JP2004043138A - エレベータの保守作業装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数個所に分散する保守作業を複数の作業者が安全に行なえるとともに、比較的安価なエレベータの保守作業装置の提供。
【解決手段】昇降路2、かご3、および機械室4のそれぞれに少なくとも1つ設けられる接続端子T1〜T5と、これらの接続端子T1〜T5間に敷設される通信線TLと、接続端子T1〜T5に脱着可能に接続され、携帯可能な通信体IFとを備えた。これにより、複数の作業者が複数個所に別れて保守作業を行なうとき、それぞれ携帯した通信体IFを複数個所に配設される接続端子T1〜T5に装着し、通信体IFを介して連絡を取り合いながら保守作業を行なう。
【選択図】 図1
【解決手段】昇降路2、かご3、および機械室4のそれぞれに少なくとも1つ設けられる接続端子T1〜T5と、これらの接続端子T1〜T5間に敷設される通信線TLと、接続端子T1〜T5に脱着可能に接続され、携帯可能な通信体IFとを備えた。これにより、複数の作業者が複数個所に別れて保守作業を行なうとき、それぞれ携帯した通信体IFを複数個所に配設される接続端子T1〜T5に装着し、通信体IFを介して連絡を取り合いながら保守作業を行なう。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータの保守作業装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば実開昭62−47581号公報に記載されているように、昇降路の下部ピット内に、かご上、かご内、および機械室の少なくともいずれか1個所と通話可能な通信体を設けたエレベータの保守通信装置が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術は、携帯電話等の一般に普及されている小型通信体の電波が届かない昇降路と、機械室との間の通話手段として有用であるが、通信体が常設されているため、保守作業を安全に行なうために通話個所の増設が必要となったときは、通信線の追加配線と通信体の追加が必要となり、部品コストの増加と、通信体の増設に要する作業時間が掛かるという問題があった。
【0004】
また、設けた全ての通信体についてメンテナンスが必要であるため、その分、管理コストが増加するという問題もあった。
【0005】
本発明は、上記のような従来技術における実情に鑑みてなされたもので、その目的は、複数個所に分散する保守作業を安全に行なえるとともに、比較的安価なエレベータの保守作業装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、建物に立設される昇降路と、この昇降路に設けられる複数の階床間を昇降するかごと、このかごを駆動する駆動装置および電動機が少なくとも設置される機械室とを有するエレベータの保守作業装置において、前記昇降路、かご、および機械室のそれぞれに少なくとも1つ設けられる接続端子と、これらの接続端子間に敷設される通信線と、前記接続端子に脱着可能に接続され、携帯可能な通信体とを備え、前記接続端子に接続した前記通信体間の通話を介して保守作業を行なう構成にしてある。
【0007】
このように構成した本発明では、複数の作業者がかご、昇降路および機械室の複数個所に別れて保守作業を行なうとき、それぞれ携帯した通信体を上記の複数個所に配設される接続端子に装着し、複数の作業者のうちあらかじめ定められる一人の責任者の通信体からの指示に基づいて保守作業を行なう。これにより、複数個所に分散する保守作業を安全に行なえるとともに、通信体は常設せず作業者が携帯するようにしたので、通信体の費用やその維持管理コストを抑えることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のエレベータの保守作業装置の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0009】
図1は本発明の一実施形態に係る保守作業装置を備えたエレベータの説明図、図2は図1の保守作業装置を用いて保守作業を行なう際の作業手順の一部を示すフローチャート、図3は図1の保守作業装置を用いて保守作業を行なう際の作業手順の残り部分を示すフローチャートである。なお、図2のA部および図3のA部は連続し、図2のB部および図3のB部も連続している。
【0010】
図1に示すエレベータは、建物1に立設される昇降路2と、この昇降路2に設けられる図示しない複数の階床間を昇降するかご3と、昇降路2の上部に形成される機械室4とを有している。かご3内にはかご3の操作を行なう運転盤5が設けられ、かご3上にはかご制御箱6および非常停止装置7が載置されている。機械室4にはかご3を駆動する図示しない駆動体と電動機、この電動機などの動作を制御する制御盤8、およびかご3の昇降速度を調整する調速機9が設けられている。
【0011】
そして、本実施形態の保守作業装置は、機械室4内の制御盤8に設けられる接続端子T1と、機械室4内の調速機9近傍に設けられる接続端子T2と、かご3上のかご制御箱6に設けられる接続端子T3と、かご3内の運転盤5に設けられる接続端子T4と、昇降路2の下部ピット10に設けられる接続端子T5と、これらの接続端子T1〜T5間に敷設される通信線TLと、接続端子T1〜T5に脱着可能に接続され、保守員などが携帯可能な複数個の通信体IFとを備えている。これらの通信体IFを接続端子T1〜T5のうちの2個所にそれぞれ接続すると、通信体IF間で通話が可能となる。
【0012】
この実施形態の保守作業装置では、作業責任者である第1保守員M1と他の第2保守員M2が図2、図3に示す作業手順にしたがってかご3上の非常停止装置7の動作確認を行なうようになっている。すなわち、まず図2の手順SA1として、第1保守員M1は機械室4内の調速機9を操作可能な位置まで移動し、手順SA2として接続端子T2に所定の通信体IFを接続する。また、手順SB1として第2保守員M2はかご3の上に乗り、手順SB2としてかご制御箱6の接続端子T3に所定の通信体IFを接続する。
【0013】
次いで手順SA3として、第1保守員M1がこれから調速機9を操作する旨を第2保守員M2に対し通信体IFにて連絡すると、手順SB3として、第2保守員M2は調速機9に連動して動作する非常停止装置7の可動部分に巻き込まれないよう安全な位置に移動した後、手順SB4として、第1保守員M1に安全な位置へ移動したことを連絡する。
【0014】
このようにして第2保守員M2が安全なる位置へ移動した報告を第1保守員M1が受けると、手順SA4として第1保守員M1は調速機9を動作させ、手順SA5として、このことを第2保守員M2へ報告する。手順SB5として、第2保守員M2は非常停止装置7の動作状況を確認するとともに、手順SB6として、かご3上のかご制御箱6の図示しない操作スイッチを使用してかご3を低速で下方に運転させる旨を第1保守員M1に連絡する。
【0015】
このようにしてかご3の移動の連絡を第1保守員M1が受けると、手順SA6として、第1保守員M1は調速機9の動作を安全且つ確実に確認できる位置に移動し、手順SA7として、かご3を移動してよいことを第2保守員M2へ連絡する。
【0016】
次いで、手順SB7として、第2保守員M2はかご3を下方に移動させるとともに、図3の手順SB8として、かご3が所定の距離より下に動かないことを非常停止装置7により確認し、非常停止装置7の動作状態が正常であることを第1保守員M1に連絡する。手順SA8として、第1保守員M1は調速機9の状態を確認するとともに、手順SA9として調速機9を操作前の状態に復帰させる作業を行なう旨を第2保守員M2に連絡する。
【0017】
次いで、非常停止装置7の動作確認作業が完了した旨の連絡を第2保守員M2が受けると、手順SB9として、第2保守員M2は安全なる位置へ移動するとともに、手順SB10として低速でかご3を上方に動かす旨を第1保守員M1に連絡する。手順SA10として、第1保守員M1は非常停止装置7の復旧に伴う調速機9の動作を安全且つ確実に確認できる位置に移動し、手順SA11として、第2保守員M2へかご3の上昇を指示する。
【0018】
次いで手順SB11として、第1保守員M1からの指示により第2保守員M2はかご3上のかご制御箱6の図示しない操作スイッチを使用してかご3を上昇させて、手順SB12として、非常停止装置7の停止機能解除を連絡し、このとき手順SA12として、第1保守員M1は調速機9が動作するので安全なる位置に移動し、手順SB13として、第2保守員M2は非常停止装置7を解除させた後に、非常停止装置7の復旧状態を確認して第1保守員M1へ保守運転が可能であることを報告する。手順SA13として、第1保守員M1は調速機9やその他の稼動する装置が動作しても引き続き安全なる位置で待機し、しかる後、手順SB14として、第2保守員M2は保守運転を行ないかご3や非常停止装置7から発する音によって非常停止装置7の復旧後の走行状況を確認して、第1保守員M1へ報告する。
【0019】
また、制御盤8とかご3間の配線接続状態の点検を行なう場合、第1保守員M1は通信体IFを機械室4内の制御盤8の接続端子T1に接続し、通信体IFを介して制御盤8の主電源をオフ状態にする作業を行なう旨を第2保守員M2に連絡したのち、当該作業を実施し確認の必要な配線を選び、その配線を示す記号番号を第2保守員M2に連絡する。次いで、第2保守員M2は、かご3上における当該配線の接続状態を確認し、その状態を通信体IFを介して第1保守員M1に連絡する。このように確認する配線の記号番号をその場で連絡しあうことができるので、効率よく点検することが可能となる。さらに、当該配線に微弱な電流を流して電気抵抗値にて当該配線の中間部での断線の有無を確認する場合、第2保守員M2は当該配線の接続を外し、その旨を通信体IFを介して第1保守員M1に連絡すると、第1保守員M1は専用の計測機器を使用し、当該配線に微弱な電流を流して電気抵抗値を測定する作業を行なう旨を第2保守員M2に連絡したのち、当該作業を実施する。連絡を受けた第2保守員M2は、エレベータの故障を招くような個所に接触することのないよう当該配線を安全に保持することができる。
【0020】
また、かご3を運転させた状態で昇降路2内に取り付けた機器の動作および取付状態の点検を行なう場合、第1保守員M1はかご3内に入り通信体IFを運転盤5の接続端子T4に接続し、一方、第2保守員M2は昇降路2内に入って下部ピット10の接続端子T5に通信体IFを接続する。第2保守員M2は、これから確認する昇降路2内の機器の種類を連絡し、かご3の運転方向を第1保守員M1に指示し、連絡を受けた第1保守員M1は、これからかご3を動かす旨を連絡する。次いで、第2保守員M2は、かご3の運転に伴う昇降路2内の機器の可動部分から離れて安全な位置に移動することができる。そして、かご3の運転に伴って昇降路2内の機器もしくは第2保守員M2自身に危険が及んだ場合、昇降路2の下部ピット10に取り付けられている図示しない安全装置を動作させることによりかご3を停止できるが、かご3の停止後に即時、第2保守員M2から第1保守員M1に事情を連絡することにより、誤解による波及事故を抑制することができる。
【0021】
このように構成した本実施形態では、複数の作業者がかご3、昇降路2および機械室4の複数個所に別れて保守作業を行なうとき、それぞれ携帯した通信体IFを上記の複数個所に配設される接続端子T1〜T5に装着し、責任者の通信体からの指示に基づいて作業するので、複数個所に分散する保守作業を安全に行なえる。
【0022】
また、本実施形態では、通信体IFは常設せず作業者が通信体IFを携帯するようにしたので、通信体IFの費用やその維持管理コストを抑えることができるとともに、他のエレベータにおいても使用可能である
なお、上記実施形態では、接続端子T1〜T5をそれぞれ機械室4内の制御盤8、調速機9近傍、かご3上のかご制御箱6、かご3内の運転盤5、および昇降路2の下部ピット10に設けたが、本発明はこれに限らず、上記以外の保守点検個所に接続端子を設けても良い。
【0023】
さらに、上記実施形態では、第1保守員M1が機械室4内の接続端子T2に通信体IFを接続し、第2保守員M2がかご3上の接続端子T3に通信体IFを接続した場合と、第1保守員M1が機械室4内の接続端子T1に通信体IFを接続し、第2保守員M2がかご3上の接続端子T3に通信体IFを接続した場合と、第1保守員M1がかご3内の接続端子T4に通信体IFを接続し、第2保守員M2が昇降路2内の接続端子T5に通信体IFを接続した場合と関して説明したが、複数の作業者が別の位置で行なう作業に関しても同様である。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、複数の作業者がかご、昇降路および機械室の複数個所に別れて保守作業を行なうとき、それぞれ携帯した通信体を上記の複数個所に配設される接続端子に装着し、通信体を介して連絡を取り合いながら安全な保守作業が行なえる。また、通信体を常設せずに済むので、通信体の費用やその維持管理コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る保守作業装置を備えたエレベータの説明図である。
【図2】図1の保守作業装置を用いて保守作業を行なう際の作業手順の一部を示すフローチャートである。
【図3】図1の保守作業装置を用いて保守作業を行なう際の作業手順の残り部分を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2 昇降路
3 かご
4 機械室
5 運転盤
6 かご制御箱
7 非常停止装置
8 制御盤
9 調速機
IF 通信体
M1 第1保守員
M2 第2保守員
T1〜T5 端子
TL 通信線
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータの保守作業装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば実開昭62−47581号公報に記載されているように、昇降路の下部ピット内に、かご上、かご内、および機械室の少なくともいずれか1個所と通話可能な通信体を設けたエレベータの保守通信装置が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術は、携帯電話等の一般に普及されている小型通信体の電波が届かない昇降路と、機械室との間の通話手段として有用であるが、通信体が常設されているため、保守作業を安全に行なうために通話個所の増設が必要となったときは、通信線の追加配線と通信体の追加が必要となり、部品コストの増加と、通信体の増設に要する作業時間が掛かるという問題があった。
【0004】
また、設けた全ての通信体についてメンテナンスが必要であるため、その分、管理コストが増加するという問題もあった。
【0005】
本発明は、上記のような従来技術における実情に鑑みてなされたもので、その目的は、複数個所に分散する保守作業を安全に行なえるとともに、比較的安価なエレベータの保守作業装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、建物に立設される昇降路と、この昇降路に設けられる複数の階床間を昇降するかごと、このかごを駆動する駆動装置および電動機が少なくとも設置される機械室とを有するエレベータの保守作業装置において、前記昇降路、かご、および機械室のそれぞれに少なくとも1つ設けられる接続端子と、これらの接続端子間に敷設される通信線と、前記接続端子に脱着可能に接続され、携帯可能な通信体とを備え、前記接続端子に接続した前記通信体間の通話を介して保守作業を行なう構成にしてある。
【0007】
このように構成した本発明では、複数の作業者がかご、昇降路および機械室の複数個所に別れて保守作業を行なうとき、それぞれ携帯した通信体を上記の複数個所に配設される接続端子に装着し、複数の作業者のうちあらかじめ定められる一人の責任者の通信体からの指示に基づいて保守作業を行なう。これにより、複数個所に分散する保守作業を安全に行なえるとともに、通信体は常設せず作業者が携帯するようにしたので、通信体の費用やその維持管理コストを抑えることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のエレベータの保守作業装置の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0009】
図1は本発明の一実施形態に係る保守作業装置を備えたエレベータの説明図、図2は図1の保守作業装置を用いて保守作業を行なう際の作業手順の一部を示すフローチャート、図3は図1の保守作業装置を用いて保守作業を行なう際の作業手順の残り部分を示すフローチャートである。なお、図2のA部および図3のA部は連続し、図2のB部および図3のB部も連続している。
【0010】
図1に示すエレベータは、建物1に立設される昇降路2と、この昇降路2に設けられる図示しない複数の階床間を昇降するかご3と、昇降路2の上部に形成される機械室4とを有している。かご3内にはかご3の操作を行なう運転盤5が設けられ、かご3上にはかご制御箱6および非常停止装置7が載置されている。機械室4にはかご3を駆動する図示しない駆動体と電動機、この電動機などの動作を制御する制御盤8、およびかご3の昇降速度を調整する調速機9が設けられている。
【0011】
そして、本実施形態の保守作業装置は、機械室4内の制御盤8に設けられる接続端子T1と、機械室4内の調速機9近傍に設けられる接続端子T2と、かご3上のかご制御箱6に設けられる接続端子T3と、かご3内の運転盤5に設けられる接続端子T4と、昇降路2の下部ピット10に設けられる接続端子T5と、これらの接続端子T1〜T5間に敷設される通信線TLと、接続端子T1〜T5に脱着可能に接続され、保守員などが携帯可能な複数個の通信体IFとを備えている。これらの通信体IFを接続端子T1〜T5のうちの2個所にそれぞれ接続すると、通信体IF間で通話が可能となる。
【0012】
この実施形態の保守作業装置では、作業責任者である第1保守員M1と他の第2保守員M2が図2、図3に示す作業手順にしたがってかご3上の非常停止装置7の動作確認を行なうようになっている。すなわち、まず図2の手順SA1として、第1保守員M1は機械室4内の調速機9を操作可能な位置まで移動し、手順SA2として接続端子T2に所定の通信体IFを接続する。また、手順SB1として第2保守員M2はかご3の上に乗り、手順SB2としてかご制御箱6の接続端子T3に所定の通信体IFを接続する。
【0013】
次いで手順SA3として、第1保守員M1がこれから調速機9を操作する旨を第2保守員M2に対し通信体IFにて連絡すると、手順SB3として、第2保守員M2は調速機9に連動して動作する非常停止装置7の可動部分に巻き込まれないよう安全な位置に移動した後、手順SB4として、第1保守員M1に安全な位置へ移動したことを連絡する。
【0014】
このようにして第2保守員M2が安全なる位置へ移動した報告を第1保守員M1が受けると、手順SA4として第1保守員M1は調速機9を動作させ、手順SA5として、このことを第2保守員M2へ報告する。手順SB5として、第2保守員M2は非常停止装置7の動作状況を確認するとともに、手順SB6として、かご3上のかご制御箱6の図示しない操作スイッチを使用してかご3を低速で下方に運転させる旨を第1保守員M1に連絡する。
【0015】
このようにしてかご3の移動の連絡を第1保守員M1が受けると、手順SA6として、第1保守員M1は調速機9の動作を安全且つ確実に確認できる位置に移動し、手順SA7として、かご3を移動してよいことを第2保守員M2へ連絡する。
【0016】
次いで、手順SB7として、第2保守員M2はかご3を下方に移動させるとともに、図3の手順SB8として、かご3が所定の距離より下に動かないことを非常停止装置7により確認し、非常停止装置7の動作状態が正常であることを第1保守員M1に連絡する。手順SA8として、第1保守員M1は調速機9の状態を確認するとともに、手順SA9として調速機9を操作前の状態に復帰させる作業を行なう旨を第2保守員M2に連絡する。
【0017】
次いで、非常停止装置7の動作確認作業が完了した旨の連絡を第2保守員M2が受けると、手順SB9として、第2保守員M2は安全なる位置へ移動するとともに、手順SB10として低速でかご3を上方に動かす旨を第1保守員M1に連絡する。手順SA10として、第1保守員M1は非常停止装置7の復旧に伴う調速機9の動作を安全且つ確実に確認できる位置に移動し、手順SA11として、第2保守員M2へかご3の上昇を指示する。
【0018】
次いで手順SB11として、第1保守員M1からの指示により第2保守員M2はかご3上のかご制御箱6の図示しない操作スイッチを使用してかご3を上昇させて、手順SB12として、非常停止装置7の停止機能解除を連絡し、このとき手順SA12として、第1保守員M1は調速機9が動作するので安全なる位置に移動し、手順SB13として、第2保守員M2は非常停止装置7を解除させた後に、非常停止装置7の復旧状態を確認して第1保守員M1へ保守運転が可能であることを報告する。手順SA13として、第1保守員M1は調速機9やその他の稼動する装置が動作しても引き続き安全なる位置で待機し、しかる後、手順SB14として、第2保守員M2は保守運転を行ないかご3や非常停止装置7から発する音によって非常停止装置7の復旧後の走行状況を確認して、第1保守員M1へ報告する。
【0019】
また、制御盤8とかご3間の配線接続状態の点検を行なう場合、第1保守員M1は通信体IFを機械室4内の制御盤8の接続端子T1に接続し、通信体IFを介して制御盤8の主電源をオフ状態にする作業を行なう旨を第2保守員M2に連絡したのち、当該作業を実施し確認の必要な配線を選び、その配線を示す記号番号を第2保守員M2に連絡する。次いで、第2保守員M2は、かご3上における当該配線の接続状態を確認し、その状態を通信体IFを介して第1保守員M1に連絡する。このように確認する配線の記号番号をその場で連絡しあうことができるので、効率よく点検することが可能となる。さらに、当該配線に微弱な電流を流して電気抵抗値にて当該配線の中間部での断線の有無を確認する場合、第2保守員M2は当該配線の接続を外し、その旨を通信体IFを介して第1保守員M1に連絡すると、第1保守員M1は専用の計測機器を使用し、当該配線に微弱な電流を流して電気抵抗値を測定する作業を行なう旨を第2保守員M2に連絡したのち、当該作業を実施する。連絡を受けた第2保守員M2は、エレベータの故障を招くような個所に接触することのないよう当該配線を安全に保持することができる。
【0020】
また、かご3を運転させた状態で昇降路2内に取り付けた機器の動作および取付状態の点検を行なう場合、第1保守員M1はかご3内に入り通信体IFを運転盤5の接続端子T4に接続し、一方、第2保守員M2は昇降路2内に入って下部ピット10の接続端子T5に通信体IFを接続する。第2保守員M2は、これから確認する昇降路2内の機器の種類を連絡し、かご3の運転方向を第1保守員M1に指示し、連絡を受けた第1保守員M1は、これからかご3を動かす旨を連絡する。次いで、第2保守員M2は、かご3の運転に伴う昇降路2内の機器の可動部分から離れて安全な位置に移動することができる。そして、かご3の運転に伴って昇降路2内の機器もしくは第2保守員M2自身に危険が及んだ場合、昇降路2の下部ピット10に取り付けられている図示しない安全装置を動作させることによりかご3を停止できるが、かご3の停止後に即時、第2保守員M2から第1保守員M1に事情を連絡することにより、誤解による波及事故を抑制することができる。
【0021】
このように構成した本実施形態では、複数の作業者がかご3、昇降路2および機械室4の複数個所に別れて保守作業を行なうとき、それぞれ携帯した通信体IFを上記の複数個所に配設される接続端子T1〜T5に装着し、責任者の通信体からの指示に基づいて作業するので、複数個所に分散する保守作業を安全に行なえる。
【0022】
また、本実施形態では、通信体IFは常設せず作業者が通信体IFを携帯するようにしたので、通信体IFの費用やその維持管理コストを抑えることができるとともに、他のエレベータにおいても使用可能である
なお、上記実施形態では、接続端子T1〜T5をそれぞれ機械室4内の制御盤8、調速機9近傍、かご3上のかご制御箱6、かご3内の運転盤5、および昇降路2の下部ピット10に設けたが、本発明はこれに限らず、上記以外の保守点検個所に接続端子を設けても良い。
【0023】
さらに、上記実施形態では、第1保守員M1が機械室4内の接続端子T2に通信体IFを接続し、第2保守員M2がかご3上の接続端子T3に通信体IFを接続した場合と、第1保守員M1が機械室4内の接続端子T1に通信体IFを接続し、第2保守員M2がかご3上の接続端子T3に通信体IFを接続した場合と、第1保守員M1がかご3内の接続端子T4に通信体IFを接続し、第2保守員M2が昇降路2内の接続端子T5に通信体IFを接続した場合と関して説明したが、複数の作業者が別の位置で行なう作業に関しても同様である。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、複数の作業者がかご、昇降路および機械室の複数個所に別れて保守作業を行なうとき、それぞれ携帯した通信体を上記の複数個所に配設される接続端子に装着し、通信体を介して連絡を取り合いながら安全な保守作業が行なえる。また、通信体を常設せずに済むので、通信体の費用やその維持管理コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る保守作業装置を備えたエレベータの説明図である。
【図2】図1の保守作業装置を用いて保守作業を行なう際の作業手順の一部を示すフローチャートである。
【図3】図1の保守作業装置を用いて保守作業を行なう際の作業手順の残り部分を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2 昇降路
3 かご
4 機械室
5 運転盤
6 かご制御箱
7 非常停止装置
8 制御盤
9 調速機
IF 通信体
M1 第1保守員
M2 第2保守員
T1〜T5 端子
TL 通信線
Claims (1)
- 建物に立設される昇降路と、この昇降路に設けられる複数の階床間を昇降するかごと、このかごを駆動する駆動装置および電動機が少なくとも設置される機械室とを有するエレベータの保守作業装置において、
前記昇降路、かご、および機械室のそれぞれに少なくとも1つ設けられる接続端子と、これらの接続端子間に敷設される通信線と、前記接続端子に脱着可能に接続され、携帯可能な通信体とを備え、前記接続端子に接続した前記通信体間の通話を介して保守作業を行なうようにしたことを特徴とするエレベータの保守作業装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002204439A JP2004043138A (ja) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | エレベータの保守作業装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002204439A JP2004043138A (ja) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | エレベータの保守作業装置 |
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ID=31710045
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013180856A (ja) * | 2012-03-01 | 2013-09-12 | Fujitec Co Ltd | エレベータの保守運転装置 |
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-
2002
- 2002-07-12 JP JP2002204439A patent/JP2004043138A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013180856A (ja) * | 2012-03-01 | 2013-09-12 | Fujitec Co Ltd | エレベータの保守運転装置 |
CN108529369A (zh) * | 2017-03-06 | 2018-09-14 | 东芝电梯株式会社 | 电梯维护作业辅助系统 |
CN108529369B (zh) * | 2017-03-06 | 2020-01-31 | 东芝电梯株式会社 | 电梯维护作业辅助系统 |
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