JP2004047632A - チップ状電子部品保持用ホルダーおよびそれを用いたチップ状電子部品の電極形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】チップ状電子部品1の取り付け作業が簡単で、チップ状電子部品1の電極形成材料である導電性ペースト5の付着を防止する。
【解決手段】チップ状電子部品保持用ホルダーは、チップ状電子部品1を保持する保持穴4を有する。保持穴4は、チップ状電子部品1の互いに対向し合う一対の面1a,1bを挟持する互いに対向し合う挟持用内壁面14a,14eを有する。挟持用内壁面14a,14e以外の保持穴内壁面を、挟持用内壁面14a,14eから内側に向かって挟持用内壁面14a,14eにより挟持されるチップ状電子部品1を間隔を介して囲むように形成する。挟持用内壁面14a,14e以外の保持穴内壁面と、チップ状電子部品1の側面1c,1dとの間の空間15は、チップ状電子部品1の面に導電性ペースト5を付着させて電極を形成する際に、表面張力による導電性ペースト5の這い上がりから逃げる空間と成す。
【選択図】 図4
【解決手段】チップ状電子部品保持用ホルダーは、チップ状電子部品1を保持する保持穴4を有する。保持穴4は、チップ状電子部品1の互いに対向し合う一対の面1a,1bを挟持する互いに対向し合う挟持用内壁面14a,14eを有する。挟持用内壁面14a,14e以外の保持穴内壁面を、挟持用内壁面14a,14eから内側に向かって挟持用内壁面14a,14eにより挟持されるチップ状電子部品1を間隔を介して囲むように形成する。挟持用内壁面14a,14e以外の保持穴内壁面と、チップ状電子部品1の側面1c,1dとの間の空間15は、チップ状電子部品1の面に導電性ペースト5を付着させて電極を形成する際に、表面張力による導電性ペースト5の這い上がりから逃げる空間と成す。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チップ状電子部品を保持するチップ状電子部品保持用ホルダーと、このホルダーを利用してチップ状電子部品を保持して当該チップ状電子部品に電極を形成するためのチップ状電子部品の電極形成方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】
図8に示されるようなチップ状電子部品1にはその外表面に電極2が形成される場合がある。チップ状電子部品1に電極2を形成する工程では、例えば、まず、チップ状電子部品1を図9に示されるようなチップ状電子部品保持用ホルダー3に取り付ける。そのチップ状電子部品保持用ホルダー3には、チップ状電子部品1がぴったりと嵌まる保持穴4が形成されており、この保持穴4にチップ状電子部品1を嵌め込むことにより、チップ状電子部品1が保持穴4に保持されてチップ状電子部品保持用ホルダー3に取り付けられる。なお、チップ状電子部品1は、その一部分を保持穴4から突出させた形態でチップ状電子部品保持用ホルダー3に取り付けられる。
【0003】
チップ状電子部品1をチップ状電子部品保持用ホルダー3に取り付けた後には、図10に示されるように、そのチップ状電子部品1の突出先端面を電極2の形成材料である導電性ペースト5の配置部に対向させる。そして、チップ状電子部品1の突出先端面と導電性ペースト5を相対的に近付けて、チップ状電子部品1の突出先端面に導電性ペーストを付着させる。このようにして、チップ状電子部品1に電極2を形成することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、チップ状電子部品1に導電性ペースト5を付着させたときに、図11の断面図に示すように、導電性ペースト5が表面張力によってチップ状電子部品1の側面に沿って這い上がってくる(濡れ上がってくる)。図9に示すチップ状電子部品保持用ホルダー3では、保持穴4は、チップ状電子部品1がぴったりと嵌まる形状であるために、その這い上がってきた導電性ペースト5の一部がチップ状電子部品保持用ホルダー3に付着してしまう。
【0005】
チップ状電子部品保持用ホルダー3は使い回しするために、チップ状電子部品保持用ホルダー3に導電性ペースト5が付着したままでは、次回の使用時に支障を来すことになる。このため、チップ状電子部品保持用ホルダー3を使用する度に、チップ状電子部品保持用ホルダー3に付着した導電性ペースト5は拭き取らねばならず、非常に面倒であるし、また、作業効率が低下してしまう。
【0006】
また、保持穴4の内壁面は、弾性力でもってチップ状電子部品1を保持するために、エラストマーやシリコンゴム等の弾性部材により構成されている。その弾性部材は導電性ペースト5に含まれる溶剤等により劣化し易いために、導電性ペースト5がその弾性部材に付着すると、その付着した導電性ペースト5に因る弾性部材の劣化に起因してチップ状電子部品保持用ホルダー3の寿命が短くなってしまう。
【0007】
そのような導電性ペースト5の付着に起因した問題を防止するために、チップ状電子部品1をチップ状電子部品保持用ホルダー3からより多く突出させてチップ状電子部品保持用ホルダー3に導電性ペースト5が付着することを防止することが考えられる。しかしながら、チップ状電子部品1の突出量を増加させると、チップ状電子部品保持用ホルダー3の保持穴4により保持されるチップ状電子部品1の領域が減少することから、保持穴4によるチップ状電子部品1の保持力が弱くなる。これにより、チップ状電子部品1がチップ状電子部品保持用ホルダー3から落下してしまう確率が高くなる。
【0008】
そこで、チップ状電子部品1の突出量を増加させるのではなく、チップ状電子部品保持用ホルダー3の保持穴4の開口形状を、例えば図12に示すように、導電性ペースト5が付着する虞がある部分を避けるように大きくした四角形状とすることが考えられる。
【0009】
しかしながら、このような場合には、チップ状電子部品1は、保持穴4の中央部に配置されることが望ましいが、保持穴4により挟持されるチップ状電子部品1の面に沿う方向に保持穴4が大きくなっていることから、図13(a)や(b)に示されるように、チップ状電子部品1が設定の中央部からずれて保持穴4に保持される場合が多くなる。チップ状電子部品1が保持穴4の中央部からずれて配置されると、次に示すような問題が生じる。その問題とは、図13(a)のB−B部分の断面を表す図14に示されるように、チップ状電子部品1が保持穴4の中央部からずれると、チップ状電子部品1の側面1cと当該側面1cに対向する保持穴4の内壁面との間の間隔Δdcと、チップ状電子部品1の側面1dと当該側面1dに対向する保持穴4の内壁面との間の間隔Δddとが異なる。この間隔Δdc,Δddの違いによって、チップ状電子部品1の側面1c,1dにおける導電性ペースト5の這い上がり量が異なる。このため、チップ状電子部品1の側面1c,1dに形成される電極2部分の長さが異なってしまう。
【0010】
また、保持穴4の中央部に対するチップ状電子部品1の保持位置のずれ量にはばらつきが生じることから、チップ状電子部品1毎に、側面1c,1d部分に形成される電極2部分の長さが異なることとなり、チップ状電子部品1に形成される電極2にばらつきが生じてしまうこととなる。これにより、チップ状電子部品1の性能ばらつきの問題を招く虞がある。
【0011】
この発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、チップ状電子部品保持用ホルダーの保持穴にチップ状電子部品を設定通りの位置に安定的に取り付けることが容易で、しかも、導電性ペーストの付着を防止することができるチップ状電子部品保持用ホルダーおよびそれを用いたチップ状電子部品の電極形成方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決するための手段としている。すなわち、この発明は、チップ状電子部品を挿入して保持させるための保持穴を有し、この保持穴にチップ状電子部品を一部分を突出させた状態で保持させて当該チップ状電子部品の突出先端面に電極を形成するために用いられるチップ状電子部品保持用ホルダーにおいて、保持穴は、チップ状電子部品の互いに対向し合う一対の面を弾性力により押圧してチップ状電子部品を挟持固定するための互いに対向し合う挟持用内壁面を有し、それら挟持用内壁面はその幅を、当該挟持用内壁面が押圧するチップ状電子部品の面の幅とほぼ等しくしたチップ状電子部品の位置決め面と成し、また、両方の挟持用内壁面から内側に向かって挟持用内壁面間に挟持保持されるチップ状電子部品を間隔を介して囲むように形成された保持穴内壁面は、挟持用内壁面の間隔方向の長さが、挟持用内壁面間の間隔の寸法よりも短く形成されており、当該挟持用内壁面以外の保持穴内壁面と、チップ状電子部品との間には、チップ状電子部品の側面に沿って這い上がってくる電極形成材料である導電性ペーストから逃げるための導電性ペースト逃げ用空間が形成されていることを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1には本発明に係るチップ状電子部品保持用ホルダーの一実施形態例が平面図により示されている。なお、この実施形態例では、図9に示すチップ状電子部品保持用ホルダーと同一名称部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0015】
この実施形態例のチップ状電子部品保持用ホルダー3は平板10を有している。この平板10はステンレス鋼等の剛体により構成され、当該平板10には、図3に示されるような表面側から裏面側に貫通する複数の貫通孔11がマトリクス状に配列形成されている。これら各貫通孔11の内周面には弾性部材12が取り付けられている。この弾性部材12により、チップ状電子部品1を保持するための保持穴4の内壁面が形成されている。この実施形態例では、弾性部材12は、例えば、エラストマーやシリコンゴム等の弾性材料により構成されている。
【0016】
図2には保持穴4の一部分を抜き出して示した保持穴形成部分の拡大図が示されている。この拡大図に示されるように、平板10の貫通孔11の内周面はその一部13が貫通孔11の内側に向けて突出している。この突出部13は弾性部材12に埋設されて弾性部材12の補強部と成している。
【0017】
この実施形態例において最も特徴的なことは、保持穴4の開口形状が略八角形状と成していることである。図4(a)には、その特徴的な保持穴4にチップ状電子部品1を挿入配置した場合の配置例が模式的な平面図により示され、図4(b)には図4(a)のA−A部分の断面図が模式的に示されている。
【0018】
この実施形態例では、保持穴4の8つの内壁面14a〜14hのうち、互いに対向し合う一対の内壁面14a,14eの間隔D(図2参照)は、チップ状電子部品1の横方向の幅W(図8参照)よりも、僅かに狭くなっている。このため、チップ状電子部品1の横方向の向きを保持穴4の内壁面14a,14eの間隔方向αに合わせて、図4(a)に示されるようにチップ状電子部品1を保持穴4の内壁面14a,14e間に圧入することにより、チップ状電子部品1の互いに対向し合う一対の面1a,1bのそれぞれに保持穴4の内壁面14a,14eから弾性力により押圧されて、チップ状電子部品1はそれら保持穴4の内壁面14a,14e間に挟持保持される。
【0019】
すなわち、この実施形態例では、それら保持穴4の内壁面14a,14eは挟持用内壁面と成している。また、挟持用内壁面14a,14eの幅Hは、チップ状電子部品1の幅hとほぼ等しい幅となっており、挟持用内壁面14a,14eは、チップ状電子部品1の位置決め面としても機能するものである。
【0020】
この実施形態例では、それら挟持用内壁面14a,14e以外の保持穴内壁面14b,14c,14d,14f,14g,14hは、挟持用内壁面14a,14eから内側に向かって、挟持用内壁面14a,14eにより挟持保持されるチップ状電子部品1を間隔を介して囲むように配置形成されている。これにより、挟持用内壁面14a,14e以外の保持穴内壁面は、挟持用内壁面14a,14eの間隔方向αの長さL(図2参照)が、挟持用内壁面14a,14eの間隔の寸法Dよりも短くなっている。
【0021】
挟持用内壁面14a,14e以外の保持穴内壁面14b,14c,14d,14f,14g,14hが上記のように構成されているために、挟持用内壁面14a,14eと、その隣の内壁面14b,14d,14f,14hとは、鈍角の角部を形成する。これら角部と、挟持用内壁面14a,14eの幅Hがチップ状電子部品1の幅hとほぼ等幅である構成とによって、挟持用内壁面14a,14eにより挟持保持されるチップ状電子部品1の面1a,1bの両側の配置位置が規制されることとなる。これにより、保持穴4は、チップ状電子部品1を設定通りの位置に安定的に挟持保持することができる。
【0022】
さらに、この実施形態例では、挟持用内壁面14a,14e以外の保持穴内壁面14b,14c,14d,14f,14g,14hは、挟持用内壁面14a,14eに挟持保持されるチップ状電子部品1との間に間隙が形成される位置に配置されるので、その挟持用内壁面14a,14e以外の保持穴内壁面と、チップ状電子部品1の側面1c,1dとの間には空間15a,15bが形成される。これら空間15a,15bによって、図4(b)に示されるように、チップ状電子部品1の突出先端面に導電性ペースト5を付着させる際に、表面張力によってチップ状電子部品1の側面1c,1dを這い上がってくる導電性ペースト5から逃げることができる。つまり、空間15a,15bは導電性ペースト逃げ用空間と成している。
【0023】
さらにまた、この実施形態例では、保持穴4の開口形状は、挟持用内壁面14a,14eに直交する中心線Oに対して対称な形状と成している。このため、保持穴4の挟持用内壁面14a,14e間にチップ状電子部品1を挟持保持させたときに、挟持用内壁面14a,14e以外の保持穴内壁面と、チップ状電子部品1との間に形成される導電性ペースト逃げ用空間15a,15bはチップ状電子部品1に対して対称的な形状となる。これにより、チップ状電子部品1の突出先端面に導電性ペースト5を付着させる際に、空間15a,15bが関与する導電性ペースト5の這い上がり量は、チップ状電子部品1の側面1c側と側面1d側において、ほぼ同様となる。また、この実施形態例の構成では、チップ状電子部品1を保持穴4の設定通りの位置に容易に挟持固定できることから、保持穴4がチップ状電子部品1を挟持保持する度に、導電性ペースト逃げ用空間15a,15bはほぼ設定通りの大きさおよび形状となる。このため、チップ状電子部品1の側面1c,1dにおける導電性ペースト5の這い上がり量のばらつきを抑制することができる。
【0024】
この実施形態例のチップ状電子部品保持用ホルダー3は上記のように構成されている。このチップ状電子部品保持用ホルダー3を利用したチップ状電子部品1の電極形成工程の一例を簡単に説明する。
【0025】
例えば、まず、チップ状電子部品保持用ホルダー3の各々の保持穴4の挟持用内壁面14a,14e間にそれぞれチップ状電子部品1を圧入して、各チップ状電子部品1をその一部分を突出させた形態で保持穴4により挟持保持させる。そして、その挟持保持されたチップ状電子部品1の突出先端面を、導電性ペースト5の配置部に対向させる。導電性ペースト5の配置部には、例えば図5や図6に示されるような様々な形態のものがある。図5に示す例では、基板17に形成された溝18により、導電性ペースト5の配置部が形成されている。また、図6に示す例では、導電性ペースト5を収納するための導電性ペースト収納容器20と、その容器20の開口部を塞ぐように配置される平板21とを有し、平板21にはチップ状電子部品1の電極形成位置に対応する部分に貫通孔22が形成されている。また、導電性ペースト収納容器20の底部は例えば弾性材料により構成されており、この導電性ペースト収納容器20よりも底部側には導電性ペースト収納容器20の底部を押し上げる駆動機構23が配置されている。この駆動機構23が導電性ペースト収納容器20の底部を押し上げることにより、導電性ペースト収納容器20内に収納されていた導電性ペースト5の一部が平板21の貫通孔22から吐出する。この吐出された導電性ペースト5の一部がチップ状電子部品1の突出先端面に付着する。
【0026】
このように、導電性ペースト5の配置部には様々な形態があり、この実施形態例では、何れの形態をも採用してよいものである。
【0027】
チップ状電子部品1の突出先端面を、導電性ペースト5の配置部に対向させた後に、それらチップ状電子部品1の突出先端面と、導電性ペースト5とを相対的に近付けて、チップ状電子部品1の突出先端面に導電性ペースト5を付着させる。また、チップ状電子部品1の側面1c,1dの突出先端側の一部分には、表面張力により導電性ペースト5が這い上がって付着する。これにより、チップ状電子部品1の突出先端面に電極2が形成されると共に、側面1c,1dの突出先端側の一部分にも電極2が形成される。
【0028】
この導電性ペースト5の付着工程において、チップ状電子部品保持用ホルダー3はこの実施形態例に特有な構成を有していることから、保持穴4の内壁面を構成している弾性部材12等に導電性ペースト5が付着することを防止できる。
【0029】
なお、この発明はこの実施形態例に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、この実施形態例では、保持穴4の開口形状は、略八角形状であったが、保持穴4の開口形状は、例えば図7(a)に示されるような挟持用内壁面14a,14e以外の内壁面に対応する部分が円弧状となっている形状でもよいし、また、図7(b)に示されるような挟持用内壁面14a,14e以外の内壁面に対応する部分が多角形状でもよい。このように、保持穴4の開口形状は、チップ状電子部品1を挟持保持する挟持用内壁面と、保持穴4に保持されるチップ状電子部品1の電極形成位置とを考慮した適宜な形状としてよいものである。
【0030】
また、平板10に形成した貫通孔11の開口形状は四角形状であったが、この貫通孔11の開口形状に関しても、四角形状に限定されるものではなく、適宜な形状を採り得るものである。さらに、チップ状電子部品1に形成される電極2の形成位置や形成数は、仕様等に応じて、適宜設定されるものである。
【0031】
さらに、この実施形態例では、チップ状電子部品保持用ホルダー3の平板10に形成されている複数の保持穴4はマトリクス状に配列配置されていたが、保持穴4の形成位置は、例えば導電性ペースト5の配置部の構成などに応じて適宜に設定してよいものである。
【0032】
【発明の効果】
この発明によれば、チップ状電子部品保持用ホルダーの保持穴には、チップ状電子部品の互いに対向し合う一対の面を挟持固定するための互いに対向し合う挟持用内壁面を有し、これら挟持用内壁面はその幅を、当該挟持用内壁面が押圧するチップ状電子部品の面の幅とほぼ等しくしてチップ状電子部品の位置決め面と成している構成とした。これにより、チップ状電子部品を保持穴の設定通りの位置に挟持保持させることが容易にできる。
【0033】
また、挟持用内壁面以外の保持穴内壁面は、挟持用内壁面から内側に向かって挟持用内壁面間に挟持されるチップ状電子部品を間隔を介して囲むように形成されるので、その挟持用内壁面から内側に向かって形成される内壁面部分によって、挟持用内壁面に押圧されるチップ状電子部品の面の両側の位置を規制することができる。このため、チップ状電子部品をがたつきなく安定的に保持穴に保持させることができる。
【0034】
さらに、挟持用内壁面以外の保持穴内壁面はチップ状電子部品を間隔を介して囲むように形成されて、導電性ペースト逃げ用空間を構成するので、この発明のチップ状電子部品保持用ホルダーを利用してチップ状電子部品に電極を形成する工程において、その導電性ペースト逃げ用空間に面しているチップ状電子部品の側面に導電性ペーストが表面張力によって這い上がってきても、その這い上がってきた導電性ペーストがチップ状電子部品保持用ホルダーに付着することを回避できる。
【0035】
このため、チップ状電子部品保持用ホルダーを使用する度に、付着してしまった導電性ペーストを拭き取るという手間が不要となり、作業を軽減することができる。また、作業効率を向上させることができる。さらに、保持穴の内壁面が、エラストマーやゴム等の弾性部材により構成されているものにあっては、導電性ペーストの付着に起因した弾性部材の劣化を防止することができて、チップ状電子部品保持用ホルダーの長寿命化を図ることができる。
【0036】
保持穴の開口形状が、例えば略八角形状のように、挟持用内壁面に直交する中心線に対して略対称な形状であるものにあっては、挟持用内壁面以外の保持穴内壁面により構成される導電性ペースト逃げ用空間を、挟持用内壁面間に挟持されるチップ状電子部品に対して対称な形状にすることができる。このため、保持穴内壁面と、導電性ペースト逃げ用空間に面しているチップ状電子部品の側面との間隔が関与する導電性ペーストのチップ状電子部品側面の這い上がり量のばらつきを抑制することができる。
【0037】
さらに、チップ状電子部品保持用ホルダーが、平板と、平板に形成された貫通孔と、貫通孔の内壁面に取り付けられた弾性部材とを有し、その弾性部材によりチップ状電子部品を保持するための保持穴の内壁面が形成されており、平板の貫通孔の内壁面の突出部により弾性部材の補強部が形成されているものにあっては、弾性部材の型くずれを抑制することができる。
【0038】
この発明のチップ状電子部品保持用ホルダーおよびそれを用いたチップ状電子部品の電極形成方法を利用して、チップ状電子部品に電極を形成することにより、ほぼ設定通りの電極が形成されたチップ状電子部品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るチップ状電子部品保持用ホルダーの一実施形態例を模式的に示す平面図である。
【図2】実施形態例のチップ状電子部品保持用ホルダーにおける保持穴部分を拡大して示したモデル図である。
【図3】実施形態例のチップ状電子部品保持用ホルダーを構成する平板を示す平面図である。
【図4】実施形態例のチップ状電子部品保持用ホルダーの保持穴にチップ状電子部品を保持させた状態を説明するための図である。
【図5】導電性ペーストの配置部の形態例を説明するための図である。
【図6】また、導電性ペーストの配置部のその他の形態例を説明するための図である。
【図7】保持穴のその他の形態例を説明するための図である。
【図8】チップ状電子部品の形態例を模式的に示したモデル図である。
【図9】チップ状電子部品保持用ホルダーの一従来例を示すモデル図である。
【図10】チップ状電子部品保持用ホルダーに保持されたチップ状電子部品に電極を形成する工程例を説明するための図である。
【図11】図9のチップ状電子部品保持用ホルダーにおける問題点を説明するための図である。
【図12】チップ状電子部品保持用ホルダーのその他の従来例を説明するための図である。
【図13】図12に示した開口形状を持つ保持穴を形成した場合の問題点を説明するための図である。
【図14】引き続き、図12に示した開口形状を持つ保持穴を形成した場合の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
1 チップ状電子部品
2 電極
3 チップ状電子部品保持用ホルダー
4 保持穴
10 平板
11 貫通孔
12 弾性部材
13 突出部
14a,14e 挟持用内壁面
15 導電性ペースト逃げ用空間
【発明の属する技術分野】
本発明は、チップ状電子部品を保持するチップ状電子部品保持用ホルダーと、このホルダーを利用してチップ状電子部品を保持して当該チップ状電子部品に電極を形成するためのチップ状電子部品の電極形成方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】
図8に示されるようなチップ状電子部品1にはその外表面に電極2が形成される場合がある。チップ状電子部品1に電極2を形成する工程では、例えば、まず、チップ状電子部品1を図9に示されるようなチップ状電子部品保持用ホルダー3に取り付ける。そのチップ状電子部品保持用ホルダー3には、チップ状電子部品1がぴったりと嵌まる保持穴4が形成されており、この保持穴4にチップ状電子部品1を嵌め込むことにより、チップ状電子部品1が保持穴4に保持されてチップ状電子部品保持用ホルダー3に取り付けられる。なお、チップ状電子部品1は、その一部分を保持穴4から突出させた形態でチップ状電子部品保持用ホルダー3に取り付けられる。
【0003】
チップ状電子部品1をチップ状電子部品保持用ホルダー3に取り付けた後には、図10に示されるように、そのチップ状電子部品1の突出先端面を電極2の形成材料である導電性ペースト5の配置部に対向させる。そして、チップ状電子部品1の突出先端面と導電性ペースト5を相対的に近付けて、チップ状電子部品1の突出先端面に導電性ペーストを付着させる。このようにして、チップ状電子部品1に電極2を形成することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、チップ状電子部品1に導電性ペースト5を付着させたときに、図11の断面図に示すように、導電性ペースト5が表面張力によってチップ状電子部品1の側面に沿って這い上がってくる(濡れ上がってくる)。図9に示すチップ状電子部品保持用ホルダー3では、保持穴4は、チップ状電子部品1がぴったりと嵌まる形状であるために、その這い上がってきた導電性ペースト5の一部がチップ状電子部品保持用ホルダー3に付着してしまう。
【0005】
チップ状電子部品保持用ホルダー3は使い回しするために、チップ状電子部品保持用ホルダー3に導電性ペースト5が付着したままでは、次回の使用時に支障を来すことになる。このため、チップ状電子部品保持用ホルダー3を使用する度に、チップ状電子部品保持用ホルダー3に付着した導電性ペースト5は拭き取らねばならず、非常に面倒であるし、また、作業効率が低下してしまう。
【0006】
また、保持穴4の内壁面は、弾性力でもってチップ状電子部品1を保持するために、エラストマーやシリコンゴム等の弾性部材により構成されている。その弾性部材は導電性ペースト5に含まれる溶剤等により劣化し易いために、導電性ペースト5がその弾性部材に付着すると、その付着した導電性ペースト5に因る弾性部材の劣化に起因してチップ状電子部品保持用ホルダー3の寿命が短くなってしまう。
【0007】
そのような導電性ペースト5の付着に起因した問題を防止するために、チップ状電子部品1をチップ状電子部品保持用ホルダー3からより多く突出させてチップ状電子部品保持用ホルダー3に導電性ペースト5が付着することを防止することが考えられる。しかしながら、チップ状電子部品1の突出量を増加させると、チップ状電子部品保持用ホルダー3の保持穴4により保持されるチップ状電子部品1の領域が減少することから、保持穴4によるチップ状電子部品1の保持力が弱くなる。これにより、チップ状電子部品1がチップ状電子部品保持用ホルダー3から落下してしまう確率が高くなる。
【0008】
そこで、チップ状電子部品1の突出量を増加させるのではなく、チップ状電子部品保持用ホルダー3の保持穴4の開口形状を、例えば図12に示すように、導電性ペースト5が付着する虞がある部分を避けるように大きくした四角形状とすることが考えられる。
【0009】
しかしながら、このような場合には、チップ状電子部品1は、保持穴4の中央部に配置されることが望ましいが、保持穴4により挟持されるチップ状電子部品1の面に沿う方向に保持穴4が大きくなっていることから、図13(a)や(b)に示されるように、チップ状電子部品1が設定の中央部からずれて保持穴4に保持される場合が多くなる。チップ状電子部品1が保持穴4の中央部からずれて配置されると、次に示すような問題が生じる。その問題とは、図13(a)のB−B部分の断面を表す図14に示されるように、チップ状電子部品1が保持穴4の中央部からずれると、チップ状電子部品1の側面1cと当該側面1cに対向する保持穴4の内壁面との間の間隔Δdcと、チップ状電子部品1の側面1dと当該側面1dに対向する保持穴4の内壁面との間の間隔Δddとが異なる。この間隔Δdc,Δddの違いによって、チップ状電子部品1の側面1c,1dにおける導電性ペースト5の這い上がり量が異なる。このため、チップ状電子部品1の側面1c,1dに形成される電極2部分の長さが異なってしまう。
【0010】
また、保持穴4の中央部に対するチップ状電子部品1の保持位置のずれ量にはばらつきが生じることから、チップ状電子部品1毎に、側面1c,1d部分に形成される電極2部分の長さが異なることとなり、チップ状電子部品1に形成される電極2にばらつきが生じてしまうこととなる。これにより、チップ状電子部品1の性能ばらつきの問題を招く虞がある。
【0011】
この発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、チップ状電子部品保持用ホルダーの保持穴にチップ状電子部品を設定通りの位置に安定的に取り付けることが容易で、しかも、導電性ペーストの付着を防止することができるチップ状電子部品保持用ホルダーおよびそれを用いたチップ状電子部品の電極形成方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決するための手段としている。すなわち、この発明は、チップ状電子部品を挿入して保持させるための保持穴を有し、この保持穴にチップ状電子部品を一部分を突出させた状態で保持させて当該チップ状電子部品の突出先端面に電極を形成するために用いられるチップ状電子部品保持用ホルダーにおいて、保持穴は、チップ状電子部品の互いに対向し合う一対の面を弾性力により押圧してチップ状電子部品を挟持固定するための互いに対向し合う挟持用内壁面を有し、それら挟持用内壁面はその幅を、当該挟持用内壁面が押圧するチップ状電子部品の面の幅とほぼ等しくしたチップ状電子部品の位置決め面と成し、また、両方の挟持用内壁面から内側に向かって挟持用内壁面間に挟持保持されるチップ状電子部品を間隔を介して囲むように形成された保持穴内壁面は、挟持用内壁面の間隔方向の長さが、挟持用内壁面間の間隔の寸法よりも短く形成されており、当該挟持用内壁面以外の保持穴内壁面と、チップ状電子部品との間には、チップ状電子部品の側面に沿って這い上がってくる電極形成材料である導電性ペーストから逃げるための導電性ペースト逃げ用空間が形成されていることを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1には本発明に係るチップ状電子部品保持用ホルダーの一実施形態例が平面図により示されている。なお、この実施形態例では、図9に示すチップ状電子部品保持用ホルダーと同一名称部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0015】
この実施形態例のチップ状電子部品保持用ホルダー3は平板10を有している。この平板10はステンレス鋼等の剛体により構成され、当該平板10には、図3に示されるような表面側から裏面側に貫通する複数の貫通孔11がマトリクス状に配列形成されている。これら各貫通孔11の内周面には弾性部材12が取り付けられている。この弾性部材12により、チップ状電子部品1を保持するための保持穴4の内壁面が形成されている。この実施形態例では、弾性部材12は、例えば、エラストマーやシリコンゴム等の弾性材料により構成されている。
【0016】
図2には保持穴4の一部分を抜き出して示した保持穴形成部分の拡大図が示されている。この拡大図に示されるように、平板10の貫通孔11の内周面はその一部13が貫通孔11の内側に向けて突出している。この突出部13は弾性部材12に埋設されて弾性部材12の補強部と成している。
【0017】
この実施形態例において最も特徴的なことは、保持穴4の開口形状が略八角形状と成していることである。図4(a)には、その特徴的な保持穴4にチップ状電子部品1を挿入配置した場合の配置例が模式的な平面図により示され、図4(b)には図4(a)のA−A部分の断面図が模式的に示されている。
【0018】
この実施形態例では、保持穴4の8つの内壁面14a〜14hのうち、互いに対向し合う一対の内壁面14a,14eの間隔D(図2参照)は、チップ状電子部品1の横方向の幅W(図8参照)よりも、僅かに狭くなっている。このため、チップ状電子部品1の横方向の向きを保持穴4の内壁面14a,14eの間隔方向αに合わせて、図4(a)に示されるようにチップ状電子部品1を保持穴4の内壁面14a,14e間に圧入することにより、チップ状電子部品1の互いに対向し合う一対の面1a,1bのそれぞれに保持穴4の内壁面14a,14eから弾性力により押圧されて、チップ状電子部品1はそれら保持穴4の内壁面14a,14e間に挟持保持される。
【0019】
すなわち、この実施形態例では、それら保持穴4の内壁面14a,14eは挟持用内壁面と成している。また、挟持用内壁面14a,14eの幅Hは、チップ状電子部品1の幅hとほぼ等しい幅となっており、挟持用内壁面14a,14eは、チップ状電子部品1の位置決め面としても機能するものである。
【0020】
この実施形態例では、それら挟持用内壁面14a,14e以外の保持穴内壁面14b,14c,14d,14f,14g,14hは、挟持用内壁面14a,14eから内側に向かって、挟持用内壁面14a,14eにより挟持保持されるチップ状電子部品1を間隔を介して囲むように配置形成されている。これにより、挟持用内壁面14a,14e以外の保持穴内壁面は、挟持用内壁面14a,14eの間隔方向αの長さL(図2参照)が、挟持用内壁面14a,14eの間隔の寸法Dよりも短くなっている。
【0021】
挟持用内壁面14a,14e以外の保持穴内壁面14b,14c,14d,14f,14g,14hが上記のように構成されているために、挟持用内壁面14a,14eと、その隣の内壁面14b,14d,14f,14hとは、鈍角の角部を形成する。これら角部と、挟持用内壁面14a,14eの幅Hがチップ状電子部品1の幅hとほぼ等幅である構成とによって、挟持用内壁面14a,14eにより挟持保持されるチップ状電子部品1の面1a,1bの両側の配置位置が規制されることとなる。これにより、保持穴4は、チップ状電子部品1を設定通りの位置に安定的に挟持保持することができる。
【0022】
さらに、この実施形態例では、挟持用内壁面14a,14e以外の保持穴内壁面14b,14c,14d,14f,14g,14hは、挟持用内壁面14a,14eに挟持保持されるチップ状電子部品1との間に間隙が形成される位置に配置されるので、その挟持用内壁面14a,14e以外の保持穴内壁面と、チップ状電子部品1の側面1c,1dとの間には空間15a,15bが形成される。これら空間15a,15bによって、図4(b)に示されるように、チップ状電子部品1の突出先端面に導電性ペースト5を付着させる際に、表面張力によってチップ状電子部品1の側面1c,1dを這い上がってくる導電性ペースト5から逃げることができる。つまり、空間15a,15bは導電性ペースト逃げ用空間と成している。
【0023】
さらにまた、この実施形態例では、保持穴4の開口形状は、挟持用内壁面14a,14eに直交する中心線Oに対して対称な形状と成している。このため、保持穴4の挟持用内壁面14a,14e間にチップ状電子部品1を挟持保持させたときに、挟持用内壁面14a,14e以外の保持穴内壁面と、チップ状電子部品1との間に形成される導電性ペースト逃げ用空間15a,15bはチップ状電子部品1に対して対称的な形状となる。これにより、チップ状電子部品1の突出先端面に導電性ペースト5を付着させる際に、空間15a,15bが関与する導電性ペースト5の這い上がり量は、チップ状電子部品1の側面1c側と側面1d側において、ほぼ同様となる。また、この実施形態例の構成では、チップ状電子部品1を保持穴4の設定通りの位置に容易に挟持固定できることから、保持穴4がチップ状電子部品1を挟持保持する度に、導電性ペースト逃げ用空間15a,15bはほぼ設定通りの大きさおよび形状となる。このため、チップ状電子部品1の側面1c,1dにおける導電性ペースト5の這い上がり量のばらつきを抑制することができる。
【0024】
この実施形態例のチップ状電子部品保持用ホルダー3は上記のように構成されている。このチップ状電子部品保持用ホルダー3を利用したチップ状電子部品1の電極形成工程の一例を簡単に説明する。
【0025】
例えば、まず、チップ状電子部品保持用ホルダー3の各々の保持穴4の挟持用内壁面14a,14e間にそれぞれチップ状電子部品1を圧入して、各チップ状電子部品1をその一部分を突出させた形態で保持穴4により挟持保持させる。そして、その挟持保持されたチップ状電子部品1の突出先端面を、導電性ペースト5の配置部に対向させる。導電性ペースト5の配置部には、例えば図5や図6に示されるような様々な形態のものがある。図5に示す例では、基板17に形成された溝18により、導電性ペースト5の配置部が形成されている。また、図6に示す例では、導電性ペースト5を収納するための導電性ペースト収納容器20と、その容器20の開口部を塞ぐように配置される平板21とを有し、平板21にはチップ状電子部品1の電極形成位置に対応する部分に貫通孔22が形成されている。また、導電性ペースト収納容器20の底部は例えば弾性材料により構成されており、この導電性ペースト収納容器20よりも底部側には導電性ペースト収納容器20の底部を押し上げる駆動機構23が配置されている。この駆動機構23が導電性ペースト収納容器20の底部を押し上げることにより、導電性ペースト収納容器20内に収納されていた導電性ペースト5の一部が平板21の貫通孔22から吐出する。この吐出された導電性ペースト5の一部がチップ状電子部品1の突出先端面に付着する。
【0026】
このように、導電性ペースト5の配置部には様々な形態があり、この実施形態例では、何れの形態をも採用してよいものである。
【0027】
チップ状電子部品1の突出先端面を、導電性ペースト5の配置部に対向させた後に、それらチップ状電子部品1の突出先端面と、導電性ペースト5とを相対的に近付けて、チップ状電子部品1の突出先端面に導電性ペースト5を付着させる。また、チップ状電子部品1の側面1c,1dの突出先端側の一部分には、表面張力により導電性ペースト5が這い上がって付着する。これにより、チップ状電子部品1の突出先端面に電極2が形成されると共に、側面1c,1dの突出先端側の一部分にも電極2が形成される。
【0028】
この導電性ペースト5の付着工程において、チップ状電子部品保持用ホルダー3はこの実施形態例に特有な構成を有していることから、保持穴4の内壁面を構成している弾性部材12等に導電性ペースト5が付着することを防止できる。
【0029】
なお、この発明はこの実施形態例に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、この実施形態例では、保持穴4の開口形状は、略八角形状であったが、保持穴4の開口形状は、例えば図7(a)に示されるような挟持用内壁面14a,14e以外の内壁面に対応する部分が円弧状となっている形状でもよいし、また、図7(b)に示されるような挟持用内壁面14a,14e以外の内壁面に対応する部分が多角形状でもよい。このように、保持穴4の開口形状は、チップ状電子部品1を挟持保持する挟持用内壁面と、保持穴4に保持されるチップ状電子部品1の電極形成位置とを考慮した適宜な形状としてよいものである。
【0030】
また、平板10に形成した貫通孔11の開口形状は四角形状であったが、この貫通孔11の開口形状に関しても、四角形状に限定されるものではなく、適宜な形状を採り得るものである。さらに、チップ状電子部品1に形成される電極2の形成位置や形成数は、仕様等に応じて、適宜設定されるものである。
【0031】
さらに、この実施形態例では、チップ状電子部品保持用ホルダー3の平板10に形成されている複数の保持穴4はマトリクス状に配列配置されていたが、保持穴4の形成位置は、例えば導電性ペースト5の配置部の構成などに応じて適宜に設定してよいものである。
【0032】
【発明の効果】
この発明によれば、チップ状電子部品保持用ホルダーの保持穴には、チップ状電子部品の互いに対向し合う一対の面を挟持固定するための互いに対向し合う挟持用内壁面を有し、これら挟持用内壁面はその幅を、当該挟持用内壁面が押圧するチップ状電子部品の面の幅とほぼ等しくしてチップ状電子部品の位置決め面と成している構成とした。これにより、チップ状電子部品を保持穴の設定通りの位置に挟持保持させることが容易にできる。
【0033】
また、挟持用内壁面以外の保持穴内壁面は、挟持用内壁面から内側に向かって挟持用内壁面間に挟持されるチップ状電子部品を間隔を介して囲むように形成されるので、その挟持用内壁面から内側に向かって形成される内壁面部分によって、挟持用内壁面に押圧されるチップ状電子部品の面の両側の位置を規制することができる。このため、チップ状電子部品をがたつきなく安定的に保持穴に保持させることができる。
【0034】
さらに、挟持用内壁面以外の保持穴内壁面はチップ状電子部品を間隔を介して囲むように形成されて、導電性ペースト逃げ用空間を構成するので、この発明のチップ状電子部品保持用ホルダーを利用してチップ状電子部品に電極を形成する工程において、その導電性ペースト逃げ用空間に面しているチップ状電子部品の側面に導電性ペーストが表面張力によって這い上がってきても、その這い上がってきた導電性ペーストがチップ状電子部品保持用ホルダーに付着することを回避できる。
【0035】
このため、チップ状電子部品保持用ホルダーを使用する度に、付着してしまった導電性ペーストを拭き取るという手間が不要となり、作業を軽減することができる。また、作業効率を向上させることができる。さらに、保持穴の内壁面が、エラストマーやゴム等の弾性部材により構成されているものにあっては、導電性ペーストの付着に起因した弾性部材の劣化を防止することができて、チップ状電子部品保持用ホルダーの長寿命化を図ることができる。
【0036】
保持穴の開口形状が、例えば略八角形状のように、挟持用内壁面に直交する中心線に対して略対称な形状であるものにあっては、挟持用内壁面以外の保持穴内壁面により構成される導電性ペースト逃げ用空間を、挟持用内壁面間に挟持されるチップ状電子部品に対して対称な形状にすることができる。このため、保持穴内壁面と、導電性ペースト逃げ用空間に面しているチップ状電子部品の側面との間隔が関与する導電性ペーストのチップ状電子部品側面の這い上がり量のばらつきを抑制することができる。
【0037】
さらに、チップ状電子部品保持用ホルダーが、平板と、平板に形成された貫通孔と、貫通孔の内壁面に取り付けられた弾性部材とを有し、その弾性部材によりチップ状電子部品を保持するための保持穴の内壁面が形成されており、平板の貫通孔の内壁面の突出部により弾性部材の補強部が形成されているものにあっては、弾性部材の型くずれを抑制することができる。
【0038】
この発明のチップ状電子部品保持用ホルダーおよびそれを用いたチップ状電子部品の電極形成方法を利用して、チップ状電子部品に電極を形成することにより、ほぼ設定通りの電極が形成されたチップ状電子部品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るチップ状電子部品保持用ホルダーの一実施形態例を模式的に示す平面図である。
【図2】実施形態例のチップ状電子部品保持用ホルダーにおける保持穴部分を拡大して示したモデル図である。
【図3】実施形態例のチップ状電子部品保持用ホルダーを構成する平板を示す平面図である。
【図4】実施形態例のチップ状電子部品保持用ホルダーの保持穴にチップ状電子部品を保持させた状態を説明するための図である。
【図5】導電性ペーストの配置部の形態例を説明するための図である。
【図6】また、導電性ペーストの配置部のその他の形態例を説明するための図である。
【図7】保持穴のその他の形態例を説明するための図である。
【図8】チップ状電子部品の形態例を模式的に示したモデル図である。
【図9】チップ状電子部品保持用ホルダーの一従来例を示すモデル図である。
【図10】チップ状電子部品保持用ホルダーに保持されたチップ状電子部品に電極を形成する工程例を説明するための図である。
【図11】図9のチップ状電子部品保持用ホルダーにおける問題点を説明するための図である。
【図12】チップ状電子部品保持用ホルダーのその他の従来例を説明するための図である。
【図13】図12に示した開口形状を持つ保持穴を形成した場合の問題点を説明するための図である。
【図14】引き続き、図12に示した開口形状を持つ保持穴を形成した場合の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
1 チップ状電子部品
2 電極
3 チップ状電子部品保持用ホルダー
4 保持穴
10 平板
11 貫通孔
12 弾性部材
13 突出部
14a,14e 挟持用内壁面
15 導電性ペースト逃げ用空間
Claims (7)
- チップ状電子部品を挿入して保持させるための保持穴を有し、この保持穴にチップ状電子部品を一部分を突出させた状態で保持させて当該チップ状電子部品の突出先端面に電極を形成するために用いられるチップ状電子部品保持用ホルダーにおいて、保持穴は、チップ状電子部品の互いに対向し合う一対の面を弾性力により押圧してチップ状電子部品を挟持固定するための互いに対向し合う挟持用内壁面を有し、それら挟持用内壁面はその幅を、当該挟持用内壁面が押圧するチップ状電子部品の面の幅とほぼ等しくしたチップ状電子部品の位置決め面と成し、また、両方の挟持用内壁面から内側に向かって挟持用内壁面間に挟持保持されるチップ状電子部品を間隔を介して囲むように形成された保持穴内壁面は、挟持用内壁面の間隔方向の長さが、挟持用内壁面間の間隔の寸法よりも短く形成されており、当該挟持用内壁面以外の保持穴内壁面と、チップ状電子部品との間には、チップ状電子部品の側面に沿って這い上がってくる電極形成材料である導電性ペーストから逃げるための導電性ペースト逃げ用空間が形成されていることを特徴とするチップ状電子部品保持用ホルダー。
- 保持穴の開口形状は、挟持用内壁面に直交する中心線に対して略対称な形状であることを特徴とする請求項1記載のチップ状電子部品保持用ホルダー。
- 保持穴は、その開口形状が略八角形状と成していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のチップ状電子部品保持用ホルダー。
- チップ状電子部品保持用ホルダーは、平板と、当該平板に貫通形成された貫通孔と、この貫通孔の内周面に取り付けられてチップ状電子部品を保持するための保持穴の内壁面を形成する弾性部材とを有して構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載のチップ状電子部品保持用ホルダー。
- 平板の貫通孔の内周面はその一部分が貫通孔の内側に突出形成されて保持穴の内壁面を形成する弾性部材に埋設されており、貫通孔の内周面の突出部は弾性部材の補強部と成していることを特徴とする請求項4記載のチップ状電子部品保持用ホルダー。
- 請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載のチップ状電子部品保持用ホルダーにチップ状電子部品をその一部を突出させて保持させ、そのチップ状電子部品の突出先端面に電極を形成することを特徴とするチップ状電子部品の電極形成方法。
- チップ状電子部品保持用ホルダーに保持されたチップ状電子部品の突出先端面を、電極形成材料である導電性ペーストの配置部に対向させ、その後、そのチップ状電子部品の突出先端面を導電性ペーストに接触させて、当該導電性ペーストをチップ状電子部品の突出先端面に付着させると共に、チップ状電子部品保持用ホルダーの導電性ペースト逃げ用空間に面するチップ状電子部品の側面に導電性ペーストを這い上がらせて当該チップ状電子部品の側面の突出先端側の一部分にも電極を形成することを特徴とする請求項6記載のチップ状電子部品の電極形成方法。
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JP2011124490A (ja) * | 2009-12-14 | 2011-06-23 | Tdk Corp | チップ部品の製造方法 |
JP2012114266A (ja) * | 2010-11-25 | 2012-06-14 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | セラミック部品用保持具及びセラミック部品の取り扱い方法 |
JP2016100558A (ja) * | 2014-11-26 | 2016-05-30 | 信越ポリマー株式会社 | 部品搬送用部材 |
-
2002
- 2002-07-10 JP JP2002201508A patent/JP2004047632A/ja active Pending
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