JP2004039390A - 高圧放電ランプ点灯装置 - Google Patents
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- H05B41/2928—Arrangements for protecting lamps or circuits against abnormal operating conditions for protecting the lamp against abnormal operating conditions
Abstract
【課題】フルブリッジ型インバータ回路のデッドタイム時の立ち消えを防止し、また、インバータ回路の出力矩形波の立ち上がり、立ち下がり時間の遅れを短縮し放射光が瞬間的に暗くなるという現象が生ずるのを防止すること。
【解決手段】フルブリッジ型インバータ回路2が出力する交流矩形波電流が供給され放電ランプ3が点灯する。フルブリッジ型インバータ回路2の駆動に際し、スイッチング素子Q2〜5を全てオフにする期間(デッドタイムTd)が設けられており、これにより放電ランプ3の立ち消えを防止するため、フルブリッジ型インバータ回路2の後段に、インダクタンスL2が設けられる。そして、インダクタンスL2の値LL を、LL ≧VL /IL ・Td(放電ランプの点灯電圧VL 、電流IL 、デッドタイムをTd)とし、該インダクタンスに蓄えられるエネルギーにより、デッドタイムの間に放電ランプ3に電流を流す。
【選択図】 図1
【解決手段】フルブリッジ型インバータ回路2が出力する交流矩形波電流が供給され放電ランプ3が点灯する。フルブリッジ型インバータ回路2の駆動に際し、スイッチング素子Q2〜5を全てオフにする期間(デッドタイムTd)が設けられており、これにより放電ランプ3の立ち消えを防止するため、フルブリッジ型インバータ回路2の後段に、インダクタンスL2が設けられる。そして、インダクタンスL2の値LL を、LL ≧VL /IL ・Td(放電ランプの点灯電圧VL 、電流IL 、デッドタイムをTd)とし、該インダクタンスに蓄えられるエネルギーにより、デッドタイムの間に放電ランプ3に電流を流す。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶プロジュクター等に使われる高圧放電ランプを点灯するための高圧放電ランプ点灯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子回路を用いて、矩形波で高圧放電ランプを点灯させる点灯回路としては、例えば図5に示す回路が知られている。
図5に示す回路は、点灯回路を、スイッチング素子Q1と、直流電源と、スイッチング素子Q2〜Q5、ダイオートD2〜D5からなるフルブリッジ回路2と、イグナイタ4とから構成したものである。
同図に示す点灯回路は、直流電源からフルブリッジ回路2に電圧、電流を供給しながら、フルブリッジ回路2のスイッチング素子Q2,Q5、スイッチング素子Q3,Q4を交互にオンにして、高圧放電ランプ3に交流矩形波電圧を供給し、高圧放電ランプ3を点灯させるようにしたものである。
また、高圧放電ランプの始動時には、上記イグナイタ4からランプ3に高電圧パルスを印加して、ランプを始動する。
【0003】
上記構成のランプ点灯装置においては、フルブリッジ回路2のクロスカレントを防止し、フルブリッジ回路2を構成しているスイッチング素子Q2〜Q5や電力制御スイツチング素子Q1の破損を防ぐため、デッドタイムTdと呼ばれるフルブリッジ回路2のスイッチング素子Q2〜5を全てオフにする期間を設けることが通常行われている。
なお、デッドタイムTdを設けず、電力制御用スイッチング素子Q1の後段に設けられるチョークコイルL1でブリッジ回路のクロスカレントを一定値以下に制限し素子の破損を防ぐ場合もあるが、素子の損失の増大やノイズの発生などの不都合が生じることが多い。従って、一般的にはデッドタイムを設けることが通例である。
しかし、デッドタイムのある低周波矩形波が高圧放電ランプに印加されると高圧放電ランプに流れる電流に切れ目が生じ、立ち消えやリードピークを生じる等、不都合を生じる場合がある。
【0004】
デッドタイムTdよる電流の切れ目の発生を防ぐものとして、例えば、特公平6−101388公報に記載されるものが知られている。
上記公報に記載されるものは、ランプと直列に設けたインダクタンスを設け、この直列回路と並列にコンデンサを設けてLC共振回路を形成し、矩形波のデッドタイム期間に、上記インダクタンスとコンデンサとで直列共振を発生させ、振動電流をランプに流すことにより電流の流れない期間をなくすようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記公報に記載される方法では、例えばC3=0.1μFのような大きなコンデンサがフルブリッジ回路の後段に接続されることになる。このため、フルブリッジ回路2のスイッチング素子Q2〜Q5の矩形波出力を急峻にすることが困難であり、高圧放電ランプの放射光が、瞬間的に暗くなるという好ましくない現象を生ずる。投射型のプロジェクター装置の光源に適用するには、このような明るさの低下は致命的な問題となる。またL2にも1mHという大きなものを用いる必要があり、点灯電源の小型化・軽量化が困難である。
さらに、C3,L2を上記のような値とした場合、高圧放電ランプに流す振動電流は周波数約16kHz、周期約63μsecとなり、これによる波形の振動やオーバーシュート、アンダーシュートが生じやすくなる。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、本発明の目的は、デッドタイム期間を設けてスイッチング素子を駆動するフルブリッジ型インバータ回路を用いた高圧放電ランプ点灯装置において、デッドタイム時の立ち消えを防止し、また、インダクタンスL,コンデンサC等の影響によるインバータ回路の出力矩形波の立ち上がり、立ち下がり時間の遅れを短縮し、放射光が瞬間的に暗くなるという現象が生ずるのを防止することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を本発明においては、以下のように解決する。
(1)4個のスイッチング素子がブリッジ型に接続され、全てのスイッチング素子をオフとするデッドタイムを設けながら交流電流を高圧放電ランプに給電するインバータ回路を有する給電装置を備えた高圧放電ランプ点灯装置において、インバータ回路の前段に、上記デッドタイムのときに前記高圧放電ランプに対して電流を供給するループを形成するためのコンデンサを設けるとともに、上記インバータ回路の後段に、高圧放電ランプと直列に接続され、上記コンデンサとともに上記ループを形成するインダクタンス要素とを設ける。
そして、前記インダクタンス要素のインダクタンスLの値LL を、該インダクタンスに蓄えられるエネルギーにより、上記デッドタイムの間に上記高圧放電ランプに電流を流し続けることができる値以上とする。
すなわち、上記インダクタンスLの値LL を、放電ランプの点灯電圧をVL 、放電ランプに流れる電流をIL 、上記デッドタイムをTd(秒)としたとき、LL ≧VL /IL ・Tdになるようにする。
(2)上記(1)において、インダクタンス要素の少なくとも一部を、イグナイタトランスで形成する。
本発明は上記構成としたので、上記インダクタンス要素に蓄えられたエネルギーによりデッドタイムの間にも高圧放電ランプに電流を流すことができ、交流矩形波のデッドタイムにより生ずる立ち消えを防止することができる。また、上記インダクタンス要素の値LL を大きな値とする必要はないので、交流矩形波の立ち上がり、立ち下がりを急峻にすることができ、高圧放電ランプが瞬間的に暗くなるといった問題を改善することができ、さらには点灯電源の小型、軽量化もはかれる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の第1の実施例の高圧放電ランプ点灯装置の構成を示す図である。
同図に示すように、本実施例の回路は、直流電圧が供給される降圧チョッパ回路1と、降圧チョッパ回路1の出力側に接続され、直流電圧を交流矩形波電圧に変換し高圧放電ランプ3(以下放電ランプ3という)に供給するフルブリッジ型インバータ回路2(以下ではフルブリッジ回路2という)と、放電ランプ3に直列接続されたインダクタンスL2から構成される。
なお、前記したように、ランプの始動時に高圧パルスを放電ランプ3に印加するためイグナイタ装置が上記放電ランプ3に直列に接続されるが、同図では省略されている。
上記放電ランプ3は、前記したように投射型のプロジェクター装置等の光源として使用される例えばショートアーク型超高圧放電ランプであり、例えば以下の放電ランプを使用することができる。
・発光管の内容積:100mm3
・電極間距離:1.0mm
・水銀封入量:0.25mg/mm3
・希ガス:アルゴンを100Torr封入
また、上記放電ランプの点灯条件は以下の通りである。
・ランプ電力:80〜400Wの範囲であって、例えば200W
・ランプ電流:0.6〜7.0Aの範囲であって、例えば2.8A
・ランプ電圧:60〜130Vの範囲であって、例えば70V
【0008】
降圧チョッパ回路1は、スイッチング素子Q1と、ダイオードD1とインダクタンスL1と平滑コンデンサC1から構成され、図示しない制御回路により上記スイッチング素子Q1のオン/オフ比が制御され、フルブリッジ回路2を介して放電ランプ3に供給される電流あるいは電力が制御される。
フルブリッジ回路2は、ブリッジ状に接続されたトランジスタやFETからなるスイッチング素子Q2〜Q5と、該スイッチング素子Q2〜Q5に逆並列に接続されたダイオードD2〜D5から構成される。
上記スイッチング素子Q2〜Q5は、図示しない駆動回路により駆動され、放電ランプ3に交流矩形波電流を供給して、放電ランプ3を点灯させる。
すなわち、スイッチング素子Q2、Q5、スイッチング素子Q3、Q4を交互にオンにして、降圧チョッパ回路1→スイッチング素子Q2→放電ランプ3→インダクタンスL1→スイッチング素子Q5→降圧チョッパ回路1、および、降圧チョッパ回路1→スイッチング素子Q4→インダクタンスL1→放電ランプ3→スイッチング素子Q3→降圧チョッパ回路1の経路で放電ランプ3に交流矩形波電流を供給し、放電ランプ3を点灯させる。
上記スイッチング素子Q2〜Q5を駆動するに際し、スイッチング素子Q2〜Q5の同時オンを防止するため、前記したように、交流矩形波の極性切り替わり時に、スイッチング素子Q2〜5を全てオフにする期間(デッドタイムTd)が設けられる。
なお、放電ランプ3に供給される交流矩形波出力の周波数は60〜1000Hzの範囲であり、例えば200Hzである。また、上記デッドタイム期間は、通常0.5μs〜10μsの範囲内であり、交流矩形波出力の周波数が200Hzの場合は、デッドタイムTdは例えば1μs程度に選定される。
【0009】
本実施例においては、上記デッドタイム期間のおける放電ランプ3の立ち消えを防止するため、フルブリッジ回路2の出力側に、放電ランプ3と直列接続されたインダクタンスL2(インダクタンス要素)が設けられる。このインダクタンスL2に蓄えられるエネルギーにより、矩形波の極性切り替わり時のデッドタイム期間に、該インダクタンスL2、ダイオードD2〜D5、降圧チョッパ回路1の平滑コンデンサC1で形成されるループを介して放電ランプ3に電流を流し、放電ランプ3の立ち消えを防ぐ。
すなわち、上記デッドタイム期間に、インダクタンスL2に蓄えているエネルギーにより、電流をインダクタンスL2→放電ランプ3→ダイオードD2→平滑コンデンサC1→ダイオードD5→インダクタンスL2、または、インダクタンスL2→ダイオードD4→平滑コンデンサC1→ダイオードD3→放電ランプ3→インダクタンスL2のループで流すことにより、フルブリッジからの矩形波電流が無い期間にも放電ランプ3に電流を流す。
【0010】
図2に上記デッドタイム期間に放電ランプに流れる電流を模式的に示す。
同図において、Tdはデッドタイム期間であり、この期間にインダクタンスL2に蓄えられたエネルギーにより、前記したループで同図の点線に示すように電流を流す。
上記インダクタンスL2に蓄えられるエネルギーの大きさは、同図の斜線部分の面積以上のエネルギーが必要である。
ここで、上記デッドタイム期間をTd(秒)、上記矩形波電圧の大きさ(放電ランプに印加される電圧:点灯電圧という)をVL (V)、放電ランプ3に流れる電流をIL (A)、インダクタンスL2の大きさをLL (H)とすると、イクダクタンスL2に蓄えられるエネルギーは、1/2×LL ×IL2である。また、ランプ電力をW(=VL ×IL )とすると、上記斜線部分のエネルギーは1/2×W×Tdとなる。
したがって、上記デッドタイム期間に放電ランプ3に電流を流し続けるためには、1/2×L×I2 ≧1/2×W×Tdである必要がある。
上記式は、1/2×LL ×IL2≧1/2×VL ×IL ×Tdと書き換えることができるから、上記インダクタンスL2の値は、以下のような値に選定する必要がある。
LL ≧VL /IL ×Td
【0011】
上記条件を満たすインダクタンスL2を放電ランプ3に直列に接続することにより、デッドタイム期間Tdの間、放電ランプ3に電流を供給することができ、立ち消えを防止することができる。
前記点灯条件の場合、上記インダクタンスL2の値は、20μH〜600pHの範囲の値となり、例えば300pH程度となる。
なお、前記したように、放電ランプ3に直列にイグナイタ装置が接続される場合には、上記インダクタンスL2のインダクタンス値と、上記イグナイタ装置のインダクタンス値の和が上記値になるようにインダクタンスL2の値を選定すればよい。
また、上記インダクタンスL2に蓄えられたエネルギーは、平滑コンデンサC1を介して前記したようなループで流れ、平滑コンデンサC1に充電されるので、平滑コンデンサC1の電圧上昇を抑えるため、平滑コンデンサC1の値は、0.1μF以上とするのが望ましく、好ましくは、0.2μF〜1μFの範囲内とするがよい。
【0012】
本実施例では、上記のように、放電ランプ3に直列にインダクタンスL2を設け、該インダクタンスL2の値をLL ≧VL /IL ×Tdのように選定しているので、デッドタイム期間にも、インダクタンスL2に蓄えられたエネルギーにより放電ランプ3に電流を流し続けることができ、放電ランプ3の立ち消えを防止することができる。
また、インダクタンスL2の値も上記のように20μH〜600pH程度の大きさであり、前記公知例(特公平6−101388公報)のように容量の大きなインダクタンスL、コンデンサCを用いる必要がないので、フルブリッジ回路が出力する交流矩形波の立ち上がり、立ち下がりを急峻にすることができ、前記した放電ランプが瞬間的に暗くなるといった問題が生ずることがない。
【0013】
図3は本発明の第2の実施例を示す図である。
本実施例は、放電ランプ3に直列に接続されるイグナイタ装置のイグナイタトランスのインダクタンスを上記デッドタイム期間に放電ランプ3に電流を流すためのエネルギーを蓄えるインダクタンスとして利用した実施例を示している。
同図において、前記図1に示したものと同一のものには同一の符号が付されており、本実施例においては、前記インダクタンスL2に代えてイグナイタ装置4のイグナイタトランスTrIが放電ランプ3に直列に接続され、また、イグナイタ装置4が発生する高圧パルスをバイパスするためのパスコンCp1が上記放電ランプ3とイグナイタトランスTrIの直列回路に並列に接続されている。
上記イグナイタトランスTrIのインダクタンス値は、前記したようにLL ≧VL /IL ×Tdの条件を満たす値に選定されている。
本実施例の回路の動作は、前記第1の実施例と同様であり、フルブリッジ回路2のスイッチング素子Q2〜Q5を、図示しない駆動回路により駆動し放電ランプ3に交流矩形波電流を供給して、放電ランプ3を点灯させる。
また、デッドタイム期間中は、イグナイタトランスTrIに蓄えているエネルギーにより、電流をイグナイタトランスTrI→放電ランプ3→ダイオードD2→平滑コンデンサC1→ダイオードD5→イグナイタトランスTrI、または、イグナイタトランスTrI→ダイオードD4→平滑コンデンサC1→ダイオードD3→放電ランプ3→イグナイタトランスTrIのループで流し、放電ランプ3に電流を流す。
【0014】
本実施例においても、上記のように、デッドタイム期間にも、イグナイタトランス4aに蓄えられたエネルギーにより放電ランプ3に電流を流し続けることができ、放電ランプ3の立ち消えを防止することができる。
また、イグナイタトランスTrIのインダクタンスの値も前記第1の実施例で説明したように20μH〜〜600pH程度の大きさなので、フルブリッジ回路が出力する交流矩形波の立ち上がり、立ち下がりを急峻にすることができ、前記した放電ランプが瞬間的に暗くなるといった問題が生ずることがない。
なお、上記パスコンCp1は、イグナイタ装置4が発生する高圧パルスをバイパスさせるパスコンとして機能すればよいので、その容量値は、4000pF以下、好ましくは、1000pF〜2000pF程度でよい。
なお、前記公知例(特公平6−101388公報)でも、放電ランプとインダクタンスの直列回路に並列にコンデンサが接続されているが、このコンデンサは、前記したようにインダクタンスとコンデンサとで直列共振を発生させ振動電流をランプに流すためのものであり、上記コンデンサとしては例えば0.1μF程度のコンデンサを用いる必要がある。これに対し、本実施例で用いられる上記パスコンCp1の容量は4000pF以下でよく、上記パスコンCp1を設けても、交流矩形波電圧の立ち上がり、立ち下がりへの影響は少なく、放電ランプ3が瞬間的に暗くなるといった問題が生ずることはない。
【0015】
図4は本発明の第3の実施例を示す図であり、本実施例は、フルブリッジ回路2の出力側にコモンモードチョークL3を設け、イグナイタ装置の高圧パルスにより、フルブリッジ回路などの電子部品の破損を防ぐようにした実施例を示している。
同図において、前記図3に示したものと同一のものには同一の符号が付されており、本実施例は、第2の実施例と同様、イグナイタ装置4のイグナイタトランス4aのインダクタンスを上記デッドタイム期間に放電ランプ3に電流を流すためのエネルギーを蓄えるインダクタンスとして利用したものである。
上記イグナイタトランス4aのインダクタンス値は、前記したようにLL ≧VL /IL ×Tdの条件を満たす値に選定されている。
また、フルブリッジ回路2の出力側には、イグナイタ装置の高圧パルスの通過を阻止するコモンモードチョークL3と、該高圧パルスをバイパスするためのパスコンCp1,Cp2が接続されている。
本実施例の回路の動作は、前記第2の実施例と同様であり、フルブリッジ回路2のスイッチング素子Q2〜Q5を、図示しない駆動回路により駆動し放電ランプ3に交流矩形波電流を供給して、放電ランプ3を点灯させる。
また、デッドタイム期間中は、イグナイタトランスTrIに蓄えているエネルギーにより、電流をイグナイタトランスTrI→放電ランプ3→コモンモードチョークL3→ダイオードD2→平滑コンデンサC1→ダイオードD5→コモンモードチョークL3→イグナイタトランスTrI、または、イグナイタトランスTrI→コモンモードチョークL3→ダイオードD4→平滑コンデンサC1→ダイオードD3→コモンモードチョークL3→放電ランプ3→イグナイタトランスTrIのループで流し、放電ランプ3に電流を流す。
なお、コモンモードチョークL3には逆方向の電流が流れるので、それぞれの電流により生ずる磁束は相互に打ち消しあい、上記ループに流れる電流には影響を与えない。
【0016】
本実施例においても、前記第1、第2の実施例と同様、デッドタイム期間にも、イグナイタトランス4aに蓄えられたエネルギーにより放電ランプ3に電流を流し続けることができ、放電ランプ3の立ち消えを防止することができる。また、フルブリッジ回路が出力する交流矩形波の立ち上がり、立ち下がりを急峻にすることができ、前記した放電ランプが瞬間的に暗くなるといった問題が生ずることがない。
さらに、上記パスコンCp1,Cp2は、前記第3の実施例と同様、比較的小さな容量でいいので、交流矩形波電圧の立ち上がり、立ち下がりへの影響は少なく、放電ランプ3が瞬間的に暗くなるといった問題が生ずることはない。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、フルブリッジ回路の出力側に、インダクタンスを設け、該インダクタンスの値を、LL ≧VL /IL ・Td(放電ランプの点灯電圧をVL 、放電ランプに流れる電流をIL 、上記デッドタイムをTd)としたので、交流矩形波のデッドタイムにより生ずる立ち消えを防止するとともに、交流矩形波の立ち上がり、立ち下がりを急峻にすることができ、放電ランプが瞬間的に暗くなるといった問題を改善することができる。
このため、本発明の高圧放電ランプ点灯装置を投射型プロジェクターの光源に適用すれば、プロジェクターの画像品質を改善することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の高圧放電ランプ点灯装置の構成を示す図である。
【図2】デッドタイム期間に放電ランプに流れる電流を模式的に示す図である。
【図3】本発明の第2の実施例の高圧放電ランプ点灯装置の構成を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施例の高圧放電ランプ点灯装置の構成を示す図である。
【図5】放電ランプ点灯装置の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 降圧チョッパ回路
2 フルブリッジ回路
3 放電ランプ
4 イグナイタ装置
C1 平滑コンデンサ
Cp1,Cp2 パスコン
D1〜D5 ダイオード
L1,L2 インダクタンス
L3 コモンモードチョーク
Q1〜Q5 スイッチング素子
TrI イグナイタトランス
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶プロジュクター等に使われる高圧放電ランプを点灯するための高圧放電ランプ点灯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子回路を用いて、矩形波で高圧放電ランプを点灯させる点灯回路としては、例えば図5に示す回路が知られている。
図5に示す回路は、点灯回路を、スイッチング素子Q1と、直流電源と、スイッチング素子Q2〜Q5、ダイオートD2〜D5からなるフルブリッジ回路2と、イグナイタ4とから構成したものである。
同図に示す点灯回路は、直流電源からフルブリッジ回路2に電圧、電流を供給しながら、フルブリッジ回路2のスイッチング素子Q2,Q5、スイッチング素子Q3,Q4を交互にオンにして、高圧放電ランプ3に交流矩形波電圧を供給し、高圧放電ランプ3を点灯させるようにしたものである。
また、高圧放電ランプの始動時には、上記イグナイタ4からランプ3に高電圧パルスを印加して、ランプを始動する。
【0003】
上記構成のランプ点灯装置においては、フルブリッジ回路2のクロスカレントを防止し、フルブリッジ回路2を構成しているスイッチング素子Q2〜Q5や電力制御スイツチング素子Q1の破損を防ぐため、デッドタイムTdと呼ばれるフルブリッジ回路2のスイッチング素子Q2〜5を全てオフにする期間を設けることが通常行われている。
なお、デッドタイムTdを設けず、電力制御用スイッチング素子Q1の後段に設けられるチョークコイルL1でブリッジ回路のクロスカレントを一定値以下に制限し素子の破損を防ぐ場合もあるが、素子の損失の増大やノイズの発生などの不都合が生じることが多い。従って、一般的にはデッドタイムを設けることが通例である。
しかし、デッドタイムのある低周波矩形波が高圧放電ランプに印加されると高圧放電ランプに流れる電流に切れ目が生じ、立ち消えやリードピークを生じる等、不都合を生じる場合がある。
【0004】
デッドタイムTdよる電流の切れ目の発生を防ぐものとして、例えば、特公平6−101388公報に記載されるものが知られている。
上記公報に記載されるものは、ランプと直列に設けたインダクタンスを設け、この直列回路と並列にコンデンサを設けてLC共振回路を形成し、矩形波のデッドタイム期間に、上記インダクタンスとコンデンサとで直列共振を発生させ、振動電流をランプに流すことにより電流の流れない期間をなくすようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記公報に記載される方法では、例えばC3=0.1μFのような大きなコンデンサがフルブリッジ回路の後段に接続されることになる。このため、フルブリッジ回路2のスイッチング素子Q2〜Q5の矩形波出力を急峻にすることが困難であり、高圧放電ランプの放射光が、瞬間的に暗くなるという好ましくない現象を生ずる。投射型のプロジェクター装置の光源に適用するには、このような明るさの低下は致命的な問題となる。またL2にも1mHという大きなものを用いる必要があり、点灯電源の小型化・軽量化が困難である。
さらに、C3,L2を上記のような値とした場合、高圧放電ランプに流す振動電流は周波数約16kHz、周期約63μsecとなり、これによる波形の振動やオーバーシュート、アンダーシュートが生じやすくなる。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、本発明の目的は、デッドタイム期間を設けてスイッチング素子を駆動するフルブリッジ型インバータ回路を用いた高圧放電ランプ点灯装置において、デッドタイム時の立ち消えを防止し、また、インダクタンスL,コンデンサC等の影響によるインバータ回路の出力矩形波の立ち上がり、立ち下がり時間の遅れを短縮し、放射光が瞬間的に暗くなるという現象が生ずるのを防止することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を本発明においては、以下のように解決する。
(1)4個のスイッチング素子がブリッジ型に接続され、全てのスイッチング素子をオフとするデッドタイムを設けながら交流電流を高圧放電ランプに給電するインバータ回路を有する給電装置を備えた高圧放電ランプ点灯装置において、インバータ回路の前段に、上記デッドタイムのときに前記高圧放電ランプに対して電流を供給するループを形成するためのコンデンサを設けるとともに、上記インバータ回路の後段に、高圧放電ランプと直列に接続され、上記コンデンサとともに上記ループを形成するインダクタンス要素とを設ける。
そして、前記インダクタンス要素のインダクタンスLの値LL を、該インダクタンスに蓄えられるエネルギーにより、上記デッドタイムの間に上記高圧放電ランプに電流を流し続けることができる値以上とする。
すなわち、上記インダクタンスLの値LL を、放電ランプの点灯電圧をVL 、放電ランプに流れる電流をIL 、上記デッドタイムをTd(秒)としたとき、LL ≧VL /IL ・Tdになるようにする。
(2)上記(1)において、インダクタンス要素の少なくとも一部を、イグナイタトランスで形成する。
本発明は上記構成としたので、上記インダクタンス要素に蓄えられたエネルギーによりデッドタイムの間にも高圧放電ランプに電流を流すことができ、交流矩形波のデッドタイムにより生ずる立ち消えを防止することができる。また、上記インダクタンス要素の値LL を大きな値とする必要はないので、交流矩形波の立ち上がり、立ち下がりを急峻にすることができ、高圧放電ランプが瞬間的に暗くなるといった問題を改善することができ、さらには点灯電源の小型、軽量化もはかれる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の第1の実施例の高圧放電ランプ点灯装置の構成を示す図である。
同図に示すように、本実施例の回路は、直流電圧が供給される降圧チョッパ回路1と、降圧チョッパ回路1の出力側に接続され、直流電圧を交流矩形波電圧に変換し高圧放電ランプ3(以下放電ランプ3という)に供給するフルブリッジ型インバータ回路2(以下ではフルブリッジ回路2という)と、放電ランプ3に直列接続されたインダクタンスL2から構成される。
なお、前記したように、ランプの始動時に高圧パルスを放電ランプ3に印加するためイグナイタ装置が上記放電ランプ3に直列に接続されるが、同図では省略されている。
上記放電ランプ3は、前記したように投射型のプロジェクター装置等の光源として使用される例えばショートアーク型超高圧放電ランプであり、例えば以下の放電ランプを使用することができる。
・発光管の内容積:100mm3
・電極間距離:1.0mm
・水銀封入量:0.25mg/mm3
・希ガス:アルゴンを100Torr封入
また、上記放電ランプの点灯条件は以下の通りである。
・ランプ電力:80〜400Wの範囲であって、例えば200W
・ランプ電流:0.6〜7.0Aの範囲であって、例えば2.8A
・ランプ電圧:60〜130Vの範囲であって、例えば70V
【0008】
降圧チョッパ回路1は、スイッチング素子Q1と、ダイオードD1とインダクタンスL1と平滑コンデンサC1から構成され、図示しない制御回路により上記スイッチング素子Q1のオン/オフ比が制御され、フルブリッジ回路2を介して放電ランプ3に供給される電流あるいは電力が制御される。
フルブリッジ回路2は、ブリッジ状に接続されたトランジスタやFETからなるスイッチング素子Q2〜Q5と、該スイッチング素子Q2〜Q5に逆並列に接続されたダイオードD2〜D5から構成される。
上記スイッチング素子Q2〜Q5は、図示しない駆動回路により駆動され、放電ランプ3に交流矩形波電流を供給して、放電ランプ3を点灯させる。
すなわち、スイッチング素子Q2、Q5、スイッチング素子Q3、Q4を交互にオンにして、降圧チョッパ回路1→スイッチング素子Q2→放電ランプ3→インダクタンスL1→スイッチング素子Q5→降圧チョッパ回路1、および、降圧チョッパ回路1→スイッチング素子Q4→インダクタンスL1→放電ランプ3→スイッチング素子Q3→降圧チョッパ回路1の経路で放電ランプ3に交流矩形波電流を供給し、放電ランプ3を点灯させる。
上記スイッチング素子Q2〜Q5を駆動するに際し、スイッチング素子Q2〜Q5の同時オンを防止するため、前記したように、交流矩形波の極性切り替わり時に、スイッチング素子Q2〜5を全てオフにする期間(デッドタイムTd)が設けられる。
なお、放電ランプ3に供給される交流矩形波出力の周波数は60〜1000Hzの範囲であり、例えば200Hzである。また、上記デッドタイム期間は、通常0.5μs〜10μsの範囲内であり、交流矩形波出力の周波数が200Hzの場合は、デッドタイムTdは例えば1μs程度に選定される。
【0009】
本実施例においては、上記デッドタイム期間のおける放電ランプ3の立ち消えを防止するため、フルブリッジ回路2の出力側に、放電ランプ3と直列接続されたインダクタンスL2(インダクタンス要素)が設けられる。このインダクタンスL2に蓄えられるエネルギーにより、矩形波の極性切り替わり時のデッドタイム期間に、該インダクタンスL2、ダイオードD2〜D5、降圧チョッパ回路1の平滑コンデンサC1で形成されるループを介して放電ランプ3に電流を流し、放電ランプ3の立ち消えを防ぐ。
すなわち、上記デッドタイム期間に、インダクタンスL2に蓄えているエネルギーにより、電流をインダクタンスL2→放電ランプ3→ダイオードD2→平滑コンデンサC1→ダイオードD5→インダクタンスL2、または、インダクタンスL2→ダイオードD4→平滑コンデンサC1→ダイオードD3→放電ランプ3→インダクタンスL2のループで流すことにより、フルブリッジからの矩形波電流が無い期間にも放電ランプ3に電流を流す。
【0010】
図2に上記デッドタイム期間に放電ランプに流れる電流を模式的に示す。
同図において、Tdはデッドタイム期間であり、この期間にインダクタンスL2に蓄えられたエネルギーにより、前記したループで同図の点線に示すように電流を流す。
上記インダクタンスL2に蓄えられるエネルギーの大きさは、同図の斜線部分の面積以上のエネルギーが必要である。
ここで、上記デッドタイム期間をTd(秒)、上記矩形波電圧の大きさ(放電ランプに印加される電圧:点灯電圧という)をVL (V)、放電ランプ3に流れる電流をIL (A)、インダクタンスL2の大きさをLL (H)とすると、イクダクタンスL2に蓄えられるエネルギーは、1/2×LL ×IL2である。また、ランプ電力をW(=VL ×IL )とすると、上記斜線部分のエネルギーは1/2×W×Tdとなる。
したがって、上記デッドタイム期間に放電ランプ3に電流を流し続けるためには、1/2×L×I2 ≧1/2×W×Tdである必要がある。
上記式は、1/2×LL ×IL2≧1/2×VL ×IL ×Tdと書き換えることができるから、上記インダクタンスL2の値は、以下のような値に選定する必要がある。
LL ≧VL /IL ×Td
【0011】
上記条件を満たすインダクタンスL2を放電ランプ3に直列に接続することにより、デッドタイム期間Tdの間、放電ランプ3に電流を供給することができ、立ち消えを防止することができる。
前記点灯条件の場合、上記インダクタンスL2の値は、20μH〜600pHの範囲の値となり、例えば300pH程度となる。
なお、前記したように、放電ランプ3に直列にイグナイタ装置が接続される場合には、上記インダクタンスL2のインダクタンス値と、上記イグナイタ装置のインダクタンス値の和が上記値になるようにインダクタンスL2の値を選定すればよい。
また、上記インダクタンスL2に蓄えられたエネルギーは、平滑コンデンサC1を介して前記したようなループで流れ、平滑コンデンサC1に充電されるので、平滑コンデンサC1の電圧上昇を抑えるため、平滑コンデンサC1の値は、0.1μF以上とするのが望ましく、好ましくは、0.2μF〜1μFの範囲内とするがよい。
【0012】
本実施例では、上記のように、放電ランプ3に直列にインダクタンスL2を設け、該インダクタンスL2の値をLL ≧VL /IL ×Tdのように選定しているので、デッドタイム期間にも、インダクタンスL2に蓄えられたエネルギーにより放電ランプ3に電流を流し続けることができ、放電ランプ3の立ち消えを防止することができる。
また、インダクタンスL2の値も上記のように20μH〜600pH程度の大きさであり、前記公知例(特公平6−101388公報)のように容量の大きなインダクタンスL、コンデンサCを用いる必要がないので、フルブリッジ回路が出力する交流矩形波の立ち上がり、立ち下がりを急峻にすることができ、前記した放電ランプが瞬間的に暗くなるといった問題が生ずることがない。
【0013】
図3は本発明の第2の実施例を示す図である。
本実施例は、放電ランプ3に直列に接続されるイグナイタ装置のイグナイタトランスのインダクタンスを上記デッドタイム期間に放電ランプ3に電流を流すためのエネルギーを蓄えるインダクタンスとして利用した実施例を示している。
同図において、前記図1に示したものと同一のものには同一の符号が付されており、本実施例においては、前記インダクタンスL2に代えてイグナイタ装置4のイグナイタトランスTrIが放電ランプ3に直列に接続され、また、イグナイタ装置4が発生する高圧パルスをバイパスするためのパスコンCp1が上記放電ランプ3とイグナイタトランスTrIの直列回路に並列に接続されている。
上記イグナイタトランスTrIのインダクタンス値は、前記したようにLL ≧VL /IL ×Tdの条件を満たす値に選定されている。
本実施例の回路の動作は、前記第1の実施例と同様であり、フルブリッジ回路2のスイッチング素子Q2〜Q5を、図示しない駆動回路により駆動し放電ランプ3に交流矩形波電流を供給して、放電ランプ3を点灯させる。
また、デッドタイム期間中は、イグナイタトランスTrIに蓄えているエネルギーにより、電流をイグナイタトランスTrI→放電ランプ3→ダイオードD2→平滑コンデンサC1→ダイオードD5→イグナイタトランスTrI、または、イグナイタトランスTrI→ダイオードD4→平滑コンデンサC1→ダイオードD3→放電ランプ3→イグナイタトランスTrIのループで流し、放電ランプ3に電流を流す。
【0014】
本実施例においても、上記のように、デッドタイム期間にも、イグナイタトランス4aに蓄えられたエネルギーにより放電ランプ3に電流を流し続けることができ、放電ランプ3の立ち消えを防止することができる。
また、イグナイタトランスTrIのインダクタンスの値も前記第1の実施例で説明したように20μH〜〜600pH程度の大きさなので、フルブリッジ回路が出力する交流矩形波の立ち上がり、立ち下がりを急峻にすることができ、前記した放電ランプが瞬間的に暗くなるといった問題が生ずることがない。
なお、上記パスコンCp1は、イグナイタ装置4が発生する高圧パルスをバイパスさせるパスコンとして機能すればよいので、その容量値は、4000pF以下、好ましくは、1000pF〜2000pF程度でよい。
なお、前記公知例(特公平6−101388公報)でも、放電ランプとインダクタンスの直列回路に並列にコンデンサが接続されているが、このコンデンサは、前記したようにインダクタンスとコンデンサとで直列共振を発生させ振動電流をランプに流すためのものであり、上記コンデンサとしては例えば0.1μF程度のコンデンサを用いる必要がある。これに対し、本実施例で用いられる上記パスコンCp1の容量は4000pF以下でよく、上記パスコンCp1を設けても、交流矩形波電圧の立ち上がり、立ち下がりへの影響は少なく、放電ランプ3が瞬間的に暗くなるといった問題が生ずることはない。
【0015】
図4は本発明の第3の実施例を示す図であり、本実施例は、フルブリッジ回路2の出力側にコモンモードチョークL3を設け、イグナイタ装置の高圧パルスにより、フルブリッジ回路などの電子部品の破損を防ぐようにした実施例を示している。
同図において、前記図3に示したものと同一のものには同一の符号が付されており、本実施例は、第2の実施例と同様、イグナイタ装置4のイグナイタトランス4aのインダクタンスを上記デッドタイム期間に放電ランプ3に電流を流すためのエネルギーを蓄えるインダクタンスとして利用したものである。
上記イグナイタトランス4aのインダクタンス値は、前記したようにLL ≧VL /IL ×Tdの条件を満たす値に選定されている。
また、フルブリッジ回路2の出力側には、イグナイタ装置の高圧パルスの通過を阻止するコモンモードチョークL3と、該高圧パルスをバイパスするためのパスコンCp1,Cp2が接続されている。
本実施例の回路の動作は、前記第2の実施例と同様であり、フルブリッジ回路2のスイッチング素子Q2〜Q5を、図示しない駆動回路により駆動し放電ランプ3に交流矩形波電流を供給して、放電ランプ3を点灯させる。
また、デッドタイム期間中は、イグナイタトランスTrIに蓄えているエネルギーにより、電流をイグナイタトランスTrI→放電ランプ3→コモンモードチョークL3→ダイオードD2→平滑コンデンサC1→ダイオードD5→コモンモードチョークL3→イグナイタトランスTrI、または、イグナイタトランスTrI→コモンモードチョークL3→ダイオードD4→平滑コンデンサC1→ダイオードD3→コモンモードチョークL3→放電ランプ3→イグナイタトランスTrIのループで流し、放電ランプ3に電流を流す。
なお、コモンモードチョークL3には逆方向の電流が流れるので、それぞれの電流により生ずる磁束は相互に打ち消しあい、上記ループに流れる電流には影響を与えない。
【0016】
本実施例においても、前記第1、第2の実施例と同様、デッドタイム期間にも、イグナイタトランス4aに蓄えられたエネルギーにより放電ランプ3に電流を流し続けることができ、放電ランプ3の立ち消えを防止することができる。また、フルブリッジ回路が出力する交流矩形波の立ち上がり、立ち下がりを急峻にすることができ、前記した放電ランプが瞬間的に暗くなるといった問題が生ずることがない。
さらに、上記パスコンCp1,Cp2は、前記第3の実施例と同様、比較的小さな容量でいいので、交流矩形波電圧の立ち上がり、立ち下がりへの影響は少なく、放電ランプ3が瞬間的に暗くなるといった問題が生ずることはない。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、フルブリッジ回路の出力側に、インダクタンスを設け、該インダクタンスの値を、LL ≧VL /IL ・Td(放電ランプの点灯電圧をVL 、放電ランプに流れる電流をIL 、上記デッドタイムをTd)としたので、交流矩形波のデッドタイムにより生ずる立ち消えを防止するとともに、交流矩形波の立ち上がり、立ち下がりを急峻にすることができ、放電ランプが瞬間的に暗くなるといった問題を改善することができる。
このため、本発明の高圧放電ランプ点灯装置を投射型プロジェクターの光源に適用すれば、プロジェクターの画像品質を改善することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の高圧放電ランプ点灯装置の構成を示す図である。
【図2】デッドタイム期間に放電ランプに流れる電流を模式的に示す図である。
【図3】本発明の第2の実施例の高圧放電ランプ点灯装置の構成を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施例の高圧放電ランプ点灯装置の構成を示す図である。
【図5】放電ランプ点灯装置の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 降圧チョッパ回路
2 フルブリッジ回路
3 放電ランプ
4 イグナイタ装置
C1 平滑コンデンサ
Cp1,Cp2 パスコン
D1〜D5 ダイオード
L1,L2 インダクタンス
L3 コモンモードチョーク
Q1〜Q5 スイッチング素子
TrI イグナイタトランス
Claims (2)
- 石英ガラスからなる放電容器に一対の電極が対向配置した高圧放電ランプと、この高圧放電ランプに放電電流を供給する給電装置から構成される高圧放電ランプ点灯装置であって、
前記給電装置は、4個のスイッチング素子がブリッジ型に接続されて、全てのスイッチング素子をオフとするデッドタイムを設けながら交流電流を前記高圧放電ランプに給電するインバータ回路と、
このインバータ回路の前段に接続されて、前記デッドタイムのときに前記高圧放電ランプに対して電流を供給するループを形成するためのコンデンサと、
前記インバータ回路の後段であって前記高圧放電ランプと直列に接続されるとともに、前記コンデンサとともに、前記ループを形成するインダクタンス要素とを有し、前記インダクタンス要素のインダクタンスLの値LL (H)を、
放電ランプの点灯電圧をVL (V)、放電ランプに流れる電流をIL (A)、上記デッドタイムをTd(秒)としたとき、LL ≧VL /IL ・Tdになるように定めた
ことを特徴とする高圧放電ランプ点灯装置。 - 前記インダクタンス要素の少なくとも一部は、イグナイタトランスで形成された
ことを特徴とする請求項1の高圧放電ランプ点灯装置。
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