JP2004047985A - 固体撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】撮像画面の一つの欠陥である白きずを低減させると共に、PN接合を構成するN型の不純物拡散領域の縮小化延いては固体撮像装置自体の小型化を図れるようにする。
【解決手段】P型基板あるいはP型の不純物拡散領域内2に、画素に対応してN型の不純物拡散領域3からなる受光部(光電変換部)8が形成された固体撮像装置Aにおいて、N型の不純物拡散領域3を砒素(As)単体の不純物拡散により形成し、N型の不純物拡散領域3上にP型の正電荷蓄積領域6を形成し、P型の正電荷蓄積領域6をイオン注入したのち、熱処理を行うことにより形成した構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】P型基板あるいはP型の不純物拡散領域内2に、画素に対応してN型の不純物拡散領域3からなる受光部(光電変換部)8が形成された固体撮像装置Aにおいて、N型の不純物拡散領域3を砒素(As)単体の不純物拡散により形成し、N型の不純物拡散領域3上にP型の正電荷蓄積領域6を形成し、P型の正電荷蓄積領域6をイオン注入したのち、熱処理を行うことにより形成した構成とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体撮像装置に関し、特に、半導体のPN接合により形成される受光部の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、CCD固体撮像装置の受光部には、半導体のPN接合によるフォトダイオードにより構成されている。図4及び図5にその構成例を示す。
【0003】
図4は、P型のシリコン基板21表面にN型の不純物拡散領域22を形成して、該シリコン基板21とN型不純物拡散領域22とのPN接合JによってフォトダイオードPDを形成した例を示す。図5はN型のシリコン基板23上に形成されたP型のウェル領域24表面にN型の不純物拡散領域22を形成して、P型のウェル領域24とN型の不純物拡散領域22とのPN接合JによってフォトダイオードPDを形成した例を示す。上記フォトダイオードPDはCCD固体撮像装置の受光部25を構成する。
【0004】
そして、従来では、上記N型の不純物拡散領域22を、リン(P)のイオン注入により形成するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の固体撮像装置においては、受光部25を構成するN型の不純物拡散領域22をリン(P)によるイオン注入により形成するようにしているため、シリコン基板21あるいはP型のウェル領域24とのPN接合面Jにおいて格子歪やストレスが生じ易いという不都合がある。
【0006】
これは、リン(P)の結晶からみた原子半径がSiに比べて小さいために生じる現象であり、作製された固体撮像装置の電気的特性に影響を及ぼす。即ち、上記格子歪及びストレスにより、PN接合面Jにおいて逆方向のリーク電流が増大し、局所的に暗電流の増加がみられ(所謂、暗電流むら)、撮像画面の一つの欠陥である白きずが発生し易いという問題がある。
【0007】
また、リン(P)の場合、その拡散係数が大きいことから、イオン注入後の活性化処理(熱処理)にてリン(P)が広い領域にわたって拡散してしまい、N型の不純物拡散領域22の縮小化、延いては固体撮像装置の小型化に不利になるという不都合がある。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑み成されたもので、その目的とするところは、撮像画面の欠陥である白きずを低減できると共に、PN接合を構成するN型の不純物拡散領域の縮小化延いては固体撮像装置自体の小型化を図ることができる固体撮像装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、P型基板あるいはP型の不純物拡散領域内2に、画素に対応してN型の不純物拡散領域3からなる受光部(光電変換部)8が形成された固体撮像装置Aにおいて、N型の不純物拡散領域3を砒素(As)単体の不純物拡散により形成し、N型の不純物拡散領域3上にP型の正電荷蓄積領域6を形成し、P型の正電荷蓄積領域6をイオン注入したのち、熱処理を行うことにより形成した構成とする。
【0010】
また本発明は、さらに、N型の不純物拡散領域3を、基板2表面から深さ0.3〜0.4μmの位置に砒素(As)単体をイオン注入したのち、熱処理を行うことにより形成した構成とする。
【0011】
本発明は、P型基板あるいはP型の不純物拡散領域2内に、画素に対応してN型の不純物拡散領域3からなる受光部(光電変換部)8、垂直レジスタ4、及びP型のチャンネル・ストッパ領域5が形成された固体撮像装置Aにおいて、N型の不純物拡散領域3を砒素(As)単体の不純物拡散により形成し、N型の不純物拡散領域3上にP型の正電荷蓄積領域を形成し、垂直レジスタ4、及びチャンネル・ストッパ領域5上に、SiO2/Si3N4/SiO2の3層構造9,10,11からなるゲート絶縁膜12を形成して構成する。
【0012】
上述の本発明の構成によれば、PN接合Jを構成するN型の不純物拡散領域3を砒素(As)単体の不純物拡散にて形成する、例えば、砒素(As)をP型基板あるいはP型の不純物拡散領域2表面にイオン注入したのち、活性化処理して形成するようにしたので、原子半径の点(リン(P)よりも大きく、シリコン(Si)とほぼ同じ大きさを有する)から格子歪やストレスが緩和され、その結果、PN接合面Jでの逆方向のリーク電流の発生が低減し、暗電流の減少が達成される。従って、撮像画面の欠陥である白きずが低減されると共に、PN接合Jを構成するN型の不純物拡散領域3の縮小化延いては固体撮像装置A自体の小型化を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図3を参照しながら本発明の実施例を説明する。
図1は、本実施例に係る固体撮像装置Aの要部を示す構成図である。
【0014】
この固体撮像装置Aは、図示する如く、N型シリコン基板1上の第1のP型ウェル領域2内にN型の不純物拡散領域3と垂直レジスタ4並びにP型のチャンネル・ストッパ領域5が形成され、上記N型の不純物拡散領域3上にP型の正電荷蓄積領域6が、垂直レジスタ直下に第2のP型ウェル領域7が夫々形成されている。ここで、N型の不純物拡散領域3と第1のP型ウェル領域2とのPN接合JによるフォトダイオードPDによって、受光部(光電変換部)8が構成される。この受光部8は画素に対応して形成される。
【0015】
そして、第1のP型ウェル領域2の上記チャンネル・ストッパ領域5、垂直レジスタ4及び正電荷蓄積領域6を含む全面にSiO2からなる酸化膜9が形成され、更に、垂直レジスタ4及びチャンネル・ストッパ領域5上に、上記酸化膜9を介してSi3N4膜10及びSiO2膜11が順次積層される。この垂直レジスタ4及びチャンネル・ストッパ領域5上の酸化膜9、Si3N4膜10及びSiO2膜11は3層構造のゲート絶縁膜12を構成する。
【0016】
また、第1のP型ウェル領域2上の上記ゲート絶縁膜12上に、多結晶シリコン層による転送電極13が形成され、該転送電極13上及び正電荷蓄積領域6上の酸化膜9上に夫々PSG(リン・シリケート・ガラス)等からなる層間膜14が積層され、更に、上記転送電極13上に上記層間膜14を介してAl遮光膜15が選択的に形成される。尚、受光部8と垂直レジスタ4間において、読出しゲート17が構成される。
【0017】
しかして、本例においては、上記N型の不純物拡散領域3を砒素(As)によるイオン注入によって形成する。ここで、N型の不純物拡散領域3の形成において、従来から用いられていたリン(P)と、本例で用いられる砒素(As)及び基板1を構成するシリコン(Si)の夫々における結晶からみた原子半径は、夫々1.10Å、1.18Å及び1.17Åである。この原子半径からわかるように、砒素(As)とシリコン(Si)は非常に近接した値になっている。従って、本例の如く、砒素(As)をイオン注入してN型の不純物拡散領域3を形成した場合、リン(P)の場合と違って、PN接合面Jでの格子歪やストレスが緩和される。
【0018】
次に、本例に係るCCD固体撮像装置Aの製造方法を図2及び図3の工程図に基いて説明する。尚、図1と対応するものについては同符号を記す。
【0019】
まず、図2Aに示すように、N型シリコン基板1上の第1のP型ウェル領域2上にSiO2からなる酸化膜9を形成したのち、第1のP型ウェル領域2内にN型及びP型の不純物を選択的にイオン注入して、N型の垂直レジスタ4及びP型のチャンネル・ストッパ領域5並びに第2のP型ウェル領域7を夫々形成する。
【0020】
次に、図2Bに示すように、第1のP型ウェル領域2上の酸化膜9上全面にSi3N4膜10及びSiO2膜11を順次積層したのち、後に受光部8となる部分のSi3N4膜10及びSiO2膜11を選択的にエッチング除去する。ここで、垂直レジスタ4及びチャンネル・ストッパ領域5上の酸化膜9、Si3N4膜10及びSiO2膜11がゲート絶縁膜12を構成する。その後、ゲート絶縁膜12上に多結晶シリコン層による転送電極13を形成する。
【0021】
次に、図2Cに示すように、上記転送電極13をマスクとしてN型の不純物、本例では砒素(As)を、第1のP型ウェル領域2内、特に、基板1表面から深さ0.3〜0.4μmの比較的深い位置に選択的にイオン注入したのち、窒素雰囲気中で、熱処理を行って、N型の不純物拡散領域3を形成する。このとき、該N型の不純物拡散領域3と第1のP型ウェル領域2とのPN接合JによるフォトダイオードPDによって受光部8が構成される。また、上記熱処理は、温度1000℃以上、時間10秒〜数10秒の短時間アニールにより行う。特に、本例では、温度1050℃、時間10秒間の短時間アニール(ランプアニール)により行った。
【0022】
次に、図3Aに示すように、上記転送電極13をマスクとしてP型の不純物、例えばボロン(B)を受光部8表面に選択的にイオン注入したのち、窒素雰囲気中で熱処理して、上記の如く導入されたP型の不純物を拡散、活性化させて受光部8の表面にP型の正電荷蓄積領域6を形成する。
【0023】
次に、図3Bに示すように、転送電極13を含む全面にPSG等からなる層間膜14を形成したのち、転送電極13上に該層間膜14を介してAl遮光膜15を選択的に形成することにより、本例に係るCCD固体撮像装置Aを得る。
【0024】
上述の如く、本例によれば、受光部8のPN接合Jを構成するN型の不純物拡散領域3を、結晶からみた原子半径がリン(P)よりも大きく、シリコン(Si)とほぼ同じ大きさを有する砒素(As)単体の不純物拡散にて形成する、即ち、砒素(As)を第1のP型ウェル領域2表面にイオン注入したのち、活性化処理して形成するようにしたので、PN接合面Jでの格子歪やストレスが緩和され、該PN接合面Jでの逆方向のリーク電流の発生が低減し、暗電流の減少が達成される。このことは、撮像画面の欠陥である白きずの低減化につながる。
【0025】
また、砒素(As)は、その拡散係数が低いことから、その後の熱処理において、不純物の広域拡散が抑制され、PN接合Jを構成するN型の不純物拡散領域3の縮小化延いては固体撮像装置A自体の小型化を図ることができる。
【0026】
特に、本例においては、砒素(As)をイオン注入したのち、窒素雰囲気中で、温度1000℃以上、時間10秒〜数10秒の短時間アニールを施して上記N型の不純物拡散領域3を形成するようにしたので、砒素(As)のイオン注入による局所的な残留欠陥を効率良く低減化させることができ、該残留欠陥による局所的な暗電流の増加を防止することができ、撮像画面の白きずを効果的に低減させることができる。また、短時間アニールであるため、上記砒素(As)の拡散係数が低いことも相俟って、N型の不純物拡散領域3の縮小化並びに固体撮像装置A自体の小型化を効率よく図ることができる。
【0027】
上記実施例では、N型のシリコン基板1上に形成された第1のP型ウェル領域2に、受光部8を構成するN型の不純物拡散領域3を形成するようにしたが、その他、P型のシリコン基板を用いて、直接該P型のシリコン基板に上記N型の不純物拡散領域3を形成するようにしてもよい。また、上記実施例において、受光部8表面に形成されるP型の正孔蓄積領域6を省略するようにしてもよい。
【0028】
【発明の効果】
本発明に係る固体撮像装置によれば、撮像画面の欠陥である白きずが低減できると共に、PN接合を構成するN型の不純物拡散領域の縮小化延いては固体撮像装置自体の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係るCCD固体撮像装置の要部を示す構成図。
【図2】本実施例に係るCCD固体撮像装置の製造方法を示す工程図(その1)。
【図3】本実施例に係るCCD固体撮像装置の製造方法を示す工程図(その2)。
【図4】従来例に係る受光部を示す構成図。
【図5】他の従来例に係る受光部を示す構成図。
【符号の説明】
A CCD固体撮像装置
1 シリコン基板
2 第1のP型ウェル領域
3 N型の不純物拡散領域
4 垂直レジスタ
5 チャンネル・ストッパ領域
6 正孔蓄積領域
7 第2のP型ウェル領域
8 受光部
12 ゲート絶縁膜
13 転送電極
14 層間膜
15 Al遮光膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体撮像装置に関し、特に、半導体のPN接合により形成される受光部の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、CCD固体撮像装置の受光部には、半導体のPN接合によるフォトダイオードにより構成されている。図4及び図5にその構成例を示す。
【0003】
図4は、P型のシリコン基板21表面にN型の不純物拡散領域22を形成して、該シリコン基板21とN型不純物拡散領域22とのPN接合JによってフォトダイオードPDを形成した例を示す。図5はN型のシリコン基板23上に形成されたP型のウェル領域24表面にN型の不純物拡散領域22を形成して、P型のウェル領域24とN型の不純物拡散領域22とのPN接合JによってフォトダイオードPDを形成した例を示す。上記フォトダイオードPDはCCD固体撮像装置の受光部25を構成する。
【0004】
そして、従来では、上記N型の不純物拡散領域22を、リン(P)のイオン注入により形成するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の固体撮像装置においては、受光部25を構成するN型の不純物拡散領域22をリン(P)によるイオン注入により形成するようにしているため、シリコン基板21あるいはP型のウェル領域24とのPN接合面Jにおいて格子歪やストレスが生じ易いという不都合がある。
【0006】
これは、リン(P)の結晶からみた原子半径がSiに比べて小さいために生じる現象であり、作製された固体撮像装置の電気的特性に影響を及ぼす。即ち、上記格子歪及びストレスにより、PN接合面Jにおいて逆方向のリーク電流が増大し、局所的に暗電流の増加がみられ(所謂、暗電流むら)、撮像画面の一つの欠陥である白きずが発生し易いという問題がある。
【0007】
また、リン(P)の場合、その拡散係数が大きいことから、イオン注入後の活性化処理(熱処理)にてリン(P)が広い領域にわたって拡散してしまい、N型の不純物拡散領域22の縮小化、延いては固体撮像装置の小型化に不利になるという不都合がある。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑み成されたもので、その目的とするところは、撮像画面の欠陥である白きずを低減できると共に、PN接合を構成するN型の不純物拡散領域の縮小化延いては固体撮像装置自体の小型化を図ることができる固体撮像装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、P型基板あるいはP型の不純物拡散領域内2に、画素に対応してN型の不純物拡散領域3からなる受光部(光電変換部)8が形成された固体撮像装置Aにおいて、N型の不純物拡散領域3を砒素(As)単体の不純物拡散により形成し、N型の不純物拡散領域3上にP型の正電荷蓄積領域6を形成し、P型の正電荷蓄積領域6をイオン注入したのち、熱処理を行うことにより形成した構成とする。
【0010】
また本発明は、さらに、N型の不純物拡散領域3を、基板2表面から深さ0.3〜0.4μmの位置に砒素(As)単体をイオン注入したのち、熱処理を行うことにより形成した構成とする。
【0011】
本発明は、P型基板あるいはP型の不純物拡散領域2内に、画素に対応してN型の不純物拡散領域3からなる受光部(光電変換部)8、垂直レジスタ4、及びP型のチャンネル・ストッパ領域5が形成された固体撮像装置Aにおいて、N型の不純物拡散領域3を砒素(As)単体の不純物拡散により形成し、N型の不純物拡散領域3上にP型の正電荷蓄積領域を形成し、垂直レジスタ4、及びチャンネル・ストッパ領域5上に、SiO2/Si3N4/SiO2の3層構造9,10,11からなるゲート絶縁膜12を形成して構成する。
【0012】
上述の本発明の構成によれば、PN接合Jを構成するN型の不純物拡散領域3を砒素(As)単体の不純物拡散にて形成する、例えば、砒素(As)をP型基板あるいはP型の不純物拡散領域2表面にイオン注入したのち、活性化処理して形成するようにしたので、原子半径の点(リン(P)よりも大きく、シリコン(Si)とほぼ同じ大きさを有する)から格子歪やストレスが緩和され、その結果、PN接合面Jでの逆方向のリーク電流の発生が低減し、暗電流の減少が達成される。従って、撮像画面の欠陥である白きずが低減されると共に、PN接合Jを構成するN型の不純物拡散領域3の縮小化延いては固体撮像装置A自体の小型化を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図3を参照しながら本発明の実施例を説明する。
図1は、本実施例に係る固体撮像装置Aの要部を示す構成図である。
【0014】
この固体撮像装置Aは、図示する如く、N型シリコン基板1上の第1のP型ウェル領域2内にN型の不純物拡散領域3と垂直レジスタ4並びにP型のチャンネル・ストッパ領域5が形成され、上記N型の不純物拡散領域3上にP型の正電荷蓄積領域6が、垂直レジスタ直下に第2のP型ウェル領域7が夫々形成されている。ここで、N型の不純物拡散領域3と第1のP型ウェル領域2とのPN接合JによるフォトダイオードPDによって、受光部(光電変換部)8が構成される。この受光部8は画素に対応して形成される。
【0015】
そして、第1のP型ウェル領域2の上記チャンネル・ストッパ領域5、垂直レジスタ4及び正電荷蓄積領域6を含む全面にSiO2からなる酸化膜9が形成され、更に、垂直レジスタ4及びチャンネル・ストッパ領域5上に、上記酸化膜9を介してSi3N4膜10及びSiO2膜11が順次積層される。この垂直レジスタ4及びチャンネル・ストッパ領域5上の酸化膜9、Si3N4膜10及びSiO2膜11は3層構造のゲート絶縁膜12を構成する。
【0016】
また、第1のP型ウェル領域2上の上記ゲート絶縁膜12上に、多結晶シリコン層による転送電極13が形成され、該転送電極13上及び正電荷蓄積領域6上の酸化膜9上に夫々PSG(リン・シリケート・ガラス)等からなる層間膜14が積層され、更に、上記転送電極13上に上記層間膜14を介してAl遮光膜15が選択的に形成される。尚、受光部8と垂直レジスタ4間において、読出しゲート17が構成される。
【0017】
しかして、本例においては、上記N型の不純物拡散領域3を砒素(As)によるイオン注入によって形成する。ここで、N型の不純物拡散領域3の形成において、従来から用いられていたリン(P)と、本例で用いられる砒素(As)及び基板1を構成するシリコン(Si)の夫々における結晶からみた原子半径は、夫々1.10Å、1.18Å及び1.17Åである。この原子半径からわかるように、砒素(As)とシリコン(Si)は非常に近接した値になっている。従って、本例の如く、砒素(As)をイオン注入してN型の不純物拡散領域3を形成した場合、リン(P)の場合と違って、PN接合面Jでの格子歪やストレスが緩和される。
【0018】
次に、本例に係るCCD固体撮像装置Aの製造方法を図2及び図3の工程図に基いて説明する。尚、図1と対応するものについては同符号を記す。
【0019】
まず、図2Aに示すように、N型シリコン基板1上の第1のP型ウェル領域2上にSiO2からなる酸化膜9を形成したのち、第1のP型ウェル領域2内にN型及びP型の不純物を選択的にイオン注入して、N型の垂直レジスタ4及びP型のチャンネル・ストッパ領域5並びに第2のP型ウェル領域7を夫々形成する。
【0020】
次に、図2Bに示すように、第1のP型ウェル領域2上の酸化膜9上全面にSi3N4膜10及びSiO2膜11を順次積層したのち、後に受光部8となる部分のSi3N4膜10及びSiO2膜11を選択的にエッチング除去する。ここで、垂直レジスタ4及びチャンネル・ストッパ領域5上の酸化膜9、Si3N4膜10及びSiO2膜11がゲート絶縁膜12を構成する。その後、ゲート絶縁膜12上に多結晶シリコン層による転送電極13を形成する。
【0021】
次に、図2Cに示すように、上記転送電極13をマスクとしてN型の不純物、本例では砒素(As)を、第1のP型ウェル領域2内、特に、基板1表面から深さ0.3〜0.4μmの比較的深い位置に選択的にイオン注入したのち、窒素雰囲気中で、熱処理を行って、N型の不純物拡散領域3を形成する。このとき、該N型の不純物拡散領域3と第1のP型ウェル領域2とのPN接合JによるフォトダイオードPDによって受光部8が構成される。また、上記熱処理は、温度1000℃以上、時間10秒〜数10秒の短時間アニールにより行う。特に、本例では、温度1050℃、時間10秒間の短時間アニール(ランプアニール)により行った。
【0022】
次に、図3Aに示すように、上記転送電極13をマスクとしてP型の不純物、例えばボロン(B)を受光部8表面に選択的にイオン注入したのち、窒素雰囲気中で熱処理して、上記の如く導入されたP型の不純物を拡散、活性化させて受光部8の表面にP型の正電荷蓄積領域6を形成する。
【0023】
次に、図3Bに示すように、転送電極13を含む全面にPSG等からなる層間膜14を形成したのち、転送電極13上に該層間膜14を介してAl遮光膜15を選択的に形成することにより、本例に係るCCD固体撮像装置Aを得る。
【0024】
上述の如く、本例によれば、受光部8のPN接合Jを構成するN型の不純物拡散領域3を、結晶からみた原子半径がリン(P)よりも大きく、シリコン(Si)とほぼ同じ大きさを有する砒素(As)単体の不純物拡散にて形成する、即ち、砒素(As)を第1のP型ウェル領域2表面にイオン注入したのち、活性化処理して形成するようにしたので、PN接合面Jでの格子歪やストレスが緩和され、該PN接合面Jでの逆方向のリーク電流の発生が低減し、暗電流の減少が達成される。このことは、撮像画面の欠陥である白きずの低減化につながる。
【0025】
また、砒素(As)は、その拡散係数が低いことから、その後の熱処理において、不純物の広域拡散が抑制され、PN接合Jを構成するN型の不純物拡散領域3の縮小化延いては固体撮像装置A自体の小型化を図ることができる。
【0026】
特に、本例においては、砒素(As)をイオン注入したのち、窒素雰囲気中で、温度1000℃以上、時間10秒〜数10秒の短時間アニールを施して上記N型の不純物拡散領域3を形成するようにしたので、砒素(As)のイオン注入による局所的な残留欠陥を効率良く低減化させることができ、該残留欠陥による局所的な暗電流の増加を防止することができ、撮像画面の白きずを効果的に低減させることができる。また、短時間アニールであるため、上記砒素(As)の拡散係数が低いことも相俟って、N型の不純物拡散領域3の縮小化並びに固体撮像装置A自体の小型化を効率よく図ることができる。
【0027】
上記実施例では、N型のシリコン基板1上に形成された第1のP型ウェル領域2に、受光部8を構成するN型の不純物拡散領域3を形成するようにしたが、その他、P型のシリコン基板を用いて、直接該P型のシリコン基板に上記N型の不純物拡散領域3を形成するようにしてもよい。また、上記実施例において、受光部8表面に形成されるP型の正孔蓄積領域6を省略するようにしてもよい。
【0028】
【発明の効果】
本発明に係る固体撮像装置によれば、撮像画面の欠陥である白きずが低減できると共に、PN接合を構成するN型の不純物拡散領域の縮小化延いては固体撮像装置自体の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係るCCD固体撮像装置の要部を示す構成図。
【図2】本実施例に係るCCD固体撮像装置の製造方法を示す工程図(その1)。
【図3】本実施例に係るCCD固体撮像装置の製造方法を示す工程図(その2)。
【図4】従来例に係る受光部を示す構成図。
【図5】他の従来例に係る受光部を示す構成図。
【符号の説明】
A CCD固体撮像装置
1 シリコン基板
2 第1のP型ウェル領域
3 N型の不純物拡散領域
4 垂直レジスタ
5 チャンネル・ストッパ領域
6 正孔蓄積領域
7 第2のP型ウェル領域
8 受光部
12 ゲート絶縁膜
13 転送電極
14 層間膜
15 Al遮光膜
Claims (3)
- P型基板あるいはP型の不純物拡散領域内に、画素に対応してN型の不純物拡散領域からなる受光部が形成された固体撮像装置において、
上記N型の不純物拡散領域が砒素単体の不純物拡散により形成されてなり、
上記N型の不純物拡散領域上にP型の正電荷蓄積領域が形成されてなり、
上記P型の正電荷蓄積領域がイオン注入したのち、熱処理を行うことにより形成されてなる
ことを特徴とする固体撮像装置。 - 上記N型の不純物拡散領域が、上記基板表面から深さ0.3〜0.4μmの位置に上記砒素単体をイオン注入したのち、熱処理を行うことにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
- P型基板あるいはP型の不純物拡散領域内に、画素に対応してN型の不純物拡散領域からなる受光部、垂直レジスタ、及びP型のチャンネル・ストッパ領域が形成された固体撮像装置において、
上記N型の不純物拡散領域が砒素単体の不純物拡散により形成されてなり、
上記N型の不純物拡散領域上にP型の正電荷蓄積領域が形成されてなり、
上記垂直レジスタ、及び上記チャンネル・ストッパ領域上に、SiO2/Si3N4/SiO2の3層構造からなるゲート絶縁膜が形成されてなる
ことを特徴とする固体撮像装置。
Priority Applications (1)
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JP2003165453A JP2004047985A (ja) | 2003-06-10 | 2003-06-10 | 固体撮像装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003165453A JP2004047985A (ja) | 2003-06-10 | 2003-06-10 | 固体撮像装置 |
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-
2003
- 2003-06-10 JP JP2003165453A patent/JP2004047985A/ja not_active Abandoned
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