JP2004046597A - 信号制御装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁放射や周波数ずれを発生させずシリアルデータ転送を行う。
【解決手段】それぞれがクロック発生部を備えた複数の信号処理回路を有し、各信号処理回路間はデータ信号,クロック信号,基準パルスにより制御され、クロックに同期した状態でデータの授受を行うシリアルI/Fで結ばれた信号制御装置で、複数の信号処理回路同士はデータ線と基準パルス線とで接続され、いずれかの信号処理回路がマスタであり残余の信号処理回路がスレーブとして動作し、マスタ側の信号処理回路は、測定期間においては、スレーブ側の信号処理回路に対して所定間隔の基準パルスを送信し、スレーブ側の信号処理回路は、測定期間においては、所定間隔の基準パルスを受信し、クロック発生部からのクロック信号で基準パルスを計測することによって該クロック信号の周波数のずれを測定し、実動作期間において測定結果に基づいて該クロック信号の周波数を調整する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、信号制御装置内に複数の信号制御手段を備え、各信号制御手段はデータ信号,クロック信号,基準パルスによって制御されており、クロックに同期した状態でデータの授受を行う同期式のシリアルインタフェースで結ばれた状態の信号制御装置および画像形成装置に関し、特に、各信号制御手段間でのシリアルデータ転送の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
それぞれがクロック発生部を備えた複数の信号処理手段(信号処理回路、信号処理基板、信号処理デバイスなど、以下「信号処理回路」と言う)を有する信号制御装置(画像処理装置、画像形成装置など)が存在している。
【0003】
そして、この信号制御装置において、確実な信号処理やデータ授受のためには、それら複数の信号処理回路は同一周波数かつ同一タイミングのクロックで駆動されていることが必要である。
【0004】
なお、ここで、複数の信号処理回路は、異なる機器間に配置された信号処理回路、同一の機器間に配置された信号処理回路、同一の機器の同一の基板上に配置された信号処理回路、などの場合が考えられる。
【0005】
具体的には、複写機の内部で同一タイミングのクロックで動作して画像処理を実行する複数の信号処理回路や、複数の複写機を連結して動作(タンデム動作)させる場合の各複写機およびその内部の信号処理回路など、がこの例に該当する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上の複数の信号処理回路を同一タイミングのクロックで駆動するには、データの授受を行うデータ線と、クロック信号を授受するためのクロック信号線とにより複数の信号処理回路同士が接続されている必要がある。
【0007】
すなわち、データ伝送と並行して、クロック信号の伝送も行うようにする必要がある。なお、このほかに、データの送信タイミングを示す基準パルスも必要となり、実際には、データ、クロック、基準パルスの3信号がそれぞれの信号線を介して伝送されている。
【0008】
ここで、複数の信号処理回路のそれぞれの間にクロック信号線が配置されているため、そのクロック信号線からのクロックの周波数およびその高調波の電磁放射が問題となる。近年、クロックの周波数が上昇してきており、その電磁放射の影響は無視できない問題になっている。
【0009】
また、各信号処理回路毎に発振回路を備えて同一周波数のクロックを発生させた場合、精度の高い水晶発振子を用いたとしても微妙な誤差が生じる。従って、あるタイミングで同期を取ったとしても、徐々に位相のずれが積算されてきて、同期した通信ができない状態になってしまう。
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、複数の信号処理回路間はデータ信号,クロック信号,基準パルスによって制御されており、クロックに同期した状態でデータの授受を行う同期式のシリアルインタフェースで結ばれた信号制御装置において、電磁放射の問題やクロック周波数ずれを発生させることなく各信号処理回路間におけるシリアルデータ転送を行うことが可能な信号制御装置および画像形成装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、課題を解決する手段としての本発明は以下に説明するようなものである。
【0012】
(1)請求項1記載の発明は、それぞれがクロック発生部を備えた複数の信号処理回路を有し、前記各信号処理回路間はデータ信号,クロック信号,基準パルスによって制御されており、クロックに同期した状態でデータの授受を行う同期式のシリアルインタフェースで結ばれた信号制御装置であって、複数の信号処理回路同士は、データの授受を行うデータ線と、基準パルスを授受するための基準パルス線とにより接続されており、いずれかの信号処理回路がマスタであって残余の信号処理回路がスレーブとして動作し、マスタ側の信号処理回路は、実動作期間前の測定期間においては、スレーブ側の信号処理回路に対して所定間隔の基準パルスを送信し、スレーブ側の信号処理回路は、測定期間においては、前記所定間隔の基準パルスを受信し、前記クロック発生部からのクロック信号で前記基準パルスを計測することによって該クロック信号の周波数のずれを測定し、測定期間後の実動作期間において前記測定結果に基づいて該クロック信号の周波数のずれを調整する、ことを特徴とする信号制御装置である。
【0013】
この発明では、各信号処理回路間はデータ信号,クロック信号,基準パルスによって制御されており、クロックに同期した状態でデータの授受を行う同期式のシリアルインタフェースで結ばれた場合に、複数の信号処理回路同士は、データの授受を行うデータ線と、基準パルスを授受するための基準パルス線とにより接続されており、いずれかの信号処理回路がマスタであって残余の信号処理回路がスレーブとして動作する。
【0014】
まず、マスタ側の信号処理回路は、実動作期間前の測定期間においては、スレーブ側の信号処理回路に対して所定間隔の基準パルスを送信し、スレーブ側の信号処理回路は、測定期間においては、前記所定間隔の基準パルスを受信し、前記クロック発生部からのクロック信号で前記基準パルスを計測することによって該クロック信号の周波数のずれを測定する。そして、測定期間後の実動作期間においては、スレーブ側の信号処理回路は、前記測定結果に基づいて該クロック信号の周波数のずれを調整する。これにより、マスタ側の信号処理のクロックとスレーブ側の信号処理回路のクロックとが同期した状態になる。
【0015】
この結果、各信号処理回路間にクロック信号線とクロック信号の伝達とがなくなって電磁放射の問題が解消され、さらに、基準パルスを用いてクロック信号の周波数ずれも解消される。
【0016】
すなわち、データ信号,クロック信号,基準パルスによって制御された各信号処理回路間で、測定期間においてクロックの伝達をせずに周波数ずれ調整を行っているため、実動作期間においても電磁放射の問題やクロック周波数ずれを発生させることなくシリアルデータ転送を行うことが可能になる。
【0017】
(2)請求項2記載の発明は、前記スレーブ側の信号処理回路のクロック発生部は、基準となる発振器からの基準発振信号を遅延させて異なる遅延時間を有する複数の遅延信号を生成するディレイチェーン部と、前記基準発振信号に同期した遅延信号の番号である遅延段数と前記基準発振信号に同期する複数の遅延信号間の段数である同期段数とを検出する同期検出部と、前記基準パルスの間の時間をクロック信号の1パルス単位でカウントすると共に、前記同期検出部の検出結果を参照してクロック信号の1パルス未満部分を計測する補正演算部と、を有し、前記測定期間においてクロック発生部が発生する周波数のずれを1パルス未満の精度で測定する、ことを特徴とする請求項1記載の信号制御装置である。
【0018】
この発明では、スレーブ側の信号処理回路のクロック発生部は、基準発振信号を遅延させて異なる遅延時間を有する複数の遅延信号を生成し、基準発振信号に同期した遅延信号の番号である遅延段数と基準発振信号に同期する複数の遅延信号間の段数である同期段数とを検出しておき、基準パルスの間の時間をクロック信号の1パルス単位でカウントすると共に、遅延段数や同期段数を参照してクロック信号の1パルス未満部分を計測することにより、測定期間においてクロック発生部が発生する周波数のずれを1パルス未満の精度で測定する。
【0019】
すなわち、データ信号,クロック信号,基準パルスによって制御された各信号処理回路間で電磁放射の問題を発生させないようにしておき、かつ、ディジタルディレイ方式の調整によってクロック信号のずれの計測を測定期間において1パルス未満の精度で行うことで、実動作期間においてもクロック周波数ずれを発生させることなくシリアルデータ転送を行うことが可能になる。
【0020】
(3)請求項3記載の発明は、前記スレーブ側の信号処理回路は、前記ディレイチェーン部からの遅延信号の選択を制御する選択制御部と、前記選択制御部の指示に基づいて前記ディレイチェーン部から遅延信号を選択してクロック信号として出力する選択部と、を備え、前記補正演算部は、前記基準パルスの間の時間をクロック信号の1パルス未満の精度で計測した結果と、前記基準パルスの間の予め定められた間隔とを比較することで、該信号処理回路のクロック周波数のずれを調整するための調整係数を求め、前記選択制御部は、前記同期検出部の検出結果と前記調整係数とに応じて遅延信号の選択を制御し、前実動作定期間においてクロック発生部が発生するクロック信号の周波数のずれを、毎クロックごとに1パルス未満の精度で調整する、ことを特徴とする請求項2記載の信号制御装置である。
【0021】
この発明では、(2)で測定期間に基準パルスの間の時間をクロック信号の1パルス未満の精度で計測した結果と、基準パルスの間の予め定められた間隔とを比較することで、クロック周波数のずれを調整するための調整係数を求め、実動作期間において遅延信号の選択を制御する。
【0022】
すなわち、データ信号,クロック信号,基準パルスによって制御された各信号処理回路間で電磁放射の問題を発生させないようにしておき、かつ、ディジタルディレイ方式の調整によってクロック信号のずれの計測を測定期間において1パルス未満の精度で行い、実動作期間においては1パルス未満の精度で毎クロック毎にずれ調整を行うことで、クロック周波数ずれを発生させることなくシリアルデータ転送を行うことが可能になる。
【0023】
(4)請求項4記載の発明は、各部がディジタル回路で構成されている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の信号制御装置である。
このようにディジタル回路で構成することで、複数の信号処理回路を廉価に構成することができる。さらに、ディジタル回路で構成することで、全体の1チップ化が可能になり、この結果、配線長を短縮でき、制御も容易になり、さらに精度を向上させることも可能になる。
【0024】
(5)請求項5記載の発明は、各部がディジタル回路で構成されており、前記ディジタル回路で構成された各部を制御する制御手段としてのCPUを備える、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の信号制御装置である。
【0025】
このようにディジタル回路で構成して、CPUによって制御することで、複数の信号処理回路を廉価に構成することができる。さらに、ディジタル回路で構成することで、全体の1チップ化が可能になり、この結果、配線長を短縮でき、制御も容易になり、さらに精度を向上させることも可能になる。
【0026】
(6)請求項6記載の発明は、それぞれがクロック発生部を備えた複数の信号処理回路を有し、前記各信号処理回路間はデータ信号,クロック信号,基準パルスによって制御されており、クロックに同期した状態でデータの授受を行う同期式のシリアルインタフェースで結ばれた画像形成装置であって、複数の信号処理回路同士は、データの授受を行うデータ線と、基準パルスを授受するための基準パルス線とにより接続されており、いずれかの信号処理回路がマスタであって残余の信号処理回路がスレーブとして動作し、マスタ側の信号処理回路は、実動作期間前の測定期間においては、スレーブ側の信号処理回路に対して所定間隔の基準パルスを送信し、スレーブ側の信号処理回路は、測定期間においては、前記所定間隔の基準パルスを受信し、前記クロック発生部からのクロック信号で前記基準パルスを計測することによって該クロック信号の周波数のずれを測定し、測定期間後の実動作期間において前記測定結果に基づいて該クロック信号の周波数のずれを調整する、ことを特徴とする画像形成装置である。
【0027】
この発明の画像形成装置では、各信号処理回路間はデータ信号,クロック信号,基準パルスによって制御されており、クロックに同期した状態でデータの授受を行う同期式のシリアルインタフェースで結ばれた場合に、複数の信号処理回路同士は、データの授受を行うデータ線と、基準パルスを授受するための基準パルス線とにより接続されており、いずれかの信号処理回路がマスタであって残余の信号処理回路がスレーブとして動作する。
【0028】
まず、マスタ側の信号処理回路は、実動作期間前の測定期間においては、スレーブ側の信号処理回路に対して所定間隔の基準パルスを送信し、スレーブ側の信号処理回路は、測定期間においては、前記所定間隔の基準パルスを受信し、前記クロック発生部からのクロック信号で前記基準パルスを計測することによって該クロック信号の周波数のずれを測定する。そして、測定期間後の実動作期間においては、スレーブ側の信号処理回路は、前記測定結果に基づいて該クロック信号の周波数のずれを調整する。これにより、マスタ側の信号処理のクロックとスレーブ側の信号処理回路のクロックとが同期した状態になる。
【0029】
この結果、各信号処理回路間にクロック信号線とクロック信号の伝達とがなくなって電磁放射の問題が解消され、さらに、基準パルスを用いてクロック信号の周波数ずれも解消される。
【0030】
すなわち、画像形成装置において、データ信号,クロック信号,基準パルスによって制御された各信号処理回路間で、測定期間においてクロックの伝達をせずに周波数ずれ調整を行っているため、実動作期間においても電磁放射の問題やクロック周波数ずれを発生させることなくシリアルデータ転送を行うことが可能になる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の信号制御装置の実施の形態例を詳細に説明する。なお、信号制御装置に関し、先に全体を説明しておく。
【0032】
〈本実施の形態例の信号制御装置の概要〉
この実施の形態例の信号制御装置あるいは画像形成装置では、各信号処理回路間はデータ信号,クロック信号,基準パルスによって制御されており、クロックに同期した状態でデータの授受を行う同期式のシリアルインタフェースで結ばれている。そして、以下の(1)〜(7)に記載するような特徴を有している。
【0033】
(1)各信号処理回路間はデータ信号,クロック信号,基準パルスによって制御されており、クロックに同期した状態でデータの授受を行う同期式のシリアルインタフェースで結ばれた場合に、複数の信号処理回路同士は、データの授受を行うデータ線と、基準パルスを授受するための基準パルス線とにより接続されており、いずれかの信号処理回路がマスタであって残余の信号処理回路がスレーブとして動作する。まず、マスタ側の信号処理回路は、実動作期間前の測定期間においては、スレーブ側の信号処理回路に対して所定間隔の基準パルスを送信し、スレーブ側の信号処理回路は、測定期間においては、前記所定間隔の基準パルスを受信し、前記クロック発生部からのクロック信号で前記基準パルスを計測することによって該クロック信号の周波数のずれを測定する。そして、測定期間後の実動作期間においては、スレーブ側の信号処理回路は、前記測定結果に基づいて該クロック信号の周波数のずれを調整する。これにより、マスタ側の信号処理のクロックとスレーブ側の信号処理回路のクロックとが同期した状態になる。この結果、各信号処理回路間にクロック信号線とクロック信号の伝達とがなくなって電磁放射の問題が解消され、さらに、基準パルスを用いてクロック信号の周波数ずれも解消される。すなわち、データ信号,クロック信号,基準パルスによって制御された各信号処理回路間で、測定期間においてクロックの伝達をせずに周波数ずれ調整を行っているため、実動作期間においても電磁放射の問題やクロック周波数ずれを発生させることなくシリアルデータ転送を行うことが可能になる。
【0034】
(2)スレーブ側の信号処理回路のクロック発生部は、基準発振信号を遅延させて異なる遅延時間を有する複数の遅延信号を生成し、基準発振信号に同期した遅延信号の番号である遅延段数と基準発振信号に同期する複数の遅延信号間の段数である同期段数とを検出しておき、基準パルスの間の時間をクロック信号の1パルス単位でカウントすると共に、遅延段数や同期段数を参照してクロック信号の1パルス未満部分を計測することにより、測定期間においてクロック発生部が発生する周波数のずれを1パルス未満の精度で測定する。すなわち、データ信号,クロック信号,基準パルスによって制御された各信号処理回路間で電磁放射の問題を発生させないようにしておき、かつ、ディジタルディレイ方式の調整によってクロック信号のずれの計測を測定期間において1パルス未満の精度で行うことで、実動作期間においてもクロック周波数ずれを発生させることなくシリアルデータ転送を行うことが可能になる。
【0035】
(3)測定期間に基準パルスの間の時間をクロック信号の1パルス未満の精度で計測した結果と、基準パルスの間の予め定められた間隔とを比較することで、クロック周波数のずれを調整するための調整係数を求め、実動作期間において遅延信号の選択を制御する。すなわち、データ信号,クロック信号,基準パルスによって制御された各信号処理回路間で電磁放射の問題を発生させないようにしておき、かつ、ディジタルディレイ方式の調整によってクロック信号のずれの計測を測定期間において1パルス未満の精度で行い、実動作期間においては1パルス未満の精度で毎クロック毎にずれ調整を行うことで、クロック周波数ずれを発生させることなくシリアルデータ転送を行うことが可能になる。
【0036】
(4)各部をディジタル回路で構成することで、複数の信号処理回路を廉価に構成することができる。さらに、ディジタル回路で構成することで、全体の1チップ化が可能になり、この結果、配線長を短縮でき、制御も容易になり、さらに精度を向上させることも可能になる。
【0037】
(5)各部をディジタル回路で構成して、CPUによって制御することで、複数の信号処理回路を廉価に構成することができる。さらに、ディジタル回路で構成することで、全体の1チップ化が可能になり、この結果、配線長を短縮でき、制御も容易になり、さらに精度を向上させることも可能になる。
【0038】
(6)画像形成装置において、各信号処理回路間はデータ信号,クロック信号,基準パルスによって制御されており、クロックに同期した状態でデータの授受を行う同期式のシリアルインタフェースで結ばれた場合に、複数の信号処理回路同士は、データの授受を行うデータ線と、基準パルスを授受するための基準パルス線とにより接続されており、いずれかの信号処理回路がマスタであって残余の信号処理回路がスレーブとして動作する。まず、マスタ側の信号処理回路は、実動作期間前の測定期間においては、スレーブ側の信号処理回路に対して所定間隔の基準パルスを送信し、スレーブ側の信号処理回路は、測定期間においては、前記所定間隔の基準パルスを受信し、前記クロック発生部からのクロック信号で前記基準パルスを計測することによって該クロック信号の周波数のずれを測定する。そして、測定期間後の実動作期間においては、スレーブ側の信号処理回路は、前記測定結果に基づいて該クロック信号の周波数のずれを調整する。これにより、マスタ側の信号処理のクロックとスレーブ側の信号処理回路のクロックとが同期した状態になる。この結果、各信号処理回路間にクロック信号線とクロック信号の伝達とがなくなって電磁放射の問題が解消され、さらに、基準パルスを用いてクロック信号の周波数ずれも解消される。すなわち、画像形成装置において、データ信号,クロック信号,基準パルスによって制御された各信号処理回路間で、測定期間においてクロックの伝達をせずに周波数ずれ調整を行っているため、実動作期間においても電磁放射の問題やクロック周波数ずれを発生させることなくシリアルデータ転送を行うことが可能になる。
【0039】
〈信号制御装置の全体構成〉
ここでは、装置の内部で同一タイミングのクロックで動作して処理を実行する複数の信号処理回路を有する信号制御装置を、複数の信号制御装置を連結して動作(タンデム動作)させる場合について、図2を参照して説明する。
【0040】
ここでは、信号制御装置1000と信号制御装置2000とが、同一タイミングのクロックでタンデム動作するように、データの授受を行うデータ線と、基準パルスを授受するための基準パルス線とにより接続されている。なお、後述するように、基準パルスを本来の基準パルスの用途(データ送受信のきっかけ)と、クロック信号の周波数ずれ調整の用途とに併用しているため、従来は必要であったクロック信号線を省略でき、信号経路を簡素することができる。
【0041】
また、ここで、複数の信号処理回路(信号処理回路1110と信号処理回路1120)が、同一の機器(信号制御装置1000)の同一の基板(基板1100)上に配置されている。同様に、複数の信号処理回路(信号処理回路1210と信号処理回路1220)が、同一の機器(信号制御装置1000)の同一の基板(基板1200)上に配置されている。また、複数の信号処理回路(信号処理回路2110と信号処理回路2120)が、同一の機器(信号制御装置2000)の同一の基板(基板2100)上に配置されている。同様に、複数の信号処理回路(信号処理回路2210と信号処理回路2220)が、同一の機器(信号制御装置2000)の同一の基板(基板2200)上に配置されている。
【0042】
また、複数の信号処理回路(信号処理回路1110と信号処理回路1120、信号処理回路1210と信号処理回路1220)が、同一の機器(信号制御装置1000)の異なる基板(基板1100と基板1200)上に配置されている。同様に、複数の信号処理回路(信号処理回路2110と信号処理回路2120、信号処理回路2210と信号処理回路2220)が、同一の機器(信号制御装置2000)の異なる基板(基板2100と基板2200)上に配置されている。
【0043】
なお、各信号処理回路(1110,1120,1210,1220,2110,2120,2210,2220)は、オシレータOSCとディジタルディレイ式クロック調整手段DDとからなるクロック発生部(1111,1121,1211,1221,2111,2121,2211,2221)を有している。
【0044】
なお、以上の構成において、「信号処理回路」は、ディジタル回路などで構成された信号処理デバイスとすることも可能である。また、同様に、以上の構成において、「機器」は画像形成装置とすることも可能である。すなわち、画像形成装置内に複数の信号処理回路を備えたものとすることができる。
【0045】
なお、この実施の形態例のクロック発生部は、後述するように各信号処理回路にて同期したクロック信号を選択できるように細かく遅延させた多数の遅延信号を生成しておくためのものである。すなわち、本実施の形態例では、オシレータOSCの発振信号を細かく遅延させて異なる遅延時間を有する複数の遅延信号を生成しておいて、その多数の遅延信号の中から選択を行い、選択した遅延信号を各信号処理回路を駆動するクロックとして用いるようにしている。このため、この実施の形態例の説明では後述するディジタルディレイ式クロック調整手段を用いているが、その他の形式のアナログ方式の遅延手段(ディレイライン)を用いることも可能である。
【0046】
また、各信号処理回路(1110,1120,1210,1220,2110,2120,2210,2220)は、各種の信号処理を行う信号処理部(1110a,1120a,1210a,1220a,2110a,2120a,2210a,2220a,)を有している。たとえば、画像形成装置の場合には、画像処理などが信号処理に該当する。
【0047】
〈信号制御装置の詳細構成〉
ここでは、図1を参照して、装置の内部で同一タイミングのクロックで動作して処理を実行する複数の信号処理回路を有する信号制御装置の主要部の詳細構成について、同一の機器(信号制御装置1000)の同一の基板(基板1100)上に配置されている複数の信号処理回路(信号処理回路1110と信号処理回路1120)の部分を、具体例にして説明する。
【0048】
なお、他の基板上の複数の信号処理回路、異なる基板上の複数の信号処理回路、異なる機器間の信号処理回路などの場合についても同様な動作をするものとする。
【0049】
なお、以下の説明では、信号処理回路1110がマスタ側の信号処理回路、信号処理回路1120がスレーブ側の信号処理回路である場合を具体例にして説明する。
【0050】
信号処理回路1110には、クロック発生部1111と、このクロック発生部1111からのクロックを受けて動作する信号処理部1110aとが配置されている。また、クロック発生部1111内には、所定の周波数で発振するオシレータ(OSC)1112と、制御手段としてのCPU1113と、所定間隔の基準パルスを送信する基準パルス発生部1114と、オシレータ1112の発振信号を細かく遅延させて異なる遅延時間を有する複数の遅延信号を生成するディレイチェーン部1115と、多数の遅延信号の中から同期検出を行う同期検出部1116と、同期切り替えを行う選択制御部1117と、多数の遅延信号の中から選択を行う選択手段としての選択部1118と、を有している。
【0051】
なお、実動作期間前の測定期間において、基準パルス発生部1114は、CPU1113の指示とオシレータ1112からのクロックとを受けて、スレーブ側の信号処理回路1120に対して所定間隔の基準パルスを送信する。ここで、所定間隔の基準パルスとは、予め定められた間隔(たとえば、100クロック)を有する少なくとも2つのパルスからなる信号を意味している。
【0052】
また、信号処理回路1120には、クロック発生部1121と、このクロック発生部1121からのクロックを受けて動作する信号処理部1120aとが配置されている。また、クロック発生部1121内には、所定の周波数で発振するオシレータ(OSC)1122と、制御手段としてのCPU1123と、測定期間と実動作期間とで切り替えを行うセレクタ1124と、オシレータ1122の発振信号を細かく遅延させて異なる遅延時間を有する複数の遅延信号を生成するディレイチェーン部1125と、多数の遅延信号の中から同期検出を行う同期検出部1126と、同期切り替えを行う選択制御部1127と、多数の遅延信号の中から選択を行う選択手段としての選択部1128と、補正演算(基準パルスによるクロックの計測、クロックを補正するための調整係数の演算)を行う補正演算部1129と、を有している。
【0053】
なお、シリアルデータ転送におけるデータの送信と受信とが逆になれば、基準パルスの送受信の向きも同様に逆になり、これにあわせて、クロックの周波数のずれの調整についても逆向きに実行される。
【0054】
なお、マスタ側の信号処理回路の基準パルス発生部1114、スレーブ側の信号処理回路のセレクタ1124および補正演算部1129を、双方の信号処理回路が備えていて、マスタ/スレーブの役割に応じて必要な機能を選択的に使用できることも好ましい。
【0055】
〈信号処理回路の基本部分の説明〉
ここで、信号処理回路の基本的処理である遅延信号生成、同期検出、選択(基本的ディジタルディレイ処理)について説明しておく。
【0056】
(A)遅延信号生成:
ここで、ディレイチェーン部1115,1125は、位相が少しずつ異なる遅延信号について、最低でも基準発振信号の1周期分以上、望ましくは2周期分程度にわたって生成できる段数になるようにチェーン状にインバータ等のディレイ素子が縦続接続されていることが好ましい。
【0057】
たとえば、図3に示すように、オシレータからの基準発振信号の周期に対して微小の遅延時間を有する遅延素子(ディレイセル)を連ねた回路をチェーン状に配置し、各遅延素子の遅延信号を出力する。
【0058】
この図3では、オシレータ1112からの基準発振信号を受けるディレイチェーン部1115の回路を示しており、ディレイセルを全く通らない出力をDL0、ディレイセルを1段通る出力をDL1、ディレイセルを2段通る出力をDL2、そして、ディレイセルをn段通る出力をDLn、としている。なお、他のディレイチェーン部も同様な構成である。なお、このディレイチェーン部に関しては、遅延素子の後段にインバータのような微小の遅延値で反転論理のものを連ねることにより、デューティーの崩れを最小限にし、各段数の出力間隔をできるだけ細かく均等にする回路やレイアウトにすることが望ましい。
【0059】
図4は図3の回路構成により得られる遅延信号の様子を示したものであり、図4(a)は遅延なしの基準発振信号(DL0)であり、オシレータからの基準発振信号と等しい状態である。以下、DLの後の数字が遅延段数を示しており、ディレイセルを1段通る出力をDL1、ディレイセルを2段通る出力をDL2、そして、ディレイセルを100段通る出力をDL100、ディレイセルを200段通る出力をDL200、としている。ここでは、DL0とDL100とDL200とが位相が合致している様子を示している。
【0060】
(B)同期検出:
同期検出部1116,1126は、タイミング信号(この実施の形態例では、クロック発生部からのクロックCLK、あるいは、クロックCLKに同期して生成された信号、あるいは遅延なしのDL0)を受け、遅延信号群(図1▲2▼、▲2▼′)の中でタイミング信号に同期している遅延信号の段数(同期ポイント)を検出する検出手段であり、同期ポイント情報(図1▲3▼、▲3▼′)を出力する。ここで、同期検出部1116,1126は、遅延信号群(図1▲2▼、▲2▼′)の中で、最初にタイミング信号に同期している第1同期ポイント情報SP1と、2番目にタイミング信号に同期している第2同期ポイント情報SP2と、を出力できることが好ましい。
【0061】
ディレイチェーン部1115,1125からの複数の遅延信号は、温度変化などの影響によって遅延時間に変動が生じている可能性があるため、このようにして、所定の変動しない時間(タイミング信号から次のタイミング信号までの間(クロック発生部は水晶発振などであり、殆ど変化が生じていない))に、どれだけの遅延信号が含まれているかを検出しておく。
【0062】
このようにすることで、温度変化によって個々のディレイセルの遅延時間が変化したとしても、装置全体としては何ら影響を受けることがなくなるという利点がある。
【0063】
図5の例では、タイミング信号(図5(a))や遅延無しのDL0(図5(b))に対して、100段目のDL100と200段目のDL200とが一致したタイミングとなっている。したがって、SP1=100、SP2=200である。すなわち、1周期の段数(同期段数)PRDは、PRD=SP2−SP1=200−100=100である。
【0064】
(C)選択制御:
選択制御部1117、1127は、同期検出部1116、1116からの同期ポイント情報(図1▲3▼、▲3▼′)と、必要な調整係数(図1▲4▼”)とに応じて、遅延信号群(図1▲2▼、▲2▼′)の中からどの位相の遅延信号を選択すべきかのセレクト信号(図1▲5▼、▲5▼′)を生成して選択部1118、1128に出力する。
【0065】
この場合、ディレイチェーン部1115、1125のディレイ1段当たりの遅延時間は熱などの影響によって変化することがあるが、水晶発振精度の1クロックパルス期間T内に同期段数PRD(PRD=SP2−SP1)が何段含まれるかにより、ディレイ1段当たりの遅延時間を求めることができる。
【0066】
このため、選択制御部1117、1127は、このようにして求めたディレイ1段当たりの遅延時間T/PRDと、CPUからのアジャスト量(図1▲4▼、▲4▼′)とを受けて、遅延信号群(図1▲2▼、▲2▼′)の中からどの位相の遅延信号を選択すべきかのセレクト信号(図1▲5▼、▲5▼′)を生成して選択部1118、1128に出力する。
【0067】
(D)パルス選択、クロック出力:
選択部1118,1128は選択制御部1117,1127からのセレクト信号(図1▲5▼、▲5▼′)に含まれるセレクト段数を受け、遅延信号群(図1▲2▼、▲2▼′)の中から対応する位相の遅延信号を選択し、各クロック発生部でのクロック信号(図1▲6▼、▲6▼′)として出力する。
【0068】
この結果、ディレイチェーン部1115、1125のディレイ1段当たりの遅延時間が熱などの影響によって変化したとしても、選択部1118、1128からは一定の周波数のクロック信号が出力される。
【0069】
なお、本実施の形態例では、以上の基本的ディジタルディレイ処理である遅延信号生成、同期検出、パルス選択によって安定したクロック信号の出力をすることに加え、以下の手順(測定期間/実動作期間)によりマスタ側とスレーブ側とでクロック周波数を一致させることを特徴としている。
【0070】
すなわち、マスタ側の信号処理回路1110は、以上の基本的ディジタルディレイ処理によって安定したクロック信号を生成している。また、スレーブ側の信号処理回路1120は、以上の基本的ディジタルディレイ処理によって安定したクロック信号を生成することに加え、マスタ側のクロック周波数に一致させる処理を行っている。
【0071】
〈信号制御装置の詳細説明〉
以下、本発明の信号制御装置の実施の形態例を詳細に説明する。なお、本実施の形態例の信号制御装置は、大きく分けて、測定期間の動作と、実動作期間の動作とが存在している。
【0072】
また、信号処理回路は、マスタ側の信号処理回路とスレーブ側の信号処理回路とが存在している。なお、これら測定期間と実動作期間とにおける制御は、各CPUが動作プログラムに従って実行すればよい。以下、順を追って説明する。
【0073】
〔1〕測定期間:
マスタ側の信号処理回路1110は、実動作期間前の測定期間においては、CPU1113の指示(図1▲7▼)を受けて、オシレータ1112からのクロック(図1▲1▼)を参照し、スレーブ側の信号処理回路1120に対して所定間隔の基準パルス(図1▲8▼)を送信する(図6S1)。ここで、所定間隔の基準パルスとは、予め定められた間隔の少なくとも2つのパルスからなる信号であり、ここでは、100クロック分の間隔を有する2つのパルスであるとする。
【0074】
一方、スレーブ側の信号処理回路1120は、実動作期間前の測定期間においては、CPU1123の指示(図1▲7▼′)を受けて、セレクタ1124は基準パルス(図1▲8▼)を通過させるように切り替わっている。このため、同期検出部1126は、ディレイチェーン部1125からの遅延信号群(図1▲2▼′)の中で、受信(図6S2)した基準パルス(図1▲8▼)に同期している遅延信号の段数(同期ポイント)を検出する(図6S3)。
【0075】
すなわち、補正演算部1129は、所定間隔(たとえば、オシレータ1112のクロック信号の100パルス分(図7(b)))となるような基準パルス(図7a1、a2)を受信する。
【0076】
この所定間隔の基準パルス(図7(a))を受けた補正演算部1129側では、この基準パルス間隔をクロック発生部1121にて計測する。すなわち、本来(クロック発生部1111のクロックと一致していれば)クロック100パルス分である基準パルス間隔を、オシレータ1122のクロックによって計測することで、オシレータ1122のクロック周波数のずれを求めることができる。
【0077】
たとえば、同期検出部1126での検出結果の同期段数PRDによって計測(図6S3)した結果、図7(c)のように99.75パルスであれば、補正演算部1129は、(99.75−100.00)/100.00=−0.0025のように調整係数を求める(図6S4)。
【0078】
これは、クロック発生部1121側でクロック発生部1111と同じ周波数にするためには、1クロックパルス毎に、0.0025だけクロック周期を早める必要があることを意味している。また、たとえば、補正演算部1129で計測した結果、図7(d)のように100.25パルスであれば、(100.25−100.00)/100.00=+0.0025のように調整係数を求める。これは、1クロックパルス毎に、0.0025だけクロック周期を遅らせる必要があることを意味している。
【0079】
図8は補正演算部1129での基準パルスの計測の様子を示したタイムチャートである。図8(a)のような基準パルスを受信した場合、オシレータ1122のクロック信号(図8(b))のうち基準パルスの間隔に含まれる▲1▼部分が計測対象期間となる。
【0080】
この計測対象期間▲2▼内にスタートタイミングが含まれるオシレータ1122からのクロックパルスを1〜100とする(図8(c)参照)。そして、この計測対象期間▲2▼内に完全に含まれているパルスを、補正演算部1129内のカウンタなどによって計測する。ここでは、図8(d)のように▲2▼期間内に99パルスがカウントされる。
【0081】
つぎに、先頭の基準パルス開始タイミング(計測開始タイミング)からクロックパルス開始までの1クロックパルス未満の期間▲3▼(図8(e)参照)を求める。この期間▲3▼は、同期段数PRDとこの時点での第1同期ポイント情報SP1とを基にして、(PRD−SP1)/PRDとして求めることができる。ここで、PRD=100、この時点でのSP1=30であるとすると、(100−30)/100=0.70と求められる。
【0082】
つぎに、クロックパルス終了タイミングから最後尾の基準パルス終了タイミング(計測終了タイミング)までの1クロックパルス未満の期間▲4▼(図8(f)参照)を求める。この期間▲3▼は、同期段数PRDとこの時点での第1同期ポイント情報SP1′とを基にして、SP1′/PRDとして求めることができる。ここで、PRD=100、この時点でのSP1′=5であるとすると、5/100=0.05と求められる。
【0083】
従って、計測対象期間▲2▼は、99+0.70+0.05=99.75と、1クロックパルス未満の精度で求めることができる。すなわち、補正演算部1129は、基準パルスの間の時間をクロック信号の1パルス単位でカウントすると共に、同期検出部1126の検出結果を参照してクロック信号の1パルス未満部分を正確に計測している。
【0084】
以上のようにして、マスタ側の信号処理回路1110からの基準パルス(図1▲8▼)を、補正演算部1129がスレーブ側の信号処理回路1120のクロックで計測することで、スレーブ側のクロック周波数のずれとその調整係数(図1▲4▼”)とを求めることが可能になる。
【0085】
〔2〕実動作期間:
測定期間後の実動作期間では、マスタ側の信号処理回路1110は、基本的ディジタルディレイ処理によって安定したクロック信号の出力を実行しており、特別な動作は行わない。
【0086】
一方、スレーブ側の信号処理回路1120は、測定期間後の実動作期間においては、CPU1123の指示(図1▲7▼′)を受けて、セレクタ1124はオシレータ1122からのクロック(図1▲1▼′)を通過させるように切り替わっている。このため、同期検出部1126は、ディレイチェーン部1125が生成(図6S5)した遅延信号群(図1▲2▼′)の中で、クロック信号(図1▲1▼′)に同期している遅延信号の段数(同期ポイント)を検出する(図6S6)。
【0087】
そして、選択制御部1127は、同期検出部1126からの同期ポイント情報(図1▲3▼′)と、CPU1123からのアジャスト量(図1▲4▼′)と、補正演算部1129からの調整係数(図1▲4▼”)とを受けて、遅延信号群(図1▲2▼′)の中からどの位相の遅延信号を選択すべきかのセレクト信号(図1▲5▼′)を生成して選択部1128に出力する(図6S7)。
【0088】
さらに、選択部1128は、選択制御部1127からのセレクト信号(図1▲5▼′)に含まれるセレクト段数を受け、遅延信号群(図1▲2▼′)の中から対応する位相の遅延信号を選択し、各クロック発生部1121でのクロック信号(図1▲6▼′)として出力する(図6S8)。
【0089】
この結果、ディレイチェーン部1125のディレイ1段当たりの遅延時間が熱などの影響によって変化したとしても、さらに、マスタ側の信号処理回路の遅延時間と異なっていたとしても、選択部1128からは一定の周波数かつマスタ側の周波数に合致したクロック信号が出力される。
【0090】
〈信号制御装置の効果〉
以上の構成と動作の信号制御装置では、各信号処理回路間にクロック信号線とクロック信号の伝達とがなくなって電磁放射の問題が解消される、さらに、基準パルスを用いてクロック信号の周波数ずれも解消される。すなわち、データ信号,クロック信号,基準信号によって制御された各信号処理回路間で、電磁放射の問題やクロック周波数ずれを発生させることなくシリアルデータ転送を行うことが可能になる。
【0091】
すなわち、異なる機器間に配置された信号処理回路、同一の機器間に配置された信号処理回路、同一の機器の同一の基板上に配置された信号処理回路、などのいずれの場合にも良好な結果が得られる。具体的には、複写機の内部で同一タイミングのクロックで動作して画像処理を実行する複数の信号処理回路や、複数の複写機を連結して動作(タンデム動作)させる場合の各複写機およびその内部の信号処理回路などで良好な結果が得られるようになる。
【0092】
〈その他の実施の形態例〉
以上の実施の形態例の動作では図1において信号処理回路1110と信号処理回路1120とだけを詳細に示したが、同様な信号処理回路を多数接続しておくことで、基準となる信号処理回路のクロック周波数に合致するように他の信号処理回路のクロック周波数を調整することが可能になる。
【0093】
また、以上の実施の形態例の信号制御装置は各種の装置に適用することが可能であるが、複数の処理のための回路基板を装置内に有していて同期した処理が必要となる画像形成装置(複写機、プリンタ、ファクシミリ装置)に適用することで極めて良好な結果を得ることができる。
【0094】
さらに、複数の画像形成装置をタンデム接続して同期状態で並行処理する場合などにも、本実施の形態例を適用することで良好な結果が得られる。
また、以上の実施の形態例の説明では、ディジタルディレイ式クロック調整手段を用いているが、その他の形式のアナログ方式の遅延手段(ディレイライン)を用いることも可能である。ただし、1チップ化による回路構成の利点、1チップ化による配線長の短縮、熱や温度変化による誤差の影響、制御の容易性、などの点で、上述したディジタルディレイ式クロック調整手段を用いることが好ましい。
【0095】
以上の実施の形態例において、複数の信号処理回路やCPUは、信号処理回路をディジタルディレイ式クロック調整手段で構成した場合には、全体をディジタル回路により構成することが可能である。このため、各信号処理回路におけるクロック発生部の周波数のずれの調整を容易かつ正確に、ディジタル的に行うことが可能になる。
【0096】
また、全回路をディジタル回路で構成することにより、従来のアナログ方式のディレイラインの価格の数分の一程度という低コスト化が実現できる。更に、ゲート・アレイ等の集積回路内で1チップで構成することにより、外付けディレイラインで問題となる干渉も発生せず、信号ノイズの問題も解消される。
【0097】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明では、以下のような効果が得られる。
(1)信号制御装置の発明では、各信号処理回路間はデータ信号,クロック信号,基準パルスによって制御されており、クロックに同期した状態でデータの授受を行う同期式のシリアルインタフェースで結ばれた場合に、複数の信号処理回路同士は、データの授受を行うデータ線と、基準パルスを授受するための基準パルス線とにより接続されており、いずれかの信号処理回路がマスタであって残余の信号処理回路がスレーブとして動作する。まず、マスタ側の信号処理回路は、実動作期間前の測定期間においては、スレーブ側の信号処理回路に対して所定間隔の基準パルスを送信し、スレーブ側の信号処理回路は、測定期間においては、前記所定間隔の基準パルスを受信し、前記クロック発生部からのクロック信号で前記基準パルスを計測することによって該クロック信号の周波数のずれを測定する。そして、測定期間後の実動作期間においては、スレーブ側の信号処理回路は、前記測定結果に基づいて該クロック信号の周波数のずれを調整する。これにより、マスタ側の信号処理のクロックとスレーブ側の信号処理回路のクロックとが同期した状態になる。この結果、各信号処理回路間にクロック信号線とクロック信号の伝達とがなくなって電磁放射の問題が解消され、さらに、基準パルスを用いてクロック信号の周波数ずれも解消される。すなわち、データ信号,クロック信号,基準パルスによって制御された各信号処理回路間で、測定期間においてクロックの伝達をせずに周波数ずれ調整を行っているため、実動作期間においても電磁放射の問題やクロック周波数ずれを発生させることなくシリアルデータ転送を行うことが可能になる。
【0098】
(2)画像形成装置の発明では、各信号処理回路間はデータ信号,クロック信号,基準パルスによって制御されており、クロックに同期した状態でデータの授受を行う同期式のシリアルインタフェースで結ばれた場合に、複数の信号処理回路同士は、データの授受を行うデータ線と、基準パルスを授受するための基準パルス線とにより接続されており、いずれかの信号処理回路がマスタであって残余の信号処理回路がスレーブとして動作する。まず、マスタ側の信号処理回路は、実動作期間前の測定期間においては、スレーブ側の信号処理回路に対して所定間隔の基準パルスを送信し、スレーブ側の信号処理回路は、測定期間においては、前記所定間隔の基準パルスを受信し、前記クロック発生部からのクロック信号で前記基準パルスを計測することによって該クロック信号の周波数のずれを測定する。そして、測定期間後の実動作期間においては、スレーブ側の信号処理回路は、前記測定結果に基づいて該クロック信号の周波数のずれを調整する。これにより、マスタ側の信号処理のクロックとスレーブ側の信号処理回路のクロックとが同期した状態になる。この結果、各信号処理回路間にクロック信号線とクロック信号の伝達とがなくなって電磁放射の問題が解消され、さらに、基準パルスを用いてクロック信号の周波数ずれも解消される。すなわち、画像形成装置において、データ信号,クロック信号,基準パルスによって制御された各信号処理回路間で、測定期間においてクロックの伝達をせずに周波数ずれ調整を行っているため、実動作期間においても電磁放射の問題やクロック周波数ずれを発生させることなくシリアルデータ転送を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態例の信号制御装置の主要部の電気的構成を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施の形態例の信号制御装置の全体の電気的構成を示す構成図である。
【図3】本発明の一実施の形態例の信号制御装置の主要部の電気的構成を示す構成図である。
【図4】本発明の一実施の形態例の信号制御装置の動作状態を説明するタイムチャートである。
【図5】本発明の一実施の形態例の信号制御装置の動作状態を説明するタイムチャートである。
【図6】本発明の一実施の形態例の信号制御装置の動作状態を説明するフローチャートである。
【図7】本発明の一実施の形態例の信号制御装置の動作状態を説明するタイムチャートである。
【図8】本発明の一実施の形態例の信号制御装置の動作状態を説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
1000 信号制御装置
1100 基板
1110 信号処理回路
1110a 信号処理部
1111 クロック発生部
1120 信号処理回路
1120a 信号処理部
1121 クロック発生部
1200 基板
1210 信号処理回路
1211 クロック発生部
1210a 信号処理部
1220 信号処理回路
1221 クロック発生部
1220a 信号処理部
2000 信号制御装置
2100 基板
2110 信号処理回路
2110a 信号処理部
2111 クロック発生部
2120 信号処理回路
2120a 信号処理部
2121 クロック発生部
2200 基板
2210 信号処理回路
2210a 信号処理部
2211 クロック発生部
2220 信号処理回路
2220a 信号処理部
2221 クロック発生部

Claims (6)

  1. それぞれがクロック発生部を備えた複数の信号処理回路を有し、前記各信号処理回路間はデータ信号,クロック信号,基準パルスによって制御されており、クロックに同期した状態でデータの授受を行う同期式のシリアルインタフェースで結ばれた信号制御装置であって、
    複数の信号処理回路同士は、データの授受を行うデータ線と、基準パルスを授受するための基準パルス線とにより接続されており、いずれかの信号処理回路がマスタであって残余の信号処理回路がスレーブとして動作し、
    マスタ側の信号処理回路は、実動作期間前の測定期間においては、スレーブ側の信号処理回路に対して所定間隔の基準パルスを送信し、
    スレーブ側の信号処理回路は、測定期間においては、前記所定間隔の基準パルスを受信し、前記クロック発生部からのクロック信号で前記基準パルスを計測することによって該クロック信号の周波数のずれを測定し、測定期間後の実動作期間において前記測定結果に基づいて該クロック信号の周波数のずれを調整する、ことを特徴とする信号制御装置。
  2. 前記スレーブ側の信号処理回路のクロック発生部は、
    基準となる発振器からの基準発振信号を遅延させて異なる遅延時間を有する複数の遅延信号を生成するディレイチェーン部と、
    前記基準発振信号に同期した遅延信号の番号である遅延段数と前記基準発振信号に同期する複数の遅延信号間の段数である同期段数とを検出する同期検出部と、
    前記基準パルスの間の時間をクロック信号の1パルス単位でカウントすると共に、前記同期検出部の検出結果を参照してクロック信号の1パルス未満部分を計測する補正演算部と、を有し、
    前記測定期間においてクロック発生部が発生する周波数のずれを1パルス未満の精度で測定する、
    ことを特徴とする請求項1記載の信号制御装置。
  3. 前記スレーブ側の信号処理回路は、
    前記ディレイチェーン部からの遅延信号の選択を制御する選択制御部と、
    前記選択制御部の指示に基づいて前記ディレイチェーン部から遅延信号を選択してクロック信号として出力する選択部と、
    を備え、
    前記補正演算部は、前記基準パルスの間の時間をクロック信号の1パルス未満の精度で計測した結果と、前記基準パルスの間の予め定められた間隔とを比較することで、該信号処理回路のクロック周波数のずれを調整するための調整係数を求め、
    前記選択制御部は、前記同期検出部の検出結果と前記調整係数とに応じて遅延信号の選択を制御し、
    前実動作定期間においてクロック発生部が発生するクロック信号の周波数のずれを、毎クロックごとに1パルス未満の精度で調整する、
    ことを特徴とする請求項2記載の信号制御装置。
  4. 各部がディジタル回路で構成されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の信号制御装置。
  5. 各部がディジタル回路で構成されており、
    前記ディジタル回路で構成された各部を制御する制御手段としてのCPUを備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の信号制御装置。
  6. それぞれがクロック発生部を備えた複数の信号処理回路を有し、前記各信号処理回路間はデータ信号,クロック信号,基準パルスによって制御されており、クロックに同期した状態でデータの授受を行う同期式のシリアルインタフェースで結ばれた画像形成装置であって、
    複数の信号処理回路同士は、データの授受を行うデータ線と、基準パルスを授受するための基準パルス線とにより接続されており、いずれかの信号処理回路がマスタであって残余の信号処理回路がスレーブとして動作し、
    マスタ側の信号処理回路は、実動作期間前の測定期間においては、スレーブ側の信号処理回路に対して所定間隔の基準パルスを送信し、
    スレーブ側の信号処理回路は、測定期間においては、前記所定間隔の基準パルスを受信し、前記クロック発生部からのクロック信号で前記基準パルスを計測することによって該クロック信号の周波数のずれを測定し、測定期間後の実動作期間において前記測定結果に基づいて該クロック信号の周波数のずれを調整する、ことを特徴とする画像形成装置。
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