JP2004071201A - 自動車用放電電球および車両用灯具 - Google Patents
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Abstract
【課題】配光(リフレクタの配光)を正確に制御することができ、配光設計(リフレクタの配光設計)が容易であり、また、グレアを防止することができることを目的とする。
【解決手段】光不透過手段82により、サブ放電アークS、メイン放電アークMからの光がピンチシール部80、81を透過して外部に出射する、すなわち、リフレクタ90の反射面91に入射するのを防止することができる。また、光拡散手段22、32、42により、サブ放電アークS、メイン放電アークMからの光が電極に当たって拡散(拡散反射)されるので、配光、すなわち、リフレクタ90の配光への影響がない、もしくは、少ない。この結果、配光、すなわち、リフレクタ90の配光を正確に制御することができ、配光設計、すなわち、リフレクタ90の配光設計が容易であり、また、グレアを防止することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】光不透過手段82により、サブ放電アークS、メイン放電アークMからの光がピンチシール部80、81を透過して外部に出射する、すなわち、リフレクタ90の反射面91に入射するのを防止することができる。また、光拡散手段22、32、42により、サブ放電アークS、メイン放電アークMからの光が電極に当たって拡散(拡散反射)されるので、配光、すなわち、リフレクタ90の配光への影響がない、もしくは、少ない。この結果、配光、すなわち、リフレクタ90の配光を正確に制御することができ、配光設計、すなわち、リフレクタ90の配光設計が容易であり、また、グレアを防止することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ヘッドランプやフォグランプなどの光源として使用される自動車用放電電球、および、放電電球を光源とするヘッドランプやフォグランプなどの車両用灯具にかかるものである。特に、この発明は、配光を正確に制御することができ、配光設計が容易であり、また、グレアを防止することができる自動車用放電電球および車両用灯具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の自動車用放電電球および車両用灯具としては、たとえば、実開平3−40756号公報に記載のもの、特開2001−210272号公報に記載のもの、特開2001−210273号公報に記載のものなどがある。以下、従来の自動車用放電電球および車両用灯具について説明する。
【0003】
この種の自動車用放電電球は、複数の電極と、ガラス管と、口金とを備える。前記ガラス管は、1個もしくは複数個の放電空間を形成する発光部と、1個もしくは複数個のピンチシール部とを有する。前記複数の電極は、前記ガラス管の1個もしくは複数個のピンチシール部に気密保持されており、また、前記ガラス管の1個もしくは複数個の放電空間中に配置されている。さらに、前記複数の電極には、リード線が接続されもしくは一体に設けられている。このリード線は、前記口金のターミナルに接続されている。そして、前記口金が前記リフレクタに取り付けられることにより、自動車用放電電球は、リフレクタに装備され、車両用灯具が構成されることとなる。
【0004】
また、この種の車両用灯具は、複数の電極間に発生する放電アークにより発光部が発光する放電電球と、この放電電球の放電アークからの光を反射させるリフレクタとを備える。そして、前記放電電球は、前記の自動車用放電電球からなる。
【0005】
つぎに、前記の自動車用放電電球および車両用灯具の作用について説明する。まず、前記口金のターミナルにコネクタを接続して、放電電球と電源とをバラストを介して接続する。それから、複数の電極に電圧をかけると、この複数の電極の間において放電アークが発生して発光部が発光する。この発光部からの光がリフレクタの反射面で反射されて所定の配光パターンで路面に照射される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
かかる自動車用放電電球および車両用灯具において、放電アークからの光の一部は、1個もしくは複数個のピンチシール部を不規則に反射屈折透過して外部に出射し、また、複数の電極のうち少なくとも1個の電極において反射(ほぼ正反射)する。これらの光は、発光部からの光と異なり、あらかじめ設計されていなくかつ計算されていない。
【0007】
ところが、前記従来の自動車用放電電球および車両用灯具は、前記のあらかじめ設計されていなくかつ計算されていない光に対して何ら対策が施されていない。このために、前記従来の自動車用放電電球および車両用灯具は、配光を正確に制御することや配光設計が難しくなり、また、グレアの発生の可能性がある。
【0008】
特に、近年開発されている、放電アークが複数発生するいわゆるダブルアークの自動車用放電電球およびこの放電電球を使用する車両用灯具の場合においては、ピンチシール部また電極の数が多くなりかつ大きさが大きくなる傾向にあるので、配光を正確に制御することや配光設計がさらに難しくなり、また、グレアがさらに発生し易くなる傾向にある。
【0009】
この発明は、配光を正確に制御することができ、配光設計が容易であり、また、グレアを防止することができる自動車用放電電球および車両用灯具を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、1個もしくは複数個のピンチシール部のうち少なくとも1個に、放電アークからの光がピンチシール部を透過して外部に出射するのを防止する光不透過手段が設けられている、ことを特徴とする。
【0011】
この結果、請求項1にかかる発明は、光不透過手段により、放電アークからの光がピンチシール部を透過して外部に出射するのを防止することができるので、あらかじめ設計されていなくかつ計算されていない光が発生するのを確実に防止することができる。したがって、請求項1にかかる発明は、あらかじめ設計されかつ計算されている光、すなわち、発光部からの光だけを利用することができるので、配光を正確に制御することができ、配光設計が容易であり、また、グレアを防止することができる。
【0012】
また、請求項2にかかる発明は、複数の電極のうち少なくとも1個に、放電アークからの光を拡散させる光拡散手段が設けられている、ことを特徴とする。
【0013】
この結果、請求項2にかかる発明は、光拡散手段により、放電アークからの光が電極に当たって拡散(拡散反射)されるので、配光への影響がない、もしくは、少ない。したがって、請求項2にかかる発明は、配光を正確に制御することができ、配光設計が容易であり、また、グレアを防止することができる。
【0014】
また、請求項3にかかる発明は、放電電球と、この放電電球の放電アークからの光を反射させるリフレクタとを備え、前記放電電球の1個もしくは複数個のピンチシール部のうち少なくとも1個に、前記放電アークからの光がピンチシール部を透過して前記リフレクタに入射するのを防止する光不透過手段が設けられている、ことを特徴とする。
【0015】
この結果、請求項3にかかる発明は、光不透過手段により、放電アークからの光がピンチシール部を透過してリフレクタに入射するのを防止することができるので、あらかじめ設計されていなくかつ計算されていない光がリフレクタに入射するのを確実に防止することができる。したがって、請求項3にかかる発明は、あらかじめ設計されかつ計算されている光、すなわち、発光部からの光だけを利用することができるので、配光を正確に制御することができ、配光設計が容易であり、また、グレアを防止することができる。
【0016】
また、請求項4にかかる発明は、放電電球と、この放電電球の放電アークからの光を反射させるリフレクタとを備え、前記放電電球の複数の電極のうち少なくとも1個に、前記放電アークからの光を拡散させて前記リフレクタの配光への影響を抑制する光拡散手段が設けられている、ことを特徴とする。
【0017】
この結果、請求項4にかかる発明は、光拡散手段により、放電アークからの光が電極に当たって拡散(拡散反射)されるので、リフレクタの配光への影響がない、もしくは、少ない。したがって、請求項4にかかる発明は、リフレクタの配光を正確に制御することができ、リフレクタの配光設計が容易であり、また、グレアを防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる自動車用放電電球および車両用灯具の実施の形態の2例を添付図面を参照して説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0019】
(実施の形態1の構成の説明)
図1および図2は、この発明にかかる自動車用放電電球および車両用灯具の実施の形態1を示す。
【0020】
図において、B1は、この実施の形態1にかかる自動車用放電電球である。この実施の形態1にかかる自動車用放電電球B1は、ガラス管1と、3つの電極、たとえば、コモン電極2、サブ電極3、メイン電極4と、3枚の金属箔52、53、54と、3本のリード線62、63、64とを備える。
【0021】
前記ガラス管1は、中央部のほぼ回転楕円形状の発光部7と、この発光部7の両端に一体に設けられている2個のピンチシール部80、81とを有する。前記発光部7中には、1個の放電空間70が形成されている。
【0022】
前記3枚の金属箔52、53、54は、たとえば、モリブデン箔からなる。この3枚の金属箔52、53、54のうち、1枚の金属箔52は、一方のピンチシール部80中に埋設されており、他の2枚の金属箔53、54は、他方のピンチシール部81中に埋設されている。
【0023】
また、前記3つの電極2、3、4は、たとえば、タングステン製の丸棒(線)からなる。この3つの電極2、3、4の一端部20、30、40は、ほぼ同一の大きさをなし、前記放電空間70中にそれぞれ突出し、かつ、隙間をあけてそれぞれ対向する。
【0024】
すなわち、前記コモン電極2の一端部20と、前記サブ電極3の一端部30および前記メイン電極4の一端部40とが対向し、かつ、前記サブ電極3の一端部30が前記コモン電極2の一端部20と前記メイン電極4の一端部40との間に位置する。また、前記コモン電極2の一端部20は、ほぼ直線をなし、前記サブ電極3の一端部30は、下方から上方に若干湾曲しており、前記メイン電極の一端部40は、上方から下方に若干湾曲している。
【0025】
前記コモン電極2の他端部21は、前記一方のピンチシール部80中に埋設され、かつ、前記1枚の金属箔52に接続されている。また、前記サブ電極3の他端部31と前記メイン電極4の他端部41とは、前記他方のピンチシール部81中にそれぞれ埋設され、かつ、前記2枚の金属箔53、54にそれぞれ個別に接続されている。
【0026】
さらに、前記3本のリード線62、63、64は、たとえば、タングステン製またはモリブデン製の丸棒(線)からなる。この3本のリード線62、63、64の一端部は、前記2個のピンチシール部80、81中に埋設され、かつ、前記3枚の金属箔52、53、54にそれぞれ接続されている。一方、この3本のリード線62、63、64の他端部は、前記ガラス管1の2個のピンチシール部80、81の外側に突出する。
【0027】
前記2個のピンチシール部80、81には、サブ放電アークSおよびメイン放電アークMからの光がこのピンチシール部80、81を透過して外部に出射するのを防止する光不透過手段82が設けられている。なお、2個のピンチシール部80、81のうち少なくとも1個のピンチシール部、すなわち、ピンチシール部から出射される光の影響が大きい方のピンチシール部に光不透過手段82を設けても良い。また、図2および図3においては、理解しやすいように、光不透過手段82の肉厚を実際のものよりも厚く図示されている。
【0028】
前記光不透過手段82としては、たとえば、ピンチシール部80、81の外面に塗布された光吸収材などの黒色塗料、または、ピンチシール部80、81の外面に蒸着された光反射材などのアルミ蒸着などである。さらに、前記光不透過手段82としては、前記ピンチシール部80、81を、前記発光部7と別個に、光吸収用に黒色ガラスから構成されているものでも良い。
【0029】
前記ガラス管1を絶縁性の口金9に固定し、3本のリード線62、63、64を口金9のコネクタ(図示せず)に接続する。または、前記ガラス管1を内管とし、このガラス管1の外側に外ガラス管(図示せず)を設け、この外ガラス管により内管のガラス管1を保護する2重ガラス管構造となし、この2重ガラス管構造を絶縁性の口金9に固定し、3本のリード線62、63、64を口金9のターミナル(図示せず)に接続する。
【0030】
図において、90は、リフレクタである。このリフレクタ90の内面側には、前記自動車用放電電球B1の発光部7からの光を反射させる反射面91が形成されている。このリフレクタ90には、取付孔92が設けられている。この取付孔92の縁には、ホルダ93が固定されている。このホルダ93に前記口金9が着脱可能に取り付けられることにより、前記自動車用放電電球B1は、所定の位置に配置される。
【0031】
前記自動車用放電電球B1および前記リフレクタ90をランプハウジング(図示せず)およびランプレンズもしくはアウターカバー(図示せず)により区画される灯室(図示せず)内に配置することにより、この実施の形態1にかかる車両用灯具Aが構成される。この車両用灯具Aの口金10のターミナルにコネクタ(図示せず)を接続して、自動車用放電電球B1と電源(図示せず)とをバラスト(図示せず)を介して接続する。
【0032】
(実施の形態1の作用効果の説明)
この実施の形態1にかかる自動車用放電電球B1および車両用灯具は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用効果について説明する。
【0033】
まず、リード線62、63を介して、コモン電極2とサブ電極3とに電圧をかける。すると、コモン電極2の一端部20とサブ電極3の一端部30との間においてサブ放電アークSが発生して発光部7が発光する。この発光部7からの光がリフレクタ90の反射面91で反射されてロービーム(すれ違いビーム)が得られて路面に照射される。このロービームにより、すれ違い用の配光パターンが得られる。
【0034】
つぎに、リード線62、64を介して、コモン電極2とメイン電極4とに電圧をかける。すると、コモン電極2の一端部20とメイン電極4の一端部40との間においてメイン放電アークMが発生して発光部7が発光する。この発光部7からの光がリフレクタ90の反射面91で反射されてハイビーム(走行ビーム)が得られて路面に照射される。このハイビームにより、走行用の配光パターンが得られる。
【0035】
そして、この実施の形態1にかかる自動車用放電電球B1および車両用灯具は、光不透過手段82により、サブ放電アークSまたはメイン放電アークMからの光がピンチシール部80、81を透過して外部に出射する、すなわち、リフレクタ90の反射面91に入射するのを防止することができる。この結果、この実施の形態1にかかる自動車用放電電球B1および車両用灯具は、あらかじめ設計されていなくかつ計算されていない光が発生する、すなわち、リフレクタ90の反射面91に入射するのを確実に防止することができる。
【0036】
したがって、この実施の形態1にかかる自動車用放電電球B1および車両用灯具は、あらかじめ設計されかつ計算されている光、すなわち、発光部7からの光だけを利用することができるので、配光、すなわち、リフレクタ90の配光を正確に制御することができ、配光設計、すなわち、リフレクタ90の配光設計が容易であり、また、グレアを防止することができる。
【0037】
(実施の形態2の説明)
図3は、この発明にかかる自動車用放電電球および車両用灯具の実施の形態2を示す。図中、図1および図2と同符号は、同一のものを示す。
【0038】
図において、B2は、この実施の形態2にかかる自動車用放電電球である。この実施の形態2にかかる自動車用放電電球B2は、3つの電極2、3、4の一端部20、30、40の表面に、サブ放電アークSおよびメイン放電アークMからの光を拡散させる光拡散手段22、32、42が設けられている。この光拡散手段22、32、42としては、たとえば、3つの電極2、3、4の一端部20、30、40の表面に、サンドブラスト処理やエッチング処理などを施して、その表面を光が拡散反射する程度に粗くする。
【0039】
なお、3つの電極2、3、4のうち少なくとも1つの電極、すなわち、電極で反射される光の影響が大きい電極、この例では、サブ電極3の一端部30に光拡散手段を設けても良い。このサブ電極3の一端部30は、メイン放電アークMに対して凹形状をなすので、メイン放電アークMからの光がサブ電極3の一端部30に当たると、その光は、ほぼ正反射しかつほぼ一点に集まる。これにより、サブ電極3の一端部30で反射される光の影響が大きい。
【0040】
そして、この実施の形態2にかかる自動車用放電電球B2および車両用灯具は、光拡散手段22、32、42により、図3(B)中の実線矢印に示すように、サブ放電アークSおよびメイン放電アークMからの光が電極に当たって拡散(拡散反射)されるので、配光、すなわち、リフレクタ90の配光への影響がない、もしくは、少ない。
【0041】
したがって、この実施の形態2にかかる自動車用放電電球B2および車両用灯具は、配光、すなわち、リフレクタ90の配光を正確に制御することができ、配光設計、すなわち、リフレクタ90の配光設計が容易であり、また、グレアを防止することができる。
【0042】
(実施の形態1、2以外の例の説明)
なお、前記の実施の形態1、2においては、3つの電極2、3、4を有し、かつ、サブ放電アークSとメイン放電アークMとが得られる、いわゆる、ダブルアークの例について説明する。ところが、この発明は、2つの電極を有し、かつ、シングルアークの場合、また、4つ以上の電極を有し、かつ、ダブルアークの場合でも良い。
【0043】
また、前記の実施の形態1、2においては、2つのピンチシール部80、81を有する例について説明するが、この発明は、1つのピンチシール部、または、3つ以上のピンチシール部を有するものでも良い。
【0044】
さらに、前記の実施の形態1、2においては、3つの電極2、3、4の一端部20、30、40の大きさは、ほぼ同一である。ところが、この発明は、3つ以上の電極の一端部の大きさを使用頻度すなわち溶融劣化の大きさにあわせて大きくしても良い。この場合、3つ以上の電極の一端部の溶融劣化がほぼ均一になり、耐久性が向上される。
【0045】
さらにまた、前記の実施の形態1、2においては、3つの電極2、3、4(一端部20、30、40)が丸棒(線)からなるものである。ところが、この発明は、3つの電極2、3、4(一端部20、30、40)が板形状ないし折板構造からなるものでも良い。この場合、電極の表面積が大きくなるので、電極の表面に光拡散手段を設けることによる作用効果が顕著に得られる。
【0046】
さらにまた、前記の実施の形態1、2においては、3つの電極2、3、4の一端部20、30、40が相互に対向しているものである。ところが、この発明は、コモン電極2の一端部を二股形状に構成し、この二股形状のコモン電極2の一端部を、サブ電極3の一端部30とメイン電極4の一端部40とにそれぞれ対向させても良い。
【0047】
さらにまた、前記の実施の形態1、2においては、3つの電極2、3、4の一端部20、30、40の先端面は、ほぼ平面をなす。ところが、この発明は、3つ以上の電極の一端部を先端構造としても良い。この場合、3つ以上の電極の一端部の尖端から電子が飛び易く、放電効率が良くなるので、起動電圧を低くすることができ、その分、起動回路を始めとする電気回路への負荷を小さくすることができ、電気回路の耐久性が向上される。
【0048】
さらにまた、前記の実施の形態1、2においては、電極2、3、4がピンチシール部80、81において金属箔52、53、54を介してリード線62、63、64に接続されているものである。ところが、この発明は、金属箔を使用せずに電極とリード線とが一体構造のものを使用しても良い。
【0049】
さらにまた、前記の実施の形態1、2において、ガラス管1またはおよび2重ガラス管構造の外ガラス管に、たとえば、青色や黄色などの着色塗装を施しても良い。この着色塗装により、放電アークによる発光部7からの光(可視光)の色温度を任意に変化(上昇、降下)させることができる。たとえば、発光部7からの光を、人間の目に最も感度が良い光の1つである白色光(太陽光)に、または、感度が若干低下するがデザイン上の差別化が図られる青色光に、または、フォグランプに適した黄色光などに、変化させることができる。
【0050】
さらにまた、前記の実施の形態1、2においては、3つの電極2、3、4の一端部20、30、40にヒートシンク構造が設けられていない。ところが、この発明は、3つ以上の電極にヒートシンク構造を設けても良い。この場合、放電作用で電極が加熱されても、その熱が電極から効率よく放散されるので、電極の溶融劣化が防止され、電極の耐久性が向上される。
【0051】
なお、ヒートシンク構造としては、たとえば、電極の一端部を、ほぼ球形状に膨張した形状、すなわち、表面積が大きいヒートシンク構造とする。また、電極の一端部を、表面積が大きい板構造のヒートシンク構造とする。さらに、電極の一端部に複数本の溝を軸方向に設けて、放射状の板構造のヒートシンク構造とする。さらにまた、電極の一端部に複数本の溝を周方向に設けて、フィン状の板構造のヒートシンク構造とする。さらにまた、電極の一端部に螺旋状の溝を設けて、螺旋状の板構造のヒートシンク構造とする。なお、このヒートシンク構造の先端を尖端構造としても良い。
【0052】
【発明の効果】
以上から明らかなように、この発明にかかる自動車用放電電球および車両用灯具(請求項1、3)によれば、光不透過手段により、放電アークからの光がピンチシール部を透過して外部に出射するのを防止することができるので、あらかじめ設計されていなくかつ計算されていない光が発生するのを確実に防止することができる。したがって、この発明にかかる自動車用放電電球および車両用灯具(請求項1、3)は、あらかじめ設計されかつ計算されている光、すなわち、発光部からの光だけを利用することができるので、配光(リフレクタの配光)を正確に制御することができ、配光設計(リフレクタの配光設計)が容易であり、また、グレアを防止することができる。
【0053】
また、この発明にかかる自動車用放電電球および車両用灯具(請求項2、4)によれば、光拡散手段により、放電アークからの光が電極に当たって拡散(拡散反射)されるので、配光(リフレクタの配光)への影響がない、もしくは、少ない。したがって、この発明にかかる自動車用放電電球および車両用灯具(請求項2、4)は、配光(リフレクタの配光)を正確に制御することができ、配光設計(リフレクタの配光設計)が容易であり、また、グレアを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の自動車用放電電球および車両用灯具の実施の形態1を示す使用状態の断面図である。
【図2】(A)は、図1に示した自動車用放電電球の断面図、(B)は、(A)におけるB−B線断面図である。
【図3】(A)は、この発明の自動車用放電電球および車両用灯具の実施の形態2を示す自動車用放電電球の断面図、(B)は、(A)におけるB部の拡大図である。
【符号の説明】
A 車両用灯具
B1、B2 自動車用放電電球
1 ガラス管
2 コモン電極
3 サブ電極
4 メイン電極
20、30、40 一端部
21、31、41 他端部
22、32、42 拡散手段
52、53、54 金属箔
62、63、64 リード線
7 発光部
70 放電空間
80、81 ピンチシール部
82 光不透過手段
9 口金
90 リフレクタ
91 反射面
92 取付孔
93 ホルダ
S サブ放電アーク
M メイン放電アーク
【発明の属する技術分野】
この発明は、ヘッドランプやフォグランプなどの光源として使用される自動車用放電電球、および、放電電球を光源とするヘッドランプやフォグランプなどの車両用灯具にかかるものである。特に、この発明は、配光を正確に制御することができ、配光設計が容易であり、また、グレアを防止することができる自動車用放電電球および車両用灯具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の自動車用放電電球および車両用灯具としては、たとえば、実開平3−40756号公報に記載のもの、特開2001−210272号公報に記載のもの、特開2001−210273号公報に記載のものなどがある。以下、従来の自動車用放電電球および車両用灯具について説明する。
【0003】
この種の自動車用放電電球は、複数の電極と、ガラス管と、口金とを備える。前記ガラス管は、1個もしくは複数個の放電空間を形成する発光部と、1個もしくは複数個のピンチシール部とを有する。前記複数の電極は、前記ガラス管の1個もしくは複数個のピンチシール部に気密保持されており、また、前記ガラス管の1個もしくは複数個の放電空間中に配置されている。さらに、前記複数の電極には、リード線が接続されもしくは一体に設けられている。このリード線は、前記口金のターミナルに接続されている。そして、前記口金が前記リフレクタに取り付けられることにより、自動車用放電電球は、リフレクタに装備され、車両用灯具が構成されることとなる。
【0004】
また、この種の車両用灯具は、複数の電極間に発生する放電アークにより発光部が発光する放電電球と、この放電電球の放電アークからの光を反射させるリフレクタとを備える。そして、前記放電電球は、前記の自動車用放電電球からなる。
【0005】
つぎに、前記の自動車用放電電球および車両用灯具の作用について説明する。まず、前記口金のターミナルにコネクタを接続して、放電電球と電源とをバラストを介して接続する。それから、複数の電極に電圧をかけると、この複数の電極の間において放電アークが発生して発光部が発光する。この発光部からの光がリフレクタの反射面で反射されて所定の配光パターンで路面に照射される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
かかる自動車用放電電球および車両用灯具において、放電アークからの光の一部は、1個もしくは複数個のピンチシール部を不規則に反射屈折透過して外部に出射し、また、複数の電極のうち少なくとも1個の電極において反射(ほぼ正反射)する。これらの光は、発光部からの光と異なり、あらかじめ設計されていなくかつ計算されていない。
【0007】
ところが、前記従来の自動車用放電電球および車両用灯具は、前記のあらかじめ設計されていなくかつ計算されていない光に対して何ら対策が施されていない。このために、前記従来の自動車用放電電球および車両用灯具は、配光を正確に制御することや配光設計が難しくなり、また、グレアの発生の可能性がある。
【0008】
特に、近年開発されている、放電アークが複数発生するいわゆるダブルアークの自動車用放電電球およびこの放電電球を使用する車両用灯具の場合においては、ピンチシール部また電極の数が多くなりかつ大きさが大きくなる傾向にあるので、配光を正確に制御することや配光設計がさらに難しくなり、また、グレアがさらに発生し易くなる傾向にある。
【0009】
この発明は、配光を正確に制御することができ、配光設計が容易であり、また、グレアを防止することができる自動車用放電電球および車両用灯具を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、1個もしくは複数個のピンチシール部のうち少なくとも1個に、放電アークからの光がピンチシール部を透過して外部に出射するのを防止する光不透過手段が設けられている、ことを特徴とする。
【0011】
この結果、請求項1にかかる発明は、光不透過手段により、放電アークからの光がピンチシール部を透過して外部に出射するのを防止することができるので、あらかじめ設計されていなくかつ計算されていない光が発生するのを確実に防止することができる。したがって、請求項1にかかる発明は、あらかじめ設計されかつ計算されている光、すなわち、発光部からの光だけを利用することができるので、配光を正確に制御することができ、配光設計が容易であり、また、グレアを防止することができる。
【0012】
また、請求項2にかかる発明は、複数の電極のうち少なくとも1個に、放電アークからの光を拡散させる光拡散手段が設けられている、ことを特徴とする。
【0013】
この結果、請求項2にかかる発明は、光拡散手段により、放電アークからの光が電極に当たって拡散(拡散反射)されるので、配光への影響がない、もしくは、少ない。したがって、請求項2にかかる発明は、配光を正確に制御することができ、配光設計が容易であり、また、グレアを防止することができる。
【0014】
また、請求項3にかかる発明は、放電電球と、この放電電球の放電アークからの光を反射させるリフレクタとを備え、前記放電電球の1個もしくは複数個のピンチシール部のうち少なくとも1個に、前記放電アークからの光がピンチシール部を透過して前記リフレクタに入射するのを防止する光不透過手段が設けられている、ことを特徴とする。
【0015】
この結果、請求項3にかかる発明は、光不透過手段により、放電アークからの光がピンチシール部を透過してリフレクタに入射するのを防止することができるので、あらかじめ設計されていなくかつ計算されていない光がリフレクタに入射するのを確実に防止することができる。したがって、請求項3にかかる発明は、あらかじめ設計されかつ計算されている光、すなわち、発光部からの光だけを利用することができるので、配光を正確に制御することができ、配光設計が容易であり、また、グレアを防止することができる。
【0016】
また、請求項4にかかる発明は、放電電球と、この放電電球の放電アークからの光を反射させるリフレクタとを備え、前記放電電球の複数の電極のうち少なくとも1個に、前記放電アークからの光を拡散させて前記リフレクタの配光への影響を抑制する光拡散手段が設けられている、ことを特徴とする。
【0017】
この結果、請求項4にかかる発明は、光拡散手段により、放電アークからの光が電極に当たって拡散(拡散反射)されるので、リフレクタの配光への影響がない、もしくは、少ない。したがって、請求項4にかかる発明は、リフレクタの配光を正確に制御することができ、リフレクタの配光設計が容易であり、また、グレアを防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる自動車用放電電球および車両用灯具の実施の形態の2例を添付図面を参照して説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0019】
(実施の形態1の構成の説明)
図1および図2は、この発明にかかる自動車用放電電球および車両用灯具の実施の形態1を示す。
【0020】
図において、B1は、この実施の形態1にかかる自動車用放電電球である。この実施の形態1にかかる自動車用放電電球B1は、ガラス管1と、3つの電極、たとえば、コモン電極2、サブ電極3、メイン電極4と、3枚の金属箔52、53、54と、3本のリード線62、63、64とを備える。
【0021】
前記ガラス管1は、中央部のほぼ回転楕円形状の発光部7と、この発光部7の両端に一体に設けられている2個のピンチシール部80、81とを有する。前記発光部7中には、1個の放電空間70が形成されている。
【0022】
前記3枚の金属箔52、53、54は、たとえば、モリブデン箔からなる。この3枚の金属箔52、53、54のうち、1枚の金属箔52は、一方のピンチシール部80中に埋設されており、他の2枚の金属箔53、54は、他方のピンチシール部81中に埋設されている。
【0023】
また、前記3つの電極2、3、4は、たとえば、タングステン製の丸棒(線)からなる。この3つの電極2、3、4の一端部20、30、40は、ほぼ同一の大きさをなし、前記放電空間70中にそれぞれ突出し、かつ、隙間をあけてそれぞれ対向する。
【0024】
すなわち、前記コモン電極2の一端部20と、前記サブ電極3の一端部30および前記メイン電極4の一端部40とが対向し、かつ、前記サブ電極3の一端部30が前記コモン電極2の一端部20と前記メイン電極4の一端部40との間に位置する。また、前記コモン電極2の一端部20は、ほぼ直線をなし、前記サブ電極3の一端部30は、下方から上方に若干湾曲しており、前記メイン電極の一端部40は、上方から下方に若干湾曲している。
【0025】
前記コモン電極2の他端部21は、前記一方のピンチシール部80中に埋設され、かつ、前記1枚の金属箔52に接続されている。また、前記サブ電極3の他端部31と前記メイン電極4の他端部41とは、前記他方のピンチシール部81中にそれぞれ埋設され、かつ、前記2枚の金属箔53、54にそれぞれ個別に接続されている。
【0026】
さらに、前記3本のリード線62、63、64は、たとえば、タングステン製またはモリブデン製の丸棒(線)からなる。この3本のリード線62、63、64の一端部は、前記2個のピンチシール部80、81中に埋設され、かつ、前記3枚の金属箔52、53、54にそれぞれ接続されている。一方、この3本のリード線62、63、64の他端部は、前記ガラス管1の2個のピンチシール部80、81の外側に突出する。
【0027】
前記2個のピンチシール部80、81には、サブ放電アークSおよびメイン放電アークMからの光がこのピンチシール部80、81を透過して外部に出射するのを防止する光不透過手段82が設けられている。なお、2個のピンチシール部80、81のうち少なくとも1個のピンチシール部、すなわち、ピンチシール部から出射される光の影響が大きい方のピンチシール部に光不透過手段82を設けても良い。また、図2および図3においては、理解しやすいように、光不透過手段82の肉厚を実際のものよりも厚く図示されている。
【0028】
前記光不透過手段82としては、たとえば、ピンチシール部80、81の外面に塗布された光吸収材などの黒色塗料、または、ピンチシール部80、81の外面に蒸着された光反射材などのアルミ蒸着などである。さらに、前記光不透過手段82としては、前記ピンチシール部80、81を、前記発光部7と別個に、光吸収用に黒色ガラスから構成されているものでも良い。
【0029】
前記ガラス管1を絶縁性の口金9に固定し、3本のリード線62、63、64を口金9のコネクタ(図示せず)に接続する。または、前記ガラス管1を内管とし、このガラス管1の外側に外ガラス管(図示せず)を設け、この外ガラス管により内管のガラス管1を保護する2重ガラス管構造となし、この2重ガラス管構造を絶縁性の口金9に固定し、3本のリード線62、63、64を口金9のターミナル(図示せず)に接続する。
【0030】
図において、90は、リフレクタである。このリフレクタ90の内面側には、前記自動車用放電電球B1の発光部7からの光を反射させる反射面91が形成されている。このリフレクタ90には、取付孔92が設けられている。この取付孔92の縁には、ホルダ93が固定されている。このホルダ93に前記口金9が着脱可能に取り付けられることにより、前記自動車用放電電球B1は、所定の位置に配置される。
【0031】
前記自動車用放電電球B1および前記リフレクタ90をランプハウジング(図示せず)およびランプレンズもしくはアウターカバー(図示せず)により区画される灯室(図示せず)内に配置することにより、この実施の形態1にかかる車両用灯具Aが構成される。この車両用灯具Aの口金10のターミナルにコネクタ(図示せず)を接続して、自動車用放電電球B1と電源(図示せず)とをバラスト(図示せず)を介して接続する。
【0032】
(実施の形態1の作用効果の説明)
この実施の形態1にかかる自動車用放電電球B1および車両用灯具は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用効果について説明する。
【0033】
まず、リード線62、63を介して、コモン電極2とサブ電極3とに電圧をかける。すると、コモン電極2の一端部20とサブ電極3の一端部30との間においてサブ放電アークSが発生して発光部7が発光する。この発光部7からの光がリフレクタ90の反射面91で反射されてロービーム(すれ違いビーム)が得られて路面に照射される。このロービームにより、すれ違い用の配光パターンが得られる。
【0034】
つぎに、リード線62、64を介して、コモン電極2とメイン電極4とに電圧をかける。すると、コモン電極2の一端部20とメイン電極4の一端部40との間においてメイン放電アークMが発生して発光部7が発光する。この発光部7からの光がリフレクタ90の反射面91で反射されてハイビーム(走行ビーム)が得られて路面に照射される。このハイビームにより、走行用の配光パターンが得られる。
【0035】
そして、この実施の形態1にかかる自動車用放電電球B1および車両用灯具は、光不透過手段82により、サブ放電アークSまたはメイン放電アークMからの光がピンチシール部80、81を透過して外部に出射する、すなわち、リフレクタ90の反射面91に入射するのを防止することができる。この結果、この実施の形態1にかかる自動車用放電電球B1および車両用灯具は、あらかじめ設計されていなくかつ計算されていない光が発生する、すなわち、リフレクタ90の反射面91に入射するのを確実に防止することができる。
【0036】
したがって、この実施の形態1にかかる自動車用放電電球B1および車両用灯具は、あらかじめ設計されかつ計算されている光、すなわち、発光部7からの光だけを利用することができるので、配光、すなわち、リフレクタ90の配光を正確に制御することができ、配光設計、すなわち、リフレクタ90の配光設計が容易であり、また、グレアを防止することができる。
【0037】
(実施の形態2の説明)
図3は、この発明にかかる自動車用放電電球および車両用灯具の実施の形態2を示す。図中、図1および図2と同符号は、同一のものを示す。
【0038】
図において、B2は、この実施の形態2にかかる自動車用放電電球である。この実施の形態2にかかる自動車用放電電球B2は、3つの電極2、3、4の一端部20、30、40の表面に、サブ放電アークSおよびメイン放電アークMからの光を拡散させる光拡散手段22、32、42が設けられている。この光拡散手段22、32、42としては、たとえば、3つの電極2、3、4の一端部20、30、40の表面に、サンドブラスト処理やエッチング処理などを施して、その表面を光が拡散反射する程度に粗くする。
【0039】
なお、3つの電極2、3、4のうち少なくとも1つの電極、すなわち、電極で反射される光の影響が大きい電極、この例では、サブ電極3の一端部30に光拡散手段を設けても良い。このサブ電極3の一端部30は、メイン放電アークMに対して凹形状をなすので、メイン放電アークMからの光がサブ電極3の一端部30に当たると、その光は、ほぼ正反射しかつほぼ一点に集まる。これにより、サブ電極3の一端部30で反射される光の影響が大きい。
【0040】
そして、この実施の形態2にかかる自動車用放電電球B2および車両用灯具は、光拡散手段22、32、42により、図3(B)中の実線矢印に示すように、サブ放電アークSおよびメイン放電アークMからの光が電極に当たって拡散(拡散反射)されるので、配光、すなわち、リフレクタ90の配光への影響がない、もしくは、少ない。
【0041】
したがって、この実施の形態2にかかる自動車用放電電球B2および車両用灯具は、配光、すなわち、リフレクタ90の配光を正確に制御することができ、配光設計、すなわち、リフレクタ90の配光設計が容易であり、また、グレアを防止することができる。
【0042】
(実施の形態1、2以外の例の説明)
なお、前記の実施の形態1、2においては、3つの電極2、3、4を有し、かつ、サブ放電アークSとメイン放電アークMとが得られる、いわゆる、ダブルアークの例について説明する。ところが、この発明は、2つの電極を有し、かつ、シングルアークの場合、また、4つ以上の電極を有し、かつ、ダブルアークの場合でも良い。
【0043】
また、前記の実施の形態1、2においては、2つのピンチシール部80、81を有する例について説明するが、この発明は、1つのピンチシール部、または、3つ以上のピンチシール部を有するものでも良い。
【0044】
さらに、前記の実施の形態1、2においては、3つの電極2、3、4の一端部20、30、40の大きさは、ほぼ同一である。ところが、この発明は、3つ以上の電極の一端部の大きさを使用頻度すなわち溶融劣化の大きさにあわせて大きくしても良い。この場合、3つ以上の電極の一端部の溶融劣化がほぼ均一になり、耐久性が向上される。
【0045】
さらにまた、前記の実施の形態1、2においては、3つの電極2、3、4(一端部20、30、40)が丸棒(線)からなるものである。ところが、この発明は、3つの電極2、3、4(一端部20、30、40)が板形状ないし折板構造からなるものでも良い。この場合、電極の表面積が大きくなるので、電極の表面に光拡散手段を設けることによる作用効果が顕著に得られる。
【0046】
さらにまた、前記の実施の形態1、2においては、3つの電極2、3、4の一端部20、30、40が相互に対向しているものである。ところが、この発明は、コモン電極2の一端部を二股形状に構成し、この二股形状のコモン電極2の一端部を、サブ電極3の一端部30とメイン電極4の一端部40とにそれぞれ対向させても良い。
【0047】
さらにまた、前記の実施の形態1、2においては、3つの電極2、3、4の一端部20、30、40の先端面は、ほぼ平面をなす。ところが、この発明は、3つ以上の電極の一端部を先端構造としても良い。この場合、3つ以上の電極の一端部の尖端から電子が飛び易く、放電効率が良くなるので、起動電圧を低くすることができ、その分、起動回路を始めとする電気回路への負荷を小さくすることができ、電気回路の耐久性が向上される。
【0048】
さらにまた、前記の実施の形態1、2においては、電極2、3、4がピンチシール部80、81において金属箔52、53、54を介してリード線62、63、64に接続されているものである。ところが、この発明は、金属箔を使用せずに電極とリード線とが一体構造のものを使用しても良い。
【0049】
さらにまた、前記の実施の形態1、2において、ガラス管1またはおよび2重ガラス管構造の外ガラス管に、たとえば、青色や黄色などの着色塗装を施しても良い。この着色塗装により、放電アークによる発光部7からの光(可視光)の色温度を任意に変化(上昇、降下)させることができる。たとえば、発光部7からの光を、人間の目に最も感度が良い光の1つである白色光(太陽光)に、または、感度が若干低下するがデザイン上の差別化が図られる青色光に、または、フォグランプに適した黄色光などに、変化させることができる。
【0050】
さらにまた、前記の実施の形態1、2においては、3つの電極2、3、4の一端部20、30、40にヒートシンク構造が設けられていない。ところが、この発明は、3つ以上の電極にヒートシンク構造を設けても良い。この場合、放電作用で電極が加熱されても、その熱が電極から効率よく放散されるので、電極の溶融劣化が防止され、電極の耐久性が向上される。
【0051】
なお、ヒートシンク構造としては、たとえば、電極の一端部を、ほぼ球形状に膨張した形状、すなわち、表面積が大きいヒートシンク構造とする。また、電極の一端部を、表面積が大きい板構造のヒートシンク構造とする。さらに、電極の一端部に複数本の溝を軸方向に設けて、放射状の板構造のヒートシンク構造とする。さらにまた、電極の一端部に複数本の溝を周方向に設けて、フィン状の板構造のヒートシンク構造とする。さらにまた、電極の一端部に螺旋状の溝を設けて、螺旋状の板構造のヒートシンク構造とする。なお、このヒートシンク構造の先端を尖端構造としても良い。
【0052】
【発明の効果】
以上から明らかなように、この発明にかかる自動車用放電電球および車両用灯具(請求項1、3)によれば、光不透過手段により、放電アークからの光がピンチシール部を透過して外部に出射するのを防止することができるので、あらかじめ設計されていなくかつ計算されていない光が発生するのを確実に防止することができる。したがって、この発明にかかる自動車用放電電球および車両用灯具(請求項1、3)は、あらかじめ設計されかつ計算されている光、すなわち、発光部からの光だけを利用することができるので、配光(リフレクタの配光)を正確に制御することができ、配光設計(リフレクタの配光設計)が容易であり、また、グレアを防止することができる。
【0053】
また、この発明にかかる自動車用放電電球および車両用灯具(請求項2、4)によれば、光拡散手段により、放電アークからの光が電極に当たって拡散(拡散反射)されるので、配光(リフレクタの配光)への影響がない、もしくは、少ない。したがって、この発明にかかる自動車用放電電球および車両用灯具(請求項2、4)は、配光(リフレクタの配光)を正確に制御することができ、配光設計(リフレクタの配光設計)が容易であり、また、グレアを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の自動車用放電電球および車両用灯具の実施の形態1を示す使用状態の断面図である。
【図2】(A)は、図1に示した自動車用放電電球の断面図、(B)は、(A)におけるB−B線断面図である。
【図3】(A)は、この発明の自動車用放電電球および車両用灯具の実施の形態2を示す自動車用放電電球の断面図、(B)は、(A)におけるB部の拡大図である。
【符号の説明】
A 車両用灯具
B1、B2 自動車用放電電球
1 ガラス管
2 コモン電極
3 サブ電極
4 メイン電極
20、30、40 一端部
21、31、41 他端部
22、32、42 拡散手段
52、53、54 金属箔
62、63、64 リード線
7 発光部
70 放電空間
80、81 ピンチシール部
82 光不透過手段
9 口金
90 リフレクタ
91 反射面
92 取付孔
93 ホルダ
S サブ放電アーク
M メイン放電アーク
Claims (4)
- 複数の電極間に発生する放電アークにより発光部が発光する自動車用放電電球において、
前記複数の電極は、ガラス管の1個もしくは複数個のピンチシール部に気密保持されており、前記1個もしくは複数個のピンチシール部のうち少なくとも1個には、前記放電アークからの光が前記ピンチシール部を透過して外部に出射するのを防止する光不透過手段が設けられている、ことを特徴とする自動車用放電電球。 - 複数の電極間に発生する放電アークにより発光部が発光する自動車用放電電球において、
前記複数の電極は、ガラス管の1個もしくは複数個の放電空間中に配置されており、前記複数の電極のうち少なくとも1個には、前記放電アークからの光を拡散させる光拡散手段が設けられている、ことを特徴とする自動車用放電電球。 - 放電電球を光源とする車両用灯具において、
複数の電極間に発生する放電アークにより発光部が発光する前記放電電球と、前記放電電球の放電アークからの光を反射させるリフレクタとを備え、
前記複数の電極は、ガラス管の1個もしくは複数個のピンチシール部に気密保持されており、前記1個もしくは複数個のピンチシール部のうち少なくとも1個には、前記放電アークからの光が前記ピンチシール部を透過して前記リフレクタに入射するのを防止する光不透過手段が設けられている、ことを特徴とする車両用灯具。 - 放電電球を光源とする車両用灯具において、
複数の電極間に発生する放電アークにより発光部が発光する前記放電電球と、前記放電電球の放電アークからの光を反射させるリフレクタとを備え、
前記複数の電極は、ガラス管の1個もしくは複数個の放電空間中に配置されており、前記複数の電極のうち少なくとも1個には、前記放電アークからの光を拡散させて前記リフレクタの配光への影響を抑制する光拡散手段が設けられている、ことを特徴とする車両用灯具。
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