JP2004041855A - 遠心ろ過装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】構造を複雑にすることなくバスケット内の結晶の回収率を向上させることができる遠心ろ過装置を提供する。
【解決手段】バスケット10の中心軸線を水平方向に向けてケーシング7内に支持する。バスケット内で旋回する旋回部21bを有する結晶吸引管21を設け、この結晶吸引管に複数の掻取刃22A,22B及び23を取り付ける。結晶吸引管21の旋回部21bを旋回させて、その先端をバスケット10の内周の結晶側に変位させる過程で掻取刃22A,22B及び23を結晶中に進入させて、結晶を掻き取る。掻き取られた結晶が、各掻取刃の板面に沿って、結晶吸引管21の先端の最終到達位置である最終吸引位置側に案内されるように、各掻取刃の板面の向きを設定しておく。
【選択図】 図4
【解決手段】バスケット10の中心軸線を水平方向に向けてケーシング7内に支持する。バスケット内で旋回する旋回部21bを有する結晶吸引管21を設け、この結晶吸引管に複数の掻取刃22A,22B及び23を取り付ける。結晶吸引管21の旋回部21bを旋回させて、その先端をバスケット10の内周の結晶側に変位させる過程で掻取刃22A,22B及び23を結晶中に進入させて、結晶を掻き取る。掻き取られた結晶が、各掻取刃の板面に沿って、結晶吸引管21の先端の最終到達位置である最終吸引位置側に案内されるように、各掻取刃の板面の向きを設定しておく。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スラリを液分と結晶とに分離する遠心ろ過装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
化学プラント等においては、製品を製造する過程でスラリ(結晶を含む原液)から液分を分離して結晶を得る固液分離工程(固体と液体とを分離する工程)を行うことがしばしばある。また固液分離工程に続いて、結晶を洗浄液により洗浄する洗浄工程と、洗浄された結晶を乾燥させる乾燥工程とを併せて行うことが多い。
【0003】
固液分離工程を行う装置としては、スラリを圧搾してフィルタに供給することによりスラリを液分と結晶とに分離するフィルタ式ろ過装置と、高速回転するバスケット内にスラリを供給して遠心力によりスラリを液分と結晶とに分離する遠心ろ過装置とが広く用いられている。
【0004】
フィルタ式ろ過装置では、ろ過の際に結晶が圧搾されるため、結晶がブロック化して(塊になって)その組織が緻密になるのを避けられない。そのため、フィルタ式ろ過装置を用いた場合には、洗浄工程で洗浄液を結晶中に均一に浸透させることが難しく、結晶を充分に洗浄することは容易でない。
【0005】
これに対し、遠心ろ過装置を用いた場合には、結晶が圧搾されることがなく、結晶の組織内に適当な空隙が形成されるため、結晶中に洗浄液を均一に浸透させて結晶の洗浄を短時間で充分に行わせることができ、高品質の結晶を得ることができる。
【0006】
またフィルタ式ろ過装置では、得られる結晶の組織が緻密であるため、結晶を乾燥させる工程に長い時間を要するが、遠心ろ過装置では、得られる結晶の組織が緻密になることがないため、結晶の乾燥を比較的短時間で行なうことができる。
【0007】
上記のように、遠心ろ過装置を用いると、結晶の洗浄を効率よく、かつ均一に行なうことができるだけでなく、得られた結晶の乾燥を短時間で行なうことができるため、不純物が少い高品質の結晶を能率よく得ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、遠心ろ過装置は、フィルタ式ろ過装置に比べて数々の利点を有しているが、籠形のバスケット内に結晶を形成するため、得られた結晶を回収することが容易でないという問題を有している。特に不純物の混入を防止するためにバスケットを密閉構造のケーシング内に配置して固液分離処理を行わせる場合には、結晶の回収に特別の工夫が必要である。
【0009】
遠心ろ過装置のバスケット内から結晶を回収するには、真空吸引装置に接続された結晶吸引管をバスケット内に挿入して、該吸引管を通して結晶を吸引する方法をとるのが便利である。このような吸引管を用いれば、バスケットが密閉構造のケーシング内に配置される場合であっても結晶の回収を行うことが可能である。
【0010】
しかしながら、単にバスケット内に吸引管を挿入しただけでは、バスケット内のすべての結晶を回収することは難しく、バスケット内に結晶が残留することになるのを避けられない。
【0011】
そこで、本出願人は、先に、特開平9−253532号において、結晶を回収する際にバスケットの中心軸線が水平方向に対して一定の角度傾斜して該バスケットの底壁部が斜め下方に向くようにしておくことにより、結晶の回収率を向上させた遠心ろ過装置を提案した。この遠心ろ過装置では、バスケット内で結晶を乾燥させた後、バスケット内の上部に配置した掻取刃によりバスケットの内周の結晶を掻き落としてバスケットの下部に集める。そして、結晶吸引管の先端をバスケットの下部の結晶中に進入させて結晶を吸引し、最終的には該吸引管の先端を傾斜したバスケットの周壁部の最下部と該バスケットの底壁部との間の隅部に近接した位置まで変位させて該隅部に集った結晶を吸引して回収するようにしている。
【0012】
この遠心ろ過装置によれば、結晶の回収率を向上させることができるが、結晶を掻き落とす際に乾燥されて微粉末化した結晶が飛散してバスケットの開口部から外部に漏れ、漏れた結晶がバスケットの周囲に付着するという問題があった。そこで、本出願人は更に、特開平10−337501号において、バスケットの開口部を閉鎖した状態を保ちつつ該バスケットともに回転する回転シール部材を、バスケットから退避可能な状態で設けて、結晶を掻き落とす際、及び掻き落とした結晶を吸引して回収する際に、回転シール部材によりバスケットの開口部を閉鎖しておくことにより、乾燥した結晶の微粉末が飛散して漏れ出るのを防ぐようにした遠心ろ過装置を提案した。
【0013】
しかしながら、この遠心ろ過装置では、結晶の微粉末がバスケットの開口部から漏れ出るのを防ぐことができるという利点が得られる反面、バスケットの開口部を閉じる回転シール部材をバスケットに対して回転自在に、かつバスケットの高速回転時に該バスケットから退避し得るように設ける必要があるため、構造が甚だ複雑になるという問題があった。
【0014】
本発明の目的は、構造を複雑にすることなく、バスケット内の結晶が外部に漏れ出るのを防ぐことができる上に、結晶を効率よく回収することができるようにした遠心ろ過装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、開閉可能な蓋部材を備えたケーシングと、多数の透過孔が形成された円筒状の周壁部と該周壁部の軸線方向の一端を閉じる底壁部と該周壁部の軸線方向の他端の内周から径方向の内側に突出した環状の端部壁とを有して中心軸線をほぼ水平方向に向けた状態でケーシング内に回転自在に支持されたバスケットと、バスケットの周壁部の内周に配置されたフィルタと、バスケットを回転駆動する回転駆動装置と、バスケットの周壁部の内周に形成された結晶を掻き取る結晶掻取装置と、結晶掻取装置により掻き取られたバスケット内の結晶を先端部に設けられた吸引口から吸引して回収する結晶吸引管とを備えた遠心ろ過装置に係わるものである。
【0016】
本発明においては、結晶吸引管が、その吸引口をバスケットの周壁部の下部と底壁部との間の隅部付近に設定された最終吸引位置とバスケットの内径側に設定された退避位置とに変位させ得るように設けられる。
【0017】
また結晶掻取装置は、バスケット内の下部寄りの位置にバスケットの端部壁側から底壁部側に所定の間隔をもって並ぶように配置された複数の板状の掻取刃を備えていて、該複数の掻取刃がバスケットの内径側に設定された退避位置とバスケットの周壁部の下部に近接した位置に設定された最終掻取位置との間を変位し得るように設けられる。
【0018】
各掻取刃は、最終掻取位置に到達したときにフィルタの内周に近接した状態で該フィルタの内周に沿うように形成されたエッジ部を先端に有し、バスケットを一方向に回転させながら、複数の掻取刃を退避位置から最終掻取位置に向けて変位させてバスケット内の結晶中に進入させた際に、各掻取刃により掻き取られた結晶が各掻取刃の板面に沿って前記最終吸引位置側に案内されるように各掻取刃の板面の向きが設定されている。
【0019】
本発明の好ましい態様では、結晶吸引管が、軸線をバスケットの中心軸線と平行な方向に向けた状態でケーシングに回転自在に支持されてバスケットの端部壁の内側の開口部を通してバスケット内に挿入された直管部と該直管部の先端から湾曲してバスケットの底壁部に近づきつつ該バスケットの周壁部側に向かうように伸びる旋回部とを一体に有していて、旋回部をバスケットの周壁部の下部側に旋回させた際に該旋回部の先端の吸引口がバスケットの周壁部の下部と該バスケットの底壁部との間の隅部に設定された最終吸引位置に到達し得るように旋回部の寸法と形状とが設定される。
【0020】
結晶掻取装置は、バスケット内の下部寄りの位置にバスケットの端部壁側から底壁部側に所定の間隔をもって並べて配置された状態で結晶吸引管に支持されて、結晶吸引管の直管部の回転に伴ってバスケット内で旋回させられる複数の板状の掻取刃を備えた構成とする。
【0021】
この場合も、複数の掻取刃は、結晶吸引管の先端部が最終吸引位置に達したときにフィルタの下部内周に近接して該フィルタの内周に沿った状態になるエッジ部をそれぞれの下端に有しており、バスケットを一方向に回転させながら該バスケットの内周に形成された結晶中に複数の掻取刃を進入させた際に各掻取刃により掻き取られた結晶が各掻取刃の板面に沿って最終吸引位置側に案内されるように各掻取刃の板面がバスケットの中心軸線を含む垂直面に対してバスケットの底壁部側に傾斜させられている。
【0022】
上記のように構成すると、バスケット内の下部寄りに配置された掻取刃によりバスケット内の結晶が掻き取られると同時に、掻き取られた結晶が掻取刃の板面に沿って強制的に最終吸引位置側に移動させられるため、結晶を乾燥させて微粉末化したり、バスケットを傾斜させたりしなくても、結晶を最終吸引位置付近に集めて効率よく吸引回収することができる。また結晶を乾燥させて微粉末化する必要がないため、バスケットの開口部を閉じるシール部材などを特に設けなくても、結晶を回収する際に結晶がバスケットから漏れ出るのを防ぐことができ、構造を複雑にすることなく、結晶を効率よく回収することができる遠心ろ過装置を得ることができる。
【0023】
上記複数の掻取刃の内、バスケットの底壁部に最も近い位置に配置された最奥部の掻取刃は、結晶吸引管の旋回部の先端部を貫通させた状態で該旋回部に支持することができる。
【0024】
このように、結晶吸引管の先端部に最奥部の掻取刃を支持した場合には、最奥部の掻取刃により掻き取られてバスケットの端部壁側に移動させられた結晶を結晶吸引管の先端側(吸引口側)に移動させる手段を講じておくことが望ましい。
【0025】
そのため、本発明の好ましい態様において、最奥部の掻取刃は、結晶吸引管の旋回部の先端部に相応する位置に結晶を通過させるための切欠き部を有している。このように、最奥部の掻取刃に切欠き部を設けると、切欠き部を設けた部分で結晶を掻き取ることができなくなるため、本発明においては、最奥部の掻取刃の切欠き部を通して結晶吸引管の旋回部の先端部に相対する位置に刃部を有する補助掻取刃を設けて、最奥部の掻取刃の切欠き部に相応する位置の結晶をこの補助掻取刃により掻き取るようにしている。
【0026】
また結晶吸引管の先端部が最終吸引位置に達したときに補助掻取刃の刃部により掻き取られた結晶が該補助掻取刃の刃部を乗り越えて最奥部の掻取刃の切欠き部側に移動するのを許容するように、その刃部の寸法が設定されている。
【0027】
このような構造にすると、最奥部の掻取刃により掻き取られてバスケットの底壁部側に移動させられた結晶、及び補助掻取刃により掻き取られた結晶を最奥部の掻取刃に設けた切欠き部を通して結晶吸引管の先端側に移動させることができるため、結晶の吸引、回収を効率よく行わせることができる。
【0028】
なお、結晶吸引管の先端の吸引口が結晶により詰まるのを防止するため、該吸引口は、最終吸引位置でバスケットの回転方向の前方側に開口するように設けるのが好ましい。
【0029】
上記の構成では、バスケットの軸線を水平方向に向けるとしたが、バスケットの底壁部を斜め下方に向けてバスケットの中心軸線を水平方向に対して傾斜させた状態で設ける場合にも本発明を適用することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を適用した遠心ろ過装置の一構成例を示した断面図で、同図において、1は設置ベース、2は設置ベース1の上に配置されて該ベースにボルトなどにより固定されたベースフレームである。ベースフレーム2の上には、ベース板3が固定され、ベース板3の一端に、該ベース板3と板面が直交するように配置されたフレーム板4の下端が固定されている。フレーム板4には軸受装置5が支持され、この軸受装置5により、回転軸6がその中心軸線を水平方向に向けた状態で回転自在に支持されている。
【0031】
フレーム板4には、円筒状のケーシング基部7aが固定され、このケーシング基部7aに円錐台状に形成されたケーシングカバー7bが、図示しないヒンジを介して開閉自在に取り付けられている。ケーシング基部7aの下部には、排液孔7cが形成されている。
【0032】
この例では、ケーシング基部7aとケーシングカバー7bとによりケーシング7が構成され、フレーム板4によりケーシングの底部が構成されている。
【0033】
軸受装置5により支持された回転軸6の一端はフレーム板4に取り付けられたシール部材を通してケーシング7内に導入され、ケーシング7内に導入された回転軸の一端にバスケット10が取り付けられている。また回転軸6の他端は軸受装置5の端部から外部に導出され、外部に導出された回転軸の他端にプーリ11が取り付けられている。
【0034】
バスケット10は、周壁部10aと該周壁部10aの軸線方向の一端を閉じるように設けられた底壁部10bと周壁部10aの軸線方向の他端の内周から径方向の内側に突出するように設けられた環状の端部壁10cとを有する籠形のもので、このバスケット10は、その底壁部10bの中央部に設けられたボス10dを回転軸6に結合することにより、中心軸線を水平方向に向けた状態でケーシング内に回転自在に支持されている。
【0035】
バスケットの周壁部10aには無数の透過孔が、該周壁部全体に均一に分散させた状態で形成され、該周壁部10aの内周には、多孔板と金網との積層体などにより構成されたフィルタ12が配置されている。
【0036】
ベース板3の上には、バスケット10の回転駆動源である電動機15が取り付けられ、該電動機の回転軸に取り付けられたプーリ16と軸受装置5に支持された回転軸に取り付けられたプーリ11とにベルト17が巻掛けされている。
【0037】
電動機15とプーリ11及び16とベルト17とにより、バスケット10を回転駆動する回転駆動装置18が構成されている。
【0038】
ベース板3にはまた、軸受装置5と回転駆動装置18とを覆うカバー19が取り付けられている。
【0039】
バスケット10の端部壁10cに対向するケーシングカバー7bの端部壁7dの下部には、軸受装置20を介して結晶吸引管21が支持されている。結晶吸引管21は、軸線をバスケット10の中心軸線と平行な方向に向けた状態でケーシング7の端部壁7dに軸受装置20を介して回転自在に支持されてバスケット10の端部壁10cの内側の開口部を通してバスケット内に挿入された直管部21aと該直管部21aの先端からバスケットの底壁部10bに近づきつつ該バスケットの周壁部10a側に向かうように湾曲して伸びる旋回部21bとを一体に有していて、旋回部21bをバスケット10の周壁部10aの下部側に旋回させた際に該旋回部の先端の吸引口がバスケット10の周壁部10aの下部と該バスケットの底壁部10bとの間の隅部に設定された最終吸引位置Aに到達し得るように旋回部21bの寸法と形状とが設定されている。
【0040】
この例では、図2ないし図5に示したように、ほぼ同形状に形成された第1及び第2の掻取刃22A及び22Bと、これらの掻取刃とは異なる形状に形成された第3の掻取刃23とが、結晶吸引管21に取り付けられている。
【0041】
第1ないし第3の掻取刃は、バスケット10内の下部寄りの位置にバスケットの端部壁10c側から底壁部10b側に所定の間隔をもって順に並ぶように配置されていて、バスケットの端部壁10c側に配置された第1の掻取刃22A及び第2の掻取刃22Bはそれぞれ旋回アーム24A及び24Bを介して結晶吸引管21に支持され、バスケットの底壁部に最も近い最奥部の掻取刃である第3の掻取刃22Cは、結晶吸引管21の旋回部21bの先端部を貫通させた状態で該旋回部21bに支持されている。
【0042】
更に詳細に説明すると、第1の掻取刃22A及び第2の掻取刃22Bは、図6(A)に示したように、ほぼ平行四辺形の輪郭を有する板を、図6(B)に示す如く断面がくの字形を呈するように、平行四辺形の長辺と平行な折り曲げ線Lに沿って折り曲げることにより、下側板部22aと、上側板部22bとを形成したもので、上側板部22bのほぼ中央部を貫通させた状態で、それぞれを支持する旋回アーム24A及び22Bの先端を嵌着するための旋回アーム取り付け孔22cが形成されている。また掻取刃22A及び22Bの下側板部22aの下端には、結晶中に進入しやすいように先端が鋭利に形成されたエッジ部22eが形成されている。
【0043】
最奥部の第3の掻取刃23は、図7(A)及び(B)に示すように、第1及び第2の掻取刃と同様に、下側板部23aと上側板部23bとを有して断面がくの字形を呈するように形成されているが、この第3の掻取刃は、バスケットの底壁部10b側に配置される端部寄りの位置に、結晶吸引管の旋回部21bの先端部を貫通させるための孔23cを有し、結晶吸引管21の旋回部21bの先端部を孔23cに嵌合させた状態で、該旋回部に支持されている。また第3の掻取刃の下側板部23aは、孔23cを貫通した旋回部21bの先端部に相応する位置に、最終掻取位置に位置したときにバスケットの周壁部側及び底壁部側の双方に開口した状態になる切欠き部23dを有し、バスケット内の結晶を掻き取る際に掻取刃23に対して相対的に移動する結晶を、切欠き部23dを通して結晶吸引管21の旋回部21bの先端部側に通過させるこができるようになっている。第3の掻取刃23の下側板部23aの下端には、先端が鋭利なエッジ部23eが形成されている。
【0044】
また本実施形態では、第3の掻取刃23に補助掻取刃25が取り付けられている。補助掻取刃25は、掻取刃23に比べて十分に小さい幅寸法wを有するように形成されて先端に鋭利なエッジ25a1が形成された刃部25aと、刃部25aの両端から同じ側に突出して互いに平行に延びる腕部25b,25cとを有して、全体がほぼコの字形を呈するように形成されている。補助掻取刃25は、掻取刃23との間に所定の間隔をあけ、かつその刃部25aを、第3の掻取刃23の切欠き部23dを通して旋回部21bの先端部に相対する位置(切欠き部23dを通して旋回部21bの先端部を見ることができる位置)に位置させた状態で配置されて、その腕部25b,25cをスぺーサ25d(図7B参照)を介して掻取刃23の下側板部23aに溶接することにより第3の掻取刃23に支持されている。なお図2においては、補助掻取刃25の図示が省略されている。
【0045】
図4に示されているように、第1ないし第3の掻取刃は、掻き取った結晶をそれぞれの板面に沿って結晶吸引管の先端側及び最終吸引位置側に案内するように、それぞれの板面をバスケットの中心軸線を含む垂直面に対してバスケットの底壁部10b側にほぼ45°傾け、かつそれぞれの下側板部をバスケットの内周の結晶に食い込ませるのに適した角度だけバスケットの径方向に対して傾けた状態で配置されていて、結晶吸引管21の先端が最終吸引位置に向けて変位していく過程で、掻取刃22A,22B及び23の下端のエッジ部が結晶吸引管21の先端よりも先行しつつバスケットの周壁部側に変位し、結晶吸引管の先端の吸引口が最終吸引位置Aに達したときに、掻取刃22A,22B及び23の下端のエッジ部22e及び23eがフィルタ12の下部内周に近接した状態になる最終掻取位置に達するように、各部の寸法及び形状と、掻取刃22A,22B及び23と結晶吸引管21との間の位置関係とが設定されている。
【0046】
そして、結晶吸引管21の先端の吸引口が最終吸引位置に達して、掻取刃22A,22b及び23の下端のエッジ部が最終掻取位置でフィルタ12の内周に近接した状態になったときに、各掻取刃のエッジ部がフィルタ12の内周面に沿った状態になるように、各エッジ部の形状が設定されている。
【0047】
ケーシング7の端部壁7dの上部には覗き窓7eが設けられ、覗き窓7eと軸受装置20との間の位置で端部壁7dを貫通させた状態で取り付けられた給液パイプ30がバスケット10内に挿入されている。給液パイプ30とこの給液パイプに電磁バルブを介して接続される図示しないスラリ(原液)供給源とにより、バスケット内にスラリを供給するスラリ供給装置が構成されている。
【0048】
また結晶吸引管を駆動する駆動源としての電動機31がケーシング7に対して適宜の手段により支持され、この電動機31の回転が、軸受装置20のケースに支持されたギアボックス32内に配置された減速機33を介して結晶吸引管21に伝達されるようになっている。これにより、結晶吸引管21の旋回部21bの先端がバスケット10の端部壁10cの内周部10c1(図2参照)に相応する位置よりも内径側に設定された退避位置(バスケット内に原液を供給した際にバスケットの内周に形成される液面と干渉しない位置)と最終吸引位置Aとの間を移動するように、結晶吸引管21が駆動される。
【0049】
上記の遠心ろ過装置を用いてスラリを液分と結晶とに分離する処理を行う場合には、給液パイプ30を通してバスケット10内にスラリを供給する。給液の過程で図示しない液面検出器によりスラリの液面が限界位置に達したことが検出されたときにバスケット内へのスラリの供給を中断する。バスケットの回転に伴って生じる遠心力によりスラリ中の液分がフィルタ12を通してバスケット外に排出され、スラリに含まれる結晶がバスケット10の周壁部10aの内周に堆積していく。バスケット外に排出された液分はケーシング7内を流下して排液孔7cから外部に排出される。
【0050】
脱液が進み、液面レベルが所定位置まで低下したことが検出されたときにスラリの供給を再開し、液面が限界位置に達したことが検出されたときに再びスラリの供給を中断する。
【0051】
上記の動作を繰り返えすと、バスケットの内周に形成される結晶の層の厚みが厚くなっていき、結晶の層の厚みの増大に伴って脱液にかかる時間が長くなっていく。結晶の層の厚みが充分に厚くなって、液面レベルの低下が一定の時間以内に検出されない状態が生じたときにバスケット内へのスラリの供給を停止し、給液工程を終了する。給液工程が終了した後、バスケット10を脱液時の回転速度まで増速し、予め実験的に求めた一定の脱液時間の間その回転速度を保って脱液を行わせる。
【0052】
脱液時間が経過した後バスケット内の結晶を洗浄する洗浄工程を行う。この洗浄工程では、洗浄時に適した回転速度でバスケットを回転させながら給液パイプ30を通して、または別途設けた洗浄液供給パイプを通してバスケット内に洗浄液を供給し、この洗浄液によりバスケット内の結晶を洗浄する。一定の洗浄時間が経過した後、バスケットを脱液回転速度まで増速して結晶中に含まれる洗浄液を結晶から離脱させる。
【0053】
洗浄工程が終了し、脱液を行わせた後、結晶吸引管21を駆動して、その旋回部21bの先端を退避位置から最終吸引位置Aに向けて変位させる。このとき、先ず掻取刃22A,22B及び23と補助掻取刃25の刃部25aとがバスケットの内周の結晶中に進入して結晶を掻き取る。
【0054】
各掻取刃により掻き取られた結晶は、図4に矢印Pで示したように、各掻取刃の板面に沿って最終吸引位置付近に向けて案内されるため、掻き取られた結晶は結晶吸引パイプ21の先端部付近に集められる。結晶吸引パイプの先端付近に集められた結晶は、該結晶吸引パイプの先端の吸引口から吸引されて効率よく回収される。
【0055】
上記の一連の動作は、バスケットを駆動する電動機15、給液パイプ30への原液の供給を制御するバルブ、結晶吸引管を駆動する電動機31などを所定のシーケンスで動作させるように制御することにより、自動的に行わせることができる。
【0056】
上記の例では、3つの掻取刃を設けているが、掻取刃は複数個あればよく、必ずしも3つの掻取刃を設ける場合に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態において、掻取刃22Aを大きくして、掻取刃22Bを省略することもできる。
【0057】
上記の実施形態のように、結晶吸引管に掻取刃を支持するようにすると、構造を簡単にすることができるが、本発明はこのように構成する場合に限定されるものではなく、複数の掻取刃を結晶吸引管とは別個に設けた駆動軸に旋回アームを介して支持するようにしてもよい。この場合は、結晶を掻き取る際に、掻取刃を結晶吸引管の先端よりも先行させてバスケットの周壁部側に変位させて、最終的に掻取刃及び結晶吸引管の先端をそれぞれ最終掻取位置及び最終吸引位置に到達させるように、掻取刃の駆動軸と結晶吸引管とを制御する。
【0058】
上記の実施形態では、バスケット10の軸線を水平方向に向けたが、バスケットの底壁部を斜め下方に向けてバスケットの中心軸線を水平方向に対して傾斜させた状態で設ける場合にも本発明を適用することができるのはもちろんである。
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、バスケットの内周の結晶を掻き落とすのではなく、バスケット内の下部寄りに配置された掻取刃によりバスケット内の結晶を掻き取ると同時に、掻き取った結晶を掻取刃の板面に沿って強制的に最終吸引位置側に移動させて、最終吸引位置側に移動させられた結晶を結晶吸引管により吸引回収するようにしたため、結晶を乾燥させて微粉末化しなくても、結晶を結晶吸引管の吸引口付近に集めて効率よく吸引回収することができる。また結晶を掻き落とすことがないため、バスケット内で結晶が飛散するのを防ぐことができる。従って、バスケットの開口部を閉じるシール部材などを特に設けなくても、結晶を回収する際に結晶がバスケットから漏れ出るのを防ぐことができ、構造を複雑にすることなく、結晶を効率よく回収することができる遠心ろ過装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる遠心ろ過装置の構成例を示した縦断面図である。
【図2】図1に示した遠心ろ過装置の要部の拡大断面図である。
【図3】図1に示した遠心ろ過装置において、結晶吸引管の先端の吸引口が最終吸引位置に位置し、掻取刃が最終掻取位置に位置した状態を説明するための説明図である。
【図4】図1に示した遠心ろ過装置のバスケットの一部とケーシングの一部とを断面して結晶吸引管と掻取刃とを上方から見た上面図である。
【図5】掻取刃を支持した結晶吸引管を図1の右側から見て示した側面図である
【図6】(A)及び(B)はそれぞれ本発明に係わる遠心ろ過装置で用いる掻取刃の正面図及び断面図である。
【図7】(A)及び(B)はそれぞれ本発明に係わる遠心ろ過装置で用いる他の掻取刃の正面図及び側面図である。
【符号の説明】
2… ベースフレーム、5…軸受装置、6…回転軸、7…ケーシング、10…バスケット、10a…周壁部、10b…底壁部、10c…端部壁、12…フィルタ、21…結晶吸引管、22A,22B,23…掻取刃、25…補助掻取刃。
【発明の属する技術分野】
本発明は、スラリを液分と結晶とに分離する遠心ろ過装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
化学プラント等においては、製品を製造する過程でスラリ(結晶を含む原液)から液分を分離して結晶を得る固液分離工程(固体と液体とを分離する工程)を行うことがしばしばある。また固液分離工程に続いて、結晶を洗浄液により洗浄する洗浄工程と、洗浄された結晶を乾燥させる乾燥工程とを併せて行うことが多い。
【0003】
固液分離工程を行う装置としては、スラリを圧搾してフィルタに供給することによりスラリを液分と結晶とに分離するフィルタ式ろ過装置と、高速回転するバスケット内にスラリを供給して遠心力によりスラリを液分と結晶とに分離する遠心ろ過装置とが広く用いられている。
【0004】
フィルタ式ろ過装置では、ろ過の際に結晶が圧搾されるため、結晶がブロック化して(塊になって)その組織が緻密になるのを避けられない。そのため、フィルタ式ろ過装置を用いた場合には、洗浄工程で洗浄液を結晶中に均一に浸透させることが難しく、結晶を充分に洗浄することは容易でない。
【0005】
これに対し、遠心ろ過装置を用いた場合には、結晶が圧搾されることがなく、結晶の組織内に適当な空隙が形成されるため、結晶中に洗浄液を均一に浸透させて結晶の洗浄を短時間で充分に行わせることができ、高品質の結晶を得ることができる。
【0006】
またフィルタ式ろ過装置では、得られる結晶の組織が緻密であるため、結晶を乾燥させる工程に長い時間を要するが、遠心ろ過装置では、得られる結晶の組織が緻密になることがないため、結晶の乾燥を比較的短時間で行なうことができる。
【0007】
上記のように、遠心ろ過装置を用いると、結晶の洗浄を効率よく、かつ均一に行なうことができるだけでなく、得られた結晶の乾燥を短時間で行なうことができるため、不純物が少い高品質の結晶を能率よく得ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、遠心ろ過装置は、フィルタ式ろ過装置に比べて数々の利点を有しているが、籠形のバスケット内に結晶を形成するため、得られた結晶を回収することが容易でないという問題を有している。特に不純物の混入を防止するためにバスケットを密閉構造のケーシング内に配置して固液分離処理を行わせる場合には、結晶の回収に特別の工夫が必要である。
【0009】
遠心ろ過装置のバスケット内から結晶を回収するには、真空吸引装置に接続された結晶吸引管をバスケット内に挿入して、該吸引管を通して結晶を吸引する方法をとるのが便利である。このような吸引管を用いれば、バスケットが密閉構造のケーシング内に配置される場合であっても結晶の回収を行うことが可能である。
【0010】
しかしながら、単にバスケット内に吸引管を挿入しただけでは、バスケット内のすべての結晶を回収することは難しく、バスケット内に結晶が残留することになるのを避けられない。
【0011】
そこで、本出願人は、先に、特開平9−253532号において、結晶を回収する際にバスケットの中心軸線が水平方向に対して一定の角度傾斜して該バスケットの底壁部が斜め下方に向くようにしておくことにより、結晶の回収率を向上させた遠心ろ過装置を提案した。この遠心ろ過装置では、バスケット内で結晶を乾燥させた後、バスケット内の上部に配置した掻取刃によりバスケットの内周の結晶を掻き落としてバスケットの下部に集める。そして、結晶吸引管の先端をバスケットの下部の結晶中に進入させて結晶を吸引し、最終的には該吸引管の先端を傾斜したバスケットの周壁部の最下部と該バスケットの底壁部との間の隅部に近接した位置まで変位させて該隅部に集った結晶を吸引して回収するようにしている。
【0012】
この遠心ろ過装置によれば、結晶の回収率を向上させることができるが、結晶を掻き落とす際に乾燥されて微粉末化した結晶が飛散してバスケットの開口部から外部に漏れ、漏れた結晶がバスケットの周囲に付着するという問題があった。そこで、本出願人は更に、特開平10−337501号において、バスケットの開口部を閉鎖した状態を保ちつつ該バスケットともに回転する回転シール部材を、バスケットから退避可能な状態で設けて、結晶を掻き落とす際、及び掻き落とした結晶を吸引して回収する際に、回転シール部材によりバスケットの開口部を閉鎖しておくことにより、乾燥した結晶の微粉末が飛散して漏れ出るのを防ぐようにした遠心ろ過装置を提案した。
【0013】
しかしながら、この遠心ろ過装置では、結晶の微粉末がバスケットの開口部から漏れ出るのを防ぐことができるという利点が得られる反面、バスケットの開口部を閉じる回転シール部材をバスケットに対して回転自在に、かつバスケットの高速回転時に該バスケットから退避し得るように設ける必要があるため、構造が甚だ複雑になるという問題があった。
【0014】
本発明の目的は、構造を複雑にすることなく、バスケット内の結晶が外部に漏れ出るのを防ぐことができる上に、結晶を効率よく回収することができるようにした遠心ろ過装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、開閉可能な蓋部材を備えたケーシングと、多数の透過孔が形成された円筒状の周壁部と該周壁部の軸線方向の一端を閉じる底壁部と該周壁部の軸線方向の他端の内周から径方向の内側に突出した環状の端部壁とを有して中心軸線をほぼ水平方向に向けた状態でケーシング内に回転自在に支持されたバスケットと、バスケットの周壁部の内周に配置されたフィルタと、バスケットを回転駆動する回転駆動装置と、バスケットの周壁部の内周に形成された結晶を掻き取る結晶掻取装置と、結晶掻取装置により掻き取られたバスケット内の結晶を先端部に設けられた吸引口から吸引して回収する結晶吸引管とを備えた遠心ろ過装置に係わるものである。
【0016】
本発明においては、結晶吸引管が、その吸引口をバスケットの周壁部の下部と底壁部との間の隅部付近に設定された最終吸引位置とバスケットの内径側に設定された退避位置とに変位させ得るように設けられる。
【0017】
また結晶掻取装置は、バスケット内の下部寄りの位置にバスケットの端部壁側から底壁部側に所定の間隔をもって並ぶように配置された複数の板状の掻取刃を備えていて、該複数の掻取刃がバスケットの内径側に設定された退避位置とバスケットの周壁部の下部に近接した位置に設定された最終掻取位置との間を変位し得るように設けられる。
【0018】
各掻取刃は、最終掻取位置に到達したときにフィルタの内周に近接した状態で該フィルタの内周に沿うように形成されたエッジ部を先端に有し、バスケットを一方向に回転させながら、複数の掻取刃を退避位置から最終掻取位置に向けて変位させてバスケット内の結晶中に進入させた際に、各掻取刃により掻き取られた結晶が各掻取刃の板面に沿って前記最終吸引位置側に案内されるように各掻取刃の板面の向きが設定されている。
【0019】
本発明の好ましい態様では、結晶吸引管が、軸線をバスケットの中心軸線と平行な方向に向けた状態でケーシングに回転自在に支持されてバスケットの端部壁の内側の開口部を通してバスケット内に挿入された直管部と該直管部の先端から湾曲してバスケットの底壁部に近づきつつ該バスケットの周壁部側に向かうように伸びる旋回部とを一体に有していて、旋回部をバスケットの周壁部の下部側に旋回させた際に該旋回部の先端の吸引口がバスケットの周壁部の下部と該バスケットの底壁部との間の隅部に設定された最終吸引位置に到達し得るように旋回部の寸法と形状とが設定される。
【0020】
結晶掻取装置は、バスケット内の下部寄りの位置にバスケットの端部壁側から底壁部側に所定の間隔をもって並べて配置された状態で結晶吸引管に支持されて、結晶吸引管の直管部の回転に伴ってバスケット内で旋回させられる複数の板状の掻取刃を備えた構成とする。
【0021】
この場合も、複数の掻取刃は、結晶吸引管の先端部が最終吸引位置に達したときにフィルタの下部内周に近接して該フィルタの内周に沿った状態になるエッジ部をそれぞれの下端に有しており、バスケットを一方向に回転させながら該バスケットの内周に形成された結晶中に複数の掻取刃を進入させた際に各掻取刃により掻き取られた結晶が各掻取刃の板面に沿って最終吸引位置側に案内されるように各掻取刃の板面がバスケットの中心軸線を含む垂直面に対してバスケットの底壁部側に傾斜させられている。
【0022】
上記のように構成すると、バスケット内の下部寄りに配置された掻取刃によりバスケット内の結晶が掻き取られると同時に、掻き取られた結晶が掻取刃の板面に沿って強制的に最終吸引位置側に移動させられるため、結晶を乾燥させて微粉末化したり、バスケットを傾斜させたりしなくても、結晶を最終吸引位置付近に集めて効率よく吸引回収することができる。また結晶を乾燥させて微粉末化する必要がないため、バスケットの開口部を閉じるシール部材などを特に設けなくても、結晶を回収する際に結晶がバスケットから漏れ出るのを防ぐことができ、構造を複雑にすることなく、結晶を効率よく回収することができる遠心ろ過装置を得ることができる。
【0023】
上記複数の掻取刃の内、バスケットの底壁部に最も近い位置に配置された最奥部の掻取刃は、結晶吸引管の旋回部の先端部を貫通させた状態で該旋回部に支持することができる。
【0024】
このように、結晶吸引管の先端部に最奥部の掻取刃を支持した場合には、最奥部の掻取刃により掻き取られてバスケットの端部壁側に移動させられた結晶を結晶吸引管の先端側(吸引口側)に移動させる手段を講じておくことが望ましい。
【0025】
そのため、本発明の好ましい態様において、最奥部の掻取刃は、結晶吸引管の旋回部の先端部に相応する位置に結晶を通過させるための切欠き部を有している。このように、最奥部の掻取刃に切欠き部を設けると、切欠き部を設けた部分で結晶を掻き取ることができなくなるため、本発明においては、最奥部の掻取刃の切欠き部を通して結晶吸引管の旋回部の先端部に相対する位置に刃部を有する補助掻取刃を設けて、最奥部の掻取刃の切欠き部に相応する位置の結晶をこの補助掻取刃により掻き取るようにしている。
【0026】
また結晶吸引管の先端部が最終吸引位置に達したときに補助掻取刃の刃部により掻き取られた結晶が該補助掻取刃の刃部を乗り越えて最奥部の掻取刃の切欠き部側に移動するのを許容するように、その刃部の寸法が設定されている。
【0027】
このような構造にすると、最奥部の掻取刃により掻き取られてバスケットの底壁部側に移動させられた結晶、及び補助掻取刃により掻き取られた結晶を最奥部の掻取刃に設けた切欠き部を通して結晶吸引管の先端側に移動させることができるため、結晶の吸引、回収を効率よく行わせることができる。
【0028】
なお、結晶吸引管の先端の吸引口が結晶により詰まるのを防止するため、該吸引口は、最終吸引位置でバスケットの回転方向の前方側に開口するように設けるのが好ましい。
【0029】
上記の構成では、バスケットの軸線を水平方向に向けるとしたが、バスケットの底壁部を斜め下方に向けてバスケットの中心軸線を水平方向に対して傾斜させた状態で設ける場合にも本発明を適用することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を適用した遠心ろ過装置の一構成例を示した断面図で、同図において、1は設置ベース、2は設置ベース1の上に配置されて該ベースにボルトなどにより固定されたベースフレームである。ベースフレーム2の上には、ベース板3が固定され、ベース板3の一端に、該ベース板3と板面が直交するように配置されたフレーム板4の下端が固定されている。フレーム板4には軸受装置5が支持され、この軸受装置5により、回転軸6がその中心軸線を水平方向に向けた状態で回転自在に支持されている。
【0031】
フレーム板4には、円筒状のケーシング基部7aが固定され、このケーシング基部7aに円錐台状に形成されたケーシングカバー7bが、図示しないヒンジを介して開閉自在に取り付けられている。ケーシング基部7aの下部には、排液孔7cが形成されている。
【0032】
この例では、ケーシング基部7aとケーシングカバー7bとによりケーシング7が構成され、フレーム板4によりケーシングの底部が構成されている。
【0033】
軸受装置5により支持された回転軸6の一端はフレーム板4に取り付けられたシール部材を通してケーシング7内に導入され、ケーシング7内に導入された回転軸の一端にバスケット10が取り付けられている。また回転軸6の他端は軸受装置5の端部から外部に導出され、外部に導出された回転軸の他端にプーリ11が取り付けられている。
【0034】
バスケット10は、周壁部10aと該周壁部10aの軸線方向の一端を閉じるように設けられた底壁部10bと周壁部10aの軸線方向の他端の内周から径方向の内側に突出するように設けられた環状の端部壁10cとを有する籠形のもので、このバスケット10は、その底壁部10bの中央部に設けられたボス10dを回転軸6に結合することにより、中心軸線を水平方向に向けた状態でケーシング内に回転自在に支持されている。
【0035】
バスケットの周壁部10aには無数の透過孔が、該周壁部全体に均一に分散させた状態で形成され、該周壁部10aの内周には、多孔板と金網との積層体などにより構成されたフィルタ12が配置されている。
【0036】
ベース板3の上には、バスケット10の回転駆動源である電動機15が取り付けられ、該電動機の回転軸に取り付けられたプーリ16と軸受装置5に支持された回転軸に取り付けられたプーリ11とにベルト17が巻掛けされている。
【0037】
電動機15とプーリ11及び16とベルト17とにより、バスケット10を回転駆動する回転駆動装置18が構成されている。
【0038】
ベース板3にはまた、軸受装置5と回転駆動装置18とを覆うカバー19が取り付けられている。
【0039】
バスケット10の端部壁10cに対向するケーシングカバー7bの端部壁7dの下部には、軸受装置20を介して結晶吸引管21が支持されている。結晶吸引管21は、軸線をバスケット10の中心軸線と平行な方向に向けた状態でケーシング7の端部壁7dに軸受装置20を介して回転自在に支持されてバスケット10の端部壁10cの内側の開口部を通してバスケット内に挿入された直管部21aと該直管部21aの先端からバスケットの底壁部10bに近づきつつ該バスケットの周壁部10a側に向かうように湾曲して伸びる旋回部21bとを一体に有していて、旋回部21bをバスケット10の周壁部10aの下部側に旋回させた際に該旋回部の先端の吸引口がバスケット10の周壁部10aの下部と該バスケットの底壁部10bとの間の隅部に設定された最終吸引位置Aに到達し得るように旋回部21bの寸法と形状とが設定されている。
【0040】
この例では、図2ないし図5に示したように、ほぼ同形状に形成された第1及び第2の掻取刃22A及び22Bと、これらの掻取刃とは異なる形状に形成された第3の掻取刃23とが、結晶吸引管21に取り付けられている。
【0041】
第1ないし第3の掻取刃は、バスケット10内の下部寄りの位置にバスケットの端部壁10c側から底壁部10b側に所定の間隔をもって順に並ぶように配置されていて、バスケットの端部壁10c側に配置された第1の掻取刃22A及び第2の掻取刃22Bはそれぞれ旋回アーム24A及び24Bを介して結晶吸引管21に支持され、バスケットの底壁部に最も近い最奥部の掻取刃である第3の掻取刃22Cは、結晶吸引管21の旋回部21bの先端部を貫通させた状態で該旋回部21bに支持されている。
【0042】
更に詳細に説明すると、第1の掻取刃22A及び第2の掻取刃22Bは、図6(A)に示したように、ほぼ平行四辺形の輪郭を有する板を、図6(B)に示す如く断面がくの字形を呈するように、平行四辺形の長辺と平行な折り曲げ線Lに沿って折り曲げることにより、下側板部22aと、上側板部22bとを形成したもので、上側板部22bのほぼ中央部を貫通させた状態で、それぞれを支持する旋回アーム24A及び22Bの先端を嵌着するための旋回アーム取り付け孔22cが形成されている。また掻取刃22A及び22Bの下側板部22aの下端には、結晶中に進入しやすいように先端が鋭利に形成されたエッジ部22eが形成されている。
【0043】
最奥部の第3の掻取刃23は、図7(A)及び(B)に示すように、第1及び第2の掻取刃と同様に、下側板部23aと上側板部23bとを有して断面がくの字形を呈するように形成されているが、この第3の掻取刃は、バスケットの底壁部10b側に配置される端部寄りの位置に、結晶吸引管の旋回部21bの先端部を貫通させるための孔23cを有し、結晶吸引管21の旋回部21bの先端部を孔23cに嵌合させた状態で、該旋回部に支持されている。また第3の掻取刃の下側板部23aは、孔23cを貫通した旋回部21bの先端部に相応する位置に、最終掻取位置に位置したときにバスケットの周壁部側及び底壁部側の双方に開口した状態になる切欠き部23dを有し、バスケット内の結晶を掻き取る際に掻取刃23に対して相対的に移動する結晶を、切欠き部23dを通して結晶吸引管21の旋回部21bの先端部側に通過させるこができるようになっている。第3の掻取刃23の下側板部23aの下端には、先端が鋭利なエッジ部23eが形成されている。
【0044】
また本実施形態では、第3の掻取刃23に補助掻取刃25が取り付けられている。補助掻取刃25は、掻取刃23に比べて十分に小さい幅寸法wを有するように形成されて先端に鋭利なエッジ25a1が形成された刃部25aと、刃部25aの両端から同じ側に突出して互いに平行に延びる腕部25b,25cとを有して、全体がほぼコの字形を呈するように形成されている。補助掻取刃25は、掻取刃23との間に所定の間隔をあけ、かつその刃部25aを、第3の掻取刃23の切欠き部23dを通して旋回部21bの先端部に相対する位置(切欠き部23dを通して旋回部21bの先端部を見ることができる位置)に位置させた状態で配置されて、その腕部25b,25cをスぺーサ25d(図7B参照)を介して掻取刃23の下側板部23aに溶接することにより第3の掻取刃23に支持されている。なお図2においては、補助掻取刃25の図示が省略されている。
【0045】
図4に示されているように、第1ないし第3の掻取刃は、掻き取った結晶をそれぞれの板面に沿って結晶吸引管の先端側及び最終吸引位置側に案内するように、それぞれの板面をバスケットの中心軸線を含む垂直面に対してバスケットの底壁部10b側にほぼ45°傾け、かつそれぞれの下側板部をバスケットの内周の結晶に食い込ませるのに適した角度だけバスケットの径方向に対して傾けた状態で配置されていて、結晶吸引管21の先端が最終吸引位置に向けて変位していく過程で、掻取刃22A,22B及び23の下端のエッジ部が結晶吸引管21の先端よりも先行しつつバスケットの周壁部側に変位し、結晶吸引管の先端の吸引口が最終吸引位置Aに達したときに、掻取刃22A,22B及び23の下端のエッジ部22e及び23eがフィルタ12の下部内周に近接した状態になる最終掻取位置に達するように、各部の寸法及び形状と、掻取刃22A,22B及び23と結晶吸引管21との間の位置関係とが設定されている。
【0046】
そして、結晶吸引管21の先端の吸引口が最終吸引位置に達して、掻取刃22A,22b及び23の下端のエッジ部が最終掻取位置でフィルタ12の内周に近接した状態になったときに、各掻取刃のエッジ部がフィルタ12の内周面に沿った状態になるように、各エッジ部の形状が設定されている。
【0047】
ケーシング7の端部壁7dの上部には覗き窓7eが設けられ、覗き窓7eと軸受装置20との間の位置で端部壁7dを貫通させた状態で取り付けられた給液パイプ30がバスケット10内に挿入されている。給液パイプ30とこの給液パイプに電磁バルブを介して接続される図示しないスラリ(原液)供給源とにより、バスケット内にスラリを供給するスラリ供給装置が構成されている。
【0048】
また結晶吸引管を駆動する駆動源としての電動機31がケーシング7に対して適宜の手段により支持され、この電動機31の回転が、軸受装置20のケースに支持されたギアボックス32内に配置された減速機33を介して結晶吸引管21に伝達されるようになっている。これにより、結晶吸引管21の旋回部21bの先端がバスケット10の端部壁10cの内周部10c1(図2参照)に相応する位置よりも内径側に設定された退避位置(バスケット内に原液を供給した際にバスケットの内周に形成される液面と干渉しない位置)と最終吸引位置Aとの間を移動するように、結晶吸引管21が駆動される。
【0049】
上記の遠心ろ過装置を用いてスラリを液分と結晶とに分離する処理を行う場合には、給液パイプ30を通してバスケット10内にスラリを供給する。給液の過程で図示しない液面検出器によりスラリの液面が限界位置に達したことが検出されたときにバスケット内へのスラリの供給を中断する。バスケットの回転に伴って生じる遠心力によりスラリ中の液分がフィルタ12を通してバスケット外に排出され、スラリに含まれる結晶がバスケット10の周壁部10aの内周に堆積していく。バスケット外に排出された液分はケーシング7内を流下して排液孔7cから外部に排出される。
【0050】
脱液が進み、液面レベルが所定位置まで低下したことが検出されたときにスラリの供給を再開し、液面が限界位置に達したことが検出されたときに再びスラリの供給を中断する。
【0051】
上記の動作を繰り返えすと、バスケットの内周に形成される結晶の層の厚みが厚くなっていき、結晶の層の厚みの増大に伴って脱液にかかる時間が長くなっていく。結晶の層の厚みが充分に厚くなって、液面レベルの低下が一定の時間以内に検出されない状態が生じたときにバスケット内へのスラリの供給を停止し、給液工程を終了する。給液工程が終了した後、バスケット10を脱液時の回転速度まで増速し、予め実験的に求めた一定の脱液時間の間その回転速度を保って脱液を行わせる。
【0052】
脱液時間が経過した後バスケット内の結晶を洗浄する洗浄工程を行う。この洗浄工程では、洗浄時に適した回転速度でバスケットを回転させながら給液パイプ30を通して、または別途設けた洗浄液供給パイプを通してバスケット内に洗浄液を供給し、この洗浄液によりバスケット内の結晶を洗浄する。一定の洗浄時間が経過した後、バスケットを脱液回転速度まで増速して結晶中に含まれる洗浄液を結晶から離脱させる。
【0053】
洗浄工程が終了し、脱液を行わせた後、結晶吸引管21を駆動して、その旋回部21bの先端を退避位置から最終吸引位置Aに向けて変位させる。このとき、先ず掻取刃22A,22B及び23と補助掻取刃25の刃部25aとがバスケットの内周の結晶中に進入して結晶を掻き取る。
【0054】
各掻取刃により掻き取られた結晶は、図4に矢印Pで示したように、各掻取刃の板面に沿って最終吸引位置付近に向けて案内されるため、掻き取られた結晶は結晶吸引パイプ21の先端部付近に集められる。結晶吸引パイプの先端付近に集められた結晶は、該結晶吸引パイプの先端の吸引口から吸引されて効率よく回収される。
【0055】
上記の一連の動作は、バスケットを駆動する電動機15、給液パイプ30への原液の供給を制御するバルブ、結晶吸引管を駆動する電動機31などを所定のシーケンスで動作させるように制御することにより、自動的に行わせることができる。
【0056】
上記の例では、3つの掻取刃を設けているが、掻取刃は複数個あればよく、必ずしも3つの掻取刃を設ける場合に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態において、掻取刃22Aを大きくして、掻取刃22Bを省略することもできる。
【0057】
上記の実施形態のように、結晶吸引管に掻取刃を支持するようにすると、構造を簡単にすることができるが、本発明はこのように構成する場合に限定されるものではなく、複数の掻取刃を結晶吸引管とは別個に設けた駆動軸に旋回アームを介して支持するようにしてもよい。この場合は、結晶を掻き取る際に、掻取刃を結晶吸引管の先端よりも先行させてバスケットの周壁部側に変位させて、最終的に掻取刃及び結晶吸引管の先端をそれぞれ最終掻取位置及び最終吸引位置に到達させるように、掻取刃の駆動軸と結晶吸引管とを制御する。
【0058】
上記の実施形態では、バスケット10の軸線を水平方向に向けたが、バスケットの底壁部を斜め下方に向けてバスケットの中心軸線を水平方向に対して傾斜させた状態で設ける場合にも本発明を適用することができるのはもちろんである。
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、バスケットの内周の結晶を掻き落とすのではなく、バスケット内の下部寄りに配置された掻取刃によりバスケット内の結晶を掻き取ると同時に、掻き取った結晶を掻取刃の板面に沿って強制的に最終吸引位置側に移動させて、最終吸引位置側に移動させられた結晶を結晶吸引管により吸引回収するようにしたため、結晶を乾燥させて微粉末化しなくても、結晶を結晶吸引管の吸引口付近に集めて効率よく吸引回収することができる。また結晶を掻き落とすことがないため、バスケット内で結晶が飛散するのを防ぐことができる。従って、バスケットの開口部を閉じるシール部材などを特に設けなくても、結晶を回収する際に結晶がバスケットから漏れ出るのを防ぐことができ、構造を複雑にすることなく、結晶を効率よく回収することができる遠心ろ過装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる遠心ろ過装置の構成例を示した縦断面図である。
【図2】図1に示した遠心ろ過装置の要部の拡大断面図である。
【図3】図1に示した遠心ろ過装置において、結晶吸引管の先端の吸引口が最終吸引位置に位置し、掻取刃が最終掻取位置に位置した状態を説明するための説明図である。
【図4】図1に示した遠心ろ過装置のバスケットの一部とケーシングの一部とを断面して結晶吸引管と掻取刃とを上方から見た上面図である。
【図5】掻取刃を支持した結晶吸引管を図1の右側から見て示した側面図である
【図6】(A)及び(B)はそれぞれ本発明に係わる遠心ろ過装置で用いる掻取刃の正面図及び断面図である。
【図7】(A)及び(B)はそれぞれ本発明に係わる遠心ろ過装置で用いる他の掻取刃の正面図及び側面図である。
【符号の説明】
2… ベースフレーム、5…軸受装置、6…回転軸、7…ケーシング、10…バスケット、10a…周壁部、10b…底壁部、10c…端部壁、12…フィルタ、21…結晶吸引管、22A,22B,23…掻取刃、25…補助掻取刃。
Claims (4)
- 開閉可能な蓋部材を備えたケーシングと、多数の透過孔が形成された円筒状の周壁部と該周壁部の軸線方向の一端を閉じる底壁部と該周壁部の軸線方向の他端の内周から径方向の内側に突出した環状の端部壁とを有して中心軸線をほぼ水平方向に向けた状態で前記ケーシング内に回転自在に支持されたバスケットと、前記バスケットの周壁部の内周に配置されたフィルタと、前記バスケットを回転駆動する回転駆動装置と、前記バスケットの周壁部の内周に形成された結晶を掻き取る結晶掻取装置と、前記結晶掻取装置により掻き取られたバスケット内の結晶を先端に設けられた吸引口から吸引して回収する結晶吸引管とを備えた遠心ろ過装置であって、
前記結晶吸引管は、前記吸引口を前記バスケットの周壁部の下部と底壁部との間の隅部付近に設定された最終吸引位置と前記バスケットの内径側に設定された退避位置とに変位させ得るように設けられ、
前記結晶掻取装置は、前記バスケット内の下部寄りの位置に、該バスケットの端部壁側から底壁部側に所定の間隔をもって並ぶように配置された複数の板状の掻取刃を備えていて、該複数の掻取刃が前記バスケットの内径側に設定された退避位置と前記バスケットの周壁部の下部に近接した位置に設定された最終掻取位置との間を変位し得るように設けられ、
前記バスケットを一方向に回転させながら、前記複数の掻取刃を前記退避位置から最終掻取位置に向けて変位させて前記バスケット内の結晶中に進入させた際に、各掻取刃により掻き取られた結晶が各掻取刃の板面に沿って前記最終吸引位置側に案内されるように各掻取刃の板面の向きが設定されていること、
を特徴とする遠心ろ過装置。 - 開閉可能な蓋部材を備えたケーシングと、多数の透過孔が形成された円筒状の周壁部と該周壁部の軸線方向の一端を閉じる底壁部と該周壁部の軸線方向の他端の内周から径方向の内側に突出した環状の端部壁とを有して中心軸線をほぼ水平方向に向けた状態で前記ケーシング内に回転自在に支持されたバスケットと、前記バスケットの周壁部の内周に配置されたフィルタと、前記バスケットを回転駆動する回転駆動装置と、前記バスケットの周壁部の内周に形成された結晶を掻き取る結晶掻取装置と、前記結晶掻取装置により掻き取られたバスケット内の結晶を吸引して回収する結晶吸引管とを備えた遠心ろ過装置であって、
前記結晶吸引管は、軸線を前記バスケットの中心軸線と平行な方向に向けた状態で前記ケーシングに回転自在に支持されて前記バスケットの端部壁の内側の開口部を通して前記バスケット内に挿入された直管部と該直管部の先端から湾曲して前記バスケットの底壁部に近づきつつ該バスケットの周壁部側に向かうように伸びる旋回部とを一体に有していて、前記旋回部を前記バスケットの周壁部の下部側に旋回させた際に該旋回部の先端に設けられた吸引口が前記バスケットの周壁部の下部と該バスケットの底壁部との間の隅部に設定された最終吸引位置に到達し得るように前記旋回部の寸法と形状とが設定され、
前記結晶掻取装置は、前記バスケット内の下部寄りの位置に前記バスケットの端部壁側から底壁部側に所定の間隔をもって並べて配置された状態で前記結晶吸引管に支持されて、前記結晶吸引管の直管部の回転に伴って前記バスケット内で旋回させられる複数の板状の掻取刃を備え、
前記複数の掻取刃は、前記結晶吸引管の先端の吸引口が前記最終吸引位置に達したときに前記フィルタの下部内周に近接して該フィルタの内周に沿った状態になるエッジ部をそれぞれの下端に有していて、前記バスケットを一方向に回転させながら該バスケットの内周に形成された結晶中に前記複数の掻取刃を進入させた際に各掻取刃により掻き取られた結晶が各掻取刃の板面に沿って前記最終吸引位置側に案内されるように各掻取刃の板面が前記バスケットの中心軸線を含む垂直面に対して前記バスケットの底壁部側に傾斜させられていること、
を特徴とする遠心ろ過装置。 - 前記複数の掻取刃の内、前記バスケットの底壁部に最も近い位置に配置された最奥部の掻取刃は、前記結晶吸引管の旋回部の先端部を貫通させた状態で該旋回部に支持されていて、該旋回部の先端部に相応する位置に前記バスケット内の結晶を通過させるための切欠き部を有し、
前記最奥部の掻取刃の切欠き部を通して前記旋回部の先端部に相対する位置に刃部を有する補助掻取刃が設けられて、該補助掻取刃が前記最奥部の掻取刃に支持され、
前記補助掻取刃の刃部により掻き取られた結晶が該補助掻取刃の刃部を乗り越えて前記最奥部の掻取刃の切欠き部側に移動するのを許容するように、前記補助掻取刃の刃部の寸法が設定されていること、
を特徴とする請求項2に記載の遠心ろ過装置。 - 開閉可能な蓋部材を備えたケーシングと、多数の透過孔が形成された円筒状の周壁部と該周壁部の軸線方向の一端を閉じる底壁部と該周壁部の軸線方向の他端の内周から径方向の内側に突出した環状の端部壁とを有して前記底壁部を斜め下方に向けて前記バスケットの中心軸線を水平方向に対して傾斜させた状態で前記ケーシング内に回転自在に支持されたバスケットと、前記バスケットの周壁部の内周に配置されたフィルタと、前記バスケットを回転駆動する回転駆動装置と、前記バスケットの周壁部の内周に形成された結晶を掻き取る結晶掻取装置と、前記結晶掻取装置により掻き取られたバスケット内の結晶を先端部に設けられた吸引口から吸引して回収する結晶吸引管とを備えた遠心ろ過装置であって、
前記結晶吸引管は、前記吸引口を前記バスケットの周壁部の下部と底壁部との間の隅部付近に設定された最終吸引位置と前記バスケットの内径側に設定された退避位置とに変位させ得るように設けられ、
前記結晶掻取装置は、前記バスケットの端部壁側から底壁部側に所定の間隔をもって並ぶように配置された複数の板状の掻取刃を備えていて、該複数の掻取刃が前記バスケットの内径側に設定された退避位置と前記バスケットの周壁部の下部に近接した位置に設定された最終掻取位置との間を変位し得るように設けられ、
前記バスケットを一方向に回転させながら、前記複数の掻取刃を前記退避位置から最終掻取位置に向けて変位させて前記バスケット内の結晶中に進入させた際に、各掻取刃により掻き取られた結晶が前記最終吸引位置側に案内されるように各掻取刃の板面の向きが設定されていること、
特徴とする遠心ろ過装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002200317A JP2004041855A (ja) | 2002-07-09 | 2002-07-09 | 遠心ろ過装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002200317A JP2004041855A (ja) | 2002-07-09 | 2002-07-09 | 遠心ろ過装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004041855A true JP2004041855A (ja) | 2004-02-12 |
Family
ID=31707224
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002200317A Withdrawn JP2004041855A (ja) | 2002-07-09 | 2002-07-09 | 遠心ろ過装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004041855A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013176722A (ja) * | 2012-02-28 | 2013-09-09 | Takeo Yoshida | 濾過器 |
-
2002
- 2002-07-09 JP JP2002200317A patent/JP2004041855A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013176722A (ja) * | 2012-02-28 | 2013-09-09 | Takeo Yoshida | 濾過器 |
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