャ)の三つの符号化方式を用い、これらの組み合わせで、情報量の多い動画像を効率的に圧縮している。
【0003】
このMPEG符号化方式の一例を図8に示す。図8(a)では、表示順にフレームを示したものであり、図中の「I」、「P」、「B」は、それぞれ上記のピクチャタイプを示しており、その横のナンバーは表示順である。また、図中の矢印は、予測を示している。例えばP3を符号化するときは、I0を参照フレームとして、予測符号化を行う。また、B4を符号化する場合は、前方向予測にP3を、後方向予測にP5を参照フレームとして用いる。そのため、B4を復号化するためには、既にP3とP5が復号化されている必要がある。そのため、MPEG符号化では、表示順と符号化順が異なり、符号化データは図8(b)に示す順で記録されている。
【0004】
また、Iピクチャは、予測符号化を用いずフレーム内で符号化が閉じているため、周期的にIピクチャを挿入することで、ランダムアクセスを実現している。フレーム内符号化によるフレームの周期を、GOP(Group of pictute)とよぶ。図8の例は、10フレームを周期としてIピクチャを挿入することによりGOPを構成している例である。通常、1GOPあるいは複数のGOPで1つのアクセス単位を構成する。
【0005】
次に、光磁気ディスクなどのランダムアクセス可能な記録媒体(以下、ディスクと記す)上に、符号化データを記録する場合を図9を用いて説明する。
図9には、1時間20分32秒02フレームのMPEG圧縮された符号化データを記録した場合の例を示している。なお、本例では、前述の符号化データ以外は記録されていないものとする。
【0006】
図9(a)の領域Aには、ディスクを再生制御するための再生制御情報として、エントリーが記録されており、領域Bには、実際の符号化データが記録されているとする。また、図9(a)の例では、1つの符号化データのみであるので、このエントリーに記録されている再生制御情報は、領域Bに記録されている符号化データの再生のための情報のみであり、例えば、記録されている符号化データの開始アドレス、終了アドレス、開始タイムコード、終了タイムコード、次のエントリーが記録される。
【0007】
ここで、エントリーには再生対象の符号化データに関する情報が記録されており、開始アドレスは、再生開始のディスク上でのアドレスであり、終了アドレスは、再生終了のディスク上でのアドレスである。開始タイムコードは、先頭フレームのタイムコードであり、終了タイムコードは、終了フレームのタイムコードである。次のエントリーは、このエントリーの再生対象とする符号化データの再生後に再生するデータの有無を示す。
【0008】
例えば、領域Bに記録したデータをまとめて全て再生する場合の再生制御情報は、以下のように示すことができる。
エントリー0の内容
開始アドレス=Addr0
終了アドレス=Addr1
開始タイムコード=00:00:00:00
終了タイムコード=01:20:32:02
次のエントリー =なし
以上のような再生制御情報を基に、エントリーの内容に従って、0時間00分00秒00フレームから1時間20分32秒02フレームまで、領域Bに記録した全てのデータについてまとめて再生される。
【0009】
次に、この領域Bに記録されているデータを編集しながら、0時間00分00秒00フレームから0時間20分15秒05フレームまで再生し、その後、0時間40分10秒05フレームから1時間20分32秒02フレームまで再生することを考える。このときの再生制御情報は、以下のように示すことができる。
【0010】
エントリー0の内容
開始アドレス=Addr0
終了アドレス=Addr2
開始タイムコード=00:00:00:00
終了タイムコード=00:20:15:05
次のエントリー =1
エントリー1の内容
開始アドレス=Addr3
終了アドレス=Addr1
開始タイムコード=00:40:10:05
終了タイムコード=01:20:32:02
次のエントリー =なし
以上のような再生制御情報を基に、領域Bに記録されているデータに対して、各エントリーの内容に従って編集することにより、0時間00分00秒00フレームから1時間20分32秒02フレームまで再生される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述した従来の映像再生方法において、上記のデータを編集しながら再生する場合の再生制御情報によると、記録されたデータの再生手順としては、終了タイムコード00:20:15:05を持つフレームのあとに、開始タイムコード00:40:10:05を持つフレームを再生するようになっているが、図8で説明したように、MPEG符号化方式では、予測符号化を行っているため、表示順(図8(a))と符号化データの記録順(図8(b))が異なり、単に再生時間で接続したのでは、うまくシームレス接続することができず、正常な映像再生状態を確保することができないという問題点を有していた。
【0012】
以上のことを図9(b)を用いて説明する。
エントリー0のアウト点(00:20:15:05)を含むXGOPのフレーム構造およびエントリー1のイン点(00:40:10:05)を含むYGOPのフレーム構造を示す図である。図によると、イン点であるフレームは、Bピクチャであり、前および後方向参照フレームが必要になるため、イン点となるフレームを含むGOPの先頭からのデコードが必要である。
【0013】
そこで、図9(c)に示すように、アウト点のフレームを再生直後、イン点のフレームが連続して再生できるように、予め、イン点となるフレームを含むGOPの先頭部分をデコードしておき、フレームメモリに格納していた。つまり、少なくとも1GOP分のフレームメモリを確保しなければ、シームレス接続を実現することができないという問題点を有していた。
【0014】
本発明は、上記従来の問題点を解決するもので、再生対象の映像を、その映像の再生時には、フレームメモリが少ない場合にも、精度よく確実にシームレス接続することができ、常に、正常な映像再生状態を確保することができる映像再生方法および映像再生装置を提供する。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明の請求項1に記載の映像再生方法は、映像信号のフレームを単位として、フレーム内で符号化するフレーム内符号化、予測符号化する際に前方向のフレームを参照フレームとする前方向予測符号化、予測符号化する際に前後の両方向のフレームを参照フレームとする両方向予測符号化により前記映像信号を符号化した複数の符号化フレームからなり、そのうち前記フレーム内符号化による符号化フレーム毎を周期としてGOPを形成し、前記GOPの1または複数をアクセス単位として構成された映像データを再生する映像再生方法であって、前記アクセス単位とする1または複数のGOPからなるXGOP中の任意のフレームXまで再生し、前記アクセス単位とする1または複数のGOPからなり前記XGOPより時間的にあとに再生するYGOP中の任意のフレームYを、シームレス接続して再生するに際し、前記XGOPを復号化および再生しつつ、時分割に前記YGOPの復号化を行い、前記フレームXの再生後、直ちに前記フレームYあるいは前記フレームYより時間的にあとに再生する前記フレーム内符号化されたフレームZを再生する方法としたことを特徴とする。
【0016】
この方法により、映像の再生時に、接続しようとする映像信号のフレームのGOPに対して、時分割にデコード処理させることにより、従来のように、1GOP分のフレームメモリを確保することなく、最大4フレーム分のフレームメモリを用いるだけで、精度の良い確実なシームレス接続を可能にすることができる。
【0017】
また、本発明の請求項2に記載の映像再生方法は、映像信号のフレームを単位として、フレーム内で符号化するフレーム内符号化、予測符号化する際に前方向のフレームを参照フレームとする前方向予測符号化、予測符号化する際に前後の両方向のフレームを参照フレームとする両方向予測符号化により前記映像信号を符号化した複数の符号化フレームからなり、そのうち前記フレーム内符号化による符号化フレーム毎を周期としてGOPを形成し、前記GOPの1または複数をアクセス単位として構成された映像データを再生する映像再生方法であって、前記アクセス単位とする1または複数のGOPからなるXGOP中の任意のフレームXまで再生し、前記アクセス単位とする1または複数のGOPからなり前記XGOPより時間的にあとに再生するYGOP中の任意のフレームYを、シームレス接続して再生するに際し、前記XGOPを復号化および再生しつつ、前記YGOPの復号化を開始し、所定時点での前記XGOPの再生フレームと前記YGOPの復号フレームとのフレーム情報を基に、前記フレームXと前記フレームYのシームレス接続が不可能と判断した場合は、前記フレームYより時間的にあとに再生する前記フレーム内符号化されたフレームZを再生する方法としたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項3に記載の映像再生方法は、請求項2記載の映像再生方法であって、前記所定時点での、前記XGOP内の再生フレームの再生時間とフレームXの再生時間との差分をTxとし、前記YGOP内の復号フレームの再生時間とフレームYの再生時間との差分をTyとするとき、Tx≦Tyならば、シームレス接続が不可能と判断する方法としたことを特徴とする。
【0019】
この方法により、YGOPのデコード状態を出力フレームのタイムコードによって判定し、その判定結果を基に、YGOP内でのデコード方法を再生対象のフレームを切り換えて変更することにより、常にシームレス接続を保証することができる。
【0020】
また、本発明の請求項4に記載の映像再生方法は、請求項2記載の映像再生方法であって、前記所定時点での、前記XGOP内の再生フレームとフレームXまでの再生フレーム数をFNxとし、前記YGOP内の復号フレームとフレームYまでの再生フレーム数をFNyとするとき、FNx≦FNyならば、シームレス接続が不可能と判断する方法としたことを特徴とする。
【0021】
この方法により、YGOPのデコード状態を出力フレームの表示ナンバーによって判定し、その判定結果を基に、YGOP内でのデコード方法を再生対象のフレームを切り換えて変更することにより、常にシームレス接続を保証することができる。
【0022】
また、本発明の請求項5に記載の映像再生方法は、請求項2記載の映像再生方法であって、前記所定時点での、前記XGOP内の再生フレームとフレームXまでの再生データ量をBNxとし、前記YGOP内の復号フレームとフレームYまでの再生データ量をBNyとするとき、BNx≦BNyならば、シームレス接続が不可能と判断する方法としたことを特徴とする。
【0023】
この方法により、YGOPのデコード状態をバッファ量によって判定し、その判定結果を基に、YGOP内でのデコード方法を再生対象のフレームを切り換えて変更することにより、常にシームレス接続を保証することができる。
【0024】
また、本発明の請求項6に記載の映像再生方法は、請求項3から請求項5のいずれかに記載の映像再生方法であって、前記YGOPの復号化開始後は、1フレームの期間に前記XGOPと前記YGOPの復号化を時分割に行うようにし、前記XGOPの復号化を優先的に行う方法としたことを特徴とする。
【0025】
また、本発明の請求項7に記載の映像再生方法は、請求項6記載の映像再生方法であって、前記YGOPは、接続点までのフレームは両方向予測符号化されたフレームは復号化を行わず、前記フレームYあるいは前記フレームZからは全てのフレームの復号化を行う方法としたことを特徴とする。
【0026】
また、本発明の請求項8に記載の映像再生方法は、請求項7記載の映像再生方法であって、前記所定時点を、前記YGOPにおける各フレーム毎のデコード開始時とする方法としたことを特徴とする。
【0027】
また、本発明の請求項9に記載の映像再生装置は、請求項1から請求項8のいずれかに記載の映像再生方法により映像再生を行うよう構成したことを特徴とする。
【0028】
この構成により、映像の再生時に、接続しようとする映像信号のフレームのGOPに対して、時分割にデコード処理させることにより、従来のように、1GOP分のフレームメモリを確保することなく、最大4フレーム分のフレームメモリを用いるだけで、精度の良い確実なシームレス接続を可能にすることができる。
【0029】
また、YGOPのデコード状態を出力フレームのタイムコードによって判定し、その判定結果を基に、YGOP内でのデコード方法を再生対象のフレームを切り換えて変更することにより、常にシームレス接続を保証することができる。
【0030】
また、YGOPのデコード状態を出力フレームの表示ナンバーによって判定し、その判定結果を基に、YGOP内でのデコード方法を再生対象のフレームを切り換えて変更することにより、常にシームレス接続を保証することができる。
【0031】
また、YGOPのデコード状態をバッファ量によって判定し、その判定結果を基に、YGOP内でのデコード方法を再生対象のフレームを切り換えて変更することにより、常にシームレス接続を保証することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す映像再生方法および映像再生装置について、図面を参照しながら具体的に説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1の映像再生方法および映像再生装置を説明する。
【0033】
図1は本実施の形態1の映像再生装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態の映像再生装置は、図1に示すように、光ディスク101、再生ヘッド102、再生制御情報デコード部103、再生ヘッド制御部104、バッファ105、106、デコード制御部107、ビデオデコード部108から構成される。また、光ディスク101には、MPEG符号化方式で符号化されたデータと、その符号化データの再生を制御するための再生制御情報とが記録されている。
【0034】
このように、記録された符号化データは、二つのエントリーに編集されており、以下のような再生制御情報を持つとする。この再生制御情報は、
エントリー0の内容
開始アドレス=Addr0
終了アドレス=Addr1
開始タイムコード=00:00:00:00
終了タイムコード=00:20:15:05
次のエントリー =1
エントリー1の内容
開始アドレス=Addr2
終了アドレス=Addr3
開始タイムコード=00:40:10:05
終了タイムコード=01:20:32:02
次のエントリー =2
と示してあるものとする。
【0035】
また、本実施の形態でのアクセス単位は、1GOPとし、1GOPは10フレームで構成されるものとする。また、アウト点のフレームXを含むGOPをXGOP、イン点のフレームYを含むGOPをYGOPとする。
【0036】
まず、再生ヘッド102は、光ディスク101から再生制御情報を読み出し、その再生制御情報を再生制御情報デコード部103に入力する。再生制御情報デコード部103は、入力された再生制御情報を解析し、再生ヘッド制御部104に制御情報を入力する。再生ヘッド制御部104は、入力された制御情報に基づいて、再生ヘッド102を制御する。本実施の形態の場合、まずエントリー0のデータのリードを行うように、再生ヘッド102を制御する。そして、その後、エントリー1のデータをリードするように、再生ヘッド102を制御する。
【0037】
再生ヘッド102で読み出されたエントリー0のデータは、バッファ105へ入力され、エントリー1のデータはバッファ106へ入力される。そのようにバッファ105および106に入力されたデータを、ビデオデコード部108がデコード処理し、画像データを生成して出力する。
【0038】
また、ビデオデコード部108は、MPEG2符号化方式で符号化された符号化データをデコード処理するものでり、バッファ105あるいは106の何れのデータをデコードするかは、デコード制御部107からの制御によるものとする。また、ビデオデコード部108は、少なくとも4フレーム分のフレームメモリを持ち、デコードしたフレームの出力すべき時間が来たら、デコードした画像データを出力する。
【0039】
デコード制御部107は、再生制御情報デコード部103の出力する制御情報に基づいて、ビデオデコード部108を制御する。具体的には、デコード制御部107は、バッファ106へのデータ入力が開始された時点で、入力データをバッファ105と106を切替えながら、1フレーム期間に相当する時間に二つのデータをデコードするように、ビデオデコード部108を制御する。
【0040】
また、デコード制御部107は、バッファ105から現在表示中のエントリー0の再生を優先するように、ビデオデコード部108を制御する。これは、再生を乱さないためである。また、デコード制御部107は、フレームXの再生後は、メモリに格納されたフレームYを出力する。フレームYの再生後は、時分割デコードは停止し、バッファ106のストリームのみをデコードするように、ビデオデコード部108を制御する。
【0041】
次に、デコード制御部107の動作を、図2を用いて詳しく説明する。
図2(a)は、ディスク101に記録された1時間20分32秒2フレーム分のデータを示している。上記の再生制御情報によると、00:00:00:00から00:20:15:05まで再生し、00:40:10:05から01:20:32:02まで再生する。つまり、XGOPのフレームXまで再生し、その直後にYGOPのフレームYから再生を開始するものである。
【0042】
図2(b)は、バッファ105、106に取り込まれるデータを示している。図2(c)は、ビデオデコード部108のデコードフレームを示している。エントリー0のフレームI0をデコード後、エントリー1のフレームI0’のデコードを開始する例を示している。図に示されるように、デコード制御部107は、1フレーム時間のうち、エントリー0のデコード時間のあまりをエントリー1のデコードに割り当てるように制御する。
【0043】
以上述べたように、1フレーム時間で時分割にデコード処理をさせることで、接続点でのシームレス再生を実現できる。また、従来のように、1GOP分のフレームメモリを確保する必要はなく、少なくとも4フレーム分のフレームメモリで良い。
【0044】
なお、上記の効果は、ビデオデコード部108が、そのデコード能力として、常に1フレーム時間で2フレーム分がデコード可能なデコード速度を持つ場合に限って得られるものであり、この条件が満たされない場合にも、接続点でのシームレス接続が実現可能な映像再生方法および映像再生装置について、以下の実施の形態で説明する。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の映像再生方法および映像再生装置を説明する。
【0045】
図3は本実施の形態2の映像再生装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態の映像再生装置は、図3に示すように、光ディスク101、再生ヘッド102、再生制御情報デコード部103、再生ヘッド制御部104、バッファ105、106、デコード制御部201、ビデオデコード部108から構成される。なお、光ディスク101、再生ヘッド102、再生制御情報デコード部103、再生ヘッド制御部104、バッファ105、106、ビデオデコード部108は、実施の形態1で述べたものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0046】
デコード制御部201は、実施の形態1のデコード制御部107で説明した機能に加えて、次の機能を持つ。デコード制御部201は、YGOPのデコード開始後では、出力フレームのタイムコード情報とYGOPのデコード進行状態とから、YGOPのデコード方法を決定し、そのデコード方法でYGOPのデコードを継続するように、ビデオデコード部108を制御する。
【0047】
つまり、デコード制御部201は、YGOPのデコード進行状態から、XGOPとのシームレス接続が可能と判断できるときは、そのままYGOPのデコードを継続し、また、シームレス接続が不可能と判断した場合は、フレームY以降に位置するフレーム内符号化フレームが見つかるまでスキップするように、ビデオデコード部108を制御する。デコード制御部201では、シームレス接続の可能あるいは不可能の判断に、フレームのタイムコードを用いる。
【0048】
次に、デコード制御部201の動作を、図4を用いて詳しく説明する。
図4(a)は、ディスクに記録された1時間20分32秒2フレーム分のデータを示している。上記の再生制御情報によると、00:00:00:00から00:20:15:05まで再生し、00:40:10:05から01:20:32:02まで再生する。つまり、XGOPのフレームXまで再生し、その直後にYGOPのフレームYから再生を開始するものである。
【0049】
図4(b)は、バッファ105、106に取り込まれるデータを示している。説明のため、XGOPの各フレームのタイムコードをt0〜t9、YGOPの各フレームのタイムコードをt0’からt9’と略す。
【0050】
図4(c)は、ビデオデコード部108のデコードフレームを示している。図4(c)の例では、XGOPのP3フレームのデコード時間が延びたため、十分なデコード時間がP3’に与えられなかったため、P3’のデコード処理が終わらず、つぎの割り当て時間で残りのデコード処理を継続する。そのため、P3’のデコードに遅延が起きてしまう例である。
【0051】
デコード制御部201は、YGOPの次のフレームをデコードするとき、シームレスが保証できるか判定する。各ポイントで行われる判定内容を以下に示す。
判定1のとき:再生フレームタイムコード t0−1
Diff_Tx=t5−(t0−1)=6フレーム時間
Diff_Ty=t5’−t0=5フレーム時間
判定2のとき:再生タイムコード t0
Diff_Tx=t5−t0=5フレーム時間
Diff_Ty=t5’−t0’=5フレーム時間
判定3のとき:再生タイムコード t1
Diff_Tx=t5−t1=4フレーム時間
Diff_Ty=t5’−t3’+3=5フレーム時間
ここで、各判定において、
Diff_Tx≧Diff_Ty・・・(式1)
を満たすかを判定する。
【0052】
「判定1」および「判定2」では、(式1)を満たすため、シームレス接続可能と判定される。しかし、「判定3」では、(式1)を満たさないため、シームレス不可能と判断し、フレーム内符号化フレームのサーチを行う。図4(c)の例では、I0”が検出され、フレームXの再生後、I0”が再生されることになる。
【0053】
図4(d)は、出力されるフレームを示しており、シームレス接続不可能と判断後し、検出されたI0”が再生されることになる。このように、YGOPのデコード状態によって、再生フレームを切り替えることで、シームレス接続を常に保証することができる。
【0054】
以上述べたように、YGOPのデコード状態を出力フレームのタイムコードによって判定し、判定結果によりYGOPのデコード方法を変更することで、常にシームレス接続を保証することができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3の映像再生方法および映像再生装置を説明する。
【0055】
図5は本実施の形態3の映像再生装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態の映像再生装置は、図5に示すように、光ディスク101、再生ヘッド102、再生制御情報デコード部103、再生ヘッド制御部104、バッファ105、106、デコード制御部301、ビデオデコード部108から構成される。なお、光ディスク101、再生ヘッド102、再生制御情報デコード部103、再生ヘッド制御部104、バッファ105、106、ビデオデコード部108は、実施の形態1で述べたものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0056】
デコード制御部301は、実施の形態1のデコード制御部107で説明した機能に加えて、次の機能を持つ。デコード制御部301は、YGOPのデコード開始後では、出力フレームのタイムコード情報とYGOPのデコード進行状態とから、YGOPのデコード方法を決定し、そのデコード方法でYGOPのデコードを継続するように、ビデオデコード部108を制御する。
【0057】
つまり、デコード制御部301は、YGOPのデコード進行状態から、XGOPとのシームレス接続が可能と判断できるときは、そのままYGOPのデコードを継続し、また、シームレス接続が不可能と判断した場合は、フレームY以降に位置するフレーム内符号化フレームが見つかるまでスキップするように、ビデオデコード部108を制御する。
【0058】
デコード制御部301では、シームレス接続の可能あるいは不可能の判断に、フレームの表示ナンバーを用いる。ここで、表示ナンバーとは、各エントリー内での表示の順番のことである。例えば、MPEG2符号化方式による”temporal reference”を加算していくことで、エントリー内の表示順を算出することは可能である。
【0059】
次に、デコード制御部301の動作を、図6を用いて詳しく説明する。
図6(a)は、ディスクに記録された1時間20分32秒2フレーム分のデータを示している。上記の再生制御情報によると、00:00:00:00から00:20:15:05まで再生し、00:40:10:05から01:20:32:02まで再生する。つまり、XGOPのフレームXまで再生し、その直後にYGOPのフレームYから再生を開始するものである。
【0060】
図6(b)は、バッファ105、106に取り込まれるデータを示している。説明のため、XGOPの各フレームのtemporal referenceをn0〜n9、YGOPの各フレームのtemporal reference をn0’からn9’と略す。
【0061】
図6(c)は、ビデオデコード部108のデコードフレームを示している。図6(c)の例では、XGOPのP3フレームのデコード時間が延びたため、十分なデコード時間がP3’に与えられなかったため、P3’のデコード処理が終わらず、つぎの割り当て時間で残りのデコード処理を継続する。そのため、P3’のデコードに遅延が起きてしまう例である。
【0062】
デコード制御部301は、YGOPの次のフレームをデコードするとき、シームレスが保証できるか判定する。各ポイントで行われる判定内容を以下に示す。なお、XGOPより前に存在するフレーム数をNとする。
【0063】
判定1のとき:再生フレームのフレームナンバー n0−1
Diff_Nx=(N+n5)−(N+n0−1)=6フレーム
Diff_Ny=n5’−n0=5フレーム
判定2のとき:再生フレームのフレームナンバー n0
Diff_Nx=(N+n5)−(N+n0)=5フレーム
Diff_Ny=n5’−n0’=5フレーム
判定3のとき:再生フレームのフレームナンバー n1
Diff_Nx=(N+n5)−(N+n1)=4フレーム
Diff_Ny=n5’−n3’+3=5フレーム
ここで、各判定において、
Diff_Nx≧Diff_Ny・・・(式2)
を満たすかを判定する。
【0064】
「判定1」および「判定2」では、(式2)を満たすため、シームレス接続可能と判定される。しかし、「判定3」では、上記の式を満たさないため、シームレス不可能と判断し、フレーム内符号化フレームのサーチを行う。図6(c)の例では、I0”が検出され、フレームXの再生後、I0”が再生されることになる。
【0065】
図6(d)は、出力されるフレームを示しており、シームレス接続不可能と判断し、その後、検出されたI0”が再生されることになる。このように、YGOPのデコード状態によって、再生フレームを切り替えることで、シームレス接続を常に保証することができる。
【0066】
以上述べたように、YGOPのデコード状態を出力フレームの表示ナンバーによって判定し、判定結果によりYGOPのデコード方法を変更することで、常にシームレス接続を保証することができる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4の映像再生方法および映像再生装置を説明する。
【0067】
図7は本実施の形態4の映像再生装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態の映像再生装置は、図7に示すように、光ディスク101、再生ヘッド102、再生制御情報デコード部103、再生ヘッド制御部104、バッファ105、106、デコード制御部401、ビデオデコード部108、データ量測定部402、403から構成される。なお、光ディスク101、再生ヘッド102、再生制御情報デコード部103、再生ヘッド制御部104、バッファ105、106、ビデオデコード部108は、実施の形態1で述べたものと同様であるので、ここでの説明は省略し、デコード制御部401とデータ量測定部402、403についてのみ説明する。
【0068】
デコード制御部401は、実施の形態1のデコード制御部107で説明した機能に加えて、次の機能を持つ。デコード制御部401は、YGOPのデコード開始後では、出力フレームのタイムコード情報とYGOPのデコード進行状態とから、YGOPのデコード方法を決定し、そのデコード方法でYGOPのデコードを継続するように、ビデオデコード部108を制御する。
【0069】
つまり、デコード制御部401は、YGOPのデコード進行状態から、XGOPとのシームレス接続が可能と判断できるときは、そのままYGOPのデコードを継続し、また、シームレス接続が不可能と判断した場合は、フレームY以降に位置するフレーム内符号化フレームが見つかるまでスキップするように、ビデオデコード部108を制御する。デコード制御部401は、シームレス接続の可能あるいは不可能の判断に、バッファ105および106のデータ量の差分を用いる。
【0070】
データ量測定部402は、再生制御情報デコード部103の出力する制御情報をもとに、バッファ105に蓄積された終了タイムコードのフレームまでのデータ量Diff_Bxを測定する。また、データ量測定部403は、再生制御情報デコード部103の出力する制御情報をもとに、バッファ106に蓄積された開始タイムコードのフレームまでのデータ量Diff_Byを測定する。
【0071】
デコード制御部401は、データ量測定部402と403の算出するDiff_BxとDiff_Byとが、
Diff_Bx≧Diff_By・・・(式3)
を満たしていれば、シームレス接続可能と判断し、YGOPのフレームのデコードを継続する。しかし、上記の(式3)を満たさない場合は、シームレス不可能と判断して、フレームY以降のフレーム内符号化が再生できるようになるまでスキップを行う。
【0072】
以上述べたように、YGOPのデコード状態をバッファ量によって判定し、判定結果によりYGOPのデコード方法を変更することで、常にシームレス接続を保証することができる。
【0073】
なお、実施の形態1〜4では、符号化フレームのデータを格納するために二つのバッファを用いたが、従来のビットバッファに1GOP分サイズを拡大し、バッファの読み出しポイントを切替えて、二つのストリームをデコードするようにしてもよい。
【0074】
また、本実施の形態1〜4では、YGOPのフレームYまでのデコード過程において、両方向予測符号化フレームのデコードを行ったが、このフレームをスキップするようにしてもよい。これにより、さらに高速にフレームYをデコードすることができ、所望の編集点でのシームレス接続の実現が向上する。
【0075】
また、本実施の形態1〜4では、常にシームレス接続不可能と判断した場合、常にシームレス接続を優先させるため、スキップをするように示したが、ユーザーからの選択により、シームレス優先かフレーム優先かを選択可能にてもよい。
【0076】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、映像の再生時に、接続しようとする映像信号のフレームのGOPに対して、時分割にデコード処理させることにより、従来のように、1GOP分のフレームメモリを確保することなく、最大4フレーム分のフレームメモリを用いるだけで、精度の良い確実なシームレス接続を可能にすることができる。
【0077】
そのため、再生対象の映像を、その映像の再生時には、フレームメモリが少ない場合にも、精度よく確実にシームレス接続することができ、常に、正常な映像再生状態を確保することができる。
【0078】
また、YGOPのデコード状態を出力フレームのタイムコードによって判定し、その判定結果を基に、YGOP内でのデコード方法を再生対象のフレームを切り換えて変更することにより、常にシームレス接続を保証することができる。
【0079】
また、YGOPのデコード状態を出力フレームの表示ナンバーによって判定し、その判定結果を基に、YGOP内でのデコード方法を再生対象のフレームを切り換えて変更することにより、常にシームレス接続を保証することができる。
【0080】
また、YGOPのデコード状態をバッファ量によって判定し、その判定結果を基に、YGOP内でのデコード方法を再生対象のフレームを切り換えて変更することにより、常にシームレス接続を保証することができる。
【0081】
以上により、上述のように時分割にデコード処理を行う際に、デコーダのパフォーマンスや復号化するデータのビット量によっては、映像の実時間進行に対して復号化が間に合わない状態が発生し、シームレス接続することができない場合があるが、この場合にも、確実にシームレス接続を実現することができ、正常に映像再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の映像再生装置の構成を示すブロック図
【図2】同実施の形態1の映像再生装置における映像再生方法の説明図
【図3】本発明の実施の形態2の映像再生装置の構成を示すブロック図
【図4】同実施の形態2の映像再生装置における映像再生方法の説明図
【図5】本発明の実施の形態3の映像再生装置の構成を示すブロック図
【図6】同実施の形態3の映像再生装置における映像再生方法の説明図
【図7】本発明の実施の形態4の映像再生装置の構成を示すブロック図
【図8】従来の映像再生装置におけるMPEG符号化の説明図
【図9】同従来例の映像再生装置における映像再生方法の説明図
【符号の説明】
101 光ディスク
102 再生ヘッド
103 再生制御情報デコード部
104 再生ヘッド制御部
105、106 バッファ
107、201、301、401 デコード制御部
108 ビデオデコード部
402、403 データ測定部
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像信号をそのMPEG符号化データを基にフレーム再生する映像再生方法および映像再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータシステムやデジタル方式の撮像装置等の画像処理における圧縮符号化方式として広く利用されているMPEG符号化方式では、映像信号に対するフレーム内符号化(Iピクチャ)、前方向予測符号化(Pピクチャ)、両方向予測符号化(Bピクチャ)の三つの符号化方式を用い、これらの組み合わせで、情報量の多い動画像を効率的に圧縮している。
【0003】
このMPEG符号化方式の一例を図8に示す。図8(a)では、表示順にフレームを示したものであり、図中の「I」、「P」、「B」は、それぞれ上記のピクチャタイプを示しており、その横のナンバーは表示順である。また、図中の矢印は、予測を示している。例えばP3を符号化するときは、I0を参照フレームとして、予測符号化を行う。また、B4を符号化する場合は、前方向予測にP3を、後方向予測にP5を参照フレームとして用いる。そのため、B4を復号化するためには、既にP3とP5が復号化されている必要がある。そのため、MPEG符号化では、表示順と符号化順が異なり、符号化データは図8(b)に示す順で記録されている。
【0004】
また、Iピクチャは、予測符号化を用いずフレーム内で符号化が閉じているため、周期的にIピクチャを挿入することで、ランダムアクセスを実現している。フレーム内符号化によるフレームの周期を、GOP(Group of pictute)とよぶ。図8の例は、10フレームを周期としてIピクチャを挿入することによりGOPを構成している例である。通常、1GOPあるいは複数のGOPで1つのアクセス単位を構成する。
【0005】
次に、光磁気ディスクなどのランダムアクセス可能な記録媒体(以下、ディスクと記す)上に、符号化データを記録する場合を図9を用いて説明する。
図9には、1時間20分32秒02フレームのMPEG圧縮された符号化データを記録した場合の例を示している。なお、本例では、前述の符号化データ以外は記録されていないものとする。
【0006】
図9(a)の領域Aには、ディスクを再生制御するための再生制御情報として、エントリーが記録されており、領域Bには、実際の符号化データが記録されているとする。また、図9(a)の例では、1つの符号化データのみであるので、このエントリーに記録されている再生制御情報は、領域Bに記録されている符号化データの再生のための情報のみであり、例えば、記録されている符号化データの開始アドレス、終了アドレス、開始タイムコード、終了タイムコード、次のエントリーが記録される。
【0007】
ここで、エントリーには再生対象の符号化データに関する情報が記録されており、開始アドレスは、再生開始のディスク上でのアドレスであり、終了アドレスは、再生終了のディスク上でのアドレスである。開始タイムコードは、先頭フレームのタイムコードであり、終了タイムコードは、終了フレームのタイムコードである。次のエントリーは、このエントリーの再生対象とする符号化データの再生後に再生するデータの有無を示す。
【0008】
例えば、領域Bに記録したデータをまとめて全て再生する場合の再生制御情報は、以下のように示すことができる。
エントリー0の内容
開始アドレス=Addr0
終了アドレス=Addr1
開始タイムコード=00:00:00:00
終了タイムコード=01:20:32:02
次のエントリー =なし
以上のような再生制御情報を基に、エントリーの内容に従って、0時間00分00秒00フレームから1時間20分32秒02フレームまで、領域Bに記録した全てのデータについてまとめて再生される。
【0009】
次に、この領域Bに記録されているデータを編集しながら、0時間00分00秒00フレームから0時間20分15秒05フレームまで再生し、その後、0時間40分10秒05フレームから1時間20分32秒02フレームまで再生することを考える。このときの再生制御情報は、以下のように示すことができる。
【0010】
エントリー0の内容
開始アドレス=Addr0
終了アドレス=Addr2
開始タイムコード=00:00:00:00
終了タイムコード=00:20:15:05
次のエントリー =1
エントリー1の内容
開始アドレス=Addr3
終了アドレス=Addr1
開始タイムコード=00:40:10:05
終了タイムコード=01:20:32:02
次のエントリー =なし
以上のような再生制御情報を基に、領域Bに記録されているデータに対して、各エントリーの内容に従って編集することにより、0時間00分00秒00フレームから1時間20分32秒02フレームまで再生される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述した従来の映像再生方法において、上記のデータを編集しながら再生する場合の再生制御情報によると、記録されたデータの再生手順としては、終了タイムコード00:20:15:05を持つフレームのあとに、開始タイムコード00:40:10:05を持つフレームを再生するようになっているが、図8で説明したように、MPEG符号化方式では、予測符号化を行っているため、表示順(図8(a))と符号化データの記録順(図8(b))が異なり、単に再生時間で接続したのでは、うまくシームレス接続することができず、正常な映像再生状態を確保することができないという問題点を有していた。
【0012】
以上のことを図9(b)を用いて説明する。
エントリー0のアウト点(00:20:15:05)を含むXGOPのフレーム構造およびエントリー1のイン点(00:40:10:05)を含むYGOPのフレーム構造を示す図である。図によると、イン点であるフレームは、Bピクチャであり、前および後方向参照フレームが必要になるため、イン点となるフレームを含むGOPの先頭からのデコードが必要である。
【0013】
そこで、図9(c)に示すように、アウト点のフレームを再生直後、イン点のフレームが連続して再生できるように、予め、イン点となるフレームを含むGOPの先頭部分をデコードしておき、フレームメモリに格納していた。つまり、少なくとも1GOP分のフレームメモリを確保しなければ、シームレス接続を実現することができないという問題点を有していた。
【0014】
本発明は、上記従来の問題点を解決するもので、再生対象の映像を、その映像の再生時には、フレームメモリが少ない場合にも、精度よく確実にシームレス接続することができ、常に、正常な映像再生状態を確保することができる映像再生方法および映像再生装置を提供する。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明の請求項1に記載の映像再生方法は、映像信号のフレームを単位として、フレーム内で符号化するフレーム内符号化、予測符号化する際に前方向のフレームを参照フレームとする前方向予測符号化、予測符号化する際に前後の両方向のフレームを参照フレームとする両方向予測符号化により前記映像信号を符号化した複数の符号化フレームからなり、そのうち前記フレーム内符号化による符号化フレーム毎を周期としてGOPを形成し、前記GOPの1または複数をアクセス単位として構成された映像データを再生する映像再生方法であって、前記アクセス単位とする1または複数のGOPからなるXGOP中の任意のフレームXまで再生し、前記アクセス単位とする1または複数のGOPからなり前記XGOPより時間的にあとに再生するYGOP中の任意のフレームYを、シームレス接続して再生するに際し、前記XGOPを復号化および再生しつつ、時分割に前記YGOPの復号化を行い、前記フレームXの再生後、直ちに前記フレームYあるいは前記フレームYより時間的にあとに再生する前記フレーム内符号化されたフレームZを再生する方法としたことを特徴とする。
【0016】
この方法により、映像の再生時に、接続しようとする映像信号のフレームのGOPに対して、時分割にデコード処理させることにより、従来のように、1GOP分のフレームメモリを確保することなく、最大4フレーム分のフレームメモリを用いるだけで、精度の良い確実なシームレス接続を可能にすることができる。
【0017】
また、本発明の請求項2に記載の映像再生方法は、映像信号のフレームを単位として、フレーム内で符号化するフレーム内符号化、予測符号化する際に前方向のフレームを参照フレームとする前方向予測符号化、予測符号化する際に前後の両方向のフレームを参照フレームとする両方向予測符号化により前記映像信号を符号化した複数の符号化フレームからなり、そのうち前記フレーム内符号化による符号化フレーム毎を周期としてGOPを形成し、前記GOPの1または複数をアクセス単位として構成された映像データを再生する映像再生方法であって、前記アクセス単位とする1または複数のGOPからなるXGOP中の任意のフレームXまで再生し、前記アクセス単位とする1または複数のGOPからなり前記XGOPより時間的にあとに再生するYGOP中の任意のフレームYを、シームレス接続して再生するに際し、前記XGOPを復号化および再生しつつ、前記YGOPの復号化を開始し、所定時点での前記XGOPの再生フレームと前記YGOPの復号フレームとのフレーム情報を基に、前記フレームXと前記フレームYのシームレス接続が不可能と判断した場合は、前記フレームYより時間的にあとに再生する前記フレーム内符号化されたフレームZを再生する方法としたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項3に記載の映像再生方法は、請求項2記載の映像再生方法であって、前記所定時点での、前記XGOP内の再生フレームの再生時間とフレームXの再生時間との差分をTxとし、前記YGOP内の復号フレームの再生時間とフレームYの再生時間との差分をTyとするとき、Tx≦Tyならば、シームレス接続が不可能と判断する方法としたことを特徴とする。
【0019】
この方法により、YGOPのデコード状態を出力フレームのタイムコードによって判定し、その判定結果を基に、YGOP内でのデコード方法を再生対象のフレームを切り換えて変更することにより、常にシームレス接続を保証することができる。
【0020】
また、本発明の請求項4に記載の映像再生方法は、請求項2記載の映像再生方法であって、前記所定時点での、前記XGOP内の再生フレームとフレームXまでの再生フレーム数をFNxとし、前記YGOP内の復号フレームとフレームYまでの再生フレーム数をFNyとするとき、FNx≦FNyならば、シームレス接続が不可能と判断する方法としたことを特徴とする。
【0021】
この方法により、YGOPのデコード状態を出力フレームの表示ナンバーによって判定し、その判定結果を基に、YGOP内でのデコード方法を再生対象のフレームを切り換えて変更することにより、常にシームレス接続を保証することができる。
【0022】
また、本発明の請求項5に記載の映像再生方法は、請求項2記載の映像再生方法であって、前記所定時点での、前記XGOP内の再生フレームとフレームXまでの再生データ量をBNxとし、前記YGOP内の復号フレームとフレームYまでの再生データ量をBNyとするとき、BNx≦BNyならば、シームレス接続が不可能と判断する方法としたことを特徴とする。
【0023】
この方法により、YGOPのデコード状態をバッファ量によって判定し、その判定結果を基に、YGOP内でのデコード方法を再生対象のフレームを切り換えて変更することにより、常にシームレス接続を保証することができる。
【0024】
また、本発明の請求項6に記載の映像再生方法は、請求項3から請求項5のいずれかに記載の映像再生方法であって、前記YGOPの復号化開始後は、1フレームの期間に前記XGOPと前記YGOPの復号化を時分割に行うようにし、前記XGOPの復号化を優先的に行う方法としたことを特徴とする。
【0025】
また、本発明の請求項7に記載の映像再生方法は、請求項6記載の映像再生方法であって、前記YGOPは、接続点までのフレームは両方向予測符号化されたフレームは復号化を行わず、前記フレームYあるいは前記フレームZからは全てのフレームの復号化を行う方法としたことを特徴とする。
【0026】
また、本発明の請求項8に記載の映像再生方法は、請求項7記載の映像再生方法であって、前記所定時点を、前記YGOPにおける各フレーム毎のデコード開始時とする方法としたことを特徴とする。
【0027】
また、本発明の請求項9に記載の映像再生装置は、請求項1から請求項8のいずれかに記載の映像再生方法により映像再生を行うよう構成したことを特徴とする。
【0028】
この構成により、映像の再生時に、接続しようとする映像信号のフレームのGOPに対して、時分割にデコード処理させることにより、従来のように、1GOP分のフレームメモリを確保することなく、最大4フレーム分のフレームメモリを用いるだけで、精度の良い確実なシームレス接続を可能にすることができる。
【0029】
また、YGOPのデコード状態を出力フレームのタイムコードによって判定し、その判定結果を基に、YGOP内でのデコード方法を再生対象のフレームを切り換えて変更することにより、常にシームレス接続を保証することができる。
【0030】
また、YGOPのデコード状態を出力フレームの表示ナンバーによって判定し、その判定結果を基に、YGOP内でのデコード方法を再生対象のフレームを切り換えて変更することにより、常にシームレス接続を保証することができる。
【0031】
また、YGOPのデコード状態をバッファ量によって判定し、その判定結果を基に、YGOP内でのデコード方法を再生対象のフレームを切り換えて変更することにより、常にシームレス接続を保証することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す映像再生方法および映像再生装置について、図面を参照しながら具体的に説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1の映像再生方法および映像再生装置を説明する。
【0033】
図1は本実施の形態1の映像再生装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態の映像再生装置は、図1に示すように、光ディスク101、再生ヘッド102、再生制御情報デコード部103、再生ヘッド制御部104、バッファ105、106、デコード制御部107、ビデオデコード部108から構成される。また、光ディスク101には、MPEG符号化方式で符号化されたデータと、その符号化データの再生を制御するための再生制御情報とが記録されている。
【0034】
このように、記録された符号化データは、二つのエントリーに編集されており、以下のような再生制御情報を持つとする。この再生制御情報は、
エントリー0の内容
開始アドレス=Addr0
終了アドレス=Addr1
開始タイムコード=00:00:00:00
終了タイムコード=00:20:15:05
次のエントリー =1
エントリー1の内容
開始アドレス=Addr2
終了アドレス=Addr3
開始タイムコード=00:40:10:05
終了タイムコード=01:20:32:02
次のエントリー =2
と示してあるものとする。
【0035】
また、本実施の形態でのアクセス単位は、1GOPとし、1GOPは10フレームで構成されるものとする。また、アウト点のフレームXを含むGOPをXGOP、イン点のフレームYを含むGOPをYGOPとする。
【0036】
まず、再生ヘッド102は、光ディスク101から再生制御情報を読み出し、その再生制御情報を再生制御情報デコード部103に入力する。再生制御情報デコード部103は、入力された再生制御情報を解析し、再生ヘッド制御部104に制御情報を入力する。再生ヘッド制御部104は、入力された制御情報に基づいて、再生ヘッド102を制御する。本実施の形態の場合、まずエントリー0のデータのリードを行うように、再生ヘッド102を制御する。そして、その後、エントリー1のデータをリードするように、再生ヘッド102を制御する。
【0037】
再生ヘッド102で読み出されたエントリー0のデータは、バッファ105へ入力され、エントリー1のデータはバッファ106へ入力される。そのようにバッファ105および106に入力されたデータを、ビデオデコード部108がデコード処理し、画像データを生成して出力する。
【0038】
また、ビデオデコード部108は、MPEG2符号化方式で符号化された符号化データをデコード処理するものでり、バッファ105あるいは106の何れのデータをデコードするかは、デコード制御部107からの制御によるものとする。また、ビデオデコード部108は、少なくとも4フレーム分のフレームメモリを持ち、デコードしたフレームの出力すべき時間が来たら、デコードした画像データを出力する。
【0039】
デコード制御部107は、再生制御情報デコード部103の出力する制御情報に基づいて、ビデオデコード部108を制御する。具体的には、デコード制御部107は、バッファ106へのデータ入力が開始された時点で、入力データをバッファ105と106を切替えながら、1フレーム期間に相当する時間に二つのデータをデコードするように、ビデオデコード部108を制御する。
【0040】
また、デコード制御部107は、バッファ105から現在表示中のエントリー0の再生を優先するように、ビデオデコード部108を制御する。これは、再生を乱さないためである。また、デコード制御部107は、フレームXの再生後は、メモリに格納されたフレームYを出力する。フレームYの再生後は、時分割デコードは停止し、バッファ106のストリームのみをデコードするように、ビデオデコード部108を制御する。
【0041】
次に、デコード制御部107の動作を、図2を用いて詳しく説明する。
図2(a)は、ディスク101に記録された1時間20分32秒2フレーム分のデータを示している。上記の再生制御情報によると、00:00:00:00から00:20:15:05まで再生し、00:40:10:05から01:20:32:02まで再生する。つまり、XGOPのフレームXまで再生し、その直後にYGOPのフレームYから再生を開始するものである。
【0042】
図2(b)は、バッファ105、106に取り込まれるデータを示している。図2(c)は、ビデオデコード部108のデコードフレームを示している。エントリー0のフレームI0をデコード後、エントリー1のフレームI0’のデコードを開始する例を示している。図に示されるように、デコード制御部107は、1フレーム時間のうち、エントリー0のデコード時間のあまりをエントリー1のデコードに割り当てるように制御する。
【0043】
以上述べたように、1フレーム時間で時分割にデコード処理をさせることで、接続点でのシームレス再生を実現できる。また、従来のように、1GOP分のフレームメモリを確保する必要はなく、少なくとも4フレーム分のフレームメモリで良い。
【0044】
なお、上記の効果は、ビデオデコード部108が、そのデコード能力として、常に1フレーム時間で2フレーム分がデコード可能なデコード速度を持つ場合に限って得られるものであり、この条件が満たされない場合にも、接続点でのシームレス接続が実現可能な映像再生方法および映像再生装置について、以下の実施の形態で説明する。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の映像再生方法および映像再生装置を説明する。
【0045】
図3は本実施の形態2の映像再生装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態の映像再生装置は、図3に示すように、光ディスク101、再生ヘッド102、再生制御情報デコード部103、再生ヘッド制御部104、バッファ105、106、デコード制御部201、ビデオデコード部108から構成される。なお、光ディスク101、再生ヘッド102、再生制御情報デコード部103、再生ヘッド制御部104、バッファ105、106、ビデオデコード部108は、実施の形態1で述べたものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0046】
デコード制御部201は、実施の形態1のデコード制御部107で説明した機能に加えて、次の機能を持つ。デコード制御部201は、YGOPのデコード開始後では、出力フレームのタイムコード情報とYGOPのデコード進行状態とから、YGOPのデコード方法を決定し、そのデコード方法でYGOPのデコードを継続するように、ビデオデコード部108を制御する。
【0047】
つまり、デコード制御部201は、YGOPのデコード進行状態から、XGOPとのシームレス接続が可能と判断できるときは、そのままYGOPのデコードを継続し、また、シームレス接続が不可能と判断した場合は、フレームY以降に位置するフレーム内符号化フレームが見つかるまでスキップするように、ビデオデコード部108を制御する。デコード制御部201では、シームレス接続の可能あるいは不可能の判断に、フレームのタイムコードを用いる。
【0048】
次に、デコード制御部201の動作を、図4を用いて詳しく説明する。
図4(a)は、ディスクに記録された1時間20分32秒2フレーム分のデータを示している。上記の再生制御情報によると、00:00:00:00から00:20:15:05まで再生し、00:40:10:05から01:20:32:02まで再生する。つまり、XGOPのフレームXまで再生し、その直後にYGOPのフレームYから再生を開始するものである。
【0049】
図4(b)は、バッファ105、106に取り込まれるデータを示している。説明のため、XGOPの各フレームのタイムコードをt0〜t9、YGOPの各フレームのタイムコードをt0’からt9’と略す。
【0050】
図4(c)は、ビデオデコード部108のデコードフレームを示している。図4(c)の例では、XGOPのP3フレームのデコード時間が延びたため、十分なデコード時間がP3’に与えられなかったため、P3’のデコード処理が終わらず、つぎの割り当て時間で残りのデコード処理を継続する。そのため、P3’のデコードに遅延が起きてしまう例である。
【0051】
デコード制御部201は、YGOPの次のフレームをデコードするとき、シームレスが保証できるか判定する。各ポイントで行われる判定内容を以下に示す。
判定1のとき:再生フレームタイムコード t0−1
Diff_Tx=t5−(t0−1)=6フレーム時間
Diff_Ty=t5’−t0=5フレーム時間
判定2のとき:再生タイムコード t0
Diff_Tx=t5−t0=5フレーム時間
Diff_Ty=t5’−t0’=5フレーム時間
判定3のとき:再生タイムコード t1
Diff_Tx=t5−t1=4フレーム時間
Diff_Ty=t5’−t3’+3=5フレーム時間
ここで、各判定において、
Diff_Tx≧Diff_Ty・・・(式1)
を満たすかを判定する。
【0052】
「判定1」および「判定2」では、(式1)を満たすため、シームレス接続可能と判定される。しかし、「判定3」では、(式1)を満たさないため、シームレス不可能と判断し、フレーム内符号化フレームのサーチを行う。図4(c)の例では、I0”が検出され、フレームXの再生後、I0”が再生されることになる。
【0053】
図4(d)は、出力されるフレームを示しており、シームレス接続不可能と判断後し、検出されたI0”が再生されることになる。このように、YGOPのデコード状態によって、再生フレームを切り替えることで、シームレス接続を常に保証することができる。
【0054】
以上述べたように、YGOPのデコード状態を出力フレームのタイムコードによって判定し、判定結果によりYGOPのデコード方法を変更することで、常にシームレス接続を保証することができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3の映像再生方法および映像再生装置を説明する。
【0055】
図5は本実施の形態3の映像再生装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態の映像再生装置は、図5に示すように、光ディスク101、再生ヘッド102、再生制御情報デコード部103、再生ヘッド制御部104、バッファ105、106、デコード制御部301、ビデオデコード部108から構成される。なお、光ディスク101、再生ヘッド102、再生制御情報デコード部103、再生ヘッド制御部104、バッファ105、106、ビデオデコード部108は、実施の形態1で述べたものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0056】
デコード制御部301は、実施の形態1のデコード制御部107で説明した機能に加えて、次の機能を持つ。デコード制御部301は、YGOPのデコード開始後では、出力フレームのタイムコード情報とYGOPのデコード進行状態とから、YGOPのデコード方法を決定し、そのデコード方法でYGOPのデコードを継続するように、ビデオデコード部108を制御する。
【0057】
つまり、デコード制御部301は、YGOPのデコード進行状態から、XGOPとのシームレス接続が可能と判断できるときは、そのままYGOPのデコードを継続し、また、シームレス接続が不可能と判断した場合は、フレームY以降に位置するフレーム内符号化フレームが見つかるまでスキップするように、ビデオデコード部108を制御する。
【0058】
デコード制御部301では、シームレス接続の可能あるいは不可能の判断に、フレームの表示ナンバーを用いる。ここで、表示ナンバーとは、各エントリー内での表示の順番のことである。例えば、MPEG2符号化方式による”temporal reference”を加算していくことで、エントリー内の表示順を算出することは可能である。
【0059】
次に、デコード制御部301の動作を、図6を用いて詳しく説明する。
図6(a)は、ディスクに記録された1時間20分32秒2フレーム分のデータを示している。上記の再生制御情報によると、00:00:00:00から00:20:15:05まで再生し、00:40:10:05から01:20:32:02まで再生する。つまり、XGOPのフレームXまで再生し、その直後にYGOPのフレームYから再生を開始するものである。
【0060】
図6(b)は、バッファ105、106に取り込まれるデータを示している。説明のため、XGOPの各フレームのtemporal referenceをn0〜n9、YGOPの各フレームのtemporal reference をn0’からn9’と略す。
【0061】
図6(c)は、ビデオデコード部108のデコードフレームを示している。図6(c)の例では、XGOPのP3フレームのデコード時間が延びたため、十分なデコード時間がP3’に与えられなかったため、P3’のデコード処理が終わらず、つぎの割り当て時間で残りのデコード処理を継続する。そのため、P3’のデコードに遅延が起きてしまう例である。
【0062】
デコード制御部301は、YGOPの次のフレームをデコードするとき、シームレスが保証できるか判定する。各ポイントで行われる判定内容を以下に示す。なお、XGOPより前に存在するフレーム数をNとする。
【0063】
判定1のとき:再生フレームのフレームナンバー n0−1
Diff_Nx=(N+n5)−(N+n0−1)=6フレーム
Diff_Ny=n5’−n0=5フレーム
判定2のとき:再生フレームのフレームナンバー n0
Diff_Nx=(N+n5)−(N+n0)=5フレーム
Diff_Ny=n5’−n0’=5フレーム
判定3のとき:再生フレームのフレームナンバー n1
Diff_Nx=(N+n5)−(N+n1)=4フレーム
Diff_Ny=n5’−n3’+3=5フレーム
ここで、各判定において、
Diff_Nx≧Diff_Ny・・・(式2)
を満たすかを判定する。
【0064】
「判定1」および「判定2」では、(式2)を満たすため、シームレス接続可能と判定される。しかし、「判定3」では、上記の式を満たさないため、シームレス不可能と判断し、フレーム内符号化フレームのサーチを行う。図6(c)の例では、I0”が検出され、フレームXの再生後、I0”が再生されることになる。
【0065】
図6(d)は、出力されるフレームを示しており、シームレス接続不可能と判断し、その後、検出されたI0”が再生されることになる。このように、YGOPのデコード状態によって、再生フレームを切り替えることで、シームレス接続を常に保証することができる。
【0066】
以上述べたように、YGOPのデコード状態を出力フレームの表示ナンバーによって判定し、判定結果によりYGOPのデコード方法を変更することで、常にシームレス接続を保証することができる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4の映像再生方法および映像再生装置を説明する。
【0067】
図7は本実施の形態4の映像再生装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態の映像再生装置は、図7に示すように、光ディスク101、再生ヘッド102、再生制御情報デコード部103、再生ヘッド制御部104、バッファ105、106、デコード制御部401、ビデオデコード部108、データ量測定部402、403から構成される。なお、光ディスク101、再生ヘッド102、再生制御情報デコード部103、再生ヘッド制御部104、バッファ105、106、ビデオデコード部108は、実施の形態1で述べたものと同様であるので、ここでの説明は省略し、デコード制御部401とデータ量測定部402、403についてのみ説明する。
【0068】
デコード制御部401は、実施の形態1のデコード制御部107で説明した機能に加えて、次の機能を持つ。デコード制御部401は、YGOPのデコード開始後では、出力フレームのタイムコード情報とYGOPのデコード進行状態とから、YGOPのデコード方法を決定し、そのデコード方法でYGOPのデコードを継続するように、ビデオデコード部108を制御する。
【0069】
つまり、デコード制御部401は、YGOPのデコード進行状態から、XGOPとのシームレス接続が可能と判断できるときは、そのままYGOPのデコードを継続し、また、シームレス接続が不可能と判断した場合は、フレームY以降に位置するフレーム内符号化フレームが見つかるまでスキップするように、ビデオデコード部108を制御する。デコード制御部401は、シームレス接続の可能あるいは不可能の判断に、バッファ105および106のデータ量の差分を用いる。
【0070】
データ量測定部402は、再生制御情報デコード部103の出力する制御情報をもとに、バッファ105に蓄積された終了タイムコードのフレームまでのデータ量Diff_Bxを測定する。また、データ量測定部403は、再生制御情報デコード部103の出力する制御情報をもとに、バッファ106に蓄積された開始タイムコードのフレームまでのデータ量Diff_Byを測定する。
【0071】
デコード制御部401は、データ量測定部402と403の算出するDiff_BxとDiff_Byとが、
Diff_Bx≧Diff_By・・・(式3)
を満たしていれば、シームレス接続可能と判断し、YGOPのフレームのデコードを継続する。しかし、上記の(式3)を満たさない場合は、シームレス不可能と判断して、フレームY以降のフレーム内符号化が再生できるようになるまでスキップを行う。
【0072】
以上述べたように、YGOPのデコード状態をバッファ量によって判定し、判定結果によりYGOPのデコード方法を変更することで、常にシームレス接続を保証することができる。
【0073】
なお、実施の形態1〜4では、符号化フレームのデータを格納するために二つのバッファを用いたが、従来のビットバッファに1GOP分サイズを拡大し、バッファの読み出しポイントを切替えて、二つのストリームをデコードするようにしてもよい。
【0074】
また、本実施の形態1〜4では、YGOPのフレームYまでのデコード過程において、両方向予測符号化フレームのデコードを行ったが、このフレームをスキップするようにしてもよい。これにより、さらに高速にフレームYをデコードすることができ、所望の編集点でのシームレス接続の実現が向上する。
【0075】
また、本実施の形態1〜4では、常にシームレス接続不可能と判断した場合、常にシームレス接続を優先させるため、スキップをするように示したが、ユーザーからの選択により、シームレス優先かフレーム優先かを選択可能にてもよい。
【0076】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、映像の再生時に、接続しようとする映像信号のフレームのGOPに対して、時分割にデコード処理させることにより、従来のように、1GOP分のフレームメモリを確保することなく、最大4フレーム分のフレームメモリを用いるだけで、精度の良い確実なシームレス接続を可能にすることができる。
【0077】
そのため、再生対象の映像を、その映像の再生時には、フレームメモリが少ない場合にも、精度よく確実にシームレス接続することができ、常に、正常な映像再生状態を確保することができる。
【0078】
また、YGOPのデコード状態を出力フレームのタイムコードによって判定し、その判定結果を基に、YGOP内でのデコード方法を再生対象のフレームを切り換えて変更することにより、常にシームレス接続を保証することができる。
【0079】
また、YGOPのデコード状態を出力フレームの表示ナンバーによって判定し、その判定結果を基に、YGOP内でのデコード方法を再生対象のフレームを切り換えて変更することにより、常にシームレス接続を保証することができる。
【0080】
また、YGOPのデコード状態をバッファ量によって判定し、その判定結果を基に、YGOP内でのデコード方法を再生対象のフレームを切り換えて変更することにより、常にシームレス接続を保証することができる。
【0081】
以上により、上述のように時分割にデコード処理を行う際に、デコーダのパフォーマンスや復号化するデータのビット量によっては、映像の実時間進行に対して復号化が間に合わない状態が発生し、シームレス接続することができない場合があるが、この場合にも、確実にシームレス接続を実現することができ、正常に映像再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の映像再生装置の構成を示すブロック図
【図2】同実施の形態1の映像再生装置における映像再生方法の説明図
【図3】本発明の実施の形態2の映像再生装置の構成を示すブロック図
【図4】同実施の形態2の映像再生装置における映像再生方法の説明図
【図5】本発明の実施の形態3の映像再生装置の構成を示すブロック図
【図6】同実施の形態3の映像再生装置における映像再生方法の説明図
【図7】本発明の実施の形態4の映像再生装置の構成を示すブロック図
【図8】従来の映像再生装置におけるMPEG符号化の説明図
【図9】同従来例の映像再生装置における映像再生方法の説明図
【符号の説明】
101 光ディスク
102 再生ヘッド
103 再生制御情報デコード部
104 再生ヘッド制御部
105、106 バッファ
107、201、301、401 デコード制御部
108 ビデオデコード部
402、403 データ測定部
Claims (9)
- 映像信号のフレームを単位として、フレーム内で符号化するフレーム内符号化、予測符号化する際に前方向のフレームを参照フレームとする前方向予測符号化、予測符号化する際に前後の両方向のフレームを参照フレームとする両方向予測符号化により前記映像信号を符号化した複数の符号化フレームからなり、そのうち前記フレーム内符号化による符号化フレーム毎を周期としてGOPを形成し、前記GOPの1または複数をアクセス単位として構成された映像データを再生する映像再生方法であって、前記アクセス単位とする1または複数のGOPからなるXGOP中の任意のフレームXまで再生し、前記アクセス単位とする1または複数のGOPからなり前記XGOPより時間的にあとに再生するYGOP中の任意のフレームYを、シームレス接続して再生するに際し、前記XGOPを復号化および再生しつつ、時分割に前記YGOPの復号化を行い、前記フレームXの再生後、直ちに前記フレームYあるいは前記フレームYより時間的にあとに再生する前記フレーム内符号化されたフレームZを再生することを特徴とする映像再生方法。
- 映像信号のフレームを単位として、フレーム内で符号化するフレーム内符号化、予測符号化する際に前方向のフレームを参照フレームとする前方向予測符号化、予測符号化する際に前後の両方向のフレームを参照フレームとする両方向予測符号化により前記映像信号を符号化した複数の符号化フレームからなり、そのうち前記フレーム内符号化による符号化フレーム毎を周期としてGOPを形成し、前記GOPの1または複数をアクセス単位として構成された映像データを再生する映像再生方法であって、前記アクセス単位とする1または複数のGOPからなるXGOP中の任意のフレームXまで再生し、前記アクセス単位とする1または複数のGOPからなり前記XGOPより時間的にあとに再生するYGOP中の任意のフレームYを、シームレス接続して再生するに際し、前記XGOPを復号化および再生しつつ、前記YGOPの復号化を開始し、所定時点での前記XGOPの再生フレームと前記YGOPの復号フレームとのフレーム情報を基に、前記フレームXと前記フレームYのシームレス接続が不可能と判断した場合は、前記フレームYより時間的にあとに再生する前記フレーム内符号化されたフレームZを再生することを特徴とする映像再生方法。
- 前記所定時点での、前記XGOP内の再生フレームの再生時間とフレームXの再生時間との差分をTxとし、前記YGOP内の復号フレームの再生時間とフレームYの再生時間との差分をTyとするとき、Tx≦Tyならば、シームレス接続が不可能と判断することを特徴とする請求項2記載の映像再生方法。
- 前記所定時点での、前記XGOP内の再生フレームとフレームXまでの再生フレーム数をFNxとし、前記YGOP内の復号フレームとフレームYまでの再生フレーム数をFNyとするとき、FNx≦FNyならば、シームレス接続が不可能と判断することを特徴とする請求項2記載の映像再生方法。
- 前記所定時点での、前記XGOP内の再生フレームとフレームXまでの再生データ量をBNxとし、前記YGOP内の復号フレームとフレームYまでの再生データ量をBNyとするとき、BNx≦BNyならば、シームレス接続が不可能と判断することを特徴とする請求項2記載の映像再生方法。
- 前記YGOPの復号化開始後は、1フレームの期間に前記XGOPと前記YGOPの復号化を時分割に行うようにし、前記XGOPの復号化を優先的に行うことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれかに記載の映像再生方法。
- 前記YGOPは、接続点までのフレームは両方向予測符号化されたフレームは復号化を行わず、前記フレームYあるいは前記フレームZからは全てのフレームの復号化を行うことを特徴とする請求項6記載の映像再生方法。
- 前記所定時点を、前記YGOPにおける各フレーム毎のデコード開始時とすることを特徴とする請求項7記載の映像再生方法。
- 請求項1から請求項8のいずれかに記載の映像再生方法により映像再生を行うよう構成したことを特徴とする映像再生装置。
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