JP2004042511A - 多色感熱記録材料 - Google Patents

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JP2004042511A JP2002205007A JP2002205007A JP2004042511A JP 2004042511 A JP2004042511 A JP 2004042511A JP 2002205007 A JP2002205007 A JP 2002205007A JP 2002205007 A JP2002205007 A JP 2002205007A JP 2004042511 A JP2004042511 A JP 2004042511A
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Yasunori Ishii
石井 康憲
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

【課題】加色型多色感熱紙において、低温印字部と高温印字部との色分離がよく、画像部の耐可塑剤性、耐熱性などの保存安定性に優れ、且つ長期保存による地肌着色の少ない多色感熱記録材料を提供する。
【解決手段】染料前駆体の少なくとも一種以上が、ビニル単量体を付加重合することにより得られる発色調節層で被覆されてなり、電子受容性顕色剤が、3,4−ジヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホンを必須とする二種以上の顕色剤を併用する。併用する電子受容性顕色剤として、3,3′−ジアリル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンまたは、一般式1で示されるジフェニルスルホン架橋型顕色剤が特に優れる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発色温度などの加熱条件の違いによって、互いに異なる色調に発色する多色感熱記録材料に関するものである。詳しくは、低温発色色調と高温発色色調の色分離が明確であり、かつ熱応答性が良好で、各色調の画像部および地肌部の保存安定性に優れた多色感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
感熱記録材料は、一般に支持体上に電子供与性の通常無色ないし淡色の染料前駆体と電子受容性顕色剤とを主成分とする感熱記録層を設けたもので、サーマルヘッド、熱ペン、レーザー光などで加熱することにより、染料前駆体と電子受容性顕色剤とが瞬時に反応して発色画像が得られ、記録装置が簡単で保守が容易なこと、騒音の発生がないことなどの利点により、計測記録計、ファクシミリ、プリンター、コンピューターの端末機、POS用ラベル機、乗車券の自動販売機など広範囲の分野で利用されている。
【0003】
この様な感熱記録材料も用途が多様化するにつれ、加熱条件の違いによって、低温と高温で互いに異なる色調に発色する多色感熱紙が望まれ、特に低温印字部と高温印字部との色分離の良いもの、即ち、高温印字部が低温色による色混ざりが生じないこと、高温印字文字の周辺に低温色の色滲みが生じないこと、更には高感度で地肌かぶりがなく、画像保存性のよいものが強く望まれている。
【0004】
多色感熱紙には、支持体に高温発色層と低温発色層を順次積層した発色層が別々の層に分離された多層構造のものと、高温または低温で発色する素材の、少なくともいずれか一方が、マイクロカプセル等で隔離された単層構造を有するものが代表的な例として挙げられる。
【0005】
多層構造のものには、特開昭54−097048号公報では、互いに異なる色相に発色する染料前駆体を高温発色層と低温発色層に層別し、低温印字に続く高温印字時には、低温色相と高温色相との混色を得る方法がある。この方法は高温発色層と低温発色層が層分離されている分、色分離は良いが、高温発色層が下層にあるために低感度であり、これを高感度にしようとすると、低温色印字時に高温色の混色は免れ得ず、例えば、低温色が赤系色、高温色が黒系色の場合、得られる赤は、黒味の赤となり色分離がまだ不十分であった。この色分離を改良するために、特開昭55−139470号公報、特開昭57−178791号公報では、互いに異なる色相に発色する染料前駆体を高温発色層と低温発色層とに消色剤層を介して層別し、低温印字に続く高温印字時には、低温発色層を消色しながら印字する消色型の方法が提案されている。この方式は高温発色時に、低温色が消色されるので色分離は非常に良好であるが、消色剤が感熱層の中に存在することは、長期保存時の画像の保存性に不安が残り、生産コストも高い欠点がある。
【0006】
発色層が単層構造のものには、マイクロカプセルで低温、高温印字の色分離を行うものがあり、特開昭60−242093号公報ではポリウレタン等のマイクロカプセル壁のガラス転移温度の異なる2種以上のマイクロカプセル中に,夫々異なる色相に発色する発色成分を含有させる方法が、特開平8−282115号公報では、互いに異なる色相に発色する複数の染料前駆体を同一層に含有し、該染料前駆体の少なくとも一種類をマイクロカプセルに内包する方法がある。これらの方法は染料前駆体が相互にカプセル膜で隔離されているため、色分離はよいが、マイクロカプセル内に染料前駆体を溶解または乳化した油性液体が内包されており、取り扱い時の圧力や摩擦によりカプセルが破壊されて地肌着色が発生する欠点がある。
【0007】
一方、マイクロカプセル内に油性液体を使用しない方法、即ち染料前駆体を固体カプセルの状態で用いる方法として、異なる色調に発色する2種以上の染料前駆体の少なくとも1種以上を、不飽和炭素結合を有する化合物で重合した発色調節層で覆い、電子受容性顕色剤を特定する多色感熱記録材料を、本出願人は先に特開平11−301118号公報、特2001−138638号公報で開示している。特開平11−301118号公報は、電子受容性顕色剤として、サリチル酸誘導体と特定のジフェニルスルホン酸系の顕色剤により、高温発色と低温発色の色分離がよく、画像の耐熱保存性、耐湿熱保存性のよい多色感熱記録材料を得ている。また、特2001−138638号公報も特定の顕色剤、たとえば2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノールと、特定のジフェニルスルホン誘導体を併用することにより色分離がよく、画像部の耐可塑剤性、耐光性、耐熱性のよい多色感熱記録材料を得ている。しかし、これらの方法では、酸強度の強い電子受容性顕色剤を用いていることに由来すると思われる、長期保存による地肌着色の問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、加熱条件の違いによって、低温と高温で互いに異なる色調に発色する加色型多色感熱紙において、低温印字部と高温印字部との色分離がよく、画像部の耐可塑剤性、耐熱性などの保存安定性に優れ、且つ長期保存による地肌着色の少ない多色感熱記録材料を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、支持体上に、互いに異なる色調に発色する二種以上の電子供与性染料前駆体と、該染料前駆体を加熱時発色させる電子受容性顕色剤とを含有する感熱記録層を設けた多色感熱記録材料において、該染料前駆体の少なくとも一種以上が、ビニル単量体を付加重合することにより得られる発色調節層で被覆されてなり、該電子受容性顕色剤が、3,4−ジヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホンを必須とする二種以上の顕色剤を併用することにより画像保存性を改良することができた。また、併用する電子受容性顕色剤として、3,3′−ジアリル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンまたは、一般式1で示されるジフェニルスルホン架橋型顕色剤の1種または2種以上を用いることにより、色分離を良好に保ちながら、画像部の保存安定性が飛躍的に改良された多色感熱記録材料を得ることができた。
【0010】
【化2】
Figure 2004042511
(一般式1において、nは1〜7の整数である。)
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の多色感熱記録層は、互いに異なる色調に発色する低温発色用の染料前駆体と高温発色用の染料前駆体、および、これを加熱時発色させる二種以上の顕色剤を主成分とし、その他、感熱記録紙分野で従来より公知のバインダー、増感剤、吸油性白色顔料、界面活性剤などを添加して支持体上に単層に塗布される。そして、染料前駆体は、低温発色用は分散粒子または、発色調節層を表面に有する粒子の形で用いられ、高温発色用は、発色調節層を表面に有する粒子の形で感熱記録層中に用いられる。低温発色用と高温発色用が、ともに発色調節層を表面に有する場合には、低温発色側を高温発色側よりも高感度となるように発色調節層の種類または、膜の厚さを変えて色分離を調整する。
【0012】
多色感熱記録紙を常態で、数ヶ月〜年単位で長期保存した場合、地肌が徐々に低温色で着色してくる現象がある。このような現象が生じると商品価値が損なわれ、問題となる。本明細書ではこの現象を長期保存による地肌着色と称する。この地肌着色は強い照度の蛍光灯を照射することにより、耐光性として短時間に評価することができる。この地肌着色現象は、染料前駆体の構造に由来することもあるが、染料前駆体の分散時に発生する、0.1μm前後の極く微細な分散粒子が影響しているものと考えられ、この微細粒子を発色調節層で被覆することにより、地肌着色に関してかなりの改良がみられた。
【0013】
本発明では、顕色剤として、特に、3,4−ジヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホンを必須とする二種以上の顕色剤を併用すると、画像保存性が飛躍的に向上することが判明し、更に併用する顕色剤の最適な組み合わせを選択したものである。
【0014】
本発明で、必須とする顕色剤、3,4−ジヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホンは、3位と4位にヒドロキシ基を持ち、遷移金属と反応してキレート発色による着色物を生成する特異な顕色剤として知られているものである。染料前駆体との反応系に顕色剤として単独で用いた場合には、地肌かぶりと地肌の黄変化はあるが画像保存性のよい顕色剤に分類される。この顕色剤を他の顕色剤と併用すると、特に画像保存性が非常に向上するもので、併用できる顕色剤には、次に挙げるものがあるが、これらに限定されるものではない。
【0015】
4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベンジルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−プロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベンゼンスルホニルオキシジフェニルスルホン。
【0016】
特開平8−269000記載の、2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノール、2,4−ビス(2−メチルフェニルスルホニル)フェノール、2,4−ビス(4−メチルフェニルスルホニル)フェノールなどのスルホニル化合物。
【0017】
特開平7−149713記載の、α,α’−ビス{4−(p−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ}−p−キシレン1,α,α’−ビス{4−(p−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ}−m−キシレン、α,α’−ビス{4−(p−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ}−o−キシレン、などのスルホニル化合物。
【0018】
特開平10−297090記載の、4,4′−ビス{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−トランス−ブテニルオキシ}ジフェニルスルホン、4,4′−ビス{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシブチルオキシ}ジフェニルスルホン、4,4′−ビス{3−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシプロピルオキシ}ジフェニルスルホン、4,4′−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシエチルオキシ}ジフェニルスルホン、4−{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシブチルオキシ}−4′−{3−(4−ヒドロキシフェニルスルフォニル)フェノキシプロピルオキシ}ジフェニルスルホン、4−{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシブチルオキシ}−4′−{2−(4−ヒドロキシフェニルスルフォニル)フェノキシエチルオキシ}ジフェニルスルホン、4−{3−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシプロピルオキシ}−4′−{2−(4−ヒドロキシフェニルスルフォニル)フェノキシエチルオキシ}ジフェニルスルホン、4,4′−ビス{5−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシペンチルオキシ}ジフェニルスルホン、4,4′−ビス{5−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシヘキシルオキシ}ジフェニルスルホン、4−{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−トランス−ブテニルオキシ}−4′−{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシエチルオキシ}ジフェニルスルホン、4−{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−トランス−ブテニルオキシ}−4′−{3−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシプロピルオキシ}ジフェニルスルホン、4−{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−トランス−ブテニルオキシ}−4′−{2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシエチルオキシ}ジフェニルスルホン、1,4−ビス−4−〔4−{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2(t)ブテニルオキシ}フェニルスルホニル〕フェノキシ−シス−2−ブテン、1,4−ビス−4−〔4−{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2(t)ブテニルオキシ}フェニルスルホニル〕フェノキシ−トランス−2−ブテン。
【0019】
4,4′−ビス−〔4−{4−(2−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ}ブチルオキシ〕ジフェニルスルホン、4,4′−ビス〔4−{2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ}ブチルオキシ〕ジフェニルスルホン、4,4′−ビス{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチレンオキシエトキシ}ジフェニルスルホン、4,4′−ビス{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,4−フェニレンビスメチレンオキシ}ジフェニルスルホン、4,4′−ビス{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,3−フェニレンビスメチレンオキシ}ジフェニルスルホン、4,4′−ビス{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,2−フェニレンビスメチレンオキシ}ジフェニルスルホン、2,2′−ビス−4−〔4−{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチレンオキシエトキシ}フェニルスルホニル〕フェノキシ−ジエチルエーテル、α,α′−ビス−4−〔4−{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,4−フェニレンビスメチレンオキシ}フェニルスルホニル〕フェノキシ−p−キシレン、α,α′−ビス−4−〔4−{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,3−フェニレンビスメチレンオキシ}フェニルスルホニル〕フェノキシ−m−キシレン、α,α′−ビス−4−〔4−{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,2−フェニレンビスメチレンオキシ}フェニルスルホニル〕フェノキシ−o−キシレン。
【0020】
2,4′−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチレンオキシエトキシ}ジフェニルスルホン、2,4′−ビス{4−(2−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチレンオキシエトキシ}ジフェニルスルホン、4,4′−ビス{3,5−ジメチル−4−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチレンオキシエトキシ}ジフェニルスルホン、4,4′−ビス{3−アリル−4−(3−アリル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチレンオキシエトキシ}ジフェニルスルホン、4,4′−ビス{3,5−ジメチル−4−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,4−フェニレンビスメチレンオキシ}ジフェニルスルホン、4,4′−ビス{3,5−ジメチル−4−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,3−フェニレンビスメチレンオキシ}ジフェニルスルホン、4,4′−ビス{3,5−ジメチル−4−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェニル−1,2−フェニレンビスメチレンオキシ}ジフェニルスルホン、4,4′−ビス{3−アリル−4−(3−アリル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)1,4−フェニレンビスメチレンオキシ}ジフェニルスルホン、4,4′−ビス{3−アリル−4−(3−アリル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)1,3−フェニレンビスメチレンオキシ}ジフェニルスルホン、4,4′−ビス{3−アリル−4−(3−アリル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)1,2−フェニレンビスメチレンオキシ}ジフェニルスルホン、4,4′−ビス{4(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ}ジフェニルスルホン、1,3−ビス−4−〔4−{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ}フェニルスルホニル〕フェノキシ−2−ヒドロキシプロパン、などのジフェニルスルホン架橋型化合物。
【0021】
p−フェニルフェノール、p−ヒドロキシアセトフェノン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ジ−〔2−(p−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、1,3−ジ−〔2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、1,4−ジ−〔2−(p−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、4,4′−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,3′−ジクロロ−4,4′−ヒドロキシジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、4,4′−チオビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、没食子酸ベンジル、没食子酸ステアリル、N,N′−ジフェニルチオ尿素、4,4′−ビス(3−(4−メチルフェニルスルホニル)ウレイド)ジフェニルメタン、N−(4−メチルフェニルスルホニル)−N′−フェニル尿素、サリチルアニリド、5−クロロサリチルアニリド、サリチル酸、3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、4−[2′−(4−メトキシフェノキシ)エチルオキシ]サリチル酸、3−(オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸あるいはこれらサリチル酸誘導体の金属塩、N−(4−ヒドロキシフェニル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフタレンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−2−ナフタレンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)ベンゼンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)−1−ナフタレンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)−2−ナフタレンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)−1−ナフタレンスルホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)−2−ナフタレンスルホンアミドなどが挙げられる。
【0022】
これらの併用の出来る顕色剤の中では、本発明で必須とする顕色剤と化学構造が近い、ジフェニルスルホン系のものが熱溶融時の相溶性がよくて好ましい。その中でも、可塑剤などの溶剤に対して溶解性の低いもの、分子量の比較的大きな顕色剤がよく、3,3′−ジアリル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンとの併用または、一般式1で示されるジフェニルスルホン架橋型顕色剤の1種または2種以上との併用が、特に画像保存性が良好であった。一般式1で示す化合物の一部は、日本曹達(株)製の商品名D−90(平均分子量、約800、一般式1で示す化合物の2種以上の混合物)として入手する事ができる。これらの併用する場合の併用比率は、画像保存性と発色感度の兼ね合いから適宜決められるものであるが、必須とする顕色剤、3,4−ジヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、100質量部に対して、併用顕色剤は10〜200質量部、好ましくは50〜100質量部がよい。10質量部より少なくても、200質量部より多くても、画像保存性の併用効果は少なくなる。
【0023】
次に、本発明で使用する他の主要素材、及び、発色調節層につき、更に詳細に説明する。
【0024】
本発明の低温発色用染料前駆体は色調が赤系色〜黄系色のものや、緑系色〜青系色のものを1種以上、適宜組み合わせて使用するが、加色型多色感熱記録材料は高温での色調が混色による暗色となる傾向にあるため、低温側は明色の赤系色〜黄系色が好んで用いられる。そして、高温発色用染料前駆体は黒系色、緑系色、青系色のような暗色に発色する染料前駆体を1種以上、適宜組み合わせて使用される。
【0025】
このような染料前駆体としては、赤系色、黄系色、青系色、緑系色、黒系色の具体例を以下に挙げるが、本発明では、これらに限定されるものではない。
【0026】
赤発色性染料としては、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)テトラクロロフタリド、3,3−ビス(1−n−ブチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ヘキシル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−プロピル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(2メチルインドール−3−イル)フタリド、ローダミンB−アニリノラクタム、ローダミンB−(o−クロロアニリノ)ラクタム、ローダミンB−(p−ニトロアニリノ)ラクタム、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−エチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロ−8−ベンジルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルエトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(N−アセチル−N−メチル)アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−p−メチルフェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−ジエチルアミノベンゾ[a]フルオラン、3−ジエチルアミノベンゾ[c]フルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−7−メチルフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−ベンゾ[a]フルオラン、3−(N−エチル−N−n−オクチル)アミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N−n−オクチル)アミノ−7−メチルフルオラン、3−(N−エチル−N−n−オクチル)アミノ−7−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N−n−オクチル)アミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−エチル−N−4−メチルフェニル)アミノ−7−メチルフルオラン、3−(N−エチル−N−4−メチルフェニル)アミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−(N−エチル−N−エトキシエチル)アミノ−7−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N−エトキシエチル)アミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−ジアリルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−ジアリルアミノ−7−クロロフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ピロリジルアミノ−7−メチルフルオラン、3,6−ビス(ジエチルアミノフルオラン)−γ−(4′−ニトロ)アニリノラクタム等の赤発色性染料。
【0027】
黄発色性染料としては、3,6−ジメトキシフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、2,6−ジフェニル−4−(4−ジメチルアミノフェニル)−ピリジン、2,2−ビス(4−(2−(4−ジエチルアミノフェニル)キナゾリル)オキシフェニル)プロパン、4−クロロ−N−(4−(N−(4−メチルベンジル)−N−メチルアミノ)ベンジリデン)アニリン、1−(2−キノリル)−2−(3−メトキシ−4−ドデシルオキシフェニル)エテン、1−(4−n−ドデシルオキシ−3−メトキシフェニル)−2−(2−キノリル)エチレン等の黄発色性染料。
【0028】
青発色性染料としては、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−アミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−メチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−エチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジプロピルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジブチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジペンチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジヘキシルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジアリルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジシクロヘキシルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジメトキシシクロヘキシルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ピロリジルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(3−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2,3−ジエトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−クロロ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(3−クロロ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−ブロモ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(3−ブロモ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−プロピル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(3−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−ニトロ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−アリル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−ヒドロキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−シアノ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−シクロヘキシルエトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−メチルエトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−シクロヘキシルエチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(2−エチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−クロロインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−ブロモインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−エチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−プロピルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メトキシインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−エトキシインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−フェニルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4,7−ジアザフタリド、3−(1−エチル−4,5,6,7−テトラクロロ−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−4−ニトロ−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−4−メトキシ−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−4−メチルアミノ−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−4−メチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−クロロ−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−ブロモ−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−メチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−メチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−プロピル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−ブチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−ブチル−2−インド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−ペンチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−ヘキシル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−ヘキシル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−オクチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−オクチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−オクチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4,7−ジアザフタリド、3−(1−ノニル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−メトキシ−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エトキシ−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−フェニル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−ペンチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−ヘプチル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−ノニル−2−メチルインド−ル−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−n−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、などの青発色性染料。
【0029】
緑発色性染料としては、3−ジメチルアミノ−6−クロロ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノ−フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(N−シクロヘキシル−N−ベンジルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2−エトキシアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(4−エトキシアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−エチルエトキシ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−p−クロルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−p−メチルフェニルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(N−シクロヘキシル−N−ベンジルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3−トリフルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−エトキシアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−エトキシアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロベンジルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−n−プロピル)アミノ−6−クロロ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−n−プロピル)アミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−n−ヘキシル)アミノ−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−4−メチルフェニル)アミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−4−メチルフェニル)アミノ−6−メチル−7−(N−メチル−N−ベンジル)アミノフルオラン、3−(N−エチル−N−4−メチルフェニル)アミノ−7−(N−メチル−N−フェニル)アミノフルオラン、3−(N−エチル−N−4−メチルフェニル)アミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(2−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(2−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(2−クロロベンジルアニリノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−n−ヘキシル)アミノ−7−アニリノフルオラン、3−(N−プロピル−N−n−ヘキシル)アミノ−7−アニリノフルオラン、3−(N−エトキシ−N−n−ヘキシル)アミノ−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ペンチル−N−アリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ペンチル−N−アリル)アミノ−7−アニリノフルオラン、3−[p−(p−アニリノアニリノ)アニリノ]−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−アニリノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−アニリノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ピロリジノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ピロリジノ−(7−シクロヘキシルアニリノ)フルオラン、3−ジベンジルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジベンジルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジベンジルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3′−(6′−ジメチルアミノ)フタリド、等の緑発色性染料。
【0030】
黒発色性染料としては、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−カルボメトキシ−フェニルアミノ)フルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロペンチル−N−エチル)アミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−p−ブチルフェニルアミノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、等の黒発色性染料がある。
【0031】
これらの染料前駆体は、低温発色用は分散粒子または、発色調節層を表面に有する粒子の形で用い、高温発色用は、発色調節層を表面に有する粒子の形態で感熱記録層中に用いられる。低温発色用の分散粒子の形で用いるものは、一般には水を分散媒としてサンドミル、ボールミル等にて分散粒子の平均粒子径が、0.5μm以上5.0μm以下、好ましくは0.8μm以上2.0μm以下まで湿式粉砕される。平均粒子径が0.5μmより小さいと、地肌かぶり及び、長期保存時の地肌着色を極端に悪化させる0.1μm前後の極く微細な粒子が多くなるため、本発明での長期保存時の地肌着色も悪化し、平均粒子径が5μmより大きくなると発色感度が悪くなり好ましくない。
【0032】
発色調節層を表面に有する低温及び、高温発色用染料前駆体粒子は、先にサンドミルやボールミル等にて分散した染料前駆体の分散液に、ビニル単量体と重合開始剤を添加し、必要に応じて加熱をして分散粒子の周りに発色調節層を形成させて製造する。この場合、低温発色用と高温発色用は色分離を良くするために、発色調節層の素材と膜厚を変えて、低温発色用は薄くて高感度に、高温発色用は厚くて低感度になるように調節する。染料前駆体の分散でできた、粒子径が0.1μm前後の極く微細粒子は、長期保存時の地肌着色を悪化するため、低温発色用の染料前駆体は発色調節層で被覆する方がよく、発色感度を落とさない程度に軽度な被覆を行うのが良い。
【0033】
電子受容性顕色剤の使用量は、これら染料前駆体の合計量100質量部に対して100〜700、好ましくは150〜400質量部の割合で使用される。
【0034】
つぎに、発色調節層につき説明する。用いるビニル単量体は、その分子中にビニル結合(炭素−炭素二重結合)を少なくとも1つ有し、ビニル結合が活性点となる付加重合可能な化合物である。
【0035】
このビニル単量体を染料前駆体の分散液に加えた時の混合状態には、種々の状態が考えられる。すなわち、1)分散液とビニル単量体の大部分は相分離して別々の相を形成または、乳化状態であるが、ビニル単量体の極微量が分散液中に溶解している状態、2)分散液とビニル単量体が全く溶け合わずに完全に相分離している状態、3)ビニル単量体が分散液の大部分もしくは全部に完全に溶解した状態などが挙げられる。これらの状態のうち、1)のビニル単量体の極微量が分散液中に溶解している状態で重合させると、他の状態で重合させた場合に比べ、染料前駆体の粒子表面に、より均一で緻密な発色調節層を形成することができ、好ましい状態である。このような状態は、染料前駆体の粒子を分散する分散媒の種類、及びビニル単量体の種類を適宜選択することにより実現することができる。
【0036】
ビニル単量体には、ビニル結合を1つ有する化合物と、ビニル結合を2つ以上有する化合物がある。そのビニル結合を2つ以上有する化合物の含有量を変化させることにより、発色調節層の感熱感度特性を自由に変化させることができる。ビニル結合を1つ有する化合物のみで重合したものに比べ、ビニル結合を2つ以上有する化合物を併用した発色調節層は、より強固な架橋構造が進み、感熱記録材料にしたときの発色開始温度を高温側にすることができる。ビニル結合を2つ以上有する化合物の併用比率は、ビニル単量体の全質量に対して1質量%以上70質量%以下、好ましくは、10質量%以上50質量%以下が良い。この範囲内であれば、発色開始温度などの発色特性を任意に調節でき、低温発色用染料前駆体を高感度に、高温発色用染料前駆体を低感度に調節することが出来る。
【0037】
染料前駆体の分散粒子に対するビニル単量体の量は、0.5質量%以上1000質量%以下であることが好ましく、この範囲であれば、重合時の凝集も無く重合が進行し、発色調節層としての機能が十分な被覆が得られる。この様に、ビニル単量体の量を増減して発色調節層の感熱感度特性を調節することもできる。
【0038】
本発明におけるビニル結合を1つのみ有する化合物の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、α−メトキシスチレン、m−ブロモスチレン、m−クロロスチレン、o−ブロモスチレン、o−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、p−クロロスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、2−ビニルピリジン、イソブテン、3−メチル−1−ブテン、ブチルビニルエーテル、メチルビニルケトン、ニトロエチレン、ビニリデンシアニド、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクロレイン、メチルアクロレイン、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−オクタデシルアクリルアミド、α−アセトキシアクリル酸エチル、α−クロロアクリル酸エチル、α−クロロアクリル酸メチル、α−シアノアクリル酸メチル、α−フェニルアクリル酸メチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−2−メトキシエチル、アクリル酸−2−ブトキシエチル、アクリル酸エトキシエトキシエチル、アクリル酸メチルトリグリコール、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸シアノエチル、アクリル酸フェロセニルメチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸ヘプタフルオロブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸オクチル、トリフルオロアクリル酸メチル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸−2−ニトロブチル、アクリル酸、α−ブロモアクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、アクリロニトリル、アリルグリシジルエーテル、アリル酢酸、アリルアルコール、アリルベンゼン、N−アリルステアリルアミド、1−ブテン、2−ブテン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルカルバミン酸エチル、N−ビニルカルバゾール、クロトンアルデヒド、クロトン酸、1,1−ジフェニルエチレン、テトラフルオロエチレン、フマル酸ジエチル、1−ヘキセン、1−ビニルイミダゾール、1−ビニル−2−メチルイミダゾール、インデン、マレイン酸ジエチル、無水マレイン酸、マレイミド、メタクリルアミド、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸フェロセニルメチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−sec−ブチル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−2−エトキシエチル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸、メタアクリロキシエチルホスフェート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、N−メチロールメタクリルアミド、メタクリロニトリル、メタクリロイルアセトン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−ビニルキノリン、安息香酸ビニル、ビニルドデシルエーテル、ビニルエチルスルホキシド、ギ酸ビニル、ビニルイソブチルエーテル、ラウリン酸ビニル、ビニルフェニルエーテルなどが挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0039】
また、ビニル結合を2つ以上有する化合物の具体例としては、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、オクタエチレングリコールジアクリレートなどのポリエチレングリコールジアクリレート類、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレートなどのポリエチレングリコールジメタクリレート類、2,2−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシトリエトキシフェニル)プロパンなどの2,2−ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン類、2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシトリエトキシフェニル)プロパンなどの2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン類、アリルアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、N,N′−メチレンビスアクリルアミド、アリルメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルクロレンデート、ブタジエン、ブタジエン−1−カルボン酸エチル、ブタジエン−1,4−ジカルボン酸ジエチル、ジアリルメラミン、フタル酸ジアリル、N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、イソプレン、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレートなどが挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0040】
以上の本発明に係わるビニル化合物は、それぞれ単独もしくは2種以上併用して用いることができる。2種以上併用して用いる場合は、上述したように、ビニル結合を1つ有する化合物とビニル結合を2つ以上有する化合物との組み合わせが好ましいが、ビニル結合を1つ有する化合物同士、ビニル結合を2つ以上有する化物同士の組み合わせで用いることもできる。
【0041】
これらビニル単量体の内、一部または全部がメタクリル酸エステルである場合、メタクリル酸エステルとその重合体は、発色調節層を設ける染料前駆体の分散粒子との接着性が良く、また水系分散媒への溶解性も適当であり重合性も良好であることから、付加重合により染料前駆体の分散粒子の表面を効率よく被覆することが可能である。さらに発色開始温度などの発色特性を調節する機能にも優れており、本発明では特に好ましく用いられる。
【0042】
ビニル単量体を付加重合させるのに加える重合開始剤は、公知のものを用いることができ、重合反応の様式もラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合など特に限定されないが、ラジカル重合が特に好ましく用いられる。またその重合の際、必要に応じ系を加熱しても良い。ラジカル重合の重合開始剤の具体例を以下に示す。過酸化水素、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイルなどの過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)などのアゾ化合物、過酸化水素と第一鉄塩の組み合わせ、過硫酸塩と酸性亜硫酸ナトリウムの組み合わせ、クメンヒドロキシペルオキシドと第一鉄塩の組み合わせ、過酸化ベンゾイルとジエチルアニリンの組み合わせ、過酸化物と金属アルキルの組み合わせ、酸素と有機金属アルキルの組み合わせなどのレドックス開始剤などが挙げられる。これらは単独での使用に限らず、混合して使用しても良い。
【0043】
ラジカル重合の重合開始剤は、上記に示す以外でも熱や光のエネルギーにより活性ラジカルを発生させるものであれば、特に限定はされないが、染料前駆体の粒子を水系分散媒に分散している場合、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリドなどの水溶性重合開始剤を用いるのが特に好ましい。
【0044】
重合開始剤の添加量については、ビニル単量体が付加重合を開始する量であれば、特に限定はされないが、付加重合を効率よく開始させるためには、ビニル単量体に対して0.001以上10質量%以下が好ましい。
【0045】
つぎに、感熱記録層で使用される、その他の素材について述べる。増感剤としては、ステアリン酸アミド、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、N−ステアリル尿素、ベンジル−2−ナフチルエーテル、ジフェニルスルホン、m−ターフェニル、4−ベンジルビフェニル、4−アセチルビフェニル、2,2′−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、α、α′−ジフェノキシキシレン、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、アジピン酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(4−クロルベンジル)エステル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジベンジル、ベンゼンスルホン酸フェニルエステル、ビス(4−アリルオキシフェニル)スルホン、4−アセチルアセトフェノン、サリチル酸アニリド、アセト酢酸アニリド類、脂肪酸アニリド類、など公知の増感剤が挙げられる。これらの増感剤の中でも、本発明では顕色剤との相溶性のよいステアリン酸アミド、ジフェニルスルホン、4−アセチルビフェニル、サリチル酸アニリド、シュウ酸−ジ(p−メチルベンジル)などが、発色感度面で増感に効果がある。使用量は感熱記録層の総固形分中、増感剤が5〜50質量%を占めることが好ましい。
【0046】
その他、バインダーは例えば、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、オキシベンゾイルポリエステル、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホン、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリアリルスルホン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、メラミンホルマリン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩またはアンモニウム塩、その他各種ポリオレフィン系樹脂などが使用される。
【0047】
その他、感熱記録層には、顔料として、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、重質炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、非晶質シリカ、非晶質ケイ酸カルシウム、コロイダルシリカなどの無機顔料、メラミン樹脂フィラー、尿素−ホルマリン樹脂フィラー、ポリエチレンパウダー、ナイロンパウダーなどの有機顔料を使用することができる。
【0048】
その他の添加剤としては、加熱印字ヘッドの摩耗防止、またはスティッキング防止などの目的でステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸アミド、カスタードワックスなどのワックス類、また、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどの分散剤及び蛍光染料などを含有させることもできる。特に、滑剤であるステアリン酸亜鉛は、加熱時にステアリン酸と亜鉛に分解されやすく、この亜鉛が本発明の必須の顕色剤、3,4−ジヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホンと配位結合をして発色を助けていると考えられ、その使用は好ましい。
【0049】
また、耐光性を向上する目的で酸化防止剤、紫外線吸収剤を添加することができる。酸化防止剤の例としては、ヒンダードアミン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、及びスルフィド系酸化防止剤などが挙げられるが特に限定はされない。また、紫外線吸収剤の例としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤などの有機系紫外線吸収剤、及び酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウムなどの無機系紫外線吸収剤が挙げられるが特に限定はされない。
【0050】
次に、本発明に用いられる支持体としては、紙、各種不織布、織布、ポリエチレンテレフタレートやポリプロピレン等のプラスチックフィルム、ポリエチレンやポリプロピレン等の合成樹脂をラミネートしたラミネート紙、合成紙、アルミニウム等の金属箔、ガラス等、あるいはこれらを組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に用いることができるが、これらに限定されるものではない。これらは不透明、透明、半透明のいずれでもよい。地肌を白色その他の特定の色に見せるために白色顔料や有色染顔料や気泡を支持体中または表面に含有させても良い。
【0051】
これら支持体には、感熱記録材料の感度を高めたり、印字カス防止のために、吸油性顔料や断熱性の中空粒子、内部に空気を内包させたエアーカプセル等を予め0.5〜30g/mになるように塗布した感熱塗工用紙が支持体としては特に有効である。塗布量がこの範囲未満では感度向上への効果が充分ではなく、この範囲以上では平滑な面を一定して得るのが困難な場合がある。また、支持体の裏面に予め、磁気記録材層を塗布したものを用いたり、感熱記録層を塗布後に粘着層を裏面に塗布して感熱ラベルに加工することも行われる。
【0052】
また本発明では、感熱記録層の上に、更に画像保存性を良くするために保護層を設けることもできる。保護層の素材としては、水溶性高分子およびラテックス類等の皮膜形成可能な材料を主成分として形成される。例えば、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、オキシベンゾイルポリエステル、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホン、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリアリルスルホン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、メラミンホルマリン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩またはアンモニウム塩、その他各種ポリオレフィン系樹脂などが挙げられ、耐水性を持たせるための各種の硬膜剤、架橋剤、更には、筆記性や走行性を向上させるための各種顔料や紫外線吸収剤等を添加して感熱記録層上に、単層または二層以上に積層される。
【0053】
本発明の感熱記録材料を構成する各層を支持体上に形成する方法は特に限定されるものではなく、従来の方法により形成することができる。例えば、エアーナイフコーター、各種ブレードコーター、各種バーコーター、各種カーテンコーター等の塗布装置や、平版、凸版、凹版、フレキソ、グラビア、スクリーン等の各種印刷方式等を用いることができる。
【0054】
【実施例】
以下実施例によって、本発明をさらに詳しく説明する。以下の「部」は「質量部」であり、「%」は「質量%」を表す。
【0055】
作製例1
感熱層塗工用支持体の作製
焼成カオリン100部、50%スチレンブタジエン系ラテックス水分散液24部、水200部の配合からなる塗工液を、坪量50g/mの上質紙に固形分塗工量として9g/mになるように塗工、乾燥して、感熱層塗工用支持体を作製した。
【0056】
作製例2
A液 低温発色用染料分散液の作製
赤色発色の染料前駆体である、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン4部を5%ポリビニルアルコール水溶液6部と共にビーズミルで粉砕し、体積平均粒子径0.8μmの染料前駆体分散液を得た。
【0057】
作製例3
B液 高温発色用染料被覆液の作製
黒色発色の染料前駆体である3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン5部を2.5%ポリビニルアルコール水溶液85部と共にビーズミルで粉砕し、体積平均粒子径1.0μmの染料前駆体分散液を得た。次いでこの分散液を重合容器に移し、メタクリル酸メチル4部およびエチレングリコールジメタクリレート1部を加え攪拌しながら70℃に昇温した。これに重合開始剤である1%過硫酸カリウム水溶液5部を加えて、攪拌を続けながら6時間反応させた。次いで、これを室温まで冷却し、表面に低感度な発色調節層を設けた染料前駆体粒子の分散液100部を得た。
【0058】
作製例4
C液 低温発色用染料被覆液の作製
赤色発色の電子供与性染料前駆体である3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン5部を2.5%ポリビニルアルコール水溶液85部と共にビーズミルで粉砕し、体積平均粒子径0.8μmの染料前駆体分散液を得た。次いでこの分散液を重合容器に移し、メタクリル酸エチル2.5部を加え攪拌しながら70℃に昇温した。これに重合開始剤である過硫酸カリウムの1%水溶液2.5部を加えて、攪拌を続けながら6時間反応させた。次いで、これを室温まで冷却し、表面に高感度な発色調節層を薄く設けた低温発色用染料前駆体の分散液95部を得た。
【0059】
作製例5
顕色剤分散液の作製
下記の各種、組成物をビーズミルを用いて体積平均粒子径が1.0μmになるように個別に粉砕して、顕色剤分散液(D液〜H液)各150部を得た。
D液 顕色剤分散液
3,4−ジヒドロキシ−4′−
メチルジフェニルスルホン             30部
2%ポリビニルアルコール水溶液         120部
E液 顕色剤分散液
3,3′−ジアリル−4,4′−
ジヒドロキシジフェニルスルホン          30部
2%ポリビニルアルコール水溶液         120部
F液 顕色剤分散液
一般式1(n=1〜3)の顕色剤
(日本曹達(株)製D−90)           30部
2%ポリビニルアルコール水溶液         120部
G液 顕色剤分散液
4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン     30部
2%ポリビニルアルコール水溶液         120部
H液 顕色剤分散液
4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル          30部
2%ポリビニルアルコール水溶液         120部
【0060】
作製例6
多色感熱記録層形成用塗工液の調製
下記組成の分散液および添加物を攪拌下で良く混合し、多色感熱記録層形成用塗工液を調製した。
作製例2のA液(低温側染料分散液)                  10部
作製例3のB液(高温側染料被覆液)                100部
作製例5のD液(顕色剤)             100部
作製例5のE液(顕色剤)              50部
20%炭酸カルシウム水分散液           200部
20%ステアリン酸アミド水分散液         150部
40%ステアリン酸亜鉛水分散液           15部
10%ポリビニルアルコール水溶液          50部
【0061】
実施例1
多色感熱記録材料の作製
作製例6で調製した多色感熱記録層形成用塗工液を、作製例1で作製した感熱塗工用支持体上に、固形分塗工量が8.0g/mとなるように塗工、乾燥した後、塗工面のベック平滑度が400〜500秒になるようにカレンダー処理をして、低温側が染料前駆体の分散粒子、高温側が発色調節層で被覆した染料前駆体からなり、顕色剤が2種類の分散粒子を併用した多色感熱記録材料を作製した。
【0062】
実施例2
実施例1における顕色剤、D液100部、E液50部の代わりに、D液100部、F液50部を用いた以外は、実施例1と同様にして多色感熱記録材料を作製した。
【0063】
実施例3
実施例1における顕色剤、D液100部、E液50部の代わりに、D液100部、G液50部を用いた以外は、実施例1と同様にして多色感熱記録材料を作製した。
【0064】
実施例4
実施例1における顕色剤、D液100部、E液50部の代わりに、D液100部、H液50部を用いた以外は、実施例1と同様にして多色感熱記録材料を作製した。
【0065】
実施例5
作成例11におけるA液10部の代わりに、C液(低温発色用染料被覆液)95部を用いた以外は実施例1と同様にして、低温側、高温側共に染料が発色調節層で被覆され、顕色剤分散液の2種類(D液100部、E液50部)を併用した多色感熱記録材料を作製した。
【0066】
実施例6
実施例5における顕色剤分散液、E液50部の代わりにF液50部を用いた以外は、実施例5と同様にして多色感熱記録材料を作製した。
【0067】
実施例7
実施例5における顕色剤分散液、E液50部の代わりにG液50部を用いた以外は、実施例5と同様にして多色感熱記録材料を作製した。
【0068】
実施例8
実施例5における顕色剤分散液、E液50部の代わりにH液50部を用いた以外は、実施例5と同様にして多色感熱記録材料を作製した。
【0069】
比較例1
実施例1における顕色剤(D液100部、E液50部)の代わりに、顕色剤を、D液150部とした以外は、実施例1と同様にして多色感熱記録材料を作製した。
【0070】
比較例2
実施例1における顕色剤(D液100部、E液50部)の代わりに、顕色剤を、E液150部とした以外は、実施例1と同様にして多色感熱記録材料を作製した。
【0071】
比較例3
実施例1における顕色剤(D液100部、E液50部)の代わりに、顕色剤を、F液150部とした以外は、実施例1と同様にして多色感熱記録材料を作製した。
【0072】
比較例4
実施例1における顕色剤(D液100部、E液50部)の代わりに、顕色剤を、G液150部とした以外は、実施例1と同様にして多色感熱記録材料を作製した。
【0073】
比較例5
実施例1における顕色剤(D液100部、E液50部)の代わりに、顕色剤を、H液150部とした以外は、実施例1と同様にして多色感熱記録材料を作製した。
【0074】
比較例6
実施例1における顕色剤(D液100部、E液50部)の代わりに、顕色剤を、G液100部、H液50部とした以外は、実施例1と同様にして多色感熱記録材料を作製した。
【0075】
試験1 発色性試験
実施例1〜8および比較例1〜6の多色感熱記録材料に、抵抗値779Ωのサーマルヘッド(LH4409、TDK(株)製)を装着した感熱ファクシミリ印字試験機(TH−PMD、大倉電機(株)製)を用いて、印加電圧20ボルト、印加パルス巾0.7ミリ秒でベタ印字の低温赤発色画像を、印加電圧20ボルト、印加パルス巾1.2ミリ秒でベタ印字の高温黒発色画像を得た。
【0076】
試験2 発色感度、色調の評価
試験1で得た二色印字試料につき、地肌部及び、発色画像部の光学濃度を反射濃度計(RD−918、マクベス社製)を用いて、低温発色画像部はマゼンタモード、地肌及び、高温発色画像部はブラックモードで測定した。結果を表1に示した。表1において、低温側発色調が赤色で、且つ発色濃度が1.1以上であれば発色感度及び、色分離は良好である。
【0077】
試験3 耐熱性試験
試験1で得た二色印字試料を、60℃の乾燥機内に24時間保存後、その保存前後の光学濃度を測定し、画像濃度の残存率%[(加熱後画像部光学濃度/加熱前画像部光学濃度)x100]を求めた。同時に、保存後の地肌かぶりも測定して、その結果を表1に示した。表1において、残存率が80%以上であれば、画像の耐熱性は良好であり、90%以上であれば、画像の耐熱性は非常に優れている。ブラックモードでの耐熱地肌濃度は、光学濃度が0.30以下であれば、実用上は問題はないが、0.15以下であれば良好である。
【0078】
試験4 耐可塑剤性試験
試験1で得た二色印字試料の印字面に、軟質塩ビ製フォルダ(ソフトカードケース、(株)コクヨ製)をのせ、印字面にかかる圧力が100g/cmになるよう荷重し、40℃環境下で10日間保存した。保存前後の光学濃度を測定し、画像濃度の残存率を求めた。その結果を表1に示した。表1において、残存率が70%以上であれば、画像の耐可塑剤性は良好であり、80%以上であれば非常に良好である。
【0079】
試験5 耐光性試験
実施例1〜8および比較例1〜6の白紙試料につき、表面における照度が5000ルクスになるようにして500時間、蛍光灯に暴露した。処理後の地肌着色(赤黄色)の光学濃度を反射濃度計(RD918、マクベス社製)を用い、マゼンタモードで測定し、その結果を表1に示した。光学濃度が0.30以下であれば良好である。
【0080】
試験6 耐アルコール性試験
試験1で得た二色印字試料を、10%エタノール水溶液に12時間、浸したのち常温で乾燥して処理前後の光学濃度を測定した。画像濃度の残存率を求め、その結果を表1に示した。表1において、残存率が70%以上であれば、画像の耐アルコール性は良好であり、80%以上であれば、非常に良好である。
【0081】
【表1】
Figure 2004042511
【0082】
表1より次のことが評価される。▲1▼実施例1〜4、比較例1〜6より、本発明での必須の顕色剤と他の顕色剤との併用で、画像保存性の向上が見られ、特に、実施例1〜2で効果が大きい。▲2▼低温側染料を被覆した、実施例5〜8は、耐熱性と耐光性試験での地肌の改良がみられる。
【0083】
【発明の効果】
以上、詳述したとおり、本発明での必須の顕色剤と他の顕色剤を併用し、高温側染料のみならず、低温側染料を、発色調節層で被覆することにより、色分離、画像保存性、長期保存による地肌着色の全ての面で満足のいく多色感熱記録材料が得られた。

Claims (3)

  1. 支持体上に、互いに異なる色調に発色する二種以上の電子供与性染料前駆体と、該染料前駆体を加熱時発色させる電子受容性顕色剤とを含有する感熱記録層を設けた多色感熱記録材料において、該染料前駆体の少なくとも一種以上が、ビニル単量体を付加重合することにより得られる発色調節層で被覆されてなり、該電子受容性顕色剤が、3,4−ジヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホンを必須とする二種以上の顕色剤を併用してなることを特徴とする多色感熱記録材料。
  2. 3,4−ジヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホンと併用される電子受容性顕色剤が3,3′−ジアリル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンであることを特徴とする請求項1記載の多色感熱記録材料。
  3. 3,4−ジヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホンと併用される電子受容性顕色剤が一般式1で示されるジフェニルスルホン架橋型顕色剤又は3,3′−ジアリル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンと一般式1で示されるジフェニルスルホン架橋型顕色剤であることを特徴とする請求項1または2記載の多色感熱記録材料。
    Figure 2004042511
    (一般式1において、nは1〜7の整数である。)
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