JP2004038246A - 燃料電池発電プラント - Google Patents
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Abstract
【課題】プラント補機を位相制御すると、高調波電流が流れ、インバータの交流出力が歪むのを防止する。
【解決手段】燃料電池本体2の直流出力をインバータ8により交流出力に変換して電源系統15に供給する。この交流出力は、プラント補機Aを駆動する電源としても用いられる。プラント補機Aはプラント補機制御装置7により、トライアック16を位相制御して可変速制御される。位相制御をすることでプラント補機Aには高調波成分を含んだ電流が流れる。プラント補機制御装置7は、インバータ制御回路8bに対して、インバータ8の交流出力の低次高調波成分を打ち消すように制御信号を与える。これにより、電源系統15に良質な交流出力を供給できる。
【選択図】 図3
【解決手段】燃料電池本体2の直流出力をインバータ8により交流出力に変換して電源系統15に供給する。この交流出力は、プラント補機Aを駆動する電源としても用いられる。プラント補機Aはプラント補機制御装置7により、トライアック16を位相制御して可変速制御される。位相制御をすることでプラント補機Aには高調波成分を含んだ電流が流れる。プラント補機制御装置7は、インバータ制御回路8bに対して、インバータ8の交流出力の低次高調波成分を打ち消すように制御信号を与える。これにより、電源系統15に良質な交流出力を供給できる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池を総合的に高い効率で運転することができるようにした燃料電池プラントに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、燃料電池は、水素と酸素との電気化学反応により、燃料が持つ化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する装置であり、これによって高い発電効率を得ることができるものである。この燃料電池を用いた発電装置は、内部に燃焼サイクルを持たないのでSOx、NOxの排出が少なく、環境への影響が少ないといった利点がある。そのため新しい発電装置として現在盛んに開発が進められている。
【0003】
このような燃料電池発電プラントは、燃料電池本体を駆動制御してその発電出力を電源系統側に供給するために、燃料電池本体以外に次のような構成を必要としていて、それらを駆動制御するために制御回路が必要である。
【0004】
燃料電池本体は、燃料極と空気極とを中心として他に冷却板などを主要構成としてなるもので、燃料極には原料ガスである例えば都市ガスが改質器を介して水素ガスが供給され、空気極には空気が空気ブロワにより供給される。都市ガスについても燃料ブロワを設けて供給する構成もある。
【0005】
この場合、燃料電池本体で電気化学反応を起こして発電を行なうときに、電気エネルギー以外に熱エネルギーも発生する。発生する熱エネルギーは、冷却板に流通する冷却水により吸収している。この構成には、循環ポンプや弁装置などの電気的な駆動が必要な構成が含まれている。
【0006】
これらの燃料電池の発電動作に必要な電気機器として、上述したようなブロワやポンプあるいは弁装置などがあるが、これらはプラント補機と呼ばれるもので、プラント補機制御装置により駆動制御されている。そして、これらプラント補機の駆動電源は、燃料電池発電プラントの起動時には電源系統から給電され、燃料電池本体が発電を開始して出力が大きくなると、燃料電池本体側から給電するように構成されている。
【0007】
最近では、このようなプラント補機についても、きめ細かい制御を行うために、可変速制御を行なうものがある。これは、例えば、交流の給電系統にトライアックを設けて、点弧角を制御することで可変速制御を行うものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したようにして、プラント制御補機について、位相制御を行なうことにより可変速制御を行うと、回路構成に起因して、二次(半波整流)や三次などの低次高調波電流成分が発生しやすい。この結果、インバータ単体の性能としては、歪つまり高調波がきわめて少ない交流出力電流とすることができても、系統側からみると、プラント側で使用しているプラント補機の電流を含めると、高調波成分を含みやすいものとなる。特に小容量のプラント補機については、基本波自体の大きさが小さくなるので、相対的に高調波含有比率が大きくなり、例えば、高調波ガイドライン(規制)である総合歪率5%以下、各次調波3%以下をクリアできない可能性がでてくる。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、低コストでかつプラント制御補機が発生する高調波成分を抑制して良質な交流出力を供給することができるようにした燃料電池発電プラントを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の燃料電池発電プラントは、
燃料極と空気極とを備え燃料ガスと空気との電気化学反応によって電気エネルギーを生成する燃料電池本体と、
この燃料電池本体により発電された電力を所定の周波数及び位相の交流電力に変換して電源系統に連系運転を行なうインバータ装置及びその制御を行うインバータ制御回路と、
前記燃料電池本体の発電動作に関連して設けられた燃料電池発電プラント補機及びその制御を行う燃料電池発電プラント補機制御装置とを備え、
前記インバータ制御回路及び前記燃料電池発電プラント補機制御装置を一体に設ける構成としたところに特徴を有する。
【0011】
上記構成によれば、インバータを制御するインバータ制御回路と燃料電池発電プラント補機を制御する補機制御装置とが一体に設けられた構成であるから、これによって、従来の別体の構成のものに比べてコンパクトに構成でき、省スペース化を図ることができる。また、このようにインバータ制御回路と補機制御装置とを一体に設けていることから、両者がそれぞれ制御動作を行なう場合の制御情報の授受を簡単に行なうことができるようになるので、これによって、互いに制御性を高めて効率の良い運転を行なうことができるようになる。
【0012】
請求項2の燃料電池発電プラントは、
燃料極と空気極とを備え燃料ガスと空気との電気化学反応によって電気エネルギーを生成する燃料電池本体と、
この燃料電池本体により発電された電力を所定の周波数及び位相の交流電力に変換して電源系統に連系運転を行なうインバータ装置及びその制御を行うインバータ制御回路と、
前記燃料電池本体の発電動作に関連して設けられた燃料電池発電プラント補機及びその制御を行う燃料電池発電プラント補機制御装置と、
任意の位相及び振幅で低次高調波電流を発生する機能を備えると共に、前記燃料電池発電プラント補機の駆動において位相制御により発生する低次高調波電流と同等振幅で逆位相の低次高調波電流を打ち消す電流指令信号を生成して前記インバータ制御回路に出力する調整手段とを設けたところに特徴を有する。
【0013】
上記構成によれば、燃料電池発電プラント補機を位相制御により運転する場合に発生する高調波成分のうちの大きな成分として占めている低次高調波電流についてこれと同等振幅で逆位相の低次高調波電流をインバータ制御回路によってインバータに発生させることができるので、補機を位相制御する場合でも燃料電池発電プラントの出力を高調波成分の少ない品質の良い電力供給を行なうことができるようになる。
【0014】
請求項3の燃料電池発電プラントは、
燃料極と空気極とを備え燃料ガスと空気との電気化学反応によって電気エネルギーを生成する燃料電池本体と、
この燃料電池本体により発電された電力を所定の周波数及び位相の交流電力に変換して電源系統に連系運転を行なうインバータ装置及びその制御を行うインバータ制御回路と、
このインバータ制御回路に一体に設けられ、前記燃料電池本体の発電動作に関連して設けられた燃料電池発電プラント補機及びその制御を行う燃料電池発電プラント補機制御装置と、
任意の位相及び振幅で低次高調波電流を発生する機能を備えると共に、前記燃料電池発電プラント補機の駆動において位相制御により発生する低次高調波電流と同等振幅で逆位相の低次高調波電流を前記インバータ装置に出力する調整手段とを設けたところに特徴を有する。
【0015】
上記構成を採用することにより、請求項2の発明と同様に、燃料電池発電プラント補機を位相制御により運転する場合に発生する高調波成分のうちの大きな成分として占めている低次高調波電流についてこれと同等振幅で逆位相の低次高調波電流をインバータ制御回路によってインバータに発生させることができるので、補機を位相制御する場合でも燃料電池発電プラントの出力を高調波成分の少ない品質の良い電力供給を行なうことができるようになる。そして、このような制御を行うための構成として、インバータ制御回路と補機制御装置とが一体となった構成としているので、双方の制御情報の授受を短いケーブルを介して迅速且つ確実に行うことができるので、制御性を高めることができるようになる。
【0016】
請求項4の燃料電池発電プラントは、上記請求項2及び3の発明において、
電源系統の電圧信号から零クロス信号を生成する電圧零クロス検出回路と、
この電圧零クロス検出回路により得られる電圧零クロス信号に基づいて前記電源系統とほぼ同一周波数で所定位相の正弦波形を呈する基準信号を発生する基本正弦波発生手段と、
前記基本正弦波発生手段が生成する基準信号と発電電力指令値とに基づいて基本波電流基準信号を生成する基本波電流基準発生手段と、
前記電圧零クロス信号に基づいて二次以上の少なくとも1つの低次高調波基準信号を生成する低次高調波基準信号発生手段と、
前記低次高調波基準信号と低次高調波の振幅、位相指令値とに基づいて低次高調波の電流基準を発生する低次高調波電流基準発生手段と、
前記基本波電流基準信号および低次高調波電流基準信号を加算して実際のインバータ出力電流基準信号を生成するインバータ電流基準発生手段とを設ける構成としたところに特徴を有する。
【0017】
上記構成によれば、電圧零クロス検出回路により検出される電圧零クロス信号に基づいて、基本正弦波発生手段により電源系統と同一周波数で所定位相の正弦波形を有する基準信号を発生させ、基本波電流基準発生手段によりこの基準信号と発電電力指令値に基づいて基本波電流基準信号を生成し、低次高調波基準信号発生手段により二次以上の低次高調波基準信号を生成し、低次好調は電流基準発生手段により低次高調波の電流基準を発生させ、これらを加算したものによりインバータ出力基準信号を生成するので、インバータにより生成される交流出力が、歪の少ない良質なものとして得ることができ、これによって、簡単な構成としながら高調波成分のうちの主たる成分を打ち消すことができるようになる。
【0018】
請求項5の燃料電池発電プラントは、上記請求項4の発明において、
前記低次高調波電流基準発生手段を、燃料電池発電プラント補機制御装置の位相制御指令値を入力とし、所定の関数演算もしくはテーブルを参照することにより低次高調波の振幅及び位相の少なくとも一方を決定して出力するように構成したところに特徴を有する。
【0019】
上記構成によれば、低次高調波電流基準発生手段により、燃料電池発電プラント補機制御装置の位相制御指令値が入力されると、これに応じてあらかじめ記憶されている関数演算をすることによりあるいはテーブルを参照することにより低次高調波の振幅もしくは位相を決定するので、関数の定義あるいはテーブルの精度によって、燃料電池発電プラント補機電流の高調波成分を精度良く打ち消すように制御することができるようになる。
【0020】
請求項6の燃料電池発電プラントは、上記請求項4の発明において、前記低次高調波電流基準発生手段を、発電電力基準値を入力とし、所定の関数演算もしくはテーブルを参照することにより低次高調波の振幅及び位相の少なくとも一方を決定して出力するように構成したところに特徴を有する。この構成によっても、上述と同様の制御を発電電力基準値を入力として同様に行うことができる。
【0021】
請求項7の燃料電池発電プラントは、前記請求項4の発明において、前記低次高調波電流基準発生手段を、あらかじめ位相制御を行う前記燃料電池発電プラント補機の電流波形もしくは少なくとも基本波以外の低次高調波電流パターンを記憶する補機電流パターン記憶手段を設け、前記燃料電池発電プラント補機制御回路の位相制御指令値もしくは発電電力基準値を入力として、低次高調波基準信号として出力するように構成したところに特徴を有する。このような構成によれば、補機電流パターン記憶手段に、補機の電流波形もしくは補機の低次高調波電流パターンを記憶させて上述したような制御を行うので、高調波成分を打ち消した良質な交流出力を電源系統に供給することができるようになる。
【0022】
請求項8の燃料電池発電プラントは、上記請求項5ないし7の発明において、前記低次高調波電流基準発生手段を、前記連系している電源系統の電圧に基づいて前記低次高調波の出力電流基準の振幅,位相の少なくとも一方を補正するように構成したところに特徴を有する。この構成によれば、電源系統の電圧を考慮して低次高調波の出力電流基準の振幅あるいは位相を補正するので、より精度の高い良質な交流出力を供給することができるようになる。
【0023】
請求項9の燃料電池発電プラントは、上記請求項1の発明において、
前記燃料電池発電プラント補機の電流を検出する電流検出器と、
この電流検出器により検出された補機電流を反転することにより生成した電流指令信号を前記インバータ制御回路に出力する反転手段とを設ける構成としたところに特徴を有する。
【0024】
上記構成によれば、電流検出器により検出される燃料電池発電プラント補機の電流を反転手段により反転させてインバータ制御回路に制御信号として与えるので、補機に流れる電流の高調波成分を打ち消すようにインバータが交流出力を生成することになり、これにより、良質な交流出力を電源系統側に供給することができるようになる。また、このような構成を一体に有する構成であるから、補機とインバータとの間の相互のケーブルや中継手段などを設けることなく、簡単且つ確実に行えるようになる。
【0025】
請求項10の燃料電池発電プラントは、前記請求項9の発明において、前記補機電流検出器から出力される補機電流に基づいてその実効値もしくは基本波振幅を演算し基本波正弦波振幅値に補正演算する補機電流検出手段を設けたところに特徴を有する。この構成によれば、上述の制御に加えてさらにきめ細かな制御を行うことができるようになる。
【0026】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1ないし図4を参照して説明する。図1は、本発明の燃料電池発電プラント1の概略的な配置構成を示している。図では、筐体1a内に設ける配管系統や断熱材などを省略して示している。筐体1a内には、燃料電池本体2を中心として、これに付随して設けられる改質器3や複数のポンプ4(給水ポンプ4a,第1の循環ポンプ4b,第2の循環ポンプ4c)、空気ブロワ5および熱交換器6などが配置されると共に、燃料電池本体2を適切な条件で駆動制御するためのプラント補機制御装置7が一体に配設されている。このプラント補機制御装置7は調整手段として機能する。
【0027】
さらに、筐体1a内には、燃料電池本体2により発生される電力を系統に供給するためのインバータ装置8が一体に配設されている。インバータ装置8は、後述するようにインバータ8aとインバータ制御回路8bとから構成されており、燃料電池本体2の直流出力を適切な交流出力として供給するように駆動制御されるようになっている。
【0028】
筐体1aの外部には、燃料電池本体2により発生する熱を回収するための貯湯槽9が配設されており、筐体1a内を循環して加熱された温水を貯留し、冷却水を供給するようになっている。
【0029】
図2は燃料電池発電プラント1の配管系統を中心とした構成を概略的に示している。燃料電池本体2は、図示しない電解質層を挟んで、空気が供給される空気極2aと、燃料ガスが供給される燃料極2bとを有し、これら空気極2aおよび燃料極2bを冷却する冷却板2cが設けられた構成となっている。
【0030】
燃料極2bは、燃料供給用の経路により改質器3を介して原燃料ガスである都市ガスが供給される。改質器3は、都市ガスを水蒸気改質して水素リッチガスを生成し、これを燃料極2bに供給する。都市ガスは、通常供給圧力を利用して改質器3に送られるが、場合によっては場所、時間帯、内部圧力などの変動の影響を抑制するために燃料ブロアを設ける構成として安定した燃料供給を行なうようにすることがある。空気ブロア5は、空気極2aに空気を供給するように設けられている。
【0031】
燃料電池本体2における電気化学反応時には電気エネルギーと熱エネルギーとが生じるので、燃料電池本体2の冷却板2cに対して一次冷却水を循環させることで発熱するのを吸収するようにしている。一次冷却水の循環系は次のように構成される。すなわち、第1の循環ポンプ4bは、その送出力により温度調節弁10および一次冷却水入口ラインL1を介して一次冷却水が冷却板2cを通過するように移動し、燃料電池本体2にて発生した熱を吸収する。
【0032】
熱を吸収して加熱された冷却水は、一次冷却水出口ラインL2を介して水蒸気分離器11へと入り、水蒸気分離器11が水と蒸気に分離する。水蒸気分離器11にて分離された一次冷却水は一次冷却水給水ラインL4からの一次冷却水と合流し、第1の循環ポンプ4bを出た後に分岐する。
【0033】
分岐した一方の一次冷却水は、分岐ラインL3を介して熱交換器12に流入し、後述する二次冷却水との熱交換により冷却された後で温度調節弁10に入る。また、分岐した他方の一次冷却水は、直接、温度調節弁10に流入する。このとき、温度調節弁10では、図示しない制御装置の制御に基づいて温度調節弁10の開度を自動調節して熱交換器12へ送られる一時冷却水の水量を最適に調節している。
【0034】
一次冷却水循環系への給水は、給水タンク(貯湯槽)9から給水ポンプ4aの送出力に基づいて一次冷却水給水ラインL4を介して供給される。さらに、一次冷却水を冷却するための手段として熱交換器12に対して二次冷却水を循環させることにより一次冷却水の熱を吸収する二次冷却水循環系(二次冷却水系)が設けられている。
【0035】
二次冷却水循環系においては、第2の循環ポンプ4cの送出力により二次冷却水が温度調節弁13に流入する。温度調節弁13では、図示しない制御装置の制御に基づいて弁の開度を自動調節して熱交換器12へ供給される二次冷却水量を調節しており、二次冷却水循環系全体の温度調節を行なっている。また、熱交換器12において温度上昇した二次冷却水は、二次冷却水入口ラインL6を介して冷却装置14に入る。
【0036】
冷却装置14は、二次冷却水循環系に設置された装置であり、その二次冷却水の温度が一定温度を超えないように冷却ファン14aによって二次冷却水を冷却するようになっている。冷却装置14から二次冷却水出口ラインL7を介して流出した二次冷却水は、循環ポンプ4c、温度調節弁13を通って熱交換器6に入る。
【0037】
熱交換器6では、改質器3からの排ガスと熱交換し、二次冷却水ラインL5を通過して熱交換器12に再度流入する。なお、熱交換器6では、改質器3からの排ガスを二次冷却水と熱交換することによって凝縮水を得ており、この凝縮水は前記貯湯槽9に戻されるようになっている。
【0038】
上記した燃料電池発電プラントの構成において、燃料ブロア(図示せず)、空気ブロア5、給水ポンプ4a、循環ポンプ4b,4cなどは燃料電池発電プラント1を稼動させるのに必要となる構成であり、これらの装置は本発明でいうところの燃料電池発電プラント補機(以下、プラント補機と称する)Aとして設けられているものである。
【0039】
次に、電気的構成について図3および図4を参照して説明する。まず、全体のブロック構成を示す図3において、燃料電池本体2の直流出力は、インバータ装置8のインバータ8aの直流入力端子側に接続され、インバータ8aの交流出力端子は交流の電源系統15に接続され、交流出力を電源系統15に出力するようになっている。インバータ8aは、例えば4個のIGBTなどのスイッチング素子をフルブリッジ接続してオンオフ制御することで直流入力を交流出力に変換するもので、これらのスイッチング素子のオンオフ信号はインバータ制御回路8bから制御信号が与えられる。
【0040】
インバータ装置8の交流出力端子とプラント補機A(4a〜4c、5など)との間には駆動回路であるトライアック16が接続されている。トライアック16は、プラント補機Aを位相制御するための素子であり、前述のプラント補機制御装置7により駆動制御されるようになっている。これにより、プラント補機Aを可変速制御することで効率の良い運転制御を行うことができるようになる。プラント制御回路7bは、後述するように、トライアック16を駆動制御すると共に、インバータ制御回路8bにも制御信号を送信することでインバータ装置8から良質な交流出力を得るように構成されている。
【0041】
図4はプラント補機制御装置7の機能ブロック構成を示すもので、実際にはマイコンなどの制御回路と動作プログラムが記憶されたROMやRAMなどの記憶素子、あるいは各種のインターフェース回路から構成されたもので、この実施形態においてはソフトウェアにより機能を実現している。この構成を機能的に分離させたハードウェア構成として示したのが図の構成である。
【0042】
プラント制御回路7aは、トライアックゲート駆動回路7bを介してトライアック16に接続されており、可変速指令値信号S1を出力し、トライアック16に位相制御信号S2を与えるように構成されている。また、プラント制御回路7aは、基本波周波数基準回路7cに接続されており、発電電力指令値信号S3を与えるようになっている。基本波周波数基準回路7cは、基本波電流発生信号S4を出力するように構成されている。
【0043】
低次高調波電流基準発生回路7dは、プラント補機Aが位相制御により駆動されたときに発生する高調波電流成分のうちの低次高調波成分(例えば2〜5次程度の低次高調波成分)について高調波電流発生信号S5として発生させる。加算器7eは、基本波周波数基準回路7cおよび低次高調波電流基準発生回路7dの双方から出力される基本波電流発生信号S4および高調波電流発生信号S5を加算し、これをインバータ出力電流基準信号S6としてインバータ制御回路8bに出力する。
【0044】
次に、上記構成の作用について説明する。燃料電池発電プラント1は、電源が投入されると、まず、燃料電池本体2に発電動作を行なわせるために、プラント制御装置7はプラント補機Aである改質器3や複数のポンプ4(給水ポンプ4a,第1の循環ポンプ4b,第2の循環ポンプ4c)、空気ブロワ5および熱交換器6などを動作させる。ここでは、ポンプ4やブロワ5などはプラント制御装置7によりトライアック16を位相制御することで駆動される。
【0045】
このときのプラント補機Aの駆動電源は外部の電源系統15から給電を受ける。そして、プラント補機Aの駆動で燃料電池本体2による発電動作が開始されると、直流電圧の出力が得られるようになる。この直流出力はインバータ8により交流出力に変換されて電源系統15側に出力可能な状態となる。電源系統15に出力される電力は、電源系統15と同期した状態となるように位相関係が調整されている。そして、インバータ装置8の出力がプラント補機Aが消費する電力の合計を超えると、その分が電源系統15に対して供給可能な状態となる。
【0046】
さて、上述のようにしてプラント補機Aが位相制御されている状態では、その動作電流は基本波以外に高調波を含んでいる。燃料電池発電プラント1全体が安定して動作している状態では、プラント補機Aも略安定しており、トライアックの位相制御信号のタイミングも略安定したた状態であることが予想される。したがって、この状態での特定の高調波についてほぼ同一振幅で逆位相の高調波信号を生成してインバータ制御回路8bに入力することで、インバータ8から電源系統15側に出力される特定高調波成分を抑制した良質な電力を供給することができるようになる。
【0047】
このような本実施形態によれば、プラント補機Aを位相制御することで制御性を高めた構成において、そのプラント補機Aに流れる電流の高調波成分についてこれを打ち消すようにインバータ制御回路8aに制御信号を与えるように構成しているので、歪の少ない良質な交流出力を電源系統15側に供給することができるようになる。
【0048】
(第2の実施形態)
図5及び図6は本発明の第2の実施形態を示すもので、以下、第1の実施形態と異なるところはプラント制御装置7に代えてプラント補機制御装置17を設ける構成としたところである。以下、このプラント制御装置17部分の構成を中心として説明する。
【0049】
この実施形態においては、図5に示しているように、電源系統15の電圧信号S7(図6(a)の波形参照)を入力して零クロス点を検出する電圧零クロス検出回路18を設けると共に、その零クロス検出信号S8(図6(b)の波形参照)を基本波正弦波発生手段17aおよび低次高調波基準信号発生手段17bに与える構成としている。
【0050】
基本波正弦波発生手段17aは、電圧零クロス検出回路18から与えられる零クロス検出信号S8のタイミングに対応させて、電源系統15とほぼ同一周波数で所定位相の正弦波状の基準信号を基本波正弦波信号S9(図6(c)の波形参照)として発生するものである。前述の基本波周波数基準回路7cにおいては、この基本波正弦波信号S9とプラント制御回路7aから与えられる発電電力指令値S3を入力して基本波電流基準信号S4(図6(d)の波形参照)を生成する。
【0051】
また、低次高調波基準信号発生手段17bは、電圧零クロス検出回路18からの零クロス検出信号S8に基づいて、プラント補機Aの位相制御で発生する補機電流のうちの2次あるいは3次などの低次の高調波信号のうちの少なくともひとつについて低次高調波基準信号S10(図6(e)の波形参照、ここでは3次の高調波について示している)として生成するもので、低次高調波電流基準発生回路7dに与える。
【0052】
低次高調波電流基準発生回路7dは、この低次高調波基準信号S10と、これに対応してあらかじめ決定された低次高調波の振幅Anおよび位相指令値φnを入力して1つ以上の低次高調波の出力電流基準信号S5(図6(f)の波形参照)を発生する。
【0053】
これにより、加算器7eにて、前述したように基本波周波数基準回路7cおよび低次高調波電流基準発生回路7dの双方から出力される基本波電流発生信号S4および出力電流基準信号S5を加算し、これをインバータ出力電流基準信号S6(図6(g)の波形参照)としてインバータ制御回路8bに出力する。
【0054】
インバータ制御回路8bにおいては、プラント制御装置7から与えられるインバータ出力電流基準信号S6が、図6(g)に示すように歪を有する指令値となっていることから、インバータ8aに対して歪を有する交流出力を生成させるように制御する。
【0055】
この結果、インバータ8aの交流出力点側にはプラント補機Aの高調波電流成分を含んだ交流出力が発生する。この交流出力点はプラント補機Aの給電点であるから、歪を有する交流出力からプラント補機Aに電流を供給することで電源系統15側には歪が除去された良質な波形の正弦波出力を得ることができるようになる。
【0056】
上記構成によれば、プラント補機Aを位相制御したときに流れる電流に対応してこれを打ち消すようにインバータ制御回路8bに与えるインバータ出力電流基準信号S6を生成するようにしたので、良質な交流出力を電源系統15側に供給することができるようになる。
【0057】
そして、インバータ出力電流基準信号S6として、電圧零クロス検出回路18により電源系統15の電圧信号の零クロス信号を検出し、これに基づいて、基本波正弦波発生手段17aおよび低次高調波基準信号発生手段17bによりプラント補機Aの位相制御を行う場合に流れる電流の基準信号を生成して合成するようにしたので、簡単且つ精度良くプラント補機Aの電流を打ち消すことができるようになる。
【0058】
(第3の実施形態)
図7は本発明の第3の実施形態を示すもので、第2の実施形態と異なるところは、プラント補機制御装置17に、高調波演算手段17cを設ける構成としたところである。高調波演算手段17cは、トライアックゲート駆動回路7bの出力である位相制御信号S2を入力信号とし、この信号に基づいて所定の関数演算f(S2)あるいはあらかじめ記憶されているテーブルTBL1を参照し、特定の低次高調波の振幅An、位相φnのうちの一方もしくは両方を決定して低次高調波電流基準発生回路7dに出力するように構成されている。
【0059】
プラント補機Aをトライアック16により位相制御する場合に、その位相が決まると、各プラント補機Aにおける補機電流は相関関係があるので、その高調波電流成分の値についてもあらかじめ位相に対応した関係を関数f(S2)あるいはテーブルデータTBL1として持つことができる。高調波演算手段17cはこれに基づいて振幅Anあるいは位相φnを演算するように構成されたものである。
【0060】
これによって、トライアック16を駆動するための位相が決まると、そのときプラント補機Aに流れる電流の高調波成分を打ち消すようにインバータ制御回路8bに制御信号を与えることができるようにしたものである。この結果、良質な交流出力を電源系統15側に供給することができるようになる。
【0061】
(第4の実施形態)
図8は本発明の第4の実施形態を示すもので、第3の実施形態と異なるところは、高調波演算手段17cに代えて、高調波演算手段17dを設ける構成としたところである。この構成においては、高調波演算手段17dは、プラント制御回路7aが基本波周波数基準回路7cに与える発電電力基準値S3が入力され、これに基づいて特定の低次高調波の振幅An、位相φnを演算するものである。演算は、前述同様にして設定された関数f(S3)、あるいはあらかじめ記憶されたテーブルデータTBL2をもとにして行なうように構成されている。したがって、このような第4の実施形態においても前述同様の作用効果を得ることができる。
【0062】
(第5の実施形態)
図9は本発明の第5の実施形態を示すもので、第2の実施形態と異なるところは、低次高調波基準信号発生手段17bに代えて補機電流パターン記憶手段17eを設ける構成としたところである。補機電流パターン記憶手段17eは、プラント補機Aの位相制御信号S2もしくは発電電力基準値S3のいずれかを入力信号とし、これらと相関関係がある補機電流の電流パターンをそのままデータとして記憶しておくことで、対応する補機電流パターンを低次高調波電流基準発生回路7dに出力するように構成されている。
【0063】
また、このように直接補機電流のパターンを記憶することから、高調波成分を合成する必要がなくなり、低次高調波基準信号発生手段17bは不要となり、電圧零クロス検出回路18の零クロス検出信号S8は、直接低次高調波電流基準発生回路7dに入力される。
【0064】
上記構成とすることにより、プラント補機A毎に異なる電流パターンを直接補機電流パターン記憶手段17eに記憶することで、高い精度で電源系統15側に供給する交流出力成分について高調波成分を除去した良質な交流出力を得ることができるようになる。
【0065】
(第6の実施形態)
図10は本発明の第6の実施形態を示すもので、第3の実施形態と異なるところは、低次高調波電流基準発生回路7dにおいて、前述した電源系統15の電圧信号S7を入力し、この電圧信号S7のレベルに応じて高調波演算手段17cから入力される低次高調波の振幅Anおよび位相指令値φnの値について補正を行なうようにした構成である。
【0066】
これは、第3の実施形態における構成が、電源系統15の電圧信号S7のレベルが変動しないか、ほとんど影響のない程度の変動を想定していたのに対して、電圧信号S7のレベルが変動することを想定した構成としたものである。すなわち、第3の実施形態においては、プラント補機Aの電流を予測してインバータ制御回路8bに与える信号S6は、電源系統15と同じ電圧レベルで使用したことを前提としてあらかじめ設定されたものであるから、電源系統15の電圧信号S7のレベルが変動したときには、不正確になる場合がある。このような場合に正確な制御をすることができるようにしたものである。
【0067】
したがって、第6の実施形態によれば、第3の実施形態における作用効果に加えて、電源系統15の変動が無視できない場合に、これに追随してインバータ8の交流出力をより良質なものとして供給することができるようになる。
【0068】
(第7の実施形態)
図11は本発明の第7の実施形態を示すもので、第1の実施形態と異なるところは、インバータ制御回路8bに与えるインバータ出力電流基準信号S6をプラント補機制御装置7において合成することで生成することに代えて、プラント補機Aの電流を検出する電流検出器19および反転手段としての電流位相反転回路20を設ける構成としたところである。
【0069】
電流検出器19は、プラント補機Aの通電経路に設けられる変流器19aからの検出信号に基づいて補機電流を検出するものである。また、電流位相反転回路20は、電流検出器19の検出信号の位相を反転させてインバータ制御回路8bに出力する。
【0070】
これにより、プラント補機Aに実際に流れる電流に対して、インバータ8に、プラント補機Aの電流を打ち消すように作用する交流出力を生成させるようにしたインバータ出力電流基準信号S6を得ることができる。
【0071】
(第8の実施形態)
図12は本発明の第8の実施形態を示すもので、第7の実施形態と異なるところは、補機電流値検出回路21を設ける構成としたところである。この構成においては、位相制御を行うプラント補機Aの電流の実効値もしくは基本波振幅を演算する補機電流検出回路21を設けることで、補機電流値により、発電電力指令値より得られる基本波正弦波振幅値に補正演算するようになっている。
【0072】
上記構成を採用することにより、補機電流について発電電力指令値に対応した制御を行うことができるので、プラント補機Aの電流を打ち消すようにした交流出力をインバータ8においてより精度良く生成することができ、これによって、良質な交流出力を電源系統15側に供給することができるようになる。
【0073】
本発明は、上記実施例にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張できる。
上記各実施形態においては、燃料ガスとして都市ガスを用いる場合について説明したが、これに限らず、例えば、LPG,メタノール,ナフサ,軽質油など、改質器により水素ガスを生成することができるものであれば良い。
【0074】
本実施形態においては、プラント補機制御回路7bとして、マイコンを主体としてソフトウェアにより実現するようにした構成について説明したが、実際にハードウェア的に回路構成を構築して同様の機能を達成する構成とすることもできる。
【0075】
【発明の効果】
本発明は以上の説明から明らかなように、本発明の燃料電池発電プラントは、インバータを制御するインバータ制御回路と燃料電池発電プラント補機を制御する補機制御装置とを一体に設ける構成とすることで、従来の別体の構成のものに比べてコンパクトに構成でき、省スペース化を図ることができ、また、このようにインバータ制御回路と補機制御装置とを一体に設けていることから、両者がそれぞれ制御動作を行なう場合の制御情報の授受を簡単に行なうことができるようになるので、これによって、互いに制御性を高めて効率の良い運転を行なうことができるようになる。
【0076】
また、本発明の燃料電池発電プラントは、燃料電池発電プラント補機を位相制御により運転する場合に発生する高調波成分のうちの大きな成分として占めている低次高調波電流についてこれと同等振幅で逆位相の低次高調波電流をインバータ制御回路によってインバータに発生させることができるので、補機を位相制御する場合でも燃料電池発電プラントの出力を高調波成分の少ない品質の良い電力供給を行なうことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す全体の概略的構成図
【図2】燃料電池発電プラントの配管系統を模式的に示す図
【図3】電気的なブロック構成図
【図4】プラント制御装置の機能ブロック図
【図5】本発明の第2の実施形態を示す図4相当図
【図6】各部の信号波形図
【図7】本発明の第3の実施形態を示す図4相当図
【図8】本発明の第4の実施形態を示す図4相当図
【図9】本発明の第5の実施形態を示す図4相当図
【図10】本発明の第6の実施形態を示す図4相当図
【図11】本発明の第7の実施形態を示す図3相当図
【図12】本発明の第8の実施形態を示す図3相当図
【符号の説明】
1は燃料電池発電プラント、1aは筐体、2は燃料電池本体、2aは空気極、2bは燃料極、2cは冷却板、3は改質器、4はポンプ、4aは給水ポンプ、4bは第1の循環ポンプ、4cは第2の循環ポンプ、5は空気ブロワ、6は熱交換器、7はプラント補機制御装置(調整手段)、7aはプラント制御回路、7bはトライアックゲート駆動回路、7cは基本波周波数基準回路、7dは低次高調波電流基準発生回路、7eは加算器、8はインバータ装置、8aはインバータ、8bはインバータ制御回路、9は貯湯槽、10,13は温度調節弁、11は水蒸気分離器、12は熱交換器、14は冷却装置、15は電源系統、16はトライアック、17aは基本波正弦波発生手段、17bは低次高調波基準信号発生手段、17c,17dは高調波演算手段、17eは補機電流パターン記憶手段、18は電圧零クロス検出回路、19は電流検出器、19aは変流器、20は電流位相反転回路、21は補機電流値検出回路である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池を総合的に高い効率で運転することができるようにした燃料電池プラントに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、燃料電池は、水素と酸素との電気化学反応により、燃料が持つ化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する装置であり、これによって高い発電効率を得ることができるものである。この燃料電池を用いた発電装置は、内部に燃焼サイクルを持たないのでSOx、NOxの排出が少なく、環境への影響が少ないといった利点がある。そのため新しい発電装置として現在盛んに開発が進められている。
【0003】
このような燃料電池発電プラントは、燃料電池本体を駆動制御してその発電出力を電源系統側に供給するために、燃料電池本体以外に次のような構成を必要としていて、それらを駆動制御するために制御回路が必要である。
【0004】
燃料電池本体は、燃料極と空気極とを中心として他に冷却板などを主要構成としてなるもので、燃料極には原料ガスである例えば都市ガスが改質器を介して水素ガスが供給され、空気極には空気が空気ブロワにより供給される。都市ガスについても燃料ブロワを設けて供給する構成もある。
【0005】
この場合、燃料電池本体で電気化学反応を起こして発電を行なうときに、電気エネルギー以外に熱エネルギーも発生する。発生する熱エネルギーは、冷却板に流通する冷却水により吸収している。この構成には、循環ポンプや弁装置などの電気的な駆動が必要な構成が含まれている。
【0006】
これらの燃料電池の発電動作に必要な電気機器として、上述したようなブロワやポンプあるいは弁装置などがあるが、これらはプラント補機と呼ばれるもので、プラント補機制御装置により駆動制御されている。そして、これらプラント補機の駆動電源は、燃料電池発電プラントの起動時には電源系統から給電され、燃料電池本体が発電を開始して出力が大きくなると、燃料電池本体側から給電するように構成されている。
【0007】
最近では、このようなプラント補機についても、きめ細かい制御を行うために、可変速制御を行なうものがある。これは、例えば、交流の給電系統にトライアックを設けて、点弧角を制御することで可変速制御を行うものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したようにして、プラント制御補機について、位相制御を行なうことにより可変速制御を行うと、回路構成に起因して、二次(半波整流)や三次などの低次高調波電流成分が発生しやすい。この結果、インバータ単体の性能としては、歪つまり高調波がきわめて少ない交流出力電流とすることができても、系統側からみると、プラント側で使用しているプラント補機の電流を含めると、高調波成分を含みやすいものとなる。特に小容量のプラント補機については、基本波自体の大きさが小さくなるので、相対的に高調波含有比率が大きくなり、例えば、高調波ガイドライン(規制)である総合歪率5%以下、各次調波3%以下をクリアできない可能性がでてくる。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、低コストでかつプラント制御補機が発生する高調波成分を抑制して良質な交流出力を供給することができるようにした燃料電池発電プラントを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の燃料電池発電プラントは、
燃料極と空気極とを備え燃料ガスと空気との電気化学反応によって電気エネルギーを生成する燃料電池本体と、
この燃料電池本体により発電された電力を所定の周波数及び位相の交流電力に変換して電源系統に連系運転を行なうインバータ装置及びその制御を行うインバータ制御回路と、
前記燃料電池本体の発電動作に関連して設けられた燃料電池発電プラント補機及びその制御を行う燃料電池発電プラント補機制御装置とを備え、
前記インバータ制御回路及び前記燃料電池発電プラント補機制御装置を一体に設ける構成としたところに特徴を有する。
【0011】
上記構成によれば、インバータを制御するインバータ制御回路と燃料電池発電プラント補機を制御する補機制御装置とが一体に設けられた構成であるから、これによって、従来の別体の構成のものに比べてコンパクトに構成でき、省スペース化を図ることができる。また、このようにインバータ制御回路と補機制御装置とを一体に設けていることから、両者がそれぞれ制御動作を行なう場合の制御情報の授受を簡単に行なうことができるようになるので、これによって、互いに制御性を高めて効率の良い運転を行なうことができるようになる。
【0012】
請求項2の燃料電池発電プラントは、
燃料極と空気極とを備え燃料ガスと空気との電気化学反応によって電気エネルギーを生成する燃料電池本体と、
この燃料電池本体により発電された電力を所定の周波数及び位相の交流電力に変換して電源系統に連系運転を行なうインバータ装置及びその制御を行うインバータ制御回路と、
前記燃料電池本体の発電動作に関連して設けられた燃料電池発電プラント補機及びその制御を行う燃料電池発電プラント補機制御装置と、
任意の位相及び振幅で低次高調波電流を発生する機能を備えると共に、前記燃料電池発電プラント補機の駆動において位相制御により発生する低次高調波電流と同等振幅で逆位相の低次高調波電流を打ち消す電流指令信号を生成して前記インバータ制御回路に出力する調整手段とを設けたところに特徴を有する。
【0013】
上記構成によれば、燃料電池発電プラント補機を位相制御により運転する場合に発生する高調波成分のうちの大きな成分として占めている低次高調波電流についてこれと同等振幅で逆位相の低次高調波電流をインバータ制御回路によってインバータに発生させることができるので、補機を位相制御する場合でも燃料電池発電プラントの出力を高調波成分の少ない品質の良い電力供給を行なうことができるようになる。
【0014】
請求項3の燃料電池発電プラントは、
燃料極と空気極とを備え燃料ガスと空気との電気化学反応によって電気エネルギーを生成する燃料電池本体と、
この燃料電池本体により発電された電力を所定の周波数及び位相の交流電力に変換して電源系統に連系運転を行なうインバータ装置及びその制御を行うインバータ制御回路と、
このインバータ制御回路に一体に設けられ、前記燃料電池本体の発電動作に関連して設けられた燃料電池発電プラント補機及びその制御を行う燃料電池発電プラント補機制御装置と、
任意の位相及び振幅で低次高調波電流を発生する機能を備えると共に、前記燃料電池発電プラント補機の駆動において位相制御により発生する低次高調波電流と同等振幅で逆位相の低次高調波電流を前記インバータ装置に出力する調整手段とを設けたところに特徴を有する。
【0015】
上記構成を採用することにより、請求項2の発明と同様に、燃料電池発電プラント補機を位相制御により運転する場合に発生する高調波成分のうちの大きな成分として占めている低次高調波電流についてこれと同等振幅で逆位相の低次高調波電流をインバータ制御回路によってインバータに発生させることができるので、補機を位相制御する場合でも燃料電池発電プラントの出力を高調波成分の少ない品質の良い電力供給を行なうことができるようになる。そして、このような制御を行うための構成として、インバータ制御回路と補機制御装置とが一体となった構成としているので、双方の制御情報の授受を短いケーブルを介して迅速且つ確実に行うことができるので、制御性を高めることができるようになる。
【0016】
請求項4の燃料電池発電プラントは、上記請求項2及び3の発明において、
電源系統の電圧信号から零クロス信号を生成する電圧零クロス検出回路と、
この電圧零クロス検出回路により得られる電圧零クロス信号に基づいて前記電源系統とほぼ同一周波数で所定位相の正弦波形を呈する基準信号を発生する基本正弦波発生手段と、
前記基本正弦波発生手段が生成する基準信号と発電電力指令値とに基づいて基本波電流基準信号を生成する基本波電流基準発生手段と、
前記電圧零クロス信号に基づいて二次以上の少なくとも1つの低次高調波基準信号を生成する低次高調波基準信号発生手段と、
前記低次高調波基準信号と低次高調波の振幅、位相指令値とに基づいて低次高調波の電流基準を発生する低次高調波電流基準発生手段と、
前記基本波電流基準信号および低次高調波電流基準信号を加算して実際のインバータ出力電流基準信号を生成するインバータ電流基準発生手段とを設ける構成としたところに特徴を有する。
【0017】
上記構成によれば、電圧零クロス検出回路により検出される電圧零クロス信号に基づいて、基本正弦波発生手段により電源系統と同一周波数で所定位相の正弦波形を有する基準信号を発生させ、基本波電流基準発生手段によりこの基準信号と発電電力指令値に基づいて基本波電流基準信号を生成し、低次高調波基準信号発生手段により二次以上の低次高調波基準信号を生成し、低次好調は電流基準発生手段により低次高調波の電流基準を発生させ、これらを加算したものによりインバータ出力基準信号を生成するので、インバータにより生成される交流出力が、歪の少ない良質なものとして得ることができ、これによって、簡単な構成としながら高調波成分のうちの主たる成分を打ち消すことができるようになる。
【0018】
請求項5の燃料電池発電プラントは、上記請求項4の発明において、
前記低次高調波電流基準発生手段を、燃料電池発電プラント補機制御装置の位相制御指令値を入力とし、所定の関数演算もしくはテーブルを参照することにより低次高調波の振幅及び位相の少なくとも一方を決定して出力するように構成したところに特徴を有する。
【0019】
上記構成によれば、低次高調波電流基準発生手段により、燃料電池発電プラント補機制御装置の位相制御指令値が入力されると、これに応じてあらかじめ記憶されている関数演算をすることによりあるいはテーブルを参照することにより低次高調波の振幅もしくは位相を決定するので、関数の定義あるいはテーブルの精度によって、燃料電池発電プラント補機電流の高調波成分を精度良く打ち消すように制御することができるようになる。
【0020】
請求項6の燃料電池発電プラントは、上記請求項4の発明において、前記低次高調波電流基準発生手段を、発電電力基準値を入力とし、所定の関数演算もしくはテーブルを参照することにより低次高調波の振幅及び位相の少なくとも一方を決定して出力するように構成したところに特徴を有する。この構成によっても、上述と同様の制御を発電電力基準値を入力として同様に行うことができる。
【0021】
請求項7の燃料電池発電プラントは、前記請求項4の発明において、前記低次高調波電流基準発生手段を、あらかじめ位相制御を行う前記燃料電池発電プラント補機の電流波形もしくは少なくとも基本波以外の低次高調波電流パターンを記憶する補機電流パターン記憶手段を設け、前記燃料電池発電プラント補機制御回路の位相制御指令値もしくは発電電力基準値を入力として、低次高調波基準信号として出力するように構成したところに特徴を有する。このような構成によれば、補機電流パターン記憶手段に、補機の電流波形もしくは補機の低次高調波電流パターンを記憶させて上述したような制御を行うので、高調波成分を打ち消した良質な交流出力を電源系統に供給することができるようになる。
【0022】
請求項8の燃料電池発電プラントは、上記請求項5ないし7の発明において、前記低次高調波電流基準発生手段を、前記連系している電源系統の電圧に基づいて前記低次高調波の出力電流基準の振幅,位相の少なくとも一方を補正するように構成したところに特徴を有する。この構成によれば、電源系統の電圧を考慮して低次高調波の出力電流基準の振幅あるいは位相を補正するので、より精度の高い良質な交流出力を供給することができるようになる。
【0023】
請求項9の燃料電池発電プラントは、上記請求項1の発明において、
前記燃料電池発電プラント補機の電流を検出する電流検出器と、
この電流検出器により検出された補機電流を反転することにより生成した電流指令信号を前記インバータ制御回路に出力する反転手段とを設ける構成としたところに特徴を有する。
【0024】
上記構成によれば、電流検出器により検出される燃料電池発電プラント補機の電流を反転手段により反転させてインバータ制御回路に制御信号として与えるので、補機に流れる電流の高調波成分を打ち消すようにインバータが交流出力を生成することになり、これにより、良質な交流出力を電源系統側に供給することができるようになる。また、このような構成を一体に有する構成であるから、補機とインバータとの間の相互のケーブルや中継手段などを設けることなく、簡単且つ確実に行えるようになる。
【0025】
請求項10の燃料電池発電プラントは、前記請求項9の発明において、前記補機電流検出器から出力される補機電流に基づいてその実効値もしくは基本波振幅を演算し基本波正弦波振幅値に補正演算する補機電流検出手段を設けたところに特徴を有する。この構成によれば、上述の制御に加えてさらにきめ細かな制御を行うことができるようになる。
【0026】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1ないし図4を参照して説明する。図1は、本発明の燃料電池発電プラント1の概略的な配置構成を示している。図では、筐体1a内に設ける配管系統や断熱材などを省略して示している。筐体1a内には、燃料電池本体2を中心として、これに付随して設けられる改質器3や複数のポンプ4(給水ポンプ4a,第1の循環ポンプ4b,第2の循環ポンプ4c)、空気ブロワ5および熱交換器6などが配置されると共に、燃料電池本体2を適切な条件で駆動制御するためのプラント補機制御装置7が一体に配設されている。このプラント補機制御装置7は調整手段として機能する。
【0027】
さらに、筐体1a内には、燃料電池本体2により発生される電力を系統に供給するためのインバータ装置8が一体に配設されている。インバータ装置8は、後述するようにインバータ8aとインバータ制御回路8bとから構成されており、燃料電池本体2の直流出力を適切な交流出力として供給するように駆動制御されるようになっている。
【0028】
筐体1aの外部には、燃料電池本体2により発生する熱を回収するための貯湯槽9が配設されており、筐体1a内を循環して加熱された温水を貯留し、冷却水を供給するようになっている。
【0029】
図2は燃料電池発電プラント1の配管系統を中心とした構成を概略的に示している。燃料電池本体2は、図示しない電解質層を挟んで、空気が供給される空気極2aと、燃料ガスが供給される燃料極2bとを有し、これら空気極2aおよび燃料極2bを冷却する冷却板2cが設けられた構成となっている。
【0030】
燃料極2bは、燃料供給用の経路により改質器3を介して原燃料ガスである都市ガスが供給される。改質器3は、都市ガスを水蒸気改質して水素リッチガスを生成し、これを燃料極2bに供給する。都市ガスは、通常供給圧力を利用して改質器3に送られるが、場合によっては場所、時間帯、内部圧力などの変動の影響を抑制するために燃料ブロアを設ける構成として安定した燃料供給を行なうようにすることがある。空気ブロア5は、空気極2aに空気を供給するように設けられている。
【0031】
燃料電池本体2における電気化学反応時には電気エネルギーと熱エネルギーとが生じるので、燃料電池本体2の冷却板2cに対して一次冷却水を循環させることで発熱するのを吸収するようにしている。一次冷却水の循環系は次のように構成される。すなわち、第1の循環ポンプ4bは、その送出力により温度調節弁10および一次冷却水入口ラインL1を介して一次冷却水が冷却板2cを通過するように移動し、燃料電池本体2にて発生した熱を吸収する。
【0032】
熱を吸収して加熱された冷却水は、一次冷却水出口ラインL2を介して水蒸気分離器11へと入り、水蒸気分離器11が水と蒸気に分離する。水蒸気分離器11にて分離された一次冷却水は一次冷却水給水ラインL4からの一次冷却水と合流し、第1の循環ポンプ4bを出た後に分岐する。
【0033】
分岐した一方の一次冷却水は、分岐ラインL3を介して熱交換器12に流入し、後述する二次冷却水との熱交換により冷却された後で温度調節弁10に入る。また、分岐した他方の一次冷却水は、直接、温度調節弁10に流入する。このとき、温度調節弁10では、図示しない制御装置の制御に基づいて温度調節弁10の開度を自動調節して熱交換器12へ送られる一時冷却水の水量を最適に調節している。
【0034】
一次冷却水循環系への給水は、給水タンク(貯湯槽)9から給水ポンプ4aの送出力に基づいて一次冷却水給水ラインL4を介して供給される。さらに、一次冷却水を冷却するための手段として熱交換器12に対して二次冷却水を循環させることにより一次冷却水の熱を吸収する二次冷却水循環系(二次冷却水系)が設けられている。
【0035】
二次冷却水循環系においては、第2の循環ポンプ4cの送出力により二次冷却水が温度調節弁13に流入する。温度調節弁13では、図示しない制御装置の制御に基づいて弁の開度を自動調節して熱交換器12へ供給される二次冷却水量を調節しており、二次冷却水循環系全体の温度調節を行なっている。また、熱交換器12において温度上昇した二次冷却水は、二次冷却水入口ラインL6を介して冷却装置14に入る。
【0036】
冷却装置14は、二次冷却水循環系に設置された装置であり、その二次冷却水の温度が一定温度を超えないように冷却ファン14aによって二次冷却水を冷却するようになっている。冷却装置14から二次冷却水出口ラインL7を介して流出した二次冷却水は、循環ポンプ4c、温度調節弁13を通って熱交換器6に入る。
【0037】
熱交換器6では、改質器3からの排ガスと熱交換し、二次冷却水ラインL5を通過して熱交換器12に再度流入する。なお、熱交換器6では、改質器3からの排ガスを二次冷却水と熱交換することによって凝縮水を得ており、この凝縮水は前記貯湯槽9に戻されるようになっている。
【0038】
上記した燃料電池発電プラントの構成において、燃料ブロア(図示せず)、空気ブロア5、給水ポンプ4a、循環ポンプ4b,4cなどは燃料電池発電プラント1を稼動させるのに必要となる構成であり、これらの装置は本発明でいうところの燃料電池発電プラント補機(以下、プラント補機と称する)Aとして設けられているものである。
【0039】
次に、電気的構成について図3および図4を参照して説明する。まず、全体のブロック構成を示す図3において、燃料電池本体2の直流出力は、インバータ装置8のインバータ8aの直流入力端子側に接続され、インバータ8aの交流出力端子は交流の電源系統15に接続され、交流出力を電源系統15に出力するようになっている。インバータ8aは、例えば4個のIGBTなどのスイッチング素子をフルブリッジ接続してオンオフ制御することで直流入力を交流出力に変換するもので、これらのスイッチング素子のオンオフ信号はインバータ制御回路8bから制御信号が与えられる。
【0040】
インバータ装置8の交流出力端子とプラント補機A(4a〜4c、5など)との間には駆動回路であるトライアック16が接続されている。トライアック16は、プラント補機Aを位相制御するための素子であり、前述のプラント補機制御装置7により駆動制御されるようになっている。これにより、プラント補機Aを可変速制御することで効率の良い運転制御を行うことができるようになる。プラント制御回路7bは、後述するように、トライアック16を駆動制御すると共に、インバータ制御回路8bにも制御信号を送信することでインバータ装置8から良質な交流出力を得るように構成されている。
【0041】
図4はプラント補機制御装置7の機能ブロック構成を示すもので、実際にはマイコンなどの制御回路と動作プログラムが記憶されたROMやRAMなどの記憶素子、あるいは各種のインターフェース回路から構成されたもので、この実施形態においてはソフトウェアにより機能を実現している。この構成を機能的に分離させたハードウェア構成として示したのが図の構成である。
【0042】
プラント制御回路7aは、トライアックゲート駆動回路7bを介してトライアック16に接続されており、可変速指令値信号S1を出力し、トライアック16に位相制御信号S2を与えるように構成されている。また、プラント制御回路7aは、基本波周波数基準回路7cに接続されており、発電電力指令値信号S3を与えるようになっている。基本波周波数基準回路7cは、基本波電流発生信号S4を出力するように構成されている。
【0043】
低次高調波電流基準発生回路7dは、プラント補機Aが位相制御により駆動されたときに発生する高調波電流成分のうちの低次高調波成分(例えば2〜5次程度の低次高調波成分)について高調波電流発生信号S5として発生させる。加算器7eは、基本波周波数基準回路7cおよび低次高調波電流基準発生回路7dの双方から出力される基本波電流発生信号S4および高調波電流発生信号S5を加算し、これをインバータ出力電流基準信号S6としてインバータ制御回路8bに出力する。
【0044】
次に、上記構成の作用について説明する。燃料電池発電プラント1は、電源が投入されると、まず、燃料電池本体2に発電動作を行なわせるために、プラント制御装置7はプラント補機Aである改質器3や複数のポンプ4(給水ポンプ4a,第1の循環ポンプ4b,第2の循環ポンプ4c)、空気ブロワ5および熱交換器6などを動作させる。ここでは、ポンプ4やブロワ5などはプラント制御装置7によりトライアック16を位相制御することで駆動される。
【0045】
このときのプラント補機Aの駆動電源は外部の電源系統15から給電を受ける。そして、プラント補機Aの駆動で燃料電池本体2による発電動作が開始されると、直流電圧の出力が得られるようになる。この直流出力はインバータ8により交流出力に変換されて電源系統15側に出力可能な状態となる。電源系統15に出力される電力は、電源系統15と同期した状態となるように位相関係が調整されている。そして、インバータ装置8の出力がプラント補機Aが消費する電力の合計を超えると、その分が電源系統15に対して供給可能な状態となる。
【0046】
さて、上述のようにしてプラント補機Aが位相制御されている状態では、その動作電流は基本波以外に高調波を含んでいる。燃料電池発電プラント1全体が安定して動作している状態では、プラント補機Aも略安定しており、トライアックの位相制御信号のタイミングも略安定したた状態であることが予想される。したがって、この状態での特定の高調波についてほぼ同一振幅で逆位相の高調波信号を生成してインバータ制御回路8bに入力することで、インバータ8から電源系統15側に出力される特定高調波成分を抑制した良質な電力を供給することができるようになる。
【0047】
このような本実施形態によれば、プラント補機Aを位相制御することで制御性を高めた構成において、そのプラント補機Aに流れる電流の高調波成分についてこれを打ち消すようにインバータ制御回路8aに制御信号を与えるように構成しているので、歪の少ない良質な交流出力を電源系統15側に供給することができるようになる。
【0048】
(第2の実施形態)
図5及び図6は本発明の第2の実施形態を示すもので、以下、第1の実施形態と異なるところはプラント制御装置7に代えてプラント補機制御装置17を設ける構成としたところである。以下、このプラント制御装置17部分の構成を中心として説明する。
【0049】
この実施形態においては、図5に示しているように、電源系統15の電圧信号S7(図6(a)の波形参照)を入力して零クロス点を検出する電圧零クロス検出回路18を設けると共に、その零クロス検出信号S8(図6(b)の波形参照)を基本波正弦波発生手段17aおよび低次高調波基準信号発生手段17bに与える構成としている。
【0050】
基本波正弦波発生手段17aは、電圧零クロス検出回路18から与えられる零クロス検出信号S8のタイミングに対応させて、電源系統15とほぼ同一周波数で所定位相の正弦波状の基準信号を基本波正弦波信号S9(図6(c)の波形参照)として発生するものである。前述の基本波周波数基準回路7cにおいては、この基本波正弦波信号S9とプラント制御回路7aから与えられる発電電力指令値S3を入力して基本波電流基準信号S4(図6(d)の波形参照)を生成する。
【0051】
また、低次高調波基準信号発生手段17bは、電圧零クロス検出回路18からの零クロス検出信号S8に基づいて、プラント補機Aの位相制御で発生する補機電流のうちの2次あるいは3次などの低次の高調波信号のうちの少なくともひとつについて低次高調波基準信号S10(図6(e)の波形参照、ここでは3次の高調波について示している)として生成するもので、低次高調波電流基準発生回路7dに与える。
【0052】
低次高調波電流基準発生回路7dは、この低次高調波基準信号S10と、これに対応してあらかじめ決定された低次高調波の振幅Anおよび位相指令値φnを入力して1つ以上の低次高調波の出力電流基準信号S5(図6(f)の波形参照)を発生する。
【0053】
これにより、加算器7eにて、前述したように基本波周波数基準回路7cおよび低次高調波電流基準発生回路7dの双方から出力される基本波電流発生信号S4および出力電流基準信号S5を加算し、これをインバータ出力電流基準信号S6(図6(g)の波形参照)としてインバータ制御回路8bに出力する。
【0054】
インバータ制御回路8bにおいては、プラント制御装置7から与えられるインバータ出力電流基準信号S6が、図6(g)に示すように歪を有する指令値となっていることから、インバータ8aに対して歪を有する交流出力を生成させるように制御する。
【0055】
この結果、インバータ8aの交流出力点側にはプラント補機Aの高調波電流成分を含んだ交流出力が発生する。この交流出力点はプラント補機Aの給電点であるから、歪を有する交流出力からプラント補機Aに電流を供給することで電源系統15側には歪が除去された良質な波形の正弦波出力を得ることができるようになる。
【0056】
上記構成によれば、プラント補機Aを位相制御したときに流れる電流に対応してこれを打ち消すようにインバータ制御回路8bに与えるインバータ出力電流基準信号S6を生成するようにしたので、良質な交流出力を電源系統15側に供給することができるようになる。
【0057】
そして、インバータ出力電流基準信号S6として、電圧零クロス検出回路18により電源系統15の電圧信号の零クロス信号を検出し、これに基づいて、基本波正弦波発生手段17aおよび低次高調波基準信号発生手段17bによりプラント補機Aの位相制御を行う場合に流れる電流の基準信号を生成して合成するようにしたので、簡単且つ精度良くプラント補機Aの電流を打ち消すことができるようになる。
【0058】
(第3の実施形態)
図7は本発明の第3の実施形態を示すもので、第2の実施形態と異なるところは、プラント補機制御装置17に、高調波演算手段17cを設ける構成としたところである。高調波演算手段17cは、トライアックゲート駆動回路7bの出力である位相制御信号S2を入力信号とし、この信号に基づいて所定の関数演算f(S2)あるいはあらかじめ記憶されているテーブルTBL1を参照し、特定の低次高調波の振幅An、位相φnのうちの一方もしくは両方を決定して低次高調波電流基準発生回路7dに出力するように構成されている。
【0059】
プラント補機Aをトライアック16により位相制御する場合に、その位相が決まると、各プラント補機Aにおける補機電流は相関関係があるので、その高調波電流成分の値についてもあらかじめ位相に対応した関係を関数f(S2)あるいはテーブルデータTBL1として持つことができる。高調波演算手段17cはこれに基づいて振幅Anあるいは位相φnを演算するように構成されたものである。
【0060】
これによって、トライアック16を駆動するための位相が決まると、そのときプラント補機Aに流れる電流の高調波成分を打ち消すようにインバータ制御回路8bに制御信号を与えることができるようにしたものである。この結果、良質な交流出力を電源系統15側に供給することができるようになる。
【0061】
(第4の実施形態)
図8は本発明の第4の実施形態を示すもので、第3の実施形態と異なるところは、高調波演算手段17cに代えて、高調波演算手段17dを設ける構成としたところである。この構成においては、高調波演算手段17dは、プラント制御回路7aが基本波周波数基準回路7cに与える発電電力基準値S3が入力され、これに基づいて特定の低次高調波の振幅An、位相φnを演算するものである。演算は、前述同様にして設定された関数f(S3)、あるいはあらかじめ記憶されたテーブルデータTBL2をもとにして行なうように構成されている。したがって、このような第4の実施形態においても前述同様の作用効果を得ることができる。
【0062】
(第5の実施形態)
図9は本発明の第5の実施形態を示すもので、第2の実施形態と異なるところは、低次高調波基準信号発生手段17bに代えて補機電流パターン記憶手段17eを設ける構成としたところである。補機電流パターン記憶手段17eは、プラント補機Aの位相制御信号S2もしくは発電電力基準値S3のいずれかを入力信号とし、これらと相関関係がある補機電流の電流パターンをそのままデータとして記憶しておくことで、対応する補機電流パターンを低次高調波電流基準発生回路7dに出力するように構成されている。
【0063】
また、このように直接補機電流のパターンを記憶することから、高調波成分を合成する必要がなくなり、低次高調波基準信号発生手段17bは不要となり、電圧零クロス検出回路18の零クロス検出信号S8は、直接低次高調波電流基準発生回路7dに入力される。
【0064】
上記構成とすることにより、プラント補機A毎に異なる電流パターンを直接補機電流パターン記憶手段17eに記憶することで、高い精度で電源系統15側に供給する交流出力成分について高調波成分を除去した良質な交流出力を得ることができるようになる。
【0065】
(第6の実施形態)
図10は本発明の第6の実施形態を示すもので、第3の実施形態と異なるところは、低次高調波電流基準発生回路7dにおいて、前述した電源系統15の電圧信号S7を入力し、この電圧信号S7のレベルに応じて高調波演算手段17cから入力される低次高調波の振幅Anおよび位相指令値φnの値について補正を行なうようにした構成である。
【0066】
これは、第3の実施形態における構成が、電源系統15の電圧信号S7のレベルが変動しないか、ほとんど影響のない程度の変動を想定していたのに対して、電圧信号S7のレベルが変動することを想定した構成としたものである。すなわち、第3の実施形態においては、プラント補機Aの電流を予測してインバータ制御回路8bに与える信号S6は、電源系統15と同じ電圧レベルで使用したことを前提としてあらかじめ設定されたものであるから、電源系統15の電圧信号S7のレベルが変動したときには、不正確になる場合がある。このような場合に正確な制御をすることができるようにしたものである。
【0067】
したがって、第6の実施形態によれば、第3の実施形態における作用効果に加えて、電源系統15の変動が無視できない場合に、これに追随してインバータ8の交流出力をより良質なものとして供給することができるようになる。
【0068】
(第7の実施形態)
図11は本発明の第7の実施形態を示すもので、第1の実施形態と異なるところは、インバータ制御回路8bに与えるインバータ出力電流基準信号S6をプラント補機制御装置7において合成することで生成することに代えて、プラント補機Aの電流を検出する電流検出器19および反転手段としての電流位相反転回路20を設ける構成としたところである。
【0069】
電流検出器19は、プラント補機Aの通電経路に設けられる変流器19aからの検出信号に基づいて補機電流を検出するものである。また、電流位相反転回路20は、電流検出器19の検出信号の位相を反転させてインバータ制御回路8bに出力する。
【0070】
これにより、プラント補機Aに実際に流れる電流に対して、インバータ8に、プラント補機Aの電流を打ち消すように作用する交流出力を生成させるようにしたインバータ出力電流基準信号S6を得ることができる。
【0071】
(第8の実施形態)
図12は本発明の第8の実施形態を示すもので、第7の実施形態と異なるところは、補機電流値検出回路21を設ける構成としたところである。この構成においては、位相制御を行うプラント補機Aの電流の実効値もしくは基本波振幅を演算する補機電流検出回路21を設けることで、補機電流値により、発電電力指令値より得られる基本波正弦波振幅値に補正演算するようになっている。
【0072】
上記構成を採用することにより、補機電流について発電電力指令値に対応した制御を行うことができるので、プラント補機Aの電流を打ち消すようにした交流出力をインバータ8においてより精度良く生成することができ、これによって、良質な交流出力を電源系統15側に供給することができるようになる。
【0073】
本発明は、上記実施例にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張できる。
上記各実施形態においては、燃料ガスとして都市ガスを用いる場合について説明したが、これに限らず、例えば、LPG,メタノール,ナフサ,軽質油など、改質器により水素ガスを生成することができるものであれば良い。
【0074】
本実施形態においては、プラント補機制御回路7bとして、マイコンを主体としてソフトウェアにより実現するようにした構成について説明したが、実際にハードウェア的に回路構成を構築して同様の機能を達成する構成とすることもできる。
【0075】
【発明の効果】
本発明は以上の説明から明らかなように、本発明の燃料電池発電プラントは、インバータを制御するインバータ制御回路と燃料電池発電プラント補機を制御する補機制御装置とを一体に設ける構成とすることで、従来の別体の構成のものに比べてコンパクトに構成でき、省スペース化を図ることができ、また、このようにインバータ制御回路と補機制御装置とを一体に設けていることから、両者がそれぞれ制御動作を行なう場合の制御情報の授受を簡単に行なうことができるようになるので、これによって、互いに制御性を高めて効率の良い運転を行なうことができるようになる。
【0076】
また、本発明の燃料電池発電プラントは、燃料電池発電プラント補機を位相制御により運転する場合に発生する高調波成分のうちの大きな成分として占めている低次高調波電流についてこれと同等振幅で逆位相の低次高調波電流をインバータ制御回路によってインバータに発生させることができるので、補機を位相制御する場合でも燃料電池発電プラントの出力を高調波成分の少ない品質の良い電力供給を行なうことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す全体の概略的構成図
【図2】燃料電池発電プラントの配管系統を模式的に示す図
【図3】電気的なブロック構成図
【図4】プラント制御装置の機能ブロック図
【図5】本発明の第2の実施形態を示す図4相当図
【図6】各部の信号波形図
【図7】本発明の第3の実施形態を示す図4相当図
【図8】本発明の第4の実施形態を示す図4相当図
【図9】本発明の第5の実施形態を示す図4相当図
【図10】本発明の第6の実施形態を示す図4相当図
【図11】本発明の第7の実施形態を示す図3相当図
【図12】本発明の第8の実施形態を示す図3相当図
【符号の説明】
1は燃料電池発電プラント、1aは筐体、2は燃料電池本体、2aは空気極、2bは燃料極、2cは冷却板、3は改質器、4はポンプ、4aは給水ポンプ、4bは第1の循環ポンプ、4cは第2の循環ポンプ、5は空気ブロワ、6は熱交換器、7はプラント補機制御装置(調整手段)、7aはプラント制御回路、7bはトライアックゲート駆動回路、7cは基本波周波数基準回路、7dは低次高調波電流基準発生回路、7eは加算器、8はインバータ装置、8aはインバータ、8bはインバータ制御回路、9は貯湯槽、10,13は温度調節弁、11は水蒸気分離器、12は熱交換器、14は冷却装置、15は電源系統、16はトライアック、17aは基本波正弦波発生手段、17bは低次高調波基準信号発生手段、17c,17dは高調波演算手段、17eは補機電流パターン記憶手段、18は電圧零クロス検出回路、19は電流検出器、19aは変流器、20は電流位相反転回路、21は補機電流値検出回路である。
Claims (10)
- 燃料極と空気極とを備え燃料ガスと空気との電気化学反応によって電気エネルギーを生成する燃料電池本体と、
この燃料電池本体により発電された電力を所定の周波数及び位相の交流電力に変換して電源系統に連系運転を行なうインバータ装置及びその制御を行うインバータ制御回路と、
前記燃料電池本体の発電動作に関連して設けられた燃料電池発電プラント補機及びその制御を行う燃料電池発電プラント補機制御装置とを備え、
前記インバータ制御回路及び前記燃料電池発電プラント補機制御装置を一体に設ける構成としたことを特徴とする燃料電池発電プラント。 - 燃料極と空気極とを備え燃料ガスと空気との電気化学反応によって電気エネルギーを生成する燃料電池本体と、
この燃料電池本体により発電された電力を所定の周波数及び位相の交流電力に変換して電源系統に連系運転を行なうインバータ装置及びその制御を行うインバータ制御回路と、
前記燃料電池本体の発電動作に関連して設けられた燃料電池発電プラント補機及びその制御を行う燃料電池発電プラント補機制御装置と、
任意の位相及び振幅で低次高調波電流を発生する機能を備えると共に、前記燃料電池発電プラント補機の駆動において位相制御により発生する低次高調波電流と同等振幅で逆位相の低次高調波電流を打ち消す電流指令信号を生成して前記インバータ制御回路に出力する調整手段とを設けたことを特徴とする燃料電池発電プラント。 - 燃料極と空気極とを備え燃料ガスと空気との電気化学反応によって電気エネルギーを生成する燃料電池本体と、
この燃料電池本体により発電された電力を所定の周波数及び位相の交流電力に変換して電源系統に連系運転を行なうインバータ装置及びその制御を行うインバータ制御回路と、
このインバータ制御回路に一体に設けられ、前記燃料電池本体の発電動作に関連して設けられた燃料電池発電プラント補機及びその制御を行う燃料電池発電プラント補機制御装置と、
任意の位相及び振幅で低次高調波電流を発生する機能を備えると共に、前記燃料電池発電プラント補機の駆動において位相制御により発生する低次高調波電流と同等振幅で逆位相の低次高調波電流を前記インバータ装置に出力する調整手段とを設けたことを特徴とする燃料電池発電プラント。 - 請求項2または3に記載の燃料電池発電プラントにおいて、
電源系統の電圧信号から零クロス信号を生成する電圧零クロス検出回路と、
この電圧零クロス検出回路により得られる電圧零クロス信号に基づいて前記電源系統とほぼ同一周波数で所定位相の正弦波形を呈する基準信号を発生する基本正弦波発生手段と、
前記基本正弦波発生手段が生成する基準信号と発電電力指令値とに基づいて基本波電流基準信号を生成する基本波電流基準発生手段と、
前記電圧零クロス信号に基づいて二次以上の少なくとも1つの低次高調波基準信号を生成する低次高調波基準信号発生手段と、
前記低次高調波基準信号と低次高調波の振幅、位相指令値とに基づいて低次高調波の電流基準を発生する低次高調波電流基準発生手段と、
前記基本波電流基準信号および低次高調波電流基準信号を加算して実際のインバータ出力電流基準信号を生成するインバータ電流基準発生手段とを備えたことを特徴とする燃料電池発電プラント。 - 請求項4に記載の燃料電池発電プラントにおいて、
前記低次高調波電流基準発生手段は、燃料電池発電プラント補機制御装置の位相制御指令値を入力とし、所定の関数演算もしくはテーブルを参照することにより低次高調波の振幅及び位相の少なくとも一方を決定して出力するように構成されていることを特徴とする燃料電池発電プラント。 - 請求項4に記載の燃料電池発電プラントにおいて、
前記低次高調波電流基準発生手段は、発電電力基準値を入力とし、所定の関数演算もしくはテーブルを参照することにより低次高調波の振幅及び位相の少なくとも一方を決定して出力するように構成されていることを特徴とする燃料電池発電プラント。 - 請求項4に記載の燃料電池発電プラントにおいて、
前記低次高調波電流基準発生手段は、あらかじめ位相制御を行う前記燃料電池発電プラント補機の電流波形もしくは少なくとも基本波以外の低次高調波電流パターンを記憶する補機電流パターン記憶手段を備え、前記燃料電池発電プラント補機制御装置の位相制御指令値もしくは発電電力基準値を入力として、低次高調波基準信号として出力するように構成されていることを特徴とする燃料電池発電プラント。 - 請求項5ないし7のいずれかに記載の燃料電池発電プラントにおいて、
前記低次高調波電流基準発生手段は、前記連系している電源系統の電圧に基づいて前記低次高調波の出力電流基準の振幅,位相の少なくとも一方を補正するように構成されていることを特徴とする燃料電池発電プラント。 - 請求項1に記載の燃料電池発電プラントにおいて、
前記燃料電池発電プラント補機の電流を検出する電流検出器と、
この電流検出器により検出された補機電流を反転することにより生成した電流指令信号を前記インバータ制御回路に出力する反転手段とを備えたことを特徴とする燃料電池発電プラント。 - 請求項9に記載の燃料電池発電プラントにおいて、
前記補機電流検出器から出力される補機電流に基づいてその実効値もしくは基本波振幅を演算し基本波正弦波振幅値に補正演算する補機電流検出手段を設けたことを特徴とする燃料電池発電プラント。
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
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