JP2004042792A - 車両用シートの制御方法及び車両用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】乗員にかかる負荷を予め予測して、実際に乗員に負荷がかかる前からサポート部の保持力を調整することができる、より快適な車両用シートの制御方法及び車両用シートを提供する。
【解決手段】制御手段は、車両内に設けられた複数のユニットと通信回線で接続され、複数のユニットから当該車両に関する情報を受信し、受信した情報に基づいて当該車両の乗員に加えられる負荷を予測し、予測した負荷に基づいて各サポート部の保持力を制御する。また、車両に関する情報には、当該車両が進入しようとしているカーブの径に関する情報と、当該車両が当該カーブに到達するまでの距離あるいは時間に関する情報と、当該車両の速度に関する情報とが含まれており、制御手段は、受信した当該車両に関する情報に基づいて、当該車両が当該カーブに進入する前に、予め乗員に加えられる負荷を予測し、予測した負荷に基づいて、各サポート部の保持力を制御する。
【選択図】 図7
【解決手段】制御手段は、車両内に設けられた複数のユニットと通信回線で接続され、複数のユニットから当該車両に関する情報を受信し、受信した情報に基づいて当該車両の乗員に加えられる負荷を予測し、予測した負荷に基づいて各サポート部の保持力を制御する。また、車両に関する情報には、当該車両が進入しようとしているカーブの径に関する情報と、当該車両が当該カーブに到達するまでの距離あるいは時間に関する情報と、当該車両の速度に関する情報とが含まれており、制御手段は、受信した当該車両に関する情報に基づいて、当該車両が当該カーブに進入する前に、予め乗員に加えられる負荷を予測し、予測した負荷に基づいて、各サポート部の保持力を制御する。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用シートの制御方法(特に、サポート部の保持力の制御方法)及び車両用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両用シートには、コーナリング時等の乗員の姿勢を保持する目的で、サイド部等にサポート部が設けられているものがある。当該サポート部は、乗員の体格や好みに応じて、手動操作でサポート性を変更できる構成を有している。
また、実開平4−76531号公報では、車速センサ、ステアリング舵角センサ、横Gセンサからの入力に基づいて、サイドサポートの保持力を変化させる車両用シートのサイドサポート可変機構を提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の、手動操作でサポート性を変更できる車両用シートは、カーブでのサポート性を優先すると、直進走行時には乗員にとって窮屈であり、快適とは言い難い。また、直進走行時でのサポート性を優先すると、カーブでのサポートが不充分になり、乗員にとって快適とは言い難い。
また、実開平4−76531号公報で提案されている車両用シートのサイドサポート可変機構では、カーブ及び直進走行時において、各々適切にサポート性を変更させることができるが、受動的な制御(フィードバック制御。例えば、横Gが乗員にかかる場合、実際に横Gが発生して乗員に横Gがかかってから、横Gセンサの信号等に基づいてサポートの保持力を調整)を行うことは可能であるが、横G等の負荷が乗員にかかることを予測して実際に横G等が乗員にかかる前に、予めサポートの保持力を調節しておくような、能動的な制御(フィードフォワード制御)を行うことはできない。このため、乗員に負荷がかかり始める時点(カーブの入口等)では、サポート性が変更されておらず、また、横Gがかかり始めてサポート性の変更が開始されても保持力の遅れ等により、快適なサポートを提供しているとは言い難い。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、乗員にかかる負荷を予め予測して、実際に乗員に負荷がかかる前からサポート部の保持力を調整することができる、より快適な車両用シートの制御方法及び車両用シートを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりの車両用シートの制御方法である。
請求項1に記載の車両用シートの制御方法では、車両に設けられた複数のユニットから、当該車両に関する情報(例えば、当該車両が進入しようとしているカーブの径に関する情報、当該車両が当該カーブに到達するまでの距離あるいは時間に関する情報、当該車両の速度に関する情報、ウィンカーの状態に関する情報等)を受信し、これらの情報に基づいて、当該車両がやがてカーブを旋回、あるいは交差点等を右左折等することを予測する。そして、当該車両の乗員に加えられる負荷を予測し、実際に乗員に負荷が加えられる前からサポート部の保持力を制御することができる。
【0005】
また、本発明の第2〜第3発明は、請求項2〜3に記載されたとおりの車両用シートの制御方法である。
請求項2〜3に記載の車両用シートの制御方法では、車両に関する情報には、当該車両が走行している道路に関する情報(当該車両が進入しようとしているカーブの径に関する情報等)と、当該車両の位置に関する情報(当該車両が当該カーブに到達するまでの距離あるいは時間に関する情報等)と、当該車両の速度に関する情報とを含む。
例えば、制御手段は、L[m]進むとカーブに進入することを認識し、当該カーブの半径がR[m]であり、現在の車速がV[km/h]であることを認識すると、カーブに進入してから乗員に加えられるであろう負荷(遠心力等)を、カーブに進入する前から予測することができる。
これにより、予めカーブに進入する前に、カーブに進入した際に乗員に加えられるであろう負荷を適切に予測することができ、予測した負荷に基づいてサポート部の保持力を適切に調整することができる。
【0006】
また、本発明の第4発明は、請求項4に記載されたとおりの車両用シートの制御方法である。
請求項4に記載の車両用シートの制御方法では、車両に関する情報には、ウィンカー状態に関する情報(交差点等に接近しており、運転者に右折あるいは左折の意思がある状態を示す情報等)と、車両の速度に関する情報とを含む。
制御手段は、ウィンカー(例えば、右ウィンカー)が出力中であることを認識し、現在の車速がV[km/h]であることを認識すると、数秒後には交差点等に進入して且つ当該交差点等では右折するであろうと予測し、交差点等に進入する前から、右折時に乗員に負荷がかかるであろうことを予測することができる。これにより、予め交差点等に進入する前に、交差点等に進入した際に乗員に加えられるであろう負荷を適切に予測することができ、予測した負荷に基づいてサポート部の保持力を適切に調整することができる。
【0007】
また、本発明の第5発明は、請求項5に記載されたとおりの車両用シートである。
請求項5に記載の車両用シートでは、各サポート部の保持力を、油圧を用いて制御する。
これにより、乗員にかかる負荷を予め予測して、実際に乗員に負荷がかかる前から、サポートの保持力を適切に変更することができる車両用シートを容易に実現することができる。
【0008】
また、本発明の第6発明は、請求項6に記載されたとおりの車両用シートである。
請求項6に記載の車両用シートでは、油タンクを座面の下に配置することにより、乗員の体重によって油タンク内部の油を加圧する。
これにより、油圧ポンプの負荷を低減できるとともに、油圧ポンプの初期駆動時等における油圧の圧力不足を抑制することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1(A)は、本発明の車両用シートの制御方法を用いた車両用シート20a、20bを搭載した車両1の一実施の形態の概略図を示している。
車両1には、ナビゲーションユニット10、メータ制御ユニット12、エンジン制御ユニット14等、種々のユニットが設けられている。また、各ユニットは、通信回線30(CAN(Control Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)等の通信回線)で接続されており、各ユニット間で相互にメッセージ(各ユニットが検出あるいは判定した情報等)を送受信可能である。
また、車両用シート20a、20bには、シート制御ユニット16(制御手段)が設けられており、通信回線30に接続されている。これにより、シート制御ユニット16は、通信回線30に接続された各ユニットからのメッセージを受信することが可能である。
【0010】
各ユニットは、図1(B)に示すように、通信回線30を介して相互にメッセージを送受信することが可能である。図1(B)に示す例では、ナビゲーションユニット10は、メッセージ「aa」を送信し、当該メッセージ「aa」は、メータ制御ユニット12、エンジン制御ユニット14、シート制御ユニット16にて受信される様子を示している。
また、例えば、CANで通信を行った場合、各メッセージには、「メッセージID」と「メッセージデータ」が含まれており、メッセージを送信するユニットは、予め決められた「メッセージID」をメッセージに含ませ、更に、予め決められた形式に基づいた「メッセージデータ」をメッセージに含ませる。メッセージを受信するユニットは、所望する「メッセージID」を含むメッセージを取り込み、当該メッセージに含まれている「メッセージデータ」から、所望する情報を取り込む。
【0011】
この通信により、各ユニットは、各ユニット毎に各種のセンサ等を接続することなく、所望する情報を保有する他のユニットから、当該情報を入手することができる。(各ユニット間で、特定の情報を共有化することができる。)
従来の車両用シートでは、シート制御ユニットに各センサを直接接続しており、新たな情報の取り込みをシート制御ユニットに追加する場合は、当該新たな情報を検出するセンサ等とシート制御ユニットとの接続を追加する必要がある。このため、接続用の配線の取りまわし、接続用のコネクタの配置等のハードウェアを追加する必要があり、必要な情報の種類を変更することは非常に困難である。本発明の車両用シートでは、シート制御ユニット16を通信回線30に接続し、所望する情報(新たな情報)を保有している他のユニットから通信回線30を介して受信することができる。このため、必要な情報の種類を変更する場合は、ソフトウェアの変更で対応することが可能であり、ハードウェアを変更する必要がないため、容易に必要な情報の種類を変更することができる。
【0012】
◆[第1の実施の形態]
第1の実施の形態では、シート制御ユニット16が他のユニットから、車両が走行している道路に関する情報(当該車両が進入しようとしているカーブの径に関する情報等)と、当該道路における当該車両の位置に関する情報(当該車両が当該カーブに到達するまでの距離あるいは時間等)と、ウィンカーの状態に関する情報と、車両の速度に関する情報と、ステアリングの操舵に関する情報等を受信する。そして、受信した情報に基づいて、当該車両が当該カーブに進入する前、あるいは交差点等に進入する前に、予め乗員に加えられる負荷を予測し、予測した負荷に基づいて、予め車両用シート20a、20bの各サポート部の保持力を適切に制御することを説明する。
【0013】
なお、以下の説明では、「車両に関する情報」を「車両関連情報」と記載し、「ウィンカーの状態に関する情報」を「ウィンカー情報」と記載し、「車両の速度に関する情報」を「車速情報」と記載し、「ステアリングの操舵に関する情報」を「操舵情報」と記載し、「当該車両が進入しようとしているカーブの径に関する情報」を「カーブ径情報」と記載し、「当該車両が当該カーブに到達するまでの距離あるいは時間」を「カーブ到達情報」と記載する。
【0014】
●[車両用シートの外観及びサポート状態(図2)]
図2(A)〜(C)に、第1の実施の形態における車両用シート20a、20bの外観及びサポート状態について説明する。
例えば、車両用シート20aは、図2(A)に示すように、座面21、脚サポート部21a、21b、背面22、脇サポート部22a、22b、腰サポート部24a、24b、ヘッドレスト23、ヘッドサポート部23a、23bを有している。
【0015】
図2(A)に示す車両用シートにおいて、各サポート部によるサポート状態を図2(B)に示す。車両がカーブ等を走行し、横Gが乗員に加えられる場合等において乗員のサポート性を高める時、脚サポート部21a、21b、脇サポート部22a、22b、腰サポート部24a、24b、ヘッドサポート部23a、23bは、互いに向き合う方向に移動し、乗員の保持力を高める。
なお、この場合、左右の各サポート部(右側:脚サポート部21a、脇サポート部22a、腰サポート部24a、ヘッドサポート部23a、左側:脚サポート部21b、脇サポート部22b、腰サポート部24b、ヘッドサポート部23b)の両側から保持力を高めてもよいし、左右のどちらか一方の保持力のみを高めてもよい。
【0016】
また、車両用シート20a、20bにおいて、乗員が乗降する側の脚サポート部は、乗員の乗降を容易にするために、サポートの保持力を開放する側への移動は、ほぼ水平位置まで移動する。
図2(C)は、図2(B)に対してヘッドサポート部23a、23bを省略した車両用シート20a、20b外観及びサポート状態の例を示す図である。
車両用シート20a、20bの外観(形状等)、サポートの部位等は、種々のものが考えられる。
【0017】
●[車両用シートの内部構造(図3)]
例えば、図2(A)に示した車両用シート20aにおいて、ヘッドレスト23よりも更に下方の背面22、脚サポート部21a、21b、脇サポート部22a、22b、腰サポート部24a、24b、座面21の内部構造を図3(A)に示す。
背面フレーム22cには、背面フレーム22cへの接続部を支点として左右に摺動可能な脇サポートフレーム22d、及び腰サポートフレーム24dが設けられている。各脇サポートフレーム22d、及び腰サポートフレーム24dは、各々油圧シリンダ30eにて摺動される。各油圧シリンダ30eには油圧配管で油圧が導入されており、この油圧(圧力)及び経路(油圧シリンダのピストンを押し出す側の経路と引込める側の経路)は、各油圧経路に設けられた電磁弁30dで調節される。
【0018】
また、油圧は、油圧ポンプ30b(ベーンポンプ等)にて発生させるとともに、座面21の下に相当する位置に配置された油タンク30aにかかる乗員の体重にて発生させる。
乗員の体重によって、油タンク30aの内部の油を加圧することにより、油圧ポンプ30bの負荷を低減できるとともに、油圧ポンプ30bの初期駆動時等における油圧の圧力不足を抑制することができる。
また、通信ユニット16a(この例では、油圧ポンプ30bと一体化)、制御ユニット16bは、図示した位置に設けられている。
【0019】
また、座面フレーム21cには、座面フレーム21cへの接続部を支点として左右に摺動可能な脚サポートフレーム21dが設けられている。各脚サポートフレーム21dは、脇サポートフレーム22dと同様に、各々油圧シリンダ30eにて摺動され、各油圧シリンダ30eには油圧配管で油圧が導入されており、この油圧の量及び経路は、各油圧経路に設けられた電磁弁30dで調節される。
図3(B)に、脚サポート部21a、21bの動作の様子を示す。油圧シリンダ30eのピストンの動作により、、脚サポート部21a、21bは、図3(B)のXZ平面内において、座面フレーム21cへの接続部を支点として左右に摺動する。
乗員が乗降する側の脚サポート部21aは、ほぼ水平位置にまで動作することができる。
【0020】
●[サポート部の保持力を変更するシステム構成(図4)]
次に、図4を用いて、サポート部の保持力を変更するシステム構成について説明する。
シート制御ユニット16は、通信ユニット16aと制御ユニット16bとで構成されている。なお、シート制御ユニット16は、1つのユニットに統合してもよいし、更に複数のユニットに分割してもよいし、他のユニット(メータ制御ユニット12等)と統合させてもよい。シート制御ユニット16の構成は様々な構成とすることができる。
【0021】
通信ユニット16aは、通信回線30(CAN、LIN等の通信回線)に接続されており、当該通信回線30を介して、複数のユニット(ナビゲーションユニット10、メータ制御ユニット12、エンジン制御ユニット14等)から、車両に関する様々な情報を受信して取り込むことができる。また、通信ユニット16aは、制御ユニット16bと送受信可能に接続されており、受信した情報を制御ユニット16bに転送する。なお、図4の例では、通信ユニット16aは、油圧ポンプ30bを制御し、油圧ポンプ30bの流量(吐出量)を調節することで、油圧供給配管30c内に、調節された油圧を供給する。
【0022】
制御ユニット16bは、通信ユニット16aから受信した、車両に関する様々な情報に基づいて、各サポート部の保持力を求め、各油圧シリンダ30eのピストン位置を求める。また、制御ユニット16bは、油圧シリンダ30eのピストン位置を検出し、求めたピストン位置になるように、電磁弁30dを制御する。
【0023】
電磁弁30dは、油圧ポンプ30bから供給された油圧を調節して油圧シリンダ30eに導入して油圧シリンダ30e内の油圧を増圧、あるいは油圧シリンダ30e内から油圧を調節して排出して油圧シリンダ30e内の油圧を減圧するとともに、油圧シリンダ30eのピストンを押し出すまたは引込めるための配管経路の切替えを行う。
油圧シリンダ30eは、供給された油圧に基づいて、ピストンを所定の位置に移動させ、当該ピストンに接続されたサポートフレームを摺動させ、サポート部の保持力を変更する。
【0024】
●[処理手順(各サポート部の位置の記憶:図5)]
まず、図5に示すフローチャートを用いて、制御ユニット16bが、各サポート部(脚サポート部21a、21b、脇サポート部22a、22b、腰サポート部24a、24b等)の位置(この例では、サポートの保持力毎に各位置を設定している)を記憶する処理手順の例について説明する。この例では、各サポート部の位置は、以下に示す3通りの位置(3通りの保持力の設定)がある。
なお、第1の実施の形態に示す車両用シート20a、20bは、左右に設けられた各サポート部で乗員を挟み込んで保持する構造であるため、乗員の体格によって保持位置が異なる.。このため、制御ユニット16bは、乗員が着座した時点の車両走行前(運転者が乗車してイグニションSWをONにした場合等のイニシャル起動時等、走行していない時)に、上記3通りの位置(現在の乗員に最適な3通りの位置)を検出して記憶する。
【0025】
(1)カーブモード位置
車両のコーナリング走行中に、乗員を比較的強い保持力でサポートする位置である。
(2)走行モード位置
車両の直進走行中に、乗員を比較的弱い保持力(カーブモード位置よりも弱い保持力)でサポートする位置である。
(3)開放モード位置
車両の速度が低い場合に、走行モード位置よりも弱い保持力でサポートする位置である。
なお、上記の3通りの位置の他に、図4に示すシステムが停止している状態(油圧の供給が停止している状態)の位置である「全開放位置(全サポート部が互いに離れる方向に最も開放されている状態の位置)」がある。
【0026】
図5に示すフローチャートの処理は、運転者が乗車してイグニションSWをONにした場合等のイニシャル起動時等に、制御ユニット16bが行う処理である。この処理により、制御ユニット16bは、車両用シート20a、20bに着座した乗員毎の体格に最適な3通りのサポート部の位置を検出して、記憶する。
ステップS10にて、ドアが閉状態であるか否かを判定する。ドアが閉状態でない場合(Noの場合であり、開状態)は、走行中でなく、乗員が乗降する意思を示しているため、ステップS70に進む。ドアが閉状態の場合(Yesの場合)は、ステップS20に進む。
ステップS20では、乗員の有無を判定する。乗員の有無は、座面21等に設けられた着座センサ(例えば、重量検出センサ)等により検出することが可能である。乗員なしと判定された場合(Noの場合)は、ステップS70に進む。乗員がある場合(Yesの場合)は、ステップS30に進む。
【0027】
ステップS30では、車両の直進走行中に乗員を比較的弱い保持力で保持できるサポート部の位置を検出し、検出した位置を「走行モード位置」として記憶する。このとき、通信ユニット16aは油圧ポンプ30bを駆動し、制御ユニット16bは電磁弁30dを駆動する。そして、油圧シリンダ30eを、着座している乗員の方向に緩やかに動作させ、圧力センサ等を用いて反力を検出する。そして、当該反力が、例えば0[kg]<反力≦1[kg](比較的弱い保持力)となった場合の油圧シリンダ30eのピストンの位置を、油圧シリンダ30eに設けられたポジションセンサ等から検出し、当該ポジションセンサ等からの検出信号に基づいた位置を、「走行モード位置」として記憶する。そして、ステップS40に進む。
【0028】
ステップS40では、車両の速度が低い場合に走行モード位置よりも弱い保持力で保持できるサポート部の位置を検出し、検出した位置を「開放モード位置」として記憶する。例えば、ステップS30で記憶した位置から、保持力を弱めて乗員を開放する方向に、油圧シリンダ30eのピストンの位置を30[mm]ストロークさせた位置(走行モードよりも弱い保持力)を、ポジションセンサ等から検出し、当該ポジションセンサ等からの検出信号に基づいた位置を、「開放ード位置」として記憶する。そして、ステップS50に進む。
【0029】
ステップS50では、車両のコーナリング走行中に乗員を比較的強い保持力(走行モード位置よりも強い保持力)で保持できるサポート部の位置を検出し、検出した位置を「カーブモード位置」として記憶する。ステップS30の「走行モード位置の検出、記憶」と同様に、油圧シリンダ30eを、着座している乗員の方向に緩やかに動作させ、圧力センサ等を用いて反力を検出する。そして、カーブモードの場合は、当該反力が、例えば8[kg]<反力≦10[kg](走行モードよりも高い保持力)となった場合の油圧シリンダ30eのピストンの位置を、油圧シリンダ30eに設けられたポジションセンサ等から検出し、当該ポジションセンサ等からの検出信号に基づいた位置を、「カーブモード位置」として記憶する。そして、ステップS60に進む。
【0030】
ステップS60では、通信ユニット16aは油圧ポンプ30bを駆動し、制御ユニット16bは電磁弁30dを駆動し、サポート部を、開放モード位置(ステップS40で記憶した位置)に設定し、処理を終了する。
また、ステップS70では、システムを停止(油圧の供給を停止)し、各サポート部を「全開放位置」に設定する。
以上の処理により、制御ユニット16bは、現在着座している乗員に対して、最適な「カーブモード位置」、「走行モード位置」、及び「開放モード位置」を記憶する。また、図8(B)に、「反力・ピストン位置特性」のグラフを示す。例えば、図8(B)において、反力Pcが9[kg]、反力Psが0.5[kg]の場合、ピストン位置Lcは「カーブモード位置」に相当し、ピストン位置Lsは「走行モード位置」に相当する。また、ピストン位置Lsとピストン位置Liとの差を30[mm]とすれば、ピストン位置Liが「開放モード位置」に相当する。
【0031】
●[処理手順(通信ユニットの処理:図6)]
次に、図6に示すフローチャートを用いて、通信ユニット16aが行う処理の処理手順の例を説明する。
図6に示すフローチャートの処理は、通信ユニット16aが定期的(例えば、100ms毎)に行う処理である。
ステップS110では、通信回線30を介して他のユニットから送信された、車両関連情報(ウィンカー情報、車速情報、操舵情報、カーブ到達情報、カーブ径情報等)を取り込む(受信する)。
ステップS120では、ステップS110で取り込んだ車両関連情報をそのまま、あるいは加工(平均化処理)等を行って、制御ユニット16bに転送する(送信する)。
【0032】
ステップS130では、油圧ポンプ30bへの供給電流を求める。例えば当該供給電流は、図8(A)に示す「車速・油圧ポンプ供給電流特性」のグラフから求める。この例は、車両の速度がV1[km/h]の場合に、供給電流はA1[mA]であることを示している。
ステップS140では、求めた供給電流を油圧ポンプ30bに供給する。この場合、通信ユニット16aは、所定の駆動回路を供給電流に対応する駆動方法で駆動(供給電流に対応したパルス幅のPWM出力等)し、処理を終了する。
【0033】
●[処理手順(制御ユニットの処理:図7)]
次に、図7に示すフローチャートを用いて、制御ユニット16bが行う処理の処理手順の例を説明する。
なお、乗員に加えられるであろう負荷(遠心力等)を予測するには、以下の2通りがある。
(1)交差点のない一本道におけるカーブを走行する場合
この場合、この先のカーブでは必ずコーナーリングによる遠心力等が発生する。負荷の予測には、「カーブ径情報」と、「カーブ到達情報」と、「車速情報」とを利用する。この場合、カーブに到達すれば必ず負荷(遠心力等)が発生するであろうという予測と、発生した場合の負荷の程度の予測を行う。
(2)交差点等、複数の道路の合流点にて右左折する場合
この場合、合流点で右折あるいは左折を行う時と、直進する時とで遠心力等の発生の有無が異なる。制御ユニット16bは、「カーブ径情報」と「カーブ到達情報」を利用しても、運転者が曲がる意思を持っているか否か(曲がるか直進するか)判断できないため、負荷の予測には、「ウィンカー情報」と「車速情報」とを利用する。この場合、ウィンカーが動作状態であれば、(数秒後には)車両が右折あるいは左折して、負荷が発生するであろうと予測する。
【0034】
図7に示すフローチャートの処理は、制御ユニット16bが定期的(例えば、100ms毎)に行う処理である。
ステップS210では、通信ユニット16aが転送(送信)した車両関連情報を受信する。
ステップS212では、ドアが閉状態であるか否かを判定する。ドアが閉状態でない場合(Noの場合であり、開状態)は、ステップS218に進む。ドアが閉状態の場合(Yesの場合)は、ステップS214に進む。
ステップS214では、イグニションSWがONであるか否かを判定する。イグニションSWがONでない場合(Noの場合)は、ステップS218に進む。イグニションSWがONの場合(Yesの場合)は、ステップS220に進む。
ここで、ステップS218に進んだ場合は、システムを停止(油圧の供給を停止)して、サポート部を「全開放位置」に設定し、処理を終了する。
【0035】
ステップS220では、受信した車両関連情報に含まれている車両速度情報に基づいて、車両速度が所定値(Vc(例えば30km/h))よりも大きいか否かを判定する。車両速度が所定値(Vc)以下の場合(Noの場合)は、ステップS228に進む。車両速度が所定値(Vc)よりも大きい場合(Yesの場合)は、ステップS230に進む。
ここで、ステップS228に進んだ場合は、サポート部を「開放モード位置」に設定し、処理を終了する。
【0036】
ステップS230では、受信した車両関連情報に含まれている車速情報と操舵情報に基づいて、乗員に加えられている現在の負荷(実負荷(αr))を演算する。この例では、負荷は加速度(遠心力による横G)としており、当該加速度α[m/s2]は、車両速度をV[m/s]、操舵角から換算して求めたカーブの半径をR[m]とすると、
α=V2/R
で求めることができる。
【0037】
そして、ステップS232では、演算で求めた実負荷(αr)が所定値(C2(例えば、0.2G))より大きいか否かを判定する。実負荷(αr)が所定値(C2)より大きい場合(Yesの場合)は、ステップS246に進む(現在、既に乗員に大きな負荷が加えられているため、予測するまでもなく「カーブモード位置」に設定する)。実負荷(αr)が所定値(C2)以下の場合(Noの場合)は、ステップS234に進む。
ステップS234では、受信した車両関連情報に含まれているウィンカー情報に基づいて、ウィンカーが作動しているか否かを判定する。ウィンカーが作動している場合(Yesの場合)は、ステップS246に進む(ほぼ数秒後には車両の進行方向が変更されて乗員に負荷が加えられると予測して、サポート部を予め「カーブモード位置」に設定する)。これにより、乗員にかかる負荷を、ウィンカーの動作状態から予測し、予め交差点等に進入する前に、サポート部の保持力を適切に変更することができる。(図12(C))
また、ウィンカーが作動していない場合(Noの場合)は、ステップS236に進む。
【0038】
ステップS236では、受信した車両関連情報に含まれているカーブ到達情報に基づいて、カーブまでの距離が所定距離(Dc(例えば、50[m]))以内であるか否かを判定する。所定距離(Dc)より大きい場合(Noの場合)は、ステップS238に進む(まだカーブに到達して実際に負荷がかかるまで時間がかかると予測して、サポート部を「走行モード位置」に設定する)。カーブまでの距離が所定距離(Dc)以内である場合(Yesの場合)は、ステップS240に進む。
【0039】
ステップS240では、受信した車両関連情報に含まれている車速情報とカーブ径情報とに基づいて、数秒後に進入する見込みのカーブを旋回した場合に乗員に加えられるであろう負荷(予測負荷(αm))を演算する。この時、カーブ径情報には、現在走行している道路が一本道であることを示す情報が含まれている。この例では、負荷は加速度(遠心力による横G)としており、当該加速度α[m/s2]は、車両速度をV[m/s]、カーブの半径をR[m]とすると、
α=V2/R
で求めることができる。
そして、ステップS244にて、予測負荷(αm)が所定値(C1(例えば、0.2G))よりも大きいか否かを判定する。所定値(C1)以下の場合(Noの場合)は、ステップS238に進む(数秒後に進入する見込みのカーブを旋回しても、乗員にかかる負荷は小さいと予測して、サポート部を「走行モード位置」に設定する)。予測負荷(αm)が所定値(C1)より大きい場合(Yesの場合)は、ステップS246に進む(数秒後に進入する見込みのカーブを旋回すると、乗員にかかる負荷が充分大きいと予測して、サポート部を予め「カーブモード位置」に設定する)。これにより、乗員にかかる負荷を、カーブに到達するまでの距離あるいは時間、及びカーブ径等から予測し、予めカーブに進入する前に、サポート部の保持力を適切に変更することができる。(図8(C))
【0040】
ステップS246では、受信した車両関連情報に含まれているウィンカー情報、カーブ径情報等(例えば、カーブの方向もカーブ径情報に含まれている)に基づいて、右カーブか否かを判定する。右カーブである場合(Yesの場合)は、ステップS248bに進み、左側のサポート部を「カーブモード位置」に設定して処理を終了する。右カーブでない場合(Noの場合であり、左カーブの場合)は、ステップS248aに進み、右側のサポート部を「カーブモード位置」に設定して処理を終了する。
なお、ステップS246(右カーブ判定)を省略し、ステップS248aとステップS248bを1つにまとめて両側のサポート部を「カーブモード位置」に設定するようにしてもよい。
【0041】
ステップS238に進んだ場合は、サポート部を「走行モード位置」に設定して処理を終了する。
ステップS228に進んだ場合は、サポート部を「開放モード位置」に設定して処理を終了する。
ステップS218に進んだ場合は、システムを停止(油圧の供給を停止)し、サポート部を「全開放位置」にして処理を終了する。
なお、上記の説明では、ステップS236にて、カーブまでの距離が所定距離(Dc)より大きいか否かを判定したが、カーブまでの時間が所定時間(Tc)より大きいか否かで判定してもよい。
また、所定距離(Dc)を固定値にすることなく、車両速度に応じて変更(車両速度が大きい場合はDcを大きく設定し、車両速度が小さい場合はDcを小さく設定する等)するようにしてもよい。
また、「カーブモード位置」を負荷の大きさに応じて変更(負荷が大きい場合は保持力を大きく設定し、負荷が小さい場合は保持力を小さく設定する等)するようにしてもよい。
なお、以上の説明において、「カーブ径情報」及び「カーブ到達情報」は、例えばナビゲーションユニット10から送信され、「ウィンカー情報」は、例えばメータ制御ユニット12から送信され、「車速情報」及び「操舵情報」は、例えばエンジン制御ユニット14から送信される。
【0042】
◆[第2の実施の形態]
第2の実施の形態では、シート制御ユニット16が他のユニットから、ウィンカー情報、車速情報、操舵情報等を受信し、受信した情報に基づいて、当該車両が交差点等に進入する前に、乗員に加えられる負荷を予測し、予測した負荷に基づいて、予め車両用シート20a、20bの各サポート部の保持力を適切に制御することを説明する。
第1の実施の形態との相違点は、ハードウェア構成上の相違点(車両用シート20a、20bの構造及び制御システムが簡略化されいる)と、ソフトウェア制御上の相違点(カーブ径情報、及びカーブ到達情報の受信がなく、カーブに関する予測が省略されている)点である。このため、第2の実施の形態は、ナビゲーションユニット10が装備されていない車両1であっても、適用することができる。
【0043】
●[車両用シートの外観及びサポート状態(図9(A)、(B))]
図9(A)、(B)に、第2の実施の形態における車両用シート20a、20bの外観及びサポート状態について説明する。
例えば、車両用シート20aは、図9(A)に示すように、座面21、背面22、ヘッドレスト23、アームレスト25を有している。
なお、第2の実施の形態における車両用シート20a、20bのサポート部は、座面21の内部に設けられた右座面サポート部30mと、左座面サポート部30nで構成されており、各座面サポート部30m、30nが、膨張して張力を増加、あるいは縮小して張力を減少させ、座面の左右の張力を変更することで乗員に加えられる横Gに対する保持力を変更する。(図9(C))
【0044】
また、図9(A)及び(C)に、各座面サポート部30m、30nの保持力の変更状態を示す。車両が交差点等を走行し、横Gが乗員に加えられる場合等において、乗員のサポートを高める時、例えば交差点を右折する場合、左座面サポート部30nの張力を増加させ、右座面サポート部30mの張力を減少させて、乗員の保持力を高める。
なお、図9(B)は、車両用シート20a、20bに乗員が着座した様子を示す図である。
【0045】
●[車両用シートの内部構造(図9(C))]
例えば、図9(A)に示した車両用シート20aにおいて、ヘッドレスト23よりも更に下方の背面22、座面21の内部構造を図9(C)に示す。
背面フレーム22cには、特に乗員をサポートするサポートフレーム等は設けられていない。
座面フレーム21cの内側には、張力の増減によって乗員の保持力を変更する右座面サポート部30mと、左座面サポート部30nが設けられている。
各座面サポート部30m、30nは、各々油圧ポンプ30b、及び電磁弁30dによって供給される油圧で張力を増減することができる。各座面サポート部30m、30nには油圧配管で油圧が導入されており、この油圧及び経路は、各油圧経路に設けられた電磁弁30dで調節される。
【0046】
また、油圧は、油圧ポンプ30b(ベーンポンプ等)にて発生させるとともに、座面21の下に相当する位置に配置された油タンク30aにかかる乗員の体重にて発生させる。
また、第1の実施の形態と同様に、乗員の体重によって、油タンク30aの内部の油を加圧することにより、油圧ポンプ30bの負荷を低減できるとともに、油圧ポンプ30bの初期駆動時等における油圧の圧力不足を抑制することができる。
また、通信ユニット16a(この例では、油圧ポンプ30bと一体化)、制御ユニット16bは、図示した位置に設けられている。
【0047】
●[サポート部の保持力を変更するシステム構成(図10)]
次に、図10を用いて、座面サポート部の保持力を変更するシステム構成について説明する。以下、第1の実施の形態との相違点について説明する。
制御ユニット16bは、通信ユニット16aから受信した車両に関する様々な情報に基づいて、各サポート部の保持力を求め、各座面サポート部30m、30nに供給する油圧の経路及び圧力を求め、求めた経路及び圧力になるように、電磁弁30dを制御する。
電磁弁30dは、供給された油圧を調節するとともに、各座面サポート部30m、30nを膨張、または縮小させるための配管経路の切替えを行う。
各座面サポート部30m、30nは、供給された油圧に基づいて、膨張あるいは縮小して張力が変更され、サポート部の保持力を変更する。
その他は、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0048】
なお、第2の実施の形態では、各座面サポート部30m、30nの保持力には、以下に示す圧力(保持力の設定)がある。
・カーブモード圧力
車両のコーナリング走行中に、乗員を比較的強い保持力(システム停止状態よりも強い保持力)でサポートする圧力である。
なお、上記の圧力の他に、図10に示すシステムが停止している状態(油圧の供給が停止している状態)がある。なお、各座面サポート部30m、30nは、このシステム停止状態において、通常の車両用シートと同程度の保持力を有している。
この圧力と、各圧力による張力(反力)のグラフを、図12(B)の「圧力(油圧)・張力特性」に示す。例えば、図12(B)において、圧力P3が「カーブモード圧力」の場合、張力はPcになる。目標とする張力が決まれば、調節する圧力(油圧)が決定する。
【0049】
●[処理手順(制御ユニットの処理:図11)]
図5に示す「各サポート部の位置の記憶」は、第2の実施の形態では行わないので省略する。
また、図6に示す「通信ユニットの処理」は、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。ただし、第1の実施の形態に対して、第2の実施の形態では、「カーブ径情報」、及び「カーブ到達情報」は受信しなくてもよい。
なお、乗員に加えられるであろう負荷(遠心力等)を、以下のように予測する。
(1)交差点等、複数の道路の合流点にて右左折する場合
この場合、合流点で右左折を行う時と、直進する時とで遠心力等の発生の有無が異なる。ウィンカーが動作状態を認識すれば、運転者が曲がる意思を持っているか否か(曲がるか直進するか)を判断できるため、負荷の予測には、「ウィンカー情報」と「車速情報」とを利用する。この場合、ウィンカーが動作状態であれば、(数秒後には)負荷が発生するであろうと予測する。
次に、図11に示すフローチャートを用いて、制御ユニット16bが行う処理の処理手順の例を説明する。
【0050】
図11に示すフローチャートの処理は、制御ユニット16bが定期的(例えば、100ms毎)に行う処理である。
ステップS310では、通信ユニット16aが転送(送信)した車両関連情報を受信する。このとき、カーブ径情報、及びカーブ到達情報は受信しなくてもよい。
ステップS312では、ドアが閉状態であるか否かを判定する。ドアが閉状態でない場合(Noの場合であり、開状態)は、ステップS318に進む。ドアが閉状態の場合(Yesの場合)は、ステップS314に進む。
ステップS314では、イグニションSWがONであるか否かを判定する。イグニションSWがONでない場合(Noの場合)は、ステップS318に進む。イグニションSWがONの場合(Yesの場合)は、ステップS320に進む。
ここで、ステップS318に進んだ場合は、システムを停止(油圧の供給を停止)して、処理を終了する。
【0051】
ステップS320では、受信した車両関連情報に含まれている車速情報に基づいて、車両速度が所定値(Vc(例えば30km/h))よりも大きいか否かを判定する。車両速度が所定値(Vc)以下の場合(Noの場合)は、ステップS318に進む。車両速度が所定値(Vc)よりも大きい場合(Yesの場合)は、ステップS330に進む。
ここで、ステップS318に進んだ場合は、システムを停止(油圧の供給を停止)して、処理を終了する。
【0052】
ステップS330では、受信した車両関連情報に含まれている車速情報と操舵情報に基づいて、乗員に加えられている現在の負荷(実負荷(αr))を演算する。第1の実施の形態と同様に、当該加速度α[m/s2]は、車両速度をV[m/s]、操舵角から換算して求めたカーブの半径をR[m]とすると、
α=V2/R
で求めることができる。
【0053】
そして、ステップS332では、演算で求めた実負荷(αr)が所定値(C2(例えば、0.2G))より大きいか否かを判定する。実負荷(αr)が所定値(C2)より大きい場合(Yesの場合)は、ステップS346に進む(現在、既に乗員に大きな負荷が加えられているため、予測するまでもなく「カーブモード圧力」に設定する)。実負荷(αr)が所定値(C2)以下の場合(Noの場合)は、ステップS334に進む。
ステップS334では、受信した車両関連情報に含まれているウィンカー情報に基づいて、ウィンカーが作動しているか否かを判定する。ウィンカーが作動している場合(Yesの場合)は、ステップS346に進む(ほぼ数秒後には車両の進行方向が変更されて乗員に負荷が加えられると予測して、サポート部を「カーブモード圧力」に設定する)。これにより、乗員にかかる負荷を、ウィンカーの動作状態から予測し、予め交差点等で右左折する前に、サポート部の保持力を適切に変更することができる。(図12(C))
また、ウィンカーが作動しない場合(Noの場合)は、ステップS318に進む(交差点等への進入手前でない、あるいは交差点等に進入しても直進すると予測して、ステップS318にて、システム停止(油圧の供給を停止)に設定する)。
【0054】
ステップS346では、受信した車両関連情報に含まれているウィンカー情報等(例えば、ウィンカーの方向(右側あるいは左側)もウィンカー情報に含まれている)に基づいて、交差点等を右折するか否かを判定する。右折である場合(Yesの場合)は、ステップS348bに進み、左側のサポート部を「カーブモード圧力」に設定(左座面サポート部を増圧し、右座面サポート部を減圧)して処理を終了する。右折でない場合(Noの場合であり、左折の場合)は、ステップS348aに進み、右側のサポート部を「カーブモード圧力」に設定(右座面サポート部を増圧し、左座面サポート部を減圧)して処理を終了する。
【0055】
以上、本実施の形態で説明した車両用シートの制御方法及び車両用シートは、停止及び発進が連続する市街地の走行よりも、比較的高速(例えば30km/h以上)でほとんど停止することなくカーブ及び交差点等を走行する山岳道路等において、非常に大きな効果を有する。
【0056】
本発明の車両用シートの制御方法及び車両用シートは、本実施の形態で説明した構成、構造、形状、サイズ、動作等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
本実施の形態の説明に用いた処理手順は、図5、図6、図7、図11に示したフローチャートに限定されるものではない。
本実施の形態の説明に用いた特性グラフは、図8、図12に示した特性グラフに限定されるものではない。また、供給電流等は、当該特性グラフから求めることに限定されず、様々な方法で求めることが可能である。
本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
また、以上(≧)、以下(≦)、より大きい(>)、未満(<)等は、等号を含んでも含まなくてもよい。
本実施の形態の説明では、サポート部の保持力の変更を油圧で行ったが、保持力の変更は油圧に限定されず、モータ及びギアによる保持力の変更等、種々の方法で保持力を変更することができる。
本実施の形態の説明では、乗員に加えられる負荷の予測に、カーブ径情報、カーブ到達情報、ウィンカー情報、車速情報、操舵情報等を用いたが、これらの情報に限定されることなく、種々のユニットから種々の情報を受信して、乗員に加えられる負荷を予測することができる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜4のいずれかに記載の車両用シートの制御方法、あるいは請求項5〜6のいずれかに記載の車両用シートを用いれば、乗員にかかる負荷を予め予測して、実際に乗員に負荷がかかる前からサポート部の保持力を調整することができ、より快適な車両用シートの制御方法及び車両用シートを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用シートの制御方法を用いた車両用シート20a、20bを搭載した車両1の一実施の形態の概略図である。
【図2】第1の実施の形態において、車両用シート20a、20bの外観及びサポート状態を説明する図である。
【図3】車両用シート20aの内部構造を説明する図である。
【図4】サポート部の保持力を変更するシステム構成について説明する図である。
【図5】制御ユニット16bが、各サポート部の位置を記憶する処理手順の例について説明するフローチャートである。
【図6】通信ユニット16aが行う処理の処理手順の例を説明するフローチャートである。
【図7】制御ユニット16bが行う処理の処理手順の例を説明するフローチャートである。
【図8】各特性グラフの例と、カーブを走行する際において、サポート部の保持力(サポート部の位置の変化)を説明する図である。
【図9】第2の実施の形態において、車両用シート20a、20bの外観、サポート状態、及び内部構造を説明する図である。
【図10】サポート部の保持力を変更するシステム構成について説明する図である。
【図11】制御ユニット16bが行う処理の処理手順の例を説明するフローチャートである。
【図12】各特性グラフの例と、交差点で右折する際において、サポート部の保持力(サポート部の圧力の変化)を説明する図である。
【符号の説明】
1 車両
16 シート制御ユニット
16a 通信ユニット
16b 制御ユニット
20a、20b 車両用シート
21a、21b 脚サポート部
22a、22b 脇サポート部
24a、24b 腰サポート部
30 通信回線
30a 油タンク
30b 油圧ポンプ
30d 電磁弁
30e 油圧シリンダ
30g 弁
30m 右座面サポート部
30n 左座面サポート部
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用シートの制御方法(特に、サポート部の保持力の制御方法)及び車両用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両用シートには、コーナリング時等の乗員の姿勢を保持する目的で、サイド部等にサポート部が設けられているものがある。当該サポート部は、乗員の体格や好みに応じて、手動操作でサポート性を変更できる構成を有している。
また、実開平4−76531号公報では、車速センサ、ステアリング舵角センサ、横Gセンサからの入力に基づいて、サイドサポートの保持力を変化させる車両用シートのサイドサポート可変機構を提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の、手動操作でサポート性を変更できる車両用シートは、カーブでのサポート性を優先すると、直進走行時には乗員にとって窮屈であり、快適とは言い難い。また、直進走行時でのサポート性を優先すると、カーブでのサポートが不充分になり、乗員にとって快適とは言い難い。
また、実開平4−76531号公報で提案されている車両用シートのサイドサポート可変機構では、カーブ及び直進走行時において、各々適切にサポート性を変更させることができるが、受動的な制御(フィードバック制御。例えば、横Gが乗員にかかる場合、実際に横Gが発生して乗員に横Gがかかってから、横Gセンサの信号等に基づいてサポートの保持力を調整)を行うことは可能であるが、横G等の負荷が乗員にかかることを予測して実際に横G等が乗員にかかる前に、予めサポートの保持力を調節しておくような、能動的な制御(フィードフォワード制御)を行うことはできない。このため、乗員に負荷がかかり始める時点(カーブの入口等)では、サポート性が変更されておらず、また、横Gがかかり始めてサポート性の変更が開始されても保持力の遅れ等により、快適なサポートを提供しているとは言い難い。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、乗員にかかる負荷を予め予測して、実際に乗員に負荷がかかる前からサポート部の保持力を調整することができる、より快適な車両用シートの制御方法及び車両用シートを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりの車両用シートの制御方法である。
請求項1に記載の車両用シートの制御方法では、車両に設けられた複数のユニットから、当該車両に関する情報(例えば、当該車両が進入しようとしているカーブの径に関する情報、当該車両が当該カーブに到達するまでの距離あるいは時間に関する情報、当該車両の速度に関する情報、ウィンカーの状態に関する情報等)を受信し、これらの情報に基づいて、当該車両がやがてカーブを旋回、あるいは交差点等を右左折等することを予測する。そして、当該車両の乗員に加えられる負荷を予測し、実際に乗員に負荷が加えられる前からサポート部の保持力を制御することができる。
【0005】
また、本発明の第2〜第3発明は、請求項2〜3に記載されたとおりの車両用シートの制御方法である。
請求項2〜3に記載の車両用シートの制御方法では、車両に関する情報には、当該車両が走行している道路に関する情報(当該車両が進入しようとしているカーブの径に関する情報等)と、当該車両の位置に関する情報(当該車両が当該カーブに到達するまでの距離あるいは時間に関する情報等)と、当該車両の速度に関する情報とを含む。
例えば、制御手段は、L[m]進むとカーブに進入することを認識し、当該カーブの半径がR[m]であり、現在の車速がV[km/h]であることを認識すると、カーブに進入してから乗員に加えられるであろう負荷(遠心力等)を、カーブに進入する前から予測することができる。
これにより、予めカーブに進入する前に、カーブに進入した際に乗員に加えられるであろう負荷を適切に予測することができ、予測した負荷に基づいてサポート部の保持力を適切に調整することができる。
【0006】
また、本発明の第4発明は、請求項4に記載されたとおりの車両用シートの制御方法である。
請求項4に記載の車両用シートの制御方法では、車両に関する情報には、ウィンカー状態に関する情報(交差点等に接近しており、運転者に右折あるいは左折の意思がある状態を示す情報等)と、車両の速度に関する情報とを含む。
制御手段は、ウィンカー(例えば、右ウィンカー)が出力中であることを認識し、現在の車速がV[km/h]であることを認識すると、数秒後には交差点等に進入して且つ当該交差点等では右折するであろうと予測し、交差点等に進入する前から、右折時に乗員に負荷がかかるであろうことを予測することができる。これにより、予め交差点等に進入する前に、交差点等に進入した際に乗員に加えられるであろう負荷を適切に予測することができ、予測した負荷に基づいてサポート部の保持力を適切に調整することができる。
【0007】
また、本発明の第5発明は、請求項5に記載されたとおりの車両用シートである。
請求項5に記載の車両用シートでは、各サポート部の保持力を、油圧を用いて制御する。
これにより、乗員にかかる負荷を予め予測して、実際に乗員に負荷がかかる前から、サポートの保持力を適切に変更することができる車両用シートを容易に実現することができる。
【0008】
また、本発明の第6発明は、請求項6に記載されたとおりの車両用シートである。
請求項6に記載の車両用シートでは、油タンクを座面の下に配置することにより、乗員の体重によって油タンク内部の油を加圧する。
これにより、油圧ポンプの負荷を低減できるとともに、油圧ポンプの初期駆動時等における油圧の圧力不足を抑制することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1(A)は、本発明の車両用シートの制御方法を用いた車両用シート20a、20bを搭載した車両1の一実施の形態の概略図を示している。
車両1には、ナビゲーションユニット10、メータ制御ユニット12、エンジン制御ユニット14等、種々のユニットが設けられている。また、各ユニットは、通信回線30(CAN(Control Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)等の通信回線)で接続されており、各ユニット間で相互にメッセージ(各ユニットが検出あるいは判定した情報等)を送受信可能である。
また、車両用シート20a、20bには、シート制御ユニット16(制御手段)が設けられており、通信回線30に接続されている。これにより、シート制御ユニット16は、通信回線30に接続された各ユニットからのメッセージを受信することが可能である。
【0010】
各ユニットは、図1(B)に示すように、通信回線30を介して相互にメッセージを送受信することが可能である。図1(B)に示す例では、ナビゲーションユニット10は、メッセージ「aa」を送信し、当該メッセージ「aa」は、メータ制御ユニット12、エンジン制御ユニット14、シート制御ユニット16にて受信される様子を示している。
また、例えば、CANで通信を行った場合、各メッセージには、「メッセージID」と「メッセージデータ」が含まれており、メッセージを送信するユニットは、予め決められた「メッセージID」をメッセージに含ませ、更に、予め決められた形式に基づいた「メッセージデータ」をメッセージに含ませる。メッセージを受信するユニットは、所望する「メッセージID」を含むメッセージを取り込み、当該メッセージに含まれている「メッセージデータ」から、所望する情報を取り込む。
【0011】
この通信により、各ユニットは、各ユニット毎に各種のセンサ等を接続することなく、所望する情報を保有する他のユニットから、当該情報を入手することができる。(各ユニット間で、特定の情報を共有化することができる。)
従来の車両用シートでは、シート制御ユニットに各センサを直接接続しており、新たな情報の取り込みをシート制御ユニットに追加する場合は、当該新たな情報を検出するセンサ等とシート制御ユニットとの接続を追加する必要がある。このため、接続用の配線の取りまわし、接続用のコネクタの配置等のハードウェアを追加する必要があり、必要な情報の種類を変更することは非常に困難である。本発明の車両用シートでは、シート制御ユニット16を通信回線30に接続し、所望する情報(新たな情報)を保有している他のユニットから通信回線30を介して受信することができる。このため、必要な情報の種類を変更する場合は、ソフトウェアの変更で対応することが可能であり、ハードウェアを変更する必要がないため、容易に必要な情報の種類を変更することができる。
【0012】
◆[第1の実施の形態]
第1の実施の形態では、シート制御ユニット16が他のユニットから、車両が走行している道路に関する情報(当該車両が進入しようとしているカーブの径に関する情報等)と、当該道路における当該車両の位置に関する情報(当該車両が当該カーブに到達するまでの距離あるいは時間等)と、ウィンカーの状態に関する情報と、車両の速度に関する情報と、ステアリングの操舵に関する情報等を受信する。そして、受信した情報に基づいて、当該車両が当該カーブに進入する前、あるいは交差点等に進入する前に、予め乗員に加えられる負荷を予測し、予測した負荷に基づいて、予め車両用シート20a、20bの各サポート部の保持力を適切に制御することを説明する。
【0013】
なお、以下の説明では、「車両に関する情報」を「車両関連情報」と記載し、「ウィンカーの状態に関する情報」を「ウィンカー情報」と記載し、「車両の速度に関する情報」を「車速情報」と記載し、「ステアリングの操舵に関する情報」を「操舵情報」と記載し、「当該車両が進入しようとしているカーブの径に関する情報」を「カーブ径情報」と記載し、「当該車両が当該カーブに到達するまでの距離あるいは時間」を「カーブ到達情報」と記載する。
【0014】
●[車両用シートの外観及びサポート状態(図2)]
図2(A)〜(C)に、第1の実施の形態における車両用シート20a、20bの外観及びサポート状態について説明する。
例えば、車両用シート20aは、図2(A)に示すように、座面21、脚サポート部21a、21b、背面22、脇サポート部22a、22b、腰サポート部24a、24b、ヘッドレスト23、ヘッドサポート部23a、23bを有している。
【0015】
図2(A)に示す車両用シートにおいて、各サポート部によるサポート状態を図2(B)に示す。車両がカーブ等を走行し、横Gが乗員に加えられる場合等において乗員のサポート性を高める時、脚サポート部21a、21b、脇サポート部22a、22b、腰サポート部24a、24b、ヘッドサポート部23a、23bは、互いに向き合う方向に移動し、乗員の保持力を高める。
なお、この場合、左右の各サポート部(右側:脚サポート部21a、脇サポート部22a、腰サポート部24a、ヘッドサポート部23a、左側:脚サポート部21b、脇サポート部22b、腰サポート部24b、ヘッドサポート部23b)の両側から保持力を高めてもよいし、左右のどちらか一方の保持力のみを高めてもよい。
【0016】
また、車両用シート20a、20bにおいて、乗員が乗降する側の脚サポート部は、乗員の乗降を容易にするために、サポートの保持力を開放する側への移動は、ほぼ水平位置まで移動する。
図2(C)は、図2(B)に対してヘッドサポート部23a、23bを省略した車両用シート20a、20b外観及びサポート状態の例を示す図である。
車両用シート20a、20bの外観(形状等)、サポートの部位等は、種々のものが考えられる。
【0017】
●[車両用シートの内部構造(図3)]
例えば、図2(A)に示した車両用シート20aにおいて、ヘッドレスト23よりも更に下方の背面22、脚サポート部21a、21b、脇サポート部22a、22b、腰サポート部24a、24b、座面21の内部構造を図3(A)に示す。
背面フレーム22cには、背面フレーム22cへの接続部を支点として左右に摺動可能な脇サポートフレーム22d、及び腰サポートフレーム24dが設けられている。各脇サポートフレーム22d、及び腰サポートフレーム24dは、各々油圧シリンダ30eにて摺動される。各油圧シリンダ30eには油圧配管で油圧が導入されており、この油圧(圧力)及び経路(油圧シリンダのピストンを押し出す側の経路と引込める側の経路)は、各油圧経路に設けられた電磁弁30dで調節される。
【0018】
また、油圧は、油圧ポンプ30b(ベーンポンプ等)にて発生させるとともに、座面21の下に相当する位置に配置された油タンク30aにかかる乗員の体重にて発生させる。
乗員の体重によって、油タンク30aの内部の油を加圧することにより、油圧ポンプ30bの負荷を低減できるとともに、油圧ポンプ30bの初期駆動時等における油圧の圧力不足を抑制することができる。
また、通信ユニット16a(この例では、油圧ポンプ30bと一体化)、制御ユニット16bは、図示した位置に設けられている。
【0019】
また、座面フレーム21cには、座面フレーム21cへの接続部を支点として左右に摺動可能な脚サポートフレーム21dが設けられている。各脚サポートフレーム21dは、脇サポートフレーム22dと同様に、各々油圧シリンダ30eにて摺動され、各油圧シリンダ30eには油圧配管で油圧が導入されており、この油圧の量及び経路は、各油圧経路に設けられた電磁弁30dで調節される。
図3(B)に、脚サポート部21a、21bの動作の様子を示す。油圧シリンダ30eのピストンの動作により、、脚サポート部21a、21bは、図3(B)のXZ平面内において、座面フレーム21cへの接続部を支点として左右に摺動する。
乗員が乗降する側の脚サポート部21aは、ほぼ水平位置にまで動作することができる。
【0020】
●[サポート部の保持力を変更するシステム構成(図4)]
次に、図4を用いて、サポート部の保持力を変更するシステム構成について説明する。
シート制御ユニット16は、通信ユニット16aと制御ユニット16bとで構成されている。なお、シート制御ユニット16は、1つのユニットに統合してもよいし、更に複数のユニットに分割してもよいし、他のユニット(メータ制御ユニット12等)と統合させてもよい。シート制御ユニット16の構成は様々な構成とすることができる。
【0021】
通信ユニット16aは、通信回線30(CAN、LIN等の通信回線)に接続されており、当該通信回線30を介して、複数のユニット(ナビゲーションユニット10、メータ制御ユニット12、エンジン制御ユニット14等)から、車両に関する様々な情報を受信して取り込むことができる。また、通信ユニット16aは、制御ユニット16bと送受信可能に接続されており、受信した情報を制御ユニット16bに転送する。なお、図4の例では、通信ユニット16aは、油圧ポンプ30bを制御し、油圧ポンプ30bの流量(吐出量)を調節することで、油圧供給配管30c内に、調節された油圧を供給する。
【0022】
制御ユニット16bは、通信ユニット16aから受信した、車両に関する様々な情報に基づいて、各サポート部の保持力を求め、各油圧シリンダ30eのピストン位置を求める。また、制御ユニット16bは、油圧シリンダ30eのピストン位置を検出し、求めたピストン位置になるように、電磁弁30dを制御する。
【0023】
電磁弁30dは、油圧ポンプ30bから供給された油圧を調節して油圧シリンダ30eに導入して油圧シリンダ30e内の油圧を増圧、あるいは油圧シリンダ30e内から油圧を調節して排出して油圧シリンダ30e内の油圧を減圧するとともに、油圧シリンダ30eのピストンを押し出すまたは引込めるための配管経路の切替えを行う。
油圧シリンダ30eは、供給された油圧に基づいて、ピストンを所定の位置に移動させ、当該ピストンに接続されたサポートフレームを摺動させ、サポート部の保持力を変更する。
【0024】
●[処理手順(各サポート部の位置の記憶:図5)]
まず、図5に示すフローチャートを用いて、制御ユニット16bが、各サポート部(脚サポート部21a、21b、脇サポート部22a、22b、腰サポート部24a、24b等)の位置(この例では、サポートの保持力毎に各位置を設定している)を記憶する処理手順の例について説明する。この例では、各サポート部の位置は、以下に示す3通りの位置(3通りの保持力の設定)がある。
なお、第1の実施の形態に示す車両用シート20a、20bは、左右に設けられた各サポート部で乗員を挟み込んで保持する構造であるため、乗員の体格によって保持位置が異なる.。このため、制御ユニット16bは、乗員が着座した時点の車両走行前(運転者が乗車してイグニションSWをONにした場合等のイニシャル起動時等、走行していない時)に、上記3通りの位置(現在の乗員に最適な3通りの位置)を検出して記憶する。
【0025】
(1)カーブモード位置
車両のコーナリング走行中に、乗員を比較的強い保持力でサポートする位置である。
(2)走行モード位置
車両の直進走行中に、乗員を比較的弱い保持力(カーブモード位置よりも弱い保持力)でサポートする位置である。
(3)開放モード位置
車両の速度が低い場合に、走行モード位置よりも弱い保持力でサポートする位置である。
なお、上記の3通りの位置の他に、図4に示すシステムが停止している状態(油圧の供給が停止している状態)の位置である「全開放位置(全サポート部が互いに離れる方向に最も開放されている状態の位置)」がある。
【0026】
図5に示すフローチャートの処理は、運転者が乗車してイグニションSWをONにした場合等のイニシャル起動時等に、制御ユニット16bが行う処理である。この処理により、制御ユニット16bは、車両用シート20a、20bに着座した乗員毎の体格に最適な3通りのサポート部の位置を検出して、記憶する。
ステップS10にて、ドアが閉状態であるか否かを判定する。ドアが閉状態でない場合(Noの場合であり、開状態)は、走行中でなく、乗員が乗降する意思を示しているため、ステップS70に進む。ドアが閉状態の場合(Yesの場合)は、ステップS20に進む。
ステップS20では、乗員の有無を判定する。乗員の有無は、座面21等に設けられた着座センサ(例えば、重量検出センサ)等により検出することが可能である。乗員なしと判定された場合(Noの場合)は、ステップS70に進む。乗員がある場合(Yesの場合)は、ステップS30に進む。
【0027】
ステップS30では、車両の直進走行中に乗員を比較的弱い保持力で保持できるサポート部の位置を検出し、検出した位置を「走行モード位置」として記憶する。このとき、通信ユニット16aは油圧ポンプ30bを駆動し、制御ユニット16bは電磁弁30dを駆動する。そして、油圧シリンダ30eを、着座している乗員の方向に緩やかに動作させ、圧力センサ等を用いて反力を検出する。そして、当該反力が、例えば0[kg]<反力≦1[kg](比較的弱い保持力)となった場合の油圧シリンダ30eのピストンの位置を、油圧シリンダ30eに設けられたポジションセンサ等から検出し、当該ポジションセンサ等からの検出信号に基づいた位置を、「走行モード位置」として記憶する。そして、ステップS40に進む。
【0028】
ステップS40では、車両の速度が低い場合に走行モード位置よりも弱い保持力で保持できるサポート部の位置を検出し、検出した位置を「開放モード位置」として記憶する。例えば、ステップS30で記憶した位置から、保持力を弱めて乗員を開放する方向に、油圧シリンダ30eのピストンの位置を30[mm]ストロークさせた位置(走行モードよりも弱い保持力)を、ポジションセンサ等から検出し、当該ポジションセンサ等からの検出信号に基づいた位置を、「開放ード位置」として記憶する。そして、ステップS50に進む。
【0029】
ステップS50では、車両のコーナリング走行中に乗員を比較的強い保持力(走行モード位置よりも強い保持力)で保持できるサポート部の位置を検出し、検出した位置を「カーブモード位置」として記憶する。ステップS30の「走行モード位置の検出、記憶」と同様に、油圧シリンダ30eを、着座している乗員の方向に緩やかに動作させ、圧力センサ等を用いて反力を検出する。そして、カーブモードの場合は、当該反力が、例えば8[kg]<反力≦10[kg](走行モードよりも高い保持力)となった場合の油圧シリンダ30eのピストンの位置を、油圧シリンダ30eに設けられたポジションセンサ等から検出し、当該ポジションセンサ等からの検出信号に基づいた位置を、「カーブモード位置」として記憶する。そして、ステップS60に進む。
【0030】
ステップS60では、通信ユニット16aは油圧ポンプ30bを駆動し、制御ユニット16bは電磁弁30dを駆動し、サポート部を、開放モード位置(ステップS40で記憶した位置)に設定し、処理を終了する。
また、ステップS70では、システムを停止(油圧の供給を停止)し、各サポート部を「全開放位置」に設定する。
以上の処理により、制御ユニット16bは、現在着座している乗員に対して、最適な「カーブモード位置」、「走行モード位置」、及び「開放モード位置」を記憶する。また、図8(B)に、「反力・ピストン位置特性」のグラフを示す。例えば、図8(B)において、反力Pcが9[kg]、反力Psが0.5[kg]の場合、ピストン位置Lcは「カーブモード位置」に相当し、ピストン位置Lsは「走行モード位置」に相当する。また、ピストン位置Lsとピストン位置Liとの差を30[mm]とすれば、ピストン位置Liが「開放モード位置」に相当する。
【0031】
●[処理手順(通信ユニットの処理:図6)]
次に、図6に示すフローチャートを用いて、通信ユニット16aが行う処理の処理手順の例を説明する。
図6に示すフローチャートの処理は、通信ユニット16aが定期的(例えば、100ms毎)に行う処理である。
ステップS110では、通信回線30を介して他のユニットから送信された、車両関連情報(ウィンカー情報、車速情報、操舵情報、カーブ到達情報、カーブ径情報等)を取り込む(受信する)。
ステップS120では、ステップS110で取り込んだ車両関連情報をそのまま、あるいは加工(平均化処理)等を行って、制御ユニット16bに転送する(送信する)。
【0032】
ステップS130では、油圧ポンプ30bへの供給電流を求める。例えば当該供給電流は、図8(A)に示す「車速・油圧ポンプ供給電流特性」のグラフから求める。この例は、車両の速度がV1[km/h]の場合に、供給電流はA1[mA]であることを示している。
ステップS140では、求めた供給電流を油圧ポンプ30bに供給する。この場合、通信ユニット16aは、所定の駆動回路を供給電流に対応する駆動方法で駆動(供給電流に対応したパルス幅のPWM出力等)し、処理を終了する。
【0033】
●[処理手順(制御ユニットの処理:図7)]
次に、図7に示すフローチャートを用いて、制御ユニット16bが行う処理の処理手順の例を説明する。
なお、乗員に加えられるであろう負荷(遠心力等)を予測するには、以下の2通りがある。
(1)交差点のない一本道におけるカーブを走行する場合
この場合、この先のカーブでは必ずコーナーリングによる遠心力等が発生する。負荷の予測には、「カーブ径情報」と、「カーブ到達情報」と、「車速情報」とを利用する。この場合、カーブに到達すれば必ず負荷(遠心力等)が発生するであろうという予測と、発生した場合の負荷の程度の予測を行う。
(2)交差点等、複数の道路の合流点にて右左折する場合
この場合、合流点で右折あるいは左折を行う時と、直進する時とで遠心力等の発生の有無が異なる。制御ユニット16bは、「カーブ径情報」と「カーブ到達情報」を利用しても、運転者が曲がる意思を持っているか否か(曲がるか直進するか)判断できないため、負荷の予測には、「ウィンカー情報」と「車速情報」とを利用する。この場合、ウィンカーが動作状態であれば、(数秒後には)車両が右折あるいは左折して、負荷が発生するであろうと予測する。
【0034】
図7に示すフローチャートの処理は、制御ユニット16bが定期的(例えば、100ms毎)に行う処理である。
ステップS210では、通信ユニット16aが転送(送信)した車両関連情報を受信する。
ステップS212では、ドアが閉状態であるか否かを判定する。ドアが閉状態でない場合(Noの場合であり、開状態)は、ステップS218に進む。ドアが閉状態の場合(Yesの場合)は、ステップS214に進む。
ステップS214では、イグニションSWがONであるか否かを判定する。イグニションSWがONでない場合(Noの場合)は、ステップS218に進む。イグニションSWがONの場合(Yesの場合)は、ステップS220に進む。
ここで、ステップS218に進んだ場合は、システムを停止(油圧の供給を停止)して、サポート部を「全開放位置」に設定し、処理を終了する。
【0035】
ステップS220では、受信した車両関連情報に含まれている車両速度情報に基づいて、車両速度が所定値(Vc(例えば30km/h))よりも大きいか否かを判定する。車両速度が所定値(Vc)以下の場合(Noの場合)は、ステップS228に進む。車両速度が所定値(Vc)よりも大きい場合(Yesの場合)は、ステップS230に進む。
ここで、ステップS228に進んだ場合は、サポート部を「開放モード位置」に設定し、処理を終了する。
【0036】
ステップS230では、受信した車両関連情報に含まれている車速情報と操舵情報に基づいて、乗員に加えられている現在の負荷(実負荷(αr))を演算する。この例では、負荷は加速度(遠心力による横G)としており、当該加速度α[m/s2]は、車両速度をV[m/s]、操舵角から換算して求めたカーブの半径をR[m]とすると、
α=V2/R
で求めることができる。
【0037】
そして、ステップS232では、演算で求めた実負荷(αr)が所定値(C2(例えば、0.2G))より大きいか否かを判定する。実負荷(αr)が所定値(C2)より大きい場合(Yesの場合)は、ステップS246に進む(現在、既に乗員に大きな負荷が加えられているため、予測するまでもなく「カーブモード位置」に設定する)。実負荷(αr)が所定値(C2)以下の場合(Noの場合)は、ステップS234に進む。
ステップS234では、受信した車両関連情報に含まれているウィンカー情報に基づいて、ウィンカーが作動しているか否かを判定する。ウィンカーが作動している場合(Yesの場合)は、ステップS246に進む(ほぼ数秒後には車両の進行方向が変更されて乗員に負荷が加えられると予測して、サポート部を予め「カーブモード位置」に設定する)。これにより、乗員にかかる負荷を、ウィンカーの動作状態から予測し、予め交差点等に進入する前に、サポート部の保持力を適切に変更することができる。(図12(C))
また、ウィンカーが作動していない場合(Noの場合)は、ステップS236に進む。
【0038】
ステップS236では、受信した車両関連情報に含まれているカーブ到達情報に基づいて、カーブまでの距離が所定距離(Dc(例えば、50[m]))以内であるか否かを判定する。所定距離(Dc)より大きい場合(Noの場合)は、ステップS238に進む(まだカーブに到達して実際に負荷がかかるまで時間がかかると予測して、サポート部を「走行モード位置」に設定する)。カーブまでの距離が所定距離(Dc)以内である場合(Yesの場合)は、ステップS240に進む。
【0039】
ステップS240では、受信した車両関連情報に含まれている車速情報とカーブ径情報とに基づいて、数秒後に進入する見込みのカーブを旋回した場合に乗員に加えられるであろう負荷(予測負荷(αm))を演算する。この時、カーブ径情報には、現在走行している道路が一本道であることを示す情報が含まれている。この例では、負荷は加速度(遠心力による横G)としており、当該加速度α[m/s2]は、車両速度をV[m/s]、カーブの半径をR[m]とすると、
α=V2/R
で求めることができる。
そして、ステップS244にて、予測負荷(αm)が所定値(C1(例えば、0.2G))よりも大きいか否かを判定する。所定値(C1)以下の場合(Noの場合)は、ステップS238に進む(数秒後に進入する見込みのカーブを旋回しても、乗員にかかる負荷は小さいと予測して、サポート部を「走行モード位置」に設定する)。予測負荷(αm)が所定値(C1)より大きい場合(Yesの場合)は、ステップS246に進む(数秒後に進入する見込みのカーブを旋回すると、乗員にかかる負荷が充分大きいと予測して、サポート部を予め「カーブモード位置」に設定する)。これにより、乗員にかかる負荷を、カーブに到達するまでの距離あるいは時間、及びカーブ径等から予測し、予めカーブに進入する前に、サポート部の保持力を適切に変更することができる。(図8(C))
【0040】
ステップS246では、受信した車両関連情報に含まれているウィンカー情報、カーブ径情報等(例えば、カーブの方向もカーブ径情報に含まれている)に基づいて、右カーブか否かを判定する。右カーブである場合(Yesの場合)は、ステップS248bに進み、左側のサポート部を「カーブモード位置」に設定して処理を終了する。右カーブでない場合(Noの場合であり、左カーブの場合)は、ステップS248aに進み、右側のサポート部を「カーブモード位置」に設定して処理を終了する。
なお、ステップS246(右カーブ判定)を省略し、ステップS248aとステップS248bを1つにまとめて両側のサポート部を「カーブモード位置」に設定するようにしてもよい。
【0041】
ステップS238に進んだ場合は、サポート部を「走行モード位置」に設定して処理を終了する。
ステップS228に進んだ場合は、サポート部を「開放モード位置」に設定して処理を終了する。
ステップS218に進んだ場合は、システムを停止(油圧の供給を停止)し、サポート部を「全開放位置」にして処理を終了する。
なお、上記の説明では、ステップS236にて、カーブまでの距離が所定距離(Dc)より大きいか否かを判定したが、カーブまでの時間が所定時間(Tc)より大きいか否かで判定してもよい。
また、所定距離(Dc)を固定値にすることなく、車両速度に応じて変更(車両速度が大きい場合はDcを大きく設定し、車両速度が小さい場合はDcを小さく設定する等)するようにしてもよい。
また、「カーブモード位置」を負荷の大きさに応じて変更(負荷が大きい場合は保持力を大きく設定し、負荷が小さい場合は保持力を小さく設定する等)するようにしてもよい。
なお、以上の説明において、「カーブ径情報」及び「カーブ到達情報」は、例えばナビゲーションユニット10から送信され、「ウィンカー情報」は、例えばメータ制御ユニット12から送信され、「車速情報」及び「操舵情報」は、例えばエンジン制御ユニット14から送信される。
【0042】
◆[第2の実施の形態]
第2の実施の形態では、シート制御ユニット16が他のユニットから、ウィンカー情報、車速情報、操舵情報等を受信し、受信した情報に基づいて、当該車両が交差点等に進入する前に、乗員に加えられる負荷を予測し、予測した負荷に基づいて、予め車両用シート20a、20bの各サポート部の保持力を適切に制御することを説明する。
第1の実施の形態との相違点は、ハードウェア構成上の相違点(車両用シート20a、20bの構造及び制御システムが簡略化されいる)と、ソフトウェア制御上の相違点(カーブ径情報、及びカーブ到達情報の受信がなく、カーブに関する予測が省略されている)点である。このため、第2の実施の形態は、ナビゲーションユニット10が装備されていない車両1であっても、適用することができる。
【0043】
●[車両用シートの外観及びサポート状態(図9(A)、(B))]
図9(A)、(B)に、第2の実施の形態における車両用シート20a、20bの外観及びサポート状態について説明する。
例えば、車両用シート20aは、図9(A)に示すように、座面21、背面22、ヘッドレスト23、アームレスト25を有している。
なお、第2の実施の形態における車両用シート20a、20bのサポート部は、座面21の内部に設けられた右座面サポート部30mと、左座面サポート部30nで構成されており、各座面サポート部30m、30nが、膨張して張力を増加、あるいは縮小して張力を減少させ、座面の左右の張力を変更することで乗員に加えられる横Gに対する保持力を変更する。(図9(C))
【0044】
また、図9(A)及び(C)に、各座面サポート部30m、30nの保持力の変更状態を示す。車両が交差点等を走行し、横Gが乗員に加えられる場合等において、乗員のサポートを高める時、例えば交差点を右折する場合、左座面サポート部30nの張力を増加させ、右座面サポート部30mの張力を減少させて、乗員の保持力を高める。
なお、図9(B)は、車両用シート20a、20bに乗員が着座した様子を示す図である。
【0045】
●[車両用シートの内部構造(図9(C))]
例えば、図9(A)に示した車両用シート20aにおいて、ヘッドレスト23よりも更に下方の背面22、座面21の内部構造を図9(C)に示す。
背面フレーム22cには、特に乗員をサポートするサポートフレーム等は設けられていない。
座面フレーム21cの内側には、張力の増減によって乗員の保持力を変更する右座面サポート部30mと、左座面サポート部30nが設けられている。
各座面サポート部30m、30nは、各々油圧ポンプ30b、及び電磁弁30dによって供給される油圧で張力を増減することができる。各座面サポート部30m、30nには油圧配管で油圧が導入されており、この油圧及び経路は、各油圧経路に設けられた電磁弁30dで調節される。
【0046】
また、油圧は、油圧ポンプ30b(ベーンポンプ等)にて発生させるとともに、座面21の下に相当する位置に配置された油タンク30aにかかる乗員の体重にて発生させる。
また、第1の実施の形態と同様に、乗員の体重によって、油タンク30aの内部の油を加圧することにより、油圧ポンプ30bの負荷を低減できるとともに、油圧ポンプ30bの初期駆動時等における油圧の圧力不足を抑制することができる。
また、通信ユニット16a(この例では、油圧ポンプ30bと一体化)、制御ユニット16bは、図示した位置に設けられている。
【0047】
●[サポート部の保持力を変更するシステム構成(図10)]
次に、図10を用いて、座面サポート部の保持力を変更するシステム構成について説明する。以下、第1の実施の形態との相違点について説明する。
制御ユニット16bは、通信ユニット16aから受信した車両に関する様々な情報に基づいて、各サポート部の保持力を求め、各座面サポート部30m、30nに供給する油圧の経路及び圧力を求め、求めた経路及び圧力になるように、電磁弁30dを制御する。
電磁弁30dは、供給された油圧を調節するとともに、各座面サポート部30m、30nを膨張、または縮小させるための配管経路の切替えを行う。
各座面サポート部30m、30nは、供給された油圧に基づいて、膨張あるいは縮小して張力が変更され、サポート部の保持力を変更する。
その他は、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0048】
なお、第2の実施の形態では、各座面サポート部30m、30nの保持力には、以下に示す圧力(保持力の設定)がある。
・カーブモード圧力
車両のコーナリング走行中に、乗員を比較的強い保持力(システム停止状態よりも強い保持力)でサポートする圧力である。
なお、上記の圧力の他に、図10に示すシステムが停止している状態(油圧の供給が停止している状態)がある。なお、各座面サポート部30m、30nは、このシステム停止状態において、通常の車両用シートと同程度の保持力を有している。
この圧力と、各圧力による張力(反力)のグラフを、図12(B)の「圧力(油圧)・張力特性」に示す。例えば、図12(B)において、圧力P3が「カーブモード圧力」の場合、張力はPcになる。目標とする張力が決まれば、調節する圧力(油圧)が決定する。
【0049】
●[処理手順(制御ユニットの処理:図11)]
図5に示す「各サポート部の位置の記憶」は、第2の実施の形態では行わないので省略する。
また、図6に示す「通信ユニットの処理」は、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。ただし、第1の実施の形態に対して、第2の実施の形態では、「カーブ径情報」、及び「カーブ到達情報」は受信しなくてもよい。
なお、乗員に加えられるであろう負荷(遠心力等)を、以下のように予測する。
(1)交差点等、複数の道路の合流点にて右左折する場合
この場合、合流点で右左折を行う時と、直進する時とで遠心力等の発生の有無が異なる。ウィンカーが動作状態を認識すれば、運転者が曲がる意思を持っているか否か(曲がるか直進するか)を判断できるため、負荷の予測には、「ウィンカー情報」と「車速情報」とを利用する。この場合、ウィンカーが動作状態であれば、(数秒後には)負荷が発生するであろうと予測する。
次に、図11に示すフローチャートを用いて、制御ユニット16bが行う処理の処理手順の例を説明する。
【0050】
図11に示すフローチャートの処理は、制御ユニット16bが定期的(例えば、100ms毎)に行う処理である。
ステップS310では、通信ユニット16aが転送(送信)した車両関連情報を受信する。このとき、カーブ径情報、及びカーブ到達情報は受信しなくてもよい。
ステップS312では、ドアが閉状態であるか否かを判定する。ドアが閉状態でない場合(Noの場合であり、開状態)は、ステップS318に進む。ドアが閉状態の場合(Yesの場合)は、ステップS314に進む。
ステップS314では、イグニションSWがONであるか否かを判定する。イグニションSWがONでない場合(Noの場合)は、ステップS318に進む。イグニションSWがONの場合(Yesの場合)は、ステップS320に進む。
ここで、ステップS318に進んだ場合は、システムを停止(油圧の供給を停止)して、処理を終了する。
【0051】
ステップS320では、受信した車両関連情報に含まれている車速情報に基づいて、車両速度が所定値(Vc(例えば30km/h))よりも大きいか否かを判定する。車両速度が所定値(Vc)以下の場合(Noの場合)は、ステップS318に進む。車両速度が所定値(Vc)よりも大きい場合(Yesの場合)は、ステップS330に進む。
ここで、ステップS318に進んだ場合は、システムを停止(油圧の供給を停止)して、処理を終了する。
【0052】
ステップS330では、受信した車両関連情報に含まれている車速情報と操舵情報に基づいて、乗員に加えられている現在の負荷(実負荷(αr))を演算する。第1の実施の形態と同様に、当該加速度α[m/s2]は、車両速度をV[m/s]、操舵角から換算して求めたカーブの半径をR[m]とすると、
α=V2/R
で求めることができる。
【0053】
そして、ステップS332では、演算で求めた実負荷(αr)が所定値(C2(例えば、0.2G))より大きいか否かを判定する。実負荷(αr)が所定値(C2)より大きい場合(Yesの場合)は、ステップS346に進む(現在、既に乗員に大きな負荷が加えられているため、予測するまでもなく「カーブモード圧力」に設定する)。実負荷(αr)が所定値(C2)以下の場合(Noの場合)は、ステップS334に進む。
ステップS334では、受信した車両関連情報に含まれているウィンカー情報に基づいて、ウィンカーが作動しているか否かを判定する。ウィンカーが作動している場合(Yesの場合)は、ステップS346に進む(ほぼ数秒後には車両の進行方向が変更されて乗員に負荷が加えられると予測して、サポート部を「カーブモード圧力」に設定する)。これにより、乗員にかかる負荷を、ウィンカーの動作状態から予測し、予め交差点等で右左折する前に、サポート部の保持力を適切に変更することができる。(図12(C))
また、ウィンカーが作動しない場合(Noの場合)は、ステップS318に進む(交差点等への進入手前でない、あるいは交差点等に進入しても直進すると予測して、ステップS318にて、システム停止(油圧の供給を停止)に設定する)。
【0054】
ステップS346では、受信した車両関連情報に含まれているウィンカー情報等(例えば、ウィンカーの方向(右側あるいは左側)もウィンカー情報に含まれている)に基づいて、交差点等を右折するか否かを判定する。右折である場合(Yesの場合)は、ステップS348bに進み、左側のサポート部を「カーブモード圧力」に設定(左座面サポート部を増圧し、右座面サポート部を減圧)して処理を終了する。右折でない場合(Noの場合であり、左折の場合)は、ステップS348aに進み、右側のサポート部を「カーブモード圧力」に設定(右座面サポート部を増圧し、左座面サポート部を減圧)して処理を終了する。
【0055】
以上、本実施の形態で説明した車両用シートの制御方法及び車両用シートは、停止及び発進が連続する市街地の走行よりも、比較的高速(例えば30km/h以上)でほとんど停止することなくカーブ及び交差点等を走行する山岳道路等において、非常に大きな効果を有する。
【0056】
本発明の車両用シートの制御方法及び車両用シートは、本実施の形態で説明した構成、構造、形状、サイズ、動作等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
本実施の形態の説明に用いた処理手順は、図5、図6、図7、図11に示したフローチャートに限定されるものではない。
本実施の形態の説明に用いた特性グラフは、図8、図12に示した特性グラフに限定されるものではない。また、供給電流等は、当該特性グラフから求めることに限定されず、様々な方法で求めることが可能である。
本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
また、以上(≧)、以下(≦)、より大きい(>)、未満(<)等は、等号を含んでも含まなくてもよい。
本実施の形態の説明では、サポート部の保持力の変更を油圧で行ったが、保持力の変更は油圧に限定されず、モータ及びギアによる保持力の変更等、種々の方法で保持力を変更することができる。
本実施の形態の説明では、乗員に加えられる負荷の予測に、カーブ径情報、カーブ到達情報、ウィンカー情報、車速情報、操舵情報等を用いたが、これらの情報に限定されることなく、種々のユニットから種々の情報を受信して、乗員に加えられる負荷を予測することができる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜4のいずれかに記載の車両用シートの制御方法、あるいは請求項5〜6のいずれかに記載の車両用シートを用いれば、乗員にかかる負荷を予め予測して、実際に乗員に負荷がかかる前からサポート部の保持力を調整することができ、より快適な車両用シートの制御方法及び車両用シートを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用シートの制御方法を用いた車両用シート20a、20bを搭載した車両1の一実施の形態の概略図である。
【図2】第1の実施の形態において、車両用シート20a、20bの外観及びサポート状態を説明する図である。
【図3】車両用シート20aの内部構造を説明する図である。
【図4】サポート部の保持力を変更するシステム構成について説明する図である。
【図5】制御ユニット16bが、各サポート部の位置を記憶する処理手順の例について説明するフローチャートである。
【図6】通信ユニット16aが行う処理の処理手順の例を説明するフローチャートである。
【図7】制御ユニット16bが行う処理の処理手順の例を説明するフローチャートである。
【図8】各特性グラフの例と、カーブを走行する際において、サポート部の保持力(サポート部の位置の変化)を説明する図である。
【図9】第2の実施の形態において、車両用シート20a、20bの外観、サポート状態、及び内部構造を説明する図である。
【図10】サポート部の保持力を変更するシステム構成について説明する図である。
【図11】制御ユニット16bが行う処理の処理手順の例を説明するフローチャートである。
【図12】各特性グラフの例と、交差点で右折する際において、サポート部の保持力(サポート部の圧力の変化)を説明する図である。
【符号の説明】
1 車両
16 シート制御ユニット
16a 通信ユニット
16b 制御ユニット
20a、20b 車両用シート
21a、21b 脚サポート部
22a、22b 脇サポート部
24a、24b 腰サポート部
30 通信回線
30a 油タンク
30b 油圧ポンプ
30d 電磁弁
30e 油圧シリンダ
30g 弁
30m 右座面サポート部
30n 左座面サポート部
Claims (6)
- 車両内に設けられた複数のユニットと通信回線で接続された制御手段を備え、複数のサポート部の保持力を各々変更可能な車両用シートの制御方法であって、
制御手段は、
前記複数のユニットからの当該車両に関する情報を受信するステップと、
受信した当該車両に関する情報に基づいて、当該車両の乗員に加えられる負荷を予測するステップと、
予測した負荷に基づいて、各サポート部の保持力を制御するステップとを有する、
ことを特徴とする車両用シートの制御方法。 - 請求項1に記載の車両用シートの制御方法であって、
車両に関する情報には、当該車両が走行している道路に関する情報と、当該道路における当該車両の位置に関する情報と、当該車両の速度に関する情報とが含まれている、
ことを特徴とする車両用シートの制御方法。 - 請求項2に記載の車両用シートの制御方法であって、
車両に関する情報に含まれている当該車両が走行している道路に関する情報、及び当該道路における当該車両の位置に関する情報には、当該車両が進入しようとしているカーブの径に関する情報と、当該車両が当該カーブに到達するまでの距離あるいは時間に関する情報とが含まれており、
制御手段は、受信した当該車両に関する情報に基づいて、当該車両が当該カーブに進入する前に、予め乗員に加えられる負荷を予測し、予測した負荷に基づいて、各サポート部の保持力を制御する、
ことを特徴とする車両用シートの制御方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の車両用シートの制御方法であって、
車両に関する情報には、ウィンカーの状態に関する情報と、当該車両の速度に関する情報とが含まれており、
制御手段は、受信した当該車両に関する情報に基づいて、ウィンカーが操作されたことを認識すると、予め乗員に加えられる負荷を予測し、予測した負荷に基づいて、各サポート部の保持力を制御する、
ことを特徴とする車両用シートの制御方法。 - 油タンクと、油圧ポンプと、複数のサポート部と、各サポート部毎の油圧経路と、各油圧経路に設けられた電磁弁と、車両内に設けられた複数のユニットと通信回線で接続された制御手段とを備え、
制御手段は、請求項1〜4のいずれかに記載の車両用シートの制御方法を用いて、予め乗員に加えられる負荷を予測し、予測した負荷に基づいて、油圧ポンプ及び各電磁弁を制御し、油圧ポンプにて油タンク内の油を加圧して各油圧経路に吐出し、吐出された油を各油圧経路に設けられた各電磁弁にて調整して、各サポート部の保持力を変更する、
ことを特徴とする車両用シート。 - 請求項5に記載の車両用シートであって、
油タンクは、車両用シートの座面の下に設けられており、乗員の体重によって内部の油が加圧される、
ことを特徴とする車両用シート。
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- 2002-07-11 JP JP2002203245A patent/JP2004042792A/ja active Pending
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