JP2004044426A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】運転領域の異なる圧縮自己着火燃焼と火花点火燃焼とを切り替え可能な内燃機関1をハイブリッド車両に適用し、内燃機関1の燃焼状態を切り替えるときに、燃料噴射装置12を停止することで内燃機関1への燃料供給を停止し、バッテリ4からの放電によって第1電動発電機2を駆動して内燃機関1の運転領域を切り替えて、その後に燃料供給を再開するようにする。なお、内燃機関1への燃料供給を停止している間は、バッテリ4からの放電によって第2電動発電機6を駆動して走行する。これにより、二つの燃焼状態を適切に切り替えて、幅広い車両負荷に対応させつつ、低燃費・低エミッションを実現できるハイブリッド車両とすることができる。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハイブリッド車両の制御装置に関し、詳しくは、運転領域の異なる圧縮自己着火燃焼と火花点火燃焼とを切り替え可能な内燃機関を適用したハイブリッド車両の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関と電動機とを組み合わせた、いわゆるハイブリッド車両においては、内燃機関、発電機、電動機及び蓄電装置を組み合わせることで、内燃機関をその最大熱効率付近でのみ運転することが可能となるため、車両の熱効率が大きく改善できることが知られている。そして、ハイブリッド車両の熱効率を更に改善するようにしたものとして、特開2000−186590号公報に記載されたものがある。このものは、内燃機関を、燃料消費量が最低となる目標回転速度に制御して発電機を駆動し、車両を駆動するために電動機が必要とする電力を供給するようにすることで車両全体としての燃費低減を図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、燃費低減の要求がさらに高まりつつある中にあって、上記従来のものでは十分とは言えず、更なる改良の余地がある。
ここで、ディーゼルエンジン等の圧縮自己着火式内燃機関は、非常に熱効率に優れており、これをハイブリッド車両に適用することで、更なる燃費向上を図れる可能性がある。
【0004】
しかしながら、圧縮自己着火燃焼式内燃機関は、通常、その運転可能領域が低回転側の一部に限定され、これにより機関出力も限られるという問題がある。これは、圧縮自己着火燃焼は、その燃焼の進行を主に化学反応の速度のみに依存しており、機関の回転に対する実時間が短くなる高回転側においては、燃焼反応を完結させることが困難となるからである。
【0005】
このため、圧縮自己着火式内燃機関をハイブリッド車両に適用した場合に、車両としての最大出力を賄うためには、機関排出量を大きくせざるを得ないが、内燃機関の他にも電動機、発電機、蓄電装置等の多くのシステム構成要素を必要とするハイブリッド車両において、搭載する内燃機関の大型化(排出量の増大)は、スペース面、重量面からみても好ましくない。
【0006】
ここで、火花点火燃焼を行うようにすれば、機関の回転速度の上昇に伴って燃焼室内の乱流場が強化されるため、高回転側において高い機関出力を得ることが可能となるが、圧縮自己着火燃焼を行うために高圧縮化された内燃機関では、機関のある運転領域において、両燃焼方式を切り替え可能にすることは容易ではない。ピストンによる圧縮のみによって着火可能な状態において、火花点火燃焼を行うとノッキングが発生してしまうからである。
【0007】
但し、異なる運転領域、例えば低回転側と高回転側とで二つの燃焼方式を切り替えて運転することは可能である。上記したように、高回転側においては、化学反応の速度相対的に小さくなり、乱流場によって加速された火炎伝播がノッキング発生前に燃焼を完結可能とするからである。そして、このように異なる運転領域で燃焼方式を切り替えるようにすれば、運転領域に応じて適切な燃焼方式を選択して燃費低減を図ることができるが、それぞれの燃焼方式を行う領域の間には、必然的にいずれの燃焼方式による運転も不可能な部分が存在してしまうという問題が残る。
【0008】
以上のように、圧縮自己着火燃焼を行う内燃機関では、低回転側に、高効率な圧縮自己着火燃焼が可能な領域が存在し、高回転側に、高出力な火花点火燃焼可能が可能な領域が存在し、その中間には、いずれの燃焼方式でもノッキング又は失火が発生して運転が困難な領域が存在する。
このような内燃機関は、単独で車両に搭載して走行することは困難であるが、ハイブリッド車両においては、電動機による車両走行が可能であるので、内燃機関の運転領域が限定される場合でも、幅広い車両出力に対応することができる。そして、かかる内燃機関をハイブリッド車両に適用した場合には、車両出力に応じて内燃機関1を圧縮自己着火燃焼と火花点火燃焼とを切り替えて運転することになるが、内燃機関を運転したまま切り替えることは、上記のように、ノッキングの発生や失火の発生に繋がるため困難である。
【0009】
そこで、本発明は、同じ運転領域では両立しない圧縮自己着火燃焼と火花点火燃焼とを切り替え可能な内燃機関をハイブリッド車両に適用するに際し、燃焼方式を適切に切り替えることができるようにしたハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係るハイブリッド車両の制御装置は、内燃機関の燃焼状態を切り替えるときに、燃料供給を停止し、蓄電装置からの放電によって第1の回転電機を駆動して内燃機関の運転領域を切り替えて、その後に燃料供給を再開すると共に、内燃機関への燃料供給を停止している間は、蓄電装置からの放電によって第2の回転電機を駆動して車両走行を行うようにした。
【0011】
【発明の効果】
本発明に係るハイブリッド車両の制御装置によれば、圧縮自己着火燃焼と火花点火燃焼とを切り替えるときに、まず、内燃機関への燃料供給を停止するので、ノッキングの発生や失火による未燃燃料の排出を防止できる。そして、蓄電装置からの放電により第1の回転電機を駆動して内燃機関の運転領域(回転速度)を制御し、運転領域が切り替わってから燃料供給を再開するので、切り替え完了後に圧縮自己着火燃焼又火花点火燃焼を確実に開始できる。なお、燃料供給の停止中は、蓄電装置からの放電により第2の回転電機を駆動して車両走行の維持が可能である。これにより、高効率であるが、運転領域が限定される圧縮自己着火式内燃機関をハイブリッド車両に適用しつつ、幅広い車両出力要求に対応することができ、全体として低燃費なハイブリッド車両を実現できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るシリーズ式ハイブリッド車両のシステム構成図である。図1に示すように、本実施形態に係るハイブリッド車両は、内燃機関1と、この内燃機関1と機械的に接続する第1電動発電機2と、この第1電動発電機2と電気的に接続する第1インバータ3と、バッテリ(蓄電装置)4と、第2インバータ5と、この第2インバータ5と電気的に接続する第2電動発電機6と、この第2電動発電機6と機械的に接続する変速機7と、電子制御装置(ECU)10と、を含んで構成される。なお、車両の駆動輪8は前記変速機7の出力軸にて駆動されるようになっており、また、前記第1インバータ3及び第2インバータ5は、それぞれ電気的に接続する前記バッテリ4の充放電を行うことができると共に、相互に電気的に接続されている。
【0013】
前記ECU10は、車両の運転要求を検出する手段としてのアクセルペダルセンサ21、内燃機関の回転速度を検出する回転センサ22、バッテリ電圧センサ23及び車速センサ24等から情報を得て総合的に状況を判断し、前記内燃機関1のスロットル11、燃料噴射装置12及び点火装置(図示省略)や、前記第1電動発電機2、第2電動発電機6、第1インバータ3、第2インバータ5をそれぞれ制御可能である。
【0014】
なお、本実施形態は、前記第2電動発電機6にて車軸を駆動する方式であるので、前記変速機7は所定の減速を行うのみでよく、変速比が可変である必要はない。よって、前記車速センサ24は、前記第2電動発電機6の回転速度を検出する回転センサとしての機能も兼ねることができる。また、同様に、前記回転センサ22から第1電動発電機2の回転速度を検出することも可能である。
【0015】
ここで、上記ハイブリッド車両の基本的な運転モードについて説明する。まず、内燃機関1が運転中であれば、この内燃機関1が第1電動発電機2を駆動して発電を行う。発電された電力は、第1インバータ3及び第2インバータ5を介して第2電動発電機6を駆動するために使用される。このとき、車両の要求出力に対して発電した電力量に余剰があれば、第1インバータ3からバッテリ4へと充電を行い、逆に発電した電力量が不足していれば、バッテリ4から第1インバータ3へと放電を行い、その不足分を補う。一方、内燃機関1が停止中(回転が停止している状態をいう。以下同じ)又は休止中(回転はしているが、燃料噴射が停止されて空転している状態をいう。以下同じ)であれば、バッテリ4からの放電のみで第2電動発電機6を駆動する。この間、第1電動発電機2は、停止若しくは空転状態にあるか、又は、バッテリ4からの放電により駆動されて内燃機関1の回転速度制御を実行となる。
【0016】
図2は、前記内燃機関1の運転マップを示すものである。この内燃機関1は、通常の火花点火機関の圧縮比を高めて予混合圧縮自己着火燃焼を可能としたもので、図2に示すように、比較的低回転側の所定の運転領域内で予混合圧縮自己着火燃焼が可能である。
この予混合圧縮自己着火燃焼は、低負荷において熱効率が優れるものの、混合気の不均質に起因する排気物質が増加するというディーゼルエンジン等の圧縮着火式内燃機関の有する問題を解決するものとして注目されている燃焼方式で、燃料と空気とをほぼ均質に混合した混合気を燃焼室内に形成し、主にピストン圧縮によって着火・燃焼させるものである。この燃焼方式によれば、希薄燃焼による高熱効率化と予混合燃焼による低エミッション化が図れ、特に、NOxやスモークの排出を大幅に低減できるものである。
【0017】
図中のB点は、かかる予混合圧縮自己着火燃焼において、熱効率が最良となる点近傍に設定された運転設定点(以下、これを第1運転設定点という)である。また、この内燃機関1において、低回転側で火花点火燃焼を行おうとすれば、ノッキング若しくは失火が生じる可能性があるため、スロットル11によって吸気を大幅に絞って低負荷運転をせざるを得ない。一方、高回転側においては、化学反応の進行による自着火よりも乱流による火炎伝播の方が支配的となるため、高負荷での火花点火燃焼も可能となる。すなわち、この内燃機関1は、低回転・低負荷側と高回転側の運転領域において火花点火燃焼が可能である。図中のC点は、かかる火花点火燃焼において、スロットル11全開にて運転可能となる回転速度付近に設定されら運転設定点(以下、これを第2運転設定点という)であり、火花点火燃焼にて最大熱効率が得られる点である。この第2運転設定点(C点)は、前記第1運転設定点(予混合圧縮自己着火燃焼における最大熱効率点、B点)に比べて、熱効率の面では下回るものの、より大きな出力が得られる。
【0018】
図中のD点は、内燃機関1が最大出力を発揮する運転設定点(以下、これを最大出力点という)である。そして、この内燃機関1は、前記第2運転設定点(C点)から最大出力点(D点)にかけては、スロットル11全開での運転可能が可能であり、このとき機関の出力は増大するのであるが、フリクション等の増加により熱効率は若干低下することになる。なお、図中のA点は、内燃機関1が完全に停止している状態である。
【0019】
図3、4は、本実施形態において、車両駆動に必要な出力(車両出力)に対する内燃機関1の運転モードを示すものである。車両出力が、前記第1運転設定点(B点)における内燃機関1の出力以下の低出力時は(図3におけるa〜b)、図4(a)に示すように、内燃機関1は、前記第1運転設定点(B点)での運転と運転停止(A点)のデューティー運転を行う。この場合において、内燃機関1がA点にて運転停止中のときは、バッテリ4からの放電のみによって第1電動発電機2を駆動して走行する。一方、内燃機関1が前記第1運転設定点(B点)にて運転中のときは、第1電動発電機2によって発電した電力で第2電動発電機6を駆動して走行すると共に、余剰電力をバッテリ4に充電を行う。なお、運転停止(A点)及び第1運転設定点(B点)での運転のデューティー比は、車両出力に応じて適切に設定されており、バッテリ4の充放電をバランスさせている。
【0020】
車両出力が、前記第1運転設定点(B点)における内燃機関1の出力と前記第2運転設定点(C点)における内燃機関1の出力との間にある中出力時は(図3におけるb〜c)、図4(b)に示すように、内燃機関1は、前記第1運転設定点(B点)での運転と前記第2運転設定点(C点)での運転のデューティー運転を行う。この場合において、内燃機関1が前記第1運転設定点(B点)にて運転中のときは、第1電動発電機2によって発電した電力のすべてを第2電動発電機6に供給すると共に、不足分をバッテリ4からの放電により補って第2電動発電機6を駆動して走行する。一方、内燃機関1が前記第2運転設定点(C点)にて運転中のときは、第1電動発電機2によって発電した電力の一部で第2電動発電機6を駆動して走行すると共に、余剰電力をバッテリ4に充電する。なお、第1運転設定点(B点)及び第2運転設定点(C点)での運転のデューティー比を適切に設定することで、必要な車両出力を内燃機関1の平均出力として得ることができる。
【0021】
車両出力が、前記第2運転設定点(C点)における内燃機関1の出力を上回る高出力時は(図3におけるc〜d)、図4(c)に示すように、前記第2運転設定点(C点)と前記最大出力点(D点)との間で、必要な車両出力と同じ出力を得られる点で内燃機関1の(連続)運転を行う。この場合において、第1電動発電機2によって発電された電力は、すべて第2電動発電機6を駆動するために連続的に供給され、バッテリ4への充電及びバッテリ4からの放電は行われない。
【0022】
ここで、上記した内燃機関1の運転条件の切り替え手順について説明する。
図5は、車両出力が低出力時のとき、すなわち、機関が運転停止状態にあるA点と予混合圧縮自己着火燃焼を行うB点との間でデューティー運転を行う場合において、内燃機関1を機関停止状態(A点)から第1運転設定点(B点)での運転へと切り替えるときの手順を示すものである。
【0023】
図5(a)は、内燃機関1がA点にて停止中の状態を示す。この場合、第1電動発電機2による発電は行われないので、バッテリ4からの放電のみによって第2電動発電機6を駆動して走行する。
図5(b)は、内燃機関1の運転条件をA点の停止中から第1運転設定点(B点)での運転へと移行する際の状態を示す。この場合、バッテリ4からの放電によって第2電動発電機6を駆動して走行を維持すると共に、バッテリ4からの放電により第1電動発電機2を駆動して内燃機関1を回転させる。このとき、内燃機関1において燃料噴射は行わず(すなわち、燃料供給を停止しており)、内燃機関1としては休止状態にある。そして、内燃機関1の回転速度が第1運転設定点(B点)に一致するまで上昇した後、燃料噴射手段12の駆動を開始して内燃機関1を第1運転設定点(B点)における予混合圧縮自己着火燃焼にて起動する。
【0024】
図5(c)は、内燃機関1が第1運転設定点(B点)にて運転中の状態を示す。この場合、第1電動発電機2により発電された電力を第2電動発電機6に供給して走行すると共に、余剰電力をバッテリ4に充電して停止時(A点)に消費した分(蓄電量)を回復する。
一方、第1運転設定点(B点)での運転から機関停止状態(A点)へと切り替えるときは、燃料噴射手段12を停止して内燃機関1を休止状態とすると同時に、バッテリ4からの放電によって第2電動発電機6を駆動して走行を維持する。
【0025】
図6は、車両出力が中出力時のとき、すなわち、予混合圧縮自己着火燃焼を行うB点と火花点火燃焼を行うC点との間でデューティー運転を行う場合において、内燃機関1の運転条件をB点からC点へと切り替えるときの手順を示すものである。
図6(a)は、内燃機関1が第1運転設定点(B点)にて運転中の状態を示す。この場合、第1電動発電機2によって発電された電力は、第2電動発電機6に供給されると共に、その不足分がバッテリ4からの放電により補って第2電動発電機6に駆動して走行する。
【0026】
図6(b)は、第1運転設定点(B点)での運転から第2運転設定点(C点)へと移行する際の状態を示す。この場合、燃料噴射装置12の駆動を一旦停止して内燃機関1を休止状態とする。その間、バッテリ4からの放電のみによって第2電動発電機6を駆動して走行を維持すると共に、バッテリ4からの放電により第1電動発電機2を駆動する。これにより、休止中の内燃機関1は、空転状態のまま第1電動発電機2により回転速度が制御される。そして、内燃機関1の回転速度が第2運転設定点(C点)に一致するまで上昇した後、燃料噴射手段12の駆動を再開すると共に、点火装置(図示省略)による点火を開始して第2運転設定点(C点)における火花点火燃焼を開始する。
【0027】
図6(c)は、内燃機関1が第2運転設定点(C点)にて運転中の状態を示す。この場合、第1電動発電機2により発電された電力を第2電動発電機6に供給して走行すると共に、余剰電力をバッテリ4に充電してB点運転中及びB点→C点移行中に消費した分(蓄電量)を回復する。
図7は、車両出力が中出力時のとき、すなわち、予混合圧縮自己着火燃焼を行うB点と火花点火燃焼を行うC点との間でデューティー運転を行う場合において、内燃機関1の運転条件をC点からB点へと切り替えるときの手順を示すものである。
【0028】
図7(a)は、内燃機関1が第2運転設定点(C点)にて運転中の状態を示すものであり、図6(c)と同じである。
図7(b)は、第2運転設定点(C点)での運転から第1運転設定点(B点)へと移行する際の状態を示す。この場合、燃料噴射装置12と点火装置(図示省略)とを停止して内燃機関1を休止状態とすると同時に、バッテリ4からの放電によって第2電動発電機6を駆動して走行を維持すると共に、バッテリ4からの放電によって第1電動発電機2に逆方向の回転トルクを生じさせて内燃機関1の回転速度が第1運転設定点(B点)に一致するまで低下させる。そして、内燃機関1の回転速度が第1運転設定点(B点)に一致したら、燃料噴射装置12の駆動を再開して第1運転設定点(B点)における予混合圧縮自己着火燃焼を開始する。
【0029】
図7(c)は、内燃機関1が第1運転設定点(B点)にて運転中の状態を示すものであり、図6(a)と同じである。
図8は、車両出力が高出力時のとき、すなわち、第2運転設定点(C点)にて運転した内燃機関1の出力よりも大きい場合の内燃機関1の運転状態を示すものである。この場合、内燃機関1は、第2運転設定点(C点)と最大出力点(D点)との間で機関出力と車両出力と等しくなる点において連続運転を行い、第1電動発電機2により発電された電力は、すべて第2電動発電機6に供給されて車両走行に供される。
【0030】
図9は、本実施形態に係る内燃機関1の切り替え運転の制御フローを示したものである。内燃機関1をA点及びB点で、又は、B点及びC点でデューティー運転するものであるが、これは車両が定常状態にある場合のみである。実際の車両では、運転状況が刻々と変化するため、車両の要求出力に基づいてデューティー比を計算したとしても、次のサイクルには、既にその要求出力が変化している場合もあり得る。
【0031】
従って、ここでは、より現実的な内燃機関のデューティー運転の方法として、バッテリ残量によって内燃機関1の運転条件の切り替えを判断する構成とする。すなわち、バッテリ残量があらかじめ設定した所定値以下となった場合は、高出力側の運転設定点への切り替えを行い、発電量に余剰を生み出してバッテリ充電を行うようにし、逆に、バッテリ残量が別の所定値以上である場合は、低出力側の運転設定点への切り替えを行い、バッテリから放電される電力にて走行するように制御する。以下、かかる制御(図9)を説明する。
【0032】
図9において、ステップ1(図では、S1と記す。以下同じ)では、アクセルペダルセンサ21、回転センサ22及び車速センサ24等から入力された情報に基づいて車両の要求出力を演算し、決定する。
ステップ2では、バッテリ電圧センサ3から入力された情報に基づいてバッテリ残量VRを検出する。
【0033】
ステップ3では、車両の要求出力に基づいて、内燃機関1の運転モードを判断し分岐する。具体的には、A点−B点のデューティー運転を行う場合にはステップ11に進み、B点−C点のデューティー運転を行う場合にはステップ21に進み、C点−D点間で連続運転を行う場合にはステップ31に進む。
A点−B点のデューティー運転を行う場合において、ステップ11では、バッテリ残量VRと低残量側設定値V1とを比較する。そして、バッテリ残量VRが低残量側設定値V1よりも小さい場合は、バッテリ残量が不足して走行に支障をきたすおそれがあるので、ステップ12に進んで内燃機関1の運転をA点(停止)からB点へと切り替えて、車両駆動用の電力源とすると共にバッテリ充電を行う(図5(c)参照)。
【0034】
一方、バッテリ残量VRが低残量側設定値V1以上であった場合には、ステップ13に進んでバッテリ残量VRと高残量側設定値V2とを比較する。そして、バッテリ残量VRが高残量側設定値V2よりも大きい場合は、バッテリ4が過充電となるおそれがあるので、ステップ14に進んで内燃機関1の運転をA点へと切り替えて(停止して)、バッテリ4の電力のみで走行する(図5(a)参照)。なお、バッテリ残量VRが高残量側設定値V2以下の場合は現在の運転状態を継続する。
【0035】
B点−C点のデューティー運転を行う場合において、ステップ21では、バッテリ残量VRと低残量側設定値V1とを比較する。そして、バッテリ残量VRが低残量側設定値V1よりも小さい場合は、バッテリ残量が不足して走行に支障をきたすおそれがあるので、ステップ22に進んで内燃機関1の運転をB点からC点へと切り替えて、車両駆動用の電力源とすると共にバッテリ充電を行う(図6(c)参照)。
【0036】
一方、バッテリ残量VRが低残量側設定値V1以上であった場合には、ステップ23に進んでバッテリ残量VRと高残量側設定値V2とを比較する。そして、バッテリ残量VRが高残量側設定値V2よりも大きい場合は、バッテリ4が過充電となるおそれがあるので、ステップ24に進んで内燃機関1の運転をC点からB点へと切り替えて、車両駆動用の電力源とすると共に、その不足分をバッテリ4からの電力により補って走行する(図6(a)参照)。なお、バッテリ残量VRが高残量側設定値V2以下の場合は現在の運転状態を継続する。
【0037】
C点−D点間で連続運転を行う場合において、ステップ31では、バッテリ残量VRと低残量側設定値V1とを比較する。そして、バッテリ残量VRが低残量側設定値V1よりも小さい場合は、バッテリ4を充電する余剰電力を発生するため、ステップ32に進んで内燃機関1の運転をC点からD点側へとずらす。
一方、バッテリ残量VRが低残量側設定値V1以上であった場合には、ステップ33に進んでバッテリ残量VRと高残量側設定値V2とを比較する。そして、バッテリ残量VRが高残量側設定値V2よりも大きい場合は、バッテリ4が過充電となるおそれがあるので、ステップ34に進んで内燃機関1の運転をD点からC点側へと切り替えて、車両駆動用の電力源とすると共に、その不足分をバッテリ4からの電力により補って走行する。なお、バッテリ残量VRが高残量側設定値V2以下の場合は現在の運転状態を継続する。
【0038】
なお、以上の説明では、内燃機関1の回転速度を低下させる場合に、第1電動発電機2に対してバッテリ電力を利用して逆方向の回転トルクを生じさせるようにしているが、このような積極的な回転速度低下制御を実行せず、内燃機関1自身のフリクションにより回転速度を低下させるようにしてもよい。
具体的には、C点からB点への移行中、内燃機関1への燃料供給を停止し、その間、第1インバータ3、バッテリ4及び第2インバータ5の電気的接続を行わないようにする。そして、内燃機関1は、自己のフリクションにより回転速度を低下していくので、回転速度がB点に達した時点で燃料供給を再開して予混合圧縮自己着火燃料を行い、第1インバータ3の電気的接続を回復し、第1電動発電機2にて発電された電力をバッテリ4又は第2電動発電機6へと供給する。かかる構成とすれば、機関回転速度の低下を内燃機関1自身のフリクションを利用して行うので、制御システムを簡略化することができると共に、電力消費を節約できる。更に、この場合において、内燃機関1のスロットル11を閉状態とすることで、内燃機関1の回転抵抗を大きくし、より早く機関回転速度を低下させるようにしてもよい。かかる構成とすれば、運転条件の切り替え時間、すなわち、バッテリ4の放電のみにより走行する時間を短縮できるので、バッテリ4の負荷を軽減できる。
【0039】
また、内燃機関1の回転エネルギーを第1電動発電機2において回生することで回転速度を低下させるようにしてもよい。具体的には、燃料供給を停止して空転している内燃機関1の回転エネルギーを、第1電動発電機2において発電することで回収することができ、これを第2電動発電機6へ供給して走行の一助としたり、バッテリ4へ供給してバッテリ充電に利用したりする。かかる構成とすれば、車両全体としてのエネルギー効率を高めることができる。
【0040】
この実施形態(第1実施形態)では、以下に記すような効果を有する。
(1)前記第1運転設定点(B点)にて圧縮自己着火燃焼を実現し、前記第2運転設定点(C点)にて火花点火燃焼を実現するので、それぞれの燃焼方式においてより効率的な運転が可能となる。そして、燃焼方式を切り替えるときは、内燃機関1への燃料供給を停止し、バッテリ4からの放電により第1電動発電機2を駆動して内燃機関1の回転速度制御を行い、第1運転設定点から第2運転設定点へと、又は、第2運転設定点から第1運転設定点へと切り替えてから燃料供給を再開するので、ノッキングの発生や失火による未燃燃焼の排出を防止しつつ、確実に燃焼方式の切り替えを実行できる。
(2)第1運転設定点(B点)から第2運転設定点(C点)へと運転条件を切り替えるときは、第1電動発電機2により内燃機関1の回転速度制御を実行し、C点からB点へと運転条件を切り替えるときは、内燃機関1への燃料供給を停止してそのフリクションによって回転速度を低下させるようにするので、制御システムを簡略化できると共に、回転速度制御に伴う電力消費を最小限に抑制できる。(3)また、C点からB点へと運転条件を切り替えるときに、内燃機関1のスロットル11を閉状態とすることで、内燃機関1の回転抵抗を増大させて回転速度の低下をより早くすることができる。これにより、バッテリ4からの放電のみによって車両の走行を行う期間を短縮化できるので、バッテリ4の負担を軽減することができ、また、バッテリ4の蓄電容量を小さくすることができる。
(4)また、C点からB点へと運転条件を切り替えるときに、第1電動発電機2によって内燃機関1の回転エネルギーを回生することで、回転速度制御を行うようにすれば、内燃機関1の回転速度制御に伴う電力消費を抑制すると共に、内燃機関1の回転エネルギーを電力として回収することができるので、車両全体として燃費の低減が可能となる。
【0041】
なお、上記実施形態は、シリーズ式のハイブリッド車両について説明しているが、これに限られるものではなく、図10に示すように、内燃機関1と電動発電機30の双方により車軸の駆動が可能なパラレル式ハイブリッド車両に適用するようにしてもよい。この場合、電動発電機30は、前記シリーズ式ハイブリッド車両における第1電動発電機2と第2電動発電機6とを合わせたものと同等ものであり、次のようにして内燃機関1の運転条件をB点からC点へと切り替える。まず、内燃機関1を休止状態とする。その間、インバータ31を介してバッテリ4からの放電のみによって電動発電機30を駆動すると共に、無段変速機32を制御して走行を維持し、同じく電動発電機30によって内燃機関1の回転速度を制御する。そして、内燃機関1の回転速度がC点に一致するまで上昇した後、燃料噴射、点火を開始してC点における火花点火燃焼を開始する
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0042】
本実施形態は、前記第1実施形態と共通する部分も多いので、共通する部分の説明は省略し、異なる部分のみを説明することとする。
図11は、本実施形態における内燃機関1の運転マップを示すものである。図に示すように、基本的には、前記第1実施形態における内燃機関1の運転マップと同一であるが(図2参照)、火花点火燃焼を行う第2運転設定点(C点)よりも低回転側に、同じく火花点火燃焼を行う第3運転設定点(C’点)が設定されている点が異なる。この第3運転設定点(C’点)は、スロットル全開で火花点火燃焼が行えない領域にあるので、熱効率が第2運転設定点(C点)よりも若干劣るものの、第2運転設定点(C点)よりも低回転側で火花点火燃焼が可能である。
【0043】
すなわち、本実施形態は、内燃機関1の運転条件を、第1運転設定点(B点)から第2運転設定点(C点)へと移行させる際に、前記第1実施形態のように直接C点へと切り替えるのではなく、第3運転設定点(C’点)を経由させるようにしたものである。
図12は、予混合圧縮自己着火燃焼を行うB点から火花点火燃焼を行うC点との間でデューティー運転を行う場合において、内燃機関1の運転をC点からB点へと切り替えるときの手順を示すものであり、第1実施形態の図6に対応するものである。
【0044】
図12(a)は、内燃機関1が第1運転設定点(B点)にて運転中の状態を示し、図6(a)と同じである。
図12(b)は、第1運転設定点(B点)での運転から第3運転設定点(C’点)へと移行する際の状態を示す。この場合、図6(b)と同様にして、すなわち、空転状態にある内燃機関1の回転速度を、第1電動発電機2によって制御し、内燃機関1の回転速度が第3運転設定点(C’点)に一致するまで上昇した後、燃料噴射手段12の駆動を再開すると共に、点火装置(図示省略)による点火を開始して第3運転設定点(C’点)における火花点火燃焼を開始する。
【0045】
図12(c)は、第3運転設定点(C’点)での運転から第2運転設定点(B点)へと移行する際の状態を示す。この場合、内燃機関1は自らの発生する力で移行することができ、また、第1電動発電機2でも発電を開始できることから、発電した電力を第2電動発電機6に供給して走行電力の一部とすることで、バッテリ4からの放電量を抑えることができる。
【0046】
図12(d)は、内燃機関1が第2運転設定点(C点)にて運転中の状態を示し、図6(c)と同じであるが、B点での運転からC点へ運転へと移行する際に、C’点を経由するので、運転モードは図13のようになる。
なお、本実施形態においても、前記第1実施形態と同様に、実際のデューティー運転の方法としては、バッテリ残量によって内燃機関1の運転条件の切り替えを判断する構成とするものとすればよい。かかる構成によれば、B点からC点への切り替えに際し、C’点を経由するので、バッテリ4の負担を軽減できると共に、運転条件切り替え中にバッテリ残量が0になるような事態を回避できる。
【0047】
また、前記「バッテリ残量」に代えて、「車両の加速状態」によって内燃機関1の運転条件の切り替えを判断するようにしてもよい。この場合は、例えば、アクセルペダルセンサ21等からの入力に基づいて車両の加速状態を検出し、この加速状態(加速の程度)が所定値以上であるときに、B点での運転からC点での運転への移行に際して、C’点を経由するようにする。かかる構成とすれば、「バッテリ残量」によって判断した場合と同様に、バッテリ4の負担を軽減できると共に、内燃機関1がC点に到達する前から出力を発揮するようになるので、すばやい加速が可能となる。
【0048】
更に、前記C’点から前記C点へと移行する経路を、C’点からC点への移動経路のうち最も燃料消費率の小さい点をトレースするように規定してもよい。すなわち、C点は内燃機関1が火花点火燃焼にて最大熱効率を発揮する運転点であり、図14に示すように、マップ上に燃料消費率の等高線を描くことができる。そして、この燃費消費率の等高線の谷間を通る経路を機関回転速度Neとスロットル開度TVOとで規定して記憶しておけば、C’点からC点への移行に際し、常に、機関出力に対して燃費最良となる経路を経由することが可能となる。かかる構成とすれば、B点からC点への移行の際にC’点を経由したことによる熱効率の損失を最小限に抑制でき、車両全体としての燃費を低減できることになる。
【0049】
なお、本実施形態においても、内燃機関1のフリクションにより回転速度を低下させるようにすること、この場合にスロットルを閉状態とすること、内燃機関1の回転エネルギーを回生することで回転速度制御を行うこと、及びパラレル式のハイブリッド車両にも適用可能なこと、については前記第1実施形態と同様である。
【0050】
この実施形態(第2実施形態)では、前記第1実施形態が有する効果に加えて、更に以下に記す効果を有する。
(1)第1運転設定点(B点)から第2運転設定点(C点)へと運転条件を切り替えるときに、バッテリ残量が所定量以下の場合には、第2運転設定点(C点)よりも低回転側の第3運転設定点(C’点)を経由することで、バッテリ4の負荷を軽減し、バッテリ4の蓄電容量が小さい場合でも燃焼方式を確実に切り替えることができる。
(2)B点からC点へと運転条件を切り替えるときに、車両の加速状態が所定値以上である場合には、C’点を経由することで、内燃機関1の運転を早めに開始して内燃機関1自身の出力により回転速度を上昇させるので、バッテリ4の負荷を軽減すると共に、要求された車両負荷に対してすばやい対応が可能となる。
(3)更に、C’点からC点への移行において、機関出力に対して燃費最良となる経路を通って移行するようにすることで、C’点を経由することによる熱効率の損失を最小限に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るシリーズ式ハイブリッド車両のシステム構成図である。
【図2】内燃機関1の運転マップを示す図である。
【図3】車両出力と機関出力との関係を説明する図である。
【図4】車両出力が(a)低出力時、(b)中出力時、(c)高出力時、のそれぞれにおける内燃機関の運転状態(デューティー運転の状態)を説明する図である。
【図5】車両出力が低出力時における機関運転停止状態(A点)と第1運転設定点(B点)との切り替え手順を説明する図である。
【図6】車両出力が中出力時における第1運転設定点(B点)から第2運転設定点(C点)への切り替え手順を説明する図である。
【図7】車両出力が中出力時における第2運転設定点(C点)から第1運転設定点(B点)への切り替え手順を説明する図である。
【図8】車両出力が高出力時における第2運転設定点(C点)と最大出力点(D点)との間の運転状態を説明する図である。
【図9】内燃機関の切り替え運転制御を示すフローチャートである。
【図10】本発明を適用したパラレル式ハイブリッド車両のシステム構成を示す図である。
【図11】本発明の第2実施形態における内燃機関の運転マップを示す図である。
【図12】第2実施形態における第1運転設定点(B点)から第2運転設定点(C点)への切り替え手順を説明する図である。
【図13】第2実施形態において、車両出力が中出力時の内燃機関の運転状態(デューティー運転の状態)を説明する図である。
【図14】第2実施形態において、第3運転設定点(C’点)から第2運転設定点(C点)への移行経路を示す図である。
【符号の説明】
1…内燃機関、2…第1電動発電機(第1の回転電機)、4…第2電動発電機(第2の回転電機)、7…バッテリ(蓄電装置)、10…電子制御装置(ECU)、11…スロットル、12…燃料噴射装置、21…アクセルペダルセンサ、22…回転センサ、23…バッテリ電圧センサ
Claims (8)
- それぞれ運転領域の異なる圧縮自己着火燃焼と火花点火燃焼との二つの燃焼方式を切り替え可能な内燃機関と、
前記内燃機関と機械的に接続する第1の回転電機と、
前記第1の回転電機と電気的に接続する蓄電装置と、
前記蓄電装置と電気的に接続する第2の回転電機と、
前記第2の回転電機と機械的に接続する駆動輪と、
前記内燃機関の燃焼方式を切り替えるときに、内燃機関への燃料供給を停止し、前記蓄電装置からの放電により前記第1の回転電機を駆動して内燃機関の運転領域を切り替えて、その後に燃料供給を再開すると共に、内燃機関への燃料供給を停止している間は、前記蓄電装置からの放電によって前記第2の回転電機を駆動して前記駆動輪を駆動する燃焼状態切替手段と、
を備えることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 前記内燃機関は、低回転側に設定される第1運転点にて圧縮自己着火燃焼を実現し、前記第1運転点よりも高回転側に設定される第2運転点にて火花点火燃焼を実現するものであって、
前記燃焼状態切替手段は、前記内燃機関の燃焼状態を切り替えるときに、内燃機関への燃焼供給を停止すると共に、前記蓄電装置からの放電により前記第1の回転電機を駆動して内燃機関の運転条件を前記第1運転点と前記第2運転点とで切り替えて、その後に燃料供給を再開することを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車両の制御装置。 - 前記蓄電装置の残量を検出する残量検出手段を備え、
前記燃焼状態切替手段は、前記内燃機関の運転条件を前記第1運転点から前記第2運転点へと切り替えるときに、前記蓄電装置の残量が所定値以下の場合には、前記第2運転点よりも低回転側に設定される第3運転点を経由させることを特徴とする請求項2記載のハイブリッド車両の制御装置。 - 車両に要求される加速状態を検出する加速状態検出手段を備え、
前記燃焼状態切替手段は、前記内燃機関の運転条件を前記第1運転点から第2運転点へと切り替えるときに、前記加速状態が所定値以上である場合には、前記第2運転点よりも低回転側に設定される第3運転点を経由させることを特徴とする請求項2記載のハイブリッド車両の制御装置。 - 前記燃焼状態切替手段は、機関出力に対して燃費が最良となる経路を通って前記第3運転点から前記第2運転点へと移行させるようにしたことを特徴とする請求項3又は請求項4記載のハイブリッド車両の制御装置。
- 前記燃焼状態切替手段は、前記内燃機関の運転条件を前記第1運転点から前記第2運転点へと切り替えるときに、前記第1の回転電機により内燃機関の回転速度制御を行う一方、前記第2運転点から前記第1運転点へと切り替えるときは、内燃機関への燃料供給を停止してそのフリクションにより回転速度を低下させることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1つに記載のハイブリッド車両の制御装置。
- 前記燃焼状態切替手段は、前記内燃機関の運転条件を前記第2運転点から前記第1運転点へと切り替えるときに、内燃機関のスロットルを閉状態とすることを特徴とする請求項6記載のハイブリッド車両の制御装置。
- 前記燃焼状態切替手段は、前記内燃機関の運転条件を前記第2運転点から前記第1運転点へと切り替えるときに、前記第1の電動発電機により内燃機関の回転エネルギーを再生することで内燃機関の回転速度制御を行うことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1つに記載のハイブリッド車両の制御装置。
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