JP2008082095A - ケーソン躯体の構築方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】設備の規模を軽減させることができ、コストダウンを図ることができるケーソン躯体の構築方法を提供することを目的としている。
【解決手段】水中に立設された複数のガイド杭4…に沿って上下動可能に設けられた台船5上で、水中に設置するためのケーソン躯体1を構築するケーソン躯体1の構築方法であって、台船5上でケーソン躯体1を下部から上部へ順次構築していくとともに、台船5上に既に構築されたケーソン躯体1内へのバラスト調整により台船5上のケーソン躯体1を台船5ごと沈降させ、台船5上のケーソン躯体1の吃水を深くしていく。
【選択図】図2
【解決手段】水中に立設された複数のガイド杭4…に沿って上下動可能に設けられた台船5上で、水中に設置するためのケーソン躯体1を構築するケーソン躯体1の構築方法であって、台船5上でケーソン躯体1を下部から上部へ順次構築していくとともに、台船5上に既に構築されたケーソン躯体1内へのバラスト調整により台船5上のケーソン躯体1を台船5ごと沈降させ、台船5上のケーソン躯体1の吃水を深くしていく。
【選択図】図2
Description
本発明は、ケーソン躯体の構築方法に関する。
従来、ケーソン躯体の構築方法として、陸上でケーソン躯体を構築した後に、構築されたケーソン躯体を運搬して進水させる方法がある。この方法は、陸上に、ケーソン躯体のベースを構築するヤードと、ケーソン躯体の壁を構築するヤードと、ケーソン躯体に防水材を塗布するヤードと、ケーソン躯体を進水させるヤードとを順次設けて、運搬手段により各ヤードに順次進んでケーソン躯体を構築する方法である(例えば、特許文献1参照。)。
また、従来、他のケーソン躯体の構築方法として、水上に浮いたバージ上でケーソン躯体を構築する方法が提供されている。この方法は、水中に非水密壁ドッグが構築され、このドッグ内に沈降・浮上可能なバージが配設される。そして、水上に浮いたバージ上にケーソン躯体が構築した後、このバージを水中に沈降させることで、ケーソン躯体を進水させるとともに、バージ上からケーソン躯体を離間させてケーソン躯体を水中に浮かせる。その後、水中に浮いたケーソン躯体を所定の設置位置まで曳航させる(例えば、特許文献2参照。)。
また、近年、マリンリフト方式のケーソン躯体の構築方法が提案されている。このマリンリフト方式のケーソン躯体の構築方法は、まず、水中に浮かないプラットフォーム(架台)をその周囲に取り付けられた鋼棒やワイヤで吊し、このプラットフォーム上でケーソン躯体を構築する。ケーソン躯体を下部から上部へ順次構築していくとともに、鋼棒やワイヤを支持しているジャッキ機構(センターホールジャッキ等)をジャッキダウンさせてプラットフォームを水中に沈下させていく。これにより、所定の水上高さでケーソン躯体の構築を行うことができる。
特開2000−282480号公報
特開平7−149286号公報
しかしながら、上記した陸上でケーソン躯体を構築する従来のケーソン躯体の構築方法では、ケーソン躯体の製作過程でケーソン躯体(函体)を陸上で移動させるための移動設備が必要であり、設備が大掛かりになり、コストが高くなるという問題が存在する。
また、上記した水上に浮いたバージ上でケーソン躯体を構築する従来のケーソン躯体の構築方法では、ケーソン躯体を構築する時に使用されるクレーンとして、ケーソン躯体の断面の大きさに応じた大きさのクレーンが必要である。したがって、大断面のケーソン躯体を構築する場合には、相応の大型のクレーンが必要になり、コストが高くなるという問題が存在する。
また、上記したマリンリフト方式のケーソン躯体の構築方法では、プラットフォームを昇降させるためのジャッキやジャッキの反力を受ける設備などが必要であり、設備コストが高くなるという問題が存在する。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、設備の規模を軽減させることができ、コストダウンを図ることができるケーソン躯体の構築方法を提供することを目的としている。
本発明に係るケーソン躯体の構築方法は、水中に立設された複数のガイド杭に沿って上下動可能に設けられた台船上で、水中に設置するためのケーソン躯体を構築するケーソン躯体の構築方法であって、前記台船上で前記ケーソン躯体を下部から上部へ順次構築していくとともに、前記台船上に既に構築されたケーソン躯体内へのバラスト調整により前記台船上の前記ケーソン躯体を前記台船ごと沈降させ、該台船上の前記ケーソン躯体の吃水を深くしていくことを特徴としている。
このような特徴により、ケーソン躯体を下から順に構築するに伴い、既に構築された台船上のケーソン躯体が台船とともに沈降していき、所定の水上高さ位置でケーソン躯体の構築作業が行われる。このとき、台船及びケーソン躯体は、ジャッキ等の機械を用いることなく、台船上のケーソン躯体内へのバラスト調整によって沈降する。
また、本発明に係るケーソン躯体の構築方法は、前記台船上に構築された前記ケーソン躯体の浮力が該ケーソン躯体の自重よりも小さいうちは、前記台船内へのバラスト調整によって前記台船及び前記ケーソン躯体を沈降させ、前記台船上に構築された前記ケーソン躯体の浮力が該ケーソン躯体の自重以上になった後は、前記ケーソン躯体内へのバラスト調整によって前記台船及び前記ケーソン躯体を沈降させることを特徴とする構成としてもよい。
これにより、台船上に構築されたケーソン躯体が自重で沈むうちは、ケーソン躯体内へのバラスト調整を行わなくても、台船内へのバラスト調整を行うことで、ケーソン躯体及び台船が沈降する。一方、台船上でのケーソン躯体の構築が進むと、いずれはケーソン躯体の浮力が自重を上回り、台船上のケーソン躯体が浮力により浮くことになる。このときは、ケーソン躯体内へのバラスト調整を行うことで、ケーソン躯体及び台船が沈降する。
さらに、本発明に係るケーソン躯体の構築方法は、前記ケーソン躯体の構築が完了した後、前記台船内へのバラスト調整により該台船を沈降させて、或いは、前記ケーソン躯体内のバラスト調整により該ケーソン躯体を浮上させて、前記ケーソン躯体を前記台船から離間させて水中に浮かせることを特徴とする構成としてもよい。
これにより、台船とその上のケーソン躯体とはジャッキ等の機械を用いることなくバラスト調整によって離間し、ケーソン躯体が曳航可能な状態となる。
本発明に係るケーソン躯体の構築方法によれば、ケーソン躯体を陸上で移動させるための移動設備や、ケーソン躯体を載せる台を昇降させるためのジャッキ、ジャッキの反力を受ける設備などが不要であり、また、大断面のケーソン躯体を構築する場合でもクレーン等の揚重装置を大型にしなくてもよいため、設備の規模を軽減させることができ、コストを低減させることができる。
以下、本発明に係るケーソン躯体の構築方法の実施の形態について、図面に基いて説明する。
まず、ケーソン躯体1を構築するための設備について説明する。
図1はケーソン躯体1を構築するためのケーソン構築設備2の平面図であり、図2はケーソン躯体1を構築するためのケーソン構築設備2の断面図である。なお、図に示す「HWL」は満潮時の水面を示しており、「LWL」は干潮時の水面を示している。
図1はケーソン躯体1を構築するためのケーソン構築設備2の平面図であり、図2はケーソン躯体1を構築するためのケーソン構築設備2の断面図である。なお、図に示す「HWL」は満潮時の水面を示しており、「LWL」は干潮時の水面を示している。
図1、図2に示すように、ケーソン構築設備2は、間隔をあけて設けられたケーソン構築のための作業用桟橋若しくは突堤(以下、桟台3、3と記す。)間に設けられた設備であって、水中に略鉛直に立設された複数(図1では6本)のガイド杭4…と、ガイド杭4…に沿って上下動可能に設けられた台船5と、を備える構成からなる。
ガイド杭4…は、鋼管杭等の既製杭からなり、その下端部は水底に打ち込まれて水底地盤G内に埋設されており、その上端部は水面から上方に突出されている。複数のガイド杭4…は、互いに間隔をあけて配設されており、具体的には、両側の桟台3、3の平行する縁に沿って2列に並設されている。
台船5は、鋼板等からなる中空箱状の架台であり、単体では水に浮く性質を有する架台である。台船5は、複数のガイド杭4…間に配設されており、ガイド杭4…により水平方向の移動が規制されているが、ガイド杭4…に沿って上下方向に移動可能な構成となっている。具体的には、台船5の外周部(図1では、四隅及び桟台3、3に対向する縁部の真中)には、各ガイド杭4…がそれぞれ挿通される切欠部5a…が形成されている。これらの切欠部5a…には、ガイド杭4…に接触させるためのクッション材6…が設けられている。このクッション材6…は、例えば防舷材等からなり、ガイド杭4…の外周面に当接されている。台船5は、上記したクッション材6…を介してガイド杭4…の外周面に摺動自在に設けられている。
また、上記した構成からなるケーソン構築設備2で構築するケーソン躯体1は、公知のケーソンと同様のものであり、例えば、格子状(蜂の巣状)に壁部が設けられた有底中空の大型ケーソンである。なお、このケーソン躯体1は、コンクリート構造のものでも、鋼構造のものでも、その他の構造(例えば、コンクリートと鋼板とからなる複合構造)のものであってもよい。
次に、上記した構成からなるケーソン構築設備2を用いてケーソン躯体1を構築する方法について説明する。
図3〜図10はケーソン躯体1の構築過程を示した断面図である。
図3〜図10に示すように、本発明に係るケーソン躯体1の構築方法は、ケーソン躯体1を複数の節(第1〜第4節部1A〜1D)に分けて構築していく方法であって、台船5上でケーソン躯体1を下部から上部へ順次構築していくとともに、台船5上に既に構築されたケーソン躯体1内へのバラスト調整により台船5上のケーソン躯体1を台船5ごと沈降させ、台船5上のケーソン躯体の吃水(水面よりも下の部分の高さ)を深くしていくものである。
図3〜図10に示すように、本発明に係るケーソン躯体1の構築方法は、ケーソン躯体1を複数の節(第1〜第4節部1A〜1D)に分けて構築していく方法であって、台船5上でケーソン躯体1を下部から上部へ順次構築していくとともに、台船5上に既に構築されたケーソン躯体1内へのバラスト調整により台船5上のケーソン躯体1を台船5ごと沈降させ、台船5上のケーソン躯体の吃水(水面よりも下の部分の高さ)を深くしていくものである。
具体的には、まず、図3に示すように、水上に浮いた台船5の上にケーソン躯体1の最下節(第1節部1A)を構築する。このとき、台船5の上面は水面から出ており、ケーソン躯体1の第1節部1Aは気中で構築される。また、台船5上にはH型鋼などからなる複数の枕木7…を並べて、この枕木7…の上にケーソン躯体1の第1節部1Aを構築する。
次に、図4に示すように、台船5上に構築されたケーソン躯体1の中にバラスト水Wを注入しながら、台船5及び台船5上のケーソン躯体1(第1節部1A)を水中にリフトダウンさせる。つまり、台船5の自重とケーソン躯体1の第1節部1Aの自重とケーソン躯体1内のバラスト水Wの重量との和が、台船5の浮力とその上のケーソン躯体1(第1節部1A)の浮力との和よりも大きくなることで、台船5がガイド杭4…に沿って下降して台船5及び台船5上のケーソン躯体1は沈降(リフトダウン)する。そして、上記した浮力の和が上記した自重等の和と釣り合う深さのところで、台船5及び台船5上のケーソン躯体1の沈降が止まる。また、このとき、沈降した後の第1節部1Aの上端が所定の水面上高さ(例えば、桟台3、3の上面と同等の高さレベル)になるように、第1節部1Aの高さ寸法を設定したり、バラスト水Wの注入量を調整したりする。
次に、図5に示すように、水面から上方に突出したケーソン躯体1の第1節部1Aの上端にケーソン躯体1の次の節(第2節部1B)を構築する。第1節部1Aと第2節部1Bとの継手は公知の技術で行うことができる。
次に、図6に示すように、台船5上に構築されたケーソン躯体1の中に更にバラスト水Wを注入しながら、台船5及び台船5上のケーソン躯体1(第1、第2節部1A,1B)を水中にリフトダウンさせる。つまり、図4に示す場合と同様に、台船5の自重とケーソン躯体1の第1、第2節部1A,1Bの自重とケーソン躯体1内のバラスト水Wの重量との和が、台船5の浮力とその上のケーソン躯体1(第1、第2節部1A,1B)の浮力との和よりも大きくなることで、台船5がガイド杭4…に沿って下降して台船5及び台船5上のケーソン躯体1は沈降し、上記した浮力の和が上記した自重等の和と釣り合う深さのところで止まる。また、このとき、図4に示す場合と同様に、沈降した後の第2節部1Bの上端が所定の水面上高さになるように、第2節部1Bの高さ寸法を設定したり、バラスト水Wの注入量を調整したりする。
次に、図7に示すように、水面から上方に突出したケーソン躯体1の第2節部1Bの上端にケーソン躯体1の次の節(第3節部1C)を構築する。第2節部1Bと第3節部1Cとの継手は、第1節部1Aと第2節部1Bとの継手の場合と同様に、公知の技術で行うことができる。
次に、図8に示すように、台船5及び台船5上のケーソン躯体1(第1、第2、第3節部1A,1B,1C)を水中にリフトダウンさせる。つまり、台船5の自重とケーソン躯体1の第1、第2、第3節部1A,1B,1Cの自重とケーソン躯体1内のバラスト水Wの重量との和が、台船5の浮力とその上のケーソン躯体1(第1、第2、第3節部1A,1B,1C)の浮力との和よりも大きくなることで、台船5がガイド杭4…に沿って下降して台船5及び台船5上のケーソン躯体1は沈降し、上記した浮力の和が上記した自重等の和と釣り合う深さのところで止まる。また、このとき、沈降した後の第3節部1Cの上端が所定の水面上高さになるように、第3節部1Cの高さ寸法を設定する。なお、図4、図6に示す場合と同様に、所定量のバラスト水Wを注入して第3節部1Cの上端位置を調整してもよい。
次に、図9に示すように、水面から上方に突出したケーソン躯体1の第3節部1Cの上端にケーソン躯体1の最上節(第4節部1D)を構築する。第3節部1Cと第4節部1Dとの継手は、第1節部1Aと第2節部1Bとの継手の場合及び第2節部1Bと第3節部1Cとの継手の場合と同様に、公知の技術で行うことができる。以上により、ケーソン躯体1の構築が完了する。
次に、ケーソン躯体1内のバラスト調整によりケーソン躯体1を浮上させて、ケーソン躯体1を台船5から離間させて水中に浮かせる。具体的には、ケーソン躯体1内のバラスト水Wの一部或いは全部をポンプ等で抜いてケーソン躯体1を浮上させる。つまり、ケーソン躯体1の自重とケーソン躯体1内のバラスト水Wの重量との和が、ケーソン躯体1の浮力よりも小さくなることで、ケーソン躯体1は浮上し、ケーソン躯体1の浮力が上記した自重等の和と釣り合う深さのところで止まる。なお、このとき、台船5がケーソン躯体1と一緒に浮上しないように、台船5の中にバラスト水Wを注入したり、台船5をガイド杭4…に掛止させたりして、台船5が浮上しないようにする。
最後に、水中に浮遊した状態のケーソン躯体1を曳航させる。
最後に、水中に浮遊した状態のケーソン躯体1を曳航させる。
上記した構成からなるケーソン躯体1の構築方法によれば、ケーソン躯体1を下節から順に構築するに伴い、既に構築された台船5上のケーソン躯体1が台船5とともに沈降していき、所定の水上高さ位置でケーソン躯体1の構築作業が行われる。これにより、ケーソン躯体1を陸上で移動させるための移動設備が不要であり、また、大断面のケーソン躯体1を構築する場合でもクレーン等の揚重装置を大型にしなくてもよい。したがって、設備の規模を軽減させることができ、コストを低減させることができる。
また、台船5及びケーソン躯体1は、ジャッキ等の機械を用いることなく、ケーソン躯体1内へのバラスト調整によって沈降するため、ケーソン躯体を載せる台を昇降させるためのジャッキやジャッキの反力を受ける設備などが不要である。よって、設備の規模を軽減させることができ、コストを低減させることができる。
また、上記した構成からなるケーソン躯体1の構築方法によれば、ケーソン躯体1の構築が完了した後、ケーソン躯体1内のバラスト調整によりケーソン躯体1を浮上させて、ケーソン躯体1を台船5から離間させて水中に浮かせるため、台船5とその上のケーソン躯体1とはジャッキ等の機械を用いることなくバラスト調整によって離間し、ケーソン躯体1が曳航可能な状態となる。これにより、設備を軽減させることができ、コストを低減させることができる。
以上、本発明に係るケーソン躯体の構築方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記した実施の形態では、ケーソン躯体1内へのバラスト調整によって台船5及びその上のケーソン躯体1を水中に沈降させているが、本発明は、台船内へのバラスト調整によって台船及びその上のケーソン躯体を水中に沈降させてもよい。
具体的には、台船上に構築されたケーソン躯体の浮力がそのケーソン躯体の自重よりも小さいうちは、台船内へのバラスト調整によって台船及びケーソン躯体を沈降させることができる。つまり、台船がバラスト調整によって水中に沈降すると、ケーソン躯体は自重によって沈むため、台船及びケーソン躯体は一緒に沈降する。そして、ケーソン躯体の構築が進み、台船上に構築されたケーソン躯体の浮力がケーソン躯体の自重以上になった後は、ケーソン躯体内へのバラスト調整によって台船及びケーソン躯体を沈降させる。つまり、台船上に構築されたケーソン躯体の浮力がそのケーソン躯体の自重と釣り合っているときは、台船が沈降してもケーソン躯体は沈まずに浮遊するため、ケーソン躯体内へのバラスト調整を行う必要がある。また、台船上に構築されたケーソン躯体の浮力がそのケーソン躯体の自重よりも大きいときは、ケーソン躯体は浮上してしまうため、ケーソン躯体内へのバラスト調整を行う必要がある。このように、台船上に構築されたケーソン躯体が自重で沈むうちは、ケーソン躯体内へのバラスト調整を行わなくても、台船内へのバラスト調整を行うことで、ケーソン躯体及び台船が沈降する。一方、台船上でのケーソン躯体の構築が進むと、いずれはケーソン躯体の浮力が自重を上回り、台船上のケーソン躯体が浮力により浮くことになる。このときは、ケーソン躯体内へのバラスト調整を行うことで、ケーソン躯体及び台船が沈降する。したがって、上記した実施の形態と同様に、ケーソン躯体を載せる台を昇降させるためのジャッキなどが不要であり、設備の規模を軽減させることができ、コストを低減させることができる。
また、本発明は、ケーソン躯体へのバラスト調整を行うとともに台船へのバラスト調整を行ってもよい。例えば、台船及びその上のケーソン躯体をリフトダウンさせる際、ケーソン躯体内にバラスト水を注入するとともに、台船内にもバラスト水を注入する。これによって、ケーソン躯体内へ注入するバラスト水の量を低減させることができる。
また、本発明は、図11に示すように、高さ(水深)が異なる複数のケーソン構築設備(ケーソン構築ヤード)102A,102B,102Cを用意し、これらのケーソン構築設備102A、102B、102Cを低い(浅い)ものから順番に並べて設置し、これらのケーソン構築設備102A,102B,102Cを用いてケーソン躯体1を構築してもよい。具体的には、最も低い第1のケーソン構築設備102Aでケーソン躯体1を途中まで構築する。その後、途中まで構築されたケーソン躯体1を2番目に低い第2のケーソン構築設備102Bに移す。そして、この第2のケーソン構築設備102Bでケーソン躯体1をさらに構築していった後、最も高い第3のケーソン構築設備102Cに移す。この第3のケーソン構築設備102Cでケーソン躯体1を最後まで構築して完成させる。なお、各ケーソン構築設備102A,102B,102Cにおけるケーソン躯体1の構築手順は、上記した実施の形態と同様であり、ケーソン躯体1を構築するとともに、台船5及びその上のケーソン躯体1を沈降させている。このような構成にすることで、複数のケーソン躯体1を同時に施工することができる。つまり、第1のケーソン構築設備102Aから第2のケーソン構築設備102Bにケーソン躯体1を移した後、第1のケーソン構築設備102Aでは別のケーソン躯体1を新たに構築する。そして、第2のケーソン構築設備102Bから第3のケーソン構築設備102Cにケーソン躯体1を移した後、第1のケーソン構築設備102Aで構築された別のケーソン躯体1を移し、その後、第1のケーソン構築設備102Aでは更に別のケーソン躯体1を新たに構築する。なお、同じ高さのケーソン構築設備を並べて複数のケーソン躯体を同時に構築することもできるが、高さが異なる複数のケーソン構築設備102A,102B,102Cを用いる方が、ケーソン構築設備のコストを低減させることができ、経済的である。
また、上記した実施の形態では、ケーソン躯体1内のバラスト調整によりケーソン躯体1を浮上させることで、ケーソン躯体1を台船5から離間させているが、本発明は、台船内へのバラスト調整により台船を沈降させることで、ケーソン躯体を台船から離間させてもよい。具体的には、台船内にバラスト水を注入し、台船を沈降させることで、ケーソン躯体と台船とを離間させることができる。
また、上記した実施の形態では、ケーソン躯体1内にバラスト水Wを注入することでケーソン躯体1内へのバラスト調整を行っているが、本発明は、砂や砂利などをケーソン躯体内や台船内に投入することで、ケーソン躯体や台船のバラスト調整を行うことができ、さらに、ケーソン躯体内や台船内に錘を配置することで、ケーソン躯体や台船のバラスト調整を行うこともできる。いずれにしても、ケーソン躯体構築途中のケーソン躯体内へのバラスト調整あるいは台船内へのバラスト調整では、波浪等があってもケーソン躯体がその影響を受けずに台船上に静置される範囲内で、ケーソン躯体の自重がケーソン躯体の浮力よりも勝るようにし、且つ台船においては台船の浮力よりも台船の自重の方が勝るようにして、ケーソン躯体が沈もうとする力と台船が浮き上がろうとする力をバランスさせることが肝要である。
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1 ケーソン躯体
4 ガイド杭
5 台船
4 ガイド杭
5 台船
Claims (3)
- 水中に立設された複数のガイド杭に沿って上下動可能に設けられた台船上で、水中に設置するためのケーソン躯体を構築するケーソン躯体の構築方法であって、
前記台船上で前記ケーソン躯体を下部から上部へ順次構築していくとともに、前記台船上に既に構築されたケーソン躯体内へのバラスト調整により前記台船上の前記ケーソン躯体を前記台船ごと沈降させ、該台船上の前記ケーソン躯体の吃水を深くしていくことを特徴とするケーソン躯体の構築方法。 - 請求項1記載のケーソン躯体の構築方法において、
前記台船上に構築された前記ケーソン躯体の浮力が該ケーソン躯体の自重よりも小さいうちは、前記台船内へのバラスト調整によって前記台船及び前記ケーソン躯体を沈降させ、
前記台船上に構築された前記ケーソン躯体の浮力が該ケーソン躯体の自重以上になった後は、前記ケーソン躯体内へのバラスト調整によって前記台船及び前記ケーソン躯体を沈降させることを特徴とするケーソン躯体の構築方法。 - 請求項1または2記載のケーソン躯体の構築方法において、
前記ケーソン躯体の構築が完了した後、前記台船内へのバラスト調整により該台船を沈降させて、或いは、前記ケーソン躯体内のバラスト調整により該ケーソン躯体を浮上させて、前記ケーソン躯体を前記台船から離間させて水中に浮かせることを特徴とするケーソン躯体の構築方法。
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