JP2004039497A - 自動車用放電電球 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コモン電極2の一端部を、サブ電極3の一端部30に対向する第1端部201とメイン電極4の一端部40に対向する第2端部202とに、分割する。この結果、コモン電極2の第1端部201の尖端221とサブ電極3の一端部30の尖端32との間に発生するサブ放電アークと、コモン電極2の第2端部202の尖端222とメイン電極4の一端部40の尖端42との間に発生するメイン放電アークとを完全に分離することができるので、リフレクタの光学設計、たとえば、リフレクタの反射面の配光設計などが容易となる。また、3つの電極2、3、4を使用するだけなので、4つの電極を使用する場合と比較して、部品点数や製造工程数が少なくて済み製造コスト安となり、かつ、製造精度が向上される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ヘッドランプやフォグランプなどの光源として使用される自動車用放電電球であって、電極が3つ有する、いわゆる、ダブルアークの自動車用放電電球にかかるものである。特に、この発明は、既存のリフレクタにそのまま使用することができ、しかも、既存のリフレクタにそのまま使用できない場合においては新たなリフレクタの光学設計が容易であり、また、製造コスト安となり、かつ、製造精度が向上される自動車用放電電球に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のダブルアークの自動車用放電電球としては、たとえば、実開平3−40756号公報に記載のもの、特開2001−210272号公報に記載のもの、特開2001−210273号公報に記載のものなどがある。以下、従来の自動車用放電電球について図2を参照して説明する。従来の自動車用放電電球Bは、一般に、ガラス管1と、3つの電極、たとえば、コモン電極2、サブ電極3、メイン電極4と、3枚の金属箔52、53、54と、3本のリード線62、63、64とを備える。
【0003】
前記ガラス管1は、中央部のほぼ回転楕円形状の発光部7と、この発光部7の両端に一体に設けられている2個のピンチシール部80、81とを有する。前記発光部7中には、1個の放電空間9が形成されている。
【0004】
前記3枚の金属箔52、53、54は、たとえば、モリブデン箔からなる。この3枚の金属箔52、53、54のうち、1枚の金属箔52は、一方のピンチシール部80中に埋設されており、他の2枚の金属箔53、54は、他方のピンチシール部81中に埋設されている。
【0005】
また、前記3つの電極2、3、4は、たとえば、タングステン製の丸棒(線)からなる。この3つの電極2、3、4の一端部20、30、40は、ほぼ同一の大きさをなし、前記放電空間9中にそれぞれ突出し、かつ、隙間をあけてそれぞれ対向する。すなわち、前記3つの電極のうち、コモン電極2の一端部20と、サブ電極3の一端部30およびメイン電極4の一端部40とが対向する。
【0006】
前記コモン電極2の他端部21は、前記一方のピンチシール部80中に埋設され、かつ、前記1枚の金属箔52に接続されている。また、前記サブ電極3の他端部31と前記メイン電極4の他端部41とは、前記他方のピンチシール部81中にそれぞれ埋設され、かつ、前記2枚の金属箔53、54にそれぞれ個別に接続されている。
【0007】
さらに、前記3本のリード線62、63、64は、たとえば、タングステン製またはモリブデン製の丸棒(線)からなる。この3本のリード線62、63、64の一端部は、前記2個のピンチシール部80、81中に埋設され、かつ、前記3枚の金属箔52、53、54にそれぞれ接続されている。一方、この3本のリード線62、63、64の他端部は、前記ガラス管1の2個のピンチシール部80、81の外側に突出する。
【0008】
前記ガラス管1を絶縁性の口金(図示せず)に固定し、3本のリード線62、63、64を口金(図示せず)のコネクタ(図示せず)に接続する。または、前記ガラス管1を内管とし、このガラス管1の外側に外ガラス管を設け、この外ガラス管により内管のガラス管1を保護する2重ガラス管構造となし、この2重ガラス管構造を絶縁性の口金(図示せず)に固定し、3本のリード線62、63、64を口金(図示せず)のターミナル(図示せず)に接続する。
【0009】
このようにして、自動車用放電電球Bが構成される。口金をヘッドランプやフォグランプなどのリフレクタに着脱可能に取り付け、ターミナルにコネクタを接続して、自動車用放電電球Bと電源とをバラストを介して接続する。
【0010】
そして、リード線62、63を介して、コモン電極2とサブ電極3とに電圧をかける。すると、コモン電極2の一端部20とサブ電極3の一端部30との間においてサブ放電アーク(図示せず)が発生して発光部7が発光する。この発光部7からの光がリフレクタの反射面で反射されてロービーム(すれ違いビーム)が得られて路面に照射される。このロービームにより、すれ違い用の配光パターンが得られる。
【0011】
一方、リード線62、64を介して、コモン電極2とメイン電極4とに電圧をかける。すると、コモン電極2の一端部20とメイン電極4の一端部40との間においてメイン放電アーク(図示せず)が発生して発光部7が発光する。この発光部7からの光がリフレクタの反射面で反射されてハイビーム(走行ビーム)が得られて路面に照射される。このハイビームにより、走行用の配光パターンが得られる。
【0012】
ここで、既存の規格で定められているバルブ、たとえば、H4バルブやHXバルブなどのダブルフィラメントにおけるサブフィラメントとメインフィラメントとは、それぞれ離れた状態で配置されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来の自動車用放電電球Bは、コモン電極2が1本であるから、コモン電極2の一端部20の近傍において、サブ放電アークの一部とメイン放電アークの一部とが重なる。このために、前記従来の自動車用放電電球Bは、既存のバルブを使用するヘッドランプやフォグランプなどのリフレクタにそのまま使用できないので、新たに、リフレクタの光学設計、たとえば、リフレクタの反射面の配光設計などを行う必要がある。しかも、前記従来の自動車用放電電球Bにおいては、既存の規格のバルブを使用するリフレクタの光学設計の手法をそのまま利用できないので、リフレクタの光学設計が煩雑となるなどの課題がある。
【0014】
そこで、実開平3−40756号公報中の第7図および第8図に示すように、4つの電極を使用する場合が考えられる。この場合は、サブ放電アークとメイン放電アークとが完全に分離するので、リフレクタの光学設計が容易となる。しかしながら、この場合は、4つの電極を使用するので、電極、金属箔、リード線の数がそれぞれ1ずつ増すこととなり、その分、部品点数や製造工程数が増して製造コスト高となり、かつ、製造精度が低下するなどの課題がある。
【0015】
この発明は、既存のリフレクタにそのまま使用することができ、しかも、既存のリフレクタにそのまま使用できない場合においては新たなリフレクタの光学設計が容易であり、また、製造コスト安となり、かつ、製造精度が向上される自動車用放電を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、コモン電極の一端部を、サブ電極の一端部に対向する第1端部とメイン電極の一端部に対向する第2端部とに、分割したことを特徴とする。
【0017】
この結果、請求項1にかかる発明は、コモン電極の第1端部とサブ電極の一端部との間に発生するサブ放電アークと、コモン電極の第2端部とメイン電極の一端部との間に発生するメイン放電アークとが完全に分離することができる。このために、請求項1にかかる発明は、サブ放電アークの位置とメイン放電アークの位置とを既存のバルブのサブフィラメントの位置とメインフィラメントの位置とにあわせれば、既存のリフレクタにそのまま使用することができる。
【0018】
しかも、請求項1にかかる発明は、分離したサブ放電アークとメイン放電アークとが得られるので、サブフィラメントとメインフィラメントとが離れている既存のバルブを使用する既存のリフレクタの光学設計の手法をそのまま利用することができる。これにより、請求項1にかかる発明は、既存のリフレクタにそのまま使用することができず、リフレクタの設計変更が必要である場合であっても、既存のリフレクタの光学設計の手法をそのまま利用できるので、リフレクタの光学設計が容易となる。
【0019】
また、請求項1にかかる発明は、コモン電極の一端部を第1端部と第2端部とに分割したものであるから、3つの電極を使用するだけなので、4つの電極を使用する場合と比較して、部品点数や製造工程数が少なくて済み製造コスト安となり、かつ、製造精度が向上される。
【0020】
また、請求項2にかかる発明は、コモン電極の第1端部およびサブ電極の一端部の大きさを、コモン電極の第2端部およびメイン電極の一端部の大きさよりも大きくしたことを特徴とする。
【0021】
この結果、請求項2にかかる発明は、3つの電極の一端部(コモン電極の第1端部、第2端部、サブ電極の一端部およびメイン電極の一端部)の大きさを、使用頻度すなわち溶融劣化の大きさにあわせて、コモン電極の第1端部とサブ電極の一端部側、コモン電極の第2端部とメイン電極の一端部側の順に大きくするので、3つの電極の一端部の溶融劣化をほぼ均一にすることができる。これにより、請求項2にかかる発明は、自動車用放電電球の耐久性を向上させることができる。すなわち、自動車用放電電球の長寿命化が図られる。
【0022】
また、請求項3にかかる発明は、3つの電極の一端部(すなわち、コモン電極の第1端部、第2端部、サブ電極の一端部およびメイン電極の一端部)をヒートシンク構造とする、ことを特徴とする。
【0023】
この結果、請求項3にかかる発明は、3つの電極の一端部がヒートシンク構造をなすので、放電作用で電極が加熱されても、その熱が電極から効率よく放散される。これにより、請求項3にかかる発明は、電極の溶融劣化が防止され、電極の耐久性が向上される。
【0024】
また、請求項4にかかる発明は、放電空間中に突出する3つの電極の一端部(すなわち、コモン電極の第1端部、第2端部、サブ電極の一端部およびメイン電極の一端部)の先端が尖端構造をなす、ことを特徴とする。
【0025】
この結果、請求項4にかかる発明は、3つの電極の一端部の尖端から電子が飛び易く、放電効率が良くなるので、起動電圧を低くすることができ、その分、起動回路を始めとする電気回路への負荷を小さくすることができ、電気回路の耐久性が向上される。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる自動車用放電電球の実施の形態の1例を図1を参照して説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。図1は、垂直軸に対してほぼ垂直に切断した横断面図である。図1中、図2と同符号は、同一のものを示す。
【0027】
(実施の形態の説明)
この実施の形態にかかる自動車用放電電球B1の3つの電極2、3、4は、下記のように配置されている。すなわち、ガラス管1に対して、サブ電極3とメイン電極4とは、他方のピンチシール部81側に並列に配置されており、かつ、コモン電極2は、前記サブ電極3およびメイン電極4と対向して一方のピンチシール部80側に配置されている。そして、前記コモン電極2の一端部を、サブ電極3の一端部30に対向する第1端部201と、メイン電極4の一端部40に対向する第2端部202とに、二股形状に分割する。
【0028】
前記コモン電極2の第1端部201および前記サブ電極3の一端部30の直径の大きさを、前記コモン電極2の第2端部202および前記メイン電極4の一端部40の直径の大きさよりも大きくする。
【0029】
また、前記コモン電極2の第1端部201、第2端部202、前記サブ電極3の一端部30および前記メイン電極4の一端部40の先端221、222、32、42を、尖端構造とする。
【0030】
この実施の形態における自動車用放電電球B1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用効果について説明する。
【0031】
リード線62、63を介して、コモン電極2とサブ電極3とに電圧をかける。すると、コモン電極2の第1端部201の尖端221とサブ電極3の一端部30の尖端32との間においてサブ放電アークが発生して発光部7が発光する。この発光部7からの光がリフレクタの反射面で反射されてロービームが得られて路面に照射される。このロービームにより、すれ違い用の配光パターンが得られる。
【0032】
一方、リード線62、64を介して、コモン電極2とメイン電極4とに電圧をかける。すると、コモン電極2の第2端部202の尖端222とメイン電極4の一端部40の尖端42との間においてメイン放電アークが発生して発光部7が発光する。この発光部7からの光がリフレクタの反射面で反射されてハイビームが得られて路面に照射される。このハイビームにより、走行用の配光パターンが得られる。
【0033】
このように、この実施の形態における自動車用放電電球B1は、コモン電極2の一端部を、サブ電極3の一端部30に対向する第1端部201とメイン電極4の一端部40に対向する第2端部202とに、分割したものであるから、下記の作用効果を達成することができる。すなわち、コモン電極2の第1端部201の尖端221とサブ電極3の一端部30の尖端32との間に発生するサブ放電アークと、コモン電極2の第2端部202の尖端222とメイン電極4の一端部40の尖端42との間に発生するメイン放電アークとを完全に分離することができるので、リフレクタの光学設計、たとえば、リフレクタの反射面の配光設計などが容易となる。
【0034】
さらに詳細に説明する。前記サブ放電アークとメイン放電アークの位置を、既存のバルブ、たとえばH4バルブやHXバルブなどのダブルフィラメントのバルブにおけるサブフィラメントとメインフィラメントの位置に、あわせることができる。これにより、この実施の形態における自動車用放電電球B1は、既存のリフレクタにそのまま使用することができる。
【0035】
しかも、この実施の形態における自動車用放電電球B1は、分離したサブ放電アークとメイン放電アークとが得られるので、サブフィラメントとメインフィラメントとが離れている既存のバルブを使用する既存のリフレクタの光学設計の手法をそのまま利用することができる。これにより、この実施の形態における自動車用放電電球B1は、既存のリフレクタにそのまま使用することができず、リフレクタの設計変更が必要である場合であっても、既存のリフレクタの光学設計の手法をそのまま利用できるので、リフレクタの光学設計が容易となる。
【0036】
また、この実施の形態における自動車用放電電球B1は、コモン電極2の一端部を第1端部201と第2端部202とに分割したものであるから、3つの電極2、3、4を使用するだけなので、4つの電極を使用する場合と比較して、部品点数や製造工程数が少なくて済み製造コスト安となり、かつ、製造精度が向上される。
【0037】
さらに、この実施の形態における自動車用放電電球B1は、コモン電極2の第1端部201、第2端部202、サブ電極3の一端部30およびメイン電極4の一端部40の大きさを、使用頻度すなわち溶融劣化の大きさにあわせて、コモン電極2の第1端部201とサブ電極3の一端部30側、コモン電極2の第2端部202とメイン電極4の一端部40側の順に大きくするものである。この結果、この実施の形態における自動車用放電電球B1は、コモン電極2の第1端部201、第2端部202、サブ電極3の一端部30およびメイン電極4の一端部40の溶融劣化をほぼ均一にすることができるので、耐久性を向上され、長寿命化が図られる。
【0038】
さらにまた、この実施の形態における自動車用放電電球B1は、コモン電極2の第1端部201およびサブ電極3の一端部30の直径がコモン電極2の第2端部202およびメイン電極4の一端部40の直径よりも大きいものである。このために、この実施の形態における自動車用放電電球B1は、コモン電極2の第1端部201およびサブ電極3の一端部30の表面積がコモン電極2の第2端部202およびメイン電極4の一端部40の表面積よりも大きく、その分、コモン電極2の第1端部201およびサブ電極3の一端部30において、ヒートシンクの作用効果が得られる。
【0039】
すなわち、ヒートシンクの作用効果は、放電作用でコモン電極2およびサブ電極3が加熱されても、その熱がコモン電極2およびサブ電極3から効率よく放散されるので、コモン電極2およびサブ電極3の溶融劣化が防止され、コモン電極2およびサブ電極3の耐久性が向上される。
【0040】
さらにまた、この実施の形態における自動車用放電電球B1は、コモン電極2の第1端部201、第2端部202、サブ電極3の一端部30およびメイン電極4の一端部40の先端221、222、32、42が尖端構造をなす。このために、この実施の形態における自動車用放電電球B1は、コモン電極2の第1端部201、第2端部202、サブ電極3の一端部30およびメイン電極4の一端部40の尖端221、222、32、42から電子が飛び易く、放電効率が良くなるので、起動電圧を低くすることができ、その分、起動回路を始めとする電気回路への負荷を小さくすることができ、電気回路の耐久性が向上される。
【0041】
(ヒートシンク構造の説明)
なお、前記の実施の形態において、コモン電極2の第1端部201、第2端部202、サブ電極3の一端部30およびメイン電極4の一端部40(以下、単に電極の一端部と称する)を、表面積が大きいヒートシンク構造とすることができる。
【0042】
たとえば、電極の一端部を、ほぼ球形状に膨張した形状、すなわち、表面積が大きいヒートシンク構造とする。また、電極の一端部を、表面積が大きい板構造のヒートシンク構造とする。さらに、電極の一端部に複数本の溝を軸方向に設けて、放射状の板構造のヒートシンク構造とする。さらにまた、電極の一端部に複数本の溝を周方向に設けて、フィン状の板構造のヒートシンク構造とする。さらにまた、電極の一端部に螺旋状の溝を設けて、螺旋状の板構造のヒートシンク構造とする。なお、このヒートシンク構造の先端を尖端構造としても良い。
【0043】
電極の一端部をヒートシンク構造とすることにより、放電作用で電極が加熱されても、その熱が電極から効率よく放散されるので、電極の溶融劣化が防止され、電極の耐久性が向上される。
【0044】
(実施の形態以外の例の説明)
なお、前記の実施の形態においては、電極2、3、4がピンチシール部80、81において金属箔52、53、54を介してリード線62、63、64に接続されているものである。ところが、この発明は、金属箔を使用せずに電極とリード線とが一体構造のものを使用しても良い。
【0045】
また、前記の実施の形態において、ガラス管1またはおよび2重ガラス管構造の外ガラス管に、たとえば、青色や黄色などの着色塗装を施しても良い。この着色塗装により、放電アークによる発光部7からの光(可視光)の色温度を任意に変化(上昇、降下)させることができる。たとえば、発光部7からの光を、人間の目に最も感度が良い光の1つである白色光(太陽光)に、または、感度が若干低下するがデザイン上の差別化が図られる青色光に、または、フォグランプに適した黄色光などに、変化させることができる。
【0046】
さらに、前記の実施の形態において、ガラス管1に車両用灯具のレンズ機能とリフレクタ機能とを持たせて、自動車用放電電球をシールドタイプの車両用灯具として構成しても良い。なお、リフレクタ機能は、ガラス管1にアルミ蒸着や銀塗装などの反射膜や反射層を施すことにより、機能する。
【0047】
さらにまた、前記の実施の形態においては、コモン電極2の第1端部201、第2端部202、サブ電極3の一端部30およびメイン電極4の一端部40の先端221、222、32、42を尖端構造とするものであるが、この発明においては、電極の一端部の先端を尖端構造としない場合でも良い。
【0048】
【発明の効果】
以上から明らかなように、この発明にかかる自動車用放電電球(請求項1)によれば、サブ放電アークの位置とメイン放電アークの位置とを既存のバルブのサブフィラメントの位置とメインフィラメントの位置とにあわせれば、既存のリフレクタにそのまま使用することができる。しかも、この発明にかかる自動車用放電電球(請求項1)によれば、既存のリフレクタの光学設計の手法をそのまま利用できるので、リフレクタの光学設計が容易となる。
【0049】
また、この発明にかかる自動車用放電電球(請求項1)によれば、コモン電極の一端部を第1端部と第2端部とに分割したものであるから、3つの電極を使用するだけなので、4つの電極を使用する場合と比較して、部品点数や製造工程数が少なくて済み製造コスト安となり、かつ、製造精度が向上される。
【0050】
また、この発明にかかる自動車用放電電球(請求項2)によれば、コモン電極の第1端部、第2端部、サブ電極の一端部およびメイン電極の一端部の溶融劣化をほぼ均一にすることができるので、自動車用放電電球の耐久性を向上させることができる。すなわち、自動車用放電電球の長寿命化が図られる。
【0051】
また、この発明にかかる自動車用放電電球(請求項3)によれば、コモン電極の第1端部、第2端部、サブ電極の一端部およびメイン電極の一端部のヒートシンク構造により、放電作用で電極が加熱されても、その熱が電極から効率よく放散され、電極の溶融劣化が防止され、電極の耐久性が向上される。
【0052】
また、この発明にかかる自動車用放電電球(請求項4)によれば、コモン電極の第1端部、第2端部、サブ電極の一端部およびメイン電極の一端部の先端の尖端構造により、放電効率が良くなるので、起動電圧を低くすることができ、その分、起動回路を始めとする電気回路への負荷を小さくすることができ、電気回路の耐久性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の自動車用放電電球の実施の形態を示す横断面図である。
【図2】従来の自動車用放電電球を示す横断面図である。
【符号の説明】
B、B1 自動車用放電電球
1 ガラス管
2 コモン電極
3 サブ電極
4 メイン電極
20、30、40 一端部
21、31、41 他端部
201 第1端部
202 第2端部
221,222、32、42 尖端(先端)
52、53、54 金属箔
62、63、64 リード線
7 発光部
80、81 ピンチシール部
9 放電空間
Claims (4)
- 1個の放電空間が区画されている発光部を有するガラス管と、
一端部が前記1個の放電空間中にそれぞれ突出するコモン電極、サブ電極、メイン電極と、
を備え、
前記コモン電極の一端部は、前記サブ電極の一端部に対向する第1端部と、前記メイン電極の一端部に対向する第2端部とに、分割されている、ことを特徴とする自動車用放電電球。 - 前記コモン電極の第1端部および前記サブ電極の一端部の大きさは、前記コモン電極の第2端部および前記メイン電極の一端部の大きさよりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の自動車用放電電球。
- 前記コモン電極の第1端部、第2端部、前記サブ電極の一端部および前記メイン電極の一端部は、ヒートシンク構造をなす、ことを特徴とする請求項1または2に記載の自動車用放電電球。
- 前記コモン電極の第1端部、第2端部、前記サブ電極の一端部および前記メイン電極の一端部の先端は、尖端構造をなす、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の自動車用放電電球。
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