JP2001046795A - ウール系繊維衣類の湿式空気洗浄仕上加工方法 - Google Patents

ウール系繊維衣類の湿式空気洗浄仕上加工方法

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JP2001046795A
JP2001046795A JP11225155A JP22515599A JP2001046795A JP 2001046795 A JP2001046795 A JP 2001046795A JP 11225155 A JP11225155 A JP 11225155A JP 22515599 A JP22515599 A JP 22515599A JP 2001046795 A JP2001046795 A JP 2001046795A
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clothes
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Taizo Baba
耐三 馬場
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  • Accessory Of Washing/Drying Machine, Commercial Washing/Drying Machine, Other Washing/Drying Machine (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 水を主たる媒体とするクリーニング方法及び
ドライクリーニング方法の弊害を完全に回避し、公害除
去に優れ人体にも安全な、かつ生産性に頗る資する、ウ
ール系繊維衣類の湿式空気洗浄仕上加工方法を提供す
る。 【解決手段】 衣類表面全体にシリコン水溶液を噴霧
し、衣類を湿潤することにより全体に湿気を含ませた
後、機内が温度60度乃至70度に設定された空気吸排
気式回転乾燥機に投入し、乾燥機内において3分程度乾
燥させることにより、シリコン水溶液の作用及び乾燥機
内熱風並びに攪拌により衣類の繊維が膨潤することをも
って、衣類に付着したほこり、ちり、花粉及び臭気を遊
離分解させ、かつ、乾燥機内熱風とはたき作用により衣
類の整毛、除菌、復元をもたらし、その後乾燥機より取
り出した衣類を陰干しすることにより、衣類が元の状態
に完全に自然復元し完了する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カシミア、モヘ
ア、アンゴラ、毛皮等のウール系繊維からなる衣服に付
着した、ほこり、ちり、花粉、臭気を除去することを主
目的とした日常的メンテナンスに適するウール系繊維衣
類の湿式空気洗浄仕上加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】衣類のクリーニング方法においては、従
来提供されている方法を大別すると、いわゆる水を主た
る媒体とするクリーニング方法とドライクリーニング方
法に分けられる。
【0003】水を主たる媒体とするクリーニングは、水
の攪拌をもって衣類を洗浄するランドリーあるいは家庭
内で一般になされる洗濯機での洗濯及び一定の溶液に衣
類を浸漬するウェットクリーニングの洗濯方法が知られ
ている。
【0004】しかしながら、かかる方法では、衣類の色
あせ、型くずれ、しわの発生、衣類間の色移り、縮みな
ど、様々の問題点を招来させることとなる。
【0005】また、かかる方法による洗濯後の自然乾燥
の後においては衣類表面にしわが発生するため、着用に
際しては、プレス作業が必須となるが、これは非常に煩
雑な作業であり、その完全性を期すには特殊な技量を要
するものであり、利用者に極めて多大な負担を強いるこ
ととなる。
【0006】さて、本発明にかかる湿式空気洗浄仕上加
工方法における洗浄対象であるカシミヤなどに代表され
るウール系の高級繊維衣類の場合、そもそも洗濯機での
水洗い、溶液への浸漬に適さないものが圧倒的に多く、
仮にそれを実施してしまうと、これらの製品の素材本来
が有する品質を根本的に損なうおそれが高い。
【0007】とりわけ、これらのウール系繊維製品に対
し、洗濯、脱水後ただちに乾燥機を使用した場合は、フ
ェルト化現象を起こし、これら衣類本体の極端な縮みの
原因となりうるものである。
【0008】一方、ドライクリーニングは、前記の水を
主たる媒体としたクリーニングのように、洗濯時におけ
る衣類の色落ち、型くずれ、縮み、等が生ずることは、
相対的に減ずるものの、以下に示す弊害を有するもので
ある。
【0009】ドライクリーニングは乾燥時間におよそ3
0分程度要し、衣類をはたきながら乾燥させることとな
るので、衣類本地に接着される裏地がよじれ又は剥離し
てしまう原因となりうる。
【0010】また、使用される溶剤の影響により、ボタ
ン等の衣類の装飾物が腐食してしまったり、合成皮革の
付属箇所が硬化、破損するおそれがある。
【0011】また、ドライクリーニングにおいて必須に
使用される活性剤洗浄液によって、カシミア等のウール
系繊維製品においては、表面に付着した、ちり、ほこ
り、花粉等の汚れが生地の奥に潜り込んでしまい、生地
の表面が目詰まり窒息状態をもたらすこととなる。これ
では、常態最も付着しやすい汚れを除去するべき日常的
な衣類のメンテナンスとして全く機能しないばかりでな
く、かえって、衣類の本来有するところの、色、つやな
どその品質が加速度的に劣化することとなる。
【0012】さらに、ドライクリーニングは脱脂能力が
強大であるため、数回クリーニングを実施すると、生地
自体が固化し風合いが落ちてしまい、殊に、カシミア、
モヘア、アンゴラなどのウール系高級繊維製品の場合、
それらの本来有する独特の風合い、通気性、光沢性、柔
軟性などが著しく劣化することとなる。
【0013】また、ドライクリーニングはその脱脂能力
により、衣類に付着した油分は落とすことができるもの
の、例えば、汗じみをはじめとする水溶性の汚れは殆ど
落とすことができず、衣類の日常的メンテナンスにおい
て必要とされる汗じみからもたらされる臭気の除去は全
くなし得ず、特別な汚れを除去する以外はその効果はみ
るべきものはない。
【0014】ドライクリーニングに汎用的に使用される
石油系溶剤は、公害、環境破壊を誘発する物質であり、
その処理状況によっては人体にも悪影響を及ぼす危険が
高い。例えば、昨今顕現化している問題に徴するなら
ば、クリーニングの乾燥不十分により溶剤が残存した衣
類を着用したところ、着用者の皮膚にやけどに類する症
状がみられるなど、その弊害が散見されるところであ
る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
点に鑑みなされたものであり、その目的とするところ
は、従来提供されている水を主たる媒体とするクリーニ
ング方法及びドライクリーニング方法の弊害を完全に回
避し、湿式空気洗浄仕上加工なる方法を実現、提供させ
ることにより、クリーニング事業者においてはこれまで
の水を主媒体としたクリーニング方法又はドライクリー
ニング方法とは相違する全く新規なクリーニング方法を
選択可能とし消費者のニーズにきめ細やかに対応するこ
とを可能とし、また各家庭においては何人も極めて容易
に実施することができると共に、環境保全、公害除去に
優れ人体にも安全な、かつ生産性に頗る資する、ウール
系繊維衣類の湿式空気洗浄仕上加工方法を提供するもの
である。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、ウール系繊維衣類の湿式空気洗浄仕上加
工方法において、該衣類表面全体にシリコン水溶液を噴
霧し、該衣類を湿潤することにより全体に湿気を含ませ
た後、機内が温度60度乃至70度に設定された空気吸
排気式回転乾燥機に投入し、該乾燥機内において3分程
度乾燥させることにより、該シリコン水溶液の作用及び
乾燥機内熱風並びに攪拌により該衣類の繊維が膨潤する
ことをもって、該衣類に付着したほこり、ちり、花粉及
び臭気を遊離分解させ、かつ、該乾燥機内熱風とはたき
作用により該衣類の整毛、除菌、復元をもたらし、その
後該乾燥機より取り出した該衣類を陰干しすることによ
り、該衣類が元の状態に完全に自然復元し完了すること
を特徴とするものである。
【0017】また、衣類の湿式空気洗浄仕上加工方法に
おける噴霧水溶液として、ジメチルシリコンオイルに重
量比0.1〜10%のエステル型非イオン界面活性剤を
添加した、粒子径0.01〜0.1μmエマルジョンを
用いることを特徴とする。
【0018】また、噴霧水溶液においてエステル型非イ
オン界面活性剤がポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸
エステルよりなることを特徴とする。
【0019】また、噴霧水溶液におけるジメチルシリコ
ンオイルの分子量が10000〜40000とすること
を特徴とする。
【0020】ここに、「湿式空気洗浄」とは、従来提供
されていた水を主たる媒体とするクリーニングを「水式
クリーニング」、ドライクリーニングを「乾式クリーニ
ング」とそれぞれ定義し、これらのクリーニング方法の
いわば中間的位置に存するクリーニング方法の内実を現
す名称として「湿式」なる語を創造し、具体的には、微
量の水溶液を介するものの、衣類に対し過度な水分を付
与することなく、衣類の表面にシリコン水溶液を適度に
付与することにより、衣類を湿潤させ、その後、強力な
ドライ機を用いることなく、適度な熱風及び攪拌をもっ
て、水溶液を乾燥させることにより繊維を膨潤させ、表
面に付着した汚れを除去し、衣類自体に何らの悪影響を
及ぼすことなく、メンテナンスを完了させる方法をいう
ものである。
【0021】また、ここに「洗浄」とは、これまでの記
載より明らかなように、衣類に付着するあらゆる汚れを
対象とするものでなく、ウール系繊維衣類において、こ
れに付着した、ほこり、ちり、花粉の汚れの除去並びに
主として汗じみ、着用者の体臭などからもたらされる臭
気の除去を指すものである。
【0022】また、この方法においては、原理的には、
若干の水分と気体とを融合合体させることにより、従来
のクリーニング方法における残存有害物質の発生を回避
し、極めて合理的かつ環境保全的に、衣類のメンテナン
スを実現することを図ったものである。
【0023】本発明にかかるウール系繊維衣類の湿式空
気洗浄仕上加工方法は、上記のように構成されるので、
従来提供されている水を主たる媒体とするクリーニング
方法並びにドライクリーニング方法における弊害を完全
に回避することができ、すなわち、湿式空気洗浄仕上加
工という従来に存しない新規な方法により、以下の効果
を奏しうるものである。
【0024】ウール系繊維製品に日常的に付着する、ち
り、ほこり、花粉の汚れの除去、脱臭という日常的なメ
ンテナンスが、衣類のシルエットを崩すことなく、生地
の良好な状態を保持しつつ行うことが可能となる。
【0025】すなわち、これまで、衣類の汚れ状態にか
かわらず、水を主体としたクリーニング又はドライクリ
ーニングのみの選択をせざるを得なかったことを根本的
に打開する洗浄方法を提供することにより、前記した従
来のクリーニング方法における弊害を回避することが可
能となる。
【0026】本発明にかかる湿式空気洗浄仕上加工方法
においては、適量の水溶液を噴霧し、湿潤させることと
なるので、水を主たる媒体としたクリーニング方法にみ
られるような衣類の縮み、色落ち、あるいは衣類間にお
ける色移りが皆無である。
【0027】また、乾燥機内の熱風及び攪拌を介するこ
とにより、衣類の繊維を膨潤させ、もって、付着したほ
こり、ちり、花粉の汚れ並びに臭気を遊離分解させ、更
に、整毛、除菌、復元を可能とすることにより、ウール
系繊維衣類の日常的メンテナンスを効果的に行うことが
可能となる。
【0028】また、洗浄後、陰干しをすることにより、
衣類の素材が本来有する復元力を利用することが可能と
なり、元の状態に完全に復元することとなるので、衣類
のプレス、アイロンがけの必要性がなく、従来要した労
力、時間などの関連コストを大幅に削減することができ
る。
【0029】また、家庭内においては汎用の乾燥機を利
用することができるので、何人であっても極めて容易に
行うことができ、飛躍的な低コストにより、一般に難し
いとされたウール系繊維衣類の日常的メンテナンスを行
うことが可能となる。
【0030】一方、クリーニング事業者においても、本
発明の湿式空気洗浄を選択的に実施することにより、環
境汚染問題を減らすことで社会的貢献を可能とすると共
に、前の大型産業用乾燥機を改良することにより湿式空
気洗浄との併用を容易ならしめ、もって生産性が増大
し、コストを飛躍的に節約させることが可能となる。
【0031】本発明の湿式空気洗浄において使用される
シリコン水溶液はドライクリーニング溶剤と異なり環境
に優しく、人体に何ら悪影響を及ぼすことがないので、
身体に密着する衣類のメンテナンスとして極めて安全な
方法を提供することが可能となる。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明する。
【0033】本発明にかかる衣類の簡易手入れ方法は、
各種衣類のうち、動物性繊維よりなる生地を用いたもの
に適するものであり、その具体的対象としては、カシミ
ア、アンゴラ、モヘア、ビキューナ、キャメル、毛皮な
どのウール系繊維製品が想定される。
【0034】まず、衣類表面全体に、シリコン水溶液を
噴霧する。なお、噴霧方法は、例えば、ノズル式噴霧器
に該シリコン水溶液を充填しなすものであり、可及的に
は、より細分化した水溶液を均等に噴霧できるものが、
本発明の要部である湿潤、膨潤の各作用を促進するうえ
で好ましいものである。
【0035】また、水溶液は、衣類表面全体に噴霧し、
衣類を湿潤させることが、本発明においては、重要とな
る。すなわち、過度な水分付与により、浸漬状態に類す
る程度に衣類を濡らしてはならない。
【0036】なお、例えば、汗染みなどが発生しやすい
脇部などにはシリコン水溶液を集中的に噴霧することに
より、かかる箇所における脱臭効果が高まることとな
る。
【0037】かかる水溶液としては、請求項2に記載の
ように、例えばジメチルシリコンオイルに重量比0.1
〜10%のエステル型非イオン界面活性剤を添加したエ
マルジョンを用いることが好適と考え得る。
【0038】また、エステル型非イオン界面活性剤とし
ては、請求項3に記載のように例えば、ポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステルをエマルジョン化したも
のが適しており、かつ、粒子径0.01〜0.1μmが
望ましい。これにより、衣類、殊にウール系繊維製品に
噴霧することにより、水溶液が浸透しやすくなり、更に
噴霧に際して均等的拡散に優れるものとなる。
【0039】かつ、上記の水溶液により、衣類に付着し
たほこり、ちり、花粉などの汚れに対し作用し、これら
の汚れを、遊離、分解させその除去を容易ならしめるこ
とが可能となる。
【0040】また、請求項4に記載のように、ジメチル
シリコンオイルは分子量10000〜40000の低粘
度エマルジョン化することで、溶液の安定、他成分との
相溶性を図ることが可能となり、保存、使用環境の変動
によっても、その洗浄効果を減じしめることはない。
【0041】上記のように、ウール系繊維衣類に対し、
シリコン水溶液をその表面全体にまんべんなく噴霧させ
た後、湿潤させ、シリコン水溶液の湿り気を、衣類全体
に馴染ませるようにする。ここで十分水溶液を馴染ませ
ることにより、上記したようなシリコン水溶液のもたら
す、汚れの除去、臭気の除去、生地表面の平滑、除菌、
整毛の各効果を万全ならしめるものとなる。
【0042】なお、その際、衣類は、型を整え吊り下げ
るなどすることは特段必要なく、例えば、丸めた状態に
おいて放置しても何ら効果に影響を及ぼさない。
【0043】次に、全体に水溶液の湿り気が全体に馴染
んだ衣類を、空気吸排気式回転乾燥機に投入する。
【0044】乾燥機内の熱風及び攪拌により、衣類に付
着したほこり、ちり、花粉が衣類の繊維の膨潤によって
遊離、剥離し、かつ、衣類に付着した脱臭、除菌、復元
の促進を可能とするものである。
【0045】乾燥機は、機内を温度60度乃至70度に
設定する。かかる温度内に設定することにより、湿潤さ
れた衣類が、適度なペースで乾燥していき、衣類の繊維
の適正の膨潤をもたらし、衣類表面に付着したほこり、
ちり、花粉などの汚れが、水溶液と共に、除去せしめる
こととなる。
【0046】なお、乾燥機内温度80度に設定して本発
明の湿式空気洗浄仕上加工を実施したところ、衣類の乾
燥が迅速に過ぎ、除去すべきほこりなどの汚れが、生地
に残存し、乾燥機に備えられたフィルターに汚れが十分
に取り込み得なかった。
【0047】また、乾燥機内40度前後にて実施したと
ころ、乾燥時間を要し過ぎ、最終結果として汚れが除去
でき得るとしても、乾燥工程が長きに過ぎるため、衣類
への負担が過重となり、風合いを劣化させることとな
り、メンテナンスとして採用し得ないものであった。
【0048】従って、3分程度の乾燥時間は、湿潤、膨
潤という本発明における必須構成要件と密接に連動して
いるものである。
【0049】そして、乾燥終了後、乾燥機から取り出し
た衣類は、ハンガーなどに掛け、陰干しにする。
【0050】なお、衣類は、陰干しの間、素材本来の有
する自然の復元力により復元するため、元の状態に完全
に復元するので、表面のしわなどは発生せず、洗浄後の
プレス、アイロンがけは全く不要となる。
【0051】なお、本発明にかかる湿式空気洗浄仕上加
工方法の効果を示すため、以下の実験を実施した。
【0052】実験に供した対象衣類は、カシミア100
%の黒色のオーバーコートであり、従来のクリーニング
方法であるドライクリーニング及び水洗いクリーニング
との比較において行った。また、本発明にかかる湿式空
気洗浄仕上加工においてはシリコン水溶液及び一般に汎
用される家庭用乾燥機を使用し、ドライクリーニングに
おいては石油系溶剤及び業務用ドライ機を、水洗いクリ
ーニングにおいては家庭用洗濯機及び自然天日乾燥によ
り、実施した。
【0053】その結果は、図2のとおりであるが、本発
明の湿式空気洗浄仕上加工と水洗いクリーニングとの比
較においては、色つや、毛並み、しわ、型くずれ、柔軟
性保持、縮みの各仕上状態において、圧倒的優位な結果
を得ることが出来た。
【0054】また、ドライクリーニングにおいては、水
洗いクリーニングに比較すれば相対的に良好な結果を得
られたものの、本発明の湿式空気洗浄仕上加工方法に比
較すれば、ほこり、ちりの汚れの取れ具合、汗、体臭な
どの臭気の除去、色つやの保持、等において相違が見ら
れ、特筆すべきは、カシミヤの黒色が、本発明では本来
有する深みのある黒色となり得たが、ドライクリーニン
グでは、白みがかった、光沢の褪せたものとなってしま
った。かかる現象は、ドライクリーニングを繰り返し行
うと更に顕著となるものである。
【0055】
【発明の効果】本発明にかかるウール系繊維衣類の湿式
空気洗浄仕上加工方法は、上記のように構成されるの
で、従来提供されている水を主たる媒体とするクリーニ
ング方法並びにドライクリーニング方法における弊害を
完全に回避することができ、すなわち、湿式空気洗浄仕
上加工という従来に存しない新規な方法により、以下の
効果を奏しうるものである。
【0056】ウール系繊維製品に日常的に付着する、ち
り、ほこり、花粉の汚れの除去、脱臭という日常的なメ
ンテナンスが、衣類のシルエットを崩すことなく、生地
の良好な状態を保持しつつ行うことが可能となる。
【0057】すなわち、これまで、衣類の汚れ状態にか
かわらず、水を主体としたクリーニング又はドライクリ
ーニングのみの選択をせざるを得なかったことを根本的
に打開する洗浄方法を提供することにより、前記した従
来のクリーニング方法における弊害を回避することが可
能となる。
【0058】本発明にかかる湿式空気洗浄仕上加工方法
においては、適量の水溶液を噴霧し、湿潤させることと
なるので、水を主たる媒体としたクリーニング方法にみ
られるような衣類の縮み、色落ち、あるいは衣類間にお
ける色移りが皆無である。
【0059】また、乾燥機内の熱風及び攪拌を介するこ
とにより、衣類の繊維を膨潤させ、もって、付着したほ
こり、ちり、花粉の汚れ並びに臭気を遊離分解させ、更
に、整毛、除菌、復元を可能とすることにより、ウール
系繊維衣類の日常的メンテナンスを効果的に行うことが
可能となる。
【0060】また、洗浄後、陰干しをすることにより、
衣類の素材が本来有する復元力を利用することが可能と
なり、元の状態に完全に復元することとなるので、衣類
のプレス、アイロンがけの必要性がなく、従来要した労
力、時間などの関連コストを大幅に削減することができ
る。
【0061】また、家庭内においては汎用の乾燥機を利
用することができるので、何人であっても極めて容易に
行うことができ、飛躍的な低コストにより、一般に難し
いとされたウール系繊維衣類の日常的メンテナンスを行
うことが可能となる。
【0062】本発明の湿式空気洗浄において使用される
シリコン水溶液はドライクリーニング溶剤と異なり環境
に優しく、人体に何ら悪影響を及ぼすことがないので、
身体に密着する衣類のメンテナンスとして極めて安全な
方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の湿式空気洗浄仕上加工方法を経時的概
念的に表した図。
【図2】本発明の湿式空気洗浄仕上加工方法を従来のク
リーニング方法と比較して実験結果を表した表
【符号の説明】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ウール系繊維衣類の湿式空気洗浄仕上加工
    方法において、該衣類表面全体にシリコン水溶液を噴霧
    し、該衣類を湿潤することにより全体に湿気を含ませた
    後、機内が温度60度乃至70度に設定された空気吸排
    気式回転乾燥機に投入し、該乾燥機内において3分程度
    乾燥させる間に、該シリコン水溶液の作用及び乾燥機内
    熱風並びに攪拌により該衣類の繊維が膨潤することをも
    って、該衣類に付着したほこり、ちり、花粉及び臭気を
    遊離分解させ、かつ、該乾燥機内熱風とはたき作用によ
    り該衣類の整毛、除菌、復元をもたらし、その後該乾燥
    機より取り出した該衣類を陰干しすることにより、該衣
    類が元の状態に完全に自然復元し完了することを特徴と
    する衣類の湿式空気洗浄仕上加工方法。
  2. 【請求項2】噴霧水溶液として、ジメチルシリコンオイ
    ルに重量比0.1〜10%のエステル型非イオン界面活
    性剤を添加した、粒子径0.01〜0.1μmエマルジ
    ョンを用いることを特徴とする請求項1に記載される衣
    類の湿式空気洗浄仕上加工方法。
  3. 【請求項3】エステル型非イオン界面活性剤としてポリ
    オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを用いること
    を特徴とする請求項2に記載される衣類の湿式空気洗浄
    仕上加工方法。
  4. 【請求項4】ジメチルシリコンオイルの分子量が100
    00〜40000とすることを特徴とする請求項2又は
    3に記載される衣類の湿式空気洗浄仕上加工方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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