以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態における画像処理装置100の回路構成例を示すブロック図である。図1には、動画像などの画像を表示する画像表示部を備える画像表示装置120も示されている。なお、画像表示装置120は、画像処理装置100に内蔵されていてもよい。
画像処理装置100には、CPU101とともに、画像処理制御用のプログラムや動画像による演出パターン等を記憶するROM102と、ワークメモリとして使用されるRAM103とが搭載されている。なお、ROM102およびRAM103は、CPU101に内蔵されていてもよい。
画像表示装置120の表示制御を実行する際に、CPU101は、画像処理制御用のプログラムに応じた描画指示(動画再生させるための制御情報)をGCL(グラフィカル コントローラ LSI)104に与える。GCL104は、描画指示に従って、CGROM105等から必要なデータを読み出す。なお、CGROM105には、後述するムービーデータや、動画像に重畳されて表示されるキャラクタの画像データなどの動画像の表示のために用いられる各種のデータが格納されている。CGROM105は、キャラクタの画像データ等の格納に用いられるため、キャラクタROMと呼ばれることもある。CGROM105に格納されているキャラクタとは、例えば、画像表示装置120に表示される人物、動物、または、文字、図形もしくは記号等からなる画像である。なお、キャラクタには、実写による動画像(映像)や静止画像も含まれる。
GCL104は、CPU101からの描画指示に従って、画像表示装置120に画像を表示させるための画像データを生成し、生成した画像データが示す画像を表示させるための画像表示信号として、ビデオ信号(R(赤),G(緑),B(青)信号および同期信号)を画像表示装置120に出力する。
画像表示装置120は、例えば、多数の画素(ピクセル)を用いたドットマトリクス方式による画面表示を行う。この実施の形態では、R,G,B信号がそれぞれ8ビットで表される。したがって、画像表示装置120は、GCL104からの画像表示信号に従って、R,G,Bそれぞれが256階調であり、約1670万色の多色表示を行うことができる。なお、R,G,B信号のビット数は8ビット以外のビット数であってもよく、また、R,G,B信号の各ビット数が互いに異なる数であってもよい。
画像処理装置100には、CGROM105の他に、SDRAM(シンクロナスDRAM)106等の各種の記憶媒体が備えられている。なお、SDRAM106にはフレームバッファの領域が確保される。また、SDRAM106には、キャラクタのソースデータ、表示色の特定や変更等のために用いられるパレットデータ等の表示画像に関するデータが格納される。ソースデータは画像データであり、元画像のデータという意味でソースデータと表現される。さらに、SDRAM106には、VRAM(ビデオRAM)として使用される領域も確保される。
GCL104は、所定のパレットデータを一時的に保存するためなどに用いられるパレットバッファ107や、所定のCGデータを一時的に保存するためなどに用いられるCGデータバッファ108等の各種の記憶媒体の他、描画制御部109と、画像表示装置120にビデオ信号を出力するための表示信号制御部110と、圧縮動画データの伸長処理を行う動画伸長部111とを含む。
表示信号制御部110は、ビデオ信号をDAC(D−A変換回路)112に出力する。DAC112は、表示信号制御部110からのビデオ信号をアナログ信号として画像表示装置120としてのLCD(液晶表示装置)に出力する。
描画制御部109は、例えば、アトリビュート解析部、VRAMアドレス生成部、クリッピング部および半透明輝度変調部を含む。アトリビュート解析部は、キャラクタを描画する際に使用されるパラメータの解析を行う。パラメータには、画像の描画順序、色数、拡大縮小率、パレット番号、座標等を指定するための情報が設定されている。
図1に示すように、GCL104の内部には、CGバスとVRAMバスとが設けられている。CGROM105とCGバスとの間には、CGバスインタフェース(CGバスI/F)113が設置されている。CGバスにはCPUI/F114も接続され、CPU101は、CPUI/F114を介して、CGバスに接続されている各部にアクセスすることができる。
具体的には、CPU101は、CGバスに接続されている描画制御レジスタ115にアクセスする。描画制御レジスタ115には、描画制御部109に対するCPU101からの描画指示等のデータが格納される。従って、CPU101は、GCL104に対する描画指示を描画制御レジスタ115に書き込み、GCL104は、CPU101からの描画指示を描画制御レジスタ115を介して受け取る。また、SDRAM106とVRAMバスとの間にはVRAMI/F116が設置されている。なお、動画伸長部111は、VRAMバスを介してSDRAM106に設けられているVRAMにアクセスできるとともに、CGバスを介して描画制御レジスタ115にアクセスすることができる。
GCL104は、CPU101からの描画指示に応じて、CGROM105からムービーデータやキャラクタのソースデータを読み出して、VRAMに展開(描画)する。さらに、GCL104は、VRAMに展開された画像データをフレームバッファに格納する。表示信号制御部110は、フレームバッファに格納されている画像データを、ビデオ信号としてDAC112を介して画像表示装置120に出力する。なお、「VRAMに展開」とは、VRAMに書き込むこと、すなわちVRAMに記憶させることを意味する。
図2は、CGROM105に記憶されているムービーデータ(ムービー画像を再生するための動画像データ)の例を示す説明図である。図2に示すように、この例では、複数種類のムービーデータがあらかじめCGROM105に格納されている。
CGROM105に格納されているムービーデータには、図2(A)に示す複数種類のIPBムービーデータと、図2(B)に示す複数種類のIPムービーデータとが含まれている。すなわち、複数種類のIPBムービーデータと、複数種類のIPムービーデータとがあらかじめ作成されてCGROM105に格納されている。
「IPBムービーデータ」は、Iピクチャ(キーピクチャ、フレーム内符号化ピクチャ)と、Pピクチャ(前方向予測符号化ピクチャ)と、Bピクチャ(双方向予測符号化ピクチャ)とを含む圧縮動画データ(IPB圧縮動画データ)である。また、「IPムービーデータ」は、Iピクチャと、Pピクチャとを含む圧縮動画データである。すなわち、IPムービーデータは、Bピクチャを含まない圧縮動画データ(IP圧縮動画データ)である。
「Iピクチャ」は、フレーム内符号化ピクチャと呼ばれるピクチャであって、順次表示される画像における前後の画像を用いることなく、単体で伸長されるピクチャを意味する。「Pピクチャ」は、前方向予測符号化ピクチャと呼ばれるピクチャであって、順次表示される画像のうち、自身よりも前に表示される何れかの画像(例えば、IピクチャまたはPピクチャのうち表示順番が前の最も近いピクチャ)を用いて伸長されるピクチャを意味する。「Bピクチャ」は、双方向予測符号化ピクチャと呼ばれるピクチャであって、順次表示される画像のうち前に表示される何れかの画像(例えば、IピクチャまたはPピクチャのうち表示順番が前の最も近いピクチャ)と後に表示されるいずれかの画像(例えば、IピクチャまたはPピクチャのうち表示順番が後の最も近いピクチャ)とを用いて伸長されるピクチャを意味する。
なお、「Iピクチャ」、「Pピクチャ」、および「Bピクチャ」は、特に言及しない限り、圧縮されている状態の圧縮画像データと伸長された状態の画像データの何れか一方あるいは双方を意味するものとする。また、「ピクチャ」というときには、画像データを意味するときと、画像データにもとづく画像を意味するときと、その双方を意味するときとがある。
図2に示す各ムービーデータは、例えばMPEG2と呼ばれる符号化技術によりデータ圧縮された状態でCGROM105に格納されている。各ムービーデータは、それぞれ、CPU101からの描画指示にもとづいて、GCL104の制御によって、動画像を構成する各画像の圧縮画像データが順次伸長されるとともに、動画像を構成する各画像の画像データがビデオ信号として画像表示装置120に対して順次出力されることで、画像表示装置120に一連の動画像を再生表示するために用いられる。
図2(A)に示すIPBムービーデータのうちムービーデータA1は、動画1用のムービーデータであり、動画1の動画像を再生するためのムービーデータである。同様に、ムービーデータA2〜A7は、それぞれ、動画2〜動画7用のムービーデータであり、動画2〜動画7の動画像を再生するためのムービーデータである。また、ムービーデータA8は、動画8および動画9の前半部分の動画像を再生するためのムービーデータである。そして、ムービーデータA9は動画8の後半部分の動画像を再生するためのムービーデータであり、ムービーデータA10は動画9の後半部分の動画像を再生するためのムービーデータである。すなわち、動画8は、ムービーデータA8とムービーデータA9とが連続して表示されることによって再生され、動画9は、ムービーデータA8とムービーデータA10とが連続して表示されることによって再生される。
なお、動画1〜9は、それぞれ異なる表示態様の動画像である。ただし、動画8と動画9は、前半部分が同一の表示態様であり、後半部分が異なる表示態様の動画像とされている。また、動画1〜9は、それぞれ、一連の動画像の再生表示によってその動画像による報知内容が完結するものであるとする。具体的には、動画1〜9は、それぞれ、一連の動画像によって所定の演出を行うための演出動画や、一連の動画像によって宣伝や広告を行うための宣伝動画や広告動画などとして用いられる動画である。
また、図2(B)に示すIPムービーデータのうちムービーデータB1は、背景1用のムービーデータであり、背景1の動画像を再生するためのムービーデータである。同様に、ムービーデータB2〜B5は、それぞれ、背景2〜背景5用のムービーデータであり、背景2〜背景5の動画像を再生するためのムービーデータである。
背景1〜5は、それぞれ異なる表示態様であり、背景画像として用いられる動画像である。なお、上述した動画8,9のように、背景用のムービーデータに、前半部分が同一の表示態様であり、後半部分が異なる表示態様の動画像とされているムービーデータが含まれていてもよい。
また、背景1〜5は、それぞれ、一連の動画像の再生表示によってその動画像による報知内容が完結しないものであるとする。すなわち、背景1〜5は、それぞれ、例えば、例えば風景や景色などを一定期間ただ漫然と表示することで一連の動画像により背景を表示するための背景動画などとして用いられる動画である。なお、背景1〜5のうちのいずれか1つを繰り返し連続的に再生表示することで背景を継続的に表示するようにしてもよいし、背景1〜5のうちの2以上を繰り返し連続的に再生表示することで背景を継続的に表示するようにしてもよい。また、一連の動画像の再生表示によってその動画像による報知内容が完結しないものであれば、背景動画以外の動画であってもよい。このように、繰り返し連続的に再生表示されるムービーデータがIPムービーデータによって生成されCGROM105に格納されることとし、繰り返し連続的に再生表示されるムービーデータとしてはIPムービーデータのみが用いられるようにしているので、動画再生制御の制御負担を極力軽減させることができる。
なお、本例ではIPムービーデータが背景動画のために用いられているが、複数のIPムービーデータによるそれぞれの動画のうち一部または全部が、一連の動画像によって所定の演出を行うための演出動画や、一連の動画像によって宣伝や広告を行うための宣伝動画や広告動画などの、一連の動画像の再生表示によってその動画像による報知内容が完結するものとされていてもよい。
図2(A)に示す各ムービーデータは、スプライト画像が合成されることなく単独で再生表示される場合と、スプライト画像が合成されて再生表示される場合がある。また、図2(B)に示す背景用のムービーデータは、図2(A)に示したムービーデータやスプライト画像が合成されて再生表示される。
この例では、GCL104は、CPU101からの描画指示にもとづいて、図2に示した複数種類のムービーデータの中からムービー画像演出に使用する所定のムービーデータを選択する。そして、GCL104は、CPU101からの描画指示にもとづいて、選択したムービーデータにもとづく動画像を再生表示するための処理を行う。
なお、上述した各ムービーデータは、例えば、各ムービーデータにもとづく動画における表示物の移動速度が遅い部分と比較して、表示物の移動速度が速い部分にIピクチャを多く用いたデータ構造とされている。このようなデータ構造とされているため、画質を維持しつつ、圧縮動画データのデータ量を極力低減させることができる。
次に、ROM102に格納される表示制御データについて説明する。
表示制御データは、GCL104に描画制御を実行させ画像表示信号を出力させるための描画指示の内容を決定するために用いられるものである。GCL104は、描画指示に従って、画像表示装置120に動画像を表示させるために、描画制御を実行して画像表示信号を出力する。表示制御データは、再生動画ごとに、すなわち本例では動画1〜9(図2参照)それぞれについて別個に、あらかじめ生成されROM102に格納されているものとする。
図3は、表示制御データの内容の例を示す説明図である。図3には、動画1についての表示制御データ(動画1用表示制御データ)の内容の一部が例示されている。
表示制御データは、画像表示装置120にてムービー画像を再生するための情報を含む。表示制御データは、どのムービーデータのどのピクチャ(ムービーデータにもとづくムービー画像を構成する1フレーム分の画像)をどのタイミングで伸長・展開するかという情報、各ピクチャをどのタイミングで表示するかという情報、どのピクチャとどのスプライト画像とをどのように合成してどのタイミングで表示するかという情報を含む。そして、このような情報が、1フレーム期間分毎に分割されて設定されたデータがプロセスデータである。表示制御データは、図3に示すように、複数のプロセスデータが使用順に並べられた構造とされている。
具体的には、ROM102に記憶されている表示制御データには、使用するムービーデータを示す情報、ピクチャの伸長指示を行うことを示す情報、ピクチャの表示指示を行うことを示す情報、使用するムービーデータにもとづく動画像の画像サイズを示す情報、展開モードを示す情報、ムービーデータのフレーム上にスプライト画像を合成するか否かを示す情報、画像表示装置120上に表示するスプライト画像やムービー画像の表示領域の大きさや位置を特定する情報、スプライト画像やムービー画像の拡大・縮小率、スプライト画像やムービー画像の透過率、などの情報を含む。
なお、「表示領域の大きさを特定する情報」とは、画像表示装置120の表示画面のうち、スプライト画像やムービー画像をそれぞれ表示する領域のサイズを示す情報を意味する。なお、スプライト画像やムービー画像をそれぞれ表示する領域のサイズは、一連のムービー画像の再生中に変化(拡大、縮小、変形)することがあってもよい。
図3に示すように、動画1用表示制御データにおいて最初に選択されるプロセスデータ(プロセスデータ1)には、表示制御内容として、使用するムービーデータがムービーデータA1であること、使用するムービーデータA1はIPBムービーデータであり展開モード4を使用すること、1つのピクチャの伸長指示を行うこと、さらにもう1つのピクチャの伸長指示を行うこと、そして1つのピクチャの表示指示を行うことが含まれている。なお、プロセスデータ1における表示指示は、前回使用していた表示制御データにもとづく伸長指示により伸長されているが表示に用いられていない画像データがあればその画像データを用いて表示を行うことを指示するために用いられる。よって、プロセスデータ1における表示指示は、ムービーデータにもとづく動画像の再生が連続して行われる場合における後に再生されるムービーデータにもとづく動画像の再生のための描画指示のときにのみ有効とされ、連続して再生されないときや、連続して再生される場合における最初に再生されるムービーデータにもとづく動画像の再生のための描画指示のときには無効となる。
また、プロセスデータ2には、表示制御内容として、1つのピクチャを展開すること、1つのピクチャを表示することが含まれている。プロセスデータ3には、表示制御内容として、スプライト画像A,B,Cの表示を開始すること、各スプライト画像A,B,Cの表示位置・表示サイズなどの表示態様、1つのピクチャを展開すること、1つのピクチャを表示することが含まれている。同様にして、プロセスデータ4以降についても、動画1を再生するための表示制御内容がそれぞれ設定される。本例では、動画1用表示制御データにもとづいてCPU101が描画指示を行い、この描画指示に応じてGCL106が描画制御を行うことで画像表示信号を出力することで、画像表示装置120に動画1が再生表示される。
図4は、本例で用いられるフレームバッファの例を示す説明図である。図4(A)では、展開モード3のときに用いられる3つのフレームバッファ0〜2が示されている。図4(B)では、展開モード4のときに用いられる4つのフレームバッファ0〜3が示されている。各フレームバッファは、SDRAM106におけるVRAM領域内に設けられている。本例では、動画像の再生に使用するムービーデータがIPBムービーであるときは展開モード4が選択され、動画像の再生に使用するムービーデータがIPムービーであるときは展開モード3が選択される。
次に、本例の画像処理装置100の動作について説明する。
図5は、CPU101によって実行されるVブランク割込処理の例を示すフローチャートである。Vブランク割込処理は、この例では、GCL104からのVブランク割込に応じて実行される。Vブランク割込は、画像表示装置120に供給される垂直同期信号の周期と同周期でGCL104が発生する割込である。例えば、画像表示装置120の画面変更周波数(フレーム周波数)が30Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は33.3msであり、フレーム周波数が60Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は16.7msである。このVブランク割込の発生間隔がフレーム期間となる。例えばVブランク割込の発生周期が33.3msであるときは、フレーム期間も33.3msとなる。
Vブランク割込処理において、まず、CPU101は、再生を開始するか否か判定する(ステップS12)。新たな動画像の再生を開始しない場合には、現在動画再生中であるか否か判定する(ステップS13)。なお、動画再生中であるか否かは、例えばRAM103に格納されている動画再生中フラグの状態によって判定される。
ステップS12では、あらかじめ定められている動画再生開始条件が成立したときに、動画再生を開始すると判定される。動画再生開始条件は、例えば、画像処理装置100のユーザからの再生指示操作(例えば装置100に備えられている入力装置による再生指示操作など)があったとき、あらかじめ定められている動画再生時刻が到来したとき、事前に決定された動画再生タイミングが到来したとき、あるいは、前回の動画再生が終了したときなどに成立するものとすればよい。
本例では、ステップS12,S13に示したように、動画再生中であるか否かに関わらず、動画再生を新たに開始するか否かを判定する。すなわち、動画再生中であっても、新たな動画像の再生を開始することが可能な構成となっている。言い換えると、表示制御データにもとづく描画指示が完了していなくても、表示制御データを切り替えて(同じ表示制御データに切り替える場合も含む)、切り替えた表示制御データにもとづく描画指示を開始することが可能な構成となっている。
動画再生を開始すると判定した場合には、CPU101は、動画再生中フラグをセットしたあと、あらかじめ定められている動画選択条件に従って、再生する動画の種類を選択する(ステップS14)。本例では、図2に示す動画1〜9の中から、再生する1つの動画を選択する。動画選択条件は、例えば、画像処理装置100のユーザからの再生指示操作の指示内容に従うこと、あらかじめ定められた再生順序に従うこと、乱数抽選によりランダムに決定することなどとするようにすればよい。
再生する動画を選択すると、CPU101は、選択した動画に対応する表示制御データをROM102からRAM103に読み出す(ステップS15)。次いで、CPU101は、読み出した表示制御データにおけるプロセスデータ1を参照し、再生する動画などの指定を行うとともに、伸長指示の有無およびその回数、表示指示の有無を確認する(ステップS16)。具体的には、CPU101は、描画指示(動画再生させるための制御情報)の一部として再生する動画(例えば動画A1)を示すデータと、その動画がIPBムービーデータであるかIPムービーデータであるかを示すデータと、その動画の動画サイズを示すデータと、その動画の展開モードを示すデータとを描画制御レジスタ115に書き込むとともに、伸長指示を行うか否か、伸長指示を行う場合にはその伸長指示の回数、表示指示を行うか否かを確認する。そして、ステップS18に移行する。
ステップS13にて動画再生中であると判定した場合には、CPU101は、現在用いられているプロセスデータの次のプロセスデータを参照し、再生中の動画の再生態様の変更(例えば画像サイズの変更)の指定を行うとともに、伸長指示の有無およびその回数、表示指示の有無などを確認する(ステップS17)。なお、参照したプロセスデータが動画再生の終了を示すデータを含むものであった場合には、動画再生中フラグをリセットする。そして、ステップS18に移行する。
次いで、CPU101は、参照したプロセスデータ(ステップS16またはステップS17にて参照したプロセスデータ)に表示指示を行うことが含まれていれば、プロセスデータの設定内容に応じて表示指示を行う(ステップS18)。具体的には、CPU101は、描画指示(動画再生させるための制御情報)の一部として、表示指示を描画制御レジスタ115に書き込む。なお、ステップS18では、前回のフレーム期間で行った伸長指示にもとづく伸長処理が完了したことを示す伸長完了信号をGCL104から受信していなければ、プロセスデータの設定内容にもとづいて、前回のフレーム期間で行った伸長指示と同じ内容の表示指示を行う。すなわち、CPU101は、所定のフレーム期間にて伸長指示を行ったあと、その伸長指示に応じてGCL104が実行している伸長処理が終了する前にそのフレーム期間が終了したときは、次のフレーム期間にて前回のフレーム期間のときと同一の表示指示を行い、同一の画像データにもとづく画像を画像表示装置120に表示させるようにする。
また、CPU101は、参照したプロセスデータ(ステップS16またはステップS17にて参照したプロセスデータ)に伸長指示を行うことが含まれていれば、プロセスデータの設定内容に応じて伸長指示を1回または2回行う(ステップS19)。具体的には、CPU101は、描画指示(動画再生させるための制御情報)の一部として、1つまたは2つの伸長指示を描画制御レジスタ115に書き込む。
次に、CPU101は、今回使用されるプロセスデータ(ステップS16またはステップS17にて参照されたプロセスデータ)を参照し、スプライト画像の表示を開始または更新するか否かを判定する(ステップS20)。
スプライト画像の表示を開始または更新する場合には、CPU101は、今回使用されるプロセスデータを参照し、表示するスプライト画像の種類、表示位置、表示サイズなどのスプライト画像に関わる指示(スプライト画像表示指示)を行う(ステップS21)。具体的には、CPU101は、描画指示(動画再生させるための制御情報)の一部として、スプライト画像表示指示を描画制御レジスタ115に書き込む。
上記のようにして、CPU101は、GCL104に対して、例えば表示指示や伸長指示などを含む描画指示(動画再生させるための制御情報)を行う。
図6は、GCL104が実行する展開処理の例を示すフローチャートである。展開処理において、GCL104は、再生表示する動画等の指定がCPU101からあったか否か判定する(ステップS31)。再生表示する動画が指定されていれば、GCL104は、指定された動画を示すムービーデータを動画像の再生に用いるムービーデータとして設定する(ステップS32)。また、再生表示する動画の画像サイズが指定されていれば、GCL104は、その画像サイズに応じたフレームバッファのサイズを設定する(ステップS33)。また、再生表示する動画における展開モードが指定されていれば、GCL104は、その展開モードを設定する(ステップS34)。また、動画像の再生に用いるムービーデータがIPBムービーデータであるかIPムービーデータであるかが指定されていれば、GCL104は、指定内容に応じてIPBムービーデータまたはIPムービーデータを設定する(ステップS35)。なお、GCL104が、再生表示する動画がどの動画であるかに応じて、画像サイズ、展開モード、IPBムービーデータであるかIPムービーデータであるかを判定するようにしてもよい。
なお、ムービーデータには、各ピクチャの展開順番を示す情報、各ピクチャの表示順番を示す情報などが含まれているものとする。なお、ムービーデータに、そのムービーデータにて再生表示される動画像の画像サイズを示す情報や、そのムービーデータがIPBムービーデータであるかIPムービーデータであるかを示す情報などが含まれていてもよい。
次いで、CPU101からの伸長指示があったときには(ステップS36)、GCL104は、動画像の再生に使用するムービーデータにおける今回の伸長順番のフレームデータ(ピクチャデータ)を抽出して伸長し、SDRAMに設けられているVRAMにおける所定のフレームバッファに展開する(ステップS37)。なお、ステップS37の伸長処理が完了すると、GCL104は、その旨を示す伸長処理完了信号をCPU101に対して送信する。CPU101は、伸長処理完了信号を受信することで、指示した伸長処理が完了したと判断することができる。
また、CPU101からのスプライト画像表示指示があったときには(ステップS38)、GCL104は、スプライト画像表示指示に従って、CPU101から指示されたスプライト画像を表示するためのスプライト画像データをROM105から抽出し(ステップS39)、必要に応じて読み出したスプライト画像データに対してスプライト画像の拡大・縮小、回転、透過のための処理を行って配置し直し、ワークメモリに展開する(ステップS40)。
また、GCL104は、配置したスプライト画像データを、CPU101からのスプライト画像表示指示により指定された範囲でクリッピングして、VRAMに展開する(ステップS41)。このとき、ムービーデータにおける次に表示されるフレームデータがフレームバッファに展開されていれば、そのフレームデータ上にスプライト画像データを展開し、ムービー画像とスプライト画像とを合成する。
GCL104は、CPU101からの描画指示に応じて上述した処理を実行することで、画像表示装置120に表示される各画面の画像を順次生成する。
図7は、CPU101からの表示指示に応じて33ms毎にGCL104によって実行される画像表示処理の例を示すフローチャートである。CPU101からの表示指示が33ms毎になされることによって、画像表示処理が33ms毎に実行されることになる。
画像表示処理において、GCL104は、CPU101からの表示指示があったときに(ステップS51)、VRAM上に展開されている画像データ(例えば、RGB輝度データ)のうち今回の表示順番の画像データを読み出し、表示信号制御部110に供給する(ステップS52)。なお、ステップS52の表示処理が完了すると、GCL104は、その旨を示す表示処理完了信号をCPU101に対して送信する。CPU101は、表示処理完了信号を受信することで、指示した画面表示が完了したと判断することができる。
なお、GCL104は、ステップS51にてCPU101からの表示指示があったときに、VRAM上に展開されている画像データに今回の表示順番(例えば表示順番1)の画像データが無い場合には、VRAM上に表示に用いられていない画像データが展開されていれば、ステップS52にてその画像データを読み出し、表示信号制御部110に供給する。すなわち、表示制御データにおける最初のプロセスデータにもとづく表示指示があったときに、VRAM上に表示に用いられていない画像データが展開されていれば、その画像データを読み出して表示信号制御部110に供給する。なお、表示制御データにおける最初のプロセスデータにもとづく表示指示があったときに、VRAM上に表示に用いられていない画像データは展開されていなければ、表示信号制御部110への画像データの供給は行わない。ステップS52にて表示信号制御部110への画像データの供給を行わなかったときには、GCL104は、その旨を示す表示対象画像無信号をCPU101に対して送信する。CPU101は、表示対象画像無信号を受信することで、表示対象の画像が無かったと判断することができる。
表示信号制御部110は、供給された画像データに従って、例えばLCD駆動信号等の制御信号(ビデオ信号、画像表示信号)を生成し、画像表示装置120に供給する。すると、画像表示装置120の表示画面に、ムービー画像におけるフレーム画像(ピクチャ)や背景画像などが表示される。
上記の各処理(図5〜図7に示す各処理)が繰り返し実行されることで、画像表示装置120にムービー画像の再生画像が表示される。
次に、IPムービーデータにもとづくムービー画像を再生するときの当該ムービー画像を構成する各画像(ピクチャ)の展開タイミングおよび表示タイミングについて説明する。
図8は、IPムービーデータにもとづくムービー画像が再生表示されるときの各ピクチャの伸長タイミングと表示タイミングの例を示す説明図である。図9は、図8に示すタイミングでIPムービーデータが処理されるときのフレームバッファの格納状態の例を示す説明図である。ここでは、簡単のため、図8に示すような13フレーム期間分の処理によって動画像が再生表示されるIPムービーデータを用いて説明する。
IPムービーデータにもとづくムービー画像を再生表示する際には、各ピクチャの伸長順序と表示順序とが異なることがなく、伸長した順番で各ピクチャが表示される。従って、各ピクチャにおける伸長順番と表示順番とは一致している。
CPU101は、IPムービーデータにもとづくムービー画像を再生表示するときには、最初のフレーム期間(F1)にて、GCL104に対して、表示制御データにもとづいて、再生表示に用いるムービーデータの種類の指定などを行ったあと(ステップS16参照)、伸長指示を行う(ステップS19参照)。
GCL104は、指定されたムービーデータをCGROM105から読み出し(ステップS32参照)、再生表示に用いるムービーデータとして指定されたムービーデータがIPムービーデータであるため展開モード3に設定する(ステップS34参照)。
また、GCL104は、伸長指示に応じて、図9に示すように、最初のフレーム期間(F1)にて、伸長順番が1番目とされているピクチャI1を伸長してフレームバッファ0に展開する(ステップS37参照)。なお、フレームバッファ0〜2のうち画像データを展開するフレームバッファは、例えば、画像データが何ら記憶されていないフレームバッファや、表示や他のピクチャの展開のために今後は使用されることがない画像データが記憶されているフレームバッファの中から任意に決定される。
次いで、CPU101は、2番目のフレーム期間(F2)にて、表示制御データにもとづいて、GCL104に対して、表示指示を行うとともに(ステップS18参照)、伸長指示を行う(ステップS19参照)。
GCL104は、表示指示に応じて、2番目のフレーム期間(F2)にて、前回のフレーム期間(F1)でフレームバッファ0に展開したピクチャI1を表示するためのビデオ信号を画像表示装置120に対して出力する(ステップS52参照)。また、GCL104は、伸長指示に応じて、図9に示すように、2番目のフレーム期間(F2)にて、伸長順番が2番目とされているピクチャP1を伸長してフレームバッファ1に展開する(ステップS37参照)。
その後は、CPU101は、各フレーム期間(F3〜F12)毎に表示指示と伸長指示とを繰り返し出力する。GCL104は、各フレーム期間(F3〜F12)におけるCPU101からの表示指示に応じて、それぞれ、あらかじめ定められている表示順番に従って、前回のフレーム期間で展開されたピクチャを表示するためのビデオ信号を画像表示装置120に対して出力す(ステップS52参照)。また、GCL104は、各フレーム期間(F3〜F12)におけるCPU101からの伸長指示に応じて、あらかじめ定められている伸長順番に従って、次のフレーム期間で表示されるピクチャを伸長して所望のフレームバッファに展開する(ステップS37参照)。
そして、CPU101は、最後のフレーム期間(F13)にて、表示制御データにもとづいて、GCL104に対して、表示指示を行う(ステップS18参照)。なお、最後のフレーム期間(F13)では、CPU101による伸長指示はなされない。GCL104は、フレーム期間(F13)におけるCPU101からの表示指示に応じて、前回のフレーム期間(F12)で展開した最後のピクチャP9を表示するためのビデオ信号を画像表示装置120に対して出力する(ステップS52参照)。
次に、IPBムービーデータにもとづくムービー画像を再生するときの当該ムービー画像を構成する各画像(ピクチャ)の展開タイミングおよび表示タイミングについて説明する。
図10(A)は、IPBムービーデータにもとづくムービー画像が再生表示されるときの各ピクチャの伸長タイミングと表示タイミングの例を示す説明図である。図11は、図10(A)に示すタイミングでIPBムービーデータが処理されるときのフレームバッファの格納状態の例を示す説明図である。ここでは、簡単のため、図10(A)に示すような13フレーム期間分の処理によって動画像が再生表示されるIPBムービーデータを用いて説明する。
IPBムービーデータにもとづくムービー画像を再生表示する際には、各ピクチャの伸長順序と表示順序とが異なる部分がある。このため、各ピクチャにおける伸長順番と表示順番とが一致しない部分がる。
CPU101は、IPBムービーデータにもとづくムービー画像を再生表示するときには、最初のフレーム期間(F1)にて、GCL104に対して、表示制御データにもとづいて、再生表示に用いるムービーデータの指定などを行ったあと(ステップS16参照)、2回の伸長指示を行う(ステップS19参照)。
GCL104は、再生表示に用いるムービーデータとして指定されたムービーデータをCGROM105から読み出し(ステップS32参照)、その指定されたムービーデータがIPBムービーデータであるため展開モード4を設定する(ステップS34参照)。
また、GCL104は、図11に示すように、最初のフレーム期間(F1)にて、1回目の伸長指示に応じて伸長順番が1番目とされているピクチャI1を伸長してフレームバッファ0に展開するとともに(ステップS37参照)、2回目の伸長指示に応じて伸長順番が2番目とされているピクチャP1を伸長してフレームバッファ1に展開する(ステップS37参照)。すなわち、GCL104は、最初のフレーム期間(F1)にて、上述したステップS37の伸長・展開処理を2回実行する。なお、フレームバッファ0〜3のうち画像データを展開するフレームバッファは、例えば、画像データが何ら記憶されていないフレームバッファや、表示や他のピクチャの展開に今後は使用されることがない画像データが記憶されているフレームバッファの中から任意に決定される。
次いで、CPU101は、2番目のフレーム期間(F2)にて、表示制御データにもとづいて、GCL104に対して、表示指示を行うとともに(ステップS18参照)、伸長指示を行う(ステップS19参照)。
GCL104は、表示指示に応じて、2番目のフレーム期間(F2)にて、前回のフレーム期間(F1)でフレームバッファ0に展開したピクチャI1を表示するためのビデオ信号を画像表示装置120に対して出力する(ステップS52参照)。また、GCL104は、伸長指示に応じて、図11に示すように、2番目のフレーム期間(F2)にて、伸長順番が3番目とされているピクチャP2を伸長してフレームバッファ2に展開する(ステップS37参照)。
その後は、CPU101は、各フレーム期間(F3〜F11)毎に表示指示および伸長指示を繰り返し出力する。GCL104は、各フレーム期間(F3〜F11)におけるCPU101からの表示指示に応じて、それぞれ、あらかじめ定められている表示順番に従って、前回のフレーム期間までに展開されているピクチャを表示するためのビデオ信号を画像表示装置120に対して出力す(ステップS52参照)。また、GCL104は、各フレーム期間(F3〜F11)におけるCPU101からの伸長指示に応じて、あらかじめ定められている伸長順番に従って、次のフレーム期間以降のフレーム期間で他のピクチャの展開に用いられたり表示されたりするピクチャを伸長して所望のフレームバッファに展開する(ステップS37参照)。
そして、CPU101は、最後から2番目のフレーム期間(F12)にて、表示制御データにもとづいて、GCL104に対して、表示指示を行う(ステップS18参照)。なお、最後から2番目のフレーム期間(F12)では、CPU101による伸長指示はなされない。GCL104は、フレーム期間(F12)におけるCPU101からの表示指示に応じて、前回のフレーム期間(F11)までに展開されている最後から2番目の表示順番のピクチャB5を表示するためのビデオ信号を画像表示装置120に対して出力する(ステップS52参照)。
さらに、CPU101は、最後のフレーム期間(F13)にて、表示制御データにもとづいて、GCL104に対して、表示指示を行う(ステップS18参照)。なお、最後のフレーム期間(F13)においても、CPU101による伸長指示はなされない。GCL104は、フレーム期間(F13)におけるCPU101からの表示指示に応じて、前回のフレーム期間(F12)までに展開されている最後の表示順番のピクチャP5を表示するためのビデオ信号を画像表示装置120に対して出力する(ステップS52参照)。
従来では、IPBムービーデータにもとづくムービー画像を再生表示するときには、図10(B)に示すように、最初のフレーム期間(F1)で伸長順番が1番目のピクチャI1が伸長されて展開され、次のフレーム期間(F2)で伸長順番が2番目のピクチャP1が伸長されて展開される。次いで、3回目のフレーム期間(F3)にて、伸長順番が3番目のピクチャP2が伸長されて展開されるとともに、表示順番が1番目のピクチャI1が表示される。
その後のフレーム期間(F3〜F12)では、それぞれ、フレーム期間(F3)と同様にして、伸長順番とされているピクチャが伸長されて所望のフレームバッファに展開されるとともに、表示順番とされているピクチャが表示される処理が実行される。
そして、最後から2番目のフレーム期間(F13)にて、あらかじめ定められている表示順番に従って、前回のフレーム期間までに展開されているピクチャB5を表示し、最後のフレーム期間(F14)にて、あらかじめ定められている表示順番に従って、前回のフレーム期間までに展開されている最後のピクチャP5を表示する処理が実行される。
以上説明したように、CPU101が、動画像の再生表示を開始させる際の最初のフレーム期間における描画指示にて、動画像の再生表示に用いる圧縮動画データの指示を行うとともに伸長指示を開始し、伸長指示を開始した最初の描画指示を行ったフレーム期間の次のフレーム期間における次の描画指示にて表示指示を開始し、最初の描画指示にてIPBムービーデータを指示していたときには、最初のフレーム期間にて2回の伸長指示を行う構成としているので、動画再生制御における伸長処理の実行タイミングの管理を容易にすることができる。
すなわち、IPムービーデータを再生するときとIPBムービーデータを再生するときの何れであっても、各ピクチャの表示処理を開始する1フレーム期間前にピクチャの伸長処理を開始することができるようになり、IPムービーデータとIPBムービーデータとが混在している場合であっても、ピクチャの伸長処理を開始するタイミングが共通化されているため、動画像の再生のための動画再生制御における伸長処理の実行タイミングの管理が容易となる。
上記のように、ムービーデータの種類によらずに共通の実行タイミングで伸長処理が行われることとされ、動画再生制御における伸長処理の実行タイミングの管理が容易とされているので、IPムービーデータとIPBムービーデータとを混在させた動画再生制御の制御内容(例えば、制御フロー、制御プログラム)の設計が容易となる。具体的には、動画再生制御の制御内容の設計を行う設計者が、動画再生制御における各ムービーデータの出現箇所の割り当てを行う際に、IPムービーデータであるかIPBムービーデータであるかを意識することなく各ムービーデータを割り当てることができ、動画再生制御の制御内容を容易に設計することができるようになる。よって、動画再生制御のための制御プログラムの開発などのための作業負担を軽減させることができる。
従来は、図10(B)に示したように、IPBムービーデータについては各ピクチャの表示処理を開始する2フレーム期間前にピクチャの伸長処理が開始されていたので、IPムービーデータの再生処理を行うときとピクチャの伸長処理を開始するタイミングが異なっていた。このため、動画再生制御の制御内容の設計を行う設計者は、IPムービーデータであるかIPBムービーデータであるかによって再生制御を開始してから動画表示が開始されるまでの期間が異なる(1フレーム期間ずれる)ことを加味して、動画再生制御における各ムービーデータの出現箇所の割り当てを行う必要があった。これに対して、上述した実施の形態では、IPムービーデータであるかIPBムービーデータであるかを意識することなく各ムービーデータを割り当てることができ、動画再生制御の制御内容を容易に設計することができるのである。
なお、上述した実施の形態では、IPBムービーデータにもとづく動画像の再生表示を行うときに、最初のフレーム期間にて2回の伸長指示を行う構成としていたが、1フレーム期間内で実行される各処理を完了可能な処理能力をGCL104が備えている場合には、3回以上の伸長指示を行うようにしてもよい。この場合、2回目以降のフレーム期間において伸長指示を行わないフレーム期間を増やすようにすればよい。
また、上述した実施の形態では、IPBムービーデータにもとづく動画像の再生表示を行うときに、最初のフレーム期間にて2回の伸長指示を行う構成としていたが、2回の伸長指示を最初のフレーム期間で行う必要はなく、Bピクチャの伸長を指示するための伸長指示が最初になされるフレーム期間以前の何れかのフレーム期間で行うようにしてもよい。
図12は、IPBムービーデータにもとづくムービー画像が再生表示されるときの各ピクチャの展開タイミングと表示タイミングの他の例を示す説明図である。図13は、図12に示すタイミングでIPBムービーデータが処理されるときのフレームバッファの格納状態の例を示す説明図である。ここでは、Bピクチャの伸長を指示するための伸長指示が最初になされる3番目のフレーム期間(F3)で2回の伸長指示がなされるものとする。また、ここでは、簡単のため、図12に示すような13フレーム期間分の処理によって動画像が再生表示されるIPBムービーデータを用いて説明する。
CPU101は、IPBムービーデータにもとづくムービー画像を再生表示するときには、最初のフレーム期間(F1)にて、GCL104に対して、表示制御データにもとづいて、再生表示に用いるムービーデータの指定などを行ったあと(ステップS16参照)、ここでは1回の伸長指示を行う(ステップS19参照)。
GCL104は、再生表示に用いるムービーデータとしてCPU101から指定されたムービーデータをCGROM105から読み出し、指定されたムービーデータがIPBムービーデータであるため展開モード4に決定する。
また、GCL104は、図11に示すように、最初のフレーム期間(F1)にて、1回目の伸長指示に応じて伸長順番が1番目とされているピクチャI1を伸長してフレームバッファ0に展開する(ステップS37参照)。
次いで、CPU101は、2番目のフレーム期間(F2)にて、表示制御データにもとづいて、GCL104に対して、表示指示を行うとともに(ステップS18参照)、1回の伸長指示を行う(ステップS19参照)。
GCL104は、表示指示に応じて、2番目のフレーム期間(F2)にて、前回のフレーム期間(F1)でフレームバッファ0に展開したピクチャI1を表示するためのビデオ信号を画像表示装置120に対して出力する(ステップS52参照)。また、GCL104は、伸長指示に応じて、図11に示すように、2番目のフレーム期間(F2)にて、伸長順番が2番目とされているピクチャP1を伸長してフレームバッファ1に展開する(ステップS37参照)。
次いで、CPU101は、3番目のフレーム期間(F3)にて、表示制御データにもとづいて、GCL104に対して、表示指示を行うとともに(ステップS18参照)、ここでは2回の伸長指示を行う(ステップS19参照)。
GCL104は、表示指示に応じて、3番目のフレーム期間(F3)にて、前回のフレーム期間(F2)でフレームバッファ0に展開したピクチャP1を表示するためのビデオ信号を画像表示装置120に対して出力する(ステップS52参照)。
また、GCL104は、図13に示すように、3番目のフレーム期間(F3)にて、1回目の伸長指示に応じて伸長順番が3番目とされているピクチャP2を伸長してフレームバッファ2に展開するとともに(ステップS37参照)、2回目の伸長指示に応じて伸長順番が4番目とされているピクチャB1を伸長してフレームバッファ3に展開する(ステップS37参照)。すなわち、GCL104は、Bピクチャが最初に伸長・展開されるフレーム期間(ここではF3)にて、上述したステップS37の伸長・展開処理を2回実行する。
その後は、CPU101は、各フレーム期間(F4〜F11)毎に表示指示および伸長指示を繰り返し出力する。GCL104は、各フレーム期間(F4〜F11)におけるCPU101からの表示指示に応じて、それぞれ、あらかじめ定められている表示順番に従って、前回のフレーム期間までに展開されているピクチャを表示するためのビデオ信号を画像表示装置120に対して出力す(ステップS52参照)。また、GCL104は、各フレーム期間(F4〜F11)におけるCPU101からの伸長指示に応じて、あらかじめ定められている伸長順番に従って、次のフレーム期間以降のフレーム期間で他のピクチャの展開に用いられたり表示されたりするピクチャを伸長して所望のフレームバッファに展開する(ステップS37参照)。
そして、CPU101は、最後から2番目のフレーム期間(F12)にて、表示制御データにもとづいて、GCL104に対して、表示指示を行う(ステップS18参照)。なお、最後から2番目のフレーム期間(F12)では、CPU101による伸長指示はなされない。GCL104は、フレーム期間(F12)におけるCPU101からの表示指示に応じて、前回のフレーム期間(F11)までに展開されている最後から2番目の表示順番のピクチャB5を表示するためのビデオ信号を画像表示装置120に対して出力する(ステップS52参照)。
さらに、CPU101は、最後のフレーム期間(F13)にて、表示制御データにもとづいて、GCL104に対して、表示指示を行う(ステップS18参照)。なお、最後のフレーム期間(F13)においても、CPU101による伸長指示はなされない。GCL104は、フレーム期間(F13)におけるCPU101からの表示指示に応じて、前回のフレーム期間(F12)までに展開されている最後の表示順番のピクチャP5を表示するためのビデオ信号を画像表示装置120に対して出力する(ステップS52参照)。
上記のように、CPU101が、動画像の再生表示を開始させる際の最初のフレーム期間における描画指示にて、動画像の再生表示に用いる圧縮動画データの指示を行うとともに伸長指示を開始し、伸長指示を開始した最初の描画指示を行ったフレーム期間の次のフレーム期間における次の描画指示にて表示指示を開始し、最初の描画指示にてIPBムービーデータを指示していたときには、Bピクチャの伸長を指示するための伸長指示が最初になされるフレーム期間以前のフレーム期間における描画指示にて、複数回の伸長指示を行う構成とした場合であっても、上述した実施の形態と同様に、動画再生制御における伸長処理の実行タイミングの管理を容易にすることができる。
また、上述した各実施の形態では、GCL104が、Bピクチャを含むIPBムービーデータであったときは、Bピクチャを含まないIPムービーデータであったときよりも、伸長処理で用いるフレームバッファの数を多い数に決定(上記の例では、3つよりも多い4つに決定)するように構成されているので、動画像の再生表示に用いる圧縮動画データがBピクチャを含むか否かに応じて動画再生制御に用いる記憶領域の容量を適切に決定することができる。
また、上述した各実施の形態では、GCL104が、伸長処理にて、CPU101からの描画指示にて指示された動画像の再生表示に用いる圧縮動画データにもとづく当該動画像における画像サイズを判別し、判別結果に応じたサイズの記憶領域をフレームバッファとして設定する構成とされているので、動画像の再生表示に用いる圧縮動画データにもとづく当該動画像の画像サイズに応じて動画再生制御に用いる記憶領域の容量を適切に決定することができる。
また、上述した各実施の形態では、CPU101が、所定のフレーム期間にて伸長指示を行ったあと、その伸長指示に応じてGCL104が実行している伸長処理が終了する前にそのフレーム期間が終了したときは、次のフレーム期間にて前回のフレーム期間のときと同一の表示指示を行い、同一の画像データにもとづく画像を画像表示装置120に表示させるようにしている。この場合、GCL104は、あるフレーム期間におけるCPU101からの伸長指示に応じて実行している伸長処理が終了する前に、次のフレーム期間におけるCPU101からの描画指示(例えば表示指示)を受けたときは、伸長処理によって伸長され展開されている途中の画像データを放棄(消去)して、受信した表示指示に応じたビデオ信号を出力するようにすればよい。よって、このような場合、前のフレーム期間にて表示した画像と同じ画像が再度表示されることになる。このように構成すれば、画面のちらつきを防止することができる。
また、上述した各実施の形態では特に言及していないが、GCL104が、1フレーム期間毎に画像データ上に合成されるスプライト画像が更新される毎に、2フレーム期間毎に伸長処理にて伸長された画像データがフレームバッファに記憶されるようにしてもよい。この場合、例えば、ステップS20,S21の処理を1フレーム期間毎に行い、ステップS18,S19の処理を2フレーム毎に行うようにすればよい。具体的には、例えば図14に示すような表示制御データにもとづいて、CPU101が描画指示を行うようにすればよい。すなわち、CPU101は、例えば図14に示す表示制御データにもとづいて、プロセスデータ番号が奇数のときのフレーム期間では必要に応じて伸長指示や表示指示を行うとともにスプライト画像表示指示を行い、プロセスデータ番号が偶数のときのフレーム期間では伸長指示や表示指示を行うことなく必要に応じてスプライト画像表示指示を行うようにすればよい。そして、GCL104が、あるフレーム期間において伸長指示や表示指示を受けることなくスプライト画像表示指示を受けたときには、前回のフレーム期間のときに使用した画像データと同じ画像データを示すビデオ信号を送信するようにすればよい。このように構成すれば、精密な表示を実現しつつ、画像合成に関わる制御負担が重くなることを防止できる。
また、上述した実施の形態では、IPBムービーデータを再生表示する際には、最後の2フレーム期間はピクチャの伸長・展開が行われることなく表示だけが行われるようになっていたが(図10参照)、IPBムービーデータが再生表示されるときに最後の表示順番のピクチャを表示せずに、IPムービーデータと同じように、最後の1フレーム期間だけピクチャの伸長・展開が行われることなく表示だけが行われるようにすることが好ましい。この場合、IPBムービーデータにおける最後の表示順番のピクチャが表示されるフレーム期間にて、設定されている表示制御データを、次に再生表示する動画像を示すIPムービーデータの表示制御データに切り替えるようにすればよい。
図15(A)は、最後の伸長順番となっているピクチャがBピクチャとなっているIPBムービーデータを再生する際に、最後の表示順番のピクチャを表示しないとしたときの伸長タイミングと表示タイミングの例を示すタイミング図である。ここでは、簡単のため、図15(A)に示すような、最後の表示順番のピクチャを表示すれば13フレーム期間分の処理によって動画像が再生表示されるが、最後の表示順番のピクチャが表示されないため12フレーム期間分の処理によって動画像が再生表示されることとなるIPBムービーデータを用いて説明する。なお、図15(A)に示す例では、IPBムービーデータのあとに続けてIPムービーデータにもとづく動画像が再生表示されることになっている。図16は、図15(A)に示すIPBムービーデータの再生するために用いられる表示制御データの例を示す説明図である。図17は、図15(A)に示すIPムービーデータの再生するために用いられる表示制御データの例を示す説明図である。なお、ここでは、IPムービーデータB1は、背景用のムービーデータではなく、演出表示用のムービーデータであるものとする。
図15(A)に示すIPBムービーデータは、最後の表示順番であるピクチャ(最終表示予定画像:ここではピクチャP5)が、再生表示されている動画像において表示されなくても少なくとも見た目上支障のないダミーピクチャとして生成されているものとする。「ダミーピクチャ」としては、例えば全体が1色の画像や、表示上最後の表示順番となるピクチャ(図15(A)に示す例では、ピクチャP5の1フレーム期間前に表示されるものとして設定されているピクチャB5)と同一の画像などが考えられる。ダミーピクチャを表示上最後の表示順番となるピクチャと同一の画像とすれば、ダミーピクチャが表示されなくても同じ画像は既に表示されているため見た目上支障がなく、また、ダミーピクチャがたとえ誤って表示されたとしても見た目上の違和感がないようにすることができる。なお、ダミーピクチャは、ムービーデータにもとづく再生表示が続けてなされないとき(連続して動画像が再生表示されないとき)には、ダミーとはならずに表示される。
CPU101は、各フレーム期間(F1〜F11)にて、GCL104に対して、表示制御データにもとづいて表示指示や伸長指示などの描画指示を行う(ステップS18,ステップS19参照)。
GCL104は、CPU101からの描画指示に応じて、各フレーム期間(F1〜F11)において、前回のフレーム期間までにフレームバッファに展開されているピクチャを表示するためのビデオ信号を画像表示装置120に対して出力する処理(ステップS52参照)、伸長順番に従って各ピクチャを伸長してフレームバッファに展開する処理(ステップS37参照)などを行う。
そして、CPU101は、12番目のフレーム期間(F12)が開始されたときに(ステップS12参照)、新たな動画再生を開始することに決定し(ステップS12のY参照)、ここではムービーデータB1を選択し(ステップS14参照)、図17に示すIPムービーデータの表示制御データに切り替えて(ステップS15参照)、GCL104に対して、新たに設定したIPムービーデータの表示制御データ(プロセスデータ番号1のプロセスデータ)にもとづいて、IPムービーデータB1の指定(ステップS16参照)などの他、表示指示(ステップS18参照)および伸長指示(ステップS19参照)を行う。すなわち、IPBムービーデータの表示制御データにおける12番目のフレーム期間が、新たに設定したIPムービーデータの表示制御データにおける1番目のフレーム期間に切り替わる。このように、CPU101は、12番目のフレーム期間(F12)における最後から2番目の表示順番のピクチャ(この例ではピクチャB5)の表示指示と、13番目のフレーム期間(F13)における最後の表示順番のピクチャ(この例ではピクチャP5)の表示指示とを行うことなく、IPBムービーデータの表示制御データにもとづく描画指示を終了し、新たに設定したIPムービーデータの表示制御データにもとづく描画指示を開始する。
GCL104は、CPU101にて新たに設定された表示制御データにもとづく1番目のフレーム期間(F1)において、CPU101からのムービーデータの指定に応じて、IPムービーデータB1の設定などを行う(ステップS32〜S35参照)。
また、GCL104は、CPU101にて新たに設定された表示制御データにもとづく1番目のフレーム期間(F1)において、CPU101からの表示指示に応じて、前回のフレーム期間までにフレームバッファに展開されているIPBムービーデータA2のピクチャB5を表示するためのビデオ信号を画像表示装置120に対して出力する(ステップS52参照)。すなわち、GCL104は、CPU101からの表示指示を受けたときに、次の表示順番であるに表示順番1に相当する画像データがフレームバッファに展開されていないため、既に展開されており未だ表示に用いられていないピクチャのうち、表示順番が最も早いピクチャB5を表示するためのビデオ信号を画像表示装置120に対して出力する。
さらに、GCL104は、CPU101にて新たに設定された表示制御データにもとづく1番目のフレーム期間(F1)において、CPU101からの伸長指示に応じて、IPムービーデータB1における伸長順番が1番目のピクチャI1を伸長してフレームバッファに展開する(ステップS37参照)。
その後、CPU101は、IPムービーデータB1についての各フレーム期間(F2〜F6)にて、GCL104に対して、表示制御データにもとづいて表示指示や伸長指示などの描画指示を行う(ステップS18,ステップS19参照)。
GCL104は、CPU101からの描画指示に応じて、各フレーム期間(F2〜F6)において、前回のフレーム期間にてフレームバッファに展開されているピクチャを表示するためのビデオ信号を画像表示装置120に対して出力する処理(ステップS52参照)、伸長順番に従って各ピクチャを伸長してフレームバッファに展開する処理(ステップS37参照)などを行う。
このようにして、IPBムービーデータによる動画像の再生表示が終了したあとに、続けてIPムービーデータによる動画像の再生表示が開始される。なお、続けてIPBムービーデータによる動画像の再生表示が開始される場合も、伸長処理が開始されるフレーム期間の次のフレーム期間で表示処理が開始されるものであれば、上述した例と同様に処理を行うことが可能である。
上記のように、CPU101が、動画像の再生表示を開始させる際の最初のフレーム期間における描画指示にて、動画像の再生表示に用いる圧縮動画データの指示を行うとともに伸長指示を開始し、伸長指示を開始した最初の描画指示を行ったフレーム期間の次のフレーム期間における次の描画指示にて表示指示を開始し、最初の描画指示にてIPBムービーデータを指示していたときには、Bピクチャの伸長を指示するための伸長指示が最初になされるフレーム期間以前のフレーム期間における描画指示にて、複数回の伸長指示を行う構成とし、さらに、IPBムービーデータの最後の表示順番のピクチャを表示することなく、表示順番が最後から2番目のピクチャの表示に続けて次のIPムービーデータの再生表示を開始するようにしているので、IPBムービーデータの再生表示の後に続けてIPムービーデータの再生表示を行うときでも、続けて再生表示するIPムービーデータについての動画再生制御を開始するタイミングを共通化することができるようになり、動画再生制御の実行タイミングの管理を容易にすることができる。
すなわち、IPムービーデータの後にIPムービーデータを続けて再生するときとIPBムービーデータの後にIPムービーデータを続けて再生するときの何れであっても、先に再生表示しているムービーデータにおいて最後の伸長指示を行ったフレーム期間の次のフレーム期間からIPムービーデータの動画再生制御を開始することができるようになり、IPムービーデータとIPBムービーデータとが混在している場合であっても、IPムービーデータの後にIPムービーデータを続けて再生するときとIPBムービーデータの後にIPムービーデータを続けて再生するときとで続けて再生するIPムービーデータにおけるピクチャの伸長処理を開始するタイミングが共通化されているため、動画再生制御における伸長処理の実行タイミングの管理が容易となる。
上記のように、先に再生表示されるムービーデータの種類によらずに共通の実行タイミングで後に再生表示されるIPムービーデータの伸長処理が開始することとされ、続けて再生するIPムービーデータの動画再生制御における伸長処理の実行タイミングの管理が容易とされているので、IPムービーデータとIPBムービーデータとを混在させた動画再生制御の制御内容(例えば、制御フロー、制御プログラム)の設計が容易となる。具体的には、動画再生制御の制御内容の設計を行う設計者が、動画再生制御における各ムービーデータの出現箇所の割り当てを行う際に、先に再生表示するムービーデータの種類がIPムービーデータであるかIPBムービーデータであるかを意識することなく、続けて再生表示する各IPムービーデータを割り当てることができ、動画再生制御の制御内容を容易に設計することができるようになる。よって、動画再生制御のための制御プログラムの開発などのための作業負担を軽減させることができる。
特に、上記の例では、先に再生するIPBムービーデータが、実際には表示されない最終表示予定画像を示す画像データが他のピクチャ(図15(A)に示した例ではピクチャB4、ピクチャB5)の伸長処理に使用されるものとされているので、IPBムービーデータにおける全てのピクチャを動画再生制御のために使用される必要なピクチャとすることができ、ムービーデータのデータ容量に無駄を生じさせないようにすることができるとともに、GCL104に不必要な伸長・展開処理を実行させて無用な処理のために負荷を増大させてしまうことを防止することができる。すなわち、GCL104における最終表示予定画像の伸長・展開処理を有効な処理とすることができる。
図15(B)は、最後の伸長順番となっているピクチャがBピクチャでないIPBムービーデータを再生する際に、最後の表示順番のピクチャを表示しないとしたときの伸長タイミングと表示タイミングの例を示すタイミング図である。ここでは、簡単のため、図15(B)に示すような、最後の表示順番のピクチャを表示すれば13フレーム期間分の処理によって動画像が再生表示されるが、最後の表示順番のピクチャが表示されないため12フレーム期間分の処理によって動画像が再生表示されることとなるIPBムービーデータを用いて説明する。なお、図15(B)に示す例では、IPBムービーデータのあとに続けてIPムービーデータにもとづく動画像が再生表示されることになっている。図18は、図15(B)に示すIPBムービーデータの再生するために用いられる表示制御データの例を示す説明図である。図15(B)に示すIPムービーデータの再生するために用いられる表示制御データは、上述した図17に示した例と同一である。なお、ここでは、IPムービーデータB1は、背景用のムービーデータではなく、演出表示用のムービーデータであるものとする。
図15(B)に示すIPBムービーデータは、最後の表示順番となるピクチャ(最終表示予定画像:ここではピクチャP6)が、再生表示されている動画像において表示されなくても少なくとも見た目上支障のないダミーピクチャとして生成されているものとする。
CPU101は、各フレーム期間(F1〜F11)にて、GCL104に対して、表示制御データにもとづいて表示指示や伸長指示などの描画指示を行う(ステップS18,ステップS19参照)。
GCL104は、CPU101からの描画指示に応じて、各フレーム期間(F1〜F11)において、前回のフレーム期間までにフレームバッファに展開されているピクチャを表示するためのビデオ信号を画像表示装置120に対して出力する処理(ステップS52参照)、伸長順番に従って各ピクチャを伸長してフレームバッファに展開する処理(ステップS37参照)などを行う。
そして、CPU101は、12番目のフレーム期間(F12)が開始されたときに(ステップS12参照)、新たな動画再生を開始することに決定し(ステップS12のY参照)、ここではムービーデータB1を選択し(ステップS14参照)、図17に示すIPムービーデータの表示制御データに切り替えて(ステップS15参照)、GCL104に対して、新たに設定したIPムービーデータの表示制御データ(プロセスデータ番号1のプロセスデータ)にもとづいて、IPムービーデータB1の指定(ステップS16参照)などの他、表示指示(ステップS18参照)および伸長指示(ステップS19参照)を行う。すなわち、IPBムービーデータの表示制御データにおける12番目のフレーム期間が、新たに設定したIPムービーデータの表示制御データにおける1番目のフレーム期間に切り替わる。このように、CPU101は、12番目のフレーム期間(F12)における最後から2番目の表示順番のピクチャ(この例ではピクチャP5)の表示指示と、13番目のフレーム期間(F13)における最後の表示順番のピクチャ(この例ではピクチャP6)の表示指示とを行うことなく、IPBムービーデータの表示制御データにもとづく描画指示を終了し、新たに設定したIPムービーデータの表示制御データにもとづく描画指示を開始する。
GCL104は、CPU101にて新たに設定された表示制御データにもとづく1番目のフレーム期間(F1)において、CPU101からのムービーデータの指定に応じて、IPムービーデータB1の設定などを行う(ステップS32〜S35参照)。
また、GCL104は、CPU101にて新たに設定された表示制御データにもとづく1番目のフレーム期間(F1)において、CPU101からの表示指示に応じて、前回のフレーム期間までにフレームバッファに展開されているIPBムービーデータA3のピクチャP5を表示するためのビデオ信号を画像表示装置120に対して出力する(ステップS52参照)。すなわち、GCL104は、CPU101からの表示指示を受けたときに、次の表示順番であるに表示順番1に相当する画像データがフレームバッファに展開されていないため、既に展開されており未だ表示に用いられていないピクチャのうち、表示順番が最も早いピクチャP5を表示するためのビデオ信号を画像表示装置120に対して出力する。
さらに、GCL104は、CPU101にて新たに設定された表示制御データにもとづく1番目のフレーム期間(F1)において、CPU101からの伸長指示に応じて、IPムービーデータB1における伸長順番が1番目のピクチャI1を伸長してフレームバッファに展開する(ステップS37参照)。
その後、CPU101は、IPムービーデータB1についての各フレーム期間(F2〜F6)にて、GCL104に対して、表示制御データにもとづいて表示指示や伸長指示などの描画指示を行う(ステップS18,ステップS19参照)。
GCL104は、CPU101からの描画指示に応じて、各フレーム期間(F2〜F6)において、前回のフレーム期間にてフレームバッファに展開されているピクチャを表示するためのビデオ信号を画像表示装置120に対して出力する処理(ステップS52参照)、伸長順番に従って各ピクチャを伸長してフレームバッファに展開する処理(ステップS37参照)などを行う。
このようにして、IPBムービーデータによる動画像の再生表示が終了したあとに、続けてIPムービーデータによる動画像の再生表示が開始される。なお、続けてIPBムービーデータによる動画像の再生表示が開始される場合も、伸長処理が開始されるフレーム期間の次のフレーム期間で表示処理が開始されるものであれば、上述した例と同様に処理を行うことが可能である。
上記のように、CPU101が、動画像の再生表示を開始させる際の最初のフレーム期間における描画指示にて、動画像の再生表示に用いる圧縮動画データの指示を行うとともに伸長指示を開始し、伸長指示を開始した最初の描画指示を行ったフレーム期間の次のフレーム期間における次の描画指示にて表示指示を開始し、最初の描画指示にてIPBムービーデータを指示していたときには、Bピクチャの伸長を指示するための伸長指示が最初になされるフレーム期間以前のフレーム期間における描画指示にて、複数回の伸長指示を行う構成とし、さらに、最後の伸長順番となっているピクチャがBピクチャでないIPBムービーデータの最後の表示順番のピクチャ(最終表示予定画像:ここではピクチャP6)を表示することなく、表示順番が最後から2番目のピクチャの表示に続けて次のIPムービーデータの再生表示を開始するようにしているので、最後の伸長順番となっているピクチャがBピクチャでないIPBムービーデータの再生表示の後に続けてIPムービーデータの再生表示を行うときでも、続けて再生表示するIPムービーデータについての動画再生制御を開始するタイミングを共通化することができるようになり、動画再生制御の実行タイミングの管理を容易にすることができる。なお、上記のような最後の伸長順番となっているピクチャがBピクチャでないIPBムービーデータにおいては、最後の伸長順番となるピクチャが最終表示予定画像となるので、その最終表示予定画像の伸長処理が行われるフレーム期間が先に再生表示されるIPBムービーデータの表示制御データにもとづく制御の最終フレーム期間となり、先に実行されるIPBムービーデータの再生表示と後に実行されるIPムービーデータの再生表示の切替タイミングを容易に把握することができ、動画再生制御の実行タイミングの管理を容易にすることができる。
すなわち、IPムービーデータの後にIPムービーデータを続けて再生するときとIPBムービーデータの後にIPムービーデータを続けて再生するときの何れであっても、先に再生表示しているムービーデータにおいて最後の伸長指示を行ったフレーム期間の次のフレーム期間からIPムービーデータの動画再生制御を開始することができるようになり、IPムービーデータとIPBムービーデータとが混在している場合であっても、IPムービーデータの後にIPムービーデータを続けて再生するときとIPBムービーデータの後にIPムービーデータを続けて再生するときとで続けて再生するIPムービーデータにおけるピクチャの伸長処理を開始するタイミングが共通化されているため、動画再生制御における伸長処理の実行タイミングの管理が容易となる。
上記のように、先に再生表示されるムービーデータの種類によらずに共通の実行タイミングで後に再生表示されるIPムービーデータの伸長処理が開始することとされ、続けて再生するIPムービーデータの動画再生制御における伸長処理の実行タイミングの管理が容易とされているので、IPムービーデータとIPBムービーデータとを混在させた動画再生制御の制御内容(例えば、制御フロー、制御プログラム)の設計が容易となる。具体的には、動画再生制御の制御内容の設計を行う設計者が、動画再生制御における各ムービーデータの出現箇所の割り当てを行う際に、先に再生表示するムービーデータの種類がIPムービーデータであるかIPBムービーデータであるかを意識することなく、続けて再生表示する各IPムービーデータを割り当てることができ、動画再生制御の制御内容を容易に設計することができるようになる。よって、動画再生制御のための制御プログラムの開発などのための作業負担を軽減させることができる。
特に、上記の例では、先に再生するIPBムービーデータが、実際には表示されない最終表示予定画像(図15(B)に示した例ではピクチャP6)を示す画像データの伸長・展開処理が実行されるフレーム期間が、IPムービーデータについての表示制御データに切り替える直前のフレーム期間となるので、最終表示予定画像の伸長・展開処理が実行されるフレーム期間の次のフレーム期間で表示制御データを切り替えるようにすることで、後に再生するIPムービーデータの伸長処理の開始タイミングを設定することができるようになる。よって、先に再生するIPBムービーデータとして最終伸長ピクチャがBピクチャでないムービーデータを用いることで、ムービーデータを連続して再生する際に制御対象とするムービーデータの切替タイミングを容易に定めることができるようになり、ムービーデータを連続して再生する際の動画再生制御における伸長処理の実行タイミングの管理を容易とすることができる。
なお、上記の実施の形態では、IPBムービーデータの動画再生制御が終了したあとブランクを空けずに次のフレーム期間から次のIPムービーデータの動画再生制御を開始するようにしていたが、ムービーデータの動画再生制御が終了したあと1または2以上のフレーム期間のブランクを空けて次のムービーデータの動画再生制御を開始するようにしてもよい。このように構成しても、続けて再生表示するムービーデータについての動画再生制御を開始するタイミングを共通化することができるようになり、動画再生制御の実行タイミングの管理を容易にすることができる。
また、上述した各実施の形態における画像処理装置100は、複数種類のムービーデータによる動画像を再生表示する装置やシステムであればどのようなものにでも適用することができ、具体的には、例えば、ゲーム装置、パチンコ遊技機やスロットマシンなどの遊技機、街頭や電車内での動画を用いた広告を表示する広告表示装置、複数種類の動画を用いたスクリーンセイバーを表示する表示装置などに適用可能である。
ここで、上述した画像処理装置100を適用可能な遊技機について詳しく説明する。まず、遊技機の一例である第1種パチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図19はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図19に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが識別情報としての図柄を可変表示する複数の可変表示部を含む可変表示装置(特別可変表示部)9が設けられている。可変表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。この例では、可変表示装置9は、上述した画像表示装置120の機能を備えている。なお、可変表示装置9には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち始動入賞記憶数を表示する4つの特別図柄始動記憶表示エリア(始動記憶表示エリア)18が設けられている。有効始動入賞(始動入賞記憶数が4未満のときの始動入賞)がある毎に、表示色を変化させる(例えば青色表示から黄色表示に変化させる)始動記憶表示エリア18を1増やす。そして、可変表示装置9の可変表示が開始される毎に、表示色が変化している始動記憶表示エリア18を1減らす(すなわち表示色をもとに戻す)。
可変表示装置9の下方には、始動入賞口14を含む可変入賞球装置15が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ(図示せず)によって検出される。また、可変入賞球装置15は、開閉動作を行う左右の開閉片を備えている。この開閉片は、ソレノイド(図示せず)によって開状態とされる。
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド(図示せず)によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ(図示せず)で検出され、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ(図示せず)で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド(図示せず)も設けられている。
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ(図示せず)で検出されると、普通図柄始動入賞記憶が上限に達していなければ、所定の乱数値が抽出される。そして、普通図柄表示器10において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態であれば、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。普通図柄表示器10において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態でなければ、普通図柄始動入賞記憶の値が1増やされる。普通図柄表示器10の近傍には、普通図柄始動入賞記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。なお、特別図柄と普通図柄とを一つの可変表示装置で可変表示するように構成することもできる。その場合には、特別可変表示部と普通可変表示部とは1つの可変表示装置で実現される。
この例では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の可変表示が行われ、可変表示は所定時間(例えば29.2秒)継続する。そして、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、ゲート32に遊技球が入賞したときに抽出された乱数の値が所定の当り判定値と一致したか否かによって決定される。普通図柄表示器10における可変表示の表示結果が当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が入賞しやすい状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
さらに、特別遊技状態としての確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が高められ、遊技者にとってさらに有利になる。また、確変状態等の所定の状態では、普通図柄表示器10における可変表示期間(変動時間)が短縮されることによって、遊技者にとってさらに有利になるようにしてもよい。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチによって検出される。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される飾りランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音や音声を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、可変表示装置9において特別図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶数を1増やす。
可変表示装置9における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄の組み合わせが大当り図柄(特定表示態様)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に打球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチで検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
停止時の可変表示装置9における特別図柄の組み合わせが確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)の組み合わせである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態(特別遊技状態)となる。
図19に示すような遊技機において、可変表示装置9におけるムービー画像などの表示制御を画像処理装置100によって行うようにすればよい。遊技機においては、図柄を可変表示する可変表示装置9の表示制御は、例えば、遊技機に設けられている演出制御基板に搭載されている演出制御手段によって行われる。従って、この演出制御手段の機能に、上述したCPU101の機能を追加するようにすればよい。この場合、ムービー画像により、リーチ演出、大当り演出、予告演出などを行うことが考えられる。
次に、遊技機の他の一例であるスロット機(スロットマシン)の全体の構成について説明する。図20はスロット機を正面からみた正面図である。
図20に示すように、スロット機500は、中央付近に遊技パネル501が着脱可能に取り付けられている。また、遊技パネル501の前面の中央付近には、複数種類の図柄が可変表示される可変表示装置502が設けられている。この実施の形態では、可変表示装置502には、「左」、「中」、「右」の3つの図柄表示エリアがあり、各図柄表示エリアに対応してそれぞれ図柄表示リール502a,502b,502cが設けられている。
遊技パネル501の下部には、遊技者が各種の操作を行うための各種入力スイッチ等が配される操作テーブル520が設けられている。操作テーブル520の奥側には、コインを1枚ずつBETする(かける)ためのBETスイッチ521、1ゲームでかけることのできる最高枚数(本例では3枚)ずつコインをBETするためのMAXBETスイッチ522、精算スイッチ523、及びコイン投入口524が設けられている。コイン投入口524に投入されたコインは、図示しない投入コインセンサによって検知される。
操作テーブル520の手前側には、スタートスイッチ525、左リールストップスイッチ526a、中リールストップスイッチ526b、右リールストップスイッチ526c及びコイン詰まり解消スイッチ527が設けられている。操作テーブル520の手前左右には、それぞれランプ528a,528bが設けられている。操作テーブル520の下部には、効果音等を出力するスピーカ530が設けられている。
遊技パネル501の上部には、遊技者に遊技方法や遊技状態等を報知する画像表示装置(LCD:液晶表示装置)540が設けられている。例えば、入賞発生時に、キャラクタが所定動作を行う画像を画像表示装置540に表示することで、後述する当選フラグが設定されていることを遊技者に報知する。この例では、画像表示装置540は、上述した画像表示装置120の機能を備えている。また、画像表示装置540の左右には、効果音を発する2つのスピーカ541L,541Rが設けられている。
なお、スロット機500で発生する入賞役には、小役入賞と、リプレイ入賞と、ビッグボーナス入賞と、レギュラーボーナス入賞とがある。スロット機500では、スタートスイッチ525を操作したタイミングで乱数が抽出され、上記いずれかの入賞役による入賞の発生を許容するか否かを決定する。入賞の発生が許容されていることを、「内部当選している」という。内部当選した場合、その旨を示す当選フラグがスロット機500の内部で設定される。当選フラグが設定された状態でのゲームでは、その当選フラグに対応する入賞役を引き込むことが可能なようにリール502a〜502cが制御される。一方、当選フラグが設定されていない状態でのゲームでは、入賞が発生しないようにリール502a〜502cが制御される。
次に、スロット機により提供されるゲームの概要について説明する。
例えば、コイン投入口524からコインが投入されBETスイッチ521又はMAXBETスイッチ522が押下される等してかけ数が設定されると、スタートスイッチ525の操作が有効となる。そして、遊技者によってスタートスイッチ525が操作されると、可変表示装置502に設けられている各図柄表示リール502a〜502cが回転を始める。また、スタートスイッチ525を操作したタイミングで、レギュラーボーナス入賞又はビッグボーナス入賞が内部当選した場合には、例えば、画像表示装置540に所定のキャラクタが所定の動作を行っている画面を表示する等して、内部当選した旨が遊技者等に報知される。
各図柄表示リール502a〜502cが回転を始めてから所定時間が経過すると、各リールストップスイッチ526a〜526cの操作が有効となる。この状態で、遊技者が各リールストップスイッチ526a〜526cのいずれかを押下すれば、操作されたストップスイッチに対応するリールの回転が停止する。なお、各図柄表示リール502a〜502cを停止させずに、所定期間以上放置した場合には、各図柄表示リール502a〜502cが自動的に停止する。
すべての図柄表示リール502a〜502cが停止した時点で、可変表示装置502に表示されている各図柄表示リール502a〜502cの上段、中段、下段の3段の図柄中、かけ数に応じて定められる有効な入賞ライン上に位置する図柄の組合せによって入賞したか否かが定められる。かけ数が1の場合には、可変表示装置502における中段の横1列の入賞ラインのみが有効となる。かけ数が2の場合には、可変表示装置502における上段、中段、下段の横3列の入賞ラインが有効となる。かけ数が3の場合には、可変表示装置502における横3列と斜め対角線上2列の合計5本の入賞ラインが有効ラインとなる。
有効ライン上の図柄の組合せが、予め定められた特定の表示態様となって入賞が発生した場合には、音、光、画像表示装置540の表示等によって所定の遊技演出がなされ、入賞の発生に応じたゲームが開始される。
スロット機500では、スロット機500に搭載されている演出制御手段が、スロット機500に設けられている画像表示装置540の表示制御を行う。従って、この演出制御手段の機能に、上述したCPU101の機能を追加するようにすればよい。画像表示装置540には、演出制御手段の制御によって、飾り図柄の変動表示や、遊技状態や遊技方法を報知するための表示等の様々な情報が表示される。そのような、飾り図柄の変動表示や、遊技状態や遊技方法を報知するための表示等の様々な情報の表示をムービー画像により行い、そのムービー画像の表示制御を画像処理装置100によって行うようにすればよい。