JP2004042982A - 飲料容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】通気孔の洗浄が容易で衛生的な飲料容器を提供する。
【解決手段】容器本体(1)と、容器本体を密閉する蓋体(4)と、蓋体の上面にカバー部材(8)とを備え、蓋体はストロー部(6)が挿通されるストロー孔(15)が設けられた吸飲口部(14)と、ストロー孔とは異なる位置に設けた通気孔(2)とを有し、カバー部材はストロー孔及び通気孔とは異なる位置に回動可能に取り付けられ、カバー部材を閉じた状態で吸飲口部を閉塞するストロー抑え部(18)を備え、カバー部材の回動動作に連動して通気孔を開閉する弁体(17)を備えた通気部材(5)を更に設ける。カバー部材が完全に閉じられた状態では、通気部材は通気孔を閉じた状態に維持し、カバー部材を開方向に回動させて予め定めた角度迄達した状態以降では、通気部材が通気孔を開いた状態にする。
【選択図】 図3
【解決手段】容器本体(1)と、容器本体を密閉する蓋体(4)と、蓋体の上面にカバー部材(8)とを備え、蓋体はストロー部(6)が挿通されるストロー孔(15)が設けられた吸飲口部(14)と、ストロー孔とは異なる位置に設けた通気孔(2)とを有し、カバー部材はストロー孔及び通気孔とは異なる位置に回動可能に取り付けられ、カバー部材を閉じた状態で吸飲口部を閉塞するストロー抑え部(18)を備え、カバー部材の回動動作に連動して通気孔を開閉する弁体(17)を備えた通気部材(5)を更に設ける。カバー部材が完全に閉じられた状態では、通気部材は通気孔を閉じた状態に維持し、カバー部材を開方向に回動させて予め定めた角度迄達した状態以降では、通気部材が通気孔を開いた状態にする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ストロー付きの飲料容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、上方が開口した容器に液体飲料を収容し、その容器の開口部を覆う蓋と、その蓋に挿通されたストローと、それを収納するカバーとを備えた容器であって、カバーを開けてストローの吸い口から液体飲料を吸飲する形式の飲料容器は様々なものが提案されている。このような形式の飲料容器は、ストローから液体飲料を吸飲する際に、容器内の空気が負圧状態となってスムーズな吸飲が行えなくなること防止するために、蓋に通気孔を設け、容器本体内の空気を外部(外気)と連通して通気できるように構成したものが一般的である。
【0003】
このような通気孔を設けて構成される飲料容器は、容器が倒れたり傾いたりした時に容器内の液体飲料が通気孔から零れるおそれがある。そのために、通気孔を塞ぐ栓部材を備えた飲料容器が従来から様々提案されており、例えば、通気孔を塞ぐ取り外し可能なキャップを別個に設けたものがある。しかし、比較的温かい液体飲料(例えば、温かいコーヒー、お茶、ミルクなど)を容器内に収容した場合には、通気孔を閉じていると容器内の空気が液体飲料の温度によって膨張して容器内の空気圧力が上昇(昇圧)し、カバーを開けてストローを取り出した際に昇圧された空気に押し出されて液体飲料がストローの吸い口から噴き出てしまい、それが飲もうとする人の顔や服に飛び散るという問題が生ずる。
【0004】
このような問題を防止するための手段として、ストローを取り出す前に通気孔を開閉できる手段を蓋に備えた技術が提案されている。例えば、回動又はスライド可能な部材を蓋に別体として設け、この部材で通気孔を開閉できるような構成にし、カバーを開ける前に通気孔を開放するものなどがある。しかし、通気孔をいちいち個別に操作して開閉するのは面倒であること、通気孔の開閉を忘れる場合があること等があるので、カバーの開閉に連動してカバーの回動基部が直接通気孔を開閉するようにした技術も提案されている(例えば、特開2001−39458号公報)。
【0005】
即ち、上記従来の技術では、通気孔から液体飲料が零れるのを防止することは可能であるが、通気孔を塞ぐキャップを別個に設けたり、回動又はスライド可能な部材を蓋体に別体として設けたりした場合では、通気孔を個別に操作して開けない限り通気がされないため、液体飲料をスムーズに吸飲するためには、吸飲するたびにストローの準備の他に通気孔を開ける必要があり面倒であった。逆に、通気孔を開けるのを忘れたりすると、吸飲中に容器本体内が負圧となりスムーズな吸飲が行えないという問題があった。さらに、比較的温かい液体飲料を容器本体に収容しておく場合に、通気孔を開けることをせずにストローを取り出すとストローから液体飲料が噴き出してくるため、液体飲料が噴き出す危険を確実に回避できるものではなかった。
【0006】
この点、カバーの回動基部の回動に伴って回動基部が通気孔を直接開閉する形式の従来技術では、通気孔を個別に操作する必要がないので便利である。しかも、カバーを回動するだけで、通気孔が開くので、通気孔を開け忘れることがないから、スムーズな吸飲ができ、ストローからの液体飲料の噴き出しを確実に防止できるといった利点はある。
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、このような従来例では、回動基部が直接通気孔を開閉する構造であるため、回動基部が摩耗すると通気孔の閉状態の密閉性が低下し、通気孔から液体飲料が漏れるおそれがあった。しかも、回動基部が摩耗した場合にはカバーごと交換する必要があり、メンテナンスが面倒であった。
【0008】
また、カバーの回動基部によって通気孔の開閉を行う構造では、回動基部に隣接した位置(回動基部の直下位置またはその近傍位置)に通気孔を設けておき、カバーの回動によって回動基部が通気孔を開閉するようにしておく必要があるため、通気孔を洗浄する際にカバーの回動基部が邪魔となり、通気孔を十分に洗浄できなかった。
【0009】
しかも、回動基部で通気孔を開閉する場合には、この回動基部の構造部分(軸受けその他の構造の凹凸部など)が存在するが、この構造部(凹凸部)が通気孔の洗浄をより一層困難なものとする。そのため、通気孔を清潔にできず、衛生上の問題となっていた。
【0010】
さらに、このような回動基部は外部に露出して凹凸部が存在するので、その部分にゴミや埃等が溜まり易い欠点がある。このような凹凸部分はカバーの回動基部が接しながら動く部分でもあるので、通気孔部分に、溜まったゴミや埃が入り込み易い。このため、通気孔付近にゴミや埃が付着してしまうが、上述したように通気孔の洗浄を十分に行えないため、衛生上の問題はますます深刻なものになっていた。
【0011】
また、通気孔付近にゴミや埃が付着することにより、通気孔が詰まってしまい、通気孔としての十分な機能が発揮されなくなる場合も生じる。即ち、通気がなされない事態が起こってしまうという問題もあった。加えて、通気孔付近に付着したゴミや埃がカバーの回動によって通気孔内に入り込み、容器本体内に落下し、液体飲料を汚染するといった問題にまで発展し兼ねないため、衛生上の問題が極めて深刻なものとなっていた。
【0012】
本発明は、斯かる実情に鑑み、通気孔の洗浄が容易で衛生的な飲料容器を提供することを目的とする。さらに、本発明の目的は、通気孔にゴミが入り難く衛生的な飲料容器を提供することにある。加えて、メンテナンスが容易な飲料容器を提供することも目的とする。
【0013】
また、液体飲料を吸飲する際にストロー(の吸い口)から液体飲料が噴き出ない飲料容器を提供することも本発明の別の目的である。さらに、飲料容器が倒れても液体飲料が零れない飲料容器を提供することを目的とする。加えて、液体飲料をスムーズに吸飲できる飲料容器を提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明によれば、開口部を備えた液体飲料を収容する容器本体と、該容器本体の開口部を覆って該容器本体内部を密閉するための蓋体と、該蓋体の上面に取り付けられるカバー部材とを備え、前記蓋体は、液体飲料を吸飲するストロー部が挿通されるストロー孔が設けられた吸飲口部と、前記ストロー孔とは異なる位置に設けた通気孔と、を有し、
前記カバー部材は、前記蓋体の上部で前記ストロー孔及び前記通気孔とは所定の距離を開けた異なる位置に回動軸によって回動可能に取り付けられ、該回動軸回りに回動することによって開閉するものであり、少なくとも前記カバー部材を完全に閉じた状態において、前記吸飲口部を閉塞するように構成されたストロー抑え部を備えており、
前記カバー部材の回動動作に連動して前記通気孔を開閉する弁体部を備えた通気部材を更に設け、
前記カバー部材を少なくとも完全に閉じた状態では、前記通気部材が前記通気孔を閉じた状態に維持すると共に、前記カバー部材を開方向に回動させて予め定めた角度まで達した状態以降では、前記通気部材が前記通気孔を開いた状態に維持するものである、ことを特徴とする飲料容器を提供する。
【0015】
本発明における容器本体とは、少なくとも開口部を備えており、この容器内に液体飲料を収容できるものであれば全て含まれるものであり、容器の外形はいかなるものであってもよい。つまり、筒状外形であっても、凹凸を有する形状であっても、あるいは、把手等を設けたものでも、全て本発明における本体容器に該当する。また、容器本体の開口した部分は主に液体飲料を容器内に注ぐ注水口となる部分であるから、上方が全部開口した形状ばかりでなく、例えば容器本体の上方の一部が開口していてもよい。しかも、この開口部から液体飲料を容器内に注ぐことができる程度の大きさの開口部であればどのような形状であっても開口部を有する容器本体に含まれるものである。
【0016】
また、本発明における蓋体は、容器本体内部を密閉して液体飲料を閉じ込めておくことが可能な構造であって、容器本体の開口部を覆うことができるもの全てを含む概念のものである。例えば、容器本体の開口部にO−リングと共に螺合して容器本体を密閉して液体飲料が外部に零れないようにした構造のものなどがある。
【0017】
そして、本発明の蓋体は、液体飲料を吸飲するストロー部が挿通されるストロー孔が設けられた吸飲口部と、前記ストロー孔とは異なる位置に設けた通気孔(容器本体の内部と外部とが連通する孔)とを有するものである。
【0018】
ここで、ストロー部とは、折れ曲がりのないストレートな筒状構造のものばかりでなく、ストローの吸い口部、折れ曲がりが可能な変形部などを含んで複数の部材から構成されるものも含む広義の概念のものである。つまり、容器内部の液体飲料を吸飲する際に、外部の吸い口部分から内底部近傍位置まで、ストロー部の筒状構造部の連通が確保される構成のものであれば全て本発明におけるストロー部となる。
【0019】
また、吸飲口部とは、液体飲料を吸飲するストロー部が挿通されるストロー孔を含んで構成される蓋体の部分(領域、空間)を表わす概念のものである。例えば、平坦形状の蓋体にストロー孔を設けた場合には、このストロー孔を含むストロー孔周辺の部分が本発明において吸飲口部となる。また、蓋体に凹部を形成し、この凹部の底面部にストロー孔を設けるように構成すれば、ストロー孔を含んで構成されたこの凹部は本発明の吸飲口部に該当する。あるいは、蓋体に凸部を形成し、この凸部の頂部にストロー孔を設けるように構成しても、この凸部は本発明の吸飲口部に該当するものとなる。
【0020】
なお、吸飲口部に設けられたストロー孔にはストロー部が挿通されるが、ストロー孔にストロー部自体が挿通された構成のものばかりでなく、ストロー部に連結した部材がストロー孔に挿通された構成のものや、ストロー孔とその近傍の部材にストロー部が連結されていて、ストロー孔の内部がストロー部の一部を構成するようなものであっても良い。ストロー部の全体の連通が確保されていれば、液体飲料を吸飲できるからである。
【0021】
また、本発明におけるカバー部材は、前記蓋体の上部に設けられたものであって、前記ストロー孔及び前記通気孔とは異なる位置であって、これらとは所定の距離を開けた位置に、回動可能な状態で取り付けられたものであり、その回動軸回りにカバー部材を回動することによって開閉するように構成されたものである。そして、このカバー部材を開閉する際に、少なくとも完全に閉じた状態において、前記吸飲口部を閉塞するように構成されたストロー抑え部(後述)を備えているものであれば、全て本発明のカバー部材に該当する。
【0022】
より詳細に説明すると、本発明のカバー部材は、まず、蓋体に回動可能に取り付けられるものであって、所定の回動軸回りに回動することによってカバー部材が開閉するように構成されたものである。即ち、回動可能に蓋体に取り付けられ、回動の中心である回動軸回りに回動する構造のものは全て本発明のカバー部材に含まれるのである。なお、このカバー部材の開状態は、ストロー部での吸飲が可能な状態になるように、カバー部材が回動して移動した状態になる。
【0023】
一例として、カバー部材の根元部に回動軸が一体的に形成された構成では、この回動軸を、蓋体に設けた軸受け部で軸支してカバー部材が、この回動軸回りに回動して上下方向に開閉するものが挙げられる。また、蓋体上面に平行な向きの回動軸部分を設け、この回動軸にカバー部材が係合して上下方向に回動可能となっているものも、本発明のカバー部材となる。
【0024】
あるいは、ストロー抑え部(後述)をアーム部材の一端側に保持するように構成し、このアーム部の他端側に回動軸(蓋体上面に平行な軸)を設けて蓋体に対して回動可能に取り付け、このストロー抑え部がアーム部と共に回動軸回りに上下方向に回動するように構成されたものも本発明のカバー部材に該当する。また、垂直軸回りに回動して左右方向にカバー部材が開閉するように構成されたものも本発明のカバー部材の概念に含まれるものである。
【0025】
要するに、ストロー抑え部を備えており、蓋体に回動可能に取り付けられるものであって、回動軸回りに回動して開閉する構成のものであれば、何れの形状、構造であっても本発明におけるカバー部材に含まれるものであり、回動軸自体は、カバー部材が備えているか蓋側に設けられている否かは問わない。
【0026】
さらに、本発明のカバー部材は、ストロー孔及び通気孔とは所定の距離を開けた異なる位置に回動可能に取り付けられ、カバー部材を閉じた状態でストロー抑え部によって吸飲口部を閉塞するように構成されるものである。カバー部材は回動することによってストロー抑え部(後述)が吸飲口部を閉塞したり、通気部材(後述)を介して通気孔を開閉したりするように連動するものであるため、この構成上、本発明においては、吸飲口部に設けられたストロー孔や、通気孔とは異なる位置で所定の距離を開けて回動可能に設けている。ここで、所定の距離とは、ストロー孔や通気孔が開けられた位置に応じて設計上好適となるように任意に定められた距離のことである。つまり、本発明の飲料容器を設計する段階で適宜定めることができる距離である。
【0027】
このように本発明では、カバー部材が通気孔とは異なる位置に取り付けられているから、通気孔のメンテナンスが容易となる。より具体的に言うと、カバー部材の回動基部で通気孔を直接開閉する従来技術では、そこにゴミや埃などが溜まり易いうえに、回動動作に伴ってゴミ等が動いて通気孔がゴミで詰まったり、あるいは、ゴミが通気孔の中に入ってしまい、さらには内部に落ち込んでしまう問題がある。さらに、通気孔をきれいに洗浄しようとしても、カバー部材の回動基部が邪魔となって洗い難い。
【0028】
しかしながら、本発明のようにカバー部材が、蓋の通気孔を設けた部分とは異なる位置に取り付けられているから、通気孔を洗う場合にもカバー部材(の回動基部)が邪魔にならず、簡単に洗浄できるので、清潔に保つことができるのである。しかも、カバー部材を回動させても、通気孔が異なる位置にあるから、ゴミ等が動いて通気孔を詰まらせたり、通気孔の中にゴミが入ったりすることはなく、衛生的に非常に優れたものとなる。また、通気孔を洗浄、補修、又は交換したい場合にも同様にカバー部材が邪魔になることはなく、通気部材や通気孔部分を修理などすればよいので、メンテナンスが容易となる。
【0029】
なお、本発明においてカバー部材の取り付け位置はストロー孔及び通気孔と異なる位置であれば、どのような位置関係であっても良いが、蓋体の上部をカバー部材が覆う領域内に通気孔が形成されているのが望ましい。カバー部材の内側(カバー部材で覆われる位置)に通気孔を設けることで、少なくともカバー部を閉じた状態では、通気孔部分にゴミや埃を寄せ付けず、より清潔に保つことができるからである。このことは、通気孔がゴミなどで詰まることを防止するのにも役立つ。
【0030】
カバー部材のストロー抑え部は、少なくともカバー部材を完全に閉じた状態で吸飲口部を閉塞する部分である。このストロー抑え部は、少なくともカバー部材を完全に閉じた状態で、吸飲口部を閉塞できるような構成であれば全て含まれる概念のものである。ここで、吸飲口部を閉塞するとは、少なくともストロー孔部分並びに吸飲口部を介して液体飲料が外部へ漏れないように密閉された状態となっていることを言う。
【0031】
吸飲口部にはストロー孔が設けられているが、このストロー孔にはストロー部が挿通されている。従って、ストロー部や、ストロー部と挿通部の隙間などを介して容器本体内の液体飲料は吸飲口部と通じることになる。例えば、カバー部材を閉じた状態でストロー抑え部が吸飲口部を全体的に覆って密閉するように構成すれば、たとえストロー部等から液体飲料が吸飲口部に流入してきても、吸飲口部から外部へは液体飲料が漏れない状態となる。即ち、このようなストロー抑え部も、本発明における吸飲口部を閉塞するように構成されたストロー抑え部となる。
【0032】
あるいは、例えば、吸飲口部のストロー孔に弾性変形が可能な変形部を有するストロー部を挿通しておく。そして、カバー部材を閉じた状態で、ストロー抑え部がストロー部の先端を押し下げるようにする時、吸飲口部ではストロー部の変形部が扁平な「く」の字状に折り曲げられた状態となる。この変形部の折り曲げ状態が、ストロー部内部の連通状態を隔たって、容器本体と外部とを閉塞して液体飲料が外部へ出ることを遮断する。これにより、吸飲口部から液体飲料が漏れることはないので、吸飲口部は閉塞した状態である。
【0033】
この場合の吸飲口部は、少なくとも一部が弾性変形して折れ曲がり可能な変形部を有するストロー部がストロー孔に挿通され、このストロー部は、変形部が折り曲げられた際にストロー部内の連通を遮断する弾性折り曲げ構造を備えるように構成され、ストロー部の先端部がストロー抑え部に当接可能に配置される。
【0034】
そして、カバー部材の完全閉時には、ストロー抑え部がストロー部の先端部を押し下げて変形部を折り曲げることにより、弾性折り曲げ構造がストロー部の内部の連通を遮断して吸飲口部を閉塞するようにする。また、カバー部材を開方向に移動させてストロー抑え部がストロー部の先端部から離れると、弾性変形して折り曲げられたストロー部の変形部が自身の弾性力で折り曲げ状態が解除され、ストロー部の内部の連通状態が維持されるようにする。このように構成されたものも、本発明のストロー抑え部に該当する。
【0035】
別の例では、例えば、ストロー抑え部がストロー部の変形部を折り曲げる変わりに押し潰すようにしてストロー部を閉塞して密閉するように構成されたものも、吸飲口部から液体飲料が漏れない構成となるから本発明のストロー抑え部となる。さらには、ストロー抑え部が、ストロー部の先端部の孔を塞ぐことによってストロー部の内外を閉塞するように構成したものも、同様に、本発明のストロー抑え部に該当する。
【0036】
そして、本発明における飲料容器は、前記カバー部材の回動動作に連動して前記通気孔を開閉する弁体部を備えた通気部材を更に設けて構成される。ここで、本発明における通気部材は、通気孔を開閉する弁体部(通気孔の開閉が可能な部材又は部分)を備え、カバー部材の回動(即ち、カバー部の開閉)動作に連動して通気孔が開閉されるように構成されたものであれば良い。
【0037】
例えば、通気孔に嵌め込むことで閉塞する栓状の部材を弁体部としてカバー部材に適切に取り付け、カバーの回動に連動して栓部材を通気孔に嵌め込んだり引き抜いたりして通気孔を開閉する構造のものも、カバー部材に取り付けられた通気孔を開閉する部分は本発明の通気部材となる。また、板状の部材を弁体部としも良いし、バネなどの弾性部材で弁体部を開方向に付勢して、その付勢力がカバー部材の開方向へも付勢されるように構成してもよい。通気部材は、付勢手段による付勢力でカバー部材の開方向への動くと、それに連動して付勢力で通気孔部が開放される方向へ移動する。
【0038】
このように、弁体部を備えた通気部材は、カバー部材の移動に連動するものであれば、例えば、カバー部材に一体的に設けられたものでも、別に設けて一部を係合させて連動するものでも、あるいは、付勢力でカバー部材に押し付けるようにして、付勢力が生ずる範囲でカバー部材と連動する構成としたものでも、本発明におけるカバー部材に連動する通気部材に含まれる。
【0039】
このようなカバー部材と連動して通気孔を開閉する通気部材を設けたことにより、通気孔の開閉操作が容易となる。即ち、カバー部材を開閉するだけで通気孔を開閉できるから、別途通気孔を開閉する操作が不要となるのし、確実に開閉動作を行うので開け忘れに伴う問題も防止できる。
【0040】
また、飲料容器を長期間使用しているうちに、通気部材は摩耗したり、変形したり、破損したり、故障したりする場合がある。そうすると、通気孔の密閉が十分でなくなり、通気孔から液体飲料が零れてしまう。このような場合に、従来技術のようなカバー部材の回動基部が直接通気孔を開閉する場合には、通気孔の密閉性が低下したときにはカバー部材ごと交換しなければならない。ところが、本発明の如く、通気部材を設けると、通気孔の密閉性が低下しても通気部材だけを交換するだけで良い。よって、交換にかかるコストが従来技術に比べて安価となる。しかも、通気部材を交換するだけで、通気孔の密閉性を良好に保つことができるから、飲料容器を長期間使用できる利点もある。
【0041】
さらに、通気孔の周縁部や弁体部等に弾性部材を利用して、弾性変型の範囲内で通気孔部を押さえて閉じるような構造にしておくことも有効である。弾性変形の範囲内で密閉状態が保持できるので、通気部材が少々摩耗などで擦り減っても弾性変形の範囲内で密閉状態を維持でき、長期間使用が可能となるからである。つまり、カバー部材で直接通気孔を開閉する従来技術のような場合には、回動基部(通気孔を栓する部分)が摩耗すると通気孔の密閉性がそのまま低下するが、弾性変形を利用した通気部材を設けることで通気部材の摩耗を吸収して通気孔の密閉を維持することもできるのである。また、通気部材自身が弾性体からなり、自身を弾性変形させながら通気孔を閉塞するように構成しても同様の効果を得ることができる。
【0042】
さらに、上述のように構成された本発明の飲料容器は、前記カバー部材が少なくとも完全に閉じられた状態では、前記通気部材は前記通気孔を閉じた状態に維持するものであり、前記カバー部材を開方向に回動させて予め定めた角度まで達した状態以降では、前記通気部材が前記通気孔を開いた状態にすることを特徴としている。
【0043】
即ち、カバー部材が少なくとも完全に閉じられた状態では、通気部材が通気孔を閉じた状態に維持するように構成されているから、容器本体に収容された液体飲料が通気孔から零れることはない。また、前述したようにカバー部材が閉じた状態では、ストロー抑え部が吸飲口部を閉塞しているから、この吸飲口部からも液体飲料の漏れはない。よって、本発明によれば、カバー部材が少なくとも完全に閉じられた状態では、液体飲料が飲料容器から零れないから、飲料容器を持ち運ぶ際の取扱いが容易となる。
【0044】
しかも、本発明によれば、カバー部材を開方向に回動させて予め定めた角度まで達した状態以降では、通気部材が通気孔を開いた状態にするように構成されているから、ストローで液体飲料を吸飲する際にはカバー部材を予め定めた角度まで達した状態以降まで回動させておけば、通気孔が開いた通気状態が維持されて、飲料容器内はストロー吸飲しても負圧とならない。よって、液体飲料のストローによる吸飲がスムーズとなる。
【0045】
逆に、カバー部材が完全に閉じられていなくても、カバー部材を所定の通気孔開放角度まで開方向に回動させなければ、通気孔が開いた状態にはなっていない。よって、カバー部材が少々開いた状態でも通気孔から液体飲料が零れることはなく安全である。カバー部材を完全に閉め忘れても液体飲料が零れる心配がない。
【0046】
ここで、本発明では、カバー部材を開方向に回動させて予め定めた角度まで達した状態以降では、通気部材が通気孔を開いた状態にするように構成されているが、これはストロー部からの飲料の吹き出しに伴う問題を防止するための構成である。
【0047】
即ち、カバー部材を完全に閉じた状態では、前述したように、カバー部材のストロー抑え部が吸飲口部を閉塞しており、通気部材が通気孔を閉じた状態としているから、容器本体に収容される液体飲料は密閉状態になっている。よって、例えば、比較的温かい液体飲料が容器本体に収容されている場合、あるいは、閉状態で持ち歩く間に温度が上昇した場合などには、容器本体内の空気が液体飲料の温度によって膨張し空気圧力が上昇する。
【0048】
このとき、容器本体が密閉状態となっている場合は、吸飲口部のストロー孔が内底部近傍まで連続しているので、吸飲口部の閉塞状態が解除されると、内外の圧力差に基づいて内部の液体はストロー部内の流路を通って大気中に噴き出すこととなる。このため、液体飲料を吸飲しようとしてカバー部材を回動すると、吸飲口部の閉塞状態が解除され、吸飲口部のストロー孔に挿通されたストロー部から液体飲料が噴き出して、使用者の顔に掛かったり、服や周囲に飛び散ったりして問題がある。このような問題を防止するためには、吸飲口部の閉塞状態が解除される以前に通気孔が開いた状態となって容器本体内の空気を外部(大気)へ通気して逃がしてやればよい。
【0049】
即ち、カバー部材を回動させ、それと連動する通気孔部分の閉塞状態が開放される位置を予め定めた角度(通気孔開放角度)とすると、吸飲口部からの噴出が問題となる以前の角度状態に前記通気孔開放角度を定めることで、カバー部材を閉状態から徐々に回動させていくと、吸飲口部より先に通気孔開放角度になって内部の圧力緩和され、その後に、吸飲口部が完全解放されるようになるので、内部圧力の上昇に伴う吸飲孔部からの吹き出し自体や、それに伴う問題の発生を防止できるものとなる。
【0050】
また、吸飲孔部から出た飲料がカバー部材に遮られて外部に噴出しない角度に限界角度を定めた場合には、仮にストロー部の先端から噴出しても、それがカバー部材により遮断され、少なくとも外部への噴出による問題、例えば、使用者の顔にかかる等は防止できることとなる。
【0051】
そして、カバー部材を更に回動させて開放し、通気孔開放角度以降になれば(外開放角度より大きく開けば)、通気孔が開いた状態となっているので、実際にストロー部から吸飲する際には、通気孔が開放されているので容器本体内の空気は通気が行われるから、液体飲料の吸飲がスムーズで容易となる。
【0052】
よって、本発明において予め定めた角度とは、このようなストロー部からの液体噴出に伴う問題が生ずる限界の状態、即ち、そのような状態になるようにカバー部材を動かした場合の回動角度を閾値として、それより閉状態に近いカバー部材の角度範囲から任意に定められる。
【0053】
なお、ここで規定している限界角度(閾値)とは、第1に、通気孔を閉じている場合に、カバー部を回動して完全閉状態から動かしたときに、ストロー部から噴出する飲料が外部に飛び出るようになる寸前の状態(外部に出ないギリギリの角度)を限界角度とするものである。例えば、仮に飛び出してもカバー部材などの裏面に当たって、外部には飛びでない状態の角度である。当該第1の限界角度(外部噴出防止の閾値)となる角度状態より閉状態に近い角度範囲の中から通気孔開放角度は任意に選択される。これにより、少なくとカバー部から外部に飲料が噴出して、周囲の使用者等に直接降りかかることは防止できる。
【0054】
さらに、より好ましくは、ストロー部の閉塞状態が解かれる(開放される)状態を限界角度とした場合に、この第2の限界角度(ストロー噴出防止の閾値)となる角度条件より閉状態に近い角度範囲の中から通気孔選択角度が選択される。これにより、ストローからの吹き出し自体が防止され、吸飲口部に飲料が溜まることもなく、吹き出した飲料が周囲にこぼれて汚すこともなくなる。
【0055】
なお、上記の通気孔開放角度は、上記の閾値(限界角度)より小さくて、完全閉状態より大きな角度範囲内にあればよいのであって、具体的に固定されたものでなくても良い。少なくとも、閉状態で吸飲部を閉塞し、前記限界角度に達する前に、通気孔部を開放するように構成されていればよいのである。それによって、内部圧力の上昇に伴う飲料の吹き出しに関する問題は、通気孔の事前開放で減圧され、あるいはカバーなどで大夫に飛び出ないものとして、問題が生じなくなるからである。
【0056】
この予め定められた角度(通気孔開放角度)は、上記のように閾値(又は限界角度)となる角度状態で定まるが、カバー部材のストロー抑え部が吸飲口部を閉塞する構造等によって、それぞれ個別に決定される。即ち、吸飲口部を閉塞する構造等が相違すると、閉塞状態が解除された状態となる閾値やその状態のカバー部材の回動角度が異なるからである。
【0057】
具体的に言うと、ストロー抑え部が吸飲口部を全体的に覆って密閉するように構成されている場合には、前記のストロー噴出防止の閾値(第2の閾値)になるまでに通気孔が開いた状態になっていれば、ストロー部から液体飲料が噴き出ないので、この場合の予め定められた角度(通気孔開放角度)は、カバー部材が閉じた位置から上記の第2の閾値(ストロー抑え部材により吸飲口部の密閉が維持される限界の角度)までの範囲内で任意に定められた回動角度となる。これにより、ストロー部が連通する前に通気孔が開放されて、内部の圧力を事前に逃がすことができる。
【0058】
そして、カバー部材の特にストロー抑え部がストロー部の先端の吸飲部並びにその周辺部分を覆っているような構造であれば、ここを覆っている状態で、液体飲料がストロー部から多少噴き出しても吸飲口部から外部に飛び散らない。従って、このような場合には、ストロー部の先端部を覆うか、そこから吹き出した飲料がカバー部材に当たる限界までの角度を外部噴出防止の閾値(第1の閾値)とすれば、少々吹き出しても実用上は安全であるから、この第1の閾値までの角度範囲内でカバー部材が回動している間に、通気孔部が開放されるように、連動する際の通気孔部開放角度(所定角度)を定めればよい。
【0059】
また、例えば、ストロー抑え部が吸飲口部のストロー孔に挿通されたストロー部の変形部を扁平させて「く」の字状に折り曲げ、この折り曲げ部分が液体飲料をシールして吸飲口部への流入を遮断するように構成されている場合(前述の弾性折り曲げ構造の場合)には、カバー部材が開方向に回動していくと、折り曲げられたストロー部の変形部は徐々に弾性力で元の形状に戻り、液体飲料の流入を遮断していた状態が維持できなくなる。つまり、液体飲料が通過するストロー部の流路が連通する状態となる。
【0060】
よって、変型部が弾性力により回復してストロー部の流路が連通するまでに通気孔が開いた状態になっていないと、ストロー部から液体飲料が噴き出てしまうから、その前に通気孔を開けておくことが必要である。従って、この場合の通気孔開放角度は、カバー部材が閉じた位置からストロー部の折れ曲がり部が徐々に元の形状に戻っていき、ストロー部の流路が連通する寸前までカバー部材が回動した位置(第2の閾値)までの範囲内で任意に定められた回動角度となる。
【0061】
あるいは、前述のストロー部を押し潰すように押圧し、この押し潰された部分で液体飲料の吸飲口部への流入を遮断するように構成されている場合には、ストロー部の押し潰された部分の流路が連通するまでに通気孔を開けた状態にしておけば液体飲料は噴き出ない。よって、この場合の所定角度(通気孔開放角度)は、カバー部材が閉じた位置からストロー部の押し潰された部分の形状が徐々に戻っていき、ストロー部の流路が連通する寸前までカバー部材が回動した位置(限界角度、第2の閾値)の範囲内で任意に定められた角度となる。
【0062】
また、前述したようなストロー抑え部がストロー部の先端部の孔を塞ぐように構成されている場合には、所定角度は、ストロー部の先端部の孔の閉塞が解除される寸前までカバー部材が回動した位置より小さな角度(閉側に近い角度)の範囲内で任意に定めることができる。このような場合には、カバー部材が少しでも開いた状態で、通気孔部を開放する構造とすることが望ましい。カバー部材の回動に伴う限界角度までの猶予が少ないためである。
【0063】
このように構成された本発明の飲料容器によれば、カバー部材を開けてストロー部から液体飲料を吸飲するときに、カバー部材を予め定めた角度まで回動すれば通気孔が開いた状態となっているから、少なくともストロー部から直接吸飲できる状態にまでカバー部材を開けた状態では、液体飲料がいきなり外へ噴き出してくるといった危険がない。従って、特に、比較的温かい液体飲料を容器本体に収容する場合に適した飲料容器となる。
【0064】
別の態様としては、カバー部材が回動して予め定めた角度まで達した位置でカバー部材の回動を簡易的に仮固定するように構成しておく。例えば、カバー部材の回動基部に設けられた回動軸の外周面に突起を設け、回動軸を支える軸受に突起が簡易的に嵌め込まれる程度の穴を開けておき、所定角度までカバー部材が回動したときに突起が穴に嵌って一瞬回動が仮固定されるようにする。このようにすると、一気にカバー部材を開けてしまい、通気孔から空気が十分に逃げて行く前に吸飲口部の閉塞が解除され、ストロー部から液体飲料が噴き出るといった予期せぬ危険をも防止できる利点がある。
【0065】
また、本発明の飲料容器では、吸飲口部にストロー孔が設けられ、このストロー孔にストロー部が挿通される。そして、このように構成された吸飲口部をカバー部材のストロー抑え部が閉塞している。よって、ストロー部で液体飲料を吸飲したい場合には、必ずカバー部材を開けなければならないが、このことは、必ずカバー部材を開けて吸飲することにより、通気孔を開けることを忘れて誤って液体飲料がストロー部から噴き出してしまう危険を確実に回避することができるものとなる。即ち、安全性に非常に優れたものとなるのである。特に、幼児や子供が飲料容器を使用する場合には、この安全性は大いに発揮されるところとなる。
【0066】
本願請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の飲料容器において、前記カバー部材が少なくとも完全に開いた状態で、前記通気部材は前記通気孔を閉じた状態に維持することを特徴とするものである。
【0067】
本発明によれば、カバー部材が少なくとも完全に開いた状態で、通気部材が通気孔を閉じた状態に維持するように構成されているから、カバー部材を完全に開いた状態に保持している限り、容器本体が傾いても液体飲料が通気孔から零れることはない。つまり、仮に、容器本体を傾けた姿勢で液体飲料を吸飲するような場合でも、通気孔から液体飲料が零れないのである。よって、例えば、幼児や子供が寝転んだ状態で液体飲料を吸飲しても、また、誤って飲料容器を倒しても、カバー部材を完全に開いた状態にしておけば通気孔から液体飲料が零れないので、安全である。
【0068】
ここで、本発明に係る飲料容器は、カバー部材が完全に開いた状態にあるときのみ通気部材が通気孔を閉じた状態に維持する構成のものだけでなく、カバー部材が完全に開く手前の状態以降でカバー部材が完全に開いた状態まで通気部材が通気孔を閉じた状態に維持するものであれば良い。カバー部材の実物を実際に回動動作させると、回動動作にいわゆる遊びの範囲が存在するので、少なくともこの遊びの範囲内にカバー部材が位置するときに通気部材が通気孔を閉じた状態となっているほうが、安全確保の点で好ましいためである。
【0069】
尚、このカバー解放時の通気孔を閉じているための角度範囲(例えば、前記の遊びの範囲など)は、飲料容器のカバー他の構造に応じて任意に定まるものであるから、カバー部材が少なくとも完全に開いた状態を含むものであればよい。たとえば、カバー部材がある程度開いた状態で、使用者がストロー部から吸飲することに邪魔にならない位置までカバー部材が移動してれば、その状態より更に回動させて完全に開いた状態になるまでの角度範囲を、通気孔を閉じる状態とする角度範囲としても良い。完全に開くのを忘れたときにも有効であり、例えば、使用者の子供が誤ってカバー部材を動かしても、簡単には通気孔部が開かないようにする為である。
【0070】
なお、ストロー部からの吸飲時には、通気孔部を閉じていても、必ずしも吸飲ができないわけではない。ストロー部を通じて通気もなされるためである。このため、使用中に倒したときにこぼれ出たりすることを防止するためには、カバー部材を開いて、通気孔部を閉じた状態が維持できる様な構造を備えていることが好ましい。使用者は主に幼児なので簡単に容器を倒したりしてしまうので、そのような事態にも飲料の漏れなどを防止するために、有効に対処するためである。
【0071】
本願請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の飲料容器において、前記通気部材は、前記通気孔を開いた状態になる方向へ付勢する付勢手段を更に備えたことを特徴とするものである。本発明によれば、通気部材は、通気孔が開いた状態になる方向へ付勢する付勢手段を備えて構成されているから、原則として解除状態で維持されるものであって、この付勢力に抗した力を受けた状態で、初めて通気孔を閉としている状態となる。
【0072】
より詳細に言うと、カバー部材が少なくとも閉状態の場合には、通気孔部も閉塞された状態であるため、この状態では通気部材は付勢手段の力に抗した力を受けているが、カバー部材を回動させて開けていくと、通気孔部も開状態になるので、その場合には、この付勢手段による力も影響して通気部材を移動させて通気孔部が開放されるものとなる。
【0073】
即ち、カバー部材が予め定められた角度(通気孔開放角度)まで達した以降は、前記付勢手段に抗する力が弱くなるか無くなって、付勢手段の力により通気部材は通気孔部を開放する方向へ移動するものとなる。さらに、カバー部材が少なくとも完全に開いた状態(及びその近傍)となるまで、通気部材が付勢手段により通気孔を常に開いた状態に保持している。
【0074】
そして、カバー部材が少なくとも完全に開いた状態では、前記付勢手段による力に抗する力が再び働いて(あるいは強くなって)、通気孔部は閉じた状態になる。別言すれば、カバー部材を少なくとも完全に開いた状態にしない限り、適当にカバーを開けて液体飲料を吸飲している間は、常に通気孔は開いた状態になっているということになる。
【0075】
このように、本発明によれば、液体飲料を吸飲中に容器本体の内部と外部とが通気孔によって常に連通して通気がなされた状態であるため、容器本体内は吸飲による負圧状態とはならず、よって、スムーズな吸飲が実現できる。しかも、付勢手段によって常時通気孔が開いた状態に保持しているから、通気孔の開いた状態の信頼性が高い。つまり、確実に通気孔を開けた状態にできる。例えば、通気孔と通気部材の当接部とが液体飲料等でベタベタして通気部材とくっつきやすくなっても、付勢手段で通気孔を開状態に確実に移動させると共に、その状態で維持するので、確実に通気孔が開放されるものとなっている。
【0076】
ここで、本発明において付勢手段は、通気孔が開いた状態になる方向に付勢するものであれば全てのものが含まれる。例えば、コイルバネを付勢手段として用い、このコイルバネの弾性力によって通気部材(の少なくとも弁体)を付勢して通気孔が開いた状態に保持されるようにすれば本発明の通気部材が構成される。また、コイルバネの代りに板バネを用いても良い。あるいは、可撓性部材を用いて通気部材が通気孔を開いた状態に保持するように構成することも可能である。さらには、通気部材自体が弾性ゴムなどの弾性体からなり、通気部材自身の弾性力を付勢手段として用いることにより通気孔が開いた状態となるように構成されたものも本発明の通気部材に該当する。
【0077】
なお、本発明における付勢手段の付勢力は、通気部材が通気孔を開いて容器本体の内部と外部との連通が十分確保される程度であれば良く、飲料容器の設計において設計者が適宜決定し得るものである。
【0078】
本願請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の飲料容器において、前記カバー部材は、その回動基部に前記通気部材と当接するカム状構造を備え、前記カム状構造部は、前記カバー部材の回動に伴いカム構造の突出部分が前記通気部材に当接した際に、前記通気部材を前記付勢手段の付勢力に抗する方向に移動させるように構成されていることを特徴とするものである。
【0079】
本発明において回動基部とは、回動軸近傍に形成されたカバー部材の一部分のことである。この回動基部は、通気部材と当接するカム状構造を備えて構成される。カム状構造とは、本発明においては、回動方向に沿って突出部分(山部分)や凹み部分(谷部分)を備えて構成され、カム状構造と当接する部材(本発明では通気部材)を突出部分では離れる方向へ、突出部分以外の部分(凹み部分を含む)では近づく方向に移動させることが可能な機構全てを含むものである。ここで、突出部分とは、カム状構造と当接する部材を離れる方向へ移動させるためにカム機構上他の部分より突き出した部分のことであり、基本位置より突き出た形状は何れのものであっても突出部分となる。
【0080】
本発明では、カバー部材の回動に伴ってカム状構造部も回動する。そしてカム状構造の突出部分が通気部材と当接すると、突出部分が通気部材を回動軸より離れる方向へと移動させる。つまり、突出部分が通気部材を付勢手段の付勢力に抗する方向(通気孔を閉じる方向)へ移動させる。よって、カバー部材を回動させると、回動基部に備えられたカム状構造の突出部分が通気部材を付勢手段の付勢力に抗する方向へ移動させて通気孔を閉じた状態にすることができる。そして、カバー部材の回動に伴って突出部分以外の部分が通気部材と当接すると、通気部材は近づく方向へ移動する。つまり、通気部材は付勢手段の付勢力方向に移動して通気孔が開いた状態となる。このとき、通気部材は付勢手段によって開いた状態に付勢されているから、通気孔の開状態が維持されている。
【0081】
即ち、本発明では、カム状構造の突出部分が通気部材と当接している場合には、付勢手段の付勢力に抗して押し付けて通気孔を閉じ、突出部分以外の部分が通気部材と当接している場合には、付勢手段により回動基部側(付勢手段の付勢力の方向)に通気部材が移動して通気孔の開状態が維持される。よって、本発明ではカム状構造という簡単な構造で通気孔を開閉できるのである。
【0082】
カム状構造は、通気部材を離したり、近づけたりするように移動させることができるものであればどのようなカム機構であっても適用可能であるが、例えば、回動基部の外周面部分に回転方向に沿った部分的な突出部分として突起部を設けるように構成すれば、より簡単な構造が実現できる。
【0083】
即ち、回動基部の外周部に回動方向に沿って突起部を設けた場合、カバー部材の回動に際してこの突起部が通気部材に当接しているときには、この突起部が通気部材を付勢手段の付勢力に抗して押し付け、通気部材が突起部の高さに応じた距離を移動させて、通気孔を閉じることとなる。突起部以外の部分が通気部材を当接しているときには、通気部材が付勢手段の付勢力によって突起部の高さの分だけ付勢力方向に移動し、通気孔が開く。このようにカム状構造を構成すれば、突起部を設けるという簡単な構造でカム状構造とすることができる。
【0084】
この上述例のような突起部を設けたカム状構造であれば、カバー部材を少しでも回動すれば通気部材を駆動(移動)させることができるから、回動基部自体の表面になだらかな突出部分が形成されたようなカム状構造のものに比べて、通気孔の開閉の応答性が迅速になるという利点もある。なお、上述の突起部は通気部材を付勢手段の付勢力に抗して押し付ける(押圧する)ことができるような形状のものであれば何れのものでも良い。例えば、半球状の突起部でも良いし、円柱を軸方向に切断した形状のものであっても用いることができる。
【0085】
本発明において、カム状構造の突出部分(上記例では突起部)は、カバー部材が少なくとも完全に閉じた状態から開方向に回動して予め定められた角度(所定角度)に達するまでの間で通気部材を当接して押し付けることが可能な位置に設けておくのが良い。カバー部材がこの間にあるときに通気孔からの液体飲料の漏れを防止するためである。さらに、カバー部材が少なくとも完全に開いた状態で通気部材を当接して押し付けることが可能な位置にも突出部分(上記例では突起部)を設けておくのが良い。この状態で通気孔からの液体飲料の漏れを防止するためである。
【0086】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。まず、図1〜図4と共に本発明の第一実施形態に係る飲料容器を説明する。尚、図中、図と同一の符号を付した部分は同一物又は相当物を表わしている。
【0087】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る飲料容器は、液体飲料を収容する上部が開放された略円筒状の容器本体1と、その上部開口部に係合して容器本体1の内部を密閉する蓋体4と、この蓋体4の上面に開閉可能に取り付けられた略ドーム型のカバー部材であるカバー8とで主に構成されている。この容器本体1には、液体飲料を吸飲する際に容器本体1の保持を容易とするための湾曲形状の把手13が左右側面部の対面する位置に設けられている。
【0088】
また、図3及び図4に示すように、容器本体1は、上方が全面開口した開口部3を有しており、この開口部3から液体飲料が注がれて容器本体1内に収容される。さらに、この開口部3を覆うように蓋体4が容器本体1と螺合して容器本体1の内部を密閉するようになっている。この蓋体4の上面には蓋の上面部に略平行な方向に軸方向を持つ軸受16が配設されており、この軸受16によってカバー8の回動軸10が軸支される。よって、カバー8を回動軸10回りに回動させるとカバー8の先端部は上下方向に開閉し、ストロー6の吸い口7から液体飲料を吸飲できるようになる。
【0089】
また、蓋体4には通気孔2が設けられており、この通気孔2の開閉をする通気部材5が通気孔2を上方から塞ぐように配置されている。そして、カバー8の回動基部9が通気部材5に当接しており、カバー8の開閉に応じて回動基部の突起12a,12b並びにその他の部分が通気部材5を当接し、通気部材5の付勢手段による移動も伴って通気孔2の開閉を行えるようになっている。
【0090】
次に、各部材の詳細について説明する。蓋体4は、図3において中心から左側に(全体の前方に偏心した位置に)液体飲料を吸飲するストロー部であるストロー6と、それが挿通されるストロー孔15とが配設される。また、ストロー孔15から所定距離を開けて異なる位置(図3においてほぼ中心部)に通気孔2が設けられ、ストロー孔15及び通気孔2と所定距離を開けて異なる位置であって、図3において中心から右側に(全体で後方に偏心した位置に)カバー8の回動軸10を軸支する軸受16が設けられて構成されている。
【0091】
つまり、蓋体4には、ストロー孔15と、通気孔2と、軸受16とが設けられ、これら全てが異なる位置に配置されて構成されている。さらに、これらの位置関係は、図3及び図4に示すようにほぼ中央部の通気孔2を挟んで両側にストロー孔15と軸受16とがそれぞれ配置される関係となっている。また、通気孔2は蓋体4の上面部で軸受16で軸支されたカバー8で覆われた領域内に入るように構成されている。
【0092】
尚、本実施形態に係る通気孔2は、図3及び図4に示すように、孔を有するゴム状の弾性体からなる別体として取り外し可能に蓋体4の通気孔取付部(開口部)に嵌め込まれている。これは、通気孔を洗浄する場合や、摩耗、破損等したときに交換する場合などを考慮したためであるが、蓋体4に孔を設けただけの構造としても良い。
【0093】
また、蓋体4に形成された凹部14’の底面にはストロー孔15が開けられており、ストロー孔15にはストロー部であるストロー6が水密状態を維持して挿通される。このストロー6は、先端部に液体飲料を吸飲するときに口をあてがうのに適した吸い口7が装着され、この吸い口7からストロー孔15部分にかけて折れ曲がりが可能な弾性チューブ材で形成されている。また、ストロー6は、容器本体1の液体飲料を全て吸飲できるように、容器本体1の底部に接することができる程度の長さを有したものとなっている。このストロー孔15を含む凹部14’並びにストロー6及び吸い口7が、本実施形態に係る吸飲口部14を構成している。
【0094】
尚、本実施形態において、ストロー孔15とストロー6との水密状態はストロー6自身の密着によって得られるものであるが、このストロー孔15とストロー6との隙間にシール材(液状パッキンなど)を埋めておくことによっても得ることはできる。また、ストロー孔15への挿通を容易とするために、本実施形態におけるストロー6の材質は、ストロー孔15から容器本体1の底部と接する端部にかけて、上記折り曲げ部分よりやや硬い材質で形成されている。
【0095】
ストロー6は、図3に示すようにカバー8が閉じた状態では、後述するストロー抑え部18が吸い口7を上から下に向かって押し込むように作用して、吸い口7の外周面が凹部14’の内壁部に案内されながら、ストロー6が扁平な「く」の字状に折り曲げられて吸飲口部14の内部に収納される。つまり、この弾性変形可能な部分がストロー6の変形部となっている。そして、図4に示すようにカバー8が開いた状態では、ストロー6は自身の弾性力によって元の形状に戻り、吸い口7の外周面が凹部14’の内壁部に案内されて上方に突出してくるようになっている。つまり、弾性折り曲げ構造を有するストロー6がストロー孔15に挿通され、吸飲口部14に収納されると共に、カバー8を閉じたときにストロー6の先端部に装着された吸い口7をストロー抑え部18が当接するように構成されている。
【0096】
また、通気部材5は板状部材20の下面に付勢手段である板バネ11が取り付けられ、さらに、板状部材20の下面に半球状凸部からなる弁体17が形成されて構成される。この通気部材5は、弁体17が通気孔2の上側に位置するように配置され、通気部材5を上側から下側に向かって押圧すれば弁体17が通気孔2を閉じた状態とし、押圧を解除すれば、弁体17が板バネ11の付勢力によって通気孔2を開けた状態とするようになっている。そして、この通気部材5を押圧する動作は、後述するようにカバー8の回動に連動して行われる。
【0097】
一方、ドーム型のカバー8は、回動軸10が蓋体4の軸受16に軸支されており、この回動軸10回りに回動してカバー8の開閉がなされる構成になっている。そして、このカバー8の頂部が、吸飲口部を閉塞するストロー抑え部18となる。さらに、カバー8の回動軸10の外周部は略円筒状の外形を備えた(軸を中心として断面略円形)の回動基部9が形成されており、この回動基部9に円周方向に沿って異なる位置に設けられた二つの突起12a,12bが、カバー8の回動に伴って通気部材5に当接したときに、通気部材5を押圧することができるように構成されている。即ち、二つの突起12a,12bが本実施形態においてカム状構造の突出部分となるのである。
【0098】
カバー8の頂部に形成されたストロー抑え部18は、カバー8が閉じている状態(図3に示す状態)では、ストロー抑え部18の裏面がストロー6の吸い口7を下側に押し込んで扁平な「く」の字状に折り曲げている。このようにストロー6を折り曲げることによってストロー6の流路が閉塞される。よって、カバー8が閉じた状態で吸飲口部14から外部に液体飲料が漏れない。つまり、本実施形態では、ストロー抑え部18は、ストロー6の先端部(吸い口7)とその周辺部を覆うように配置され、ストロー6を折り曲げることによって閉塞させて液体飲料が外部へ流出しないようにして吸飲口部14を閉塞する形式のものである。
【0099】
次に、通気孔2を開閉する通気部材5の動作について図5〜図10と共に説明する。図5〜図10は、第一実施形態に係る飲料容器において通気部材が通気孔を開閉する動作を説明するための図である。尚、図5〜図10では通気部材5の動作を説明のために、図中の各符号が付された部分の構成は簡略化して模式的に記載している。また、図6〜図9中の二点鎖線は図5に示すカバー8の位置を表わしており、図10中の二点鎖線は図9に示すカバー8の位置を表わしている。
【0100】
図5は、カバー8が完全に閉じた状態を示している。この状態では、ストロー抑え部18がストロー6の一部(変型部)を扁平な「く」の字状に折り曲げ、この曲折部Bでストロー6の流路19を閉塞している。即ち、カバー8が完全に閉じた状態では、曲折部Bの部分でストロー6の流路19の連通を遮断して、吸飲口部14(図3参照)を閉塞状態とし、容器本体1内の液体飲料が曲折部Bでシールされて外部へ漏れないようになっている。
【0101】
この図5の状態では、カバー8の回動基部9に設けられた突起12aが図5中の下向き(板バネ11の付勢力に抗する向き)に通気部材5の板状部材20を押圧している。通気部材5は下側に板バネ11を有しており、その付勢力は通気孔が開放される方向(図中上方)に通気部材5(の弁体17)を押し上げている。そして、この状態では、突起12aが通気部材5に当接して下方に押圧して(押し込むように移動させて)いるので、この押圧力によって板バネ11が自身を収縮する方向に弾性変形しながら弁体17を下方向に移動させて通気孔2を閉じた状態に保持される。従って、容器本体内の空気は通気孔2から外部に逃げることができず、密閉状態が維持される。つまり、カバー8が完全に閉じた状態にあるときは、回動基部9に設けられた突起12aが弁体17を押圧して、強固に通気孔2の閉状態を保持するのである。
【0102】
なお、このカバー8の完全閉状態では、突起12aの頂上よりやや左部分に通気部材5の上面部が当接しているので、付勢手段(板バネ11)からの付勢力は、回動基部を右方向(反時計回り方向)にも働いている。即ち、カバー8の開方向に対して抗する方向にも働いている。従って、この付勢力はカバー部材の完全閉状態を維持するための力としても機能しており、カバー部材の閉状態の簡易ロック機構としても機能している。
【0103】
図6は、カバーを徐々に開けていき、カバー8の先端部を時計回り方向に回動させて上方へ移動させ、角度Aまでカバー8が達した状態を示している。この状態では、ストロー6の曲折部Bが依然として流路19の連通を閉塞しており、ストロー6からの液体飲料の噴き出しはない。そして、この角度Aの状態へ至るまでに回動する際に、通気部材5への押圧力が解除(上方への移動が許容)されるされるように、突起12aの形状や位置が調整されている。
【0104】
つまり、板バネ11自身の付勢力(弾性力)で板状部材20を図6中の上向きに押し上げる(突起12aの側部に低い部分又は突起のない部分へ当接するように移動する)ようになっている。これにより、弁体17も上方へ移動して通気孔2は外部と連通し、空気が外部へと導かれて通気が行われる。
【0105】
つまり、この実施例では、カバー8の回転角度状態が角度Aのときに、カバー8の回動動作に連動して通気部材5の弁体17が通気孔2を開けて通気を行うので、この角度Aが通気孔開放角度ということになる。即ち、この通気孔開放となる角度Aが本実施形態における予め定めた角度となるのである。そして、板バネ11自身の弾性力が通気孔2を開いた状態に保持するように弁体17を付勢しているので、確実な通気が確保される。尚、本実施形態における通気開放角度A(予め定められた角度)は、後述する第1の閾値A1及び第2の閾値A2よりも小さい角度となっている。
【0106】
さらにカバー8を開けていくと図7に示す状態となる。この状態は、ストロー6の曲折部Bの閉塞が解除されるギリギリの位置を示している。この状態となる迄に通気孔2が開放されていればストロー6からの液体飲料の噴き出しを防止できるから、図7に示す状態までカバー8が回動した角度が第2の閾値A2となる。この実施形態では、通気孔開放角度(予め定められた角度)である角度Aは、第2の閾値(角度)A2より閉状態に近い角度範囲内で定められている。
【0107】
さらにカバー8を開けていくと図8に示す状態となる。この状態では、ストロー6の曲折部Bの閉塞が解除されている。よって、この状態で通気孔2が開いていないとストロー6の吸い口7から液体飲料が多少噴き出すことになる。しかし、図8に示すように、液体飲料はストロー抑え部18に遮られて外部へ飛び散らないように構成されており、この状態で通気孔2を開放すれば、少なくとも外部の使用者に液体飲料が飛び散る危険を防止できる。即ち、図8に示す状態までカバー8が回動した角度が第1の閾値A1である。よって、通気孔開放角度(予め定めた角度)Aは、第1の閾値(角度)A1以内で任意に定めることもできる。
【0108】
引き続きカバー8を開けていくと、図9の状態となる。この図9はカバー8が完全に閉じる手前の状態を示している。この状態で、カバー8の回動基部9に設けられた突起12bが通気部材5を押圧して弁体17を下方向に移動させて通気孔2を閉じた状態となるように突起12bが調整されている。
【0109】
さらにカバー8を開けて行くと完全に開いた状態となる。この状態が図10である。図10では完全にカバー8が開いた状態であり、カバー8の突起12bが通気部材を完全に押圧して通気孔2を閉じる。ここで、図9に示す状態から図10に示す状態までカバー8が回動する角度A3は、カバー8の回動の遊び角度となる。つまり、本実施形態では、この遊び角度A3の範囲で通気孔2が閉じた状態となっている。
【0110】
なお、このカバー8の完全開の状態では、突起12aの頂上よりやや右部分に通気部材5の上面部が当接しているので、付勢手段(板バネ11)からの付勢力は、回動基部を左方向(時計回り方向)にも働いている。即ち、カバー8の閉方向に対して抗する方向にも働いている。従って、この付勢力はカバー部材の完全開状態を維持するための力としても機能しており、カバー部材の開状態の簡易ロック機構としても機能している。
【0111】
このように、図1〜図10に示す構成の本実施形態に係る飲料容器によれば、通気孔2がカバー8の回動基部9や蓋部の軸受部とは異なる位置にあるから、これらの回動構造部(回動基部9の突起12a,12bや軸受け部分等)にゴミや埃が溜まっても通気孔2には入り込まない。よって、通気孔2を清潔に保つことができる。また、回動基部9の回動によってゴミや埃が通気孔2に運ばれてきて、通気孔2が詰まったり、通気孔2から容器本体1に落下するといった不衛生な事態はなくなる。
【0112】
加えて、通気孔2が、カバー8で上部が覆われる蓋体の領域の内側部分に設けられているので、少なくともカバー8を閉じているときにゴミや埃が通気孔部分に入り込むのを防ぐことができ、いつも清潔な通気孔2を維持できる利点もある。
【0113】
また、通気孔2を開閉する通気部材5が摩耗や損傷等したときには、カバー8を取り外すことなく簡単に通気部材5のみを交換することができるので、メンテナンスが容易であるし、カバー全体を交換する従来例に比べて、修理に要する費用も格段に安くなるし、行程も容易である。
【0114】
さらに、図5〜図10に示すように、本実施形態に係る飲料容器は、カバーを閉じたときにはストロー6が閉塞されており、通気孔2も閉じているから飲料容器が倒れたり、傾いたりしても液体飲料が零れることはない。ストロー6から液体飲料を吸飲しようとしてカバー8を開けても、通気孔開放角度Aまでカバー8を開けたときに通気孔2が開いた状態(図6)となって容器本体1の内部の空気が通気孔2から外部へ逃がされる。よって、通気孔開放角度Aよりさらにカバー8を開けてストロー6の吸い口7から液体飲料を吸飲しようとしたときに使用者の顔などに液体飲料が飛び散る心配がない。しかも、通気部材5は板バネ11の弾性力で通気孔2を開いた状態に保持しているから、液体飲料の吸飲がスムーズとなる。また、たとえ通気孔2がベタベタしていても、板バネ11の弾性力(付勢力)で強制的に開くので、確実に通気孔2が開いた状態となって通気を確保できる。
【0115】
そして、カバー8を少なくとも完全に開いた状態(図9及び図10)では、通気孔2は閉じた状態となっているから、容器本体1を傾けても通気孔2から液体飲料が零れることがない。特に、幼児や子供が寝転んだりして液体飲料を吸飲しても零れる心配がなく安全である。しかも、遊び角度A3の範囲で通気孔2を閉じるようにしているので、カバー8が完全に開いた状態となっていなくても液体飲料が通気孔2から零れずに安全である。
【0116】
次に、本発明の第二実施形態に係る飲料容器について説明する。図11(a)〜(c)は、第二実施形態に係る飲料容器において弁体が通気孔を開閉する動作を説明するための図である。図11(a)〜(c)に示すように、第二実施形態に係る飲料容器は、通気部材605を第一実施形態と異なる構成とした点に特徴を有するものであるが、その他の構成は基本的に同等であるためここでの説明は省略する。
【0117】
本実施形態では、カバー608の回動基部609が蓋部の軸受け部610に軸支されて回動可能に構成されている。そして、通気部材605は、板状部材620の一端に断面略円形の(略円筒形外面部を持つ)通気回動基部621が形成され、この通気回動基部621に半球状突起からなる二つの弁体617a,617bを回転方向に沿った異なる予め定めた位置に設けている。
【0118】
さらに、付勢手段であるコイルバネ611が図6において時計回り方向に板状部材620を回転させるように付勢しており、カバー部材による係合がなければ、このコイルバネ611の付勢力によって通気部材605は通気回動軸622回りに回動するようになっている。この通気部材605の回動動作中において、半球状突起部からなる弁体617a,617bが通気孔602に嵌め込まれるときに通気孔602は閉じた状態となるのである。
【0119】
そして、図6(a)に示すように、カバー608が完全に閉じた状態にあるときには、カバー608が通気部材605(の板状部材620)を図中下方向(反時計回り方向)に押圧する。この状態で、通気部材605は通気回動軸622回りに回動して、弁体617aが通気孔602と一致するように配置構成されており、通気孔部を閉状態に保持するものとなる。つまり、カバー608の回動動作(閉動作)に連動して通気部材605の弁体617aが通気孔602を閉じた状態にする。
【0120】
次に、図6(b)に示すようにカバー608を通気孔開放角度(予め定めた角度)A’まで開けると、通気部材605はコイルバネ611によって、図中の時計回り方向に付勢されているから、この付勢力によってカバー608の開動作に連動して(カバー608の開方向への回転を助けるように連動して)、弁体617aが時計回りに回動し、通気孔602の位置からずれていって、通気孔部の閉塞が解除される。よって、容器本体内の空気が外部へ連通して通気が確実に行われる。
【0121】
そして、図6(c)に示すようにカバー608を通気開放角度以降の位置へ開けていくと、通気部材605がコイルバネ611によって付勢されてカバー608に連動して回動していき、やがて弁体617bが通気孔602に一致する位置まで来ると、そこに嵌め込まれて通気孔部を閉じる。これにより、少なくとカバー608が完全開状態にある時は、通気孔部が閉じられて、ここから飲料が漏れることはない。
【0122】
なお、この第二実施形態では、カバー608が完全開状態になる前に、通気部材605との連動が解かれているが、全ての移動状態で連動するものでなくても本発明該当する。即ち、完全開状態を含んだ所定の角度範囲で、通気孔部を閉状態に維持できているし、完全閉状態から通気孔部分を開放する迄の動作でも連動していればよいのであって、必ずしも、全ての角度範囲で連動する必要はない。
【0123】
そして、この第二実施形態においても、通気孔部はカバー608の回動基部609並びにその軸受け部610とは異なる位置に配置構成されているので、外部に露出した回動基部609や軸受け部610部分に溜まったゴミや埃などが通気孔602に入りにくく、衛生上の問題も生じにくい。さらに、この実施形態でも、通気孔602は、カバー608で蓋の上面部が覆われる領域内に配置構成されているので、少なくともカバー608を閉じた状態では、ゴミや埃が入りにくい利点もあるし、その他の前述した第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0124】
尚、本発明の飲料容器は、上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0125】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明に係る飲料容器によれば、通気孔を清潔で衛生的に保つことができるという優れた効果を奏する。加えて、メンテナンスが容易である上、メンテナンスコストを低く抑えることができる。また、ストローから液体飲料が噴き出すことがなく、安全に吸飲できる。特に、比較的温かい液体飲料を収容する場合には一層効果を発揮するものとなる。さらに、飲料容器を傾けても通気孔から液体飲料が零れることがなく安全である。加えて、液体飲料の吸飲がスムーズに行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る飲料容器の正面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る飲料容器の側面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る飲料容器のA−A’断面を示す説明図である。
【図4】図3に示す飲料容器のカバーを開けた状態の縦断面を示す説明図である。
【図5】本発明の第一実施形態に係る飲料容器において弁体が通気孔を開閉する動作を説明するための図である。
【図6】本発明の第一実施形態に係る飲料容器において弁体が通気孔を開閉する動作を説明するための図である。
【図7】本発明の第一実施形態に係る飲料容器において弁体が通気孔を開閉する動作を説明するための図である。
【図8】本発明の第一実施形態に係る飲料容器において弁体が通気孔を開閉する動作を説明するための図である。
【図9】本発明の第一実施形態に係る飲料容器において弁体が通気孔を開閉する動作を説明するための図である。
【図10】本発明の第一実施形態に係る飲料容器において弁体が通気孔を開閉する動作を説明するための図である。
【図11】本発明の第二実施形態に係る飲料容器において弁体が通気孔を開閉する動作を説明するための図である。
【符号の説明】
1:容器本体
2,602:通気孔
3:開口部
4:蓋体
5,605:通気部材
6:ストロー
7:吸い口
8,608:カバー
9,609:回動基部
10,610:軸
11,611:板バネ
12a,12b:突起
14:吸飲口部
14’:凹部
15:ストロー孔
16:軸受
17,617a,617b:弁体
18:ストロー抑え部
A,A’:通気孔開放角度(予め定められた角度)
A1:第1の閾値
A2:第2の閾値
A3:遊び角度
B:曲折部
【発明の属する技術分野】
本発明は、ストロー付きの飲料容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、上方が開口した容器に液体飲料を収容し、その容器の開口部を覆う蓋と、その蓋に挿通されたストローと、それを収納するカバーとを備えた容器であって、カバーを開けてストローの吸い口から液体飲料を吸飲する形式の飲料容器は様々なものが提案されている。このような形式の飲料容器は、ストローから液体飲料を吸飲する際に、容器内の空気が負圧状態となってスムーズな吸飲が行えなくなること防止するために、蓋に通気孔を設け、容器本体内の空気を外部(外気)と連通して通気できるように構成したものが一般的である。
【0003】
このような通気孔を設けて構成される飲料容器は、容器が倒れたり傾いたりした時に容器内の液体飲料が通気孔から零れるおそれがある。そのために、通気孔を塞ぐ栓部材を備えた飲料容器が従来から様々提案されており、例えば、通気孔を塞ぐ取り外し可能なキャップを別個に設けたものがある。しかし、比較的温かい液体飲料(例えば、温かいコーヒー、お茶、ミルクなど)を容器内に収容した場合には、通気孔を閉じていると容器内の空気が液体飲料の温度によって膨張して容器内の空気圧力が上昇(昇圧)し、カバーを開けてストローを取り出した際に昇圧された空気に押し出されて液体飲料がストローの吸い口から噴き出てしまい、それが飲もうとする人の顔や服に飛び散るという問題が生ずる。
【0004】
このような問題を防止するための手段として、ストローを取り出す前に通気孔を開閉できる手段を蓋に備えた技術が提案されている。例えば、回動又はスライド可能な部材を蓋に別体として設け、この部材で通気孔を開閉できるような構成にし、カバーを開ける前に通気孔を開放するものなどがある。しかし、通気孔をいちいち個別に操作して開閉するのは面倒であること、通気孔の開閉を忘れる場合があること等があるので、カバーの開閉に連動してカバーの回動基部が直接通気孔を開閉するようにした技術も提案されている(例えば、特開2001−39458号公報)。
【0005】
即ち、上記従来の技術では、通気孔から液体飲料が零れるのを防止することは可能であるが、通気孔を塞ぐキャップを別個に設けたり、回動又はスライド可能な部材を蓋体に別体として設けたりした場合では、通気孔を個別に操作して開けない限り通気がされないため、液体飲料をスムーズに吸飲するためには、吸飲するたびにストローの準備の他に通気孔を開ける必要があり面倒であった。逆に、通気孔を開けるのを忘れたりすると、吸飲中に容器本体内が負圧となりスムーズな吸飲が行えないという問題があった。さらに、比較的温かい液体飲料を容器本体に収容しておく場合に、通気孔を開けることをせずにストローを取り出すとストローから液体飲料が噴き出してくるため、液体飲料が噴き出す危険を確実に回避できるものではなかった。
【0006】
この点、カバーの回動基部の回動に伴って回動基部が通気孔を直接開閉する形式の従来技術では、通気孔を個別に操作する必要がないので便利である。しかも、カバーを回動するだけで、通気孔が開くので、通気孔を開け忘れることがないから、スムーズな吸飲ができ、ストローからの液体飲料の噴き出しを確実に防止できるといった利点はある。
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、このような従来例では、回動基部が直接通気孔を開閉する構造であるため、回動基部が摩耗すると通気孔の閉状態の密閉性が低下し、通気孔から液体飲料が漏れるおそれがあった。しかも、回動基部が摩耗した場合にはカバーごと交換する必要があり、メンテナンスが面倒であった。
【0008】
また、カバーの回動基部によって通気孔の開閉を行う構造では、回動基部に隣接した位置(回動基部の直下位置またはその近傍位置)に通気孔を設けておき、カバーの回動によって回動基部が通気孔を開閉するようにしておく必要があるため、通気孔を洗浄する際にカバーの回動基部が邪魔となり、通気孔を十分に洗浄できなかった。
【0009】
しかも、回動基部で通気孔を開閉する場合には、この回動基部の構造部分(軸受けその他の構造の凹凸部など)が存在するが、この構造部(凹凸部)が通気孔の洗浄をより一層困難なものとする。そのため、通気孔を清潔にできず、衛生上の問題となっていた。
【0010】
さらに、このような回動基部は外部に露出して凹凸部が存在するので、その部分にゴミや埃等が溜まり易い欠点がある。このような凹凸部分はカバーの回動基部が接しながら動く部分でもあるので、通気孔部分に、溜まったゴミや埃が入り込み易い。このため、通気孔付近にゴミや埃が付着してしまうが、上述したように通気孔の洗浄を十分に行えないため、衛生上の問題はますます深刻なものになっていた。
【0011】
また、通気孔付近にゴミや埃が付着することにより、通気孔が詰まってしまい、通気孔としての十分な機能が発揮されなくなる場合も生じる。即ち、通気がなされない事態が起こってしまうという問題もあった。加えて、通気孔付近に付着したゴミや埃がカバーの回動によって通気孔内に入り込み、容器本体内に落下し、液体飲料を汚染するといった問題にまで発展し兼ねないため、衛生上の問題が極めて深刻なものとなっていた。
【0012】
本発明は、斯かる実情に鑑み、通気孔の洗浄が容易で衛生的な飲料容器を提供することを目的とする。さらに、本発明の目的は、通気孔にゴミが入り難く衛生的な飲料容器を提供することにある。加えて、メンテナンスが容易な飲料容器を提供することも目的とする。
【0013】
また、液体飲料を吸飲する際にストロー(の吸い口)から液体飲料が噴き出ない飲料容器を提供することも本発明の別の目的である。さらに、飲料容器が倒れても液体飲料が零れない飲料容器を提供することを目的とする。加えて、液体飲料をスムーズに吸飲できる飲料容器を提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明によれば、開口部を備えた液体飲料を収容する容器本体と、該容器本体の開口部を覆って該容器本体内部を密閉するための蓋体と、該蓋体の上面に取り付けられるカバー部材とを備え、前記蓋体は、液体飲料を吸飲するストロー部が挿通されるストロー孔が設けられた吸飲口部と、前記ストロー孔とは異なる位置に設けた通気孔と、を有し、
前記カバー部材は、前記蓋体の上部で前記ストロー孔及び前記通気孔とは所定の距離を開けた異なる位置に回動軸によって回動可能に取り付けられ、該回動軸回りに回動することによって開閉するものであり、少なくとも前記カバー部材を完全に閉じた状態において、前記吸飲口部を閉塞するように構成されたストロー抑え部を備えており、
前記カバー部材の回動動作に連動して前記通気孔を開閉する弁体部を備えた通気部材を更に設け、
前記カバー部材を少なくとも完全に閉じた状態では、前記通気部材が前記通気孔を閉じた状態に維持すると共に、前記カバー部材を開方向に回動させて予め定めた角度まで達した状態以降では、前記通気部材が前記通気孔を開いた状態に維持するものである、ことを特徴とする飲料容器を提供する。
【0015】
本発明における容器本体とは、少なくとも開口部を備えており、この容器内に液体飲料を収容できるものであれば全て含まれるものであり、容器の外形はいかなるものであってもよい。つまり、筒状外形であっても、凹凸を有する形状であっても、あるいは、把手等を設けたものでも、全て本発明における本体容器に該当する。また、容器本体の開口した部分は主に液体飲料を容器内に注ぐ注水口となる部分であるから、上方が全部開口した形状ばかりでなく、例えば容器本体の上方の一部が開口していてもよい。しかも、この開口部から液体飲料を容器内に注ぐことができる程度の大きさの開口部であればどのような形状であっても開口部を有する容器本体に含まれるものである。
【0016】
また、本発明における蓋体は、容器本体内部を密閉して液体飲料を閉じ込めておくことが可能な構造であって、容器本体の開口部を覆うことができるもの全てを含む概念のものである。例えば、容器本体の開口部にO−リングと共に螺合して容器本体を密閉して液体飲料が外部に零れないようにした構造のものなどがある。
【0017】
そして、本発明の蓋体は、液体飲料を吸飲するストロー部が挿通されるストロー孔が設けられた吸飲口部と、前記ストロー孔とは異なる位置に設けた通気孔(容器本体の内部と外部とが連通する孔)とを有するものである。
【0018】
ここで、ストロー部とは、折れ曲がりのないストレートな筒状構造のものばかりでなく、ストローの吸い口部、折れ曲がりが可能な変形部などを含んで複数の部材から構成されるものも含む広義の概念のものである。つまり、容器内部の液体飲料を吸飲する際に、外部の吸い口部分から内底部近傍位置まで、ストロー部の筒状構造部の連通が確保される構成のものであれば全て本発明におけるストロー部となる。
【0019】
また、吸飲口部とは、液体飲料を吸飲するストロー部が挿通されるストロー孔を含んで構成される蓋体の部分(領域、空間)を表わす概念のものである。例えば、平坦形状の蓋体にストロー孔を設けた場合には、このストロー孔を含むストロー孔周辺の部分が本発明において吸飲口部となる。また、蓋体に凹部を形成し、この凹部の底面部にストロー孔を設けるように構成すれば、ストロー孔を含んで構成されたこの凹部は本発明の吸飲口部に該当する。あるいは、蓋体に凸部を形成し、この凸部の頂部にストロー孔を設けるように構成しても、この凸部は本発明の吸飲口部に該当するものとなる。
【0020】
なお、吸飲口部に設けられたストロー孔にはストロー部が挿通されるが、ストロー孔にストロー部自体が挿通された構成のものばかりでなく、ストロー部に連結した部材がストロー孔に挿通された構成のものや、ストロー孔とその近傍の部材にストロー部が連結されていて、ストロー孔の内部がストロー部の一部を構成するようなものであっても良い。ストロー部の全体の連通が確保されていれば、液体飲料を吸飲できるからである。
【0021】
また、本発明におけるカバー部材は、前記蓋体の上部に設けられたものであって、前記ストロー孔及び前記通気孔とは異なる位置であって、これらとは所定の距離を開けた位置に、回動可能な状態で取り付けられたものであり、その回動軸回りにカバー部材を回動することによって開閉するように構成されたものである。そして、このカバー部材を開閉する際に、少なくとも完全に閉じた状態において、前記吸飲口部を閉塞するように構成されたストロー抑え部(後述)を備えているものであれば、全て本発明のカバー部材に該当する。
【0022】
より詳細に説明すると、本発明のカバー部材は、まず、蓋体に回動可能に取り付けられるものであって、所定の回動軸回りに回動することによってカバー部材が開閉するように構成されたものである。即ち、回動可能に蓋体に取り付けられ、回動の中心である回動軸回りに回動する構造のものは全て本発明のカバー部材に含まれるのである。なお、このカバー部材の開状態は、ストロー部での吸飲が可能な状態になるように、カバー部材が回動して移動した状態になる。
【0023】
一例として、カバー部材の根元部に回動軸が一体的に形成された構成では、この回動軸を、蓋体に設けた軸受け部で軸支してカバー部材が、この回動軸回りに回動して上下方向に開閉するものが挙げられる。また、蓋体上面に平行な向きの回動軸部分を設け、この回動軸にカバー部材が係合して上下方向に回動可能となっているものも、本発明のカバー部材となる。
【0024】
あるいは、ストロー抑え部(後述)をアーム部材の一端側に保持するように構成し、このアーム部の他端側に回動軸(蓋体上面に平行な軸)を設けて蓋体に対して回動可能に取り付け、このストロー抑え部がアーム部と共に回動軸回りに上下方向に回動するように構成されたものも本発明のカバー部材に該当する。また、垂直軸回りに回動して左右方向にカバー部材が開閉するように構成されたものも本発明のカバー部材の概念に含まれるものである。
【0025】
要するに、ストロー抑え部を備えており、蓋体に回動可能に取り付けられるものであって、回動軸回りに回動して開閉する構成のものであれば、何れの形状、構造であっても本発明におけるカバー部材に含まれるものであり、回動軸自体は、カバー部材が備えているか蓋側に設けられている否かは問わない。
【0026】
さらに、本発明のカバー部材は、ストロー孔及び通気孔とは所定の距離を開けた異なる位置に回動可能に取り付けられ、カバー部材を閉じた状態でストロー抑え部によって吸飲口部を閉塞するように構成されるものである。カバー部材は回動することによってストロー抑え部(後述)が吸飲口部を閉塞したり、通気部材(後述)を介して通気孔を開閉したりするように連動するものであるため、この構成上、本発明においては、吸飲口部に設けられたストロー孔や、通気孔とは異なる位置で所定の距離を開けて回動可能に設けている。ここで、所定の距離とは、ストロー孔や通気孔が開けられた位置に応じて設計上好適となるように任意に定められた距離のことである。つまり、本発明の飲料容器を設計する段階で適宜定めることができる距離である。
【0027】
このように本発明では、カバー部材が通気孔とは異なる位置に取り付けられているから、通気孔のメンテナンスが容易となる。より具体的に言うと、カバー部材の回動基部で通気孔を直接開閉する従来技術では、そこにゴミや埃などが溜まり易いうえに、回動動作に伴ってゴミ等が動いて通気孔がゴミで詰まったり、あるいは、ゴミが通気孔の中に入ってしまい、さらには内部に落ち込んでしまう問題がある。さらに、通気孔をきれいに洗浄しようとしても、カバー部材の回動基部が邪魔となって洗い難い。
【0028】
しかしながら、本発明のようにカバー部材が、蓋の通気孔を設けた部分とは異なる位置に取り付けられているから、通気孔を洗う場合にもカバー部材(の回動基部)が邪魔にならず、簡単に洗浄できるので、清潔に保つことができるのである。しかも、カバー部材を回動させても、通気孔が異なる位置にあるから、ゴミ等が動いて通気孔を詰まらせたり、通気孔の中にゴミが入ったりすることはなく、衛生的に非常に優れたものとなる。また、通気孔を洗浄、補修、又は交換したい場合にも同様にカバー部材が邪魔になることはなく、通気部材や通気孔部分を修理などすればよいので、メンテナンスが容易となる。
【0029】
なお、本発明においてカバー部材の取り付け位置はストロー孔及び通気孔と異なる位置であれば、どのような位置関係であっても良いが、蓋体の上部をカバー部材が覆う領域内に通気孔が形成されているのが望ましい。カバー部材の内側(カバー部材で覆われる位置)に通気孔を設けることで、少なくともカバー部を閉じた状態では、通気孔部分にゴミや埃を寄せ付けず、より清潔に保つことができるからである。このことは、通気孔がゴミなどで詰まることを防止するのにも役立つ。
【0030】
カバー部材のストロー抑え部は、少なくともカバー部材を完全に閉じた状態で吸飲口部を閉塞する部分である。このストロー抑え部は、少なくともカバー部材を完全に閉じた状態で、吸飲口部を閉塞できるような構成であれば全て含まれる概念のものである。ここで、吸飲口部を閉塞するとは、少なくともストロー孔部分並びに吸飲口部を介して液体飲料が外部へ漏れないように密閉された状態となっていることを言う。
【0031】
吸飲口部にはストロー孔が設けられているが、このストロー孔にはストロー部が挿通されている。従って、ストロー部や、ストロー部と挿通部の隙間などを介して容器本体内の液体飲料は吸飲口部と通じることになる。例えば、カバー部材を閉じた状態でストロー抑え部が吸飲口部を全体的に覆って密閉するように構成すれば、たとえストロー部等から液体飲料が吸飲口部に流入してきても、吸飲口部から外部へは液体飲料が漏れない状態となる。即ち、このようなストロー抑え部も、本発明における吸飲口部を閉塞するように構成されたストロー抑え部となる。
【0032】
あるいは、例えば、吸飲口部のストロー孔に弾性変形が可能な変形部を有するストロー部を挿通しておく。そして、カバー部材を閉じた状態で、ストロー抑え部がストロー部の先端を押し下げるようにする時、吸飲口部ではストロー部の変形部が扁平な「く」の字状に折り曲げられた状態となる。この変形部の折り曲げ状態が、ストロー部内部の連通状態を隔たって、容器本体と外部とを閉塞して液体飲料が外部へ出ることを遮断する。これにより、吸飲口部から液体飲料が漏れることはないので、吸飲口部は閉塞した状態である。
【0033】
この場合の吸飲口部は、少なくとも一部が弾性変形して折れ曲がり可能な変形部を有するストロー部がストロー孔に挿通され、このストロー部は、変形部が折り曲げられた際にストロー部内の連通を遮断する弾性折り曲げ構造を備えるように構成され、ストロー部の先端部がストロー抑え部に当接可能に配置される。
【0034】
そして、カバー部材の完全閉時には、ストロー抑え部がストロー部の先端部を押し下げて変形部を折り曲げることにより、弾性折り曲げ構造がストロー部の内部の連通を遮断して吸飲口部を閉塞するようにする。また、カバー部材を開方向に移動させてストロー抑え部がストロー部の先端部から離れると、弾性変形して折り曲げられたストロー部の変形部が自身の弾性力で折り曲げ状態が解除され、ストロー部の内部の連通状態が維持されるようにする。このように構成されたものも、本発明のストロー抑え部に該当する。
【0035】
別の例では、例えば、ストロー抑え部がストロー部の変形部を折り曲げる変わりに押し潰すようにしてストロー部を閉塞して密閉するように構成されたものも、吸飲口部から液体飲料が漏れない構成となるから本発明のストロー抑え部となる。さらには、ストロー抑え部が、ストロー部の先端部の孔を塞ぐことによってストロー部の内外を閉塞するように構成したものも、同様に、本発明のストロー抑え部に該当する。
【0036】
そして、本発明における飲料容器は、前記カバー部材の回動動作に連動して前記通気孔を開閉する弁体部を備えた通気部材を更に設けて構成される。ここで、本発明における通気部材は、通気孔を開閉する弁体部(通気孔の開閉が可能な部材又は部分)を備え、カバー部材の回動(即ち、カバー部の開閉)動作に連動して通気孔が開閉されるように構成されたものであれば良い。
【0037】
例えば、通気孔に嵌め込むことで閉塞する栓状の部材を弁体部としてカバー部材に適切に取り付け、カバーの回動に連動して栓部材を通気孔に嵌め込んだり引き抜いたりして通気孔を開閉する構造のものも、カバー部材に取り付けられた通気孔を開閉する部分は本発明の通気部材となる。また、板状の部材を弁体部としも良いし、バネなどの弾性部材で弁体部を開方向に付勢して、その付勢力がカバー部材の開方向へも付勢されるように構成してもよい。通気部材は、付勢手段による付勢力でカバー部材の開方向への動くと、それに連動して付勢力で通気孔部が開放される方向へ移動する。
【0038】
このように、弁体部を備えた通気部材は、カバー部材の移動に連動するものであれば、例えば、カバー部材に一体的に設けられたものでも、別に設けて一部を係合させて連動するものでも、あるいは、付勢力でカバー部材に押し付けるようにして、付勢力が生ずる範囲でカバー部材と連動する構成としたものでも、本発明におけるカバー部材に連動する通気部材に含まれる。
【0039】
このようなカバー部材と連動して通気孔を開閉する通気部材を設けたことにより、通気孔の開閉操作が容易となる。即ち、カバー部材を開閉するだけで通気孔を開閉できるから、別途通気孔を開閉する操作が不要となるのし、確実に開閉動作を行うので開け忘れに伴う問題も防止できる。
【0040】
また、飲料容器を長期間使用しているうちに、通気部材は摩耗したり、変形したり、破損したり、故障したりする場合がある。そうすると、通気孔の密閉が十分でなくなり、通気孔から液体飲料が零れてしまう。このような場合に、従来技術のようなカバー部材の回動基部が直接通気孔を開閉する場合には、通気孔の密閉性が低下したときにはカバー部材ごと交換しなければならない。ところが、本発明の如く、通気部材を設けると、通気孔の密閉性が低下しても通気部材だけを交換するだけで良い。よって、交換にかかるコストが従来技術に比べて安価となる。しかも、通気部材を交換するだけで、通気孔の密閉性を良好に保つことができるから、飲料容器を長期間使用できる利点もある。
【0041】
さらに、通気孔の周縁部や弁体部等に弾性部材を利用して、弾性変型の範囲内で通気孔部を押さえて閉じるような構造にしておくことも有効である。弾性変形の範囲内で密閉状態が保持できるので、通気部材が少々摩耗などで擦り減っても弾性変形の範囲内で密閉状態を維持でき、長期間使用が可能となるからである。つまり、カバー部材で直接通気孔を開閉する従来技術のような場合には、回動基部(通気孔を栓する部分)が摩耗すると通気孔の密閉性がそのまま低下するが、弾性変形を利用した通気部材を設けることで通気部材の摩耗を吸収して通気孔の密閉を維持することもできるのである。また、通気部材自身が弾性体からなり、自身を弾性変形させながら通気孔を閉塞するように構成しても同様の効果を得ることができる。
【0042】
さらに、上述のように構成された本発明の飲料容器は、前記カバー部材が少なくとも完全に閉じられた状態では、前記通気部材は前記通気孔を閉じた状態に維持するものであり、前記カバー部材を開方向に回動させて予め定めた角度まで達した状態以降では、前記通気部材が前記通気孔を開いた状態にすることを特徴としている。
【0043】
即ち、カバー部材が少なくとも完全に閉じられた状態では、通気部材が通気孔を閉じた状態に維持するように構成されているから、容器本体に収容された液体飲料が通気孔から零れることはない。また、前述したようにカバー部材が閉じた状態では、ストロー抑え部が吸飲口部を閉塞しているから、この吸飲口部からも液体飲料の漏れはない。よって、本発明によれば、カバー部材が少なくとも完全に閉じられた状態では、液体飲料が飲料容器から零れないから、飲料容器を持ち運ぶ際の取扱いが容易となる。
【0044】
しかも、本発明によれば、カバー部材を開方向に回動させて予め定めた角度まで達した状態以降では、通気部材が通気孔を開いた状態にするように構成されているから、ストローで液体飲料を吸飲する際にはカバー部材を予め定めた角度まで達した状態以降まで回動させておけば、通気孔が開いた通気状態が維持されて、飲料容器内はストロー吸飲しても負圧とならない。よって、液体飲料のストローによる吸飲がスムーズとなる。
【0045】
逆に、カバー部材が完全に閉じられていなくても、カバー部材を所定の通気孔開放角度まで開方向に回動させなければ、通気孔が開いた状態にはなっていない。よって、カバー部材が少々開いた状態でも通気孔から液体飲料が零れることはなく安全である。カバー部材を完全に閉め忘れても液体飲料が零れる心配がない。
【0046】
ここで、本発明では、カバー部材を開方向に回動させて予め定めた角度まで達した状態以降では、通気部材が通気孔を開いた状態にするように構成されているが、これはストロー部からの飲料の吹き出しに伴う問題を防止するための構成である。
【0047】
即ち、カバー部材を完全に閉じた状態では、前述したように、カバー部材のストロー抑え部が吸飲口部を閉塞しており、通気部材が通気孔を閉じた状態としているから、容器本体に収容される液体飲料は密閉状態になっている。よって、例えば、比較的温かい液体飲料が容器本体に収容されている場合、あるいは、閉状態で持ち歩く間に温度が上昇した場合などには、容器本体内の空気が液体飲料の温度によって膨張し空気圧力が上昇する。
【0048】
このとき、容器本体が密閉状態となっている場合は、吸飲口部のストロー孔が内底部近傍まで連続しているので、吸飲口部の閉塞状態が解除されると、内外の圧力差に基づいて内部の液体はストロー部内の流路を通って大気中に噴き出すこととなる。このため、液体飲料を吸飲しようとしてカバー部材を回動すると、吸飲口部の閉塞状態が解除され、吸飲口部のストロー孔に挿通されたストロー部から液体飲料が噴き出して、使用者の顔に掛かったり、服や周囲に飛び散ったりして問題がある。このような問題を防止するためには、吸飲口部の閉塞状態が解除される以前に通気孔が開いた状態となって容器本体内の空気を外部(大気)へ通気して逃がしてやればよい。
【0049】
即ち、カバー部材を回動させ、それと連動する通気孔部分の閉塞状態が開放される位置を予め定めた角度(通気孔開放角度)とすると、吸飲口部からの噴出が問題となる以前の角度状態に前記通気孔開放角度を定めることで、カバー部材を閉状態から徐々に回動させていくと、吸飲口部より先に通気孔開放角度になって内部の圧力緩和され、その後に、吸飲口部が完全解放されるようになるので、内部圧力の上昇に伴う吸飲孔部からの吹き出し自体や、それに伴う問題の発生を防止できるものとなる。
【0050】
また、吸飲孔部から出た飲料がカバー部材に遮られて外部に噴出しない角度に限界角度を定めた場合には、仮にストロー部の先端から噴出しても、それがカバー部材により遮断され、少なくとも外部への噴出による問題、例えば、使用者の顔にかかる等は防止できることとなる。
【0051】
そして、カバー部材を更に回動させて開放し、通気孔開放角度以降になれば(外開放角度より大きく開けば)、通気孔が開いた状態となっているので、実際にストロー部から吸飲する際には、通気孔が開放されているので容器本体内の空気は通気が行われるから、液体飲料の吸飲がスムーズで容易となる。
【0052】
よって、本発明において予め定めた角度とは、このようなストロー部からの液体噴出に伴う問題が生ずる限界の状態、即ち、そのような状態になるようにカバー部材を動かした場合の回動角度を閾値として、それより閉状態に近いカバー部材の角度範囲から任意に定められる。
【0053】
なお、ここで規定している限界角度(閾値)とは、第1に、通気孔を閉じている場合に、カバー部を回動して完全閉状態から動かしたときに、ストロー部から噴出する飲料が外部に飛び出るようになる寸前の状態(外部に出ないギリギリの角度)を限界角度とするものである。例えば、仮に飛び出してもカバー部材などの裏面に当たって、外部には飛びでない状態の角度である。当該第1の限界角度(外部噴出防止の閾値)となる角度状態より閉状態に近い角度範囲の中から通気孔開放角度は任意に選択される。これにより、少なくとカバー部から外部に飲料が噴出して、周囲の使用者等に直接降りかかることは防止できる。
【0054】
さらに、より好ましくは、ストロー部の閉塞状態が解かれる(開放される)状態を限界角度とした場合に、この第2の限界角度(ストロー噴出防止の閾値)となる角度条件より閉状態に近い角度範囲の中から通気孔選択角度が選択される。これにより、ストローからの吹き出し自体が防止され、吸飲口部に飲料が溜まることもなく、吹き出した飲料が周囲にこぼれて汚すこともなくなる。
【0055】
なお、上記の通気孔開放角度は、上記の閾値(限界角度)より小さくて、完全閉状態より大きな角度範囲内にあればよいのであって、具体的に固定されたものでなくても良い。少なくとも、閉状態で吸飲部を閉塞し、前記限界角度に達する前に、通気孔部を開放するように構成されていればよいのである。それによって、内部圧力の上昇に伴う飲料の吹き出しに関する問題は、通気孔の事前開放で減圧され、あるいはカバーなどで大夫に飛び出ないものとして、問題が生じなくなるからである。
【0056】
この予め定められた角度(通気孔開放角度)は、上記のように閾値(又は限界角度)となる角度状態で定まるが、カバー部材のストロー抑え部が吸飲口部を閉塞する構造等によって、それぞれ個別に決定される。即ち、吸飲口部を閉塞する構造等が相違すると、閉塞状態が解除された状態となる閾値やその状態のカバー部材の回動角度が異なるからである。
【0057】
具体的に言うと、ストロー抑え部が吸飲口部を全体的に覆って密閉するように構成されている場合には、前記のストロー噴出防止の閾値(第2の閾値)になるまでに通気孔が開いた状態になっていれば、ストロー部から液体飲料が噴き出ないので、この場合の予め定められた角度(通気孔開放角度)は、カバー部材が閉じた位置から上記の第2の閾値(ストロー抑え部材により吸飲口部の密閉が維持される限界の角度)までの範囲内で任意に定められた回動角度となる。これにより、ストロー部が連通する前に通気孔が開放されて、内部の圧力を事前に逃がすことができる。
【0058】
そして、カバー部材の特にストロー抑え部がストロー部の先端の吸飲部並びにその周辺部分を覆っているような構造であれば、ここを覆っている状態で、液体飲料がストロー部から多少噴き出しても吸飲口部から外部に飛び散らない。従って、このような場合には、ストロー部の先端部を覆うか、そこから吹き出した飲料がカバー部材に当たる限界までの角度を外部噴出防止の閾値(第1の閾値)とすれば、少々吹き出しても実用上は安全であるから、この第1の閾値までの角度範囲内でカバー部材が回動している間に、通気孔部が開放されるように、連動する際の通気孔部開放角度(所定角度)を定めればよい。
【0059】
また、例えば、ストロー抑え部が吸飲口部のストロー孔に挿通されたストロー部の変形部を扁平させて「く」の字状に折り曲げ、この折り曲げ部分が液体飲料をシールして吸飲口部への流入を遮断するように構成されている場合(前述の弾性折り曲げ構造の場合)には、カバー部材が開方向に回動していくと、折り曲げられたストロー部の変形部は徐々に弾性力で元の形状に戻り、液体飲料の流入を遮断していた状態が維持できなくなる。つまり、液体飲料が通過するストロー部の流路が連通する状態となる。
【0060】
よって、変型部が弾性力により回復してストロー部の流路が連通するまでに通気孔が開いた状態になっていないと、ストロー部から液体飲料が噴き出てしまうから、その前に通気孔を開けておくことが必要である。従って、この場合の通気孔開放角度は、カバー部材が閉じた位置からストロー部の折れ曲がり部が徐々に元の形状に戻っていき、ストロー部の流路が連通する寸前までカバー部材が回動した位置(第2の閾値)までの範囲内で任意に定められた回動角度となる。
【0061】
あるいは、前述のストロー部を押し潰すように押圧し、この押し潰された部分で液体飲料の吸飲口部への流入を遮断するように構成されている場合には、ストロー部の押し潰された部分の流路が連通するまでに通気孔を開けた状態にしておけば液体飲料は噴き出ない。よって、この場合の所定角度(通気孔開放角度)は、カバー部材が閉じた位置からストロー部の押し潰された部分の形状が徐々に戻っていき、ストロー部の流路が連通する寸前までカバー部材が回動した位置(限界角度、第2の閾値)の範囲内で任意に定められた角度となる。
【0062】
また、前述したようなストロー抑え部がストロー部の先端部の孔を塞ぐように構成されている場合には、所定角度は、ストロー部の先端部の孔の閉塞が解除される寸前までカバー部材が回動した位置より小さな角度(閉側に近い角度)の範囲内で任意に定めることができる。このような場合には、カバー部材が少しでも開いた状態で、通気孔部を開放する構造とすることが望ましい。カバー部材の回動に伴う限界角度までの猶予が少ないためである。
【0063】
このように構成された本発明の飲料容器によれば、カバー部材を開けてストロー部から液体飲料を吸飲するときに、カバー部材を予め定めた角度まで回動すれば通気孔が開いた状態となっているから、少なくともストロー部から直接吸飲できる状態にまでカバー部材を開けた状態では、液体飲料がいきなり外へ噴き出してくるといった危険がない。従って、特に、比較的温かい液体飲料を容器本体に収容する場合に適した飲料容器となる。
【0064】
別の態様としては、カバー部材が回動して予め定めた角度まで達した位置でカバー部材の回動を簡易的に仮固定するように構成しておく。例えば、カバー部材の回動基部に設けられた回動軸の外周面に突起を設け、回動軸を支える軸受に突起が簡易的に嵌め込まれる程度の穴を開けておき、所定角度までカバー部材が回動したときに突起が穴に嵌って一瞬回動が仮固定されるようにする。このようにすると、一気にカバー部材を開けてしまい、通気孔から空気が十分に逃げて行く前に吸飲口部の閉塞が解除され、ストロー部から液体飲料が噴き出るといった予期せぬ危険をも防止できる利点がある。
【0065】
また、本発明の飲料容器では、吸飲口部にストロー孔が設けられ、このストロー孔にストロー部が挿通される。そして、このように構成された吸飲口部をカバー部材のストロー抑え部が閉塞している。よって、ストロー部で液体飲料を吸飲したい場合には、必ずカバー部材を開けなければならないが、このことは、必ずカバー部材を開けて吸飲することにより、通気孔を開けることを忘れて誤って液体飲料がストロー部から噴き出してしまう危険を確実に回避することができるものとなる。即ち、安全性に非常に優れたものとなるのである。特に、幼児や子供が飲料容器を使用する場合には、この安全性は大いに発揮されるところとなる。
【0066】
本願請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の飲料容器において、前記カバー部材が少なくとも完全に開いた状態で、前記通気部材は前記通気孔を閉じた状態に維持することを特徴とするものである。
【0067】
本発明によれば、カバー部材が少なくとも完全に開いた状態で、通気部材が通気孔を閉じた状態に維持するように構成されているから、カバー部材を完全に開いた状態に保持している限り、容器本体が傾いても液体飲料が通気孔から零れることはない。つまり、仮に、容器本体を傾けた姿勢で液体飲料を吸飲するような場合でも、通気孔から液体飲料が零れないのである。よって、例えば、幼児や子供が寝転んだ状態で液体飲料を吸飲しても、また、誤って飲料容器を倒しても、カバー部材を完全に開いた状態にしておけば通気孔から液体飲料が零れないので、安全である。
【0068】
ここで、本発明に係る飲料容器は、カバー部材が完全に開いた状態にあるときのみ通気部材が通気孔を閉じた状態に維持する構成のものだけでなく、カバー部材が完全に開く手前の状態以降でカバー部材が完全に開いた状態まで通気部材が通気孔を閉じた状態に維持するものであれば良い。カバー部材の実物を実際に回動動作させると、回動動作にいわゆる遊びの範囲が存在するので、少なくともこの遊びの範囲内にカバー部材が位置するときに通気部材が通気孔を閉じた状態となっているほうが、安全確保の点で好ましいためである。
【0069】
尚、このカバー解放時の通気孔を閉じているための角度範囲(例えば、前記の遊びの範囲など)は、飲料容器のカバー他の構造に応じて任意に定まるものであるから、カバー部材が少なくとも完全に開いた状態を含むものであればよい。たとえば、カバー部材がある程度開いた状態で、使用者がストロー部から吸飲することに邪魔にならない位置までカバー部材が移動してれば、その状態より更に回動させて完全に開いた状態になるまでの角度範囲を、通気孔を閉じる状態とする角度範囲としても良い。完全に開くのを忘れたときにも有効であり、例えば、使用者の子供が誤ってカバー部材を動かしても、簡単には通気孔部が開かないようにする為である。
【0070】
なお、ストロー部からの吸飲時には、通気孔部を閉じていても、必ずしも吸飲ができないわけではない。ストロー部を通じて通気もなされるためである。このため、使用中に倒したときにこぼれ出たりすることを防止するためには、カバー部材を開いて、通気孔部を閉じた状態が維持できる様な構造を備えていることが好ましい。使用者は主に幼児なので簡単に容器を倒したりしてしまうので、そのような事態にも飲料の漏れなどを防止するために、有効に対処するためである。
【0071】
本願請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の飲料容器において、前記通気部材は、前記通気孔を開いた状態になる方向へ付勢する付勢手段を更に備えたことを特徴とするものである。本発明によれば、通気部材は、通気孔が開いた状態になる方向へ付勢する付勢手段を備えて構成されているから、原則として解除状態で維持されるものであって、この付勢力に抗した力を受けた状態で、初めて通気孔を閉としている状態となる。
【0072】
より詳細に言うと、カバー部材が少なくとも閉状態の場合には、通気孔部も閉塞された状態であるため、この状態では通気部材は付勢手段の力に抗した力を受けているが、カバー部材を回動させて開けていくと、通気孔部も開状態になるので、その場合には、この付勢手段による力も影響して通気部材を移動させて通気孔部が開放されるものとなる。
【0073】
即ち、カバー部材が予め定められた角度(通気孔開放角度)まで達した以降は、前記付勢手段に抗する力が弱くなるか無くなって、付勢手段の力により通気部材は通気孔部を開放する方向へ移動するものとなる。さらに、カバー部材が少なくとも完全に開いた状態(及びその近傍)となるまで、通気部材が付勢手段により通気孔を常に開いた状態に保持している。
【0074】
そして、カバー部材が少なくとも完全に開いた状態では、前記付勢手段による力に抗する力が再び働いて(あるいは強くなって)、通気孔部は閉じた状態になる。別言すれば、カバー部材を少なくとも完全に開いた状態にしない限り、適当にカバーを開けて液体飲料を吸飲している間は、常に通気孔は開いた状態になっているということになる。
【0075】
このように、本発明によれば、液体飲料を吸飲中に容器本体の内部と外部とが通気孔によって常に連通して通気がなされた状態であるため、容器本体内は吸飲による負圧状態とはならず、よって、スムーズな吸飲が実現できる。しかも、付勢手段によって常時通気孔が開いた状態に保持しているから、通気孔の開いた状態の信頼性が高い。つまり、確実に通気孔を開けた状態にできる。例えば、通気孔と通気部材の当接部とが液体飲料等でベタベタして通気部材とくっつきやすくなっても、付勢手段で通気孔を開状態に確実に移動させると共に、その状態で維持するので、確実に通気孔が開放されるものとなっている。
【0076】
ここで、本発明において付勢手段は、通気孔が開いた状態になる方向に付勢するものであれば全てのものが含まれる。例えば、コイルバネを付勢手段として用い、このコイルバネの弾性力によって通気部材(の少なくとも弁体)を付勢して通気孔が開いた状態に保持されるようにすれば本発明の通気部材が構成される。また、コイルバネの代りに板バネを用いても良い。あるいは、可撓性部材を用いて通気部材が通気孔を開いた状態に保持するように構成することも可能である。さらには、通気部材自体が弾性ゴムなどの弾性体からなり、通気部材自身の弾性力を付勢手段として用いることにより通気孔が開いた状態となるように構成されたものも本発明の通気部材に該当する。
【0077】
なお、本発明における付勢手段の付勢力は、通気部材が通気孔を開いて容器本体の内部と外部との連通が十分確保される程度であれば良く、飲料容器の設計において設計者が適宜決定し得るものである。
【0078】
本願請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の飲料容器において、前記カバー部材は、その回動基部に前記通気部材と当接するカム状構造を備え、前記カム状構造部は、前記カバー部材の回動に伴いカム構造の突出部分が前記通気部材に当接した際に、前記通気部材を前記付勢手段の付勢力に抗する方向に移動させるように構成されていることを特徴とするものである。
【0079】
本発明において回動基部とは、回動軸近傍に形成されたカバー部材の一部分のことである。この回動基部は、通気部材と当接するカム状構造を備えて構成される。カム状構造とは、本発明においては、回動方向に沿って突出部分(山部分)や凹み部分(谷部分)を備えて構成され、カム状構造と当接する部材(本発明では通気部材)を突出部分では離れる方向へ、突出部分以外の部分(凹み部分を含む)では近づく方向に移動させることが可能な機構全てを含むものである。ここで、突出部分とは、カム状構造と当接する部材を離れる方向へ移動させるためにカム機構上他の部分より突き出した部分のことであり、基本位置より突き出た形状は何れのものであっても突出部分となる。
【0080】
本発明では、カバー部材の回動に伴ってカム状構造部も回動する。そしてカム状構造の突出部分が通気部材と当接すると、突出部分が通気部材を回動軸より離れる方向へと移動させる。つまり、突出部分が通気部材を付勢手段の付勢力に抗する方向(通気孔を閉じる方向)へ移動させる。よって、カバー部材を回動させると、回動基部に備えられたカム状構造の突出部分が通気部材を付勢手段の付勢力に抗する方向へ移動させて通気孔を閉じた状態にすることができる。そして、カバー部材の回動に伴って突出部分以外の部分が通気部材と当接すると、通気部材は近づく方向へ移動する。つまり、通気部材は付勢手段の付勢力方向に移動して通気孔が開いた状態となる。このとき、通気部材は付勢手段によって開いた状態に付勢されているから、通気孔の開状態が維持されている。
【0081】
即ち、本発明では、カム状構造の突出部分が通気部材と当接している場合には、付勢手段の付勢力に抗して押し付けて通気孔を閉じ、突出部分以外の部分が通気部材と当接している場合には、付勢手段により回動基部側(付勢手段の付勢力の方向)に通気部材が移動して通気孔の開状態が維持される。よって、本発明ではカム状構造という簡単な構造で通気孔を開閉できるのである。
【0082】
カム状構造は、通気部材を離したり、近づけたりするように移動させることができるものであればどのようなカム機構であっても適用可能であるが、例えば、回動基部の外周面部分に回転方向に沿った部分的な突出部分として突起部を設けるように構成すれば、より簡単な構造が実現できる。
【0083】
即ち、回動基部の外周部に回動方向に沿って突起部を設けた場合、カバー部材の回動に際してこの突起部が通気部材に当接しているときには、この突起部が通気部材を付勢手段の付勢力に抗して押し付け、通気部材が突起部の高さに応じた距離を移動させて、通気孔を閉じることとなる。突起部以外の部分が通気部材を当接しているときには、通気部材が付勢手段の付勢力によって突起部の高さの分だけ付勢力方向に移動し、通気孔が開く。このようにカム状構造を構成すれば、突起部を設けるという簡単な構造でカム状構造とすることができる。
【0084】
この上述例のような突起部を設けたカム状構造であれば、カバー部材を少しでも回動すれば通気部材を駆動(移動)させることができるから、回動基部自体の表面になだらかな突出部分が形成されたようなカム状構造のものに比べて、通気孔の開閉の応答性が迅速になるという利点もある。なお、上述の突起部は通気部材を付勢手段の付勢力に抗して押し付ける(押圧する)ことができるような形状のものであれば何れのものでも良い。例えば、半球状の突起部でも良いし、円柱を軸方向に切断した形状のものであっても用いることができる。
【0085】
本発明において、カム状構造の突出部分(上記例では突起部)は、カバー部材が少なくとも完全に閉じた状態から開方向に回動して予め定められた角度(所定角度)に達するまでの間で通気部材を当接して押し付けることが可能な位置に設けておくのが良い。カバー部材がこの間にあるときに通気孔からの液体飲料の漏れを防止するためである。さらに、カバー部材が少なくとも完全に開いた状態で通気部材を当接して押し付けることが可能な位置にも突出部分(上記例では突起部)を設けておくのが良い。この状態で通気孔からの液体飲料の漏れを防止するためである。
【0086】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。まず、図1〜図4と共に本発明の第一実施形態に係る飲料容器を説明する。尚、図中、図と同一の符号を付した部分は同一物又は相当物を表わしている。
【0087】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る飲料容器は、液体飲料を収容する上部が開放された略円筒状の容器本体1と、その上部開口部に係合して容器本体1の内部を密閉する蓋体4と、この蓋体4の上面に開閉可能に取り付けられた略ドーム型のカバー部材であるカバー8とで主に構成されている。この容器本体1には、液体飲料を吸飲する際に容器本体1の保持を容易とするための湾曲形状の把手13が左右側面部の対面する位置に設けられている。
【0088】
また、図3及び図4に示すように、容器本体1は、上方が全面開口した開口部3を有しており、この開口部3から液体飲料が注がれて容器本体1内に収容される。さらに、この開口部3を覆うように蓋体4が容器本体1と螺合して容器本体1の内部を密閉するようになっている。この蓋体4の上面には蓋の上面部に略平行な方向に軸方向を持つ軸受16が配設されており、この軸受16によってカバー8の回動軸10が軸支される。よって、カバー8を回動軸10回りに回動させるとカバー8の先端部は上下方向に開閉し、ストロー6の吸い口7から液体飲料を吸飲できるようになる。
【0089】
また、蓋体4には通気孔2が設けられており、この通気孔2の開閉をする通気部材5が通気孔2を上方から塞ぐように配置されている。そして、カバー8の回動基部9が通気部材5に当接しており、カバー8の開閉に応じて回動基部の突起12a,12b並びにその他の部分が通気部材5を当接し、通気部材5の付勢手段による移動も伴って通気孔2の開閉を行えるようになっている。
【0090】
次に、各部材の詳細について説明する。蓋体4は、図3において中心から左側に(全体の前方に偏心した位置に)液体飲料を吸飲するストロー部であるストロー6と、それが挿通されるストロー孔15とが配設される。また、ストロー孔15から所定距離を開けて異なる位置(図3においてほぼ中心部)に通気孔2が設けられ、ストロー孔15及び通気孔2と所定距離を開けて異なる位置であって、図3において中心から右側に(全体で後方に偏心した位置に)カバー8の回動軸10を軸支する軸受16が設けられて構成されている。
【0091】
つまり、蓋体4には、ストロー孔15と、通気孔2と、軸受16とが設けられ、これら全てが異なる位置に配置されて構成されている。さらに、これらの位置関係は、図3及び図4に示すようにほぼ中央部の通気孔2を挟んで両側にストロー孔15と軸受16とがそれぞれ配置される関係となっている。また、通気孔2は蓋体4の上面部で軸受16で軸支されたカバー8で覆われた領域内に入るように構成されている。
【0092】
尚、本実施形態に係る通気孔2は、図3及び図4に示すように、孔を有するゴム状の弾性体からなる別体として取り外し可能に蓋体4の通気孔取付部(開口部)に嵌め込まれている。これは、通気孔を洗浄する場合や、摩耗、破損等したときに交換する場合などを考慮したためであるが、蓋体4に孔を設けただけの構造としても良い。
【0093】
また、蓋体4に形成された凹部14’の底面にはストロー孔15が開けられており、ストロー孔15にはストロー部であるストロー6が水密状態を維持して挿通される。このストロー6は、先端部に液体飲料を吸飲するときに口をあてがうのに適した吸い口7が装着され、この吸い口7からストロー孔15部分にかけて折れ曲がりが可能な弾性チューブ材で形成されている。また、ストロー6は、容器本体1の液体飲料を全て吸飲できるように、容器本体1の底部に接することができる程度の長さを有したものとなっている。このストロー孔15を含む凹部14’並びにストロー6及び吸い口7が、本実施形態に係る吸飲口部14を構成している。
【0094】
尚、本実施形態において、ストロー孔15とストロー6との水密状態はストロー6自身の密着によって得られるものであるが、このストロー孔15とストロー6との隙間にシール材(液状パッキンなど)を埋めておくことによっても得ることはできる。また、ストロー孔15への挿通を容易とするために、本実施形態におけるストロー6の材質は、ストロー孔15から容器本体1の底部と接する端部にかけて、上記折り曲げ部分よりやや硬い材質で形成されている。
【0095】
ストロー6は、図3に示すようにカバー8が閉じた状態では、後述するストロー抑え部18が吸い口7を上から下に向かって押し込むように作用して、吸い口7の外周面が凹部14’の内壁部に案内されながら、ストロー6が扁平な「く」の字状に折り曲げられて吸飲口部14の内部に収納される。つまり、この弾性変形可能な部分がストロー6の変形部となっている。そして、図4に示すようにカバー8が開いた状態では、ストロー6は自身の弾性力によって元の形状に戻り、吸い口7の外周面が凹部14’の内壁部に案内されて上方に突出してくるようになっている。つまり、弾性折り曲げ構造を有するストロー6がストロー孔15に挿通され、吸飲口部14に収納されると共に、カバー8を閉じたときにストロー6の先端部に装着された吸い口7をストロー抑え部18が当接するように構成されている。
【0096】
また、通気部材5は板状部材20の下面に付勢手段である板バネ11が取り付けられ、さらに、板状部材20の下面に半球状凸部からなる弁体17が形成されて構成される。この通気部材5は、弁体17が通気孔2の上側に位置するように配置され、通気部材5を上側から下側に向かって押圧すれば弁体17が通気孔2を閉じた状態とし、押圧を解除すれば、弁体17が板バネ11の付勢力によって通気孔2を開けた状態とするようになっている。そして、この通気部材5を押圧する動作は、後述するようにカバー8の回動に連動して行われる。
【0097】
一方、ドーム型のカバー8は、回動軸10が蓋体4の軸受16に軸支されており、この回動軸10回りに回動してカバー8の開閉がなされる構成になっている。そして、このカバー8の頂部が、吸飲口部を閉塞するストロー抑え部18となる。さらに、カバー8の回動軸10の外周部は略円筒状の外形を備えた(軸を中心として断面略円形)の回動基部9が形成されており、この回動基部9に円周方向に沿って異なる位置に設けられた二つの突起12a,12bが、カバー8の回動に伴って通気部材5に当接したときに、通気部材5を押圧することができるように構成されている。即ち、二つの突起12a,12bが本実施形態においてカム状構造の突出部分となるのである。
【0098】
カバー8の頂部に形成されたストロー抑え部18は、カバー8が閉じている状態(図3に示す状態)では、ストロー抑え部18の裏面がストロー6の吸い口7を下側に押し込んで扁平な「く」の字状に折り曲げている。このようにストロー6を折り曲げることによってストロー6の流路が閉塞される。よって、カバー8が閉じた状態で吸飲口部14から外部に液体飲料が漏れない。つまり、本実施形態では、ストロー抑え部18は、ストロー6の先端部(吸い口7)とその周辺部を覆うように配置され、ストロー6を折り曲げることによって閉塞させて液体飲料が外部へ流出しないようにして吸飲口部14を閉塞する形式のものである。
【0099】
次に、通気孔2を開閉する通気部材5の動作について図5〜図10と共に説明する。図5〜図10は、第一実施形態に係る飲料容器において通気部材が通気孔を開閉する動作を説明するための図である。尚、図5〜図10では通気部材5の動作を説明のために、図中の各符号が付された部分の構成は簡略化して模式的に記載している。また、図6〜図9中の二点鎖線は図5に示すカバー8の位置を表わしており、図10中の二点鎖線は図9に示すカバー8の位置を表わしている。
【0100】
図5は、カバー8が完全に閉じた状態を示している。この状態では、ストロー抑え部18がストロー6の一部(変型部)を扁平な「く」の字状に折り曲げ、この曲折部Bでストロー6の流路19を閉塞している。即ち、カバー8が完全に閉じた状態では、曲折部Bの部分でストロー6の流路19の連通を遮断して、吸飲口部14(図3参照)を閉塞状態とし、容器本体1内の液体飲料が曲折部Bでシールされて外部へ漏れないようになっている。
【0101】
この図5の状態では、カバー8の回動基部9に設けられた突起12aが図5中の下向き(板バネ11の付勢力に抗する向き)に通気部材5の板状部材20を押圧している。通気部材5は下側に板バネ11を有しており、その付勢力は通気孔が開放される方向(図中上方)に通気部材5(の弁体17)を押し上げている。そして、この状態では、突起12aが通気部材5に当接して下方に押圧して(押し込むように移動させて)いるので、この押圧力によって板バネ11が自身を収縮する方向に弾性変形しながら弁体17を下方向に移動させて通気孔2を閉じた状態に保持される。従って、容器本体内の空気は通気孔2から外部に逃げることができず、密閉状態が維持される。つまり、カバー8が完全に閉じた状態にあるときは、回動基部9に設けられた突起12aが弁体17を押圧して、強固に通気孔2の閉状態を保持するのである。
【0102】
なお、このカバー8の完全閉状態では、突起12aの頂上よりやや左部分に通気部材5の上面部が当接しているので、付勢手段(板バネ11)からの付勢力は、回動基部を右方向(反時計回り方向)にも働いている。即ち、カバー8の開方向に対して抗する方向にも働いている。従って、この付勢力はカバー部材の完全閉状態を維持するための力としても機能しており、カバー部材の閉状態の簡易ロック機構としても機能している。
【0103】
図6は、カバーを徐々に開けていき、カバー8の先端部を時計回り方向に回動させて上方へ移動させ、角度Aまでカバー8が達した状態を示している。この状態では、ストロー6の曲折部Bが依然として流路19の連通を閉塞しており、ストロー6からの液体飲料の噴き出しはない。そして、この角度Aの状態へ至るまでに回動する際に、通気部材5への押圧力が解除(上方への移動が許容)されるされるように、突起12aの形状や位置が調整されている。
【0104】
つまり、板バネ11自身の付勢力(弾性力)で板状部材20を図6中の上向きに押し上げる(突起12aの側部に低い部分又は突起のない部分へ当接するように移動する)ようになっている。これにより、弁体17も上方へ移動して通気孔2は外部と連通し、空気が外部へと導かれて通気が行われる。
【0105】
つまり、この実施例では、カバー8の回転角度状態が角度Aのときに、カバー8の回動動作に連動して通気部材5の弁体17が通気孔2を開けて通気を行うので、この角度Aが通気孔開放角度ということになる。即ち、この通気孔開放となる角度Aが本実施形態における予め定めた角度となるのである。そして、板バネ11自身の弾性力が通気孔2を開いた状態に保持するように弁体17を付勢しているので、確実な通気が確保される。尚、本実施形態における通気開放角度A(予め定められた角度)は、後述する第1の閾値A1及び第2の閾値A2よりも小さい角度となっている。
【0106】
さらにカバー8を開けていくと図7に示す状態となる。この状態は、ストロー6の曲折部Bの閉塞が解除されるギリギリの位置を示している。この状態となる迄に通気孔2が開放されていればストロー6からの液体飲料の噴き出しを防止できるから、図7に示す状態までカバー8が回動した角度が第2の閾値A2となる。この実施形態では、通気孔開放角度(予め定められた角度)である角度Aは、第2の閾値(角度)A2より閉状態に近い角度範囲内で定められている。
【0107】
さらにカバー8を開けていくと図8に示す状態となる。この状態では、ストロー6の曲折部Bの閉塞が解除されている。よって、この状態で通気孔2が開いていないとストロー6の吸い口7から液体飲料が多少噴き出すことになる。しかし、図8に示すように、液体飲料はストロー抑え部18に遮られて外部へ飛び散らないように構成されており、この状態で通気孔2を開放すれば、少なくとも外部の使用者に液体飲料が飛び散る危険を防止できる。即ち、図8に示す状態までカバー8が回動した角度が第1の閾値A1である。よって、通気孔開放角度(予め定めた角度)Aは、第1の閾値(角度)A1以内で任意に定めることもできる。
【0108】
引き続きカバー8を開けていくと、図9の状態となる。この図9はカバー8が完全に閉じる手前の状態を示している。この状態で、カバー8の回動基部9に設けられた突起12bが通気部材5を押圧して弁体17を下方向に移動させて通気孔2を閉じた状態となるように突起12bが調整されている。
【0109】
さらにカバー8を開けて行くと完全に開いた状態となる。この状態が図10である。図10では完全にカバー8が開いた状態であり、カバー8の突起12bが通気部材を完全に押圧して通気孔2を閉じる。ここで、図9に示す状態から図10に示す状態までカバー8が回動する角度A3は、カバー8の回動の遊び角度となる。つまり、本実施形態では、この遊び角度A3の範囲で通気孔2が閉じた状態となっている。
【0110】
なお、このカバー8の完全開の状態では、突起12aの頂上よりやや右部分に通気部材5の上面部が当接しているので、付勢手段(板バネ11)からの付勢力は、回動基部を左方向(時計回り方向)にも働いている。即ち、カバー8の閉方向に対して抗する方向にも働いている。従って、この付勢力はカバー部材の完全開状態を維持するための力としても機能しており、カバー部材の開状態の簡易ロック機構としても機能している。
【0111】
このように、図1〜図10に示す構成の本実施形態に係る飲料容器によれば、通気孔2がカバー8の回動基部9や蓋部の軸受部とは異なる位置にあるから、これらの回動構造部(回動基部9の突起12a,12bや軸受け部分等)にゴミや埃が溜まっても通気孔2には入り込まない。よって、通気孔2を清潔に保つことができる。また、回動基部9の回動によってゴミや埃が通気孔2に運ばれてきて、通気孔2が詰まったり、通気孔2から容器本体1に落下するといった不衛生な事態はなくなる。
【0112】
加えて、通気孔2が、カバー8で上部が覆われる蓋体の領域の内側部分に設けられているので、少なくともカバー8を閉じているときにゴミや埃が通気孔部分に入り込むのを防ぐことができ、いつも清潔な通気孔2を維持できる利点もある。
【0113】
また、通気孔2を開閉する通気部材5が摩耗や損傷等したときには、カバー8を取り外すことなく簡単に通気部材5のみを交換することができるので、メンテナンスが容易であるし、カバー全体を交換する従来例に比べて、修理に要する費用も格段に安くなるし、行程も容易である。
【0114】
さらに、図5〜図10に示すように、本実施形態に係る飲料容器は、カバーを閉じたときにはストロー6が閉塞されており、通気孔2も閉じているから飲料容器が倒れたり、傾いたりしても液体飲料が零れることはない。ストロー6から液体飲料を吸飲しようとしてカバー8を開けても、通気孔開放角度Aまでカバー8を開けたときに通気孔2が開いた状態(図6)となって容器本体1の内部の空気が通気孔2から外部へ逃がされる。よって、通気孔開放角度Aよりさらにカバー8を開けてストロー6の吸い口7から液体飲料を吸飲しようとしたときに使用者の顔などに液体飲料が飛び散る心配がない。しかも、通気部材5は板バネ11の弾性力で通気孔2を開いた状態に保持しているから、液体飲料の吸飲がスムーズとなる。また、たとえ通気孔2がベタベタしていても、板バネ11の弾性力(付勢力)で強制的に開くので、確実に通気孔2が開いた状態となって通気を確保できる。
【0115】
そして、カバー8を少なくとも完全に開いた状態(図9及び図10)では、通気孔2は閉じた状態となっているから、容器本体1を傾けても通気孔2から液体飲料が零れることがない。特に、幼児や子供が寝転んだりして液体飲料を吸飲しても零れる心配がなく安全である。しかも、遊び角度A3の範囲で通気孔2を閉じるようにしているので、カバー8が完全に開いた状態となっていなくても液体飲料が通気孔2から零れずに安全である。
【0116】
次に、本発明の第二実施形態に係る飲料容器について説明する。図11(a)〜(c)は、第二実施形態に係る飲料容器において弁体が通気孔を開閉する動作を説明するための図である。図11(a)〜(c)に示すように、第二実施形態に係る飲料容器は、通気部材605を第一実施形態と異なる構成とした点に特徴を有するものであるが、その他の構成は基本的に同等であるためここでの説明は省略する。
【0117】
本実施形態では、カバー608の回動基部609が蓋部の軸受け部610に軸支されて回動可能に構成されている。そして、通気部材605は、板状部材620の一端に断面略円形の(略円筒形外面部を持つ)通気回動基部621が形成され、この通気回動基部621に半球状突起からなる二つの弁体617a,617bを回転方向に沿った異なる予め定めた位置に設けている。
【0118】
さらに、付勢手段であるコイルバネ611が図6において時計回り方向に板状部材620を回転させるように付勢しており、カバー部材による係合がなければ、このコイルバネ611の付勢力によって通気部材605は通気回動軸622回りに回動するようになっている。この通気部材605の回動動作中において、半球状突起部からなる弁体617a,617bが通気孔602に嵌め込まれるときに通気孔602は閉じた状態となるのである。
【0119】
そして、図6(a)に示すように、カバー608が完全に閉じた状態にあるときには、カバー608が通気部材605(の板状部材620)を図中下方向(反時計回り方向)に押圧する。この状態で、通気部材605は通気回動軸622回りに回動して、弁体617aが通気孔602と一致するように配置構成されており、通気孔部を閉状態に保持するものとなる。つまり、カバー608の回動動作(閉動作)に連動して通気部材605の弁体617aが通気孔602を閉じた状態にする。
【0120】
次に、図6(b)に示すようにカバー608を通気孔開放角度(予め定めた角度)A’まで開けると、通気部材605はコイルバネ611によって、図中の時計回り方向に付勢されているから、この付勢力によってカバー608の開動作に連動して(カバー608の開方向への回転を助けるように連動して)、弁体617aが時計回りに回動し、通気孔602の位置からずれていって、通気孔部の閉塞が解除される。よって、容器本体内の空気が外部へ連通して通気が確実に行われる。
【0121】
そして、図6(c)に示すようにカバー608を通気開放角度以降の位置へ開けていくと、通気部材605がコイルバネ611によって付勢されてカバー608に連動して回動していき、やがて弁体617bが通気孔602に一致する位置まで来ると、そこに嵌め込まれて通気孔部を閉じる。これにより、少なくとカバー608が完全開状態にある時は、通気孔部が閉じられて、ここから飲料が漏れることはない。
【0122】
なお、この第二実施形態では、カバー608が完全開状態になる前に、通気部材605との連動が解かれているが、全ての移動状態で連動するものでなくても本発明該当する。即ち、完全開状態を含んだ所定の角度範囲で、通気孔部を閉状態に維持できているし、完全閉状態から通気孔部分を開放する迄の動作でも連動していればよいのであって、必ずしも、全ての角度範囲で連動する必要はない。
【0123】
そして、この第二実施形態においても、通気孔部はカバー608の回動基部609並びにその軸受け部610とは異なる位置に配置構成されているので、外部に露出した回動基部609や軸受け部610部分に溜まったゴミや埃などが通気孔602に入りにくく、衛生上の問題も生じにくい。さらに、この実施形態でも、通気孔602は、カバー608で蓋の上面部が覆われる領域内に配置構成されているので、少なくともカバー608を閉じた状態では、ゴミや埃が入りにくい利点もあるし、その他の前述した第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0124】
尚、本発明の飲料容器は、上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0125】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明に係る飲料容器によれば、通気孔を清潔で衛生的に保つことができるという優れた効果を奏する。加えて、メンテナンスが容易である上、メンテナンスコストを低く抑えることができる。また、ストローから液体飲料が噴き出すことがなく、安全に吸飲できる。特に、比較的温かい液体飲料を収容する場合には一層効果を発揮するものとなる。さらに、飲料容器を傾けても通気孔から液体飲料が零れることがなく安全である。加えて、液体飲料の吸飲がスムーズに行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る飲料容器の正面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る飲料容器の側面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る飲料容器のA−A’断面を示す説明図である。
【図4】図3に示す飲料容器のカバーを開けた状態の縦断面を示す説明図である。
【図5】本発明の第一実施形態に係る飲料容器において弁体が通気孔を開閉する動作を説明するための図である。
【図6】本発明の第一実施形態に係る飲料容器において弁体が通気孔を開閉する動作を説明するための図である。
【図7】本発明の第一実施形態に係る飲料容器において弁体が通気孔を開閉する動作を説明するための図である。
【図8】本発明の第一実施形態に係る飲料容器において弁体が通気孔を開閉する動作を説明するための図である。
【図9】本発明の第一実施形態に係る飲料容器において弁体が通気孔を開閉する動作を説明するための図である。
【図10】本発明の第一実施形態に係る飲料容器において弁体が通気孔を開閉する動作を説明するための図である。
【図11】本発明の第二実施形態に係る飲料容器において弁体が通気孔を開閉する動作を説明するための図である。
【符号の説明】
1:容器本体
2,602:通気孔
3:開口部
4:蓋体
5,605:通気部材
6:ストロー
7:吸い口
8,608:カバー
9,609:回動基部
10,610:軸
11,611:板バネ
12a,12b:突起
14:吸飲口部
14’:凹部
15:ストロー孔
16:軸受
17,617a,617b:弁体
18:ストロー抑え部
A,A’:通気孔開放角度(予め定められた角度)
A1:第1の閾値
A2:第2の閾値
A3:遊び角度
B:曲折部
Claims (4)
- 開口部を備えた液体飲料を収容する容器本体と、
該容器本体の開口部を覆って該容器本体内部を密閉するための蓋体と、
該蓋体の上面に取り付けられるカバー部材とを備え、
前記蓋体は、液体飲料を吸飲するストロー部が挿通されるストロー孔が設けられた吸飲口部と、前記ストロー孔とは異なる位置に設けた通気孔と、を有し、
前記カバー部材は、前記蓋体の上部で前記ストロー孔及び前記通気孔とは所定の距離を開けた異なる位置に回動軸によって回動可能に取り付けられ、該回動軸回りに回動することによって開閉するものであり、少なくとも前記カバー部材を完全に閉じた状態において、前記吸飲口部を閉塞するように構成されたストロー抑え部を備えており、
前記カバー部材の回動動作に連動して前記通気孔を開閉する弁体部を備えた通気部材を更に設け、
前記カバー部材を少なくとも完全に閉じた状態では、前記通気部材が前記通気孔を閉じた状態に維持すると共に、前記カバー部材を開方向に回動させて予め定めた角度まで達した状態以降では、前記通気部材が前記通気孔を開いた状態に維持する、
ものであることを特徴とする飲料容器。 - 前記カバー部材が少なくとも完全に開いた状態で、前記通気部材は前記通気孔を閉じた状態に維持する、
ものであることを特徴とする請求項1に記載の飲料容器。 - 前記通気部材は、前記通気孔が開いた状態になる方向へ付勢する付勢手段を更に備えたこと
を特徴とする請求項1又は2に記載の飲料容器。 - 前記カバー部材は、その回動基部に前記通気部材と当接するカム状構造を備え、
前記カム状構造部は、前記カバー部材の回動に伴いカム構造の突出部分が前記通気部材に当接した際に、前記通気部材を前記付勢手段の付勢力に抗する方向に移動させるように構成されている
ことを特徴とする請求項3に記載の飲料容器。
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