JP2004044200A - ジャケット構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量及び小型化を図ることができ、コストダウンを図ること。
【解決手段】上部が開口されたタンク12を備え、タンク12に杭ガイド部材11が取付けられる。タンク12は、鋼製の底板13と、周囲を形成する四枚からなる鋼製の側板14とで形成されて上部が開口されている。タンク12内には、複数の仕切板15が設けられ、この仕切板15によって内部が複数に区画され、例えば、仕切板15を底板13上に所定間隔で縦横に配設することで、計六個の区画室16が形成されている。
【選択図】 図2
【解決手段】上部が開口されたタンク12を備え、タンク12に杭ガイド部材11が取付けられる。タンク12は、鋼製の底板13と、周囲を形成する四枚からなる鋼製の側板14とで形成されて上部が開口されている。タンク12内には、複数の仕切板15が設けられ、この仕切板15によって内部が複数に区画され、例えば、仕切板15を底板13上に所定間隔で縦横に配設することで、計六個の区画室16が形成されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば橋脚等を水底地盤に建設するとき、その水底地盤に設置するジャケット構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
橋脚等を水底地盤に建設するに際し、水底地盤にケーソン基礎、ジャケット式基礎のような杭基礎等が採用されるが、特に、深海のような海域等では、工期短縮化、コスト低廉化等の要求に応じ、ジャケット構造体が用いられている。
【0003】
図6に従来のジャケット構造体を示す。同図に示すジャケット構造体1は、複数の杭ガイド部材2と、その杭ガイド部材2を連結する連結部材3とで構成されている。このジャケット構造体1は、工場にて製作されると、その後台船4に積載して設置位置まで運搬され、設置位置に到達すると、図示しないクレーンによって吊り上げると共に、ジャケット構造体1のバランスをとりながら徐々に沈められて、海底地盤5にセットされる。
そして、セットされたジャケット構造体1は、図示しない杭打機が杭ガイド部材2によって杭を打ち込んだ後、その杭と杭ガイド部材2とを溶接してジャケット構造体1を一体化させることで杭基礎が構成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のジャケット構造体1は、杭ガイド部材2が連結部材3によって連結されているが、連結部材3が水平鋼材や傾斜鋼材など多数の部品で構成されているので、使用材料がかさんでそれだけ重量大になると共に、大型化する問題があった。また、ジャケット構造体1は、設置位置まで台船4によって海上運搬されるので、運搬費用が高くつく問題があり、しかも運搬後、海底地盤にセットするのに要する作業に多くの労力及び時間がかかる問題もあった。
【0005】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、軽量及び小型化を図ることができ、大幅なコストダウンを実現できるジャケット構造体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、杭ガイド部材を備えたジャケット構造体において、前記杭ガイド部材を一体に取付け、上部が開口されたタンクを備えることを特徴とする。
【0007】
この発明に係るジャケット構造体によれば、運搬時、タンクの浮力を利用して水上にジャケット構造体を浮上させることができるので、簡単に運搬することができ、またタンクが設けられることでそれだけ連結部材を省力化することができ、ジャケット全体を軽量化することができる。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1記載のジャケット構造体において、前記タンクは、上部又は下部のいずれかに配置されていることを特徴とする。
【0009】
この発明に係るジャケット構造体によれば、タンクが上部又は下部のいずれかに配置されるので、タンクの浮力を利用して水上にジャケット構造体を浮上しながら運搬することができ、またタンクが設けられることでそれだけ連結部材を省力化することができて、ジャケット全体を軽量化することができる。
【0010】
請求項1又は2記載のジャケット構造体において、前記タンクは、内部が複数に区画されていることを特徴とする。
【0011】
この発明に係るジャケット構造体によれば、タンクに区画されている各区画室の空気量を調節することで、ジャケット構造体を、水中でバランスをとりながら沈降させることができるので、ジャケット構造体の沈降作業をスムースに行い、しかも、タンクを沈降させると、タンクの底部が水底地盤に載置されるので、ジャケット構造体を水底地盤に対して安定にセットすることができる。
【0012】
請求項4によれば、請求項1から3記載のジャケット構造体において、前記タンクは、前記杭ガイド部材と、該杭ガイド部材を連結する連結部材間に設けられていることを特徴とする。
【0013】
この発明に係るジャケット構造体によれば、杭ガイド部材と連結部材間に設けられたタンクの浮力を利用することで、水上にジャケット構造体を浮上させて運搬することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。図1から図3はこの発明の一実施の形態に係るジャケット構造体を示す図であって、図1はジャケット構造体の全体図、図2は図1のA−A線断面図、図3はジャケット構造体を沈設するときの説明図である。
図1に示すジャケット構造体10は、複数からなる杭ガイド部材11を備え、海底地盤5の設置位置にセットされると、杭打機(図示せず)が杭ガイド部材11によって杭(図示せず)を海底地盤5に打ち込み、その後、打ち込まれた杭とジャケット構造体10とは互いに溶接されて一体化されることで杭基礎が形成される。
【0015】
この実施形態のジャケット構造体10は、上部が開口されたタンク12を備え、タンク12に杭ガイド部材11が取付けられている。
即ち、タンク12は、図1及び図2に示すように、鋼製の底板13と、周囲を形成する四枚からなる鋼製の側板14とで形成されて上部が開口されている。そして、この側板14の所定位置に高さ方向に沿って杭ガイド部材11が構成されている。つまり、タンク12に杭ガイド部材11が一体に取付けられることでジャケット構造体10が構成される。
【0016】
また図2に示すように、タンク12内には、複数の仕切板15が設けられ、この仕切板15によって内部が複数に区画されている。例えば、タンク12内において、仕切板15を底板13上に所定間隔で縦横に配設することで、計六個の区画室16が形成されている。
【0017】
このように構成されたジャケット構造体10は、工場にて製作されると、その後、海上運搬されることとなる。
その場合、ジャケット構造体10に備えられたタンク12を利用することで、海上にジャケット構造体10を浮上させることができるので、従来のように台船4に積載することが不要になり、曳航するだけで海上運搬を行うことができる。
【0018】
また、タンク12が杭ガイド部材11を一体に取付けてジャケット構造体10が構成されるので、ジャケット構造体10の内部が全体的な空間となり、そのため、従来のような水平鋼材や傾斜鋼材からなる連結部材が不要になり、材料の使用量を大幅に低減することができる。
【0019】
更に、タンク12内が仕切板15によって複数に区画されているので、以下に述べる作用効果も得られる。
一般に、ジャケット構造体は、設置場所まで海上運搬されると、その後、クレーンによって吊り上げられながら海中に沈降し、海底地盤5の設置位置にセットされることとなるが、その沈降時、傾いたりするので、複数の重機を使用したりして安定した状態で沈降させる必要がある。
【0020】
この実施形態においては、沈降時、タンク12に区画されている各区画室16の空気量を調節することで、ジャケット構造体10を、図3にように海中でバランスをとりながら沈降させることができるので、ジャケット構造体10の沈降作業をスムースに行い、ジャケット構造体10が傾くのを防ぐことができると共に、重機の使用を可及的に減らすこともできる。
しかも、タンク12を沈降させると、タンク12の底部が海底地盤に載置されるので、ジャケット構造体10を海底地盤に対して安定にセットすることができ、ジャケット構造体10の沈設を簡便かつ良好に行うことができる。
【0021】
従って、このジャケット構造体10によれば、タンク12の浮力によって水上運搬を容易に行うことができると共に、良好に沈設することができ、また材料使用量の削減によって全体を軽量化することができ、大幅なコストダウンを図ることができる。
【0022】
図4及び図5は、この発明の第2の実施の形態、及び第3の実施の形態に係るジャケット構造体をそれぞれ示している。
前述した実施形態では、タンク12がジャケット構造体10の全体に亘って構成された例を示したが、この実施形態においては、タンク12がジャケット構造体10の上下のいずれかに設けられた点にある。
つまり、図4に示す実施形態において、タンク12は、杭ガイド部材11の下部のみに取り付けられ、その上方が開口すると共に、内部が複数に区画されている(図2参照)。そして、杭ガイド部材11の上部は、水平鋼材や傾斜鋼材からなる連結部材17によって連結されることで、ジャケット構造体10が構成されている。
【0023】
また、図5に示す実施形態において、タンク12は、杭ガイド部材11の上部のみに取り付けられ、その上方が開口すると共に、内部が複数に区画されている(図2参照)。この場合も、杭ガイド部材11の下部は、連結部材17によって連結されることでジャケット構造体10が構成されている。なお、図4及び図5において、同一部分には同一符号を付している。
【0024】
この実施形態によれば、ジャケット構造体10の下部若しくは上部に設けられたタンク12を利用することで海上に浮上させることができ、またジャケット構造体10の沈設を良好に行うことができるので、基本的には図1から図3に示す実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0025】
なお、図示実施形態では、図1から図3のようにタンク12が杭ガイド部材11を取付けてジャケット構造体10の略全体を構成する例、また図4及び図5のようにジャケット構造体10の下部若しくは上部を構成する例をそれぞれ示したが、これに限定されるものではない。
例えばジャケット構造体の一部にタンクを一個以上設けると、即ち、ジャケット構造体の杭ガイド部材、及び該杭ガイド部材を連結する連結部材間にタンクを設けても、上述と同様の効果が得られ、従って、従来のジャケット構造体にも容易に適用させることができる。
【0026】
また、図示実施形態では、タンクの構成材料として、鋼(S)製からなる例を示したが、それとコンクリートとからなるSC、またはFRP、更にはコンクリートと鉄筋、若しくは鉄骨とを組み合わせたRC、SRCであってもよく、図示例に限定されるものではない。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、タンクを備えて構成したので、水上運搬時、タンクの浮力を利用してジャケット構造体を浮上しかつ運搬させることができ、また内部が空間となることで連結部材を省力化できると共に、ジャケット全体を軽量化することができる結果、軽量化を実現できて、大幅なコストダウンを図ることができる効果が得られる。
【0028】
請求項2に係る発明によれば、タンクが上部又は下部のいずれかに配置されるので、ジャケット全体を軽量化することができる効果が得られる。
【0029】
請求項3に係る発明によれば、ジャケット構造体を、水中でバランスをとりながら沈降させ、ジャケット構造体の沈降作業をスムースに行うことができ、しかもジャケット構造体を海底地盤に対して安定してセットすることができるので、ジャケット構造体の沈設を簡便かつ良好に行うことができる効果が得られる。
【0030】
請求項4によれば、杭ガイド部材及び連結部材間に設けられたタンクにより、ジャケット構造体を浮上させて運搬でき、従来のジャケット構造体にも容易に適用できる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係るジャケット構造体を示す全体図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】この発明の第1の実施形態に係るジャケット構造体を沈設するときの説明図である。
【図4】この発明の第2の実施形態に係るジャケット構造体を示す全体図である。
【図5】この発明の第3の実施形態に係るジャケット構造体を示す全体図である。
【図6】従来のジャケット構造体を海上運搬するときの説明図である。
【符号の説明】
10 ジャケット構造体
11 杭ガイド部材
12 タンク
16 区画室
17 連結部材
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば橋脚等を水底地盤に建設するとき、その水底地盤に設置するジャケット構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
橋脚等を水底地盤に建設するに際し、水底地盤にケーソン基礎、ジャケット式基礎のような杭基礎等が採用されるが、特に、深海のような海域等では、工期短縮化、コスト低廉化等の要求に応じ、ジャケット構造体が用いられている。
【0003】
図6に従来のジャケット構造体を示す。同図に示すジャケット構造体1は、複数の杭ガイド部材2と、その杭ガイド部材2を連結する連結部材3とで構成されている。このジャケット構造体1は、工場にて製作されると、その後台船4に積載して設置位置まで運搬され、設置位置に到達すると、図示しないクレーンによって吊り上げると共に、ジャケット構造体1のバランスをとりながら徐々に沈められて、海底地盤5にセットされる。
そして、セットされたジャケット構造体1は、図示しない杭打機が杭ガイド部材2によって杭を打ち込んだ後、その杭と杭ガイド部材2とを溶接してジャケット構造体1を一体化させることで杭基礎が構成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のジャケット構造体1は、杭ガイド部材2が連結部材3によって連結されているが、連結部材3が水平鋼材や傾斜鋼材など多数の部品で構成されているので、使用材料がかさんでそれだけ重量大になると共に、大型化する問題があった。また、ジャケット構造体1は、設置位置まで台船4によって海上運搬されるので、運搬費用が高くつく問題があり、しかも運搬後、海底地盤にセットするのに要する作業に多くの労力及び時間がかかる問題もあった。
【0005】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、軽量及び小型化を図ることができ、大幅なコストダウンを実現できるジャケット構造体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、杭ガイド部材を備えたジャケット構造体において、前記杭ガイド部材を一体に取付け、上部が開口されたタンクを備えることを特徴とする。
【0007】
この発明に係るジャケット構造体によれば、運搬時、タンクの浮力を利用して水上にジャケット構造体を浮上させることができるので、簡単に運搬することができ、またタンクが設けられることでそれだけ連結部材を省力化することができ、ジャケット全体を軽量化することができる。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1記載のジャケット構造体において、前記タンクは、上部又は下部のいずれかに配置されていることを特徴とする。
【0009】
この発明に係るジャケット構造体によれば、タンクが上部又は下部のいずれかに配置されるので、タンクの浮力を利用して水上にジャケット構造体を浮上しながら運搬することができ、またタンクが設けられることでそれだけ連結部材を省力化することができて、ジャケット全体を軽量化することができる。
【0010】
請求項1又は2記載のジャケット構造体において、前記タンクは、内部が複数に区画されていることを特徴とする。
【0011】
この発明に係るジャケット構造体によれば、タンクに区画されている各区画室の空気量を調節することで、ジャケット構造体を、水中でバランスをとりながら沈降させることができるので、ジャケット構造体の沈降作業をスムースに行い、しかも、タンクを沈降させると、タンクの底部が水底地盤に載置されるので、ジャケット構造体を水底地盤に対して安定にセットすることができる。
【0012】
請求項4によれば、請求項1から3記載のジャケット構造体において、前記タンクは、前記杭ガイド部材と、該杭ガイド部材を連結する連結部材間に設けられていることを特徴とする。
【0013】
この発明に係るジャケット構造体によれば、杭ガイド部材と連結部材間に設けられたタンクの浮力を利用することで、水上にジャケット構造体を浮上させて運搬することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。図1から図3はこの発明の一実施の形態に係るジャケット構造体を示す図であって、図1はジャケット構造体の全体図、図2は図1のA−A線断面図、図3はジャケット構造体を沈設するときの説明図である。
図1に示すジャケット構造体10は、複数からなる杭ガイド部材11を備え、海底地盤5の設置位置にセットされると、杭打機(図示せず)が杭ガイド部材11によって杭(図示せず)を海底地盤5に打ち込み、その後、打ち込まれた杭とジャケット構造体10とは互いに溶接されて一体化されることで杭基礎が形成される。
【0015】
この実施形態のジャケット構造体10は、上部が開口されたタンク12を備え、タンク12に杭ガイド部材11が取付けられている。
即ち、タンク12は、図1及び図2に示すように、鋼製の底板13と、周囲を形成する四枚からなる鋼製の側板14とで形成されて上部が開口されている。そして、この側板14の所定位置に高さ方向に沿って杭ガイド部材11が構成されている。つまり、タンク12に杭ガイド部材11が一体に取付けられることでジャケット構造体10が構成される。
【0016】
また図2に示すように、タンク12内には、複数の仕切板15が設けられ、この仕切板15によって内部が複数に区画されている。例えば、タンク12内において、仕切板15を底板13上に所定間隔で縦横に配設することで、計六個の区画室16が形成されている。
【0017】
このように構成されたジャケット構造体10は、工場にて製作されると、その後、海上運搬されることとなる。
その場合、ジャケット構造体10に備えられたタンク12を利用することで、海上にジャケット構造体10を浮上させることができるので、従来のように台船4に積載することが不要になり、曳航するだけで海上運搬を行うことができる。
【0018】
また、タンク12が杭ガイド部材11を一体に取付けてジャケット構造体10が構成されるので、ジャケット構造体10の内部が全体的な空間となり、そのため、従来のような水平鋼材や傾斜鋼材からなる連結部材が不要になり、材料の使用量を大幅に低減することができる。
【0019】
更に、タンク12内が仕切板15によって複数に区画されているので、以下に述べる作用効果も得られる。
一般に、ジャケット構造体は、設置場所まで海上運搬されると、その後、クレーンによって吊り上げられながら海中に沈降し、海底地盤5の設置位置にセットされることとなるが、その沈降時、傾いたりするので、複数の重機を使用したりして安定した状態で沈降させる必要がある。
【0020】
この実施形態においては、沈降時、タンク12に区画されている各区画室16の空気量を調節することで、ジャケット構造体10を、図3にように海中でバランスをとりながら沈降させることができるので、ジャケット構造体10の沈降作業をスムースに行い、ジャケット構造体10が傾くのを防ぐことができると共に、重機の使用を可及的に減らすこともできる。
しかも、タンク12を沈降させると、タンク12の底部が海底地盤に載置されるので、ジャケット構造体10を海底地盤に対して安定にセットすることができ、ジャケット構造体10の沈設を簡便かつ良好に行うことができる。
【0021】
従って、このジャケット構造体10によれば、タンク12の浮力によって水上運搬を容易に行うことができると共に、良好に沈設することができ、また材料使用量の削減によって全体を軽量化することができ、大幅なコストダウンを図ることができる。
【0022】
図4及び図5は、この発明の第2の実施の形態、及び第3の実施の形態に係るジャケット構造体をそれぞれ示している。
前述した実施形態では、タンク12がジャケット構造体10の全体に亘って構成された例を示したが、この実施形態においては、タンク12がジャケット構造体10の上下のいずれかに設けられた点にある。
つまり、図4に示す実施形態において、タンク12は、杭ガイド部材11の下部のみに取り付けられ、その上方が開口すると共に、内部が複数に区画されている(図2参照)。そして、杭ガイド部材11の上部は、水平鋼材や傾斜鋼材からなる連結部材17によって連結されることで、ジャケット構造体10が構成されている。
【0023】
また、図5に示す実施形態において、タンク12は、杭ガイド部材11の上部のみに取り付けられ、その上方が開口すると共に、内部が複数に区画されている(図2参照)。この場合も、杭ガイド部材11の下部は、連結部材17によって連結されることでジャケット構造体10が構成されている。なお、図4及び図5において、同一部分には同一符号を付している。
【0024】
この実施形態によれば、ジャケット構造体10の下部若しくは上部に設けられたタンク12を利用することで海上に浮上させることができ、またジャケット構造体10の沈設を良好に行うことができるので、基本的には図1から図3に示す実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0025】
なお、図示実施形態では、図1から図3のようにタンク12が杭ガイド部材11を取付けてジャケット構造体10の略全体を構成する例、また図4及び図5のようにジャケット構造体10の下部若しくは上部を構成する例をそれぞれ示したが、これに限定されるものではない。
例えばジャケット構造体の一部にタンクを一個以上設けると、即ち、ジャケット構造体の杭ガイド部材、及び該杭ガイド部材を連結する連結部材間にタンクを設けても、上述と同様の効果が得られ、従って、従来のジャケット構造体にも容易に適用させることができる。
【0026】
また、図示実施形態では、タンクの構成材料として、鋼(S)製からなる例を示したが、それとコンクリートとからなるSC、またはFRP、更にはコンクリートと鉄筋、若しくは鉄骨とを組み合わせたRC、SRCであってもよく、図示例に限定されるものではない。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、タンクを備えて構成したので、水上運搬時、タンクの浮力を利用してジャケット構造体を浮上しかつ運搬させることができ、また内部が空間となることで連結部材を省力化できると共に、ジャケット全体を軽量化することができる結果、軽量化を実現できて、大幅なコストダウンを図ることができる効果が得られる。
【0028】
請求項2に係る発明によれば、タンクが上部又は下部のいずれかに配置されるので、ジャケット全体を軽量化することができる効果が得られる。
【0029】
請求項3に係る発明によれば、ジャケット構造体を、水中でバランスをとりながら沈降させ、ジャケット構造体の沈降作業をスムースに行うことができ、しかもジャケット構造体を海底地盤に対して安定してセットすることができるので、ジャケット構造体の沈設を簡便かつ良好に行うことができる効果が得られる。
【0030】
請求項4によれば、杭ガイド部材及び連結部材間に設けられたタンクにより、ジャケット構造体を浮上させて運搬でき、従来のジャケット構造体にも容易に適用できる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係るジャケット構造体を示す全体図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】この発明の第1の実施形態に係るジャケット構造体を沈設するときの説明図である。
【図4】この発明の第2の実施形態に係るジャケット構造体を示す全体図である。
【図5】この発明の第3の実施形態に係るジャケット構造体を示す全体図である。
【図6】従来のジャケット構造体を海上運搬するときの説明図である。
【符号の説明】
10 ジャケット構造体
11 杭ガイド部材
12 タンク
16 区画室
17 連結部材
Claims (4)
- 杭ガイド部材を備えたジャケット構造体において、
前記杭ガイド部材を一体に取付け、かつ上部が開口されたタンクを備えることを特徴とするジャケット構造体。 - 請求項1記載のジャケット構造体において、
前記タンクは、上部又は下部のいずれかに配置されていることを特徴とするジャケット構造体。 - 請求項1又は2記載のジャケット構造体において、
前記タンクは、内部が複数に区画されていることを特徴とするジャケット構造体。 - 請求項1から3記載のジャケット構造体において、
前記タンクは、前記杭ガイド部材と、該杭ガイド部材を連結する連結部材間に設けられていることを特徴とするジャケット構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002202592A JP2004044200A (ja) | 2002-07-11 | 2002-07-11 | ジャケット構造体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002202592A JP2004044200A (ja) | 2002-07-11 | 2002-07-11 | ジャケット構造体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004044200A true JP2004044200A (ja) | 2004-02-12 |
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ID=31708735
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002202592A Withdrawn JP2004044200A (ja) | 2002-07-11 | 2002-07-11 | ジャケット構造体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004044200A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011149181A (ja) * | 2010-01-20 | 2011-08-04 | Kumagai Gumi Co Ltd | モノパイル式基礎施工方法 |
JP2013525629A (ja) * | 2010-04-16 | 2013-06-20 | フォイト・パテント・ゲーエムベーハー | 水力工学設備用のアンカー要素 |
JP2016148227A (ja) * | 2015-02-13 | 2016-08-18 | Jfeエンジニアリング株式会社 | 水域構造物および水域構造物の施工方法 |
CN114893037A (zh) * | 2022-05-30 | 2022-08-12 | 中铁第四勘察设计院集团有限公司 | 一种列车检修地沟 |
-
2002
- 2002-07-11 JP JP2002202592A patent/JP2004044200A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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