JP2004043445A - 経口用1β−メチルカルバペネム誘導体 - Google Patents

経口用1β−メチルカルバペネム誘導体 Download PDF

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JP2004043445A
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Keiko Kobayashi
小林 慶行
Yuka Ashida
芦田 由香
Takuya Uchida
内田 琢也
Katsuhiko Kojima
小島 克彦
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Abstract

【課題】
広範囲の病原性細菌に対して強力でバランスのとれた抗菌活性を有するカルバペネム誘導体を見出すこと。
【解決手段】
一般式
【化1】
Figure 2004043445

[式中、R及びRは、互いに独立して、水素原子又はC−Cアルキル基を示し、
は、C−C15アルキル基、C−Cシクロアルキル基又はC−C10アリール基を示し、
nは、1、2又は3を示し、
Xは、硫黄原子又は酸素原子を示し、
、R及びR基は、互いに独立して、水素原子、C−Cアルキル基、ヒドロキシC−Cアルキル基、C−Cシクロアルキル基、C−C12アラルキル基又はC−C10アリール基を示し、
Alkは、置換されてよいC−C10アルキレン基{当該置換基は、水酸基、C−Cシクロアルキル基、置換されてよいカルバモイル基又はC−C10アリール基である。}を示し、
p、q、r及びsは、互いに独立して、1、2又は3を示す。}で表される基を示す。]で示される化合物又はその薬理上許容される塩若しくはエステル誘導体。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた抗菌活性を有する1β−メチルカルバペネム化合物(I)又はその薬理上許容される塩若しくはエステル誘導体、それらを有効成分として含有する医薬組成物(特に抗菌剤)、該医薬組成物を製造するためのそれら化合物又はその薬理上許容される塩若しくはエステル誘導体の使用、或はそれら化合物又はその薬理上許容される塩若しくはエステル誘導体の薬理的な有効量を温血動物(特にヒト)に投与する疾病(特に細菌感染症)の予防方法又は治療方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
広範囲の病原性細菌に対して強力でバランスのとれた抗菌活性を有するカルバペネム誘導体の開発が望まれている。特許文献1には本発明と類似する構造を有する1β−メチルカルバペネム化合物が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−53453号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
発明者等は、1β−メチルカルバペネム化合物について永年にわたり種々検討した結果、本発明の化合物(I)が従来の1β−メチルカルバペネム誘導体に比して抗菌力が強く、細菌感染症、特に呼吸器系への感染症を治療若しくは予防(特に治療)する抗菌剤として有効であることを見出し本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
一般式
【0006】
【化15】
Figure 2004043445
【0007】
[式中、R及びRは、互いに独立して、水素原子又はC−Cアルキル基を示し、
は、C−C15アルキル基、C−Cシクロアルキル基又はC−C10アリール基を示し、
nは、1、2又は3を示し、
Xは、硫黄原子又は酸素原子を示し、
Aは、式
【0008】
【化16】
Figure 2004043445
【0009】
{式中、R、R及びR基は、互いに独立して、水素原子、C−Cアルキル基、ヒドロキシC−Cアルキル基、C−Cシクロアルキル基、C−C12アラルキル基又はC−C10アリール基を示し、
Alkは、置換されてよいC−C10アルキレン基{当該置換基は、水酸基、C−Cシクロアルキル基、置換されてよいカルバモイル基(当該置換基は、C−Cアルキル基であり、2個の当該アルキル基はそれらが結合する窒素原子と一緒になって置換されてよい3乃至7員含窒素複素環を形成してもよい。)又はC−C10アリール基である。}を示し、
p、q、r及びsは、互いに独立して、1、2又は3を示す。}で表される基を示す。]で示される化合物又はその薬理上許容される塩若しくはエステル誘導体に関する。
【0010】
上記において、R、R、R、R及びRにおける「C−Cアルキル基」並びにR、R及びRにおける「C−C12アラルキル基」の「アルキル」部分としては、炭素数1乃至6個の直鎖又は分枝状の飽和炭化水素基を示し、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、2−メチルブチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、イソヘキシル、4−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、1−メチル−2−メチルプロピル基等を挙げることができる。好適にはC−Cアルキル基であり、特に好適にはメチル基である。
【0011】
における「C−C15アルキル基」は、炭素数1乃至15個の直鎖又は分枝状の飽和炭化水素基を示し、前記「C−Cアルキル基」のほかに、例えばn−ヘプチル、イソヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル基等を挙げることができる。好適にはC−Cアルキル基であり、より好適には、C−Cアルキル基であり、特に好適にはメチル基である。
【0012】
、R、R及びRにおける「C−Cシクロアルキル基」並びにAlkの「置換されてよいC−C10アルキレン基」の置換基における「C−Cシクロアルキル基」は、炭素数3乃至7個の環状炭化水素基を示し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチル基である。好適にはC−Cシクロアルキル基であり、より好適にはシクロヘキシル基である。
【0013】
、R、R及びRにおける「C−C10アリール基」、R、R及びRにおける「C−C12アラルキル基」の「アリール」部分並びにAlkの「置換されてよいC−C10アルキレン基」の置換基における「C−C10アリール基」としては、例えばフェニル、インデニル、ナフチル基を挙げることができ、好適にはフェニル基である。
【0014】
、R及びRにおける「C−C12アラルキル基」は、前記「C−C10アリール基」が1個置換した前記「C−Cアルキル基」であり、好適には、ベンジル基である。
【0015】
Alkにおける「C−C10アルキレン基」は、炭素数2乃至10個の直鎖若しくは分枝鎖炭化水素基を示し、例えば、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、1−エチル−1,2−エチレン基、1−プロピル−1,2−エチレン基、1−イソプロピル−1,2−エチレン基、1−ブチル−1,2−エチレン基、1,2−ジメチル−1,2−エチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等を挙げることができる。好適には、C−Cアルキレン基であり、より好適には、式
【0016】
【化17】
Figure 2004043445
【0017】
(式中、Rは、C−Cアルキル基を示す。)で表される基である。
【0018】
Alkの「置換されてよいC−C10アルキレン基」の置換基の「置換されてよいカルバモイル基」の置換基における「置換されてよい3乃至7員複素環基」の「3乃至7員複素環基」は、窒素原子を1又は2個含み、酸素又は硫黄原子を含んでいてもよい飽和複素環基であり、例えばアジリジノ、アゼチジノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、チオモルホリノ基を挙げることができ、好適には4乃至6員含窒素複素環であり、更に好適にはアゼチジノ、ピペラジノ、モルホリノ又はチオモルホリノ基である。
【0019】
Alkの「置換されてよいC−C10アルキレン基」の置換基の「置換されてよいカルバモイル基」の置換基における「置換されてよい3乃至7員複素環基」は、ヒドロキシC−Cアルキル基、アミノC−Cアルキル基(アミノ部分は1又は2個のC−Cアルキル基で置換されていてもよい)、カルバモイル基(アミノ部分は1又は2個のC−Cアルキル基で置換されていてもよい)、カルボキシル基、水酸基、アミノ基(1又は2個のC−Cアルキル基で置換されていてもよい)、C−Cアルコキシ基及びC−Cアルキル基からなる群から選択される同一又は異なる1又は2個の基で置換されていてもよい前記「3乃至7員複素環基」であり、好適にはアジリジノ、アゼチジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、1−オキシチオモルホリノ又は1,1−ジオキシチオモルホリノ基である。
【0020】
、R、R又はAlkの「置換されてよいC−C10アルキレン基」の置換基の「置換されてよいカルバモイル基」の置換基の「置換されてよい3乃至7員複素環基」の置換基における「ヒドロキシC−Cアルキル基」は、1又は2個の水酸基で置換された前記「C−Cアルキル基」であり、好適には、1個の水酸基で置換されたC−Cアルキル基である。
【0021】
Alkの「置換されてよいC−C10アルキレン基」の置換基の「置換されてよいカルバモイル基」の置換基の「置換されてよい3乃至7員複素環基」の置換基における「アミノC−Cアルキル基(アミノ部分は1又は2個のC−Cアルキル基で置換されていてもよい)」の「アミノC−Cアルキル基」は、1又は2個のアミノ基で置換された前記「C−Cアルキル基」であり、好適には、1個のアミノ基で置換されたC−Cアルキル基である。
【0022】
化合物(I)の「薬学上許容されるエステル誘導体」とは、ヒト又は動物体内で加水分解等の化学的若しくは生物学的方法により開裂しもとの化合物(I)又はその塩を生成する基によって化合物(I)のカルボキシル基又は水酸基が保護されたエステル誘導体をいい、そのような誘導体か否かは、ラットやマウスのような実験動物に経口又は静脈注射により投与し、その後の動物の体液を調べ、もとの化合物(I)又はその塩を検出できることにより決定できる。
【0023】
カルボキシル基においてエステル誘導体を形成する保護基としては、例えばC−C10アルキル基、C−Cシクロアルキル基、C−CシクロアルキルC−Cアルキル基、C−C10アルカノイルオキシC−Cアルキル基、C−C10アルコキシカルボニルオキシC−Cアルキル基、置換されてよいフェニル基(当該置換基はハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、メチレンジオキシ基、C−Cアルカノイルオキシ基から選択される1又は2個の基である。)、C−C10アルカノイルオキシベンジル基、フタリジル基、5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イルメチル基等を挙げることができる。
【0024】
水酸基においてエステル誘導体を形成する保護基としては、C−C10アルカノイル基、C−C10アリールカルボニル、C−C10アルコキシカルボニル基、アミノアシル基等を挙げることができる。
【0025】
上記の「C−C10アルキル基」としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル基等を挙げることができ、好適にはC−Cアルキル基であり、更に好適にはC−Cアルキル基であり、最も好適にはエチル基である。
【0026】
「C−Cシクロアルキル基」としては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル基を挙げることができ、好適にはシクロペンチル又はシクロヘキシル基である。
【0027】
「C−CシクロアルキルC−Cアルキル基」としては、例えばシクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロプロピルプロピル、シクロプロピルブチル、シクロブチルメチル、シクロブチルエチル、シクロブチルプロピル、シクロペンチルメチル、シクロペンチルエチル、シクロペンチルプロピル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル基等を挙げることができ、好適にはシクロプロピルメチル基である。
【0028】
「C−C10アルカノイルオキシC−Cアルキル基」としては、例えば、アセトキシメチル、1−(アセトキシ)エチル、1−(アセトキシ)プロピル、1−(アセトキシ)ブチル、プロピオニルオキシメチル、1−(プロピオニルオキシ)エチル、イソプロピオニルオキシメチル、1−(イソプロピオニルオキシ)エチル、ブチリルオキシメチル、1−(ブチリルオキシ)エチル、イソブチリルオキシメチル、1−(イソブチリルオキシ)エチル、ピバロイルオキシメチル、1−(ピバロイルオキシ)エチル、バレリルオキシメチル、1−(バレリルオキシ)エチル、イソバレリルオキシメチル、1−(イソバレリルオキシ)エチル、ヘキサノイルオキシメチル、1−(ヘキサノイルオキシ)エチル、オクタノイルオキシメチル、1−(オクタノイルオキシ)エチル、デカノイルオキシメチル、シクロペンチルカルボニルオキシメチル、1−メチルシクロペンチルカルボニルオキシメチル、シクロヘキシルカルボニルオキシメチル、1−メチルシクロヘキシルカルボニルオキシメチル基等を挙げることができ、好適にはC−Cアルカノイルオキシメチル又は1−(C−Cアルカノイルオキシ)エチル基である。
【0029】
「C−C10アルコキシカルボニルオキシC−Cアルキル基」としては、例えば、メトキシカルボニルオキシメチル、1−(メトキシカルボニルオキシ)エチル、エトキシカルボニルオキシメチル、1−(エトキシカルボニルオキシ)エチル、1−(エトキシカルボニルオキシ)プロピル、1−(エトキシカルボニルオキシ)ブチル、プロポキシカルボニルオキシメチル、1−(プロポキシカルボニルオキシ)エチル、イソプロポキシカルボニルオキシメチル、1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル、ブトキシカルボニルオキシメチル、1−(ブトキシカルボニルオキシ)エチル、イソブトキシカルボニルオキシメチル、1−(イソブトキシカルボニルオキシ)エチル、s−ブトキシカルボニルオキシメチル、1−(s−ブトキシカルボニルオキシ)エチル、t−ブトキシカルボニルオキシメチル、1−(t−ブトキシカルボニルオキシ)エチル、ペンチルオキシカルボニルオキシメチル、1−(ペンチルオキシカルボニルオキシ)エチル、(1−メチルブチルオキシカルボニルオキシ)メチル、1−(1−メチルブチルオキシカルボニルオキシ)エチル、(2−メチルブチルオキシカルボニルオキシ)メチル、1−(2−メチルブチルオキシカルボニルオキシ)エチル、(3−メチルブチルオキシカルボニルオキシ)メチル、1−(3−メチルブチルオキシカルボニルオキシ)エチル、(1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシ)メチル、1−(1−エチルプロピルオキシカルボニルオキシ)エチル、ヘキシルオキシカルボニルオキシメチル、1−(ヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル、(1−メチルペンチルオキシカルボニルオキシ)メチル、1−(1−メチルペンチルオキシカルボニルオキシ)エチル、オクチルオキシカルボニルオキシメチル、1−(オクチルオキシカルボニルオキシ)エチル、デシルオキシカルボニルオキシメチル、1−(デシルオキシカルボニルオキシ)エチル、シクロペンチルカルボニルオキシメチル、1−(シクロペンチルオキシカルボニルオキシ)エチル、シクロヘキシルカルボニルオキシメチル、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル基等を挙げることができ、好適にはC−Cアルコキシカルボニルオキシメチル又は1−(C−Cアルコキシカルボニルオキシ)エチル基である。
【0030】
「置換されてよいフェニル基(当該置換基はハロゲン原子、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、メチレンジオキシ基、C−Cアルカノイルオキシ基から選択される1又は2個の基である。)」としては、例えばフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、3,4−ジメトキしフェニル、3,4−メチレンジオキシフェニル、3−アセトキシフェニル、4−アセトキシフェニル基等を挙げることができ、好適には無置換のフェニル基である。
【0031】
「C−C10アルカノイルオキシベンジル基」としては、例えば2−アセトキシベンジル、3−アセトキシベンジル、4−アセトキシベンジル、3−プロピオニルベンジル、4−プロピオニルオキシベンジル、4−ブチリルオキシベンジル、4−バレリルオキシベンジル、4−ヘキサノイルオキシベンジル、4−オクタノイルオキシベンジル、4−デカノイルオキシベンジル基等を挙げることができ、好適には3‐又は4―(C−Cアルカノイルオキシ)ベンジル基である。
【0032】
「C−C10アルカノイル基」としては、例えばホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ペンタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル基を挙げることができ、好適にはC−Cアルカノイル基である。
【0033】
「C−C10アリールカルボニル基」としては、例えばベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイル基を挙げることができ、好適にはベンゾイル基である。
【0034】
「C−C10アルコキシカルボニル基」としては、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル、デシルオキシカルボニル基等が挙げられ、好適にはC−Cアルコキシカルボニル基である。
【0035】
「アミノアシル基」としては、例えばグリシル、アラニル、β−アラニル、ロイシル、イソロイシル、フェニルアラニル、ヒスチジル、アスパラギル、プロリル、リジルのようなアミノ酸基等が挙げられ、好適にはグリシル基である。
【0036】
本発明の化合物(I)及びその薬理上許容されるエステルは、必要に応じて、「薬理上許容される塩」を形成することができる。
【0037】
「その薬理上許容される塩」とは、本発明の化合物(I)は、塩にすることができるので、その塩をいい、そのような塩としては、好適にはナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、ニッケル塩、コバルト塩等の金属塩;アンモニウム塩のような無機塩、t−オクチルアミン塩、ジベンジルアミン塩、モルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシンアルキルエステル塩、エチレンジアミン塩、N−メチルグルカミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、プロカイン塩、ジエタノールアミン塩、N−ベンジル−フェネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のような有機塩等のアミン塩;弗化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、沃化水素酸塩のようなハロゲン化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、燐酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩のような低級アルカンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩のようなアリールスルホン酸塩、酢酸、りんご酸、フマール酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、蓚酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩;及び、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩を挙げることができる。
【0038】
本発明の化合物(I)、その薬理上許容される塩及びエステル誘導体は、それらの溶媒和物(好適には、水和物)を包含する。
【0039】
本発明の化合物(I)は、不斉炭素を有し、特に明記しない限り、各不斉炭素は互いに独立して任意の配位をとることができる。本発明は、1つの立体異性体であってもよく、2つ以上の任意の立体異性体の任意の割合の混合物であってもよい。
【0040】
前記一般式(I)で表される化合物において、下記の化合物が好適である。
(1)Aについて
(1−1)Aが、式
【0041】
【化18】
Figure 2004043445
【0042】
{式中、R、R及びRは、互いに独立して、水素原子、C−Cアルキル基、C−Cシクロアルキル基、ベンジル基又はフェニル基を示し、
Alkは、置換されてよいC−Cアルキレン基(当該置換基は、C−Cシクロアルキル基又はフェニル基である。)を示し、
p、q、r及びsは、互いに独立して、1又は2を示す。}で表される基である化合物。
(1−2−1)Aが、式
【0043】
【化19】
Figure 2004043445
【0044】
(式中、Rは、水素原子を示し、p及びqが、互いに独立して、1又は2を示す。)で表される基である化合物。
(1−2−2)Aが、式
【0045】
【化20】
Figure 2004043445
【0046】
(式中、Rは、水素原子を示し、pは1を示し、qは2を示す。)で表される基である化合物。
(1−3−1)Aが、式
【0047】
【化21】
Figure 2004043445
【0048】
(式中、r及びsが、共に2である。)で表される基である化合物。
(1−4−1)Aが、式
【0049】
【化22】
Figure 2004043445
【0050】
(式中、R及びRは、すべて水素原子を示し、
Alkは、C−Cアルキレン基を示す。)で表される基である化合物。
(1−4−2)Aが、式
【0051】
【化23】
Figure 2004043445
【0052】
(式中、Rは、C−Cアルキル基を示す。)で表される基である化合物。
(2)Rについて
(2−1)Rが、水素原子又はC−Cアルキル基である化合物。
(2−2)Rが、水素原子である化合物。
(3)Rについて
(3−1)Rが、C−Cアルキル基、C−Cシクロアルキル基又はフェニル基である化合物。
(3−2)Rが、メチル基、シクロヘキシル基又はフェニル基である化合物。(4)nについて
(4−1)nが1である化合物。
(4−2)nが1であり、硫黄原子の置換位置がアゼチジン環の3位である化合物。
(5)Xについて
(5−1)Xが、硫黄原子である化合物。
(6)Rについて
(6−1)Rが、水素原子又はC−Cアルキル基である化合物。
(6−2)Rが、メチル基である化合物。
【0053】
上記における好適な置換基を2又はそれ以上任意に組み合わせて得られる化
合物は更に好適であり、例えば下記の化合物を挙げることができる。
(7)R及びRが、互いに独立して、水素原子又はC−Cアルキル基であり、Rが、C−Cアルキル基、C−Cシクロアルキル基又はフェニル基であり、nが1であり、Xが、硫黄原子であり、Aが、式
【0054】
【化24】
Figure 2004043445
【0055】
(式中、Rは、水素原子を示し、p及びqが、互いに独立して、1又は2を示す。)で表される基である化合物。
(8)R及びRが、互いに独立して、水素原子又はC−Cアルキル基であり、Rが、C−Cアルキル基、C−Cシクロアルキル基又はフェニル基であり、nが1であり、Xが、硫黄原子であり、Aが、式
【0056】
【化25】
Figure 2004043445
【0057】
(式中、r及びsが、共に2である。)で表される基である化合物。
(9)R及びRが、互いに独立して、水素原子又はC−Cアルキル基であり、Rが、C−Cアルキル基、C−Cシクロアルキル基又はフェニル基であり、nが1であり、Xが、硫黄原子であり、Aが、式
【0058】
【化26】
Figure 2004043445
【0059】
(式中、R及びRは、すべて水素原子を示し、
Alkは、C−Cアルキレン基を示す。)で表される基である化合物。
(10)Rが、水素原子であり、Rが、メチル基であり、Rが、メチル基、シクロヘキシル基又はフェニル基であり、nが1であり、硫黄原子の置換位置がアゼチジン環の3位であり、Xが、硫黄原子であり、Aが、式
【0060】
【化27】
Figure 2004043445
【0061】
(式中、Rは、水素原子を示し、pは1を示し、qは2を示す。)で表される基である化合物。
(11)Rが、水素原子であり、Rが、メチル基であり、Rが、メチル基、シクロヘキシル基又はフェニル基であり、nが1であり、硫黄原子の置換位置がアゼチジン環の3位であり、Xが、硫黄原子であり、Aが、式
【0062】
【化28】
Figure 2004043445
【0063】
(式中、r及びsが、共に2である。)で表される基である化合物。
(12)Rが、水素原子であり、Rが、メチル基であり、Rが、メチル基、シクロヘキシル基又はフェニル基であり、nが1であり、硫黄原子の置換位置がアゼチジン環の3位であり、Xが、硫黄原子であり、Aが、式
【0064】
【化29】
Figure 2004043445
【0065】
(式中、Rは、C−Cアルキル基を示す。)で表される基である化合物。
【0066】
本発明の化合物(I)は、表1〜8に具体的に例示することができる。なお、本発明の化合物(I)はこれらの例示化合物に限定されるものではない。
【0067】
以下の各表において、Meはメチル基、Etはエチル基、Prはプロピル基、iPrはイソプロピル基、Buはブチル基、tBuはtert−ブチル基、Pentはペンチル基、Hexはヘキシル基、cPrはシクロプロピル基、cBuはシクロブチル基、cPentはシクロペンチル基、cHexはシクロヘキシル基、Phはフェニル基、Bnはベンジル基、Qは5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン基を示す。また、positionは硫黄原子の結合位置を示す。
【0068】
【表1】
【0069】
【化30】
Figure 2004043445
【0070】
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【0071】
【表2】
【0072】
【化31】
Figure 2004043445
【0073】
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【0074】
【表3】
【0075】
【化32】
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【0076】
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【0077】
【表4】
【0078】
【化33】
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【0079】
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【0080】
【表5】
【0081】
【化34】
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【0082】
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【0083】
【表6】
【0084】
【化35】
Figure 2004043445
【0085】
Figure 2004043445
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【0086】
【表7】
【0087】
【化36】
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【0088】
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【0089】
【表8】
【0090】
【化37】
Figure 2004043445
【0091】
Figure 2004043445
Figure 2004043445
上記の表1〜8に例示した化合物のうち、好適な化合物は、化合物番号1−1、1−2、1−3、1−4、1−5、1−6、1−7、1−8、1−9、1−10、1−11、1−12、1−13、1−14、1−15、1−16、1−17、1−18、1−19、1−20、1−21、1−379、1−380、1−381、1−382、1−383、1−384、1−385、1−386、1−387、1−388、1−389、1−390、1−391、1−392、1−393、1−394、1−395、1−396、1−397、1−398、1−399、1−757、1−758、1−759、1−766、1−767、1−768、2−1、2−2、2−3、2−4、2−5、2−6、2−7、2−8、2−9、2−10、2−11、2−12、2−13、2−14、2−15、2−16、2−17、2−18、2−19、2−20、2−21、2−379、2−380、2−381、2−382、2−383、2−384、2−385、2−386、2−387、2−388、2−389、2−390、2−391、2−392、2−393、2−394、2−395、2−396、2−397、2−398、2−399、2−757、2−758、2−759、2−766、2−767、2−768、3−1、3−2、3−3、3−4、3−5、3−6、3−7、3−43、3−44、3−45、3−46、3−47、3−48、3−49、3−85、4−1、4−2、4−3、4−4、4−5、4−6、4−7、4−8、4−9、4−10、4−11、4−12、4−13、4−14、4−15、4−16、4−17、4−18、4−19、4−20、4−21、4−22、4−23、4−24、4−25、4−26、4−27、4−28、4−29、4−30、4−31、4−32、4−33、4−34、4−35、4−36、4−37、4−38、4−39、4−40、4−41、4−42、4−43、4−44、4−45、4−46、4−47、4−48、4−49、4−50、4−51、4−52、4−53、4−54、4−55、4−56、4−57、4−58、4−59、4−60、4−61、4−62、4−63、4−64、4−65、4−66、4−67、4−68、4−69、4−70、4−71、4−72、4−73、4−74、4−75、4−76、4−77、4−78、4−79、4−80、4−81、4−82、4−83、4−84、4−1009、4−1010、4−1011、4−1012、4−1013、4−1014、4−1015、4−1016、4−1017、4−1018、4−1019、4−1020、4−1021、4−1022、4−1023、4−1024、4−1025、4−1026、4−1027、4−1028、4−1029、4−1030、4−1031、4−1032、4−1033、4−1034、4−1035、4−1036、4−1037、4−1038、4−1039、4−1040、4−1041、4−1042、4−1043、4−1044、4−1045、4−1046、4−1047、4−1048、4−1049、4−1050、4−1051、4−1052、4−1053、4−1054、4−1055、4−1056、4−1057、4−1058、4−1059、4−1060、4−1061、4−1062、4−1063、4−1064、4−1065、4−1066、4−1067、4−1068、4−1069、4−1070、4−1071、4−1072、4−1073、4−1074、4−1075、4−1076、4−1077、4−1078、4−1079、4−1080、4−1081、4−1082、4−1083、4−1084、4−1085、4−1086、4−1087、4−1088、4−1089、4−1090、4−1091、4−1092又は4−2017の化合物である。
【0092】
更に好適には、化合物番号1−1、1−2、1−3、1−4、1−5、1−6、1−7、1−8、1−9、1−10、1−11、1−12、1−13、1−14、1−15、1−21、1−379、1−380、1−381、1−382、1−383、1−384、1−385、1−386、1−387、1−388、1−389、1−390、1−391、1−392、1−393、1−399、1−757、1−758、1−759、1−766、1−767、1−768、2−1、2−2、2−3、2−4、2−5、2−6、2−7、2−8、2−14、2−15、2−21、2−379、2−380、2−381、2−382、2−383、2−384、2−385、2−386、2−389、2−392、2−757、2−758、2−759、2−766、2−767、2−768、3−1、3−2、3−3、3−4、3−5、3−6、3−7、3−85、4−29、4−30、4−31、4−32、4−33、4−34、4−35、4−43、4−44、4−45、4−46、4−47、4−48、4−49、4−57、4−58、4−59、4−60、4−61、4−62、4−63、4−64、4−67、4−70、4−71、4−72、4−73、4−74、4−75、4−76、4−77、4−1037、4−1038、4−1039、4−1040、4−1041、4−1042、4−1043、4−1051、4−1052、4−1053、4−1054、4−1055、4−1056、4−1057、4−1065、4−1066、4−1067、4−1068、4−1069、4−1070、4−1071、4−1079、4−1080、4−1081、4−1082、4−1083、4−1084、4−1085又は4−2017の化合物である。
【0093】
より更に好適には、化合物番号1−1、1−2、1−3、1−4、1−5、1−6、1−7、1−8、1−14、1−15、1−21、1−757、1−758、1−759、2−1、2−2、2−3、2−4、2−5、2−6、2−7、3−1、3−2、3−3、3−4、3−5、3−6、3−7、4−29、4−30、4−31、4−32、4−33、4−34、4−35、4−43、4−44、4−45、4−46、4−47、4−48、4−49、4−57、4−58、4−59、4−60、4−61、4−62、4−63、4−71、4−72、4−73、4−74、4−75、4−76、4−77、4−1037、4−1038、4−1039、4−1040、4−1041、4−1042、4−1043、4−1051、4−1052、4−1053、4−1054、4−1055、4−1056、4−1057、4−1065、4−1066、4−1067、4−1068、4−1069、4−1070、4−1071、4−1079、4−1080、4−1081、4−1082、4−1083、4−1084、4−1085又は4−2017の化合物である。
【0094】
最も好適には、化合物番号1−1、1−7、1−8、1−14、1−15、1−21、1−757、1−758、1−759、4−57、4−63又は4−2017の化合物である。
【0095】
本発明の化合物(I)の薬理上許容される塩若しくはエステル誘導体は、表9に具体的に例示することができる。なお、本発明の塩若しくはエステル誘導体はこれらの例示化合物に限定されるものではない。
【0096】
なお、表9において水酸基とは、カルバペネム6位のヒドロキシエチル基の水酸基を、カルボキシル基とは、カルバペネム3位のカルボキシル基を、表9の水酸基若しくはカルボキシル基の保護基において、Hは当該化合物(I)の当該基が保護されていないことを、Naは当該化合物(I)がナトリウム塩を形成していることをそれぞれ示す。
【0097】
【表9】
Figure 2004043445
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上記の表9に例示した化合物のうち、好適な化合物は、化合物番号5−17、5−31、5−32、5−33、5−34、5−35、5−36、5−37、5−38、5−39、5−40、5−41、5−42、5−43、5−44、5−45、5−46、5−47、5−48、5−49、5−50、5−51、5−52、5−53、5−54、5−55、5−56、5−57、5−58、5−59、5−60、5−61、5−62、5−63、5−64、5−65、5−66、5−67、5−84、5−98、5−99、5−100、5−101、5−102、5−103、5−104、5−105、5−106、5−107、5−108、5−109、5−110、5−111、5−112、5−113、5−114、5−115、5−116、5−117、5−118、5−119、5−120、5−121、5−122、5−123、5−124、5−125、5−126、5−127、5−128、5−129、5−130、5−131、5−132、5−133、5−134、5−151、5−165、5−166、5−167、5−168、5−169、5−170、5−171、5−172、5−173、5−174、5−175、5−176、5−177、5−178、5−179、5−180、5−181、5−182、5−183、5−184、5−185、5−186、5−187、5−188、5−189、5−190、5−191、5−192、5−193、5−194、5−195、5−196、5−197、5−198、5−199、5−200、5−201、5−218、5−232、5−233、5−234、5−235、5−236、5−237、5−238、5−239、5−240、5−241、5−242、5−243、5−244、5−245、5−246、5−247、5−248、5−249、5−250、5−251、5−252、5−253、5−254、5−255、5−256、5−257、5−258、5−259、5−260、5−261、5−262、5−263、5−264、5−265、5−266、5−267又は5−268の化合物である。
【0098】
更に好適には、化合物番号5−17、5−42、5−43、5−44、5−45、5−46、5−47、5−48、5−49、5−50、5−51、5−52、5−53、5−54、5−55、5−56、5−57、5−58、5−59、5−60、5−61、5−62、5−63、5−64、5−65、5−66、5−67、5−84、5−109、5−110、5−111、5−112、5−113、5−114、5−115、5−116、5−117、5−118、5−119、5−120、5−121、5−122、5−123、5−124、5−125、5−126、5−127、5−128、5−129、5−130、5−131、5−132、5−133、5−134、5−151、5−176、5−177、5−178、5−179、5−180、5−181、5−182、5−183、5−184、5−185、5−186、5−187、5−188、5−189、5−190、5−191、5−192、5−193、5−194、5−195、5−196、5−197、5−198、5−199、5−200、5−201、5−218、5−243、5−244、5−245、5−246、5−247、5−248、5−249、5−250、5−251、5−252、5−253、5−254、5−255、5−256、5−257、5−258、5−259、5−260、5−261、5−262、5−263、5−264、5−265、5−266、5−267又は5−268の化合物である。
【0099】
最も好適には、化合物番号5−17、5−53、5−60、5−61、5−62、5−63、5−64、5−65、5−66、5−67、5−84、5−120、5−127、5−128、5−129、5−130、5−131、5−132、5−133、5−134、5−151、5−187、5−194、5−195、5−196、5−197、5−198、5−199、5−200、5−201、5−218、5−254、5−261、5−262、5−263、5−264、5−265、5−266、5−267又は5−268の化合物である。
【0100】
【発明の実施の形態】
本発明の一般式(I)で表される1β−メチルカルバペネム誘導体は下記のA法又はB法に記載された方法によって製造することができる。
【0101】
[A法]
A法は、式(IIa)で表されるカルバペネム化合物と式(III)で表されるメルカプト化合物を反応させ、次いで必要により脱保護反応に付すことによって化合物(I)、(Ia)及び(Ib)を製造する方法である。
【0102】
【化38】
Figure 2004043445
【0103】
式中、R、R、R、n、X及びAは前述と同意義であり、Lは脱離基を示し、Pはカルボキシル基の保護基を示し、Pは「カルボキシル基においてエステル誘導体を形成する保護基」を示し、Pは「水酸基においてエステル誘導体を形成する保護基」を示す。
【0104】
の「カルボキシル基の保護基」は、例えばベンジル、4−メトキシベンジル、4−ニトロベンジルもしくは2−ニトロベンジルのような置換基を有してもよいベンジル基(該置換基は、ニトロ、メチル、塩素又はメトキシである);ベンズヒドリル基;アリル、2−クロロアリルもしくは2−メチルアリルのような2位に置換基を有してもよいアリル基(該置換基は、塩素又はメチルである);前述の薬理上許容されるエステルを形成する基をあげることができ、好適には置換基を有してもよいベンジル基(特に4−ニトロベンジル基)である。なお、Pが「カルボキシル基においてエステル誘導体を形成する保護基」であるとき、化合物(IV)は本発明化合物(I)のエステル誘導体に含まれる。
【0105】
の「脱離基」は、例えば式−OR10又は−S(O)R11を有する基であ
る。
【0106】
10は、メタンスルホニル、トリフルオロメタンスルホニル、エタンスルホニル、プロパンスルホニル、イソプロパンスルホニルもしくはブタンスルホニル基のようなC−Cアルカンスルホニル基;フェニルスルホニル、トリルスルホニルもしくはナフチルスルホニルのようなC−C10アリールスルホニル基;ジメチルホスホリル、ジエチルホスホリル、ジプロピルホスホリル、ジイソプロピルホスホリル、ジブチルホスホリル、ジペンチルホスホリルもしくはジヘキシルホスホリルのようなジC−Cアルキルホスホリル基又はジフェニルホスホリルもしくはジトリルホスホリルのようなジC−C10アリールホスホリル基を示し、好適にはジフェニルホスホリル基である。
【0107】
11は、例えばメチル、エチル、プロピルもしくはイソプロピルのようなC−Cアルキル基;フルオロメチル、クロロメチル、フルオロエチル、クロロエチル、フルオロプロピル、ジフルオロメチル、ジフルオロエチル、ジクロロエチル、トリフルオロメチルもしくはトリフルオロエチルのようなハロゲノC1−C4アルキル基;2−アセチルアミノエチル基;2−アセチルアミノビニル基;置換基を有してもよいフェニルもしくはナフチルのようなC−C10アリール基(該アリール基は同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよい。該置換基は、弗素、塩素、臭素のようなハロゲン原子;メチル、エチル、プロピル、イソプロピルのようなC−Cアルキル基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシのようなC−Cアルコキシ基;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニルのような(C−Cアルコキシ)カルボニル基;カルバモイル、モノもしくはジ(C−Cアルキル)カルバモイル基;ニトロ基;水酸基又はシアノ基があげられる。)又は置換基を有してもよいピリジルもしくはピリミジニルのような窒素原子を1又は2個有してもよいヘテロアリール基(該ヘテロアリール基は同一又は異なる1乃至3個の置換基を有してもよい。該置換基は、弗素、塩素、臭素のようなハロゲン原子;メチル、エチル、プロピル、イソプロピルのようなC−Cアルキル基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシのようなC−Cアルコキシ基;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニルのような(C−Cアルコキシ)カルボニル基;カルバモイル、モノもしくはジ(C−Cアルキル)カルバモイル基;ニトロ基;水酸基又はシアノ基があげられる。)を示す。
【0108】
本方法は、式(IIa)を有する化合物を塩基の存在下に式(III)を有する化合物と反応させて式(IV)を有する化合物を製造し(A1工程)、必要により次いで保護基の除去反応に付して化合物(I)を製造し(A2工程)、更に必要により次いで保護基をかける反応に付して化合物(Ia)及び(Ib)を製造する(A3工程及びA4工程)方法である。なお、Lが式−OR10で表わされる基である場合、出発原料となる式(IIa)を有する化合物は、D.H.Shih et al., Heterocycles 21, 29 (1984) に記載された方法又はそれに準ずる方法によって製造される。Lが式−S(O)R11で表わされる基である場合、原料化合物(IIa)は、特開昭62−30781号に記載された方法又はそれに準ずる方法によって製造される。以下、各工程について説明する。
【0109】
(A1工程)
A1工程は、一般式(IV)を有する化合物を製造する工程で、不活性溶剤
中、塩基の存在下、化合物(IIa)と一般式(III)を有するメルカプタン誘導体とを反応させることによって達成される。
【0110】
使用される溶剤は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に制限はなく、例えば塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類;アセトニトリルのようなニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドのようなアミド類;酢酸エチル、酢酸メチルのようなエステル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類を挙げることができ、好適にはアセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド又はテトラヒドロフランであり、特に好適にはアセトニトリルである。
【0111】
使用される塩基は、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジンのような有機アミン類又は炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムのような無機塩基を挙げることができ、好適には有機アミン類(特にジイソプロピルエチルアミン)である。
【0112】
反応温度は、通常−20℃乃至40℃(好適には−10℃乃至20℃)で行われる。反応時間は30分間乃至108時間(好適には1時間乃至18時間)である。
【0113】
反応終了後、本工程の目的化合物(IV)は常法に従って反応混合物から採取される。たとえば反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残渣に水と混合しない有機溶剤を加え、水洗後、溶剤を留去することによって得られる。得られた目的化合物は必要ならば常法、たとえば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィーなどによって更に精製することができる。また所望に応じて目的化合物(IV)を単離することなく次の工程に付すこともできる。
【0114】
(A2工程)
A2工程は、化合物(IV)を化合物(I)に変換する工程であり、化合物(IV)に含まれる保護基を除去することによって達成される。
【0115】
保護基の除去は、保護基の種類によって異なるが、一般に有機合成化学の分野において使用される方法(例えば、T.W.Greene, P.G.M.Wuts著、Protective Groups in Organic Synthesis, Second Edition, John Wiley & Sons, Inc. 1991に記載された方法)によって達成される。
【0116】
(1) 保護基が、置換基を有してもよいベンジル基、ベンズヒドリル基又は置換基を有してもよいベンジルオキシカルボニル基である場合、これらの保護基は溶媒中、接触還元触媒の存在下に水素を作用させることにより除去することができる。
【0117】
使用される接触還元触媒としては、例えばパラジウム−炭素触媒、白金触媒、ロジウム−炭素触媒等を挙げることができ、好適にはパラジウム−炭素触媒である。
【0118】
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に制限はなく、例えばメタノール、エタノールのようなアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類およびこれらの有機溶剤と水との混合溶剤であり、好適にはテトラヒドロフランと水の混合溶媒である。
【0119】
反応温度は通常0℃乃至50℃(好適には10℃乃至40℃)であり、反応時間は原料化合物及び触媒の種類によって異なるが、通常5分間乃至12時間(好適には30分間乃至4時間)である。
【0120】
反応終了後、目的化合物は常法に従って反応混合物から採取される。たとえば反応混合物から触媒等の不溶物を濾去した後、溶剤を留去することによって得ることができる。得られた化合物は、必要ならば常法たとえば再結晶法、分取用薄膜クロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィーなどによって精製することができる。
【0121】
(2) 保護基が置換されていてもよいアリル基又は置換されていてもよいアリルオキシカルボニル基である場合、これらの保護基は溶媒中、パラジウム類の存在下にトリC−Cアルキル錫ハイドライド類及び有機カルボン酸アルカリ金属塩類を作用させることによって除去することができる。アリル基を捕捉する有機塩基又は有機物を添加しても良い。
【0122】
パラジウム類としては、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムクロリド又はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムが好適である。トリアルキル錫ハイドライド類としては、トリブチル錫ハイドライドが好適である。有機カルボン酸アルカリ金属塩類としては、2−エチルヘキサン酸カリウム又は2−エチルヘキサン酸ナトリウムが好適である。アリル基を捕捉する有機塩基としてはモルホリンが好適であり、アリル基を捕捉する有機物としてはジメドンが好適である。
【0123】
脱保護剤として好適な組み合わせは、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムクロリド及びトリブチル錫ハイドライドからなる組み合わせ又はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム及び2−エチルヘキサン酸カリウムからなる組み合わせである。
【0124】
使用される溶剤は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に制限はなく、例えば塩化メチレン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロルエタンのようなハロゲン化炭化水素類;酢酸エチルのようなエステル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン若しくは1,2−ジメトキシエタンのようなエーテル類;アセトニトリルのようなニトリル類;メタノール、エタノール若しくはプロパノールのようなアルコール類;水又はこれらの混合溶剤があげられ、好適には塩化メチレン、酢酸エチル又はこれらの混合溶剤である。
【0125】
反応温度は特に限定はないが通常−20℃乃至100℃(好適には0℃乃至60℃)で行われ、反応時間は通常30分間乃至48時間(好適には30分間乃至12時間)である。
【0126】
反応終了後、目的化合物は常法に従って反応混合物から採取される。たとえば反応混合物より析出した不溶物を濾去した後、溶剤を留去することによって得ることができる。得られた化合物は、必要ならば常法たとえば再結晶法、分取用薄膜クロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィーなどによって精製することができる。
【0127】
(3) 保護基がシリル系保護基である場合、この保護基は溶媒中、弗化テトラブチルアンモニウム、弗化水素酸、弗化水素酸−ピリジン、弗化カリウムのような弗素アニオンを生成する化合物で処理するか、又は、酢酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸のような有機酸又は塩酸のような無機酸で処理することにより除去できる。
【0128】
尚、弗素アニオンにより除去する場合に、蟻酸、酢酸、プロピオン酸のような有機酸を加えることによって、反応が緩和な条件下にて進行することがある。
【0129】
使用される溶媒としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;アセトニトリル、イソブチロニトリルのようなニトリル類;水;酢酸のような有機酸及びこれらの混合溶媒を挙げることができる。
【0130】
反応温度は、通常0℃乃至100℃(好適には10℃乃至30℃)であり、反応時間は、特に限定はないが、通常1時間乃至24時間(好適には1時間乃至4時間)である。
【0131】
反応終了後、目的化合物は常法に従って反応混合物から採取される。たとえば反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残渣に水と混合しない有機溶剤を加え、水洗後、溶剤を留去することによって得られる。得られた目的化合物は必要ならば常法、たとえば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィーなどによって更に精製することができる。
【0132】
(4) 保護基がカルボキシル基又は水酸基において薬理上許容されるエステルを形成する基である場合、これらの保護基は水又は水と有機溶媒の混合溶媒中、加水分解酵素を作用させることによって除去される。
【0133】
水と混合される有機溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、プロパノールのような水と混和するエーテル類又はアルコール類が好適である。
【0134】
水又は水と有機溶媒の混合溶媒には、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムのようなアルカリ金属塩を添加するか、リン酸緩衝液等のpH緩衝液として、pHを6乃至8に維持することが好ましい。
【0135】
加水分解酵素としては、エステル結合を加水分解することができるものであれば特に限定はなく、例えばブタ肝臓由来エステラーゼを挙げることができる。
【0136】
反応温度は、通常10分間乃至8時間(好適には30分間乃至2時間)であり、反応温度は10℃乃至50℃(好適には30℃乃至40℃)である。
【0137】
反応終了後、目的化合物はイオン交換クロマトグラフィー、逆相カラムクロマトグラフィー、再沈殿、再結晶等によって単離、精製することができる。
【0138】
このようにして得られた化合物(I)は、必要に応じて、医薬品化学、特にβ−ラクタム系抗生物質の分野で知られている方法又は技術に従って、薬理上許容される塩又はエステル誘導体に変換することができる。
【0139】
(A3工程)
A3工程は、化合物(I)を化合物(Ia)に変換する工程であり、化合物(I)のカルボキシル基に保護基をかけることによって達成される。
【0140】
カルボキシル基の保護は、保護基の種類によって異なるが、一般に有機合成化学の分野において使用される方法(例えば、T.W.Greene, P.G.M.Wuts著、Protective Groups in Organic Synthesis, Second Edition, John Wiley & Sons, Inc. 1991に記載された方法)によって達成される。
【0141】
例えば、化合物(I)を塩基と反応させて塩(好適にはナトリウム塩)として予め単離しておいたものを、溶媒中、塩基の存在下に所望のエステル残基に対応するハロゲン化物を作用させることによって製造することができる。
【0142】
使用されるハロゲン化物としては、塩化物、臭化物又はヨウ化物を挙げることができ、好適にはヨウ化物である。なお、塩化物又は臭化物を使用する場合、反応液に触媒量のヨウ化ナトリウムを添加することによって反応を促進することができる。
【0143】
使用される塩基としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ピリジンのような有機アミン類;及び炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムのようなアルカリ金属炭酸塩類を挙げることができ、好適には有機アミン類(特に4−ジメチルアミノピリジン)である。
【0144】
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質ををある程度溶解させるものであれば特に制限はなく、例えばアセトニトリルのようなニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミドのようなアミド類;塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素類を挙げることができ、好適にはアミド類(特にジメチルアセタミド)又はニトリル類(特にアセトニトリル)である。
【0145】
反応温度は通常−20℃乃至50℃(好適には−10℃乃至20℃)であり、反応時間は通常0.5時間乃至108時間(好適には1時間乃至24時間)である。
【0146】
また、一方で、縮合剤及び塩基の存在下、所望のエステル残基に対応するアルコールを作用させることによっても製造することができる。
【0147】
縮合剤としては、ジエチルアゾジカルボキシラートのような光延試薬;ジフェニルホスホリルアジドのようなリン酸エステル系縮合剤;ジシクロヘキシルカルボジイミドや1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドのようなカルボジイミド系縮合剤;ヨウ化−2−クロロ−1−メチルピリジニウムのようなオニウム系縮合剤などを挙げることができる。
【0148】
使用される塩基としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンのような有機アミン類を挙げることができる。
【0149】
その他の添加剤としては、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィンのようなホスフィン類、1−ヒドロキシベンズトリアゾールのような活性エステル形成のためのアルコールを挙げることができる。
【0150】
溶媒としては、塩化メチレン、ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミドのようなアミド類;アセトニトリルのようなニトリル類;テトラヒドロフランのようなエーテル類を挙げることができる。
【0151】
これらの好適な組み合わせとしては、ジエチルアゾジカルボキシレートとトリフェニルホスフィン;ヨウ化−2−クロロ−1−メチルピリジニウムとトリブチルアミン又はトリエチルアミン;1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドと4−ジメチルアミノピリジン又は1−ヒドロキシベンズトリアゾールを挙げることができる。
【0152】
反応終了後、目的化合物は常法に従って反応混合物から採取される。たとえば反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残渣に水と混合しない有
機溶剤を加え、水洗後、溶剤を留去することによって得られる。得られた目的化合物は必要ならば常法、たとえば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィーなど
によって更に精製することができる。
【0153】
(A4工程)
A4工程は、化合物(Ia)を化合物(Ib)に変換する工程であり、化合物(Ia)の水酸基に保護基をかけることによって達成される。
【0154】
水酸基の保護は、保護基の種類によって異なるが、一般に有機合成化学の分野において使用される方法(例えば、T.W.Greene, P.G.M.Wuts著、Protective Groups in Organic Synthesis, Second Edition, John Wiley & Sons, Inc. 1991に記載された方法)によって達成される。
【0155】
例えば、化合物(Ia)に、溶媒中、縮合剤及び塩基の存在下、所望のカルボン酸を作用させることにより化合物(Ib)を製造することができる。
【0156】
縮合剤としては、ジエチルアゾジカルボキシラートのような光延試薬;ジフェニルホスホリルアジドのようなリン酸エステル系縮合剤;ジシクロヘキシルカルボジイミドや1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドのようなカルボジイミド系縮合剤;ヨウ化−2−クロロ−1−メチルピリジニウムのようなオニウム系縮合剤などを挙げることができる。
【0157】
使用される塩基としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンのような有機アミン類を挙げることができる。
【0158】
その他の添加剤としては、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィンのようなホスフィン類、1−ヒドロキシベンズトリアゾールのような活性エステル形成のためのアルコールを挙げることができる。
【0159】
これらの好適な組み合わせとしては、ジエチルアゾジカルボキシレートとトリフェニルホスフィン;ヨウ化−2−クロロ−1−メチルピリジニウムとトリブチルアミン又はトリエチルアミン;1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドと4−ジメチルアミノピリジン又は1−ヒドロキシベンズトリアゾールを挙げることができる。
【0160】
溶媒としては、例えば塩化メチレン、ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフランのようなエーテル類を挙げることができ、好適にはハロゲン化炭化水素類(特に塩化メチレン)である。
【0161】
反応温度は通常−20℃乃至80℃(好適には−10℃乃至40℃)であり、反応時間は通常0.5時間乃至108時間(好適には1時間乃至24時間)である。
【0162】
反応終了後、目的化合物は常法に従って反応混合物から採取される。たとえば反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残渣に水と混合しない有
機溶剤を加え、水洗後、溶剤を留去することによって得られる。得られた目的化合物は必要ならば常法、たとえば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィーなど
によって更に精製することができる。
【0163】
本工程は、化合物(Ia)に、溶媒中、塩基の存在下、所望の酸ハライド又は酸無水物を作用させることにより化合物(Ib)を製造することもできる。
【0164】
使用される塩基としては、トリメチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンのような有機アミン類(特にトリエチルアミン)を挙げることができる。
【0165】
溶媒としては、例えば塩化メチレン、ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフランのようなエーテル類を挙げることができ、好適にはハロゲン化炭化水素類(特に塩化メチレン)である。
【0166】
反応温度は通常−20℃乃至80℃(好適には−10℃乃至40℃)であり、反応時間は通常0.5時間乃至108時間(好適には1時間乃至24時間)である。
【0167】
反応終了後、目的化合物は常法に従って反応混合物から採取される。たとえば反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残渣に水と混合しない有
機溶剤を加え、水洗後、溶剤を留去することによって得られる。得られた目的化合物は必要ならば常法、たとえば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィーなど
によって更に精製することができる。
【0168】
[B法]
B法は、式(IIb)で表されるカルバペネム化合物と式(III)で表されるメルカプト化合物を反応させ、次いで必要により脱保護反応に付すことによって化合物(Ib)及び(Ic)を製造する方法である。
【0169】
【化39】
Figure 2004043445
【0170】
式中、R、R、R、n、X、A、P、P、P及びLは前述と同意義である。
【0171】
本方法は、式(IIb)を有する化合物を塩基の存在下に式(III)を有する化合物と反応させて式(IVa)を有する化合物を製造し(B1工程)、必要により次いでカルボキシル基の保護基の除去反応に付して化合物(Ic)を製造し(B2工程)、更に必要により次いで保護基をかける反応に付して化合物(Ib)を製造する(B3工程)方法である。なお、原料化合物(IIb)は、A法における化合物(IIa)の水酸基を、一般に有機合成化学の分野において使用される方法(例えば、T.W.Greene, P.G.M.Wuts著、Protective Groups in Organic Synthesis, Second Edition, John Wiley & Sons, Inc. 1991に記載された方法)によって保護することにより製造できる。以下、各工程について説明する。
【0172】
(B1工程)
B1工程は、一般式(IVa)を有する化合物を製造する工程で、不活性溶剤中、塩基の存在下、化合物(IIb)と一般式(III)を有するメルカプタン誘導体とを反応させることによって達成される。
【0173】
本工程は、A法のA1工程と同様にして行うことができる。
【0174】
(B2工程)
B2工程は、化合物(IVa)を化合物(Ic)に変換する工程であり、化合物(IVa)のカルボン酸の保護基を除去することによって達成される。
【0175】
本工程は、A法のA2工程と同様にして行うことができる。
【0176】
(B3工程)
B3工程は、化合物(Ic)を化合物(Ib)に変換する工程であり、化合物(Ic)のカルボキシル基に保護基をかけることによって達成される。
【0177】
本工程は、A法のA3工程と同様にして行うことができる。
【0178】
[C法]
C法は、A法及びB法で出発原料として使用する化合物(III)を製造するために用いる化合物(X)を製造する方法である。
【0179】
【化40】
Figure 2004043445
【0180】
式中、R、n及びXは前述と同意義であり、Pは水素原子又は含ケイ素基(例えば、トリメチルシリル基)を示す。Pはカルボキシル基の保護基を示し、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル基のようなC−Cアルキル基;ベンジル、4−メトキシベンジルのような置換されていてもよいベンジル基を挙げることができ、好適にはC−Cアルキル基(特に好適にはエチル基)である。Pは水酸基の保護基を示し、例えばトリメチルシリル、トリエチルシリル,t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリルのようなシリル系保護基を挙げることができ、好適にはt−ブチルジフェニルシリル基である。
【0181】
(C1工程)
C1工程は、化合物(V)の窒素原子に式C(=X)NHで表されるアミド基を導入し、化合物(VI)を製造する工程である。
【0182】
(1)本工程は、化合物(V)に溶媒中、シアン酸塩、チオシアン酸塩又は含ケイ素イソシアネート(好適には含ケイ素イソシアネートであり、より好適にはトリアルキルシリルイソシアネートであり、更により好適にはトリメチルシリルイソシアネートである)を作用させることによって達成される。
【0183】
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質ををある程度溶解させるものであれば特に制限はなく、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類;塩化メチレン、ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;及びこれらの溶媒と水との混合溶媒を挙げることができ、好適には塩化メチレンである。
【0184】
シアン酸又はチオシアン酸の塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩、アンモニウム塩又はトリエチルアンモニウム塩のような有機アンモニウム塩を挙げることができるが、好適にはアルカリ金属塩(特にカリウム塩)である。
【0185】
また、シアン酸塩又はチオシアン酸塩を系内で相当する酸に変換する為に酸類を用いることもできる。このような酸としては、例えば酢酸のような有機酸、塩酸のような鉱酸を挙げることができ、好適には酢酸若しくは塩酸である。
【0186】
反応温度は通常−20℃乃至150℃(好適には−10℃乃至100℃)であり、反応時間は通常0.5時間乃至108時間(好適には1時間乃至24時間)である。
【0187】
反応終了後、目的化合物は常法に従って反応混合物から採取される。たとえば反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残渣に水と混合しない有機溶剤を加え、水洗後、溶剤を留去することによって得られる。得られた目的化合物は必要ならば常法、たとえば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィーなどによって更に精製することができる。
【0188】
本工程において製造された化合物(VI)のPが含ケイ素基である場合であっても、当該化合物はそのまま次の工程に用いることができる。
【0189】
(2) 本工程は次の方法によっても達成することができる。本法は、化合物(V)から下記の化合物(XXXII)を製造する工程及び化合物(XXXII)から化合物(VI)を製造する工程からなる。
【0190】
【化41】
Figure 2004043445
【0191】
式中、X、nは前述と同意義であり、P10はC−Cアルキル基(好適にはエチル基)を示す。
【0192】
化合物(V)から化合物(XXXII)を製造する工程は、化合物(V)に溶媒中、式X=C=N−COOP10(式中、X及びP10は前述と同意義である)で表される化合物を作用させることによって達成される。
【0193】
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質ををある程度溶解させるものであれば特に制限はなく、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類、塩化メチレン、ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素、及びこれらの溶媒と水との混合溶媒を挙げることができ、好適にはエーテル類又はエーテル類と水との混合溶媒(特にテトラヒドロフラン又はテトラヒドロフランと水との混合溶媒)である。
【0194】
反応温度は通常−20℃乃至150℃(好適には−10℃乃至50℃)であり、反応時間は通常0.5時間乃至108時間(好適には1時間乃至24時間)である。
【0195】
反応終了後、目的化合物は常法に従って反応混合物から採取される。たとえば反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残渣に水と混合しない有機溶剤を加え、水洗後、溶剤を留去することによって得られる。得られた目的化合物は必要ならば常法、たとえば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィーなどによって更に精製することができる。
【0196】
化合物(XXXII)から化合物(VI)を製造する工程は、化合物(XXXII)に溶媒中、塩基を作用させることによって達成される。
【0197】
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質ををある程度溶解させるものであれば特に制限はなく、例えばメタノール、エタノールのようなアルコール類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類、及びこれらの溶媒と水との混合溶媒を挙げることができ、好適にはアルコール類又はアルコール類と水との混合溶媒(特にエタノール又はエタノールと水との混合溶媒)である。
【0198】
使用される塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのような無機塩基、及びナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドのような有機塩基を挙げることができ、好適には水酸化ナトリウムである。
【0199】
反応温度は通常−20℃乃至15℃(好適には−10℃乃至100℃)であり、反応時間は通常0.5時間乃至108時間(好適には1時間乃至24時間)である。
【0200】
反応終了後、目的化合物は常法に従って反応混合物から採取される。たとえば反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残渣に水と混合しない有機溶剤を加え、水洗後、溶剤を留去することによって得られる。得られた目的化合物は必要ならば常法、たとえば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィーなどによって更に精製することができる。
【0201】
(C2工程)
C2工程は、化合物(VI)のアミド基を閉環反応に付して化合物(VII)を製造する工程である。
【0202】
本工程は、化合物(VI)に溶媒中、塩基の存在下に式RCHLCOCOOP(式中、R及びPは前述と同意義であり、Lは脱離基を示す)で表される化合物を作用させることによって達成される。Lの脱離基としては、ハロゲン原子が好適であり、特に好適には臭素原子である。
【0203】
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質ををある程度溶解させるものであれば特に制限はなく、例えばメタノール、エタノールのようなアルコール類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類、塩化メチレン、ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミドのようなアミド類を挙げることができ、好適にはアルコール類(特にエタノール)である。
【0204】
使用される塩基としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルアミンのような有機塩基、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムのような無機塩基を挙げることができ、好適には有機塩基(特にトリエチルアミン)である。
【0205】
反応温度は通常−20℃乃至150℃(好適には−10℃乃至100℃)であり、反応時間は通常0.5時間乃至108時間(好適には1時間乃至24時間)である。
【0206】
反応終了後、目的化合物は常法に従って反応混合物から採取される。たとえば反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残渣に水と混合しない有機溶剤を加え、水洗後、溶剤を留去することによって得られる。得られた目的化合物は必要ならば常法、たとえば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィーなどによって更に精製することができる。
【0207】
(C3工程)
C3工程は、化合物(VII)の水酸基に保護基Pを導入して化合物(VIII)を製造する工程である。
【0208】
本工程は、有機合成化学の分野で通常用いられている方法(例えば、T.W.Greene, P.G.M.Wuts著、Protective Groups in Organic Synthesis, Second Edition, John Wiley & Sons, Inc. 1991に記載された方法)によって達成することができる。
【0209】
シリル系保護基の導入は、化合物(VII)に溶媒中、塩基の存在下に所望の置換基を有するシリルハライド類又はシリルトリフラート類を作用させることによって達成される。
【0210】
シリルハライド類としては、例えばトリメチルシリルクロリド、トリエチルシリルクロリド、t‐ブチルジメチルシリルクロリド、t−ブチルジフェニルシリルクロリドを挙げることができ、好適にはt−ブチルジフェニルシリルクロリドである。
【0211】
シリルトリフラート類としては、例えばトリメチルシリルトリフラート、トリエチルシリルトリフラート、t−ブチルジメチルシリルトリフラート、t−ブチルジフェニルシリルトリフラートを挙げることができ、好適にはt−ブチルジフェニルシリルトリフラートである。
【0212】
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質ををある程度溶解させるものであれば特に制限はなく、例えばジメチルホルムアミドのようなアミド類、塩化メチレン、ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類を挙げることができ、好適にはアミド類(特にジメチルホルムアミド)又はハロゲン化炭化水素類(特に塩化メチレン)である。
【0213】
使用される塩基としては、例えばイミダゾール、トリエチルアミン、ルチジン、ピリジン、ジメチルアミノピリジンのような有機塩基を挙げることができ、好適にはイミダゾール又は2,6−ルチジンである。
【0214】
反応温度は通常−20℃乃至50℃(好適には−10℃乃至40℃)であり、反応時間は通常0.5時間乃至108時間(好適には1時間乃至24時間)である。
【0215】
反応終了後、目的化合物は常法に従って反応混合物から採取される。たとえば反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残渣に水と混合しない有機溶剤を加え、水洗後、溶剤を留去することによって得られる。得られた目的化合物は必要ならば常法、たとえば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィーなどによって更に精製することができる。
【0216】
(C4工程)
C4工程は、化合物(VIII)のカルボキシルエステル基をヒドロキシメチル基に還元して化合物(IX)を製造する工程である。
【0217】
本工程は、化合物(VIII)に溶媒中、還元剤を作用させることによって達成される。
【0218】
使用される還元剤は、カルボキシルエステル基を還元してヒドロキシメチル基に変換できるものであれば特に制限はなく、例えばリチウムアルミニウムハイドライドのようなアルカリ金属アルミニウム水素化物、リチウムボロハイドライド、ナトリウムボロハイドライドのようなアルカリ金属ホウ素水素化物を挙げることができ、好適にはリチウムアルミニウムハイドライドである。
【0219】
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質ををある程度溶解させるものであれば特に制限はなく、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類を挙げることができ、好適にはテトラヒドロフランである。
【0220】
反応温度は通常−20℃乃至100℃(好適には−10℃乃至40℃)であり、反応時間は通常10分間乃至24時間(好適には0.5時間乃至24時間)である。
【0221】
反応終了後、目的化合物は常法に従って反応混合物から採取される。たとえば反応混合液に水と混合しない有機溶剤を加え、中和、水洗後、溶剤を留去することによって得られる。得られた目的化合物は必要ならば常法、たとえば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィーなどによって更に精製することができる。
【0222】
(C5工程)
C5工程は、化合物(IX)のヒドロキシメチル基を酸化して化合物(X)を製造する工程である。
【0223】
本工程は、化合物(IX)に溶媒中、酸化剤を作用させることによって達成され、ヒドロキシメチル基をアルデヒド基に酸化する工程とアルデヒド基をカルボキシル基に酸化する工程からなる。
(1)ヒドロキシメチル基をアルデヒド基に酸化する工程
使用される酸化剤は、ヒドロキシメチル基を酸化してアルデヒド基に変換できるものであれば特に制限はなく、例えばピリジニウムクロロクロマート、オギザリルクロリド−ジメチルスルホキシド、無水トリフルオロ酢酸−ジメチルスルホキシド、活性二酸化マンガン、デスマーチン試薬を挙げることができ、好適には活性二酸化マンガンである。
【0224】
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質ををある程度溶解させるものであれば特に制限はなく、例えば塩化メチレン、ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類を挙げることができ、好適には塩化メチレンである。
【0225】
反応温度は通常−100℃乃至100℃(好適には−100℃乃至50℃)であり、反応時間は通常30分間乃至108時間(好適には1時間乃至24時間)である。
【0226】
反応終了後、目的化合物は常法に従って反応混合物から採取される。たとえば反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残渣に水と混合しない有機溶剤を加え、中和、水洗後、溶剤を留去することによって得られる。得られた目的化合物は必要ならば常法、たとえば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィーなどによって更に精製することができる。
(2)アルデヒド基をカルボキシル基に酸化する工程
使用される酸化剤は、アルデヒド基を酸化してカルボキシル基に変換できるものであれば特に制限はなく、例えば過マンガン酸カリウム、四酸化ルテニウム、亜塩素酸ナトリウム−リン酸二水素ナトリウム(又はカリウム)−2−メチル−2−ブテンを挙げることができ、好適には亜塩素酸ナトリウム−リン酸二水素ナトリウム−2−メチル−2−ブテンである。
【0227】
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質ををある程度溶解させるものであれば特に制限はなく、例えば塩化メチレン、ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類、t−ブタノールのようなアルコール類及びそれらと水との混合溶媒を挙げることができ、好適にはテトラヒドロフラン−塩化メチレン−水−t−ブタノールの混合溶媒である。
【0228】
反応温度は通常−20℃乃至50℃(好適には−10℃乃至40℃)であり、反応時間は通常10分間乃至108時間(好適には0.5時間乃至24時間)である。
【0229】
反応終了後、目的化合物は常法に従って反応混合物から採取される。たとえば反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残渣に水と混合しない有機溶剤を加え、中和、水洗後、溶剤を留去することによって得られる。得られた目的化合物は必要ならば常法、たとえば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィーなどによって更に精製することができる。
【0230】
(C6工程)
C6工程は、カルボキシル化合物(X)を別途製造する工程であり、化合物(VIII)の保護基を除去することによって達成される。
【0231】
本工程は、A法の第A2工程と同様にして行うことができる。
【0232】
[D法]
D法は、A法及びB法で出発原料として使用する化合物(IIIa)を製造する方法である。
【0233】
【化42】
Figure 2004043445
【0234】
式中、R、R、R、n、X及びPは前述と同意義であり、Pはカルボキシル基の保護基を示し、例えばt−ブチル基;ベンジル、4−メトキシベンジルのような置換されていてもよいベンジル基を挙げることができ、好適には換基を有してもよいベンジル基(特に4−ニトロベンジル基)である。Lは脱離基を示し、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のようなハロゲン原子;メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ基のようなフッ素で置換されていてもよいC−Cアルキルスルホニルオキシ基またはアルキルで置換されていてもよいベンゼンスルホニルオキシ基を挙げることができ、好適にはフッ素で置換されていてもよいC−Cアルキルスルホニルオキシ基である。式
【0235】
【化43】
Figure 2004043445
【0236】
で表される基は、Aのうち、式
【0237】
【化44】
Figure 2004043445
【0238】
(式中、p、q、r、s及びAlkは前述と同意義である。R3aは、それが結合する窒素原子が式−COCH(R)OCORで表わされる基と結合するものである場合は水素原子を除くほかRと同意義を示し、それが結合する窒素原子が式−COCH(R)OCORで表わされる基と結合するものでない場合はRと同意義を示す。R4a及びR5aは、R4aが結合する窒素原子が式−COCH(R)OCORで表わされる基と結合するものである場合はR4aが水素原子を除くほかRと同意義を示しR5aがRと同意義を示し、R4aが結合する窒素原子が式−COCH(R)OCORで表わされる基と結合するものでない場合はR4aがRと同意義を示しR5aが水素原子を除くほかRと同意義を示す。)で表される基を示す。Pは(C−Cアルキル)カルボニル基(例えば、アセチル基)、置換されてよいアリールカルボニル基(例えば、ベンゾイル基)又は置換されてよいアラルキル基(例えば、ベンジル基又はメトキシベンジル基)を示し、好適にはアセチル基である。
【0239】
(D1工程)
D1工程は、一般式(XIII)を有する化合物を製造する工程で、不活性溶剤中、塩基の存在下、化合物(XI)と一般式(XII)を有するクロロギ酸エステルとを反応させることによって達成される。
【0240】
使用される溶剤は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に制限はなく、例えば塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類を挙げることができ、好適にはハロゲン化炭化水素類(特に塩化メチレン)である。
【0241】
使用される塩基は、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジンのような有機アミン類を挙げることができ、好適にはトリエチルアミン又はジメチルアミノピリジンである。
【0242】
反応温度は、通常−20℃乃至80℃(好適には−10℃乃至40℃)で行われる。反応時間は30分間乃至108時間(好適には1時間乃至24時間)である。
【0243】
反応終了後、本工程の目的化合物は常法に従って反応混合物から採取される。たとえば反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残渣に水と混合しない有機溶剤を加え、水洗後、溶剤を留去することによって得られる。得られた目的化合物は必要ならば常法、たとえば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィーなどによって更に精製することができる。また所望に応じて目的化合物を単離することなく次の工程に付すこともできる。
【0244】
なお、出発原料となる式(XII)を有する化合物は、Synthesis 1990, 1159に記載された方法又はそれに準ずる方法によって製造される。
【0245】
(D2工程)
D2工程は、化合物(XIII)を化合物(XIV)に変換する工程であり、化合物(XIII)に含まれる式COで表される基を除去することによって達成される。
【0246】
(1) Pが置換基を有してもよいベンジル基である場合、基COは溶媒中、接触還元触媒の存在下に水素を作用させることにより除去することができる。
【0247】
使用される接触還元触媒としては、例えばパラジウム−炭素触媒、白金触媒、ロジウム−炭素触媒等を挙げることができ、好適にはパラジウム−炭素触媒である。
【0248】
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に制限はなく、例えばメタノール、エタノールのようなアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類およびこれらの有機溶剤と水との混合溶剤であり、好適にはアルコール類(特にメタノール又はエタノール)である。
【0249】
反応温度は通常0℃乃至50℃(好適には10℃乃至40℃)であり、反応時間は原料化合物及び触媒の種類によって異なるが、通常5分間乃至12時間(好適には30分間乃至4時間)である。
【0250】
反応終了後、目的化合物は常法に従って反応混合物から採取される。たとえば反応混合物から触媒等の不溶物を濾去した後、溶剤を留去することによって得ることができる。得られた化合物は、必要ならば常法たとえば再結晶法、分取用薄膜クロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィーなどによって精製することができる。
【0251】
(2) Pがt−ブチル基である場合、基COは溶媒中、酸を作用させることによって除去することができる。
【0252】
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に制限はなく、例えば塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類が挙げられる。
【0253】
使用される酸としては、例えば、トリフルオロ酢酸のような有機酸;塩酸、硫酸のような無機酸が挙げられ、好適にはトリフルオロ酢酸又は塩酸である。
【0254】
反応温度は通常−20℃乃至80℃(好適には−10℃乃至40℃)であり、反応時間は原料化合物及び触媒の種類によって異なるが、通常30分間乃至108時間(好適には1時間乃至24時間)である。
【0255】
反応終了後、目的化合物は常法に従って反応混合物から採取される。たとえば反応混合物から触媒等の不溶物を濾去した後、溶剤を留去することによって得ることができる。得られた化合物は、必要ならば常法たとえば再結晶法、分取用薄膜クロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィーなどによって精製することができる。
【0256】
(D3工程)
D3工程は、一般式(XV)を有する化合物を製造する工程で、不活性溶剤
中、塩基の存在下、化合物(XIV)と化合物(X)とを反応させることによって達成される。
【0257】
使用される溶剤は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に制限はなく、例えば塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類;アセトニトリルのようなニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドのようなアミド類;酢酸エチル、酢酸メチルのようなエステル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類を挙げることができ、好適には塩化メチレン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド又はテトラヒドロフランであり、特に好適にはN,N−ジメチルホルムアミドである。
【0258】
使用される塩基は、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジンのような有機アミン類又は炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムのような無機塩基を挙げることができ、好適には有機アミン類(特にトリエチルアミン)である。
【0259】
また、縮合剤としては、ジエチルホスホリルシアニドのようなリン酸エステル系の縮合剤、カルボニルジイミダゾールのようなカーボネート系の縮合剤も使用できる。好適には、ジエチルホスホリルシアニド、カルボニルジイミダゾールである。
【0260】
反応温度は、通常−20℃乃至40℃(好適には−10℃乃至20℃)で行われる。反応時間は30分間乃至108時間(好適には1時間乃至18時間)である。
【0261】
反応終了後、本工程の目的化合物(XV)は常法に従って反応混合物から採取される。たとえば反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残渣に水と混合しない有機溶剤を加え、水洗後、溶剤を留去することによって得られる。得られた目的化合物は必要ならば常法、たとえば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィーなどによって更に精製することができる。また所望に応じて目的化合物(XV)を単離することなく次の工程に付すこともできる。
【0262】
(D4工程)
D4工程は、化合物(XV)を化合物(XVI)に変換する工程であり、化合物(XV)に含まれる保護基を除去することによって達成される。
【0263】
本工程は、A法のA2工程と同様にして行うことができる。
【0264】
(D5工程)
D5工程は、化合物(XVI)の水酸基を脱離基Lに変換して化合物(XVII)を製造する工程である。
【0265】
(1) 脱離基Lが各種スルホニルオキシ基の場合
本工程は、化合物(XVI)に溶媒中、塩基の存在化にスルホニル化剤を作用させることによって達成される。
【0266】
使用されるスルホニル化剤としては、例えばメタンスルホニルクロリド、エタンスルホニルクロリド、トリフルオロメタンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルクロリド、トルエンスルホニルクロリド等を挙げることができ、好適にはメタンスルホニルクロリドである。
【0267】
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質ををある程度溶解させるものであれば特に制限はなく、例えば塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類を挙げることができ、好適にはハロゲン化炭化水素類(特に塩化メチレン)である。
【0268】
使用される塩基としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジンのような有機塩基を挙げることができ、好適にはトリエチルアミンである。
【0269】
反応温度は通常−20乃至80℃(好適には−10乃至40℃)であり、反応時間は通常0.5乃至108時間(好適には1乃至24時間)である。
【0270】
反応終了後、目的化合物は常法に従って反応混合物から採取される。たとえば反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残渣に水と混合しない有機溶剤を加え、水洗後、溶剤を留去することによって得られる。得られた目的化合物は必要ならば常法、たとえば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィーなどによって更に精製することができる。
【0271】
(2)脱離基Lがハロゲン原子の場合
本工程は、化合物(XVI)に溶媒中、ハロゲン化剤を作用させることによって達成される。
【0272】
使用されるハロゲン化剤としては、例えば五塩化リン、塩化チオニル、オキシ塩化リン、ヨウ素、四臭化炭素、四塩化炭素、N−クロロサクシイミド、N−ブロモサクシイミド、ジエチルアミノサルファートリフロリドを挙げることができ、好適には四臭化炭素である。
【0273】
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解させるものであれば特に制限はなく、例えば塩化メチレン、ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類を挙げることができ、好適にはハロゲン化炭化水素類(特に塩化メチレン)である。
【0274】
使用される添加剤としては、例えばトリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィンのようなホスフィン類を挙げることができ、好適にはトリフェニルホスフィンである。
【0275】
反応温度は通常−20℃乃至100℃(好適には−10℃乃至50℃)であり、反応時間は通常10分間乃至108時間(好適には0.5時間乃至24時間)である。
【0276】
反応終了後、目的化合物は常法に従って反応混合物から採取される。たとえば反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残渣に水と混合しない有機溶剤を加え、水洗後、溶剤を留去することによって得られる。得られた目的化合物は必要ならば常法、たとえば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィーなどによって更に精製することができる。
【0277】
(D6工程)
D6工程は、化合物(XVII)の脱離基Lをアセチル化されたメルカプト基に変換して化合物(XVIIIa)を製造する工程である。
【0278】
本工程は、化合物(XVII)に溶媒中、メルカプト化剤を作用させることによって達成される。
【0279】
使用されるメルカプト化剤としては、例えばチオ酢酸ナトリウム、チオ酢酸カリウム、チオプロピオン酸ナトリウムのようなC−Cの脂肪族チオカルボン酸のアルカリ金属塩、チオ安息香酸ナトリウムのような置換されてもよいアリールチオカルボン酸のアルカリ金属塩又は4‐メトキシベンジルメルカプタンのアルカリ金属塩のような置換されてもよいアラルキルメルカプタンのアルカリ金属塩を挙げることができ、好適にはチオ酢酸カリウムである。
【0280】
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解させるものであれば特に制限はなく、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類、酢酸エチル、酢酸メチルのような酢酸エステル類、アセトニトリルのようなニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド類を挙げることができ、好適にはアミド類(特にジメチルホルムアミド)である。
【0281】
反応温度は通常−20℃乃至150℃(好適には0℃乃至100℃)であり、反応時間は通常0.5時間乃至108時間(好適には1時間乃至24時間)である。
【0282】
反応終了後、目的化合物は常法に従って反応混合物から採取される。たとえば反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残渣に水と混合しない有機溶剤を加え、水洗後、溶剤を留去することによって得られる。得られた目的化合物は必要ならば常法、たとえば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィーなどによって更に精製することができる。
【0283】
(D7工程)
D7工程は、化合物(XVIIIa)のメルカプト基のアセチル基を除去して化合物(IIIa)を製造する工程である。
【0284】
本工程は、化合物(XVIIIa)に溶媒中、ヒドラジン化合物の塩を作用させることによって達成される。
【0285】
ヒドラジン化合物の塩としては、例えばヒドラジン・酢酸、N,N−ジメチルヒドラジン・酢酸を使用することができ、好適にはヒドラジン・酢酸である。
【0286】
使用される溶剤としては、前述のA1工程で使用される溶剤を用いることができる。
【0287】
反応温度は、特に限定されないが、通常は−10℃乃至40℃(好適には10℃乃至30℃)であり、反応時間は溶剤、反応温度及び反応試薬の種類によって異なるが、通常は30分間乃至24時間(好適には1時間乃至8時間)である。
【0288】
反応終了後、目的化合物は常法に従って反応混合物から採取される。たとえば反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残渣に水と混合しない有機溶剤を加え、水洗後、溶剤を留去することによって得られる。得られた目的化合物は必要ならば常法、たとえば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィーなどによって更に精製することができる。
【0289】
なお、ヒドラジン化合物の塩を脱保護剤として使用した場合、化合物(IIIa)は反応液から単離することなく前述のA1工程又はB1工程の原料として使用することができる。
【0290】
本工程は、化合物(XVIIIa)に溶媒中、塩基を作用させることによっても達成される。
【0291】
使用される塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドのようなアルカリ金属の塩を挙げることができるが、好適にはナトリウムメトキシドである。
【0292】
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質ををある程度溶解させるものであれば特に制限はなく、例えばメタノール、エタノールのようなアルコール類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類、ジメチルホルムアミドのようなアミド類、塩化メチレン、ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類を挙げることができ、好適にはアルコール類(特にメタノール)である。
【0293】
反応温度は通常−20℃乃至100℃(好適には−10℃乃至40℃)であり、反応時間は通常10分間乃至108時間(好適には0.5時間乃至24時間)である。
【0294】
反応終了後、目的化合物は常法に従って反応混合物から採取される。たとえば反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残渣に水と混合しない有機溶剤を加え、中和、水洗後、溶剤を留去することによって得られる。得られた目的化合物は必要ならば常法、たとえば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィーなどによって更に精製することができる。
【0295】
[E法]
E法は、A法及びB法で出発原料として使用する化合物(III)を製造するために用いる化合物(XVIIIb)を製造する方法である。
【0296】
【化45】
Figure 2004043445
【0297】
式中、R、R、R、n、X、P及びPは前述と同意義であり、RはR、R又はRと同意義を示し、好適には水素原子であり、Pはカルボキシル基の保護基を示し、例えばt−ブチル基;ベンジル、4−メトキシベンジルのような置換されていてもよいベンジル基を挙げることができ、好適にはt−ブチル基である。L及びLは互いに独立して脱離基を示し、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のようなハロゲン原子;メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ基のようなフッ素で置換されていてもよいC−Cアルキルスルホニルオキシ基またはアルキルで置換されていてもよいベンゼンスルホニルオキシ基を挙げることができ、好適にはフッ素で置換されていてもよいC−Cアルキルスルホニルオキシ基である。式
【0298】
【化46】
Figure 2004043445
【0299】
で表される基は、Aのうち、式
【0300】
【化47】
Figure 2004043445
【0301】
(式中、R、R、p、q及びAlkは前述と同意義である。)で表される基を示す。
【0302】
(E1工程)
E1工程は、一般式(XX)を有する化合物を製造する工程で、不活性溶剤中、塩基の存在下、化合物(XIX)と化合物(X)とを反応させることによって達成される。
【0303】
本工程は、D法のD3工程と同様にして行うことができる。
【0304】
(E2工程)
E2工程は、化合物(XX)に脱離基Lを導入して化合物(XXI)を製造する工程である。
【0305】
本工程は、D法のD5工程と同様にして行うことができる。
【0306】
(E3工程)
E3工程は、化合物(XXI)からアミン化合物(XXIIa)〔化合物(XXII)においてRが水素原子である化合物。〕を製造し、必要に応じて置換基を導入し化合物(XXIIb)〔化合物(XXII)においてRが水素原子以外の基である化合物。〕を製造する工程である。
【0307】
(A) アミン化合物(XXIIa)の製造工程
本工程は、化合物(XXI)に、溶媒中、アミノ化剤を作用させることによって達成される。或いは、化合物(XXI)に、溶媒中、アジド化剤を作用させてアジド化合物を製造し、次いで還元剤を作用させることによっても達成される。
【0308】
(1) アミノ化剤を使用する方法
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解させるものであれば特に制限はなく、例えばジメチルホルミアミドのようなアミド類、メタノール、エタノールのようなアルコール類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類を挙げることができ、好適にはアミド類(特にジメチルホルミアミド)である。
【0309】
使用されるアミノ化剤は、例えばメチルアミン、エチルアミンのような一級の置換されていてもよいアルキルアミン類;アニリン、アミノチアゾールのような置換されていてもよい芳香族アミン類;メチルエチルアミン、ジメチルアミンのような二級の置換されていてもよいアルキルアミン類及びそれらアミン類の塩(例えば塩酸塩)を挙げることができる。これらのうち好適には、一級又は二級の置換されていてもよいアルキルアミン類及びその塩(特にメチルアミン塩酸塩又はジメチルアミン塩酸塩)である。
【0310】
反応温度は通常0℃乃至150℃(好適には10℃乃至100℃)であり、反応時間は通常0.5時間乃至108時間(好適には1時間乃至24時間)である。
【0311】
反応終了後、目的化合物は常法に従って反応混合物から採取される。たとえば反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残渣に水と混合しない有機溶剤を加え、中和、水洗後、溶剤を留去することによって得られる。得られた目的化合物は必要ならば常法、たとえば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィーなどによって更に精製することができる。
【0312】
(2) アジド化剤と還元剤を使用する方法
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解させるものであれば特に制限はなく、例えばジメチルホルミアミドのようなアミド類、メタノール、エタノールのようなアルコール類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類を挙げることができ、好適にはアミド類(特にジメチルホルミアミド)である。
【0313】
アジド化剤としては、アジ化ナトリウム、アジ化リチウムのようなアルカリ金属アジドが挙げられ、好適にはアルカリ金属アジドアジ化ナトリウム(特にアジ化ナトリウム)である。
【0314】
反応温度は通常0℃乃至150℃(好適には10℃乃至100℃)であり、反応時間は通常0.5時間乃至108時間(好適には1時間乃至24時間)である。
【0315】
反応終了後、目的化合物は常法に従って反応混合物から採取される。たとえば反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残渣に水と混合しない有機溶剤を加え、中和、水洗後、溶剤を留去することによって得られる。得られた目的化合物は必要ならば常法、たとえば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィーなどによって更に精製することができる。
【0316】
得られたアジド化合物は、還元反応によってアミン化合物(XXIIa)へと誘導される。
【0317】
使用される還元剤は、水素化リチウムアルミニウムのようなアルカリ金属アルミニウム水素化物、トリフェニルホスフィンのようなホスフィン類、パラジウム−炭素、白金触媒のような金属触媒による接触水素還元剤が挙げられる。好適には接触水素還元剤(特に、パラジウム−炭素を触媒に用いた場合)である。
【0318】
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解させるものであれば特に制限はなく、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類、メタノール、エタノールのようなアルコール類を挙げることができ、好適にはエーテル類(特にテトラヒドロフラン)である。
【0319】
接触水素還元の場合は、使用される溶媒は、メタノール、エタノールのようなアルコール類を挙げることができ、好適にはメタノールである。
【0320】
反応温度は通常−10℃乃至150℃(好適には0℃乃至100℃)であり、反応時間は通常0.5時間乃至108時間(好適には1時間乃至24時間)である。
【0321】
反応終了後、目的化合物は常法に従って反応混合物から採取される。たとえば反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残渣に水と混合しない有機溶剤を加え、中和、水洗後、溶剤を留去することによって得られる。得られた目的化合物は必要ならば常法、たとえば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィーなどによって更に精製することができる。
【0322】
(B) 化合物(XXIIb)の製造工程
本工程は、必要に応じて行う工程であって、アミン化合物(XXIIa)に置換基を導入することによって化合物(XXIIb)を製造する工程である。
【0323】
本工程は、アミン化合物(XXIIa)に溶媒中、塩基の存在下、所望のアシル化剤、スルホニル化剤、ホスホリル化剤、クロロギ酸エステルを作用させることによって達成される。
【0324】
アシル化剤としては、無水酢酸、無水安息香酸のような酸無水物、酢酸クロリド、安息香酸クロリドのような酸クロリドを挙げることができ、好適には、酸クロリド(特に、酢酸クロリド)である。
【0325】
スルホニル化剤としては、メタンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリドのような酸クロリド、無水メタンスルホニル、無水p−トルエンスルホニルのような酸無水物を挙げることができ、好適には、酸クロリド(特に、メタンスルホニルクロリド)である。
【0326】
ホスホリル化剤としては、ジエチルホスホリルクロライド、ジメチルホスホリルクロリドのような酸クロリドを挙げることができ、好適には、ジエチルホスホリルクロライドである。
【0327】
クロロギ酸エステルとしては、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸ベンジルのようなエステル化合物を挙げることができ、好適には、クロロギ酸エステル(特に、クロロギ酸メチル)である。
【0328】
使用される塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンのような有機塩基、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムのような無機塩基が挙げられ、好適には、有機塩基(特に、トリエチルアミン)である。
【0329】
使用される溶媒としては、反応を阻害せず出発原料をある程度溶解させるものであれば特に制限はなく、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類;塩化メチレン、ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類を挙げることができ、好適にはエーテル類(特にテトラヒドロフラン)である。
【0330】
反応温度は通常0℃乃至100℃(好適には10℃乃至50℃)であり、反応時間は通常0.5時間乃至108時間(好適には1時間乃至24時間)である。
【0331】
反応終了後、目的化合物は常法に従って反応混合物から採取される。たとえば反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残渣に水と混合しない有機溶剤を加え、中和、水洗後、溶剤を留去することによって得られる。得られた目的化合物は必要ならば常法、たとえば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィーなどによって更に精製することができる。
【0332】
(E4工程)
E4工程は、化合物(XX)からアジド化合物を経てアミン化合物(XXIIa)を製造し、必要に応じて置換基を導入し化合物(XXIIb)を製造する工程である。
【0333】
(A) アジド化合物の製造工程
本工程は化合物(XX)に溶媒中、アジド化剤(特にジフェニルホスホリルアジド)、ジエチルアゾジカルボキシレート及びトリフェニルホスフィンを作用させることによって行われる。
【0334】
使用される溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解させるものであれば特に制限はなく、例えばジメチルホルミアミドのようなアミド類、メタノール、エタノールのようなアルコール類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類を挙げることができ、好適にはエーテル類(特にテトラヒドロフラン)である。
【0335】
反応温度は通常0℃乃至50℃(好適には10℃乃至30℃)であり、反応時間は通常0.5時間乃至108時間(好適には1時間乃至24時間)である。
【0336】
反応終了後、目的化合物は常法に従って反応混合物から採取される。たとえば反応混合液又は反応混合液の溶剤を留去して得られる残渣に水と混合しない有機溶剤を加え、中和、水洗後、溶剤を留去することによって得られる。得られた目的化合物は必要ならば常法、たとえば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィーなどによって更に精製することができる。
【0337】
(B) アミン化合物の製造工程
本工程は、アジド化合物を還元してアミン化合物(XXIIa)を製造する工程であり、前述のE3工程(A)(1)の還元工程と同様にして行うことができる。
【0338】
(C) 化合物(XXIIb)の製造工程
本工程は、必要に応じて行う工程であって、アミン化合物(XXIIa)に置換基を導入することによって化合物(XXIIb)を製造する工程であり、前述のE3工程(B)と同様にして行うことができる。
【0339】
(E5工程)
E5工程は、一般式(XXIII)を有する化合物を製造する工程で、一般に有機合成化学の分野において使用される方法(例えば、T.W.Greene, P.G.M.Wuts著、Protective Groups in Organic Synthesis, Second Edition, John Wiley &
Sons, Inc. 1991に記載された方法)によって達成される。
【0340】
(E6工程)
E6工程は、化合物(XXIII)を化合物(XXIV)に変換する工程であり、化合物(XXIII)に含まれる保護基を除去することによって達成される。
【0341】
本工程は、A法のA2工程と同様にして行うことができる。
【0342】
(E7工程)
E7工程は、化合物(XXIV)の水酸基を脱離基Lに変換して化合物(XXV)を製造する工程である。
【0343】
本工程は、D法のD5工程と同様にして行うことができる。
【0344】
(E8工程)
E8工程は、化合物(XXV)の脱離基Lをアセチル化されたメルカプト基に変換して化合物(XXVI)を製造する工程である。
【0345】
本工程は、D法のD6工程と同様にして行うことができる。
【0346】
(E9工程)
E9工程は、化合物(XXVI)を化合物(XXVII)に変換する工程であり、不活性溶媒中、酸を作用させることにより、化合物(XXVI)に含まれる式COで表される基を除去することによって達成される。
【0347】
使用される溶媒としては、反応を阻害せず出発原料をある程度溶解させるものであれば特に制限はなく、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類;塩化メチレン、ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類を挙げることができる。
【0348】
使用される酸としては、例えばトリフルオロ酢酸のような有機酸;塩酸のような無機酸が挙げられる。
【0349】
反応終了後、目的化合物は、例えば溶媒を留去し乾燥させて得ることができ、溶媒中に析出する結晶を濾取することによっても得ることができる。
【0350】
(E10工程)
E10工程は、一般式(XVIIIb)を有する化合物を製造する工程で、不活性溶剤中、塩基の存在下、化合物(XXVII)と一般式(XII)を有するクロロギ酸エステルとを反応させることによって達成される。
【0351】
本工程は、D法のD1工程と同様にして行うことができる。
【0352】
[F法]
F法は、A法及びB法で出発原料として使用する化合物(III)を製造するために用いる化合物(XXIIIa)を製造する方法である。
【0353】
【化48】
Figure 2004043445
【0354】
式中、R、n、X、P及び式
【0355】
【化49】
Figure 2004043445
【0356】
で表される基は前述と同意義であり、Pはカルボキシル基の保護基を示し、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル基のようなC−Cアルキル基;ベンジル、4−メトキシベンジルのような置換されていてもよいベンジル基を挙げることができ、好適には置換されていてもよいベンジル基(特に好適にはベンジル基)である。RはR、R又はRと同意義を示し、好適には水素原子である。Pはカルボキシル基の保護基を示し、例えばt−ブチル基;ベンジル、4−メトキシベンジルのような置換されていてもよいベンジル基を挙げることができ、好適にはt−ブチル基である。
【0357】
(F1工程)
F1工程は、一般式(XXVIII)を有する化合物を製造する工程で、不活性溶剤中、塩基の存在下、化合物(XIX)と式ClCOで表されるクロロギ酸エステルとを反応させることによって達成される。
【0358】
本工程は、D法のD1工程と同様にして行うことができる。
【0359】
(F2工程)
F2工程は、一般式(XXIX)を有する化合物を製造する工程であり、E法のE2工程及びE3工程、又は、E4工程と同様にして行うことができる。
【0360】
(F3工程)
F3工程は、一般式(XXX)を有する化合物を製造する工程で、不活性溶剤中、塩基の存在下、化合物(XXIX)と式ClCOで表されるクロロギ酸エステルとを反応させることによって達成される。
【0361】
本工程は、D法のD1工程と同様にして行うことができる。
【0362】
(F4工程)
F4工程は、化合物(XXX)を化合物(XXXI)に変換する工程であり、不活性溶媒中、酸を作用させることにより、化合物(XXX)に含まれる式COで表される基を除去することによって達成される。
【0363】
本工程は、E法のE9工程と同様にして行うことができる。
【0364】
(F5工程)
F5工程は、一般式(XXIIIa)を有する化合物を製造する工程で、不活性溶剤中、塩基の存在下、化合物(XXXI)と化合物(X)とを反応させることによって達成される。
【0365】
本工程は、D法のD3工程と同様にして行うことができる。
【0366】
本発明の一般式(I)を有する化合物又はその薬理上許容される塩若しくはエステル誘導体は、たとえばブドウ球菌、枯草菌などのグラム陽性菌、大腸菌、肺炎桿菌、赤痢菌、変形菌、セラチア、エンテロバクターなどのグラム陰性菌およびバクテロイデスフラジリスなどの嫌気性菌を包含する広範囲な病原菌に対して強力でバランスのとれた抗菌活性を示し、特に呼吸器感染症の原因菌である肺炎球菌(ペニシリン耐性菌を含む)、ヘモフィラス・インフルエンザ(β−ラクタマーゼ産生菌を含む)に対して強い抗菌活性を有する。本発明の化合物(I)は、メタロ−β−ラクタマーゼを除く各種β−ラクタマーゼに対する安定性が高い。本発明の化合物(I)は、受容者に対して経口的又は非経口的(好適には傾口的)に投与されたとき、高い最高血中濃度及び長い血中濃度半減期を与えるなど体内動態に優れるので、これまでの薬剤と比較して少ない投与回数及び低い投与量でも感染治療効果が期待される。本発明の化合物(I)は、腎臓に対する毒性も弱い。従って、本発明の一般式(I)を有する化合物、その薬理上許容される塩又はエステル誘導体は、例えば医薬として有用であり、特に種々の病原菌による細菌感染症、特に呼吸器感染症を治療もしくは予防(好適には治療)する抗菌剤として有用である。
【0367】
化合物(I)、その薬理上許容される塩又はエステル誘導体を医薬、特に抗菌剤として使用する場合には、それ自体あるいは適宜の薬理学的に許容される、賦形剤、希釈剤等と混合し、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤若しくはシロップ剤等による経口的又は注射剤等による非経口的に投与することができる。
【0368】
これらの製剤は、賦形剤(例えば、乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニット、ソルビットのような糖誘導体;トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、α−デンプン、デキストリン、カルボキシメチルデンプンのようなデンプン誘導体;結晶セルロ−ス、低置換度ヒドロキシプロピルセルロ−ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−スカルシウム、内部架橋カルボキシメチルセルロ−スナトリウムのようなセルロ−ル誘導体;アラビアゴム;デキストラン;プルラン;軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウムのような珪酸塩誘導体;リン酸カルシウムのようなリン酸塩誘導体;炭酸カルシウムのような炭酸塩誘導体;硫酸カルシウムのような硫酸塩誘導体等)、結合剤(例えば、前記の賦形剤;ゼラチン;ポリビニルピロリドン;マクロゴ−ル等)、崩壊剤(例えば、前記の賦形剤;クロスカルメロ−スナトリウム、カルボキシメチルスタ−チナトリウム、架橋ポリビニルピロリドンのような化学修飾された、デンプン、セルロ−ス誘導体等)、滑沢剤(例えば、タルク;ステアリン酸;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムのようなステアリン酸金属塩;コロイドシリカ;ビ−ガム;ビーズワックス、ゲイロウのようなワックス類;硼酸;グリコ−ル;フマル酸、アジピン酸のようなカルボン酸類;安息香酸ナトリウムのようなカルボン酸ナトリウム塩;硫酸ナトリウムのような硫酸類塩;ロイシン;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウムのようなラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物のような珪酸類;前記の賦形剤におけるデンプン誘導体等)、安定剤(例えば、メチルパラベン、プロピルバラベンのようなパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノ−ル、ベンジルアルコ−ル、フェニルエチルアルコ−ルのようなアルコ−ル類;塩化ベンザルコニウム;フェノ−ル、クレゾ−ルのようなフェノ−ル類;チメロサ−ル;無水酢酸;ソルビン酸等)、矯味矯臭剤(例えば、通常使用される、甘味料、酸味料、香料等)、懸濁化剤(例えば、ポリソルベ−ト80、カルボキシメチルセルロ−スナトリウム等)、希釈剤、製剤用溶剤(例えば、水、エタノ−ル、グリセリン等)等の添加物を用いて周知の方法で製造される。
【0369】
その使用量は症状、年齢等により異なるが、経口投与の場合には、1回当り下限10mg(好適には、50mg)、上限2000mg(好適には、1000mg)を、静脈内投与の場合には、1回当たり下限10mg(好適には100mg)、上限3000mg(好適には、2000mg)を、成人に対して1日当り1乃至6回症状に応じて投与することが望ましい。
【0370】
本発明の化合物(I)、その薬理上許容される塩又はエステル誘導体は、経口投与したときに、活性体としてすぐれた体内動態(高い血中濃度持続など)を示す。
【0371】
以下本発明を実施例、参考例、試験例および製剤例を挙げてさらに詳細に説明するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。実施例および参考例中の核磁気共鳴スペクトルについては、重水中の測定にはトリメチルシリルプロピオン酸ナトリウム−dを内部標準に用い、その他の溶剤ではテトラメチルシランを内部標準に用いて測定した。なお、重水中の測定において内部標準物質を使用しない場合には、重水中のプロトン(HOD)のシグナル位置を4.65ppmとした。
【0372】
【実施例】
【0373】
【実施例1】
(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩
(1a)O−(1−アセトキシエチル)−S−エチルカルボノチオエート
O−(1−クロロエチル)−S−エチルカルボノチオエート ( WO−02092555号に記載; 10.0g, 59mmol ) を、トルエン ( 500mL ) に溶解し、引き続きヨウ化ナトリウム ( 23.1g, 154mmol )、18−クラウン−6 ( 4.70g, 17.8mmol ) を加え、窒素雰囲気下、100℃で6.5時間攪拌した。反応液を室温まで冷やし、水、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮し、O−(1−ヨードエチル)−S−エチルカルボノチオエートの粗生成物を得た。
【0374】
酢酸 ( 3.4mL, 59.3mmol )、テトラ−n−ブチルアンモニウム硫酸水素塩 ( 20.1g, 59.3mmol ) を水 ( 170mL )、及び塩化メチレン ( 100mL ) に溶解し、引き続き炭酸水素ナトリウム ( 10.0g, 119mmol ) を加え、室温で2時間攪拌したものに、上で得られたO−(1−ヨードエチル)−S−エチルカルボノチオエートの粗生成物を加え、室温でそのまま一晩攪拌した。反応終了確認後、反応液を分液し、水層を塩化メチレンで分液抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,95:5−90:10,V/V)にて精製し、無色油状のO−(1−アセトキシエチル)−S−エチルカルボノチオエート ( 5.20g、 収率 46% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400 MHz): δ 6.95 ( 1H, q, J=7.8 Hz ), 2.82−2.94 ( 2H, m),2.09 ( 3H, s ), 1.51 ( 3H, d, J=5.8 Hz ), 1.32 ( 3H, t, J=7.8 Hz )。
【0375】
(1b)クロロ蟻酸1−アセトキシエチル
実施例1(1a)で得られたO−(1−アセトキシエチル)−S−エチルカルボノチオエート ( 800mg, 4.16mmol ) を窒素雰囲気下、攪拌し、−78℃にてスルフリルクロリド ( 351μL, 4.37mmol ) を加え、0℃にて20分間攪拌した。室温にて減圧下濃縮し、クロロ蟻酸1−アセトキシエチルの粗生成物を得た。
【0376】
(1c)(3S)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン
(3S)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジン ( 1.45g, 7.80mmol ) を塩化メチレン ( 75mL ) に溶解し、氷冷にて実施例1(1b)で得られたクロロ蟻酸1−アセトキシエチル (1.30g, 7.80mmol )、トリエチルアミン (1.09mL, 7.80mmol ) を加え、室温にて1時間撹拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと飽和重曹水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,2:1−1:1,V/V)にて精製し、淡黄色アモルファス状の(3S)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン (1.70g、 収率 69% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 6.84 − 6.78 ( 1H, m ), 4.66− 4.52 ( 1H, m ), 4.26 − 4.15 ( 1H, m ), 3.70 − 3.60 ( 1H, m ), 3.53 − 3.41 (2H, m ), 3.32 − 3.16 ( 1H, m ), 2.18 − 2.09 ( 1H, m ), 2.08 − 2.04 ( 3H, m ), 1.90 − 1.76 ( 1H, m ), 1.49 ( 1.5H, d, J=5.1 Hz ), 1.47( 1.5H, d, J=5.1 Hz ), 1.45 ( 9H, s );
MS(FAB) m/z: 317 ( M+H )
【0377】
(1d)3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−{4−[(3S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル]アゼチジン
実施例1(1c)で得られた(3S)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン ( 1.70g, 5.40mmol )を塩化メチレン ( 50mL ) に溶解し、トリフルオロ酢酸 ( 17mL ) を氷冷にて加え、1時間攪拌した。反応終了確認後、反応液を減圧濃縮し、残渣を減圧乾燥させ、(3S)−3−アミノ−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジントリフルオロ酢酸塩の粗生成物を得た。得られた(3S)−3−アミノ−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジントリフルオロ酢酸塩と3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−(4−カルボキシル−1,3−チアゾール−2−イル)アゼチジン ( 参考例1に記載; 2.37mg, 5.40mmol ) をジメチルホルムアミド ( 70mL ) に溶解させ、窒素雰囲気下、氷冷にてジエチルホスホリルシアニド ( 833μL, 5.40mmol )、トリエチルアミン ( 3.03mL, 21.6mmol) を加え、室温にて一晩攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと5%食塩水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,1:1―2:3,V/V)にて精製し、白色アモルファス状の3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−{4−[(3S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 2.57g、 収率 75% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.64 − 7.60 ( 4H, m ), 7.49− 7.38 ( 6H, m ), 7.36( 1H, s ), 7.22 − 7.13 ( 1H, m ), 6.87 − 6.80 ( 1H, m ),4.89 − 4.72 (1H, m ), 4.65 − 4.56 ( 1H, m ), 4.16 − 4.08 ( 2H, m ), 4.06 −3.99 ( 2H,m ), 3.80 − 3.73 ( 1H, m ), 3.64 − 3.46 ( 2H, m ), 3.40 − 3.29 ( 1H,m ), 2.30 − 2.20 ( 1H, m ), 2.08 − 2.04 ( 3H, m ), 2.04 − 1.88 ( 1H, m ), 1.52 − 1.45 ( 3H, m ), 1.07 ( 9H, s );
MS(FAB) m/z: 637 ( M+H )
【0378】
(1e)3−ヒドロキシ−1−{4−[(3S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン
実施例1(1d)で得られた3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−{4−[(3S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 2.57g, 4.05mmol ) を無水テトラヒドロフラン ( 77mL ) に溶解し、氷冷にて、酢酸 ( 278μL, 4.86mmol )、1.0 Mテトラ−n−ブチルアンモニウムフロリド−テトラヒドロフラン溶液 ( 4.86mL, 4.86mmol ) を順次加え、そのまま一晩攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和重曹水、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−95:5,V/V)にて精製し、白色アモルファス状の3−ヒドロキシ−1−{4−[(3S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 1.57g、 収率 97% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.39 ( 1H, s ), 7.24 − 7.18( 1H, m ), 6.83 ( 0.5H, q, J=5.1 Hz ), 6.82 ( 0.5H, q, J= 5.1 Hz ), 4.89 − 4.80( 1H, m ), 4.65 − 4.56 ( 1H, m ), 4.38 − 4.30 ( 2H, m ), 4.80 − 4.75 ( 2H, m ),3.80 − 3.73 ( 1H, m ), 3.62 − 3.46 ( 2H, m ), 3.40 − 3.30 ( 1H, m ), 2.52 −2.43 ( 1H, m ), 2.30 − 2.20 ( 1H, m ), 2.08 − 2.04 ( 3H, m ), 2.04 − 1.90 ( 1H,m ), 1.52 − 1.45 ( 3H, m );
MS(FAB) m/z: 399 ( M+H )
【0379】
(1f)3−メタンスルホニルオキシ−1−{4−[(3S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン
実施例1(1e)で得られた3−ヒドロキシ−1−{4−[(3S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン (1.57mg, 3.94mmol ) を塩化メチレン (47mL ) に溶解し、氷冷にてメタンスルホニルクロリド ( 913μL, 11.8mmol )、トリエチルアミン ( 1.65mL, 11.8mmol ) を加え、そのまま2.5時間攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと飽和重曹水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−95:5,V/V)にて精製し、淡黄色アモルファス状の3−メタンスルホニルオキシ−1−{4−[(3S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 1.82g、 収率 97% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.46 ( 1H, s ), 7.20 − 7.12( 1H, m ), 6.83 ( 0.5H, q, J=5.1 Hz ), 6.82 ( 0.5H, q, J=5.1 Hz ), 5.46 − 5.40( 1H, m ), 4.66 − 4.57 ( 1H, m ), 4.51 − 4.43 ( 2H, m ), 4.31 − 4.24 ( 2H, m ),3.80 −3.73 ( 1H, m ), 3.64 − 3.46 ( 2H, m ), 3.42 − 3.30 ( 1H, m ), 3.11 ( 3H,s ), 2.30 − 2.20 ( 1H, m ), 2.09 − 2.04 ( 3H, m ), 2.04 − 1.90 ( 1H, m ), 1.52 − 1.46 ( 3H, m )。
【0380】
(1g)3−アセチルチオ−1−{4−[(3S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン
実施例1(1f)で得られた3−メタンスルホニルオキシ−1−{4−[(3S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 1.82mg, 3.82mmol ) をジメチルホルムアミド ( 91mL ) に溶解し、室温下にてチオ酢酸カリウム ( 2.62g, 22.9mmol ) を加え、80℃油浴にて11時間攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと10%食塩水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和重曹水、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン;酢酸エチル,1:3−1:4,V/V)にて精製し、淡褐色アモルファス状の3−アセチルチオ−1−{4−[(3S)−1−(2−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 1.49g、 収率 85% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.42 ( 1H, m ), 6.83 (0.5H, q, J=5.1 Hz ), 6.82 ( 0.5H, q, J= 5.1 Hz ), 4.65 − 4.58 ( 1H, m ), 4.54 (2H, t, J=8.8 Hz ), 4.48 − 4.40 ( 1H, m ), 4.00 ( 2H, ddd, J=2.2, 5.1, 8.1 Hz ), 3.81 − 3.73 ( 1H, m ), 3.62 − 3.48 ( 2H, m ), 3.40 − 3.29 ( 1H, m ), 2.37 ( 3H,s ), 2.30 − 2.20 ( 1H, m ), 2.09 − 2.06 ( 3H, m ), 2.04 − 1.90 ( 1H, m ), 1.52 − 1.05 ( 3H, m )。
【0381】
(1h)p−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例1(1g)で得られた3−アセチルチオ−1−{4−[(3S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 1.49g, 3.26mmol ) をジメチルホルムアミド ( 75mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、室温にてヒドラジン酢酸塩 ( 360mg, 3.92mmol ) を加え、そのまま1時間攪拌した。反応終了確認後、窒素雰囲気下、氷冷にて系内にp−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(ジフェニルホスホリルオキシ)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 1.94g, 3.26mmol ) のアセトニトリル ( 97mL ) 溶液を滴下し、続いてジイソプロピルエチルアミン ( 2.27mL,13.1mmol ) を加え、そのまま室温まで徐々に昇温させながら、一晩攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと5%食塩水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−95:5,V/V)にて精製し、淡黄色アモルファス状のp−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 2.09g、 収率 84% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 8.23 ( 2H, d, J=8.8 Hz ), 7.66 ( 2H, d, J=8.8 Hz ), 7.44 ( 1H, s ), 7.20 − 7.10 ( 1H, m ), 6.86 − 6.79 (1H, m ), 5.51 ( 1H, d, J=13.9 Hz ), 5.25 ( 1H, d, J=13.9 Hz ), 4.66 − 4.58 (1H, m ), 4.56 − 4.46 ( 2H, m ), 4.33 − 4.24 ( 3H, m ), 4.11 − 4.02 ( 2H, m ),3.80 − 3.72 ( 1H, m ), 3.62 − 3.49 ( 2H, m ), 3.42 − 3.33 ( 1H, m ), 3.30 ( 1H,dd, J=7.3, 2.2 Hz ), 3.22 ( 1H, dq, J=8.8, 7.3 Hz ), 2.30 − 2.20 ( 1H,m ),2.08 − 2.05 ( 3H, m ), 2.04 − 1.90 ( 1H, m ), 1.52 − 1.46 ( 3H, m ), 1.38 ( 3H,d, J=5.9 Hz ), 1.28 ( 3H, d, J=7.3 Hz )。
【0382】
(1i)(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩
実施例1(1h)で得られた化合物p−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 2.08g, 2.74mmol ) をテトラヒドロフラン ( 60mL )、蒸留水 ( 60mL ) に溶解し、10%パラジウム炭素 ( 2.08g ) 存在下、室温にて接触水素還元を2.5時間行った。反応終了確認後反応混合物を濾過。濾液に炭酸水素ナトリウム ( 230mg, 2.74mmol )、酢酸エチル、および蒸留水を加え、分液操作を行った。水層を減圧下濃縮し、コスモシールを用いた逆相クロマトグラフィー(蒸留水:アセトニトリル,100:0−85:15,V/V)にて精製し、凍結乾燥することによって目的化合物である白色アモルファス状の(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 1.01g、 収率 57% ) を得た。
H NMR(DO, 400MHz): δ 7.51 ( 1H, s ), 6.76 − 6.70 (1H, m ), 4.59 − 4.50 ( 3H, m ), 4.39 − 4.30 ( 1H, m ), 4.25 ( 1H, dq, J=6.6,5.9 Hz ), 4.21 − 4.15 ( 1H, m ), 4.08 − 4.00 ( 2H, m ), 3.78 − 3.66 ( 1H, m ),3.61 − 3.37 ( 4H, m ), 3.28 − 3.18 ( 1H, m ), 2.33 − 2.22 ( 1H, m ), 2.13 −2.01 (4H, m ), 1.53 ( 1.5H, d, J=5.1), 1.51 ( 1.5H, d, J=5.1), 1.31 ( 3H, d,J=6.6 Hz ), 1.19 ( 3H, d, J=7.3 Hz );
IR(KBr): 1743, 1663, 1604, 1544, 1490, 1470, 1450, 1422, 1390, 1314, 1244 cm−1
MS(FAB) m/z: 668 ( M+Na )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C26H32O9N5S2Na2 ( M+Na ): 668.1437. Found 668.1473。
【0383】
【実施例2】
ピバロイルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例1で得られた(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 250mg, 0.387mmol ) をジメチルアセトアミド ( 12.5mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、0℃にてヨウ化メチルピバレート ( 113mg, 0.465mmol ) を加え、そのまま1時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え有機層を10%食塩水、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、0.05M塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−98:2,V/V)で精製し、目的化合物である淡黄色アモルファス状のピバロイルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 279mg、 収率 98% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.43 ( 1H, s ), 7.20 − 7.10( 1H, m ), 6.86 − 6.78 ( 1H, m ), 5.98 ( 1H, d, J=5.1 Hz ), 5.84 ( 1H, d, J=5.1Hz ), 4.66 −4.57 ( 1H, m ), 4.54 − 4.46 ( 2H, m ) 4.32 − 4.22 ( 2H, m ), 4.24( 1H, dd, J=9.5, 2.6 Hz ), 4.10 − 4.02 ( 2H, m ), 3.80 − 3.73 ( 1H, m ), 3.62 −3.46 ( 2H, m ), 3.42 − 3.30 ( 1H, m ), 3.26 ( 1H, dd, J=7.0, 2.6 Hz ), 3.20 (1H, dq, J=9.5, 7.3 Hz ), 2.30 − 2.20 ( 1H, m ), 2.09 − 2.04 ( 3H, m ), 2.04 −1.90 ( 1H, m ), 1.82 − 1.76 ( 1H, m ), 1.52 − 1.46 ( 3H, m ),1.35 ( 3H, d,J=6.6 Hz ), 1.27 ( 3H, d, J=7.3 Hz ), 1.22 ( 9H, s );
IR(KBr): 1777, 1756, 1719, 1665, 1543, 1481, 1472, 1451, 1422, 1390, 1374 cm−1
MS(FAB) m/z : 738 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C324411 ( M+H ): 738.2479. Found 738.2473。
【0384】
【実施例3】
1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例1で得られた(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 250mg, 0.387mmol ) をジメチルアセトアミド ( 12.5mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、0℃にて1−ヨードエチル−イソプロピルカーボネート ( 120mg, 0.465mmol ) を加え、そのまま1時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え有機層を10%食塩水、0.05 M塩酸、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−95:5,V/V)にて精製し、目的化合物である淡黄色アモルファス状の1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 258mg、 収率 88% ) を得た。
H NMR(CDCl, 500MHz): δ 7.43 ( 1H, d, J=2.0 Hz ),7.20 − 7.10 ( 1H, m ), 6.91 − 6.86 ( 1H, m ), 6.86 − 6.80 ( 1H, m ), 4.64 −4.57 ( 1H, m ), 4.54 − 4.45 ( 2H, m ), 4.32 − 4.20 ( 3H, m ), 4.10 − 4.03 ( 2H,m ), 3.80 −3.74 ( 1H, m ), 3.62 − 3.46 ( 2H, m ), 3.41 − 3.30 ( 1H, m ), 3.24( 1H,dd, J=6.8,2.9 Hz ), 3.19 ( 1H, dq, J=8.8, 6.8 Hz ), 2.30 − 2.20 ( 1H, m), 2.09 − 2.04 ( 3H, m ), 2.04 − 1.90 ( 1H, m ), 1.76 − 1.74 ( 1H, m ),1.61 (1.5H, d, J=5.9 Hz ), 1.59 ( 1.5H, d, J=5.9 Hz ), 1.52 − 1.24 ( 12H, m );
IR(KBr): 1759, 1718, 1665, 1543, 1491, 1471, 1450, 1423, 1389, 1375, 1322,1271 cm−1
MS(FAB) m/z: 776 ( M+Na )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C324312Na ( M+Na ): 776.2248. Found 776.2239。
【0385】
【実施例4】
(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソ−ル−4−イル)メチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例1で得られた(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 150mg, 0.232mmol ) をジメチルアセトアミド ( 7.5 mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、0℃にて(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソ−ル−4−イル)メチルクロリド ( 69mg, 0.348mmol )、ヨウ化ナトリウム ( 157mg, 1.05mmol ) を加え、室温にて6時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え有機層を10%食塩水、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、0.05M塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,98:2−95:5,V/V)にて精製し、目的化合物である淡黄色アモルファス状の(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソ−ル−4−イル)メチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 127mg、 収率 75% ) を得た。
H NMR(CDCl, 500MHz): δ 7.44 ( 1H, s ), 7.20 − 7.11( 1H, m ), 6.85 − 6.80 ( 1H, m ), 5.05 ( 1H, d, J=13.7 Hz ), 4.97 ( 1H, d,J=13.7 Hz ), 4.65− 4.58 ( 1H, m ), 4.56 − 4.47 ( 2H, m ), 4.32 − 4.28 ( 2H, m), 4.25 ( 1H, dd, J=8.8, 2.2, Hz ), 4.12 − 4.04 ( 2H, m ), 3.80 − 3.73 ( 1H, m ),3.61 − 3.49 ( 2H, m ), 3.42 − 3.30 ( 1H, m ), 3.25 ( 1H, dd, J=6.8, 2.2 Hz),3.21 ( 1H, dq, J=8.8, 7.8 Hz ), 2.28 − 2.20 ( 1H, m ), 2.21 ( 3H, s ), 2.09 −2.05 ( 3H, m ), 2.00 − 1.90 ( 1H, m ), 1.74 − 1.69 ( 1H, m ), 1.52 − 1.46 ( 3H,m ), 1.36 ( 3H, d, J=5.9 Hz ), 1.27 ( 3H, d, J=7.8 Hz );
IR(KBr): 1820, 1774, 1735, 1716, 1663, 1543, 1491, 1472, 1449, 1425, 1389,1325 cm−1
MS(FAB) m/z: 758 ( M+Na )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C313712Na ( M+Na ): 758.7778. Found 758.1771。
【0386】
【実施例5】
(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3R)−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩
(5a)(3R)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン
(3R)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジン ( 291mg, 1.56mmol ) を塩化メチレン ( 15mL ) に懸濁させ、氷冷にて実施例1(1b)で得られたクロロ蟻酸1−アセトキシエチル ( 260mg, 1.56mmol )、トリエチルアミン( 219μL, 1.56mmol ) を加え、室温にて4時間撹拌した。反応終了確認後反応系内に酢酸エチルと飽和重曹水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,2:1−1:2,V/V)にて精製し、淡黄色アモルファス状の(3R)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン ( 336mg、 収率 68% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 6.84 − 6.78 ( 1H, m ), 4.69− 4.55 ( 1H, m ), 4.25 − 4.15 ( 1H, m ), 3.70 − 3.60 ( 1H, m ), 3.54 − 3.40 (2H, m ), 3.32 − 3.16 ( 1H, m ), 2.19 − 2.09 ( 1H, m ), 2.08 − 2.04 ( 3H, m ),1.90 − 1.76 ( 1H, m ), 1.50 − 1.46 ( 3H, m ), 1.45 ( 9H, s )。
【0387】
(5b)3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン
実施例5(5a)で得られた(3R)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン ( 2.12g, 6.70mmol )を塩化メチレン ( 64mL ) に溶解し、トリフルオロ酢酸 ( 21mL ) を氷冷にて加え、1時間攪拌した。反応終了確認後、反応液を減圧濃縮し、残渣を減圧乾燥させ、(3R)−3−アミノ−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジントリフルオロ酢酸塩の粗生成物を得た。得られた(3R)−3−アミノ−1−(1−アセトキシエチルオキシカルボニル)ピロリジントリフルオロ酢酸塩と3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−(4−カルボキシル−1,3−チアゾール−2−イル)アゼチジン ( 参考例1に記載; 2.94g, 6.70mmol ) をジメチルホルムアミド ( 88mL ) に溶解させ、窒素雰囲気下、氷冷にてジエチルホスホリルシアニド ( 1.03mL, 6.70mmol )、トリエチルアミン ( 2.82mL, 6.70mmol ) を加え、室温にて一晩攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと5%食塩水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,1:1−1:2,V/V)にて精製し、淡黄色アモルファス状の3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 2.63g、 収率 62% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.62 ( 4H, d, J=7.8 Hz ), 7.49 − 7.38 ( 6H, m ), 7.47 ( 1H, s ), 7.26 − 7.17 ( 1H, m ), 6.86 − 6.80 ( 1H,m ), 4.80 − 4.72 ( 2H, m ), 4.64 − 4.56 ( 1H, m ), 4.16 − 4.09 ( 2H, m ), 4.05− 4.00 ( 2H, m ), 3.80 − 3.73 ( 1H, m ), 3.63 − 3.45 ( 2H, m ), 3.40 − 3.30 (1H, m ), 2.29 − 2.20 ( 1H, m ), 2.09 − 2.04 ( 3H, m ), 2.04 − 1.92 ( 1H, m), 1.52 − 1.45 ( 3H, m ), 1.07 ( 9H, s );
MS(FAB) m/z: 637 ( M+H )
【0388】
(5c)3−ヒドロキシ−1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン
実施例5(5b)で得られた3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 2.63g, 4.13mmol ) を無水テトラヒドロフラン ( 130mL ) に溶解し、氷冷にて、酢酸 ( 284μL, 4.96mmol )、1.0 Mテトラ−n−ブチルアンモニウムフロリド−テトラヒドロフラン溶液 ( 4.96mL, 4.96mmo l) を順次加え、そのまま1時間攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和重曹水、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−95:5,V/V)にて精製し、白色アモルファス状の3−ヒドロキシ−1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 1.69g、 収率 100% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.38 ( 1H, s ), 7.25 − 7.19( 1H, m ), 6.83 ( 0.5H, q, J=5.9 Hz ), 6.81 ( 0.5H, q, J=5.9 Hz ), 4.88 − 4.80( 1H, m ), 4.64 − 4.56 ( 1H, m ), 4.37 − 4.30 ( 2H, m ), 4.00 − 3.94 ( 2H, m ),3.80 −3.73 ( 1H, m ), 3.64 − 3.44 ( 2H, m ), 3.40 − 3.30 ( 1H, m ), 2.73 (0.5H, d, J=6.6 Hz ), 2.67 ( 0.5H, d, J=6.6 Hz ), 2.30 − 2.20 ( 1H, m ), 2.09 −2.04( 3H, m ), 2.09 − 1.90 ( 1H, m ), 1.52 − 1.44 ( 3H, m )。
【0389】
(5d)3−メタンスルホニルオキシ−1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン
実施例5(5c)で得られた3−ヒドロキシ −1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 1.68g, 4.13mmol ) を塩化メチレン( 84mL ) に溶解し、氷冷にてメタンスルホニルクロリド ( 959μL, 12.4mmol )、トリエチルアミン ( 1.74mL, 12.4mmol ) を加え、そのまま1時間攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと飽和重曹水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−95:5,V/V)にて精製し、白色アモルファス状の3−メタンスルホニルオキシ−1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 1.96g、 収率 100% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.46 ( 1H, s ), 7.21 − 7.10( 1H, m ), 6.83 ( 0.5H, q, J=5.9 Hz ), 6.82 ( 0.5H, q, J=5.9 Hz ), 5.46 − 5.40( 1H, m ), 4.66 − 4.57 ( 1H, m ), 4.51 − 4.43 ( 2H, m ), 4.31 − 4.24 ( 2H, m ), 3.80 − 3.73 ( 1H, m ), 3.64 − 3.44 ( 2H, m ), 3.42 − 3.31 ( 1H, m ), 3.11 ( 3H,s ), 2.30 − 2.20 ( 1H, m ), 2.09 − 2.05 ( 3H, m ), 2.10 − 1.90 ( 1H, m), 1.53 − 1.45 ( 3H, m );
MS(FAB) m/z: 477 ( M+H )
【0390】
(5e)3−アセチルチオ−1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン
実施例5(5d)で得られた3−メタンスルホニルオキシ−1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 1.96g, 4.13mmol ) をジメチルホルムアミド ( 100mL ) に溶解し、室温下にてチオ酢酸カリウム ( 2.83g, 24.8mmol ) を加え、80℃油浴にて10時間攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと10%食塩水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和重曹水、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,1:4−1:5,V/V)にて精製し、淡褐色アモルファス状の3−アセチルチオ−1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 1.54g、 収率 82% ) を得た。
H−NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.42 ( 1H, s ), 7.24 − 7.16( 1H, m ), 6.83 ( 0.5H, q, J=5.9 Hz ), 6.81 ( 0.5H, q, J=5.9 Hz ), 4.64 − 4.57 ( 1H, m ), 4.54 ( 2H, dt, J=1.9, 8.8 Hz ), 4.47 − 47.41 ( 1H, m ), 4.00 ( 2H,ddd, J=3.5, 5.5, 8.8 Hz ), 3.80 − 3.73 ( 1H, m ), 3.63 − 3.43 ( 2H, m ), 3.40 −3.30 ( 1H, m ), 2.37 ( 3H, s ), 2.30 − 2.20 ( 1H, m ), 2.09 − 2.04 ( 3H,m ),2.09 − 1.90 ( 1H, m ), 1.52 − 1.45 ( 3H, m );
MS(FAB) m/z: 457 ( M+H ) +
【0391】
(5f)p−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3R)−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例5(5e)で得られた3−アセチルチオ−1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 1.54g, 3.38mmol ) をジメチルホルムアミド ( 77mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、室温にてヒドラジン酢酸塩 (374mg, 4.06mmol ) を加え、そのまま2時間攪拌した。反応終了確認後、窒素雰囲気下、氷冷にて系内にp−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(ジフェニルホスホリルオキシ)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 2.01g, 3.38mmol ) のアセトニトリル ( 100mL ) 溶液を滴下し、続いてジイソプロピルエチルアミン ( 2.35mL, 13.5mmol ) を加え、そのまま室温まで徐々に昇温させながら、一晩攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと飽和重曹水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を5%食塩水、飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−95:5,V/V)にて精製し、淡黄色アモルファス状のp−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3R)−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 2.33g、 収率 91% ) を得た。
H NMR(CDCl, 500MHz): δ 8.23 ( 2H, d, J=8.8 Hz ),7.66 ( 2H, d, J=8.8 Hz ), 7.44 ( 1H, s ), 7.22 − 7.11 ( 1H, m ), 6.85 − 6.79 (1H, m ), 5.51 (1H, d, J=13.7 Hz ), 5.25 ( 1H, d, J=13.7 Hz ), 4.66 − 4.58 (1H, m ), 4.56 − 4.45 ( 2H, m ), 4.33 − 4.24 ( 3H, m ), 4.10 − 4.02 ( 2H, m ),3.79 −3.73 ( 1H, m ), 3.62 − 3.46 ( 2H, m ), 3.40 − 3.11 ( 1H, m ), 3.30 ( 1H,dd, J=6.8, 2.9 Hz ), 3.22 ( 1H, dq, J=9.1, 7.8 Hz ), 2.29 − 2.19 ( 1H, m ), 2.09 − 2.03 ( 3H, m ), 2.00 − 1.90 ( 1H, m ), 1.52 − 1.45 ( 3H, m ), 1.38 ( 3H,d, J=6.8 Hz ), 1.28 ( 3H, d, J=7.8 Hz )。
【0392】
(5g)(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3R)−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩
実施例5(5f)で得られた化合物p−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 2.63g, 3.47mmol ) をテトラヒドロフラン ( 100mL )、蒸留水 ( 100mL ) に溶解し、10%パラジウム炭素 ( 2.63g ) 存在下、室温にて接触水素還元を2.5時間行った。反応終了確認後反応混合物を濾過。濾液に炭酸水素ナトリウム ( 292mg, 3.47mmol )、酢酸エチル、および蒸留水を加え、分液操作を行った。水層を減圧下濃縮し、コスモシールを用いた逆相クロマトグラフィー(蒸留水:アセトニトリル,100:0−85:15,V/V)にて精製し、凍結乾燥することによって目的化合物である白色アモルファス状の(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 1.21g、 収率 54% ) を得た。
H NMR(DO, 400MHz): δ 7.52 − 7.49 ( 1H, m ), 6.76 −6.66 ( 1H, m ), 4.57 − 4.47 ( 3H, m ), 4.36 − 4.29 ( 1H, m ), 4.25 ( 1H, dq,J=6.4, 6.2 Hz ), 4.19 − 4.13 ( 1H, m ), 4.06 − 3.95 ( 2H, m ), 3.76 − 3.63 (1H, m ), 3.60 − 3.38 ( 4H, m ), 3.24 − 3.12 ( 1H, m ), 2.32 − 2.21 ( 1H, m ),2.12 −2.00 ( 4H, m ), 1.54 − 1.49 ( 3H, m ), 1.31 ( 3H, d, J=6.4 Hz ). 1.18 (3H, dd, J=6.8, 4.2 Hz );
IR(KBr): 1743, 1663, 1603, 1545, 1490, 1470, 1450, 1423, 1390, 1314, 1244 cm−1
MS(FAB) m/z: 646 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C2633Na ( M+H ): 646.1618. Found 646.1620.
Anal. calcd. for C2632Na・7/3HO: C,45.41%; H,5.37%; N,10.18%; S,9.32%. Found C,45.36%; H,5.59%; N,10.30%; S,9.27%。
【0393】
【実施例6】
ピバロイルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例5で得られた(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 370mg, 0.573mmol ) をジメチルアセトアミド ( 19mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、0℃にてヨウ化メチルピバレート ( 167mg, 0.688mmol ) を加え、そのまま40分間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え有機層を5%食塩水、0.5M塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−95:5,V/V)で精製し、目的化合物である淡黄色アモルファス状のピバロイルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 425mg、 収率 100%
) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.44 ( 1H, s ), 7.22 − 7.12( 1H, m ), 6.83 ( 0.5H, q, J=5.8 Hz ), 6.82 ( 0.5H, q, J=5.8 Hz ), 5.98 ( 1H,d, J=5.1 Hz ),5.84 ( 1H, d, J=5.1 Hz ), 4.60 − 4.58 ( 1H, m ), 4.56 − 4.46 (2H, m ), 4.33 − 4.22 ( 3H, m ), 4.10 − 4.02 ( 2H, m ), 3.80 − 3.73 ( 1H, m ), 3.62 − 3.49 ( 2H, m ), 3.42 − 3.30 ( 1H, m ), 3.25 ( 1H, dd, J=6.6, 2.2 Hz ), 3.20 ( 1H, dq, J=9.5, 7.3 Hz ), 2.30 − 2.20 ( 1H, m ), 2.09 − 2.04 ( 3H, m ), 2.05 − 1.90 ( 1H, m ), 1.52 − 1.46 ( 3H, m ), 1.35 ( 3H, d, J=5.9 Hz ), 1.27 (3H, d, J=7.3 Hz ), 1.22 ( 9H, s );
IR (KBr): 1776, 1755, 1719, 1666, 1543, 1481, 1471, 1451, 1423, 1390, 1374,1344, 1325 cm−1
MS(FAB) m/z: 738 (M+H)
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C324411 ( M+H ): 738.2479. Found 738.2500。
【0394】
【実施例7】
1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例5で得られた(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 370mg, 0.573mmol ) をジメチルアセトアミド ( 19mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、0℃にて1−ヨードエチル−イソプロピルカーボネート ( 177mg, 0.688mmol ) を加え、そのまま30分間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え有機層を5%食塩水、0.5 M塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−95:5,V/V)にて精製し、目的化合物である淡黄色アモルファス状の1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 403mg、 収率 93% ) を得た。
H NMR(CDCl, 500MHz): δ 7.43 ( 1H, d, J=2.0 Hz ),7.21 − 7.12 ( 1H, m ), 6.89 ( 0.5H, d, J=4.9 Hz ), 6.88 ( 0.5H, d, J=4.9 Hz ),6.85 − 6.80 ( 1H, m ), 4.94 − 4.86 ( 1H, m ), 4.65 − 4.57 ( 1H, m ), 4.55 −4.45 ( 2H, m), 4.32 − 4.20 ( 3H, m ), 4.10 − 4.02 ( 2H, m ), 3.80 − 3.74 ( 1H,m ), 3.60 − 3.48 ( 2H, m ), 3.41 − 3.30 ( 1H, m ), 3.25 ( 1H, dd, J=7.3, 2.4 Hz), 3.19 ( 1H, dq, J=8.8, 7.8 Hz ), 2.30 − 2.20 ( 1H, m ), 2.09 − 2.05 ( 3H, m), 2.00 − 1.92 ( 1H, m ), 1.76 − 1.74 ( 1H, m ), 1.62 ( 1.5H, d, J=4.9 Hz ), 1.59 ( 1.5H, d, J=4.9 Hz ), 1.52 − 1.46 ( 3H, m ), 1.38 − 1.24 ( 12H, m );
IR(KBr): 1758, 1718, 1665, 1543, 1491, 1470, 1450, 1423, 1389, 1375, 1323,1271 cm−1
MS(FAB) m/z: 754 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C324412 ( M+H ): 754.2428. Found 754.2441。
【0395】
【実施例8】
(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩
(8a)3−ヒドロキシ−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)アゼチジン
1−ベンズヒドリル−3−ヒドロキシアゼチジン ( 7.5g, 31.3mmol ) をメタノール ( 225mL ) に溶解させ、10%パラジウム炭素 ( 7.5g ) 存在下、50℃水浴にて1.5時間接触水素還元を行った。反応終了確認後、反応液を濾過、濾物をメタノールで洗浄した。得られた濾液に、氷冷にて、4−ジメチルアミノピリジン (3.82g, 31.3mmol )、実施例1(1b)で得られたクロロ蟻酸1−アセトキシエチル ( 3.82g, 31.3mmol ) を加え、室温にて1.5時間撹拌した。反応終了確認後反応系内に酢酸エチルと飽和重曹水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,1:1−2:3,V/V)にて精製し、無色油状の3−ヒドロキシ−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)アゼチジン( 5.56g、 収率 87% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 6.77 ( 1H, q, J=5.1 Hz ), 4.69 − 4.60 ( 1H, m ), 4.27 − 4.20 ( 2H, m ), 3.89 ( 2H, dd, J=9.5, 4.4 Hz ), 2.20 ( 1H, d, J=5.9 Hz ), 2.07 ( 3H, s ), 1.47 ( 3H, d, J=5.1 Hz )
MS(FAB) m/z: 204 ( M+H ) +
【0396】
(8b)3−メタンスルホニルオキシ−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)アゼチジン
実施例8(8a)で得られた3−ヒドロキシ−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)アゼチジン ( 5.56g, 27.3mmol ) を塩化メチレン ( 170mL ) に溶解させ、氷冷にてメタンスルホニルクロリド ( 2.33mL, 30.1mmol )、トリエチルアミン ( 4.22mL, 30.1mmol ) を加え1時間攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと飽和重曹水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,1:1−2:3,V/V)にて精製し、無色油状の3−メタンスルホニルオキシ−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)アゼチジン( 7.20g, 収率 94% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 6.76 ( 1H, q, J=5.9 Hz ), 5.27 − 5.21 ( 1H, m ), 4.40 − 4.33 ( 2H, m ), 4.21 − 4.14 ( 2H, m ), 3.08 ( 3H, s ), 2.07 ( 3H, s ), 1.47 ( 3H, d, J=5.9 Hz );
MS(FAB) m/z: 282 ( M+H ) +
【0397】
(8c)3−アジド−1‐(1−アセトキシエトキシカルボニル)−アゼチジン
実施例8(8b)で得られた3−メタンスルホニルオキシ−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)アゼチジン ( 7.20g, 25.6mmol ) をジメチルホルムアミド ( 220mL ) に溶解し、アジ化ナトリウム ( 4.99g, 76.8mmol ) を加え100℃油浴にて一晩攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと5%食塩水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,4:1−3:1,V/V)にて精製し、無色油状の3−アジド−1−(アセトキシエトキシカルボニル)アゼチジン( 1.80g, 収率 31% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 6.76 ( 1H, q, J=5.9 Hz ), 4.31 − 4.24 ( 3H, m ), 4.00 − 3.94 ( 2H, m ), 2.07 ( 3H, s ), 1.47 ( 3H, d, J=5.9 Hz );MS(FAB) m/z: 229 ( M+H ) +
【0398】
(8d)3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−{4−[1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン
実施例8(8c)で得られた3−アジド−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)アゼチジン ( 1.80g, 7.89mmol ) をメタノール ( 54mL ) に溶解させ、10%パラジウム炭素 ( 1.80g ) 存在下、室温にて1時間接触水素還元を行った。反応終了確認後、触媒を濾過、濾物をメタノールで洗浄し、濾液を減圧濃縮した。この粗生成物と3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−(4−カルボキシル−1,3−チアゾール−2−イル)アゼチジン ( 参考例1に記載 ; 3.46g, 7.89mmol ) をジメチルホルムアミド ( 104mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、氷冷にてジエチルホスホリルシアニド ( 1.22mL, 7.89mol )、トリエチルアミン ( 1.11mL, 7.89mmol ) を加え、室温にて1.5時間攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと5%食塩水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,2:1−1:1,V/V)にて精製し、淡黄色アモルファス状の3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−{4−[1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 3.34g, 収率 68% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 6.64 − 7.60 ( 4H, m ), 7.52 − 7.38 ( 6H, m ) 7.36 ( 1H, m ), 6.79 ( 1H, q, J=5.9 Hz ), 4.88 − 4.80 ( 1H, m), 4.80 − 4.73 ( 1H, m ), 4.38 ( 2H, t, J=7.3 Hz ), 4.13 ( 2H, t, J=7.3 Hz ) 4.04 ( 2H, dd, J=8.8, 5.1 Hz ), 3.95 ( 2H, tt, J=5.9, 2.9 Hz ), 2.08 ( 3H, s ),1.47 ( 3H, d, J=5.9 Hz ), 1.08 ( 9H, s);
MS(FAB) m/z: 623 ( M+H ) +
【0399】
(8e)3−ヒドロキシ−1−{4−[1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン
実施例8(8d)で得られた3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−{4−[1−(アセトキシエトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 3.34g, 5.36mmol ) を無水テトラヒドロフラン ( 100mL ) に溶解し、氷冷にて酢酸 (369μL, 6.44mmol )、1.0Mテトラブチルアンモニウムフロリド−テトラヒドロフラン溶液 ( 6.44mL, 6.44mmol ) を順次加え、そのまま1時間攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと飽和食塩水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−98:2,V/V)にて精製し、無色アモルファス状の3−ヒドロキシ−1−{4−[1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 2.04g, 収率 99% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.53 ( 1H, bd, J=8.8 Hz ), 7.39 ( 1H, s ), 6.78 ( 1H, q, J=5.1 Hz ), 4.89 − 4.80 ( 2H, m ), 4.41 − 4.32 ( 4H, m ), 4.00 − 3.93 ( 4H, m ), 2.45 ( 1H, bd, J=5.9 Hz ), 2.07 ( 3H, s ), 1.47 ( 3H, d, J=5.1 Hz );
MS(FAB) m/z: 385 ( M+H ) +
【0400】
(8f)3−メタンスルホニルオキシ−1−{4−[1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン
実施例8(8e)で得られた3−ヒドロキシ−1−{4−[1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 2.04g, 5.31mmol ) を塩化メチレン ( 62mL ) に溶解し、氷冷にてメタンスルホニルクロリド ( 1.23mL, 15.9mmol )、トリエチルアミン ( 2.23mL, 15.9mmol ) を加えそのまま2時間攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと飽和重曹水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)にて精製し、淡黄色アモルファス状の3−メタンスルホニルオキシ−1−{4−[1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 2.33g, 収率 95% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.49 ( 1H, bd, J=6.6 Hz ), 7.46 ( 1H, s ), 6.78 ( 1H, q, J=5.1 Hz ), 5.47 − 5.40 ( 1H, m ), 4.90 − 4.80 ( 1H, m ), 4.48 ( 2H, dd, J=10.3, 6.6 Hz ), 4.39 ( 2H, t, J=9.5 Hz ), 4.29 ( 2H, dd, J=10.3, 4.4 Hz ), 3.98 − 3.93 ( 2H, m ), 3.12 ( 3H, s ), 2.07 ( 3H, s ), 1.47 ( 3H, d, J=5.1 Hz );
MS(FAB) m/z: 463 ( M+H ) +
【0401】
(8g)3−アセチルチオ−1−{4−[1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン
実施例8(8f)で得られた3−メタンスルホニルオキシ−1−{4−[1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 2.33g, 5.04mmol ) をジメチルホルムアミド (115mL ) に溶解し、室温下でチオ酢酸カリウム ( 3.45g, 30.2mmol )を加え80℃油浴にて一晩攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと5%食塩水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,1:2,V/V)にて精製し、淡褐色アモルファス状の3−アセチルチオ−1−{4−[1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 1.69g, 収率 76% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.50 ( 1H, bd, J=8.1 Hz ), 7.43 ( 1H, s ), 6.79 ( 1H, q, J=5.9 Hz ), 4.89 − 4.82 ( 1H, m ), 4.56 ( 2H, t, J=8.1 Hz ), 4.50 − 4.44 ( 1H, m ), 4.39 ( 2H, t, J=8.1 Hz ), 4.02 ( 2H, dd, J=8.1, 5.9 Hz ), 3.96 ( 2H, tt, J=5.9, 2.9 Hz ), 2.38 ( 3H, s ), 2.08 ( 3H, s ),1.48 ( 3H, d, J=5.9 Hz );
MS(FAB) m/z: 443 ( M+H ) +
【0402】
(8h)p−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[1−(1−アセシエトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例8(8g)で得られた3−アセチルチオ−1−{4−[1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン( 1.69g, 3.82mmol ) をジメチルホルムアミド ( 115mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、室温にてヒドラジン酢酸塩 ( 422mg, 4.58mmol ) を加え、そのまま1時間攪拌した。反応終了確認後、窒素雰囲気下、氷冷にて系内にp−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(ジフェニルホスホリルオキシ)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 2.27g, 3.82mmol ) のアセトニトリル ( 115mL ) 溶液を滴下し、続いてジイソプロピルエチルアミン ( 2.65mL, 15.2mmol ) を加え、そのまま室温まで徐々に昇温させながら、一晩攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと5%食塩水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和重曹水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−98:2,V/V)にて精製し、淡黄色アモルファス状のp−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[1−(1−アセシエトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 2.58g、 収率 91% ) を得た。
H NMR(CDCl, 500MHz): δ 8.23 ( 2H, d, J=8.8 Hz ),7.66 ( 2H, d, J=8.8 Hz ), 7.48 ( 1H, bd, J=7.8 Hz ), 7.44 ( 1H, s ), 6.78 ( 1H, q, J=5.9 Hz ), 5.51 ( 1H, d, J=13.7 Hz ), 5.25 ( 1H, d, J=13.7 Hz ), 4.89 − 4.81 ( 1H, m ), 4.52 ( 2H, q, J=7.8 Hz ), 4.39 ( 2H, t, J=7.8 Hz ), 4.33 − 4.25 (3H, m ), 4.08 ( 2H, dt, J=8.8, 4.9 Hz ), 3.95 ( 2H, dt, J=8.8, 4.9 Hz ), 3.30 ( 1H, dd, J=6.8, 2.0 Hz ), 3.22 ( 1H, dq, J=8.8, 6.8 Hz ), 2.07 (3H, s ), 1.87 ( 1H, bd, J=3.9 Hz ), 1.47 ( 3H, d, J=5.9 Hz ), 1.38 ( 3H, d, J=5.9 Hz ), 1.29 ( 3H, d, J=6.8 Hz );
MS(FAB) m/z: 745 ( M+H ) +
【0403】
(8i)(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[1−(1−アセシエトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩
実施例8(8h)で得られたp−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[1−(1−アセシエトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 3.92g, 5.26mmol ) をテトラヒドロフラン ( 110mL )、蒸留水 ( 110mL ) に溶解し、10%パラジウム炭素 ( 3.92g ) 存在下、室温にて接触水素還元を3時間行った。反応終了確認後反応混合物を濾過。濾液に炭酸水素ナトリウム ( 442mg, 5.26mmol ) 、酢酸エチル、および蒸留水を加え、分液操作を行った。水層を前述の混合溶媒で洗浄後、減圧下濃縮し、コスモシールを用いた逆相クロマトグラフィー(蒸留水:アセトニトリル,100:0−85:15,V/V)にて精製し、凍結乾燥することによって目的化合物である白色アモルファス状の(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[1−(1−アセシエトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 1.90g、 収率 57% ) を得た。
H NMR(DO, 400MHz): δ 7.52 ( 1H, s ), 6.71 ( 1H, q, J=5.5 Hz ), 4.57 (2H, t, J=8.1 Hz ), 4.48 − 4.32 ( 4H, m ), 4.24 ( 1H, dq, J=6.4, 6.2 Hz ), 4.18 ( 1H, dd, J=9.2, 2.4 Hz ), 4.24 − 4.02 ( 4H, m ), 3.43 ( 1H, dd,J=6.2, 2.4 Hz ), 3.24 ( 1H, dq, J=9.2, 7.3 Hz ), 2.12 ( 3H, s ), 1.50 (3H, d, J=5.5 Hz ), 1.30 ( 3H, d, J=6.4 Hz ), 1.19 ( 3H, d, J=7.3 Hz );
IR(KBr): 1749, 1663, 1603, 1545, 1390, 1245, 1130, 1072 cm−1
MS(FAB) m/z: 632 ( M+H )
HRMS(FAB) m/z: calcd. for C2530Na ( M+H ): 632.1461. Found 632.1440.
Anal. calcd. for C2630Na・2/3HO: C,46.65%; H,4.91%; N,10.88%; S,9.96%. Found C,46.42%; H,5.44%; N,11.12%; S,9.47%。
【0404】
【実施例9】
ピバロイルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[1−(1−アセシエトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例8で得られた(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[1−(1−アセシエトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 300mg, 0.475mmol ) をジメチルアセトアミド ( 15mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、0℃にてヨウ化メチルピバレート( 138mg, 0.570mmol ) を加え、そのまま2時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え有機層を10%食塩水、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、0.1 M塩酸、飽和重曹水にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−98:2,V/V)にて精製し、目的化合物である白色アモルファス状のピバロイルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[1−(1−アセシエトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 335mg、 収率 98% ) を得た。
H NMR(CDCl, 500MHz): δ 7.50 ( 1H, bd, J=7.8 Hz ), 7.44 ( 1H, s ), 6.78 ( 1H, q, J=4.9 Hz ), 5.98 ( 1H, d, J=5.9 Hz ), 5.84 ( 1H, d, J=5.9 Hz ), 4.89 − 4.81 ( 1H, m ), 4.52 ( 2H, q, J=7.8 Hz ), 4.39 ( 2H, t, J=8.8 Hz ), 4.33 − 4.24 ( 2H, m ), 4.24 ( 1H, dd, J=9.8, 2.9 Hz ), 4.10 − 4.04( 2H, m ), 3.95 ( 2H, dt, J=9.8, 4.9 Hz ), 3.26 ( 1H, dd, J=6.8, 2.9 Hz), 2.07 ( 3H, s ), 1.82 ( 1H, d, J=4.9 Hz ), 1.47 ( 3H, d, J=4.9 Hz ), 1.36 ( 3H, d, J=5.9 Hz ), 1.27 ( 3H, d, J=7.8 Hz ), 1.22 ( 9H, s );
IR(KBr): 1754, 1726, 1665, 1542, 1491, 1472, 1454cm−1
MS(FAB) m/z: 724 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C314111 ( M+H ): 724.2323. Found 724.2313。
【0405】
【実施例10】
1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[1−(1−アセシエトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例8で得られた(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[1−(1−アセシエトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 300mg, 0.475mmol ) をジメチルアセトアミド ( 15mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、0℃にて1−ヨードエチル−イソプロピルカーボネート ( 147mg, 0.570mmol ) を加え、そのまま1.5時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え有機層を10%食塩水、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、0.1 M塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−98:2,V/V)にて精製し、目的化合物である淡黄色アモルファス状の1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[1−(1−アセシエトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 335mg、 収率 96% ) を得た。
H NMR(CDCl, 500MHz): δ 7.53 − 7.48 ( 1H, m ), 7.44 ( 0.5H, s ), 7.43 ( 0.5H, s ), 6.89 ( 0.5H, q, J=4.9 Hz ), 6.88 ( 0.5H, q, J=4.9 Hz ), 6.78 ( 1H, q, J=5.9 Hz ), 4.96 − 4.82 ( 2H, m ), 4.54 − 4.48 ( 2H, m ), 4.39 ( 2H, t, J=8.8 Hz ), 4.33 − 4.20 ( 3H, m ), 4.10 − 4.05 ( 2H, m ), 3.99 − 3.93 ( 2H, m ), 3.25 ( 1H, dd, J=6.8, 2.9 Hz ), 3.19 ( 1H, dq, J=9.8, 7.8 Hz ), 2.07 ( 3H, s ), 1.85 − 1.81 ( 1H, m ), 1.63 − 1.58 ( 3H, m ), 1.47 ( 3H, d, J=5.9 Hz ), 1.38 − 1.25 ( 12H, m );
IR(KBr): 1758, 1728, 1667, 1543, 1493, 1272, 1073cm−1
MS(FAB) m/z: 740 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C314112 ( M+H ): 740.2271. Found 740.2292。
【0406】
【実施例11】
(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソ−ル−4−イル)メチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[1−(1−アセシエトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例8で得られた(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[1−(1−アセシエトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 300mg, 0.475mmol ) をジメチルアセトアミド ( 15mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、0℃にて(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソ−ル−4−イル)メチルクロリド ( 143mg, 0.712mmol )、ヨウ化ナトリウム ( 321mg, 2.14mmol ) を加え、そのまま6.5時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え有機層を10%食塩水、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、0.05 M塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−95:5,V/V)にて精製し、目的化合物である淡黄色アモルファス状の(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソ−ル−4−イル)メチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[1−(1−アセシエトキシカルボニル)アゼチジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 237mg、 収率 69% ) を得た。
H NMR(CDCl, 500MHz): δ 7.50 ( 1H, bd, J=7.8 Hz ), 7.44 ( 1H, s ), 6.78 ( 1H, q, J=5.1 Hz ), 5.05 ( 1H, d, J=13.7 Hz ), 4.98 ( 1H, d, J=13.7 Hz ), 4.89 − 4.81 ( 1H, m ), 4.52 ( 2H, q, J=7.8 Hz ), 4.39 ( 2H, t, J=8.8 Hz ), 4.33 − 4.26 ( 2H, m ), 4.25 ( 1H, dd, J=8.8, 2.0 Hz ), 4.12 − 4.05 ( 2H, m ) 3.95 ( 2H, dt, J=9.8, 4.9 Hz ), 3.26 ( 1H, dd, J=6.8, 2.0 Hz ), 3.22 ( 1H, dq, J=8.8, 6.8 Hz ), 2.21 ( 3H, s ), 2.07 ( 3H, s ), 1.78 ( 1H, bd, J=4.9 Hz ), 1.47 ( 3H, d, J=5.1 Hz ), 1.37 ( 3H, d, J=6.8 Hz), 1.27 ( 3H, d, J=6.8 Hz );
IR(KBr): 1820, 1771, 1732,1665, 1543, 1340, 1311, 1235, 1131cm−1
MS(FAB) m/z: 722 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C303512 ( M+H ): 722.1802. Found 722.1818。
【0407】
【実施例12】
(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(1S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニルアミノ)メチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩
(12a)3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−{4−[(1S)−1−ヒドロキシメチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン
L−バリノール ( 364mg, 2.74mmol )、3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−(4−カルボキシル−1,3−チアゾール−2−イル)アゼチジン ( 参考例1に記載; 1.00g, 2.28mmol ) をジメチルホルムアミド ( 30mL ) に懸濁させ、窒素雰囲気下、氷冷にてジエチルホスホリルシアニド ( 422μL, 2.74mmol )、トリエチルアミン ( 768μL, 2.74mmol ) を加え、室温にて2時間攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと5%食塩水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,1:1−1:2,V/V)にて精製し、淡黄色アモルファス状の3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−{4−[(1S)−1−ヒドロキシメチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 1.04g、 収率 87% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.64 − 7.60 ( 4H, m ), 7.50− 7.38 ( 6H, m ), 7.36 ( 1H, s ), 7.36 − 7.32 ( 1H, bd, J=8.1 Hz ), 4.80 − 4.72( 1H, m ), 4.11 ( 2H, t, J=7.3 Hz ), 4.01 ( 2H, dd, J=5.1, 8.8 Hz ), 3.84 −3.70 ( 3H, m ), 2.82 ( 1H, t, J=5.9 Hz ), 2.06 − 1.97 ( 1H, m ), 1.07 ( 9H, s), 1.02 ( 3H, d, J=6.6 Hz ), 0.99 ( 3H, d, J=6.6 Hz );
MS(FAB) m/z: 524 ( M+H )
【0408】
(12b)3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−{4−[(1S)−1−アジドメチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン
実施例12(12a)で得られた3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−{4−[(1S)−1−ヒドロキシメチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 1.04g, 1.98mmol ) をテトラヒドロフラン ( 30mL ) に溶解し、氷冷にて、ジフェニルホスホリルアジド ( 642μL, 2.98mmol )、トリフェニルホスフィン ( 782mg, 2.98mmol )、ジエチルアゾジカルボキシラート−40%トルエン溶液 ( 1.10g, 2.98mmol ) を窒素雰囲気下にて加え、そのまま一晩攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと飽和食塩水を加え、分液抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,5:1−3:1,V/V)にて精製し、淡黄色油状の3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−{4−[(1S)−1−アジドメチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 949mg、 収率 87% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.64 − 7.60 ( 4H, m ), 7.50− 7.38 ( 6H, m ), 7.36 ( 1H, s ), 7.22 − 7.18 ( 1H, bd, J=9.5 Hz ), 4.80 − 4.72( 1H, m ), 4.16 − 4.09 ( 2H, m ), 4.06 − 3.94 ( 3H, m ), 3.53 ( 2H, t, J=4.4 Hz), 2.00 − 1.90 ( 1H, m ), 1.07 ( 9H, s ), 1.00 ( 3H, d, J=6.6 Hz ), 0.98 ( 3H,d, J=6.6 Hz );
MS(FAB) m/z: 549 ( M+H )
【0409】
(12c)3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−{4−[(1S)−1−t−ブトキシカルボニルアミノメチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン
実施例12(12b)で得られた3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−{4−[(1S)−1−アジドメチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 940mg, 1.71mmol ) をメタノール ( 47mL ) に溶解し、10%パラジウム炭素 ( 940mg ) 存在下、室温にて1時間、接触水素還元を行った。反応終了確認後、反応液に室温にてジ−t−ブチルオキシカーボネ−ト ( 561mg, 2.57mmol ) を加え、室温にて2.5時間攪拌した。反応終了確認後、反応液を濾過し、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,3:1,V/V)にて精製し、白色アモルファス状の3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−{4−[(1S)−1−t−ブトキシカルボニルアミノメチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 930mg、 収率 87% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.64 − 7.60 ( 4H, m ), 7.49− 7.38 ( 6H, m ), 7.35 ( 1H, s ), 7.21 − 7.15 ( 1H, bd, J=9.5 Hz ), 4.92 − 4.85( 1H, m ), 4.78 − 4.72 ( 1H, m ), 4.16 − 4.09 ( 2H, m ), 4.02 ( 2H, dt, J=5.1,8.1 Hz), 3.99 − 3.90 ( 1H, m ), 3.37 ( 1H, dt, J=12.5, 4.8 Hz ), 3.30 − 3.18 (1H, m ), 1.92 − 1.82 ( 1H, m ), 1.37 ( 9H, s ), 1.07 ( 9H, s ), 0.99 ( 3H, d,J=6.6 Hz ), 0.98 ( 3H, d, J=6.6 Hz );MS(FAB) m/z: 623 ( M+H )
【0410】
(12d)3−ヒドロキシ−1−{4−[(1S)−1−t−ブトキシカルボニルアミノメチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン
実施例12(12c)で得られた3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−{4−[(1S)−1−t−ブトキシカルボニルアミノメチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 1.38g, 2.22mmol ) を無水テトラヒドロフラン ( 41mL ) に溶解し、氷冷にて、1.0 Mテトラ−n−ブチルアンモニウムフロリド−テトラヒドロフラン溶液 ( 2.66mL, 2.66mmol ) を順次加え、そのまま1時間攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと飽和重曹水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和重曹水、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,1:2−1:3,V/V)にて精製し、白色アモルファス状の3−ヒドロキシ−1−{4−[(1S)−1−t−ブトキシカルボニルアミノメチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 829mg、 収率 97% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.36 ( 1H, s ), 7.25 − 7.19( 1H, bd, J=8.8 Hz ), 4.98 − 4.90 ( 1H, m ), 4.88 − 4.79 ( 1H, m ), 4.33 ( 2H,t, J=7.7 Hz ), 3.98 ( 2H, dt, J=8.8, 4.2 Hz ), 3.98 − 3.88 ( 1H, m ), 3.37 (1H, dt, J=14.6, 4.8 Hz ), 3.30 − 3.18 ( 1H, m ), 2.78 − 2.72 ( 1H, m ), 1.92 − 1.82 ( 1H, m ), 1.68 − 1.62 ( 1H, br ), 1.37 ( 9H, s ), 0.99 ( 3H, d, J=6.6 Hz), 0.97 ( 3H, d, J=6.6 Hz );
MS(FAB) m/z: 385 ( M+H )
【0411】
(12e)3−メタンスルホニルオキシ−1−{4−[(1S)−1−t−ブトキシカルボニルアミノメチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン
実施例12(12d)で得られた3−ヒドロキシ−1−{4−[(1S)−1−t−ブトキシカルボニルアミノメチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 820mg, 2.13mmol ) を塩化メチレン ( 41mL ) に溶解し、氷冷にてメタンスルホニルクロリド ( 495μL, 6.40mmol )、トリエチルアミン ( 897μL, 6.40mmol ) を加え、そのまま30分間攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと飽和重曹水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,1:2,V/V)にて精製し、淡黄色アモルファス状の3−メタンスルホニルオキシ−1−{4−[(1S)−1−t−ブトキシカルボニルアミノメチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 829mg、 収率 99% ) を得た。
H−NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.44 ( 1H, s ), 7.22 − 7.16( 1H, bd, J=8.8 Hz ), 5.45 − 5.40 ( 1H, m ), 4.94 − 4.84 ( 1H, m ), 4.47 ( 2H,t, J=7.7 Hz ), 4.28 ( 2H, dt, J=10.3, 4.6 Hz ), 4.00 − 3.90 ( 1H, m ), 3.33 (1H, dt, J=13.9, 4.4 Hz ), 3.32 − 3.22 ( 1H, m ), 3.11 ( 3H, s ), 1.93 − 1.83 (1H, m ), 1.37 ( 9H, s ), 1.00 ( 3H, d, J=6.6 Hz ), 0.98 ( 3H, d, J=6.6 Hz );
MS(FAB) m/z: 463 ( M+H )
【0412】
(12f)3−アセチルチオ−1−{4−[(1S)−1−t−ブトキシカルボニルアミノメチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン
実施例12(12e)で得られた3−メタンスルホニルオキシ−1−{4−[(1S)−1−t−ブトキシカルボニルアミノメチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 970mg, 2.10mmol ) をジメチルホルムアミド ( 50mL ) に溶解し、室温下にてチオ酢酸カリウム ( 1.44g, 12.6mmol ) を加え、80℃油浴にて5時間攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと10%食塩水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和重曹水、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,3:2−1:1,V/V)にて精製し、淡褐色アモルファス状の3−アセチルチオ−1−{4−[(1S)−1−t−ブトキシカルボニルアミノメチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 632mg、 収率 68% ) を得た。
H−NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.40 ( 1H, s ), 7.21 − 7.16( 1H, bd, J=10.2 Hz), 4.92 − 4.86 ( 1H, m ), 4.54 ( 2H, dt, J=1.5, 8.2 Hz ),4.48 − 4.41 ( 1H, m ), 4.00 ( 2H, dt, J=8.8, 5.7 Hz ), 3.98 − 3.90 ( 1H, m ),3.37 ( 1H, dt, J=13.9, 4.8 Hz ), 3.30 − 3.21 ( 1H, m ), 1.92 − 1.82 ( 1H, m ),1.37 ( 9H, s ), 0.99 ( 3H, d, J=7.3 Hz ), 0.97 ( 3H, d, J= 6.6 Hz );
MS(FAB) m/z: 443 ( M+H )
【0413】
(12g)3−アセチルチオ−1−{4−[(1S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)アミノメチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン
実施例12(12f)で得られた3−アセチルチオ−1−{4−[(1S)−1−t−ブトキシカルボニルアミノメチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 630mg, 1.42mmol ) を1,4−ジオキサン ( 6.3mL ) に溶解し、氷冷にて4M−塩酸ガス−1,4−ジオキサン溶液 ( 6.3mL ) を加え、室温にて1時間撹拌した。反応終了確認後、エーテルを反応液に加え、結晶を濾過した。濾物をエーテルで洗浄し、淡褐色アモルファス状の3−アセチルチオ−1−{4−[(1S)−1−アミノメチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン塩酸塩の粗生成物を得た。続いて、得られた3−アセチルチオ−1−{4−[(1S)−1−アミノメチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン塩酸塩の粗生成物 ( 550mg, 1.42mmol ) を塩化メチレン ( 28mL ) に懸濁させ、氷冷にて実施例1(1b)で得られたクロロ蟻酸1−アセトキシエチル ( 237mg, 1.42mmol )、4−ジメチルアミノピリジン ( 434mg, 3.55 mol )を加え、室温にて1時間撹拌した。反応終了確認後反応系内に酢酸エチルと飽和重曹水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,1:2,V/V)にて精製し、淡黄色アモルファス状の3−アセチルチオ−1−{4−[(1S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)アミノメチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン (584mg、 収率 87% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.41 (1H, s ), 7.22 − 7.16( 1H, m ), 6.79 ( 0.5H, q, J=5.9 Hz ), 6.74 ( 0.5H, q, J=5.9 Hz ), 5.44 − 5.25( 1H, m ), 4.55 ( 2H, dt, J=1.5, 8.4 Hz ), 4.49 − 4.40 ( 1H, m ), 4.01 ( 2H,dt, J=8.1,4.6 Hz ), 3.76 − 3.70 ( 1H, m ), 3.52 − 3.41 ( 1H, m ), 3.36 − 3.20( 1H, m ), 2.37 ( 3H, s ), 2.05 ( 3H, d, J=2.9 Hz ), 1.94 − 1.82 ( 1H, m ),1.43 ( 1.5H, d, J=5.9 Hz ), 1.38 ( 1.5H, d, J=5.9 Hz ), 1.00 ( 3H, d, J=6.6 Hz), 0.98 ( 3H, d, J=6.6 Hz );
MS(FAB) m/z: 473 ( M+H )
【0414】
(12h)p−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(1S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニルアミノ)メチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例12(12g)で得られた3−アセチルチオ−1−{4−[(1S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニルアミノ)メチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 580mg, 1.23mmol ) をジメチルホルムアミド ( 29mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、室温にてヒドラジン酢酸塩 ( 135mg, 1.47mmol ) を加え、そのまま1時間攪拌した。反応終了確認後、窒素雰囲気下、氷冷にて系内にp−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(ジフェニルホスホリルオキシ)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 731mg, 1.23mmol ) のアセトニトリル ( 37mL ) 溶液を滴下し、続いてジイソプロピルエチルアミン ( 855μL, 4.91mmol ) を加え、そのまま室温まで徐々に昇温させながら、一晩攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと飽和重曹水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を5%食塩水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン,1:5−酢酸エチル:メタノール,98:2,V/V)にて精製し、淡黄色アモルファス状のp−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(1S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニルアミノ)メチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 795mg、 収率 83% ) を得た。
H NMR(CDCl, 500MHz): δ 8.23 ( 2H, d, J=8.8 Hz ),7.66 ( 2H, d, J=8.8 Hz ), 7.42 ( 1H, d, J=1.9 Hz ), 7.19 ( 1H, t, J=10.7 Hz ),6.80 ( 0.5H, q,J=4.9 Hz ), 6.72 ( 0.5H, q, J=4.9 Hz ), 5.51 ( 1H, d, J=13.7 Hz), 5.36 − 5.31 ( 0.5H, m ), 5.30 − 5.25 ( 0.5H, m ), 5.26 ( 1H, d, J=13.7 Hz ),4.57 − 4.46 ( 2H, m ), 4.34 − 4.23 ( 3H, m ), 4.08 ( 2H, t, J=6.8 Hz ), 4.00 −3.91 ( 1H, m ), 3.52 − 3.42 ( 1H, m ), 3.40 − 3.33 ( 1H, m ), 3.30 ( 1H, dd,J=6.8, 2.9 Hz ), 3.29 − 3.20 ( 1H, m ), 2.05 ( 3H, s ), 1.92 − 1.80 ( 2H, m ),1.44 ( 1.5H, d, J=5.9 Hz ), 1.38 ( 3H d, J=6.8 Hz ), 1.35( 1.5H, d, J=5.9 Hz), 1.28 ( 3H, d, J= 6.8 Hz ), 1.00 ( 3H, d, J=7.3 Hz), 0.98 ( 3H, d, J=7.3 Hz);
MS(FAB) m/z: 775 (M+H)
【0415】
(12i)(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(1S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニルアミノ)メチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル}チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩
実施例12(12h)で得られたp−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(1S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニルアミノ)メチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 790mg, 1.02mmol ) をテトラヒドロフラン ( 40mL )、蒸留水 ( 40mL ) に溶解し、10%パラジウム炭素 ( 790mg ) 存在下、室温にて接触水素還元を2時間行った。反応終了確認後反応混合物を濾過。濾液に炭酸水素ナトリウム ( 86mg, 1.02mmol ) 、酢酸エチル、および蒸留水を加え、分液操作を行った。水層を前述の混合溶媒で洗浄後、減圧下濃縮し、コスモシールを用いた逆相クロマトグラフィー(蒸留水:アセトニトリル,100:0−80:20,V/V)にて精製し、凍結乾燥することによって目的化合物である白色アモルファス状の(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(1S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニルアミノ)メチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 282mg、 収率 42% ) を得た。
H NMR(DO, 400MHz): δ 7.48 ( 1H, d, J=1.5 Hz ),6.69 ( 0.5H, q, J=5.5 Hz ), 6.63 ( 0.5H, q, J=5.5 Hz ), 4.57 ( 2H, t, J=8.1 Hz), 4.40 − 4.32 ( 1H, m ), 4.25 ( 1H, dq, J=6.4, 6.1 Hz ), 4.20 ( 1H, dd, J=9.1, 2.5 Hz ),4.11 − 4.04 ( 1H, m ), 3.48 − 3.43 ( 1H, m ), 3.43 ( 1H, dd, J=6.1, 2.5Hz ), 3.32 − 3.21 ( 2H, m ), 2.08 ( 1.5H, s ), 1.96 ( 1.5H, s ), 1.92− 1.81 ( 1H, m ), 1.44 ( 1.5H, d, J=5.5 Hz ), 1.38 ( 1.5H, d, J=5.5 Hz ), 1.30( 3H, d, J=6.4 Hz ), 1.20 ( 3H, d, J=7.3 Hz ), 0.98 ( 3H, d, J=6.9 Hz ), 0.94 (1.5H, d, J=6.9 Hz ), 0.93 ( 1.5H, d, J=6.9 Hz );
IR(KBr): 1745, 1654, 1598, 1546, 1493, 1470, 1392, 1376, 1314, 1290, 1262,1241 cm−1
MS(FAB) m/z: 662 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C2736Na ( M+H ): 662.1930. Found 662.1926。
【0416】
【実施例13】
ピバロイルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(1S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニルアミノ)メチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例12で得られた(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(1S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニルアミノ)メチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 250mg, 0.378mmol ) をジメチルアセトアミド ( 12mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、0℃にてヨウ化メチルピバレート ( 110mg, 0.454mmol ) を加え、そのまま1時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え有機層を10%食塩水、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、0.01 M塩酸、飽和重曹水にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,1:3−1:4,V/V)にて精製し、目的化合物である淡黄色アモルファス状のピバロイルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(1S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニルアミノ)メチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 264mg、 収率 93% ) を得た。
H NMR(CDCl, 500MHz): δ 7.42 (0.5H, s ), 7.42 ( 0.5H, s ), 7.28 − 7.22( 1H, m ), 6.80 ( 0.5H, q, J=5.9 Hz ), 6.72 ( 0.5H, q, J=5.9 Hz ), 5.98( 1H, d, J=5.1 Hz ), 5.84 ( 1H, d, J=5.1 Hz ), 5.38 ( 0.5H, t, J=5.9 Hz), 5.33 ( 0.5H, t, J=5.9 Hz ), 4.58 − 4.46 ( 2H, m ), 4.35 − 4.20 ( 3H,m ), 4.12 − 4.04 ( 2H, m ), 4.00 − 3.91 ( 1H, m ), 3.52 − 3.17 ( 4H, m ), 2.05 ( 1.5H, s ), 2.05 ( 1.5H, s ), 1.98 − 1.85 ( 2H, m ), 1.44 ( 1.5H, d, J=5.9 Hz ), 1.36 ( 1.5H, d, J=5.9 Hz ), 1.35 ( 1H, d, J=6.6 Hz ), 1.27 ( 3H, d, J=7.3 Hz ), 1.22 ( 9H, s ), 1.00 ( 3H, d, J=6.6 Hz ), 0.99( 3H, d, J=6.6 Hz);
IR(KBr): 1753, 1658, 1543, 1492, 1471cm−1
MS(FAB) m/z: 754 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C334711 ( M+H ): 754.2792 Found 754.2771。
【0417】
【実施例14】
1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(1S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニルアミノ)メチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例12で得られた(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(1S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニルアミノ)メチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 270mg, 0.408mmol ) をジメチルアセトアミド ( 14mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、0℃にて1−ヨードエチル−イソプロピルカーボネート ( 126mg, 0.490mmol ) を加え、そのまま1時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え有機層を10%食塩水、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、0.05 M塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−98:2,V/V)にて精製し、目的化合物である淡黄色アモルファス状の1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(1S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニルアミノ)メチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 281mg、 収率 90% ) を得た。
H NMR(CDCl, 500MHz): δ 7.42 ( 1H, t, J=1.9 Hz ),7.23 − 7.17 ( 1H, m ), 6.89 ( 1H, dt, J=9.8, 4.9 Hz ), 6.80 ( 0.5H, q, J=5.9 Hz), 6.73 ( 0.5 H, q, J=4.9 Hz ), 5.38 − 5.34 ( 0.5H, br ), 5.33 − 5.28 ( 0.5H,br ), 4.95 − 4.86 ( 1H, m ), 4.56 − 4.45 ( 2H, m ), 4.34 − 4.21 ( 3H, m ), 4.10− 4.04 ( 2H, m ), 3.99 − 3.92 ( 1H, m ), 3.51 − 3.30 ( 2H, m ), 3.25 ( 1H,dd,J=6.8, 2.0 Hz ), 3.20 ( 1H, dq, J=6.8, 6.6 Hz ), 2.05 ( 1.5H, s ), 1.97 ( 1.5H,s ), 1.95 − 1.86 ( 1H, m ), 1.79 ( 0.5H, d, J=4.9 Hz ). 1.76 ( 0.5H, d, J=4.9Hz ), 1.62 ( 1.5H, d, J=4.9 Hz ), 1.59 ( 1.5H, d, J=4.9 Hz ), 1.45 − 1.24 (12H, m ), 1.00 ( 3H, d, J=6.8 Hz ), 0.99 ( 3H, d, J=6.8 Hz );
IR(KBr): 1756, 1659, 1544, 1493, 1470, 1374, 1320, 1271, 1229, 1181, 1143,1102, 1075 cm−1
MS(FAB) m/z: 770 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C334812 ( M+H ): 770.2741. Found 770.2743。
【0418】
【実施例15】
(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソ−ル−4−イル)メチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(1S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニルアミノ)メチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例12で得られた(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(1S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニルアミノ)メチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 250mg, 0.378mmol ) をジメチルアセトアミド ( 13mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、0℃にて(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソ−ル−4−イル)メチルクロリド ( 114mg, 0.567mmol )、ヨウ化ナトリウム ( 255mg, 1.70mmol ) を加え、そのまま8.5時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え有機層を10%食塩水、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、0.01 M塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−98:2,V/V)にて精製し、目的化合物である淡黄色アモルファス状の(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソ−ル−4−イル)メチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(1S)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニルアミノ)メチル−2−メチル−プロピルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 228mg、 収率 80% ) を得た。
H NMR(CDCl, 500MHz): δ 7.43 ( 0.5H, s ), 7.42 ( 0.5H, s ), 7.21 ( 1H,bt, J=9.5 Hz ), 6.80 ( 0.5H, q, J=5.9 Hz ), 6.72 ( 0.5H, q, J=5.9 Hz), 5.35 ( 0.5H, bt, J=4.9 Hz ), 5.29 ( 0.5H, bt, J=4.9 Hz ), 5.05 ( 1H, d, J=13.9 Hz ), 4.97 ( 1H, d, J=13.9 Hz ), 4.57 − 4.46 ( 2H, m ), 4.35 − 4.22 ( 3H, m ), 4.12 − 4.06 ( 2H, m ), 4.00 − 3.92 ( 1H, m ), 3.51− 3.19 (4H, m), 2.21 ( 3H, s), 2.05 ( 3H, s ), 1.93 − 1.82 ( 2H, m ), 1.44 ( 1.5H, d, J=5.9 Hz ), 1.37 ( 3H, d, J=5.9 Hz ), 1.36 ( 1.5H, d, J=5.9 Hz ),1.27 ( 3H, d, J=7.3 Hz ), 1.00 ( 3H, d, J=6.6 Hz ), 0.99 ( 3H, d, J=6.6Hz );
IR(KBr): 1820, 1738, 1658, 1543, 1492, 1471 cm−1
MS(FAB) m/z: 752 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C334112 ( M+H ): 752.2272. Found 752.2278。
【0419】
【実施例16】
(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[3−(1−アセトキシエトキシカルボニルアミノ)アゼチジン−1−カルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩
(16a)3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−{4−[3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン
1−ベンズヒドリル−3−ヒドロキシアゼチジン ( 6.00g, 25.1mmol ) をメタノール ( 180mL ) に溶解させ、10%パラジウム炭素 ( 6.00g ) 存在下、50℃水浴にて2時間接触水素還元を行った。反応終了確認後、反応液を濾過、濾物をメタノールで洗浄し、濾液を減圧下濃縮した。得られた粗生成物と、3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−(4−カルボキシル−1,3−チアゾール−2−イル)アゼチジン ( 参考例1に記載; 6.0g, 25.1mmol ) をジメチルホルムアミド ( 220mL ) に溶解させ、窒素雰囲気下、氷冷にてジエチルホスホリルシアニド ( 3.87 mL, 25.1mmol )、トリエチルアミン ( 3.24mL, 25.1mmol ) を加えそのまま一晩攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと5%食塩水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣に酢酸エチル、n−ヘキサンを加えて濾過し、淡黄色固体の3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−{4−[3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 5.94g, 収率48% ) で得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.64 − 7.60 ( 4H, m ), 7.48 − 7.38 ( 6H, m ), 7.39 ( 1H, s ), 4.84 − 4.71 ( 2H, m ), 4.69 − 4.62 ( 1H, m ), 4.42 − 4.35 ( 2H, m ), 4.08 ( 2H, t, J=7.8 Hz ), 4.02 − 3.75 ( 3H, m ), 2.22 ( 1H,d, J=6.6 Hz ), 1.07 ( 9H, s );
MS(FAB) m/z: 385 ( M+H )
【0420】
(16b)3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−{4−[3−メタンンスルホニルオキシアゼチジン−1−カルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン
実施例16(16a)で得られた3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−{4−[3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 6.78g, 13.7mmol ) を塩化メチレン ( 203mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、氷冷にてメタンスルホニルクロリド ( 1.59mL, 20.6mmol )、トリエチルアミン ( 2.89mL, 20.6mmol ) を加えそのまま3.5時間攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと飽和重曹水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、濾液を減圧下乾燥した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,1:3−1:4,V/V)にて精製し、淡黄色固体の3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−{4−[3−メタンンスルホニルオキシアゼチジン−1−カルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 7.41g, 収率 95% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.64 − 7.60 ( 4H, m ), 7.49 − 7.37 ( 6H, m ), 7.40 ( 1H, s ), 5.32 − 5.28 ( 1H, m ), 4.99 − 4.90 ( 1H, m ), 4.78 − 4.62 ( 2H, m ), 4.53 − 4.41 ( 1H, m ), 4.28 − 4.20 ( 1H, m ), 4.09 ( 2H, t,J=7.8 Hz ), 3.99 ( 2H, dd, J=8.8, 5.1 Hz ), 3.09 ( 3H, s ), 1.07 ( 9H, s )。
【0421】
(16c)3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−{4−[3−アジドアゼチジン−1−カルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン
実施例16(16b)で得られた3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−{4−[3−メタンンスルホニルオキシアゼチジン−1−カルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 7.41g, 13.0mmol ) をジメチルホルムアミド ( 220mL ) に溶解し、室温にてアジ化ナトリウム ( 2.53g, 38.9mmol ) を加え90℃油浴にて一晩攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと5%食塩水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,2:1−1:1,V/V)にて精製し、淡黄色アモルファス状の3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−{4−[3−アジドアゼチジン−1−カルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 6.27g, 収率 93% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.64 − 7.60 ( 4H, m ), 7.49 − 7.38 ( 6H, m ), 7.39 ( 1H, s ), 4.89 − 4.82 ( 1H, m ), 4.80 − 4.73 ( 1H, m ), 4.52− 4.45( 1H, m ), 4.45 − 4.37 ( 1H, m ), 4.34 − 4.28 ( 1H, m ), 4.12 − 4.05 ( 3H, m ), 3.99 ( 2H, dd, J=8.8, 5.1 Hz ), 1.07 ( 9H, s );
MS(FAB) m/z: 519 ( M+H )
【0422】
(16d)3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−{4−[3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)アゼチジン−1−カルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン
実施例16(16c)で得られた3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−{4−[3−アジドアゼチジン−1−カルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 6.27g, 12.1mmol ) をメタノール ( 190mL ) に溶解させ、10%パラジウム炭素 ( 6.27g ) 存在下、室温にて1.5時間接触水素還元を行った。反応終了確認後、反応系内にジ−t−ブチルオキシカーボネ−ト ( 3.96g, 18.1mmol ) を加え、更に一晩攪拌した。反応終了確認後、反応液を濾過、濾物をメタノールで洗浄し、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,1:1,V/V)にて精製し、淡黄色固体の3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−{4−[3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)アゼチジン−1−カルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 6.29g, 収率 88% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.64 − 7.60 ( 4H, m), 7.49 − 7.38 ( 6H, m ), 7.37 ( 1H, s ), 5.00 − 4.92 ( 1H, m ), 4.92 − 4.82 ( 1H, m ), 4.78 − 4.71( 1H, m ), 4.55 − 4.40 ( 2H, m ), 4.34 − 4.27 ( 1H, m ), 4.08 ( 2H, t, J=8.1 Hz ), 3.99 ( 2H, dd, J=8.8, 5.1 Hz ), 3.92 − 3.85 ( 1H, m ), 1.46 ( 9H, s ), 1.07 ( 9H, s);
MS(FAB) m/z: 593 ( M+H )
【0423】
(16e)3−ヒドロキシ−1−{4−[3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)アゼチジン−1−カルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン
実施例16(16d)で得られた3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−{4−[3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)アゼチジン−1−カルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 6.29g, 10.6mmol ) を無水テトラヒドロフラン (190mL ) に溶解し、氷冷にて1.0Mテトラブチルアンモニウムフロリド−テトラヒドロフラン溶液 ( 12.7mL, 12.7mmol ) を加え、そのまま30分攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと飽和食塩水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣に酢酸エチルを加え濾過し、白色結晶の3−ヒドロキシ−1−{4−[3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)アゼチジン−1−カルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 3.66g, 収率 97% ) を得た。
H NMR(DMSO−d, 500MHz): δ 7.56 ( 1H, bd, J=7.8 Hz ), 7.41 ( 1H, s ), 5.82 ( 1H, d, J=6.8 Hz ), 4.69 − 4.58 ( 2H, m ), 4.36 − 4.25 ( 1H, m ), 4.25 − 4.12 ( 4H, m ), 3.82 − 3.73 ( 3H, m ), 1.39 ( 9H,s );
MS(FAB) m/z: 355 ( M+H )
【0424】
(16f)3−メタンスルホニルオキシ−1−{4−[3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)アゼチジン−1−カルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン
実施例16(16e)で得られた3−ヒドロキシ−1−{4−[3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)アゼチジン−1−カルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 3.66g, 10.3mmol ) を塩化メチレン ( 37mL ) とピリジン ( 37mL ) の混合溶媒に溶解し、氷冷にてメタンスルホニルクロリド ( 2.40mL, 31.0mmol )、トリエチルアミン ( 4.34mL, 31.0mmol ) を加え、そのまま一晩攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を硫酸水素カリウム水溶液、飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣に酢酸エチル、n−ヘキサンを加え濾過し、淡黄色固体の3−メタンスルホニルオキシ−1−{4−[3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)アゼチジン−1−カルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 4.77g, 収率 100% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.47 ( 1H, s ), 5.45 − 5.39 ( 1H, m ), 5.00 − 4.92 ( 1H, m ), 4.92 − 4.83 ( 1H, m ), 4.58 − 4.42 ( 2H, m ), 4.43 ( 2H,dd, J=9.5, 6.6 Hz ), 4.37 − 4.28 ( 1H, m ), 4.24 ( 2H, dd, J=9.5, 4.4 Hz ), 3.98 − 3.86 ( 1H, m ), 3.11 ( 3H, s ), 1.46 ( 9H, s );
MS(FAB) m/z: 432 ( M+H )
【0425】
(16g)3−アセチルチオ−1−{4−[3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)アゼチジン−1−カルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン
実施例16(16f)で得られた3−メタンスルホニルオキシ−1−{4−[3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)アゼチジン−1−カルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 4.45g, 10.3mmol ) をジメチルホルムアミド ( 220mL ) に溶解し、室温にてチオ酢酸カリウム ( 7.06g, 61.8mmol ) を加え、80℃油浴にて8時間攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと5%食塩水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,1:3,V/V)にて精製し、淡褐色固体の3−アセチルチオ−1−{4−[3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)アゼチジン−1−カルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 3.18g, 収率 75% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.43 ( 1H, s ), 5.02 − 4.94 ( 1H, m ), 4.92 − 4.83 ( 1H, m ), 4.50 ( 2H, t, J=8.1 Hz ), 4.48 − 4.40 ( 2H, m ), 4.35 − 4.29 ( 1H, m ), 3.96 ( 2H, dd, J=8.8, 5.1 Hz ), 2.36 ( 3H, s ), 1.45 ( 9H, s );
MS(FAB) m/z: 433 ( M+H )
【0426】
(16h)3−アセチルチオ−1−{4−[3−(アセトキシエトキシカルボニルアミノ)アゼチジン−1−カルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン
実施例16(16g)で得られた3−アセチルチオ−1−{4−[3−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)アゼチジン−1−カルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン( 3.18g, 7.71mmol ) を1,4−ジオキサン ( 32mL ) に溶解し、氷冷にて4N−塩酸ガス−1,4−ジオキサン溶液 ( 32mL ) を加え、室温にて1時間攪拌した。反応終了確認後、反応系内にジエチルエーテルを加え濾過し、濾物をジエチルエーテルで洗浄し、白色固体の3−アセチルチオ−1−[4−(3−アミノアゼチジン−1−カルボニル)−1,3−チアゾール−2−イル]アゼチジン塩酸塩 ( 3.23g, 収率 100% ) で得た。続いて、この3−アセチルチオ−1−[4−(3−アミノアゼチジン−1−カルボニル)−1,3−チアゾール−2−イル]アゼチジン塩酸塩 ( 3.23g, 7.71mmol ) を塩化メチレン( 120mL ) に懸濁させ、窒素雰囲気下、4−ジメチルアミノピリジン ( 1.13g,9.25mmol )、実施例1(1b)で得られたクロロ蟻酸1−アセトキシエチル ( 1.54g, 9.25mmol ) を加え1.5時間攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと飽和重曹水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,1:3−0:100,V/V)にて精製し、淡黄色アモルファス状の3−アセチルチオ−1−{4−[3−(アセトキシエトキシカルボニルアミノ)アゼチジン−1−カルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 639mg, 収率 19% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.43 ( 1H, s ), 6.81 ( 1H, q, J=5.1 Hz ), 5.31− 5.24 ( 1H, m ), 4.92 − 4.82 ( 1H, m ), 4.60 − 4.40 ( 5H, m ), 4.40 − 4.32 ( 1H, m ), 4.00 − 3.90 ( 3H, m ), 2.37 ( 3H, s ), 2.07 ( 3H, s ), 1.48 ( 3H, d, J=5.1 Hz );
MS(FAB) m/z: 443 ( M+H )
【0427】
(16i)p−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[3−(1−アセトキシエトキシカルボニルアミノ)アゼチジン−1−イルカルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例16(16h)で得られた3−アセチルチオ−1−{4−[3−(1−アセトキシエトキシカルボニルアミノ)アゼチジン−1−カルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 1.92g, 4.34mmol ) をジメチルホルムアミド ( 57mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、室温にてヒドラジン酢酸塩 ( 480mg, 5.21mmol ) を加え、そのまま1時間攪拌した。反応終了確認後、窒素雰囲気下、氷冷にて系内にp−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(ジフェニルホスホリルオキシ)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 2.58g, 4.34mmol ) のアセトニトリル ( 80mL ) 溶液を滴下し、続いてジイソプロピルエチルアミン ( 3.01mL, 17.3mmol ) を加え、そのまま室温まで徐々に昇温させながら、5時間攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと10%食塩水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和重曹水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−95:5,V/V)にて精製し、淡黄色アモルファス状のp−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[3−(1−アセシエトキシカルボニルアミノ)アゼチジン−1−イルカルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 2.40g、 収率 74% ) を得た。
H NMR(CDCl, 500MHz): δ 8.22 ( 2H, d, J=7.8 Hz ), 7.66 ( 2H, d, J=7.8 Hz ), 7.45 ( 1H, s ), 6.81 ( 1H, q, J=5.2 Hz ), 5.51 ( 1H, d, J=13.7 Hz ), 5.40 ( 1H, bd, J=6.8 Hz ), 5.25 ( 1H, d, J=13.7 Hz ), 4.91 − 4.84 ( 1H, m ), 4.57 − 4.50 ( 1H, m ), 4.50 − 4.42 ( 3H, m ), 4.40 − 4.32 ( 1H, m ), 4.30 − 4.23 ( 3H, m ), 4.05 − 3.99 ( 2H, m ), 3.99 − 3.92 ( 1H, m ), 3.29 ( 1H, dd, J=6.8, 2.0 Hz ), 3.20 ( 1H, dq, J=7.8, 7.8 Hz ), 2.07 (3H, s ), 2.03 − 1.99 ( 1H, m ), 1.48 ( 3H, d, J=5.2 Hz ), 1.38 ( 3H, d,J=6.8 Hz ), 1.27 ( 3H, d, J=7.8 Hz );
MS(FAB) m/z: 745 ( M+H )
【0428】
(16j)(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[3−(1−アセシエトキシカルボニルアミノ)アゼチジン−1−イルカルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩
実施例16(16i)で得られたp−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[3−(1−アセシエトキシカルボニルアミノ)アゼチジン−1−イルカルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 3.26g, 4.39mmol ) をテトラヒドロフラン ( 100mL )、蒸留水 ( 100mL ) に溶解し、10%パラジウム炭素 ( 3.26g ) 存在下、室温にて接触水素還元を2.5時間行った。反応終了確認後反応混合物を濾過。濾液に炭酸水素ナトリウム ( 369mg, 4.39mmol )、酢酸エチル、および蒸留水を加え、分液操作を行った。水層を前述の混合溶媒で洗浄後、減圧下濃縮し、コスモシールを用いた逆相クロマトグラフィー(蒸留水:アセトニトリル,100:0−85:15,V/V)にて精製し、凍結乾燥することによって目的化合物である白色アモルファス状の(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[3−(1−アセシエトキシカルボニルアミノ)アゼチジン−1−カルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 1.57g、 収率 57% ) を得た。
H NMR(DO, 400MHz): δ 7.39 ( 1H, s ), 6.74 ( 1H, q, J=5.5 Hz ), 4.58 −4.32 ( 6H, m ), 4.25 ( 1H, dq, J=6.4, 6.2 Hz ), 4.19 ( 1H, dd, J=9.2, 2.4 Hz ), 4.08 − 4.02 ( 4H, m ), 3.43 ( 1H, dd, J=6.2, 2.4 Hz ), 3.24 ( 1H, dq, J=9.2, 7.1 HZ ), 2.11 ( 3H, s ), 1.49 ( 3H, d, J=5.5 Hz ), 1.30 (3H, d, J=6.4 Hz ), 1.19 ( 3H, d, J=7.1Hz );
IR(KBr): 1747, 1608, 1538, 1447, 1390, 1376, 1307, 1290, 1264, 1242 cm−1
MS(FAB) m/z: 632 ( M+H )
HRMS(FAB) m/z: calcd. for C2530Na ( M+H ): 632.1461. Found 632.1465;
Anal. calcd. for C2630Na・2HO: C,44.97%; H,5.13%; N,10.49%; S,9.60%. Found C,44.94%; H,5.94%; N,10.70%; S,9.30%。
【0429】
【実施例17】
ピバロイルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[3−(1−アセシエトキシカルボニルアミノ)アゼチジン−1−イルカルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例16で得られた(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[3−(1−アセシエトキシカルボニルアミノ)アゼチジン−1−イルカルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 300mg, 0.475mmol ) をジメチルアセトアミド ( 15mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、0℃にてヨウ化メチルピバレート ( 138mg, 0.570mmol ) を加え、そのまま1時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え有機層を10%食塩水、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、0.5 M塩酸、飽和重曹水にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−95:5,V/V)にて精製し、目的化合物である白色アモルファス状のピバロイルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[3−(1−アセシエトキシカルボニルアミノ)アゼチジン−1−イルカルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 325mg、 収率 95% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.45 ( 1H, s ), 6.81 ( 1H, q, J=5.9 Hz ), 5.97( 1H, d, J=5.9 Hz ), 5.84 ( 1H, d, J=5.9 Hz ), 5.49 − 5.42 ( 1H, m ), 4.92 − 4.83 ( 1H, m ), 4.58 − 4.50 ( 1H, m ), 4.50 − 4.40 ( 3H, m ), 4.40− 4.32 ( 1H, m ), 4.30 − 4.20 ( 3H, m ), 4.05 − 3.92 ( 3H, m ), 3.25 ( 1H, dd, J=6.6, 2.9 Hz ), 3.18 ( 1H, qd, J=8.8, 7.3 Hz ), 2.07 ( 3H, s ),2.03 − 1.99 ( 1H, m ), 1.48 ( 3H, d, J=5.9 Hz ), 1.35 ( 3H, d, J=6.6 Hz), 1.25 ( 3H, d, J=7.3 Hz ), 1.22 ( 9H, s, );
IR(KBr): 1754, 1618, 1536, 1448, 1346, 1307, 1279cm−1
MS(FAB) m/z: 724 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C314111 ( M+H ): 724.2322 Found 724.2312。
【0430】
【実施例18】
1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[3−(1−アセシエトキシカルボニルアミノ)アゼチジン−1−イルカルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例16で得られた(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[3−(1−アセシエトキシカルボニルアミノ)アゼチジン−1−イルカルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 300mg, 0.475mmol ) をジメチルアセトアミド ( 15mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、0℃にて1−ヨードエチル−イソプロピルカーボネート ( 147mg, 0.570mmol) を加え、そのまま2.5時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え有機層を10%食塩水、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、0.1 M塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−95:5)にて精製し、目的化合物である淡黄色アモルファス状の1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[3−(1−アセシエトキシカルボニルアミノ)アゼチジン−1−イルカルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 310mg、 収率 88% ) を得た。
H NMR(CDCl, 500MHz): δ 7.45 ( 1H, s ), 6.88 ( 0.5H, q, J=5.9 Hz ), 6.88 ( 0.5H, q, J=5.9 Hz ), 6.81 ( 1H, q, J=5.9 Hz ), 5.61 − 5.45 ( 1H, m ), 4.95 − 4.83 ( 2H, m ) 4.58 − 4.50 ( 1H, m ), 4.50 − 4.41 ( 3H, m ), 4.40 − 4.32 ( 1H, m ), 4.30 − 4.20 ( 3H, m ), 4.05 − 3.93 ( 3H, m ), 3.24( 1H, dd, J=6.8, 2.9 Hz ), 3.17 ( 1H, dq, J=7.8, 6.8 Hz ), 2.09 − 2.06 ( 3H, m ), 1.62 ( 3H, d, J=5.9 Hz ), 1.48 ( 3H, d, J=5.9 Hz ), 1.38 − 1.23 ( 12H, m );
IR(KBr): 1757, 1619, 1536, 1446, 1374, 1270, 1105, 1074cm−1
MS(FAB) m/z: 740 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C314112 ( M+H ): 740.2272. Found 740.2281。
【0431】
【実施例19】
(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソ−ル−4−イル)メチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[3−(1−アセシエトキシカルボニルアミノ)アゼチジン−1−イルカルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例16で得られた(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[3−(1−アセシエトキシカルボニルアミノ)アゼチジン−1−イルカルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 300mg, 0.475mmol ) をジメチルアセトアミド ( 15mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、0℃にて(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソ−ル−4−イル)メチルクロリド ( 143mg, 0.712mmol )、ヨウ化ナトリウム ( 321mg, 2.14mmol ) を加え、そのまま一晩攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え有機層を10%食塩水、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、0.5 M塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−95:5,V/V)にて精製し、目的化合物である淡黄色アモルファス状の(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソ−ル−4−イル)メチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[3−(1−アセシエトキシカルボニルアミノ)アゼチジン−1−イルカルボニル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 273mg、 収率 80% ) を得た。
H NMR(CDCl, 500MHz): δ 7.46 ( 1H, s ), 6.81 ( 1H, q, J=4.9 Hz ), 5.44− 5.36 ( 1H, m ), 5.05 ( 1H, d, J=13.7 Hz ), 4.97 ( 1H, d, J=13.7 Hz ),4.92 − 4.85 ( 1H, m ), 4.57 − 4.50 ( 1H, m ), 4.50 − 4.42 ( 3H, m ), 4.41− 4.34 ( 1H, m ) 4.10 − 4.22 ( 3H, m ) 4.07 − 4.01 ( 2H, m ), 4.00 − 3.93 ( 1H, m ) , 3.26 ( 1H, dd, J=6.8, 2.0 Hz ), 3.19 ( 1H, dq, J=7.8, 6.8 Hz ), 2.21 ( 3H, s ), 2.07 ( 3H, s ), 1.97 − 1.92 ( 1H, s ), 1.48 ( 3H, d, J=4.9 Hz ), 1.37 ( 3H, d, J=6.8 Hz ), 1.27 ( 3H, d, J=6.8 Hz );
IR(KBr): 1820, 1738, 1618, 1536, 1445, 1307, 1232, 1202cm−1
MS(FAB) m/z: 722 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C303512 ( M+Na ): 744.1621. Found 744.1609。
【0432】
【実施例20】
(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3R)−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩
(20a)3−ヒドロキシ−1−(4−アリルオキシカルボニル−1,3−オキサゾ−ル−2−イル)アゼチジン
3−ベンゾイルオキシ−1−(4−メトキシカルボニル−1,3−オキサゾ−ル−2−イル)アゼチジン (参考例2に記載; 2.0g、6.62mmol ) をメタノール ( 40mL ) に溶解し、室温にて1N水酸化ナトリウム水溶液 ( 26.5mL, 26.5mmol )を加え、そのまま一晩撹拌した。反応終了確認後、氷冷にて4N−塩酸−1,4−ジオキサン溶液を加え中和し、反応液を減圧濃縮した。得られた残渣をジメチルホルムアミド ( 37mL ) に溶解し、室温にて系内に、アリルブロミド ( 1.44mL, 16.6mmol )、ジイソプロピルエチルアミン ( 2.89mL, 16.6mmol ) を加え、80℃油浴にて6時間攪拌した。反応終了確認後、系内に酢酸エチルと10%食塩水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,1:3,V/V)にて精製し、淡褐色結晶の3−ヒドロキシ−1−(4−アリルオキシカルボニル−1,3−オキサゾ−ル−2−イル)アゼチジン ( 1.31g、 収率 89% ) を得た。
H−NMR(400MHz, CDCl): δ 7.81 (1H, s), 6.05−5.94 (1H, m), 5.40−5.33 (1H, m), 5.29−5.24 (1H, m), 4.82−4.76 (1H, m), 4.78 (2H, dt, J=5.9, 1.5Hz),4.40 (2H, dd, J=6.6, 10.3Hz), 4.06 (2H, dd, J=10.3, 4.4Hz), 2.34 (1H, d, J=5.9Hz);
MS(EI) m/z: 224 (M)。
【0433】
(20b)3−メタンスルホニルオキシ−1−(4−アリルオキシカルボニル−1,3−オキサゾール−2−イル)アゼチジン
実施例20(20a)で得られた3−ヒドロキシ−1−(4−アリルオキシカルボニル−1,3−オキサゾ−ル−2−イル)アゼチジン ( 1.31g, 5.88mmol )を無水塩化メチレン ( 40mL ) に溶解し、氷冷にてメタンスルホニルクロリド ( 683μL, 8.82mmol )、トリエチルアミン ( 1.24mL, 8.82mmol ) を加え、そのまま4時間攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと飽和重曹水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,1:2,V/V)にて精製し、淡褐色結晶の3−メタンスルホニルオキシ−1−(4−アリルオキシカルボニル−1,3−オキサゾール−2−イル)アゼチジン ( 1.68g、 収率 95% ) を得た。
H−NMR(400MHz, CDCl): δ 7.84 (1H, s), 6.05−5.94 (1H, m), 5.41−5.34 (2H, m), 5.30−5.25 (1H, m), 4.80 (2H, dt, J=5.9, 1.5Hz), 4.53 (2H, ddd, J=8.8, 5.9, 1.5Hz), 4.35 (2H, ddd, J=11.0, 4.4, 1.5Hz), 3.09 (3H,s);
MS(FAB) m/z: 303 (M+H)
【0434】
(20c)3−アセチルチオ−1−(4−アリルオキシカルボニル−1,3−オキサゾール−2−イル)アゼチジン
実施例20(20b)で得られた3−メタンスルホニルオキシ−1−(4−アリルオキシカルボニル−1,3−オキサゾール−2−イル)アゼチジン ( 1.69g, 5.59mmol ) をジメチルホルムアミド ( 35mL ) に溶解し、室温下にてチオ酢酸カリウム ( 3.83g, 33.5mmol ) を加え、80℃油浴にて10時間攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと10%食塩水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過し、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,2:1,V/V)にて精製し、淡褐色固体の3−アセチルチオ−1−(4−アリルオキシカルボニル−1,3−オキサゾール−2−イル)アゼチジン ( 905mg、 収率 57% ) を得た。
H−NMR(400MHz, CDCl): δ 7.82 (1H, s), 6.04−5.94 (1H, m), 5.40−5.33 (1H, m), 5.29−5.24 (1H, m), 4.79 (2H, dt, J=5.9, 1.5Hz), 4.60 (2H, t, J=8.8Hz), 4.44−4.35 (1H, m), 4.07 (2H, dd, J=8.8, 5.9Hz), 2.35 (3H, s);
MS(FAB) m/z: 305 (M+Na)
【0435】
(20d)3−アセチルチオ−1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン
実施例20(20c)で得られた3−アセチルチオ−1−(4−アリルオキシカルボニル−1,3−オキサゾール−2−イル)アゼチジン ( 800mg, 2.83mmol) を塩化メチレン ( 40mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、室温にてトリフェニルホスフィン ( 111mg, 0.425mmol )、ジメドン ( 199mg, 1.42mmol )、パラジウム(0)テトラキストリフェニルホスフィン ( 327mg, 0.283mmol ) を加え、1時間攪拌した。反応終了確認後、窒素雰囲気下、氷冷にて実施例5(5b)で得られた(3R)−3−アミノ−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジントリフルオロ酢酸塩の粗生成物 ( 2.05g, 4.25mmol )、トリエチルアミン( 1.39mL, 9.91mmol )、ジエチルホスホリルシアニド ( 656μL, 4.25mmol ) を加えそのまま一晩攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチル、飽和重曹水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル、1:2−1:4,V/V)にて精製し、淡褐色アモルファス状の3−アセチルチオ−1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン ( 1.43g, 収率 100% ) を得た。
H−NMR(400MHz, CDCl): δ 7.75 ( 1H, s ), 6.86 − 6.78 ( 2H, m ), 4.64 − 4.55 ( 1H, m ), 4.57 ( 2H, t, J=8.8 Hz ), 4.45 − 4.36 ( 1H, m ), 4.04 ( 2H, dd, J=8.8, 5.9 Hz ), 3.79 − 3.72 ( 1H, m ), 3.62 − 3.49 ( 2H, m ), 3.40 − 3.29 ( 1H, m ), 2.36 ( 3H, s ), 2.30 − 2.18 ( 1H, m ), 2.09 − 2.07( 3H, m ), 2.04 − 1.90 ( 1H, m ), 1.52 − 1.46 ( 3H, m );
MS(FAB) m/z: 441 (M+H)
【0436】
(20e)p−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例20(20d)で得られた3−アセチルチオ−1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン ( 1.25g, 2.83mmol ) をジメチルホルムアミド ( 38mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、室温にてヒドラジン酢酸塩 ( 313mg, 3.40mmol ) を加え、そのまま1時間攪拌した。反応終了確認後、窒素雰囲気下、氷冷にて系内にp−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(ジフェニルホスホリルオキシ)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 1.68g, 2.83mmol ) のアセトニトリル ( 50mL ) 溶液を滴下し、続いてジイソプロピルエチルアミン (1.97mL, 11.3mmol ) を加え、そのまま室温まで徐々に昇温させながら、一晩攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと10%食塩水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和重曹水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−95:5,V/V)にて精製し、淡黄色アモルファス状のp−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 1.70g、 収率 81% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 8.25 − 8.21 ( 2H, m ), 7.76 ( 1H, s ), 7.68 − 7.64 ( 2H, m ), 6.86 − 6.78 ( 1H, s ), 5.51 ( 1H, d, J=13.7 Hz ), 5.25 (1H, d, J=13.7 Hz ), 4.65 − 4.58 ( 1H, m ), 4.53 ( 2H, q, J=8.1 Hz ), 4.30 − 4.20 ( 3H, m ), 4.14 − 4.07 ( 2H, m ), 3.78 − 3.72 ( 1H, m ), 3.60 − 3.48 ( 2H, m ), 3.40 − 3.32 ( 1H, m ), 3.29 ( 1H, dd, J=6.6, 2.9 Hz ),3.20 ( 1H, dq, J=8.8, 7.3 Hz ), 2.30 − 2.18 ( 1H., m ), 2.09 − 2.05 ( 3H, m ) 2.00 − 1.90 ( 1H, m ), 1.88 − 1.80 ( 1H, m ) 1.52 − 1.46 ( 3H, m ), 1.38 ( 3H, d, J=5.9 Hz ), 1.27 ( 3H, d, J=7.3 Hz );
MS(FAB) m/z: 743 (M+H)
【0437】
(20f)(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩
実施例20(20e)で得られた化合物p−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 3.03g, 4.09mmol ) をテトラヒドロフラン ( 75mL )、蒸留水 ( 75mL ) に溶解し、10%パラジウム炭素 ( 3.03g ) 存在下、室温にて接触水素還元を3時間行った。反応終了確認後反応混合物を濾過。濾液に炭酸水素ナトリウム ( 344mg, 4.09mmol )、酢酸エチル、および蒸留水を加え、分液操作を行った。水層を減圧下濃縮し、コスモシールを用いた逆相クロマトグラフィー(蒸留水:アセトニトリル,100:0−85:15,V/V)にて精製し、凍結乾燥することによって目的化合物である白色アモルファス状の(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 1.70g、 収率 66% ) を得た。
H NMR(DO, 400MHz): δ 7.92 ( 1H, s ), 6.74 ( 0.5H, q, J=5.5 Hz ), 6.73( 0.5H, q, J=5.5 Hz ), 4.59 ( 2H, t, J=8.2 Hz ), 4.56 − 4.50 ( 1H, m ),4.36 − 4.27 ( 1H, m ), 4.25 ( 1H, dq, J=6.4, 6.2 Hz ), 4.20 ( 1H, dd, J=9.2, 2.4 Hz ), 4.12 − 4.05 ( 2H, m ), 3.76 − 3.39 ( 4H, m ), 3.43 ( 1H,dd, J=6.2, 2.4 Hz ), 3.24 ( 1H, dq, J=9.2, 7.3 Hz ), 2.34 − 2.22 ( 1H, m ) 2.12 − 2.08 ( 3H, m ) 2.10 − 2.20 ( 1H, m ), 1.53 ( 1.5H, d, J=5.5 Hz ), 1.52 ( 1.5H, d, J=5.5 Hz ), 1.30 ( 3H, d, J=6.4 Hz ), 1.19 ( 3H, d,
J=7.3 Hz );
IR(KBr): 1744, 1624, 1518, 1450, 1423, 1390, 1245cm−1;MS(FAB) m/z: 630 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C263210SNa ( M+H ): 630.1846. Found 630.1846;
Anal. calcd. for C263210SNa・2HO: C,46.91%; H,5.45%; N,10.52%; S,4.82%. Found C,46.80%; H,5.44%; N,10.40%; S,4.81%。
【0438】
【実施例21】
ピバロイルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例20で得られた(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 250mg, 0.397mmol ) をジメチルアセトアミド ( 12mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、0℃にてヨウ化メチルピバレート ( 115mg, 0.476mmol ) を加え、そのまま1.5時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え有機層を10%食塩水、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、0.5M塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−95:5,V/V)で精製し、目的化合物である淡黄色アモルファス状のピバロイルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 256mg、 収率 90% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.76 ( 1H, s ), 6.86 − 6.78 ( 2H, m ), 5.97 ( 1H, d, J=5.9 Hz ), 5.84 ( 1H, d, J=5.9 Hz ), 4.64 − 4.58 ( 1H, m ), 4.53( 2H, q, J=8.8 Hz ), 4.28 − 4.20 ( 3H, m ), 4.14 − 4.06 ( 2H, m ), 3.78− 3.72 ( 1H, m ), 3.62 − 3.48 ( 2H, m ), 3.40 − 3.29 ( 1H, m ), 3.25 ( 1H, dd, J=6.6, 2.9 Hz ), 3.18 ( 1H, dq, J=9.5, 7.3 Hz ), 2.30 − 2.18 ( 1H, m ), 2.09 − 2.05 ( 3H., m ), 2.04 − 1.90 ( 1H, m ), 1.82 − 1.78 ( 1H,bs ), 1.52 − 1.46 ( 3H, m ), 1.35 ( 3H, d, J=5.9 Hz ), 1.25 ( 3H, d, J=7.3 Hz );
IR (KBr): 1777, 1757, 1719, 1665, 1625, 1119, 1084cm−1
MS(FAB) m/z: 722 (M+H)
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C324312S ( M+H ): 722.2707. Found 722.2699。
【0439】
【実施例22】
1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例20で得られた(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 250mg, 0.397mmol ) をジメチルアセトアミド ( 12mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、0℃にて1−ヨードエチル−イソプロピルカーボネート ( 123mg, 0.476mmol ) を加え、そのまま1.5時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え有機層を10%食塩水、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、0.5 M塩酸、飽和重曹水にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−95:5,V/V)にて精製し、目的化合物である淡黄色アモルファス状の1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 237mg、 収率 81% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.76 ( 0.5H, s ), 7.76 ( 0.5H, s ), 6.91 − 6.79 ( 2H, m ), 4.96 − 4.85 ( 1H, m ), 4.65 − 4.58 ( 1H, m ), 4.56 − 4.48 (2H, m ), 4.28 − 4.18 ( 3H, m ), 4.12 − 4.06 ( 2H, m ), 3.79 − 3.72 ( 1H, m ), 3.60 − 3.48 ( 2H, m ) 3.40 − 3.30 ( 1H, m ), 3.24 ( 1H, dd, J=6.6, 2.9 Hz ), 3.17 ( 1H, dq, J=8.8, 7.3 Hz ), 2.30 − 2.18 ( 1H, m ), 2.09 − 2.05 ( 3H, m ), 2.04 − 1.90 ( 1H, m ), 1.80 − 1.75 ( 1H,bs ), 1.61 ( 1.5H, d, J=5.1 Hz ), 1.59 ( 1.5H, d, J=5.1 Hz ), 1.52 − 1.46 ( 3H, m ), 1.37 − 1.22 ( 12H, m );
IR(KBr): 1760, 1718, 1666, 1625, 1376, 1272, 1075 cm−1
MS(FAB) m/z: 738 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C324313S ( M+H ): 738.2657. Found 738.2664。
【0440】
【実施例23】
(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソ−ル−4−イル)メチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例20で得られた(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 300mg, 0.476mmol ) をジメチルアセトアミド ( 15mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、0℃にて(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソ−ル−4−イル)メチルクロリド ( 144mg, 0.715mmol )、ヨウ化ナトリウム ( 321mg, 2.14mmol ) を加え、そのまま一晩攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え有機層を10%食塩水、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、0.5 M塩酸、飽和重曹水にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−95:5,V/V)にて精製し、目的化合物である淡黄色アモルファス状の(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソ−ル−4−イル)メチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3R)−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 265mg、 収率 77% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.77 ( 1H, s ), 6.86 − 6.79 ( 2H, m ), 5.04 ( 1H, d, 13.9 Hz ), 4.97 ( 1H, d, J=13.9 Hz ), 4.64 − 4.58 ( 1H, m ), 4.54( 2H, q, J=8.1 Hz ), 4.29 − 4.20 ( 3H, m ), 4.14 − 4.07 ( 2H, m ) 3.78 − 3.72 ( 1H, m ), 3.60 − 3.48 ( 2H, m ), 3.40 − 3.29 ( 1H, m ), 3.25 ( 1H, dd, J=6.6, 2.9 Hz ), 3.19 ( 1H, dq, J=8.8, 7.3 Hz ), 2.28 − 2.22 ( 1H, m ), 2.09 − 2.05 ( 3H, m ), 2.04 − 1.90 ( 1H, m ) , 1.77 ( 1H, bd, J=5.1 Hz ), 1.52 − 1.46 ( 3H, m ), 1.36 ( 3H, d, J=5.9 Hz ), 1.26 ( 3H, d, J=7.3 Hz );
IR(KBr): 1821, 1773, 1737, 1715, 1665, 1625, 1233, 1202, 1130 cm−1
MS(FAB) m/z: 720 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C313713S ( M+H ): 720.2187. Found 720.2176。
【0441】
【実施例24】
(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピペリジン−4−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩
(24a)4−ヒドロキシ−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピペリジン
4−ヒドロキシピペリジン ( 1.22g, 12.0mmol ) を塩化メチレン ( 60mL ) に懸濁させ、氷冷にて実施例1(1b)で得られたクロロ蟻酸1−アセトキシエチル ( 2.00g, 12.0mmol )、4−ジメチルアミノピリジン ( 1.47g, 12.0mmol )を加え、室温にて2時間撹拌した。反応終了確認後反応系内に酢酸エチルと飽和重曹水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,1:2−1:4,V/V)にて精製し、淡黄色油状の4−ヒドロキシ−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピペリジン ( 2.19g、 収率 79% ) を得た。
H NMR(CDCl, 500MHz): δ 6.82 ( 1H, q, J=4.9 Hz ), 3.94 − 3.80 ( 3H, m ), 3.21 − 3.12 ( 2H, m ), 2.07 ( 3H, s ), 1.93 − 1.84 ( 2H, m ), 1.56 − 1.48 ( 2H, m ) 1.50 ( 3H, d, J=4.9 Hz );
MS(FAB) m/z: 232 ( M+H )
【0442】
(24b)4−メタンスルホニルオキシ−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピペリジン
実施例24(24a)で得られた4−ヒドロキシ−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピペリジン ( 2.19g, 9.50mmol ) を塩化メチレン ( 70mL ) に溶解し、氷冷にてメタンスルホニルクロリド ( 1.10mL, 14.3mmol )、トリエチルアミン ( 2.00mL, 14.3mmol ) を加えそのまま3.5時間攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと飽和重曹水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル、1:1−1:2,V/V)にて精製し、淡黄色油状の4−メタンスルホニルオキシ−1‐(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピペリジン ( 2.85g, 収率 97% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 6.81 ( 1H, q, J=5.9 Hz ), 4.95− 4.89 ( 1H, m ), 3.76 − 3.66 ( 2H, m ), 3.47 − 3.38 ( 2H, m ), 3.05 ( 3H, s ), 2.07 ( 3H, s ), 2.05 − 1.94 ( 2H, m ), 1.92 − 1.82 ( 2H, m ), 1.49 ( 3H, d, J=5.9 Hz );
MS(FAB) m/z: 310 ( M+H )
【0443】
(24c)4−アジド−1‐(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピペリジン
実施例24(24b)で得られた4−メタンスルホニルオキシ−1‐(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピペリジン ( 2.85g, 9.22mmol ) をジメチルホルムアミド ( 90mL ) に溶解し、室温にてアジ化ナトリウム ( 659mg, 10.1mmol) を加え、100℃油浴にて2時間攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと5%食塩水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,3:1,V/V)にて精製し、淡黄色油状の4−アジド−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピペリジン ( 1.95g, 収率 83% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 6.81 ( 1H, q, J=5.9 Hz ), 3.88 − 3.74 ( 2H, m ), 3.66 − 3.60 ( 1H, m ), 3.26 − 3.17 ( 2H, m ), 2.07 ( 3H, s ), 1.93 − 1.83 ( 2H, m ), 1.66 − 1.57 ( 1H, m ), 1.49 ( 3H, d, J=5.9 Hz );
MS(FAB) m/z: 257 ( M+H )
【0444】
(24d)3−アセチルチオ−1−{4−[1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピペリジン−4−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン
実施例24(24c)で得られた4−アジド−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピペリジン ( 1.95g, 7.61mmol ) をメタノール ( 60mL ) に溶解し、10%パラジウム炭素 ( 1.95g ) 存在下、室温にて接触水素還元を1.5時間行った。反応終了確認後、反応液を濾過。濾物をメタノールで洗浄後、濾液を減圧下濃縮し、4−アミノ−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピペリジンの粗生成物を得た。
【0445】
実施例20(20c)で得られた3−アセチルチオ−1−(4−アリルオキシカルボニル−1,3−オキサゾール−2−イル)アゼチジン ( 1.64g, 5.83mmol) を塩化メチレン ( 80mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、室温にてトリフェニルホスフィン ( 230mg, 0.875mmol )、ジメドン ( 409mg, 2.92mmol )、パラジウム(0)テトラキストリフェニルホスフィン ( 674mg, 0.583mmol ) を加え、1時間攪拌した。反応終了確認後、窒素雰囲気下、氷冷にて先ほど得られた4−アミノ−1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピペリジンの粗生成物 ( 1.75g, 7.00mmol )、トリエチルアミン ( 981μL, 7.00mmol )、ジエチルホスホリルシアニド ( 1.08mL, 7.00mmol ) を加えそのまま2時間攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチル、飽和重曹水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル、1:1−1:3,V/V)にて精製し、淡褐色アモルファス状の3−アセチルチオ−1−{4−[1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピペリジン−4−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン ( 1.56g, 収率 59% ) を得た。
H−NMR(400MHz, CDCl): δ8.25 − 8.21 ( 2H, m ) 7.75 ( 1H, s ), 7.68 − 7.64 ( 2H, m ), 6.81 ( 1H, q, J=5.9 Hz ), 6.72 − 6.64 ( 1H, m ), 5.51 ( 2H, d, J=13.7 Hz ), 5.25 ( 2H, d, J=13.7 Hz ), 4.52 ( 2H, q, J=8.1 Hz ), 4.28 − 4.20 ( 3H, m ), 4.18 − 4.00 ( 5H, m ), 3.20 − 3.16 ( 1H, m ), 3.15− 3.08 ( 1H, m ), 3.06 − 2.92 ( 2H, m ), 2.07 ( 3H, s ), 2.02 − 1.95 ( 2H, m ), 1.80 − 1.70 (1H, m ), 1.49 ( 3H, d, J=5.9 Hz ), 1.48 − 1.40 ( 2H, m), 1.38 ( 3H, d, J=6.6 Hz ), 1.27 ( 3H, d, J=7.3 Hz );
MS(FAB) m/z: 757 (M+H)
【0446】
(24e)p−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピペリジン−4−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例24(24d)で得られた3−アセチルチオ−1−{4−[1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピペリジン−4−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン ( 1.56g, 3.43mmol ) をジメチルホルムアミド ( 47mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、室温にてヒドラジン酢酸塩 ( 379mg, 4.12mmol ) を加え、そのまま1時間攪拌した。反応終了確認後、窒素雰囲気下、氷冷にて系内にp−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(ジフェニルホスホリルオキシ)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 2.04g, 3.43mmol ) のアセトニトリル ( 61mL ) 溶液を滴下し、続いてジイソプロピルエチルアミン ( 2.39mL,13.7mmol ) を加え、そのまま室温まで徐々に昇温させながら、一晩攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと10%食塩水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和重曹水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−95:5,V/V)にて精製し、淡黄色アモルファス状のp−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピペリジン−4−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル}チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 1.70g、 収率 81% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 8.25 − 8.21 ( 2H, m ), 7.75 (1H, s ), 7.68 − 7.64 ( 2H, m ), 6.81 ( 1H, q, J=5.9 Hz ), 6.72 − 6.64 ( 1H, m ), 5.51 ( 2H, d, J=13.7 Hz ), 5.25 ( 2H, d, J=13.7 Hz ), 4.52 ( 2H, q, J=8.1 Hz ), 4.28 − 4.20 ( 3H, m ), 4.18 − 4.00 ( 5H, m ), 3.20 − 3.16 ( 1H, m ), 3.15 − 3.08 ( 1H, m ), 3.06 − 2.92 ( 2H, m ), 2.07 ( 3H, s ), 2.02 − 1.95 (2H, m ), 1.80 − 1.70 ( 1H, m ), 1.49 ( 3H, d, J=5.9 Hz ), 1.48 − 1.40 (2H, m ), 1.38 ( 3H, d, J=6.6 Hz ), 1.27 ( 3H, d, J=7.3 Hz );
MS(FAB) m/z: 757 (M+H)
【0447】
(24f)(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピペリジン−4−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩
実施例24(24e)で得られた化合物p−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピペリジン−4−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 1.83g, 2.41mmol ) をテトラヒドロフラン ( 55mL )、蒸留水 ( 55mL ) に溶解し、10%パラジウム炭素 ( 1.83g ) 存在下、室温にて接触水素還元を3.5時間行った。反応終了確認後、反応混合物を濾過。濾液に炭酸水素ナトリウム ( 202mg, 2.41mmol )、酢酸エチル、および蒸留水を加え、分液操作を行った。水層を減圧下濃縮し、コスモシールを用いた逆相クロマトグラフィー(蒸留水:アセトニトリル,100:0−82:18,V/V)にて精製し、凍結乾燥することによって目的化合物である白色アモルファス状の(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピペリジン−4−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 1.70g、 収率 66% ) を得た。
H NMR(DO, 400MHz): δ 7.90 ( 1H, s ), 6.74 ( 1H, q, J=5.5 Hz ), 4.59 (2H, t, J=8.2 Hz ), 4.35 − 4.27 ( 1H, m ), 4.25 ( 1H, dq, J=6.4, 6.2 Hz ) 4.20 ( 1H, dd, J=9.0, 2.4 Hz ), 4.16 − 3.98 ( 5H, m ), 3.43 ( 1H, dd, J=6.2, 2.4 Hz ), 3.24 ( 1H, dq, J=9.0, 7.1 Hz ), 3.15 − 2.98 ( 2H, m ), 2.12 ( 3H, s ), 2.02 − 1.92 ( 2H, m ), 1.61 − 1.53 ( 2H, m ), 1.52 ( 3H,d, J=5.5 Hz ), 1.30 ( 3H, d, J=6.4 Hz ), 1.19 ( 3H, d, J=7.1 Hz );
IR(KBr): 1749, 1717, 1623, 1378, 1224, 1080 cm−1
MS(FAB) m/z: 644 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C273410SNa ( M+H ): 644.2002. Found 644.2006;
Anal. calcd. for C273410SNa・8/3HO: C,46.88%; H,5.73%; N,10.13%; S,4.64%. Found C,46.79%; H,5.41%; N,10.17%; S,4.37%。
【0448】
【実施例25】
ピバロイルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピペリジン−4−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例24で得られた(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピペリジン−4−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 250mg, 0.388mmol ) をジメチルアセトアミド ( 12mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、0℃にてヨウ化メチルピバレート ( 113mg, 0.466mmol ) を加え、そのまま2時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え有機層を10%食塩水、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、0.5M塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−98:2,V/V)で精製し、目的化合物である淡黄色アモルファス状のピバロイルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピペリジン−4−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 256mg、 収率 90% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.75 ( 1H, s ), 6.81 ( 1H, q, J=5.1 Hz ), 6.69( 1H, bd, J=8.8 Hz ), 5.97 ( 1H, d, J=5.9 Hz ), 5.84 ( 1H, d, J=5.9 Hz ), 4.52 ( 2H, q, J=8.8 Hz ), 4.28 − 4.20 ( 3H, m ), 4.20 − 4.00 ( 5H, m ), 3.25 ( 1H, dd, J=6.8, 2.9 Hz ), 3.18 ( 1H, dq, J=8.8, 7.8 Hz ), 3.06 − 2.92 ( 2H, m ), 2.07 ( 3H, s ), 2.03 − 1.95 ( 2H, m ), 1.83 ( 1H, bd, J=4.4 Hz ), 1.49 ( 3H, d, J=5.1 Hz ), 1.48 − 1.40 ( 2H, m ), 1.37 ( 3H, d, J=7.3 Hz ), 1.25 ( 3H, d, J=7.3 Hz ), 1.22 ( 9H, s );
IR (KBr): 1778, 1756, 1715, 1625, 1223, 1141, 1116, 1082cm−1
MS(FAB) m/z: 736 (M+H)
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C334512S ( M+H ): 736.2864. Found 736.2872。
【0449】
【実施例26】
1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピペリジン−4−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例24で得られた(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピペリジン−4−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 250mg, 0.388mmol ) をジメチルアセトアミド ( 13mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、0℃にて1−ヨードエチル−イソプロピルカーボネート ( 120mg, 0.466mmol ) を加え、そのまま1時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え有機層を10%食塩水、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、0.5 M塩酸、飽和重曹水にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−95:5,V/V)にて精製し、目的化合物である淡黄色アモルファス状の1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[1−(1−アセトキシエトキシカルボニル)ピペリジン−4−イルカルバモイル]−1,3−オキサゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 250mg、 収率 86% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.75 ( 0.5H, s ), 7.75 ( 0.5H, s ), 6.88 ( 0.5H, q, J=5.1 Hz ), 6.88 ( 0.5H, q, J=5.1 Hz ), 6.81 ( 1H, q, J=5.1 Hz ), 6.72 − 6.66 ( 1H, m ), 4.98 − 4.84 ( 1H, m ), 4.56 − 4.47 ( 2H, m ), 4.28 − 4.18 ( 3H, m ), 4.18 − 4.00 ( 5H, m ), 3.24 ( 1H, dd, J=6.6, 2.9 Hz ), 3.16 ( 1H, dq, J=9.5, 7.3 Hz ), 3.06 − 2.90 ( 2H, m ), 2.08 − 2.05 ( 3H, m ), 2.02 − 1.95 ( 2H, m ), 1.80 − 1.75 ( 1H, m ), 1.61( 1.5H, d, J=5.1 Hz ), 1.59 ( 1.5H, d, J=5.1 Hz ), 1.49 ( 3H, d, J=5.1 Hz ), 1.48 − 1.40 ( 2H, m ), 1.38 − 1.22 ( 12H, m );
IR(KBr): 1760, 1714, 1625, 1376, 1273, 1223, 1078 cm−1
MS(FAB) m/z: 752 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C334513S ( M+H ): 752.2813. Found 752.2814。
【0450】
【実施例27】
(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−イソブチリロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩
(27a)O−(1−イソブチリロキシエチル)−S−エチルカルボノチオエート
O−(1−クロロエチル)−S−エチルカルボノチオエート ( WO−02092555号に記載; 10.0g, 59mmol ) を、トルエン ( 280mL ) に溶解し、引き続きヨウ化ナトリウム ( 23.1g, 154mmol )、18−クラウン−6 ( 4.70g, 17.8mmol ) を加え、窒素雰囲気下、100℃で6時間攪拌した。反応液を室温まで冷やし、水、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮し、O−(1−ヨードエチル)−S−エチルカルボノチオエートの粗生成物を得た。
【0451】
イソ酪酸 ( 5.5mL, 59.3mmol )、テトラ−n−ブチルアンモニウム硫酸水素塩( 20.1g, 59.3mmol ) を水 ( 150mL )、及び塩化メチレン ( 50mL ) に溶解し、引き続き炭酸水素ナトリウム ( 10.0g, 119mmol ) を加え、室温で4時間攪拌したものに、上で得られたO−(1−ヨードエチル)−S−エチルカルボノチオエートの粗生成物を加え、室温でそのまま一晩攪拌した。反応終了確認後、反応液を分液し、水層を塩化メチレンで分液抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,100:0−20:1,V/V)にて精製し、無色油状のO−(1−イソブチリロキシエチル)−S−エチルカルボノチオエート ( 7.23g、 収率 55% ) を得た。
H NMR(CDCl, 500 MHz): δ 6.93 ( 1H, q, J=5.5 Hz ), 2.93−2.81 ( 2H, m),2.59−2.52 ( 1H, m), 1.50 ( 3H, d, J=5.4 Hz ), 1.32 ( 3H, t, J=7.5 Hz ),1.18 ( 3H, d, J=7.0 Hz ), 1.17 ( 3H, d, J=6.9 Hz );
MS(ESI) m/z: 243 ( M+Na )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C16SNa ( M+Na ): 243.0667. Found 243.0658。
【0452】
(27b)クロロ蟻酸1−イソブチリロキシエチル
実施例27(27a)で得られたO−(1−イソブチリロキシエチル)−S−エチルカルボノチオエート ( 2.0g, 9.08mmol ) を窒素雰囲気下、攪拌し、−78℃にてスルフリルクロリド ( 766μL, 9.53mmol ) を加え、0℃にて20分間攪拌した。室温にて減圧下濃縮し、クロロ蟻酸1−イソブチリロキシエチルの粗生成物を得た。
【0453】
(27c)(3S)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(1−イソブチリロキシエトキシカルボニル)ピロリジン
(3S)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジン ( 1.69g, 9.08mmol ) を塩化メチレン ( 80mL ) に溶解し、氷冷にて4−ジメチルアミノピリジン ( 1.16g, 9.53mmol )、実施例27(27b)で得られたクロロ蟻酸1−イソブチリロキシエチルを加え、室温にて2時間撹拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと飽和重曹水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,5:1−2.5:1,V/V)にて精製し、淡黄色油状の(3S)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(1−イソブチリロキシエトキシカルボニル)ピロリジン ( 2.61g、 収率 83% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.00 − 6.78 ( 1H, m ), 4.72− 4.50 ( 1H, m ), 4.27 − 4.06 ( 1H, m ), 3.69 − 3.58 ( 1H, m ), 3.56 − 3.35 (2H, m ), 3.33 − 3.16 ( 1H, m ), 2.60 − 2.46 ( 1H, m ), 2.20 − 2.08 ( 1H, m ), 1.92 − 1.75 ( 1H, m ), 1.49 − 1.47 ( 3H, m ), 1.45 ( 9H, s ), 1.25 ( 3H, d, J=7.3 Hz ), 1.16 ( 3H, d, J=7.4 Hz );
MS(FAB) m/z: 345 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C1628Na ( M+Na ): 367.1845. Found 367.1860。
【0454】
(27d)3−アセチルチオ−1−{4−[(3S)−1−(1−イソブチリロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン
実施例27(27c)で得られた(3S)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(1−イソブチリロキシエトキシカルボニル)ピロリジン ( 1.6g, 4.65mmol ) を塩化メチレン ( 40mL ) に溶解し、トリフルオロ酢酸 ( 13mL ) を氷冷にて加え、2時間攪拌した。反応終了確認後、反応液を減圧濃縮し、残渣を減圧乾燥させ、(3S)−3−アミノ−1−(1−イソブチリロキシエトキシカルボニル)ピロリジントリフルオロ酢酸塩の粗生成物を得た。3−アセチルチオ−1−(4−アリルオキシカルボニル−1,3−チアゾール−2−イル)アゼチジン ( 参考例3に記載; 1.0g, 3.75mmol ) を塩化メチレン ( 40mL ) に溶解し、トリフェニルホスフィン ( 148mg、0.56mmol ) 、パラジウム(0)テトラキストリフェニルホスフィン ( 433mg、0.38mmol )、ジメドン ( 263mg、1.88mmol)を加え、窒素雰囲気下、室温にて1.5時間攪拌した。反応終了確認後、窒素雰囲気下、氷冷にてトリエチルアミン ( 1.95mL、13.9mmol )、上で得られた(3S)−3−アミノ−1−(1−イソブチリロキシエトキシカルボニル)ピロリジントリフルオロ酢酸塩の粗生成物、ジエチルホスホリルシアニド ( 0.78mL、5.00mmol ) を加え、室温にて6.5時間攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルを加え、有機層を飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,3:1―1:2,V/V)にて精製し、白色アモルファス状の3−アセチルチオ−1−{4−[(3S)−1−(1−イソブチリロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 1.49g、 収率 82% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.42 ( 1H, s ), 7.21 − 7.08 ( 1H, m ), 6.83 − 6.79 ( 1H, m ), 4.63 − 4.58 ( 1H, m ), 4.54 ( 2H, t, J=8.0 Hz ), 4.47 − 4.41 ( 1H, m ), 4.02 −3.98 ( 2H, m ), 3.80 − 3.74 ( 1H, m ), 3.61 − 3.49( 2H, m ), 3.36 − 3.27 ( 1H,m ), 2.56 − 2.49 ( 1H, m ), 2.37 ( 3H, s ),2.32 − 2.20 ( 1H, m ), 2.04 − 1.92 ( 1H, m ), 1.51 − 1.46 ( 3H, m ), 1.18 − 1.15 ( 6H, m );
MS(FAB) m/z: 485 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C2029 ( M+H ): 485.1529. Found 485.1538。
【0455】
(27e)p−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−イソブチリロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例27(27d)で得られた3−アセチルチオ−1−{4−[(3S)−1−(1−イソブチリロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 1.49g, 3.07mmol ) をジメチルホルムアミド ( 40mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、室温にてヒドラジン酢酸塩 ( 340mg, 3.69mmol ) を加え、そのまま1時間攪拌した。反応終了確認後、窒素雰囲気下、氷冷にて系内にp−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(ジフェニルホスホリルオキシ)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 1.82g, 3.07mmol ) のアセトニトリル ( 50mL ) 溶液を滴下し、続いてジイソプロピルエチルアミン( 2.1mL, 12.3mmol ) を加え、室温にて5時間攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと10%食塩水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を10%食塩水、重曹水、水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン,2:1−100:0,酢酸エチル:メタノール,100:0−30:1,V/V)にて精製し、淡黄色アモルファス状のp−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−イソブチリロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 2.16g、 収率 89% ) を得た。
H NMR(CDCl, 500MHz): δ 8.23 ( 2H, d, J=8.8 Hz ), 7.66 ( 2H, d, J=8.8 Hz ), 7.43 ( 1H, s ), 7.22 − 7.11 ( 1H, m ), 6.82 − 6.80 (1H, m ), 5.51 ( 1H, d, J=13.6 Hz ), 5.25 ( 1H, d, J=13.6 Hz ), 4.65 − 4.58 (1H, m ), 4.57 − 4.45 ( 2H, m ), 4.31 − 4.25 ( 3H, m ), 4.10 − 4.02 ( 2H, m ), 3.80− 3.70 ( 1H, m ), 3.60 − 3.42 ( 2H, m ), 3.42 − 3.30 ( 1H, m ), 3.29 ( 1H,dd, J=6.8, 1.9 Hz ), 3.24 − 3.20 ( 1H, m ), 2.57 − 2.51 ( 1H, m ), 2.25 − 2.21 ( 1H, m ), 2.01 − 1.91 ( 1H, m ), 1.75 − 1.73 ( 1H, m ), 1.51 − 1.46 ( 3H, m ), 1.37 ( 3H,d, J=5.9 Hz ), 1.28 ( 3H, d, J=7.8 Hz ), 1.17 − 1.14 ( 6H, m );
IR(KBr): 3385, 2973, 1773, 1714, 1544, 1344, 1325 cm−1
MS(FAB) m/z: 787 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C354311 ( M+H ): 787.2432. Found 787.2429。
【0456】
(27f)(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−イソブチリロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩
実施例27(27e)で得られた化合物p−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−イソブチリロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 1.5g, 1.91mmol ) をテトラヒドロフラン ( 50mL )、蒸留水 ( 50mL ) に溶解し、10%パラジウム炭素 ( 1.5g ) 存在下、室温にて接触水素還元を2時間行った。反応終了確認後反応混合物を濾過。濾液に炭酸水素ナトリウム ( 160mg, 1.91mmol )、酢酸エチル、および蒸留水を加え、分液操作を行った。水層を減圧下濃縮し、コスモシールを用いた逆相クロマトグラフィー(蒸留水:アセトニトリル,100:0−79:21,V/V)にて精製し、凍結乾燥することによって目的化合物である白色アモルファス状の(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−イソブチリロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 0.84g、 収率 61% ) を得た。
H NMR(DO, 400MHz): δ7.52 − 7.50 (1H, m ), 6.76 − 6.67 (1H, m ), 4.56 − 4.50 ( 2H, m ), 4.48 − 4.32 ( 1H, m ), 4.25 ( 1H, dq, J=6.6, 6.2 Hz ),4.20 − 4.14 ( 1H, m ), 4.07 − 3.97 ( 2H, m ), 3.72 − 3.65 ( 1H, m ), 3.61 − 3.52 ( 3H, m ), 3.52 − 3.39 ( 1H, m ), 3.27 − 3.16 ( 1H, m ), 2.66 −2.51 ( 2H, m ), 2.31 −2.22 ( 1H, m ), 2.11 −2.04 ( 1H, m ), 1.55 −1.51 ( 3H, m ), 1.30 ( 3H, d, J=6.4 Hz ), 1.27 −1.10 ( 6H, m ), 1.06 ( 1.5H, d,J=6.9 Hz ), 1.05 ( 1.5H, d, J=7.1 Hz );
IR(KBr): 3393, 2971, 1745, 1666, 1605, 1545, 1390 cm−1
MS(FAB) m/z: 674 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C2837 Na ( M+H ): 674.1931. Found 674.1926。
【0457】
【実施例28】
1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−イソブチリロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例27で得られた(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−イソブチリロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 300mg, 0.445mmol ) をジメチルアセトアミド ( 15mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、0℃にて1−ヨードエチル−イソプロピルカーボネート ( 150mg, 0.579mmol ) を加え、そのまま1時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え、有機層を10%食塩水、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和重曹水、水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン,4:1−100:0,酢酸エチル:メタノール,100:0−15:1,V/V)にて精製し、目的化合物である白色アモルファス状の1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−イソブチリロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 365mg、 収率 100% ) を得た。
H NMR(CDCl, 500MHz): δ 7.43 ( 0.5H, s), 7.43 ( 0.5H, s), 7.23 − 7.15 ( 1H, m ), 6.91 − 6.86 ( 1H, m ), 6.83 − 6.80 ( 1H, m ), 4.95 −4.86 ( 1H, m ), 4.65 − 4.55 ( 1H, m ), 4.55 − 4.45 ( 2H, m ), 4.31 − 4.21 ( 3H,m ), 4.11 − 4.05 ( 2H, m ), 3.80 − 3.70 ( 1H, m ), 3.62 − 3.45 ( 2H, m ), 3.24( 1H, dd, J=6.9,3.0 Hz ), 3.19 ( 1H, dq, J=8.8, 6.9 Hz ), 2.58 − 2.50 ( 1H, m), 2.29 − 2.21 ( 1H, m ), 2.04 − 1.91 ( 1H, m ), 1.71 ( 1H, d,J=4.8 Hz ), 1.61 (1.5H, d, J=5.8 Hz ), 1.58 ( 1.5H, d, J=4.8 Hz ), 1.51− 1.46 ( 3H, m ), 1.38 − 1.24 ( 12H, m ), 1.18 − 1.14 ( 6H, m ),;
IR(KBr): 3394, 2978, 1752, 1718, 1544, 1324, 1272 cm−1
MS(FAB) m/z: 782 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C344812 ( M+H ): 782.2741. Found 782.2714。
【0458】
【実施例29】
(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(イソブチリロキシメトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩
(29a)O−(イソブチリロキシメチル)−S−エチルカルボノチオエートO−(クロロメチル)−S−エチルカルボノチオエート ( Synthesis, 1159 (1990 ) に記載; 10.0g, 64.6mmol ) を、アセトン ( 100mL ) に溶解し、引き続きヨウ化ナトリウム ( 19.4g, 130mmol )、炭酸水素ナトリウム ( 0.54g, 6.5mmol ) を加え、窒素雰囲気下、40℃で3時間攪拌した。反応液を室温まで冷やし、濾過。濾液を減圧下濃縮後、n−ヘキサンを加え、有機層を5%重曹水、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、水にて順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮し、O−(ヨードメチル)−S−エチルカルボノチオエートの粗生成物を得た。
【0459】
イソ酪酸 ( 6.0mL, 64.6mmol )、テトラ−n−ブチルアンモニウム硫酸水素塩( 21.9g, 64.6mmol ) を水 ( 150mL )、及び塩化メチレン ( 50mL ) に溶解し、引き続き炭酸水素ナトリウム ( 10.9g, 129mmol ) を加え、室温で2時間攪拌したものに、上で得られたO−(ヨードメチル)−S−エチルカルボノチオエートの粗生成物を加え、室温でそのまま一晩攪拌した。反応終了確認後、反応液を分液し、水層を塩化メチレンで分液抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,100:0−20:1,V/V)にて精製し、無色油状のO−(イソブチリロキシメチル)−S−エチルカルボノチオエート ( 9.68g、 収率 73% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400 MHz): δ 5.81 ( 2H, s ), 2.89 ( 2H, q, J=7.3 Hz ), 2.65−2.57 ( 1H, m), 1.33 ( 3H, t, J=7.3 Hz ), 1.19 ( 6H, d, J=7.3 Hz );
MS(ESI) m/z: 229 ( M+Na )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C14SNa ( M+Na ): 229.0511. Found 229.0498。
【0460】
(29b)クロロ蟻酸イソブチリロキシメチル
実施例29(29a)で得られたO−(イソブチリロキシメチル)−S−エチルカルボノチオエート ( 2.0g, 9.70mmol ) を窒素雰囲気下、攪拌し、−78℃にてスルフリルクロリド ( 818μL, 10.2mmol ) を加え、0℃にて20分間攪拌した。室温にて減圧下濃縮し、クロロ蟻酸イソブチリロキシメチルの粗生成物を得た。
【0461】
(29c)(3S)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソブチリロキシメトキシカルボニル)ピロリジン
(3S)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジン ( 1. 81g, 9.70mmol ) を塩化メチレン ( 80mL ) に溶解し、氷冷にて4−ジメチルアミノピリジン ( 1.24g, 10.2mmol )、実施例29(29b)で得られたクロロ蟻酸イソブチリロキシメチルを加え、室温にて3.5時間撹拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと飽和重曹水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,5:1−2:1,V/V)にて精製し、白色固体状の(3S)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(イソブチリロキシメトキシカルボニル)ピロリジン ( 1.72g、 収率 54% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 5.77 ( 1H, s ), 5.77 ( 1H, s ), 4.65 − 4.45 ( 1H, m ), 4.30 − 4.10 ( 1H, m ), 3.69 − 3.64 (1H, m ), 3.55 − 3.45 ( 2H, m ), 3.30 − 3.20 ( 1H, m ), 2.63 − 2.57 ( 1H, m ), 2.20 − 2.10 ( 1H, m ), 1.90 − 1.75 ( 1H, m ), 1.45 ( 9H, s ), 1.19 ( 6H, d, J=6.8 Hz );
IR(KBr): 3314, 2980, 1759, 1713, 1694, 1529, 1462, 1402, 1282, 1245 cm−1
MS(FAB) m/z: 331 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C1526Na ( M+Na ): 353.1689. Found 353.1697。
【0462】
(29d)3−アセチルチオ−1−{4−[(3S)−1−(イソブチリロキシメトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン
実施例29(29c)で得られた(3S)−3−(t−ブトキシカルボニル)アミノ−1−(イソブチリロキシメトキシカルボニル)ピロリジン ( 1.54g, 4.65mmol ) を塩化メチレン ( 40mL ) に溶解し、トリフルオロ酢酸 ( 13mL ) を氷冷にて加え、2時間攪拌した。反応終了確認後、反応液を減圧濃縮し、残渣を減圧乾燥させ、(3S)−3−アミノ−1−(イソブチリロキシメトキシカルボニル)ピロリジントリフルオロ酢酸塩の粗生成物を得た。3−アセチルチオ−1−(4−アリルオキシカルボニル−1,3−チアゾール−2−イル)アゼチジン (参考例3に記載; 1.0g, 3.75mmol ) を塩化メチレン ( 40mL ) に溶解し、トリフェニルホスフィン ( 148mg、0.56mmol )、パラジウム(0)テトラキストリフェニルホスフィン ( 433mg、0.38mmol )、ジメドン ( 263mg、1.88mmol )を加え、窒素雰囲気下、室温にて1時間攪拌した。反応終了確認後、窒素雰囲気下、氷冷にてトリエチルアミン ( 3.06mL、21.8mmol )、上で得られた(3S)−3−アミノ−1−(イソブチリロキシメトキシカルボニル)ピロリジントリフルオロ酢酸塩の粗生成物、ジエチルホスホリルシアニド ( 0.78mL、5.00mmol ) を加え、室温にて一晩攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルを加え、有機層を飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,3:1−1:2,V/V)にて精製し、白色アモルファス状の3−アセチルチオ−1−{4−[(3S)−1−(イソブチリロキシメトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 1.26g、 収率 71% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.42 ( 1H, s ), 7.15 ( 1H, d, J=7.8 Hz ), 5.79− 5.75 ( 2H, m ), 4.65 − 4.58 ( 1H, m ), 4.54 ( 2H, t, J=8.8 Hz ), 4.47 − 4.41 ( 1H, m ), 4.01 − 3.95 ( 2H, m ), 3.82 − 3.74 ( 1H, m ), 3.64 − 3.47 ( 2H, m ), 3.41 − 3.31 ( 1H,m ), 2.64 − 2.53 ( 1H, m ), 2.37 ( 3H, s), 2.28 − 2.22 ( 1H, m ), 2.05 − 1.93 ( 1H, m ), 1.20 − 1.17 ( 6H, m);
MS(FAB) m/z: 471 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C1927 ( M+H ): 471.1372. Found 471.1362。
【0463】
(29e)p−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(イソブチリロキシメトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例29(29d)で得られた3−アセチルチオ−1−{4−[(3S)−1−(イソブチリロキシメトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン ( 1.45g, 3.08mmol ) をジメチルホルムアミド ( 40mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、室温にてヒドラジン酢酸塩( 341mg, 3.70mmol ) を加え、そのまま1時間攪拌した。反応終了確認後、窒素雰囲気下、氷冷にて系内にp−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(ジフェニルホスホリルオキシ)−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 1.83g, 3.08mmol ) のアセトニトリル ( 50mL ) 溶液を滴下し、続いてジイソプロピルエチルアミン ( 2.2mL, 12.3mmol ) を加え、室温にて1晩攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと10%食塩水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を10%食塩水、重曹水、水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン,2:1−100:0,酢酸エチル:メタノール,100:0−15:1,V/V)にて精製し、淡黄色アモルファス状のp−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(イソブチリロキシメトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 1.44g、 収率 60% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 8.23 ( 2H, d, J=8.7 Hz ), 7.66 ( 2H, d, J=8.7 Hz ), 7.44 ( 1H, s ), 7.22 − 7.04 ( 1H, m ), 5.80 − 5.75 (2H, m ), 5.50 ( 1H, d, J=13.7 Hz ), 5.25 ( 1H, d, J=14.6 Hz ), 4.66 − 4.57 (1H, m ), 4.54 − 4.46 ( 2H, m ), 4.33 − 4.24 ( 3H, m ), 4.10 − 4.00 ( 2H, m ), 3.82− 3.72 ( 1H, m ), 3.64 − 3.46 ( 2H, m ), 3.43 − 3.32 ( 1H, m ), 3.30 ( 1H,dd, J=6.8, 2.9 Hz ), 3.22 ( 1H, dq, J=8.8, 6.8 Hz ), 2.62 − 2.56 ( 1H, m ),2.30 − 2.21 ( 1H, m ), 2.04 − 1.90 ( 1H, m ), 1.71 ( 1H, d, J=2.9 Hz ), 1.38 ( 3H,d, J=6.9 Hz ), 1.28 ( 3H, d, J=7.8 Hz ), 1.20 − 1.17 ( 6H, m );
IR(KBr): 3385, 2973, 1769, 1757, 1719, 1544, 1525, 1344 cm−1
MS(FAB) m/z: 773 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C344011Na ( M+Na ): 795.2194. Found 795.2101。
【0464】
(29f)(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(イソブチリロキシメトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩
実施例29(29e)で得られた化合物p−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(イソブチリロキシメトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 1.46g, 1.89mmol ) をテトラヒドロフラン ( 50mL )、蒸留水 ( 50mL ) に溶解し、10%パラジウム炭素 ( 1.5g) 存在下、室温にて接触水素還元を4.5時間行った。反応終了確認後反応混合物を濾過。濾液に炭酸水素ナトリウム ( 159mg, 1.89mmol )、酢酸エチル、および蒸留水を加え、分液操作を行った。水層を減圧下濃縮し、コスモシールを用いた逆相クロマトグラフィー(蒸留水:アセトニトリル,100:0−85:15,V/V)にて精製し、凍結乾燥することによって目的化合物である白色アモルファス状の(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(イソブチリロキシメトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 0.60g、 収率 48% ) を得た。
H NMR(DO, 400MHz): δ 7.52 − 7.50 ( 1H, m ), 5.77 − 5.70 (2H, m ), 4.57 − 4.50 ( 3H, m ), 4.38 − 4.31 ( 1H, m ), 4.25 ( 1H, dq, J=6.4, 6.2 Hz ), 4.20 − 4.16 ( 1H, m ), 4.18 ( 1H, dd, J=9.1, 2.6 Hz ), 4.06 − 3.99 ( 2H, m ), 3.73 − 3.66 ( 1H, m ), 3.61 − 3.45 ( 3H, m ), 3.43 ( 1H, dd, J=6.2, 2.6 Hz ), 3.22 ( 1H, dq, J=7.4, 6.9 Hz ), 2.70 − 2.58 ( 1H, m ), 2.31 − 2.23 ( 1H, m ), 2.10 −2.05 ( 1H, m ), 1.30 ( 3H, d, J=6.4 Hz ), 1.19 ( 3H, d, J=7.3 Hz ), 1.16 − 1.04 ( 6H, m );
IR(KBr): 3387, 2971, 1751, 1727, 1661, 1602, 1546, 1470, 1392 cm−1
MS(FAB) m/z: 660 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C2735Na ( M+H ): 660.1774. Found 660.1777。
【0465】
【実施例30】
1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(イソブチリロキシメトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例29で得られた(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(イソブチリロキシメトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 300mg, 0.455mmol ) をジメチルアセトアミド ( 15mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、0℃にて1−ヨードエチル−イソプロピルカーボネート ( 153mg, 0.591mmol ) を加え、そのまま1時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え、有機層を10%食塩水、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和重曹水、水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン,1:1−100:0,酢酸エチル:メタノール,100:0−40:1,V/V)にて精製し、目的化合物である白色アモルファス状の1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(イソブチリロキシメトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 323mg、 収率 98% ) を得た。
H NMR(CDCl, 500MHz): δ 7.43 ( 0.5H, s ), 7.43 ( 0.5H, s ), 7.18 − 7.10 ( 1H, m ), 6.91 − 6.85 ( 1H, m ), 5.81 − 5.75 ( 2H, m ), 4.95 −4.86 ( 1H, m ), 4.66 − 4.56 ( 1H, m ), 4.53 − 4.45 ( 2H, m ), 4.32 − 4.20 ( 3H,m ), 4.10 − 4.02 ( 2H,m ), 3.82 − 3.74 ( 1H, m ), 3.65 − 3.45 ( 2H, m ),3.44 − 3.32 ( 1H, m ), 3.24 ( 1H, dd, J=6.8,2.9 Hz ), 3.18 ( 1H, dq, J=7.8, 6.9 Hz ), 2.63 − 2.56 ( 1H, m), 2.31 − 2.20 ( 1H, m ), 2.04 − 1.91( 1H, m ), 1.69 (1H, d, J=3.9 Hz ), 1.61 ( 1.5H, d, J=5.8 Hz ), 1.59 ( 1.5H, d, J=5.8 Hz ), 1.38 − 1.25 ( 9H, m ), 1.29 ( 3H, d, J=5.9 Hz ), 1.20 − 1.17 ( 6H, m );
IR(KBr): 3386, 2978, 1757, 1722, 1665, 1544, 1272 cm−1
MS(FAB) m/z: 768 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C334612 ( M+H ): 768.2585. Found 768.2574。
【0466】
【実施例31】
(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−シクロヘキサンカルボニロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩
(31a)p−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−[1−(4−アリルオキシカルボニル−1,3−チアゾール−2−イル)アゼチジン−3−イル]チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
3−アセチルチオ−1−(4−アリルオキシカルボニル−1,3−チアゾール−2−イル)アゼチジン ( 参考例3に記載; 9.00g, 30.2mmol ) をジメチルホルムアミド ( 200mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、室温にてヒドラジン酢酸塩 ( 3.33g, 36.2mmol ) を加え、そのまま40分間攪拌した。反応終了確認後、窒素雰囲気下、−20℃にて系内にp−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−ジフェニルホスホリルオキシ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 21.52g, 36.2mmol ) のアセトニトリル溶液を滴下し、続いてジイソプロピルエチルアミン ( 15.10mL, 86.9mmol ) を加え、−20℃にて2時間攪拌し、冷蔵庫にて三夜放置した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと10%食塩水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン:酢酸エチル,20:80−0:100,V/V)にて精製し、淡黄色アモルファス状のp−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−[1−(4−アリルオキシカルボニル−1,3−チアゾール−2−イル)アゼチジン−3−イル]チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 17.00g, 収率 94.6% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 8.22 ( 2H, d, J=8.8 Hz ), 7.66 ( 2H, d, J=8.8 Hz ), 7.53 ( 1H, s ), 6.06 − 5.96 ( 1H, m ), 5.50 ( 1H, d, J=13.9 Hz ), 5.41 − 5.36 ( 1H, m ), 5.30 − 5.24 ( 1H, m ), 5.25 ( 1H, d, J=13.9 Hz ),4.81 − 4.79 ( 2H, m ), 4.57 − 4.52 ( 2H, m ), 4.31 − 4.24 ( 3H, m ), 4.15 − 4.07 ( 2H, m ), 3.29 ( 1H, dd, J=7.0, 2.5 Hz ), 3.24 − 3.16 ( 1H, m), 2.09 − 2.03 ( 1H, m ), 1.37 ( 3H, d, J=6.6 Hz ), 1.26 ( 3H, d, J=6.6Hz );
MS(FAB) m/z: 601 ( M+H )
【0467】
(31b)O−(1−シクロヘキサンカルボニロキシエチル)−S−エチルカルボノチオエート
シクロヘキサンカルボン酸 ( 3.04g, 23.7mmol ) 、テトラ−n−ブチルアンモニウム硫酸水素塩 ( 8.05g, 23.7mmol ) を水 ( 60mL )、及び塩化メチレン (20mL ) に溶解し、引き続き炭酸水素ナトリウム ( 3.99g, 47.4mmol ) を加え、室温で2時間攪拌したものに、実施例27(27a)と同様にして得られたO−(1−ヨードエチル)−S−エチルカルボノチオエート ( 6.16g, 23.7mmol )を加え、室温でそのまま一晩攪拌した。反応終了確認後、反応液を分液し、得られた有機層を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチルで希釈して、水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン:酢酸エチル,99:1−98:2,V/V)にて精製し、無色油状のO−(1−シクロヘキサンカルボニロキシエチル)−S−エチルカルボノチオエート ( 2.99g, 収率 48.5% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400 MHz): δ 6.94 ( 1H, q, J=5.5 Hz ), 2.94 − 2.81 ( 2H, m), 2.35.−2.27 ( 1H, m ), 1.92 − 1.91 ( 2H, m ), 1.77 − 1.72 ( 2H, m ), 1.65 − 1.20 ( 6H, m ), 1.50 ( 3H, d, J=5.9 Hz ), 1.31 ( 3H, t, J=7.4 Hz );
MS(FAB) m/z: 261 ( M+H )
【0468】
(31c)クロロ蟻酸1−シクロヘキサンカルボニロキシエチル
実施例31(31b)で得られたO−(1−シクロヘキサンカルボニロキシエチル)−S−エチルカルボノチオエート ( 2.70g, 10.4mmol ) を窒素雰囲気下、攪拌し、−78℃にてスルフリルクロリド ( 0.88mL, 10.9mmol ) を加え、0℃にて30分間攪拌した。室温にて減圧下濃縮し、クロロ蟻酸1−シクロヘキサンカルボニロキシエチルの粗生成物を得た。
【0469】
(31d)(3S)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(1−シクロヘキサンカルボニロキシエトキシカルボニル)ピロリジン
(3S)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジン ( 1.94g, 10.4mmol ) を塩化メチレン ( 50mL ) に溶解し、氷冷下にて4−ジメチルアミノピリジン ( 1.27g, 10.4mmol )、実施例31(31c)で得られたクロロ蟻酸1−シクロヘキサンカルボニロキシエチルを加え、氷冷にて2時間撹拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルを加え、有機層を重曹水、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン:酢酸エチル,80:20−70:30,V/V)にて精製し、白色アモルファス状の(3S)−3−(t−ブトキシカルボニル)アミノ−1−(1−シクロヘキサンカルボニロキシエトキシカルボニル)ピロリジン ( 3.45g, 収率 86.2% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ6.81 − 6.75 ( 1H, m ), 4.74 − 4.66 ( 1H, m ), 4.20 ( 1H, bs ), 3.66 − 3.60 ( 1H, m ), 3.55 − 3.41 ( 2H, m ), 3.26 − 3.12 ( 1H, m ), 2.34 − 2.27 ( 1H, m ), 2.18 − 2.06 ( 1H, m ), 1.92 − 1.74 (5H, m ), 1.64 − 1.16 ( 9H, m ), 1.45 ( 9H, s );
MS(FAB) m/z: 385 ( M+H )
【0470】
(31e)p−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−シクロヘキサンカルボニロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例31(31d)で得られた(3S)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(1−シクロヘキサンカルボニロキシエトキシカルボニル)ピロリジン ( 0.96g, 2.50mmol ) を塩化メチレン ( 30mL ) に溶解し、トリフルオロ酢酸 ( 10mL ) を氷冷にて加え、1時間攪拌した。反応終了確認後、反応液を減圧濃縮し、残渣を減圧乾燥させ、(3S)−3−アミノ−1−(1−シクロヘキサンカルボニロキシエトキシカルボニル)ピロリジントリフルオロ酢酸塩の粗生成物を得た。実施例31(31a)で得られたp−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−[1−(4−アリルオキシカルボニル−1,3−チアゾール−2−イル)アゼチジン−3−イル]チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 1.50g, 2.50mmol) をテトラヒドロフラン ( 30mL ) に溶解し、トリフェニルホスフィン ( 140mg, 0.53mmol )、パラジウム(0)テトラキストリフェニルホスフィン ( 140mg,0.13mmol )、ジメドン ( 180mg, 1.25mmol ) を加え、窒素雰囲気下、室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後、窒素雰囲気下、氷冷にてジイソプロピルエチルアミン ( 1.57mL, 9.00mmol )、上で得られた(3S)−3−アミノ−1−(1−シクロヘキサンカルボニロキシエトキシカルボニル)ピロリジントリフルオロ酢酸塩の粗生成物、ジエチルホスホリルシアニド ( 0.76mL, 5.00mmol ) を加え、室温にて2時間攪拌後、冷蔵庫にて一夜放置した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を重曹水、水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−95:5,V/V)にて精製し、淡黄色アモルファス状のp−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−シクロヘキサンカルボニロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 1.96g, 収率 94.8% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): 8.22 ( 2H, d, J=8.8 Hz ), 7.66 ( 2H, d, J=8.8 Hz ), 7.44 ( 1H, s ), 7.18 − 7.15 ( 1H, m ), 6.80 − 6.79 ( 1H, m ), 5.51 ( 1H, d, J=13.6 Hz ), 5.25 ( 1H, d, J=13.6 Hz ), 4.61− 4.50 ( 3H, m ), 4.30 − 4.25 ( 3H, m ), 4.15 − 4.06 ( 2H, m ), 3.78 − 3.73 ( 1H, m ), 3.58 −3.48 (2H, m ), 3.37 − 3.21 ( 2H, m ), 3.30 ( 1H, dd, J=6.6, 2.9 Hz ), 2.32 − 2.24 ( 2H, m ), 2.05 − 1.63 ( 8H, m ), 1.50 − 1.24 ( 10H, m ), 1.38 ( 3H, d, J=6.9 Hz );
MS(FAB) m/z: 827 ( M+H )
【0471】
(31f)(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−シクロヘキサンカルボニロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩
実施例31(31e)で得られた化合物p−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−シクロヘキサンカルボニロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 1.90g, 2.30mmol ) をテトラヒドロフラン ( 100mL )、0.1M−りん酸ナトリウム緩衝液 ( 100mL ) に溶解し、7.5%パラジウム炭素 ( 1.90g ) 存在下、室温にて接触水素還元を2時間行った。反応終了確認後、反応混合物を濾過。ジエチルエーテル、および蒸留水を加え、分液操作を行った。水層を減圧下濃縮し、コスモシールを用いた逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(蒸留水:アセトニトリル,100:0−80:20,V/V)にて精製し、凍結乾燥することによって目的化合物である薄黄色アモルファス状の(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−シクロヘキサンカルボニロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 1.00g, 収率 60.8% ) を得た。
H NMR(DO, 400MHz): δ 7.50 − 7.49 ( 1H, m ), 6.73 − 6.63 ( 1H, m ), 4.52 − 4.48 ( 3H, m ), 4.34 − 4.13 ( 3H, m ), 4.02 − 3.96 ( 2H, m ), 3.69 − 3.36 ( 5H, m ), 3.22 − 3.11 ( 1H, m ), 2.35 − 2.24 ( 2H, m ), 2.08 − 2.05 ( 1H, m ), 1.85 − 1.48 ( 8H, m ), 1.40 − 1.05 ( 5H, m ), 1.30 ( 3H, d, J=5.9 Hz ) 1.17 ( 3H, d, J=7.3 Hz );
IR(KBr): 3393, 2933, 2858, 1741, 1666, 1605, 1545, 1390, 1313 cm−1
MS(FAB) m/z: 714 ( M+H )
Anal. calcd. for C3140Na・2HO: C,49.66%; H,5.91%; N,9.34%; S,8.55%; Na,3.07%. Found C,49.91%; H,5.84%; N,9.34%; S,8.64%; Na,3.53%。
【0472】
【実施例32】
ピバロイルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−シクロヘキサンカルボニロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例31で得られた(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−シクロヘキサンカルボニロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 310mg, 0.43mmol ) をジメチルアセトアミド ( 15mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、0℃にてヨウ化メチルピバレート ( 140mg, 0.56mmol ) を加え、そのまま30分間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え有機層を10%食塩水、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和重曹水、水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−95:5,V/V)で精製し、目的化合物である白色アモルファス状のピバロイルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−シクロヘキサンカルボニロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 338mg, 収率 97.5% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.44 ( 1H, s ), 7.20 − 7.14 ( 1H, m ), 6.81 − 6.78 ( 1H, m ), 5.97 ( 1H, d, J=5.5 Hz ), 5.84 ( 1H, d, J=5.5 Hz ), 4.67− 4.57 ( 1H, m ), 4.54 − 4.48 ( 2H, m ), 4.33 − 4.21 ( 3H, m ), 4.15 − 4.05 ( 2H, m ), 3.79 − 3.72 ( 1H, m ), 3.58 − 3.48 ( 2H, m ), 3.40 − 3.17 ( 2H, m ), 3.25 ( 1H, dd, J=7.0, 2.6 Hz ), 2.33 − 2.21 ( 2H, m ), 2.10− 1.89 ( 3H, m ), 1.73 − 1.61 ( 4H, m ), 1.50 − 1.06 ( 8H, m ), 1.35 ( 3H, d, J=5.9 Hz ), 1.27 ( 3H, d, J=6.6 Hz ), 1.22 ( 9H, s );
IR(KBr): 3394, 2971, 2935, 2860, 1779, 1735, 1667, 1543, 1315 cm−1
MS(FAB) m/z : 806 ( M+H )
【0473】
【実施例33】
1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−シクロヘキサンカルボニロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例31で得られた(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−シクロヘキサンカルボニロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 320mg, 0.45mmol ) をジメチルアセトアミド ( 15mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、0℃にて1−ヨードエチル−イソプロピルカーボネート ( 150mg, 0.58mmol ) を加え、そのまま2時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え、有機層を10%食塩水、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和重曹水、水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−95:5,V/V)にて精製し、目的化合物である白色アモルファス状の1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−シクロヘキサンカルボニロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 342mg, 収率 92.5% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.43 ( 1H, s ), 7.21 − 7.14 ( 1H, m ), 6.91 − 6.86 ( 1H, m ), 6.81 − 6.78 ( 1H, m ), 4.95 − 4.86 ( 1H, m ), 4.64 − 4.61 ( 1H, m ), 4.53 − 4.47 ( 2H, m ), 4.32 − 4.22 ( 3H, m ), 4.15 − 4.06 (2H, m ), 3.79 − 3.72 ( 1H, m ), 3.58 − 3.40 ( 2H, m ), 3.39 − 3.15 ( 2H, m ), 3.25 ( 1H, dd, J=7.0, 2.6 Hz ), 2.33 − 2.22 ( 2H, m), 2.05 − 1.89( 4H, m ), 1.73 − 1.58 ( 7H, m ), 1.50 − 1.17 ( 19H, m );
IR(KBr): 3393, 2980, 2936, 2859,.1750, 1720, 1667, 1543, 1320, 1273 cm−1
MS(FAB) m/z: 822 ( M+H )
【0474】
【実施例34】
(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−オクタノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩
(34a)(3S)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(1−クロロエトキシカルボニル)ピロリジン
(3S)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジン ( 3.0g, 16.1mmol ) を塩化メチレン ( 40mL ) に溶解し、−20℃にてピリジン ( 1.30mL, 16.1mmol )、クロロ蟻酸1−クロロエチル ( 1.74mL, 16.1mmol ) を加え、室温にて1.5時間撹拌した。反応終了確認後、反応系内に塩化メチレンを加え、有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液、0.05M塩酸、飽和重曹水、水、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮し、(3S)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(1−クロロエトキシカルボニル)ピロリジンの粗生成物 ( 3.26g、 収率 69% ) を得た。
H NMR(CDCl, 500MHz): δ 6.60 − 6.56 ( 1H, m ), 4.67− 4.48 ( 1H, m ), 4.25 − 4.15 ( 1H, m ), 3.73 − 3.60 ( 1H, m ), 3.59 − 3.40 (2H, m ), 3.33 − 3.20 ( 1H, m ), 2.21 − 2.06 ( 1H, m ), 1.92 − 1.70 ( 4H, m ), 1.45 ( 9H, s )。
【0475】
(34b)(3S)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(1−オクタノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン
オクタン酸 ( 985mg, 6.83mmol ) をジメチルホルムアミド ( 12mL )、テトラヒドロフラン ( 10mL ) に懸濁させ、炭酸セシウム ( 1.10g, 3.39mmol )、18−クラウン−6 ( 1.81g, 6.83mmol ) を加え、窒素雰囲気下、室温にて20分間攪拌した。室温にて系内に、実施例34(34a)で得られた(3S)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(1−クロロエトキシカルボニル)ピロリジン ( 800mg, 2.73mmol ) を加え、室温にて4時間撹拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと飽和食塩水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和重曹水、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,3:1−1:3,V/V)にて精製し、白色アモルファス状の(3S)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(1−オクタノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン ( 668mg、 収率 85% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 6.84 − 6.78 ( 1H, m ), 4.64 − 4.56 ( 1H, m ), 4.22 − 4.09 ( 1H, m ), 3.63 − 3.58 ( 1H, m ), 3.57 − 3.41 (2H, m ), 3.25− 3.12 ( 1H, m ), 2.33 − 2.26 ( 2H, m ), 2.18 − 2.07 ( 1H, m ), 1.90 − 1.74 ( 1H, m ), 1.64 − 1.52 ( 3H, m ), 1.45 ( 9H, s ), 1.49 − 1.40 ( 2H,m ), 1.38 − 1.20 ( 8H, m ), 0.90 − 0.86 ( 1H, m );
IR(Liquid film): 3343, 2932, 1716, 1526, 1451, 1424, 1391, 1367 cm−1
MS(FAB) m/z: 401 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C2036Na ( M+Na ): 423.2471. Found 423.2489。
【0476】
(34c)p−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−オクタノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例34(34b)で得られた(3S)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(1−オクタノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン ( 0.98g, 2.45mmol ) を塩化メチレン ( 30mL ) に溶解し、トリフルオロ酢酸 ( 9mL ) を氷冷にて加え、1.5時間攪拌した。反応終了確認後、反応液を減圧濃縮し、残渣を減圧乾燥させ、(3S)−3−アミノ−1−(1−オクタノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジントリフルオロ酢酸塩の粗生成物を得た。実施例31(31a)で得られたp−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−[1−(4−アリルオキシカルボニル−1,3−チアゾール−2−イル)アゼチジン−3−イル]チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 1.19g, 1.97mmol ) を塩化メチレン ( 30mL) に溶解し、トリフェニルホスフィン ( 78mg、0.30mmol )、パラジウム(0)テトラキストリフェニルホスフィン ( 228mg、0.20mmol )、ジメドン ( 138mg、0.99mmol ) を加え、窒素雰囲気下、室温にて1.5時間攪拌した。反応終了確認後、窒素雰囲気下、氷冷にてジイソプロピルエチルアミン ( 1.5mL, 8.3mmol )、上で得られた(3S)−3−アミノ−1−(1−オクタノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジントリフルオロ酢酸塩の粗生成物、ジエチルホスホリルシアニド ( 0.40mL、2.36mmol ) を加え、室温にて6時間攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルを加え、有機層を飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン,3:1−100:0,酢酸エチル:メタノール,100:0−15:1,V/V)にて精製し、淡黄色アモルファス状のp−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−オクタノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 1.55g、 収率 93% ) を得た。
H NMR(CDCl, 500MHz): δ 8.23 ( 2H, d, J=8.8 Hz ), 7.66 ( 2H, d, J=8.8 Hz ), 7.44 ( 1H, s ), 7.22 ( 1H, bs ), 6.83 − 6.79 (1H, m ), 5.50 ( 1H, d, J=13.7 Hz ), 5.25 ( 1H, d, J=13.7 Hz ), 4.67 − 4.55 (1H, m ), 4.55 − 4.47 ( 2H, m ), 4.33 − 4.22 ( 3H, m ), 4.18 − 4.03 ( 2H, m ), 3.81 − 3.71 ( 1H, m ), 3.62 − 3.41 ( 2H, m ), 3.41 − 3.32 ( 1H, m ), 3.30 ( 1H, dd, J=6.9, 3.0 Hz ), 3.24 − 3.17 ( 1H, m ), 2.37 − 2.21 ( 3H, m ), 2.02 − 1.92 ( 1H, m ), 1.80 − 1.70 ( 1H, m ), 1.65 − 1.42 ( 5H, m ), 1.48 ( 3H,d, J=5.8 Hz), 1.47 − 1.21 ( 11H, m ), 0.88 − 0.83 ( 3H, m );
IR(KBr): 3391, 2930, 1772, 1715, 1666, 1544, 1525 cm−1
MS(FAB) m/z: 843 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C395011Na ( M+Na ): 865.2877. Found 865.2877。
【0477】
(34d)(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−オクタノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩
実施例34(34c)で得られた化合物p−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−オクタノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 1.55g, 1.84mmol ) をテトラヒドロフラン ( 75mL )、蒸留水 ( 60mL ) に溶解し、10%パラジウム炭素 ( 1.55g ) 存在下、室温にて接触水素還元を1.5時間行った。反応終了確認後反応混合物を濾過。濾液に炭酸水素ナトリウム ( 154mg, 1.84mmol )、酢酸エチル、および蒸留水を加え、分液操作を行った。水層を減圧下濃縮し、コスモシールを用いた逆相クロマトグラフィー(蒸留水:アセトニトリル,100:0−64:36,V/V)にて精製し、凍結乾燥することによって目的化合物である白色アモルファス状の(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−オクタノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 0.48g、 収率 36% ) を得た。
H NMR(DO, 400MHz): δ 7.50 − 7.46 ( 1H, m ), 6.78 − 6.65 (1H, m ), 4.57 − 4.43 ( 3H, m ), 4.37 − 4.12 ( 3H, m ), 4.08 − 3.91 ( 2H, m ), 3.74 −3.32 ( 5H, m ), 3.23 − 3.10 ( 1H, m ), 2.40 − 2.15 ( 3H, m ), 2.14 − 1.98 ( 1H, m ), 1.62 − 1.39 ( 5H, m ), 1.39 − 1.10 ( 14H, m ), 0.88 − 0.73( 3H, m );
IR(KBr): 3394, 2929, 1746, 1665, 1605, 1545, 1390, 1314 cm−1
MS(FAB) m/z: 730 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C3245Na ( M+H ): 730.2526. Found 730.2540;
Anal. calcd. for C3244Na・4/3HO: C,50.98%; H,6.24%; N,9.29%; S,8.51%; Na,3.05%. Found C,50.73%; H,6.31%; N,9.40%; S,8.41%; Na,2.96%。
【0478】
【実施例35】
ピバロイルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−オクタノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例34で得られた(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−オクタノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 160mg, 0.22mmol ) をジメチルアセトアミド ( 8mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、0℃にてヨウ化メチルピバレート ( 64mg, 0.26mmol ) を加え、そのまま1.5時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え有機層を10%食塩水、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和重曹水、水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−40:1,V/V)で精製し、目的化合物である白色アモルファス状のピバロイルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−オクタノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 176mg、 収率 97% ) を得た。
H NMR(CDCl, 500MHz): δ 7.43 ( 1H, s ), 7.27 − 7.18 ( 1H, m ), 6.84 − 6.79 ( 1H, m ), 5.98 ( 1H, d, J=5.8 Hz ), 5.84 ( 1H, d, J=5.8Hz ), 4.64 − 4.57 ( 1H, m ), 4.57 − 4.50 ( 2H, m ), 4.34 − 4.21 ( 2H, m ), 3.81 − 3.72 ( 1H, m ), 3.70 − 3.42 ( 2H, m ), 3.42 −3.26 ( 1H, m ), 3.25 ( 1H, dd, J=6.8, 2.9 Hz ), 3.22 − 3.18 (1H, m ), 2.37 − 2.22 ( 3H, m ), 2.06 − 1.92 ( 1H, m ), 1.80 −1.43 ( 6H, m ), 1.36 ( 3H, d,J=6.9 Hz ), 1.32 − 1.20 ( 11H, m ), 1.22 ( 9H, s ), 0.88 − 0.80 ( 3H, m );
IR(KBr): 3393, 2962, 2931, 1777, 1753, 1719, 1544, 1325 cm−1
MS(FAB) m/z : 822 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C385611 ( M+H ): 822.3418. Found 822.3419。
【0479】
【実施例36】
1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−オクタノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例34で得られた(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−オクタノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 160mg, 0.22mmol ) をジメチルアセトアミド ( 8mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、0℃にて1−ヨードエチル−イソプロピルカーボネート ( 74mg, 0.28mmol ) を加え、そのまま1.5時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え、有機層を10%食塩水、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和重曹水、水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−15:1,V/V)にて精製し、目的化合物である白色アモルファス状の1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−オクタノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 141mg、 収率 77% ) を得た。
H NMR(CDCl, 500MHz): δ 7.43 ( 1H, s ), 7.30 − 7.22 ( 1H, m ), 6.92 − 6.80 ( 2H, m ), 4.97 − 4.86 ( 1H, m ), 4.66 −4.57 ( 1H, m ), 4.57 − 4.49( 2H, m ), 4.33 − 4.21 ( 3H, m ), 4.12 − 4.05 ( 2H,m ), 3.81 − 3.72 ( 1H, m ), 3.64 − 3.44 ( 2H, m ), 3.44 − 3.28 ( 1H, m ), 3.24 ( 1H, dd, J=6.9,2.0 Hz ), 3.23 − 3.15 ( 1H, m ), 2.37 − 2.22 ( 3H, m), 2.08 − 1.92 (1H, m ), 1.78 − 1.43 ( 9H, m ), 1.38 − 1.21 ( 20H, m ), 0.88 − 0.82 ( 3H, m );
IR(KBr): 3392, 2932, 1756, 1718, 1665, 1544, 1323, 1272 cm−1
MS(FAB) m/z: 838 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C385612 ( M+H ): 838.3367. Found 838.3364。
【0480】
【実施例37】
(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−ヘキサデカノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩
(37a)O−(1−ヘキサデカノイロキシエチル)−S−エチルカルボノチオエート
パルミチン酸 ( 6.08g, 23.7mmol )、テトラ−n−ブチルアンモニウム硫酸水素塩 ( 8.05g, 23.7mmol ) を水 ( 60mL )、及び塩化メチレン ( 20mL ) に溶解し、引き続き炭酸水素ナトリウム ( 3.99g, 47.4mmol ) を加え、室温で2時間攪拌したものに、実施例27(27a)と同様にして得られたO−(1−ヨードエチル)−S−エチルカルボノチオエート ( 6.16g, 23.7mmol ) を加え、室温でそのまま一晩攪拌した。反応終了確認後、反応液を分液し、得られた有機層を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチルで希釈して、水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン:酢酸エチル,99:1−98:2,V/V)にて精製し、無色油状のO−(1−ヘキサデカノイロキシエチル)−S−エチルカルボノチオエート ( 4.90g, 収率 53.2% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400 MHz): δ 6.95 ( 1H, q, J=5.5 Hz ), 2.94 − 2.81 ( 2H, m), 2.38 −2.26 ( 2H, m ), 1.65 − 1.49 ( 5H, m ), 1.33 − 1.25 ( 27H, m ),
1.25 ( 3H, t, J=6.6 Hz );
MS(FAB) m/z: 411 ( M+Na )
【0481】
(37b)クロロ蟻酸1−ヘキサデカノイロキシエチル
実施例37(37a)で得られたO−(1−ヘキサデカノイロキシエチル)−S−エチルカルボノチオエート ( 4.10g, 10.6mmol ) を塩化メチレン ( 4mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、攪拌し、−78℃にてスルフリルクロリド ( 0.89mL, 11.1mmol ) を加え、0℃にて10時間攪拌した後、冷蔵庫にて一夜放置した。室温にて減圧下濃縮し、クロロ蟻酸1−ヘキサデカノイロキシエチルの粗生成物を得た。
【0482】
(37c)(3S)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(1−ヘキサデカノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン
(3S)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジン ( 1.97g, 10.6mmol ) を塩化メチレン ( 40mL ) に溶解し、氷冷下にて4−ジメチルアミノピリジン ( 1.29g, 10.6mmol )、実施例37(37b)で得られたクロロ蟻酸1−ヘキサデカノイロキシエチルを加え、氷冷にて7時間撹拌後、冷蔵庫にて一夜放置した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルを加え、有機層を重曹水、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン:酢酸エチル,99:1−75:25,V/V)にて精製しオイル状の(3S)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(1−ヘキサデカノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン ( 2.13g, 収率 39.2% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ6.83 − 6.78 ( 1H, m ), 4.66 − 4.61 ( 1H, m ), 4.21 ( 1H, bs ), 3.67 − 3.61 ( 1H, m ), 3.54 − 3.43 ( 2H, m ), 3.28 − 3.17 ( 1H, m ), 2.35 − 2.26 ( 2H, m ), 2.16 − 2.08 ( 1H, m ), 1.88 − 1.78 (1H, m ), 1.64 − 1.58 ( 2H, m ), 1.49 − 1.42 ( 3H, m ), 1.45 ( 9H, s ) 1.28 − 1.25 ( 24H, m ), 0.88 ( 3H, t, J=7.0 Hz );
MS(FAB) m/z: 513 ( M+H )
【0483】
(37d)p−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−ヘキサデカノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例37(37c)で得られた(3S)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(1−ヘキサデカノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン ( 1.28g, 2.50mmol ) を塩化メチレン ( 30mL ) に溶解し、トリフルオロ酢酸 ( 10mL ) を氷冷にて加え、30分間攪拌した。反応終了確認後、反応液を減圧濃縮し、残渣を減圧乾燥させ、(3S)−3−アミノ−1−(1−ヘキサデカノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジントリフルオロ酢酸塩の粗生成物を得た。実施例31(31a)で得られたp−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−[1−(4−アリルオキシカルボニル−1,3−チアゾール−2−イル)アゼチジン−3−イル]チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 1.50g, 2.50mmol ) をテトラヒドロフラン ( 30mL ) に溶解し、トリフェニルホスフィン ( 140mg, 0.53mmol )、パラジウム(0)テトラキストリフェニルホスフィン ( 140mg, 0.13mmol )、ジメドン ( 180mg, 1.25mmol ) を加え、窒素雰囲気下、室温にて4時間攪拌した。反応終了確認後、窒素雰囲気下、氷冷にてジイソプロピルエチルアミン ( 1.57mL, 9.00mmol )、上で得られた(3S)−3−アミノ−1−(1−ヘキサデカノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジントリフルオロ酢酸塩の粗生成物、ジエチルホスホリルシアニド ( 0.76mL, 5.00mmol ) を加え、室温にて2時間攪拌後、冷蔵庫にて一夜放置した。反応終了確認後、氷冷下、反応系内に酢酸エチルと水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を重曹水、水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−95:5,V/V)にて精製し、淡黄色アモルファス状のp−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−ヘキサデカノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 1.90g, 収率 79.6% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): 8.23 ( 2H, d, J=8.8 Hz ), 7.66 ( 2H, d, J=7.8 Hz ), 7.43 ( 1H, s ), 7.19 − 7.12 ( 1H, m ), 6.85 − 6.80 ( 1H, m ), 5.51 ( 1H, d, J=13.7 Hz ), 5.25 ( 1H, d, J=13.7 Hz ), 4.64− 4.59 ( 1H, m ), 4.54 − 4.57 ( 2H, m ), 4.33 − 4.24 ( 3H, m ), 4.15 − 4.06 ( 2H, m ), 3.79 −3.73 ( 1H, m ), 3.62 − 3.47 (2H, m ), 3.41 − 3.18 ( 2H, m ), 3.30 ( 1H,dd, J=7.0, 2.6 Hz ), 2.35 − 2.20 ( 3H, m ), 2.09 − 1.58 ( 3H, m ), 1.51− 1.46 ( 3H, m ), 1.38 ( 3H, d, J=6.2 Hz ), 1.35 − 1.25 ( 28H, m ), 0.88 ( 3H, t, J=6.9 Hz );
MS(FAB) m/z: 955 ( M+H )
【0484】
(37e)(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−ヘキサデカノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩
実施例37(37d)で得られた化合物p−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−ヘキサデカノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 1.00g, 1.05mmol ) をテトラヒドロフラン ( 75mL )、蒸留水 ( 50mL ) に溶解し、7.5%パラジウム炭素 ( 1.00g ) 存在下、室温にて接触水素還元を3時間行った。反応終了確認後、反応混合物を濾過。蒸留水、硫酸水素カリウム水溶液及び、酢酸エチルを加え、分液操作を行った。有機層を水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣を、0.1M−りん酸ナトリウム緩衝液 ( 100mL ) 、蒸留水 ( 100mL ) に溶解し、コスモシールを用いた逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(蒸留水:アセトニトリル,100:0−55:45,V/V)にて精製し、凍結乾燥することによって目的化合物である薄黄色アモルファス状の(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−ヘキサデカノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 0.65g, 収率 73.9% ) を得た。
H NMR(DIMETHYLSULFOXIDE−d, 400MHz): δ 8.12 ( 1H, t, J=5.9 Hz ), 7.42 ( 1H, s ), 6.69 − 6.64 (1H, m ), 4.99 ( 1H, d, J=5.1 Hz ), 4.48 − 4.37 (3H, m ), 4.27 − 4.15 ( 1H, m ), 3.95 ( 1H, dd, J=9.5, 2.2 Hz ), 3.92 − 3.86 ( 3H, m ), 3.62 − 3.50 ( 1H, m ), 3.45 − 3.42 ( 1H, m ), 3.37 − 3.19 ( 2H, m ), 3.03 ( 1H, dd, J=7.3, 2.2 Hz ), 2.99 − 2.91 ( 1H, m ), 2.30− 2.25 ( 2H, m ), 2.11 − 1.94 ( 2H, m ), 1.51 − 1.48 ( 2H, m ), 1.42 − 1.39 ( 3H, m ), 1.29 − 1.23 ( 24H, m ), 1.15 ( 3H, d, J=5.9 Hz ), 1.02 (3H, d, J=7.3 Hz ), 0.85 ( 3H, t, J=7.3 Hz );
IR(KBr): 3391, 2925, 2854, 1747, 1665, 1604, 1545, 1390, 1314 cm−1
MS(FAB) m/z: 842 ( M+H )
Anal. calcd. for C4060Na・HO: C,55.86%; H,7.27%; N,8.14%; S,7.46%, Na,2.67%. Found C,55.70%; H,7.44%; N,8.11%; S,7.40%, Na,2.74%。
【0485】
【実施例38】
ピバロイルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−ヘキサデカノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例37で得られた(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−ヘキサデカノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 310mg, 0.37mmol ) をジメチルアセトアミド ( 15mL )に溶解し、窒素雰囲気下、0℃にてヨウ化メチルピバレート ( 120mg, 0.48mmol) を加え、そのまま30分間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え有機層を10%食塩水、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和重曹水、水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−95:5,V/V)で精製し、目的化合物である白色アモルファス状のピバロイルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−ヘキサデカノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 324mg, 収率 93.6% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.44 ( 1H, s ), 7.20 − 7.14 ( 1H, m ), 6.84 − 6.80 ( 1H, m ), 5.98 ( 1H, d, J=5.9 Hz ), 5.84 ( 1H, d, J=5.9Hz ), 4.64 − 4.59 ( 1H, m ), 4.53 − 4.48 ( 2H, m ), 4.32 − 4.22 ( 3H, m ), 4.09 − 4.03 ( 2H, m ), 3.80 − 3.74 ( 1H, m ), 3.58 − 3.49 ( 2H, m ), 3.41 − 3.17( 2H, m ), 3.26 ( 1H, dd, J=7.0, 2.6 Hz ), 2.33 − 2.22 ( 3H, m ), 2.06 − 1.94 ( 2H, m ), 1.68 − 1.58 ( 3H, m ), 1.51 − 1.46 ( 2H, m ), 1.38 −1.10 ( 27H, m ), 1.35 ( 3H, d, J=6.6 Hz ), 1.22 ( 9H, s ), 0.88 (3H, t, J=7.0 Hz );
IR(KBr): 3385, 2958, 2926, 2854, 1778, 1753, 1719, 1664, 1544, 1326 cm−1
MS(FAB) m/z : 934 ( M+H )
【0486】
【実施例39】
1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−ヘキサデカノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例37で得られた(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−ヘキサデカノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 310mg, 0.37mmol ) をジメチルアセトアミド ( 15mL )に溶解し、窒素雰囲気下、0℃にて1−ヨードエチル−イソプロピルカーボネート ( 120mg, 0.48mmol ) を加え、そのまま2時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え、有機層を10%食塩水、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和重曹水、水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール,100:0−95:5,V/V)にて精製し、目的化合物である白色アモルファス状の1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−ヘキサデカノイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 305mg,収率 86.6% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 7.43 ( 1H, s ), 7.21 − 7.13 ( 1H, m ), 6.91 − 6.80 ( 2H, m ), 4.95 − 4.86 ( 1H, m ), 4.64 − 4.58 ( 1H, m ), 4.52 − 4.47 ( 2H, m ), 4.32 − 4.21 ( 3H, m ), 4.08 − 4.06 ( 2H, m ), 3.81 − 3.74 (1H, m ), 3.58 − 3.49 ( 2H, m ), 3.41 − 3.15 ( 2H, m ), 3.25 ( 1H, dd, J=7.0,2.6 Hz ), 2.33 − 2.21 ( 3H, m), 2.10 − 1.90 ( 2H, m ), 1.66 − 1.58( 6H, m ), 1.51 − 1.46 ( 3H, m ), 1.37 − 1.10 ( 35H, m ), 0.88 ( 3H, t,J=7.0 Hz );
IR(KBr): 3381, 2926, 2854, 1756, 1718, 1663, 1544, 1323, 1272 cm−1
MS(FAB) m/z: 950 ( M+H )
【0487】
【実施例40】
(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−ベンゾイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩(40a)O−(1−ベンゾイロキシエチル)−S−エチルカルボノチオエート
安息香酸 ( 2.90g, 23.7mmol )、テトラ−n−ブチルアンモニウム硫酸水素塩( 8.05g, 23.7mmol ) を水 ( 60mL )、及び塩化メチレン ( 20mL ) に溶解し、引き続き炭酸水素ナトリウム ( 3.99g, 47.4mmol ) を加え、室温で2時間攪拌したものに、実施例27(27a)と同様にして得られたO−(1−ヨードエチル)−S−エチルカルボノチオエート ( 6.16g, 23.7mmol ) を加え、室温でそのまま一晩攪拌した。反応終了確認後、反応液を分液し、水層を塩化メチレンで分液抽出した。得られた有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:塩化メチレン:酢酸エチル,2:1:0−20:10:1,V/V/V)にて精製し、無色油状のO−(1−ベンゾイロキシエチル)−S−エチルカルボノチオエート ( 3.15g、 収率 52% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400 MHz): δ 8.06 ( 2H, d, J=7.8 Hz ), 7.59 ( 1H, t, J=7.8Hz ), 7.45 ( 2H, d, J=7.8 Hz ), 7.21 ( 1H, q, J=5.9 Hz ), 2.95 − 2.04 (2H, m), 1.65 ( 3H, d, J=5.9 Hz ), 1.32 ( 3H, t, J=6.9 Hz );
IR(Thin film): 1737, 1452, 1394, 1317, 1273 cm−1
MS(FAB) m/z: 255 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C1214SNa ( M+Na ): 277.0511. Found 277.0503。
【0488】
(40b)クロロ蟻酸1−ベンゾイロキシエチル
実施例40(40a)で得られたO−(1−ベンゾイロキシエチル)−S−エチルカルボノチオエート ( 3.05g, 12.0mmol ) を窒素雰囲気下、攪拌し、−78℃にてスルフリルクロリド ( 1.01mL, 12.6mmol ) を加え、0℃にて1時間攪拌した。室温にて減圧下濃縮し、クロロ蟻酸1−ベンゾイロキシエチルの粗生成物を得た。
【0489】
(40c)(3S)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(1−ベンゾイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン
(3S)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジン ( 2.24g, 12.0mmol ) を塩化メチレン ( 60mL ) に溶解し、氷冷下にて4−ジメチルアミノピリジン ( 1.54g, 12.6mmol )、実施例40(40b)で得られたクロロ蟻酸1−ベンゾイロキシエチルを加え、氷冷にて4時間撹拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルを加え、有機層を重曹水、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル,5:1−2:3,V/V)にて精製し、白色アモルファス状の(3S)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(1−ベンゾイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン ( 4.15g、 収率 91% ) を得た。
H NMR(CDCl, 500MHz): δ 8.08 − 8.02 ( 2H, m ), 7.60 − 7.51 ( 1H, m ), 7.50 − 7.39 ( 2H, m ), 7.10 − 7.01 ( 1H, m ), 4.70− 4.52 ( 1H, m ), 4.25− 4.08 ( 1H, m ), 3.73 − 3.58 ( 1H, m ), 3.58 − 3.40 (2H, m ), 3.34 − 3.10 ( 1H, m ), 2.20 − 2.05 ( 1H, m ), 1.93 − 1.70 ( 1H, m ), 1.64 − 1.61( 3H, m ), 1.45 ( 9H, s );
IR(Thin film): 3340, 2979, 1714, 1525, 1452, 1426, 1391 cm−1
MS(FAB) m/z: 379 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C1926Na ( M+Na ): 401.1689. Found 401.1704。
【0490】
(40d)p−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−ベンゾイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例40(40c)で得られた(3S)−3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)−1−(1−ベンゾイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン ( 1.56g, 4.13mmol ) を塩化メチレン ( 40mL ) に溶解し、トリフルオロ酢酸 ( 12mL ) を氷冷にて加え、1.5時間攪拌した。反応終了確認後、反応液を減圧濃縮し、残渣を減圧乾燥させ、(3S)−3−アミノ−1−(1−ベンゾイロキシエトキシカルボニル)ピロリジントリフルオロ酢酸塩の粗生成物を得た。実施例31(31a)で得られたp−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−[1−(4−アリルオキシカルボニル−1,3−チアゾール−2−イル)アゼチジン−3−イル]チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 2.0g, 3.33mmol ) を塩化メチレン ( 40mL ) に溶解し、トリフェニルホスフィン ( 131mg、0.50mmol )、パラジウム(0)テトラキストリフェニルホスフィン ( 385mg、0.33mmol )、ジメドン ( 233mg、1.66mmol ) を加え、窒素雰囲気下、室温にて30分間攪拌した。反応終了確認後、窒素雰囲気下、氷冷にてジイソプロピルエチルアミン ( 2.33mL, 13.4mmol )、上で得られた(3S)−3−アミノ−1−(1−ベンゾイロキシエトキシカルボニル)ピロリジントリフルオロ酢酸塩の粗生成物、ジエチルホスホリルシアニド( 0.78mL、4.00mmol ) を加え、室温にて3時間攪拌した。反応終了確認後、氷冷下、反応系内に酢酸エチルと水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を重曹水、水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン,4:1―100:0,酢酸エチル:メタノール,100:0−20:1,V/V)にて精製し、淡黄色アモルファス状のp−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−ベンゾイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 2.47g、 収率 90% ) を得た。
H NMR(CDCl, 500MHz): 8.23 ( 2H, d, J=8.8 Hz ), 8.08 − 8.02 ( 2H, m ), 7.66 ( 2H, d, J=7.8 Hz ), 7.60 − 7.53 ( 1H, m ), 7.48 − 7.40 ( 3H, m ), 7.19 − 7.06 ( 2H, m ), 5.51 ( 1H, d, J=13.6 Hz ), 5.25 ( 1H, d, J=13.6 Hz ), 4.65− 4.57 ( 1H, m ), 4.57 − 4.42 ( 1H, m ), 4.34 − 4.22 ( 3H, m ),4.17 − 4.00 ( 2H, m ), 3.80 − 3.72 ( 1H, m ), 3.65 − 3.44 (2H, m ), 3.44 − 3.12 ( 3H, m ), 2.31 − 2.19 ( 1H, m ), 2.04 − 1.90 ( 1H, m ), 1.75 −1.72 ( 1H, m ), 1.63 − 1.60 ( 3H, m ), 1.38 ( 3H,d, J=6.9 Hz ), 1.27 ( 3H, d, J=7.8 Hz );
IR(KBr): 3388, 2970, 1773, 1727, 1665, 1543, 1525, 1344 cm−1
MS(FAB) m/z: 821 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C384011Na ( M+Na ): 843.2095. Found 843.2092。
【0491】
(40e)(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−ベンゾイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩
実施例40(40d)で得られた化合物p−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−ベンゾイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 1.98g, 2.41mmol ) をテトラヒドロフラン ( 100mL )、蒸留水 ( 80mL ) に溶解し、10%パラジウム炭素 ( 1.98g ) 存在下、室温にて接触水素還元を2時間行った。反応終了確認後反応混合物を濾過。濾液に炭酸水素ナトリウム ( 203mg, 2.41mmol )、酢酸エチル、および蒸留水を加え、分液操作を行った。水層を減圧下濃縮し、コスモシールを用いた逆相クロマトグラフィー(蒸留水:アセトニトリル,100:0−67:33,V/V)にて精製し、凍結乾燥することによって目的化合物である薄黄色アモルファス状の(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−ベンゾイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 1.11g、 収率 65% ) を得た。
H NMR(DO, 400MHz): δ 8.01 − 7.80 ( 2H, m ), 7.68 − 7.32 (4H, m ), 7.02 − 6.89 ( 1H, m ), 4.44 − 4.13 ( 6H, m ), 3.95 − 3.83 ( 2H, m ), 3.68 −3.38 ( 5H, m ), 3.12 − 3.09 ( 1H, m ), 2.24 − 2.00 ( 2H, m ), 1.67 − 1.62 ( 3H, m ), 1.32 − 1.29 ( 3H, m ), 1.17 −1.11 ( 3H, m);
IR(KBr): 3392, 2966, 1730, 1664, 1602, 1545, 1390, 1274 cm−1
MS(FAB) m/z: 708 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C3134Na ( M+Na ): 730.1593. Found 730.1601;
Anal. calcd. for C3134Na・11/5HO: C,49.82%; H,5.18%; N,9.37%; S,8.58%, Na,3.08%. Found C,49.68%; H,5.18%; N,9.67%; S,8.72%, Na,2.97%。
【0492】
【実施例41】
ピバロイルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−ベンゾイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例40で得られた(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−ベンゾイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 250mg, 0.35mmol ) をジメチルアセトアミド ( 12mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、0℃にてヨウ化メチルピバレート ( 103mg, 0.42mmol ) を加え、そのまま1時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え有機層を10%食塩水、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和重曹水、水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン,4:1−100:0,酢酸エチル:メタノール,100:0−15:1,V/V)で精製し、目的化合物である白色アモルファス状のピバロイルオキシメチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−ベンゾイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 259mg、 収率 92% ) を得た。
H NMR(CDCl, 400MHz): δ 8.08 − 8.02 ( 2H, m ), 7.60 − 7.52 ( 1H, m ), 7.47 − 7.40 ( 3H, m ), 7.15 ( 1H, q, J=7.3 Hz ), 7.18 − 7.08 ( 1H, m ), 5.98 ( 1H, d, J=5.8 Hz ), 5.84 ( 1H, d, J=5.8Hz ), 4.68 − 4.57 ( 1H, m ), 4.57 − 4.41 ( 2H, m ), 4.35 − 4.18 ( 3H, m ), 4.15 − 4.01 ( 2H, m ), 3.82 − 3.73 ( 1H, m ), 3.65 − 3.42 ( 2H, m ), 3.41 −3.30 ( 1H, m ), 3.30 − 3.12 ( 2H, m ), 2.32− 2.20 ( 1H, m ), 2.05 − 1.89 ( 1H, m ), 1.75 −1.72 ( 1H, m ), 1.66 − 1.60 ( 3H, m ), 1.36 ( 3H, d,J=5.8 Hz ), 1.29 − 1.24
( 3H, m ), 1.22 ( 9H, s );
IR(KBr): 3393, 2973, 1778, 1729, 1666, 1544, 1278 cm−1;MS(FAB) m/z : 800 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C374611 ( M+H ): 800.2636. Found 800.2650。
【0493】
【実施例42】
1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−ベンゾイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート
実施例40で得られた(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−ベンゾイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸ナトリウム塩 ( 300mg, 0.42mmol ) をジメチルアセトアミド ( 12mL ) に溶解し、窒素雰囲気下、0℃にて1−ヨードエチル−イソプロピルカーボネート ( 143mg, 0.55mmol ) を加え、そのまま2時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え、有機層を10%食塩水、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和重曹水、水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン,4:1−100:0,酢酸エチル:メタノール,100:0−15:1,V/V)にて精製し、目的化合物である白色アモルファス状の1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル(1R,5S,6S)−2−(1−{4−[(3S)−1−(1−ベンゾイロキシエトキシカルボニル)ピロリジン−3−イルカルバモイル]−1,3−チアゾール−2−イル}アゼチジン−3−イル)チオ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチル−カルバペン−2−エム−3−カルボキシレート ( 293mg、 収率 85% ) を得た。
H NMR(CDCl, 500MHz): δ 8.09 − 8.01 ( 2H, m ),7.60 − 7.53 ( 1H, m ), 7.48 − 7.41 ( 3H, m ), 7.21 − 7.05 ( 2H, m ), 6.90 − 6.83 ( 1H, m ), 4.96− 4.84 ( 1H, m ), 4.66 −4.56 ( 1H, m ), 4.54 − 4.42 ( 2H, m ), 4.32 − 4.15 ( 3H, m ), 4.08 − 4.02 ( 2H,m ), 3.82 − 3.74 ( 1H, m ), 3.64 − 3.46 ( 2H, m ), 3.42 − 3.30 ( 1H, m ), 3.26 − 3.12 ( 2H, m ), 2.28 − 2.20 ( 1H, m), 2.05 − 1.95 ( 1H, m ), 1.72 − 1.69 ( 1H, m ), 1.66 − 1.55 ( 6H, m), 1.38 − 1.23 ( 12H, m );
IR(KBr): 3393, 2980, 1762, 1728, 1667, 1543, 1317, 1273 cm−1
MS(FAB) m/z: 816 ( M+H )
HRMS(ESI) m/z: calcd. for C374512Na ( M+Na ): 838.2403. Found 838.2408。
【0494】
【化50】
Figure 2004043445
【0495】
【化51】
Figure 2004043445
【0496】
【化52】
Figure 2004043445
【0497】
【化53】
Figure 2004043445
【0498】
【化54】
Figure 2004043445
【0499】
【化55】
Figure 2004043445
【0500】
【化56】
Figure 2004043445
【0501】
【参考例1】
3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−(4−カルボキシル−1,3−チアゾール−2−イル)アゼチジン
(1a)(3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボチオイル)カルバミン酸エチルエステル
N−ベンズヒドリル−3−ヒドロキシアゼチジン 20 g (83.6 mmol) をメタノール
600 ml に溶解し、10%パラジウム炭素 20 g 存在下、1気圧、50℃水浴中で 2時間接触水素還元を行った。反応終了確認後、反応混合物を濾過し、触媒を除去後、得られた濾液を減圧下濃縮した。残渣に酢酸エチルと蒸留水を加え、分液抽出し、有機層を蒸留水で再度抽出を行った。得られた水層を減圧下濃縮し、赤褐色のオイル状の生成物を得た。続いて、先の化合物を減圧乾燥後、テトラヒドロフラン 180 ml, 蒸留水 60 ml に溶解し、氷冷下にて、エトキシカルボニルイソチオシアナート 19.7 ml (167 mmol) を加え、10分後室温に戻し、そのまま一晩攪拌した。反応終了確認後、反応液に酢酸エチル、飽和食塩水を加え分液抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過し、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−へキサン:酢酸エチル=1:1〜酢酸エチル)にて精製し、黄色油状の(3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボチオイル)カルバミン酸エチルエステルを 7.4 g収率 43 % で得た。
H−NMR(400MHz, CDCl): δ(ppm) 7.63 (1H, br s), 4.80−4.50 (3H, m), 4.40−4.00 (4H, m including 2H, q, at 4.18, J=7.3Hz), 2.28 (1H, br s), 1.29(3H, t, 7.3Hz)。
【0502】
(1b)1−(4−エトキシカルボニル−1,3−チアゾール−2−イル)−3−ヒドロキシアゼチジン
参考例1(1a)で得られた(3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボチオイル)カルバミン酸エチルエステル14.4 g (70.5 mmol) をエタノール 72 ml, 蒸留水 72 ml に溶解し、溶液中に水酸化ナトリウム 14.1 g (353 mmol) を加え、16時間加熱還流した。反応終了確認後、反応液を室温まで冷却し、その後氷冷下にて、4N−塩酸ガスージオキサン溶液 88 ml を加えた。続いて、系内にエチル−2−ブロモピルベート 17.7 ml (141 mmol)とトリエチルアミン 19.8 ml (141 mmol) を加え、再度1時間加熱還流した。反応終了確認後、系内に酢酸エチルと飽和重曹水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:トルエン:アセトニトリル=3:1〜1:1)にて精製し、淡褐色固体の1−(4−エトキシカルボニル−1,3−チアゾール−2−イル)−3−ヒドロキシアゼチジンを 8.5g収率 53% で得た。
H−NMR(400MHz, CDCl): δ(ppm) 7.46 (1H, s), 4.88−4.78 (1H, m), 4.42−4.32 (4H, m), 4.02 (2H, ddd, J=10.3, 5.6, 1.5Hz), 2.05 (1H, br s), 1.37 (3H, t, 7.3Hz)。
【0503】
(1c)3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−(4−エトキシカルボニル−1,3−チアゾール−2−イル)アゼチジン
参考例1(1b)で得られた1−(4−エトキシカルボニル−1,3−チアゾール−2−イル)−3−ヒドロキシアゼチジン 8.5 g (37.2 mmol) をジメチルホルムアミド 255 ml に溶解し、氷冷下にてt−ブチルジフェニルシリルクロリド 19.4 ml (74.5 mmol), イミダゾール 5.07 g (74.5 mmol) を加え、10分後、反応系を室温に戻し、そのまま 2.5時間攪拌した。反応終了確認後、氷冷下にて系内にエタノール 2.59 ml を加え、室温下にて30分間攪拌した。続いて反応系内に酢酸エチルと 10% 食塩水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和重曹水,飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−へキサン:酢酸エチル=6:1〜2:1)にて精製し、淡褐色固体の3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−(4−エトキシカルボニル−1,3−チアゾール−2−イル)アゼチジンを 14.85 g, 収率 86% で得た。
H−NMR(400MHz, CDCl): δ(ppm) 7.64−7.58 (4H, m), 7.50−7.36 (6H, m), 7.43 (1H, s), 4.79−4.50 (1H, m), 4.35 (2H, q, J=7.3Hz), 4.13 (2H, dd, J=9.0, 6.6Hz), 4.06 (2H. dd, J=9.0, 5.1Hz), 1.36 (3H, t, J=7.1Hz), 1.06 (9H, s)。
【0504】
(1d)3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−(4−ヒドロキシメチル−1,3−チアゾール−2−イル)アゼチジン
参考例1(1c)で得られた3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−(4−エトキシカルボニル−1,3−チアゾール−2−イル)アゼチジン 5.0 g (10.7 mmol)を無水テトラヒドロフラン 100 ml に溶解し、予め調整した水素化アルミニウムリチウム 1.22 g (32.1 mmol) の無水テトラヒドロフラン 250 ml の懸濁液に窒素雰囲気下、氷冷にて滴下し、滴下終了後同条件下にて 1.5時間攪拌した。反応終了確認後、同条件下にて系内に硫酸マグネシウム10水和物を徐々に加え、系内からの発泡がおさまったら、室温にて1時間攪拌した。その後系内に酢酸エチルを徐々に加え、続いて飽和食塩水を加えた。水層を酢酸エチルにて分液抽出したのち、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過し、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−へキサン:酢酸エチル=3:1〜1:2)にて精製し、白色固体の3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−(4−ヒドロキシメチル−1,3−チアゾール−2−イル)アゼチジンを 3.88 g, 収率 86% で得た。
H−NMR(400MHz, CDCl): δ(ppm) 7.66−7.58 (4H, m), 7.50−7.38 (6H, m), 6.40 (1H, s), 4.78−4.70 (1H, m), 4.53 (2H, s), 4.10 (2H, dd, J=9.2, 6.6Hz), 4.01 (2H, ddd, J=9.2, 5.1, 1.3Hz), 2.24 (1H, br s), 1.06 (9H, s)。
【0505】
(1e)3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−(4−ホルミル−1,3−チアゾール−2−イル)アゼチジン
参考例1(1d)で得られた3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−(4−ヒドロキシメチル−1,3−チアゾール−2−イル)アゼチジン 3.88 g (9.15 mmol) を無水塩化メチレン 194 ml に溶解し、溶液中に活性二酸化マンガン19.4 g を加え、室温にて 7時間攪拌した。反応終了確認後、反応液を濾過し、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒: n−へキサン:酢酸エチル=3:1〜1:1)にて精製し、白色固体の3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−(4−ホルミル−1,3−チアゾール−2−イル)アゼチジンを 3.54 g, 収率 92% で得た・
H−NMR(400MHz, CDCl): δ(ppm) 9.69 (1H, s), 7.64−7.59−(4H, ,m), 7.50−7.36 (7H, m), 4.80−4.72 (1H, m), 4.16 (2H, dd, J=9.5, 6.6Hz), 4.08 (2H,ddd, J=9.5, 5.1, 1.5Hz), 1.06 (9H, s)。
【0506】
(1f)3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−(4−カルボキシル−1,3−チアゾール−2−イル)アゼチジン
参考例1(1e)で得られた3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−(4−ホルミル−1,3−チアゾール−2−イル)アゼチジン 3.5 g (8.28 mmol)を無水塩化メチレン 21 ml に溶解し、系内にt−ブタノ−ル 105 ml, 2M 2−メチル−2−ブテン テトラヒドロフラン溶液 41.4 mlを加えた。続いて亜塩素酸ナトリウム 1.88 g (16.6 mmol), リン酸二水素ナトリウム 1.99 g (16.6 mmol)の 21 ml 水溶液を系内に氷冷下にて滴下し、1時間撹拌した。反応終了確認後、系内に酢酸エチル、1M−塩酸水 (pH:2から3)を加えた。水層を酢酸エチルにて分液抽出したのち、得られた有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル〜5%メタノール―酢酸エチル)にて精製し、褐色シロップ状の3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−(4−カルボキシル−1,3−チアゾール−2−イル)アゼチジンを 2.43 g, 収率 67% で得た。
H−NMR(400MHz, CDCl): δ(ppm) 7.62−7.56 (4H, m), 7.50 (1H, s), 7.49−7.36 (6H, m), 4.81−4.72 (1H, m), 4.16−4.08 (2H, m), 4.04 (2H, dd, J=9.5,5.1Hz), 2.00 (1H, br s), 1.07 (9H, s)。
【0507】
【参考例2】
3−ベンゾイルオキシ−1−(4−メトキシカルボニル−1,3−オキサゾ−ル−2−イル)アゼチジン
(2a)t−ブチルジフェニルシリルオキシ−N−カルボベンジルオキシ−L−セリン メチルエステル
N−カルボベンジルオキシ−L−セリン4.0g(16.7mmol)をベンゼン200ml、メタノ−ル50mlに溶解し、氷冷下にて2M−トリメチルシリルジアゾメタン ヘキサン溶液10.9ml(21.7mmol)を加え、その後室温にて3時間攪拌した。反応終了確認後、反応液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1〜1:3)にて精製し無色油状のN−カルボベンジルオキシ−L−セリン メチルエステルを4.40g、収率100%で得た。続いて、N−カルボベンジルオキシ−L−セリン メチルエステル4.40g(16.7mmol)をジメチルホルムアミド210mlに溶解し、氷冷下にて塩化t−ブチルジフェニルシラン5.20ml(20.0mmol)、イミダゾール1.36g(20.0mmol)を加え、その後室温にて3日撹拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチル、10%食塩水を加え、分液操作を行った。水層を酢酸エチルで分液抽出し、得られた有機層を飽和重曹水、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン:酢酸エチル=8:1〜6:1)にて精製しt−ブチルジフェニルシリルオキシ−N−カルボベンジルオキシ−L−セリン メチルエステルを8.18g、収率99%で得た。
H−NMR (400MHz,CDCl): δ(ppm) 7.61 − 7.56 (4H, m), 7.45 − 7.31 (11H, m), 5.69 − 5.62 (1H, br d,J=8.8Hz), 5.12 (2H, s), 4.45 (1H, dt, J=8.1, 2.9Hz), 4.09 (1H, dd, J=10.3, 2.9Hz), 3.90 (1H, dd, J=10.3, 2.9Hz), 3.74 (3H, s)。
【0508】
(2b)(2S)−3−(t−ブチルジフェニルシリルオキシ)−2−イソチオシアナート−プロピオン酸 メチルエステル
参考例2(2a)で得られたt−ブチルジフェニルシリルオキシ−N−カルボベンジルオキシ−L−セリン メチルエステル32.0g(65.1mmol)をメタノール960mlに溶解し、10%パラジウム炭素32.0g存在下、室温にて2時間、接触水素還元を行った。反応終了後、反応液を濾過、濾液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(溶出溶媒:塩化メチレン:メタノール=95:5)にて精製し、無色油状のt−ブチルジフェニルシリルオキシ−L−セリンメチルエステルを19.7g、収率85%で得た。続いて、得られたt−ブチルジフェニルシリルオキシ−L−セリン メチルエステル19.7g(55.0mmol)を塩化メチレン590mlに溶解し、室温にて二硫化炭素6.62ml(110mmol)、トリエチルアミン19.3ml(138mmol)を加え、一晩撹拌した。次にクロロ蟻酸エチル13.2ml(138mmol)、トリエチルアミン19.3ml(138mmol)を加え、さらに1時間撹拌した。反応終了確認後、系内にメタノールを加え30分攪拌した。反応液に酢酸エチルと飽和食塩水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:トルエン)にて精製し、黄色結晶の(2S)−3−(t−ブチルジフェニルシリルオキシ)−2−イソチオシアナート−プロピオン酸 メチルエステルを14.8g、収率67%で得た。
H−NMR (400MHz, CDCl): δ(ppm) 7.70 − 7.62 (4H, m), 7.48 − 7.38 (6H, m), 4.28 (1H, dd, J=3.7, 5.1Hz), 4.05 (1H, dd, J=5.1, 10.3Hz), 3.95(1H, dd, J=3.7, 10.3Hz), 3.80 (3H, s), 1.06 (9H, s)。
【0509】
(2c)(2S)−3−(t−ブチルジフェニルシリルオキシ)−2−[(3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボチオイル)−アミノ]−プロピオン酸 メチルエステル
参考例2(2b)で得られた(2S)−3−(t−ブチルジフェニルシリルオキシ)−2−イソチオシアナート−プロピオン酸 メチルエステル13.4g(33.5mmol)をテトラヒドロフラン245mlに溶解し、室温にて系内に参考例4で得られた3−ヒドロキシアゼチジン4.90g(67.1mmol)の50ml水溶液を加え、そのまま一晩撹拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと飽和食塩水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:トルエン〜トルエン:アセトニトリル=3:1)にて精製し、黄色固体の(2S)−3−(t−ブチルジフェニルシリルオキシ)−2−[(3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボチオイル)−アミノ]−プロピオン酸 メチルエステルを9.60g、収率61%で得た。
H−NMR (400MHz, CDCl): δ(ppm) 7.61 − 7.55 (4H, m), 7.47 − 7.36 (6H, m), 5.94 (1H, br d, J=8.1Hz), 5.19 (1H, dt, J=2.9, 8.1Hz), 4.71 − 4.64 (1H, m), 4.40 − 4.33 (1H, m), 4.31 − 4.23 (1H, m), 4.18 (1H, dd, J=2.2, 10.3Hz), 4.04 (1H, dd, J=2.9, 10.3Hz), 4.02 − 3.96 (1H, m), 3.94 − 3.88 (1H, m), 3.76 (3H, s), 2.24 (1H, br d, J=5.9Hz), 1.04(9H, s)。
【0510】
(2d)(2S)−2−{[3−(ベンゾイルオキシ)−アゼチジン−1−カルボチオイル]−アミノ}−3−(t−ブチルジフェニルシリルオキシ)−プロピオン酸 メチルエステル
参考例2(2c)で得られた(2S)−3−(t−ブチルジフェニルシリルオキシ)−2−[(3−ヒドロキシアゼチジン−1−カルボチオイル)−アミノ]−プロピオン酸 メチルエステル21.1g(44.6mmol)をピリジン630mlに溶解し、安息香酸無水物30.0g(133mmol)、4−ジメチルアミノピリジン545mg(4.46mmol)を氷冷下にて反応系に加え、室温にて2時間撹拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと飽和重曹水を加え、分液操作を行い、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を0.5N−塩酸水、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて精製し、淡黄色固体の(2S)−2−{[3−(ベンゾイルオキシ)−アゼチジン−1−カルボチオイル]−アミノ}−3−(t−ブチルジフェニルシリルオキシ)−プロピオン酸 メチルエステルを23.3g、収率91%で得た。
H−NMR (400MHz, CDCl): δ(ppm) 8.10 − 8.05 (2H m), 7.65 − 7.54 (4H, m), 7.52 − 7.45 (3H, m), 7.44 − 7.35 (6H, m), 5.96 (1H, br d, J=8.1Hz), 5.47 − 5.40 (1H, m), 5.20 (1H, dt, J=8.1, 2.9Hz), 4.57 − 4.51 (1H, m), 4.49 − 4.40 (1H, m), 4.27 − 4.20 (1H, m), 4.20 (1H, dd, J=2.2, 10.3Hz), 4.06 (1H, dd, J=2.9, 10.3Hz), 3.77 (3H, s), 1.04 (9H, s)。
【0511】
(2e)(2S)−2−{ [3−(ベンゾイルオキシ)−アゼチジン−1−カルボチオイル]−アミノ}−3−ヒドロキシ−プロピオン酸 メチルエステル
参考例2(2d)で得られた(2S)−2−{[3−(ベンゾイルオキシ)−アゼチジン−1−カルボチオイル]−アミノ}−3−(t−ブチルジフェニルシリルオキシ)−プロピオン酸 メチルエステル23.3g(40.0mmol)をテトラヒドロフラン700mlに溶解し、氷冷下にて、1.0M テトラ−n−ブチルアンモニウムフロリド−テトラヒドロフラン溶液48.4ml(48.4mmol) を加え、そのまま一晩攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと飽和食塩水を加え分液操作を行い、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:トルエン:アセトニトリル=3:1)にて精製し、白色固体の(2S)−2−{ [3−(ベンゾイルオキシ)−アゼチジン−1−カルボチオイル]−アミノ}−3−ヒドロキシ−プロピオン酸 メチルエステルを12.6g、収率92%で得た。
H−NMR (400MHz, CDCl): δ(ppm) 8.08 − 8.04 (2H, m), 7.64 − 7.59 (1H, m), 7.51 − 7.45 (2H, m), 6.00 (1H, d, J=7.3Hz), 5.49 − 5.43 (1H, m), 5.25 (1H, dt, J=7.3, 3.7Hz), 4.63 − 4.56 (2H, m), 4.32 − 4.24 (2H ,m),4.12 − 4.02 (2H, m), 3.82 (3H, s)。
【0512】
(2f)3−ベンゾイルオキシ−1−[(4S)−4−メトキシカルボニル−1,3−オキサゾリン−2−イル]アゼチジン
2−クロロ−3−エチルベンゾオキサゾ−ル テトラフルオロボラート15.1g(55.9mmol)のアセトニトリル380ml溶液に参考例2(2e)で得られた
(2S)−2−{ [3−(ベンゾイルオキシ)−アゼチジン−1−カルボチオイル]−アミノ}−3−ヒドロキシ−プロピオン酸 メチルエステル12.6g(37.2mmol)をアセトニトリル500ml溶液を氷冷下、窒素雰囲気下にて滴下し、滴下終了後そのまま1時間撹拌した。次に、系内にトリエチルアミン10.4ml(74.4mmol)を加え、さらに1.5時間撹拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと飽和重曹水を加え、分液操作を行い、続いて水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル〜酢酸エチル:メタノール=95:5)にて精製し、淡褐色固体の3−ベンゾイルオキシ−1−[(4S)−4−メトキシカルボニル−1,3−オキサゾリン−2−イル]アゼチジンを9.12g、収率81%で得た。
H−NMR (400MHz, CDCl): δ(ppm) 8.08 − 8.04 (2H, m), 7.63 − 7.58 (1H, m), 7.49 − 7.44 (2H, m), 5.50 − 5.44 (1H, m), 4.69 (1H, dd, J=6.6, 9.5Hz), 4.55 (1H, dd, J=6.6, 8.1Hz), 4.51 − 4.44 (3H, m), 4.20 − 4.14 (2H ,m), 3.78 (3H, s)。
【0513】
(2g)3−ベンゾイルオキシ−1−(4−メトキシカルボニル−1,3−オキサゾ−ル−2−イル)アゼチジン
参考例2(2f)で得られた3−ベンゾイルオキシ−1−(4−メトキシカルボニル−1,3−オキサゾリン−2−イル)アゼチジン9.12g(30.0mmol)をトルエン450ml、塩化メチレン180mlに溶解し、系内に二酸化マンガン63.8gを加え、5時間加熱還流した。反応終了確認後、反応液を濾過、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:トルエン:アセトニトリル=1:1)にて精製し、淡黄色結晶の3−ベンゾイルオキシ−1−(4−メトキシカルボニル−1,3−オキサゾ−ル−2−イル)アゼチジンを5.24g、収率58%で得た。
H−NMR (400MHz, CDCl): δ(ppm) 8.08 − 8.04 (2H, m), 7.84 (1H, s), 7.63 − 7.58 (1H, m), 7.50 − 7.44 (2H, m), 5.60 − 5.53 (1H, m), 4.61 (1H, dd, J=5.9, 9.5Hz), 4.31 (1H, dd, J=3.4, 9.5Hz), 3.89 (3H, s)。
【0514】
【参考例3】
3−アセチルチオ−1−(4−アリルオキシカルボニル−1,3−チアゾール−2−イル)アゼチジン
(3a)1−(4−アリルオキシカルボニル−1,3−チアゾール−2−イル)−3−t−ブチルジフェニルシリルオキシアゼチジン
参考例1で得られた3−t−ブチルジフェニルシリルオキシ−1−(4−カルボキシル−1,3−チアゾール−2−イル)アゼチジン6.73g (15.3mmol) をジメチルホルムアミド330ml に溶解し、室温にてアリルブロミド1.59ml (18.4mmol)、 ジイソプロピルエチルアミン3.21ml (18.4mmol)を系内に加え、80℃油浴にて10時間攪拌した。反応終了確認後、系内に酢酸エチルと10%食塩水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和重曹水、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて精製し、褐色油状の1−(4−アリルオキシカルボニル−1,3−チアゾール−2−イル)−3−t−ブチルジフェニルシリルオキシアゼチジンを5.31g, 収率73% で得た。
H−NMR (400MHz, CDCl): δ(ppm) 7.63 − 7.59 (4H, m), 7.46 (1H, s), 7.47 − 7.36 (6H, m), 6.04 − 5.95 (1H, m), 5.40 − 5.35 (1H, m), 5.28 − 5.24 (1H, m), 4.80 − 4.78 (2H, m), 4.77 − 4.71 (1H, m), 4.16 (2H, dd, J=8.8, 6.6Hz), 4.06 (2H, dd, J=8.8, 4.4Hz), 1.06 (9H, s)。
【0515】
(3b)1−(4−アリルオキシカルボニル−1,3−チアゾール−2−イル)−3−ヒドロキシアゼチジン
参考例3(3a)で得られた1−(4−アリルオキシカルボニル−1,3−チアゾール−2−イル)−3−t−ブチルジフェニルシリルオキシアゼチジン5.31g (11.1mmol) を無水テトラヒドロフラン 266ml に溶解し、1M テトラブチルアンモニウムフロライド−テトラヒドロフラン溶液 13.3ml (13.3mmol) を氷冷下にて加え、室温にて一晩攪拌した。反応終了確認後、反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル)にて精製し、淡褐色結晶状の1−(4−アリルオキシカルボニル−1,3−チアゾール−2−イル)−3−ヒドロキシアゼチジンを2.91g 収率100% で得た。
H−NMR (400MHz, CDCl): δ(ppm) 7.49 (1H, s), 6.06 − 5.96 (1H, m), 5.42 − 5.35 (1H, m), 5.29 − 5.24 (1H, m), 4.87 − 4.80 (1H, m), 4.79 (2H, d, J=5.9Hz), 4.38 (2H, t, J=8.8Hz), 4.02 (2H, dd, J=9.8, 3.9Hz), 2.52
− 2.37 (1H, br s)。
【0516】
(3c)1−(4−アリルオキシカルボニル−1,3−チアゾール−2−イル)−3−メタンスルホニルオキシアゼチジン
参考例3(3b)で得られた1−(4−アリルオキシカルボニル−1,3−チアゾール−2−イル)−3−ヒドロキシアゼチジン 2.91g(11.1mmol)を無水塩化メチレン 146ml に溶解し、氷冷下にてメタンスルホニルクロリド2.58ml (33.3mmol), トリエチルアミン4.67ml (33.3mmol) を加え、10分後、反応系を室温に戻し、そのまま2時間攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと飽和重曹水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣に酢酸エチルとジイソプロピルエーテルを加え濾過し、濾物をジイソプロピルエーテルで洗浄して、淡褐色結晶の1−(4−アリルオキシカルボニル−1,3−チアゾール−2−イル)−3−メタンスルホニルオキシアゼチジンを2.71g、収率77%で得た。
H−NMR (400MHz, CDCl): δ(ppm) 7.55 (1H, s), 6.07 − 5.96 (1H, m), 5.45 − 5.35 (2H, m), 5.30 − 5.25 (1H, m), 4.81 (2H, dt, J=5.9, 1.5Hz),4.51 (2H, dd, J=11.0, 6.6, 1.5Hz), 4.31 (2H, ddd, J=11.0, 4.4、1.5Hz)、3.10, (3H, s)。
【0517】
(3d)3−アセチルチオ−1−(4−アリルオキシカルボニル−1,3−チアゾール−2−イル)アゼチジン
参考例3(3c)で得られた1−(4−アリルオキシカルボニル−1,3−チアゾール−2−イル)−3−メタンスルホニルオキシアゼチジン2.70g (8.51mmol)をジメチルホルムアミド135ml に溶解し、室温下にてチオ酢酸カリウム5.83g (51.1mmol)を加え、80℃油浴にて10時間攪拌した。反応終了確認後、反応系内に酢酸エチルと10%食塩水を加え、水層を酢酸エチルで分液抽出した。得られた有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて精製し、淡褐色固体の3−アセチルチオ−1−(4−アリルオキシカルボニル−1,3−チアゾール−2−イル)アゼチジンを1.61g、収率63%で得た。
H−NMR (400MHz, CDCl): δ(ppm) 7.51 (1H, s), 6.06 − 5.96 (1H, m), 5.41 − 5.35 (1H, m), 5.29 − 5.26 (1H, m), 4.58 (2H, t, J=8.1Hz), 4.47 − 4.40 (1H, m), 4.04 (2H, dd, J=9.5, 5.9Hz), 2.36 (3H, s)。
【0518】
【参考例4】
3−ヒドロキシアゼチジン
1−ベンズヒドリル−3−ヒドロキシアゼチジン10.0g(41.8mmol) をメタノール300mlに溶解し、10%パラジウム炭素10.0g存在下、室温に接触水素還元を3時間行った。反応終了確認後、反応混合物を濾過し、触媒を除去後、得られた濾液を減圧下濃縮した。残渣に酢酸エチルと蒸留水を加え、分液抽出し、有機層を蒸留水で再度抽出を行った。得られた水層を減圧下濃縮し、赤褐色のオイル状の生成物を得た。本生成物は生成せずに次の反応に用いた。
【0519】
【試験例1】
in vitro抗菌活性
前培養培地で37℃、一夜培養した被検菌をMueller Hinton brothで約10CFU/mLに調整し、その1白金耳(内径1mm)を寒天平板上に画線塗抹し37℃で18〜20時間培養後、菌の発育を阻止する検体の最小濃度(最小発育阻止濃度(μg/mL))を求めた。また、馬血清を加えて恒温槽で37℃、1時間浸透した被検菌を用い、前記と同様にして最小発育阻止濃度を求めた。それらの結果を表10に示す。表中、被検菌A、B、C及びDは以下の通りである。
A: 黄色ブドウ球菌 209P株
B: 肺炎球菌 10664株(ペニシリン耐性株)
C: ヘモフィラス・インフルエンザ 9787株(β−ラクタマーゼ産性株)D: 大腸菌 NIHJ株
【0520】
【表10】
Figure 2004043445
Figure 2004043445
Figure 2004043445
以上のように、本発明の化合物は種々の菌に対し、強力な抗菌活性を示した。また、菌の種類によっては、抗菌活性が弱いものであっても、血清処理により強力な抗菌活性を示した。
【0521】
【試験例2】
in vivo抗菌活性(マウス感染治療実験)
4週齢のddY系雄性マウス(日本エスエルシー)に、S. pneumoniae 9605 (PRSP)を腹腔内に0.2mL接種し(5%ムチン含有、2.6x10cfu/mouse)、感染直後および4時間後に被験化合物の50%PEG400溶液0.2mLを経口投与した。マウスは1群7匹を使用し、被験化合物は2倍段階希釈したものを用い、7日後の生存率からprobit法でED50を算出した。試験結果を表11に示す。
【0522】
【表11】
Figure 2004043445
表11中、実施例32、33、40又は42の化合物の活性体は、
【0523】
【化57】
Figure 2004043445
【0524】
である。
【0525】
【試験例3】
in vivo抗菌活性(マウス感染治療実験)
肺炎球菌の感染方法(Antimicrob. Agents Chemother. 1998 42: 23−27)に準じてH.influenzaeを鼻空内に接種した試験を行い、本発明化合物は良好な結果を示した。
【0526】
【製剤例1】
Figure 2004043445
上記処方の粉末を混合し、60メッシュのふるいを通した後、この粉末を250mgの3号ゼラチンカプセルに入れ、カプセル剤とする。
【0527】
【製剤例2】
Figure 2004043445
上記処方の粉末を混合し、トウモロコシデンプン糊を用いて湿式造粒、乾燥した後、打錠機により打錠して、一錠200mgの錠剤とする。この錠剤は必要に応じて糖衣を施することができる。
【0528】
【発明の効果】
本発明の前記一般式(I)を有する1β−メチルカルバペネム又はその薬理上許容される塩若しくはエステル誘導体は、優れた抗菌活性を有し、デヒドロペプチダ−ゼI及びβ−ラクタマ−ゼに対して安定であり、腎毒性も低いので医薬、特に抗菌剤として有用である。

Claims (22)

  1. 一般式
    Figure 2004043445
    [式中、R及びRは、互いに独立して、水素原子又はC−Cアルキル基を示し、
    は、C−C15アルキル基、C−Cシクロアルキル基又はC−C10アリール基を示し、
    nは、1、2又は3を示し、
    Xは、硫黄原子又は酸素原子を示し、
    Aは、式
    Figure 2004043445
    {式中、R、R及びR基は、互いに独立して、水素原子、C−Cアルキル基、ヒドロキシC−Cアルキル基、C−Cシクロアルキル基、C−C12アラルキル基又はC−C10アリール基を示し、
    Alkは、置換されてよいC−C10アルキレン基{当該置換基は、水酸基、C−Cシクロアルキル基、置換されてよいカルバモイル基(当該置換基は、C−Cアルキル基であり、2個の当該アルキル基はそれらが結合する窒素原子と一緒になって置換されてよい3乃至7員含窒素複素環を形成してもよい。)又はC−C10アリール基である。}を示し、
    p、q、r及びsは、互いに独立して、1、2又は3を示す。}で表される基を示す。]で示される化合物又はその薬理上許容される塩若しくはエステル誘導体。
  2. Aが、式
    Figure 2004043445
    {式中、R、R及びRは、互いに独立して、水素原子、C−Cアルキル基、C−Cシクロアルキル基、ベンジル基又はフェニル基を示し、
    Alkは、置換されてよいC−Cアルキレン基(当該置換基は、C−Cシクロアルキル基又はフェニル基である。)を示し、
    p、q、r及びsは、互いに独立して、1又は2を示す。}で表される基である請求項1に記載の化合物又はその薬理上許容される塩若しくはエステル誘導体。
  3. Aが、式
    Figure 2004043445
    (式中、Rは、水素原子を示し、p及びqが、互いに独立して、1又は2を示す。)で表される基である請求項1に記載の化合物又はその薬理上許容される塩若しくはエステル誘導体。
  4. Aが、式
    Figure 2004043445
    (式中、Rは、水素原子を示し、pは1を示し、qは2を示す。)で表される基である請求項1に記載の化合物又はその薬理上許容される塩若しくはエステル誘導体。
  5. Aが、式
    Figure 2004043445
    (式中、r及びsが、共に2である。)で表される基である請求項1に記載の化合物又はその薬理上許容される塩若しくはエステル誘導体。
  6. Aが、式
    Figure 2004043445
    (式中、R及びRは、すべて水素原子を示し、
    Alkは、C−Cアルキレン基を示す。)で表される基である請求項1に記載の化合物又はその薬理上許容される塩若しくはエステル誘導体。
  7. Aが、式
    Figure 2004043445
    (式中、Rは、C−Cアルキル基を示す。)で表される基である請求項1に記載の化合物又はその薬理上許容される塩若しくはエステル誘導体。
  8. が、水素原子又はC−Cアルキル基である請求項1乃至7のいずれか一つに記載の化合物又はその薬理上許容される塩若しくはエステル誘導体。
  9. が、水素原子である請求項1乃至7のいずれか一つに記載の化合物又はその薬理上許容される塩若しくはエステル誘導体。
  10. が、C−Cアルキル基、C−Cシクロアルキル基又はフェニル基である請求項1乃至9のいずれか一つに記載の化合物又はその薬理上許容される塩若しくはエステル誘導体。
  11. が、メチル基、シクロヘキシル基又はフェニル基である請求項1乃至9のいずれか一つに記載の化合物又はその薬理上許容される塩若しくはエステル誘導体。
  12. nが1である請求項1乃至11のいずれか一つに記載の化合物又はその薬理上許容される塩若しくはエステル誘導体。
  13. nが1であり、硫黄原子の置換位置がアゼチジン環の3位である請求項1乃至11のいずれか一つに記載の化合物又はその薬理上許容される塩若しくはエステル誘導体。
  14. Xが、硫黄原子である請求項1乃至13のいずれか一つに記載の化合物又はその薬理上許容される塩若しくはエステル誘導体。
  15. が、水素原子又はC−Cアルキル基である請求項1乃至14のいずれか一つに記載の化合物又はその薬理上許容される塩若しくはエステル誘導体。
  16. が、メチル基である請求項1乃至14のいずれか一つに記載の化合物又はその薬理上許容される塩若しくはエステル誘導体。
  17. 及びRが、互いに独立して、水素原子又はC−Cアルキル基であり、Rが、C−Cアルキル基、C−Cシクロアルキル基又はフェニル基であり、nが1であり、Xが、硫黄原子であり、Aが、式
    Figure 2004043445
    (式中、Rは、水素原子を示し、p及びqが、互いに独立して、1又は2を示す。)で表される基である請求項1乃至16のいずれか一つに記載の化合物又はその薬理上許容される塩若しくはエステル誘導体。
  18. 及びRが、互いに独立して、水素原子又はC−Cアルキル基であり、Rが、C−Cアルキル基、C−Cシクロアルキル基又はフェニル基であり、nが1であり、Xが、硫黄原子であり、Aが、式
    Figure 2004043445
    (式中、r及びsが、共に2である。)で表される基である請求項1乃至16のいずれか一つに記載の化合物又はその薬理上許容される塩若しくはエステル誘導体。
  19. 及びRが、互いに独立して、水素原子又はC−Cアルキル基であり、Rが、C−Cアルキル基、C−Cシクロアルキル基又はフェニル基であり、nが1であり、Xが、硫黄原子であり、Aが、式
    Figure 2004043445
    (式中、R及びRは、すべて水素原子を示し、
    Alkは、C−Cアルキレン基を示す。)で表される基である請求項1乃至16のいずれか一つに記載の化合物又はその薬理上許容される塩若しくはエステル誘導体。
  20. が、水素原子であり、Rが、メチル基であり、Rが、メチル基、シクロヘキシル基又はフェニル基であり、nが1であり、硫黄原子の置換位置がアゼチジン環の3位であり、Xが、硫黄原子であり、Aが、式
    Figure 2004043445
    (式中、Rは、水素原子を示し、pは1を示し、qは2を示す。)で表される基である請求項1乃至16のいずれか一つに記載の化合物又はその薬理上許容される塩若しくはエステル誘導体。
  21. が、水素原子であり、Rが、メチル基であり、Rが、メチル基、シクロヘキシル基又はフェニル基であり、nが1であり、硫黄原子の置換位置がアゼチジン環の3位であり、Xが、硫黄原子であり、Aが、式
    Figure 2004043445
    (式中、r及びsが、共に2である。)で表される基である請求項1乃至16のいずれか一つに記載の化合物又はその薬理上許容される塩若しくはエステル誘導体。
  22. が、水素原子であり、Rが、メチル基であり、Rが、メチル基、シクロヘキシル基又はフェニル基であり、nが1であり、硫黄原子の置換位置がアゼチジン環の3位であり、Xが、硫黄原子であり、Aが、式
    Figure 2004043445
    (式中、Rは、C−Cアルキル基を示す。)で表される基である請求項1乃至16のいずれか一つに記載の化合物又はその薬理上許容される塩若しくはエステル誘導体。
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