JP5458441B2 - 環境配慮型海上構造物およびその施工方法 - Google Patents

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本発明は環境配慮型海上構造物およびその施工方法に関する。さらに詳しくは、海流や海底への悪影響を必要最小限となし得る環境配慮型海上構造物およびその施工方法に関する。
従来より、海上に空港などの海上構造物を建造する場合、空港などを建造する海域を埋め立てて必要な地盤つまり用地を確保することが一般的になされている。
しかしながら、埋め立てを行った場合、埋め立てられた海域の海洋生物の死滅を招来するとともに、埋め立てられた土砂による海洋汚染を招来するという問題がある。また、移設は不可能であり、その拡張も容易になし得ないという問題もある。さらに、空港などの海
上構造物が不要となっても、元に戻すことが不可能であるという問題もある。
かかる埋め立て方式による欠点を解消し、かつ、海底環境に配慮した方式として、メガフロート方式や海上デッキ方式による海上空港などの海上構造物の提案もなされている。
しかしながら、前者のメガフロート方式による場合、静水域を確保する必要があるため、メガフロートが設置される沖合いに、防波堤を建設する必要があるという問題がある。また、防波堤の建設により海洋環境が変化してしまうという問題もある。
一方、後者の海上デッキ方式による場合、工事の大半が海上でなされるため、工期が長期化するとともに、工費が割高になるという問題がある。また、移設が容易でないという問題もある。
なお、特許文献1には、採光部を備えた桟橋形式の大規模海洋構造物が提案されているが、浮体形式の大規模海洋構造物における環境負荷の低減については、何等の提案もなされていない。
かかる特許文献1の問題点を解消すべく、特許文献2には、光井戸を備えた環境配慮型浮体式海上構造物が提案されている。
しかしながら、特許文献2の提案に係る環境配慮型浮体式海上構造物においては、環境配慮型浮体式海上構造物の下方における太陽光の供給が充分になし得ないという問題がある。
また、特許文献2の提案に係る環境配慮型浮体式海上構造物は、中空ブロック体を逐次沈降させるという工法であるところから、海洋設置型の飛行場などの大面積を必要とする施設に適用した場合、コストが割高になるという問題や工期が長期化するというような問題がある。
特開平11−334685号公報
特開2008−95417号公報
本発明はかかる従来技術の課題に鑑みなされたものであって、海洋設置型の飛行場などの大面積を必要とする施設に適用した場合においても、下方に太陽光の供給が充分になし得るとともに、コストの低減および工期の短縮が図られる環境配慮型海上構造物およびその施工方法を提供することを目的としている。
本発明の環境配慮型海上構造物は、中空ブロック体と桟橋ブロック体とを含む環境配慮型海上構造物であって、前記中空ブロック体は所要数が外周部を形成するよう配設され、前記桟橋ブロック体は所要数が内部を形成するよう配設され、前記中空ブロック体は半潜水式にて配設され、前記桟橋ブロック体は底部が海面上となるよう配設され、前記中空ブロック体は海中に光を供給する光井戸を有し、前記桟橋ブロック体は海面に光を供給する光ダクトを有してなることを特徴とする。
本発明の環境配慮型海上構造物においては、中空ブロック体が、下部ブロック体と上部ブロック体とを積み重ねてなるものとされてなるのが好ましい。
また、本発明の環境配慮型海上構造物においては、中空ブロック体および桟橋ブロック体は、採光部が形成されるよう間隔を設けて配設されてなるのが好ましい。
さらに、本発明の環境配慮型海上構造物においては、光井戸の内面または光ダクトの内面は、光のロスが少なくなるようにされてなるのが好ましい。
さらに、本発明の環境配慮型海上構造物においては、盛土による表層が形成されてなるのが好ましい。
さらに、本発明の環境配慮型海上構造物においては、中空ブロック体および桟橋ブロック体が、回転圧入型の杭を有してなるのが好ましい。
本発明の環境配慮型海上構造物の施工方法は、外周部を形成する光井戸を有する中空ブロック体と、内部を形成する桟橋ブロック体とを含む環境配慮型海上構造物の施工方法であって、海水が引き込み可能な製作基地で中空ブロック体を製作する手順と、製作した中空ブロック体を海上に浮遊させる手順と、浮遊させた中空ブロック体を敷設海域まで曳航する手順と、曳航した中空ブロック体を位置決めして仮固定する手順と、仮固定した中空ブロック体を本固定する手順と、所要数の桟橋ブロック体を所定配列にて配設して内部を形成する手順とを含むことを特徴とする。
本発明の環境配慮型海上構造物の施工方法においては、中空ブロック体により外周部の一部を形成し、ついで所要数の桟橋ブロック体を所定配列にて配設して内部を形成し、しかる外周部を完成させるようにされてもよい。
また、本発明の環境配慮型海上構造物の施工方法においては、中空ブロック体が、下部ブロック体と上部ブロック体とからなり、所定位置に位置決めされた下部ブロック体に上部ブロック体を形成して中空ブロック体となすようにされてもよい。
さらに、本発明の環境配慮型海上構造物の施工方法においては、光ダクトを配設する手順が付加されてなるのが好ましい。
さらに、本発明の環境配慮型海上構造物の施工方法においては、盛土による表層を形成する手順が付加されてなるのが好ましい。
本発明は前記の如く構成されているので、低コストでしかも短い工期で環境配慮型海上構造物を構築できるという優れた効果が得られる。
また、本発明は前記の如く構成されているので、構造物の下の海中および海底に光が供給されるので、構造物を設置したことによる悪影響を著しく低減できるという優れた効果が得られる。
本発明の一実施形態に係る環境配慮型海上構造物の概略図である。 同構造物の概略平面図である。 図2のA−A線断面図である。 図2のB−B線断面図である。 中空ブロック体の下部ブロック体の三面図であって、曳航時の態様を示す。 中空ブロック体の三面図であって、敷設時の態様を示す。 下部ブロック体の柱の断面図であって、コンクリート充填前の状態を示す。 下部ブロック体の柱の断面図であって、コンクリート充填後の状態を示す。 下部ブロック体における杭と柱との係合部の概略図である。 上部ブロック体における杭と柱の二面図である。 桟橋ブロック体の三面図であって、海上輸送時の態様を示す。 桟橋ブロック体の三面図であって、敷設時の態様を示す。 桟橋ブロック体の柱の断面図であって、コンクリート充填前の状態を示す。 桟橋ブロック体の柱の断面図であって、コンクリート充填後の状態を示す。 桟橋ブロック体における杭と柱との係合部の二面図である。 採光部の一態様の平面図である。 図16の長手方向断面図である。 図16の幅方向断面図である。 採光部の他の態様の平面図であって、採光部の一部が塞がれた状態を示す。 図19の長手方向断面図である。 図19の幅方向断面図である。 光ダクトの二面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施形態に基づいて説明するが、本発明はかかる実施形態のみに限定されるものではない。
本発明の一実施形態に係る環境配慮型海上構造物(以下、単に構造物という)を図1に示す。なお、本実施形態においては、構造物は具体的には海上空港とされる。
構造物Kは、図1に示すように、平面視が長方形状とされ、長方形の外周部を形成する外周部形成部1と、長方形の内部を形成する内部形成部2とを主要部として備えてなるものとされる。ここで、長手方向が滑走路方向とされる。
図2〜4に示すように、外周部形成部1は、中空ブロック体10を長方形状の外周枠を形成するようにして配設してなるものとされ、内部形成部2は桟橋ブロック体20を長方形の内部を形成するようにして碁盤目状に配設してなるものとされる。
中空ブロック体10は、図5および図6に示すように、下部構築体を構成する下部ブロック体30と、上部構築体を構成する上部ブロック体40とを含むものとされる。
下部構築体は、より具体的には、同一サイズとされた下部ブロック体30を所定の間隔を設けて半潜水式にて配設してなるものとされる。下部ブロック体30を半潜水式とするのは、構造体K内部への浮遊物の進入するのを防止するとともに、下部ブロック体30と海底との間に海水の流れを確保するためである。つまり、防御壁機能を持たせながら、海流への影響を最小限に抑えて海底生物への影響を低減するためである。
下部ブロック体30は主要部材が鉄筋コンクリートからなるものとされ、図5に示すように、直交状に所定間隔で配設された所要数(図示例では25本)の柱31と、外周部の柱31,31間に配設された壁面体32と、外周部の柱31上端部とそれに隣接する柱31上端部間に配設された外側上部梁33と、内部の柱31,31上端部間に配設された内側上部梁34と、外周部天場に配設された天板35と、中心部に設けられた所要数(図示例では4個)の下部採光用開口36と、下部採光用開口36に連通された下部光井戸37とを備えてなるものとされる。
下部ブロック体30のサイズは、例えば、縦が50m、横が50m、高さが9mとされるが、これに限定されるものではなく目的に応じて所望の浮力が得られる範囲で適宜サイズとされる。
柱31は、例えば2.5mの角柱とされ、ほぼ等間隔に配置されている。また、柱31には、図7および図8に示すように、中心部に下部ブロック体30および上部ブロック体40を固定するための杭50が挿通されるガイドパイプ31aが配設されている。ガイドパイプ31aは、ガイドパイプ31aの外周に適宜配設されたアンカー軸31bにより柱31に固定されている。ここで、杭50の口径は例えば1.2mとされ、ガイドパイプ31aの口径は例えば1.5mとされる。なお、杭50の口径およびガイドパイプ31aの口径はこれに限定されるものではなく、適宜とできる。
杭50は、先端に螺旋状の羽を有し、回転圧入により杭50の海底への進入をなすよう構成された、いわゆる回転圧入型杭、例えば新日鉄エコパイル(商品名)とされる。かかる杭50を用いるのは、杭50の埋設の際における振動を抑制するとともに無排土の施工を実現し、泥水や残土による海洋汚染が発生しないようにするためである。
また、杭50の長さは、下部ブロック体30を固定した際に、杭50上部が下部ブロック体30の上面から所定長さ突出するよう調整されている。例えば、上部ブロック体40の梁43の下面より若干上となるようにされている。
図9に、下部ブロック体30における杭50と柱31との係合部を概略図で示す。
杭50と柱31との係合は、図9に示すように、下部ブロック体30上面から突出させられたガイドパイプ31aの上端に配設された受けフランジ31cに、杭50の対応個所に配設された相フランジ51aとをボルト・ナット締めすることによりなされる。
図中、符号31d,51bはそれぞれ補強リブを示す。
杭50内には施工時にコンクリートが充填され、杭50がコンクリート充填杭とされる。また、杭50とガイドパイプ31aとの隙間にもコンクリートが充填されて杭50が柱31に固定される(図7および図8参照)。
下部光井戸37は、図示例では、採光面が10m角とされたもの4本が、下部ブロック体30の中央部に密集状に配置されている。下部光井戸37のサイズおよび本数は、図示例のものに限定されるものではなく、目的に応じて適宜サイズおよび本数とすることもでき、配置も密集状に限定されるものではなく、散点状に配置することもできる。
また、下部光井戸37は、図示はされていないが、内面が鏡面仕上げとされて、採光された光の下部光井戸37内におけるロスが少なくなるようにされている。なお、鏡面仕上げする代わりにアクリル樹脂版が貼付された構成とされてもよい。
上部構築体は、より具体的には、同一サイズとされた上部ブロック体40を下部ブロック体30の上に積み重ねてなるものとされている。
上部ブロック体40は、下部ブロック体30とほぼ同様の構成とされ、図6に示すように、柱41、壁面体42、外側上部梁43、内側上部梁44、天板45、下部採光用開口36に対応させた上部採光用開口46、上端が上部採光用開口46に連通し、下端が下部採光用開口36に連通する上部光井戸47とを備えるとともに、天板45の強度を増加させるため補強中間梁48を備えてなるものとされる。
上部ブロック体40のサイズは、例えば、縦が50m、横が50m、高さが8mとされるが、これに限定されるものではなく目的に応じて適宜サイズとされる。ただし、積み重ね時の便宜を考慮して縦および横の寸法は、下部ブロック体30の縦および横と同一とされる。
上部光井戸47の上端部には、図示はされていないが、転落防止などのために格子状とされた蓋(面格子)が設けられている。
図10に、上部ブロック体40における杭50と柱41との係合部を概略図で示す。
杭50と柱41との係合は、図10に示すように、杭50の上部ブロック体40に対応する個所の外周にアンカー軸51cをこのアンカー軸51cを鉄筋41a,41bで枠組みされた柱41内にコンクリートを打設して固定することによりなされる。また、前述したように、杭50内にはコンクリートが充填される。
図中、符号51dは杭50上端に設けられたフランジを示し、符号51eは蓋フランジを示し、符号51fは補強リブを示す。
なお、施工完了時には、下部ブロック体30と上部ブロック体40とは接合されて一体化されて中空ブロック体10される。この接合は、例えば、下部ブロック体30上面にサシ筋を設け、このサシ筋を利用して定法により接合される。
内部形成部2は、図2〜4に示すように、所要数の桟橋ブロック体20を所定の間隔を設けて碁盤目状に配設してなるものとされる。
桟橋ブロック体20は、図11および図12に示すように、耐食性鉄骨材を逆トラス状に形成してなるものであって、中核部と、中核部から外周方向に張り出した張出部と含むものとされる。
桟橋ブロック体20の張出部を含めた上面のサイズは、例えば、縦が50m、横が50mの正方形とされる。また、桟橋ブロック体20の高さは、桟橋ブロック体20が固定された際に、下端(底面)が海面より一定程度高レベル、例えば50cm高レベルとなるよう調整される一方、上端(上面)は施設面より一定程度低レベル、例えば2m低レベルとなるよう調整されている。
柱21は丸パイプからなるものとされ、その本数は、図示例では6本とされて適宜間隔で配設されている。丸パイプとされた柱21に桟橋ブロック体20を固定する杭52が挿通される。ここで、杭52の口径は例えば1.8mとされ、柱21の口径は例えば2.1mとされる。なお、杭52の口径および柱21の口径はこれに限定されるものではなく、適宜とできる。
杭52は、前記杭50と同様に、先端に螺旋状の羽を有し、回転圧入により杭52の海底への進入をなすよう構成された、いわゆる回転圧入型杭、例えば新日鉄エコパイル(商品名)とされる。かかる杭52を用いるのは、杭52の埋設の際における振動を抑制するとともに無排土の施工を実現し、泥水や残土による海洋汚染が発生しないようにするためである。
また、杭52の長さは、例えば桟橋ブロック体20が固定された際に、上端が桟橋ブロック体20上面から若干突出するよう調整されている。
図15に、杭52と柱21との係合状態を示す。
杭52と柱21との係合は、図15に示すように、柱21上端に設けられたフランジ21aと杭52上端に設けられた蓋フランジ52aとをボルト・ナット締めすることによりなされる。
なお、図中、符号21bは補強リブを示し、符号21cはコンクリート留めを示す。
杭52内には施工時にコンクリートが充填され、杭52がコンクリート充填杭とされる。また、杭52と柱21との隙間にもコンクリートが充填されて杭52が柱21に固定される(図13および図14参照)。
次に、図16〜図21をも参照しながら、構造物Kの採光構造について説明する。
図2に示すように、中空ブロック体10,10相互、桟橋ブロック体20,20相互、および中空ブロック体10と桟橋ブロック体20とは、海面に光の供給がなし得るよう、つまり一定の採光がなし得るよう所定の間隔を設けようにして配設されている。すなわち、ブロック体間の隙間は、採光部LAとされている。
図16および図19中、塗り潰された部分が採光部LAを示す。
また、各中空ブロック体10,10間に隙間が設けられているところから、当然のことながら、一定量の海流も確保される。
ここで、長手方向(滑走路方向)の間隔は5mとされ、幅方向(滑走路直交方向)の間隔は10mとされている。なお、長手方向および幅方向の間隔は前記に限定されるものではなく、必要とされる光量、海流への影響、防御機能等を考慮しながら3m〜15mの範囲で適宜調整される。
中空ブロック体10下方への光の供給は、前述したように、下部ブロック体30の下部光井戸37および上部ブロック体40の上部光井戸47を連通して形成される光井戸LWによりなされる。
一方、桟橋ブロック体20は構造上光井戸LWの形成がなし得ないところから、桟橋ブロック体20下方への光の供給は、桟橋ブロック体20の内部に長手方向に所定間隔を設けて並列配設され、採光部に位置する上面が採光部に連通している所要数の光ダクト60によりなされる(図22参照)。ここで、光ダクト60の間隔は、5m〜10m程度とされる。
また、中空ブロック体10と桟橋ブロック体20との隙間や桟橋ブロック体20,20間の隙間が上面の施設物、例えば連絡通路により塞がれる場合には、図19〜図21に示すように、光ダクト60はその塞がれた下部にも位置するよう延伸形成される。
光ダクト60は、内面が鏡面とされた角ダクトとされ、その底面には、図22に示すように、所定間隔で所定サイズの放射孔61が設けられている。
次に、かかる構成とされた構造物Kの施工について説明する。
A.下部構築体の施工例
手順1:ドックなどの海水が引き込み可能な岸壁に隣接した製作基地で、下部ブロック体30を製作する。
手順2:下部ブロック体30の光井戸37底部に浮き室形成用鉄板Fを仮設する(図5参照)。
手順3:下部ブロック体30のガイドパイプ31aに杭50を挿通した後、杭50をストッパーで搬送用位置に固定する。
手順4:製作基地に海水を引き込んだ後、下部ブロック体30を製作基地から海上に移動させる。つまり、下部ブロック体30を海上に浮遊させる。
手順5:浮遊させた下部ブロック体30を敷設海域まで曳航する。
手順6:下部ブロック体30を敷設位置に位置決めした後、アンカリングにより敷設位置に仮固定する。
手順7:杭50を搬送位置に固定しているストッパーを撤去する。
手順8:杭50を回転降下させながら杭50先端部を海底に圧入させ、下部ブロック体30下面のレベルが例えば海面下5mとなるようレベル調整した後、ガイドパイプ31aの受けフランジ31cと杭50の相フランジ51aとをボルト・ナット締めすることにより、下部ブロック体30を固定する(図9参照)。
手順9:ガイドパイプ31a上端からガイドパイプ31aと杭50との隙間にコンクリートを充填する(図9参照)。
手順10:所定の養生の後、下部ブロック体30の光井戸37底部の浮き室形成用鉄板Fを撤去する。
しかして、下部ブロック体30の製作、曳航、位置決め、固定といった作業を長方形状の外枠が形成されるまで繰り返して下部構築体を形成する。
B.上部構築体の施工例
手順21:下部構築体の形成に併せて隣接地との連絡橋を仮設する。なお、この連絡橋は、工事完了後に本格的な連絡橋に仕上げられる。
手順22:岸側の連絡橋付近に上部ブロック体40の製作基地を設ける。
手順23:杭50内にコンクリートを充填して蓋フランジ51eを締める(図10参照)。
手順24:下部ブロック体30のサシ筋を利用して上部ブロック体40を定法により構築する。つまり、中空ブロック体10を形成する。
しかして、上部ブロック体40の資材搬入、構築、下部ブロック30との一体化による中空ブロック体10の形成といった作業を長方形状の外枠が形成されるまで繰り返して上部構築体を形成する。つまり、外周部形成部1を完成させる。
C.桟橋ブロック体の施工例
手順31:搬送用平船が接岸可能な岸壁に隣接した製作基地で、桟橋ブロック体20を製作する(図11参照)。
手順32:搬送用平船を接岸させ、桟橋ブロック体20を搬送用平船にクレーンなどにより積み込む。
手順33:桟橋ブロック体20が積み込まれた搬送用平船を外周部形成部1が形成された海域まで曳航する。
手順34:クレーン船により桟橋ブロック体20を所定位置に吊り込む。
手順35:所定位置に吊り込まれた桟橋ブロック体20をその位置で仮固定する。
手順36:杭52を搬送位置に固定しているストッパーを撤去する。
手順37:杭52を回転降下させながら杭52先端部を海底に圧入させ、桟橋ブロック体20下端のレベルが例えば海面から50cmとなるようレベル調整した後、柱21上端および杭52上端からコンクリートを充填し、杭52を桟橋部ブロック体20に固着させるとともに、杭52をコンクリート充填杭とする(図12および図14参照)。これにより、桟橋ブロック体20が固定される。
手順38:蓋フランジ52aを締める(図15参照)。
しかして、桟橋ブロック体20の製作、積込、輸送、吊り込み、固定といった作業を桟橋ブロック体20が内部全面に敷き詰められるまで繰り返して内部形成部2を形成する。
外周部形成部1および内部形成部2が完成された後、盛土などによる表層形成、滑走路やターミナルビルなどの必要施設の建設、光ダクト60の配設などがなされる。つまり、構築物Kが完成させられる。
盛土の厚みは2m程度とされる。盛土により不陸が解消されるとともに、盛土が緩衝材としての機能も発揮する。例えば、盛土をなすことにより、航空機の着陸失敗などにより表層部が損傷しても迅速な復旧が可能となる。
かかる構成とされた構築物Kにおいては、中空ブロック体10の内部空間は、駐車場、倉庫、駅舎、水族館、緊急避難場所としての活用が期待される。
本実施形態の構造物Kは、前記の如く構成されているので、前記各手順のほぼ逆手順を繰り返すことにより容易に撤去が可能であり、また前記手順を繰り返すことにより拡張も容易になし得る。
また、外周部形成部1を鉄筋コンクリート製の半潜水式の中空ブロック体10により形成し、内部形成部2を桟橋ブロック体20により形成しているので、コストの低減および工期の短縮が図られる。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明してきたが、本発明はかかる実施形態のみに限定されるものではなく、種々改変が可能である。
例えば、本実施形態では、外周部形成部1は、中空ブロック体10を一重に配設することにより形成されているが、中空ブロック体10を二重に配設することにより形成されてもよい。
また、本実施形態では、外周部形成部1を形成した後、内部形成部2を形成するようにされているが、例えば、外周部形成部1を一部を残して形成し、例えばコノ字状に形成し、ついで内部形成部2を形成し、しかる後外周部形成部1の残部、例えば残りの一辺部を形成するようにされてもよい。
さらに、本実施形態では、構造物は長方形状とされているが、構造物の形状は長方形に限定されるものではなく、各種形状とできる。例えば、六角形状とすることもできる。
本発明は、環境に配慮した海上における浮体式構造物およびその施工に適用できる。
1 外周部形成部
2 内部形成部
10 中空ブロック体
20 桟橋ブロック体
21 柱
30 下部ブロック体
31 柱
32 壁面体
33 外側上部梁
34 内側上部梁
35 天板
36 下部採光用開口
37 下部光井戸
40 上部ブロック体
41 柱
42 壁面体
43 外側上部梁
44 内側上部梁
45 天板
46 上部採光用開口
47 上部光井戸
48 補強中間梁
50,52 杭
60 光ダクト
61 放射孔
K 構造体
F 浮き室形成用鉄板
LA 採光部
LW 光井戸

Claims (11)

  1. 中空ブロック体と桟橋ブロック体とを含む環境配慮型海上構造物であって、
    前記中空ブロック体は所要数が外周部を形成するよう配設され、前記桟橋ブロック体は所要数が内部を形成するよう配設され、
    前記中空ブロック体は、半潜水式にて配設され、
    前記桟橋ブロック体は、底部が海面上となるよう配設され、
    前記中空ブロック体は、海中に光を供給する光井戸を有し、
    前記桟橋ブロック体は、海面に光を供給する光ダクトを有してなる
    ことを特徴とする環境配慮型海上構造物。
  2. 中空ブロック体が、下部ブロック体と上部ブロック体とを積み重ねてなるものとされてなることを特徴とする請求項1記載の環境配慮型海上構造物。
  3. 中空ブロック体および桟橋ブロック体は、採光部が形成されるよう間隔を設けて配設されてなることを特徴とする請求項1記載の環境配慮型海上構造物。
  4. 光井戸の内面または光ダクトの内面は、光のロスが少なくなるようにされてなることを特徴とする請求項1記載の環境配慮型海上構造物。
  5. 盛土による表層が形成されてなることを特徴とする請求項1記載の環境配慮型海上構造物。
  6. 中空ブロック体および桟橋ブロック体が、回転圧入型の杭を有してなることを特徴とする請求項1記載の環境配慮型海上構造物。
  7. 外周部を形成する光井戸を有する中空ブロック体と、内部を形成する桟橋ブロック体とを含む環境配慮型海上構造物の施工方法であって、
    海水が引き込み可能な製作基地で中空ブロック体を製作する手順と、
    製作した中空ブロック体を海上に浮遊させる手順と、
    浮遊させた中空ブロック体を敷設海域まで曳航する手順と、
    曳航した中空ブロック体を位置決めして仮固定する手順と、
    仮固定した中空ブロック体を本固定する手順と、
    所要数の桟橋ブロック体を所定配列にて配設して内部を形成する手順
    とを含むことを特徴とする環境配慮型海上構造物の施工方法。
  8. 中空ブロック体により外周部の一部を形成し、ついで所要数の桟橋ブロック体を所定配列にて配設して内部を形成し、しかる外周部を完成させることを特徴とする請求項7記載の環境配慮型海上構造物の施工方法。
  9. 中空ブロック体が、下部ブロック体と上部ブロック体とからなり、
    所定位置に位置決めされた下部ブロック体に上部ブロック体を形成して中空ブロック体となすことを特徴とする請求項7記載の環境配慮型海上構造物の施工方法。
  10. 光ダクトを配設する手順が付加されてなることを特徴とする請求項7記載の環境配慮型海上構造物の施工方法。
  11. 盛土による表層を形成する手順が付加されてなることを特徴とする請求項7記載の環境配慮型海上構造物の施工方法。
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