上記メモリカードも将来的に安価になる事が予想できる。これは、現在普及しているFD(Floppy(R) Disk)やCD−Rなどを見れば明らかである。
このような状況では、メモリカードを例えば気軽に他人に譲渡し、あるいは特定のグループ内で共有するといった使用形態も珍しい事ではなくなると考えられる。具体的には、例えば町内で利用される回覧板や或いは友人間でやり取りされる交換日記等にメモリカードが使用された場合がこれに該当する。
また、例えば音楽データ、画像データ、文書ファイル等、記録するデータに応じて一人が複数枚のメモリカードを所有することが考えられる。
しかしながら、上記他人に譲渡し、あるいは特定のグループ内で共有するといった使用形態を考えた場合、現在のメモリカード、またはその他の記憶媒体などに施されているセキュリティ技術では、上記使用形態に支障をきたす事が考えられる。
即ち、上記メモリカード使用の際にまったくセキュリティが施されていない場合には以下の問題が発生する。例えば、上記交換日記等、他の人には見られたくないデータが格納されている場合、ユーザ或いはグループは、他者に当該データを見られる事を好ましく思わない。つまり、このようなデータを格納したメモリカードを紛失した場合、セキュリティが施されていなければ、ユーザの不安はセキュリティが施されている場合に比べて増大するといえる。
これに対し、上記メモリカード使用の際に強固なセキュリティが施されている場合、ユーザ全員に例えばパスワードを通知すること等でセキュリティを解除する方法を知らせなければならない。即ち、一つのメモリカードを複数人で使用する場合、上述した強固なセキュリティを施すと、データを閲覧するために複雑な操作が必要になる。
上記強固なセキュリティの例として、特開2001−211170号公報に記載の技術を挙げる事ができる。当該技術では、メモリカードの識別データと装置の識別データとを用いて認証処理を行うことにより、特定の装置以外の装置によってメモリカードが使用されることを防止している。
しかし、この従来技術においては、メモリカードに特定のセキュリティ機能を備える必要があり、現在市場に出回っているセキュリティ機能を備えていないメモリカードにおいては、実現することができない。また、上述したように、このような強固なセキュリティ機能を備えると特定の装置以外でメモリカードを使用できないため、メモリカードを複数人で共有する場合などには利用できない。
つまり、特に共有にかかるメモリカードに格納されるデータは、セキュリティが不要というわけではないが、かといって強固なセキュリティを設定した場合には、運用上障害をきたす性質を持っているのである。
また、メモリカードを複数枚所有した場合には、上述したセキュリティの問題に加えて管理上の問題も生じる。即ち、1つはメモリカード自体の管理に関する問題である。
メモリカード自体を管理する方法として、従来のFD(R)と同様に、格納されている各種データの内容を記入したラベルをメモリカード本体に付することが可能である。しかし、上記メモリカードは小型化が進んでいるため、メモリカードに所有者・内容等の情報をラベル付けすることは困難である。また、個人で複数のメモリカードを保持する場合、全てのメモリカードにラベル付けするのは面倒であると共に、当該メモリカードのメモリカード読取・書込装置への挿抜時にラベルがはがれてしまう可能性もある。
他に、メモリカードに格納しているデータの管理に関する問題も生じる。即ち、メモリカードに異なる種類のデータを格納した場合、メモリカードの内容を確認するためには、データの種類毎に、専用アプリケーションを実行するかまたは専用の装置を用いる必要がある。ここで、パソコン上のファイル管理ソフトを用いるとファイル名を確認することはできるが、例えば音楽コンテンツにおいて当該音楽のタイトルまで確認することは、メモリカードの独自のコンテンツ管理方式から容易でない。つまり、メモリカードに格納しているデータの内容確認が容易ではないという問題が存在するのである。
さらに、メモリカードの使用者の管理に関する問題も生じる。即ち、複数のメモリカードを複数の使用者により共有する環境においては、メモリカードの主となる所有者がわからなくなるという問題が生じるのである。
本発明は上記従来の事情に基づいて提案されたものであって、心理的な防御機能を果たすセキュリティ、即ち、弱セキュリティ機能を実現し、さらにメモリカードの紛失時にも対応可能であると共に、メモリカードの様々な管理を実現するメモリカード読取・書込装置、アクセス方法、プログラム及びその記録媒体を提供する事を目的とするものである。
本発明は、上記目的を達成するために以下の手段を採用している。すなわち、本発明はメモリカードを挿抜可能なメモリカード読取・書込装置を前提としている。ここで、装置ユーザ情報取得手段は、メモリカード読取・書込装置の使用者を特定する装置ユーザ情報を格納する記憶手段より装置ユーザ情報を取得する。またメモリカードユーザ情報取得手段は、メモリカードの主となる使用者を特定する主メモリカードユーザ情報をメモリカードから取得する。そしてユーザ情報比較手段は、この2つの情報を比較し、比較結果を出力する。出力手段はこの比較結果に基づいて所定の出力を行うのである。
出力内容としては、装置ユーザ情報と上記主メモリカードユーザ情報との比較結果が不一致の場合に、主メモリカードユーザ情報自体やメモリカードの主となる使用者に関する情報を出力する構成、或いは不一致の旨を示す情報を出力する構成がある。
この構成では、所定の情報(警告、主メモリカードユーザ情報等)を出力するため、セキュリティがまったく施されていない場合と比較し、メモリカードに記録した情報が不用意に読み出されることを防ぎ、或いはメモリカードの内容を詳細に確認することなくメモリカードの持ち主を特定することができる。
尚、装置ユーザ情報と主メモリカードユーザ情報が不一致である場合でも、メモリカード内に記録されている情報を読み出して、閲覧、再生する事が可能となるため、強固なセキュリティが施されている場合と比較し、複数人でメモリカードを共有する場合であってもスムーズな運用が可能となる。
また、比較結果が一致の場合の出力内容を、メモリカード内容一覧情報取得手段が取得したメモリカードに格納されているデータの内容一覧を示す情報とすることで、ユーザは、メモリカードの内容を容易に確認することができ、即ちメモリカードに格納しているデータの管理が容易となる。尚、メモリカード内で複数の領域が存在する場合であっても、各領域の主となる使用者を特定するメモリカードユーザ情報をそれぞれ判定することで、メモリカードを複数のユーザで使用する場合にも対応可能であり、複数人利用時の利便性を上げることもできる。
さらに、比較結果が不一致であった場合、履歴情報書込手段が装置ユーザ情報を含む履歴情報をメモリカードに書き込む構成がある。
この構成では、メモリカードの持ち主は、メモリカードが他人に使用された事実を知ることができる。さらに、例えば回覧板のような回覧経緯の情報を必要とする運用にメモリカードを用いる際には、自動的に回覧経緯を把握する事が可能となる。尚、上記履歴情報に、メモリカードより読み出された(アクセスされた)コンテンツに関する情報を含める構成でもよい。この場合、メモリカードの持ち主はどのコンテンツが閲覧されたかまで把握することが可能となる。
さらに、出力手段は、メモリカードへのアクセスの履歴が作成される旨を示す情報を出力すると共に、履歴情報書込手段は、メモリカード内容一覧情報取得手段が上記メモリカードに格納されているデータの内容一覧を示す情報を取得後に履歴情報を書き込む構成がある。
この構成では、例えば出力手段がディスプレイ等に出力する情報に、「このメモリカードの情報を読み出した場合には、履歴が作成されます」といった情報、即ちメモリカードへのアクセスの履歴が作成される旨を示す情報を含める事が可能である。このような情報を含める事で、他のユーザがメモリカードの情報を読み出す際の心理面でのセキュリティを強化する事ができる。当然、許可を得ている使用者に対しては心理的なセキュリティとならないのでスムーズな運用を妨げる事はない。
また、装置ユーザ情報とメモリカードユーザ情報とが一致しない場合には、機能制限手段がメモリカード読取・書込装置の機能低下を招く処理を行なう構成がある。機能低下を招く処理としては、ディスプレイのバックライトのオフ、ディスプレイの表示輝度の低下、CPU(Central Processing Unit)の処理速度の低下、所定の表示データのオーバーレイ、所定の音声の出力等が例として挙げられる。
この構成では、メモリカード読取・書込装置の利便性を下げ、結果として弱セキュリティ機能を高めることが可能になる。
またさらに、メモリカードユーザ情報取得手段は、主メモリカードユーザ情報とは異なるメモリカードの使用者を特定する副メモリカードユーザ情報をメモリカードより取得し、ユーザ情報比較手段は、装置ユーザ情報と、副メモリカードユーザ情報とを比較し、比較結果を出力する構成がある。
この構成では、メモリカードを使用可能なグループのメンバーを副メモリカードユーザ情報に登録しておく事で、副メモリカードユーザ情報に登録されたユーザは警告なく当該メモリカードを使用可能となる。つまり、メモリカードに登録された副メモリカードユーザ情報を用いてユーザグループによる利用が可能となるため、ユーザグループ内においては自由なアクセスを許容し、他者に対しても緩やかな制限を容易に設定することができる。
さらに、ユーザ情報生成手段が、比較結果が一致であった場合、新たな主メモリカードユーザ情報の入力を受け付け、メモリカードユーザ情報書込手段が入力された新たな主メモリカードユーザ情報をメモリカードに書き込む構成がある。
この構成では、自所有のメモリカードに対してのみ主メモリカードユーザ情報を書き換えることができるため、弱セキュリティを維持しながらも他者に対して当該メモリカードを容易に譲渡することが可能となる。その結果、メモリカードを利用したコンテンツの流通を促進する事ができる。
尚、ユーザ情報生成手段は、新たな主メモリカードユーザ情報を、副メモリカードユーザ情報から選択的に入力させる構成としても良い。
この構成では、入力を容易にするだけでなく、自所有のメモリカードの主メモリカードユーザ情報を、例えば特定のグループメンバー等、予め登録されており信任足りえる他のユーザ情報にのみ書き換えることができるため、個人情報の流出を未然に回避しつつ、他者に対して容易に譲渡が可能となる。
また、ユーザ情報生成手段は、新たな主メモリカードユーザ情報として、ユーザは限定されない旨の情報を入力できる構成にしても良い。
この構成では、新規ユーザID、新規ユーザ名に入力することなく主メモリカードユーザ情報を書き込むことで、新規に購入したメモリカードと同様に、不特定多数に弱セキュリティなく配布する事が可能となる。
また、比較結果が不一致であり、かつ主メモリカードユーザ情報が特定できない場合、装置ユーザ情報を新たな主メモリカードユーザ情報とすることで、容易にメモリカードの譲渡が可能となる。
さらに、新規の装置ユーザ情報の登録時に、既存の装置ユーザ情報を旧装置ユーザ情報として記憶しておき、必要に応じてメモリカードユーザ情報と旧装置ユーザ情報とを比較する構成がある。
この構成では、例えば譲渡などによる装置ユーザ情報の変更時でも、既存のメモリカードのユーザ情報を自動的に書き換えるといった構成が可能になるため、ユーザの利便性を上げることができる。
一方で、装置ユーザ情報と主メモリカードユーザ情報との比較結果が不一致の場合に、メール送信手段が主メモリカードユーザ情報に含まれる電子メールアドレスに対してメールを送信する構成がある。
この構成ではメモリカード読取・書込装置の所有者とメモリカードの所有者が異なる場合には、例えばメモリカード読取・書込装置の所有者であるユーザがメモリカードを挿入した際に、メモリカードが使用されたことをメモリカードの持ち主に電子メールにて通知するため、メモリカードの所有者は遠隔地においてメモリカードの使用状況を知ることができる。
尚、メールに住所情報などの、メモリカード読取・書込装置の使用者の情報を含めることで、誰に使用されているかを明確に知る事ができる。
さらにGPSを備えると共に、使用者の情報にGPSより得られる現在位置の情報を含めることで、紛失した際でもメモリカードの位置を知ることができる。
また、受信したメールより、相手先装置の使用者を特定する装置ユーザ情報を取得するメール受信手段を備え、比較手段が相手先の装置ユーザ情報と、主メモリカードユーザ情報とを比較し、比較結果を出力すると共に、アクセス制御手段が比較結果に基づいてメモリカードのアクセスを制御する構成としても良い。ここで、アクセス制御手段は、メールに含まれる使用条件に基づいてメモリカードのアクセスを制御する構成とすることで、遠隔地からメモリカードへのアクセスを制御する事ができる。
尚、使用条件には、使用可能、使用不可能、使用可能回数、譲渡、期間設定などを含める事が可能である。
この場合、上記メールを送信するメモリカード読取・書込装置は、装置ユーザ情報、及び送信先装置にてアクセス可能なメモリカードの使用条件を含む使用許可情報を生成する使用許可情報生成手段と、使用許可情報生成手段が生成した使用許可情報を上記送信先装置に送信するメール送信手段とを備える。
ここで、上記メモリカード読取・書込装置は、コンピュータを用いて具体化することができる。その場合、上述した各手段は、コンピュータ上でプログラムを動作させることにより具体化される。
本発明に係るメモリカード読取・書込装置においては、装置ユーザ情報と主メモリカードユーザ情報とを比較し、当該比較結果に基づいて所定の情報(警告等)を出力するため、メモリカードの内容を詳細に確認することなくメモリカードの持ち主を特定することができる。また、セキュリティがまったく施されていない場合と比較し、メモリカードに記録した情報が不用意に読み出されることを防ぐ事が可能となる。
また、装置ユーザ情報と主メモリカードユーザ情報が不一致である場合でも、上記メモリカード内に記録されている情報を読み出して、閲覧、再生する事が可能となるため、強固なセキュリティが施されている場合と比較し、複数人でメモリカードを共有する場合であってもスムーズな運用が可能となる。
さらに、装置ユーザ情報と主メモリカードユーザ情報が一致である場合には、メモリカードを挿入した際にメモリカード内容一覧情報取得手段が即座にメモリカードの内容一覧を表示させることができる。このためユーザは、メモリカードの内容を容易に確認することができ、即ちメモリカードに格納しているデータの管理が容易となる。
また更に、メモリカード内の複数のメモリカードユーザ情報を各々装置ユーザ情報と比較することにより、ユーザはカードを挿入するだけで自分の使用領域の情報を自動的に得られる。これにより、大容量のメモリカードを複数のユーザで使用する場合の利便性を上げることができる。
さらに、メモリカード読取・書込装置の持ち主とメモリカードの持ち主が異なる場合には、メモリカードにアクセスした装置の装置ユーザ情報を含む履歴情報をメモリカードに記録することができる。従って、メモリカードの持ち主は、メモリカードが他人に使用された事実を知ることができる。
また更に、例えば回覧板のような回覧経緯の情報を必要とする運用にメモリカードを用いる際には、履歴情報を記録する事で自動的に回覧経緯を把握する事が可能となる。
また更に、メモリカード読取・書込装置の持ち主とメモリカードの持ち主が異なる場合に、例えば上記出力手段がディスプレイ等に出力する情報に、「このメモリカードの情報を読み出した場合には、履歴が作成されます」といった情報、即ちメモリカードへのアクセスの履歴が作成される旨を示す情報を含める事が可能である。このような情報を含める事で、他のユーザがメモリカードの情報を読み出す際の心理面でのセキュリティを強化する事ができる。
また更に、メモリカード使用者情報に加えて、閲覧したコンテンツについてコンテンツ閲覧情報を記憶することにより、メモリカードの持ち主はどのコンテンツが参照されたかを把握することが可能になる。このため、例えば意図しない紛失の後にメモリカードが見つかった場合などであっても、参照されたコンテンツに基づいた対応を行なうことが可能となる。
また更に、比較結果が不一致の場合にはメモリカード読取・書込装置の機能低下を招くため、メモリカード読取・書込装置の利便性を下げ、結果として弱セキュリティ機能を高めることが可能になる。
また更に、メモリカードを使用可能なグループのメンバーを副メモリカードユーザ情報に登録しておく事で、副メモリカードユーザ情報に登録されたユーザは警告なく当該メモリカードを使用可能となる。つまりメモリカードに登録された副メモリカードユーザ情報を用いてユーザグループによる利用が可能となるため、ユーザグループ内においては自由なアクセスを許容し、他者に対しても緩やかな制限を容易に設定することができる。
また更に、自所有のメモリカードに対してのみ主メモリカードユーザ情報を書き換えることができるため、弱セキュリティを維持しながらも他者に対して当該メモリカードを容易に譲渡することが可能となる。その結果、メモリカードを利用したコンテンツの流通を促進する事ができる。
また更に、新規ユーザID及び上記新規ユーザ名を副メモリカードユーザ情報から選択する構成としても良い。この場合には、入力を容易にするだけでなく、自所有のメモリカードの主メモリカードユーザ情報を、例えば特定のグループメンバー等、予め登録されており信任足りえる他のユーザ情報にのみ書き換えることができるため、個人情報の流出を未然に回避しつつ、他者に対して容易に譲渡が可能となる。尚、上記新規ユーザID、新規ユーザ名に入力することなく主メモリカードユーザ情報を書き込むことで、新規に購入したメモリカードと同様に、不特定多数に弱セキュリティなく配布する事が可能となる。
また更に、旧装置ユーザ情報を記憶しておき、装置ユーザ情報(新規装置ユーザ情報)と主メモリカードユーザ情報とが一致しない場合には、旧装置ユーザ情報と比較している。これにより、例えば譲渡などによる装置ユーザ情報の変更時でも、既存のメモリカードのユーザ情報は自動的に書き換えられ、即ち、ユーザの、主メモリカードユーザ情報の書き換え作業を軽減することが可能になる。
また、メモリカード読取・書込装置の所有者とメモリカードの所有者が異なる場合には、例えば当該メモリカード読取・書込装置の所有者であるユーザがメモリカードを挿入した際に、メモリカードが使用されたことをメモリカードの持ち主に電子メールにて通知するため、メモリカードの所有者は遠隔地においてメモリカードの使用状況を知ることができる。
また更に、住所情報を、例えばGPSより得られる現在位置情報とすることで、メモリカードを紛失した際でも当該メモリカードの位置を知ることもできる。
また更に、メールに含まれた情報に基づいて、メモリカードアクセス制御手段がメモリカードへのアクセスを制御する事で、メモリカードの使用状況をリアルタイムで把握できるだけでなく、遠隔地からメモリカードへのアクセスを制御する事ができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。また、下記実施の形態ではメモリカード読取・書込装置の具体例としてPDAを用いて説明するが、メモリカードにアクセス可能な装置であればどのようなものでもよい。メモリカードは、持ち運び可能な記録媒体であれば本発明を適用可能である。
またさらに、以下に示す実施の形態では、メモリカード読取・書込装置は、メモリカードとのアクセス方式を接触型として説明しているが、非接触型のアクセス方式を採用したメモリカード読取・書込装置でもよい。この場合、接触型アクセス方式においてメモリカードが挿入された状態は、非接触型アクセス方式においてはメモリカード読取・書込装置がメモリカードをアクセス可能に認識した状態に該当する。また、メモリカードが抜かれた状態は、非接触型アクセス方式においてはメモリカード読取・書込装置がメモリカードとのコネクションを例えばソフトウェア的に切断した状態に該当する。
(実施の形態1)
以下、本発明に係る実施の形態1におけるメモリカード読取・書込装置に、メモリカードを接続し使用する処理について説明する。
図1は、メモリカード読取・書込装置100として、具体的にPDAを用いた際の、概略機能ブロック図である。上記メモリカード読取・書込装置100は、記憶手段108内に装置ユーザ情報101を格納している。また、装置ユーザ情報取得手段102、メモリカードユーザ情報取得手段103、ユーザ情報比較手段104、出力手段105、メモリカード内容一覧情報取得手段106、履歴情報書込手段107を備えている。尚、各手段の処理の詳細については随時説明を行う。
また、図2はメモリカード読取・書込装置(PDA)100に、複数人で使用するメモリカードを挿入した際の具体的な動作を示すイメージ図である。
図2において、PDA100は、挿抜可能なメモリカード120が接続されており、当該PDA100の使用者に表示情報202を表示するためのディスプレイ203と、PDA100を操作する操作ボタン204とを備え、当該PDAの使用者を特定する装置ユーザ情報101が格納されている。尚、ここでは、当該PDA100の使用者を“山田太郎”とする。
また、メモリカード120には、メモリカードの主となる使用者を特定する主メモリカードユーザ情報121が格納されている。尚、ここでは、当該メモリカードの主となる使用者は“田中一郎”とする。
まず、例えばPDA100の電源をONにすると、当該PDAを構成する装置ユーザ情報取得手段102は、PDAの使用者を特定する装置ユーザ情報101を記憶手段108より取得し、ユーザ情報比較手段104に送信する(図3:S301)。
続いて、例えばPDA100は、メモリカード120が挿入されているか否かを判断する。ここで、メモリカード120を検知すると、メモリカードユーザ情報取得手段103は、上記メモリカード120内の、当該メモリカードの主となる使用者を特定する主メモリカードユーザ情報121を取得し、上記ユーザ情報比較手段104に送信する(図3:S302)。尚、装置ユーザ情報101は、図4Aに示すように、PDAの使用者を特定する番号を示す4バイトのユーザID401と、PDAの使用者の名前を示す64バイトのユーザ名402とから構成される。同様に、主メモリカードユーザ情報121は、当該メモリカードの主たる使用者を特定する番号を示す4バイトのユーザID401と、当該メモリカードの使用者の名前を示す64バイトのユーザ名402とから構成される。
次に、上記ユーザ情報比較手段104は、上記装置ユーザ情報101のユーザID401と主メモリカードユーザ情報121のユーザID401とを比較し、比較結果と、上記装置ユーザ情報101及び主メモリカードユーザ情報121とを出力手段105へ送信する(図3:S303)。上記比較結果は、図5に示すような4バイトのデータで表され、比較結果が不一致であった場合には、値1に定義付けられた“UNMATCH”となり、比較結果が一致であった場合には、値0に定義付けられた“MATCH”となる。尚、新しいメモリカード等には主メモリカードユーザ情報が入っていない場合があるがこのような場合には、値2に定義付けられた“NOTHING”となる。
続いて、出力手段105は、上記比較結果が“UNMATCH”であった場合、主メモリカードユーザ情報をもとに出力情報を生成し、PDAの使用者に対して出力する(図3:S304No→S306)。
また、上記比較結果が“MATCH”であった場合、上記出力手段105は、メモリカード内容一覧情報取得手段106を介してメモリカード120よりメモリカードの内容一覧を示すメモリカード内容一覧情報123を取得し、当該メモリカード内容一覧情報をもとに出力情報を生成し、PDAの使用者に対して出力する(図3:S304Yes→S305→S306)。
メモリカード内容一覧情報は、図6Aに示すように、ファイル種別毎のファイル一覧を示す68バイト以上のファイル一覧情報602と、ファイル一覧情報の個数を示す4バイトのファイル種別数601とから構成される。上記ファイル一覧情報は、図6Bに示すように、さらにファイルの種別を示す64バイトのファイル種別名603と、各ファイルの名前を示す各128バイトのファイル名605と、ファイルの個数を示す4バイトのファイル数604とから構成される。
以上示した処理について、より具体的な値を用いて以下に説明する。例えばPDA100に対してメモリカード120が挿入されると、まず、図7Aに示すように、ユーザID=0120、ユーザ名=“山田”という値の装置ユーザ情報101が装置ユーザ情報取得手段102により取得される(図3:S301)。続いて、図8Aに示すような、ユーザID=0124、ユーザ名=“田中”という値の主メモリカードユーザ情報121が、メモリカードユーザ情報取得手段103により、メモリカード120から取得される(図3:S302)。これは、何らかの理由により、山田さんが田中さんのメモリカードに記録されている情報を読み出そうとした状況である。
次に、ユーザ情報比較手段104が、装置ユーザ情報101のユーザID“0120”と、主メモリカードユーザ情報のユーザID“0124”とを比較する(図3:S303)。ここでは、比較結果が“UNMATCH”となるので、出力手段105は、主メモリカードユーザ情報に基づいて表示情報を生成し、PDA100のディスプレイ203に対して、図9Aに示すように、メモリカードの主となる使用者の名前“田中”901を含む情報を出力する。出力時のイメージが図2左下の図である。尚、当該出力は例えば表示を用いて行っているが、 “このメモリカードは田中さんのものです”といった音声出力を行っても良い。また、出力については、主メモリカードユーザ情報と装置ユーザ情報が異なっている点を告知(警告)するものが効果的である。尚、当該告知に対して、例えば山田さんは“OK”ボタン205を選択する事で、田中さんのメモリカードに記録されている情報を読み出す事が可能となる。つまり、告知を表示する以外はメモリカードに記録されている情報に問題なくアクセス可能となる。以後、PDA100に備えられる機能に応じて上記メモリカード内の情報を閲覧、再生可能となる。また、上記告知に応じてメモリカードを抜く事で、メモリカードに記録されている情報にアクセスすることなく他人のメモリカードであると判断する事が可能となる。
一方で、図7Aに示すように、ユーザID=0120、ユーザ名=“山田”であるような装置ユーザ情報が取得され、図8Bに示すように、ユーザID=0120、ユーザ名=“山田” であるような主メモリカードユーザ情報が取得された場合は、比較結果が“MATCH”となる。これは、山田さんが、自身の所有するメモリカードに記録されている情報を読み出そうとした状況である。
この場合には、例えば、図10に示すように、ファイル種別名1001が“SD−Audio”と“SD−Video”とである2個のファイル一覧情報から構成され、“SD−Audio”についてはファイル名“黒ネコのタンゴ”1002と“白ネコのワルツ”1003との2個のファイルから構成されているようなメモリカード内容一覧情報1000がメモリカードから取得される。
次に、上記出力手段105は、取得したメモリカード内容一覧情報に基づいて出力情報を生成し、PDA100のディスプレイ203に対して、図9Bに示すようなメモリカードの内容一覧を出力する。出力時のイメージが図2右下の図であり、つまり、PDA100のユーザとメモリカードのユーザが一致する場合には上述した告知(警告)の出力は行われないのである。以後、PDA100に備えられる機能に応じて上記メモリカード内の情報を閲覧、再生可能となる。
以上のように、装置ユーザ情報と主メモリカードユーザ情報とを比較し、当該比較結果に基づいて所定の情報(警告等)を出力する事で、メモリカードの内容を詳細に確認することなくメモリカードの持ち主を特定することができる。また、セキュリティがまったく施されていない場合と比較し、メモリカードに記録した情報が不用意に読み出されることを防ぐ事が可能となる。
また更に、装置ユーザ情報と主メモリカードユーザ情報が不一致である場合でも、上記メモリカード内に記録されている情報を読み出して、閲覧、再生する事が可能となるため、強固なセキュリティが施されている場合と比較し、複数人でメモリカードを共有する場合であってもスムーズな運用が可能となる。
また、装置ユーザ情報と主メモリカードユーザ情報が一致である場合には、メモリカードを挿入した際にメモリカード内容一覧情報取得手段を介して即座にメモリカードの内容一覧を表示させることができる。このためユーザは、メモリカードの内容を容易に確認することができ、即ちメモリカードに格納しているデータの管理が容易となる。
次に、上記メモリカード内が複数のユーザ領域に分割されている場合について説明する。図11に示すのは、メモリカード1101内が複数に分割されているイメージである。つまり、メモリカード1101内は、複数の領域(A)1104、領域(B)1105に分割されており、それぞれがメモリカードユーザ情報(A)1102、メモリカードユーザ情報(B)1103を備えている状態である。ここでいう領域とは、論理的に分割されておればよく、例えばフォルダ単位で分割されていてもよい。
このようなメモリカード1101が上記PDA100に挿入されると、まず、上記ユーザ情報比較手段104は、上記装置ユーザ情報取得手段102を介して装置ユーザ情報を取得する(図12:S1201)。また、上記ユーザ情報比較手段104は、さらにメモリカードユーザ情報取得手段103を介して上記メモリカード1101内のメモリカードユーザ情報を領域毎に取得する(図12:S1202)。尚、上記メモリカード1101内にメモリカードユーザ情報と当該情報に対応する領域とを関連付けたメモリカードユーザ情報一覧1106がある場合には当該メモリカードユーザ情報一覧を取得してもよい。
続いて、上記ユーザ情報比較手段104は、上記装置ユーザ情報と、取得した全てのメモリカードユーザ情報とを比較したか否かを判定する(図12:S1203)。
ここで、すべての判定が終了していない場合、上記ユーザ情報比較手段104は、装置ユーザ情報とメモリカードユーザ情報とを比較する(図12:S1203No→S1205)。さらに、比較結果が一致であった場合、対応する領域のメモリカード内容一覧情報を取得し、出力手段105を介してディスプレイに表示する(図12:S1206Yes→S1207)。
尚、上記比較結果が一致でない場合、別のメモリカードユーザ情報との比較を行なう(図12:S1206No→S1203)。ここで全てのメモリカードユーザ情報と装置ユーザ情報とを比較しても、一致することがない場合、上述した警告表示や後述する弱セキュリティに関する処理等を行なう(図12:S1203Yes→S1204→終了)。
以上のように、メモリカード内の複数のメモリカードユーザ情報を各々装置ユーザ情報と比較することにより、ユーザはカードを挿入するだけで自分の使用領域の情報を自動的に得られる。これにより、大容量のメモリカードを複数のユーザで使用する場合の利便性を上げることができる。
尚、同じユーザの領域が複数ある場合、例えば領域(フォルダ)を切り替えるたびに上記処理を行ない、或いはメモリカード挿入時に比較した結果を記憶しておくことで対応すればよい。また、他のユーザの領域にアクセスしようとした場合には上述した、或いは後述する弱セキュリティに関する処理を行なってもよい。
ところで、上記出力(警告等)を行った場合であっても、情報を読み出したことが持ち主にわからないのであれば、なんら抵抗なく情報を読み出すユーザもいると思われる。このような場合に対処するため、以下に説明する機能を付加しても良い。尚、図13に示す各ステップのうち、図3と同一の処理については同一の番号を付す。
前述の例では、PDA100とメモリカード120とのユーザIDを比較した結果が“UNMATCH”であった場合、メモリカードの主となる使用者の名前をPDA100のディスプレイ203に表示していた。ここでは、さらに同時に、装置ユーザ情報101をメモリカードに残す構成としている。
即ち、この場合、取得した装置ユーザ情報101のユーザIDと主メモリカードユーザ情報121のユーザIDとを比較し、比較結果が“UNMATCH”であった場合、上記出力手段105は、履歴情報書込手段107に対して、装置ユーザ情報101を出力する(図13:S303→S304No)。
上記装置ユーザ情報を受信した履歴情報書込手段107は、当該装置ユーザ情報とPDA100に備えられたタイマー(図示せず)から取得した日時とをもとに、メモリカード120の使用履歴を示すメモリカード使用者情報1401を生成し、メモリカード120の履歴情報122に追加書き込みを行なう(図13:S1301)。
尚、上記メモリカード使用者情報1401は、図14Aに示すようなデータ構造で表され、PDA100の使用者を特定する番号を示す4バイトのユーザID1402と、PDA100の使用者の名前を示す64バイトのユーザ名1403と、メモリカードが使用された日時を示す128バイトの使用日時1404とから構成される。
上記履歴情報122は、例えば図14Bに示すようなデータ構造で表され、0個以上のメモリカード使用者情報1401と、メモリカード使用者情報の個数を示す4バイトのメモリカード使用者数1405とから構成される。
以上示した処理についてより具体的な値を用いて以下に説明する。PDA100の使用者によりPDA100に対してメモリカード120が挿入されると、まず、図7Aに示すように、ユーザID=0120、ユーザ名=“山田”という値の装置ユーザ情報が取得され、図8Aに示すように、ユーザID=0124、ユーザ名=“田中”という値の主メモリカードユーザ情報が取得される(図13:S301〜S302)。
次に、ユーザ情報比較手段104により、装置ユーザ情報のユーザID“0120”と、主メモリカードユーザ情報のユーザID“0124”とが比較され、比較結果が“UNMATCH”となる(図13:S303→S304No)。
ここで、図15Bに示すユーザID=“0120”でありユーザ名が“佐藤”である使用者が“2002/3/1 10:30”に使用したことを示すメモリカード使用者情報が履歴情報1501としてあらかじめメモリカードに記録されていたとする。
上記“UNMATCH”に基づいて、上記出力手段105は、上記履歴情報書込手段107に対して装置ユーザ情報を出力する。上記履歴情報書込手段107は、図15Aに示すようなメモリカード使用者情報を作成し、図15Bに示すように新たなメモリカード使用者情報1502として追記する。また、履歴情報122のメモリカード使用者数(1405、1503)に1を加算する(図13:S1301)。これにより、田中さんのメモリカードの履歴情報には、山田さんの装置ユーザ情報が書き込まれることになる。よって、田中さんは後日当該メモリカードの履歴情報を見る事で、当該メモリカード内に格納されている情報が山田さんに閲覧されたことを確認できるのである。
以上のように、メモリカード読取・書込装置の持ち主とメモリカードの持ち主が異なる場合には、メモリカードにアクセスした装置の装置ユーザ情報を含む履歴情報をメモリカードに記録することができる。従って、メモリカードの持ち主は、メモリカードが他人に使用された事実を知ることができる。
また、例えば上記回覧板のような回覧経緯の情報を必要とする運用にメモリカードを用いる際には、上記履歴情報を記録する事で自動的に回覧経緯を把握する事が可能となる。尚、上記履歴情報は、例えば暗号化して記憶するか、又はメモリカード内のセキュアな領域に保存するのが望ましい。
ところで、メモリカード読取・書込装置の持ち主とメモリカードの持ち主が異なる場合には、上述したメモリカード使用者情報に加えて、どのコンテンツを閲覧したかを示すコンテンツ閲覧情報を上記履歴情報に追加してもよい。この場合、ユーザが所定のコンテンツをメモリカード120より読み出すと、例えば図18Aの表示1801に示すようなユーザへの警告が表示される。当該警告を無視して上記ユーザがコンテンツを読み出すと、上記履歴情報書き込み手段107は、履歴情報生成、書き込み処理S1301において上記読み出されたコンテンツの名称、日時、及び回数を上記履歴情報122に追加するのである。当該追加が完了すると、表示1802に示すように、コンテンツを参照した履歴がメモリカードに保存された旨を示す表示が行なわれる。
履歴情報にコンテンツ閲覧情報を追加する際には、履歴情報に含まれるメモリカード使用者情報1601は、図16Aに示すようなデータ構造で表される。つまり、上記メモリカード使用者情報1601は、図14Aに示したメモリカード使用者情報1401の構造に、コンテンツ閲覧情報の先頭アドレス1602が加えられて構成されている。当該コンテンツ閲覧情報の先頭アドレス1602には、図16Bに示すコンテンツ閲覧情報1603が記憶されている領域の先頭アドレスが格納される。また、上記コンテンツ閲覧情報1603は、上記ユーザID1402に対応するユーザが読み出したコンテンツのファイル名である128バイトのファイル名1604、当該コンテンツの種別を示す64バイトのファイル種別名1605、ファイルを最後に読み出した日時を示す128バイトの最終使用日時1606、当該コンテンツを閲覧した回数を示す4バイトの閲覧回数1607、及び次のコンテンツ閲覧情報の先頭アドレスである4バイトの次のコンテンツ閲覧情報への先頭アドレス1608が含まれている。
履歴情報にコンテンツ閲覧情報を追加した具体例を図17Aに示す。図17Aには、上記図15Bに示した履歴情報に、各ユーザID毎にコンテンツ閲覧情報の先頭アドレス1701、1702が加えられている。当該コンテンツ閲覧情報の先頭アドレスには、図17Bに示す、上記各ユーザIDに対応するコンテンツ閲覧情報が格納されている領域の先頭アドレスが記されている。具体的には、ユーザID0120”のコンテンツ閲覧情報の先頭アドレス1702に格納される“1001”に基づいて、関連するコンテンツ閲覧情報1703を参照することができる。
上記コンテンツ閲覧情報1703には、上記ユーザIDに対応するユーザが読み出したコンテンツのファイル名1704、当該コンテンツの種別を示すファイル種別名1705、ファイルを最後に読み出した日時を示す最終使用日時1706、当該コンテンツを閲覧した回数を示す閲覧回数1707、及び次のコンテンツ閲覧情報の先頭アドレス1708が含まれている。また、上記次のコンテンツ閲覧情報の先頭アドレス1708に基づいて、別のコンテンツについてのコンテンツ閲覧情報を参照することができる。
以上のように、メモリカード使用者情報に加えて、閲覧したコンテンツについてコンテンツ閲覧情報を記憶することにより、メモリカードの持ち主はどのコンテンツが参照されたかを把握することが可能になる。このため、例えば意図しない紛失の後にメモリカードが見つかった場合などには、参照されたコンテンツに基づいた対応を行うことが可能となる。
上記コンテンツ閲覧情報は、例えばPDA1901に備えられた所定の履歴表示手段(図示せず)等を用いて、図18Bの表示1803に示すように、メモリカードの持ち主に表示することが可能となる。当該表示には、コンテンツを閲覧したユーザ名、参照されたコンテンツのファイル名、ファイル種別名、最終使用日時、閲覧回数等が表示される。
尚、メモリカード読取・書込装置の持ち主とメモリカードの持ち主が異なる場合に、例えば上記出力手段がディスプレイ等に出力する情報に、「このメモリカードの情報を読み出した場合には、履歴が作成されます」といった情報、即ちメモリカードへのアクセスの履歴が作成される旨を示す情報(例えば警告情報)を含める事が可能である。このような情報を含める事で、他のユーザがメモリカードの情報を読み出す際の心理面でのセキュリティを強化する事ができる。当然、許可を得ている使用者に対しては心理的なセキュリティとならないのでスムーズな運用を妨げる事はない。
上記履歴が作成される旨を示す情報を表示する場合、図13におけるステップS1301の前段に、出力手段による「出力情報生成、出力」ステップS1302、及び「メモリカード内容一覧情報取得」ステップS1303が実行される。尚、上記ステップS1302が上記「履歴情報が作成される旨を示す情報」を含む出力であり、この時点でメモリカードを抜く事で当該メモリカードに履歴情報が残る事はなく、またメモリカード内の情報が読み出されることもない。尚、警告を無視して例えば「OK」ボタン等を選択する事で、上記「メモリカード内容一覧情報取得」ステップS1303及び「履歴情報生成、書き込み」ステップS1301が実行され、即ちメモリカード内の情報が読み出されると共に、履歴情報が保存されるに至るのである。
以上に、持ち主とは異なるユーザによるコンテンツの安易な参照を防止する機能として、履歴を記録する機能について説明したが、他に以下に示す機能を付加しても良い。
つまり、ユーザ情報比較手段104が、装置ユーザ情報と主メモリカードユーザ情報とを比較し不一致であった場合、機能制限手段1905はその通知を受けて、例えばPDA1901のディスプレイを見やすくするための機能であるバックライトをオフにする。当該バックライトをオフにした際のディスプレイイメージを図18Cに示す。PDA1901のディスプレイ1804のバックライトがオフになり、ディスプレイの表示内容が閲覧し難くなるのである。これにより、ユーザによる表示内容の参照を困難にし、結果として弱セキュリティ機能を高めることができる。
尚、上記バックライトのオフ以外にも、上記機能制限手段1905が弱セキュリティ機能を高める処理として、以下のものが挙げられる。
例えば、
・ディスプレイ表示の輝度を下げる処理
・PDAが備えるCPU(Center Processing Unit)の処理速度を落とす処理
・例えば警告や当該通常の表示を閲覧し難くする表示を通常の表示に加えて(オーバーレイ)表示する処理
・定期的に又は常時ブザーを鳴らす処理
等である。
このような機能制限手段による、PDAの機能低下を招く処理により、PDA1901の利便性を下げ結果として弱セキュリティ機能を高めることが可能になるのである。
ところで、上記メモリカード120に、上記主メモリカードユーザ情報に加えて例えばメモリカード内の情報を使用(読み出し、書き込み)しても良いとされるユーザに関する情報、即ち副メモリカードユーザ情報を記録し、メモリカードユーザ情報取得手段103が、当該副メモリカードユーザ情報も読み出す構成としてもよい。当該副メモリカードユーザ情報も、上記ユーザ情報比較手段104における上記装置ユーザ情報101との比較対象とするのである。上記副メモリカードユーザ情報を図4Bに示す。副メモリカードユーザ情報には、使用可能ユーザID数405及び、4バイトのユーザID406が上記使用可能ユーザID数個格納されている。尚、ユーザID406に対応するユーザ名を加えても良いことは言うまでもない。
この構成では、例えば上記メモリカードを使用可能なグループのメンバーを副メモリカードユーザ情報に登録しておく事で、当該副メモリカードユーザ情報に登録されたユーザは警告なく当該メモリカードを使用可能となる。つまりメモリカードに登録された副メモリカードユーザ情報を用いてユーザグループによる利用が可能となるため、ユーザグループ内においては自由なアクセスを許容し、他者に対しても緩やかな制限を容易に設定することができる。ここで、上記副メモリカードユーザ情報を、例えば上記メモリカードを利用不可能なユーザ情報として扱うことも可能である。この場合、副メモリカードユーザ情報に対応するユーザがカードを利用する際には、上述した弱セキュリティを施した状態で使用可能とするのである。またさらに、副メモリカードユーザ情報毎に警告表示内容を変更したり、異なる警告のための音声データを出力したりしても良い。
(実施の形態2)
続いて、実施の形態2におけるメモリカード読取・書込装置について説明する。本実施の形態2に係るメモリカード読取・書込装置(PDA1901)は、所定の条件の元、主メモリカードユーザ情報を書き換える事を可能にしている。尚、上記PDA1901は、図19に示すように、上記実施の形態1における構成に加えてユーザ情報生成手段1903及びメモリカードユーザ情報書込手段1904を備える。
まず、ユーザがメモリカード120をPDA1901に挿入すると、当該PDA1901は、装置ユーザ情報101及び主メモリカードユーザ情報121を取得した後、ユーザ情報比較手段104にて上記2つの情報を比較するのは上記実施の形態1と同様である(図20:S300)。
ここで、上記装置ユーザ情報101と上記主メモリカードユーザ情報121が一致した場合、上記ユーザ情報比較手段104は当該一致した旨をユーザ情報生成手段1903に通知する(図20:S304Yes)。
続いて、上記一致した旨を受信した上記ユーザ情報生成手段1903は、例えば当該PDA1901のディスプレイ等に対して、図21に示す表示を出力する。ここで、当該表示は、上記PDA1901のユーザに新規ユーザID2101及び新規ユーザ名2102の入力を求める例えばダイアログボックス等が含まれる。
上記表示に対して、例えばユーザが新規ユーザID2101及び新規ユーザ名2102を入力すると、当該入力した情報は、ユーザ情報生成手段1903にて受信され、主メモリカードユーザ情報としてメモリカードユーザ情報書込手段1904によりメモリカード120に書き込まれる(図20:S2001→S2002)。
以上のように、自所有のメモリカードに対してのみ主メモリカードユーザ情報を書き換えることができるため、弱セキュリティを維持しながらも他者に対して当該メモリカードを容易に譲渡することが可能となる。その結果、メモリカードを利用したコンテンツの流通を促進する事ができる。
尚、上記装置ユーザ情報101と上記主メモリカードユーザ情報121が不一致である場合で、上記主メモリカードユーザ情報121が例えばNULLの場合、当該メモリカードは新しいメモリカードであるとして、上記メモリカードユーザ情報書込手段1904は、上記装置ユーザ情報101を主メモリカードユーザ情報として上記メモリカード120に書き込む(図20:S304No→S2003No→S2002)。
尚、上記装置ユーザ情報101と上記主メモリカードユーザ情報121が不一致である場合で、上記主メモリカードユーザ情報121に何らかの情報が格納されている場合には他の処理が行われる(図20:S304No→S2003Yes→S2004)。ここで、上記他の処理とは、例えば上記実施の形態1におけるステップS304No〜S306等の処理である。
さらに、上記新規ユーザID2101及び上記新規ユーザ名2102を上記実施の形態1にて述べた副メモリカードユーザ情報から選択する構成としても良い。この場合には、入力を容易にするだけでなく、自所有のメモリカードの主メモリカードユーザ情報を、例えば特定のグループメンバー等、予め登録されており信任足りえる他のユーザ情報にのみ書き換えることができるため、個人情報の流出を未然に回避しつつ、他者に対して容易に譲渡が可能となる。
尚、上記新規ユーザID、新規ユーザ名の入力を求めるダイアログボックスに入力することなく主メモリカードユーザ情報を書き込むことで、新規に購入したメモリカードと同様に、不特定多数に弱セキュリティなく配布する事が可能である。
ところで、上述した処理では装置ユーザ情報101を変更した場合を考慮していない。つまり、譲渡などにより上記装置ユーザ情報101を変更した場合、既存のメモリカードを利用するためには全ての主メモリカードユーザ情報を変更する必要がある。しかし、メモリカードを複数枚所有するユーザにとっては非常に面倒な作業になってしまう。
そこで、上記PDA1901は、装置ユーザ情報を複数記憶するものとする。すなわち、例えば上記PDA1901に新規装置ユーザ情報を登録する場合、上記ユーザ情報生成手段1903は、旧装置ユーザ情報を保存するか否かを、ディスプレイ表示などによりユーザに問い合わせる。ここで、当該ユーザが、問い合わせに対して旧装置ユーザ情報を保存する旨を選択すると、上記ユーザ情報生成手段1903は、図示しない記憶手段に上記旧装置ユーザ情報を記憶した後に、登録された新規装置ユーザ情報を装置ユーザ情報として登録する。この処理により、上記PDA1901には、新規装置ユーザ情報と旧装置ユーザ情報とが記憶される。ここで、旧装置ユーザ情報はいくつ記憶されてもかまわない。
尚、上記ユーザが旧装置ユーザ情報を保存しない旨を選択した場合には、当該旧装置ユーザ情報は上記PDA1901に記憶されることなく消去される。
さて、続いて、上記PDA1901にメモリカード120が挿入された場合、ユーザ情報比較手段104が装置ユーザ情報取得手段を介して装置ユーザ情報を取得する(図22:S2201)。ここでいう装置ユーザ情報は、上記新規装置ユーザ情報に該当する。また、上記メモリカードユーザ情報取得手段103は、上記メモリカード120より主メモリカードユーザ情報121を取得する(図22:S2202)。次に、上記ユーザ情報比較手段104は、2つのユーザ情報を比較し、一致するか否かを判定する(図22:S2203)。
ここで、一致すれば、上記PDA1901のユーザは、当該メモリカード120を問題なく使用可能である(図22:S2204Yes→終了)。
ここで、一致しない場合、さらに上記ユーザ情報比較手段104は、旧装置ユーザ情報があるか否かを判定する(図22:S2204No→S2205)。尚、旧装置ユーザ情報がない場合には、例えば図9Aに示した警告などを表示し、以後は上述したように履歴情報の記憶などが行なわれる(図22:S2205No→2206→終了)。
さらに、旧装置ユーザ情報がある場合、上記ユーザ情報比較手段104は、上記装置ユーザ情報取得手段102を介して旧装置ユーザ情報を取得し、再度主メモリカードユーザ情報と一致するか否かを判定する(図22:S2205Yes→S2207→S2208)。
ここで、上記旧装置ユーザ情報と主メモリカードユーザ情報とが一致した場合、上記メモリカードユーザ情報書込手段1904は、装置ユーザ情報を主メモリカードユーザ情報としてメモリカード120に書き込む(図22:S2209Yes→S2210)。ここでいう装置ユーザ情報は新規装置ユーザ情報である。以後、上記PDA1901のユーザは、当該メモリカード120を問題なく使用可能となる。
尚、上記装置ユーザ情報と主メモリカードユーザ情報とが一致しない場合、上記同様、警告などを表示し、以後は履歴情報の記憶などが行なわれる(図22:S2209No→2206→終了)。
以上では、旧装置ユーザ情報を記憶しておき、装置ユーザ情報(新規装置ユーザ情報)と主メモリカードユーザ情報とが一致しない場合には、旧装置ユーザ情報と比較している。これにより、例えば譲渡などによる装置ユーザ情報の変更時でも、既存のメモリカードのユーザ情報は自動的に書き換えられ、即ち、ユーザの、主メモリカードユーザ情報の書き換え作業を軽減することが可能になる。
(実施の形態3)
続いて、実施の形態3におけるメモリカード読取・書込装置について説明する。本実施の形態3に係るメモリカード読取・書込装置(PDA2301)は、遠隔地にいるメモリカードの持ち主が、現在のメモリカードの状況を把握する事を可能にしている。尚、上記PDA2301は、図23に示すように、上記実施の形態1における構成に加えてメール送受信手段2302及びメール情報取得手段2303を備える。
まず、ユーザがメモリカード120をPDA2301に挿入すると、当該PDA2301は、装置ユーザ情報101及び主メモリカードユーザ情報121を取得した後、ユーザ情報比較手段104にて上記2つの情報を比較するのは上記実施の形態1と同様である(図24:S300)。
ここで、上記装置ユーザ情報101と上記主メモリカードユーザ情報121が一致した場合、PDA2301は他の処理を行う(図24:S304Yes→S2403)。上記他の処理とは、例えば上記実施の形態1におけるステップS304Yes〜S306等の処理である。
また、上記装置ユーザ情報101と上記主メモリカードユーザ情報121が不一致の場合、ユーザ情報比較手段104は、その旨を示す情報をメール送受信手段2302に送信する(図24:S304No)。
上記不一致の旨の情報を受信したメール送受信手段2302は、メール情報取得手段2303を介して例えば記憶手段108より図7Bに示す装置ユーザ情報を取得し、図25Aに示す送信元メールアドレス2502、装置ユーザ名2506、住所情報2507とする(図24:S2401)。同様にして、例えば記憶手段108より図25Aに示す題名2504を取得する。ここで、上記送信元メールアドレス2502は、上記PDA2301の所有者の電子メールアドレスであり、上記住所情報2507は上記PDA2301の所有者の住所である。
また、上記メール送受信手段2302は、メール情報取得手段2303を介して、主メモリカードユーザ情報より図8Cに示す電子メールアドレス801を取得し、図25Aに示す送信先メールアドレス2503とする(図24:S2401)。当該電子メールアドレス801には、上記メモリカード120の所有者の電子メールアドレスが格納されている。
さらに、上記メール送受信手段2302は、図示しないタイマーより現在日時を取得し、図25Aに示す使用日時2505とする(図24:S2401)。
以上の情報に基づいて上記メール送受信手段2302によりメール送信情報2501が作成されるが、当該メール送信情報2501を具体的に図25Bに示す。メール送信情報2511には、例えば送信元メールアドレスに“yamada@saijo.xx.jp”が、送信先メールアドレスに“tanaka@saijo.xx.jp”が、題名に“メモリカード使用情報”が、使用日時には図示しないタイマーより取得した現在日時“Mon 7 May 2002 15:06:44 +0900”が、装置ユーザ名に“山田”が、住所情報に“広島市西条1丁目1−1”がそれぞれ格納されている。
続いて、上記メール送信情報2511は、メール送受信手段2302により例えばインターネットを介して電子メールを受信可能な端末に送信される(図24:S2402)。
以上のように、メモリカード読取・書込装置の所有者とメモリカードの所有者が異なる場合には、例えば当該メモリカード読取・書込装置の所有者であるユーザがメモリカードを挿入した際に、メモリカードが使用されたことをメモリカードの持ち主に電子メールにて通知するため、メモリカードの所有者は遠隔地においてメモリカードの使用状況を知ることができる。
尚、上記住所情報を、例えばGPS(Global Positioning System)より得られる現在位置情報とすることで、カードを紛失した際のカードの位置を知ることもできる。
続いて、例えば上述した機能(メール通知機能)に対応したPDAにて上記メールを受信した場合について説明する。
上記メール送受信手段2302が送信したメールを受信すると、PDA2601は、例えば図27に示すように送信元メールアドレス2502、送信先メールアドレス2503、題名2504、使用日時2505、装置ユーザ名2506、住所情報2507を含む表示2701を出力する。尚、当該表示は通常の電子メールの受信と同様である。
これに対し、PDA2601を構成する使用許可情報生成手段2603は、例えばユーザに使用許可の設定の入力を促すダイアログボックスを上記PDA2601のディスプレイに出力する。当該出力の一例を図33Aに示す。ここで、アドレス3301には、上記メールを送信したPDA2301の電子メールアドレス(送信元メールアドレス2502)を自動的に入力しておく。
上記入力を促すダイアログボックス3300に対して、当該PDA2601を利用するユーザ(田中さん)が例えば使用条件3302の中から「使用不可能」を選択し、OKボタンを押下したと仮定する。
すると、上記使用許可情報生成手段2603は、上記入力された情報を取得して、図31Aに示す使用許可情報3100を作成する(図28:S2801)。当該使用許可情報3100には、ユーザID3101、ユーザ名3102及び使用条件3103が含まれる。上記ユーザID3101及びユーザ名3102には、上記PDA2601の装置ユーザ情報101から取得した情報が、使用条件3103には図31Cに示す値(0〜4)がそれぞれ格納される(図28:S2802→S2803)。
ここで、上記使用許可情報3100を具体的に示したものが図31Bに示す使用許可情報3110である。即ち、上記ユーザは「使用不可能」を選択したため、上記使用条件3103には対応する値“3”となる。また、上記PDA2601の装置ユーザ情報101に基づいて、例えばユーザID3101には“0124”が、ユーザ名3102には“田中”が格納されるものとする。
続いて上記使用許可情報生成手段2603は、上記使用許可情報3110を含むメール送信情報を作成する(図28:S2804)。ここで用いられるメール送信情報の構成を図32Aに示す。当該メール送信情報3201には、PDA2601の装置ユーザ情報101に格納されている送信元メールアドレス3202、PDA2301のメールアドレスである送信先メールアドレス3203、題名3204、図示しないタイマーより得られた現在の日時である日時3205、及び先ほど作成した使用許可情報3100が含まれる。
上記メール送信情報3201を具体的に示したものを図32Bに示す。送信元メールアドレスには“tanaka@saijo.xx.jp”が、送信先メールアドレスにはyamada@saijo.xx.jpが、題名には例えば“メモリカード使用許可証明”が、日時には現在の日時“Mon 7 May 2002 15:06:44 +0900"が、ユーザIDには上記“0124”が、装置ユーザ名には“田中”が、使用条件には“3”がそれぞれ格納される。
上記メール送信情報3201が作成されると、メール送受信手段2602は当該メール送信情報3201に基づいてPDA2301にメールを送信する(図28:S2804)。
次に、上記PDA2601からのメールをメール送受信手段2302が受信すると、ユーザ情報比較手段104は、当該メールに含まれる上記使用許可情報3110を取得する(図29:S2901)。
また、メモリカードユーザ情報取得手段103は、上記使用許可情報3110を取得した時点で挿入されているメモリカード、または新たに差し込まれたメモリカードから主メモリカードユーザ情報121を取得する(図29:S2902)。
続いて、上記ユーザ情報比較手段104は、上記使用許可情報3110に含まれるユーザID3101と、上記主メモリカードユーザ情報121内のユーザIDとが一致するか否かを比較する(図29:S2903)。
ここで、上記比較の結果が不一致の場合、上記PDA2301は例えば他の処理を行う(図29:S2903No→S2911)。尚、上記他の処理とは、例えば当該PDAの他の機能の提供等である。
ここで、上記比較の結果が一致した場合、続いてメモリカードアクセス制御手段2304は、上記使用条件が「使用不可能」であるか(使用条件=3)を判定する(図29:S2903Yes→S2904)。
ここでは、使用条件が「使用不可能」であるため、メモリカードアクセス制御手段2304は、メモリカード120内に格納される使用許可フラグ2306を上記使用条件「使用不可能」に応じて例えば“0”とする(図29:S2904Yes→S2909)。当該使用許可フラグの“0”はメモリカードのロックを意味し、当該メモリカード内の情報(ただし主メモリカードユーザ情報を除く)を使用(書き込み、読み出し)不可能にすることを意味する。尚、上記フラグの“0”を、例えばカード内のコンテンツはないものとし空き領域のみ参照可能にしたり、隠しファイルは見せないようにしたり、コンテンツをリードオンリーとする意としてもよい。
ここで、使用条件が「使用不可能」でない場合、メモリカードアクセス制御手段2304は、上記メモリカード120の使用許可フラグを“1”に変更することで当該メモリカード120のロックを解除すると共に、次の判定を行う(図29:S2904No→S2905→S2906)。
続いてメモリカードアクセス制御手段2304は、「使用可能」であるか(使用条件=4)を判定する(図29:S2906)。ここで、「使用可能」である場合、処理を終了する(図29:S2906Yes→終了)。
ここで、「使用可能」でない場合、さらにメモリカードアクセス制御手段2304は、上記使用条件が「1回のみ使用可能」であるかを判定する(使用条件=2)。ここで、「1回のみ使用可能」である場合、メモリカードの抜き出しを検知し、抜き出しが行われる際に上記使用許可フラグ2306を“0”として、メモリカードをロックする(図29:S2907Yes→S2908Yes→S2909)。つまり、メモリカード120が挿入されている間は当該メモリカード120にアクセス可能となる。
次に、上記使用条件が「1回のみ使用可能」でない場合、さらに図30に示す処理A(S2910)を行う(図29:S2907No→S2910)。
上記処理Aでは、まずメモリカードアクセス制御手段2304が、上記使用条件が「譲渡」であるかを判定する(使用条件=0)。ここで、「譲渡」である場合、メモリカードユーザ情報書込手段2305が装置ユーザ情報取得手段102を介して上記装置ユーザ情報101を取得し、主メモリカードユーザ情報121を当該装置ユーザ情報101の内容に書き換える(図30:S3001Yes→S3002→S3003)。これにより、上記メモリカード120は、PDA2301の使用者のものとなる。
さらに、判定結果が「譲渡」でない場合、メモリカードアクセス制御手段2304は、上記使用条件が「一日のみ」であるかを判定する(使用条件=1)(図30:S3001No→S3004)。
ここで、判定結果が「一日のみ」であった場合、図示しないタイマーを起動し、一日が経過すると上記メモリカードアクセス制御手段2304は使用許可フラグを“0”にセットすることでメモリカードをロックする(図30:S3004Yes→S3005→S3006Yes→S3007)。尚、上記判定結果が「一日のみ」ではない場合、直ちに使用許可フラグを“0”にセットすることでメモリカードをロックする(図30:S3004No→S3007)。尚、上記ロックに替えて、上述した弱セキュリティを施すようにしてもよい。
以後、各処理が終了すると、PDA2301は、例えば図33Bに示すような使用許可に応じた表示3304を行なう。
尚、上記「1日のみ」に例えば数値を与える事により例えば時間単位で許可を与える事も可能となる。また、例えばアクセス制御手段が上記メモリカードの抜挿の回数をカウントすることで、当該メモリカードの使用可能回数を管理し、1回だけではなく所定の抜挿回数まではメモリカードを使用可能としてもよい。
以上のように、メールに含まれた情報に基づいて、メモリカードアクセス制御手段がメモリカードへのアクセスを制御する事で、メモリカードの使用状況をリアルタイムで把握できるだけでなく、遠隔地からメモリカードへのアクセスを制御する事ができる。