JP2004039530A - 有機エレクトロルミネセンス素子、およびその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネセンス素子、およびその製造方法 Download PDF

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高橋 純一
Shigemi Suzuki
鈴木 成己
Isamu Kawada
川田 勇
Kazuo Suzuki
鈴木 一雄
Munetoshi Yoshikawa
吉川 宗利
Tomomi Shimokawa
下川 知美
Tomoshi Takaoka
高岡 智志
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Abstract

【課題】水分による発光特性の劣化を防止でき、長期期間に亘って安定した発光特性を維持しうる有機EL素子、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】基板1上に、少なくとも陽極2、発光材料を含有する有機物層9、及び陰極3が積層され、この積層体を覆うように窒素を含む無機膜11が形成される有機EL素子であって、積層体と無機膜11との間に、中間膜として窒素を含まない無機系絶縁膜10を有する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上に、少なくとも陽極、発光材料を含有する有機物層、及び陰極を積層してなる有機エレクトロルミネセンス素子(以下、「有機EL素子」という)、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、有機EL素子により構成した表示装置は、自己発光性を有しており、液晶(LCD)とバックライトを組合せた所謂LCDモジュールに比較して薄く、広視野角、応答スピードが早いなどの優位性があるため、実用化が進められている。
【0003】
図2は、従来の有機EL素子における層構成を示す模式図である。図2に示すように、この種の有機EL素子は、光透過性を有する基板21上に陽極22を形成し、その上に有機物層29として有機化合物からなる正孔輸送層26、発光層27、及び電子輸送層28を積層し、さらに陰極23として電子注入層24及び電極25を積層することにより構成されている。
【0004】
ところが、陰極23にはアルカリ金属やアルカリ土類金属、アルミニウム、マグネシウムなどを用いているため、大気中の水分などによって酸化され易く、また陰極のピンホールから侵入した水分が有機物層の結晶化を招いてしまう。そのため、最初は強く発光しているが、時間が経過するうちにダークスポットと言われる非発光部が発生したり、発光特性が急速に劣化するという欠点がある。
【0005】
そこで、特開平9−148066号公報には、乾燥剤を設けた気密容器で有機EL素子を封止する方法が提案されており、また特開平8−111286号公報には、陰極上に直接SiNxなどのパッシベーション膜(保護膜)を設けて、水分の侵入を防止する方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した気密容器で封止する方法は、気密容器で封止することにより装置厚みが厚くなるため、有機EL素子により構成した表示装置のメリットである薄型化に対応し難い。
【0007】
また、SiNxの保護膜で覆う方法は、SiNx成膜時に陰極側への窒素の侵入による陰極抵抗の増加や、成膜時の熱による有機物層の結晶化による発光特性の劣化が生じてしまう。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みて創案されたものであり、その目的は、水分による発光特性の劣化を防止することができ、長期期間に亘って安定した発光特性を維持しうる有機EL素子、およびその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成すべく、本発明の有機EL素子は、基板上に、少なくとも陽極、発光材料を含有する有機物層、及び陰極が積層され、該積層体を覆うように窒素を含む無機膜が形成される有機EL素子において、
上記積層体と上記無機膜との間に、中間膜として窒素を含まない無機系絶縁膜
を有することを特徴としている。
【0010】
上記有機EL素子において、上記無機膜はSiNx(X=0.05at%以上)であり、上記中間膜はSiNx以外の無機系絶縁膜であることが好ましい。
【0011】
また、上記中間膜は、SiOy(y=0〜1.5at%、但し、0を除く)であることが好ましい。
【0012】
さらに、上記中間膜の膜厚は10Å〜5000Åであることが好ましい。
【0013】
一方、本発明の有機EL素子の製造方法は、基板上に、少なくとも陽極、発光材料を含有する有機物層、及び陰極を積層し、該積層体を覆うように窒素を含む無機膜を形成する有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法において、
チャンバ内で反応性スパッタリング法により、上記積層体の外表面に中間膜として窒素を含まない無機系絶縁膜を成膜した後、続けて、同一チャンバー内で反応性スパッタリング法により、該無機系絶縁膜上に窒素を含む無機膜を成膜することを特徴としている。
【0014】
上記有機EL素子の製造方法において、チャンバ内に窒素以外の反応ガスを導入して中間膜としてSiNx以外の無機系絶縁膜を成膜し、続けて、同一チャンバー内に窒素を導入してSiNx(X=0.05at%以上)からなる無機膜を成膜することが好ましい。
【0015】
また、上記中間膜は、チャンバ内に酸素を導入して成膜するSiOy(y=0〜1.5at%、但し、0を除く)であることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明するが、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
【0017】
図1は、本発明の有機EL素子における層構成を示す模式図である。図1に示すように、本実施形態の有機EL素子は、光透過性を有する基板1上に、少なくとも陽極2、発光材料を含有する有機物層9、及び陰極3を備えてなり、例示した素子では、有機物層9が有機化合物からなる正孔輸送層6、発光層7、及び電子輸送層8により構成され、陰極3が電子注入層4及び電極5により構成されている。
【0018】
光透過性を有する基板1としては、一般的に使用されているガラスを用いることができ、例えば、無アルカリガラス、石英、ホウ珪酸ガラス、ソーダガラスなどが挙げられる。また、可撓性を有する基板であってもよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルフォンサン(PES)、ポリエーテルエチルケトン(PEEK)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリフッ化ビニル(PFV)、ポリアクリレート(PA)、非晶質ポリオレフィン、フッ素樹脂などの高分子フィルムを用いてもよい。
【0019】
陽極2としては、無機材料では、金属、合金、酸化物などの光透過性があり、かつ、仕事関数が大きい(4eV以上)材料、具体的にはCuI、ITO、SnO、ZnOなどが挙げられる。また、有機材料では、ポリアニリンなどが挙げられる。また、可視光波長(400〜700nm程度)での透過率が大きいほど良く、例えば、ITOの場合5000Å以下であれば透過率は80%以上で充分と言える。この透過率が低いと、実用上充分な輝度が得られない。
【0020】
また、陰極3を構成する電子注入層4としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属、金属合金などを用いることができ、具体的には、マグネシウム、マグネシウムと銀との合金、ナトリウム、ナトリウムとカリウムとの合金、アルミニウムとリチウムとの合金、インジウムや希土類金属などが挙げられる。また、電子注入層4の上に、電極5としてAlやMgなどの金属を形成する。
【0021】
相対的に陽極の仕事関数の方が陰極の仕事関数よりも大きくなるように選択すれば良く、仕事関数の大きさは4eVに限定されるものではない。また、陽極と陰極のシート抵抗値は共に数百Ω/□以下であることが望ましい。
【0022】
有機物層9とは、実質的に1種類または多種類の有機発光材料のみからなる薄膜や、1種類または多種類の有機発光材料と正孔輸送材料、電子注入材料との混合物からなる薄膜など、発光層として機能する単層構造や、発光層以外に正孔輸送材料、電子注入材料を個別に2層以上の多層構造を有するものをいう。有機物層9の構成材料は、従来より有機EL素子で用いられている正孔輸送材料、有機発光材料、電子注入材料をそのまま使用できる。
【0023】
正孔輸送層6としては、例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、アニリン系共重合体、ポリアリールアルカン誘導体、スチルベン誘導体、ヒドラゾン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントランセン誘導体、フルオレノン誘導体、シラザン誘導体、ポリシラン系化合物などが挙げられる。
【0024】
発光層7としては、例えば、ベンゾチアゾール系、金属キレート化オキシノイド化合物、スチルベンゼン系化合物、芳香族ジメチルリジン化合物、ジスチルピラジン誘導体、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオイサゾール系などが挙げられる。
【0025】
電子輸送層8としては、例えば、ニトロ置換フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、チオピランジオイシド誘導体などの複素環テトラカルボン酸無水物、フレオレニリンデンメタン誘導体、オキサジアゾール誘導体、8−キノリノール誘導体、カルボジイミド、アントロン誘導体などが挙げられる。
【0026】
以上説明したように、本発明においては、光透過性を有するアノード、有機化合物からなる発光材料を含む有機単層薄膜もしくは有機多層薄膜、および陰極は公知の構成である。
【0027】
次に、基板1上に、少なくとも陽極2、発光材料を含有する有機物層9、及び陰極3が積層されてなる積層体を覆うように形成される中間膜である窒素を含まない無機系絶縁膜10、その上に形成される窒素を含む無機膜11について説明する。
【0028】
水分を通さない代表的なパッシベーション膜(保護膜)として、SINxがある。形成方法としては、例えば、Siターゲットを用いたDCスパッタリング法により、Siをスパッタリング中に、チャンバ内に窒素を流してSINxを成膜する所謂反応性スパッタリング法がある。しかし、SiNxを成膜すると被成膜体である有機EL素子の陰極であるAlの抵抗値が上昇することが判った。原因は明らかではないが、Alの表面にSiNxが付着するときに、何らかの原因があると思われる。現段階では、SiNxがSiとNxに分解し、Alに対して窒化現象のようなことが生じているものと思われる。
【0029】
本発明においては窒素による影響を防ぐために、有機EL素子と窒素を含む無機膜11との中間に、中間膜10としてSiOyを用い、上記の問題点を克服した。すなわち、反応性スパッタリング法でSiNxを形成する前に、チャンバ内に酸素を流し、SiをスパッタリングしてSIOyを形成する。その後、同一チャンバ内に窒素を流し、SiをスパッタリングしてSiNxを作製する(図1参照)。この層構成により、Alの抵抗値の増加を抑えることができた。
【0030】
中間膜10として、酸素を流さずにSiのみをスパッタリングして成膜することで対応できそうであるが、Siは完全な絶縁物とは言いがたく(ここでいう絶縁物とは静電耐圧の点から10Ωcm以上のものをいう)、発光時に電圧低下になりうるため、好ましくない。陰極の抵抗値に影響を与える膜を中間膜10には使用できず、絶縁物が最適である。
【0031】
次に、本実施形態の有機EL素子の製造方法について説明する。
【0032】
有機EL素子は、光透過性を有する基板にITOなどの透明な電極をスパッタリング法などで成膜し、必要とされる形状にフォトリソグラフィ・エッチング法で作製する。有機物層は、各層に適したプロセス、例えば、印刷、スピンコート法や物理的蒸着法(一般的には蒸着法)で形成する。その後、陰極も金属の場合には、スパッタリング法、蒸着などの物理的蒸着法で作製し、有機材料の場合には、印刷、スピンコート法で作製するという、一般的な製造方法である。
【0033】
その後にパッシベーション膜(保護膜)を成膜するが、成膜する際の重要な条件として、有機物層は熱に弱く、少なくとも100℃以上で結晶化や膜質変化を生じる。そのため、低温でパッシベーション膜を形成する必要がある。その点において、上記の反応性スパッタリング法の場合、一般的にSiNxの成膜に用いられるCVD法に比べ、100℃以下の低温で成膜できる。
【0034】
成膜方法については上記で説明したように、中間膜であるSiOyを成膜後、その上に同一バッチでSINxを形成するため、生産効率が良い。反応性スパッタリング法は、DCスパッタリング、マグネトロンスパッタリング、ECRスパッタリング、リアクティブスパッタリング、高周波スパッタリング、対向電極スパッタリングなど種々のスパッタリング法がある。しかし、スパッタリング法は、プラマ中で成膜するため、有機EL素子、特に有機物層にダメージを与える。その点を考慮すると、ワークにプラズマがあたらない対向電極スパッタリング法が 最も適している。
【0035】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明は本実施例に限るものではない。
【0036】
まず、基板上に、少なくとも陽極、発光材料を含有する有機物層、及び陰極が積層された積層体を覆うように形成される中間膜である窒素を含まない無機系絶縁膜について説明する。
【0037】
中間膜としての必要条件としては、▲1▼SiNx膜と有機EL素子の主に陰極膜との反応を防止すること、▲2▼SiNx膜と中間膜と有機EL素子とが応力的にバランスがとれて膜剥離のないこと、▲3▼ピンホールなどの欠陥の少ないこと、及び▲4▼絶縁性のあることなどが必要となる。
【0038】
まず、▲4▼の条件により各種金属膜が除外される。そこで、セラミックス膜が選択され、セラミックスの中でも窒化物は▲1▼の条件で除外した。また、炭化物、硼化物は、反応性スパッタリング法で少なくとも200℃以下でピンホールの少ない膜が作成され難いため除外した。
【0039】
したがって、酸化物のみに絞って検討した。Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zr、Nb、Mo、Ta、Wなどの酸化物を反応性スパッタリング法で行ない、100℃以下で反応性スパッタリング法で成膜したところ、上記条件を満足するものは、Si系、Ti系、Cr系のみであった。これらの膜は100℃以下でもピンホールの少ない膜が得られ、膜密着強度も良かった。特に、SiOやTiO、CrOなどの酸化物の酸化度が完全でない中間酸化物が優れていた。SiO等の完全な酸化物を形成するためには、高温中300℃以上でのスパッタ反応が必要である。300℃以上の温度では有機EL素子の有機層にダメージを与えてしまう。素子にダメージを与えない100℃以下の場合、SiOはY=0〜1.5at%(但し、0を除く)の構造になる。
【0040】
次に、上述した条件に基づいて具体的に検討を行った。その結果について、図1を用いて説明する。
【0041】
板厚0.7mmのガラス基板(SiO系)1上に、スパッタリング法により陽極2としてITOを2000Å形成した。この基板をイソプロピルアルコール(IPA)溶液で5分間洗浄し、純水中で超音波洗浄した後、UVオゾン洗浄機で10分間洗浄した。
【0042】
このITO蒸着ガラスを蒸着機の基板ホルダーに固定し、1×10−4Paの真空中でITO側に、N,N’−ビス(3−メチルフェニル−N,N’−ジフェニル〔1,1’−ビフェニル〕−4,4’−ジアミン(以下、「TPD」という。)を100Å蒸着して正孔輸送層6を積層した。次に、キナクリドン10Åとトリス(8−キノリノール)アルミニウム(以下、「Alq」という。)200Åとを共蒸着して発光層7を積層し、さらにAlqを500Å蒸着して電子輸送層8を積層した。
【0043】
次に、陰極3として、アルミニウムとリチウムとの混合金属を60Å蒸着して電子注入層4を積層した後、さらにアルミニウムを1200Å蒸着して電極5を積層し、有機EL素子を作成した。
【0044】
その後、対向電極スパッタリング装置を用いて、この有機EL素子の陰極側にパッシベーション膜(保護膜)を形成する。中間膜10は、例えば、SiO膜、TiO膜、CrO膜の3種類で作成し、それぞれの素子において中間膜10の厚さは70Åとした。また、SiN膜11はSiNx(X=1.0)とし、膜厚を2μmとした。
【0045】
表1は、中間膜の有無で素子作成後におけるAlの抵抗値の変化分を示している。
【0046】
【表1】
Figure 2004039530
【0047】
表1に示すように、いずれの場合も抵抗値の増加分は少なく問題はない。ただし、SiO膜は、同一のターゲットを使用して異種ガスを導入するバルブ操作のみで中間膜10とSiN膜11とを連続成膜しうるため、製造効率が良い。
【0048】
一方、中間層10を形成せず、SiN膜11(SiNx(X=1.0))のみを膜厚2μmで形成した場合は、Alの初期抵抗値0.3Ω/□に対して10〜20%の抵抗値の増加が確認された。
【0049】
また、この有機EL素子を温度20℃、湿度80%に保持した恒温槽に入れ、1000cd/mでDC定電流により駆動し、試験を行なった。50時間後の輝度変化は、本発明の有機EL素子の劣化率は5%程度と小さく、またパッシベーション膜に割れや剥離も生ぜず、パッシベーション膜としての高い機能が検証された。また、パッシベーション膜としての機能を持つ安定した膜としてSiNXは、X=0.05at%以上が必要であるが、この構造は100℃以下のスパッタ反応で比較的容易に形成できる。
【0050】
次に、中間絶縁層10の膜厚について検討を行なった。検討品は、中間絶縁膜10が極微少の膜厚10Åであっても充分に効果があった。この場合、膜そのものは島状となり、均一膜でないと思われるが、SiNxでない他の膜質の異なる物質を微少に配するだけで反応を防ぐことができる。
【0051】
一方、膜厚を10000Å以上にすると膜剥離が生じ易くなり、5000Å程度が上限と言える。すなわち10〜5000Å程度が最適と言える。なお、ここでは中間膜10をSiOy(y=0〜1.5、但し、0を除く)を用いた場合において効果が見られた。
【0052】
以上の実施例においては、SiN膜をパッシベーション膜に使用したが、その他の膜としては、AlN膜やTiN膜を使用してもよい。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、水分による発光特性の劣化を防止することができ、長期期間に亘って安定した発光特性を維持しうる有機EL素子を提供することができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の有機EL素子における層構成を示す模式図である。
【図2】従来の有機EL素子における層構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 基板
2 陽極
3 陰極
4 電子注入層
5 電極
6 正孔輸送層
7 発光層
8 電子輸送層
9 有機物層
10 窒素を含まない無機系絶縁膜(中間膜)
11 窒素を含む無機膜(SiN膜)

Claims (7)

  1. 基板上に、少なくとも陽極、発光材料を含有する有機物層、及び陰極が積層され、該積層体を覆うように窒素を含む無機膜が形成される有機エレクトロルミネセンス素子において、
    上記積層体と上記無機膜との間に、中間膜として窒素を含まない無機系絶縁膜
    を有することを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子。
  2. 前記無機膜はSiNx(X=0.05at%以上)であり、前記中間膜はSiNx以外の無機系絶縁膜であることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
  3. 前記中間膜は、SiOy(y=0〜1.5at%、但し、0を除く)であることを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
  4. 前記中間膜の膜厚は10Å〜5000Åであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
  5. 基板上に、少なくとも陽極、発光材料を含有する有機物層、及び陰極を積層し、該積層体を覆うように窒素を含む無機膜を形成する有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法において、
    チャンバ内で反応性スパッタリング法により、上記積層体の外表面に中間膜として窒素を含まない無機系絶縁膜を成膜した後、続けて、同一チャンバー内で反応性スパッタリング法により、該無機系絶縁膜上に窒素を含む無機膜を成膜することを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
  6. チャンバ内に窒素以外の反応ガスを導入して中間膜としてSiNx以外の無機系絶縁膜を成膜し、続けて、同一チャンバー内に窒素を導入してSiNx(X=0.05at%以上)からなる無機膜を成膜することを特徴とする請求項5に記載の有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
  7. 前記中間膜は、チャンバ内に酸素を導入して成膜するSiOy(y=0〜1.5at%、但し、0を除く)であることを特徴とする請求項6に記載の有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
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