JP2004043982A - 繊維製品及び/又は起毛皮革製品用清拭シート - Google Patents
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Abstract
【課題】スーツ、コート等の繊維製品及び/又は起毛皮革製品を、簡便に、洗浄及び消臭し得る手段を提供すること。
【解決手段】不織布に水溶性溶液を含浸させた繊維製品及び/又は起毛皮革製品用清拭シート。
【選択図】なし
【解決手段】不織布に水溶性溶液を含浸させた繊維製品及び/又は起毛皮革製品用清拭シート。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、毛等の繊維や、スエード、ベロア等の起毛皮革からなる製品、例えば、スーツ、コート等を、簡便に洗浄及び消臭することができる、繊維製品及び/又は起毛皮革製品用清拭シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
ドライマーク衣料用洗浄剤を用いて、家庭でスーツ、コート等の水洗いを行う場合、シワ、型崩れが発生し、アイロンでの仕上げに手間がかかっていた。また、スエード、ベロア等の起毛皮革製品は家庭で洗浄することができなかった。
【0003】
また消臭のために用いられているスプレー型消臭剤では、乾燥させるのに時間がかかり、すぐに着用または使用することができなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、繊維製品及び/又は起毛皮革製品の洗浄及び消臭を簡便に行うことのできる清拭シートを提供することを主な目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決することを主な目的として、鋭意研究を重ねた結果、不織布に水溶性溶液を含浸させた清拭シートを適用することによって、簡便かつ効率よく、繊維製品及び起毛皮革製品の洗浄及び消臭が行えることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明は、次の事項に係る。
【0007】
項1:不織布に水溶性溶液を含浸させた繊維製品及び/又は起毛皮革製品用清拭シート。
【0008】
項2:繊維製品及び/又は起毛皮革製品が衣料である項1に記載の清拭シート。
【0009】
項3:水溶性溶液が消臭成分を含有する項1又は2のいずれかに記載の清拭シート。
【0010】
項4:水溶性溶液が洗浄成分を含有する項1〜3のいずれかに記載の清拭シート。
【0011】
項5:袋状に形成されている項1〜4のいずれかに記載の清拭シート。
【0012】
項6:不織布の裏面が、液体不透過性の膜でラミネート加工されている項5に記載の清拭シート。
【0013】
項7:液体不透過性の膜中に無機及び/又は有機性粒子を含ませ、不織布の表面に凹凸を付した項6に記載の清拭シート。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、具体的に説明する。
【0015】
不織布
本発明の不織布としては、繊維を織らずに形成したもので、シート状のものであれば、特に制限なく、用いることができる。不織布を形成する繊維としては、例えば、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維、ポリアミド繊維、ポリアセタール繊維等の合成繊維、綿等の天然繊維、レーヨン等の半合成繊維等を使用することができる。不織布の形成方法としては、スパンボンド法やフラッシュ紡糸法、メルトブローン法により形成したものが、製造原価や耐久性の面で優れているため好適に使用される。
【0016】
不織布の目付は、30〜120g/m2程度である。特に、60〜100g/m2程度の厚みのものが、清拭性が優れる点で好ましい。
【0017】
水溶性溶液
不織布に含有される水溶性溶液としては、洗浄成分、消臭成分、殺菌成分、抗菌成分、柔軟仕上げ成分、糊成分、撥水成分、防汚成分、色あせ防止成分、しわ防止成分、香料成分等を含有してなる水溶液を用いることができる。これらの成分は1種のみを含有させてもよく、2種以上を含有させてもよい。このうち、洗浄成分及び消臭成分を含有するものが特に好ましい。消臭成分と洗浄成分を併用することによって、悪臭成分を取り除く効果が高まり、消臭効果のより優れた清拭シートを得ることができる。
【0018】
洗浄成分としては、具体的には、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、溶剤等を用いることができる。溶剤としては、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。このうち、エタノールを特に好ましく用いることができる。
【0019】
洗浄成分の濃度は、0.01〜40重量%程度であって、0.1〜20重量%程度が、特に好ましい。
【0020】
また、消臭成分としては、さとうきび抽出物、緑茶抽出物、柿抽出物、両性界面活性剤、サイクロデキストリン等を用いることができる。このうち、さとうきび抽出物が、繊維に残留しにくくシミになりにくい、布の風合いが損なわれない、消臭性に優れる等の点において、特に好ましく用いられる。
【0021】
消臭成分の濃度は、0.01〜10重量%程度であって、特に0.1〜5重量%程度が好ましい。
【0022】
不織布に含浸される水溶性溶液の量は、不織布100重量%に対して80〜300重量%程度、好ましくは、120〜250重量%程度である。水溶性溶液の量が少なすぎる場合には、清拭可能範囲が狭くなり、洗浄及び消臭成分も低下する点で好ましくない。また多すぎる場合には、清拭後の乾燥性が悪くなる点で好ましくない。
【0023】
清拭シート
本発明の清拭シートは、不織布に上述の成分を含浸させることによって、製造することができる。含浸方法は、シャワー法、浸漬法等によって行うことができる。
【0024】
本発明においては、不織布が、液体不透過性の膜でラミネート加工されていることが好ましい。液体不透過性の膜をラミネートする手段としては、合成樹脂フィルムを、接着剤を用いて、あるいは、用いることなく加熱圧着する方法、合成樹脂を溶融し、フィルム化しながら接着するドクター法等を用いることができる。液体不透過性の膜の厚さは10〜100μm程度、好ましくは、30〜70μm程度である。また液体不透過性の膜の素材としては、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を用いることができる。
【0025】
液体不透過性の膜でラミネート加工することにより、不織布に含浸した液が手に付かない、シートのコシが強くなり拭きやすい、汚れが手に付かない等の効果が得られる。
【0026】
また、本発明の清拭シートは袋状に形成されていることが好ましい。袋状であることによって、手を入れて清拭することができ、使用しやすい等の効果が得られる。
【0027】
不織布から袋状のシートを形成する方法としては、例えば、まず液体不透過性の膜でラミネート加工された不織布を適当な大きさに打ち抜き裁断し、次いで裁断した生地をその液体不透過性の膜の面を対抗して折り曲げて重ね合わせ、しかるのち、手の挿入開口を除いた2辺を、高周波ミシンを用いて融着(ヒートシール)するなどの方法が挙げられる。
【0028】
また、ラミネート加工された液体不透過性の膜中に、無機及び/又は有機質粒子を含有させてもよい。無機又は有機質粒子の材質としては、例えば、ガラス、ゼオライト、シリカ、ポリエチレン、ポリエステル、アクリル、ポリ塩化ビニリデンなどを用いることができる。
【0029】
粒子の粒径は、0.1〜5mm程度であって、1〜3mm程度が特に好ましい。無機及び/又は有機質粒子を含有させることによって、不織布の表面に凹凸を付することができ、清拭性の向上等の効果を得ることができる。
【0030】
繊維製品
本発明の清拭シートを適用できる繊維製品としては、例えば、スーツ、コート、ネクタイ、ジャケット、スラックス、スカート等の衣料が挙げられる。
【0031】
繊維製品の素材としては、毛、絹、綿、麻、合成繊維等を挙げることができる。合成繊維としては、ポリエステル、ナイロン、アクリル等を挙げることができる。このうち、毛製品に、特に好適に使用することができる。
【0032】
上述のような繊維製品を、例えば、ドライマーク衣料用洗浄剤等を用いて水洗いする場合には、シワや型くずれが生じ、アイロン等の加熱による仕上げが必要等の都合のよくない点がある。しかし、本発明を適用すれば、シワ、型くずれ等の発生を抑えて洗浄することができる。また、外出先でも簡便に洗浄、消臭を行うことができる。
【0033】
また、繊維製品に使用し得る消臭スプレーを用いる場合は、乾燥するまでに時間がかかり、直ぐに着用又は使用できない等の難点がある。しかし、本発明を適用すれば、乾燥するまでの時間が短くてすむ。また、生地を均一に清拭することができ、消臭成分が局所的に高い濃度で残存することによる生地への悪影響等も抑制することができる。
【0034】
起毛皮革製品
本発明の清拭シートを適用できる起毛皮革製品としては、例えば、スーツ、ジャケット、コート等の衣料を例示することができる。起毛皮革製品とは、スエード、ベロア、ヌバックなどの、革の裏や表を起毛した生地を用いて製品化された品である。このうち、特に、スエード製品に好適に使用することができる。
【0035】
起毛皮革製品は、通常家庭で水洗いすることはできない。しかし、本発明を適用すれば、家庭又は外出先においても、製品表面の清浄、消臭等を簡単に行うことが可能になる。また、消臭スプレー等を用いる場合と比べて、乾燥にかかる時間が短くてすむ。さらに、生地に対し均一に清拭することができ、消臭成分や洗浄成分が局所的に高い濃度で残存することによる生地への悪影響等も抑制することができる。
【0036】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されることはない。
【0037】
実施例1
不織布A(綿60%/ポリエステル繊維40%、目付100g/m2、ユニチカ社製)からなるシートに、樹脂を溶融し、フィルム化しながら接着させて、ポリエチレン製で、厚さ40μの膜をラミネート加工した。該ラミネート加工したシートを大きさ320mm×135mmに切断した。次いで裁断した生地をその液体不透過性の膜の面を対抗して折り曲げて重ね合わせ、しかるのち、手の挿入開口を除いた2辺を、高周波ミシンを用いて融着(ヒートシール)し、袋状に成型した清拭シートを得た。次いで、得られたシートに、下記組成からなる水溶性溶液Aをシャワー法により、含浸させた。シートに対する水溶性溶液の含浸量は16gとした。
【0038】
机の上にジャケット(毛100%製)を置き、得られた清拭シートを用いて、ジャケットを清拭した。清拭は、50cm×20cmの範囲に5回行った。
【0039】
(水溶性溶液Aの組成)
柿抽出物 0.2重量%
ショ糖ラウリン酸エステル 1重量%
エタノール 34重量%
香料 微量
防腐剤 微量
イオン交換水 残分
【0040】
実施例2 不織布として、不織布B(綿60%/ポリエステル繊維40%、目付75g/m2、ユニチカ社製)を用い、水溶性溶液として、下記組成からなる水溶性溶液Bを用い、また該シートに対する水溶性溶液の含浸量を8gとした以外は、実施例1と同様の方法で清拭シートを作成した。また、実施例1と同じジャケットに同様の清拭を行った。
【0041】
(水溶性溶液Bの組成)
さとうきび抽出物 0.5重量%
エタノール 13重量%
香料 微量
防腐剤 微量
イオン交換水 残分
【0042】
比較例1
実施例1及び2で用いたものと同じジャケットを、下記の組成からなる液体洗剤Aを用いて、水洗いを行った。洗浄手順は、洗浄→すすぎ→脱水→すすぎ→脱水→乾燥で行った。洗浄において、洗剤濃度は0.1%とし、3分間、つけおきによる洗浄を行った。すすぎは、1分間つけおきで行った。脱水は洗濯機で10秒行った。乾燥は風乾とした。上記の工程で、使用した水は水道水で、水温は25℃、各工程における水量は10Lとした。
【0043】
【0044】
評価1
実施例1及び2で清拭したジャケット、及び、比較例1の水洗いしたジャケットについて、型崩れ、シワについて、評価した。評価は、パネラー10名により目視評価を行い、型崩れ、シワが少ない方を選択した人数で表した。結果を表1及び表2に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
表1及び表2の結果に示されるように、本発明の清拭シートを適用する場合には、型崩れ、シワの発生が有意に抑制されることが明らかとなった。
【0048】
比較例1の液体洗剤Aは、カルボキシメチルセルロースナトリウムを含有しており、カルボキシメチルセルロースナトリウムを含有しない洗剤と比べて、ハリを与える効果が高いものである。にもかかわらず、型くずれ、シワ等は、実施例の方が格段に少なかった。また、液体洗剤Aのカルボキシメチルセルロースナトリウムの粘度及びエーテル化度を、1重量%水溶液の粘度が100mPa・s以下、エーテル化度を0.6〜1.5の範囲として実験を行った場合においても、結果は評価1と同様となった。
【0049】
比較例2
トリガースプレイヤーを用いて、実施例1及び2と同じジャケットに、水溶性溶液A及びBを噴霧した。噴霧は、50cm×20cmの範囲に対する噴霧量が1gとなるように行った。
【0050】
評価2
実施例1及び2の清拭後1分のジャケット表面、及び、比較例2の噴霧後1分のジャケット表面を触って、25℃での乾燥に要する時間を測定した。結果を表3に示す。
【0051】
【表3】
【0052】
表3の結果に示されるように、本発明の清拭シートを適用する場合には、乾燥に要する時間が短縮されることが明らかとなった。
【0053】
実施例3
不織布として不織布Aを用い、水溶性溶液として、下記組成からなる水溶性溶液Cを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行って、清拭シートを作成した。シートに対する水溶性溶液の含浸量は16gとした。
【0054】
(水溶性溶液Cの組成)
メチル化β−サイクロデキストリン 1重量%
エタノール 3重量%
香料 微量
防腐剤 微量
イオン交換水 残分
【0055】
実施例4
不織布として不織布Aを用い、水溶性溶液として、下記組成からなる水溶性溶液Dを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行って、清拭シートを作成した。シートに対する水溶性溶液の含浸量は16gとした。
【0056】
(水溶性溶液Dの組成)
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 8重量%
ポリオキシエチレン(n=9)C12−15アルキルエーテル 0.5重量%
香料 微量
防腐剤 微量
イオン交換水 残分
【0057】
実施例5
不織布として不織布Aを用い、水溶性溶液として水溶性溶液Bを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行って、清拭シートを作成した。シートに対する水溶性溶液の含浸量は16gとした。
【0058】
比較例3
水溶性溶液として、水溶性溶液Eを用いた以外は、実施例3と同様の操作を行って、清拭シートを作成した。
【0059】
(水溶性溶液Eの組成)
エタノール 3重量%
香料 微量
防腐剤 微量
イオン交換水 残分
【0060】
比較例4
タバコの臭いを付けたウールサージ(30cm×30cm)及びポリエステルタフタ(30cm×30cm)を、下記の洗浄成分からなる液体洗剤Bを用いて、水洗いを行った。洗浄手順は、洗浄→すすぎ→脱水→すすぎ→脱水→乾燥で行った。洗浄において、洗剤濃度は0.1%とし、3分間、つけおきによる洗浄を行った。すすぎは、1分間つけおきで行った。脱水は、布をタオルではさんで、洗濯液を染みこませるタオルドライで行った。乾燥は風乾とした。上記の工程で、使用した水は水道水で、水温は25℃、各工程における水量は700mlとした。
【0061】
(液体洗剤Bの組成)
ポリオキシエチレン(n=9)C12−15アルキルエーテル 25重量%
ジオレイルジメチルアンモニウムクロリド(ヨウ素価75) 2重量%
3−メチル−3−メトキシブタノール 10重量%
香料 微量
防腐剤 微量
イオン交換水 残分
【0062】
比較例5
トリガースプレイヤーにより、水溶性溶液Cと同じ溶液を用いて、次のような噴霧を行った。タバコの臭いを付けたウールサージ(30cm×30cm)に噴霧量が1gとなるように噴霧した(評価3に使用)。ポリエステルタフタ(30cm×30cm)の布全体に噴霧量が1gとなるように噴霧した(評価4に使用)。また、ポリエステルタフタ(30cm×30cm)の一部(5cm×5cm)に噴霧量が0.5gとなるように噴霧した(評価5に使用)。
【0063】
評価3
ウールサージ(30cm×30cm)にタバコの臭いをつけ、実施例1,3,4及び5、並びに、比較例3で作成したシートを用いて、布全体を5回清拭し、清拭後30分経過したウールサージについて消臭性の評価を行った。
【0064】
また、比較例4の水洗いしたウールサージ、比較例5のスプレー噴霧を行ったウールサージについても、同様に消臭性の評価を行った。
【0065】
評価は、パネラー10人による官能検査を行い、下記5段階で評価した。その平均値を結果として表4に示す。
【0066】
5 全くタバコの臭いがしない。
4 ほとんどタバコの臭いがしない。
3 わずかにタバコの臭いがする。
2 ややタバコの臭いがする。
1 明らかにタバコの臭いがする。
【0067】
評価4
ポリエステルタフタ(30cm×30cm)を、実施例1,3,4及び5、並びに、比較例3で作成したシートを用いて、布全体を5回清拭した。清拭後30分経過したポリエステルタフタについて、布の風合いの評価を行った。
【0068】
また、比較例4の水洗いしたポリエステルタフタ、比較例5のスプレー噴霧を行ったポリエステルタフタについても、同様に布の風合いの評価を行った。
【0069】
評価は、パネラー10人による官能検査を行い、下記5段階で評価した。その平均値を結果として表4に示す。
【0070】
5 全く風合いの変化なし。
4 ほぼ風合いの変化なし。
3 わずかにごわつきあり。
2 ややごわつきあり。
1 非常にごわつきあり。
【0071】
評価5
ポリエステルタフタ(30cm×30cm)を、実施例1,3,4及び5、並びに、比較例3で作成したシートを用いて、部分的に(5cm×5cm)3回清拭した。清拭後30分経過したポリエステルタフタについて、シミの付き残りの評価を行った。
【0072】
また、比較例4の水洗いしたポリエステルタフタ、比較例5のスプレー噴霧を行ったポリエステルタフタについても同様にシミの付き残りの評価を行った。
【0073】
評価は、パネラー10人による官能検査を行い、下記5段階で評価した。その平均値を結果として表4に示す。
【0074】
5 全くシミが確認できない。
4 ほとんどシミが確認できない。
3 わずかにシミが確認できる。
2 ややシミが確認できる。
1 明らかにシミが確認できる。
【0075】
【表4】
【0076】
表4の結果に示されるように、本発明の清拭シートは、消臭性、布の風合い、シミの付き残りに優れることが明らかになった。
【0077】
特に、消臭成分として、さとうきび抽出物を用いたシートは、消臭性、布の風合い、及びシミの付き残りの全てにおいて、優れた効果を有することが明らかになった。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、家庭では水洗いすることのできない起毛皮革製品や
ドライマークの付された繊維製品を、シワや型崩れを発生することなく、
簡便に、洗浄並びに消臭することができる。
【0079】
ドライマーク衣料用洗浄剤を用いて、繊維製品を家庭で水洗いする場合には、シワ、型崩れ等が発生し、アイロンによる仕上げが必要という不都合な点がある。しかし、本発明を適用すれば、外出先でも簡単に清拭することができ、シワ、型崩れが発生しない等の利点がある。
【0080】
また、起毛皮革製品は、通常、家庭で水洗いすることはできない。しかし、本発明を用いれば、家庭又は外出先において、製品表面の清拭、消臭等を簡便に行うことが可能になる。また、クリーニングを行う場合と比べて、費用がかからず時間も短縮される。
【0081】
また、消臭スプレーを用いる場合には、乾燥するまでに時間がかかり、直ぐに着用又は使用できないという不都合な点がある。しかし、本発明を適用する場合には、乾燥するまでの時間が短く、残留成分による繊維生地や起毛皮革生地への悪影響が少ない等の利点がある。
【0082】
更に、消臭成分として、さとうきび抽出物を使用した場合には、布の風合いの損失やシミの付き残りが抑制され、かつ優れた消臭効果も得ることができ、衣料用として、特に好適な清拭シートを得ることができる。
【0083】
また、消臭成分と洗浄成分を併用することによって、悪臭成分を取り除く効果が一層高まり、消臭効果のより優れた清拭シートを得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、毛等の繊維や、スエード、ベロア等の起毛皮革からなる製品、例えば、スーツ、コート等を、簡便に洗浄及び消臭することができる、繊維製品及び/又は起毛皮革製品用清拭シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
ドライマーク衣料用洗浄剤を用いて、家庭でスーツ、コート等の水洗いを行う場合、シワ、型崩れが発生し、アイロンでの仕上げに手間がかかっていた。また、スエード、ベロア等の起毛皮革製品は家庭で洗浄することができなかった。
【0003】
また消臭のために用いられているスプレー型消臭剤では、乾燥させるのに時間がかかり、すぐに着用または使用することができなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、繊維製品及び/又は起毛皮革製品の洗浄及び消臭を簡便に行うことのできる清拭シートを提供することを主な目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決することを主な目的として、鋭意研究を重ねた結果、不織布に水溶性溶液を含浸させた清拭シートを適用することによって、簡便かつ効率よく、繊維製品及び起毛皮革製品の洗浄及び消臭が行えることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明は、次の事項に係る。
【0007】
項1:不織布に水溶性溶液を含浸させた繊維製品及び/又は起毛皮革製品用清拭シート。
【0008】
項2:繊維製品及び/又は起毛皮革製品が衣料である項1に記載の清拭シート。
【0009】
項3:水溶性溶液が消臭成分を含有する項1又は2のいずれかに記載の清拭シート。
【0010】
項4:水溶性溶液が洗浄成分を含有する項1〜3のいずれかに記載の清拭シート。
【0011】
項5:袋状に形成されている項1〜4のいずれかに記載の清拭シート。
【0012】
項6:不織布の裏面が、液体不透過性の膜でラミネート加工されている項5に記載の清拭シート。
【0013】
項7:液体不透過性の膜中に無機及び/又は有機性粒子を含ませ、不織布の表面に凹凸を付した項6に記載の清拭シート。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、具体的に説明する。
【0015】
不織布
本発明の不織布としては、繊維を織らずに形成したもので、シート状のものであれば、特に制限なく、用いることができる。不織布を形成する繊維としては、例えば、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維、ポリアミド繊維、ポリアセタール繊維等の合成繊維、綿等の天然繊維、レーヨン等の半合成繊維等を使用することができる。不織布の形成方法としては、スパンボンド法やフラッシュ紡糸法、メルトブローン法により形成したものが、製造原価や耐久性の面で優れているため好適に使用される。
【0016】
不織布の目付は、30〜120g/m2程度である。特に、60〜100g/m2程度の厚みのものが、清拭性が優れる点で好ましい。
【0017】
水溶性溶液
不織布に含有される水溶性溶液としては、洗浄成分、消臭成分、殺菌成分、抗菌成分、柔軟仕上げ成分、糊成分、撥水成分、防汚成分、色あせ防止成分、しわ防止成分、香料成分等を含有してなる水溶液を用いることができる。これらの成分は1種のみを含有させてもよく、2種以上を含有させてもよい。このうち、洗浄成分及び消臭成分を含有するものが特に好ましい。消臭成分と洗浄成分を併用することによって、悪臭成分を取り除く効果が高まり、消臭効果のより優れた清拭シートを得ることができる。
【0018】
洗浄成分としては、具体的には、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、溶剤等を用いることができる。溶剤としては、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。このうち、エタノールを特に好ましく用いることができる。
【0019】
洗浄成分の濃度は、0.01〜40重量%程度であって、0.1〜20重量%程度が、特に好ましい。
【0020】
また、消臭成分としては、さとうきび抽出物、緑茶抽出物、柿抽出物、両性界面活性剤、サイクロデキストリン等を用いることができる。このうち、さとうきび抽出物が、繊維に残留しにくくシミになりにくい、布の風合いが損なわれない、消臭性に優れる等の点において、特に好ましく用いられる。
【0021】
消臭成分の濃度は、0.01〜10重量%程度であって、特に0.1〜5重量%程度が好ましい。
【0022】
不織布に含浸される水溶性溶液の量は、不織布100重量%に対して80〜300重量%程度、好ましくは、120〜250重量%程度である。水溶性溶液の量が少なすぎる場合には、清拭可能範囲が狭くなり、洗浄及び消臭成分も低下する点で好ましくない。また多すぎる場合には、清拭後の乾燥性が悪くなる点で好ましくない。
【0023】
清拭シート
本発明の清拭シートは、不織布に上述の成分を含浸させることによって、製造することができる。含浸方法は、シャワー法、浸漬法等によって行うことができる。
【0024】
本発明においては、不織布が、液体不透過性の膜でラミネート加工されていることが好ましい。液体不透過性の膜をラミネートする手段としては、合成樹脂フィルムを、接着剤を用いて、あるいは、用いることなく加熱圧着する方法、合成樹脂を溶融し、フィルム化しながら接着するドクター法等を用いることができる。液体不透過性の膜の厚さは10〜100μm程度、好ましくは、30〜70μm程度である。また液体不透過性の膜の素材としては、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を用いることができる。
【0025】
液体不透過性の膜でラミネート加工することにより、不織布に含浸した液が手に付かない、シートのコシが強くなり拭きやすい、汚れが手に付かない等の効果が得られる。
【0026】
また、本発明の清拭シートは袋状に形成されていることが好ましい。袋状であることによって、手を入れて清拭することができ、使用しやすい等の効果が得られる。
【0027】
不織布から袋状のシートを形成する方法としては、例えば、まず液体不透過性の膜でラミネート加工された不織布を適当な大きさに打ち抜き裁断し、次いで裁断した生地をその液体不透過性の膜の面を対抗して折り曲げて重ね合わせ、しかるのち、手の挿入開口を除いた2辺を、高周波ミシンを用いて融着(ヒートシール)するなどの方法が挙げられる。
【0028】
また、ラミネート加工された液体不透過性の膜中に、無機及び/又は有機質粒子を含有させてもよい。無機又は有機質粒子の材質としては、例えば、ガラス、ゼオライト、シリカ、ポリエチレン、ポリエステル、アクリル、ポリ塩化ビニリデンなどを用いることができる。
【0029】
粒子の粒径は、0.1〜5mm程度であって、1〜3mm程度が特に好ましい。無機及び/又は有機質粒子を含有させることによって、不織布の表面に凹凸を付することができ、清拭性の向上等の効果を得ることができる。
【0030】
繊維製品
本発明の清拭シートを適用できる繊維製品としては、例えば、スーツ、コート、ネクタイ、ジャケット、スラックス、スカート等の衣料が挙げられる。
【0031】
繊維製品の素材としては、毛、絹、綿、麻、合成繊維等を挙げることができる。合成繊維としては、ポリエステル、ナイロン、アクリル等を挙げることができる。このうち、毛製品に、特に好適に使用することができる。
【0032】
上述のような繊維製品を、例えば、ドライマーク衣料用洗浄剤等を用いて水洗いする場合には、シワや型くずれが生じ、アイロン等の加熱による仕上げが必要等の都合のよくない点がある。しかし、本発明を適用すれば、シワ、型くずれ等の発生を抑えて洗浄することができる。また、外出先でも簡便に洗浄、消臭を行うことができる。
【0033】
また、繊維製品に使用し得る消臭スプレーを用いる場合は、乾燥するまでに時間がかかり、直ぐに着用又は使用できない等の難点がある。しかし、本発明を適用すれば、乾燥するまでの時間が短くてすむ。また、生地を均一に清拭することができ、消臭成分が局所的に高い濃度で残存することによる生地への悪影響等も抑制することができる。
【0034】
起毛皮革製品
本発明の清拭シートを適用できる起毛皮革製品としては、例えば、スーツ、ジャケット、コート等の衣料を例示することができる。起毛皮革製品とは、スエード、ベロア、ヌバックなどの、革の裏や表を起毛した生地を用いて製品化された品である。このうち、特に、スエード製品に好適に使用することができる。
【0035】
起毛皮革製品は、通常家庭で水洗いすることはできない。しかし、本発明を適用すれば、家庭又は外出先においても、製品表面の清浄、消臭等を簡単に行うことが可能になる。また、消臭スプレー等を用いる場合と比べて、乾燥にかかる時間が短くてすむ。さらに、生地に対し均一に清拭することができ、消臭成分や洗浄成分が局所的に高い濃度で残存することによる生地への悪影響等も抑制することができる。
【0036】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されることはない。
【0037】
実施例1
不織布A(綿60%/ポリエステル繊維40%、目付100g/m2、ユニチカ社製)からなるシートに、樹脂を溶融し、フィルム化しながら接着させて、ポリエチレン製で、厚さ40μの膜をラミネート加工した。該ラミネート加工したシートを大きさ320mm×135mmに切断した。次いで裁断した生地をその液体不透過性の膜の面を対抗して折り曲げて重ね合わせ、しかるのち、手の挿入開口を除いた2辺を、高周波ミシンを用いて融着(ヒートシール)し、袋状に成型した清拭シートを得た。次いで、得られたシートに、下記組成からなる水溶性溶液Aをシャワー法により、含浸させた。シートに対する水溶性溶液の含浸量は16gとした。
【0038】
机の上にジャケット(毛100%製)を置き、得られた清拭シートを用いて、ジャケットを清拭した。清拭は、50cm×20cmの範囲に5回行った。
【0039】
(水溶性溶液Aの組成)
柿抽出物 0.2重量%
ショ糖ラウリン酸エステル 1重量%
エタノール 34重量%
香料 微量
防腐剤 微量
イオン交換水 残分
【0040】
実施例2 不織布として、不織布B(綿60%/ポリエステル繊維40%、目付75g/m2、ユニチカ社製)を用い、水溶性溶液として、下記組成からなる水溶性溶液Bを用い、また該シートに対する水溶性溶液の含浸量を8gとした以外は、実施例1と同様の方法で清拭シートを作成した。また、実施例1と同じジャケットに同様の清拭を行った。
【0041】
(水溶性溶液Bの組成)
さとうきび抽出物 0.5重量%
エタノール 13重量%
香料 微量
防腐剤 微量
イオン交換水 残分
【0042】
比較例1
実施例1及び2で用いたものと同じジャケットを、下記の組成からなる液体洗剤Aを用いて、水洗いを行った。洗浄手順は、洗浄→すすぎ→脱水→すすぎ→脱水→乾燥で行った。洗浄において、洗剤濃度は0.1%とし、3分間、つけおきによる洗浄を行った。すすぎは、1分間つけおきで行った。脱水は洗濯機で10秒行った。乾燥は風乾とした。上記の工程で、使用した水は水道水で、水温は25℃、各工程における水量は10Lとした。
【0043】
【0044】
評価1
実施例1及び2で清拭したジャケット、及び、比較例1の水洗いしたジャケットについて、型崩れ、シワについて、評価した。評価は、パネラー10名により目視評価を行い、型崩れ、シワが少ない方を選択した人数で表した。結果を表1及び表2に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
表1及び表2の結果に示されるように、本発明の清拭シートを適用する場合には、型崩れ、シワの発生が有意に抑制されることが明らかとなった。
【0048】
比較例1の液体洗剤Aは、カルボキシメチルセルロースナトリウムを含有しており、カルボキシメチルセルロースナトリウムを含有しない洗剤と比べて、ハリを与える効果が高いものである。にもかかわらず、型くずれ、シワ等は、実施例の方が格段に少なかった。また、液体洗剤Aのカルボキシメチルセルロースナトリウムの粘度及びエーテル化度を、1重量%水溶液の粘度が100mPa・s以下、エーテル化度を0.6〜1.5の範囲として実験を行った場合においても、結果は評価1と同様となった。
【0049】
比較例2
トリガースプレイヤーを用いて、実施例1及び2と同じジャケットに、水溶性溶液A及びBを噴霧した。噴霧は、50cm×20cmの範囲に対する噴霧量が1gとなるように行った。
【0050】
評価2
実施例1及び2の清拭後1分のジャケット表面、及び、比較例2の噴霧後1分のジャケット表面を触って、25℃での乾燥に要する時間を測定した。結果を表3に示す。
【0051】
【表3】
【0052】
表3の結果に示されるように、本発明の清拭シートを適用する場合には、乾燥に要する時間が短縮されることが明らかとなった。
【0053】
実施例3
不織布として不織布Aを用い、水溶性溶液として、下記組成からなる水溶性溶液Cを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行って、清拭シートを作成した。シートに対する水溶性溶液の含浸量は16gとした。
【0054】
(水溶性溶液Cの組成)
メチル化β−サイクロデキストリン 1重量%
エタノール 3重量%
香料 微量
防腐剤 微量
イオン交換水 残分
【0055】
実施例4
不織布として不織布Aを用い、水溶性溶液として、下記組成からなる水溶性溶液Dを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行って、清拭シートを作成した。シートに対する水溶性溶液の含浸量は16gとした。
【0056】
(水溶性溶液Dの組成)
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 8重量%
ポリオキシエチレン(n=9)C12−15アルキルエーテル 0.5重量%
香料 微量
防腐剤 微量
イオン交換水 残分
【0057】
実施例5
不織布として不織布Aを用い、水溶性溶液として水溶性溶液Bを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行って、清拭シートを作成した。シートに対する水溶性溶液の含浸量は16gとした。
【0058】
比較例3
水溶性溶液として、水溶性溶液Eを用いた以外は、実施例3と同様の操作を行って、清拭シートを作成した。
【0059】
(水溶性溶液Eの組成)
エタノール 3重量%
香料 微量
防腐剤 微量
イオン交換水 残分
【0060】
比較例4
タバコの臭いを付けたウールサージ(30cm×30cm)及びポリエステルタフタ(30cm×30cm)を、下記の洗浄成分からなる液体洗剤Bを用いて、水洗いを行った。洗浄手順は、洗浄→すすぎ→脱水→すすぎ→脱水→乾燥で行った。洗浄において、洗剤濃度は0.1%とし、3分間、つけおきによる洗浄を行った。すすぎは、1分間つけおきで行った。脱水は、布をタオルではさんで、洗濯液を染みこませるタオルドライで行った。乾燥は風乾とした。上記の工程で、使用した水は水道水で、水温は25℃、各工程における水量は700mlとした。
【0061】
(液体洗剤Bの組成)
ポリオキシエチレン(n=9)C12−15アルキルエーテル 25重量%
ジオレイルジメチルアンモニウムクロリド(ヨウ素価75) 2重量%
3−メチル−3−メトキシブタノール 10重量%
香料 微量
防腐剤 微量
イオン交換水 残分
【0062】
比較例5
トリガースプレイヤーにより、水溶性溶液Cと同じ溶液を用いて、次のような噴霧を行った。タバコの臭いを付けたウールサージ(30cm×30cm)に噴霧量が1gとなるように噴霧した(評価3に使用)。ポリエステルタフタ(30cm×30cm)の布全体に噴霧量が1gとなるように噴霧した(評価4に使用)。また、ポリエステルタフタ(30cm×30cm)の一部(5cm×5cm)に噴霧量が0.5gとなるように噴霧した(評価5に使用)。
【0063】
評価3
ウールサージ(30cm×30cm)にタバコの臭いをつけ、実施例1,3,4及び5、並びに、比較例3で作成したシートを用いて、布全体を5回清拭し、清拭後30分経過したウールサージについて消臭性の評価を行った。
【0064】
また、比較例4の水洗いしたウールサージ、比較例5のスプレー噴霧を行ったウールサージについても、同様に消臭性の評価を行った。
【0065】
評価は、パネラー10人による官能検査を行い、下記5段階で評価した。その平均値を結果として表4に示す。
【0066】
5 全くタバコの臭いがしない。
4 ほとんどタバコの臭いがしない。
3 わずかにタバコの臭いがする。
2 ややタバコの臭いがする。
1 明らかにタバコの臭いがする。
【0067】
評価4
ポリエステルタフタ(30cm×30cm)を、実施例1,3,4及び5、並びに、比較例3で作成したシートを用いて、布全体を5回清拭した。清拭後30分経過したポリエステルタフタについて、布の風合いの評価を行った。
【0068】
また、比較例4の水洗いしたポリエステルタフタ、比較例5のスプレー噴霧を行ったポリエステルタフタについても、同様に布の風合いの評価を行った。
【0069】
評価は、パネラー10人による官能検査を行い、下記5段階で評価した。その平均値を結果として表4に示す。
【0070】
5 全く風合いの変化なし。
4 ほぼ風合いの変化なし。
3 わずかにごわつきあり。
2 ややごわつきあり。
1 非常にごわつきあり。
【0071】
評価5
ポリエステルタフタ(30cm×30cm)を、実施例1,3,4及び5、並びに、比較例3で作成したシートを用いて、部分的に(5cm×5cm)3回清拭した。清拭後30分経過したポリエステルタフタについて、シミの付き残りの評価を行った。
【0072】
また、比較例4の水洗いしたポリエステルタフタ、比較例5のスプレー噴霧を行ったポリエステルタフタについても同様にシミの付き残りの評価を行った。
【0073】
評価は、パネラー10人による官能検査を行い、下記5段階で評価した。その平均値を結果として表4に示す。
【0074】
5 全くシミが確認できない。
4 ほとんどシミが確認できない。
3 わずかにシミが確認できる。
2 ややシミが確認できる。
1 明らかにシミが確認できる。
【0075】
【表4】
【0076】
表4の結果に示されるように、本発明の清拭シートは、消臭性、布の風合い、シミの付き残りに優れることが明らかになった。
【0077】
特に、消臭成分として、さとうきび抽出物を用いたシートは、消臭性、布の風合い、及びシミの付き残りの全てにおいて、優れた効果を有することが明らかになった。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、家庭では水洗いすることのできない起毛皮革製品や
ドライマークの付された繊維製品を、シワや型崩れを発生することなく、
簡便に、洗浄並びに消臭することができる。
【0079】
ドライマーク衣料用洗浄剤を用いて、繊維製品を家庭で水洗いする場合には、シワ、型崩れ等が発生し、アイロンによる仕上げが必要という不都合な点がある。しかし、本発明を適用すれば、外出先でも簡単に清拭することができ、シワ、型崩れが発生しない等の利点がある。
【0080】
また、起毛皮革製品は、通常、家庭で水洗いすることはできない。しかし、本発明を用いれば、家庭又は外出先において、製品表面の清拭、消臭等を簡便に行うことが可能になる。また、クリーニングを行う場合と比べて、費用がかからず時間も短縮される。
【0081】
また、消臭スプレーを用いる場合には、乾燥するまでに時間がかかり、直ぐに着用又は使用できないという不都合な点がある。しかし、本発明を適用する場合には、乾燥するまでの時間が短く、残留成分による繊維生地や起毛皮革生地への悪影響が少ない等の利点がある。
【0082】
更に、消臭成分として、さとうきび抽出物を使用した場合には、布の風合いの損失やシミの付き残りが抑制され、かつ優れた消臭効果も得ることができ、衣料用として、特に好適な清拭シートを得ることができる。
【0083】
また、消臭成分と洗浄成分を併用することによって、悪臭成分を取り除く効果が一層高まり、消臭効果のより優れた清拭シートを得ることができる。
Claims (7)
- 不織布に水溶性溶液を含浸させた繊維製品及び/又は起毛皮革製品用清拭シート。
- 繊維製品及び/又は起毛皮革製品が衣料である請求項1に記載の清拭シート。
- 水溶性溶液が消臭成分を含有する請求項1又は2のいずれかに記載の清拭シート。
- 水溶性溶液が洗浄成分を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の清拭シート。
- 袋状に形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の清拭シート。
- 不織布の裏面が、液体不透過性の膜でラミネート加工されている請求項5に記載の清拭シート。
- 液体不透過性の膜中に無機及び/又は有機性粒子を含ませ、不織布の表面に凹凸を付した請求項6に記載の清拭シート。
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JP2002199107A JP2004043982A (ja) | 2002-07-08 | 2002-07-08 | 繊維製品及び/又は起毛皮革製品用清拭シート |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7930790B2 (en) | 2007-04-26 | 2011-04-26 | The Procter & Gamble Company | Fabric exfoliation method and articles |
JP2020062199A (ja) * | 2018-10-17 | 2020-04-23 | アルケア株式会社 | オストミー装具用潤滑消臭剤組成物 |
JP2022033148A (ja) * | 2018-08-15 | 2022-02-28 | 株式会社パルグループホールディングス | 剤および消臭方法 |
-
2002
- 2002-07-08 JP JP2002199107A patent/JP2004043982A/ja not_active Withdrawn
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