JP2004046049A - 画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画像反射濃度の最低値Cmin で電圧最大値Vcmin の状態より徐々に電圧を変化させ、画像反射濃度の最高値Cmax で電圧最大値Vcmax の状態に達する過程での(Vac10−Vac90)の絶対値が60ボルト未満であり、かつ画像反射濃度の最高値Cmax で電圧最大値Vcmax の状態より徐々に電圧を変化させ画像反射濃度の最低値Cmin で電圧最少値Vcmin の状態に達する過程での(Vbc10−Vbc90)の絶対値が60ボルト未満とする。
【選択図】 図1
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、粒子の飛翔移動に伴い画像を繰り返し画像表示、消去できる画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶(LCD)に代わる画像表示装置として、電気泳動方式、エレクトロクロミック方式、サーマル方式、2色粒子回転方式などの技術を用いた静電画像表示装置(ディスプレイ)が提案されている。
これらの画像表示装置は、LCDに比べて、通常の印刷物に近い広い視野角が得られる、消費電力が小さい、メモリー機能を有している等のメリットから、次世代の安価な表示装置として考えられ、携帯端末用表示、電子ペーパー等への展開が期待されている。
【0003】
最近、分散粒子と着色溶液からなる分散液をマイクロカプセル化し、これを対向する基板間に配置する電気泳動方式が提案されている。しかしながら、電気泳動方式では、液中に粒子が泳動するために液の粘性抵抗により応答速度が遅いという問題がある。また、低比重の溶液中に酸化チタンなどの高比重の粒子を分散させているために、沈降しやすく、分散状態の安定性維持が難しく、画像繰り返し安定性に欠けるという問題を抱えている。マイクロカプセル化にしても、セルサイズをマイクロカプセルレベルにし、見かけ上、このような欠点が現れ難くしているだけで、本質的な問題は何ら解決されていない。
【0004】
以上のような溶液中での挙動を利用した電気泳動方式に対し、最近では溶液を使わず、色と帯電極性が異なる2種類の粒子を2枚の基板間において、電界をかけて互いに異なる方向の基板に飛翔付着させて表示装置も提案されている。
このような静電気を活用した画像表示装置においては、対向する基板間に粒子を封入した表示装置に何らかの手段で基板表面に電荷が付与される。正に帯電した基板部位に向かっては負に帯電した粒子がクーロン力により引き寄せられ、また、負に帯電した基板部位に向かっては正に帯電した粒子がクーロン力により引き寄せられ、それら粒子が対向する基板間を往復移動することにより、画像表示がなされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、粒子を飛翔させるタイプの乾式画像表示装置において、乾式画像表示装置の低コスト化および低消費電圧駆動化を図ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討重ねた結果、乾式画像表示装置の特徴は、基板に封入された2粒子の移動電圧が図1のような閾値をもつことにより、単純マトリックス駆動が可能であることであり、この閾値特性について評価法を含め鋭意検討を行い、計算として閾値特性を捉え、その閾値間隔を数値として規定することにより、乾式画像表示装置の単純化・低コスト化・低消費電圧駆動といったことが可能となり、かつ、良好な画像表示を得ることができるようになることを見出し、本発明に到達した。
【0007】
すなわち本発明は、以下の画像表示装置を提供するものである。
1.少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に、互いに色が異なり、且つ摩擦帯電性の異なる2種類の粒子を封入し、電圧を印加することにより粒子を移動させて表示を変化させる画像表示装置において、
(1)画像反射濃度の最低値Cmin (電圧最少値Vcmin )の状態より徐々に電圧を変化させ、画像反射濃度の最高値Cmax (電圧最大値Vcmax )の状態に達する過程において、
|Vac10−Vac90|<60ボルト
であり、かつ
(2)画像反射濃度の最高値Cmax (電圧最大値Vcmax )の状態より徐々に電圧を変化させ画像反射濃度の最低値Cmin (電圧最少値Vcmin )の状態に達する過程において、
|Vbc10−Vbc90|<60ボルト
であることを特徴とする画像表示装置。
但し、画像反射濃度C10およびC90は、(1)および(2)過程における各々のコントラストCcon を、Ccon =Cmax −Cmin として、
C10=Cmin +0.1Ccon (=Cmax −0.9Ccon )
C90=Cmin +0.9Ccon (=Cmax −0.1Ccon )
とし、Vac10およびVbc10は、(1)および(2)過程における画像反射濃度がC10である時の各々の電圧であり、Vac90およびVbc90は、(1)および(2)過程における画像反射濃度がC90である時の各々の電圧である。
2.Ccon =Cmax −Cmin が0.5以上である上記1の画像表示装置。
3.対向する基板中の少なくとも一方が、基板間に所定のギャップを設けさせるためのスペーサを保持するものである上記1又は2の画像表示装置。
4.対向する基板中の少なくとも一方が、周囲を仕切壁で囲まれたセル群を保持するものである上記1〜3のいずれかの画像表示装置。
5.対向する基板間の粒子の体積占有率が65%以下である上記1〜4のいずれかの画像表示装置。
6.2枚の基板の内面に、対向する電極を有する上記1〜5のいずれかの画像表示装置。
7.対向する基板中の少なくとも一方が、透明電極ガラスまたは透明電極樹脂で形成されたものである上記1〜6のいずれかの画像表示装置。
8.対向する基板中の少なくとも一方は、表面が絶縁層で被覆されたものである上記1〜7のいずれかの画像表示装置。
9.粒子を封入する基板間の空隙部分の相対湿度が60%RH以下である上記1〜8のいずれかの画像表示装置。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の画像表示装置は、少なくとも一方が透明な対向する基板間に粒子を封入し、電界を与えて粒子を移動させ画像を表示する乾式画像表示装置である。
乾式画像表示装置の特徴は、基板に封入された2粒子の移動電圧が図1のような閾値をもつことである。
図1は、電圧を傾斜(RAMP)状にVmin からVmax (あるいはその逆方向)へ徐々に変化させて印加(例えば5Vずつ)、または電圧をステップ状(例えば0V→Vmin /100→Vmax /100→2Vmin /100→2Vmax /100→・・・・・→Vmin →Vmax )で印加し、各電圧における画像反射濃度(−)を測定し、その電圧(V)と画像反射濃度をプロットとすることによって作成することができる。
【0009】
本発明の画像表示装置は、先ず、(1)この画像反射濃度の最低値Cmin で電圧最大値Vcmin の状態より徐々に電圧を変化させ、画像反射濃度の最高値Cmax で電圧最大値Vcmax の状態に達する過程でのCcon =Cmax −Cmin として、C10=Cmin +0.1Ccon (=Cmax −0.9Ccon )における電圧Vac10とC90=Cmin +0.9Ccon (=Cmax −0.1Ccon )における電圧Vac90の差の絶対値が60ボルト未満であり、かつ(2)画像反射濃度の最高値Cmax で電圧最大値Vcmax の状態より徐々に電圧を変化させ画像反射濃度の最低値Cmin で電圧最少値Vcmin の状態に達する過程でのCcon =Cmax −Cmin として、C10=Cmin +0.1Ccon (=Cmax −0.9Ccon )における電圧Vbc10とC90=Cmin +0.9Ccon (=Cmax −0.1Ccon )における電圧Vbc90の差の絶対値が60ボルト未満であるものである。
【0010】
本発明者らは、上記の条件を満たすことにより、単純マトリックス駆動に適切で良好な乾式画像表示装置における画像表示を得ることができることを発見した。すなわち、乾式画像表示装置においてこのような条件を満たすことにより、単純マトリックス駆動におけるスイッチング素子の耐圧性を低減することができ、駆動回路の低コスト化、低電圧駆動化が可能となる。
この特性を満たすためには、特に基板中における粒子−粒子間相互作用を極力抑えることが重要となる。この粒子−粒子間相互作用の主な要因としては異極性粒子間の静電引力・粒子間の分子間力・粒子間の液架橋力・粒子同士の接触面積がある。
【0011】
この粒子−粒子間相互作用を抑える手法として、例えば以下のような方法がある。
1)基板中における粒子の充填率を低減する。あるいは充填量の低減により粒子同士の接触、特に異極性同士の粒子の接触を低減する。
2)シリカ微粒子などの外添剤の添加により、粒子間の流動性を向上させると共に付着性を低下させる。
3)粒子を多孔質体にするなどの表面形状改質により、接触面積を減少させ、さらには分子間力を減少させて、粒子間の流動性を向上させると共に付着性を低下させる。
4)フッ素処理などにより表面エネルギーを低下させ、液架橋力を低下させることなどにより、粒子間の流動性を向上させると共に付着性を低下させる。
5)粒子を封入する気体の湿度を極力下げ、液架橋力を低下させることにより、粒子間の流動性を向上させると共に付着性を低下させる。
【0012】
図2は本発明の画像表示装置の構造を示す説明図である。図2において対向する基板1、基板2が所定の間隔で設置されており、2種以上の色の異なる粒子3が封入されている。
このように本発明の画像表示装置では、対向する基板中の少なくとも一方が、基板間に所定のギャップを設けさせるためのスペーサを有し、周囲を仕切壁(隔壁)で囲まれたセル群を保持するものが好適に用いられる。
基板1と基板2の間隔は、粒子が移動でき、コントラストを維持できれば良いが、通常1〜1000μm、好ましくは2〜500μmに調整される。
本発明の画像表示装置では、ディスプレイとしては当然ある程度のコントラストをもつことが望ましく、前述のCcon =Cmax −Cmin が0.5以上が好ましく、さらに好ましくは0.7以上である。この条件を満たすことにより視野認性が良好な画像表示が可能となる。
【0013】
前記のように本発明においては、粒子を封入する基板間の空隙部分の湿度管理が重要であり、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下、更に好ましくは35%RH以下とする。
空隙部分とは、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、粒子3の占有部分、装置シール部分、また必要に応じて設ける後述する隔壁やスペーサ部分を除いた、いわゆる粒子が接する気体部分を指すものとする。
気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、窒素、アルゴン、ヘリウムなどが好適である。
気体は、その湿度が保持されるように装置に封入することが必要であり、例えば、後述する粒子、基板などを所定湿度環境下にて組み立て、更に、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施し、気体及び粒子を封入した表示装置を作製する。
【0014】
基板に関しては、基板1、基板2の少なくとも一方は装置外側から粒子の色が確認できる透明基板であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適であり、透明電極ガラスや透明電極樹脂で形成されたものが用いられる。また、対向する基板中の少なくとも一方は、表面が絶縁層で被覆されたものが用いられる。
画像表示装置としての可撓性の有無は用途により適宜選択され、例えば、電子ペーパー等の用途には可撓性のある材料、携帯電話、PDA、ノートパソコン類の携帯機器表示等の用途には可撓性のない材料が用いられる。
【0015】
基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルスルフォン、ポリエチレン、ポリカーボネートなどのポリマーシートや、ガラス、石英などの無機シートが挙げられる。
基板厚みは、2〜5000μm、好ましくは5〜1000μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ち難くなり、厚すぎると、表示機能としての鮮明さ、コントラストの低下が発生し、特に、電子ペーパー用途の場合には可撓性に欠ける。
【0016】
本発明の画像表示装置では、粒子の基板平行方向の余分な粒子移動を阻止するため、基板上にエッチングなどにより規則正しい凹凸をつけても良く、図3に示すように、基板断面方向から見れば三角状、四角状、半円状などが、基板平面方向から見れば四角状、三角状、丸状、ライン状などが例示される。その面積サイズ、高さはいずれでも良いが、できるだけ表示側から見える凸部分に相当する部分(枠部の面積)は小さくした方が良く、枠部の面積を小さくすることにより画像表示の鮮明さが増すことになる。従って、凸部形成により、耐久繰り返し性や、メモリー保持性が向上する。
また、本発明の静電画像表示装置では、図4に示すような隔壁4 や、図5に示すようなスペーサ5 を用いて基板間の空間を細分して、粒子の基板平行方向の余分な粒子移動を阻止し、耐久繰り返し性、メモリー保持性を向上させると共に、基板間の間隔を均一にし、かつ補強し、表示装置自体の強度を上げることもできる。
【0017】
隔壁の形成方法としては、特に限定されないが、例えば、スクリーン版を用いて所定の位置にペーストを重ね塗りするスクリーン印刷法や、基板上に所望の厚さの隔壁材をベタ塗りし、隔壁として残したい部分のみレジストパターンを隔壁材上に被覆した後、ブラスト材を噴射して隔壁部以外の隔壁材を切削除去するサンドブラスト法や、該基板上に感光性樹脂を用いてレジストパターンを形成し、レジスト凹部へペーストを埋込んだ後レジスト除去するリフトオフ法(アディティブ法)や、該基板上に、隔壁材料を含有した感光性樹脂組成物を塗布し、露光・現像により所望のパターンを得る感光性ペースト法や、該基板上に隔壁材料を含有するペーストを塗布した後、凹凸を有する金型等を圧着・加圧成形して隔壁形成する鋳型成形法等、種々の方法が採用される。さらに鋳型成形法を応用し、鋳型として感光性樹脂組成物により設けたレリーフパターンを使用する、レリーフ型押し法も採用される。また、隔壁形成用粒子をトナージェット方式で基板上に移動させて隔壁を形成する方法も採用される。
【0018】
本発明の画像表示装置では、基板に電極を設けない場合と、電極を設ける場合がある。
電極を設けない場合は、基板外部表面に静電潜像を与え、その静電潜像に応じて発生する電界にて、所定の極性に帯電した色のついた粒子を基板に引き寄せあるいは反発させることにより、静電潜像に対応して配列した粒子を透明な基板を通して表示装置外側から視認する。なお、この静電潜像の形成は、電子写真感光体を用い通常の電子写真システムで行われる静電潜像を本発明の画像表示装置の基板上に転写形成する方法や、イオンフローにより静電潜像を基板上に直接形成する等の方法がある。
【0019】
電極を設ける場合は、電極部位への外部電圧入力により、基板上の各電極位置に生じた電界により、所定の極性に帯電した色の粒子が引き寄せあるいは反発させることにより、静電潜像に対応して配列した粒子を透明な基板を通して表示装置外側から視認する。
本発明では、このように2枚の基板の内面に、対向する電極を有するものが好ましい。
電極は透明基板上に透明かつパターン形成可能である導電性材料で形成され、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等の金属やITO、導電性酸化錫、導電性酸化亜鉛等の透明導電金属酸化物をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、塗布法等で薄膜状に形成したものや、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダに混合して塗布したものが用いられる。
【0020】
導電剤としてはベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムパークロレート等のカチオン性高分子電解質、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩等のアニオン性高分子電解質や導電性の酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム微粉末等が用いられる。なお、電極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障なければ良く、3〜1000nm、好ましくは5〜400nmが好適である。対向基板上には透明電極材料を使用することもできるが、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等の非透明電極材料も使用できる。
この場合の外部電圧印加は、直流あるいはそれに交流を重畳しても良い。
各電極は帯電した粒子の電荷が逃げないように絶縁性のコート層を形成することが好ましい。
【0021】
粒子は、流動性との関係から球形であることが好ましく、クーロン力等により移動でき、特に基板中における粒子−粒子間相互作用を極力抑えることが重要である。粒子−粒子間相互作用を抑える手法として、前述の方法が用いられる。
対向する基板間の空間における粒子の体積占有率は65%以下が好ましく、更に好ましくは5〜40%である。この範囲より大きい場合には粒子の移動の支障をきたし、小さい場合にはコントラストが明確でなくなり易い。
【0022】
粒子の平均粒径は、0.1〜50μmが好ましく、特に1〜30μmが好ましい。粒径がこの範囲より小さいと粒子の液架橋力、分子間力等が相対的に大きくなり、電極や基板への付着力が強すぎ、メモリー性はよいが、電界を反転した場合の追随性が悪くなる。反対に粒径がこの範囲より大きいと追随性は良いが、メモリー性が悪くなったり、あるいは、重力の影響を受け易くなる等の問題が生じる。
【0023】
粒子を負又は正に帯電させる方法は、特に限定されないが、コロナ放電法、電荷注入法、接触摩擦帯電法等の粒子を帯電する方法が用いられる。
粒子の帯電量は絶対値で0.1〜150μC/gの範囲が好ましく、特に0.5〜100μC/gが好ましい。帯電量の絶対値がこの範囲より小さいと電界の変化に対する応答速度が遅くなり、メモリー性も低くなる。帯電量の絶対値がこの範囲より大きいと電極や基板への鏡像力が強すぎ、メモリー性はよいが、電界を反転した場合の追随性が悪くなる。
なお、粒子はその帯電電荷を保持する必要があるので、1010Ω・cm以上の絶縁粒子が好ましく、特に1012Ω・cm以上の絶縁粒子が好ましい。
【0024】
粒子の作成は、必要な樹脂、帯電制御剤、着色剤、その他添加剤を混練り粉砕しても、あるいはモノマーから重合しても、あるいは既存の粒子を樹脂、帯電制御剤、着色剤、その他添加剤でコーティングしても良い。
以下に、樹脂、帯電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
樹脂の例としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン変性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ナイロン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂などが挙げられ、2種以上混合することもでき、特に、基板との付着力を制御する上から、アクリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂が好適である。
【0025】
帯電制御剤の例としては、正電荷付与の場合には、4級アンモニウム塩系化合物、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール誘導体などが挙げられ、負電荷付与の場合には、含金属アゾ染料、サリチル酸金属錯体、ニトロイミダゾール誘導体などが挙げられる。
着色剤の例としては、塩基性、酸性などの染料が挙げられ、ニグロシン、メチレンブルー、キノリンイエロー、ローズベンガルなどが例示される。
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
【0026】
前述のシリカ微粒子などの外添剤の添加により粒子間の流動性を向上させると共に付着性を低下させる方法としては、溶剤に帯電制御剤を溶解した液に子粒子を添加した後、濾過により分離された子粒子を乾燥することにより母粒子表面に子粒子を付着させる方法がある。この子粒子には、シリカや酸化チタン等の金属酸化物の微粒子が用いられる。このように帯電制御剤で表面処理した微粒子を外添加することによって、粒子間の流動性を向上させると共に付着性を低下させることができる。
【0027】
また、粒子を多孔質体にするなどの表面形状改質により、接触面積を減少させ、さらには分子間減少させて、粒子間の流動性を向上させると共に付着性を低下させる方法としては、粒子重合時に揮発性成分を粒子内部に取り込み、重合後に加熱して揮発成分を取り除く方法がある。例示すればトルエンやキシレンなど懸濁重合時の反応温度より沸点の高い溶媒を重合時に油滴に含有させ、重合後に加熱して揮発除去することにより多孔性粒子を得ることができる。これにより接触面積を減少させ、さらには分子間力を減少させて、粒子間の流動性を向上させると共に付着性を低下させることができる。
【0028】
本発明の画像表示装置は、ノートパソコン、PDA、携帯電話などのモバイル機器の画像表示部、電子ブック、電子新聞などの電子ペーパー、看板、ポスター、黒板などの掲示板、コピー機、プリンター用紙代替のリライタブルペーパー、電卓、家電製品の画像表示部、ポイントカードなどのカード画像表示部などに用いられる。
【0029】
【実施例】
次に実施例を示して、本発明を更に具体的に説明する。以下、2つの基板間に、色及び摩擦帯電性の異なる2種類の粒子、例えば、負極性を持つ黒色粒子と正極性をもつ白色粒子とが2枚の複数のセル、及びスペーサを介して封入された表示装置について説明するが、本発明は下記に限定されるものではない。
以下の実施例で、透明基板及び対向基板共、ガラス基板にITOを蒸着させた導電透明基板を用い、片方の基板にのみスペーサ及び複数のセルを設けた。スペーサはスペーサ用粒子をトナージェット方式を用いて作製し、セル形成用隔壁は隔壁用粒子をトナージェット方式を用いて作製した。また、画像反射濃度はマクベス濃度計D19Cを用いて目的の画像表示部分に密着させて測定を行った。
【0030】
比較例1
負帯電粒子として電子写真用黒色重合トナー(平均粒径8μmの球形)、正帯電粒子としては、白色顔料に酸化チタンを用い、帯電制御剤に4級アンモニウム塩系化合物を用いて、スチレンアクリル樹脂の重合粒子を作成した(平均粒径8μmの球形)。次に、コロナ式静電粉体塗装装置を用いて基板の上に粒子を塗布した。塗布方式としては片方のスペーサ・セルの無い方の基板にのみ白色粒子、黒色粒子の順に塗布を行った。そして厚さ100μmスペーサ・セルを設けた基板を重ね、さらに接着面を脇から樹脂で固めることにより複数粒子の充填率が60%になるように封入された画像表示装置を形成した。
画像反射濃度の最低値Cmin および最高値Cmax と、電圧最大値Vcmax および最少値Vcmin の測定値、並びにVac90、Vac10、Vbc90、Vbc10を第1表に示す。(Vac10−Vac90)の絶対値が90ボルトであり、(Vbc10−Vbc90)の絶対値が110ボルトであるので、必要スイッチング素子耐電圧は120ボルト程度となる。
【0031】
比較例2
負帯電粒子として電子写真用黒色重合トナー(平均粒径8μmの球形)、正帯電粒子としては、白色顔料に酸化チタンを用い、帯電制御剤に4級アンモニウム塩系化合物を用いて、スチレンアクリル樹脂の重合粒子を作成した(平均粒径8μmの球形)。次に、コロナ式静電粉体塗装装置を用いて基板の上に粒子を塗布した。塗布方式としては片方のスペーサ・セルの無い方の基板にのみ白色粒子、黒色粒子の順に塗布を行った。そして厚さ200μmスペーサ・セルを設けた基板を重ね、さらに接着面を脇から樹脂で固めることにより複数粒子の充填率が75%になるように封入された画像表示装置を形成した。
各測定値を第1表に示す。(Vac10−Vac90)の絶対値が200ボルトであり、(Vbc10−Vbc90)の絶対値が190ボルトであるので、必要スイッチング素子耐電圧は200ボルト程度となる。
【0032】
実施例1
負帯電粒子として電子写真用黒色重合トナー(平均粒径8μmの球形)、正帯電粒子としては、白色顔料に酸化チタンを用い、帯電制御剤に4級アンモニウム塩系化合物を用いて、スチレンアクリル樹脂の重合粒子を作成した(平均粒径8μmの球形)。次に、コロナ式静電粉体塗装装置を用いて基板の上に粒子を塗布した。塗布方式としては片方のスペーサ・セルの無い方の基板にのみ白色粒子、黒色粒子の順に塗布を行った。そして厚さ100μmスペーサ・セルを設けた基板を重ね、さらに接着面を脇から樹脂で固めることにより複数粒子の充填率が25%になるように封入された画像表示装置を形成した。
各測定値を第1表に示す。(Vac10−Vac90)の絶対値が50ボルトであり、(Vbc10−Vbc90)の絶対値が50ボルトであるので、必要スイッチング素子耐電圧は50ボルト程度となる。
【0033】
実施例2
負帯電粒子として電子写真用黒色重合トナー(平均粒径8μmの球形)、正帯電粒子としては、白色顔料に酸化チタンを用い、帯電制御剤に4級アンモニウム塩系化合物を用いて、スチレンアクリル樹脂の重合粒子を作成した(平均粒径8μmの球形)。次に、コロナ式静電粉体塗装装置を用いて基板の上に粒子を塗布した。塗布方式としては片方のスペーサ・セルの無いほうの基板にのみ白色粒子、黒色粒子の順に塗布を行った。そして厚さ50μmスペーサ・セルを設けた基板を重ね、さらに接着面を脇から樹脂で固めることにより複数粒子の充填率が40%になるように封入された画像表示装置を形成した。
各測定値を第1表に示す。(Vac10−Vac90)の絶対値が30ボルトであり、(Vbc10−Vbc90)の絶対値が40ボルトであるので、必要スイッチング素子耐電圧は50ボルト以下となる。
【0034】
実施例3
粒子群にシリカ外添剤を添加した以外は、比較例1と同様な画像表示装置を形成した。
各測定値を第1表に示す。(Vac10−Vac90)の絶対値が20ボルトであり、(Vbc10−Vbc90)の絶対値が40ボルトであるので、必要スイッチング素子耐電圧は50ボルト以下となる。
【0035】
実施例4
白色粒子として、内部および表面に直径20nmの多孔を有した粒径8μmの粒子(積水化成工業(株)製、MBP−8)を用いた以外は、比較例1と同様な画像表示装置を形成した。
各測定値を第1表に示す。(Vac10−Vac90)の絶対値が20ボルトであり、(Vbc10−Vbc90)の絶対値が30ボルトであるので、必要スイッチング素子耐電圧は30ボルト程度となる。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】
本発明により、乾式画像表示装置において閾値特性を捉えその閾値間隔を数値として規定することにより、画像表示装置の必要スイッチング素子耐電圧を低下することができ、低コストで、良好な画像表示を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像表示装置における印加電圧と画像反射濃度の関係の一例を示す図である。
【図2】本発明の画像表示装置の構造を示す説明図である。
【図3】本発明の画像表示装置における基板の形状の一例を示す図である。
【図4】本発明の画像表示装置における基板の形状の一例を示す図である。
【図5】本発明の画像表示装置における基板の形状の一例を示す図である。
【符号の説明】
1、2:基板
3:粒子
4:隔壁
5:スペーサ
Claims (9)
- 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に、互いに色が異なり、且つ摩擦帯電性の異なる2種類の粒子を封入し、電圧を印加することにより粒子を移動させて表示を変化させる画像表示装置において、
(1)画像反射濃度の最低値Cmin (電圧最少値Vcmin )の状態より徐々に電圧を変化させ、画像反射濃度の最高値Cmax (電圧最大値Vcmax )の状態に達する過程において、
|Vac10−Vac90|<60ボルト
であり、かつ
(2)画像反射濃度の最高値Cmax (電圧最大値Vcmax )の状態より徐々に電圧を変化させ画像反射濃度の最低値Cmin (電圧最少値Vcmin )の状態に達する過程において、
|Vbc10−Vbc90|<60ボルト
であることを特徴とする画像表示装置。
但し、画像反射濃度C10およびC90は、(1)および(2)過程における各々のコントラストCcon を、Ccon =Cmax −Cmin として、
C10=Cmin +0.1Ccon (=Cmax −0.9Ccon )
C90=Cmin +0.9Ccon (=Cmax −0.1Ccon )
とし、Vac10およびVbc10は、(1)および(2)過程における画像反射濃度がC10である時の各々の電圧であり、Vac90およびVbc90は、(1)および(2)過程における画像反射濃度がC90である時の各々の電圧である。 - Ccon =Cmax −Cmin が0.5以上である請求項1に記載の画像表示装置。
- 対向する基板中の少なくとも一方が、基板間に所定のギャップを設けさせるためのスペーサを保持するものである請求項1又は請求項2に記載の画像表示装置。
- 対向する基板中の少なくとも一方が、周囲を仕切壁で囲まれたセル群を保持するものである請求項1〜3のいずれかに記載の画像表示装置。
- 対向する基板間の粒子の体積占有率が65%以下である請求項1〜4のいずれかに記載の画像表示装置。
- 2枚の基板の内面に、対向する電極を有する請求項1〜5のいずれかに記載の画像表示装置。
- 対向する基板中の少なくとも一方が、透明電極ガラスまたは透明電極樹脂で形成されたものである請求項1〜6のいずれかに記載の画像表示装置。
- 対向する基板中の少なくとも一方は、表面が絶縁層で被覆されたものである請求項1〜7のいずれかに記載の画像表示装置。
- 粒子を封入する基板間の空隙部分の相対湿度が60%RH以下である請求項1〜8のいずれかに記載の画像表示装置。
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JP2002242004A JP2004046049A (ja) | 2002-05-22 | 2002-08-22 | 画像表示装置 |
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JP2007304409A (ja) * | 2006-05-12 | 2007-11-22 | Bridgestone Corp | 表示媒体用粒子および情報表示用パネル |
-
2002
- 2002-08-22 JP JP2002242004A patent/JP2004046049A/ja active Pending
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