JP2004044216A - 橋梁点検作業車 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車体11の側方に突出可能なアウトリガー12〜15と、車体11に設けられたポスト旋回台17と、ポスト旋回台17にその基部が取付けられ、伸縮及び屈曲式の主ブーム20と、主ブーム20の先部に設けられ、旋回及び伸縮する作業台21とを備えた橋梁点検作業車10において、ポスト旋回台17は、車体11の走行方向と直交する方向にスライド可能なスライドベース16に設けられ、アウトリガー12〜15は車体11の両側にそれぞれ設けられ、それぞれのアウトリガー12〜15の下部には車輪25を有する。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高架橋や橋梁の外側と下側の点検、補修、塗装作業等に用いる橋梁点検作業車に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高架橋や高速道路の防音壁の外側と下側の橋梁の点検、補修、塗装作業等に橋梁点検作業車が使用されている。橋梁点検作業車は、高速道路の防音壁や高架橋の手摺等を飛び越えて、走行しながら、車体左側の橋梁の外側や下側の各作業が可能な構造を備えている。即ち、橋梁点検作業車は、車体の4箇所に設けられたアウトリガーと、車体上に設けられたポスト旋回台と、ポスト旋回台にポストを介して設けられた伸縮式の起伏ブームと、起伏ブームの先端部に設けられた屈曲かつ伸縮式の垂直ブームと、垂直ブームの下端部に設けられた旋回、屈曲かつ伸縮式の作業台とを備えている。なお、4つのアウトリガーのうち防音壁側(左側)の2セットは走行方向に直交して水平方向外側(防音壁側)にスライドし、反対側(右側)の2セットは固定式で、4セット共垂直方向にもスライド可能で、しかも下端部に走行車輪を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の橋梁点検作業車においては、未だ解決すべき以下のような問題があった。
一般道路のような往復2車線の場合には、車体左側の橋梁の外側や下側の各作業が可能であり車を往復して使用すれば問題はないが、高速道路のような片側2車線以上(橋脚の幅が10m以上)の場合には、追い越し車線(右側車線)を逆走して設置すると、極めて危険であり、この危険を回避するために、追い越し車線の通行を遮断すれば、片側交互通行に伴う交通渋滞を招くという問題があった。この問題を解決するためには、即ち、走行車線を走行しながら、伸縮式の作業台が追い越し車線の下方に届くようにするためには、格納時の車両限界を守って、各部の構造及び寸法を決定する必要があるが、従来の橋梁点検作業車においては、ポスト旋回台は車体の幅方向(走行方向に直交する方向)の中心位置又は一方にオフセットして固定されているので、伸縮式の作業台を含め起伏ブームや垂直ブームの旋回等の操作に伴って移動部の重心位置がアウトリガーの外側に移動することによって、転倒モーメントが発生し、このため車が転倒するという問題があった。
【0004】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、転倒モーメントの発生による車の転倒を防止し、これにより、例えば、片側2車線以上の高速道路を備えた高架橋や橋梁の外側や下側の各作業が可能な橋梁点検作業車を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係る橋梁点検作業車は、車体の側方に突出可能なアウトリガーと、車体に設けられたポスト旋回台と、ポスト旋回台にその基部が取付けられ、伸縮及び屈曲式の主ブームと、主ブームの先部に設けられ、旋回及び伸縮する作業台とを備えた橋梁点検作業車において、ポスト旋回台は、車体の走行方向と直交する方向にスライド可能なスライドベースに設けられ、アウトリガーは車体の両側にそれぞれ設けられ、それぞれのアウトリガーの下部には車輪を有する。これによって、車体左、右側の作業において、ポスト旋回台がスライドベースを介して車体の走行方向と直交する方向にオフセットできるので、転倒モーメントの発生を防止でき、この結果、車の転倒を確実に防止することができる。
【0006】
本発明に係る橋梁点検作業車において、スライドベースは、上下に平行配置された対となる片ロッド式の油圧シリンダの背合わせされたシリンダチューブに連結されると共に、油圧シリンダの各ピストンロッドは車体に固定されることもできる。これによって、対となる片ロッド式の油圧シリンダにより、狭いスペースに配置でき、しかも、スライドベースを両方向に同じ速度、同じ出力で駆動することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係る橋梁点検作業車の格納状態の正面図、図2は同橋梁点検作業車の格納状態の平面図、図3(A)、(B)はそれぞれ、同橋梁点検作業車に設けられるスライドベースの平面図、対となる油圧シリンダの配置図、図4は図3(A)の矢視A−A断面図、図5は本発明の一実施の形態に係る橋梁点検作業車の左側作業時の作業範囲を示す説明図、図6は同橋梁点検作業車の左側作業時の作業範囲を示す説明図、図7は同橋梁点検作業車による左側作業から右側作業へ移行する要領を示す説明図、図8は同橋梁点検作業車による左、右側作業の範囲を示す平面図である。
【0008】
図1〜図6に示すように、本発明の一実施の形態に係る橋梁点検作業車10は、車体11の側方に突出可能な4セットのアウトリガー12〜15と、車体11に設けられ車体11の走行方向と直交する方向にスライド可能なスライドベース16と、スライドベース16に旋回可能に取付けられたポスト旋回台17と、ポスト旋回台17にその基部が取付けられ、ポスト65、起伏ブーム18及び垂直ブーム19からなる伸縮及び屈曲式の主ブーム20と、主ブーム20の先部に設けられ、旋回及び伸縮する作業台21とを備えている。以下、これらについて詳しく説明する。なお、説明を簡潔にするため、車体11の走行方向を前後方向、前後方向に直交する方向を左右方向と定義する。
【0009】
図2に示すように、アウトリガー12、13は車体11の右側に前後方向に所定の間隔を開けて、また、アウトリガー14、15は車体11の左側に前後方向に所定の間隔を開けて設けられており、アウトリガー12、14同士、アウトリガー13、15同士はそれぞれ、前後方向に少し芯をずらせて配置されている。
図1及び図2に示すように、各アウトリガー12〜15は、車体11に設けられた図示しない摺動ガイドに沿って車体11の側方に突出する水平アーム22と、水平アーム22の先端部に設けられた断面が矩形筒状の垂直ガイド23に沿って進退する断面矩形状の垂直ロッド24と、垂直ロッド24の下端部に回転自由に設けられた車輪25とを有している。
【0010】
水平アーム22の側方への突出及び垂直ロッド24の昇降は図示しない油圧シリンダによって行っている。なお、水平アーム22及び垂直ロッド24が格納された位置では、アウトリガー12〜15は車両限界に納まっている。また、垂直ロッド24の昇降ストロークは、車輪25が道路面26に当接し、さらに少しの下降代を有するようにしている。
ここで、アウトリガー12〜15の役割について説明する。橋梁は構造的に縦断勾配及び横断勾配があるので、橋梁点検作業車10はこれらの勾配に合わせてアウトリガー12〜15により高さ調整を行う必要がある。車輪25を用いて走行中に勾配が変化する場合があるので、事前に現場の状況を十分に調査しておくことが重要である。また、タイヤはリバウンドするので、タイヤでは荷重の反力を取れないため、荷重の反力を大きく、安定して取るために、アウトリガー12〜15を使用している。
【0011】
図3(A)及び図4に示すように、スライドベース16は、車体11の上部に設けられ、前後方向に平行間隔を開けて取付けられた一対のH形鋼27、28の上側フランジ29、30上に取付けられたスライドレール31、32に沿って、左側作業姿勢位置aから右側作業姿勢位置bまでストロークS移動するようになっている。スライドレール31、32の断面は、高さ方向中央部が細く絞られた形状に形成されている。平面視して略正方形状で鋼板製のスライドベース16の下面16aの4隅部には、スライドレール31、32の外形に倣って断面凹部に形成されたスライドボックス34が取り外し可能に設けられている。スライドレール31、32及びスライドボックス34の掛合により、上下及び垂直方向のモーメントを受けることができる。
【0012】
図3(A)、(B)及び図4に示すように、スライドベース16の下面16aの下方で、しかもスライドベース16(ポスト旋回台17も同じ)の中心Oの後方位置には、上下に対となる片ロッド式の油圧シリンダ35、36が平行に配置されており、油圧シリンダ35、36のシリンダチューブ37、38が背合わせされて連結部材39〜41を介して連結されている。連結部材39〜41を介して一体化されたシリンダチューブ37、38は、取付ブラケット42を介してスライドベース16の下部に取り外し可能に設けられている。
【0013】
油圧シリンダ35、36の各ピストンロッド43、44の先端部は、車体11の左右方向の両端部に設けられた固定板45、46にねじ機構により固定されている。かかる構成によって、油圧シリンダ35、36を一体で駆動することにより、左右方向に同じ速度及び同じ推力をスライドベース16に付与することができると共に、油圧シリンダ35、36をコンパクトに収納することができ、これによって車両限界を遵守することができる。
【0014】
スライドベース16の下面16aで中心Oを通る左右方向の両端部には、スライドベース16の横ずれを防止する芯出しプレート47、48が取付けられており、芯出しプレート47はスライドベース16が右側作業姿勢位置bで、また、芯出しプレート48はスライドベース16が左側作業姿勢位置aでそれぞれ、車体11側に設けられた芯出しロッド49、50に嵌入するように構成されている。芯出しロッド49、50の先端部及び芯出しロッド49、50先端部が嵌入する芯出しプレート47、48の嵌入孔は、テーパー状に形成されており、芯出しロッド49、50は保持ブロック51、52を介して車体11に固定されている。
【0015】
図3(A)、(B)及び図4に示すように、スライドベース16の左右方向の両端部で、芯出しプレート47、48の前側には、右側作業姿勢位置b及び左側作業姿勢位置aでスライドベース16を車体11に位置決め固定するための固定用プレート53、54がねじ機構により設けられており、固定用プレート53、54に挿通するロックピン55の下端部が挿通する固定用プレート56、57が車体11側にねじ機構により取付けられている。なお、主ブーム20の格納時においては、スライドベース16は左側作業姿勢位置aにてロックピン55により車体11に固定されている。
【0016】
スライドベース16の上部には、ポスト旋回台17を取付けるための取付孔58が所定のピッチで複数箇所形成されており、周方向に沿った取付孔58間には、所定の間隔を開けて、補強リブが設けられている。なお、図3(B)中の符号59はスライドベース16と油圧シリンダ35の連結金具の取付台を、符号60、61はシリンダチューブ37、38のスライダーの取付台を、符号62は油圧シリンダ35、36のシリンダチューブ37、38の両端部に形成された給排油口を表している。また、図4中の符号63は取付台60、61のガイドレールを、符号64は油圧ホース類のケーブルベアガイドレールを表している。
【0017】
図1及び図2に示すように、スライドベース16上に取付けられたポスト旋回台17には、従来と同様に、ポスト65を介して伸縮可能な起伏ブーム18が設けられており、起伏ブーム18の先端部には、旋回及び伸縮可能な垂直ブーム19が屈曲されて設けられている。さらに、垂直ブーム19の先端部には、先端に伸縮作業デッキ66を備えた作業台21が屈曲されて取付けられており、車両限界内に格納されて道路を走行することができる。橋梁の点検作業で使用する場合には、この格納状態が展開されて、しかも、車体11が走行する。なお、伸縮作業デッキ66を備えた作業台21には、図に示すように、安全を確保するために必要な手摺が設けられている。
【0018】
図1及び図5に示すように、ポスト旋回台17の旋回駆動は、図示しない歯車機構を介してスライドベース16上に設けられた油圧モータ(図示せず)によって行われる。起伏ブーム18の起伏駆動は、ポスト65と起伏ブーム18とを連結する油圧シリンダ67によって行われる。起伏ブーム18の伸縮駆動は、起伏ブーム18の固定側と起伏ブーム18の移動側を連結する油圧シリンダ33により行われる。
【0019】
起伏ブーム18の起伏角度αに関係なく、垂直ブーム19を垂直に保持するために、ポスト65と起伏ブーム18の固定側とを連結する一対の油圧シリンダ68と、起伏ブーム18の移動側と垂直ブーム19の上端部にある垂直固定部69とを連結する一対の油圧シリンダ70とは、油圧の同調回路を介して連動して駆動されるようになっている。この際、スレーブシリンダである油圧シリンダ68及び油圧シリンダ70は、マスターシリンダである油圧シリンダ67の駆動により動作する起伏ブーム18の動きに追随して動作するように構成されている。
【0020】
垂直ブーム19の垂直固定部69には油圧モータ71が設けられており、図示しない歯車機構を介して垂直ブーム19の垂直固定部69に接続して設けられた旋回部72を旋回することができる。垂直ブーム19の旋回部72には、長尺で断面が角形筒状の屈曲固定部73が屈曲用の一対の油圧シリンダ74を介して取付けられている。屈曲固定部73には長尺の油圧シリンダ75の一側が連結されており、油圧シリンダ75の他側は、垂直ブーム19の屈曲固定部73の内側を摺動する外形が矩形状の屈曲摺動部76に連結され、これにより屈曲摺動部76が屈曲固定部73に対して進退可能になっている。
【0021】
垂直ブーム19の屈曲摺動部76の先端部には、作業台21が作業台水平用の一対の油圧シリンダ77を介して連結されており、作業台21は垂直ブーム19に対して屈曲可能に構成されている。油圧シリンダ74と油圧シリンダ77とは油圧の同調回路を介して連動して駆動され、これによって、垂直ブーム19の屈曲に対して常に作業台21を水平に維持することができるようになっている。作業台21の基部側には図示しない油圧モータが設けられており、該油圧モータ及び油圧モータにより駆動されるラック・ピニオン機構(図示せず)によって、伸縮作業デッキ66が進退するように構成している。
【0022】
かかる構成によって、図5及び図6に示すように、道路左側作業の場合では、スライドベース16を左側作業姿勢位置aで車体11に固定しておき、アウトリガー12、13は道路の内側(右側)にスライドさせず、アウトリガー14、15を道路の外側(左側)にスライドさせてアウトリガー12〜15の車輪25を介して踏ん張った状態で、起伏ブーム18を起伏、伸長させると共に、ポスト旋回台17を旋回し、作業台21を旋回させて、作業台21が防音壁78を越える高さである位置cにする。次いで、起伏ブーム18を略水平方向になるように下方に回動して、作業台21を防音壁78の外側の位置dに下降させる。さらに、垂直ブーム19の下側を伸長しながら、作業台21を水平に維持して作業台21が橋梁79の下方の位置eになるようにした後、作業台21を旋回し、その後は状況に応じて、作業台21の旋回及び伸縮作業デッキ66の伸縮を行う。
【0023】
なお、図5において、作業台21の位置f、gはそれぞれ、起伏ブーム18を伸長しない場合の位置を表しており、作業台21の位置hは、位置d、gと位置eとの中間位置を表している。作業台21が位置dにある状態の時、転倒モーメントが最大になるが、スライドベース16がアウトリガー14、15と反対側に中心から(S/2)ずれて(オフセットされて)いるので、転倒を防止することができる。
【0024】
図5及び図6において、符号mは起伏ブーム18を水平にして、収縮させた場合の車体11の幅方向の中心nから垂直ブーム19の中心までの距離を、符号tは起伏ブーム18の伸縮ストロークを、符号rは垂直ブーム19の中心から伸縮作業デッキ66の先端までの距離を、符号sは車体11の幅方向の中心nから伸長時の伸縮作業デッキ66の先端までの距離を表している。図1中の符号80はポスト65の起伏ブーム18と反対側に固定され、転倒モーメントの発生を防止するためのカウンターウエイトを、符号81は伸縮作業デッキ66に取付けられた操作盤を表している。また、図2中の符号82は、車体11の後部右側に設けられた、オイルタンク、オイルポンプ、バルブスタンド及び操作盤等を含む給油ユニットを表している。
【0025】
次いで、本発明の一実施の形態に係る橋梁点検作業車10の使用方法について、主として、図5〜図8を参照しながら説明する。図7に示す片側3車線を備えた道路面26を有する橋梁79について、まず、道路左側作業をし、その後、道路右側作業を行うものとして説明する。なお、図7中の符号78aは橋梁79の右側に設けられた防音壁を表している。
(1)図5及び図7に示すように、橋梁点検作業車10を橋梁79の左端に寄せて停止する。
(2)格納された作業台21及び主ブーム20に連結されたスライドベース16を車体11に固定しているロックピン55を、そのままの状態(左側作業姿勢位置a、図3二点鎖線参照)にしておく。ここで、作業員が伸縮作業デッキ66に搭乗する。
【0026】
(3)図5及び図6を用いて前述したように、主ブーム20の展開、即ち、起伏、伸長、旋回及び屈曲の解除を行って、図7に示すように、作業台21を橋梁79の下方に降下させ、点検等の作業の内容や必要に応じて、作業台21を旋回したり、作業台21の伸縮作業デッキ66の伸縮を行って、伸縮作業デッキ66に搭乗した作業員が所要の作業を行う。
(4)この際、作業員は運転者とインターホン等により常に安全を確認しながら、橋梁点検作業車10の走行を含む作業を行う。なお、図7は起伏ブーム18が伸長した場合を示しており、起伏ブーム18を引っ込めた状態では、伸縮作業デッキ66は、橋梁79の幅方向の中心位置Tの下方に届くように構成されている。
【0027】
(5)所定の走行範囲の道路左側の橋梁点検作業が終了すると、図7の下側に(I)から(V)に模式的に示すように、特に、転倒モーメントの発生防止を考慮しながら、道路右側の橋梁点検作業のための作業姿勢の変更を行う。
(I)作業台21が図5及び図6に示す位置cになるように操作する。
(II)ポスト旋回台17を反時計廻りに90°回転させる。
(III )作業台21を時計廻りに90°回転させた後、スライドベース16をスライドさせて、ポスト旋回台17を左側作業姿勢位置aから右側作業姿勢位置bに移動させる。ここで、橋梁点検作業車10を同じ向きに、即ち、向きを変えないで走行させて、橋梁79の左側車線から右側車線へ移動し、右端に寄せて停止した後、アウトリガー14、15を内側に引っ込めて、アウトリガー12、13を外側に突出させる。
【0028】
(IV)作業台21を時計廻りに90°回転させる。
(V)ポスト旋回台17を反時計廻りに90°回転させると、作業台21が図7の位置iに移動する。
(6)以降、前記(3)及び(4)と同様にして、所定の走行範囲の道路右側の橋梁点検作業を行う。
(7)道路右側の橋梁点検作業が終了すると、作業台21を図7に示す位置iに戻し、順次前記(V)、(IV)、(III )の逆操作により、スライドベース16を介してポスト旋回台17を元の左側作業姿勢位置a((III )の二点鎖線で示す位置)に固定した後、作業台21及び主ビーム20を格納する。
【0029】
図8には、起伏ブーム18が水平に、かつ伸長された(図7と同じ)状態で、橋梁点検作業車10が道路左、右側で停止して作業を行う場合について、平面視して、どの範囲まで作業台21の伸縮作業デッキ66が移動できるかを示している。図8中の符号Rは垂直ブーム19の中心から伸長時の伸縮作業デッキ66の先端までの距離(作業半径とも呼ぶ、一例として9m)を表しており、R=r+u(伸縮作業デッキ66の伸縮ストローク)となる。従って、図8において、起伏ブーム18を引っ込めると左、右の伸縮作業デッキ66は当接する状態となり、これにより、橋梁79の下面全体をカバーすることができる。
【0030】
本発明は前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明の橋梁点検作業車を構成する場合にも本発明は適用される。
前記実施の形態においては、主ブーム20はポスト65、起伏ブーム18及び垂直ブーム19で構成したが、これに限定されず、伸縮及び屈曲式であって、先部に旋回及び伸縮する作業台が設けられ、しかも車両限界内に格納可能な構造であれば、その他の構造の主ブームであっても構わない。
【0031】
スライドベース16を、油圧シリンダ35、36の背合わせされたシリンダチューブ37、38に連結すると共に、各ピストンロッド43、44を車体11に固定してスライドさせたが、これに限定されず、必要に応じて、その他の進退手段によりスライドベースをスライドさせることもできる。また、進退手段として、油圧シリンダを設けたが、これに限定されず、必要に応じて、その他の進退手段を設けることもできる。例えば、車体11に油圧モータを設け、油圧モータの出力軸にピニオンを設けると共に、ピニオンに噛合するラックをスライドベースに設けることもできる。さらに、油圧シリンダ35、36を上下に平行配置したが、これに限定されず、状況に応じて、水平に平行配置しても構わない。
【0032】
垂直ブーム19の上端部に旋回部72を設けて垂直ブーム19の大半も旋回するようにしたが、これに限定されず、状況に応じて、垂直ブームの下端部に旋回部を設け、主として作業台21を旋回することもできる。
橋梁点検作業車10を用いて、道路左側の作業を行った後、道路右側の作業に移行したが、これに限定されず、状況に応じて、前述の作業姿勢の変更に倣って、逆に、道路右側の作業を行った後、道路左側の作業に移行することもできる。
橋梁79は片側3車線として説明したが、これに限定されず、片側2車線又は片側4車線以上の橋梁にも適用できる。
【0033】
【発明の効果】
請求項1及び2記載の橋梁点検作業車においては、車体左、右側の作業において、ポスト旋回台がスライドベースを介して車体の走行方向と直交する方向にオフセットできるので、転倒モーメントの発生を防止でき、この結果、車の転倒を確実に防止することができる。従って、例えば、従来不可能であった片側2車線以上を備えた高速道路の橋梁の外側や下側の各作業が可能となる。
特に、請求項2記載の橋梁点検作業車においては、対となる片ロッド式の油圧シリンダにより、狭いスペースに配置できるので、車両限界を遵守でき、しかも、スライドベースを両方向に同じ速度、同じ出力で駆動することができるので、適切な仕様を確保でき、且つコンパクトなものとなる。また、片ロッド式の油圧シリンダを使用するので、廉価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る橋梁点検作業車の格納状態の正面図である。
【図2】同橋梁点検作業車の格納状態の平面図である。
【図3】(A)、(B)はそれぞれ、同橋梁点検作業車に設けられるスライドベースの平面図、対となる油圧シリンダの配置図である。
【図4】図3(A)の矢視A−A断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る橋梁点検作業車の左側作業時の作業範囲を示す説明図である。
【図6】同橋梁点検作業車の左側作業時の作業範囲を示す説明図である。
【図7】同橋梁点検作業車による左側作業から右側作業へ移行する要領を示す説明図である。
【図8】同橋梁点検作業車による左、右側作業の範囲を示す平面図である。
【符号の説明】
10:橋梁点検作業車、11:車体、12〜15:アウトリガー、16:スライドベース、16a:下面、17:ポスト旋回台、18:起伏ブーム、19:垂直ブーム、20:主ブーム、21:作業台、22:水平アーム、23:垂直ガイド、24:垂直ロッド、25:車輪、26:道路面、27、28:H形鋼、29、30:上側フランジ、31、32:スライドレール、33:油圧シリンダ、34:スライドボックス、35、36:油圧シリンダ、37、38:シリンダチューブ、39〜41:連結部材、42:取付ブラケット、43、44:ピストンロッド、45、46:固定板、47、48:芯出しプレート、49、50:芯出しロッド、51、52:保持ブロック、53、54:固定用プレート、55:ロックピン、56、57:固定用プレート、58:取付孔、59:取付台、60、61:取付台、62:給排油口、63:ガイドレール、64:ケーブルベアガイドレール、65:ポスト、66:伸縮作業デッキ、67:油圧シリンダ、68:油圧シリンダ、69:垂直固定部、70:油圧シリンダ、71:油圧モータ、72:旋回部、73:屈曲固定部、74:油圧シリンダ、75:油圧シリンダ、76:屈曲摺動部、77:油圧シリンダ、78、78a:防音壁、79:橋梁、80:カウンターウエイト、81:操作盤、82:給油ユニット
Claims (2)
- 車体の側方に突出可能なアウトリガーと、前記車体に設けられたポスト旋回台と、該ポスト旋回台にその基部が取付けられ、伸縮及び屈曲式の主ブームと、該主ブームの先部に設けられ、旋回及び伸縮する作業台とを備えた橋梁点検作業車において、
前記ポスト旋回台は、前記車体の走行方向と直交する方向にスライド可能なスライドベースに設けられ、
前記アウトリガーは前記車体の両側にそれぞれ設けられ、前記それぞれのアウトリガーの下部には車輪を有することを特徴とする橋梁点検作業車。 - 請求項1記載の橋梁点検作業車において、前記スライドベースは、上下に平行配置された対となる片ロッド式の油圧シリンダの背合わせされたシリンダチューブに連結されると共に、前記油圧シリンダの各ピストンロッドは前記車体に固定されていることを特徴とする橋梁点検作業車。
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JP2002202881A JP4053364B2 (ja) | 2002-07-11 | 2002-07-11 | 橋梁点検作業車 |
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